JP2004103247A - 有機el表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】明暗のコントラストを向上させることができ、輝度を向上させることが可能となる有機EL表示装置を提供する。
【解決手段】陰極層14は、有機EL層13の側より金属膜14Mk と透明導電膜14Tm とが交互に積層された多層膜である。具体的には、陰極層14はAlからなる金属膜14M1 、ITOからなる透明導電膜14T2 、Nbからなる金属膜12M2 から構成されており、各有機EL素子10R, 10G, 10Bの発光領域の光に対して反射特性を有し、これら発光領域以外の可視波長領域の光に対しては吸収特性を有する。これにより、発光時の画素に係る素子では発光された光が陰極層14で効率よく反射されることから、白レベルが向上する。他方、非発光時の画素に係る素子では、外光が陰極層14に入射しても、陰極層14において吸収されるため、黒レベルが向上する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL材料からなる発光層を備えた有機EL表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、表示装置の分野では次世代のディスプレイが盛んに開発されており、省スペース、高輝度、低消費電力等が要望されている。これらの要望を実現することができるディスプレイとして、有機EL(Electro Luminescence) 表示装置が注目されている。この有機EL表示装置は、代表的なフラットパネルディスプレイの表示装置である液晶表示装置に比べて、自然発光性があり、応答性が高く、視野角依存性がない等の特徴を有している。
【0003】
このような有機EL表示装置は、有機EL素子が多数配列されて構成されており、各素子が一画素に対応している。有機EL素子は、透明基板上に、透明電極である陽極層、有機EL層および陰極層が順に積層された構成を有している。この有機EL素子では、陽極層および陰極層に所定の電圧を印加することにより、それぞれの電極層から注入された正孔および電子が有機EL層内で再結合し、このときのエネルギーの放出により発光現象が生じる。この発光現象は発光ダイオードと類似した注入発光であることから発光電圧が10V以下と低いことが特徴である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の有機EL素子を利用した有機EL表示装置では、非発光時の画素に係る素子において、外光が透明基板、陽極層および有機EL層を透過し、背面電極である陰極層にまで到達するが、このように陰極層まで到達した外光は、陰極層がアルミニウム(Al)からなる金属電極であることから、図5に示したように、この陰極層で反射されてしまい、そのため明暗のコントラストが低下するという問題があった。このようなコントラストの低下を抑制するために、透明基板の表面等に着色フィルタや、偏光フィルタ、1/4波長板等を設けたりする方法が提案されているが、これらの手法では、着色フィルタ等により透過率が下がるため、装置の画面輝度が低下してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、例えば、特許文献1では、黒色板を有機EL表示部以外に設置して、黒色板からの反射光を利用しているが、根本的な解決には至っていない。また、特許文献2では、Mg:Ag(18.5nm)/ITO(84nm)/Mg(50nm)の積層型陰極により黒レベルが向上されているものの、図6に示したように有機EL層で発光された光の反射自体も低下してしまうため、輝度が低下するという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−148045号公報
【0007】
【特許文献2】
国際公開第01/08240号公報
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、明暗のコントラストを向上させることができると共に、輝度を向上させることが可能となる有機EL表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による有機EL表示装置は、有機EL層を間にした陽極層および陰極層のうちの陰極層が、特定の波長領域の光に対して反射特性を有し、特定波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対しては吸収特性を有するものである。
【0010】
本発明による有機EL表示装置では、特定の波長領域の光(発光波長)は陰極層において反射される一方、特定波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光(外光)は反射層において吸収される。すなわち、発光時の画素に係る素子では有機EL層からの発光波長が陰極層において効率よく反射され輝度が向上すると共に、非発光時の画素に係る素子では外光が入射しても陰極層において吸収されるため反射がなくなり、その結果、明暗のコントラストが向上した表示が行われる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る有機EL表示装置10の概略を示す構成図である。有機EL表示装置10は、赤色光を発光する有機EL素子10R、緑色光を発光する有機EL素子10G、青色光を発光する有機EL素子10Bがマトリックス状に規則的に配列された構成を有し、各有機EL素子10R, 10G, 10Bが一つの画素に対応している。有機EL表示装置10は基板11を備えており、この基板11の上には陽極層12が形成されている。陽極層12の上には、有機EL層13が形成されている。有機EL層13の上には陰極層14が形成されており、この陰極層14はいわゆる帯域フィルタとしての機能を有している。これについての詳細は後述する。陰極層14の上には保護層15が形成されている。
【0013】
基板11は、例えばガラス材料からなる、厚さが1.1mmの透明基板である。この基板11としては良好な平坦性を有するのが好ましい。なお、基板11は、高分子材料からなるようにしてもよく、この高分子材料として、例えばポリエチレンテレフタレート(PET;Poly(Ethylene Terephthalate ))、ポリカーボネート(PC;PolyCarbonate )、ポリオレフィン(PO;PolyOlefin)、ポリエーテルスルホン(PES;PolyEter Sulphone )等が挙げられる。基板11にこのような高分子材料を用いることにより、基板が11が可撓性を有するようになる。
【0014】
陽極層12は、厚さが例えば150nmであり、有機EL層13に効率よく正孔が注入されるように真空準位からの仕事関数が大きく、有機EL層13からの発光が取り出させるよう透光性を有する材料からなるようにする。陽極材料としては、例えば酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide;ITO) 、酸化錫(SnO2 )、酸化亜鉛(ZnO)等が挙げられる。特に生産性および制御性の観点から、これらの材料のなかではITOが好ましい。
【0015】
有機EL層13は、例えば、陽極層12の側から順に正孔輸送層13A、発光層13Bおよび電子輸送層13Cが積層されたものである。有機EL層13の厚さは例えば150nmである。
【0016】
正孔輸送層13Aは、陽極層12から注入された正孔を発光層13Bまで輸送するために設けられる。正孔輸送層13Aの材料としては、例えば、ベンジン、スチリルアミン、トリフェニルアミン、ポルフィリン、トリアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキザゾール、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、あるいはこれらの誘導体、または、ポリシラン系化合物、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物あるいはアニリン系化合物等の複素環式共役系のモノマー,オリゴマーあるいはポリマーを用いることができる。具体的には、α−ナフチルフェニルジアミン、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリン、金属ナフタロシアニン、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)トリフェニルアミン、N,N,N,N−テトラキス(p−トリル)p−フェニレンジアミン、N,N,N,N−テトラフェニル4,4−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾール、4−ジ−p−トリルアミノスチルベン、ポリ(パラフェニレンビニレン)、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリ(2,2−チエニルピロール)等が挙げられる。
【0017】
発光層13Bは、陰極層14と陽極層12との間に電位差が生じると、陰極層14および陽極層12のそれぞれから電子および正孔が注入され、これら電子および正孔が再結合して発光する領域である。発光層13Bとして、有機EL素子10Rには例えば波長が620nmの赤色光を示す材料、有機EL素子10Gには波長が520nmの緑色光を示す材料、有機EL素子10Bには波長が460nmの青色光を示す材料が用いられている。これらの材料からなる発光層13Bをマトリックスパターン状に配列することによって、有機EL表示装置10はカラー表示が可能となる。
【0018】
このような発光層13Bは、発光効率が高い材料、例えば、低分子蛍光色素、蛍光性の高分子、金属錯体等の有機材料から構成されている。具体的には、例えば、アントラセン、ナフタリン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体ジトルイルビニルビフェニルが挙げられる。
【0019】
電子輸送層13Cは、陰極層14から注入される電子を発光層13Bに輸送するために設けられる。電子輸送層13Cの材料としては、例えば、キノリン、ペリレン、ビススチリル、ピラジン,またはこれらの誘導体が挙げられる。具体的には、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム,アントラセン、ナフタリン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン、またはこれらの誘導体が挙げられる。
【0020】
陰極層14は、有機EL層13の側より金属膜14Mk と透明導電膜14Tm とが交互に積層された多層膜である(但し、kは1〜nの正数、mは2〜nの正数である)。すなわち、金属膜14M1 , 透明導電膜14T2 , 金属膜14M2 , 透明導電膜14T,, 金属膜14M,・・・・, 透明導電膜14Tn , 金属膜14Mn が順次積層されたものである。
【0021】
金属膜14M1 は例えば厚さが10nm以上20nm以下であり、仕事関数が小さく有機EL層13に電子が効率よく注入され、透光性を有する金属材料からなる。このような金属材料として、アルミニウム、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、リチウム(Li)等が挙げられ、これらの金属は単体で用いてもよく、安定性を高めるために他の金属との合金として使用してもよい。特に、これら金属材料のなかでも、仕事関数が小さくてかつ反射率が高い材料であるAlを用いるのが好ましく、このAlにより陰極層14の反射率の上限が決定される。金属膜14Mk (但し、k≧2)は例えば厚さが5nm以上であり20nm以下であり、ニオブ(Nb)からなり、このNbにより陰極層14の反射率の下限が決定される。
【0022】
透明導電膜14Tm は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(SnO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、または、これら材料のうちの2種以上を含む混合物からなるようにする。特に、これら金属材料のなかでも生産性および制御性の観点からITOを用いるのが好ましい。この透明導電膜14Tm の厚さは500nm以上である。これは、透明導電膜14Tm の厚さが500nm以上である場合、可視光の平均吸収率がその平均反射率よりも大きくなるからである(図2)。また、この場合、透明導電膜14Tm が厚い程、反射率のピークが多く現われ、そのピークが鋭くなる。
【0023】
陰極層14の各膜厚は、各有機EL素子10R, 10G, 10Bの発光波長の領域の光、すなわち赤色、緑色および青色の各色の波長領域の光に対して、例えば反射率が60%以上という高い反射特性を有すると共に、これら波長領域以外の可視波長域の光に対しては、例えば平均吸収率が40%以上という高い吸収特性を有するように設計されている。ここで、陰極層14の各膜厚は、その各膜の厚さをd、その各膜の屈折率をn、この多層膜に入射する入射光の波長をλとすると、各膜の光学的厚さndが入射光の波長λに対して数1に示した式を満足するようになっている。
【0024】
【数1】
nd=λ(α±1/4)(但し、αは自然数である)
【0025】
例えば、金属膜14M1 にはAl、透明導電膜14T2 にはITO、金属膜12M2 にはNbが用いられ、合計層数が計3層とされ、図3に示したような光学特性を有するように設計されている。すなわち、各有機EL素子10R, 10G, 10Bの発光波長の領域の光、すなわち波長が620nmの赤色光、波長が520nmの緑色光、および波長が460nmの青色光の各色の光に対して、陰極層14が高い反射率、例えば70.9%、71.3%、68.8%の反射率を有し、これらの光以外の可視波長領域の光に対しては高い吸収率、例えば平均吸収率が44%以上という吸収率を有し、また全波長領域の光に対して例えば5〜10%の透過率を有するように設計されている。このように設計したことにより、金属膜14M1 の厚さが10nm、透明導電膜14T2 の厚さが898nm、金属膜14M2 の厚さが5nmとなっている。
【0026】
保護層15は、有機EL素子の駆動の信頼性を確保し、また、素子の劣化を防止するために、素子を封止し、酸素や水分を遮断する機能を有する。保護層15は、例えば厚さが1000nmである。保護層15の材料としては、気密性を保つことが可能なものであり、例えば酸化シリコン(SiO2 )、窒化シリコン(SiNx )、酸化アルミニウム(Al2 3 )、窒化アルミニウム(AlN)等が挙げられる。
【0027】
この有機EL表示装置10は、例えば以下のようにして製造することができる。
【0028】
まず、基板11を用意する。この基板11の上に、例えば反応性DCスパッタリング法を用いて、ITOからなる陽極層12を成膜する。次に、レジストを用いたリソグラフィ法によって陽極層12を所定のパターンとする。続いて、陽極層12の上に、メタルマスクを用いて真空蒸着法によって、所定のパターンを有する正孔輸送層13A、発光層13Bおよび電子輸送層13Cを順次成膜することにより、有機EL層13を形成する。このとき、発光層13Bとして、有機EL素子10Rの形成領域には例えば波長が620nmの赤色光を示す材料、有機EL素子10Gの形成領域には波長が520nmの緑色光を示す材料、有機EL素子10Bの形成領域には波長が460nmの青色光を示す材料を用い、これらの材料を選択的に形成する。
【0029】
次いで、有機EL層13の上に、メタルマスクを用いた真空蒸着法によって陰極層14を形成する。この陰極層14は、有機EL層13の側より金属膜14Mk と透明導電膜14Tm とを交互に積層した多層膜とする。陰極層14の各膜厚は、各有機EL素子10R, 10G, 10Bの発光波長の領域の光に対して、例えば反射率が60%以上という高い反射特性を有すると共に、これら波長領域以外の可視波長域の光に対しては、例えば平均吸収率が40%以上という高い吸収特性を有するように設計する。
【0030】
具体的には、Alからなる金属膜14M1 、ITOからなる透明導電膜14T2 、Nbからなる金属膜14M2 の3層構造とし、各膜の厚さを10nm、898nm、5nmとする。これにより、図3に示したように、波長が620nmの赤色光、波長が520nmの緑色光、および波長が460nmの青色光の各色の光に対して、陰極層14が高い反射率、例えば70.9%、71.3%、68.8%の反射率を有し、これらの光以外の可視波長領域の光に対しては高い吸収率、例えば平均吸収率が44%以上という吸収率を有し、また全波長領域の光に対して例えば5〜10%の透過率を有する。最後に、反応性DCスパッタリング法によって、窒化シリコンからなる保護層15を形成することにより有機EL表示装置10が完成する。
【0031】
本実施の形態の有機EL表示装置10では、選択された素子の陽極層12および陰極層14のそれぞれに駆動回路(図示せず)から正負の電圧が印加されると、両極間に生じる電界により正孔と電子とが有機EL層13内の発光層13Bに注入され、再結合が起こり、いわゆる電界発光が生じる。このような発光層13Bでの発光は、基板11側から取り出される。
【0032】
このとき、陰極層14では、有機EL層13と接する金属膜14M1 として真空準位からの仕事関数が小さなAlが用いられているので、有機EL層13に電子が効率よく注入され、発光効率が向上する。
【0033】
また、ここで従来のように陰極層としてAlのみからなる単層電極を用いた場合、外光が基板11側から入射すると、図5に示したように、陰極層において外光の反射が生じるため、コントラストが悪くなってしまう。これに対して本実施の形態では、Alからなる金属膜14M1 、ITOからなる透明導電膜14T2 、Nbからなる金属膜14M2 の3層構造としたので、図3に示したように、陰極層14は各有機EL素子10R, 10G, 10Bの発光波長の領域の光に対して高反射特性を有し、これらの波長領域以外の可視波長領域の光に対しては高吸収特性を有する。これにより、発光時の画素に係る有機EL素子ではその発光を陰極層14で効率よく反射させることができ、白レベルを向上させることが可能となる。また、非発光時の画素に係る有機EL素子では、外光が基板11の裏面から陰極層14に入射しても、陰極層14において吸収され、外光の反射が抑制されるので黒レベルを向上させることが可能となる。従って、明暗のコントラストを向上させることができると共に、輝度を向上させることが可能となる。
【0034】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、図4に示した有機EL表示装置20のように、各有機EL素子20R, 20G, 20Bにおいて、陰極層21として、金属膜14Mk (但し、kは1〜n)と透明導電膜14Tm (但し、mは2〜n)とを交互に積層し、金属膜14Mn の上に、例えばAlからなる金属膜14Mn+1 を形成するようにしてもよい。これにより可視波長領域の光の平均透過率を小さくし、黒レベルを維持したままで、赤色光、緑色光および青色光の反射率を大きくすることができる。また、有機EL層13と陰極層14との間に、例えば厚さが0.1〜0.3nmである、酸化リチウム(LiO)からなる発光補助層を成膜するようにしてもよい。この発光補助層により、発光開始電圧を下げることが可能となる。
【0035】
更に、上記実施の形態では、陰極層14が赤色、緑色、青色の三原色の波長領域の光に対して高い反射特性を有するようにしたが、この波長領域は有機EL素子の発光波長に応じて適宜変更可能である。例えば、陰極層14がこれら三原色のうちの少なくとも1つの波長領域の光に対して高い反射特性を有するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の有機EL表示装置によれば、陰極層が、特定の波長領域の光に対して反射特性を有し、特定波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対しては吸収特性を有するようにしたので、発光時の画素に係る素子では特定波長領域の光を陰極層で効率よく反射させることができ、これにより白レベルを向上させることが可能となる。また、非発光時の画素に係る素子では、外光が陰極層に入射しても、陰極層において吸収されるので黒レベルを向上させることが可能となる。従って、明暗のコントラストを向上させることができ、輝度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る有機EL表示装置の構成図である。
【図2】図1に示した有機EL表示装置の陰極層の光学特性における透明導電膜の膜厚依存性を表したものである。
【図3】図1に示した有機EL表示装置の陰極層の光学特性を表したものである。
【図4】有機EL表示装置の変形例である。
【図5】従来の有機EL表示装置の陰極層の光学特性を表したものである。
【図6】従来の有機EL表示装置の陰極層の光学特性を表したものである。
【符号の説明】
10・・・ 有機EL表示装置、10R, 10G, 10B・・・ 有機EL素子、11・・・ 基板、12・・・ 陽極層、13…有機EL層、13A・・・ 正孔輸送層、13B・・・ 発光層、13C・・・ 電子輸送層、14…陰極層

Claims (8)

  1. 特定の波長領域の光を発光する有機EL層を間にして陽極層と陰極層とを備えた有機EL表示装置であって、
    前記陰極層は、前記特定の波長領域の光に対して反射特性を有し、前記特定波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対しては吸収特性を有する
    ことを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 前記陰極層は、前記特定の波長領域の光に対する反射率が60%以上であり、前記特定波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対する吸収率が40%以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置。
  3. 前記陰極層は、金属膜と透明導電膜とが交互に積層された構成を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置。
  4. 前記金属膜がニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)または銀(Ag)からなる
    ことを特徴とする請求項3記載の有機EL表示装置。
  5. 前記透明導電膜が、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(SnO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、またはこれら材料のうちの2種以上を含む混合物からなる
    ことを特徴とする請求項3記載の有機EL表示装置。
  6. 前記透明導電膜の厚さは500nm以上である
    ことを特徴とする請求項5記載の有機EL表示装置。
  7. 前記陰極層は、アルミニウム(Al)からなる第1金属膜、酸化インジウム錫(ITO)からなる透明導電膜、ニオブ(Nb)からなる第2金属膜が順に積層されたものであり、前記第1金属膜が前記基板に接している
    ことを特徴とする請求項3記載の有機EL表示装置。
  8. 前記特定の波長領域は、赤色光、緑色光および青色光の各波長領域を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置。
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