JP4644938B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機化合物を構成要素に含む有機電界発光素子に係り、特に極薄型の有機EL(Electroluminescence )ディスプレイ装置に用いて好適な有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表示装置(ディスプレイ)としては、据え置き型のブラウン管すなわちCRT(Cathode Ray Tube)装置や、携帯用や薄型化の要求を満たすためのフラットパネルディスプレイがある。ブラウン管は輝度が高く、色再現性が良いために現在多用されているが、占有容量が大きい、重い、消費電力が大きい等の問題点が指摘されている。一方、フラットパネルディスプレイは、軽量であり、ブラウン管よりも発光効率に優れており、コンピュータやテレビジョンの画面表示用として期待されている。現在、フラットパネルディスプレイでは、アクティブマトリクス駆動方式の液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)が商品化されている。このLCDは、自ら発光せずに外部よりの光(バックライト)を受けて表示するタイプのディスプレイであり、視野角が狭い、自発光型ではないために周囲が暗い環境下ではバックライトの消費電力が大きい、今後実用化が期待されている高精細度の高速のビデオ信号に対して十分な応答性能を備えていない等の問題点が指摘されている。
【0003】
このような種々の問題点を解決する可能性のあるディスプレイとして、近年、電流が注入されることにより発光する有機発光材料を用いた有機ELディスプレイが注目されている。この有機ELディスプレイは、バックライトが不要である自発光型であり、自発光型に特有の視野角の広いディスプレイが実現できるという利点を有する。また、必要な画素のみを点灯させればよいために更なる消費電力の低減を図ることが可能であると共に、上述の高精細度の高速のビデオ信号に対して十分な応答性能を備えていると考えられている。
【0004】
有機ELディスプレイは以上のような利点を有することから、従来は液晶ディスプレイが主流であったフラットパネルディスプレイ用途への開発が進められてきている。近年では、発光材料などの進歩により、有機EL素子は高効率化、長寿命化が達成されつつあり、ディスプレイとしての実用化が目されている。
【0005】
有機ELディスプレイを構成する素子としては、透明基板上に透明導電膜よりなる短冊状の電極層(陽極)が形成されており、この透明電極層と交差するように有機電界発光層および金属薄膜よりなる短冊状の電極層(陰極)が形成され、透明電極層と金属電極層とで有機電界発光層を挟んだ構造を有する有機電界発光素子が知られている。この有機電界発光素子では、透明電極層と金属電極層とがマトリクス構造を形成しており、選択された透明電極層と金属電極層との間に電圧を印加して有機電界発光層に電流を流すことによって、画素を発光させる。発生した光は、透明電極層側から外部に取り出される。
【0006】
さらに、このマトリクス構造において、赤色光を発生可能な有機電界発光層を有する赤色(R)発光素子部,緑色光を発生可能な有機電界発光層を有する緑色(G)発光素子部および青色光を発生可能な有機電界発光層を有する青色(B)発光素子部を順に繰り返し設けることにより、フルカラー表示またはマルチカラー表示可能な有機電界発光素子も開発されている(例えば特開平11−204258号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
有機電界発光素子は電流駆動型の素子であるので、高輝度を得るためには電流密度を大きくしなければならない。しかし、電流密度が大きくなるほど消費電力が大きくなり、輝度の低下速度が著しくなるという問題があった。この原因としては、電界発光の量子効率が小さいことの他に、(1)有機電界発光層内で発生・放射される光を有効に外部に取り出していないこと、すなわち光の取り出し効率が低いこと、および(2)消費電力が大きくなることによって、有機電界発光層内の温度が上昇し、酸素との化学反応が促進されるので、有機電界発光層を構成している薄膜が分解・劣化すること、が考えられる。
【0008】
特に、光の取り出し効率が低いことの原因としては、金属電極層としてアルミニウム(Al)等の金属を用いた場合、有機電界発光層で発生した光のうち10%程度が金属電極層によって吸収され、その分反射率が減ってしまうことが挙げられる。図5から分かるように、従来のアルミニウムからなる厚さ150nmの金属電極層を用いた有機電界発光素子においては、赤色(620nm)、緑色(520nm)および青色(460nm)の各波長領域における金属電極層の反射率は約87〜88%、吸収率は約11〜13%である。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、光の取り出し効率が高く、低消費電力で高輝度を得ることが可能な有機電界発光素子を提供することにある。
【0010】
本発明による有機電界発光素子は、透明基板と、この透明基板上に形成された透明の第1の電極層と、この第1の電極層の透明基板と反対側の面に形成された赤、緑および青の3色に対応する有機電界発光層と、可視光を透過する導電性材料からなり有機電界発光層に隣接する位置に設けられた導電層と、導電層の上に設けられた低屈折率層と高屈折率層との組み合わせからなる少なくとも一層の積層膜とを含む第2の電極層とを備え、第2の電極層は、有機電界発光層の第1の電極層と反対側の面に3色に対応する有機電界発光層に共通して形成され、有機電界発光層において発生した光を透明基板側に反射すると共に、その反射率が、有機電界発光層が発生する3色の光の各波長に対応して90%以上のピーク値を有するものである。
【0011】
第2の電極層は、具体的には、可視光を透過する導電性材料からなり有機電界発光層に隣接する位置に設けられた導電層と、低屈折率層と高屈折率層との組み合わせからなり導電層の上に設けられた少なくとも一層の積層膜とを含むものである。また、導電層は、可視光域で透過率が70%以上、かつ比抵抗が1×10-3Ωcm以下であることが好ましく、具体的には、酸化インジウムスズ(ITO;Indium Tin Oxide),酸化亜鉛(ZnO),酸化スズ(SnO2 ),および亜鉛がドープされたインジウム酸化物(InZnO)からなる群から選ばれた材料からなる薄膜である。また、低屈折率層は、二酸化シリコン(SiO2 )およびフッ化マグネシウム(MgF2 )からなる群から選ばれた材料からなる薄膜、高屈折率層は、酸化ニオブ(V)(Nb2 5 ),酸化チタン(II)(TiO2 )および酸化タンタル(V)(Ta2 5 )からなる群から選ばれた材料からなる薄膜であることが望ましい。
【0012】
本発明による有機電界発光素子では、第2の電極層が90%以上と反射率が高く(吸収率が低く)なるように構成されているので、有機電界発光層内で発生・放射される光を基板側から外部に有効に取り出すことができ、光の取り出し効率が高くなり、高輝度を得ることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1(A),(B)は、本発明の一実施の形態に係る有機電界発光素子の断面構造を表すものである。なお、図1(B)は図1(A)のB−B線に沿った断面構造を示している。この有機電界発光素子10は、赤色光を発生することができる赤色発光素子部10R、緑色光を発生することができる緑色発光素子部10Gおよび青色光を発生することができる青色発光素子部10Bを備えており、フルカラー表示可能となっている。赤色発光素子部10R、緑色発光素子部10Gおよび青色発光素子部10Bは、共通の透明な基板、例えば本実施の形態においてはガラス基板1上に、順に繰り返し配列されている。
【0015】
赤色発光素子部10Rは、ガラス基板1上に、透明電極層(陽極)2、絶縁層3、正孔輸送層41、正孔輸送性発光層42、電子輸送性の赤色発光層44、電子輸送層43、バッファ層5および高反射電極層(陰極)6を順に積層して構成されている。
【0016】
透明電極層2は、光をガラス基板1側から取り出すことができるように透明な材料から構成されており、本実施の形態においては例えば酸化インジウムスズ(ITO;Indium Tin Oxide)を用いている。絶縁層3は、例えば二酸化ケイ素(SiO2 )から構成されている。
【0017】
正孔輸送層41は、例えば4,4',4"-tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine (m−MTDATA)から構成されている。正孔輸送性発光層42は、例えば、4,4'-bis[N-(1-naphtyl)-N-phenylamino]biphenyl)(α−NPD)を用いている。電子輸送性赤色発光層44は、例えばBSB−BCNから構成されている。電子輸送層43は、例えば、tris(8-hydroxyquinoline)aluminum(Alq3 )から構成されている。
【0018】
緑色発光素子部10Gは、ガラス基板1上に、透明電極層(陽極)2、絶縁層3、正孔輸送層41、正孔輸送性発光層42、緑色発光用の電子輸送層43、バッファ層5および高反射電極層(陰極)6を順に積層して構成されている。
【0019】
青色発光素子部10Bは、ガラス基板1上に、透明電極層(陽極)2、絶縁層3、青色発光用の正孔輸送層41、正孔輸送性発光層42、正孔ブロック層45、電子輸送層43、バッファ層5および高反射電極層(陰極)6を順に積層して構成されたものである。正孔ブロック層45は、透明電極層2から注入された正孔が電子輸送層43へ移動するのを抑制して、青色発光用の正孔輸送層41および正孔輸送性発光層42内における発光を促進するためのものである。正孔ブロック層45は、例えば2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline (バソクプロイン)から構成されている。
【0020】
本実施の形態においては、電子輸送層43の上に、バッファ層5を間にして、陰極としての高反射電極層6が形成されている。なお、バッファ層5は、素子の駆動電圧の低下と発光の量子効率との改善のためのものであり、本実施の形態においては、例えば酸化リチウム(Li2 O)から構成されている。
【0021】
高反射電極層6は、図2に示したように、複数の(例えば21層の)薄膜を積層した構造となっている。すなわち、例えばITOからなる高導電層601の上に、低屈折率層602、高屈折率層603、低屈折率層604、高屈折率層605、低屈折率層606、高屈折率層607、低屈折率層608、高屈折率層609、低屈折率層610、高屈折率層611、低屈折率層612、高屈折率層613、低屈折率層614、高屈折率層615、低屈折率層616、高屈折率層617、低屈折率層618、高屈折率層619、低屈折率層620、高屈折率層621が順に積層されている。低屈折率層602,604,608,610,612,614,616,618,620は、屈折率の低い材料から構成されており、本実施の形態においては例えば二酸化シリコン(SiO2 )を用いている。高屈折率層603,605,607,609,611,613,615,617,619,621は、屈折率の高い材料からなり、本実施の形態においては例えば酸化ニオブ(V)(Nb2 5 )を用いている。
【0022】
なお、低屈折率層602,604,608,610,612,614,616,618,620は、二酸化シリコン以外に、フッ化マグネシウム(MgF2 )のような屈折率の低い材料から構成されていてもよい。さらに、高屈折率層603,605,607,609,611,613,615,617,619,621は、酸化ニオブ(V)の代わりに、酸化チタン(II)(TiO2 )または酸化タンタル(V)(Ta2 5 )のような屈折率の高い材料を用いることができる。
【0023】
高導電層601の材料としては、ITOの他、酸化亜鉛(ZnO),酸化スズ(SnO2 )または亜鉛をドープしたインジウム酸化物(InZnO)等を用いることができる。この場合、高導電層601の材料は、可視光域で透過率70%以上、比抵抗1×10-3Ωcm以下であることが望ましい。
【0024】
高反射電極層6は、上記のような薄膜の積層構造によって、可視光域の光の反射率が高く、吸収率が低くなるように構成されている。具体的には、後述の特性図(図4)の説明からも明らかなように、反射率は96%以上であり、また吸収率は1%以下である。
【0025】
特に、この高反射電極層6では、その反射率が、赤色発光層44、正孔輸送性発光層42および青色発光用の正孔輸送層41がそれぞれ発生する赤色光(620nm)、緑色光(520nm)および青色光(460nm)の波長において高くなる。一方、この高反射電極層6の吸収率は、これら赤色光、緑色光および青色光の各波長において低くなっている。このため、赤色発光層44、正孔輸送性発光層42および青色発光用の正孔輸送層41がそれぞれ発生する赤色光、緑色光および青色光を効率的に取り出すことができ、光の取り出し効率が向上する。したがって、低消費電力で高輝度を得ることができる有機電界発光素子10を作製することが可能となる。
【0026】
また、高反射電極層6は、高いガスバリア性を有するので、正孔輸送層41、正孔輸送性発光層42、電子輸送層43、赤色発光層44、正孔ブロック層45などの有機薄膜の酸化・分解を抑制することができる。
【0027】
本実施の形態において、ガラス基板1は本発明における「基板」の一具体例に対応している。透明電極層2および高反射電極層6は、それぞれ、本発明における「第1の電極層」,「第2の電極層」の一具体例に対応している。また、正孔輸送層41、発光層42、電子輸送層43,44、正孔ブロック層45は、本発明における「有機電界発光層」の一具体例に対応している。
【0028】
このような構成を有する有機電界発光素子10は、以下のようにして製造することができる。
【0029】
まず、ガラス基板1上に、ITOからなる透明電極層2を例えばスパッタリング法または真空蒸着法により形成する。次いで、例えば真空蒸着法により、赤色発光素子部10Rにおいては、正孔輸送層41、正孔輸送性発光層42、電子輸送性の赤色発光層44および電子輸送層43を、また、緑色発光素子部10Gにおいては正孔輸送層41、正孔輸送性発光層42および電子輸送層43を、さらに、青色発光素子部10Bにおいては、正孔輸送層41、正孔輸送性発光層42、正孔ブロック層45および電子輸送層43を積層させる。
【0030】
さらに、各色発光素子部10R,10G,10Bの上に、真空蒸着法により、バッファ層5を形成する。引き続き、例えば真空蒸着法により高反射電極層6の高導電層601から高屈折率層621までの計21層の薄膜を順次積層させることによって、図1に示した有機電界発光素子10が完成する。
【0031】
この有機電界発光素子10では、透明電極層2と高反射電極層6との間に所定の電圧が印加されることにより、透明電極層3および高反射電極層6からそれぞれ正孔および電子が注入される。
【0032】
これら正孔および電子は、赤色発光素子部10Rにおいては、正孔輸送層41および正孔輸送性発光層42、ならびに電子輸送層43を介して電子輸送性の赤色発光層44に輸送され、これらが再結合することにより赤色発光が起こり、緑色発光素子部10Gにおいては、正孔輸送層41および電子輸送層43を介して正孔輸送性発光層42に輸送され、これらが再結合することにより緑色発光が起こり、また、青色発光素子部10Bにおいては、正孔輸送性発光層42と電子輸送層43との間に正孔ブロック層45が設けられているので、青色発光用の正孔輸送層41および正孔輸送性発光層42内において再結合し、これにより青色発光が起こる。このようにして、赤色(R),緑色(G)および青色(B)の三原色の光が、ガラス基板1の主面に対して垂直な方向に取り出され、カラー表示が行われる。
【0033】
このように、本実施の形態においては、従来のアルミニウム等からなる金属電極層の代わりに、電極として、高導電層601、低屈折率層602、…、高屈折率層621を順に積層した構造の高反射電極層6を設け、電極の反射率が高く吸収率が低くなるようにしたので、赤色発光層44、正孔輸送性発光層42および青色発光用の正孔輸送層41がそれぞれ発生する赤色光、緑色光および青色光を効率的に取り出すことができ、光の取り出し効率が向上する。したがって、低消費電力で高輝度を得ることができる有機電界発光素子10を作製することが可能となる。
【0034】
また、高反射電極層6は、高いガスバリア性を有するので、正孔輸送層41、正孔輸送性発光層42、電子輸送層43、赤色発光層44、正孔ブロック層45などの有機薄膜の酸化・分解を抑制することができる。
【0035】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0036】
図1に示した構成の有機電界発光素子10を作製し、発生した赤色光、緑色光および青色光の波長および強度を測定した。その結果を図3に示す。赤色光、緑色光および青色光の波長はそれぞれ、620nm,520nm,および460nmを中心に分布している。
【0037】
図4は、表1に示した材料および膜厚で高反射電極層6を作製し、その可視光域における反射率および吸収率を測定した結果を表すものである。この図から、高反射電極層6の反射率は約95%、吸収率はほぼ0となっていることが分かる。特に、この高反射電極層6は、620nm,520nm,および460nmの各波長域において反射率が高く吸収率が低くなっていることも明らかである。すなわち、高反射電極層6の反射率が高く吸収率が低くなる波長が、有機電界発光素子10が発生する光の波長と一致している。
【0038】
【表1】
Figure 0004644938
【0039】
このように、高反射電極層6は反射率が高く吸収率がほぼ0と低いので、有機電界発光素子10から発生した光をガラス基板1側から効率的に取り出すことができ、光の取り出し効率が向上する。
【0040】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、高反射電極層6が高導電層601から高屈折率層621までの計21層を含むようにしたが、高反射電極層6の構成をより簡略化するようにしてもよい。具体的には、低屈折率層および高屈折率層の組の数を減らすことにより膜厚を薄くすることができる。これにより、吸収率は上がるが、構造が単純になるので、高反射電極層6の作製時間を短縮することが可能になる。一方、高反射電極層6の層数を多くすることにより、更に反射率を向上させることも可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の有機電界発光素子によれば、第2の電極層を、反射率が高くなるように構成したので、有機電界発光層で発生した光を効率的に取り出すことができ、光の取り出し効率が向上する。したがって、低消費電力で高輝度の表示装置を実現することができる。また、第2の電極層を高いガスバリア性を有するものとすることにより、有機電界発光層の酸化・分解を防止し、有機電界発光素子の性能の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る有機電界発光素子の概略構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した高反射電極層の概略構成を表す断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る有機電界発光素子から発生する光の波長および強度を表す図である。
【図4】本発明の実施例に係る高反射電極層の反射率および吸収率を表す図である。
【図5】従来の有機電界発光素子の金属電極層の反射率および吸収率を表す図である。
【符号の説明】
10…有機電界発光素子、10R…赤色発光素子部、10G…緑色発光素子部、10B…青色発光素子部、1…ガラス基板、2…透明電極層、3…絶縁層、5…バッファ層、6…高反射電極層、41…正孔輸送層、42…正孔輸送性発光層、43…電子輸送層、44…赤色発光層、45…正孔ブロック層、601…高導電層、602,〜,621…高屈折率層

Claims (3)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板上に形成された透明の第1の電極層と、
    前記第1の電極層の前記透明基板と反対側の面に形成された赤、緑および青の3色に対応する有機電界発光層と、
    可視光を透過する導電性材料からなり前記有機電界発光層に隣接する位置に設けられた導電層と、前記導電層の上に設けられた低屈折率層と高屈折率層との組み合わせからなる少なくとも一層の積層膜とを含む第2の電極層とを備え、
    前記第2の電極層は、前記有機電界発光層の前記第1の電極層と反対側の面に前記3色に対応する有機電界発光層に共通して形成され、前記有機電界発光層において発生した光を前記透明基板側に反射すると共に、その反射率が、前記有機電界発光層が発生する前記3色の光の各波長に対応して90%以上のピーク値を有する
    有機電界発光素子。
  2. 前記導電層は、
    可視光域で透過率が70%以上、かつ比抵抗が1×10-3Ωcm以下である
    請求項1記載の有機電界発光素子。
  3. 前記導電層は、
    酸化インジウムスズ(ITO;Indium Tin Oxide),酸化亜鉛(ZnO),酸化スズ(SnO2 ),および亜鉛がドープされたインジウム酸化物(InZnO)からなる群から選ばれた材料からなる薄膜であり、かつ、
    前記低屈折率層は、
    二酸化シリコン(SiO2 )およびフッ化マグネシウム(MgF2 )からなる群から選
    ばれた材料からなる薄膜、また、
    前記高屈折率層は、酸化ニオブ(V)(Nb2 5 ),酸化チタン(II)(TiO2
    および酸化タンタル(V)(Ta2 5 )からなる群から選ばれた材料からなる薄膜である
    請求項1記載の有機電界発光素子。
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