JP2009201296A - クローポールモータ及びポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルへの通電により発生した磁束を、爪磁極から永久磁石に効率よく伝達できるようにする。
【解決手段】インナロータ型クローポールモータにおけるステータ21は、ステータコア35と、ステータコア35内に収容される環状コイル37とを備える。ステータコア35は、第1コア39と第2コア41とを軸方向に嵌合したもので、第1コア39の爪磁極17と第2コア41の爪磁極19とが、円周方向に交互に配置される。軸方向の一方に向けて延在する爪磁極17の先端部17cを、他方に向けて延在する爪磁極19の基端部19bよりも前方に突出させるとともに、前記他方に向けて延在する爪磁極19の先端部19cを前記一方に向けて延在する爪磁極17の基端部17bよりも前方に突出させる。
【選択図】図2
【解決手段】インナロータ型クローポールモータにおけるステータ21は、ステータコア35と、ステータコア35内に収容される環状コイル37とを備える。ステータコア35は、第1コア39と第2コア41とを軸方向に嵌合したもので、第1コア39の爪磁極17と第2コア41の爪磁極19とが、円周方向に交互に配置される。軸方向の一方に向けて延在する爪磁極17の先端部17cを、他方に向けて延在する爪磁極19の基端部19bよりも前方に突出させるとともに、前記他方に向けて延在する爪磁極19の先端部19cを前記一方に向けて延在する爪磁極17の基端部17bよりも前方に突出させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロータの永久磁石の周面に対向して配置したステータに、爪磁極を設けてあるクローポールモータ及びポンプに関する。
従来のクローポールモータとして、爪磁極を、磁性粉を圧縮して成形し、かつ10000A/mの磁界を印加した場合に、その磁束密度が1.7テスラ以上となる直流磁化特性を有する圧粉鉄心で形成したものが知られている(下記特許文献1参照)。
ところで、上記した従来のクローポールモータでは、爪磁極を磁性粉を圧縮成形した圧粉鉄心とすることで、圧延鋼板による積層鉄心に比較して製造が容易になるとともに、モータとして高効率化を図っているものの、モータ効率をさらに高めるには、コイルへの通電により発生した磁束を爪磁極から永久磁石に効率よく伝達させる必要があり、さらなる改善が望まれている。
そこで本発明は、コイルへの通電により発生した磁束を、爪磁極から永久磁石に効率よく伝達できるようにすることを目的としている。
請求項1の発明は、ロータの永久磁石の周面に対向して配置したステータは、ステータコア内に環状コイルを備えるとともに、軸方向に延在しかつ永久磁石に対向する爪磁極を周方向に沿って複数備え、爪磁極は周方向に隣接するもの同士が互いに逆方向に延在し、この逆方向に向けて延在する爪磁極のうち少なくとも一方に向けて延在する爪磁極の先端部を、他方に向けて延在する爪磁極の基端部よりも前方に突出させたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のクローポールモータであって、一方に向けて延在する爪磁極の先端部を、他方に向けて延在する爪磁極の基端部よりも前方に突出させるとともに、前記他方に向けて延在する爪磁極の先端部を前記一方に向けて延在する爪磁極の基端部よりも前方に突出させたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のクローポールモータであって、ステータコアを磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1または2に記載のクローポールモータであって、ステータコアを金属ガラスで構成したことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載のクローポールモータであって、金属ガラスで構成したステータコアは磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成したものであることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4に記載のクローポールモータであって、金属ガラスで構成したステータコアは、磁性粉と樹脂バインダとを混合した混合材料をインジェクション成形することで構成したものであることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1または2に記載のクローポールモータであって、ステータコアを、磁性粉と樹脂バインダとを混合した混合材料をインジェクション成形することで構成したことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のクローポールモータであって、ロータをモータ中心部に配置する一方、ロータの外側にステータを配置したことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のクローポールモータであって、ステータをモータ中心部に配置する一方、ステータの外側にロータを配置したことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のクローポールモータを駆動源とするポンプとしたことを特徴とする。
請求項1,2の発明によれば、環状コイルもしくは環状コイルの設置スペースを大きくすることなく、爪磁極の永久磁石に対向する面の面積が大きくなり、環状コイルへの通電により発生した磁束を、爪磁極から永久磁石に効率よく伝達することができる。
請求項3の発明によれば、形状の自由度が増し、複雑な形状であっても製造が容易となる。
請求項4〜6の発明によれば、錆びにくくかつ強度が高いステータコアとすることができる。
請求項7の発明によれば、形状の自由度が増すとともに、プレス型に比較して金型寿命が長く、設備コストを低く抑えることができる。
請求項8,9の発明によれば、モータの回転トルクはロータの径に比例することから、ロータをステータの内側に配置するかまたは外側に配置するかで、使用状況に応じた大きさのモータを製造することができ、特にロータをステータの外側に配置したアウタロータ型構造では、出力を維持した上で小型化が必要なモータに適している。
請求項10の発明によれば、環状コイルへの通電により発生した磁束を爪磁極から永久磁石に効率よく伝達するモータを使用することで、高効率のポンプとすることができる
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係わるインナロータ型のクローポールモータを使用したポンプの斜視図、図2は図1のA−A断面図である。このポンプは、液体を吸排する羽根車1と、液体を吸排させる吸入口3及び吐出口5を有したポンプケース7と、羽根車1を回転自在に収容させるポンプ室9を前記ポンプケース7と対をなして形成する分離板11と、羽根車1を回転駆動させるマグネット(永久磁石)13を有したロータ15と、ロータ15に回転駆動力を伝達する爪磁極17,19を有したステータ21と、ステータ21で発生させた磁界を制御する制御基板33と、を備えたクローポール型モータを駆動源としている。
図1は、本発明の第1実施形態に係わるインナロータ型のクローポールモータを使用したポンプの斜視図、図2は図1のA−A断面図である。このポンプは、液体を吸排する羽根車1と、液体を吸排させる吸入口3及び吐出口5を有したポンプケース7と、羽根車1を回転自在に収容させるポンプ室9を前記ポンプケース7と対をなして形成する分離板11と、羽根車1を回転駆動させるマグネット(永久磁石)13を有したロータ15と、ロータ15に回転駆動力を伝達する爪磁極17,19を有したステータ21と、ステータ21で発生させた磁界を制御する制御基板33と、を備えたクローポール型モータを駆動源としている。
そして、この第1実施形態のクローポール型モータは、分離板11の円筒部11aを間に挟んで内側にロータ15を配置しかつ外側にステータ21を配置した、いわゆるインナロータ型構造としている。
ここでステータ21は、そのステータコア35が、円筒体をなすロータ15の外側のマグネット13の周面としての外周面13aに対し、分離板11の円筒部11aを間に挟んで対向配置されている。このステータコア35は、軸方向(図2中で左右方向)に延在する複数個の爪部である前記した爪磁極(クローポール)17,19を内周部に有した鉄心で構成され、この中空のステータコア35の内部にて、モータ中心部の周囲を囲むように図示しない絶縁板を介して巻き付けた環状コイル(巻線)37を配置した構成としている。
図3はステータ21の斜視図であり、このステータ21のステータコア35は、図4に分解斜視図として示すように、互いにほぼ同形状の第1コア39と第2コア41とから構成されている。これら第1,第2各コア39,41は、円筒部43,45を備えるとともに、円筒部43,45の内側に、前記した爪磁極17,19を、円周方向等間隔にそれぞれ4個備えている。
爪磁極17,19は、その基端部17b,19bが連結底板47,49を介して円筒部43,35の周縁に連結されて円筒部43,35と一体化している。また、爪磁極17,19の軸方向長さは、円筒部43,35の軸方向長さより長く、その先端部17c,19cを、円筒部43,35の連結底板47,49と反対側の周縁より軸方向に突出させ、かつ一方に向けて延在する爪磁極17の先端部17cを、他方に向けて延在する爪磁極19の基端部19b(連結底板49の図2中で左側の面に相当)よりも前方(図2中で左方向)に突出させるとともに、前記他方に向けて延在する爪磁極19の先端部19cを、前記一方に向けて延在する爪磁極17の基端部17b(連結底板47の図2中で右側の面に相当)よりも前方(図2中で右方向)に突出させている。
上記した第1コア39と第2コア41とを組み付けて、図3のようにステータコア35として一体化させる際には、第1コア39の爪磁極17を第2コア41の爪磁極19相互間に挿入配置するとともに、第2コア41の爪磁極19を第1コア39の爪磁極17相互間に挿入配置する。
すわなち、第1コア39の爪磁極17と第2コア41の爪磁極19とが円周方向に沿って交互に配置され、その際爪磁極17と爪磁極19との間には隙間が形成される。またこのとき、各コア39,41の円筒部43,45の軸方向に互いに対向する周縁同士が接触した状態となる。
したがって、上記図3のように組み付けたステータコア35は、周方向に隣接する爪磁極17,19同士が、軸方向に沿って互いに逆方向に向けて延在することになる。なお、図2ではステータ21と分離板11の円筒部11aとを離間させているが面接触状態で接触させてもよい。
このクローポール型のステータ21では、環状コイル37に通電することで発生した磁束を、爪磁極17,19からロータ15へと効率良く伝達することができる。
一方ロータ15は、ロータ15とともに回転する羽根車1の外周端部に一体的に設けられた円筒体として形成され、その円筒体内周側の円筒状のロータヨーク51の外側に、磁気回路(磁界)を構成する円筒状のマグネット13を設けている。かかるロータ15は、ポンプケース7に設けられた軸支え部53と分離板11に設けられた軸支え部11bに各端部を挿入嵌合させた固定軸55に対し、軸受け部57を介して回転自在に支承されている。固定軸55は、その両端側に取り付けられた回り止め板59,61により回転不可能とされている。
なお、マグネット13と分離板11の円筒部11aとの間には、ロータ15の回転時に接触しない程度の隙間(クリアランス)が確保されている。また、分離板11の円筒部11aと軸支え部11bとは、円板状の端板11cによって連結されて一体化している。
羽根車1は、ロータ15と一体化されていることから固定軸55を中心に回転し、吸入口3からポンプ室9内へと吸い込んだ液体に遠心力を与えて吐出口5からポンプ外へと排出する。この羽根車1で吸排される液体は、例えば80℃程度の温水とされる。
ポンプ室9は、図1に示すように、ポンプケース7の中央に開口された吸入口3と、ポンプケース7の側壁にてその外周部の接線方向に延びる吐出管4の先端に設けた吐出口5とを有したポンプケース7に、ロータ15とステータ21とを水密状態に分離(ポンプ部とモータ部を分離)する分離板11が結合されることにより形成されている。なお、ポンプケース7の外周側端部7aと、分離板11の円筒部11aの先端から径方向外側に突出している外側端部11dとの結合部分には、ポンプ室9を外部に対して水密状態に封止するためのシール部材63を介在させている。
制御基板33は、分離板11の背面に設けられており、位置検出センサである位置検出部65からの信号を受けて環状コイル37で発生した磁界を制御する。そして、ステータ21と制御基板33を含めた分離板11は、例えば不飽和ポリエステルなどからなるモールド樹脂67でその全体が被覆されている。
このように構成されたポンプにおいては、環状コイル37への通電により発生する磁束が爪磁極17,19からマグネット13へと伝達されることにより該マグネット13が吸引反発することで、ロータ15と一体的に設けられた羽根車1が、固定軸55を中心として回転する。そして、この羽根車1の回転に伴いポンプ作用が発生し、液体が吸入口3よりポンプ室9内へと吸込まれ、このポンプ室9内で加圧され周囲方向へ圧送された液体は吐出口5からポンプ外へと吐出される。
ここで本実施形態においては、前述したように、一方に向けて延在する爪磁極17の先端部17cを、他方に向けて延在する爪磁極19の基端部19bよりも前方に突出させるとともに、前記他方に向けて延在する爪磁極19の先端部19cを、前記一方に向けて延在する爪磁極17の基端部17bよりも前方に突出させている。
これにより、環状コイル37を大きくすることなく、また環状コイル37の配置スペースを大きくすることなく、爪磁極17,19のマグネット13に対向する面である磁極面17a,19aの面積が、上記突出した分だけ大きくなり、環状コイル37への通電により発生した磁束を、爪磁極17,19からマグネット13に効率よく伝達することができ、モータ特性を向上させることができる。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態として、各爪磁極17,19のうちの一方、例えば爪磁極17の先端部17cのみを、他方の爪磁極19の基端部19bよりも前方(図5中で左方向)に突出させている。これによって、爪磁極17のマグネット13に対向する面である磁極面17aの面積が大きくなり、環状コイル37への通電により発生した磁束を、爪磁極17からマグネット13に効率よく伝達することができ、モータ特性を向上させることができる。
図5は、第2実施形態として、各爪磁極17,19のうちの一方、例えば爪磁極17の先端部17cのみを、他方の爪磁極19の基端部19bよりも前方(図5中で左方向)に突出させている。これによって、爪磁極17のマグネット13に対向する面である磁極面17aの面積が大きくなり、環状コイル37への通電により発生した磁束を、爪磁極17からマグネット13に効率よく伝達することができ、モータ特性を向上させることができる。
また、第2実施形態では、図5に示すステータ21を、図2に示したポンプに適用する際に、図2におけるステータ21と同様に図中で右側の羽根車1側に、爪磁極17を備える第1コア39を配置する構成とすることで、この第1コア39の爪磁極17の基端部17bから、第2コア41の爪磁極19の先端部が突出しないことになるので、その分ステータ21全体をより羽根車1側に寄せて配置することができ、これに伴いロータ15や分離板11も同方向に寄せて配置することで、ポンプの軸方向長さを図2のものに比較して短くすることが可能となる。
[第3実施形態]
前記した各実施形態では、ロータをモータ中心部に配置する一方、ロータの外側にステータを配置したインナロータ型のクローポールモータに本発明を適用しているが、これとは逆に、ステータをモータ中心部に配置する一方、ステータの外側にロータを配置したアウタロータ型のクローポールモータに、本発明を適用してもよい。
前記した各実施形態では、ロータをモータ中心部に配置する一方、ロータの外側にステータを配置したインナロータ型のクローポールモータに本発明を適用しているが、これとは逆に、ステータをモータ中心部に配置する一方、ステータの外側にロータを配置したアウタロータ型のクローポールモータに、本発明を適用してもよい。
図6は、アウタロータ型のクローポールモータを使用したポンプの断面図で、図7(a)は図6のアウタロータ型のクローポールモータに使用するステータ69の斜視図、図7(b)は図7(a)のB−B断面図、図8は、このステータ69におけるステータコア71の分解斜視図である。
図6に示すポンプは、液体を吸排する羽根車73と、液体を吸排させる吸入口75及び図示しない吐出口を有したポンプケース77と、羽根車73を回転自在に収容するポンプ室79を前記ポンプケース77と対をなして形成する分離板81と、羽根車73を回転駆動させるマグネット(永久磁石)83を有したロータ85と、ロータ85に回転駆動力を伝達するステータ69と、ステータ69で発生させた磁界を制御する制御基板87と、をそれぞれ備えたクローポール型モータを駆動源としている。
ロータ85のさらに外側には、分離板81の内筒部81aの先端から外側に向けて折り返すようにして形成してある外筒部81bを配置し、外筒部81bの先端部81cをポンプケース77の外周側端部77aに、図示しないシール部材を介して連結固定する。
ここでステータ69は、そのステータコア71が、円筒体をなすロータ85の内側のマグネット83の周面としての内周面83aに対し、分離板81の内筒部81aを間に挟んで対向配置されている。このステータコア71は、軸方向に延在する複数個の爪部である爪磁極(クローポール)89,91を外周部に有した鉄心で構成され、このステータコア71の内部にて、モータ中心部の周囲を囲むように絶縁板93を介して巻き付けた環状コイル(巻線)95を配置した構成としている。
図8に示すように、ステータコア71は、互いにほぼ同形状の第1コア97と第2コア99とをそれぞれ備えている。
これら第1,第2各コア97,99は、円板形状の底板101,103を有し、この底板101,103の周縁から軸方向に突出して立ち上がる前記した爪磁極89,91を、円周方向等間隔にそれぞれ3個備えるとともに、底板101,103の中心部に爪磁極89,91と同方向に突出する、前記ステータコア71の中心に位置する円柱形状のボス部105,107を備えている。
ここで、本実施形態では、爪磁極89,91の軸方向長さは、ボス部105,107の軸方向長さより長く、かつ図7の組み付け状態では、その先端部89c,91cを、ボス部107,105の底板103,101より軸方向にそれぞれ突出させている。すなわち、図7に示すように、一方に向けて延在する爪磁極89の先端部89cを、他方に向けて延在する爪磁極91の基端部91bよりも前方に突出させるとともに、前記他方に向けて延在する爪磁極91の先端部91cを、前記一方に向けて延在する爪磁極89の基端部89bよりも前方に突出させている。
上記図8に示す第1コア97と第2コア99とを組み付けて、図7のようにステータコア71として一体化させる際には、第1コア97の爪磁極89を第2コア99の爪磁極91相互間に挿入配置するとともに、第2コア99の爪磁極91を第1コア97の爪磁極89相互間に挿入配置する。この際、各コア97,99のボス部105,107の先端面相互が接触した状態となる。
すわなち、第1コア97の爪磁極89と第2コア99の爪磁極91とが円周方向に沿って交互に配置され、その際爪磁極89と爪磁極91との間には隙間Sが形成される。
したがって、上記図7のように組み付けたステータコア71は、周方向に隣接する爪磁極89,91同士が、軸方向に沿って互いに逆方向に向けて延在することになる。
一方ロータ85は、ロータ85とともに回転する羽根車73の外周端部に一体的に設けられた円筒体として形成され、該円筒体外周側の円筒状のロータヨーク109の内壁に、磁気回路(磁界)を構成する円筒状のマグネット83を設けている。マグネット83と分離板81の内筒部81aとの間には、ロータ85の回転時に接触しない程度の隙間(クリアランス)が確保されている。
なお、図6ではステータ69と分離板81の内筒部81aとを離間させているが面接触状態で接触させてもよい。そして、ステータ69及び分離板81全体を、例えば不飽和ポリエステルなどからなるモールド樹脂111で被覆している。
このように構成したクローポール型のステータ69では、環状コイル95に通電することで発生した磁束を、爪磁極89,91からロータ85へと効率よく伝達することができる。
羽根車73は、ポンプ室79に設けられたモータ中心軸としての固定軸113に対し軸受け部115を介して回転自在に支承されており、固定軸113を中心に回転することにより、吸入口75からポンプ室79内へと吸い込んだ液体に遠心力を与えて図示しない吐出口からポンプ外へと排出する。なお、軸受け部115の吸入口75側の端部には、受板117が設けられている。
上記した固定軸113の吸入口75と反対側の端部は、分離板81の端板部81dに連結固定している。この端板部81dの外周端部は前記した内筒部81aの基端側に連続しており、ステータ69は、これら内筒部81aと端板部81dに囲まれた領域に配置されることになる。
ポンプ室79は、ポンプケース77の中央に開口された吸入口75と、ポンプケース77の側壁にてその外周部の接線方向に延びる前記図1と同様な吐出管の先端に設けた図示しない吐出口とを有したポンプケース77に、ロータ85とステータ69とを水密状態に分離(ポンプ部とモータ部を分離)する分離板81が結合されることにより形成している。
制御基板87は、ステータ69の背面に設けられており、図示を省略した位置検出部からの信号を受けて環状コイル95で発生した磁界を制御する。そして、この制御基板87は、前記したステータ69及び分離板81と共にモールド樹脂111で被覆されている。
このように構成したポンプにおいては、環状コイル95への通電により発生する磁束が爪磁極89,91からマグネット83へと伝達されることにより該マグネット83が吸引反発することで、ロータ85と一体的に設けられた羽根車73が、固定軸113を中心として回転する。そして、この羽根車73の回転に伴いポンプ作用が発生し、液体が吸入口75よりポンプ室79内へと吸込まれ、このポンプ室79内で加圧されて周囲方向へ圧送された液体は吐出口からポンプ外へと吐出される。
そして、本実施形態においても、前述したように、一方に向けて延在する爪磁極89の先端部89cを、他方に向けて延在する爪磁極91の基端部91bよりも前方に突出させるとともに、前記他方に向けて延在する爪磁極91の先端部91cを、前記一方に向けて延在する爪磁極89の基端部89bよりも前方に突出させている。
これにより、前記した第1実施形態と同様に、環状コイル95を大きくすることなく、また環状コイル95の配置スペースを大きくすることなく、爪磁極89,91のマグネット83に対向する面である磁極面89a,91aの面積が大きくなり、環状コイル95への通電により発生した磁束を、爪磁極89,91からマグネット83に効率よく伝達することができ、モータ特性を向上させることができる。
[第4実施形態]
図9は、第4実施形態として、前記した第2実施形態と同様に、各爪磁極89,91のうちの一方、例えば爪磁極91の先端部91cのみを、他方の爪磁極89の基端部89bよりも前方(図5中で右方向)に突出させている。これによって、爪磁極91のマグネット83に対向する面である磁極面91aの面積が大きくなり、環状コイル95への通電により発生した磁束を、爪磁極91からマグネット83に効率よく伝達することができ、モータ特性を向上させることができる。
図9は、第4実施形態として、前記した第2実施形態と同様に、各爪磁極89,91のうちの一方、例えば爪磁極91の先端部91cのみを、他方の爪磁極89の基端部89bよりも前方(図5中で右方向)に突出させている。これによって、爪磁極91のマグネット83に対向する面である磁極面91aの面積が大きくなり、環状コイル95への通電により発生した磁束を、爪磁極91からマグネット83に効率よく伝達することができ、モータ特性を向上させることができる。
また、第4実施形態では、第2実施形態と同様に、図9に示すステータ69を、図6に示したポンプに適用する際に、図6におけるステータ69とは逆に図中で右側の羽根車1側に、爪磁極91を備える第2コア99を配置する構成とすることで、この第2コア99の爪磁極91の基端部91bから、第1コア97の爪磁極89の先端部が突出しないことになるので、その分ステータ69をより羽根車73側に寄せて配置することができ、これに伴いロータ85や分離板81も同方向に寄せて配置することで、ポンプの軸方向長さを図6のものに比較して短くすることが可能となる。
[第5実施形態]
本発明における第5実施形態として、前記第1実施形態におけるステータコア35や第3実施形態におけるステータコア71を、圧粉体としての圧粉鉄心で構成する。その他の構造は、第1,第2実施形態や第3,第4実施形態で説明したものと同様である。
本発明における第5実施形態として、前記第1実施形態におけるステータコア35や第3実施形態におけるステータコア71を、圧粉体としての圧粉鉄心で構成する。その他の構造は、第1,第2実施形態や第3,第4実施形態で説明したものと同様である。
本実施形態におけるステータコア35,71は、図示しない金型のキャビティ内に磁性粉を充填し圧縮することにより成形した圧粉鉄心とする。圧粉鉄心は、鉄粉個々の表面を無機絶縁皮膜でコーティングし、粒子間を樹脂でバインドした構造であり、高周波での鉄損失が低く(渦電流損失が低く)、また飽和磁束密度が大きくしかも耐熱性に優れるという利点を備えている。
このように、第5実施形態では、ステータコア35,71を圧粉鉄心で構成しているので、渦電流損失を抑えることができるほか、これまでステータコアに使用されて来た電磁鋼板やフェライトでは満足出来ない数百kHzの高周波数域で使用することができる。
[第6実施形態]
本発明における第6実施形態として、ステータコア35,71を金属ガラスで構成する。その他の構造は、第1,第2実施形態や第3,第4実施形態で説明したものと同様である。
本発明における第6実施形態として、ステータコア35,71を金属ガラスで構成する。その他の構造は、第1,第2実施形態や第3,第4実施形態で説明したものと同様である。
金属ガラスは、前記した圧粉鉄心と同様に高周波での鉄損失が低く(渦電流損失が低く)、また飽和磁束密度が大きくしかも耐熱性に優れるという利点を備えている。このため第6実施形態では、第5実施形態と同様に、渦電流損失を抑えることができるとともに、高周波数域で使用できるクローポールモータとすることができる。
このような金属ガラスは、磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成することもできる。
[第7実施形態]
本発明における第7実施形態として、ステータコア35,71を、表面を無機絶縁皮膜でコーティングした鉄粉と樹脂バインダとを混ぜ合わせた混合材料である磁性材料を、インジェクション成形によって製造する。その他の構造は、第1,第2実施形態や第3,第4実施形態で説明したものと同様である。
本発明における第7実施形態として、ステータコア35,71を、表面を無機絶縁皮膜でコーティングした鉄粉と樹脂バインダとを混ぜ合わせた混合材料である磁性材料を、インジェクション成形によって製造する。その他の構造は、第1,第2実施形態や第3,第4実施形態で説明したものと同様である。
樹脂バインダとしては、例えばナイロン(ポロアミド樹脂)やPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)などの熱可塑性樹脂を使用する。その際鉄粉と樹脂バインダとの配合比率は、例えば鉄粉が80〜90%重量比とする。
上記した第7実施形態のようにインジェクション成形によってステータコア35,71を製造することで、前記第5実施形態のような圧粉鉄心を製造する場合に比較して、金型寿命が長いなど金型コストを低く抑えることができる上、製品形状の自由度も高いので、要求される性能に対応しやすくなる。
また、前記第6実施形態における金属ガラスについても、樹脂バインドを適宜混合してインジェクション成形により製造してもよい。
そして、このようなクローポールモータを駆動源としてポンプを構成することで、小型で高効率なポンプを得ることができる。
13,83 マグネット(永久磁石)
15,85 ロータ
17,19,89,91 爪磁極
17b,19b,89b,91b 爪磁極の基端部
17c,19c,89c,91c 爪磁極の先端部
21,69 ステータ
35,71 ステータコア
37,95 環状コイル
15,85 ロータ
17,19,89,91 爪磁極
17b,19b,89b,91b 爪磁極の基端部
17c,19c,89c,91c 爪磁極の先端部
21,69 ステータ
35,71 ステータコア
37,95 環状コイル
Claims (10)
- 永久磁石を備えたロータと、このロータの前記永久磁石の周面に対向して配置したステータとを有し、このステータは、中空のステータコア内に環状コイルを備え、前記ステータコアは、軸方向に延在しかつ前記永久磁石に対向する爪磁極を周方向に沿って複数備えるとともに、前記爪磁極は周方向に隣接するもの同士が互いに逆方向に向けて延在し、この逆方向に向けて延在する爪磁極のうち少なくとも一方に向けて延在する爪磁極の先端部を、他方に向けて延在する爪磁極の基端部よりも前方に突出させたことを特徴とするクローポールモータ。
- 一方に向けて延在する爪磁極の先端部を、他方に向けて延在する爪磁極の基端部よりも前方に突出させるとともに、前記他方に向けて延在する爪磁極の先端部を前記一方に向けて延在する爪磁極の基端部よりも前方に突出させたことを特徴とする請求項1に記載のクローポールモータ。
- 前記ステータコアを、磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のクローポールモータ。
- 前記ステータコアを、金属ガラスで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のクローポールモータ。
- 前記金属ガラスで構成したステータコアは、磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成したものであることを特徴とする請求項4に記載のクローポールモータ。
- 前記金属ガラスで構成したステータコアは、磁性粉と樹脂バインダとを混合した混合材料をインジェクション成形することで構成したものであることを特徴とする請求項4に記載のクローポールモータ。
- 前記ステータコアを、磁性粉と樹脂バインダとを混合した混合材料をインジェクション成形することで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のクローポールモータ。
- 前記ロータをモータ中心部に配置する一方、前記ロータの外側に前記ステータを配置したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のクローポールモータ。
- 前記ステータをモータ中心部に配置する一方、前記ステータの外側に前記ロータを配置したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のクローポールモータ。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のクローポールモータを駆動源としたことを特徴とするポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008041980A JP2009201296A (ja) | 2008-02-22 | 2008-02-22 | クローポールモータ及びポンプ |
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JP2009201296A true JP2009201296A (ja) | 2009-09-03 |
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ID=41144208
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009201296A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107023703A (zh) * | 2016-01-29 | 2017-08-08 | 盾安环境技术有限公司 | 电磁阀 |
-
2008
- 2008-02-22 JP JP2008041980A patent/JP2009201296A/ja active Pending
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