JPH0692970A - トリアゾリルチオメチルチオセファロスポリン塩酸塩およびその水和物結晶ならびにそれらの製法 - Google Patents

トリアゾリルチオメチルチオセファロスポリン塩酸塩およびその水和物結晶ならびにそれらの製法

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JPH0692970A
JPH0692970A JP5189897A JP18989793A JPH0692970A JP H0692970 A JPH0692970 A JP H0692970A JP 5189897 A JP5189897 A JP 5189897A JP 18989793 A JP18989793 A JP 18989793A JP H0692970 A JPH0692970 A JP H0692970A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬学的に安定な、抗菌剤の活性成分を提供す
る。 【構成】 7β-[(Z)-2-(2-アミノ-4-チアゾリル)-
2-ヒドロキシイ ミノアセトアミド]-3-(1,2,3-ト
リアゾ−ル-4-イル)チオメチルチオ-3-セフェム-4-
カルボン酸(S−1090)塩酸塩およびその水和物結
晶。 【効果】 S−1090塩酸塩およびその水和物結晶
は、加温、加湿および曝光下での安定性加速試験で、遊
離アミンに比較して優れた結果を与えた。この利点は、
不純物の混在を忌避する医薬用途においては決定的であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、経口投与用抗生物質
製剤の有効成分として有用なトリアゾリルチオメチルチ
オセファロスポリン化合物に関し、さらに詳しくは低毒
性で、製剤学的に安定な7β-[(Z)-2-(2-アミノ-4-
チアゾリル)-2-ヒドロキシイミノアセトアミド]-3-
(1,2,3-トリアゾ−ル-4-イル)チオメチルチオ-3-
セフェム-4-カルボン酸(以下、S-1090と略称す
る)の塩酸塩およびその水和物結晶ならびにそれらの製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】既に、経口投与で活性なトリアゾリルチ
オメチルチオセファロスポリン誘導体が製造、開示され
ている(特開平第5−59066号公報、欧州特許公開
467647号)。これらの内、特に優れた抗菌活性を
有するS-1090は、淡黄色粉末物質として合成され
(前掲)、その臨床での有用性が期待されたが、製剤と
するに必要な安定性の点で不充分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】即ち、従来のS-10
90は以下の欠点を有していた。 1.吸水性で、粉末化、製剤化などの操作中に含水量が
変動するため、製品の品質保持、有効成分含有量、操作
性などの信頼性が低い。 2.再結晶に必要な程には水に溶けず、かつ非晶質であ
るため、不純物の除去が不完全である。 3.乾燥後の残留溶媒を、薬学的に許容される量まで減
少させることが困難である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、薬学的に
品質が安定で、溶媒残存量が少なく、臨床上有利なS−
1090誘導体を得ることを目的として鋭意研究を重ね
た結果、その塩酸塩と塩酸塩水和物結晶が低毒性、高溶
解度、高安定性という優れた性質を有することを見出
し、本発明に至った。本発明の塩酸塩水和物結晶は下記
の表1および図1に記載のX線回折像と図2で示される
示差走査熱量曲線を示す。
【0005】
【表2】 表1 X線回折像 2θ 強度 2θ 強度 2θ 強度 2θ 強度 6.24 164 22.04 84 30.30 269 38.44 150 10.50 117 22.54 57 30.50 405 39.20 133 10.94 1549 23.16 1461 30.74 271 39.96 214 12.22 997 23.74 379 31.04 74 43.06 222 12.54 687 24.32 432 31.80 317 44.24 104 14.10 1057 24.54 504 31.92 347 45.02 81 16.38 209 25.30 259 32.56 58 45.38 68 17.90 155 25.94 521 32.98 105 45.68 94 18.74 381 26.14 947 33.36 458 47.20 63 18.94 462 26.44 422 33.76 231 48.18 65 20.04 160 27.46 362 34.44 99 55.54 67 20.74 217 28.02 204 35.52 119 21.12 2052 28.20 253 35.80 188 21.36 478 29.08 179 37.38 187 21.68 315 29.50 104 37.70 127 測定条件)管球:Cu;管電圧:40kV;管電流:20mA;サ
ンプリング角度:0.02°
【0006】本発明のS−1090塩酸塩水和物結晶は
水を失い難く、広範な乾燥条件下に、1〜2水和物に相
当する含水量を示す。通常は、約1.1〜1.3水和物に
相当する含水率を示す結晶として安定化する。低湿度ま
たは高温で乾燥すれば無水物結晶となるが、これを加湿
条件下に放置すると、大気中などでも1.2〜1.3水和
物、条件によっては1. 8水和物に相当する含水率まで
急速に吸水し、安定化する。なお、X線回折の2θ値は
結晶格子の構造に依存し、ピ−クの強度は結晶成長方
向、結晶化率などに依存する。強度のみの変化は結晶格
子の構造変化を意味しないことが多い。このS−109
0塩酸塩水和物結晶は溶媒残存量が少なく、低毒性かつ
品質が安定であり、臨床上特に有用である。
【0007】本発明のS−1090塩酸塩は、常法に従
い、S-1090を塩酸と反応させて製造することがで
きる。また、S−1090塩酸塩水和物結晶はS-10
90を塩酸酸性水溶液から結晶化させることによって製
造することができる。以下に本発明の製造方法の条件を
例示するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。適当な方法で製造したS−1090に、好ましくは
約1当量以上、より好ましくは反応液のpHを0.1−
5に調節するに必要な量の塩酸を、約0−50℃、好ま
しくは約5−30℃で約1分間から60分間、好ましく
は約10分間から30分間作用させれば塩酸塩が製造さ
れる。
【0008】また、塩酸酸性水溶液または懸濁液から、
要すれば粗S−1090塩酸塩の種晶を加えた後、結晶
化させれば、塩酸塩水和物結晶を製造できる。この場
合、塩酸濃度はpH−1〜5(好ましくはpH0〜3)
と濃い方が良い。晶出用溶媒は低級アルコ−ル、ケト
ン、ニトリル、エステルなど、常用の工業用有機溶媒を
含有していても良い。晶出温度は約0〜90℃、好まし
くは約30〜50℃である。このような条件下での晶出
時間は、溶媒の組成にもよるが、約10分間〜約20時
間、好ましくは約1〜約6時間である。
【0009】次いで、塩酸塩または塩酸塩水和物の結晶
を加温、常温、低温、加圧、常圧、減圧、送風、温風、
乾燥剤による除湿、流動乾燥など、通常の乾燥条件を用
いて乾燥する。ただし、水和物結晶の場合は水分子が離
脱しない乾燥条件を選択する。また、水和物結晶は、脱
水した結晶を例えば、温度10〜30℃、湿度50〜9
0%の加湿条件下で放置して、再吸水させてもよい。出
発物質S−1090は、例えばS−1090ナトリウム
塩を中和するなど、上記の特開平第5−59066号公
報に記載の方法で製造することができる。尚、S−10
90の3位側鎖の一部であるトリアゾール環上で、S原
子の結合位置は4位としているが、トリアゾール環上ノ
水素が、移動すると5位となる。当業者に公知なよう
に、トリアゾール環上の水素の結合位置の割合が変動す
るので、本発明のS−1090は、トリアゾール環とS
原子の結合位置が、4位5位にある化合物の双方を含む
ものとする。
【0010】本発明化合物のS−1090塩酸塩または
その水和物結晶は、ヒトを含む対象に投与された場合、
S−1090に変換され、その強力な抗菌作用を表す。
即ち、特開平第5−59066号公報に記載のごとく、
S−1090は、インビトロでの抗菌作用を試験した結
果、様々な細菌類、例えばブドー球菌、ストレプトコッ
カス・ピオゲネスなどのグラム陽性菌、並びにプロテウ
ス・ブルガリス、プロテウス・ミラビリス、モルガニア
・モルガニイ、エンテロバクター・クロアカ、緑膿菌、
セラチア・マルセッセンス、大腸菌などのグラム陰性菌
双方に対する抗菌力が強いことが明らかとなった。S−
1090は、特に大腸菌7437およびテンテロバクタ
ー・クロアカSR233を用いて行った試験で、特にグ
ラム陰性菌に有効であった。また、インビボにおいて
も、S−1090は、マウスに対する経口投与後の血中
濃度測定の結果、優れた経口吸収率を表すことが示され
た。従って、本発明のS−1090塩酸塩およびその水
和物結晶は強力な抗菌作用を有し、経口投与で有効と考
えられる。
【0011】従って、本発明は感受性細菌に、有効量の
S−1090塩酸塩またはその水和物結晶を接触させて
感受性細菌を殺菌する方法を提供するものである。な
お、本発明化合物を適用する対象は感受性菌に感染した
ヒトおよび動物のみならず、腐敗するおそれのある物質
や殺菌処理すべき器具等、広範囲に及ぶ。また本発明
は、S−1090塩酸塩またはその水和物結晶を有効成
分として含有する医薬製剤殺菌剤を提供するものであ
る。経口投与のためには、本発明のS−1090塩酸塩
またはその水和物結晶を通常の製剤用担体、希釈剤また
は賦形剤と混合し、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、粉剤ま
たは懸濁剤等に製剤化する。非経口投与のためには、皮
下注射、静脈注射、腹腔内注射、筋肉注射等に適した水
溶液または懸濁液とする。さらに坐剤、外用剤、点眼剤
などとしても利用できる。用量は、経口投与の場合、通
常、1日あたり約10mg〜4000mg、好ましくは10
0mg〜2000mgとすることができる。また、非経口投
与の場合には、1日あたり約10mg〜4000mg、好ま
しくは50mg〜2000mgが適当である。
【0012】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく
説明する。各実施例により製造されるS−1090塩酸
塩水和物結晶は、いずれも同一の結晶構造に基づくX線
回折像(図1)と示差走査熱量曲線(図2)を示す。な
お、図1のX線回折像において、縦軸は強度をカウント
で、横軸は2θを示す。さらに図2の示差走査熱量曲線
において、縦軸は熱流量をmW(ミリワット)で、横軸
は温度を℃で示す。約70℃〜約120℃に、105℃
付近を極大値とし、結晶水の気化熱に起因すると推測さ
れる吸熱が観測される。
【0013】実施例1 S−1090塩酸塩 1) S−1090塩酸塩 7β-[(Z)-2-(2-t-ブトキシカルボニルアミノ-4-
チアゾリル)-2-トリチルオキシイミノアセトアミド]-
3-(1,2,3-トリアゾ−ル-4-イル)チオメチル チ
オ)-3-セフェム-4-カルボン酸ジフェニルメチルエス
テル26.0gをジクロルメタン270mlとアニソ−ル
51mlの混液に懸濁し、0〜5℃で撹拌しつつ、塩化ア
ルミニウム17.0gのアニソ−ル60ml溶液を滴加
後、1時間50分撹拌する。生成するS-1090を含
む反応液をメタノ−ル220ml、水114ml および3
6%塩酸29.8gの混液(0〜15℃で撹拌下)中に
注入する。生成するS−1090塩酸塩を含む水層を分
取し、ジクロルメタン100mlで2回洗った後、種晶
(S−1090粗塩酸塩)30mgを加え、20〜28℃
で1.5時間撹拌後、約150mlまで減圧濃縮する。析
出する結晶を取り、水2 60mlで洗えば、S-1090
塩酸塩の粗水和物24.5gを得る。
【0014】2) S−1090塩酸塩氷和物 1)で得たS-1090塩酸塩の水和物228ml中懸濁
液に4%水酸化ナトリウム水46gを滴加して溶解し、
活性炭1.5gで処理する。沈殿は水20mlで洗う。S
−1090ナトリウム塩を含む濾液と洗液とを合し、5
〜10℃で撹拌しつつ、4N塩酸を滴加してpH2とす
る。これに種晶50mgを加え、4N塩酸を6時間かけて
追加し、pH1とする(4N塩酸添加量総計63g)。
混合物を60℃で16時間撹拌後、0℃とし、析出する
結晶を取り、水160mlで洗い、乾燥すれば、S−10
90塩酸塩水和物の薄茶色結晶11.0gを得る。m
p.177.6〜181.0℃(分解)。尚、乾燥は、流
動層乾燥機(305PFBD 68L)を用いて以下の
条件で行った。 時間:2時間,設定空気温度:20℃,空気流量120
0cm3/分
【0015】実施例2 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩10.7gに
水128mlと1N水酸化ナトリウム水20mlを加えて
溶解し、これを塩酸でpH4とする。さらに、1時間か
けて5%塩酸を追加、pH0.5とする。混合物を40
℃で1〜5時間撹拌後、5〜10℃とし、析出する 結
晶を取り、水70mlで洗い、乾燥すれば、S-1090
塩酸塩水和物の白色結晶5.0gを得る。尚、乾燥は、
実施例1と同様の方法で以下の条件で行った。 時間:5時間,設定空気温度:30℃,空気流量400
cm3/分
【0016】実施例3 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩51gに氷冷
下、水200mlと1N水酸化ナトリウム水 72mlを加
えてpH約6.2の水溶液とする。溶液を活性炭で処理
し、沈殿は水 200mlで洗う。濾、洗液を合し、6N
塩酸400mlと種晶50mgを加え、40℃で撹拌する。
析出する結晶を取り、水洗、乾燥すれば、S-1090
塩酸塩水和物の白色結晶16.7gを得る。尚、乾燥
は、実施例1と同様の方法で以下の条件で行った。 時間:1時間,設定空気温度:40℃,空気流量120
0cm3/分
【0017】実施例4 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩25.8gに
水190mlと4%水酸化ナトリウム水46gを加えて製
造した溶液を20%塩酸3.1gでpH4とし、36%
塩酸148mlと水128mlの混液(40℃で撹拌下)中
に40分間かけて注入する。この間、10分経過した時
に種晶30mgを加える。析出する結晶を取り、水130
mlで洗い、乾燥すれば、S-1090塩酸塩水和物結晶
11.0gを得る。mp.178.1〜 181.2℃(分
解)。
【0018】実施例5 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、2)より得られるS−1090ナトリウム塩
28.7gを水296mlにとかし、5〜10℃で撹拌し
つつ、4N塩酸を滴加してpH5とする。この溶液を3
6%塩酸164gと水284mlとの混液(15℃で撹拌
下)中に一度に注入する。種晶50mgを加え、析出する
結晶を取り、水145mlで洗い、乾燥すれば、S-10
90塩酸塩水和物の白色結晶12.2gを得る。
【0019】実施例6 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、2)で得たS−1090ナトリウム塩15.
2gを水157mlにとかし、6%塩酸を加えてpH2の
水溶液とする。この溶液を36%塩酸187gと水50
mlの混液中に氷冷下、4分間に注入する。氷冷1時間
後、析出する結晶を取り、水75mlで洗い、乾燥すれ
ば、S-1090塩酸塩水和物の白色結晶6.6gを得
る。
【0020】実施例7 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩5gをメタノ
−ル20ml、水4mlと6N塩酸0.3mlの混液に溶か
し、種晶10mgを加え、32gまで減圧濃縮する。析出
する結晶を取り、水洗、乾燥すれば、S-1090塩酸
塩水和物の白色結晶3.0gを得る。
【0021】実施例8 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩5gをメタノ
−ル15mlにとかし、40℃の1N塩酸1 00ml中に
滴下する。析出する結晶を取り、水洗、乾燥すれば、S
-1090塩酸塩水和物の白色結晶4.6gを得る。
【0022】実施例9 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩8gをエタノ
−ル130ml、水50mlと6N塩酸4mlの 混液に溶か
し、種晶10mgを加え、105gまで減圧濃縮する。析
出する結晶を取り、水洗、乾燥すれば、S-1090塩
酸塩水和物の白色結晶5.9gを得る。
【0023】実施例10 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩5gをエタノ
−ル−水(1:1)混合液100mlにとか し、40℃
の1N塩酸100ml中に滴下する。析出する結晶を取
り、水洗、乾燥すれば、S-1090塩酸塩水和物の白
色結晶4.5gを得る。
【0024】実施例11 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩5gをメタノ
−ル20mlと6N塩酸0.2mlの混液に溶かし、10.5
gまで減圧濃縮する。残液にエタノ−ル5mlと種晶10
mgを加える 。析出する結晶を取り、水洗、乾燥すれ
ば、S-1090塩酸塩水和物の白色結晶2.5gを得
る。実施例12 S−1090塩酸塩水和物
【0025】実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩
5gをメタノ−ル30ml、イソプロパノ−ル30mlと6
N塩酸0.5mlの混液に溶かし、種晶10mgを加える。
析出する結晶を取り、水 洗、乾燥すれば、S-1090
塩酸塩水和物の白色結晶1.9gを得る。
【0026】実施例13 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩5gをアセト
ン160ml、水36mlと3N塩酸10mlの 混液に溶か
し、種晶10mgを加え、85gまで減圧濃縮する。析出
する結晶を取り、水洗、乾燥すれば、S-1090塩酸
塩水和物の白色結晶0.9gを得る。
【0027】実施例14 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩5gをメタノ
−ル20ml、メチルエチルケトン80mlと 6N塩酸2m
lの混液に溶かし、種晶10mgを加え、62gまで減圧
濃縮する。残液にメタノ−ル4mlと種晶10mgを加え
る。析出する結晶を取り、水洗、乾燥すれば、S-10
90塩酸塩水和物の白色結晶4.4gを得る。
【0028】実施例15 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩5gをメタノ
−ル20ml、アセトニトリル30mlと6N 塩酸0.5ml
の混液に溶かし、種晶10mgを加え、40gまで減圧濃
縮する。析 出する結晶を取り、水洗、乾燥すれば、S-
1090塩酸塩水和物の白色結晶2.0gを得る。
【0029】実施例16 S−1090塩酸塩水和物 実施例1、1)で得たS−1090塩酸塩5gをメタノ
−ル20ml、酢酸エチル20mlおよび6N 塩酸0.5ml
の混液に溶かし、種晶10mgを加え、30gまで減圧濃
縮する。析出する結晶を取り、水洗、乾燥すれば、S-
1090塩酸塩水和物の白色結晶3.5gを得る。
【0030】実験例1 本発明のS−1090塩酸塩および塩酸塩水和物結晶の
安定性を試験した。結果を表2に示す。加温、加湿およ
び曝光下での安定性加速試験では、半月および1ケ月間
の残存力価減少も着色も、S−1090の原末である遊
離アミンより少なく、安定性改善は明白である。この利
点は、不純物の混在を忌避する医薬用途においては重要
であり、薬学的に品質が安定で、溶媒残存量が少なく、
臨床上有用な薬物を得ることができる。
【0031】
【表3】 表2 安定性加速試験(2週間残存力価%・着色) 検 体 50℃密栓 40℃湿度75% 曝光(1万ルクス) 遊離アミン 0.5 81.91 肌色 78.75 肌色 87.83 薄茶色 1.0 67.62 肌色 64.25 肌色 79.98 薄茶色 塩酸塩粉末 0.5 83.22 薄茶色 95.23 肌色 87.64 肌色 1.0 82.48 薄茶色 89.86 肌色 84.44 肌色 塩酸塩水和物 0.5 100.00 白色 100.00 白色 97.53 淡黄色 結晶 1.0 99.96 白色 98.38 白色 95.51 淡黄色
【0032】製剤例 1)顆粒剤 S−1090塩酸塩水和物結晶 100mg 乳糖 600mg コ−ン・スタ−チ 290mg ヒドロキシプロピルセルロ−ス 10mg 前記各原料を常法により湿式法で顆粒化して1gの顆粒
剤としたものを感受性菌感染症患者に1日3回投与す
る。
【0033】 2)錠剤 S−1090塩酸塩水和物結晶 200mg 乳糖 65mg コ−ン・スタ−チ 32mg ヒドロキシプロピルセルロ−ス 2mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 前記各原料を常法により湿式法で顆粒化し、打錠機によ
り、重量300mgの錠剤としたものを感受性菌感染症
患者に1日2回投与する。
【0034】 3)硬カプセル剤 S−1090塩酸塩水和物結晶 50mg コ−ン・スタ−チ 47mg ステアリン酸マグネシウム 1.5mg タルク粉 1.5mg 前記各原料を常法により顆粒化し、4号硬カプセルに充
填してカプセル剤としたものを感受性菌感染症患者に1
日3回投与する。
【0035】
【発明の効果】本発明のS−1090塩酸塩および塩酸
塩水和物結晶は医薬として用いる上で極めて重要な性質
である、種々の条件下での安定性においてS−1090
の原末である遊離アミンよりも優れている。従って、薬
学的に品質が安定で、溶媒残存量が少なく、臨床上有用
な製剤の製造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 S-1090塩酸塩水和物のX線回折像(縦
軸は強度をカウントで、横軸は2θを示す)。
【図2】 S-1090塩酸塩水和物の差走査熱量曲線
(縦軸は熱流量をMWで、横軸は温度を℃で示す)。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】7β-[(Z)-2-(2-アミノ-4-チアゾリ
    ル)-2-ヒドロキシイミノアセトアミド]-3-(1,2,3-
    トリアゾ−ル-4-イル)チオメチルチオ-3-セフェム-
    4-カルボン酸塩酸塩。
  2. 【請求項2】下記のX線回折像を示す7β-[(Z)-2-
    (2-アミノ-4-チアゾリル)-2-ヒドロキシイミノアセ
    トアミド]-3-(1,2,3-トリアゾ−ル-4-イル)チオ
    メチルチオ-3-セフェム-4-カルボン酸塩酸塩水和物結
    晶。 【表1】 表1 X線回折像 2θ 強度 2θ 強度 2θ 強度 2θ 強度 6.24 164 22.04 84 30.30 269 38.44 150 10.50 117 22.54 57 30.50 405 39.20 133 10.94 1549 23.16 1461 30.74 271 39.96 214 12.22 997 23.74 379 31.04 74 43.06 222 12.54 687 24.32 432 31.80 317 44.24 104 14.10 1057 24.54 504 31.92 347 45.02 81 16.38 209 25.30 259 32.56 58 45.38 68 17.90 155 25.94 521 32.98 105 45.68 94 18.74 381 26.14 947 33.36 458 47.20 63 18.94 462 26.44 422 33.76 231 48.18 65 20.04 160 27.46 362 34.44 99 55.54 67 20.74 217 28.02 204 35.52 119 21.12 2052 28.20 253 35.80 188 21.36 478 29.08 179 37.38 187 21.68 315 29.50 104 37.70 127 測定条件)管球:Cu;管電圧:40kV;管電流:20mA;サ
    ンプリング角度:0.02°
  3. 【請求項3】7β-[(Z)-2-(2-アミノ-4-チアゾリ
    ル)-2-ヒドロキシイミノアセトアミド]-3-(1,2,3-
    トリアゾ−ル-4-イル)チオメチルチオ-3-セフェム-
    4-カルボン酸に塩酸を作用させて請求項1記載の塩酸
    塩を製造する方法。
  4. 【請求項4】7β-[(Z)-2-(2-アミノ-4-チアゾリ
    ル)-2-ヒドロキシイミノアセトアミド]-3-(1,2,3-
    トリアゾ−ル-4-イル)チオメチルチオ-3-セフェム-
    4-カルボン酸を塩酸酸性水溶液から結晶化して請求項
    2記載の塩酸塩水和物結晶を製造する方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2の化合物を有効成分と
    する抗菌剤。
  6. 【請求項6】 請求項1または2の化合物を感受性細菌
    に接触させて殺菌する方法。
  7. 【請求項7】 請求項1または2の化合物を投与して感
    受性細菌による感染症を治療する方法。
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