JP2010013068A - ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブレーキ操作子の操作中にイグニッションスイッチをオンした場合に、電気式液圧発生手段の起動により発生する騒音、振動、衝撃等を防止する。
【解決手段】 運転者によるブレーキペダル12の操作をペダルストロークセンサSaで検出し、制御手段がブレーキペダル12のペダルストロークに応じてスレーブシリンダ23の作動を制御するブレーキ装置において、ペダルストロークセンサSaがブレーキペダル12の操作を検出している間にイグニッションスイッチがオンした場合、制御手段がスレーブシリンダ23が発生するブレーキ液圧を、ブレーキペダル12のペダルストロークに応じたブレーキ液圧よりも低く抑えるので、イグニッションスイッチがオンしてスレーブシリンダ23が起動した瞬間に過大なブレーキ液圧が発生して騒音、振動、衝撃等が発生するのを未然に回避することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転者により操作されるブレーキ操作子と、前記ブレーキ操作子の操作を検出するブレーキ操作検出手段と、ブレーキ液圧を電気的に発生する電気式液圧発生手段と、前記ブレーキ操作検出手段で検出した操作量あるいは操作力に応じて前記電気式液圧発生手段の作動を制御する制御手段とを備えたブレーキ装置に関する。
運転者の制動操作を電気信号に変換して電気式液圧発生手段としてのモータシリンダを作動させ、このモータシリンダが発生するブレーキ液圧でホイールシリンダを作動させる、いわゆるBBW(ブレーキ・バイ・ワイヤ)式ブレーキ装置が、下記特許文献1により公知である。
特開2005−343366号公報
ところで、かかるBBW式ブレーキ装置の電気式液圧発生手段が発生するブレーキ液圧の大きさは、ブレーキペダルの操作量(ペダルのストローク)やブレーキペダルの操作力(ペダルの踏力)に応じて設定されるが、そのブレーキ液圧の大きさは同じブレーキペダルの操作量でマスタシリンダが発生するブレーキ液圧よりも大きくなるように設定されているのが普通である。
従って、運転者がブレーキペダルを強く踏んだ状態でイグニッションスイッチをオンすると、電気式液圧発生手段が起動した瞬間に過大なブレーキ液圧を急激に発生することになり、騒音、振動、衝撃等が発生して運転者に違和感を与える可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ブレーキ操作子の操作中にイグニッションスイッチをオンした場合に、電気式液圧発生手段の起動により発生する騒音、振動、衝撃等を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、運転者により操作されるブレーキ操作子と、前記ブレーキ操作子の操作を検出するブレーキ操作検出手段と、ブレーキ液圧を電気的に発生する電気式液圧発生手段と、前記ブレーキ操作検出手段で検出した操作量あるいは操作力に応じて前記電気式液圧発生手段の作動を制御する制御手段とを備えたブレーキ装置において、前記制御手段は、前記ブレーキ操作検出手段が前記ブレーキ操作子の操作を検出している間にイグニッションスイッチがオンした場合、前記電気式液圧発生手段が発生するブレーキ液圧を、前記ブレーキ操作子の操作量あるいは操作力に応じたブレーキ液圧よりも低く抑えることを特徴とするブレーキ装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、運転者の操作によりブレーキ液圧を発生するマスタシリンダを備え、前記制御手段は、前記ブレーキ操作検出手段が前記ブレーキ操作子の操作を検出している間にイグニッションスイッチがオンした場合、前記電気式液圧発生手段が発生するブレーキ液圧を、前記マスタシリンダが発生するブレーキ液圧と同等の液圧に設定することを特徴とするブレーキ装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記制御手段は、前記ブレーキ操作検出手段が前記ブレーキ操作子の操作を検出している間にイグニッションスイッチがオンした場合、前記電気式液圧発生手段が発生するブレーキ液圧を、予め定められた所定の液圧に設定することを特徴とするブレーキ装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、路面の傾斜度を検出する路面傾斜センサを備え、前記制御手段は、前記ブレーキ操作検出手段が前記ブレーキ操作子の操作を検出している間にイグニッションスイッチがオンした場合、前記電気式液圧発生手段が発生するブレーキ液圧を、前記路面傾斜センサで検出した路面の傾斜度に応じた液圧に設定することを特徴とするブレーキ装置が提案される。
尚、実施の形態のブレーキペダル12は本発明のブレーキ操作子に対応し、実施の形態のスレーブシリンダ23は本発明の電気式液圧発生手段に対応し、実施の形態のペダルストロークセンサSaは本発明のブレーキ操作検出手段に対応し、実施の形態の電子制御ユニットUは本発明の制御手段に対応する。
請求項1の構成によれば、運転者によるブレーキ操作子の操作をブレーキ操作検出手段で検出し、制御手段がブレーキ操作子の操作量あるいは操作力に応じて電気式液圧発生手段の作動を制御するブレーキ装置において、ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作子の操作を検出している間にイグニッションスイッチがオンした場合、制御手段が電気式液圧発生手段が発生するブレーキ液圧を、ブレーキ操作子の操作量あるいは操作力に応じたブレーキ液圧よりも低く抑えるので、イグニッションスイッチがオンして電気式液圧発生手段が起動した瞬間に過大なブレーキ液圧が発生して騒音、振動、衝撃等が発生するのを未然に回避することができる。
また請求項2の構成によれば、ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作子の操作を検出している間にイグニッションスイッチがオンした場合、制御手段は電気式液圧発生手段が発生するブレーキ液圧を、マスタシリンダが発生するブレーキ液圧と同等の液圧に設定するので、騒音、振動、衝撃等の発生を防止しながら車両の予期せぬ移動を阻止する最小限の制動力を確保することができる。
また請求項3の構成によれば、ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作子の操作を検出している間にイグニッションスイッチがオンした場合、制御手段は電気式液圧発生手段が発生するブレーキ液圧を予め定められた値に設定するので、騒音、振動、衝撃等の発生を防止しながら車両の予期せぬ移動を阻止する最小限の制動力を確保することができる。 また請求項4の構成によれば、路面の傾斜度を検出する路面傾斜センサを備え、ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作子の操作を検出している間にイグニッションスイッチがオンした場合、制御手段は電気式液圧発生手段が発生するブレーキ液圧を路面の傾斜度に応じた値に設定するので、騒音、振動、衝撃等の発生を防止しながら車両の予期せぬ移動を阻止する最小限の制動力を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明の実施の形態を示すもので、図1は車両用ブレーキ装置の正常時の液圧回路図、図2はペダルストロークに対するブレーキ液圧の関係および路面の傾斜度に対するブレーキ液圧の関係を示すグラフ、図3は制御系のブロック図、図4は図1に対応する異常時の液圧回路図である。
図1に示すように、タンデム型のマスタシリンダ11は、運転者がブレーキペダル12を踏む踏力に応じたブレーキ液圧を出力する二つの第1液圧室13A,13Bを備えており、一方の第1液圧室13Aは液路Pa,Pb,Pc,Pd,Peを介して例えば左前輪および右後輪のディスクブレーキ装置14,15のホイールシリンダ16,17に接続されるとともに、他方の第1液圧室13Bは液路Qa,Qb,Qc,Qd,Qeを介して例えば右前輪および左後輪のディスクブレーキ装置18,19のホイールシリンダ20,21に接続される。
尚、液路Pc,Qcと液路Pd,Pe;Qd,Qeとの間には、車輪のロックを抑制するABS(アンチロック・ブレーキ・システム)装置24が介装され、このABS装置24は、左右の車輪の制動力に差を発生させることで車両の操縦安定性を高めるためのVSA(ビークル・スタビリティ・アシスト)の機能も備えている。
液路Pa,Pb間に常開型電磁弁である開閉弁22Aが配置され、液路Qa,Qb間に常開型電磁弁である開閉弁22Bが配置され、液路Pb,Qbと液路Pc,Qcとの間にスレーブシリンダ23が配置される。
液路Qaから分岐する液路Ra,Rbには、常閉型電磁弁である反力許可弁25を介してストロークシミュレータ26が接続される。ストロークシミュレータ26は、シリンダ27にスプリング28で付勢されたピストン29を摺動自在に嵌合させたもので、ピストン29の反スプリング28側に形成された液室30が液路Rbに連通する。
スレーブシリンダ23のアクチュエータ51は、電動モータ52の回転軸に設けた駆動ベベルギヤ53と、駆動ベベルギヤ53に噛合する従動ベベルギヤ54と、従動ベベルギヤ54により作動するボールねじ機構55とを備える。アクチュエータハウジング56に一対のボールベアリング57,57を介してスリーブ58が回転自在に支持されており、このスリーブ58の内周に出力軸59が同軸に配置されるとともに、その外周に従動ベベルギヤ54が固定される。
スレーブシリンダ23のシリンダ本体36の内部に一対のリターンスプリング37A,37Bで後退方向に付勢された一対のピストン38A,38Bが摺動自在に配置されており、ピストン38A,38Bの前面に一対の第2液圧室39A,39Bが区画される。後側のピストン38Aの後端に前記出力軸59の前端が当接する。一方の第2液圧室39Aは入口ポート40Aおよび出口ポート41Aを介してそれぞれ液路Pa,Pcに連通し、他方の第2液圧室39Bは入口ポート40Bおよび出口ポート41Bを介してそれぞれ液路Qa,Qcに連通する。
液路Pc,Qcと液路Pd,Pe;Qd,Qeとの間に配置されるABS装置24の構造は周知のもので、左前輪および右後輪のディスクブレーキ装置14,15の系統と、右前輪および左後輪のディスクブレーキ装置18,19の系統とに同じ構造のものが設けられる。その代表として左前輪および右後輪のディスクブレーキ装置14,15の系統について説明すると、液路Pcと液路Pd,Peとの間に一対の常開型電磁弁よりなるインバルブ42,42が配置され、インバルブ42,42の下流側の液路Pd,Peとリザーバ43との間に常閉型電磁弁よりなるアウトバルブ44,44が配置される。リザーバ43と液路Pcとの間に、一対のチェックバルブ45,46に挟まれた液圧ポンプ47が配置されており、この液圧ポンプ47は電動モータ48により駆動される。
ABS装置24は、VSA機能を発揮するために、更に以下のような構成を備えている。即ち、液路Pcが液路Pd,Peに分岐する手前位置と、液路Qcが液路Qd,Qeに分岐する手前位置とに、それぞれ開度を任意に制御可能な常開型電磁弁よりなるレギュレータバルブ61,61が配置される。またチェックバルブ45,45に対して直列にチェックバルブ62,62が配置されており、チェックバルブ45,45とチェックバルブ62,62との間から分岐して前記レギュレータバルブ61,61の上流側の液路Pc,Qcに連なる液路Pf,Qfに、それぞれ常閉型電磁弁よりなるサクションバルブ63,63が配置される。
図3に示すように、電子制御ユニットUには、ブレーキペダル12の操作量であるペダルストロークを検出するペダルストロークセンサSaと、路面の傾斜度(勾配)を検出する路面傾斜センサSbと、各車輪に設けた車輪速センサSc…と、エンジンを始動するイグニッションスイッチSdとが接続されており、前記スレーブシリンダ23の電動モータ52に加えて、開閉弁22A,22B、反力許可弁25およびABS装置24の作動を制御する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用について説明する。
システムが正常に機能する正常時には、図1に示すように、常開型電磁弁よりなる開閉弁22A,22Bが消磁されて開弁し、常閉型電磁弁よりなる反力許可弁25が励磁されて開弁する。この状態でペダルストロークセンサSaが運転者によるブレーキペダル12の踏み込みを検出すると、スレーブシリンダ23のアクチュエータ51が作動する。即ち、電動モータ52を一方向に駆動すると、駆動ベベルギヤ53、従動ベベルギヤ54およびボールねじ機構55を介して出力軸59が前進することで、出力軸59に押圧された一対のピストン38A,38Bが前進する。
ピストン38A,38Bが前進を開始して直ちに入口ポート40A,40Bを閉塞した瞬間、第2液圧室39A,39Bにブレーキ液圧が発生し、このブレーキ液圧はディスクブレーキ装置14,15;18,19のホイールシリンダ16,17;20,21に伝達されて各車輪を制動する。
このとき、マスタシリンダ11が液路Pa,Qaに出力するブレーキ液圧は、スレーブシリンダ23の閉塞された入口ポート40A,40Bによって遮断されるが、マスタシリンダ11の他方の第1液圧室13Bが発生したブレーキ液圧が開弁した反力許可弁25を介してストロークシミュレータ26の液室30に伝達され、そのピストン29をスプリング28に抗して移動させることで、ブレーキペダル12のストロークを許容するとともに擬似的なペダル反力を発生させて運転者の違和感を解消することができる。
図2(A)に示すように、マスタシリンダ11が出力するブレーキ液圧は、ペダルストロークの増加に応じて最初は緩やかに、後から急激に増加する放物線状の特性であるが、図2(B)に示すように、スレーブシリンダ23が出力するブレーキ液圧は、ペダルストロークの増加に応じて直線的に増加するように設定されている。従って、ペダルストロークが極端の大きい領域を除いて、同じペダルストロークに対して、スレーブシリンダ23が発生するブレーキ液圧の方が、マスタシリンダ11が発生するブレーキ液圧よりも大きくなる。
しかして、電子制御ユニットUの指令により、スレーブシリンダ23が図2(B)の特性に従ってブレーキ液圧を発生することで、運転者がブレーキペダル12に入力するペダルストロークに応じた制動力をディスクブレーキ装置14,15;18,19に発生させることができる。
さて、電源の失陥等によりスレーブシリンダ23が作動不能になると、スレーブシリンダ23が発生するブレーキ液圧に代えて、マスタシリンダ11が発生するブレーキ液圧による制動が行われる。
即ち、電源が失陥すると、図4に示すように、常開型電磁弁よりなる開閉弁22A,22Bは自動的に開弁し、常閉型電磁弁よりなる反力許可弁25は自動的に閉弁する。この状態では、マスタシリンダ11の第1液圧室13A,13Bにおいて発生したブレーキ液圧は、ストロークシミュレータ26に吸収されることなく、開弁した開閉弁22A,22Bと、スレーブシリンダ23の第2液圧室39A,39Bと、ABS装置24の開弁したレギュレータバルブ61,61およびインバルブ42…とを通過し、各車輪のディスクブレーキ装置14,15;18,19のホイールシリンダ16,17;20,21に支障なく制動力を発生させることができる。
ところで、運転者がブレーキペダル12を踏んだ状態でイグニッションスイッチSdをオンしてエンジンを始動する場合、イグニッションスイッチSdのオンによりスレーブシリンダ23が起動するとき、ブレーキペダル12が踏まれているためにペダルストロークセンサSaは所定のペダルストローク信号を出力している。
このときのペダルストロークがaであるとすると、図2(A)から明らかなようにマスタシリンダ11が発生するブレーキ液圧は小さい値bであるが、図2(B)から明らかなようにスレーブシリンダ23が発生するブレーキ液圧は大きい値b′になり、イグニッションスイッチSdのオンと同時にスレーブシリンダ23は前記大きいブレーキ液圧b′を急激に出力することになり、スレーブシリンダ23が振動、騒音、衝撃等が発生して運転者に違和感を与える虞がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、運転者がブレーキペダル12を踏んだ状態でイグニッションスイッチSdをオンしてエンジンを始動する場合、図2(B)の特性ではなく、図2(A)の特性、つまりペダルストロークに対してブレーキ液圧が小さいマスタシリンダ11の特性に応じてスレーブシリンダ23が発生するブレーキ液圧を制御するので、本来スレーブシリンダ23が発生するブレーキ液圧b′の代わりに、それよりも小さいブレーキ液圧bが発生することになり、スレーブシリンダ23の起動に伴う振動、騒音、衝撃等が発生を防止することができる。スレーブシリンダ23が起動してから所定時間(例えば、数秒)が経過した後は、図2(B)に示す通常の特性に基づいてスレーブシリンダ23のブレーキ液圧が制御される。
尚、イグニッションスイッチSdをオンしてスレーブシリンダ23を起動するとき、開閉弁22A,22Bを一時的に閉弁しておくことで、スレーブシリンダ23が発生するブレーキ液圧がマスタシリンダ11側に逆伝達されるを防止し、ペダルフィーリングの悪化を回避することができる。
次に、ABS制御時の作用を説明する。正常時における制動中に車輪速センサSc…の出力に基づいて何れかの車輪のスリップ率が増加してロック傾向になったことが検出されると、スレーブシリンダ23を作動状態に維持した状態でABS装置24を作動させて車輪のロックを防止する。
即ち、所定の車輪がロック傾向になると、その車輪のディスクブレーキ装置のホイールシリンダに連なるインバルブ42を閉弁してスレーブシリンダ23からのブレーキ液圧の伝達を遮断した状態で、アウトバルブ44を開弁してホイールシリンダのブレーキ液圧をリザーバ43に逃がす減圧作用と、それに続いてアウトバルブ44を閉弁してホイールシリンダのブレーキ液圧を保持する保持作用とを行うことで、車輪がロックしないように制動力を低下させる。
その結果、車輪速度が回復してスリップ率が低下すると、インバルブ42を開弁してホイールシリンダのブレーキ液圧が増加させる増圧作用を行うことで、車輪の制動力を増加させる。この増圧作用により車輪が再びロック傾向になると、前記減圧、保持、増圧を再び実行し、その繰り返しにより車輪のロックを抑制しながら最大限の制動力を発生させることができる。その間にリザーバ43に流入したブレーキ液は、液圧ポンプ47により上流側の液路Pc,Qcに戻される。
上述したABS制御を実行している間、開閉弁22A,22Bを励磁して閉弁することで、ABS装置24の作動による液圧変化がキックバックとなってマスタシリンダ11からブレーキペダル12に伝達されるのを防止することができる。
次に、VSA制御時の作用を説明する。車両の旋回時にオーバーステア傾向になった場合には、旋回外輪のホイールシリンダを作動させてオーバーステアを抑制するヨーモーメントを発生させ、車両の旋回時にアンダーステア傾向になった場合には、旋回内輪のホイールシリンダを作動させてアンダーステアを抑制するヨーモーメントを発生させるべく、左右の車輪のホイールシリンダの制動力が個別に制御可能である。
即ち、図1においてサクションバルブ63,63を励磁して開弁した状態で液圧ポンプ47,47を作動させると、マスタシリンダ11のリザーバからブレーキ液がサクションバルブ63,63介して吸引され、インバルブ42…の上流側にブレーキ液圧を発生させる。このブレーキ液圧は、レギュレータバルブ61,61を励磁して所定の開度に制御することで、所定の大きさに調圧される。
この状態で、制動する必要がない車輪に対応するインバルブ42を閉弁してホイールシリンダにブレーキ液圧が伝達しないようにしながら、制動する必要がある車輪に対応するインバルブ42を開弁してホイールシリンダにブレーキ液圧を伝達することで、そのホイールシリンダを作動させて制動力を発生させることができる。ホイールシリンダに伝達されるブレーキ液圧の増圧・減圧・保持の制御は、ABS制御の場合と同じようにインバルブ42およびアウトバルブ44の開閉により行われる。
このように、VSA制御で左右一方の車輪だけを制動することで、任意の方向のヨーモーメントを発生させて車両の操縦安定性を高めることができる。
ところで、運転者がブレーキペダル12を踏んだ状態でイグニッションスイッチSdをオンしてエンジンを始動する場合、スレーブシリンダ23の制御には他の態様が考えられる。
第2の実施の形態は、スレーブシリンダ23の起動時に発生するブレーキ液圧を、ペダルストロークに関係なく、一定の値c(図2(B)参照)に設定するものである。このブレーキ液圧cは、例えば車両が傾斜度が30°の路面に停止しているときに、ずり下がらないだけの制動力が得られる大きさとされる。
第3の実施の形態は、スレーブシリンダ23の起動時に発生するブレーキ液圧を、図2(C)に示すように、路面傾斜センサSbで検出した路面の傾斜度に応じて設定することで、その路面で車両がずり下がらないだけの必要最小限の制動力が得られる大きさとされる。
これら第2、第3の実施の形態によっても、スレーブシリンダ23の起動時に発生するブレーキ液圧を通常時のブレーキ液圧よりも低下させ、第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の電気式液圧発生手段は実施の形態のスレーブシリンダ23に限定されず、電動モータで液圧ポンプを駆動してブレーキ液圧を発生するものであっても良い。
またペダルストロークセンサSaに代えて、ブレーキペダル12の踏力を検出する踏力センサや、マスタシリンダ11が発生するブレーキ液圧を検出する液圧センサを用いることができる。
また実施の形態のABS装置24は必ずしも必要ではなく、省略することも可能である。
車両用ブレーキ装置の正常時の液圧回路図 ペダルストロークに対するブレーキ液圧の関係および路面の傾斜度に対するブレーキ液圧の関係を示すグラフ 制御系のブロック図 図1に対応する異常時の液圧回路図
符号の説明
11 マスタシリンダ
12 ブレーキペダル(ブレーキ操作子)
23 スレーブシリンダ(電気式液圧発生手段)
Sa ペダルストロークセンサ(ブレーキ操作検出手段)
Sb 路面傾斜センサ
Sd イグニッションスイッチ
U 電子制御ユニット(制御手段)

Claims (4)

  1. 運転者により操作されるブレーキ操作子(12)と、
    前記ブレーキ操作子(12)の操作を検出するブレーキ操作検出手段(Sa)と、
    ブレーキ液圧を電気的に発生する電気式液圧発生手段(23)と、 前記ブレーキ操作検出手段(Sa)で検出した操作量あるいは操作力に応じて前記電気式液圧発生手段(23)の作動を制御する制御手段(U)と、
    を備えたブレーキ装置において、
    前記制御手段(U)は、
    前記ブレーキ操作検出手段(Sa)が前記ブレーキ操作子(12)の操作を検出している間にイグニッションスイッチ(Sd)がオンした場合、前記電気式液圧発生手段(23)が発生するブレーキ液圧を、前記ブレーキ操作子(12)の操作量あるいは操作力に応じたブレーキ液圧よりも低く抑えることを特徴とするブレーキ装置。
  2. 運転者の操作によりブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ(11)を備え、
    前記制御手段(U)は、前記ブレーキ操作検出手段(Sa)が前記ブレーキ操作子(12)の操作を検出している間にイグニッションスイッチ(Sd)がオンした場合、前記電気式液圧発生手段(23)が発生するブレーキ液圧を、前記マスタシリンダ(12)が発生するブレーキ液圧と同等の液圧に設定することを特徴とする、請求項1に記載のブレーキ装置。
  3. 前記制御手段(U)は、前記ブレーキ操作検出手段(Sa)が前記ブレーキ操作子(12)の操作を検出している間にイグニッションスイッチ(Sd)がオンした場合、前記電気式液圧発生手段(23)が発生するブレーキ液圧を、予め定められた所定の液圧に設定することを特徴とする、請求項1に記載のブレーキ装置。
  4. 路面の傾斜度を検出する路面傾斜センサ(Sb)を備え、
    前記制御手段(U)は、前記ブレーキ操作検出手段(Sb)が前記ブレーキ操作子(12)の操作を検出している間にイグニッションスイッチ(Sd)がオンした場合、前記電気式液圧発生手段(23)が発生するブレーキ液圧を、前記路面傾斜センサ(Sb)で検出した路面の傾斜度に応じた液圧に設定することを特徴とする、請求項1に記載のブレーキ装置。
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