JP2010007839A - テンショナ用ガスケット、テンショナ取り付け構造及びテンショナ取り付け方法 - Google Patents
テンショナ用ガスケット、テンショナ取り付け構造及びテンショナ取り付け方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ガスケット2の切り欠き部2dは油溜まり室11aから外気側に直接通じる空気抜き孔を形成している。このため切り欠き部2dの形状のみにより高精度な流路面積に形成でき、空気排出後には作動油排出流路として機能する空気抜き孔により、油溜まり室11a内の油圧を十分に高く調節することが容易である。係止爪2gにて予めテンショナ側にガスケット2を脱落しないように取り付けることができる。したがってテンショナを油溜まり部8から取り外す際及び油溜まり部8に取り付ける際に、ガスケット2を脱落させるおそれがなくなる。このように取り外し作業や取り付け作業が効率的にできる。
【選択図】図8
Description
更にこのようなガスケットをテンショナと共に内燃機関本体側に取り付けた場合、メンテナンスのためにガスケットの取り外し作業や取り付け作業を行う際に、ガスケットが落下し易く効率的な作業が困難となるおそれがある。
請求項1に記載のテンショナ用ガスケットは、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達させるチェーンに張力を与えるためのテンショナに設けられたテンショナ側合わせ面と内燃機関本体に設けられた機関側合わせ面との当接部分に介在してテンショナと内燃機関本体との間に形成されるテンショナ作動油供給用の油溜まり室を密封するガスケットであって、前記当接部分にて前記油溜まり室内から外気側に至る切り欠き部を形成したことを特徴とする。
請求項2に記載のテンショナ用ガスケットでは、請求項1において、前記切り欠き部を挟んで対抗するガスケット端部は、前記油溜まり室内又は外気側にて、前記当接部分から離れた位置で架橋されていることを特徴とする。
このように係止爪に架橋を兼ねさせることができ、係止爪を備えたガスケットの小型化・軽量化に貢献できる。
このようなボルト締結では、スタッドボルトなどを利用する場合に比較して狭い空間にてもテンショナを内燃機関本体側から取り外したり取り付けたりする作業が容易となる。しかもこのようなボルト締結作業でも前述したごとくガスケットを脱落させるおそれがない。
図1の(A)はガスケット2の斜視図、(B)は平面図、図2の(A)は正面図、(B)は右側面図である。このガスケット2は、図3に示すテンショナ4と図4に示すシリンダブロック6の壁面に形成された油溜まり部8との間に介在されるテンショナ用ガスケットとして形成されている。
更にガスケット本体2aの上部側には切り欠き部2dが形成されている。この切り欠き部2dは、この位置での油溜まり部8の合わせ面10aの幅を完全に横断する長さである。この切り欠き部2dを挟んで対抗する2つのガスケット端部2eの間は、油溜まり部8の外周壁部10に囲まれた油溜まり空間10b側にて当接部分である合わせ面10aから離れた位置で架橋部2fにより架橋されている。したがってガスケット本体2aは切り欠き部2dが存在してもリングが切り離された状態にはなっていない。尚、図示したごとく架橋部2fは中間部2bの上端側とも一体となっている。
まず、図5に破線矢印にて示すごとくテンショナ4に対してガスケット2を係止爪2gにて挟持するようにしてテンショナ4の裏面側に存在する合わせ面4a(テンショナ側合わせ面に相当)に取り付ける。
第1油室11bにはシリンダブロック6側に形成されている油路6a(図4、6)から、内燃機関運転時には潤滑油が作動油として供給される。そしてこの作動油は隔壁10dを越えて第2油室11cにも供給される。第2油室11cの下方にはテンショナ4側の油取り込み口4eが開口している。テンショナ4側にて作動油が不足した場合には、この油取り込み口4eから作動油がテンショナ4内にて取り込まれる。このことによりタイミングチェーンに常にテンションを与えることでテンショナ4としての機能を果たすことができる。
(イ).ガスケット2に設けられた切り欠き部2dは、合わせ面4a,10a間での当接部分にて油溜まり室11a内から外気側に至るものであることにより、油溜まり室11aから外気側に直接通じる空気抜き孔を形成している。このため単純に切り欠き部2dの形状のみにより空気抜き孔が形成できるので高精度な流路面積の空気抜き孔が容易に形成できる。特に合わせ面4a,10aを切り欠き部2dが横切っている部分は短く、全体として高精度な流路面積に管理することが容易となる。
図9、10に本実施の形態のガスケット102を示す。図9の(A)はガスケット102の斜視図、(B)は平面図、図10の(A)は正面図、(B)は右側面図である。このガスケット102は、ガスケット102自身をシリンダブロック側に係止するために係止爪102gが裏面側に向けて設けられている点が前記実施の形態1とは異なる。これ以外のガスケット102の構成、すなわち、ガスケット本体102a、中間部102b、ボルト挿通孔102c、切り欠き部102d、架橋部102fの形状については前記実施の形態1と同じである。
(イ).切り欠き部102d及び架橋部102fによる効果については前記実施の形態1の(イ)及び(ロ)にて説明したごとくである。
図13に本実施の形態の際にガスケット202を示す。図13の(A)はガスケット202の斜視図、(B)は平面図である。このガスケット202には係止爪が存在しない。これ以外のガスケット202の構成である、ガスケット本体202a、中間部202b、ボルト挿通孔202c、切り欠き部202d、架橋部202fの形状については前記実施の形態1と同じである。
[その他の実施の形態]
(a).前記各実施の形態において、架橋部2f,102f,202fは、油溜まり室側に形成されていたが、図14の(A)に示すガスケット302ごとく、外気側に架橋部302fを形成しても良い。この架橋部302fは切り欠き部302dにより形成されている空気抜き孔の入り口側も出口側も塞がないように、当接部分(合わせ面310aの位置)から離れた位置で架橋されている。このことにより前記実施の形態1の(ロ)にて述べた効果を生じる。
(c).各実施の形態において係止爪は外気側に設けられて、外気側からテンショナや油溜まり部に係止していたが、油溜まり空間の内周面や、テンショナ側の油溜まり空間の内周面に係止するようにしても良い。すなわちガスケット本体の内周縁部分から油溜まり室側に突出した状態で係止爪を形成しても良い。
Claims (8)
- クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達させるチェーンに張力を与えるためのテンショナに設けられたテンショナ側合わせ面と内燃機関本体に設けられた機関側合わせ面との当接部分に介在してテンショナと内燃機関本体との間に形成されるテンショナ作動油供給用の油溜まり室を密封するガスケットであって、
前記当接部分にて前記油溜まり室内から外気側に至る切り欠き部を形成したことを特徴とするテンショナ用ガスケット。 - 請求項1において、前記切り欠き部を挟んで対抗するガスケット端部は、前記油溜まり室内又は外気側にて、前記当接部分から離れた位置で架橋されていることを特徴とするテンショナ用ガスケット。
- 請求項1又は2において、外周縁部分から外気側に突出し、前記テンショナ又は前記内燃機関本体に係止するための係止爪を形成したことを特徴とするテンショナ用ガスケット。
- 請求項1又は2において、内周縁部分から油溜まり室側に突出し、前記テンショナ又は前記内燃機関本体に係止するための係止爪を形成したことを特徴とするテンショナ用ガスケット。
- 請求項3又は4において、前記係止爪は、請求項2の架橋を兼ねていることを特徴とするテンショナ用ガスケット。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のテンショナ用ガスケットを、前記テンショナに設けられたテンショナ側合わせ面と内燃機関本体に設けられた機関側合わせ面との当接部分に介在させたことを特徴とするテンショナ取り付け構造。
- 請求項3〜5のいずれか一項に記載のテンショナ用ガスケットを、前記係止爪にて前記テンショナ又は前記内燃機関本体に係止した後に、前記テンショナのテンショナ側合わせ面を前記内燃機関本体の機関側合わせ面に当接して前記テンショナを前記内燃機関本体へ締結することを特徴とするテンショナ取り付け方法。
- 請求項7において、前記締結は、テンショナ側から螺入されるボルトによりなされることを特徴とするテンショナ取り付け方法。
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