JP5168163B2 - 内燃機関の潤滑装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の複数の摺動部にオイルを供給する内燃機関の潤滑装置に関し、特にオイル通路中でフィルタにより固形異物を捕捉するようにした内燃機関の潤滑装置に関する。
車両等に搭載される内燃機関においては、多数の摺動部にそれぞれ潤滑・冷却用のオイル(エンジンオイル)を供給するためのオイル通路が必要であり、エンジンブロックやクランクシャフト、カムシャフト等にそれぞれ鋳抜きや切削加工によってオイル通路が形成されたり、加工した通路孔の開口端を閉塞するプラグ(以下、タイトプラグという)が圧入されたりするため、オイル通路中のオイルに摺動部を損傷させる程度に大きな金属粉等の固形異物が混入し易い。そこで、ストレーナを通してオイルポンプにオイルを吸入させ、オイルポンプから吐出されたオイルをさらにフィルタに通してろ過するようになっているのが一般的であり、オイルの供給量が多くなるクランクジャーナル部、特にクランクピン側へと連続するクランクジャーナル部では、高度なフィルタ特性が要求される。
従来、この種の内燃機関の潤滑装置としては、例えばクランクベアリングへの給油穴に通じる給油用ホールを、異物の捕捉のための捕捉用ホールに向う通路から分岐させたり、その給油用ホールにあるいは給油用ホールおよび捕捉用ホールの双方にフィルタを設けたりするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、クランクベアリングの給油穴に隣接するようシリンダブロックに埋め込まれたフィルタと、コネクティングロッド側のベアリングメタルに対向するようクランクシャフト内に埋め込んだフィルタとを、それぞれデプス型として微小固形異物を除去するようにしたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、潤滑装置ではないが、油圧で作動する可変バルブタイミング機構の油路上に配置されるフィルタのケースを、油路を形成する穴部に嵌合させるか、穴部に固定した環状部に対して離脱可能に嵌入させておき、フィルタの目詰まりによりフィルタ前後の差圧が大きくなったときに、フィルタのケースの嵌合・固定状態が解けてフィルタをバイパスする油路が形成されるようにしたものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2007−278170号公報 特開平09−53433号公報 特開平11−62544号公報
しかしながら、給油用ホールおよび捕捉用ホールを別々に形成する従来の内燃機関の潤滑装置にあっては、フィルタ装着部近傍のオイル通路構成が複雑で加工も容易でなく、コスト高を招くという問題があった。
また、クランクベアリングの給油穴に隣接するようシリンダブロックにフィルタを埋め込んだり、コネクティングロッド側のベアリングメタルに対向するようクランクシャフト内にフィルタを埋め込んだりする従来の内燃機関の潤滑装置にあっても、シリンダブロック側のフィルタ装着部より上流側のオイル通路の配置がクランクベアリングの給油穴位置により制限されてしまったり部品点数が増えたりするため、やはりコスト高を招くという問題があった。
さらに、フィルタの目詰まりによりフィルタ前後の差圧が大きくなったときに、フィルタのケースの嵌合・固定状態が解けてフィルタをバイパスする油路が形成されるようにしたものでは、フィルタのケースの嵌合・固定状態が解けると、摺動部を損傷させてしまう程度に大きな固形異物がクリーンサイド(フィルタより下流側)に流入してしまうため、クランクジャーナル部のような部位の潤滑にそのまま適用することはできない。
すなわち、従来は、摺動部に損傷を与えない程度に微小な固形異物まで捕捉可能でありながら低コストの潤滑装置を得ることが困難であった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、摺動部に損傷を与えない程度に微小な固形異物まで捕捉可能でありながら低コストの内燃機関の潤滑装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の潤滑装置は、上記目的の達成のため、(1)内燃機関の機関ブロックに形成されたオイル通路にフィルタを配置し、該フィルタを通したオイルを前記内燃機関のクランクジャーナル部を含む複数の摺動部に供給する内燃機関の潤滑装置において、前記機関ブロックが、前記クランクジャーナル部に係合する給油穴付のクランクベアリングとの間にオイルホールを形成する第1凹部と、前記オイル通路のうち上流側通路部分に連通する前記オイルホールのオイル導入口部で前記フィルタを定位置に保持する第2凹部とを有し、前記フィルタが、前記機関ブロックの前記第2凹部に嵌入されるとともに前記オイルホールのオイル導入口部を形成するフィルタケースと、該フィルタケースに保持されたフィルタ要素とからなり、前記フィルタケースが、前記第2凹部に嵌入されるとともに、前記クランクベアリングとの間に前記オイルホールの一部を形成する通路形成壁部を有し、前記フィルタ要素が、前記上流側通路部分から前記オイルホールに導入される前記オイル中の固形異物を前記オイル導入口部で捕捉することを特徴とする。
この構成により、第1凹部および第2凹部は共に異物除去が容易で、異物除去が困難なオイル通路の上流側通路部分とオイルホールとの間にフィルタが配置されることから、上流側通路部分からクランクジャーナル部への固形異物の侵入を確実に防止できる。また、オイルホールのオイル導入口部に対して下流側からフィルタを装着することになるので、フィルタ装着時にバリ等の固形異物が発生し難い。したがって、摺動部に損傷を与えない程度に微小な固形異物まで捕捉可能でありながら低コストの潤滑装置となる。
また、第2凹部へのフィルタの装着が容易になるとともに、フィルタケースの形状によってオイルホールのオイル導入孔部の形状を任意に設定できることになる。
さらに、オイルホールのオイル導入口部からオイルホールへと続く通路をフィルタケースによって最適形状の滑らかな湾曲面に形成できるとともに、オイル導入口部とクランクベアリングの給油穴の位置が相互に制限され難くなる。
本発明の内燃機関の潤滑装置においては、(2)前記通路形成壁部が、前記クランクベアリングに向って凹状をなす略U字形断面を有するのが好ましい。
この構成により、フィルタケース自体の成形を容易にすることができる。
本発明の内燃機関の潤滑装置においては、(3)前記フィルタケースが、前記機関ブロックと前記クランクベアリングとに圧接状態で挟持されているのが好ましい。
この構成により、オイルホールの近傍でクランクベアリングの背面側を適宜支持することができるとともに、フィルタの的確な位置決めができる。
本発明の内燃機関の潤滑装置においては、(4)前記フィルタケースが、前記機関ブロックの第2凹部に圧入されている環状圧入部を有し、前記フィルタ要素が、前記上流側通路部分に近接する前記環状圧入部の上流端部側に保持されていてもよい。
この場合、環状圧入部が機関ブロックの第2凹部に圧入されるので、その圧入作業が容易であるとともに、フィルタ装着部のメンテナンスも容易である。
本発明によれば、機関ブロックにクランクベアリングとの間にオイルホールを形成する異物除去の容易な第1凹部および第2凹部を形成するとともに、オイルホールのオイル導入口部にフィルタを配置して、異物除去が困難なオイル通路の上流側通路部分とオイルホールとの間にフィルタを位置させるようにしているので、上流側通路部分からクランクジャーナル部への固形異物の侵入を確実に防止でき、しかも、オイルホールのオイル導入口部に対して下流側からフィルタを装着することになるので、フィルタ装着時におけるバリ等の固形異物を発生し難くすることができる。その結果、摺動部に損傷を与えない程度に微小な固形異物まで捕捉可能でありながら低コストの内燃機関の潤滑装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の潤滑装置の要部断面図であり、その内燃機関のクランクジャーナル部の横断面を含んでいる。 本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の潤滑装置におけるフィルタの外観斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の潤滑装置におけるオイル通路の全体の概略形状を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の機関ブロックのクランクシャフトの近傍を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の潤滑装置の要部断面図であり、その内燃機関のクランクジャーナル部の横断面を含んでいる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図4は、本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の潤滑装置を示す図であり、図1はその要部断面であるクランクジャーナル部の近傍を示し、図2は、その潤滑装置におけるフィルタの外観を斜視図で示している。また、図3は、その潤滑装置におけるオイル通路の全体の概略形状を、図4は、その内燃機関の機関ブロックのクランクシャフトの近傍を示している。
まず、構成について説明する。
図1および図4に示すように、本実施形態の内燃機関の潤滑装置を装備するエンジン1(内燃機関)は、多気筒、例えば4気筒の機関ブロック10を備えている。この機関ブロック10は、例えばアルミダイカスト成形品を主要部とするシリンダブロック11(機関ブロック)の上方側にシリンダヘッド12(図4中に一部のみ図示している)を装着するとともに、シリンダブロック11の下方側にクランクケース14を装着したもので、シリンダブロック11内に複数の気筒13が形成されている。また、クランクケース14の下方側には、オイル(エンジンオイル)を収容するオイルパン15が設けられている。
各気筒13内にはピストン16が収納されており、各ピストン16はクランクケース14に支持されたクランクシャフト17のクランクピン部17pにコネクティングロッド18を介して連結されている。なお、詳細を図示しないが、シリンダヘッド12の内方には図示しない公知の動弁機構が収納されており、この動弁機構はクランクシャフト17からの動力を基に駆動されるようになっている。
クランクシャフト17は、エンジン1の気筒数に対応する例えば5つのクランクジャーナル部17aで機関ブロック10に回転自在に支持されており、クランクジャーナル支持壁部として隣接気筒間に配置される機関ブロック10の複数の隔壁50と、この隔壁50との間にクランクベアリング51a、51bを挟んで対向する複数のクランクキャップ58とがそれぞれ複数のボルト59a、59bによって結合されることで、複数のクランクジャーナル部17aを保持する軸穴部41〜45が形成されている。なお、本実施形態においては、複数の隔壁50のうち一部の隔壁50は、シリンダブロック11のスカート部(詳細図示せず)内に一体に形成され、残りの隔壁50は、クランクケース14に一体に形成されている。
図3に示すように、エンジン1には、クランクシャフト17からの動力を基に駆動されてオイルパン15からオイルストレーナ21を通してオイルを汲み上げるオイルポンプ20が装備されており、このオイルポンプ20からシリンダブロック11等の内部に形成されたオイル通路30の主通路31、32および複数の分岐通路33、34、35、36、37、38等(シリンダヘッド12内の動弁機構のオイル通路は図示せず)を通して、エンジン1の各摺動部、例えばクランクシャフト17の複数のクランクジャーナル部17aとこれらに対向する複数組のクランクベアリング51a、51bとの摺動部にそれぞれ潤滑・冷却用のオイルが供給され、潤滑・冷却に供されたオイルは最終的にはオイルパン15に流下するようになっている。
複数の分岐通路34〜38は、それぞれ4気筒のエンジン1において車両前方側から後方側に離間する5つのクランクジャーナル部17aに対応して設けられており、エンジン1内を循環するオイルの一部は、複数の分岐通路34〜38からシリンダブロック11およびクランクケース14により形成される5つの軸穴部41〜45の内方に供給される。
また、軸穴部41〜45の内方では、それぞれクランクベアリング51aに形成された給油穴51c及び環状溝51d(例えば180度の角度領域に亘る)を通して、クランクシャフト17の複数、例えば5つのクランクジャーナル部17aに対し、所要の供給圧と供給量(流量)でオイルが供給される。そして、クランクシャフト17の各クランクジャーナル部17aに形成された軸直角方向の貫通孔17hを通して、オイルが常時下側のクランクベアリング51b側にも供給される。
さらに、クランクシャフト17の5つのクランクジャーナル部17aのうち特定の軸穴部、例えば車両前方側から2番目、4番目のクランクジャーナル部17a(以下、第2、第4クランクジャーナル部17aともいう)と両クランクジャーナル部17aに隣り合う各一対のクランクピン部17pの間には、各クランクジャーナル部17a内の貫通孔17hからその両側のクランクピン部17pの外周面に向って斜めに延びる各一対の下流側分岐通路46a、46bが形成されている。これら下流側分岐通路46a、46bは、クランクシャフト17の各クランクピン部17pと各気筒13内のコネクティングロッド18に装着されたベアリングメタル(符号なし;コンロッドベアリングともいう)との摺動部に、オイルを供給することができる。
クランクシャフト17のクランクジャーナル部17aとクランクベアリング51a、51bの間を潤滑するオイルや、クランクシャフト17のクランクピン部17pとコネクティングロッド18に装着されたベアリングメタル(符号なし)との間を潤滑したオイルは、軸穴部41〜45の軸方向両側からあるいはコネクティングロッド18の基端部の両側からそれぞれ漏れ出て、オイルパン15内に流下するようになっている。
一方、機関ブロック10内に形成されたオイル通路30の特定の部位、例えば車両前方側から2番目、4番目のクランクジャーナル部17aに対応する分岐通路35、37と軸穴部42、44との間にはそれぞれフィルタ61が配置されており、これらのフィルタ61を通過したオイルがエンジン1の第2、第4クランクジャーナル17aおよび各クランクピン部17pを含む複数の摺動部に供給されるようになっている。
具体的には、機関ブロック10は、クランクジャーナル部17aに係合する給油穴51c付のクランクベアリング51aとの間にオイルホール54を形成する第1凹部53と、分岐通路35、37(オイル通路)のうち上流側通路部分35a、37aに連通するオイルホール54のオイル導入口部54aでフィルタ61を定位置に保持する第2凹部55とを有しており、第2凹部55は第1凹部53の拡幅した一部を構成している。
オイルホール54は、クランクベアリング51aに形成された少なくとも1つの給油穴、例えば複数の給油穴51cを相互に連通させるとともに上流側のオイル通路である分岐通路35または37に連通するように、クランクベアリング51aの背面の一定角度範囲に亘って形成されている。ただし、クランクシャフト17の軸方向におけるオイルホール54の通路幅は、クランクジャーナル支持壁部として隣接気筒間に配置される機関ブロック10の隔壁50の幅の1/3程度であり、クランクベアリング51aはオイルホール54の形成領域においてもその幅方向両側で、隔壁50に圧接することができる。
フィルタ61は、上流側通路部分35a、37aからオイルホール54に導入されるオイル中の固形異物をオイル導入口部54aで捕捉するようになっており、このフィルタ61は、第2凹部55内に挿入される頭部62hを有するとともに第2凹部55内にオイルホール54のオイル導入口部54aを形成するフィルタケース62と、そのフィルタケース62の頭部62h内に保持されたフィルタ要素63とから構成されている。また、フィルタケース62の頭部62hには、第2凹部55内の内壁面に近接する挿入ガイド用の突起部62ha、62hbが設けられている。
ここにいう固形異物とは、例えばシリンダブロック11のオイル通路30を鋳込み、ドリル加工、タイトプラグの圧入等によって形成する際にオイル通路内に発生したか残留した金属粉等、あるいはオイルの熱酸化や凝縮により形成されるスラッジの核部その他の固形異物であって、摺動部の潤滑状態を悪化させるものである。
フィルタ61のフィルタ要素63は、フィルタケース62の頭部62hに形成された複数、例えば4つの開口部62aを塞ぐ金属製または樹脂製のメッシュで構成されており、フィルタケース62は、例えばポリアミド系の樹脂を主材料として型成形されている。
このフィルタケース62は、機関ブロック10の第2凹部55に嵌入されるとともに、クランクベアリング51a、51bとの間にオイルホール54の一部を形成する通路形成壁部62vを有しており、フィルタケース62の通路形成壁部62vは、クランクベアリング51aに向って凹状をなす略U字形断面を有している。
また、フィルタケース62の頭部62hおよび通路形成壁部62vは、隣接する気筒13の間に配置される機関ブロック10の隔壁50とクランクベアリング51a、51bとに圧接状態で挟持されている。
なお、隔壁50の第1凹部53および第2凹部55の内表面形状は、フィルタケース62の頭部62hおよび通路形成壁部62vの外表面形状および予め設定されたオイル通路形状に対応しており、隔壁50およびフィルタケース62との圧接部位は略同一表面形状になっている。
次に、その組立ての手順と共に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態の内燃機関の潤滑装置は、機関ブロック10のシリンダブロック11の下部にクランクケース14が固定された状態で、クランクシャフト17を組付ける複数の隔壁50は互いに離間して配置され、それぞれに半円筒状の凹部が形成される。
このとき、複数の隔壁50のうち第2、第4クランクジャーナル部17aに対応する分岐通路35、37が形成される一対の隔壁50のそれぞれには、第1凹部53および第2凹部55が形成されている。
次いで、一対の隔壁50の第2凹部55にフィルタ61のフィルタケース62がそれぞれ嵌入され、分岐通路35、37からオイルホール54内へのオイル導入口部54aにフィルタ要素63が配置される。なお、このフィルタ61の組付けに先立って、オイル通路30内やその近傍の機関ブロック10に残留する固形異物を洗浄・除去する公知の異物除去処理(洗浄やブラシによりばり取り等)がなされ、組立て作業は予め設定されたクリーン度の清浄環境中でなされる。
次いで、複数の隔壁50の半円筒状の凹部に、それぞれ一方側の複数のクランクベアリング51aが装着され、クランクシャフト17が装着され、クランクシャフト17の複数のクランクジャーナル部17aの露出部分に他方側の複数のクランクベアリング51bが装着された後、複数のクランクキャップ58がそれぞれ複数のボルト59a、59bによって複数の隔壁50のそれぞれに締結・固定される。
このようなクランクシャフト17の装着のための一連の組付け作業が完了すると、機関ブロック10の最下方にオイルパン15が装着され、その後、エンジン1内にオイルが注入される。
ところで、フィルタ61の隔壁50への組付けに際しては、分岐通路35、37より下流側が大きく開放された第1凹部53および第2凹部55は、共に異物除去が容易であるが、シリンダブロック11のダイカスト成形後に専ら斜めドリル加工等により形成される分岐通路34〜38等は、肉厚の隔壁50内に一定確率で内包される鋳巣(ダイカスト内部の空洞)に連通する状態となることがあり、固形異物の除去が困難な場合がある。
したがって、フィルタ61は固形異物の除去が困難な分岐通路35、37の上流側通路部分35a、37aと異物除去が容易なオイルホール54との間に配置され、上流側通路部分35a、37aからオイルホール54内、さらにクランクジャーナル部17aの摺動部へと固形異物が侵入するのを確実に防止できることになる。
また、オイルホール54のオイル導入口部54aに対して下流側からフィルタ61を装着することになるので、フィルタ装着時にバリ等の固形異物が発生し、クリーンサイドに残存するということが防止される。しかも、フィルタ61は少数で済み、隔壁50に対し容易に着脱可能であるから、メンテナンスも容易である。その結果、クランクシャフト17のクランクジャーナル部17aやクランクピン部17p等の摺動部に損傷を与えない程度に微小な固形異物まで捕捉可能でありながら、低コストの潤滑装置となる。
さらに、本実施形態では、機関ブロックの第2凹部へのフィルタの装着が容易になるとともに、フィルタケースの形状によってオイルホールのオイル導入孔部の形状を任意に設定できることになり、複数の給油穴51cに対するオイルの分配比を最適化するための導入部通路設定が容易にできる。
加えて、オイルホールのオイル導入口部とクランクベアリングの給油穴の位置(クランクジャーナル部17aの中心軸回りの角度位置)が相互に制限され難くなる。
さらに、本実施形態では、フィルタケース62の通路形成壁部62vが、クランクベアリング51aに向って凹状をなす略U字形断面を有するので、フィルタケース62自体の成形を容易にすることができるとともに、フィルタケース62が、機関ブロック10の隔壁50とクランクベアリング51aとに圧接状態で挟持されているので、オイルホール54の近傍でクランクベアリング51aの背面側を確実に支持することができ、フィルタの的確な位置決めもできることになる。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の潤滑装置の要部断面図であり、その内燃機関のクランクジャーナル部の近傍を示している。なお、本実施形態は、フィルタ装着部以外の構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるので、以下の説明においては、第1の実施の形態と同一の構成要素については図1〜図4に示した対応する構成要素の符号を用い、相違点について詳述する。
本実施形態においては、機関ブロック10の複数の隔壁50のうち、分岐通路35、37が形成される一対の隔壁50に、クランクベアリング51aとの間にオイルホール84を形成する第1凹部83と、この第1凹部83と分岐通路35または37の間に位置し、フィルタ71が装着される第2凹部85と、が形成されている。
フィルタ71は、略円筒状のフィルタケース72(環状圧入部)と、そのフィルタケース72の一端側に支持されたフィルタ要素73とを有しており、そのフィルタケース72は、機関ブロック10の複数の隔壁50のうち、分岐通路35、37が形成される一対の隔壁50の第2凹部85内にそれぞれ圧入されている。
これにより、フィルタ要素73は、上流側通路部分35a、37aに近接するオイルホール54のオイル導入口部54aの上流端に位置するよう、第2凹部85内のフィルタケース72の上流端側に保持されている。
フィルタ要素73は、略円筒状のフィルタケース72の一端側の開口部72aを塞ぐ金属製または樹脂製のメッシュで構成されており、フィルタケース72は、例えば金属製の円筒部材により構成されている。
このように構成された本実施形態の内燃機関の潤滑装置においては、フィルタ71が固形異物の除去が困難な分岐通路35、37の上流側通路部分35a、37aと異物除去が容易なオイルホール84との間に配置され、上流側通路部分35a、37aからオイルホール84内、さらにクランクジャーナル部17aの摺動部へと固形異物が侵入するのを確実に防止できることになる。また、オイルホール84のオイル導入口部84aに対して下流側からフィルタ71を圧入することになるので、フィルタ装着時にバリ等の固形異物が発生してフィルタ71より下流側であるクリーンサイドに残存するということが防止される。
さらに、本実施形態では、環状圧入部であるフィルタケース72が、その装着方向の手前側で大きく開放された機関ブロック10の第2凹部85に圧入されるので、第2凹部85の加工やフィルタ71の圧入作業が容易であるとともに、フィルタケース72を第2凹部85から離脱させる作業も可能であるので、メンテナンスも比較的容易である。
なお、第2の実施の形態において、フィルタケース72の下流端部を部分的にクランクベアリング51a側まで延長させ、例えば二股の脚部としてクランクベアリング51aの背面に当接させることで、圧入代を小さくしておくことができ、そのようにすれば、メンテナンス性をより向上させることができる。
上述の各実施形態においては、クランクベアリング51aの給油穴51cをクランクシャフト17の回転中心軸線および気筒中心軸線を含む平面に対して対称に配置し、その一方を分岐通路35または37の軸線の延長線上に配置するものとして図示したが、給油穴51cは少なくとも1つあればよい。
また、上述の各実施形態においては、第2、第4クランクジャーナル部17aからそれらの両側のクランクピン部17pへと下流側分岐通路46a、46bが延長されるものとしたが、各クランクジャーナル部17aからその一方側のクランクピン部へと延びるオイル通路を形成することもでき、その場合には、気筒数に対応する数だけフィルタ装着部が設けられることになる。
以上説明したように、本発明の内燃機関の潤滑装置は、機関ブロックにクランクベアリングとの間にオイルホールを形成する異物除去の容易な第1凹部および第2凹部を形成するとともに、オイルホールのオイル導入口部にフィルタを配置して、異物除去が困難なオイル通路の上流側通路部分とオイルホールとの間とフィルタを位置させるようにしているので、上流側通路部分からクランクジャーナル部への固形異物の侵入を確実に防止でき、しかも、オイルホールのオイル導入口部に対して下流側からフィルタを装着することになるので、フィルタ装着時におけるバリ等の固形異物を発生し難くすることができ、その結果、摺動部に損傷を与えない程度に微小な固形異物まで捕捉可能でありながら低コストの内燃機関の潤滑装置を提供することができるという効果を奏するものであり、内燃機関の複数の摺動部にオイルを供給する内燃機関の潤滑装置、特にオイル通路中でフィルタにより固形異物を捕捉するようにした内燃機関の潤滑装置全般に有用である。
1 エンジン
5a、5b クランクベアリンング
10 機関ブロック
11 シリンダブロック
13 気筒
14 クランクケース
17 クランクシャフト
17a クランクジャーナル部
17h 貫通孔
17p クランクピン部
20 オイルポンプ
21 オイルストレーナ
30 オイル通路
31、32 主通路
33、34、35、36、37、38 複数の分岐通路
35a、37a 上流側通路部分
41、42、43、44、45 軸穴部
46a、46b 下流側分岐通路
50 隔壁
51a、51b クランクベアリング
51c 給油穴
51d 環状溝
53、83 第1凹部
54、84 オイルホール
54a、84a オイル導入口部
55、85 第2凹部
61、71 フィルタ
62、72 フィルタケース
62a、72a 開口部
62h 頭部
62v 通路形成壁部
63、73 フィルタ要素

Claims (4)

  1. 内燃機関の機関ブロックに形成されたオイル通路にフィルタを配置し、該フィルタを通したオイルを前記内燃機関のクランクジャーナル部を含む複数の摺動部に供給する内燃機関の潤滑装置において、
    前記機関ブロックが、前記クランクジャーナル部に係合する給油穴付のクランクベアリングとの間にオイルホールを形成する第1凹部と、前記オイル通路のうち上流側通路部分に連通する前記オイルホールのオイル導入口部で前記フィルタを定位置に保持する第2凹部とを有し、
    前記フィルタが、前記機関ブロックの前記第2凹部に嵌入されるとともに前記オイルホールのオイル導入口部を形成するフィルタケースと、該フィルタケースに保持されたフィルタ要素とからなり、
    前記フィルタケースが、前記第2凹部に嵌入されるとともに、前記クランクベアリングとの間に前記オイルホールの一部を形成する通路形成壁部を有し、
    前記フィルタ要素が、前記上流側通路部分から前記オイルホールに導入される前記オイル中の固形異物を前記オイル導入口部で捕捉することを特徴とする内燃機関の潤滑装置。
  2. 前記通路形成壁部が、前記クランクベアリングに向って凹状をなす略U字形断面を有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の潤滑装置。
  3. 前記フィルタケースが、前記機関ブロックと前記クランクベアリングとに圧接状態で挟持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の潤滑装置。
  4. 前記フィルタケースが、前記機関ブロックの第2凹部に圧入されている環状圧入部を有し、前記フィルタ要素が、前記上流側通路部分に近接する前記環状圧入部の上流端部側に保持されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1の請求項に記載の内燃機関の潤滑装置。
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