JP2010007439A - 杭打抜機用の把持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チャックフレーム1に対するチャック爪2の取付け箇所には、互いに嵌合する凹凸6が形成されており、取付けボルト5を矢印bのように螺合し緊定して、該チャック爪2が取り付けられる。この取付け箇所にキー9を設けるとともに、前記チャックフレーム1に当て板10を固着して、チャックフレーム1に対するチャック爪2のY軸方向の変位(ずれ)を防止する。
【選択図】図2
Description
チャックフレーム1は、振動式杭打抜機に設けられた起振機(図外)に固着されて激しい振動を受ける部材であって、直接的または間接的に杭4を把持して、この杭4を所望の姿勢に保持するとともに、該杭に振動を与えて地中に貫入させる。
この例では、チャックフレーム1に直接的にチャック爪2が装着され、または間接的にチャックシリンダ3を介してチャック爪2が装着されていて、このチャック爪2が杭4に当接して該杭を挟圧している。
この例のチャック爪2においては、図の左側に示した可動チャック爪2がチャックシリンダ3のピストンロッドに冠着されるとともに、図の右側に示した固定チャック爪2とチャックフレーム1との接合面には互いに嵌合する凹凸が形成されている。この凹凸は一般に、多連のM形屋根状(多数のV字溝を相互に隣接させて平行に並べた形)に形成される。
図3の状態において、当該杭把持装置に保持された杭4が垂直になっている。この状態を標準姿勢とする。このときの杭4の長手方向をZ軸とし、一対のチャック爪2が杭を挟みつけている水平方向をX軸とする。これで座標軸は決まるが、Y軸については次の段落で補足説明する。
図4(A)は垂直面Z−Xで切断した断面図であり、前掲の図3と同様の切断方法である。
図4(B)は水平面X−Yで切断した断面図である。
ここにY軸は、「チャック爪が杭に当接する面sに沿った水平軸」と言うことができる。
ただし、チャック爪が杭に当接する面には、通常、滑り止めの凹凸が形成されているので、この当接面の「面」とは立体幾何学的に厳密な意味ではなく、概要的なものであり、「当接の相手部材である杭の当接面」と考えても良い。
このアリ嵌合部7はシビアに形成されていて、(B)図に示す矢印n方向に叩き込まれ、矢印m方向に叩き出して交換される。
この嵌合凹凸は、水平方向のV字溝とこれに嵌合する山形突条とが交互に配列された形状であるから、前記のチャック爪2がチャックフレーム1に対してZ方向(上下)に変位する虞れは無いが、Y方向(図3において紙面と垂直)に変位する(ずれる)虞れが少なくない。
図4に示した公知技術に係る杭の把持装置によれば、チャック爪の固定は確実であるが、これを交換する際、矢印m方向に叩き抜いたり矢印n方向に叩き込んだりする操作が容易でなく、多大の時間と労力とを要する上に、労働災害を発生する虞れが少なくない。
されたものであって、振動式杭打抜機の起振機に固着されている杭把持装置を適用の対象とし、その目的は「チャックフレームに対するチャック爪の固定状態が強固であって、特にY方向に変位する虞れが無く、しかも着脱交換が容易な杭把持装置」を提供することである。
チャック爪がチャックフレームに対してY方向に変位しないように、該Y方向と垂直なZ−X面に沿った係止面を形成することである。
この係止面を形成する手段は、Z−X面を有する当て板であっても良く、Z−X面で剪断力を受けるキーであっても良い。
チャック爪の杭挟持面に沿った垂直方向をZ軸とし、杭挟持面に沿った水平方向をY軸とする直交3軸X,Y,Zを想定して、
チャック爪とチャックフレームとが当接している面の双方に多連M形屋根状の凹凸が形成されて互いに嵌まり合っていて、屋根の棟に相当する稜線がY軸方向である杭把持装置において、
前記チャック爪とチャックフレームとの当接面に、Y軸方向の滑りを係止するキーが介装されていて、チャックフレームに対するチャック爪のY軸方向変位が阻止されていることを特徴とする。
該杭把持装置が杭を垂直に保持した標準姿勢にあるとき、
チャック爪の杭挟持面に沿った垂直方向をZ軸とし、杭挟持面に沿った水平方向をY軸とする直交3軸X,Y,Zを想定して、
チャック爪とチャックフレームとが当接している面の双方に多連M形屋根状の凹凸が形成されて互いに嵌まり合っていて、屋根の棟に相当する稜線がY軸方向である杭把持装置において、
前記チャックフレームのZ−Y面と平行な面に当て板が固着されていて、該当て板のZ−Y面がチャック爪に接しており、チャックフレームに対するチャック爪のY軸方向の変位が阻止されていることを特徴とする。
この透孔に挿通された取付けボルトがチャック爪をチャックフレームに対して圧接せしめていることを特徴とする。
チャックフレームに対するチャック爪のY軸方向変位が、
請求項1においてはキーにより、請求項2においては当て板により、それぞれ係止されているので、Y軸方向にずれる虞れが無い。
その上、取付けボルトの螺脱によってチャック爪が容易に取り外され、該取付けボルトの螺合緊定によってチャック爪が容易に取り付けられ、操作性に優れている。
キーに設けられている透孔に挿通された取付けボルトが、チャック爪をチャックフレームに圧しつけるので、該キーが確実に保持されて請求項1の発明の効果が充分に発揮される。
図1(A)はZ−X断面図(垂直断面図)、図1(B)はY−X断面図(水平断面図)であり、
図2は分解斜視図である。
いずれも、構造を読み取り易いように模式化して描いてあるので、写実的な投影図ではない。
主要な構成部材の多くは図1〜図3の全図に描かれているので、特に断らない場合は図1〜図3を適宜に参照されたい。
この段落で以上に述べた構造は、図3に示した従来例と類似である。
本実施形態においては、チャックフレーム1とチャック爪2との間にキー9が介装されている。
取付けボルト5はキー9に穿たれた透孔(図2において符号9a)を貫通している。
前記のキー9は、Y軸と垂直なX−Z面に平行な面を有し、この面でY軸方向のシヤー(剪断力)を受けている。これにより、チャック爪2のY軸方向変位が阻止される。
キー以外の、キーに類似する部材をチャック爪とチャックフレームとの間に介装しても、機能的にキーと等価の部材であれば本発明の技術的範囲に属する。
該当て板10は、チャックフレーム1のX−Z面に沿った側面に固着(本例では溶接)されている。従って、該当て板10の面はX−Z面と平行でY軸に垂直である。
当て板10はチャックフレーム1からX軸方向に、チャック爪側へ突出して、チャック爪2の側面であるX−Z面に接している。ただし、本発明において「接する」とは、一般の工作精度における許容誤差を有している。従って、微小な隙間が有っても、締め代が有っても「接する」である。
こうした構造機能から容易に理解されるように、図において符号10を付して示した部材は「X−Z面に平行で、チャック爪2に接する面」を有することが重要である。従って、外見的に板状でなくても、チャック爪のX−Z面に接する部材は当て板と均等であって、本発明の技術的範囲に属する。
本発明を実施する際、キーと当て板との何れか片方だけを設けても良く、両方を設けても良い。
2…チャック爪
3…チャックシリンダ
4…杭
5…取付けボルト
6…嵌合凹凸
7…アリ嵌合部
8…アリ溝底面
9…キー
9a…透孔(ボルト孔)
10…当て板
11…キー溝
Claims (3)
- 杭打抜機用の起振機に固着されて杭を把持するチャックフレームにチャック爪が装着されている杭把持装置であって、
該杭把持装置が杭を垂直に保持した標準姿勢にあるとき、
チャック爪の杭挟持面に沿った垂直方向をZ軸とし、挟持面に沿った水平方向をY軸とする直交3軸X,Y,Zを想定して、
チャック爪とチャックフレームとが当接している面の双方に多連M形屋根状の凹凸が形成されて互いに嵌まり合っていて、屋根の棟に相当する稜線がY方向である杭把持装置において、
前記チャック爪とチャックフレームとの当接面に、Y軸方向の滑りを係止するキーが介装されていて、チャックフレームに対するチャック爪のY軸方向変位が阻止されていることを特徴とする、杭打抜機用の杭把持装置。 - 杭打抜機用の起振機に固着されて杭を把持するチャックフレームにチャック爪が装着されている杭把持装置であって、
該杭把持装置が杭を垂直に保持した標準姿勢にあるとき、
チャック爪の杭挟持面に沿った垂直方向をZ軸とし、挟持面に沿った水平方向をY軸とする直交3軸X,Y,Zを想定して、
チャック爪とチャックフレームとが当接している面の双方に多連M形屋根状の凹凸が形成されて互いに嵌まり合っていて、屋根の棟に相当する稜線がY方向である杭把持装置において、
前記チャックフレームの、Z−X面と平行な面に当て板が固着されていて、該当て板のZ−X面がチャック爪に接しており、チャックフレームに対するチャック爪のY軸方向変位が阻止されていることを特徴とする、杭打抜機用の杭把持装置。 - 前記のキーにX軸方向の透孔が穿たれていて、
上記の透孔に挿通された取付けボルトが、チャック爪をチャックフレームに対して圧接せしめていることを特徴とする、請求項1に記載した杭打抜機用の杭把持装置。
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