JP2010013356A - 結晶性カルバペネム化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】式(I)の構造を示すカルバペネム化合物において、保存安定性が著しく改善されている結晶形態の物質を提供する。
【解決手段】式(I)の構造を示すカルバペネム化合物またはその溶媒和物の結晶性物質を提供する。
【化1】
Figure 2010013356

【選択図】なし

Description

本発明は、カルバペネム系抗生物質に関し、さらに詳細には医薬品として有用な1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-3-[[2-[(4S,5R,6S)-2-カルボキシ-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-メチル-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル]イミダゾ[5,1-b]チアゾール-7-イル]カルボニル]ピリジニウム,分子内塩またはその溶媒和物の結晶、及び該結晶を含んでなる抗菌性医薬組成物並びに該結晶の製造方法に関する。
1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-3-[[2-[(4S,5R,6S)-2-カルボキシ-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-メチル-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル]イミダゾ[5,1-b]チアゾール-7-イル]カルボニル]ピリジニウム,分子内塩(以下、本明細書において「化合物(I)」と称する。)は、下記の化学構造を示す化合物であり、WO02/42312号公報(特許文献1)、WO2004/055027号公報(特許文献2)にその製造方法とともに開示されている。
Figure 2010013356
化合物(I)はグラム陰性菌のみならずグラム陽性菌にも優れた抗菌活性を示し、抗菌剤としての有用性が期待できる。
WO02/42312号公報 WO2004/055027号公報
一方で、医薬品として製品化する場合において化合物(I)の工業的製造における取り扱い易さと、製剤化検討や製品の保存期間に関わる化合物(I)の物理的安定性の向上が望まれていた。
そこで本発明者らはこれらの問題点を解決すべく、鋭意検討を行った結果、化合物(I)の結晶性物質を得ることに成功した。
本発明者らは、化合物(I)の結晶が、工業的規模での製造において取り扱いやすく、また保存安定性が著しく改善されており、医薬、特に抗菌剤としてきわめて有用な結晶であることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、次式(I):
Figure 2010013356

で示される1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-3-[[2-[(4S,5R,6S)-2-カルボキシ-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-メチル-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル]イミダゾ[5,1-b]チアゾール-7-イル]カルボニル]ピリジニウム,分子内塩またはその溶媒和物の結晶性物質を提供するものである。
本発明による化合物(I)の結晶性物質は医薬品、特に抗菌剤の原末として有利である。具体的には本化合物(I)の結晶性物質は細菌感染症の予防または治療に用いることができる。従って本発明の別の態様によれば本発明による本化合物(I)の結晶性物質を薬学上許容される担体とともに含んでなる医薬組成物が提供される。
さらに、本発明の別の態様によれば、本発明による化合物(I)の結晶性物質をヒトを含む動物に投与することを含んでなる、細菌感染症の予防または治療方法が提供される。また、本発明による別の態様によれば、抗生剤製造のための、本発明による化合物(I)の結晶性物質の使用が提供される。
また、本発明により式(I)の化合物の結晶性物質を製造する方法であって式(I)の化合物1重量部に対して2〜100重量部のハロゲン化アルカリ金属塩水溶液を添加し、加温下に溶解させた後、低温下に置くことによって析出したハロゲン化アルカリ金属塩を含有する固体中の式(I)の化合物を結晶化する工程を含む、方法が提供される。
ハロゲン化アルカリ金属塩を含有する固体は、式(I)の化合物がハロゲン化アルカリ金属塩水溶液中で溶解、分散した後、形成されるものであり、単なる物理的混合物とは区別される。
さらに、該固体は、式(I)の化合物の水に対する溶解性が向上していることから、式(I)の化合物の結晶を製造する上で重要な中間体であり、また、製剤用原料として用いることも期待できる。従って本発明により式(I)の化合物1.0molに対して0.9〜1.1molのハロゲン化アルカリ金属塩を含有する固体組成物が提供され、さらに該固体組成物は後述の製剤用添加剤を含有してもよく、0〜20%の水分を含んでいてもよい。
本発明により得られる化合物(I)の結晶性物質は、従来の凍結乾燥粉末(非晶体)に比較して工業的規模での製造において取り扱いやすく、また保存安定性が著しく改善されており、医薬、特に抗菌剤としてきわめて有用である。
同じ化合物の結晶であっても、結晶化の条件によって複数の異なる内部構造及び物理化学的性質を有する結晶(結晶多形)が生成することがあるが、本発明の結晶性物質はこれらの結晶多形のいずれであってもよく、2以上の結晶多形の混合物であってもよい。
また、化合物(I)は、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合がある。また、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合もある。従って本発明のひとつの実施態様としては、式(I)の化合物の溶媒和物の結晶性物質が挙げられ、溶媒和物の具体例としては、水和物、エタノール和物等が挙げられ、好ましい溶媒和物としては、水和物が挙げられる。
式(I)の化合物の結晶性物質は、粉末X線回折測定、示差走査熱量測定(DSC)などによって結晶形態であることを確認することが出来る。
式(I)の化合物の水和物の結晶性物質の物理化学的特性を以下に説明する。
1)結晶形態
黄色プリズム状晶
2)粉末X線回折パターン
式(I)の化合物の水和物の結晶性物質は、粉末X線回折パターンにおいて以下の回折角[2θ(°)]にその特徴的なピークを示す。
回折角(2θ):6.9±0.1°、7.2±0.1°、7.9±0.1°、9.0±0.1°、10.4±0.1°、13.9±0.1°、19.5±0.1°、23.5±0.1°
第1図として、後記の実施例2で得られた式(I)の化合物の水和物の結晶性物質の粉末X線回折パターンを示す。
ただし、この回折パターンはあくまで参考として挙げられたものであり、式(I)の化合物の結晶であってその粉末X線回折パターンが本質的にこの回折パターンと同じであるものはいかなるものも、式(I)の化合物の水和物の結晶性物質と同定されるものである。
3)示差走査熱量曲線
式(I)の化合物の水和物の結晶性物質は、30℃〜300℃までの5℃/分の昇温速度で得られる示差走査熱量曲線において、110℃から135℃付近に幅の広い吸熱ピークを示す。
第2図として、後記の実施例2で得られた式(I)の化合物の水和物の結晶性物質の示差走査熱量曲線を示す。
本発明による化合物(I)の結晶性物質を含んでなる医薬組成物は、経口または非経口(例えば、静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮投与)のいずれかの投与経路で、ヒトおよびヒト以外の動物に投与することができる。
本発明による化合物(I)の結晶性物質を含んでなる医薬組成物は、投与経路に応じて適当な剤形とされ、具体的には主として静注、筋注等の注射剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、トローチ錠等の経口剤、直腸投与剤、油脂性座剤等のいずれかの製剤形態に調製することができる。
これらの製剤は通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤等の製剤用添加剤を用いて常法により製造することができる。
使用可能な無毒性の上記添加剤としては、例えば乳糖、累糖、ブドウ糖、デンプン、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、またはその塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウム等が挙げられる。
投与量は、用法、患者の年齢、性別、症状の程度等を考慮して適宜決定されるが、感染症の治療のためには、通常成入1日1人当たり約25mg〜2000mg、好ましくは50mg〜1000mgの投与量であり、これを1日1回または数回にわけて投与することができる。
本発明による化合物(I)の結晶性物質は以下のスキームに従って好ましく製造することができる。
Figure 2010013356
すなわち、本発明の結晶性物質は、式((I)の化合物1重量部に対して2〜100重量部のハロゲン化アルカリ金属塩水溶液を添加し、加温下に溶解させた後、低温下に置くことによって析出したハロゲン化アルカリ金属塩を含有する固体中の式(I)の化合物を結晶化することによって得ることができる。
式(I)の化合物は、WO02/42312号公報及びWO2004/055027号公報に開示された方法またはそれに準ずる方法に従って製造することができる。
添加するハロゲン化アルカリ金属塩水溶液の濃度は、10%〜飽和であり、式(I)の化合物1重量部に対して4〜50重量部添加することが好ましく、加温する温度としては、45〜60℃が好ましい。式(I)の化合物の溶解後、必要に応じて活性炭などの固体吸着剤を用いて処理することにより不純物を減らす操作を行ってもよく、低温下に置く冷却温度としては0〜10℃が好ましい。ハロゲン化アルカリ金属塩としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、沃化リチウム、沃化ナトリウム、沃化カリウムなどが挙げられ、塩化ナトリウムが好ましい。
析出したハロゲン化アルカリ金属塩を含有する固体は、例えば、濾過、遠心分離、または傾斜法によって単離することができる。単離した固体は、必要に応じて、適当な溶媒で洗浄してもよい。洗浄溶媒としては、10%〜飽和ハロゲン化アルカリ金属塩水溶液の他、水、アセトン、メタノール、エタノール、または2−プロパノール、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。
このようにして得られる固体は、単離乾燥後式(I)の化合物1.0molに対して0.9〜1.1molのハロゲン化アルカリ金属塩を含有する。また、該固体は、水に対する溶解性においてWO2004/055027号公報に開示された方法に準じて製造した式(I)の化合物が室温で5mg/ml以下であるのに比較して室温で50mg/ml
以上であり、優れている。
ハロゲン化アルカリ金属塩を含有する固体から式(I)の化合物の結晶性物質を製造するための結晶化方法としては、例えば、該固体を適当な溶媒(良溶媒)に溶解し、必要に応じて活性炭などの固体吸着剤を用いて処理することにより不純物を減らす操作を行い、必要に応じて濃縮し、必要に応じて貧溶媒を加え、必要に応じて冷却する等して、化合物(I)を過飽和状態に導き、結晶を析出させ、次いで、析出した結晶を単離し、乾燥させることによって達成される。
化合物(I)の溶液を扱う場合、化合物(I)の分解を抑えるため、通常0〜60℃の温度で取り扱うことが好ましい。
結晶化させるための冷却温度としては0〜10℃が好適である。
ハロゲン化アルカリ金属塩を含有する固体を溶解させるための良溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メタノールが挙げられ、好ましくは水である。
化合物(I)を結晶化させるための貧溶媒としては、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類が挙げられる。
過飽和状態は、例えば、化合物(I)の水溶液を30〜60℃の加温下に飽和状態まで濃縮し、0〜10℃まで、徐々に冷却することによって、あるいは、飽和状態の水溶液にエタノールまたはアセトンのような貧溶媒を徐々に加え、必要に応じて冷却することによって実施し、結晶を析出させる。
本発明の好ましい態様としては、化合物(I)の水和物の結晶性物質が挙げられ、その製造方法として好ましくは、ハロゲン化アルカリ金属塩を含有する固体1重量部に対して5〜20重量部の水を加え、室温〜40℃で溶解させた後、0〜10℃の低温下に置くことによって結晶化する、方法が挙げられる。
このようにして得られた化合物(I)の結晶性物質は、実用的に取り扱いやすい安定な結晶であり、WO02/42312号公報による方法で得られる凍結乾燥粉末(非晶体)と比較して、著しく保存安定性の改善が認められた。また、WO02/42312号公報による方法で得られる凍結乾燥粉末およびWO2004/055027号公報による方法で得られた固体(沈殿物)に比較して、より高い化合物(I)の純度(含量)を有する。
以下本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例において得られた固体または結晶中の化合物(I)の含量は、下記の方法による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によって得られるピーク面積から下記の式に従って算出した。
[HPLC分析条件]
カラム:ナカライテスクCosmosil 5C18−MS、4.6x150mm
移動相組成:1/15mol/l
リン酸緩衝液:メタノール=8:2
和光純薬リン酸緩衝剤粉末(1/15mol/l、pH6.8)を溶解させて1.0Lとした。
検出波長:315nm
流速:1ml/分
カラム温度 30℃
[HPLC分析]
各実施例で得られたサンプルおよび化合物(I)標準サンプル約5mgを正確に秤量し水に溶解させて10mlとした溶液を用いてHPLC分析を行った。
[算出式]
化合物(I)標準品(Lot:YK021125)の含量(84.8%)は下記の算出式に従って求めた
化合物(I)標準品の含量(%)=
(化合物(I)標準品のピーク面積/全ピーク面積(=0.997)x(100(%)−水分含量(14.9%))
HPLC分析による結晶中の化合物(I)の含量(%)の算出式
各実施例サンプル中の化合物(I)の濃度(mg/ml)=
(各実施例サンプルのピーク面積/化合物(I)標準品のピーク面積)x化合物(I)標準品の濃度x化合物(I)標準品の含量
各実施例サンプルの含量(%)=
(各実施例サンプル中の化合物(I)の濃度(mg/ml)/各実施例サンプルの濃度(mg/ml))x100
実施例サンプルの水分含量は下記の条件を用いて電量滴定法で測定した。
三菱化学製CA−03、陽極液:アクアミクロンAX、陰極液:アクアミクロンCXU
実施例サンプルの塩化ナトリウム含量は下記の条件のイオンカラムクロマトグラフィーでナトリウムイオンを定量することによって測定した。
測定条件
島津製作所製PIA−1000
カラム:島津製作所 Shim−Pack IC−C3(S) 2.0x100mm
移動相:島津製作所 IC−MC3−1
流速:0.2ml/分
塩化ナトリウム含量の算出方法
塩化ナトリウム19.81mgを水100mlに溶解させ標準液とした。この標準液1μlをイオンクロマトグラフィーにより分析するとナトリウムイオンの保持時間は約4.0分、ピーク面積値は2846623であった。
各サンプルは約10mgを水10mlに溶解させ、その1μlをイオンクロマトグラフィーにより分析した。
各サンプル中の塩化ナトリウム濃度(mg/ml)=
(各サンプルのナトリウムイオンのピーク面積/標準液のピーク面積)x標準液の濃度
各サンプル中の塩化ナトリウム含量(%)=
各サンプルの塩化ナトリウム濃度(mg/ml)/各サンプルの化合物(I)の濃度(mg/ml)x100
実施例における粉末X線回折測定条件は以下の通りである。
装置:RINT2100(理学電気株式会社製)
測定条件:X線:CuKα1、管電圧:40kV、管電流:20mA、スキャンステップ:0.02°、スキャンスピード:4°/min、走査軸:2θ/θ、走査範囲:2θ=3〜40°
また、示差走査熱量(DSC)の測定条件は下記の通りである。
装置:DSC220U(セイコーインスツルメント製)
測定条件:パン;アルミニウム製開放パン、雰囲気;窒素、ガス流量;50mL/min、昇温速度;5℃/min、測定温度範囲;30〜300℃
実施例1 塩化ナトリウムを含有する固体の製造方法
化合物(I)(化合物(I)の含量86.0%、水分13.1%)8.53g(正味7.336g)に30%塩化ナトリウム 36.7mlを加え加温攪拌した。液温が52℃に達した時点で溶解を確認した。蒸留水73.4mlを加えた後、30−35℃で3時間攪拌したところ固体が析出した。さらに5−10℃で1時間、0℃で1時間攪拌した後析出した固体をろ過し、冷却した10%塩化ナトリウム14.7mlで洗浄した。得られた固体を5%含水アセトンに加え室温で30分攪拌した後ろ過し、乾燥することにより、固体6.651gを得た。
得られた固体の分析結果
HPLCピーク面積比99.5%、化合物(I)の含量78.1%、水分12.4%、塩化ナトリウム9.3%
H−NMR(DMSO−d)δ:1.15−1.20(6H, m)、3.18(1H, dd, J=2.20,6.86Hz)、3.45−3.55(1H, m)、3.91−4.01(1H、m)、4.12(1H, dd, J=2.20,9.34Hz)、5.20(1H, d, J=4.95Hz)、5.65(2H, s)、7.76(1H, s)、8.35(1H, dd, J=6.04,7.97Hz)、8.38−8.44(3H, m)、9.22(1H, d, J=6.04Hz)、9.51(1H, d, J=7.97Hz)、9.78(1H, s)
得られた固体の溶解性をみるため、約50mgを取り、蒸留水1mlを加えたところ、約1分間の振とうで溶解したことを目視で確認した。
実施例2 化合物(I)の水和物の結晶性物質の製造方法1
化合物(I)(化合物(I)の含量80.9%、水分5.0%)1668gを50℃に加温した16.7%塩化ナトリウム水溶液16.1Lに投入し48−53℃で攪拌して溶解させた。活性炭67gを入れ同温度で5分間攪拌した後ろ過した。ろ過した活性炭を16.7%塩化ナトリウム水溶液4.03Lで洗浄した。ろ液、洗浄液を併せ冷却したところ固体が析出した。0−5℃でさらに12時間攪拌した後析出した固体をろ過し、冷却した16.7%塩化ナトリウム水溶液2.69Lで洗浄した。得られた固体を30−35℃に加温した蒸留水16.1Lに溶解した。活性炭67gを投入し同温度で5分間攪拌した後ろ過した。ろ過した活性炭を蒸留水4.03Lで洗浄した。ろ液、洗浄液を併せて冷却したところ結晶が析出した。0−5℃で更に18時間攪拌した後析出した結晶をろ過し、冷却した蒸留水5.4Lで洗浄した。得られた結晶を乾燥して化合物(I)の水和物の結晶性物質を1352.55g得た。
得られた結晶性物質の分析結果は以下のとおりである。
HPLCピーク面積比99.7%、化合物(I)の含量 84.6%、水分15.1%
H−NMR(DMSO−d)δ:1.15−1.20(6H, m)、3.13−3.18(1H, m)、3.45−3.55(1H, m)、3.91−4.01(1H、m)、4.08−4.13(1H, m)、5.10(1H, s)、5.58−5.75(2H, m)、7.76(1H, s)、8.28(1H, s)、8.32−8.37(2H, m)、8.40(1H, s)、9.16(1H, d, J=5.50Hz)、9.51(1H, d, J=8.2Hz)、9.80(1H, s)
また、粉末X線回折パターンを第1図に、および示差走査熱量(DSC)曲線を第2図に示した。
実施例2で得られた化合物(I)の水和物の結晶性物質は、単結晶X線回折の結果から2〜3水和物と推定される。
試験例1 安定性試験
実施例2で得られた化合物(I)の結晶性物質および対照としてWO02/42312号公報による方法で得られた凍結乾燥粉末を40℃±2℃、相対湿度75%の無色透明、アルミホイルで遮光のガラス製気密容器中に保存し、1ヶ月、および2ヶ月後に前述の液体クロマトグラフィ法によって残存率を測定した。なお、WO02/42312号公報による方法で得られた凍結乾燥粉末は第3図に示すとおり、その粉末X線回折パターンが実質的にピークを示さないハローパターンであることから非晶体であると推定される。
結果を表1に示す。
Figure 2010013356
第1図は、実施例2により得られた化合物(I)の結晶性物質の粉末X線回折パターンである。 第2図は、実施例2により得られた化合物(I)の結晶性物質の示差走査熱量測定曲線である。 第3図は、WO02/42312号公報による方法で得られた凍結乾燥粉末の粉末X線回折パターンである。

Claims (7)

  1. 次式(I):
    Figure 2010013356

    で示される1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-3-[[2-[(4S,5R,6S)-2-カルボキシ-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-メチル-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル]イミダゾ[5,1-b]チアゾール-7-イル]カルボニル]ピリジニウム,分子内塩またはその溶媒和物の結晶性物質。
  2. 水和物である請求項1に記載の結晶性物質。
  3. 粉末X線回折による回折パターンにおいて、回折角(2θ):6.9±0.1°、7.2±0.1°、7.9±0.1°、9.0±0.1°、10.4±0.1°、13.9±0.1°、19.5±0.1°、23.5±0.1°に回折ピークを示す、請求項1に記載の結晶性物質。
  4. 30℃〜300℃までの5℃/分の昇温速度で得られる示差走査熱量測定曲線において、110℃から135℃付近に吸熱ピークを示すことを特徴とする請求項1に記載の結晶性物質。
  5. 請求項1に記載の結晶性物質を薬学上許容される担体とともに含んでなる、医薬組成物。
  6. 請求項1に記載の式(I)の化合物1重量部に対して2〜100重量部のハロゲン化アルカリ金属塩水溶液を添加し、加温下に溶解させた後、低温下に置くことによって析出したハロゲン化アルカリ金属塩を含有する固体中の式(I)の化合物を結晶化する工程を含む、請求項1に記載の結晶性物質を製造する方法。
  7. 請求項1に記載の式(I)の化合物1.0molに対して0.9〜1.1molのハロゲン化アルカリ金属塩を含有する固体組成物。
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