JP2010003471A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期信頼性に優れ、生産性も良好な非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】 正極と負極とがセパレータを介して積層され渦巻状に巻回されており、かつ巻回軸方向に垂直な断面において、最長径の長さが最短径の長さの2倍以上である巻回電極体を有する非水電解液二次電池であって、前記巻回電極体の端面の少なくとも一方に、繊維状の高分子化合物の集合体で構成された、非水電解液を流通可能な薄膜が、粘着テープまたは接着剤によって固定されていることを特徴とする非水電解液二次電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、扁平状の巻回電極体を備えており、優れた長期信頼性を有する非水電解液二次電池に関するものである。
非水電解液二次電池の小型化に際しては、正極と負極とをセパレータを介して重ね合わせて渦巻状に巻回し、扁平状に押し潰した形状の巻回電極体を、幅に対して厚みの小さな角筒形の電池容器に装填した角形電池の形態が、しばしば採用されている。このような形態の非水電解液二次電池では、扁平状の巻回電極体が、巻回軸方向に垂直な断面における長軸方向において固定されないため、充放電を繰り返した場合、その厚み方向(巻回軸方向に垂直な断面における短軸方向)に膨れが生じやすい。
扁平状の巻回電極体において前記の体積変化が生じると、電極体における電極と、電池の外部端子とを接続するための金属リードや外部端子を兼ねる電池容器との位置が、当初の設計からずれたり、正負極間に介在しているセパレータと正負極との相対位置がずれたりして、電池特性の低下の原因となる虞がある。また、前記の体積変化によって、扁平状の巻回電極体における正負極のいずれか一方に接続されている金属部品が、他方の極性の電極に接続されている金属部品と接触する可能性もあり、これにより電池の温度上昇などが引き起こされる虞もある。よって、前記のような充放電を繰り返した際の扁平状の巻回電極体の膨れを抑制して、電池の長期信頼性を高めることが求められる。
例えば、特許文献1には、電池容器の電池底部における短絡防止を目的として、扁平状の巻回電極体における電池底側の端面に、粘着テープを貼り付ける技術が提案されている。特許文献1のように、扁平状の巻回電極体の端面に粘着テープを貼り付けることで、電極体の各構成部材を固定して、膨れの発生を抑制できる可能性がある。
特開2005−243336号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術を適用すると、電池製造時において、非水電解液の注入に時間がかかるようになり、電池の生産性が損なわれることが、本発明者らの検討により判明した。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、長期信頼性に優れ、生産性も良好な非水電解液二次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水電解液二次電池は、正極と負極とがセパレータを介して積層され渦巻状に巻回されており、かつ巻回軸方向に垂直な断面において、最長径の長さが最短径の長さの2倍以上である巻回電極体を有する非水電解液二次電池であって、前記巻回電極体の端面の少なくとも一方に、繊維状の高分子化合物の集合体で構成された、非水電解液を流通可能な薄膜が、粘着テープまたは接着剤によって固定されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、長期信頼性に優れ、生産性も良好な非水電解液二次電池を提供することができる。
図1および図2に、本発明の非水電解液二次電池に係る巻回電極体を模式的に表わす斜視図を示している。図1は、巻回電極体1に、繊維状の高分子化合物の集合体で構成された、非水電解液を流通可能な薄膜(以下、単に「薄膜」という場合がある。)20を固定する前の様子を示しており、図2は、巻回電極体1の上側(電池としたときの上側)端面に薄膜20を配置し、粘着テープまたは接着剤21によって固定した様子を示している。図1および図2中、7は正極リード体、8は負極リード体である。
本発明の非水電解液二次電池では、巻回電極体1に、正極と負極とをセパレータを介して積層して渦巻状に巻回してなり、かつ巻回軸方向(図1および図2中上下方向)に垂直な断面において、最長径の長さが最短径の長さの2倍以上である巻回電極体を使用する。このような形状の巻回電極体、すなわち、扁平状の巻回電極体を使用することで、正極と負極との対向面積を大きくして、容量や電池特性(例えば負荷特性)を高めつつ、例えば、幅に対して厚みの小さな角筒形の電池容器や、金属ラミネートフィルムで構成されたラミネートフィルム外装体を使用することができるため、電池の小型化を図ることができる。
本発明に係る巻回電極体1では、その端面の少なくとも一方に、繊維状の高分子化合物の集合体で構成された、非水電解液を流通可能な薄膜20を、粘着テープまたは接着剤21によって固定する。前記の通り、扁平状の巻回電極体を用いた電池では、充放電を繰り返すことで、巻回電極体の厚み方向(巻回軸方向に垂直な断面における短軸方向)に膨れが生じやすい。そこで、本発明では、図2に示すように、扁平状の巻回電極体1の端面の少なくとも一方に薄膜20を配置し、これを粘着テープまたは接着剤21で固定することで、巻回電極体1の各構成部材の位置ずれを引き起こして電池特性の低下や電池の温度上昇などの原因となる巻回電極体1の体積変化(電池の充放電に伴う体積変化)を抑制して、長期にわたって高い信頼性を示す非水電解液二次電池としている。
ただし、扁平状の巻回電極体の端面全面に、粘着テープなどの、非水電解液を透過しない膜状の部材を配置して固定すると、電池製造時において、非水電解液の注入時間が長くなり、電池の生産性が低下する。
非水電解液二次電池は、例えば、上方に開口部を有する有底筒形の電池容器を使用する場合、この電池容器に巻回電極体を挿入し、巻回電極体の各電極のリード体を、外部端子や、外部端子と電極の有するリード体とを接続するためのリード板などと接続し、電池容器の開口部に電池蓋を配置し、両者の接合部を溶接することによって、電池容器の開口部を封口した後、電池蓋や電池容器に設けられた電解液注入口から非水電解液を注入し、その後、電解液注入口を封止する工程を経て製造される。また、金属ラミネートフィルムにより構成されるラミネートフィルム外装体を用いる電池の場合には、この外装体に巻回電極体を挿入し、巻回電極体の各電極のリード体を、外部端子や、外部端子と電極の有するリード体とを接続するためのリード板などと接続し、外装体の一部を残して他の部分を熱融着などにより封止し、未融着部から非水電解液を注入し、その後、未融着部を封止する工程を経て製造される。
前記の非水電解液を電池容器やラミネートフィルム外装体に注入する電解液注入工程では、注入した非水電解液を、巻回電極体の端面から、その内部に浸透させて、電池の充放電を可能とする。ところが、扁平状の巻回電極体の体積変化を抑制するために、その端面に、非水電解液を透過しない膜状の部材を配置して固定すると、非水電解液が端面から浸透し難くなる。そのため、巻回電極体の内部に非水電解液が十分に浸透するまでにかなりの時間を要するようになることから、電解液注入工程が長時間化して、電池の生産性が低下する。
そこで、本発明では、扁平状の巻回電極体の端面に固定する薄膜に、繊維状の高分子化合物の集合体で構成されており、非水電解液を流通可能な薄膜を使用することとし、電池の製造時における電解液注入工程の長時間化を抑制して、電池の生産性低下を抑えている。
扁平状の巻回電極体の端面に配置する薄膜は、繊維状の高分子化合物の集合体で構成されており、非水電解液を流通可能なものであればよいが、例えば、織布、不織布、紙などが挙げられる。
前記薄膜を構成する高分子化合物としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル;ポリフェニレンスルフィド(PPS);セルロースなどが挙げられる。
なお、前記薄膜を構成する高分子化合物は、前記例示のものの中でも高融点のものが好ましく、具体的には、融点[JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度]が、170℃以上のものが好ましく、200℃以上のものがより好ましい。前記の融点を有するものとしては、PET、PBT、PPSなどが挙げられる。
電池に使用するセパレータは、ポリオレフィン(ポリエチレンなど)で構成されたものが一般的であるが、このようなセパレータは、電池に異常が生じて電池内が高温になった際に収縮しやすく、これにより正極と負極とが接触して短絡が生じる虞がある。しかしながら、扁平状の巻回電極体の端面に配置する薄膜を、前記のような高融点の高分子化合物で構成した場合には、電池内が、セパレータが収縮するような温度になった場合でも、薄膜の形態を維持することができ、巻回電極体の各構成部材を継続して固定できる。そのため、セパレータの収縮をある程度抑制できることから、短絡の発生を抑えることが可能であり、電池の安全性を高めることができる。
また、前記薄膜としては、その構造上の特徴から、前記の高温下におけるセパレータの熱収縮を抑制する作用がより良好である点で、不織布または紙がより好ましい。
なお、前記薄膜が紙の場合、例えば、従来から知られているコンデンサーのセパレータに使用されている紙を用いることが好ましい。
前記薄膜における非水電解液の流通量は、例えば、前記薄膜の空隙率と厚みとを調整することによって調節することができる。前記薄膜における非水電解液の流通を良好にするには、前記薄膜の空隙率は、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、また、90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。
なお、前記薄膜の空隙率:P(%)は、前記薄膜の厚み、面積あたりの質量、構成成分の密度から、次式を用いて各成分iについての総和を求めることにより計算できる。
P = Σaρ/(m/t)
ここで、前記式中、a:質量%で表した成分iの比率、ρ:成分iの密度(g/cm)、m:前記薄膜の単位面積あたりの質量(g/cm)、t:前記薄膜の厚み(cm)、である。
更に、前記薄膜における非水電解液の流通を良好にするには、前記薄膜の厚みは、10μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、また、500μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
前記薄膜は、扁平状の巻回電極体のいずれか一方の端面に配置すればよく、両方に配置してもよいが、筒形(角筒形)の電池容器を使用する場合には、図2に示すように、少なくとも上側(電池としたときの上側)の端面に配置することが、より好ましい。扁平状の巻回電極体の下側の端面は、電池容器の内底(通常は短絡防止のために絶縁板が配置されるため、前記絶縁板)と接するため、巻回電極体の下側では各構成部材間のずれなどが比較的生じ難いのに対し、巻回電極体の上側は、通常、電池のいずれの部材とも接することがないため、巻回電極体の各構成部材間のずれなどを抑える作用が働き難いからである。他方、ラミネートフィルム外装体を使用する電池の場合には、扁平状の巻回電極体の両端面に、前記薄膜を配置することが、より好ましい。
前記薄膜は、図2に示すように、粘着テープまたは接着剤によって巻回電極体に固定する。粘着テープとしては、例えば、従来から知られている非水電解液二次電池において、例えば巻回電極体の巻き止めに使用されている粘着テープなどが使用できる。
なお、前記薄膜を接着剤によって巻回電極体に固定する場合、図2に示すように、前記薄膜の巻回電極体とは反対側の表面の端部と巻回電極体側面の端部とを、接着剤により形成される膜によって固定することが好ましい。このような固定方法を採用した場合には、前記薄膜における非水電解液の透過性が、接着剤によって損なわれるのを可及的に抑えつつ、前記薄膜を巻回電極体に良好に固定することができる。よって、前記薄膜を巻回電極体に固定するための接着剤膜を形成するための接着剤には、製膜製を有するものが好ましく、例えば、ポリアミドやポリイミドのワニスが使用可能である。
前記薄膜を巻回電極体の端面に固定する場合、その固定強度をより高めて、巻回電極体の体積変化による問題を、より良好に回避する観点からは、粘着テープや接着剤(接着剤により形成される膜)によって覆われる前記薄膜の面積は、前記薄膜の平面視での全面積のうち、10%以上とすることが好ましく、30%以上とすることがより好ましい。ただし、前記薄膜のうち、粘着テープや接着剤によって覆われる領域が大きすぎると、非水電解液が流通し難くなる虞があることから、粘着テープや接着剤によって覆われる前記薄膜の面積は、前記薄膜の平面視での全面積のうち、80%以下とすることが好ましく、50%以下とすることがより好ましい。
また、粘着テープや接着剤によって覆われる巻回電極体側面の面積は、例えば、粘着テープや接着剤によって覆われる前記薄膜の面積と同等以上とすればよい。
粘着テープや接着剤によって前記薄膜を固定する箇所は、巻回電極体の体積変化による問題を、より良好に回避する観点からは、複数(例えば、2箇所、3箇所、4箇所、またはそれ以上)であることが好ましいが、あまり多くの箇所を固定するようにすると、前記薄膜の固定作業が煩雑になる虞があることから、例えば、図2に示すように2箇所であることがより好ましい。
本発明の非水電解液二次電池に係る正極は、例えば、正極活物質や、導電助剤、バインダなどを含有する正極合剤層を有しており、この正極合剤層が、集電体の片面または両面に形成されたものが挙げられる。
正極活物質としては、従来から知られている非水電解液二次電池に用いられている正極活物質であれば特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、マンガン酸リチウム、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、チタン酸リチウム、酸化バナジウム、酸化モリブデンなどが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極の導電助剤としては黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックなどを用いることができるが、主成分としてカーボンブラックを用いることがより好ましい。
正極のバインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョンや、粉末のPTFE、ゴム系バインダ、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などを用いることができるが、PVDFを用いることがより好ましい。
正極の集電体としては、アルミニウム、チタンなどからなる箔、平織り金網、エキスパンドメタル、ラス網、パンチングメタルなどを用いることができるが、アルミニウム箔を用いることがより好ましい。集電体の厚みは、10〜20μmであることが好ましい。
正極は、例えば、前記の正極活物質、導電助剤およびバインダなどからなる正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させてなる正極合剤含有ペーストを調製し(バインダは溶剤に溶解していてもよい)、これを集電体の片面または両面に塗布し、乾燥させ、必要に応じてプレス処理などを施して正極合剤層を形成することにより製造できる。なお、本発明に係る正極の製法は、前記の製法に限定される訳ではなく、他の製法により製造してもよい。
正極に係る正極合剤層においては、正極活物質の含有量が95〜99質量%、導電助剤の含有量が0.5〜2質量%、バインダの含有量が0.5〜3質量%であることが好ましい。また、正極合剤層の厚みは、正極集電体の片面あたり、40〜100μmであることが好ましい。
本発明の非水電解液二次電池に係る負極としては、例えば、負極活物質、バインダなどを含有する負極合剤層が、集電体の片面または両面に形成されてなるものが挙げられる。
負極に用いる活物質としては、天然黒鉛、メソフェーズカーボン、非晶質カーボンなどの炭素材料が好ましく、これらの炭素材料を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
負極のバインダとしては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)などのセルロース;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴムなどのゴム系バインダ;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
負極の集電体としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼などからなる箔、平織り金網、エキスパンドメタル、パンチングメタルなどを用いることができるが、銅箔を用いることがより好ましい。集電体の厚みは、5〜15μmであることが好ましい。
負極は、例えば、前記の負極活物質およびバインダなどからなる正極合剤を、NMPや水などの溶剤に分散させてなる負極合剤含有ペーストを調製し(バインダは溶剤に溶解していてもよい)、これを集電体の片面または両面に塗布し、乾燥させて負極合剤層を形成することで製造できる。なお、本発明に係る負極の製法は、前記の製法に限定される訳ではなく、他の製法により製造してもよい。
負極に係る負極合剤層においては、負極活物質の含有量が90〜99.9質量%、バインダの含有量が0.1〜10質量%であることが好ましい。また、負極合剤層の厚みは、負極集電体の片面あたり、40〜100μmであることが好ましい。
本発明の非水電解液二次電池に係るセパレータとしては、従来から知られている非水電解液二次電池で用いられているセパレータ、例えば、PE、PPなどのポリオレフィン製の微孔性フィルムや不織布などの他、PET、PBTなどのポリエステルや、PPSなどの高耐熱性の樹脂製の微孔性フィルムや不織布などが使用できる。セパレータの厚みは、例えば、10〜20μmであることが好ましい。
非水電解液としては、従来から知られている非水電解液二次電池で使用されている非水電解液、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液などが用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiN(CFSOなどが挙げられる。また、有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキソランなどが例示できる。非水電解液におけるリチウム塩濃度は、例えば、0.2〜1.5mol/lであることが好ましい。
電池容器(外装体)としては、前記の通り、扁平状の巻回電極体を用いた電池に用いられているアルミニウム製やステンレス鋼製で角形(角筒形)の電池容器や、金属箔(アルミニウム箔など)を芯材とした金属ラミネートフィルムで構成されるラミネート外装体などが使用できる。
角形の電池容器の場合、電池蓋は、前記の通り、電池容器にレーザー溶接される他、パッキングを介したクリンプシールにより密封されるものも使用できる。なお、電池蓋や電池容器の底には、薄肉部からなるベントを設けて、電池内圧が急激に上昇した際の安全性を確保し得る構造としてもよい。
本発明の非水電解液二次電池は、各種電子機器の電源用途を始めとして、従来から知られている非水電解液二次電池が適用されている各種用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。なお、後記の実施例で示す巻回電極体の端面に配置した薄膜の空隙率は、先に説明した方法により測定したものである。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質であるLiCo0.99Al0.004Mg0.004Ti0.002:97.3質量%、カーボンブラック:1.5質量%、およびPVDF:1.2質量%を、適量のNMPを溶剤として十分に混合して正極合剤含有ペーストを調製した。この正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔の両面に塗布した。なお、正極合剤含有ペーストの塗布量は、乾燥後の量で19.5mg/cmとなるようにした。その後、110±10℃で乾燥させ、プレス処理を施して厚みを120μmとした後、両面塗布長の合計が616mm、幅36mmとなるようにスリットして正極を得た。正極には、電池の外部端子(電池蓋)と接続するためのリード体を溶接した。
<負極の作製>
カーボン:97.8質量%、CMC:1.2質量%およびSBR:1質量%を、水を溶剤として十分に混合して負極合剤含有ペーストを調製した。この負極合剤含有ペーストを、厚みが8μmの銅箔の両面に塗布した。なお、負極合剤含有ペーストの塗布量は、乾燥後の量で10.6mg/cmとなるようにした。その後、110±10℃で乾燥させ、プレス処理を施して厚みを120μmとした後、両面塗布長の合計が698mm、幅37mmとなるようにスリットして、負極を得た。負極には、電池の外部端子と接続するためのリード体を溶接した。
<巻回電極体の作製>
厚みが0.025mmで幅が40mmのPE製微孔性フィルムからなるセパレータを介して、前記の正極と前記負極とを重ね、渦巻状に巻回して巻回電極体とした後、押し潰して、扁平状の巻回電極体を得た。得られた巻回電極体は、巻回軸方向に垂直な断面において、最長径の長さが最短径の長さの10.3倍である。
次に、前記の扁平状の巻回電極体の電池上側となる端面に、厚みが35μmで、空隙率が77%のPPS製不織布(前記薄膜)を配置し、図2に示すように、粘着テープで固定した。なお、この際、粘着テープで覆った部分の面積は、PPS製不織布の平面視での全面積のうち40%とした。
<電池の組み立て>
前記の巻回電極体をアルミニウム製の金属容器(電池容器)に装填した。そして、正極のリード体を電池蓋に直接溶接し、負極のリード体を、電池蓋に取り付けた外部端子と接続したリード板に溶接した後、電池容器の開口部に電池蓋を被せ、電池容器の開口端と電池蓋とをレーザー溶接し、電池蓋に設けた電解液注入口から非水電解液を注入した。非水電解液には、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートとを1:1:3(体積比)で混合した混合溶媒に、LiPFを1.2mol/lの濃度で溶解させた溶液を用いた。その後、電解液注入口を封口して、高さ43mm、幅34mm、厚み4.6mmで、図3および図4に示す角形の非水電解液二次電池を得た。
ここで図3および図4に示す電池について説明すると、図3の(a)は平面図、(b)はその部分断面図であって、図3(b)に示すように、正極2と負極3はセパレータ4を介して渦巻状に巻回し、押し潰した形状の扁平状の巻回電極体1として、角形の電池容器5に非水電解液と共に収容されている。また、巻回電極体1の上側の端面には、PPS製不織布(薄膜)20が配置され、粘着テープ(図示しない)により固定されている。ただし、図3では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や非水電解液などは図示していない。
電池容器5はアルミニウム製で電池の外装材を構成するものであり、この電池容器5は正極端子を兼ねている。そして、電池容器5の底部にはPEシートからなる絶縁体6が配置され、正極2、負極3およびセパレータ4からなる巻回電極体1からは、正極2および負極3のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、電池容器5の開口部を封口するアルミニウム製の電池蓋9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この電池蓋9は電池容器5の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、電池容器5の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図3の電池では、電池蓋9に電解液注入口14が設けられており、この電解液注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている(従って、図3および図4の電池では、実際には、電解液注入口14は、電解液注入口と封止部材であるが、説明を容易にするために、電解液注入口14として示している)。更に、電池蓋9には、防爆ベント15が設けられている。
この実施例1の電池では、正極リード体7を電池蓋9に直接溶接することによって電池容器5と電池蓋9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、電池容器5の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図4は前記図3に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図4は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図4では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図3においても、巻回電極体の内周側の部分は断面にしていない。
更に、図3および図4は、実施例1の非水電解液二次電池の形状や構造の理解を容易にするためのものであり、これらで示した電池の各構成要素のサイズは、必ずしも正確ではない。
なお、完全に電池としたものとは別に、電池容器に巻回電極体を挿入し、各電極のリード体を前記と同様にして電池蓋またはリード板に接続し、電池容器の開口部に電池蓋を被せ、電池容器の開口端と電池蓋とをレーザー溶接して電池前駆体を作製した。この電池前駆体を前記と同じ非水電解液を満たした容器に投入して、真空ポンプで電池前駆体の内部を減圧し、30秒ごとに電池前駆体の質量増加を測定することで、減圧開始から5分後および10分後における非水電解液の注入量を測定した。
実施例2
巻回電極体の上側端面に配置する前記薄膜を、PPS不織布から、厚みが35μmで、空隙率が70%の紙に変更した以外は、実施例1と同様にして非水電解液二次電池および電池前駆体を作製し、電池前駆体については、実施例1と同様にして非水電解液の注入量を測定した。
実施例3
巻回電極体の上側端面に配置する前記薄膜を、PPS製不織布から、厚みが35μmで、空隙率が70%のPP製不織布に変更した以外は、実施例1と同様にして非水電解液二次電池および電池前駆体を作製し、電池前駆体については、実施例1と同様にして非水電解液の注入量を測定した。
比較例1
巻回電極体の上側端面に前記薄膜を配置せず、前記上側端面を粘着テープで覆って固定した以外は、実施例1と同様にして非水電解液二次電池および電池前駆体を作製し、電池前駆体については、実施例1と同様にして非水電解液の注入量を測定した。
比較例2
巻回電極体の上側端面に配置したPPS製不織布(前記薄膜)について、粘着テープによる固定を行わなかった以外は、実施例1と同様にして非水電解液二次電池および電池前駆体を作製し、電池前駆体については、実施例1と同様にして非水電解液の注入量を測定した。
実施例1〜3および比較例1〜2の非水電解液二次電池について、下記の充放電サイクル特性評価および130℃オーブン試験を行った。これらの結果を、電池前駆体における非水電解液注入量測定結果と合わせて表1に示す。
<充放電サイクル特性>
実施例1〜3および比較例1〜2の非水電解液二次電池について、45℃での温度下で、0.5Aの電流値で4.4Vになるまで定電流充電を行い、その後、4.4Vで定電圧充電を行った。なお、定電流充電と定電圧充電の総充電時間は、2時間30分とした。そして、充電後の各電池を、45℃の温度下で、0.2Cの電流値で3.0Vになるまで放電させた。前記の充電および放電の一連の操作を1サイクルとして、この充放電を200サイクル実施し、1サイクル目の放電容量(a)および200サイクル目の放電容量(b)を求め、下記式により200サイクル目の容量維持率を求めた。
200サイクル目の容量維持率(%) = 100×(b)/(a)
また、前記の充放電200サイクル後の各電池の膨れ量(厚みの増加量)も測定した。
<130℃オーブン試験>
実施例1〜3および比較例1〜2の非水電解液二次電池(前記の充放電サイクル特性評価に用いたものとは別の電池)について、前記の充放電サイクル特性評価と同じ条件で充電を行った。充電後の各電池を、130℃に調節したオーブンに入れて2時間放置し、その際の各電池の表面温度を追跡し、それらの最高温度を求めた。
Figure 2010003471
表1から明らかなように、実施例1〜3の非水電解液二次電池は、充放電200サイクル後においても、電池膨れ、すなわち巻回電極体の膨れが抑制されており、また、容量維持率も高く、長期信頼性が良好である。更に、実施例1〜3では、電池前駆体における非水電解液注入量が、5分後、10分後のいずれにおいても多く、非水電解液の注入工程の長時間化による電池の生産性低下を抑制できている。
これに対し、前記薄膜を用いずに粘着テープのみで巻回電極体の上側端面を固定した比較例1においては、電池前駆体における非水電解液注液量が少なく、電池の生産性が劣っている。また、前記薄膜を粘着テープで固定しなかった比較例2の電池では、充放電200サイクル後において、電池膨れ、すなわち巻回電極体の膨れが大きく、また、容量維持率も非常に低い。
更に、130℃オーブン試験については、巻回電極体の上側端面に配置する薄膜に、融点が170℃以上のPPSで構成された不織布を用いた実施例1の電池、および、少なくとも200℃まで融点を持たない紙を用いた実施例2の電池では、その表面温度が、オーブンの温度から僅かに上昇した程度である。これに対し、前記薄膜に融点が170℃未満のPPで構成された不織布を用いた実施例3の電池や、巻回電極体の上側端面を粘着テープのみで固定した比較例1の電池は、実施例1〜2の電池に比べて、表面温度上昇が大きい。また、PPS不織布を巻回電極体の上側端面に配置したものの、固定をしなかった比較例2の電池は、表面温度の上昇が非常に大きい。
本発明の非水電解液二次電池に係る巻回電極体および巻回電極体の端面に配置する薄膜を模式的に示す斜視図である。 薄膜を上側端面に配置し固定した本発明の非水電解液二次電池に係る巻回電極体を模式的に示す斜視図である。 本発明の非水電解質二次電池の一例を模式的に示す図で、(a)はその平面図、(b)はその部分縦断面図である。 図3に示す非水電解液二次電池の斜視図である。
符号の説明
1 巻回電極体
20 薄膜
21 粘着テープまたは接着剤

Claims (3)

  1. 正極と負極とがセパレータを介して積層され渦巻状に巻回されており、かつ巻回軸方向に垂直な断面において、最長径の長さが最短径の長さの2倍以上である巻回電極体を有する非水電解液二次電池であって、
    前記巻回電極体の端面の少なくとも一方に、繊維状の高分子化合物の集合体で構成された、非水電解液を流通可能な薄膜が、粘着テープまたは接着剤によって固定されていることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 前記薄膜が、融点が170℃以上の高分子化合物で構成された不織布である請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記薄膜が、紙である請求項1に記載の非水電解液二次電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016091635A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 三菱マテリアル株式会社 蓄電デバイスの製造方法
JP2016152149A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 株式会社Gsユアサ 蓄電素子、及び蓄電装置
WO2022059338A1 (ja) * 2020-09-17 2022-03-24 株式会社村田製作所 二次電池

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