JP2010011590A - クローポール型モータ及びポンプ - Google Patents

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俊治 橋本
Takafumi Seki
孝文 関
Shinji Suematsu
真二 末松
Etsuo Matsuki
悦夫 松木
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Abstract

【課題】ステータ構造の径方向の小型化を図ることのできるクローポール型モータおよび当該クローポール型モータを駆動源とするポンプを得る。
【解決手段】クローポール型モータ10におけるステータ5は、爪磁極53の周方向で隣接するもの同士が互いに逆方向に向けて延在するステータコア51と、当該ステータコア51の中空部51a内に配置される巻線52と、当該巻線52と前記ステータコア51とを電気的に絶縁する絶縁部材54と、を備えている。そして、ステータコア51と絶縁部材54とを一体に成形し、ステータコア51と絶縁部材54との間に隙間が形成されるのを抑制することで、クローポール型モータ10のステータ5の径方向の小型化を図っている。
【選択図】図3

Description

本発明は、クローポール型モータ及び当該クローポール型モータを駆動源とするポンプに関する。
従来、クローポール型モータとして、周方向に沿って複数配置された極爪を有するステータを、極爪が永久磁石型のロータ周面と対向するように配置させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、ステータは、底面から複数の極爪が環状に切り起こされるとともに、極爪の外周側に円筒部が設けられた軟鉄製のモータケース本体と、中央にロータ収納孔を有し、モータケース本体に収納されるコイルボビンと、頂面から複数の極爪が環状に切り起こされ、モータケース本体とでコイルボビンを収容する中空部を形成するケース蓋体と、を備えている。
そして、コイルボビンを、当該コイルボビンがモータケース本体の極爪の外周側に配置されるようにモータケース本体に組み付け、モータケース本体をケース蓋体で覆うことで中空部にコイルボビンが収納されたステータを形成している。
特開平9−056141号公報
ところで、上記特許文献1に記載のステータ構造では、モータケース本体およびケース蓋体は、一般的に、コイルボビンとの組付作業性を容易にするため、組立時に極爪とコイルボビンとの間に隙間ができるように形成されている。
このように、従来の構造では、モータケース本体とコイルボビンとの間に隙間が形成されてしまうため、モータケース本体の径を小さくすることができず、ステータ構造の径方向の小型化を図り難かった。
そこで、本発明は、ステータ構造の径方向の小型化を図ることのできるクローポール型モータを得ることを目的とする。
本発明は、周方向に沿ってマグネットを有する回転可能なロータと、軸方向に延在するとともに周方向に沿って複数配置された爪磁極が前記ロータのマグネットの周面と対向するように配置されるステータと、を備えるクローポール型モータにおいて、前記ステータは、前記爪磁極の周方向で隣接するもの同士が互いに逆方向に向けて延在する中空のステータコアと、当該ステータコアの中空部内に配置される巻線と、当該巻線と前記ステータコアとを電気的に絶縁する絶縁部材と、を備え、前記ステータコアと前記絶縁部材とが一体に設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、巻線とステータコアとを電気的に絶縁する絶縁部材を、ステータコアに一体に設けているため、ステータコアと絶縁部材との間に隙間が形成されるのを抑制することができ、クローポール型モータの径方向の小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)図1は、本実施形態にかかるクローポール型モータを使用したポンプの斜視図、図2は、図1のA−A断面図、図3は、ステータの分解斜視図である。
本実施形態にかかるポンプ1は、液体を吸排する羽根車3と、液体を吸排させる吸入口12及び吐出口13を有したポンプケース6と、羽根車3を回転可能に収容させるポンプ室9をポンプケース6と対をなして形成する分離板2と、を備えており、クローポール型モータ10を駆動源として羽根車3を回転駆動させている。
このクローポール型モータ10は、羽根車3を回転駆動させるマグネット42を有するロータ4と、このロータ4に回転駆動力を伝達する爪磁極53を有するステータ5と、ステータ5で発生させた磁界を制御する制御基板7と、を備えている。
そして、本実施形態では、クローポール型モータ10は、分離板2の円筒部2aを間に挟んで内側(モータ中心部側)にロータ4を配置しかつロータ4の外側にステータ5を配置した、いわゆるインナロータ型構造をしている。
羽根車3は、ロータ4と一体化されており、固定軸(モータ中心部)45を中心に回転し、吸入口12からポンプ室9内へと吸い込んだ液体に遠心力を与えて吐出口13からポンプ外へと排出する。この羽根車3で吸排される液体は、例えば80℃程度の温水とされる。
ポンプ室9は、図1に示すように、ポンプケース6の中央に開口された吸入口12と、ポンプケース6の側壁にてその外周部の接線方向に延びる吐出管14の先端に設けた吐出口13とを有したポンプケース6に、ロータ4とステータ5とを水密状態に分離(ポンプ部とモータ部を分離)する分離板2が結合されることにより形成されている。なお、ポンプケース6の外周側端部6aと、分離板2の円筒部2aの先端から径方向外側に突出している外側端部2dとの結合部分には、ポンプ室9を外部に対して水密状態に封止するためのシール部材8を介在させている。
また、ポンプ1は、ポンプケース6を除いた部位全体がモールド樹脂20で覆われている。このため、ステータ5及び制御基板7を含めたモータ部全体をこのモールド樹脂20で保護することができると共に強度も高めることができる。
ロータ4は、羽根車3の外周端部に一体的に設けられた円筒体として形成されており、その円筒体内周側の円筒状のロータ本体41の外側に、磁気回路(磁界)を構成する円筒状のマグネット42が設けられている。このマグネット42は、周方向に沿って等間隔で、N極とS極とが交互に並ぶように配置されている。
また、ロータ4は、ポンプケース6に設けられた軸支え部43と分離板2に設けられた軸支え部2bに各端部を挿入嵌合させた固定軸45に対し、軸受け部46を介して回転可能に支承されている。なお、固定軸45は、その両端側に取り付けられた一対の回り止め板47,47により回転不可能とされている。
さらに、マグネット42と分離板2の円筒部2aとの間には、ロータ4の回転時に接触しない程度の隙間(クリアランス)が確保されている。また、分離板2の円筒部2aと軸支え部2bとを、円板状の端板2cによって連結することで一体化している。
ステータ5は、円筒体をなすロータ4の外側のマグネット42の外周面42aを分離板2の円筒部2aを間に挟んで対向配置するための孔が中央部に形成された略環状のステータコア51と、当該ステータコア51の中空部51a内に配置される環状コイル(巻線)52と、ステータコア51と環状コイル(巻線)52とを電気的に絶縁するとともに、環状コイル(巻線)52を保持する断面略コ字状のコイルボビン(絶縁部材)54と、を備えている。なお、図2では、ステータ5と分離板2とが面接触状態で接触しているが、ステータ5と分離板2とを離間させるように配置してもよい。
本実施形態では、ステータコア51は、軸方向(図2中で左右方向)に延在する複数個の爪部である爪磁極(クローポール)53を内周部に有する鉄心で構成されており、環状コイル(巻線)52は、コイルボビン54を介して爪磁極(クローポール)53の中空部51a側の内壁面(ステータコアの中空部側の内壁面)51bに巻き付けられている。
さらに、ステータコア51は、図3に分解斜視図として示すように、第1コア55と第2コア56とから構成されている。
なお、ステータコア51を構成する第1コア55および第2コア56は、図示せぬ金型のキャビティ内に磁性粉を充填し圧縮することにより成形した圧粉鉄心で構成されている。この圧粉鉄心は、鉄粉個々の表面を例えばリン酸皮膜処理などの無機絶縁皮膜でコーティングし、粒子間を樹脂でバインドした構造であり、高周波での鉄損失が低く(渦電流損失が低く)、また飽和磁束密度が大きくしかも耐熱性に優れるという利点を備えている。
第1コア55は、円筒部55cを備えるとともに、円筒部55cの内側に、爪磁極55a(爪磁極53)が、円周方向等間隔にそれぞれ4個設けられている。すなわち、この円筒部55cは、爪磁極55aに対し環状コイル52を隔てて固定軸45の径方向にずれた位置に形成されている。
そして、爪磁極55aの基端部55dが底壁部55bを介して円筒部55cの軸方向の一方の端部55eの周縁に連結されて円筒部55cと一体化している。また、爪磁極55aおよび円筒部55cの軸方向長さはほぼ同等となっており、第1コア55は、これら爪磁極55a,円筒部55c及び底壁部55bによって断面略コ字状に形成されている。
一方、第2コア56は、爪磁極56a(爪磁極53)と、当該爪磁極56aの基端部56dから固定軸45の径方向外側に向けて延び、第1コア55の円筒部55cの軸方向他端部55fに接合される底壁部56bと、を備えている。すなわち、第2コア56は、爪磁極56aと底壁部56bとで断面略L字状に形成されている。
なお、各爪磁極55a,56aの先端に対応する位置の底壁部56b,55bには、ステータコア51の材料コストを低減させる目的から切欠部56g,55gがそれぞれ形成されている。この切欠部56g,55gは、ロータ4を回転駆動させる時に発生する磁路を基準として、磁路を除いた非磁路領域の部位を切り欠くことで形成されている。
ここで、本実施形態では、第2コア56とコイルボビン54とがインサート成形により一体成形されている。
具体的には、例えば、圧縮成形により形成した第2コア56を図示せぬコイルボビン成形用の金型内に配置し、当該金型内のキャビティに溶融した絶縁性樹脂を流し込むことでコイルボビン54を第2コア56の爪磁極56aの外周側に形成し、コイルボビン54を第2コア56に一体化させている。
そして、第2コア56に一体成形されたコイルボビン54に環状コイル52を巻き付けた状態で、第1コア55の爪磁極55aを第2コア56の爪磁極56a相互間に挿入配置するとともに、第2コア56の爪磁極56aを第1コア55の爪磁極55a相互間に挿入配置することで、第1コア55の爪磁極55aと第2コア56の爪磁極56aとが円周方向に沿って交互に配置されたステータコア51の中空部51a内にコイルボビン54を介して環状コイル52を配置したステータ5が形成される。
このとき、爪磁極55aと爪磁極56aとの間には隙間が形成され、周方向に互いに隣接する爪磁極55a,56a同士が、軸方向に沿って互いに逆方向に向けて延在することになる。このように、爪磁極55a,56a同士を、軸方向に沿って互いに逆方向に向けて延在させることで、ロータ4のマグネット42に対向するS極とN極を構成している。
またこのとき、第1コア55の円筒部55cの軸方向他端部55fが、第2コア56の底壁部56bの爪磁極56a側の面に接合された状態となり、円筒部55cの外周面と底壁部56bの外周面とが互いにほぼ同一面となっている。
なお、円筒部55cの内径を底壁部56bの外径に対してほぼ同じかやや大きくした上で、円筒部55cの軸方向他端部55fにより底壁部56bの外周面を覆うようにしてもよい。
このようなクローポール型のステータ5では、環状コイル52に通電することで発生した磁束を、爪磁極55a,56aからロータ4へと効率良く伝達することができる。
また、本実施形態では、制御基板7が、分離板2の背面に設けられており、ロータ4の回転位置を検出するセンサ11からの信号を受けて、環状コイル52に流す電流を制御している。これにより、制御基板7は、ロータ4の回転位置に応じて、環状コイル52で発生した磁界を制御している。
このように構成されたポンプ1においては、環状コイル52への通電により発生する磁束が爪磁極55a,56aの磁極面53a,53aからマグネット42へと伝達されることにより当該マグネット42が吸引反発し、ロータ4と一体的に設けられた羽根車3が固定軸45を中心として回転する。そして、この羽根車3の回転に伴いポンプ作用が発生し、液体が吸入口12よりポンプ室9内へと吸込まれ、このポンプ室9内で加圧され周囲方向へ圧送された液体が吐出口13からポンプ1外へと吐出される。
以上の本実施形態によれば、第2コア56とコイルボビン54とをインサート成形により一体成形しているため、第2コア56とコイルボビン54との間に隙間が形成されるのを抑制することができ、クローポール型モータ10の径方向の小型化を図ることができる。
また、第2コア56とコイルボビン54とを一体成形することで、ステータ5の組み付け作業性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、第2コア56を、爪磁極56aと底壁部56bとで断面略L字状に形成し、第2コア56の爪磁極56aの外周に円筒部が設けられないようにしているため、第2コア56に一体成形したコイルボビン54の外周に環状コイル52を巻き付ける際に、円筒部に邪魔されることなく環状コイル52を巻き付けることができ、ステータ5の組み付け作業性をより一層向上させることができる。
そして、このようなクローポール型モータ10を駆動源としてポンプ1を構成することで、小型で高効率なポンプを得ることができる。
続いて、ステータコアの構成の変形例を説明する。
(第1変形例)
本変形例にかかるステータコア51を構成する第1コア55および第2コア56は、表面を無機絶縁皮膜でコーティングした鉄粉と樹脂バインダとを混ぜ合わせた混合材料である磁性材料を、インジェクション成形することによって製造されている点が上記第1実施形態と異なっており、その他の構造は、上記第1実施形態で説明したものと同様である。
樹脂バインダとしては、例えばナイロン(ポロアミド樹脂)やPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)などの熱可塑性樹脂を使用することができる。その際鉄粉と樹脂バインダとの配合比率は、例えば鉄粉が80〜90%重量比とするのが好適である。
本変形例のように、インジェクション成形によってステータコア51を製造することで、上記第1実施形態のような圧粉鉄心を製造する場合に比較して、金型寿命が長いなど金型コストを低く抑えることができる上、製品形状の自由度も高いので、要求される性能に対応しやすくなる。
(第2変形例)
本変形例にかかるステータコア51を構成する第1コア55および第2コア56は、金属ガラスで構成されている点が上記第1実施形態と異なっており、その他の構造は、上記第1実施形態で説明したものと同様である。
金属ガラスは、上記圧粉鉄心と同様に高周波での鉄損失が低く(渦電流損失が低く)、また飽和磁束密度が大きくしかも耐熱性に優れるという利点を備えている。このため本変形例のように、ステータコア51を金属ガラスで構成することで、第1実施形態と同様に、渦電流損失を抑えることができるとともに、高周波数域で使用できるクローポール型モータ10を得ることができる。
なお、ステータコア51は、金属ガラスの磁性粉を圧縮成形することで製造してもよいし、金属ガラスに樹脂バインドを適宜混合してインジェクション成形により製造してもよい。
(第3変形例)
本変形例にかかるステータコア51を構成する第1コア55および第2コア56は、珪素鋼板で構成されている点が上記第1実施形態と異なっており、その他の構造は、上記第1実施形態で説明したものと同様である。
珪素鋼板は、ステータコアを形成する際に一般的に用いられるものであり、この珪素鋼板を用いることで、材料費、加工費を低減させることができ、コストの削減を図ることができる。
(第2実施形態)図4は、本実施形態にかかるクローポール型モータを模式的に示す断面図である。なお、本実施形態にかかるクローポール型モータ及びポンプは、上記第1実施形態にかかるクローポール型モータ及びポンプと同様の構成要素を備える。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態にかかるクローポール型モータ10Aは、ステータコア51の中空部51a側の内壁面51bに絶縁フィルム54Aを貼り付けた点が上記第1実施形態と異なっている。具体的には、第1コア55および第2コア56の爪磁極55a,56aの中空部51a側の内壁面51bおよび底壁部55b,56bの中空部51a側の内壁面51bに絶縁フィルム54Aを貼り付けている。すなわち、本実施形態では、絶縁フィルム54Aが絶縁部材に相当している。そして、絶縁フィルム54Aを介して環状コイル52を巻き付けることでステータコア51の中空部51a内に環状コイル52を配置させている。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、絶縁フィルム54Aを貼り付けることで環状コイル52とステータコア51とを電気的に絶縁させているため、コイルボビンを用いた場合に比べて絶縁部材の層圧を薄くすることができ、ステータコア51の中空部51a内の巻線スペースを増加させることができる。その結果、同一のステータコアに絶縁フィルムを介して環状コイル52を巻き付けた方が、コイルボビンを介して巻き付けた場合に比べて環状コイル52の巻回量を増加させることができるため、環状コイル52に発生する磁束を大きくすることができ、モータの高効率化を図ることが可能となる。
(第3実施形態)図5は、本実施形態にかかるクローポール型モータを模式的に示す断面図である。なお、本実施形態にかかるクローポール型モータ及びポンプは、上記第1及び第2実施形態にかかるクローポール型モータ及びポンプと同様の構成要素を備える。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態にかかるクローポール型モータ10Bは、ステータコア51の中空部51a側の内壁面51b、本実施形態では、第1コア55および第2コア56の爪磁極55a,56aの中空部51a側の内壁面51bおよび底壁部55b,56bの中空部51a側の内壁面51bに絶縁性のコーティング材料を塗布することで絶縁コーティング層54Bを形成した点が上記第1及び第2実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態では、絶縁コーティング層54Bが絶縁部材に相当している。そして、当該絶縁コーティング層54Bを介して環状コイル52を巻き付けることでステータコア51の中空部51a内に環状コイル52を配置させている。
以上の本実施形態によっても、上記第1及び第2実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、絶縁コーティング層54Bを形成することで環状コイル52とステータコア51とを電気的に絶縁させているため、コイルボビンや絶縁フィルムを用いた場合に比べて絶縁部材の層圧をさらに薄くすることができる。そのため、コイルボビンや絶縁フィルムを用いた場合に比べてステータコア51の中空部51a内の巻線スペースをより一層増加させることができ、モータのさらなる高効率化を図ることができるようになる。
(第4実施形態)図6は、本実施形態にかかるポンプを示す断面図である。
本実施形態にかかるポンプ100は、液体を吸排する羽根車23と、液体を吸排させる吸入口32及び図示しない吐出口を有したポンプケース26と、羽根車23を回転可能に収容するポンプ室29を前記ポンプケース26と対をなして形成する分離板22と、を備えている。
このポンプ100は、羽根車23を回転駆動させるマグネット62を有したロータ60と、ロータ60に回転駆動力を伝達するステータ70と、ステータ70で発生させた磁界を制御する制御基板27と、を備えたクローポール型モータ21を駆動源としている。
そして、本実施形態では、クローポール型モータ21は、分離板22を間に挟んで内側(モータ中心部側)にステータ70を配置しかつステータ70の外側にロータ60を配置した、いわゆるアウタロータ型構造をしている。
羽根車23は、ポンプ室29に設けられた固定軸65に対して軸受け部66を介して回転可能に支承されている。なお、軸受け部66の上部には受板67が設けられている。
ポンプ室29は、ポンプケース26の中央に開口された吸入口32と、ポンプケース26の側壁にてその外周部の接線方向に延びる吐出管(図示せず)の先端に設けた図示せぬ吐出口とを有したポンプケース26に、ロータ60とステータ70とを水密状態に分離(ポンプ部とモータ部を分離)する分離板22が結合されることにより形成されている。なお、ポンプケース26と分離板22との結合部分には、ポンプ室29を外部に対して水密状態に封止するための図示せぬシール部材を介在させている。
また、ポンプ100は、ポンプケース26を除いた部位全体がモールド樹脂30で覆われている。このため、ステータ70及び制御基板27を含めたモータ部全体をこのモールド樹脂30で保護することができると共に強度も高めることができる。
ロータ60は、羽根車23に一体的に設けられた円筒形状のロータ本体61を備えており、その内周側に、磁気回路(磁界)を構成する円筒状のマグネット62が設けられている。また、マグネット62の内周面62aと分離板22との間には、ロータ60の回転時に接触しない程度の隙間(クリアランス)が確保されている。
ステータ70は、ロータ60の内周側に対向して配置された略環状のステータコア71と、当該ステータコア71の中空部71a内に配置される環状コイル(巻線)72と、ステータコア71と環状コイル(巻線)72とを電気的に絶縁するとともに、環状コイル(巻線)72を保持する断面略コ字状のコイルボビン(絶縁部材)74と、を備えている。
本実施形態では、ステータコア71は、軸方向に延在する複数個の爪部である爪磁極(クローポール)73を外周部に有した鉄心で構成されており、環状コイル(巻線)72を、コイルボビン74を介して後述のボス部75cに巻き付けることでステータコア71の中空部71a内に配置している。
さらに、ステータコア71は、第1コア75と第2コア76とから構成されている。
なお、本実施形態においても、ステータコア71を構成する第1コア75および第2コア76は圧粉鉄心で構成されている。
このうち第1コア75は、円板形状の底壁部75bを有し、この底壁部75bの周縁から軸方向に突出して立ち上がる爪磁極75a(爪磁極73)を、円周方向等間隔に3個備えるとともに、底壁部75bの中心部に爪磁極75aと同方向に突出するとともに、ステータコア71の中心に位置する円柱形状のボス部75cを備えている。
爪磁極75aとボス部75cの軸方向長さはほぼ同等とし、爪磁極75aの基端部75dとボス部75cの軸方向一端部75fとを底壁部75bで連結し、これら爪磁極75a,ボス部75c及び底壁部75bによって断面ほぼコ字形状としてある。
一方第2コア76は、爪磁極76a(爪磁極73)の基端部76dからモータ軸の径方向内側に向けて延びる円板形状の底壁部76bとを備えている。そして、これら底壁部76bと爪磁極76aとは、互いに一体化して断面ほぼL字形状を呈している。
また、本実施形態においても、第2コア76とコイルボビン74とがインサート成形により一体成形されている。本実施形態では、コイルボビン74は、第1コア75の底壁部76b側(図6において左側)に開口するように設けられている。
そして、この第2コア76に一体成形されたコイルボビン74に環状コイル72を巻き付けた状態で、第1コア75の爪磁極75aを第2コア76の爪磁極76a相互間に挿入配置するとともに、第2コア76の爪磁極76aを第1コア75の爪磁極75a相互間に挿入配置することで、第1コア75の爪磁極75aと第2コア76の爪磁極76aとが円周方向に沿って交互に配置されたステータコア71の中空部71a内にコイルボビン74を介して環状コイル72を配置したステータ70が形成される。
このとき、爪磁極75aと爪磁極76aとの間には隙間が形成され、周方向に互いに隣接する爪磁極75a,76a同士が、軸方向に沿って互いに逆方向に向けて延在することになる。このように、爪磁極75a,76a同士を、軸方向に沿って互いに逆方向に向けて延在させることで、ロータ60のマグネット62に対向するS極とN極を構成している。
このようなクローポール型のステータ70では、環状コイル72に通電することで発生した磁束を、爪磁極75a,76aからロータ60へと効率良く伝達することができる。
また、本実施形態では、制御基板27が、分離板22の背面に設けられており、ロータ60の回転位置を検出するセンサ(図示せず)からの信号を受けて、環状コイル72に流す電流を制御している。これにより、制御基板27は、ロータ60の回転位置に応じて、環状コイル72で発生した磁界を制御している。
このように構成されたポンプ100においては、環状コイル72への通電により発生する磁束が爪磁極75a,76aからマグネット62へと伝達されることにより当該マグネット62が吸引反発し、ロータ60と一体的に設けられた羽根車23が固定軸65を中心として回転する。そして、この羽根車23の回転に伴いポンプ作用が発生し、液体が吸入口32よりポンプ室29内へと吸込まれ、このポンプ室29内で加圧され周囲方向へ圧送された液体が吐出口(図示せず)からポンプ100外へと吐出される。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記第2〜第4実施形態においては、ステータコアを圧粉鉄心で構成したが、いずれの実施形態においても、ステータコアの構成として、上記第1実施形態の第1〜第3変形例にかかるステータコアの構成を採用することができる。
また、上記第4実施形態においては、絶縁部材としてコイルボビンを例示したが、絶縁部材として絶縁フィルムや絶縁コーティング材料を用いても本発明を実施できる。
また、上記実施形態においては、ステータコアの第2コアとコイルボビンとを一体成形する際に、ステータコアを形成した後にコイルボビンをインジェクション成形しているが、コイルボビンを形成した後に、当該コイルボビンにステータコアを一体成形するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態にかかるクローポール型モータを使用したポンプの斜視図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるステータコアの分解斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかるクローポール型モータを模式的に示す断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるクローポール型モータを模式的に示す断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるクローポール型モータを使用したポンプの斜視図である。
符号の説明
1,100 ポンプ
10,10A,10B,21 クローポール型モータ
4,60 ロータ
42,62 マグネット
5,70 ステータ
51,71 ステータコア
51a,71a 中空部
51b,71b 内壁面
52,72 環状コイル
54,74 コイルボビン(絶縁部材)
54A 絶縁フィルム
54B 絶縁コーティング層
55a,56a,75a,76a 爪磁極

Claims (12)

  1. 周方向に沿ってマグネットを有する回転可能なロータと、軸方向に延在するとともに周方向に沿って複数配置された爪磁極が前記ロータのマグネットの周面と対向するように配置されるステータと、を備えるクローポール型モータにおいて、
    前記ステータは、前記爪磁極の周方向で隣接するもの同士が互いに逆方向に向けて延在する中空のステータコアと、当該ステータコアの中空部内に配置される巻線と、当該巻線と前記ステータコアとを電気的に絶縁する絶縁部材と、を備え、
    前記ステータコアと前記絶縁部材とが一体に設けられていることを特徴とするクローポール型モータ。
  2. 前記絶縁部材が前記巻線を保持するボビンであることを特徴とする請求項1に記載のクローポール型モータ。
  3. 前記絶縁部材が絶縁フィルムであることを特徴とする請求項1に記載のクローポール型モータ。
  4. 前記絶縁部材が、絶縁性のコーティング材料を前記ステータコアの中空部側の内壁面に塗布することで形成される絶縁コーティング層であることを特徴とする請求項1に記載のクローポール型モータ。
  5. 前記ステータコアを、磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成したことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のクローポール型モータ。
  6. 前記ステータコアを、磁性粉と樹脂バインダとを混合した混合材料をインジェクション成形することで構成したことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のクローポール型モータ。
  7. 前記ステータコアを、金属ガラスで構成したことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のクローポール型モータ。
  8. 前記ステータコアを、珪素鋼板で構成したことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のクローポール型モータ。
  9. 前記ステータをモータ中心部側に配置する一方、前記ステータの外側に前記ロータを配置したことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項に記載のクローポール型モータ。
  10. 前記ロータをモータ中心部側に配置する一方、前記ロータの外側に前記ステータを配置したことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項に記載のクローポール型モータ。
  11. 前記ステータ及び前記巻線への通電を制御する制御基板がモールド樹脂により被覆されていることを特徴とする請求項1〜10のうちいずれか1項に記載のクローポール型モータ。
  12. 請求項1〜11のうちいずれか1項に記載のクローポール型モータを駆動源としたことを特徴とするポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107896012A (zh) * 2017-11-23 2018-04-10 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 绝缘骨架、制动器定子及电机

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