JP2002338578A - β−ラクタム化合物の水和物結晶 - Google Patents

β−ラクタム化合物の水和物結晶

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JP2002338578A JP2001142760A JP2001142760A JP2002338578A JP 2002338578 A JP2002338578 A JP 2002338578A JP 2001142760 A JP2001142760 A JP 2001142760A JP 2001142760 A JP2001142760 A JP 2001142760A JP 2002338578 A JP2002338578 A JP 2002338578A
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lactam compound
hydrate
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Akihiro Shimabayashi
昭裕 島林
Shigetoshi Taniguchi
重俊 谷口
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Otsuka Chemical Co Ltd
Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、保存安定性に優れたβ−ラクタム
化合物を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明のβ−ラクタム化合物は、β−ラ
クタム化合物とクレゾールとを反応させて得られるタゾ
バクタムの水和物結晶であり、保存安定性に優れてい
る。この水和物結晶は、タゾバクタム塩を含有する水溶
液中の有機溶媒の含有量を0.1重量%以下に調整し、
得られる水溶液の液温を10℃以下に維持しつつ該水溶
液のpH値を3以下に調整することにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、β−ラクタム化合
物の水和物結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】2−メチル−2−トリアゾリルメチルペ
ナム−3−カルボン酸 S,S−ジオキシドは、下記式
(1)で表されるβ−ラクタム化合物であり、「タゾバ
クタム」という一般名で呼ばれている。
【0003】
【化2】
【0004】タゾバクタムは、それ自体の抗菌活性が極
めて弱く、単独では抗菌剤として使用されることはない
が、細菌が産出する各種のβ−ラクタマーゼと不可逆的
に結合し、β−ラクタマーゼの活性を阻害する作用を有
している。このため、β−ラクタマーゼによって不活性
化される既存の各種抗菌剤と併用され、β−ラクタマー
ゼ産生菌に対しても該各種抗菌剤本来の抗菌作用を発揮
させることができる(最新抗生物質要覧、第10版、酒
井克治著、第113頁参照)。例えば、タゾバクタムの
ナトリウム塩とピペラシリン(β−ラクタマーゼによっ
て不活性化される抗菌剤の1種)とを有効成分とする薬
剤が市販され、汎用されている。
【0005】従来、タゾバクタムは、特許第26487
50号公報に記載の方法に従い、一般式(2)
【0006】
【化3】
【0007】〔式中Rはフェニル環上に置換基として電
子供与性基を有するベンジル基、フェニル環上に電子供
与性基を有することのあるジフェニルメチル基又はte
rt−ブチル基を示す。〕で表されるβ−ラクタム化合
物とクレゾールとを反応させることにより製造されてい
る。
【0008】タゾバクタムは水難溶性物質であり、塩の
形態に変換すると水溶性になる性質を有している。この
性質を利用して、タゾバクタムの単離、精製が行われて
いる。
【0009】即ち、上記特許公報によれば、生成するタ
ゾバクタムを含む反応混合物に、塩基性化合物、水及び
疎水性有機溶媒を加え、タゾバクタムを塩の形態に変換
した後、水に抽出し、更に得られる水溶液を酸性にする
ことにより目的とするタゾバクタムを晶析させている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記特許公報に記載さ
れている方法で得られるタゾバクタム結晶は、安定性に
乏しく、常温で長期間保存すると、分解してその純度が
低下するという問題を有している。
【0011】タゾバクタムは、純度が僅かでも低下する
と、医薬品として規格外になり、処方できなくなる。ま
た、タゾバクタムの分解によりβ−ラクタマーゼ阻害活
性が低下し、併用される抗菌剤がその抗菌作用を十分に
発揮できなくなる虞がある。タゾバクタムと抗菌剤との
併用剤が医薬として使用されるためには、タゾバクタム
の純度低下を回避する必要がある。
【0012】そこで、上記方法で製造されるタゾバクタ
ムは、冷蔵保存する等の純度低下を回避する措置が講じ
られている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、保存安
定性に優れたタゾバクタム結晶を提供することである。
ことである。
【0014】本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研
究を重ねてきた。その結果、従来法によりタゾバクタム
結晶を晶析させるに当たり、水溶液に含まれている有機
溶媒の割合を特定レベル以下に調節し、更に該水溶液の
液温を特定温度以下に維持しつつ該水溶液のpH値を特
定値以下に調整することにより、保存安定性に優れたタ
ゾバクタム水和物結晶が得られることを見い出した。本
発明は、このような知見に基づき完成されたものであ
る。
【0015】本発明は、式(1)
【0016】
【化4】
【0017】で表されるβ−ラクタム化合物の水和物結
晶に係る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の式(1)で表されるβ−
ラクタム化合物の水和物結晶は、2−メチル−2−トリ
アゾリルメチルペナム−3−カルボン酸 S,S−ジオ
キシドからなり、且つ結晶水を有している結晶である。
このようなβ−ラクタム化合物の水和物結晶としては、
例えば、モノクロメーターを通したλ=1.5418Å
の銅放射線で得られるX線回折スペクトルが下記格子面
間隔にピークを有するβ−ラクタム化合物の水和物結晶
等を挙げることができる。
【0019】 d(格子面間隔) 8.818〜9.747 7.024〜7.763 6.864〜7.586 5.839〜6.453 5.351〜5.914 5.219〜5.768 5.124〜5.664 4.860〜5.372 4.810〜5.317 4.374〜4.835 4.116〜4.550 3.985〜4.405 3.938〜4.352 3.664〜4.050 3.627〜4.009 3.555〜3.929 3.508〜3.877 3.460〜3.824 3.424〜3.785 3.179〜3.513 2.824〜3.121 2.773〜3.065 2.752〜3.042 更に、上記のX線回折スペクトルのピーク(格子面間
隔)を有する本発明の水和物結晶の中でも、次の格子面
間隔と相対強度からなるX線回折スペクトルを有するも
のが好ましい。
【0020】 d(格子面間隔) 相対強度(I/I0) 8.818〜9.747 0.01〜0.60 7.024〜7.763 0.01〜0.28 6.864〜7.586 0.46〜1.00 5.839〜6.453 0.01〜1.00 5.351〜5.914 0.03〜1.19 5.219〜5.768 0.01〜1.00 5.124〜5.664 0.01〜0.75 4.860〜5.372 0.01〜0.85 4.810〜5.317 0.04〜0.34 4.374〜4.835 0.01〜1.00 4.116〜4.550 0.01〜0.31 3.985〜4.405 0.01〜0.45 3.938〜4.352 0.03〜0.23 3.664〜4.050 0.07〜0.35 3.627〜4.009 0.12〜0.54 3.555〜3.929 0.01〜0.24 3.508〜3.877 0.02〜0.26 3.460〜3.824 0.01〜0.26 3.424〜3.785 0.05〜0.57 3.179〜3.513 0.09〜0.29 2.824〜3.121 0.02〜0.30 2.773〜3.065 0.02〜0.24 2.752〜3.042 0.01〜0.23 本発明において、X線回折スペクトルの測定は、株式会
社リガク製のRINT2000/PC(商品名)を用い
て行った。
【0021】本発明の式(1)で表されるβ−ラクタム
化合物の水和物結晶(タゾバクタムの水和物結晶)の製
造方法について、以下に説明する。
【0022】本発明のタゾバクタムの水和物結晶は、例
えば、タゾバクタム塩を含む水溶液中の有機溶媒の含有
量を0.1重量%以下に調整し、水溶液を冷却した後、
該水溶液に酸を加えて晶析させることにより製造され
る。
【0023】タゾバクタム塩を含む水溶液は、例えば特
許第2648750号明細書に記載の方法に従い、式
(2)で表されるβ−ラクタム化合物とクレゾールとを
反応させてタゾバクタムを生成させ、次いでタゾバクタ
ムを含む反応混合物にメチルイソブチルケトン等の疎水
性有機溶媒を加えて0〜5℃に冷却し、更に炭酸水素ナ
トリウム等の塩基性化合物と水とを加えて混合し、水層
のみを分離することによって容易に調製できる。
【0024】また、タゾバクタム塩を含む水溶液は、特
許第2648750号明細書に従って製造されるタゾバ
クタムを、塩基性化合物で処理してタゾバクタム塩と
し、これを水に溶解させることにより調製してもよい。
【0025】ここで用いられる塩基性化合物としては、
公知のものを広く使用でき、例えば炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、
炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩等を挙げる
ことができる。これらの中でも、炭酸水素ナトリウム等
のアルカリ金属炭酸水素塩が好ましい。これらの塩基性
化合物は、1種を単独で使用でき又は2種以上を併用で
きる。
【0026】本発明のタゾバクタム塩には、タゾバクタ
ムのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カ
ルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が包含される。
【0027】水溶液中に含有されるタゾバクタム塩の濃
度は、限定されるものではなく、広い範囲内から適宜選
択することができる。水溶液中のタゾバクタム塩濃度
は、目的とする水和物結晶の晶析効率、作業性等を考慮
すると、通常1〜50重量%、好ましくは5〜20%重
量%であるのがよい。
【0028】本発明においては、タゾバクタム塩を含有
する水溶液のpHを3以下に調整するに先立ち、該水溶
液中に含まれる有機溶媒の含有量を0.1重量%以下ま
で低減することが必須である。この有機溶媒には、上記
水溶液を調製するに当たって用いられる疎水性有機溶媒
及びタゾバクタム製造原料であるクレゾールの両者が含
まれている。
【0029】タゾバクタム塩を含有する水溶液中の有機
溶媒含有量を0.1重量%以下に調節するに当たって
は、例えば、タゾバクタム塩を含有する水溶液を吸着剤
で処理すればよい。
【0030】吸着剤としては、公知のものを広く使用で
き、例えば合成吸着剤、活性炭等を挙げることができ
る。
【0031】合成吸着剤としては、例えば、スチレンと
ジビニルベンゼンとからなる架橋ポリマー、メタクリル
酸エステルとエチレングリコールジメタクリレートとか
らなる架橋ポリマー等を挙げることができる。合成吸着
剤の市販品としては、例えば、アンバーライトXAD
(商品名、ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオ
ンHP(商品名、三菱化学(株)製)等が挙げられる。
【0032】タゾバクタム塩を含有する水溶液を吸着剤
で処理する方法を具体的に示すと、例えば吸着剤をカラ
ム等に充填し、これにタゾバクタム塩の水溶液を1回又
は2回以上通過させる方法、タゾバクタム塩の水溶液に
吸着剤を添加し、混合する方法等を挙げることができ
る。
【0033】吸着剤の使用量は、処理されるタゾバクタ
ム塩の水溶液の量等に応じて適宜選択することができ
る。この処理は、通常20〜30℃の温度下で行われ
る。
【0034】本発明方法では、次に有機溶媒含有量を
0.1重量%以下に調節したタゾバクタム塩の水溶液を
冷却しつつ、該水溶液に酸を加えてタゾバクタムの水和
物結晶を析出させる。
【0035】タゾバクタム塩の水溶液の冷却温度として
は、通常10℃以下、好ましくは0〜5℃がよい。タゾ
バクタム塩の水溶液の液温を上記特定の温度以下に冷却
しない場合には、その後該水溶液に酸を加えてpHを3
以下に調節したとしても、目的とするタゾバクタムの水
和物結晶を析出させることはできない。
【0036】タゾバクタム塩含有水溶液のpH値は、3
以下であれば制限はないが、目的とする水和物結晶の晶
析効率、作業性、経済性等を考慮すると、通常水溶液の
pHを0.5〜1.5、好ましくは0.6〜1程度に調
整するのがよい。
【0037】水溶液のpH調整には通常酸が使用され
る。使用される酸としては、上記pH値に調整できる酸
である限り、公知の酸を広く使用できる。このような酸
としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸、トリ
フルオロ酢酸等の有機酸等が挙げられる。これらの中で
も、無機酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。これらの
酸は、1種を単独で使用でき又は2種以上を併用でき
る。
【0038】上記pH調整により、水溶液中に、タゾバ
クタム水和物結晶が析出する。タゾバクタム水和物結晶
は、濾過、遠心分離等の通常の分離手段により、反応系
から容易に単離、精製できる。
【0039】
【発明の効果】本発明のタゾバクタム水和物結晶は、保
存安定性に優れており、長期間常温保存してもタゾバク
タム水和物結晶が実質的に分解を起こすことがない。
【0040】また、本発明のタゾバクタム水和物結晶
は、該結晶と併用される抗菌剤の抗菌性能を十分に発揮
させ得るという優れた特性を有している。
【0041】本発明のタゾバクタム水和物結晶は、従来
のタゾバクタムと同様の薬理活性を備えている。即ち、
本発明のタゾバクタム水和物結晶は、細菌が産出する各
種のβ−ラクタマーゼと不可逆的に結合し、β−ラクタ
マーゼの活性を阻害する作用を有している。このため、
β−ラクタマーゼによって不活性化される既存の各種抗
菌剤と併用され、β−ラクタマーゼ産生菌に対しても該
各種抗菌剤本来の抗菌作用を発揮させることができる。
【0042】
【実施例】以下に実施例、参考例及び試験例を挙げ、本
発明を具体的に説明する。
【0043】参考例1 特許第2648750号に記載の実施例1に従い、2−
メチル−2−トリアゾリルメチルペナム−3−カルボン
酸 S,S−ジオキシド(タゾバクタム)の結晶を製造
した。
【0044】即ち、m−クレゾール80mlを50〜5
5℃に加温しているところへ、2−メチル−2−トリア
ゾリルメチルペナム−3−カルボン酸 S,S−ジオキ
シドのジフェニルメチルエステル10gを加え、温度を
維持しながら2時間反応を行った。
【0045】反応終了後、メチルイソブチルケトン24
0mlを加え、0〜5℃に冷却した。水23ml、次い
で炭酸水素ナトリウム2.3gを加え、抽出を行った。
有機層を分離し、有機層に水12ml及び炭酸水素ナト
リウム0.7gを加え、再度抽出を行った。分離した水
層を合せて、メチルイソブチルケトン18mlで洗浄
し、0〜5℃に冷却し、6N−塩酸を加えてpHを1に
調整した。析出した2−メチル−2−トリアゾリルメチ
ルペナム−3−カルボン酸 S,S−ジオキシドを濾別
し、少量の冷水で洗浄し乾燥すると、タゾバクタムの白
色結晶が得られた。
【0046】上記で得られたタゾバクタム白色結晶のX
線回折スペクトルは次の通りであった。このX線回折ス
ペクトルは、モノクロメーターを通したλ=1.541
8Åの銅放射線で得られるX線回折スペクトルである。
【0047】 d(格子面間隔) 相対強度(I/I0) 9.2437 0.42 8.8734 0.18 8.6651 0.05 7.5317 0.19 7.2017 0.72 6.6516 0.30 6.1205 1.00 6.0130 0.44 5.9014 0.28 5.5902 0.38 5.4735 0.81 5.3681 0.36 5.1040 0.55 5.0350 0.19 4.8863 0.48 4.7513 0.11 4.5952 0.61 4.3246 0.23 4.1796 0.57 4.1373 0.23 3.8438 0.28 3.8081 0.42 3.7355 0.17 3.6897 0.14 3.6274 0.23 3.5957 0.23 3.5037 0.15 3.4741 0.17 3.3385 0.17 3.2853 0.10 2.9665 0.25 2.9099 0.23 2.8873 0.18 2.7250 0.25 実施例1 参考例1と同様にして、m−クレゾール80mlを50
〜55℃に加温しているところへ、2−メチル−2−ト
リアゾリルメチルペナム−3−カルボン酸 S,S−ジ
オキシドのジフェニルメチルエステル10gを加え、温
度を維持しながら2時間反応を行った。
【0048】反応終了後、メチルイソブチルケトン24
0mlを加え、0〜5℃に冷却した。水23ml、次い
で炭酸水素ナトリウム2.3gを加え、抽出を行った。
有機層を分離し、有機層に水12ml及び炭酸水素ナト
リウム0.7gを加え、再度抽出を行った。分離した水
層を合せて、メチルイソブチルケトン18mlで洗浄し
た。
【0049】この水溶液中のm−クレゾール濃度を高速
液体クロマトグラフィーにて測定したところ、約0.8
4重量%であった。また、メチルイソブチルケトン濃度
をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、約
1.3重量%であった。
【0050】この水溶液を、合成吸着剤(商品名:ダイ
ヤイオンHP−20、三菱化学(株)製)10mlを充
填したカラムに通し、引続き水30mlを該カラムに通
し、得られた全てのフラクションを合せた。この溶液中
のm−クレゾール濃度を高速液体クロマトグラフィーに
て測定したところ、約0.044重量%であった。ま
た、メチルイソブチルケトン濃度をガスクロマトグラフ
ィーにより測定したところ、約0.036重量%であっ
た。
【0051】この水溶液を5℃以下に冷却した後、その
温度を維持しながら、塩酸を加え、pHを0.5〜1.
0の範囲に調整した。析出した結晶を濾取し、2−メチ
ル−2−トリアゾリルメチルペナム−3−カルボン酸
S,S−ジオキシドの水和物の白色結晶を得た。
【0052】上記で得られる白色結晶を元素分析したと
ころ、下記に示す結果が得られ、該白色結晶がタゾバク
タムの1/2水和物結晶であることを確認した。
【0053】 元素分析値(C101245S・1/2H2Oとして) 計算値(%) H:4.24 C:38.83 N:18.11 実測値(%) H:4.16 C:38.80 N:18.19 タゾバクタム水和物白色結晶のX線回折スペクトル(モ
ノクロメーターを通したλ=1.5418Åの銅放射線
で得られるX線回折スペクトル)は次の通りであった。
【0054】 d(格子面間隔) 相対強度(I/I0) 9.2825 0.28 7.3937 0.12 7.2251 1.00 6.1459 0.72 5.6326 0.11 5.4938 0.74 5.3941 0.33 5.1157 0.35 5.0635 0.19 4.6046 0.52 4.3330 0.16 4.1952 0.17 4.1449 0.13 3.8570 0.21 3.8178 0.33 3.7417 0.12 3.6927 0.14 3.6421 0.13 3.6043 0.31 3.3459 0.19 2.9723 0.16 2.9191 0.13 2.8970 0.12 参考例1で得られたタゾバクタム結晶のX線回折スペク
トルと実施例1で得られたタゾバクタム結晶のX線回折
スペクトルを比較すると、前者のスペクトルのピーク数
が約2倍多く、異なる格子面間隔に数多くのピークが存
在することが明らかであり、両者の結晶形態は明らかに
異なっていることが確認できた。
【0055】試験例1 参考例1及び実施例1で得られたタゾバクタム結晶各1
0gを、それぞれ別の試験管に入れ、密封して室温で1
年間保存した。この間、室温は10〜34℃の範囲で変
動した。
【0056】その後、参考例1及び実施例1で得られた
タゾバクタム結晶の純度を調べたところ、実施例1で得
られた結晶の純度が99.8%であったのに対し、参考
例1で得られた結晶の純度は95%であった。
【0057】このことから、本発明のタゾバクタム水和
物結晶は、従来のタゾバクタム結晶に比し、保存安定性
の点で優れていることが明らかになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 重俊 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 で表されるβ−ラクタム化合物の水和物結晶。
  2. 【請求項2】 モノクロメーターを通したλ=1.54
    18Åの銅放射線で得られるX線回折スペクトルが下記
    格子面間隔にピークを有する請求項1に記載の水和物結
    晶。 d(格子面間隔) 8.818〜9.747 7.024〜7.763 6.864〜7.586 5.839〜6.453 5.351〜5.914 5.219〜5.768 5.124〜5.664 4.860〜5.372 4.810〜5.317 4.374〜4.835 4.116〜4.550 3.985〜4.405 3.938〜4.352 3.664〜4.050 3.627〜4.009 3.555〜3.929 3.508〜3.877 3.460〜3.824 3.424〜3.785 3.179〜3.513 2.824〜3.121 2.773〜3.065 2.752〜3.042
  3. 【請求項3】 モノクロメーターを通したλ=1.54
    18Åの銅放射線で得られるX線回折スペクトルが下記
    格子面間隔及び相対強度で特徴づけられる請求項2に記
    載の水和物結晶。 d(格子面間隔) 相対強度(I/I0) 8.818〜9.747 0.01〜0.60 7.024〜7.763 0.01〜0.28 6.864〜7.586 0.46〜1.00 5.839〜6.453 0.01〜1.00 5.351〜5.914 0.03〜1.19 5.219〜5.768 0.01〜1.00 5.124〜5.664 0.01〜0.75 4.860〜5.372 0.01〜0.85 4.810〜5.317 0.04〜0.34 4.374〜4.835 0.01〜1.00 4.116〜4.550 0.01〜0.31 3.985〜4.405 0.01〜0.45 3.938〜4.352 0.03〜0.23 3.664〜4.050 0.07〜0.35 3.627〜4.009 0.12〜0.54 3.555〜3.929 0.01〜0.24 3.508〜3.877 0.02〜0.26 3.460〜3.824 0.01〜0.26 3.424〜3.785 0.05〜0.57 3.179〜3.513 0.09〜0.29 2.824〜3.121 0.02〜0.30 2.773〜3.065 0.02〜0.24 2.752〜3.042 0.01〜0.23
  4. 【請求項4】 1/2水和物である請求項3に記載の水
    和物結晶。
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