JP2005065417A - 永久磁石式同期電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回転子コアから永久磁石が離脱・飛散することを防止し、かつ、前記永久磁石の磁束が隣り合う異極の磁石に漏れることを極力抑制することのできる永久磁石式同期電動機を提供する。
【解決手段】 回転子コア3のヨーク部6に装着する永久磁石4は、径方向中途部の最大幅寸法Aと、前記ヨーク部6から前記永久磁石4間に放射状に突出する突起部7の掛止部8間の距離Bとの間にA>Bの条件を、また、前記掛止部8の外径寸法Dcと前記永久磁石4の外径寸法Dmと、前記永久磁石4の径方向中途部間の径寸法Daの間にDm>Dc>Daの条件を、さらに、前記永久磁石4の外径縁部eと掛止部8間の最短距離Cと、固定子コアのティース部と永久磁石4間の距離Agとの間に、C≧Agの条件を設定して構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転子コアに永久磁石を装着してなる永久磁石式の同期電動機において、前記永久磁石から固定子に鎖交する磁束の漏れを極力抑制して、効率的な駆動を実現することのできる構造に関する。
従来から、回転子コアに永久磁石を装着して、前記回転子を固定子の中空部内に回転自在に配置した永久磁石式電動機においては、前記永久磁石は、通常、前記回転子コアのヨーク部外周面に接着剤等を利用して固定されていた。
しかし、電動機は、その運転中、銅損や鉄損によって温度が上昇し、また、運転を停止することによって温度が下降するので、運転と停止を繰り返せば、その冷熱の変化によって、前記回転子コアと永久磁石間の熱膨張差により、前記永久磁石と回転子コアを固定している接着剤に破損が生じることがあった。そして、一旦、前記接着剤に破損が生じると、電動機は運転中、回転子に遠心力が作用しているので、この遠心力によって、前記永久磁石が回転子コアから離脱・飛散してしまう可能性があった。
そこで、前記永久磁石が回転子コアから離脱することを阻止するために、前記永久磁石を回転子コアのヨーク部外周面上に等間隔で接着固定し、前記永久磁石の磁極間に、前記永久磁石と同数の突起部を前記ヨーク部から放射状に突出・介在させて、かつ、前記突起部の先端に当該突起部と比較して幅広に形成した掛止手段を具備した回転子コアの構造が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
前記[特許文献1]記載の構造によれば、前記永久磁石(セグメント磁石)は回転子(内転型回転子)のヨーク部と突起部(固着突起)によって形成されるスペース内に嵌着されるので、前記回転子(内転型回転子)が高速回転して、前記永久磁石(セグメント磁石)に作用する遠心力が増大しても、前記永久磁石(セグメント磁石)は突起部(固着突起)の幅広な先端部(巾広部)によって確実に支えられるため、前記永久磁石(セグメント磁石)が回転子(内転型回転子)の高速回転によって離脱したり、飛散することを確実に阻止することができる。
また、前記[特許文献2]記載の構造によれば、永久磁石間に回転子コアの一部を突出成形した突起部を介在させて、この突起部の先端に前記永久磁石を押える磁石押え片を形成することにおり、前記[特許文献1]同様、前記永久磁石の支持力をより一層向上させて、回転子コアの高速回転によって永久磁石が離脱・飛散することをを完全に防止している。
特開平1−274653号公報 特開平1−286758号公報
然るに、前記[特許文献1],[特許文献2]記載の回転子構造においては、回転子から突出する突起部(固着突起)の先端に具備した掛止手段(巾広部または磁石押え片)の存在により、前記回転子の高速回転時に作用する遠心力によって前記永久磁石(セグメント磁石)が離脱・飛散することを確実に阻止することができるが、前記[特許文献1]記載の巾広部は永久磁石(セグメント磁石)の厚さに略等しい高さに設定されており、一方、前記[特許文献2]記載の磁石押え片は、前記永久磁石より外側(固定子コア側)に突出して設けられているので、前記永久磁石(セグメント磁石)の磁束が前記巾広部、または、磁石押え片を介して、隣り合う異極の磁石に漏洩してしまう問題があった。
第1の局面によれば、ティース部間のスロットに電機子巻線を巻回した固定子コアの中空部に回転可能に配置される回転子コアと、該回転子コアのヨーク部に円周方向に沿って等間隔に装着される永久磁石と、前記ヨーク部から放射状に突出して、前記永久磁石の磁極間に介在する突起部を備えて構成される永久磁石式同期電動機において、前記永久磁石の径方向中途部における最大幅寸法Aと、隣り合う前記突起部の先端部間の距離Bとの間に、A>Bの条件を満足し、かつ、前記回転子コアの最外径寸法Dcと、対向する一対の前記永久磁石において、前記最大幅寸法Aが計測される径方向中途部間の径寸法Daと、前記永久磁石の外径寸法Dmとの間に、Da<Dc<Dmの条件を満足するように構成した。
第2の局面によれば、第1の局面において、前記突起部は、突起先端部と前記永久磁石の外径縁部間の距離Cと、前記固定子コアのティース部と前記永久磁石間の距離Agとの間に、C≧Agの条件を満足するように構成した。
第3の局面によれば、第1,2の局面において、前記回転子コアは、永久磁石の周囲を前記ヨーク部にかけて、非磁性材料からなる被覆部によって囲繞することにより、前記回転子コアと永久磁石とを一体的に構成した。
第4の局面によれば、第3の局面において、前記被覆部は、前記永久磁石を装着した前記回転子コアを有する略中空円筒状の回転子に係る一方の側面部と当接して、前記回転子コアに軸着する回転子軸を挿通可能な開口部を備えた底部と、前記回転子の円周面と当接する側面部からなる略有底円筒状の枠部と、前記側面部の開放端から突出する突軸部の挿通孔を備えて、前記回転子の他方の側面部と当接する蓋部とを結合することにより構成した。
第5の局面によれば、第3の局面において、前記被覆部は、前記永久磁石を装着した前記回転子コアを有する略中空円筒状の回転子に係る両側面部と当接して、前記回転子コアに軸着する回転子軸を挿通可能な開口部を備えた一対の円形平板と、該円形平板に形成した挿通孔を通過する突軸部を備えた中空円筒状の側枠部を結合することにより構成した。
請求項1記載の発明によれば、回転子コアの外周面上に等間隔に複数の永久磁石を装着し、前記永久磁石の磁極間に突起部を放射状に突出させて介在し、前記永久磁石は、径方向の中途部における最大幅寸法Aと、隣り合う前記突起部の先端部間の距離Bとの間に、A>Bの条件を満足し、また、前記回転子コアの最外径寸法Dcと、対向する一対の前記永久磁石において、前記最大幅寸法Aが計測される径方向中途部間の径寸法Daと、前記永久磁石の外径寸法Dmとの間に、Da>Dc>Dmの条件を満足するように構成したので、前記永久磁石は、回転子が高速回転した場合においても、前記突起部に確実に支えられて、前記回転子から離脱・飛散することを防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、前記突起先端部と永久磁石の外径縁部との間の距離Cが、固定子コアのティース部と前記永久磁石間の距離Ag以上に設定されているので、永久磁石から放出された磁束が前記突起部を介して隣り合う異極の磁石に漏れることを極力抑制することができる。
請求項3記載の発明によれば、前記回転子コアは、永久磁石の周囲をヨーク部にかけて、合成樹脂等の非磁性部材によって囲繞した被覆部を備えて、前記永久磁石を回転子コアと一体に構成したので、前記永久磁石の剥離や離脱を防止できるとともに、万一、前記永久磁石に剥離が生じた場合にも、その欠片が外部へ飛散することを確実に阻止することができる。
請求項4記載の発明によれば、前記永久磁石を装着した前記回転子コアを有する略中空円筒状の回転子に係る一方の側面部と当接して、前記回転子コアに軸着する回転子軸を挿通可能な開口部を備えた底部と、前記回転子の円周面と当接する側面部からなる略有底円筒状の枠部と、前記側面部の開放端から突出する突軸部の挿通孔を備えて、前記回転子の他方の側面部と当接する蓋部とを互いに結合させて前記被覆部を形成したので、構造を複雑化することなく、前記被覆部を回転子へ簡単・確実に装着することが可能となり、作業の簡素化、および、作業時間の短縮化を実現することができる。
請求項5記載の発明によれば、永久磁石を装着した前記回転子コアを有する略中空円筒状の回転子に係る両側面部と当接して、前記回転子コアに軸着する回転子軸を挿通可能な開口部を備えた一対の円形平板と、該円形平板に形成した挿通孔を通過する突軸部を備えた中空円筒状の側枠部を互いに結合させて、前記被覆部を形成したので、例えば、何らかの事情により前記被覆部が損傷した場合、前記被覆部は比較的容易に前記回転子から取り外すことができ、不具合のない代替品と交換することができる。
回転子コアのヨーク部に装着した永久磁石が離脱・飛散することと、前記永久磁石の磁束が隣りの磁石に漏れることを防止するという目的を、構造を複雑化することなく、簡易な構成で実現した。
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図9により説明する。図1は、本発明の永久磁石式同期電動機を構成する回転子の構造を示す径方向縦断面図である。図1に示す回転子1は、例えば、珪素鋼板等の磁性材料を打ち抜いて形成した素板を所定の積層厚に積層して形成されており、その中心部には、前記回転子1の積層厚と比較して充分に長い寸法を有する回転子軸2が圧入若しくは接着等により軸着されている。
また、前記回転子1は、略円筒状に形成した回転子コア3を有しており、前記回転子コア3の外周面上には、例えば、前記回転子コア3の外周面と等しい曲率半径の内径側面と、前記回転子コア3の外周面と同等の曲率半径の外径側面を備えて構成される永久磁石4が磁極数(図1では4極)に応じた数だけ装着されている。そして、前記回転子1は、前述した固定子(図示せず)の中空部内に回転自在に配置される。
前記固定子は、電磁鋼板を所定の厚さ寸法に積層して構成した固定子コアを有しており、前記固定子コアは、略円環状のヨーク部と、該ヨーク部から前記回転子軸2側へ向けて突出して、前記回転子1と対向するティース部を備えて構成されている。
前記ティース部の先端両側には、当該ティース部の突出方向と垂直な方向に延出部が設けられており、前記ティース部の基部と先端部の各々、さらには、前記固定子のヨーク部の外周面から複数のスロット部が形成されている。
前記スロット部には、例えば、U,V,W相の電機子巻線が、前記ティース部を介して所定の巻回数で巻回されており、前記ティース部の先端に具備した延出部によって、前記電機子巻線が固定子の中空部側(回転子1側)へ抜落することを防止している。
つづいて、前記回転子1の構造について詳しく説明する。本発明の永久磁石式同期電動機を構成する回転子1は、前述したように、回転子軸2を固着する軸孔5を中央に備えたヨーク部6と、該ヨーク部6の外周面上の周方向に、例えば、図示しない固定手段によって取り付けた永久磁石4から構成されている。
また、前記回転子1のヨーク部6は、図示しない固定子に向けて突出する突起部7を前記ヨーク部6の外周面上に固着した複数(図1では4個)の永久磁石4の磁極間に突出させて介在している。
前記突起部7は、ヨーク部6から放射状に突出する突起基部と、突起基部の先端において、該突起基部の突出方向と垂直な方向に延出する突起先端部(以下、掛止部8という)から構成されている。
前記掛止部8は、前記永久磁石4の外径側の極率半径と同等の極率半径を備えた外径側面と、前記突起部7の中途位置(突起基部の先端位置)から前記外径側面に向けて鈍角的に拡開するテーパ部9を有して構成されている。
そして、前記回転子1のヨーク6と突起部7および掛止部8によって、前記ヨーク部6の周囲に、前記永久磁石4を取り付けるためのスペース10(以下、単にスペースという)が複数(図1では4箇所)形成されている。
一方、前記永久磁石4をスペース10内に取り付ける場合は、前記永久磁石4を回転子軸2の軸方向に沿って前記スペース10内に挿入し、その後、図示しない固定手段等を利用して固定すればよい。このとき、前記永久磁石4は、前記回転子コア3と略同一の厚さ寸法で、かつ、径方向に着磁されたものを使用する。
つまり、前記永久磁石4の外周側にN極が現れるものと、S極が現れるものを予め同数用意しておき、前記永久磁石4を前記スペース10内に装着する場合、隣り合う前記永久磁石4の外径側面に交互に異極が現れるように配置する。
また、前記永久磁石4は、当然、前記スペース10の形状と略合致する外形状にて形成されている。すなわち、前記永久磁石4は、その内径側面の曲率半径を前記ヨーク部6の外周面における曲率半径と略一致させ、かつ、前記永久磁石4の両側面を前記ヨーク部6から径方向へ突出する突起基部と、該突起基部の先端に備えた掛止部(突起先端部)8によって形成される側面形状と略合致する当接面を備えて形成する。
換言すれば、永久磁石4の径方向中途部における最大幅寸法(以下、単に中途部幅寸法という)Aが、隣り合う突起部7の掛止部8間の距離Bより大きくなるように設定し、前記掛止部8のテーパ部9が前記永久磁石4の径方向中途部と外径側面とを結ぶ平面に対して当接するように構成する。また、前記突起部7の突起基部が前記永久磁石4の中途部と内径側面とを結ぶ平面と当接するように構成する。
これにより、前記永久磁石4は、スペース10内に揺動不能に嵌着されて、固定手段(図示せず)により固定される。この結果、前記回転子1が電動機の駆動とともに固定子(図示せず)の中空部内を回転した場合、前記ヨーク部6の外周面上に固着した永久磁石4は、前記突起部7の掛止部8による掛止作用によって、前記ヨーク部6から離脱・飛散することはない。
さらに、前記永久磁石4は、その外径寸法Dmを、前記掛止部8の外径寸法(回転子コア3の最外径寸法)Dcに比べて大きく設定している。つまり、前記掛止部8の外径側面の外径寸法Dcは、永久磁石4の外径寸法Dmと比較して小さく(Dc<Dm)設定されている。
なお、このとき、前記回転子軸2を挟んで対称に位置する前記突起基部の先端部間の長さ寸法(永久磁石4の径方向中途部間の径寸法)Daは、前記掛止部8の外径寸法Dcより小さく設定(Da<Dc)されていることは当然である。
さらに、前記永久磁石4の外径側面の縁部(以下、単に外径縁部という)eと前記掛止部8間の最短距離Cは、前記永久磁石4と図示しない固定子コアのティース部間のエアギャップAg以上の距離を確保するように構成されている。
以上の条件(Da<Dc<Dm,C≧Ag)を満足させて前記回転子1を構成することにより、前記永久磁石4の磁束が突起部7の掛止部8を介して隣り合う異極の磁石に漏れることを抑制することができる。つまり、より多くの磁束を前記固定子(図示せず)に具備したティース部に鎖交させることができ、効率的な電動機の駆動が可能となる。
図2は、前記掛止部8と、これに当接する永久磁石4の形状を変化させた回転子1aの構造を示す径方向縦断面図である。図2において、前記掛止部8は、突起部7の中途位置(突起基部の先端部)から前記ヨーク部6の曲率半径と同等の曲率半径を有する円弧状をなして、前記突起基部の突出方向と垂直な方向に延出している。
そして、前記掛止部8の両側面と下面とを結ぶ角隅部は所定の角度に面取りされており、一方、前記掛止部8と当接する前記永久磁石4の両側面は、掛止部8の前記面取部から突起基部の先端部を経てヨーク部6へと続く連続面と略合致する形状の鉤部11を設けて構成されている。
このとき、前記永久磁石4の径方向中途部の最大幅寸法Aは、前記鉤部11の前記突起基部の上端部と接する位置間の長さであり、前記最大幅寸法Aが隣り合う掛止部8間の距離Bと比較して大きく設定するという条件(A>B)は、図1にて説明した場合と同様である。
さらに、前記永久磁石4の外径寸法Dmが掛止部8の外径側面の径寸法Dcに比べて大きく、また、前記突起基部の先端部間の長さ寸法Daが前記外径寸法Dcと比較して小さく設定するという条件(Dm>Dc>Da)と、前記永久磁石4の外径縁部eと掛止部8間の最短距離Cが、前記永久磁石4と固定子コアのティース部間の距離Ag以上に設定する条件(C≧Ag)についても、図1に示す場合と同様である。
そして、図2の永久磁石4を前記ヨーク部6に取り付ける場合は、前記突起部7と掛止部8とヨーク部6から形成されるスペース10内に前記永久磁石4を回転子軸2の軸方向に沿って挿入し、その後、図示しない固定手段を利用して揺動不能に固定する。
これにより、図2に示す回転子1aを固定子(図示せず)の中空部内で回転させた場合、前記ヨーク部6に固着した永久磁石4は、前記掛止部8による拘束力によって、回転子コア3から離脱・飛散することを防止することができる。
また、永久磁石4の磁束が前記掛止部8を介して隣り合う異極の磁石に漏れ磁束を発生させることを抑制でき、図示しない固定子に設けたティース部を介して電機子巻線により多くの磁束を鎖交させて、効率的な電動機の駆動を実現することができる。
以上に説明した効果は、前記回転子を図3ないし図5に示すように構成した場合についても同様に得ることができる。つまり、図3に示す回転子1bは、前記突起基部のヨーク部6側の幅寸法を掛止部8側の幅寸法に比べて大きく設定しており、図4に示す回転子1cは、前記永久磁石4の外径側の曲率半径を内径側の曲率半径よりも小さく設定している。
また、図5は、前記永久磁石4と当接するヨーク部6を直線的に形成した回転子1dの構造を示す径方向縦断面図であり、図3ないし図5に示されている回転子構造においては、図1,2にて説明した条件、つまり、永久磁石4の外径側幅寸法Aを隣り合う掛止部8間の距離Bより小さく設定し、前記掛止部8の外径寸法Dcを永久磁石4の外径寸法Dmと比較して小さく設定すること、また、前記永久磁石4の外径縁部eと前記掛止部8間の距離Cを前記永久磁石4と固定子コアのティース部間のエアギャップAg以上に設定する条件を満足させることによって、図1,2において説明したと同様の効果を得ることができる。
図6は、図1ないし図5の回転子1a〜1dに具備した回転子コア3と永久磁石4を合成樹脂等の非磁性材料により被覆した状態を示す縦断面図である。前記被覆部12を形成する場合は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂等からなる合成樹脂を射出成形により射出して形成するのであるが、この場合、最初に、前記永久磁石4が回転子コア3のヨーク部6外周面上の所定位置に配置されるように図示しない金型内に挿入する。
次に、前記金型(図示せず)内に合成樹脂を図示しない射出成形手段から射出成形することによって、図6に示すように、回転子軸2が挿通可能な一対の開口部13を備えて、前記永久磁石4の周囲を完全に被覆する前記被覆部12を成形加工することができる。
これにより、前記永久磁石4は非磁性材料によって回転子コア3と一体となるので、前記回転子1a〜1dが高速回転した場合にも、前記永久磁石4が回転子コア3から離脱することはなく、万一、前記永久磁石4に剥離等が生じた場合においても、その欠片が外部へ飛散することを確実に防止することができる。
図7,8は、前記被覆部12を複数片を結合することによって形成した場合を示す要部切欠断面図である。図7は2片の構成部材から形成した被覆部12aを示しており、底部に前記開口部13の一方を形成した略有底円筒状の枠部14と、前記開口部13の他方を形成して、前記枠部14の上部開口部を閉塞する蓋部15から構成されている。
前記枠部14の上部開口部には、その開口端から上方(図7の左方向)へ向けて突出する複数(例えば、4半円点に4個)の突軸部16が設けられており、一方、前記蓋部15には、前記突軸部16が通過する挿通孔17が前記突軸部16と対応して同数個形成されている。
前記枠部14と蓋部15は、図示しない金型内に合成樹脂等を射出成形して形成すればよく、このようにして形成した枠部14と蓋部15は、図7に示すように、互いに結合することによって、前記永久磁石4を固着した回転子コア3に装着される。
前記枠部14と蓋部15を前記回転子コア3に装着する場合は、最初に、前記永久磁石4を固着した回転子コア3を前記枠部14の上部開口部から該枠部14内に収容する。そして、前記蓋部15を前記枠部14の上部開口部に近接させた状態で、前記枠部14に設けた複数の突軸部16を蓋部15に形成した挿通孔17内に通過させる。
次に、前記蓋部15の挿通孔17から外部(図7の左側)へ突出した前記突軸部16を外側から圧潰することによって、前記枠部14と蓋部15とをかしめ結合し、前記永久磁石4を装着した回転子コア3を前記枠部14と蓋部15との間に揺動不能に挟持して、前記被覆部12aを完成させる。
図8は3片の構成部材から形成した被覆部12bを示した要部切欠断面図であり、前記開口部13を形成した円形平板18a,18bと、中空円筒状の側枠部19を備えて構成されている。
前記側枠部19の両開口端面には、図7に示す被覆部12aと同様に、外方(図8の左右方向)へ突出する複数の突軸部20が設けられており、前記円形平板18a,18bには、前記突軸部20に対応する挿通孔21が形成されている。
そして、図8に示す被覆部12bを回転子コア3に取り付ける場合は、前記側枠部19の内周面に、前記ヨーク部6の外周面上に装着した永久磁石4の外径側面を接触させて収容し、この状態を維持したままで、前記側枠部19の両開口端面に設けた突軸部20を前記円形平板18a,18bに形成した挿通孔21内に通過させて、前記円形平板18a,18bによって前記回転子コア3のヨーク部6を両側から挟み込む。
次に、前記円形平板18a,18bの挿通孔21内から外部へ突出している突軸部20を外側から圧潰して前記側枠部19と円形平板18a,18bをかしめ結合し、前記永久磁石4を装着した回転子コア3を被覆部12b内に揺動不能に収容する。
このように、被覆部12a,12b内に永久磁石4と回転子コア3を収容することによって、前記回転子1a〜1dが高速回転した場合においても、前記回転子コア3のヨーク部6に装着した永久磁石4が前記ヨーク部6から離脱したり、剥離してその欠片が外部へ飛散することを確実に防止することができる。
また、何らかの理由によって前記被覆部12a,12bに破損が生じるような事態が発生した場合においても、前記被覆部12a,12bは回転子コア3から比較的容易に取り外すことができるので、不具合のない代替品と迅速・確実に交換することができる。
図9は前記回転子コア3の中央に大径の中空部22を形成し、本出願人が特開平11−308791号公報にて開示した技術を図1ないし図6に示す回転子1a〜1dに適用した状態を示す縦断面図である。つまり、前述した回転子1a〜1dの構造に図9に示す被覆部12cの成形を施すことにより、騒音の低減と製造工程の簡素化、および、コストダウンを実現した永久磁石式同期電動機を得ることができる。なお、被覆部12cの構造と、それによって得られる効果の詳細については、前記公報(特開平11−308791号)にて開示済みであるので、説明は省略する。
以上説明したように、本発明の永久磁石式同期電動機は、回転子コア3のヨーク部6に装着した永久磁石4の中途部最大幅寸法Aと、隣り合う掛止部8間の距離Bとの間にA>Bの条件と、前記突起部7の外径寸法Daと、前記永久磁石4の外径寸法Dcと、回転子軸を挟んで相対する突起基部の先端部間の寸法Dmとの間に、Dm>Dc>Daの条件満足して構成することにより、前記永久磁石4が回転子1の回転によってヨーク部6から離脱・飛散することを確実に防止することができる。
また、前記永久磁石4の外径縁部eと掛止部8間の最短距離Cが、固定子コアのティース部と永久磁石4間の距離Ag以上となるように構成することによって、前記永久磁石4から放出される磁束が隣り合う異極の磁石に漏れることを極力抑制することができる。
さらに、前記回転子コア3に装着した永久磁石4の周囲を合成樹脂等により被覆した被覆部12a,12bを設け、前記回転子コア3と永久磁石4を一体に成形して構成したので、前記永久磁石4の離脱をより確実に防止することができるとともに、前記永久磁石4が剥離した場合においても、その欠片が外部へ飛散することを確実に阻止することができる。
そのうえ、前記被覆部12a,12bを予め成形加工した複数片の構成部材を結合させて形成することにより、前記被覆部材12a,12bが何らかの事情により損傷して不具合が発生した場合でも、前記被覆部材12a,12bを比較的簡単に前記回転子コア3から取り外すことができ、新たな代替品と迅速・確実に交換することができる。
本発明によれば、突起部の先端に掛止部を設けることにより、回転子コアのヨーク部外周面上に装着した永久磁石の離脱を確実に防止できるとともに、前記突起部の外径寸法を永久磁石の外径寸法と比較して小さく設定し、かつ、永久磁石の外径縁部と前記掛止部間を充分離すことにより、永久磁石の磁束が隣り合う異極の磁石に漏れることを防止して、電動機を効率よく駆動することができる。従って、構造的な不具合の発生防止と効率性の向上をともに実現することのできる永久磁石電動機を提供することができる。
本発明の永久磁石電動機の回転子構造を示す径方向縦断面図である。 前記回転子の異なる構造を示す径方向縦断面図である。 前記回転子の更に他の構造を示す径方向縦断面図である。 前記回転子の更に他の構造を示す径方向縦断面図である。 前記回転子の更に他の構造を示す径方向縦断面図である。 前記回転子に被覆部を備えた場合を示す縦断面図である。 前記被覆部を2片の構成部材から形成した場合の要部切欠断面図である。 前記被覆部を3片の構成部材から形成した場合の要部切欠断面図である。 前記回転子と回転子軸の間にリブ部材を取り付けた場合の縦断面図である。
符号の説明
1 回転子
2 回転子軸
3 回転子コア
4 永久磁石
5 軸孔
6 ヨーク部
7 突起部
8 掛止部
9 テーパ部
10 スペース
11 鉤部
12,12a〜12c 被覆部
13 開口部
14 枠部
15 蓋部
16,20 突軸部
17,21 挿通孔
18a,18b 円形平板
19 側枠部
22 径大部

Claims (5)

  1. ティース部間のスロットに電機子巻線を巻回した固定子コアの中空部に回転可能に配置される回転子コアと、該回転子コアのヨーク部に円周方向に沿って等間隔に装着される永久磁石と、前記ヨーク部から放射状に突出して、前記永久磁石の磁極間に介在する突起部を備えて構成される永久磁石式同期電動機において、前記永久磁石の径方向中途部における最大幅寸法Aと、隣り合う前記突起部の先端部間の距離Bとの間に、A>Bの条件を満足し、かつ、前記回転子コアの最外径寸法Dcと、対向する一対の前記永久磁石において、前記最大幅寸法Aが計測される径方向中途部間の径寸法Daと、前記永久磁石の外径寸法Dmとの間に、Da<Dc<Dmの条件を満足するように構成したことを特徴とする永久磁石式同期電動機。
  2. 前記突起部は、前記突起先端部と永久磁石の外径縁部との間の距離Cと、前記固定子コアのティース部と前記永久磁石間の距離Agとの間に、C≧Agの条件を満足するように構成したことを特徴とする請求項1記載の永久磁石式同期電動機。
  3. 前記回転子コアは、前記永久磁石の周囲を前記ヨーク部に至るまで非磁性材料からなる被覆部により囲繞することによって、前記回転子コアと永久磁石とを一体に構成したことを特徴とする請求項1,2記載の永久磁石式同期電動機。
  4. 前記被覆部は、前記永久磁石を装着した前記回転子コアを有する略中空円筒状の回転子の一方の側面部と当接して、前記回転子コアに軸着する回転子軸を挿通可能な開口部を備えた底部と、前記回転子の円周面と当接する側面部からなる略有底円筒状の枠部と、前記側面部の開放端から突出する突軸部の挿通孔を備えて、前記回転子の他方の側面部と当接する蓋部とを結合することにより構成したことを特徴とする請求項3記載の永久磁石式同期電動機。
  5. 前記被覆部は、前記永久磁石を装着した前記回転子コアを有する略中空円筒状の回転子の両側面部と当接して、前記回転子コアに軸着する回転子軸を挿通可能な開口部を備えた一対の円形平板と、該円形平板に形成した挿通孔を通過する突軸部を備えた中空円筒状の側枠部を結合することにより構成したことを特徴とする請求項3記載の永久磁石式同期電動機。
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