JP2010007706A - 摺動式トリポード型等速ジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】全体を大きくすることなく最大ジョイント角を増大できる摺動式トリポード型等速ジョイントを提供する。
【解決手段】外輪10の回転軸とシャフト回転軸とが一致している姿勢、すなわちジョイント角0degにおいて、トリポード軸部22の中心軸X1は、中間部材40a、40bの動力伝達面42の外輪回転軸方向幅W3の中央部X2より、外輪10の開口側に設定される。
【選択図】図3
【解決手段】外輪10の回転軸とシャフト回転軸とが一致している姿勢、すなわちジョイント角0degにおいて、トリポード軸部22の中心軸X1は、中間部材40a、40bの動力伝達面42の外輪回転軸方向幅W3の中央部X2より、外輪10の開口側に設定される。
【選択図】図3
Description
本発明は、摺動式トリポード型等速ジョイントに関するものである。
従来の摺動式トリポード型等速ジョイントとして、例えば、特開2003−65350号公報(特許文献1)に記載されたものがある。特許文献1に記載の摺動式トリポード型等速ジョイントは、転動体は球体であり、転動体は相互に中間部材に対して位置決めされた状態で保持器によって支持されている。この構成により動力を伝達すると、転動体と中間部材、および転動体と軌道溝の間には転がり抵抗の他に、滑りによって大きな抵抗が発生する。
そこで、この抵抗を低減するために、例えば、特許第2763624号公報(特許文献2)および特許第3361096号公報(特許文献3)に記載されたものがある。特許文献2、3に記載の摺動式トリポード型等速ジョイントは、転動体がニードルであり、中間部材の外周を循環可能に保持器によって支持されている。これにより、転動体と中間部材、および転動体と軌道溝の間の滑りによる抵抗が大幅に低減することができる。
特開2003−65350号公報
特許第2763624号公報
特許第3361096号公報
ここで、特許文献2、3に記載の等速ジョイントにおいては、動力を伝達するために適宜、転動体の形状や同時に動力伝達する転動体の個数などを設定するが、十分な動力伝達を行うためにローラユニットの軌道溝延伸方向(全長)を大きくし、動力伝達に寄与するローラユニットと軌道溝側面の当接面積を増加する必要が生じる。ローラユニットの全長が大きくなると、ジョイント角を付加した場合に、シャフトとローラユニットの保持器などと干渉する可能性があるため、最大のジョイント角に制約ができてしまう。なお、外輪の外径を大きくすることで最大のジョイント角を確保できるが、これでは、小型化の要請に反することになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、大型化することなくジョイント角を大きくした場合にシャフトとローラユニットの干渉を回避できる摺動式トリポード型等速ジョイントを提供することである。
(手段1)手段1に係る摺動式トリポード型等速ジョイントは、
筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれの前記軌道溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
前記トリポード軸部の外周に前記トリポード軸部に対して揺動可能に設けられ、外側面に前記軌道溝の側面と対向する動力伝達面を有する中間部材と、
前記軌道溝の側面と前記動力伝達面との間に、前記軌道溝の側面に沿って転動可能に設けられる複数の転動体と、
前記転動体が前記中間部材の外周を循環可能となるように前記転動体を支持する保持器と、
を備える摺動式トリポード型等速ジョイントであって、
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記動力伝達面の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されることを特徴とする。
筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれの前記軌道溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
前記トリポード軸部の外周に前記トリポード軸部に対して揺動可能に設けられ、外側面に前記軌道溝の側面と対向する動力伝達面を有する中間部材と、
前記軌道溝の側面と前記動力伝達面との間に、前記軌道溝の側面に沿って転動可能に設けられる複数の転動体と、
前記転動体が前記中間部材の外周を循環可能となるように前記転動体を支持する保持器と、
を備える摺動式トリポード型等速ジョイントであって、
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記動力伝達面の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されることを特徴とする。
本発明によれば、トリポード軸部の中心軸は、中間部材における動力伝達面の外輪回転軸方向幅の中央部より外輪の開口側に設定される構成であるため、ローラユニットにおける全長の中央部よりも外輪の開口側に設定される構成とすることができる。これにより、ジョイント角を付加して動力伝達をした場合に、ローラユニットの外側に位置する保持器とシャフトが最も接近する姿勢において、両部材の距離が従来に比して拡大されることになる。従って、最大ジョイント角を増大させることができる。また、このような構成において、ローラユニットは、外輪の径方向外方に位置変更したものではないので、外輪の径を大きくすることなく最大ジョイント角を大きくすることができる。よって、等速ジョイント全体を大きくすることなく、上記効果を奏する。
ここで、「ローラユニット」とは、トリポード軸部からの動力を外輪の軌道溝に伝達する部材から構成され、例えば、ダブルローラ式のトリポード型等速ジョイントにおけるローラユニットは、内ローラ、外ローラ、ローラ支持体およびスナップリングなどで構成される。本発明のトリポード型等速ジョイントにおけるローラユニットは、中間部材、転動体および保持器から構成される。
(手段2)手段1の摺動式トリポード型等速ジョイントにおいて、
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記保持器の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されるとよい。
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記保持器の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されるとよい。
これにより、上述したローラユニットの外側に位置する保持器とシャフトが最も接近する姿勢において、両部材の距離が従来に比して拡大されることになる。従って、より確実に最大ジョイント角を増大させることができる。
(手段3)手段1または2の摺動式トリポード型等速ジョイントにおいて、
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記中間部材の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されるとよい。
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記中間部材の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されるとよい。
これにより、トリポード軸部の中心軸は、中間部材全体の中央部に対して外輪の開口側に設定されるので、より確実に最大ジョイント角を増大させることができる。
(手段4)手段1〜3のいずれかの摺動式トリポード型等速ジョイントにおいて、
前記保持器は、前記外輪回転軸方向に対して対称形状に形成されている。
前記保持器は、前記外輪回転軸方向に対して対称形状に形成されている。
これにより、外輪回転軸方向を左右方向にして保持器を見た場合に、保持器は中央部から左右対称に形成されていることになる。よって、上記手段において、中間部材の設計変更により最大ジョイント角の増大を図った場合でも、保持器は対称形状に形成されているので、ローラユニットの組付け時において、当初の設計と反対に組付けてしまうなどの誤組付けを防止することができる。
(手段5)手段5に係る摺動式トリポード型等速ジョイントは、
筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれの前記軌道溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
前記トリポード軸部の外周に前記トリポード軸部に対して揺動可能に設けられ、外側面に前記軌道溝の側面と対向する動力伝達面を有する中間部材と、
前記軌道溝の側面と前記動力伝達面との間に、前記軌道溝の側面に沿って転動可能に設けられる複数の転動体と、
前記転動体が前記中間部材の外周を循環可能となるように前記転動体を支持する保持器と、
を備える摺動式トリポード型等速ジョイントであって、
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記保持器の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されることを特徴とする。
筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれの前記軌道溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
前記トリポード軸部の外周に前記トリポード軸部に対して揺動可能に設けられ、外側面に前記軌道溝の側面と対向する動力伝達面を有する中間部材と、
前記軌道溝の側面と前記動力伝達面との間に、前記軌道溝の側面に沿って転動可能に設けられる複数の転動体と、
前記転動体が前記中間部材の外周を循環可能となるように前記転動体を支持する保持器と、
を備える摺動式トリポード型等速ジョイントであって、
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記保持器の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されることを特徴とする。
本発明によれば、トリポード軸部の中心軸は、保持器の外輪回転軸方向幅の中央部よりも外輪の開口側に設定される構成であるため、ローラユニットにおける全長の中央部よりも外輪の開口側に設定される構成とすることができる。これにより、ジョイント角を付加して動力伝達をした場合に、ローラユニットの外側に位置する保持器とシャフトが最も近接する姿勢において、両部材の距離が従来に比して拡大されることになる。従って、最大ジョイント角を増大させることができる。また、このような構成において、ローラユニットは、外輪の径方向外方に位置変更したものではないので、外輪の径を大きくすることなく最大ジョイント角を大きくすることができる。よって、等速ジョイント全体を大きくすることなく、上記効果を奏する。
(手段6)手段6に係る摺動式トリポード型等速ジョイントは、
筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれの前記軌道溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
前記トリポード軸部の外周に前記トリポード軸部に対して揺動可能に設けられ、外側面に前記軌道溝の側面と対向する動力伝達面を有する中間部材と、
前記軌道溝の側面と前記動力伝達面との間に、前記軌道溝の側面に沿って転動可能に設けられる複数の転動体と、
前記転動体が前記中間部材の外周を循環可能となるように前記転動体を支持する保持器と、
を備える摺動式トリポード型等速ジョイントであって、
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記中間部材の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されることを特徴とする。
筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれの前記軌道溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
前記トリポード軸部の外周に前記トリポード軸部に対して揺動可能に設けられ、外側面に前記軌道溝の側面と対向する動力伝達面を有する中間部材と、
前記軌道溝の側面と前記動力伝達面との間に、前記軌道溝の側面に沿って転動可能に設けられる複数の転動体と、
前記転動体が前記中間部材の外周を循環可能となるように前記転動体を支持する保持器と、
を備える摺動式トリポード型等速ジョイントであって、
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記中間部材の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されることを特徴とする。
本発明によれば、トリポード軸部の中心軸は、中間部材の外輪回転軸方向幅の中央部よりも外輪の開口側に設定される構成であるため、ローラユニットにおける全長の中央部よりも外輪の開口側に設定される構成とすることができる。これにより、ジョイント角を付加して動力伝達をした場合に、ローラユニットの外側に位置する保持器とシャフトが最も近接する姿勢において、両部材の距離が従来に比して拡大されることになる。従って、最大ジョイント角を増大させることができる。また、このような構成において、ローラユニットは、外輪の径方向外方に位置変更したものではないので、外輪の径を大きくすることなく最大ジョイント角を大きくすることができる。よって、等速ジョイント全体を大きくすることなく、上記効果を奏する。
以下、本発明の摺動式トリポード型等速ジョイント(以下、単に「等速ジョイント」と称する。)を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。ここで、本実施形態の等速ジョイントは、車両の動力伝達シャフトの連結に用いる場合を例に挙げて説明する。例えば、ディファレンシャルギヤに連結された軸部とドライブシャフトの中間シャフトとの連結部位に用いる場合である。
<第一実施形態>
第一実施形態の等速ジョイント1について、図1〜図8を参照して説明する。図1は、第一実施形態の等速ジョイント1の一部の組付け状態における、外輪10の開口側から見た図である。図2は、等速ジョイント1の一部の径方向断面図である。図3は、ローラユニット30の斜視図である。図4(a)は、ローラユニット30の平面図であり、図4(b)は、ローラユニット30のA−A断面図(短径側の断面図)であり、図4(c)は、ローラユニット30のB−B部分断面図(長径側の部分断面を含む図)である。図5は、一対の中間部材40の一つの斜視図である。図6(a)は、中間部材40の正面図であり、図6(b)は、中間部材40の側面図であり、図6(c)は、中間部材40のC方向矢視図である。図7は、保持器60の斜視図である。図8(a)は、保持器60の平面図であり、図8(b)は、保持器60のD−D断面図(短径側の断面図)であり、図8(c)は、保持器60のE−E断面図(長径側の部分断面を含む図)である。
第一実施形態の等速ジョイント1について、図1〜図8を参照して説明する。図1は、第一実施形態の等速ジョイント1の一部の組付け状態における、外輪10の開口側から見た図である。図2は、等速ジョイント1の一部の径方向断面図である。図3は、ローラユニット30の斜視図である。図4(a)は、ローラユニット30の平面図であり、図4(b)は、ローラユニット30のA−A断面図(短径側の断面図)であり、図4(c)は、ローラユニット30のB−B部分断面図(長径側の部分断面を含む図)である。図5は、一対の中間部材40の一つの斜視図である。図6(a)は、中間部材40の正面図であり、図6(b)は、中間部材40の側面図であり、図6(c)は、中間部材40のC方向矢視図である。図7は、保持器60の斜視図である。図8(a)は、保持器60の平面図であり、図8(b)は、保持器60のD−D断面図(短径側の断面図)であり、図8(c)は、保持器60のE−E断面図(長径側の部分断面を含む図)である。
図1および図2に示すように、等速ジョイント1は、外輪10と、トリポード20と、ローラユニット30とから構成される。
外輪10は、筒状(例えば、有底筒状)に形成されており、一端側がディファレンシャルギヤ(図示せず)に連結されている。そして、外輪10の筒状部分の内周面には、外輪軸方向(図1の前後方向)に延びる軌道溝11が、外輪軸の周方向に等間隔に3本形成されている。各軌道溝11における溝延伸方向に直交する断面形状が、コの字形をなしている。つまり、各軌道溝11は、ほぼ平面状に形成された溝底面と、溝底面に直交する平面状に形成され且つそれぞれ平行に対向する側面とを備える。
さらに、この軌道溝11の両開口縁には、軌道溝11の開口幅を狭める係止突起12が形成されている。この係止突起12は、後述するローラユニット30を構成する保持器60の位置を規制するためのものである。つまり、係止突起12により、保持器60が軌道溝11の内部に常に位置するようになる。
トリポード20は、外輪10の筒状部分の内側に配置されている。このトリポード20は、ボス部21と、3本のトリポード軸部22とを備える。ボス部21は、筒状からなり、内周側には内周スプライン21aが形成されている。この内周スプライン21aは、中間シャフト(図示せず)の端部の外周スプラインに嵌合連結される。また、ボス部21の外周面は、ほぼ球面凸状に形成されている。
それぞれのトリポード軸部22は、ボス部21の外周面からそれぞれボス部21の径方向外方に延びるように立設されている。これらのトリポード軸部22は、ボス部21の周方向に等間隔(120deg間隔)に形成されている。そして、それぞれのトリポード軸部22の少なくとも先端部は、外輪10のそれぞれの軌道溝11内に挿入されている。それぞれのトリポード軸部22の外周面は、球面凸状に形成されている。ここで、当該球面凸状の曲率中心を通りトリポード20の回転軸(中間シャフトの回転軸)に直交する直線が、トリポード軸部22の中心軸(以下、「トリポード軸」とも称する)である。
ローラユニット30は、図3および図4に示すように、全体形状としては環状からなり、トリポード軸部22の外周側に配置されている。さらに、ローラユニット30は、軌道溝11が延びる方向に移動可能となるように、軌道溝11に嵌合されている。このローラユニット30は、中間部材40と、複数の転動体50と、保持器60とから構成される。
中間部材40の全体形状としての外形は、ほぼ矩形に形成されている。さらに、中間部材40を全体としてみた場合に、中間部材40の中央には、円形孔に相当する部分が形成されている。この円形孔の中心X1は、中間部材40における外輪10の回転軸方向の幅W2の中央部X2から外輪10の開口側にW1だけずれた位置に位置している。円形孔の中心X1は、ジョイント角0degの姿勢において、トリポード軸部22の中心軸(トリポード軸)の位置である。さらに、この円形孔の中心X1は、後述する中間部材40a、40bにおける外輪10の回転軸方向の幅W5の中央部に位置する。また、幅W2の中心部X2は、後述する動力伝達面42における外輪10の回転軸方向の幅W3の中央部に一致し、且つ、後述する保持器60における外輪10の回転軸方向の幅W4の中央部に一致する。
この中間部材40は、一対の部材40a、40bからなる。一対の中間部材40a、40bは、トリポード軸および中間シャフトの回転軸を通る平面に対して対称な形状からなるように別体で構成され、それぞれ独立している。そして、一対の中間部材40a、40bは、図2に示すように、軌道溝11の側面の両側からトリポード軸部22を挟むように配置されている。つまり、両中間部材40a、40bは、動力伝達方向(外輪回転軸回りまたは中間シャフト回転軸回りの方向)の両側からトリポード軸部22を挟むように配置されている。そして、一対の中間部材40a、40bは、トリポード軸部22に対して、外輪10の回転軸方向に揺動可能であり、且つ、外輪10の周方向に揺動可能に設けられている。
各中間部材40a、40bの詳細な形状について図5および図6(a)〜(c)を参照して説明する。各中間部材40a、40bの表面は、トリポード接触面41と、動力伝達面42と、軸方向端面44、45を有している。ここで、一対の中間部材40a、40bを一体として見た場合に、トリポード接触面41が内面を形成し、動力伝達面42および軸方向端面44、45が外面を形成する。
トリポード接触面41は、トリポード軸部22に対して、外輪10の軸方向および外輪10の周方向と揺動可能に接触するように部分球面凹状に形成されている。トリポード接触面41の図6(b)の上下方向幅(中間部材40における外輪10の軸方向の幅)は、W5である。このトリポード接触面41における球面中心は、トリポード接触面41の図6(a)の左右方向幅(中間部材40の厚み)の中央に位置し、且つ、トリポード接触面41の図6(b)の上下方向幅(中間部材40における外輪10の軸方向の幅)の中央から下方向にずれて位置している。すなわち、トリポード接触面41における球面中心は、図6(b)のX1上に位置する。このX1は、図4にて説明した、ジョイント角0degにおけるトリポード軸部22の中心軸X1に一致する。
動力伝達面42は、トリポード接触面41の裏面側、すなわち図6(b)の右側に設けられている。動力伝達面42は、平面状で矩形状に形成されている。そして、動力伝達面42が軌道溝11の側面に平行となるように、各中間部材40a、40bは配置される。つまり、外輪10の回転軸と中間シャフトの回転軸が一致している姿勢(ジョイント角0deg)において、動力伝達面42は、トリポード軸部22の中心軸と中間シャフトの回転軸を通る平面に平行となる。さらに、この動力伝達面42は、図6(b)の上下方向のうち中央部分に位置し、中間部材40a、40bの図6(b)の上下方向幅W2の3分の2程度の幅W3を有している。つまり、トリポード接触面41のうち最も深い部位の裏面側には、動力伝達面42が位置している。そして、動力伝達面42における図6(b)の上下方向幅W3の中央は、図6(b)のX2上に位置する。つまり、このX2は、トリポード接触面41における球面中心X1からW1だけずれている。また、動力伝達面42は、複数(本実施形態では、3〜4個)の転動体50に接触し得る範囲を有している。
軸方向端面44、45は、図6(b)の上下両端に位置する部位である。この両軸方向端面44、45は、動力伝達面42に直交する平面からなる。つまり、軸方向端面44、45は、軌道溝11の側面に直交する平面からなる。この軸方向端面44、45の離間距離は、W2である。つまり、中間部材40a、40bの長手方向幅に相当する。そして、軸方向端面44、45の離間距離W2の中央部は、図6(b)のX2上に位置する。
転動体50は、図2および図4に示すように、ニードルである。この転動体50は、円柱状部51と、柱延伸直交方向(図2の左右方向)に切断した断面が円形からなり、柱延伸方向の両端に設けられる小径軸部52とを備える。この小径軸部52は、図4(b)に示すように、端部に近接するに従い小径となる形状や段付形状(図示せず)としてもよい。そして、複数の転動体50が、一対の中間部材40a、40bを一体として見た場合の外周を循環するように設けられている。複数の転動体50のうち一部(本実施形態においては、3〜4個)は、軌道溝11の側面と一対の中間部材40a、40bの動力伝達面42との間に、軌道溝11の側面および動力伝達面42に沿って転動可能に設けられている。つまり、転動体50を介して動力伝達面42と軌道溝11の側面との間で動力が伝達される。
保持器60は、図7および図8(a)に示すように、全体形状としては環状からなる。保持器60は、転動体50の循環路を形成する一対の循環路形成部材61、62と、一対の連結部63、64とから構成される。一対の循環路形成部材61、62は、保持器60の周縁に位置し、長円形をなしている。この一対の循環路形成部材61、62は、一対の中間部材40a、40bを囲む形状をなしている。
具体的には、循環路形成部材61は、対向する直線部61a、61bと、直線部61a、61bを連結する半円弧状の湾曲部61c、61dとから構成される。また、もう一つの循環路形成部材62は、上記循環路形成部材61と同様に、直線部62a、62bと湾曲部62c、62dとから構成される。
そして、循環路形成部材61、62における図8(a)の上下方向幅(保持器60における外輪10の軸方向の幅)は、W4である。この幅W4の中心部は、図8(b)のX2上に位置する。
さらに、一対の循環路形成部材61、62は、それぞれ、転動体50の小径軸部52が挿入可能で、且つ、円柱状部51に係合するようなコの字形断面形状に形成されている。つまり、一対の循環路形成部材61、62の幅(内周縁と外周縁との距離)は、転動体50の円柱状部51の最大径よりも小さく形成されている。そして、それぞれの循環路形成部材61、62のコの字形の開口側が、転動体50の円柱状部51の軸方向長さより長い距離だけ離間した状態で、対向するように設けられている。一対の循環路形成部材61、62の対向方向の最大幅は、軌道溝11の側面の幅より僅かに小さく設定されている。つまり、保持器60が、軌道溝11の溝底面および係止突起12により軌道溝11に対して傾きを規制されるように、且つ、軌道溝11に挿入可能となるようにされている。
一対の連結部63、64は、一対の循環路形成部材61、62の湾曲部61c、61d、62c、62dのうち周方向中央部分(図8(a)の上下端部分)をそれぞれ連結する。つまり、一対の循環路形成部材61、62の間は、図8(c)に示すように、連結部63、64以外の部位において開口している。
この連結部63、64は、保持器60の外側に開口するコの字形形状に形成されている。連結部63、64のコの字形形状の底面反開口側(保持器60の内側)は、平面状に形成されている。そして、一対の連結部63、64のコの字形形状の底面反開口側同士が、平行に且つ対向するように設けられている。さらに、この一対の連結部63、64のコの字形形状の底面反開口側の離間距離は、各中間部材40a、40bの軸方向端面44、45間の距離とほぼ一致している。また、連結部63、64のコの字形形状の底面開口側(保持器60の外側)は、コの字形形状の底面反開口側に平行な平面状に形成されている。
また、連結部63、64のコの字形の開口側の端部の一方が、循環路形成部材61の湾曲部61c、61dのそれぞれの周方向中央部分に連結され、端部の他方が、循環路形成部材62の湾曲部62c、62dのそれぞれの周方向中央部分に連結される。
そして、一対の循環路形成部材61、62のコの字形内部に、転動体50の小径軸部52が挿入される。このようにして、転動体50が一対の循環路形成部材61、62に支持されている。つまり、一対の循環路形成部材61、62は、複数の転動体50が一対の中間部材40a、40bの外周を循環可能となるように、転動体50を支持している。ここで、一対の循環路形成部材61、62のコの字形形状は、転動体50の小径軸部52の外周面に対して、僅かに隙間を有する形状をなしている。さらに、転動体50の小径軸部52が循環路形成部材61、62に挿入された状態において、転動体50の円柱状部51は、循環路形成部材61、62の内周縁から内側に突出し、且つ、循環路形成部材61、62の外周縁から外側に突出している。
ここで、一対の中間部材40a、40bがトリポード軸部22の外周側に配置し、一対の中間部材40a、40bが保持器60の内側に配置された状態において、それぞれの循環路形成部材61、62の直線部61a、61b(図8(a)の左右直線部)(本発明の「第一の循環路」に相当する)は、中間部材40a、40bの動力伝達面42と軌道溝11の側面との間に、両者にほぼ平行な状態(倣う状態)となるように配置される。つまり、この直線部61a、61bにより形成される循環路は、転動体50が動力伝達面42を移動するときの循環路となる。さらに、直線部61a、61bと、動力伝達面42および軌道溝11の側面との間のうち少なくとも一方には隙間が形成されている。
さらに、一対の循環路形成部材61、62の湾曲部61c、61d、62c、62dの両端部分は、中間部材40a、40bの動力伝達面42の両端部に形成された導入面に倣うように配置される。つまり、この湾曲部61c、61d、62c、62dの両端部分により形成される循環路は、転動体50が上記導入面を移動するときの循環路である。この循環路は、直線部61a、61b、62a、62bにより形成される循環路に対して滑らかに連続するように接続されている。さらに、当該循環路を形成する湾曲部61c、61d、62c、62dの両端部分と、上記導入面との間に隙間が形成されている。なお、当該循環路を形成する湾曲部61c、61d、62c、62dの両端部分と軌道溝11の側面との間には、当然に隙間が形成されている。
そして、各中間部材40a、40bの軸方向端面44、45の形状および離間距離と連結部63、64のコの字形形状の底面反開口側の形状および離間距離との関係により、連結部63、64は中間部材40a、40bの外輪10の軸方向(図8(a)の上下方向)への相対動作を規制するように、連結部63、64の間に中間部材40a、40bが設けられる。ただし、中間部材40a、40bは保持器60に対して外輪10の径方向(図8(b)の上下方向)へ規制していないので、中間部材40a、40bは保持器60に対して外輪10の径方向(図4(b)の上下方向)に移動可能である。つまり、保持器60は、一対の中間部材40および軌道溝11の側面に対して、動力伝達方向において接触しない。
上述した等速ジョイント1の動作について図9を参照して説明する。図9は、組み付けられた等速ジョイント1において、ジョイント角をとった状態で、且つ、説明容易化のため外輪10を取り除いた状態の側面図である。図9において、左側が外輪10の開口側であり、右側が外輪10の奥側である。
一端側がディファレンシャルギヤに連結された外輪10が動力を受けて回転すると、軌道溝11に嵌合しているそれぞれのローラユニット30を介して、それぞれのトリポード軸部22が動力を伝達し、トリポード20を連結している中間シャフトが等速回転する。この時、ジョイント角が0degでない場合には、トリポード20は外輪10の回転軸直交断面に対してジョイント角分だけ傾いた状態で中間シャフトを中心に回転する。従って、軌道溝11の側面から見た場合に、トリポード軸部22は、外輪10およびトリポード20の回転に伴い、軌道溝11の延伸方向に往復運動し、且つ、軌道溝11に対して揺動する。
また、前述したようにトリポード20は、外輪10の回転軸直交断面に対してジョイント角分だけ傾いているので、外輪10の回転軸方向から見た場合のトリポード軸部22同士がなす角度は、中間シャフトの位相によって変化する。そのため、3本のトリポード軸部22が軌道溝11にそれぞれ収まるためにトリポード20を連結するシャフトの回転軸は、外輪10の回転軸に対して相対的に偏心回転する。従って、トリポード軸部22の端部は、外輪10およびトリポード20の回転に伴い、外輪10の径方向に往復運動する。
ここで、ローラユニット30を構成する一対の中間部材40a、40bのトリポード接触面41がトリポード軸部22に対して揺動可能に嵌合されている。また、ローラユニット30を構成する保持器60により、一対の中間部材40a、40bは、外輪10の軸方向に規制されている。さらに、保持器60は、軌道溝11に嵌合されている。従って、保持器60は、軌道溝11に対して軌道溝11の延伸方向には移動可能であるが、軌道溝11に対する傾きはほぼ一定となる。そして、一対の中間部材40a、40bの外周を転動体50が循環している。
従って、転動体50は、中間部材40a、40bのうち動力伝達側の部材の動力伝達面42と軌道溝11の側面との間にて、軌道溝11および動力伝達面42に対して軌道溝11の延伸方向への滑りを生じることなく転動する。
また、トリポード軸部22が軌道溝11の延伸方向に往復運動することにより、トリポード軸部22の外周側に配置されたローラユニット30も軌道溝11の延伸方向に往復運動する。このローラユニット30の往復運動において、図9に示すように、ローラユニット30が最も外輪10の奥側に位置する姿勢の時に、そのローラユニット30の保持器60に中間シャフトが最接近することになる。ここで、所定のジョイント角で保持器60と中間シャフトが干渉する場合には、干渉が生じる直前の角度が、外輪10と中間シャフトが取り得る最大のジョイント角となる。
ここで、一対の中間部材40の円形孔に相当する部分の中心X1が、ローラユニット30の外輪軸方向幅W6、保持器60の外輪軸方向幅W4、中間部材40a、40bの外輪軸方向幅W2、動力伝達面42の外輪軸方向幅W3における中央部X2から外輪10の開口側に、W1ずれている。よって、ローラユニット30は、トリポード軸部22の中心軸X1から外輪10の奥側に全体的にW1ずれて位置する。これにより、図9に示すように、ローラユニット30の最も外側に位置する保持器60が、外輪10の奥側に移動するので、その分だけさらに中間シャフトが角度をとることができる。つまり、ローラユニット30の外輪10の回転軸方向幅を減少するために動力伝達する区間を短縮することなく、また、外輪10の外径を大きくすることなく、十分な動力伝達面の大きさを確保している。
また、転動体50は円柱状のニードルとしているため、当該ニードルが外輪10の軌道溝11の側面に対し円柱軸方向に亘り当接して動力伝達するので、ローラユニット30は全体として回転ガタが小さく、安定した動力伝達ができる。
<第一実施形態の変形態様>
上述した第一実施形態において、一対の中間部材40a、40bのトリポード接触面41は、球面凹状であるとした。この他に、一対の中間部材40a、40bのトリポード接触面41は、円筒面とすることもできる。この他に、中間部材40は、一対をなすように別体とするのではなく、一体に形成されたものでもよい。すなわち、一体に形成された中間部材40は、トリポード軸部22の覆うように配置され、さらにその中間部材の外側に保持器60が配置されることで、トリポード軸部22と一体に形成された中間部材は摺動可能となる。
上述した第一実施形態において、一対の中間部材40a、40bのトリポード接触面41は、球面凹状であるとした。この他に、一対の中間部材40a、40bのトリポード接触面41は、円筒面とすることもできる。この他に、中間部材40は、一対をなすように別体とするのではなく、一体に形成されたものでもよい。すなわち、一体に形成された中間部材40は、トリポード軸部22の覆うように配置され、さらにその中間部材の外側に保持器60が配置されることで、トリポード軸部22と一体に形成された中間部材は摺動可能となる。
このような構成とすることで、トリポード軸部22は、ローラユニット30に対して摺動可能な範囲を大きくすることができ、ジョイント角を付加してトリポード軸部22の摺動する量が大きくなっても、上述した効果を保持したまま動力を伝達することができる。また、上記構成により、転動体50と一体物の中間部材との間で摺動することを抑制可能な構成を採用できる。また、中間部材を一体に形成することで、生産性や組みつけのし易さの点で優れる。ただし、中間部材40を一対の独立した部材により構成した場合には、誘起スラスト力の発生の低減に寄与する。
<第二実施形態>
第二実施形態の等速ジョイント101について、図10、図11を参照して説明する。図10は、第二実施形態の等速ジョイント101の一部の径方向断面図である。図11は、外輪を除く等速ジョイント101のトリポード軸方向から見た図である。
第二実施形態の等速ジョイント101について、図10、図11を参照して説明する。図10は、第二実施形態の等速ジョイント101の一部の径方向断面図である。図11は、外輪を除く等速ジョイント101のトリポード軸方向から見た図である。
等速ジョイント101は、図10および図11に示すように、外輪110と、トリポード20と、ローラユニット130とから構成される。ここで、第二実施形態の等速ジョイント101は、主に、第一実施形態の等速ジョイント1の転動体50を、ニードルから球体に変更した点が相違する。これに伴い、外輪110の軌道溝111の側面形状、および、一対の中間部材140の外面の形状が、第一実施形態の等速ジョイント1と異なる。なお、トリポード20は、第一実施形態のトリポード20と同一であるため、詳細な説明を省略する。以下相違点のみについて説明する。
外輪110は、第一実施形態の外輪10に対して、軌道溝111の側面形状のみ相違する。軌道溝111の両側の側面には、図10に示すように、球体からなる転動体150の球面に倣う凹状溝が形成されている。つまり、軌道溝111の側面の凹状溝には、外輪110の径方向断面形状が円弧状とされている。
ローラユニット130は、図11に示すように、全体形状としては環状からなり、トリポード軸部22の外周側に配置されている。このローラユニット130は、中間部材140と、複数の転動体150と、保持器160とから構成される。
中間部材140は、一対の部材140a、140bからなる。一対の中間部材140a、140bの動力伝達面142は、図10に示すように、球体である転動体150の球面に倣うように凹状溝が形成されている。動力伝達面142の他の構成については、第一実施形態と同一である。また、球体である転動体150による十分な動力伝達を確保するために、動力伝達面142における図11の上下方向幅W3は、第一実施形態に比して大きくなる。
転動体150は、図10および図11に示すように、球体であり、ニードルの場合と同様に中間部材140の外周を循環するように複数配置される。
保持器160は、転動体がニードルの場合と同様に全体形状としては環状からなる。第一実施形態の保持器60を構成する循環路形成部材61、62がコの字形形状をなしていたのに対して、第二実施形態の保持器160の循環路形成部材161、162は、図10の上下方向で対向するように配置され、且つ、球状の転動体150を支持するように円弧凹状溝が形成されている。また、W3の拡幅に伴い、保持器160の外輪軸方向幅W4も第一実施形態と比して大きくなる。
第二実施形態の保持器160は、動力伝達に寄与しない外輪開口側の湾曲部161c、162cおよび外輪奥側の湾曲部161d、162dでは、転動体150をより確実に保持し循環させるために、開口部を持たない構成となっている。このため、第二実施形態では、ローラユニット130における図11の上下方向幅W6はW4とは等しい。
上述した等速ジョイント101の動作について図12を参照して説明する。図12は、組み付けられた等速ジョイント101において、ジョイント角をとった状態で、且つ、説明容易化のために外輪10を取り除いた状態の側面図である。図12において、左側が外輪101の開口側であり、右側が外輪101の奥側である。
等速ジョイント101は、転動体150がニードルの場合と異なり、各中間部材140a、140bの円弧凹状溝と転動体150の球面とが当接し、中間部材140a、140bの外周を転動体150が循環しながら動力を伝達する。
また、第一実施形態で述べたように、動力伝達時にローラユニット130は軌道溝111の延伸方向に往復運動する。ローラユニット130の往復運動において、図12に示すように、ローラユニット130が最も外輪110の奥側に位置する姿勢の時に、そのローラユニット130の保持器160に中間シャフトが最接近することになる。ここで、所定のジョイント角で保持器160と中間シャフトが干渉する場合には、干渉が生じる直前の角度が、外輪110と中間シャフトが取り得る最大のジョイント角となる。
ここで、一対の中間部材140の円形孔に相当する部分の中心X1が、ローラユニット130の外輪軸方向幅W6、保持器160の外輪軸方向幅W4、中間部材140a、140bの外輪軸方向幅W2、動力伝達面142の外輪軸方向幅W3における中央部X2から外輪110の開口側に、W1ずれている。よって、ローラユニット130は、トリポード軸部22の中心軸X1から外輪110の奥側に全体的にW1ずれて位置する。これにより、図12に示すように、ローラユニット130の最も外側に位置する保持器160が、外輪110の奥側に移動するので、その分だけさらに中間シャフトが角度をとることができる。つまり、ローラユニット130の外輪110の回転軸方向幅を減少するために動力伝達する区間を短縮することなく、また、外輪110の外径を大きくすることなく、十分な動力伝達面の大きさを確保している。
さらに、球体である転動体150は高剛性で、且つ、循環性に優れる。さらに、加工工程の少ない球体は比較的生産しやすく、等速ジョイント101の組付けにおいても簡素化できる。
<第三実施形態>
第三実施形態の等速ジョイント201について、図13を参照して説明する。図13は、第三実施形態の等速ジョイント201の一部の径方向断面図である。図13に示すように、等速ジョイント201は、外輪110と、トリポード20と、ローラユニット230とから構成される。ここで、第三実施形態の等速ジョイント201は、第二実施形態の等速ジョイント101の転動体150を、球体からバレル状コロに変更した点が相違する。以下相違点のみについて説明する。
第三実施形態の等速ジョイント201について、図13を参照して説明する。図13は、第三実施形態の等速ジョイント201の一部の径方向断面図である。図13に示すように、等速ジョイント201は、外輪110と、トリポード20と、ローラユニット230とから構成される。ここで、第三実施形態の等速ジョイント201は、第二実施形態の等速ジョイント101の転動体150を、球体からバレル状コロに変更した点が相違する。以下相違点のみについて説明する。
つまり、ローラユニット230は、中間部材140と、複数の転動体250と、保持器160とから構成される。転動体250は、バレル状コロであり、球体およびニードルの場合と同様に中間部材140の外周を循環するように複数配置される。バレル状コロとは、柱状であり、柱延伸直交方向に切断した断面が円形からなり、柱延伸方向に切断した断面における外周面に相当する部分が円弧凸状なす転動体である。
このような構成にすることで、第二実施形態における球体の転動体150と同様に、最大ジョイント角の増加を図りながら、柱延伸直交方向の幅を球体に比して小さくすることができ、結果として、等速ジョイント201全体の小型化を図ることができる。
1、101、201:等速ジョイント
10、110:外輪、 11、111:軌道溝
20:トリポード、 21:ボス部、 21a:内周スプライン
22:トリポード軸部
30、130、230:ローラユニット
40、140:中間部材、 40a、40b、140a、140b:各中間部材
41:トリポード接触面、 42、142:動力伝達面、 44、45:軸方向端面
50、150、250:転動体、 51:円柱状部、 52:小径軸部
60、160:保持器
61、62、161、162:循環路形成部材
61a、62a、61b、62b、161a、162a、161b、162b:直線部
61c、62c、61d、62d、161c、162c、161d、162d:湾曲部
63、64:連結部
10、110:外輪、 11、111:軌道溝
20:トリポード、 21:ボス部、 21a:内周スプライン
22:トリポード軸部
30、130、230:ローラユニット
40、140:中間部材、 40a、40b、140a、140b:各中間部材
41:トリポード接触面、 42、142:動力伝達面、 44、45:軸方向端面
50、150、250:転動体、 51:円柱状部、 52:小径軸部
60、160:保持器
61、62、161、162:循環路形成部材
61a、62a、61b、62b、161a、162a、161b、162b:直線部
61c、62c、61d、62d、161c、162c、161d、162d:湾曲部
63、64:連結部
Claims (6)
- 筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれの前記軌道溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
前記トリポード軸部の外周に前記トリポード軸部に対して揺動可能に設けられ、外側面に前記軌道溝の側面と対向する動力伝達面を有する中間部材と、
前記軌道溝の側面と前記動力伝達面との間に、前記軌道溝の側面に沿って転動可能に設けられる複数の転動体と、
前記転動体が前記中間部材の外周を循環可能となるように前記転動体を支持する保持器と、
を備える摺動式トリポード型等速ジョイントであって、
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記動力伝達面の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されることを特徴とする摺動式トリポード型等速ジョイント。 - 前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記保持器の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されることを特徴とする請求項1に記載の摺動式トリポード型等速ジョイント。
- 前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記中間部材の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の摺動式トリポード型等速ジョイント。
- 前記保持器は、前記外輪回転軸方向に対して対称形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の摺動式トリポード型等速ジョイント。
- 筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれの前記軌道溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
前記トリポード軸部の外周に前記トリポード軸部に対して揺動可能に設けられ、外側面に前記軌道溝の側面と対向する動力伝達面を有する中間部材と、
前記軌道溝の側面と前記動力伝達面との間に、前記軌道溝の側面に沿って転動可能に設けられる複数の転動体と、
前記転動体が前記中間部材の外周を循環可能となるように前記転動体を支持する保持器と、
を備える摺動式トリポード型等速ジョイントであって、
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記保持器の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されることを特徴とする摺動式トリポード型等速ジョイント。 - 筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部の外周面からそれぞれ前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されそれぞれの前記軌道溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
前記トリポード軸部の外周に前記トリポード軸部に対して揺動可能に設けられ、外側面に前記軌道溝の側面と対向する動力伝達面を有する中間部材と、
前記軌道溝の側面と前記動力伝達面との間に、前記軌道溝の側面に沿って転動可能に設けられる複数の転動体と、
前記転動体が前記中間部材の外周を循環可能となるように前記転動体を支持する保持器と、
を備える摺動式トリポード型等速ジョイントであって、
前記外輪回転軸と前記シャフト回転軸とが一致している姿勢において、前記トリポード軸部の中心軸は、前記中間部材の前記外輪回転軸方向幅の中央部より前記外輪の開口側に設定されることを特徴とする摺動式トリポード型等速ジョイント。
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