JP6497167B2 - スライド式等速ジョイント - Google Patents

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Description

本発明は、スライド式等速ジョイントに関する。
従来の等速ジョイントとして、内周面に中心軸方向に延びる3本の軌道溝が形成された有底筒状の外方部材としての外輪と、外輪の軌道溝にそれぞれ挿入される3本のトリポード軸部を有する内方部材としてのトリポード部材と、トリポード軸の外周面と軌道溝の内面との間に介在する複数の転動体とを備えたスライド式等速ジョイントがある(特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載のスライド式等速ジョイントは、トリポード軸部と軌道溝の内面との間に、複数の転動体を有するローラユニットを備えている。このローラユニットは、トリポード軸部に対して揺動可能に配置された中間部材と、軌道溝の内面と中間部材の動力伝達面との間に配置された複数の転動体と、これら複数の転動体を中間部材の外周を循環可能に保持する保持器とを備えて構成されている。保持器は、複数の転動体の軸方向両端部をそれぞれ保持するように対向して連結された一対の循環路形成部材からなる。これら一対の循環路形成部材は、外輪の中心軸に沿った中間部材の両側の連結部で連結されている。
このスライド式等速ジョイントは、トリポード部材に嵌合される中間シャフトと共にドライブシャフトを構成し、例えば特許文献2の図1及び図2に記載されたように車両に組み付けられる。すなわち、外輪に設けられた軸状のステムがディファレンシャル装置のサイドギヤの中心部に形成された挿入孔に挿入され、スナップリング等のリング状の抜け止め具によって抜け止めされる。外輪のステムは、抜け止め具が嵌着される環状溝を先端部に有し、例えばスプライン嵌合によってサイドギヤに相対回転不能に連結される。
特開2010−7701号公報 特開平10−9248号公報
特許文献1に記載されたスライド式等速ジョイントは、車両への組み付けの際に、ローラユニットが外輪の底部側に押し当てられる場合がある。つまり、作業者がトリポード部材に連結されたシャフトを把持し、ステムの環状溝に抜け止め具を嵌着した状態でディファレンシャルケースの外側からサイドギヤの挿通孔に外輪のステムを挿通させると、ローラユニットがトリポード部材及び中間部材を介して外輪の底部側に押し当てられ、押圧力を受ける。抜け止め具は、サイドギヤの挿通孔を通過する際には弾性的に縮径して環状溝に収容され、挿通孔を通過すると元の大きさに復元し、外周側の一部が環状溝から突出する。これにより、サイドギヤからのステムの抜け止めがなされる。
この組み付けの際、中間部材が一対の循環路形成部材の連結部に押し当てられるので、作業者がシャフトを押し付ける力が保持器の強度に対して過大であると、連結部が変形してしまい、転動体の円滑な転動が妨げられるおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両への組み付けの際に内方部材が外方部材の底部側に押し付けられても、その押し付け力による保持器の変形を抑制することができるスライド式等速ジョイントを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため中心軸方向に延びて互いに向かい合う一対の軌道面を有する複数の軌道溝が形成された筒部、及び前記筒部の一端部を閉塞する底部を有する外方部材と、シャフトに連結される環状のボス部、及び前記ボス部の外周面から前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されて前記軌道溝にそれぞれ挿入される複数の脚軸を有し、前記中心軸方向に沿って前記外方部材に対して移動可能な内方部材と、前記外方部材の回転方向及び前記外方部材と前記シャフトとの間のトルク伝達方向に応じて、前記一対の軌道面のうち何れかの軌道面を転動する複数の転動体と、前記脚軸と前記複数の転動体との間に介在する中間部材と、前記複数の転動体を保持する保持器とを備え、前記保持器は、前記複数の転動体を前記中間部材の周囲に循環移動可能に保持する環状の保持部と、前記中心軸方向に前記中間部材と対向して前記中間部材から前記中心軸方向への移動力を受ける受け部と、前記中心軸方向に延在して前記保持部と前記受け部とを接続する延在部とを有し、前記内方部材が前記外方部材の前記底部側に押し付けられて前記転動体が前記底部に接触したとき、その押し付け力が前記保持器の前記保持部及び前記延在部に作用することなく、前記転動体が前記内方部材からの押し付け力を受ける、スライド式等速ジョイントを提供する。
本発明によれば、車両への組み付けの際にトリポード部材が外輪の底部側に押し付けられても、その押し付け力による保持器の変形を抑制することができる
本発明の第1の実施の形態に係るスライド式等速ジョイントの一部を破断して示す全体図である。 スライド式等速ジョイントの外輪を、その回転軸方向から見た平面図である。 トリポード部材をローラユニットと共に示す分解斜視図である。 ローラユニットを示す正面図である。 (a)は、図4のA−A線断面図であり、(b)は、図4のB−B線断面である。 ローラユニットが外輪の底部側に移動して転動体が底面に接触した状態を示す断面図であり、(a)は図4のA−A線断面を示し、(b)は図4のB−B線断面を示す。 第2の実施の形態に係る等速ジョイントのトリポード部材及びローラユニットをシャフトと共に示す斜視図である。 (a)は、ローラユニットの保持器、複数の転動体、及び中間部材を示す斜視図であり、図8(b)は、保持器、及び複数の転動体を示す斜視図である。 ローラユニットを示す正面図である。 (a)は図9のC−C線断面図であり、(b)は図9のD−D線断面図である。 ローラユニットが外輪の底部側に移動して転動体が底面に接触した状態を拡大して示す断面図であり、(a)は図9のC−C線断面を示し、(b)は図9のD−D線断面を示している。 第3の実施の形態に係るローラユニットを示し、(a)は保持器、複数の転動体、及び中間部材を示す斜視図であり、(b)は、保持器、及び複数の転動体を示す斜視図である。 第3の形態に係るローラユニットを示す正面図である。 (a)は図13のE−E線断面図であり、(b)は図13のF−F線断面図である。 ローラユニットが外輪の底部側に移動して転動体が底面に接触した状態を拡大して示す断面図であり、(a)は図13のE−E線断面を示し、(b)は図13のF−F線断面を示している。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態に係るスライド式等速ジョイントについて、図1乃至図6を参照して説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明を実施する上での好適な一具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、第1の実施の形態に係るスライド式等速ジョイントの一部を破断して示す全体図である。図2は、スライド式等速ジョイントの外輪を、その回転軸O方向から見た平面図である。以下、このスライド式等速ジョイントを単に「等速ジョイント」という。
等速ジョイント1は、車両のディファレンシャル装置の出力部材である図略のサイドギヤとシャフト(ドライブシャフトの中間シャフト)7との間に配置され、車輪を回転させる駆動力をシャフト7に伝達する。この等速ジョイント1は、トリポード型等速ジョイントとも称され、外方部材としての外輪2と、内方部材としてのトリポード部材3と、3つのローラユニット10(図1には、1つのローラユニット10のみを示す)とを有して構成されている。外輪2は、ディファレンシャル装置のサイドギヤと一体回転するように連結され、トリポード部材3は、シャフト7と一体回転するように連結される。ローラユニット10は、後述するトリポード部材3の脚軸としてのトリポード軸部32に嵌め合される。以下、これら各部材等の構成について、詳細に説明する。
(外輪2の構成)
外輪2は、中心軸方向に延びる複数本(3本)の軌道溝211が形成された筒部21、筒部21の一端部を閉塞する底部22、及び底部22の中央部から筒部21とは反対側に突出する軸状のステム部23を有している。筒部21及び底部22は、一体となって有底筒状を呈し、筒部21の内部には、トリポード部材3、及び3つのローラユニット10を収容する収容空間20が形成されている。なお、筒部21の中心軸は、外輪2の回転軸Oと一致している。図1では、外輪2の回転軸Oとシャフト7の回転軸Oとが一致した、ジョイント角がゼロの状態を図示している。以下、筒部21の中心軸(外輪2の回転軸O)に平行な方向を外輪2の中心軸方向という。
3本の軌道溝211は、図2に示すように、筒部21の周方向に沿って等間隔に、筒部21の中心部から外方に向かって窪むように形成されている。3つのローラユニット10は、これら3つの軌道溝211のそれぞれに収容される。各軌道溝211は、その内面に、外輪2の中心軸方向に延びて互いに向かい合う一対の軌道面211a,211bを有している。一対の軌道面211a,211bは、平坦な面であり、互いに平行に向かい合っている。なお、以下の説明において、一対の軌道面211a,211bのそれぞれを区別する必要がある場合には、車両の前進加速時にローラユニット10の複数の転動体5(後述)が転動する軌道面を第1軌道面211aといい、他方の軌道面を第2軌道面211bという。
底部22には、トリポード部材3が筒部21の収容空間20の奥側に移動した際にローラユニット10の転動体5が当接する平面状の底面22aが、軌道溝211の延伸方向に対して直交するように形成されている。
ステム部23には、ディファレンシャル装置のサイドギヤにスプライン嵌合するスプライン嵌合部231が形成されている。また、ステム部23におけるスプライン嵌合部231よりも先端側(底部22側の基端部とは反対側)の端部には、スナップリング等のリング状の抜け止め具(図示せず)を保持するための環状溝232が形成されている。
(トリポード部材3の構成)
図3は、トリポード部材3を、1つのトリポード軸部32に組み合わされるローラユニット10と共に示す分解斜視図である。図4は、ローラユニット10を示す正面図である。図5(a)は、図4のA−A線断面図であり、図5(b)は、図4のB−B線断面である。
トリポード部材3は、シャフト7に連結される環状のボス部31、及びボス部31の外周面31aからボス部31の径方向外方に延びるように立設されて外輪2の軌道溝211にそれぞれ挿入される複数(3本)のトリポード軸部32を有する。ボス部31は、中心部にシャフト7を挿通させる挿通孔30が形成され、シャフト7の端部に形成されたスプライン嵌合部71(図1参照)と相対回転不能に嵌合する。また、トリポード部材3は、シャフト7に嵌着されたスナップリング70(図1参照)によって抜け止めされている。なお、ボス部31の挿通孔30の内周面には、複数のスプライン突起が形成されているが、図3では、このスプライン突起の図示を省略している。
3本のトリポード軸部32は、ボス部31の周方向に沿って等間隔に設けられ、その先端部は部分球面状に形成されている。より具体的には、各トリポード軸部32は、ボス部31側の頸部321と、頸部321よりも外径が大きい凸球面状の外周面322aを有する頭部322とを有し、頭部322が頸部321よりもトリポード軸部32の先端側に設けられている。3本のトリポード軸部32のそれぞれの頭部322には、ローラユニット10が揺動可能に嵌め合わされる。
トリポード部材3は、外輪2の中心軸方向に沿って外輪2に対して所定の移動範囲内で移動可能である。等速ジョイント1を車両のディファレンシャル装置に組み付ける際には、トリポード部材3がシャフト7を介して外輪2の底部22側に押し付けられる。底部22側へのトリポード部材3の移動は、ローラユニット10の転動体5が底面22aに突き当たることで規制される。
(ローラユニット10の構成)
ローラユニット10は、トリポード軸部32の頭部322を挟むように分離して配置された一対の分割部材41からなる中間部材4と、外輪2の回転方向及び外輪2とシャフト7との間のトルク伝達方向に応じて、軌道溝211における一対の軌道面211a,211bのうち何れかの軌道面を転動する複数の転動体5と、複数の転動体5を保持する保持器6とを備えている。
中間部材4の一対の分割部材41は、トリポード軸部32の頭部322と複数の転動体5との間に介在している。このうち一方の分割部材41は、トリポード軸部32と第1軌道面211aとの間に配置され、他方の分割部材41は、トリポード軸部32と第2軌道面211bとの間に配置されている。
それぞれの分割部材41には、トリポード軸部32の頭部322が当接する部分球面状の凹面41aが形成されている。これにより、トリポード軸部32の頭部322は、中間部材4に対して揺動可能である。また、それぞれの分割部材41における凹面41aとは反対側の面は、複数の転動体5が転動する平坦な転動面41bとして形成されている。一方の分割部材41の転動面41bは、外輪2の第1軌道面211aに複数の転動体5を挟んで対向し、他方の分割部材41の転動面41bは、外輪2の第2軌道面211bに複数の転動体5を挟んで対向する。
転動体5は、円柱状の胴部51と、胴部51の軸方向の両端面に立設された一対の針状突起52とを備えた軸状である。本実施の形態では、18個の転動体5が中間部材4の外周囲に配置されている。ただし、転動体5の個数は、等速ジョイント1のトルク伝達容量等に応じて適宜変更することが可能である。図3では、1つの転動体5を保持器6の外部に図示している。
複数の転動体5は、等速ジョイント1が搭載された車両の前進加速時には、第1軌道面211aを転動し、外輪2と一方の分割部材41との間でトルクを伝達する。この際、複数の転動体5と第2軌道面211bとの間には僅かな隙間が形成される。また、車両の前進状態での減速時又は後退状態での加速時には、複数の転動体5が第2軌道面211bを転動し、外輪2と他方の分割部材41との間でトルクを伝達する。この際、複数の転動体5と第1軌道面211aとの間には僅かな隙間が形成される。
保持器6は、複数の転動体5をその軸方向に挟む一対の循環路形成部材61,62を互いに連結してなり、外輪2の径方向から見た正面視において、角の丸い長方形状(角丸長方形状)を呈している。以下の説明では、一対の循環路形成部材61,62のうち、外輪2の収容空間20内において回転軸Oから遠い径方向外側に配置される一方の循環路形成部材を第1循環路形成部材61といい、他方の循環路形成部材を第2循環路形成部材62という。第1循環路形成部材61及び第2循環路形成部材62は、板状の金属からなる素材をプレスして成形される。
保持器6は、複数の転動体5を保持する環状の保持部601と、中間部材4から外輪2の中心軸方向への移動力を受ける受け部602と、外輪2の中心軸方向に延在して保持部601と受け部602とを接続する延在部603とを有している。保持部601は、複数の転動体5を中間部材4の周囲に循環移動可能に保持し、複数の転動体5の循環路を形成する。受け部602は、外輪2の中心軸方向に中間部材4と対向する。
保持部601は、第1循環路形成部材61に形成された第1保持部611と、第2循環路形成部材62に形成された第2保持部621とによって構成されている。延在部603は、第1循環路形成部材61に形成された第1延在部613と、第2循環路形成部材62に形成された第2延在部623とによって構成されている。受け部602は、第1循環路形成部材61に形成された第1連結片612と、第2循環路形成部材62に形成された第2連結片622とを重ね合わせ、これら第1連結片612と第2連結片622とを結合することで形成されている。
第1連結片612は、第1延在部613における第1保持部611側とは反対側の端部から第2循環路形成部材62側に向かって延びるように形成されている。第2連結片622は、第2延在部623における第2保持部621側とは反対側の端部から第1循環路形成部材61に向かって延びるように形成されている。本実施の形態では、第1連結片612と第2連結片622とが加締めによって結合されているが、これに限らず、例えば溶接によって結合されていてもよい。
第1循環路形成部材61の第1保持部611には、転動体5の一対の針状突起52のうち、一方の針状突起52を案内する第1凹溝610が形成されている。また、第2循環路形成部材62の第2保持部621には、転動体5の一対の針状突起52のうち、他方の針状突起52を案内する第2凹溝620が形成されている。第1凹溝610は、その溝底が第2の循環路形成部材62側から離間するように窪んだU字状であり、第2凹溝620は、その溝底が第1循環路形成部材61側から離間するように窪んだU字状である。
第1保持部611は、第1凹溝610を形成する底壁614、内側側壁615、及び外側側壁616と、内側側壁615における第1循環路形成部材61側の端部から内周側に向かって突出する内鍔部617と、外側側壁616における第2循環路形成部材62側の端部から外周側に向かって突出する外鍔部618とを有している。第1凹溝610側の針状突起52は、内側側壁615の側面615aと、外側側壁616の側面616aとの間に配置されている。第1保持部611の内側側壁615は、第1凹溝610の中間部材4及びトリポード軸部32側に形成され、外側側壁616は、その反対側に形成されている。
同様に、第2保持部621は、第2凹溝620を形成する底壁624、内側側壁625、及び外側側壁626と、内側側壁625における第1循環路形成部材61側の端部から内周側に向かって突出する内鍔部627と、外側側壁626における第1循環路形成部材61側の端部から外周側に向かって突出する外鍔部628とを有している。第2凹溝620側の針状突起52は、内側側壁625の側面625aと、外側側壁626の側面626aとの間に配置されている。第2保持部621の内側側壁625は、第2凹溝620の中間部材4及びトリポード軸部32側に形成され、外側側壁626は、その反対側に形成されている。
第1保持部611において、内側側壁615の側面615aは第1凹溝610における内周側の側面であり、外側側壁616の側面616aは第1凹溝610における外周側の側面である。また、第2保持部621において、内側側壁625の側面625aは第2凹溝620における内周側の側面であり、外側側壁626の側面626aは第2凹溝620における外周側の側面である。第1延在部613は、第1循環路形成部材61の内鍔部617に連続して形成され、第2延在部623は、第2循環路形成部材62の内鍔部627に連続して形成されている。
受け部602は、環状の保持部601の内側(トリポード軸部32側)に設けられている。本実施の形態では、保持器6が一対の受け部602を有し、これら一対の受け部602が、中間部材4を外輪2の中心軸方向に挟む位置に設けられている。第1循環路形成部材61と第2循環路形成部材62とは、一対の受け部602において連結されている。すなわち、受け部602は、第1循環路形成部材61と第2循環路形成部材62とを連結する連結部としても機能する。
中間部材4を構成する一対の分割部材41のそれぞれには、保持器6の受け部602との干渉を避ける切り欠き410が形成されている。この切り欠き410は、外輪2の中心軸方向における両端部において分割部材41同士が向かい合う角部に形成されている。これにより、外輪2の中心軸方向における分割部材41の端面は、切り欠き410が形成されていない部分における第1端面41cと、切り欠き410内における第2端面41dとによって構成されている。第1端面41cは、複数の転動体5の胴部51に対向し、第2端面41dは、保持器6の受け部602の内側面602aに対向する。受け部602における内側面602aの裏側にあたる外側面602bは、複数の転動体5の胴部51に対向する。
本実施の形態では、等速ジョイント1のディファレンシャル装置への組み付け時にトリポード部材3が外輪2の底部22側に押し付けられ、転動体5の胴部51が底面22aに接触したとき、分割部材41の第1端面41cが転動体5の胴部51に当接する一方、第2端面41dと受け部602との間には隙間が形成される。すなわち、本実施の形態では、外輪2の底部22側における中間部材4(分割部材41)の第1端面41cが、トリポード部材3が外輪2の底部22側に押し付けられたときに転動体5の胴部51に当接する当接面として形成されている。
また、シャフト7が所定のジョイント角(例えば15°)を以って外輪2と共に回転する車両の走行時には、受け部602の内側面602aが分割部材41の第2端面41dに接触し、分割部材41から外輪2の中心軸方向へ保持器6を移動させる移動力を受ける。なお、本実施の形態では、第1端面41c及び第2端面41dが平坦な面であるが、第1端面41c及び第2端面41dが湾曲した曲面であってもよい。
図6は、ローラユニット10が外輪2の底部22側に移動して転動体5が底面22aに接触した状態を拡大して示す断面図であり、(a)は図4のA−A線断面を示し、(b)は図4のB−B線断面を示している。なお、図6(a)に示す転動体5と、図6(b)に示す転動体5とは、互いに隣り合う別個のものである。
図6では、転動体5の胴部51における外周面51aが外輪2の底面22aに接触し、かつ第1循環路形成部材61の第1凹溝610に収容された針状突起52が外側側壁616の側面616aに接触した状態を示している。なお、第2凹溝620における針状突起52と第2保持部621との位置関係は、図6に示す位置関係と同様であるので、重複した説明を省略する。
以下の説明では、図6(a)及び(b)に示す各部における隙間寸法A〜Eを、次にように規定する。
A:中間部材4(分割部材41)と外輪2の底部22との間に介在する保持部601(鍔部617,627)の外周側端部601aからの転動体5の胴部51の突出量
B:第1凹溝610における内側側壁615の側面615aと、針状突起52との間の外輪2の中心軸方向の隙間寸法
C:受け部602における転動体5との対向面(外側面602b)と、胴部51との間の外輪2の中心軸方向の隙間寸法
D:中間部材4(分割部材41)の第1端面41cと、転動体5の胴部51との外輪2の中心軸方向の隙間寸法
E:中間部材4(分割部材41)の第2端面41dと、保持器6の受け部602の内側面602aとの間の外輪2の中心軸方向における隙間寸法
本実施の形態では、第1乃至第5の隙間寸法A〜Eが、下記の不等式(1)〜(4)を全て満たすように、ローラユニット10が構成されている。
A>B …(1)
A>C …(2)
D<B …(3)
E<D …(4)
D<A+E …(5)
D<B+E …(6)
ただし、不等式(1)及び(2)は、少なくとも何れかが満たされていればよい。すなわち、隙間寸法Aは、隙間寸法B又はCよりも大きければよい。
不等式(1)は、保持器6が外輪2の底部22側に移動し、内側側壁615の側面615aが転動体5の針状突起52に接触して隙間寸法Bがゼロとなった場合にも、保持部601の外周側端部601aからの転動体5の胴部51の突出量が確保されるように考慮されたものである。
不等式(2)は、保持器6が外輪2の底部22側に移動し、受け部602の外側面602bが転動体5の胴部51に接触して隙間寸法Cがゼロとなった場合にも、保持部601の外周側端部601aからの転動体5の胴部51の突出量が確保されるように考慮されたものである。
なお、保持器6の底部22側への移動は、内側側壁615の側面615aが転動体5の針状突起52に接触するか、もしくは受け部602の外側面602bが転動体5の胴部51に接触することにより規制されるので、不等式(1)及び(2)は、何れか一方が満たされていればよい。
不等式(3)は、中間部材4(分割部材41)の第1端面41cが転動体5の胴部51に当接したとき、内側側壁625の側面625aが針状突起52に押し当てられないように考慮されたものである。
不等式(4)は、シャフト7が所定のジョイント角を以って外輪2と共に回転する際に、受け部602の内側面602aが分割部材41の第2端面41dに接触して保持器6が分割部材41から外輪2の中心軸方向への移動力を受けるように考慮されたものである。
不等式(5)は、中間部材4(分割部材41)が底部22側に移動する際、第1端面41cが転動体5の胴部51に当接する前に隙間寸法Aがゼロとなり、保持器6が底部22に押し当てられないように考慮されたものである。
不等式(6)は、中間部材4(分割部材41)が底部22側に移動する際、第1端面41cが転動体5の胴部51に当接する前に隙間寸法Bがゼロとなり、内側側壁615の側面615aが針状突起52に押し当てられないように考慮されたものである。
以上の構成により、等速ジョイント1をディファレンシャル装置に組み付ける際、トリポード部材3が外輪2の底部22側に押し付けられて転動体5が底部22に接触したとき、保持器6が底部22や転動体5の針状突起52に押し当てられることなく、転動体5がトリポード部材3からの押し付け力を受ける。つまり、作業者がシャフト7に付与する押し付け力は、トリポード部材3から中間部材4及び転動体5を経て外輪2に伝達され、外輪2のステム部23がサイドギヤの挿通孔に挿通される。
この際、保持器6は、押し付け力の伝達経路に含まれないため、車両への組み付けの際にトリポード部材3が外輪2の底部22側に押し付けられても、その押し付け力が保持器6に伝達されない。これにより、保持器6の変形を抑制することができる。また、例えば第1循環路形成部材61及び第2循環路形成部材62の板厚を薄くすることができるので、等速ジョイント1の小型軽量化やコスト低減も可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図7乃至図11参照して説明する。図7乃至図11において、第1の実施の形態について説明したものと共通の機能を有する部材又は部分等については、図1乃至図6に付した符号と同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図7は、本実施の形態に係る等速ジョイントのトリポード部材3及びローラユニット10をシャフト7と共に示す斜視図である。図8(a)は、ローラユニット10の保持器6、複数の転動体5、及び中間部材4を示す斜視図であり、図8(b)は、保持器6、及び複数の転動体5を示す斜視図である。図9は、ローラユニット10を示す正面図である。図10(a)は、図9のC−C線断面図であり、図10(b)は、図9のD−D線断面図である。図11は、ローラユニット10が外輪2の底部22側に移動して転動体5が底面22aに接触した状態を拡大して示す断面図であり、(a)は図9のC−C線断面を示し、(b)は図9のD−D線断面を示している。図11では、図6と同様に、転動体5の胴部51における外周面51aが外輪2の底面22aに接触し、かつ第1循環路形成部材61の第1凹溝610に収容された針状突起52が外側側壁616の側面616aに接触した状態を示している。
図7等に示すトリポード部材3及びローラユニット10は、第1の実施の形態について図2を参照して説明した外輪2に収容される。第1の実施の形態に係るローラユニット10は、外輪2の底部22に押し当てられた際、中間部材4が転動体5に当接することで、シャフト7に付与された押し付け力が中間部材4から転動体5を経て外輪2に伝達されるように構成されていたが、本実施の形態に係るローラユニット10では、中間部材4と転動体5との間に保持器6の受け部602が挟まれる。このため、保持器6の受け部602に中間部材4からの押し付け力が作用するが、保持部601や延在部603には押し付け力が作用せず、保持器6の変形が抑制される。
以下、本実施の形態に係るトリポード部材3及びローラユニット10について、第1の実施の形態と構成が異なる部分を中心に詳細に説明する。
第1の実施の形態では、トリポード軸部32の頭部322が凸球面状に形成されていたが、本実施の形態では、頭部322における一対の分割部材41の凹面41aとの当接部が部分球面状に形成され、他の部分は直方体状に形成されている。つまり、本実施の形態では、頭部322における一対の分割部材41の並び方向(以下、この並び方向をローラユニット10の幅方向という)の両端部のみが球面状に形成されている。
本実施の形態では、受け部602における第1連結片612と第2連結片622とが、外側面602b側から内側面602a側に向かって2箇所で加締められることにより結合されている。この加締めにより、一対の受け部602の内側面602aには、それぞれ2箇所の突起602cが形成されている。それぞれの受け部602に形成された2つの突起602cは、ローラユニット10の幅方向に並び、かつローラユニット10の内側(トリポード軸部32側)に突出している。
一対の分割部材41は、2つの突起602cよりも第1軌道面211a側ならびに第2軌道面211b側に配置されている。一対の分割部材41は、これらの突起602cによってローラユニット10の幅方向の位置が規定されている。すなわち、一対の分割部材41は、第1連結片612と第2連結片622との加締めによって形成された加締め突起である複数の突起602cによってローラユニット10の幅方向の位置決めがなされている。
受け部602の内側面602aには、外輪2の中心軸方向における一対の分割部材41のそれぞれの端面41eが対向する。受け部602は、内側面602aと一対の分割部材41の端面41eとの接触により、外輪2の中心軸方向への一対の分割部材41の保持器6に対する相対移動を規制する。
保持器6の保持部601は、第1の実施の形態と同様に、第1循環路形成部材61に形成された第1保持部611と、第2循環路形成部材62に形成された第2保持部621とによって構成されている。第1保持部611は、底壁614、内側側壁615、外側側壁616、内鍔部617、及び外鍔部618を有している。第2保持部621も同様に、底壁624、内側側壁625、外側側壁626、内鍔部627、及び外鍔部628を有している。延在部603は、第1循環路形成部材61に形成された第1延在部613と、第2循環路形成部材62に形成された第2延在部623によって構成されている。第1延在部613は、第1循環路形成部材61の内鍔部617に連続して外輪2の中心軸方向に沿って延在し、第2延在部623は、第2循環路形成部材62の内鍔部627に連続して外輪2の中心軸方向に沿って延在している。
保持器6は、シャフト7が所定のジョイント角を以って外輪2と共に回転すると、受け部602の内側面602aが分割部材41から外輪2の中心軸方向への移動力を受けて移動する。また、図11(a)及び(b)に示すように、等速ジョイントの組み付け時においてシャフト7に付与される押し付け力によってローラユニット10が外輪2の底部22に押し当てられると、保持器6の受け部602が保持部601よりも内側(トリポード軸部32側)で中間部材4の一対の分割部材41に当接し、受け部602の外側面602bが転動体5の胴部51に当接する。すなわち、本実施の形態では、受け部602における外輪2の底部22側の面である外側面602bが、トリポード部材3が外輪2の底部22側に押し付けられたときに転動体5の胴部51に当接する当接面として形成されている。
隙間寸法A〜Cを第1の実施の形態と同様に規定すると、本実施の形態に係るローラユニット10は、不等式(1)又は(2)の何れかを満たすように構成されている。これにより、第1の実施の形態と同様に、車両への組み付けの際にトリポード部材3が外輪2の底部22側に押し付けられても、その押し付け力が保持器6の保持部601及び延在部603に伝達されない。したがって、保持器6の変形を抑制することができる。
なお、受け部602には、押し付け力が作用するが、受け部602は、第1循環路形成部材61に形成された第1連結片612と、第2循環路形成部材62に形成された第2連結片622とが重ね合わされた板状であるので、この押し付け力に対する十分な耐力を備えている。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について、図12乃至図15を参照して説明する。第3の実施の形態に係る等速ジョイントは、保持器6の構成が第2の実施の形態と異なる他は、第2の実施の形態と同様に構成されているので、この違いの部分について説明し、共通する部分については詳細な説明を省略する。
図12は、第3の実施の形態に係るローラユニット10を示し、(a)は保持器6、複数の転動体5、及び中間部材4を示す斜視図であり、(b)は、保持器6、及び複数の転動体5を示す斜視図である。図13は、本実施の形態に係るローラユニット10を示す正面図である。図14(a)は、図12のE−E線断面図であり、図14(b)は、図13のF−F線断面図である。図15は、ローラユニット10が外輪2の底部22側に移動して転動体5が底面22aに接触した状態を拡大して示す断面図であり、(a)は図13のE−E線断面を示し、(b)は図13のF−F線断面を示している。
第2の実施の形態に係る保持器6では、第1延在部613が第1循環路形成部材61の内鍔部617に連続して外輪2の中心軸方向に沿って延在し、第2延在部623が第2循環路形成部材62の内鍔部627に連続して外輪2の中心軸方向に沿って延在している場合について説明したが、本実施の形態に係る保持器6では、第1延在部613が底壁614から外輪2の中心軸方向に沿ってトリポード軸部32側に延在し、第2延在部623が底壁624から外輪2の中心軸方向に沿ってトリポード軸部32側に延在している。
また、本実施の形態では、ローラユニット10の幅方向における受け部602よりも第1及び第2軌道面211a,211b側における第1保持部611及び第2保持部621に、第1循環路形成部材61の内側側壁615及び内鍔部617が切り欠かれた切り欠き61a、及び第2循環路形成部材62の内側側壁625及び内鍔部627が切り欠かれた切り欠き62aが形成されている。
このように、本実施の形態では、第1延在部613が底壁614から外輪2の中心軸方向に沿ってトリポード軸部32側に延在すると共に第2延在部623が底壁624から外輪2の中心軸方向に沿ってトリポード軸部32側に延在し、また第1保持部611及び第2保持部621に切り欠き61a,62aが形成されていることにより、等速ジョイントのディファレンシャル装置への組み付け時にローラユニット10が外輪2の底部22に押し当てられた際の転動体5の針状突起52と内側側壁615,625との干渉を避けることができる。これにより、上記のように隙間寸法A及びCを規定した場合に、上記の不等式(2)の条件を満たせば、すなわちA>Cであれば、車両への組み付けの際にトリポード部材3が外輪2の底部22側に押し付けられても、その押し付け力が保持器6の保持部601及び延在部603に伝達されず、保持器6の変形を抑制することができる。
以上、本発明のスライド式等速ジョイントを第1乃至第3の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、保持器6を角丸長方形状に形成した場合について説明したが、これに限らず、例えば軌道溝211の延伸方向における両端部が半円状に形成されたトラック形状であってもよい。
また、上記実施の形態では、中間部材4が対称形状の一対の分割部材41からなる場合について説明したが、これに限らず、例えばこれらの分割部材が一体化した環状の1つの部品であってもよい。
1…スライド式等速ジョイント、10…ローラユニット、2…外輪(外方部材)、20…収容空間、21…筒部、211…軌道溝、211a…第1軌道面、211b…第2軌道面、22…底部、22a…底面、23…ステム部、231…スプライン嵌合部、232…環状溝、3…トリポード部材、30…挿通孔、31…ボス部、31a…外周面、32…トリポード軸部、321…頸部、322…頭部、322a…外周面、4…中間部材、41…分割部材、41a…凹面、41b…転動面、41c…第1端面、41d…第2端面、41e…端面、5…転動体、51…胴部、51a…外周面、52…針状突起、6…保持器、601…保持部、601a…外周側端部、602…受け部、602a…内側面、602b…外側面、602c…突起、603…延在部、61…第1循環路形成部材、610…第1凹溝、611…第1保持部、612…第1連結片、613…第1延在部、614,624…底壁、615,625…内側側壁、615a,625a…側面、616,626…外側側壁、616a,626a…側面、617,627…内鍔部、618,628…外鍔部、62…第2循環路形成部材、620…第2凹溝、621…第2保持部、622…第2連結片、623…第2延在部、7…シャフト、70…スナップリング、71…スプライン嵌合部

Claims (10)

  1. 中心軸方向に延びて互いに向かい合う一対の軌道面を有する複数の軌道溝が形成された筒部、及び前記筒部の一端部を閉塞する底部を有する外方部材と、
    シャフトに連結される環状のボス部、及び前記ボス部の外周面から前記ボス部の径方向外方に延びるように立設されて前記軌道溝にそれぞれ挿入される複数の脚軸を有し、前記中心軸方向に沿って前記外方部材に対して移動可能な内方部材と、
    前記外方部材の回転方向及び前記外方部材と前記シャフトとの間のトルク伝達方向に応じて、前記一対の軌道面のうち何れかの軌道面を転動する複数の転動体と、
    前記脚軸と前記複数の転動体との間に介在する中間部材と、
    前記複数の転動体を保持する保持器とを備え、
    前記保持器は、前記複数の転動体を前記中間部材の周囲に循環移動可能に保持する環状の保持部と、前記中心軸方向に前記中間部材と対向して前記中間部材から前記中心軸方向への移動力を受ける受け部と、前記中心軸方向に延在して前記保持部と前記受け部とを接続する延在部とを有し、
    前記内方部材が前記外方部材の前記底部側に押し付けられて前記転動体が前記底部に接触したとき、その押し付け力が前記保持器の前記保持部及び前記延在部に作用することなく、前記転動体が前記内方部材からの押し付け力を受ける、
    スライド式等速ジョイント。
  2. 前記転動体は、円柱状の胴部と、前記胴部の軸方向の両端面に立設された一対の針状突起とを有し、
    前記保持器の前記保持部には、前記一対の針状突起を案内する凹溝が形成され、
    前記中間部材と前記外方部材の前記底部との間に介在する前記保持部の外周側端部からの前記胴部の突出量は、前記凹溝における内周側の側面と前記針状突起との間の前記中心軸方向の隙間寸法、又は前記受け部における前記転動体との対向面と前記胴部との間の前記中心軸方向の隙間寸法よりも大きい、
    請求項1に記載のスライド式等速ジョイント。
  3. 前記受け部は、前記保持部よりも前記脚軸側で前記中間部材に当接する、
    請求項2に記載のスライド式等速ジョイント。
  4. 前記内方部材が前記外方部材の前記底部側に向かって押し付けられたときに前記転動体に当接する前記中間部材又は前記保持器の当接面と前記転動体との前記中心軸方向の隙間寸法が、前記凹溝における内周側の側面と前記針状突起との間の前記中心軸方向の隙間寸法よりも小さい、
    請求項2又は3に記載のスライド式等速ジョイント。
  5. 前記当接面は、前記受け部における前記外方部材の前記底部側の面である、
    請求項4に記載のスライド式等速ジョイント。
  6. 前記中間部材は、前記脚軸を挟むように分離して配置された一対の分割部材からなり、前記一対の分割部材のうち一方の分割部材が前記脚軸と前記一対の軌道面のうち一方の軌道面との間に配置されると共に、他方の分割部材が前記脚軸と前記一対の軌道面のうち他方の軌道面との間に配置され、
    前記受け部は、前記保持器に対する前記一対の分割部材の前記中心軸方向への相対移動を規制する、
    請求項5に記載のスライド式等速ジョイント。
  7. 前記延在部は、前記凹溝を形成する前記保持部の底壁から前記中心軸方向に沿って延在している、
    請求項5又は6に記載のスライド式等速ジョイント。
  8. 前記延在部は、前記凹溝を形成する前記保持部の一対の側壁のうち前記脚軸側における側壁の前記胴部側の端部から前記中心軸方向に沿って延在している、
    請求項5又は6に記載のスライド式等速ジョイント。
  9. 前記当接面は、前記中間部材における前記中心軸方向の前記底部側の端面である、
    請求項4に記載のスライド式等速ジョイント。
  10. 前記中間部材と前記受け部との間の前記中心軸方向における隙間寸法は、前記転動体と前記中間部材における前記当接面との間の前記中心軸方向における隙間寸法よりも小さい、
    請求項9に記載のスライド式等速ジョイント。
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