JP2010004822A - 加熱造粒小麦粉の粉砕物を含有する即席麺用穀粉組成物 - Google Patents
加熱造粒小麦粉の粉砕物を含有する即席麺用穀粉組成物 Download PDFInfo
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Abstract
喫食時に麺線が所定時間内に良好に復元し、また、ほぐれ、食感等が良好となり得る、即席麺用穀粉組成物及びこれを用いて製造される即席麺類を提供すること。
【解決手段】
加圧押出して糊化及び膨化させた加熱造粒小麦粉の粉砕物を1〜10質量%含有する含有する即席麺用穀粉組成物において、加熱造粒小麦粉の粉砕物の粒度が200〜1600μmの範囲であり、α化度が80%以上であり、且つ粒度500〜700μmのときの見かけ比重が55〜75g/100mlであることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明の加熱造粒小麦粉の粉砕物の製造方法としては、例えば、上記の原料小麦粉100質量部に40〜50質量部の水を加えて十分にミキシングし、一軸又は多軸エクストルーダーに供して加圧加熱してα化した後、ダイノズルから押し出して膨化させ、カッターでカットして適宜大きさの多孔性の粒状物を得る。この粒状物を乾燥後、粉砕し、篩い分けして所定の粒度の加熱造粒小麦粉の粉砕物を得ることができる。エクストルーダー処理においては、バレル温度は90〜120℃が好ましく、バレル内圧力は4.9×105〜2.0×106Paが好ましい。また、加熱造粒小麦粉は、乾燥後、ピンミル、インパクトミル、ターボミル等の衝撃式粉砕乃至気流粉砕等により、所望の粒度まで粉砕する。
1)試料採取:加熱造粒小麦粉の粉砕物を、さらに粉砕した後、目開き150μmの篩に通し、これを通過した粉末をα化度分析用試料とした。100ml容の首長三角フラスコを5個用意し、粉末試料(目開き150μmの篩を通過したもの)1.00gを、4個採取しこれをA1〜A4とする。1個はB(ブランク)とする。
2)加熱:5個のフラスコに水50mlを加え、試料をよく懸濁させる。A1及びA2を沸騰浴中で15分間加熱し、その後氷水又は冷水中で常温まで急冷する。
3)酵素添加:A1、A3及びBに5%ジアスターゼ緩衝溶液を5ml加える。
4)デンプン糖化:5個のフラスコ全部を恒温水槽中で振とうしながら、37℃±1℃に90分間保ってデンプンを糖化し、終了後、ただちに1mol/L塩酸を各フラスコに2ml加えて、ジアスターゼの反応を停止させ、水を加えて100ml定容とする。
5)検液採取:各々の溶液をろ過し、A1〜A4及びBから得た検液10mlをピペットで100ml容共栓三角フラスコにとり、a1〜a4及びbとする。
この他に水10mlを採取したフラスコを用意しWとする。
6)糖の酸化:6個の三角フラスコに、0.05mol/Lヨウ素よう化カリウム溶液10mlを加える。次に等時間間隔で、0.1mo1/L水酸化ナトリウム溶液18mlを順次加え、密栓して振り混ぜ各フラスコとも正確に15分間置く。(この反応により糖は酸化されヨウ素が消費される。)
7)滴定:15分間経過した順に、10%硫酸2mlを手早く加え酸性とし、残存ヨウ素を0.1mo1/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。
(指示薬:デンプン溶液)
α化度(%)={(W−a3)−(W−a4)−(W−b)}/{(W−a1)−(W−a2)−(W−b)}×100
W:空試験の滴定値(ml)
a1〜a4:それぞれの滴定値(ml)
b:ジアスターゼのみを糖化したものの滴定値(ml)
1)加熱造粒小麦粉の粉砕物を篩い分けに供して、32メッシュ(目開き500μm)オーバー、24メッシュ(目開き710μm)スルーの画分を採取する。
2)比重計量カップ(100ml)に、1)で採取した画分を山盛りに入れ、パレットナイフを垂直に当て水平にけずる。
3)比重計量カップ内の画分の質量を測定し、見かけ比重(g/100ml)とする。
なお、本明細書で用いる篩は全て日本工業規格・JISZ8801−1966のものを用いた。
小麦粉(日清製粉社製「フラワー」)100質量部に水40質量部を加えて混合し、一軸エクストルーダーを用いて加圧加熱(バレル温度:98℃)してα化させ、ダイノズル(ダイ径5mm)から押し出して膨化させ、次いで回転カッターでカットして直径4mm、厚み1mm程度の粒状物を得た。この粒状物を乾燥(100℃、約30分)した後、ピンミルにより粉砕し、加熱造粒小麦粉の粉砕物(以下、「加熱造粒小麦粉の粉砕物」を「加熱造粒小麦粉」と略称する場合がある)を得た。得られた加熱造粒小麦粉のα化度は93%であり、見かけ比重は62.2g/100mlであった。
小麦粉として、日清製粉社製「特雀」を用い、加水量40〜50質量部の範囲で適宜調整し、バレル温度:90〜120℃の範囲内で適宜変更した以外は製造例1と同様にして、各種加熱造粒小麦粉を得た。得られた各種加熱造粒小麦粉の粒度、α化度、見かけ比重を表3〜7に示す。
小麦粉(日清製粉社製「特雀」)100質量部に水40質量部を加えて縦型ミキサーでそぼろ状の生地を作成した。このそぼろ状の生地をトレー上に広げ、25℃で48時間、乾燥させた。次いで、製造例1と同様にして粉砕し、篩い分けして所定の粒度の非加熱造粒小麦粉の粉砕物(以下、「非加熱造粒小麦粉」という場合がある)を得た。得られた非加熱造粒小麦粉のα化度は29%であり、見かけ比重は76.2g/100mlであった。
小麦粉(日清製粉社製「特雀」)100質量部、水35質量部を蒸練ミキサーに投入し、蒸練ミキサー内に0.098MPaの加圧蒸気を供給しながら6.5分間蒸練を行い、α化した生地を得た。この生地を厚さ約5mmのシート状に圧延した後、室温で一晩静置し、5mm角に切り出して40〜50℃の温風で24時間、乾燥させた。次いで、製造例1と同様にして粉砕し、篩い分けして所定の粒度の加熱造粒小麦粉の粉砕物(以下、「加熱造粒小麦粉」という場合がある)を得た。得られた加熱造粒小麦粉のα化度は94%であり、見かけ比重は78.4g/100mlであった。
コーンスターチ100質量部に水20質量部を加えた以外は製造例1と同様にして、所定の粒度の加熱澱粉造粒物の粉砕物(以下、「加熱造粒澱粉」ということがある。)を得た。得られた加熱造粒澱粉のα化度は97%であり、見かけ比重は58.8(g/100ml)であった。
小麦粉(日清製粉社製「特雀」)、表1に示す製造例1の加熱造粒小麦粉及びタピオカ澱粉(松谷化学工業社製「MKK−100」)を表1に示す配合比で均一に混合して即席麺用穀粉組成物を得た。
食塩1質量部、赤かんすい(オリエンタル酵母社製)0.4質量部を水34質量部に溶かして水溶液を調製し、この水溶液を上記の即席麺用穀粉組成物100質量部に加えて常法によって10分間混捏して麺生地を作製した。この麺生地を製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.10mmの麺帯にした後、18番の角の切刃を用いて麺線に切り出した。この麺線を温度100℃の蒸気で2分30秒間蒸熱処理した後、温度90℃の熱風で25分間乾燥してノンフライ即席中華麺をそれぞれ製造した。このノンフライ即席中華麺を1個当たり70gずつ密封包装した。
上記実施例1〜5において、小麦粉55質量%と、表1に示す製造例1の加熱造粒小麦粉20質量%と、馬鈴薯澱粉25質量%からなる即席麺用穀粉組成物を用いた以外は、上記実施例1〜5と同様の方法でノンフライ即席中華麺を製造した。
上記実施例1〜5において、小麦粉75質量%と馬鈴薯澱粉25質量%からなる即席麺用穀粉組成物を用い、加熱造粒小麦粉を配合しない以外は、上記実施例1〜5と同様の方法でノンフライ即席中華麺を製造した。
実施例1〜5、及び比較例1、2で得られたノンフライ即席中華麺を入れた容器中に、450mlの沸騰水を注ぎ密閉し4分間かけて復元し、濃縮スープを入れた。この復元した中華麺を10名のパネラーにより表2に示す評価基準にしたがって官能試験を行い、その平均値を採った。その結果を表1に示す。なお、比較例2のノンフライ中華麺を標準の3点とした。
小麦粉(日清製粉社製「さざんか」)71質量%、表3に示す製造例2の加熱造粒小麦粉4質量%、馬鈴薯澱粉(松谷化学工業社製「スタビローズ1300」)25質量%を均一に混合して即席麺用穀粉組成物を得た。
食塩1質量部、赤かんすい(オリエンタル酵母社製)0.4質量部を水34質量部に溶かして水溶液を調製し、この水溶液を上記の即席麺用穀粉組成物100質量部に加えて常法によって10分間混捏して麺生地を作製した。該麺生地を製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.15mmの麺帯にした後、10番の角の切刃を用いて麺線に切り出した。切り出した麺線を温度100℃の蒸気で2分30秒蒸熱処理した後、150℃のパーム油で1分30秒間フライして、フライ即席うどんをそれぞれ製造した。このフライ即席うどんを1個当たり70gずつ密封包装した。
実施例6〜9において、表3に示す製造例2の加熱造粒小麦粉(粒度:1600超〜2000μm)を用いた以外は、上記実施例6〜9と同様の方法でフライ即席うどんを得た。
実施例6〜9において、表3に示す製造例2の加熱造粒小麦粉(粒度:200μm未満)を用いた以外は、上記実施例6〜9と同様の方法でフライ即席うどんを得た。
実施例6〜9において、小麦粉75質量%及び馬鈴薯澱粉25質量%からなる即席麺用穀粉組成物を用い、加熱造粒小麦粉を配合しない以外は、上記実施例6〜9と同様の方法でフライ即席うどんを製造した。
実施例6〜9、及び比較例3〜5で得られた即席うどんに500mlの沸騰水を注ぎ、蓋をして5分間かけて復元し、粉末スープを入れた。この麺を10名のパネラーにより表2に示す評価基準にしたがって官能試験を行い、その平均値を採った。その結果を表3に示す。なお、比較例5のフライうどんを標準の3点とした。
小麦粉(日清製粉社製「特雀」)71質量%、表2に示す製造例2の加熱造粒小麦粉4質量%、馬鈴薯澱粉(松谷化学工業社製「スタビローズ1300」)25質量%を均一に混合して即席麺用穀粉組成物を得た。
食塩1質量部、赤かんすい(オリエンタル酵母社製)0.4質量部を水34質量部に溶かして水溶液を調製し、この水溶液を、上記の即席麺用穀粉組成物100質量部に加えて常法によって10分間混捏して麺生地を作製した。この麺生地を製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.10mmの麺帯にした後、18番の丸の切刃を用いて麺線に切り出した。切り出した麺線を温度100℃の蒸気で2分30秒蒸熱処理した後、90℃の熱風で25分間乾燥してノンフライ即席焼そばをそれぞれ製造した。このノンフライ即席焼そばを1個当たり70gずつ密封包装した。
実施例10〜12において、製造例2の加熱造粒小麦粉の代わりに参考例1の非加熱造粒小麦粉を用いた以外は、上記実施例10〜12と同様の方法でノンフライ即席焼きそばを得た。
実施例10〜12において、小麦粉75質量%及び馬鈴薯澱粉25質量%からなる即席麺用穀粉組成物を用い、加熱造粒小麦粉を用いないこと以外は、上記実施例10〜12と同様の方法でノンフライ即席焼きそばを得た。
実施例10〜12、及び比較例6、7で得られたノンフライ即席焼きそばに500mlの沸騰水を注ぎ蓋をした。5分間かけて復元し、湯切りした後、液体ソースをからめた。この麺を10名のパネラーより表2に示す評価基準にしたがって官能試験を行い、その平均値を採った。その結果を下記の表4に示す。なお、比較例7のノンフライ即席焼きそばを標準の3点とした。
小麦粉(日清製粉社製「特雀」)71質量%、表5に示す製造例2の造粒小麦粉4質量%及び馬鈴薯澱粉(松谷化学工業社製「スタビローズ1300」)25質量%を用いて均一に混合して即席麺用穀粉組成物を得た。
食塩1質量部、赤かんすい(オリエンタル酵母社製)0.4質量部を水34質量部に溶かして水溶液を調製し、この水溶液を上記の即席麺用穀粉組成物100質量部に加えて常法によって10分間混捏して麺生地を作製した。この麺生地を製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.10mmの麺帯にした後、18番の角の切刃を用いて麺線に切り出した。この麺線を温度100℃の蒸気で2分30秒間蒸熱処理した後、温度90℃の熱風で25分間乾燥してノンフライ即席中華麺をそれぞれ製造した。このノンフライ即席中華麺を1個当たり70gずつ密封包装した。
実施例13〜15のノンフライ即席中華麺において、表5に示す製造例2の加熱造粒小麦粉(粒度:1600超〜2000μm)を用いる以外は同様の方法でノンフライ即席中華麺を製造した。
実施例13〜15のノンフライ即席中華麺において、参考例2の加熱造粒小麦粉を用いる以外は同様の方法でノンフライ即席中華麺を製造した。
実施例13〜15のノンフライ即席中華麺において、小麦粉75質量%及び馬鈴薯澱粉25質量%からなる即席麺用穀粉組成物を用い、加熱造粒小麦粉を配合しない以外は、上記実施例13〜15と同様の方法でノンフライ即席中華麺を製造した。
ノンフライ中華麺の評価は、実施例1〜5で得られた前記即席麺の評価方法と同様にして行い、その結果を表5に示す。なお、比較例10のノンフライ中華麺を標準の3点とした。
しかし、見かけ比重が本発明の範囲より僅かに小さい加熱造粒小麦粉(見かけ比重54.5)を用いた比較例8は、復元性、ほぐれは良好であるものの、食感は標準と同程度であった。また、見かけ比重が本発明の範囲より大きい加熱造粒小麦粉(見かけ比重78.4)を用いた比較例9は、ほぐれ及び外観は標準(比較例10)とほぼ同程度であるが、復元性、食感に劣っていた。
小麦粉(日清製粉社製「特雀」)、表6に示す製造例2の加熱造粒小麦粉及び馬鈴薯澱粉(松谷化学工業社製「スタビローズ1300」)を表6に示す配合比で均一に混合して即席麺用穀粉組成物を得た。
食塩1質量部、赤かんすい(オリエンタル酵母社製)0.4質量部を水34質量部に溶かして水溶液を調製し、この水溶液を上記の即席麺用穀粉組成物100質量部に加えて常法によって10分間混捏して麺生地を作製した。この麺生地を製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.10mmの麺帯にした後、20番の丸の切刃を用いて麺線に切り出した。この麺線を温度100℃の蒸気で2分30秒間蒸熱処理した後、150℃のパーム油で1分30秒間フライして、フライ即席中華麺をそれぞれ製造した。このフライ即席中華麺を1個当たり70gずつ密封包装した。
実施例16〜18のフライ即席中華麺において、小麦粉、参考例3の加熱造粒澱粉及び馬鈴薯澱粉を表6に示す配合比で均一に混合して即席麺用穀粉組成物を用いる以外は同様の方法でフライ即席中華麺を製造した。
実施例13〜15のフライ即席中華麺において、小麦粉75質量%及び馬鈴薯澱粉25質量%からなる即席麺用穀粉組成物を用いる以外は同様の方法でフライ即席中華麺を製造した。
実施例16〜18、及び比較例11〜14で得られたフライ即席中華麺を入れた容器中に、400mlの沸騰水を注ぎ密閉し3分間かけて復元し、濃縮スープを入れた。この復元した中華麺を10名のパネラーにより表2に示す評価基準にしたがって官能試験を行った。その結果を表6に示す。なお、比較例14のフライ中華麺を標準の3点とした。
デユラム小麦粉(日清製粉社製「デュエリオ」)、表7に示す製造例1の加熱造粒小麦粉及び馬鈴薯澱粉(松谷化学工業社製「スタビローズ1300」)を表7に示す配合比で均一に混合して即席麺用穀粉組成物を得た。
水34質量部に食塩1質量部を溶かした水溶液を、上記の即席麺用穀粉組成物100質量部に加えて常法によって10分間混捏して生地を作成した。続いて、この生地を製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.60mmの麺帯にした後、18番の丸の切刃を用いて麺線に切り出した。切り出した麺線を温度100℃の蒸気で3分00秒蒸熱処理した後、100℃の熱風で25分間乾燥してノンフライ即席スパゲティーをそれぞれ製造した。
実施例19〜20のノンフライ即席スパゲティーにおいて、デュラム小麦粉70質%部及び馬鈴薯澱粉30質量%からなる即席麺用穀粉組成物を用いる以外は同様の方法でノンフライ即席スパゲティーを製造した。
実施例19〜20、及び比較例15で得られたノンフライ即席スパゲティーを入れた容器中に、500mlの沸騰水を注ぎ密閉し5分間かけて復元し、湯切りした後、レトルトのソースをからめた。この復元したスパゲティーを10名のパネラーにより表2に示す評価基準にしたがって官能試験を行った。その結果を表7に示す。なお、比較例15のノンフライ即席スパゲティーを標準の3点とした。
Claims (3)
- 加圧押出して糊化及び膨化させた加熱造粒小麦粉の粉砕物を1〜10質量%含有する即席麺用穀粉組成物において、加熱造粒小麦粉の粉砕物の粒度が200〜1600μmの範囲であり、α化度が80%以上であり、且つ粒度500〜700μmのときの見かけ比重が55〜75g/100mlであることを特徴とする即席麺用穀粉組成物。
- α化度が90%以上である、請求項1記載の即席麺用穀粉組成物。
- 請求項1又は2記載の即席麺用穀粉組成物を用いて製造した即席麺類。
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