JP2010013885A - 砂杭造成工法及び砂杭造成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設構造物の直下や直近など砂杭材料供給手段が稼動するスペースを確保できない狭い砂杭造成区域であっても砂杭の造成をすることができ、施工設備が小規模でよく、塑性化までの時間を制御できる施工性の高い砂杭造成工法及び砂杭造成装置を提供すること。
【解決手段】遅効性塑性化剤を含有する砂杭材料流動化物を、流動状態を保持したまま地盤中に圧入し、地盤中で塑性化させて砂杭を得る砂杭造成工法。
【選択図】図2

Description

本発明は、特に既設構造物の直下直近など狭いスペースにおいても施工可能な砂杭造成工法及び砂杭造成装置に関するものである。
締固め砂杭造成工法は、特公昭62−25808号公報などに開示されているように、中空管を地盤中の設計深度まで貫入した後、地表まで引き抜く過程で、前記中空管を所定高さ引き抜き管内に投入された砂等を排出する引き抜き工程と、前記中空管を再び貫入して排出砂等を締固める再貫入工程とを繰り返して行うことにより、所定の強度に締固めた砂杭を造成し、地盤を改良するものである。
締固め砂杭造成工法には、例えばラックとピニオンを使用した強制昇降装置による回転圧入施工により、中空管の貫入及び引き抜きを行う静的締固め砂杭工法(例えば特開平08−284146号公報)、振動する中空管を使用し、貫入、引き抜き及び打ち戻しを繰り返す打ち戻し式サンドコンパクション工法などがある。
いずれの工法も地表に起立又は傾斜させた地中貫入用中空管に砂杭材料を投入するため、砂杭造成区域にはタイヤショベルなどの砂杭材料供給手段が稼動するスペースが必要であった。
特公昭62−25808号公報
しかしながら、既設構造物の直下又は直近が砂杭造成区域となる場合、タイヤショベルなどの砂杭材料供給手段が稼動するスペースを確保できず、従来の砂杭造成工法を適用することができないという問題があった。これを解決するものとして、特願2007−128797(先願)には地盤改良に用いる砂杭材料に流動化剤を加え、流動化させた地盤改良材を地盤中に圧入する過程で、塑性化剤を加え、塑性化した地盤改良材で砂杭を造成する砂杭造成工法が開示されている。しかしながら、この先願は即効性の塑性化剤を使用するため、砂杭材料流動化物と塑性化剤が別々に送られて混合されるため、混合状態が不均一になり易く、また、原料供給手段が2系統必要であるため、設備費用や設備規模が大きくなるという問題があった。
従って、本発明の目的は、既設構造物の直下や直近など砂杭材料供給手段が稼動するスペースを確保できない狭い砂杭造成区域であっても砂杭の造成をすることができ、施工設備が小規模でよく、塑性化までの時間を制御できる施工性の高い砂杭造成工法及び砂杭造成装置を提供することにある。
かかる実情において、本発明者等は鋭意検討を行った結果、遅効性塑性化剤を含有する砂杭材料流動化物を、流動状態を保持したまま地盤中に圧入し、地盤中で塑性化させて砂杭を得る工程を行えば、既設構造物の直下又は直近など砂杭材料供給手段が稼動するスペースを確保できない狭い砂杭造成区域であっても砂杭の造成をすることができること、砂杭材料と遅効性塑性化剤は均一に混合できるため原料供給手段は1系統で足りること、塑性化時間を予め知った上で施工するため施工性が高まることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、遅効性塑性化剤を含有する砂杭材料流動化物を、流動状態を保持したまま地盤中に圧入し、地盤中で塑性化させることを特徴とする砂杭造成工法を提供するものである。
また、本発明は、中空管を地盤中の設計深度まで貫入した後、該中空管を通して遅効性塑性化剤を含有する砂杭材料流動化物を地表から地中に圧入し、地中に該砂杭材料流動化物を残置し、この未塑性化の残置物の上に、次ぎの砂杭材料流動化物を圧入し、これを繰り返して行うことにより、所定長の砂杭を造成することを特徴とする砂杭造成工法を提供するものである。
また、本発明は、遅効性塑性化剤を含有する砂杭材料流動化物製造プラントと、砂杭材料流動化物圧送用の中空管と、該砂杭材料流動化プラントで製造された該砂杭材料流動化物を該中空管に送る圧送ポンプと、該圧送ポンプと該中空管とを接続する流動化物供給配管と、を備えることを特徴とする砂杭造成装置を提供するものである。
本発明の砂杭造成工法及び砂杭造成装置であれば、既設構造物の直下又は直近など砂杭材料供給手段が稼動するスペースを確保できない狭い砂杭造成区域であっても砂杭の造成をすることができる。また、遅効性塑性化剤の種類や配合量を適宜選択すれば、塑性化時間を制御でき施工性が高まる。また、砂杭材料と遅効性塑性化剤は砂杭材料流動化物製造プラントで均一に混合できるため原料供給設備は1系統で足り、設備規模を小規模化できる。
次ぎに、本発明の実施の形態における砂杭造成工法及び砂杭造成装置の一例を図1〜図3を参照して説明する。図1は砂杭造成装置の概略図、図2は砂杭造成工法の説明図、図3は砂杭造成作用の説明図である。
砂杭造成装置50は、砂杭材料流動化プラント10と、砂杭材料流動化物圧送用の中空管23と、砂杭材料流動化プラント10で製造された砂杭材料流動化物を中空管23に送る圧送ポンプ4と、圧送ポンプ4と中空管23とを接続する流動化物供給配管34を備える。
砂杭材料流動化プラント10は、砂杭造成区域26より離れた場所にあるもので、砂杭材料流動化物を製造する装置群である。砂杭材料流動化プラント10は、例えば砂杭材料流動化物供給手段1、砂杭材料供給手段2、流動化剤供給手段3、遅効性塑性化剤供給手段5、砂杭材料移送配管31、流動化剤移送配管32、遅効性塑性化剤移送配管35及び砂杭材料流動化物移送配管33からなる。なお、それぞれの供給手段には、必要に応じて、貯留タンクや供給ポンプなど設置される。また、砂杭材料移送配管31、流動化剤移送配管32、砂杭材料流動化物移送配管33、遅効性塑性化剤移送配管35のそれぞれの配管途中に流量計を設置してもよい。また、砂杭材料流動化物の製造に際して、砂杭材料の含水比に応じて更に水の添加が必要である場合には、別途の水供給手段を設置すればよい。このような砂杭材料流動化プラント10は、砂杭造成区域26に設置しなくてもよく、既設構造物の直下や直近に砂杭を造成する際の設置スペースを確保する必要がない点で好適である。流動化物供給配管34は、通常可撓性ホースが使用され、その長さは適宜決定されるが、概ね10m以上、200m未満である。
砂杭材料流動化物供給手段1は、砂杭材料、流動化剤及び遅効性塑性化剤を均一に混合する混合器を備えるものである。混合器としては、2軸パドルミキサー等が、各原料を短時間で均一に混合できる点で好適である。
砂杭材料としては、従来の砂杭造成工法で使用されてきた公知の材料でよく、砂、シルトや礫を含む砂、砕石及びスラグ等が挙げられる。
圧送ポンプ4は、公知のものが使用でき、例えばピストンポンプ、スクイズポンプなどが挙げられる。また、圧送ポンプ4は、低圧ポンプでも高圧ポンプでもよいが、高圧ポンプを用いると、圧入砂杭造成工法が利用できる。
砂杭材料流動化物圧送用の中空管23は、公知の地盤改良機20に取り付けられるものである。地盤改良機20は、従来の圧入砂杭造成工法を実施する装置が挙げられる他、例えばボーリングマシン等も可能である。圧入砂杭造成工法を実施する装置は、中空管を地盤中の設計深度まで貫入した後、該中空管を通して地表から地中に砂杭材料流動化物を圧入し、地中に該砂杭材料流動化物を残置し、この未塑性化の残置物の上に、次ぎの砂杭材料流動化物を圧入し、これを繰り返して行うことにより、所定長の拡径の砂杭を造成する工法を実施する装置である。圧入砂杭造成工法を実施する装置においては、圧送ポンプとは別途で更に高圧ポンプを設置してもよい。砂杭造成装置50において、流動化物供給配管34の先端は、中空管23のいずれの部分に接続されてもよく、図1においては中空管23の上部開口である。砂杭造成装置50は、原料供給手段が1系統でよいため、小規模の設備とすることができる。
次ぎに、砂杭造成工法について説明する。本発明の砂杭造成工法は、遅効性塑性化剤を含有する砂杭材料流動化物を、流動状態を保持したまま地盤中に圧入し、地盤中で塑性化させて砂杭を得る工法である。砂杭材料流動化物は、予め予備実験により、砂杭材料、流動化剤及び遅効性塑性化剤の配合割合を決定しておき、これら原料の混合後から塑性化までの時間を把握しておく。なお、明細書中、砂杭材料、流動化剤、遅効性塑性化剤及び任意の水の混合を単に、「原料の混合」とも言う。
流動化剤は、砂杭材料を流動し易くするか、あるいはパイプ輸送できるようにするものである。流動化剤が無配合の場合、配管内で目詰まりが生じ、パイプ輸送ができない。流動化剤としては、吸水性ポリマー及び高分子剤等が挙げられる。流動化剤は、これらの1種類又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
吸水性ポリマーとしては、アクリル酸ナトリウム重合体部分架橋物、アクリル酸ナトリウム重合体架橋物が挙げられる。このうち、アクリル酸ナトリウム重合体部分架橋物が好ましい。
高分子剤としては、ノニオン系高分子剤、アニオン系高分子剤、カチオン系高分子剤及び両性高分子剤が挙げられる。ノニオン系高分子剤としては、ポリアクリルアミドが挙げられる。アニオン系高分子剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸、ビニルスルフォン酸、スチレンスルフォン酸などの単独重合体あるいはアクリルアミドとの共重合体が挙げられる。カチオン系高分子剤としては、アクリルアミドと、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート又は系N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートモノマーとの共重合体が挙げられる。高分子剤は、粉末状及び液体状のいずれのものも使用できる。高分子剤は、天然物又は合成物いずれも使用できるが、合成物とすることが、少ない配合量で流動化物を得ることができる点で好ましい。これらの高分子剤は、特公昭34−10644号公報などに記載の公知の方法で製造することができる。
好ましい高分子剤は、分子量が100万以上、好ましくは200万以上、1000万以下であり、イオン化度が0〜100モル%のアクリル系高分子からなる粉末状と分散粒子径が100μm以下の油中水型エマルジョン形態のものである。
流動化剤の配合割合は、適宜決定されるが、通常、砂杭材料に対して、重量比配合で0.01〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。流動化剤が水で希釈されている場合、別途の水を添加しなくとも砂杭材料を流動化させることができる。例えば、水で希釈された6.4%濃度の流動化剤の場合、配合割合は、砂杭材料に対して重量比配合で好ましくは5〜30重量%である。流動化剤の配合割合は少な過ぎると、砂杭材料が流動化せず、配管内において分離したり、目詰まりしたりして移送できなくなる。また、流動化剤の配合割合が多過ぎても、流動化効果は変わらず、却ってコストを上昇させることになる。砂杭材料流動化物は、上記必須成分の他、例えば水、流動化促進剤などが含まれていてもよい。
圧送ポンプでパイプ輸送できる流動性とは、日本工業規格で規定される「ベーンせん断試験」における安定せん断強度が0.3kg未満のものを言う。ベーンせん断試験方法とは、以下の方法を言う。すなわち、ベーンせん断試験機のベーン部を対象土に貫入し、その後、低速にて上部つまみを回転させる。その回転させた状態で下部の抵抗で上部つまみとの回転歪が生じる。その歪が指示針にて表示され、その最大値と安定値を計測する。
また、砂杭材料流動化物は、「ベーンせん断試験」方法以外に、手で把持し、体感で判断することもできる。すなわち、砂杭材料流動化物を手で把持した場合、圧密せず、分離せず、ドロドロ感があり、手に残らないものは好適な流動化物である。砂杭材料流動化物は、図3(A)に示すように、流動化剤42が保水すると共に、砂41の粒子間距離を保持することで内部摩擦を低減するため、流動性が高まるものと思われる。
遅効性塑性化剤は、圧送時、圧入時共に流動性を確保すると共に、塑性化までの時間を制御するために使用される。遅効性塑性化剤としては、分子量10〜10のカチオン系合成高分子剤が挙げられる。これらカチオン系合成高分子剤としては、アンモニア、脂肪族アルキルモノ又はジアミン又はポリアミンとエピハロヒドリンの重縮合物が挙げられる。アルキルモノアミンとしては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミンが挙げられる。また、ジアミン又はポリアミンとしては、アミノエチル-メチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。また、エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリンなどが挙げられる。
遅効性塑性化剤の配合割合は、砂杭材料の種類や量、流動化剤の種類や量、施工準備や施工の時間などにより適宜決定されるものである。原料の混合後、塑性化までの時間(以下、「塑性化時間」とも言う。)は、例えば1時間以上、好適には1.5〜20時間となる範囲で適宜決定される。砂杭材料流動化物の各原料の配合割合は、予め実験室における塑性化時間を求める予備実験により決定される。塑性化時間が短過ぎると、流動化物供給配管途中で塑性化してしまい、円滑なパイプ輸送ができなくなる。
遅効性塑性化剤の配合割合は、砂杭材料1kgに対して0.1〜5ml、好適には0.2〜3mlである。遅効性塑性化剤の添加が少な過ぎると、地中に置かれた流動化物は塑性化せず、設計通りの砂杭が造成できなくなる。また、遅効性塑性化剤の添加が多過ぎると、コストを上昇させてしまう。塑性化は、図3(A)〜(C)に示すように、流動化剤42が塑性化剤と触れることで分子の結合が分解され保水していた水を吐き出すため、砂杭材料41が元の粒度の性状に戻ることを言う。
塑性化の判断は、市販のテクスチャー試験器を用いて行なうことができる。具体的にはテクスチャーによる硬さの測定結果から最大応力値(kPa)に換算し、この最大応力値が15kPa以上のものであれば塑性化されたものと判断する。最大応力値が15kPa以上のものが塑性化物となることは、各種物性試験結果や過去の経験値から判断できる。なお、流動化剤添加前の砂杭材料単独の最大応力は、概ね150kPa前後である。
本発明の砂杭造成工法の一例を図2及び図3を参照して説明する。図2(A)は中空管貫入開始状態を、(B)は1回目の圧入の終了を、(C)は2回目の圧入の終了を、(D)は3回目の圧入の終了を、(E)は14回目の圧入の終了をそれずれ示す。先ず図2(B)の1回目の圧入終了までを、図3を用いて説明する。
中空管24を地盤90中の設計深度Xまで貫入した後、中空管24を通して遅効性塑性化剤を含有する砂杭材料流動化物61を地表から地中に圧入する。この状態を図3(A)に示す。この時点では、設計深度Xに圧入された流動化物71は周辺地盤の拘束力で弱く圧密化される。この流動化物(残置物)71は、粒子41間を結合する流動化剤42が伸びた状態である。なお、図3は模式図であり、残置物は実際の形状を示すものではない。
次いで、周辺地盤の拘束力に勝るポンプ圧力により砂杭単位長さ当たりの設計圧入量をポンプ圧力により圧送する。この状態を図3(B)に示す。流動化物71は砂杭材料流動化物のポンプでの圧入により、排水しながら圧密される。しかも残置物71が流動状態であるため、拡径しつつ周辺地盤への応力が効率よく伝わり、周辺地盤への改良性が高まる。このとき流動化物71は、ポンプの圧入により、粒子間を結合する流動化剤が縮んだ状態となる。砂杭材料流動化物の圧入を、塑性化された砂(残置物)に対して行なうと、該塑性化された砂の圧密により、周辺地盤への圧密力が低下し注入圧に大きな力が必要となり施工性が悪くなる。
次いで、図2(C)に示す流動化物72は、先の流動化物71と同様な手段で造成され、順次図2(D)と繰り返し造成され、その後、圧密された流動化砂は、時間が経過し塑性化することで、内部摩擦角が増大し、最終的に図2(E)に示す所定長の砂杭を造成する。塑性化された残置物は硬さが十分であり、そのまま砂杭となる。また、流動化剤と遅効性塑性化剤は電荷中和され不溶化状態になり溶出しない。また、流動化剤及び遅効性塑性化剤は中性であり、環境を汚染することもない。なお、所定量の砂杭を造成する際、砂杭体積の1.2〜1.3倍程度の流動化物が必要となる。これは圧密により体積が減少するためである。
繰り返し圧入により造成された所定長の流動化物が、1バッチで製造された砂杭材料流動化物により行なわれる場合、全ての流動化物71、72・・・は、経過時間とともに遅効性塑性化剤が作用し、流動化剤を破断してほぼ同時に塑性化する。また、繰り返し圧入により造成された所定長の流動化物が、2バッチ以上で製造された砂杭材料流動化物により行なわれる場合、流動化物71、72・・間において、塑性化する時期が異なることがある。
次ぎに、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
参考例1
(砂杭材料流動化物の製造)
粒径0.07〜2.0mm、自然含水比15%の山砂A(砂杭材料)、油中水型エマルジョン形態のノニオン系ポリアクリルアミド(濃度6.4%)(流動化剤)、ジメチルアミン・エピクロルヒドリンの重縮合物の4級塩(遅効性塑性化剤)及び水を、2軸パドルミキサーを使用して均一混合し、砂杭材料流動化物を製造した。流動化剤の配合量は砂杭材料に対して重量比配合で16.0%であり、遅効性塑性化剤の配合量は砂杭材料1kg当たり0.5ml、1.0ml及び1.5mlの3パターンとした。砂杭材料流動化物の含水比は50%であった。得られた砂杭材料流動化物は圧密せず、分離せず、ドロドロ感があり、手に残らないという良好な流動性を示した。
(砂杭材料流動化物の塑性化時間)
上記製造方法で得られた流動物を実験室に放置し、1時間毎にサンプリングして、テクスチャー試験器TPU−2S(山電社製)を用いて最大応力を測定し、最大応力15.0kPaとなる時間を求めた。その結果を表1に示す。なお、最大応力15.0kPaの硬さであれば、地中に置かれた場合、砂杭として適した強度となることが確認されている。砂杭材料の山砂Aそのものの最大応力は250kPaである。
Figure 2010013885
参考例2
山砂Aに代えて、粒径0.07〜2.0mm、自然含水比11%の山砂Bを使用した以外は、参考例1と同様の方法で行った。なお、砂杭材料の山砂Bそのものの最大応力は164kPaであった。










Figure 2010013885
砂杭造成装置として、圧入砂杭造成装置(ボーリングマシン)を使用し、更に下記実施条件で地中に砂杭を造成した。なお、砂杭材料流動化物は参考例1で遅効性塑性化物の配合量が1.0ml/kgのものとした。その結果、砂杭材料流動化物は中空管へ円滑に移送でき、また、十分な強度を有する砂杭を造成できた。
(砂杭造成装置及び圧入条件)
・ 地盤改良機:圧入砂杭造成機(ボーリングマシン)
・ 中空管;内径50mm
・ 砂杭材料流動化物の中空管への圧送流速;各々30リットル/分〜150リットル/分
・ 砂杭径:700mm(設計圧入量0.5m/1m当たり)
・ 圧入条件;体積0.1mの流動化物を地中に圧入して残置し(単位長さ20cm)、これを5回繰り返して、合計長さ100cmの流動化残置物を得た。その後、100cmの流動化残置物が塑性化し、上記径の砂杭が得られた。
本発明の砂杭造成工法及び砂杭造成装置によれば、既設構造物の直下又は直近など砂杭材料供給手段が稼動するスペースを確保できない狭い砂杭造成区域であっても砂杭の造成をすることができる。また、砂杭材料流動化物の塑性化時間を制御できるため、塑性化物に対して圧入することがないため、圧入ロスがなく周辺地盤への応力が効率的に伝わり周辺地盤への改良性がよくなる。
砂杭造成装置の概略図である。 砂杭造成工法の説明図である。 砂杭造成作用の説明図であり、(A)は砂杭材料の流動化を説明する模式図、(B)は砂杭材料の塑性化を説明する模式図である。
符号の説明
1 砂杭材料流動化物供給手段
2 砂杭材料供給手段
3 流動化剤供給手段
4 圧送ポンプ
5 遅効性塑性化剤供給装置
10 砂杭材料流動化プラント
20 地盤改良機
23 砂杭造成用の中空管
24 リーダ
25 砂杭
26 砂杭造成区域
31 砂杭材料移送配管
32 流動化剤移送配管
33 砂杭材料流動化物移送配管
34 流動化物供給配管
35 遅効性塑性化剤供給配管
50 砂杭造成装置

Claims (4)

  1. 地盤改良に用いる砂杭材料に遅効性塑性化剤を含有する砂杭材料流動化物を、流動状態を保持したまま地盤中に圧入し、地盤中で塑性化させることを特徴とする砂杭造成工法。
  2. 中空管を地盤中の設計深度まで貫入した後、該中空管を通して遅効性塑性化剤を含有する砂杭材料流動化物を地表から地中に圧入し、地中に該砂杭材料流動化物を残置し、この未塑性化の残置物の上に、次ぎのステップ分の砂杭材料流動化物を圧入し、これを繰り返して行うことにより、所定長の砂杭を造成することを特徴とする砂杭造成工法。
  3. 前記遅効性塑性化剤が、分子量10〜10のカチオン系合成高分子剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の砂杭造成工法。
  4. 遅効性塑性化剤を含有する砂杭材料流動化物製造プラントと、
    砂杭材料流動化物圧送用の中空管と、
    該砂杭材料流動化プラントで製造された該砂杭材料流動化物を該中空管に送る圧送ポンプと、
    該圧送ポンプと該中空管とを接続する流動化物供給配管と、
    を備えることを特徴とする砂杭造成装置。
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