JP2010004665A - モータの駆動装置および駆動方法 - Google Patents
モータの駆動装置および駆動方法Info
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Abstract
【課題】モータにおいて、コイルの絶縁性能を確保するための過剰設計を行うことなく、長期に亘って、コイルの絶縁性能の劣化を抑制しつつ高い駆動効率を維持する。
【解決手段】電圧変換器(昇圧コンバータ)が、直流電源の電圧を変圧(昇圧)して出力し、インバータが、電圧変換器の出力電圧(システム電圧VH)を交流電圧に変換してモータのコイルに印加する。ここで、制御手段(制御装置)が、電圧変換器の出力電圧がモータのコイルにおける部分放電を引き起こす所定の状態(所定電圧Vc以上へ移行した状態)であると判断された履歴(積算値N)を取得する。そして、制御手段が、その取得した履歴に基づき、電圧変換器の出力電圧をより低い値となるよう制御する(積算値Nが閾値Ncに到達していれば、ステップS6で制御目標値の上限値VlをVsまで低下させる)。
【選択図】図6
【解決手段】電圧変換器(昇圧コンバータ)が、直流電源の電圧を変圧(昇圧)して出力し、インバータが、電圧変換器の出力電圧(システム電圧VH)を交流電圧に変換してモータのコイルに印加する。ここで、制御手段(制御装置)が、電圧変換器の出力電圧がモータのコイルにおける部分放電を引き起こす所定の状態(所定電圧Vc以上へ移行した状態)であると判断された履歴(積算値N)を取得する。そして、制御手段が、その取得した履歴に基づき、電圧変換器の出力電圧をより低い値となるよう制御する(積算値Nが閾値Ncに到達していれば、ステップS6で制御目標値の上限値VlをVsまで低下させる)。
【選択図】図6
Description
本発明は、直流電圧を電圧変換器によって変圧し、インバータで変換した交流電圧をモータのコイルに印加してモータを駆動する技術に関し、特に、モータにおいて、長期に亘って、コイルの絶縁性能の劣化を抑制しつつ高い駆動効率を維持する技術に関する。
車両の駆動用モータなどで、電圧変換器である昇圧コンバータによって直流電圧を昇圧してインバータを駆動することにより、インバータのスイッチング素子(IGBT素子など)のスイッチング速度を速め、損失を低減して駆動効率を高めるようにしたものがある。
しかし、昇圧コンバータの出力電圧、即ちインバータの駆動電圧を制御目標値にフィードバック制御する際に、オーバーシュートを生じ、インバータで変換されたモータのコイルに対する印加電圧が大きく変動すると、コイル(巻線間)に部分放電を生じることがある。
コイルは、部分放電を生じるだけであれば性能上問題ないが、部分放電を繰り返すと、特許文献1に記載のように絶縁性能の劣化が進行し、大きな性能劣化となれば実質的に使用困難となる。
したがって、モータには、コイルの絶縁性能の劣化を防止するため、コイルに対する印加電圧の最大値を、部分放電を生じない値に制限して設定されたものがある。
特開2006−271159号公報
しかしながら、モータのコイルに対する印加電圧を制限すると、インバータのスイッチング速度が低下してモータの駆動効率が低下し、消費電力の増大、ハイブリッド自動車では燃費の悪化を生じる。
また、一般には、コイルの絶縁皮膜を厚くするなどして部分放電開始電圧を高め、コイルの巻線内電圧がオーバーシュートしてもコイルに部分放電を生じないように設計して絶縁性能を確保しているが、モータの製造コストが増大し、大型化、重量増ともなる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、モータにおいて、コイルの絶縁性能を確保するための過剰設計を行うことなく、長期に亘って、コイルの絶縁性能の劣化を抑制しつつ高い駆動効率を維持することを目的とする。
このため、本発明では、電圧変換器が、直流電源の電圧を変圧して出力し、インバータが、電圧変換器の出力電圧を交流電圧に変換してモータのコイルに印加する。ここで、制御手段が、電圧変換器の出力電圧がモータのコイルにおける部分放電を引き起こす所定の状態であると判断された履歴を取得し、その取得した履歴に基づき、電圧変換器の出力電圧をより低い値となるよう制御する。
以上の構成により、電圧変換器の出力電圧が所定の状態であると判断された履歴から、コイルの部分放電の繰り返しによる絶縁性能の劣化度合いが判断される。この絶縁性能の劣化度合いが小さいときは、電圧変換器の出力電圧を制限することなく、モータの駆動効率を最大限高め、絶縁性能の劣化度合いが大きいときは、電圧変換器の出力電圧をより低い値となるよう制御して、コイルの部分放電を回避して絶縁性能の劣化を抑制し、絶縁性能を確保することができる。
これにより、モータは、使用初期においてコイルの部分放電の発生を許容する設計とされ、コイルの部分放電の発生を完全に回避するための過剰設計を行う必要がなくなる。したがって、モータの製造コストを引き下げ、小型軽量化を図りつつ、長期に亘って高い効率でモータを駆動することができる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両の駆動系の構成を示す図である。車両としては、走行駆動源としてモータを備える電気自動車、又はモータとエンジンとを併用するハイブリッド自動車に適用できる。
車両の駆動系は、バッテリB、昇圧コンバータ3、電圧センサ5、インバータ7、モータM及び制御装置9を備えて構成される。
バッテリBは、例えば、ニッケル水素又はリチウムイオン等の二次電池で構成される。
昇圧コンバータ3は、バッテリBからの直流電圧を昇圧して、インバータ7に供給する。
電圧センサ5は、昇圧コンバータ3の出力電圧(システム電圧)VHを検出し、検出信号を制御装置9へ出力する。
インバータ7は、前記システム電圧VHを入力して交流電圧に変換し、該交流電圧をモータMに出力する。
モータMは、車両の図示しない駆動輪を駆動するトルクを発生する。モータMは、三相モータであり、U,V,W相の3つのコイルは、夫々、インバータ7の図示しないU,V,W相のアームに接続される。
図2は、図1の回路構成を示す図である。
昇圧コンバータ3は、直流電力を蓄積可能なリアクトルL1と、スイッチング素子であるIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2と、を備えている。IGBT素子Q1,Q2は、電源ライン101とアースライン102との間に直列に接続されている。IGBT素子Q1は、そのコレクタが電源ライン101に接続され、エミッタがIGBT素子Q2のコレクタに接続されている。IGBT素子Q2は、そのエミッタがアースライン102に接続されている。ダイオードD1,D2は、それぞれ、IGBT素子Q1,Q2のコレクタ−エミッタ間に、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すように接続されている。リアクトルL1は、入力端がバッテリBに接続され、出力端がIGBT素子Q1とIGBT素子Q2との中間点、即ち、IGBT素子Q1のエミッタとIGBT素子Q2のコレクタとの間に接続されている。
インバータ7は、電源ライン101とアースライン102との間に並列に接続されたU相アーム111、V相アーム112及びW相アーム113を有する。U相アーム111は、直列接続されたIGBT素子Q11,Q12を有し、V相アーム112は、直列接続されたIGBT素子Q13,Q14を有し、W相アーム113は、直列接続されたIGBT素子Q15,Q16を有している。また、各IGBT素子Q11〜Q16のコレクタ−エミッタ間には、それぞれ、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD11〜D16が接続されている。各相アームの中間点は、モータMの各相コイル(図示せず)の各相端に接続されている。即ち、モータMのU,V,W相の3つのコイルの一端が中点(図示せず)に共通接続され、U相コイルの他端がIGBT素子Q11,Q12の中間点に、V相コイルの他端がIGBT素子Q13,Q14の中間点に、W相コイルの他端がIGBT素子Q15,Q16の中間点にそれぞれ接続されている。
昇圧コンバータ3とインバータ7との間には、直流電圧を平滑化するコンデンサユニットCが電源ライン101とアースライン102とに接続されている。
かかる回路の構成において、バッテリBが直流電圧を出力し、昇圧コンバータ3のIGBT素子Q1,Q2がスイッチングされると、バッテリBからの直流電圧は昇圧されてコンデンサユニットCに供給される。即ち、IGBT素子Q2がオンされた期間、直流電流がリアクトルL1に蓄積され、IGBT素子Q2がオフされたタイミングでリアクトルL1に蓄積された電力に応じた直流電圧がコンデンサユニットCに出力される。そして、コンデンサユニットCは、昇圧コンバータ3からの直流電圧を平滑化してインバータ7に供給する。インバータ7は、IGBT素子Q11〜Q16をスイッチングして昇圧コンバータ3からの直流電圧を交流電圧に変換してモータMに供給する。
制御装置9は、モータMのトルク指令値、モータMの回転速度などの各種信号に基づいて、システム電圧VHの制御目標値(以下、制御目標値とする)を設定し、電圧センサ5による検出値と比較しつつシステム電圧VHをフィードバック制御する。また、昇圧コンバータ3で昇圧された直流電流をモータMの駆動用の交流電流に変換させるように、インバータ7を制御する。
ここで、図3に示すように、上記システム電圧VHのフィードバック制御において、制御目標値が上昇変化したときなどに、システム電圧VHがオーバーシュートし、該オーバーシュートにより、インバータ7からモータMのコイルに印加される電圧が増大するのに伴って、コイルの巻線内電圧Vmのピーク値が大きく増大する。
コイルの巻線内電圧Vmが部分放電開始電圧Vm0以上になると、コイルに部分放電が生じる。部分放電開始電圧とは、コイルの巻線間で放電が開始されるコイルの巻線内電圧を意味する。部分放電には、同一相の巻線間の放電と、異なる相の巻線間の放電と、があり、本実施形態では、同一相の巻線間の放電が開始されるコイルの巻線内電圧をVm0としている。上述のように、この部分放電が繰り返されるにつれて、コイルの絶縁性能の劣化が進行する。
本実施形態では、コイルの絶縁被膜の厚さを特別大きくすることなく、システム電圧VHがオーバーシュートしたときの、コイルの部分放電の発生を許容する設計とする。したがって、コイルの部分放電の発生を完全に回避するためコイルの絶縁被膜を厚くするような過剰設計を行った場合と比較して、モータMの製造コストを下げられ、かつ、モータMを小型軽量化できる。
このようなモータMの設計とした上で、システム電圧VHを制限することなく部分放電の発生を許容しながら長期に亘って高いモータMの駆動効率を維持しつつ、コイルの部分放電の繰り返しにより絶縁性能の劣化が所定以上に進行した時点で、コイルの部分放電を発生させないようにシステム電圧VHを制限することにより、コイルの絶縁性能の劣化を抑制する構成とする。これにより、コイルの絶縁性能についても、より長期に亘って確保することが可能となる。
上記構成とするための各種設定について、以下に説明する。
図4は、システム電圧VHと、コイルの巻線内電圧Vmと、の関係を示す図である。システム電圧VHの増大に応じて、コイルの巻線内電圧Vmが増大する。ここで、コイルの巻線内電圧Vmが部分放電開始電圧Vm0に達するときのシステム電圧VHとして、所定電圧Vcを求め、この所定電圧Vcを制御装置9のメモリに記憶しておく。
ここで、部分放電開始電圧Vm0は、同一相の巻線間で放電が開始されるときのコイルの巻線内電圧Vmであるから、所定電圧Vcは、同一相の巻線間で放電が開始されるときのシステム電圧VHとして設定される。異なる相の巻線間の放電が同一相の巻線間の放電よりも低いシステム電圧VHで開始されるときは、所定電圧Vcとして、この異なる相の巻線間の放電が開始されるときのシステム電圧VHを設定してもよい。
なお、本実施形態では、システム電圧VHを所定電圧Vcより低下させれば、インバータ7の制御によらず、巻線内電圧Vmが部分放電開始電圧Vm0より低い範囲に収まり、コイルの部分放電が回避されるようになっている。
また、実験又はシミュレーション等により、コイルの巻線内電圧Vmが部分放電開始電圧Vm0以上となるときのシステム電圧VHの累積印加回数の閾値として、コイルの絶縁性能確保用の第1閾値Ncを求める。図5は、コイルの巻線内電圧Vmと、コイルの寿命(コイルに関して所定の絶縁性能が確保できなくなる時点のものとして定められる累積印加回数)と、の関係を示す図である。巻線内電圧Vmが部分放電開始電圧Vm0未満のときは、コイルの部分放電が回避されることから、コイルの絶縁性能が維持される。なお、図5のVmaxは、モータMの駆動時にコイルの巻線内電圧Vmのとり得る最大値を示す。第1閾値Ncは、部分放電開始電圧Vm0以上の巻線内電圧Vmをコイルに繰り返し印加した場合にコイルの絶縁性能を確保できる累積印加回数の最大値に設定する。この第1閾値Ncを、制御装置9のメモリに記憶する。
図6は、制御装置9により制御目標値を低下させる制御のフローチャートを示す図である。
ステップS1では、モータMの駆動中、電圧センサ5で検出されるシステム電圧VHを読み込む。
ステップS2では、システム電圧VHが所定電圧Vc未満の状態から増加方向に変化して所定電圧Vc以上へ移行したか判定する。
ステップS2で、システム電圧VHが所定電圧Vc以上へ移行していないと判定したときは、ステップS1へ戻り、システム電圧VHが所定電圧Vc以上へ移行したと判定したときは、ステップS3へ進んでカウントを行う(図7参照)。
ステップS4では、カウントの積算値N(カウント値)を更新する。
ステップS5では、カウントの積算値Nが第1閾値Ncに到達したか判定する。
ステップS5で、カウントの積算値Nが第1閾値Ncに到達していないと判定したときは、ステップS1へ戻る。
一方、ステップS5で、カウントの積算値Nが第1閾値Ncに到達したと判定したときは、ステップS6へ進んで、制御目標値の上限値VlをVs(Vs<Vc)まで低下させる(図8参照)。このようにすると、制御目標値の低下を、簡易な制御によって行うことができる。ここで、Vsは、システム電圧VHのオーバーシュート時の極大値が確実に所定電圧Vcより低くなる範囲で設定される。これにより、コイルの巻線内電圧Vmが部分放電開始電圧Vm0以上となることが防止され、コイルの部分放電が確実に防止される。
本実施形態によれば、積算値Nが第1閾値Ncに到達するまでは、制御目標値の上限値Vlが高く設定されることで、モータMの駆動効率を最大限に維持することができる。一方、積算値Nが第1閾値Ncに到達した後でも、必要なモータMの出力を確保しつつ、制御目標値の上限値Vlが低く設定されることで、コイルの部分放電が確実に防止され、絶縁性能の劣化を抑制することができ、コイルの絶縁性能を長期に亘って確保することができる。
また、コイルの部分放電を防止するためにコイルの絶縁皮膜を厚くする必要がないため、コイルの絶縁皮膜のコストを抑えつつ、コイルの絶縁性能を確保することができる。
さらに、コイルに電圧センサを設けてコイルの巻線内電圧Vmが部分放電開始電圧以上となるのを直接検出するのは、実質的に困難である。ここで、本実施形態では、電圧センサ5によりシステム電圧VHを検出することで、コイルにおける部分放電の発生状態を推定し、コイルの絶縁性能の劣化度合いを推測することができる。
図9は、本発明の第2実施形態を説明する図である。本実施形態では、制御装置9によるカウントに係る構成以外については、前記第1実施形態と同様である。
本実施形態に係る制御装置9は、システム電圧VHが所定電圧Vc以上へ移行する度に、システム電圧VHが所定電圧Vc以上に維持された時間を計測し、この時間が長くなるにつれてカウントを追加することで、積算値Nの増大補正を行う構成とする。この時間が長くなるほど、コイルの部分放電の持続時間も長くなり、コイルの絶縁性能の劣化が進行することから、カウントの追加により積算値Nの増大を促進させ、積算値Nを迅速に第1閾値Ncへ到達させる。これにより、コイルの絶縁性能をより確実に維持することができる。
図10は、本発明の第3実施形態を説明する図である。本実施形態では、制御装置9による時間の累積値の算出に係る構成以外については、前記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、システム電圧VHが所定電圧Vc以上へ移行する度に、システム電圧VHが所定電圧Vc以上に維持された時間を計測し、この時間の累積値(継続時間)を算出する。
この累積値の算出方式としては、例えば、フリップフロップ回路により、システム電圧VHが所定電圧Vc以上へ移行してから所定電圧Vc未満へ戻るまでの期間、ハイレベルを出力させ、この期間をタイマで計測ことができる。或いは、実験で求めたオーバーシュートの最小の持続時間(ΔTmin)に対し、ΔTmin/2未満の周期でカウントを行うようにしてもよく、このカウントの積算値に基づき、システム電圧VHが所定電圧Vc以上に維持された時間の累積値を求めることができる。
そして、この累積値がコイルの絶縁性能確保用の第2閾値に到達したとき、システム電圧VHのオーバーシュート時の極大値が確実に所定電圧Vcより低くなるように、制御目標値の上限値VlをVsまで低下させる。
したがって、予め実験により、コイルの巻線内電圧Vmが部分放電開始電圧Vm0以上となるシステム電圧VHの累積印加時間の閾値として、第2閾値を求め、これを制御装置9のメモリに記憶しておく。この第2閾値は、コイルの絶縁性能を確保できる最大値に設定する。
なお、前記第1実施形態では、簡易な構成によりコイルの絶縁性能の劣化度合いを推定できる。一方、第2,第3実施形態では、システム電圧VHのオーバーシュートの持続時間がばらつくことにより、システム電圧VHが所定電圧Vc以上に維持された時間にばらつきがあっても、コイルの絶縁性能の劣化度合いを高精度に推定できる。したがって、システム電圧VHのオーバーシュートの持続時間のばらつき度合いに応じて、前記第1実施形態と、第2,第3実施形態と、を使い分けるようにしてもよい。
図11及び図12は、本発明の第4実施形態を説明する図である。本実施形態では、制御装置9による制御目標値の上限値Vlの低下に係る構成以外については、前記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、制御目標値の上限値Vlを、積算値Nが増加するにつれて、図11に示すように段階的に低下させるか、又は図12に示すように連続的に低下させる。これにより、積算値Nが増加するにつれて、モータMの駆動効率は高いレベルの範囲内で低下するものの、制御目標値の上限値Vlの低下によりシステム電圧VHが所定電圧Vc以上へ移行するのが抑制されることで、積算値Nの増加速度が低下する。このため、長期に亘って高いモータMの駆動効率を維持することができる。
次に、本発明の第5実施形態では、所定電圧Vcのほか、この所定電圧Vcより高い所定電圧Vc’を閾値として設定している。この所定電圧Vc’の設定及びカウントの方式に係る構成以外については、前記第1実施形態と同様である。
そして、周期的にシステム電圧VHを検出し、システム電圧VHが所定電圧Vc’以上であれば、重み付けしてカウントを行い、これにより積算値Nの増大補正を行う。例えば、Vc≦VH<Vc’であればカウントを1回行い、VH≧Vc’であればカウントを2回行うようにする。また、所定電圧Vc’より大きな閾値を更に設定することもできる。
或いは、図13に示すように、システム電圧VHが所定電圧Vc以上へ移行したときカウントを行い、更に、システム電圧VHが所定電圧Vc’以上へ移行したときにもカウントを行うようにしてもよい。
オーバーシュート時のシステム電圧VHが高いほど、コイルの部分放電による絶縁性能の劣化が進行すると考えられるので、本実施形態により、カウントの積算値Nに基づいて、絶縁性能の劣化度合いをより高精度に推定することができる。その結果、コイルの絶縁性能の劣化度合いを大きく見積もって第1閾値Ncを必要以上に低く設定しなくて済み、より長期に亘ってモータMの駆動効率を高く維持することができる。
なお、部分放電を引き起こす所定の状態には、システム電圧VHが所定電圧以上へ移行したときのほか、システム電圧VHの上昇方向の急変時における変化幅が所定幅以上となったときも含まれる。したがって、上記各実施形態において、この変化幅が所定幅以上となったのを検出したときに、前記所定の状態であると判断して、カウントの追加を行うようにしてもよい。
3 昇圧コンバータ(電圧変換器)
5 電圧センサ(電圧検出手段)
7 インバータ
9 制御装置(制御手段)
B バッテリ(直流電源)
M モータ
5 電圧センサ(電圧検出手段)
7 インバータ
9 制御装置(制御手段)
B バッテリ(直流電源)
M モータ
Claims (14)
- 直流電源と、
前記直流電源の電圧を変圧して出力する電圧変換器と、
前記電圧変換器の出力電圧を交流電圧に変換してモータのコイルに印加するインバータと、
前記電圧変換器の出力電圧が前記モータのコイルにおける部分放電を引き起こす所定の状態であると判断された履歴を取得し、その取得した履歴に基づき、前記電圧変換器の出力電圧をより低い値となるよう制御する制御手段と、
を含んで構成されたモータの駆動装置。 - 前記制御手段は、前記履歴として、前記電圧変換器の出力電圧が前記部分放電を引き起こす所定電圧以上へ移行した履歴を取得する請求項1に記載のモータの駆動装置。
- 前記制御手段は、前記履歴を、前記電圧変換器の出力電圧が前記所定電圧以上へ移行したときに増加するカウント値として取得する請求項2に記載のモータの駆動装置。
- 前記制御手段は、前記カウント値を、前記電圧変換器の出力電圧が前記所定電圧以上に維持された時間の増大に応じて、増大補正する請求項3に記載のモータの駆動装置。
- 前記制御手段は、前記カウント値を、前記電圧変換器の出力電圧が前記所定電圧よりも高くなるほど、増大補正する請求項3または請求項4に記載のモータの駆動装置。
- 前記制御手段は、前記カウント値が前記コイルの絶縁性能確保用の第1閾値に達したときに、前記電圧変換器の出力電圧をより低い値となるよう制御する請求項3〜請求項5のいずれか1つに記載のモータの駆動装置。
- 前記制御手段は、前記履歴に基づき、前記電圧変換器の出力電圧を前記所定電圧よりも低い値となるよう制御する請求項2〜請求項6のいずれか1つに記載のモータの駆動装置。
- 前記制御手段は、前記履歴として、前記電圧変換器の出力電圧が前記所定の状態にある継続時間を取得する請求項1に記載のモータの駆動装置。
- 前記制御手段は、前記継続時間が前記コイルの絶縁性能確保用の第2閾値に達したときに、前記電圧変換器の出力電圧をより低い値となるよう制御する請求項8に記載のモータの駆動装置。
- 前記制御手段は、前記電圧変換器の出力電圧についてその制御目標値を低下させることで、該電圧変換器の出力電圧をより低い値となるよう制御する請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載のモータの駆動装置。
- 前記制御目標値の低下は、段階的である請求項10に記載のモータの駆動装置。
- 前記制御目標値の低下は、連続的である請求項10に記載のモータの駆動装置。
- 前記電圧変換器の出力電圧を検出する電圧検出手段を更に含んで構成され、
前記制御手段は、この電圧検出手段の検出した電圧に基づいて、前記所定の状態であるかの判断を行う請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載のモータの駆動装置。 - 直流電源の電圧を電圧変換器により変圧して出力し、
前記電圧変換器の出力電圧を交流電圧に変換してモータのコイルに印加し、
前記電圧変換器の出力電圧が前記モータのコイルにおける部分放電を引き起こす所定の状態であると判断された履歴を取得し、その取得した履歴に基づき、前記電圧変換器の出力電圧をより低い値となるよう制御するモータの駆動方法。
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