JP7213609B2 - 流動化砂の製造方法 - Google Patents

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

本発明は、砂材料に含水比調整用水と共に流動化剤及び遅効性塑性化剤を混合して圧送ポンプにより配管を通して移送可能に処理される流動化砂の製造方法に関する。
圧入式砂杭造成工法やSAVE-SP工法(登録商標)では、特許文献1に開示のごとく砂材料に含水比調整用水と共に流動化剤及び遅効性塑性化剤を混合した流動化砂を、流動状態を保持したまま地盤中に圧入し、地盤中で塑性化させる。実施工では、図4に例示されるごとく中空管23を地盤中に設計深度まで貫入した後、中空管23を通して流動化砂を地表から地中に圧入し、地中に該流動化砂を残置し、この上に次のステップ分の流動化砂を圧入し、これを繰り返すことで所定長さの改良体25を造成する。符号10は流動化砂製造プラント、1は流動化砂供給手段、2は砂材料供給手段、3は流動化剤供給手段、4は圧送ポンプ、5は遅効性塑性化剤供給手段(装置)である。
図5は流動化砂の状態変化を示した模式図である。(a)は圧入前の流動化砂を示す。流動化砂は、中空管から地盤中に圧入されるまでは流動化剤(例えば、アニオン系高分子材料)が砂の粒子同士の間隙水の粘性を高め、粒子同士の摩擦をなくし砂と水との分離を抑制して、高い流動性を維持している。(b)は圧入中の流動化砂を示す。圧入中は、流動化砂が脱水し密な状態に締め固められる。流動化剤は網状で残る。(c)は塑性化終了状態を示す。この状態では、遅効性塑性化剤が電気的に流動化剤を中和して流動化剤の網状構造を保持できなくなり粒子同士の摩擦を回復している。また、以上の流動化砂において、原料の砂材料に関しては粒度分布で使用可能な規定範囲が設定され、砂材料の選定と予め決められた薬剤の標準配合により混合され製造される。
特許第5188894号公報
ところが、実際には、粒度分布で使用可能な規定範囲内にある砂材料についても、砂の産出地や水に金属イオンを多く含有するものや、細粒分含有率が高く比較的大きな粒径を有する砂材料や、対象の砂を洗う工程で用いられる薬剤の影響などにより、製造した流動化砂として地中に圧入するとき圧力が短時間で高くなったり圧送ロスが増大して圧入量が目標値に達しなくなることがある。本出願人らは、そのような流動性喪失の対策として、金属イオンを含め、更に砂材料の粒度等に起因した流動性喪失にも有効に対応できる流動化保持剤を添加する構成を先に開発している(特願2017-152091を参照、以下、この特許出願を参考文献1という)。但し、その場合でも、流動化砂の製造方法では、特に流動性を確保するため必須薬液である流動化剤、流動化保持剤、塑性化剤の各添加量ないしは配合比(標準配合)に自由度がほとんどないものと考えられ、原材料の砂毎にある範囲の密度の流動化砂しか作れなかった。
本発明の目的は、圧入式砂杭造成や砂充填に用いられる流動化砂として、目標の密度に調整された流動化砂として作成可能な流動化砂の製造方法を提供することにある。他の目的は以下の内容説明のなかで明らかにする。
上記目的を達成するため請求項1の発明は、砂材料に含水比調整用水と共に流動化剤及び遅効性塑性化剤を混合して圧送ポンプにより配管を通して移送可能に処理される流動化砂の製造方法において、流動化保持剤として非イオン界面活性剤を新たに加えると共に、前記流動化剤、前記遅効性塑性化剤、前記流動化保持剤である非イオン界面活性剤の予め決められた、前記砂材料として乾燥砂質量1000gを用いて含水比25%から40%の範囲で所定の含水比に調整したものに対し、前記流動化剤約6.4g及び希釈水量約100g、遅効性塑性化剤約0.5g、流動化保持剤である非イオン界面活性剤約1.0gの割合で加える標準配合に比べて、前記流動化剤、遅効性塑性化剤、流動化保持剤である非イオン界面活性剤の1以上の添加量を増減させた流動化砂を施工前にあらかじめ多数製造しかつその密度を調べておき、それを参照して施工に際しては密度が目標とする所定値ないしは所定範囲に収まる薬液の配合割合で調整することを特徴としている。
以上の本発明は、流動化砂の製造に用いる薬剤に新たに流動化保持剤を加えることを必須としている。この流動化保持剤は、上記参考文献1に記載されているごとく流動化砂が時間と共に流動性を喪失させる要因を砂材料や含水比調整用水に有する場合、流動化砂の経時的な性状を改善して正常な圧入施工を維持可能にする。
また、本発明者らは、流動保持剤が以上の効果に加え、更に流動化砂として必須な薬剤つまり流動化剤、遅効性塑性化剤の添加量を減らしても、流動化砂の流動性が維持されるようにする効能も有していることを知見した。本発明は、そのような流動化保持剤の特性に着目し、例えば表1~表3中のこれまでの圧入式砂杭造成用として最適とされた標準配合に比べ、流動化保持剤、流動化剤、遅効性塑性化剤の1以上の添加量を増減させることで、製造される流動化砂の密度が目標とする所定値ないしは所定範囲に収まるようにしたものである。なお、砂材料は、従来の流動化砂製造に用いられきたものであればよく、純粋な砂に限られず、シルトや礫を含む砂、砂類似のスラグなどを含む広義な意味で使用している。また、砂材料は材料砂と称されることもある。
具体的には、例えば、表1において、湿潤密度が製造から1時間経過後で1.89~1.91の範囲に収まった流動化砂を製造したい場合だと、塑性化剤の添加量を標準配合の0.5gではなく0.9gの割合で加えるようにする。また、湿潤密度が製造から3時間経過後で1.87~1.90の範囲に収まった流動化砂を製造したい場合だと、塑性化剤の添加量を標準配合の0.5gではなく0.8gの割合で加えるようにする。換言すると、好ましくは、使用する砂材料の産出地などに応じ、標準配合に対し流動化保持剤、流動化剤、遅効性塑性化剤の1以上の添加量を増減変化させた流動化砂を多数製造し、その密度を調べ表などに一覧しておく。施工に際しては、その表などから目標とする密度に対応した流動化保持剤、流動化剤、遅効性塑性化剤の添加量を混合することにより、目標値とする密度に調整された流動化砂を製造することである。
なお、本発明者らは、流動化砂として、流動化保持剤(S1)を添加したものと、S1を添加していないものについて、アクリル管圧送試験によりアクリル管に移送するときの管移送特性を調べた結果、例えば、乾燥砂:含水比用水:流動化剤:流動化保持剤:遅効性塑性化剤=1000g:250g:6.4g:0.5g:1.0gの標準配合の流動化砂において、S1を添加した流動化砂はS1を添加しない流動化砂に対して、5~10%程度の押し力でアクリル管内を通過せることができ、流動化砂が高密度状態、製造後長時間経過後の圧送の可能性を示唆する結果となった。ここで、アクリル管圧送試験は、本発明者らにより工夫されたものであり、流動化砂をアクリル管に移送するときに移送特性の優劣を簡単に判断可能にするものである。試験では、所定長さで内径2cmのアクリル管と、アクリル管に一端側より流動化砂を30cm充填し、これをアクリル管に一端側からピストン方式で30cm押し上げる間の押し力F(gf)を計測し、該押し力の値により移送特性の優劣を判断する。試験結果の一例を挙げると、S1を添加し密度が2.069(g/cm)の流動化砂の場合、製造直後では押し力が762(gf)であった。これに対し、S1を添加しなく密度が1.806(g/cm)の流動化砂の場合、製造直後では押し力が13224(gf)であった。この結果からは、流動化砂がS1を含んでいると、S1を含まないものに比べ管移送特性が数段優れていることが分かる。
以上の本発明は、以下のように更に具体化されることがより好ましい。すなわち、
前記標準配合に比べて、前記流動化剤、遅効性塑性化剤、流動化保持剤である非イオン界面活性剤のうち、前記非界面活性剤又は/及び前記遅効性塑性化剤の添加量を増減させる構成である(請求項2)。
請求項1の発明は、流動化保持剤を必須とし、流動化剤、遅効性塑性化剤、流動化保持剤の予め決められた標準配合に比べ、流動化剤、遅効性塑性化剤、流動化保持剤のうち1以上の添加量を増減させることにより、密度が目標とする所定値ないしは所定範囲に収まるよう調整された流動化砂として容易に製造可能となる。これにより、本発明の製造方法では、流動化砂が使用状況に応じて最適な密度で管理され、例えば、従来のごとく使用する砂材料を変えるたびに体積圧縮係数、つまり流動化砂の製造時体積と地中への圧入後の体積比を変更する必要がなくなる。
なお、この発明では、請求項1の標準配合として、表1から分かるごとく砂材料が乾燥砂質量1000gを用いて所定の含水比に調整したものに対し、流動化剤の原液量約6.4g及び希釈水量約100g、遅効性塑性化剤約0.5g、流動化保持剤約1.0gの割合で加える点を確認的に特定したものである。
請求項2の発明では、標準配合に比べて、前記非イオン界面活性剤又は/及び遅効性塑性化剤の添加量を増減して、製造される流動化砂の密度を調整するため、密度調整が容易となる。この点は、流動化砂の密度として図3より流動化剤の増減による密度の変化が図1の塑性化剤、及び図2の界面活性剤の増減による密度の変化よりかなり小さくなるからである。
なお、以上の各発明の製造方法により作られた密度が所定値ないしは所定の範囲に調整された流動化砂は、既設杭や矢板の引抜きにより形成される孔や空洞を埋める充填用、又は、地盤改良のうち圧入式砂杭造成用である。
本発明方法において、砂材料が菰野砂、乾燥砂質量1000(g)、含水比25%に調整したものを用い、各薬剤の添加量を標準配合に比べ、流動化剤及び流動化保持剤を一定にし、塑性化剤の添加量を変えたときの湿潤密度試験結果を示したグラフである。 本発明方法において、砂材料が菰野砂、乾燥砂質量1000(g)、含水比25%に調整したものを用い、各薬剤の添加量を標準配合に比べ、流動化剤及び塑性化剤を一定にし、流動化保持剤の添加量を変えたときの湿潤密度試験結果を示したグラフである。 本発明方法において、砂材料が菰野砂、乾燥砂質量1000(g)、含水比25%に調整したものを用い、各薬剤の添加量を標準配合に比べ、流動化剤保持剤及び塑性化剤を一定にし、流動化剤の添加量を変えたときの湿潤密度試験結果を示したグラフである。 特許文献2に開示されている砂杭造成装置を示す図である。 (a)~(c)は施工時における流動化砂の状態変化を示す模式図である。
以下、本発明を適用した形態例を図面を参照して説明する。この説明では、本発明の製造方法を明らかにした後、実施例として標準配合及び遅効性塑性化剤を増減した場合の湿潤密度試験、流動化保持剤を増減した場合の湿潤密度試験、流動化剤を増減した場合の湿潤密度試験について述べ、最後に製造された流動化砂の利点などに言及する。
(流動化砂の製造方法)この製造方法では、図4の流動化製造プラントから推察されるごとく、混合槽に対し砂材料供給手段と、含水比調整用水供給手段と、流動化剤供給手段と、遅効性塑性化剤供給手段と、流動化保持剤供給手段とが関連付けられて配設されている。このうち、混合槽は、パドルミキサー等の攪拌機構と、投入される砂材料の重さを計測するロードセル等の計測器などを有している。混合槽の槽内には、砂供給手段であるバックホウ等により1バッチ量に対応する所定量の砂材料が投入される。その後、槽内の砂材料(乾燥砂質量)に対し、含水比調整用の水が水供給手段により目的の含水比に対応する所定水量だけ供給され、流動化保持剤である界面活性剤が流動化保持剤供給手段により所定量だけ供給される。その後、流動化剤が流動化剤供給手段により、遅効性塑性化剤が塑性化剤供給手段によりそれぞれ所定量だけ供給される。
好ましくは、槽内に投入された砂材料の質量に基づき、含水比調整用水、界面活性剤、流動化剤、遅効性塑性剤の使用量を自動的に計算して供給することである。混合槽では、それらが均一になるよう攪拌機構により混合攪拌される。
ここで、砂供給手段により投入される砂材料、水供給手段により供給される水、流動化保持剤供給手段により供給される界面活性剤、流動化剤供給手段により投入される流動化剤、塑性化剤供給手段により供給される塑性化剤については、以下にその選択基準などを明らかにする。
(1)、砂材料は、一旦流動性を高めた状態でポンプ圧送するため、配管内で閉塞しない保水性の良さと、圧入時に脱水する排水性の良さとを併せ持つ性質が好ましい。この点は、特開2015-183466号公報の図6及びその関連記載を参照されたい。
(2)、水は、含水比調整用であり、流動化剤等に影響する成分、特に金属イオン等の陽イオンを含む工業用水や海水は避けて中性の水道水を用いることが好ましい。水の使用量は通常、製造される流動化砂の含水比25%から40%の何れかに調整されるよう算出される。この含水比は、高くなると地中空洞への充填用や圧入式砂杭造成用の投入容量も比例して多くなり地盤変位を生じ易くなるためその点も考慮して決められる。
(3)、流動化保持剤は、流動化砂の経時的な性状を改善して正常な圧入施工を維持可能にしたり、流動化剤や塑性化剤の添加量を標準配合より少なくしても流動化砂の流動性を維持可能にするものである。具体的には非イオン性等の界面活性剤やそれに類似のものである。界面活性剤は、アニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤よりも流動化砂の経時的な性状を改善する上でかなり優れていることが判明している(上記参考文献1を参照)。以上の流動化保持剤の砂材料に対する配合比ないしは配合割合は、砂材料や含水比によっても異なるが、一般的には添加量の下限値が0.05%以上で、添加量の上限値が大きくなると経費も比例して高くなるため0.10%程度にすることが好ましい。
(4)、流動化剤は、砂の粒子間の間隙水の粘性を高め、飽和状態で砂と水の分離を抑制してポンプ圧送性を向上させる添加剤である。好ましくは、粘性を高め砂粒子の沈降分離を抑制するアニオン系高分子凝集剤であり、他にノニオン系高分子凝集剤、カチオン系高分子凝集剤などでもよい。これらは、高分子の親水基と高分子の網の内部に水分を保持する性能に優れ、品質の長期安定性も高い。流動化剤の配合割合は、砂材料に対し、外割配合で0.01~2.0質量%、好ましくは0.1~1.0質量%である。この配合割合は、少な過ぎると、砂材料が流動化せず、配管内で分離したり目詰まりしたりして圧送できなくなり、逆に多過ぎても流動化効果は変わらずコスト上昇要因となる。
(5)、遅効性塑性化剤は、圧送時、圧入時共に流動性を確保すると共に、塑性化迄の時間を制御するために使用される。遅効性塑性化剤としては、分子量10~10のカチオン系合成高分子剤が挙げられる。このカチオン系合成高分子剤としては、アンモニア、脂肪族アルキルモノ又はジアミン又はポリアミンとエピハロヒドリンの重縮合物が挙げられる。塑性化剤の使用量は、製造される流動化砂中の砂材料に対し、外割配合で0.001~2質量%、好ましくは0.01~1.0質量%である。添加量は、少な過ぎると、流動化物が塑性化せず設計通りの充填体や改良体が造成できなくなり、添加が多過ぎると塑性化が早く起こりポンプ圧送に支障をきたす。
以上の砂材料、含水比調整用水、流動化保持剤、流動化剤、塑性化剤の最適な配合比としては、砂材料として乾燥砂質量1000gを用いて含水比25%から40%の何れかに調整したものに対し、流動化保持剤1.0g、流動化剤の原液量6.4g及び希釈水量100g、遅効性塑性化剤0.5g、の割合で加える。この標準配合は、これまで最適配合とされていた各薬剤の添加割合である。本発明では、この標準配合に比べて、流動化保持剤、流動化剤、遅効性塑性化剤の1以上の添加量を増減変化させて混合することで密度が目標とする所定値ないしは所定範囲に収まる流動化砂に調整するものである。
なお、混合操作において、攪拌翼形状や回転速度などが検討される。また、アジテータ槽内の流動化砂は、図4の流動化製造プラントから推察されるごとく、圧送ポンプ及び管路を介して圧入式砂杭造成用、又は充填用として使用部へポンプ圧送される。この圧送ポンプは、特に高い吸込み力、機密性、空気の吸込みを起こさず、流動化砂性状の変化を低く抑えられるものとして、例えば、圧送構造が油圧ピストンを利用したタイプが選択される。
(実施例)この実施例は、湿潤密度試験として、流動化剤(L1)、遅効性塑性化剤(P1)、流動化保持剤(S1)の標準配合に比べて、表1では塑性化剤P1の添加量を増減した場合に製造される流動化砂の密度(湿潤密度)を調べた一例(試料1~5)を示し、表2では流動化保持剤(界面活性剤としてダイヤノール(登録商標)を用いた)S1の添加量を増減した場合に製造される流動化砂の密度(湿潤密度)を調べた一例(試料6~8)を示し、表3では流動化剤L1の添加量を増減した場合に製造される流動化砂の密度(湿潤密度)を調べた一例(試料9~10)を示している。なお、表1の試料1、表2の試料7、表3の試料10は標準配合のものである。
表1:
(表1)流動化砂配合:塑性化剤P1の添加量を変えた試料1-3 1/2
Figure 0007213609000001

(表1)流動化砂配合:塑性化剤P1の添加量を変えた試料4と5 2/2
Figure 0007213609000002


尚、各試料の砂は三重県菰野町の菰野砂で、乾燥砂質量1000(g)、含水質量79.0(g)
加水量71.0(g)、全体含水比(理論値)25%に調整したものを使用した。
表1の湿潤密度試験では、各試料1~5の配合割合で製造された各流動化砂について、製造直後、0.5時間後、1.0時間後、3.0時間後、24.0時間後の湿潤密度をそれぞれ計測した。図1はその経過時間と湿潤密度の関係をグラフにプロットしたものである。図1において、各試料1~5の流動化砂は、時間経過に伴って湿潤密度が高くなることと、塑性化剤P1の添加量が0.5gと最も少ない標準配合である試料1に対して、塑性化剤P1の添加量が標準配合の1.2倍、1.4倍、1.6倍、1.8倍つまり添加量を多くするほど湿潤密度が高くなることが分かる。
表2:
(表2)流動化砂配合:流動化保持剤(界面活性剤)S1の添加量を変えた試料6-8
Figure 0007213609000003

尚、各試料の砂は三重県菰野町の菰野砂で、乾燥砂質量1000(g)、含水質量75.0(g)
加水量75.0(g)、全体含水比(理論値)25%に調整したものを使用した。
表2の湿潤密度試験では、各試料6~8の配合割合で製造された各流動化砂について、製造直後、1.0時間後、3.0時間後、24.0時間後の湿潤密度をそれぞれ計測した。図2はその経過時間と湿潤密度の関係をグラフにプロットしたものである。図2において、各試料6~8の流動化砂は、時間経過に伴って湿潤密度が高くなることと、流動化保持剤S1の添加量が標準配合である試料7に対して、流動化保持剤S1の添加量が標準配合の0.5倍の試料6だと湿潤密度がかなり高くなること、逆に、流動化保持剤S1の添加量が標準配合の1.5倍の試料8だと湿潤密度がかなり低くなること、つまり流動化保持剤S1の添加量を多くするほど湿潤密度が低くなることが分かる。
表3:
(表3)流動化砂配合:流動化剤L1の添加量を変えた試料9-11
Figure 0007213609000004

尚、各試料の砂は三重県菰野町の菰野砂で、乾燥砂質量1000(g)、含水質量75.0(g)
加水量75.0(g)、全体含水比(理論値)25%に調整したものを使用した。
表3の湿潤密度試験では、各試料9~11の配合割合で製造された各流動化砂について、製造直後、1.0時間後、3.0時間後、24.0時間後の湿潤密度をそれぞれ計測した。図3はその経過時間と湿潤密度の関係をグラフにプロットしたものである。図3において、各試料9~11の流動化砂は、製造直後から3時間経過までは湿潤密度が高くなり、3時間から24時間経過までは湿潤密度がほとんど変化しないこと、流動化剤L1の添加量が標準配合である試料10に対して、流動化剤L1の添加量が標準配合の0.5倍の試料9だと湿潤密度が若干高くなること、逆に、流動化剤L1の添加量が標準配合の1.5倍の試料11だと湿潤密度が若干低くなること、つまり流動化剤L1の添加量を増減しても湿潤密度の変化はごく小さいことが分かる。なお、表3の試料10と表2の試料7では湿潤密度が異なっているが、この点は同じ菰野砂であっても砂採取場所により砂に付着したり水に含まれる金属イオン等が異なるためと思われる。
以上より、本発明の製造方法では、密度が目標とする所定値ないしは所定範囲に収まるよう調整された流動化砂として容易に製造可能となる。この利点として、充填用流動化砂の場合は、圧入式砂杭造成用流動化砂に比べ締固めによる周囲地盤への影響を抑えるため密度が高めに設定されることが好ましく、密度が最適な充填材として使用でき、良質で最良の評価が得られる。圧入式砂杭造成用流動化砂の場合は、使用する流動化砂の密度から造成される砂杭の密度も推察したり評価し易くなり信頼性を向上できる。勿論、流動化砂の好適な密度については、充填用や圧入式砂杭造成用と言っても、対象の地盤性状や目標値などによってその都度、最適な値ないしは範囲が設計される。本発明は、そのような設計を可能にしたことに意義がある。
なお、以上の形態例や実施例は本発明を何ら制約するものではない。本発明は、請求項で特定される技術要素を備えておればよく、細部は必要に応じて種々変更可能なものである。
1・・・・・流動化砂供給手段
2・・・・・砂材料供給手段
3・・・・・流動化剤供給手段
4・・・・・圧送ポンプ
5・・・・・遅効性塑性化剤供給手段

Claims (2)

  1. 砂材料に含水比調整用水と共に流動化剤及び遅効性塑性化剤を混合して圧送ポンプにより配管を通して移送可能に処理される既設杭や矢板の引抜きにより形成される孔や空洞を埋める充填用、又は、地盤改良のうち圧入式砂杭造成用の流動化砂の製造方法において、
    流動化保持剤として非イオン界面活性剤を新たに加えると共に、前記流動化剤、前記遅効性塑性化剤、前記流動化保持剤である非イオン界面活性剤の予め決められた、前記砂材料として乾燥砂質量1000gを用いて含水比25%から40%の範囲で所定の含水比に調整したものに対し、前記流動化剤約6.4g及び希釈水量約100g、遅効性塑性化剤約0.5g、流動化保持剤である非イオン界面活性剤約1.0gの割合で加える標準配合に比べて、前記流動化剤、遅効性塑性化剤、流動化保持剤である非イオン界面活性剤の1以上の添加量を増減させた流動化砂を施工前にあらかじめ多数製造しかつその密度を調べておき、それを参照して施工に際しては密度が目標とする所定値ないしは所定範囲に収まる薬液の配合割合で調整することを特徴とする流動化砂の製造方法。
  2. 前記標準配合に比べて、前記流動化剤、遅効性塑性化剤、流動化保持剤である非イオン界面活性剤のうち、前記非イオン界面活性剤又は/及び前記遅効性塑性化剤の添加量を増減させることを特徴とする請求項1に記載の流動化砂の製造方法。
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