JP2010001789A - 内燃機関のデコンプ装置 - Google Patents

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Shuji Hirayama
周二 平山
Masaichi Motoki
雅一 元木
Takashi Hayakawa
孝 早川
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Abstract

【課題】少ない部品点数で特別な加工もなく小型に構成できるとともに、燃料消費量を抑えることが可能な内燃機関のデコンプ装置を供する。
【解決手段】カムシャフト5と、カムロブ7に回動自在に支持され回動角度により機関弁に作用するデコンプカム31と、カムロブ7の側面に軸支され遠心力により揺動するデコンプウエイト40と、デコンプウエイト40の揺動をデコンプカム31の回動に動力伝達する動力伝達部材45と、デコンプウエイト40の遠心力による揺動に抗する方向に付勢する付勢手段とを備えた内燃機関のデコンプ装置において、付勢手段が、ねじりコイルスプリング50であり、ねじりコイルスプリング50は、カムシャフト5に巻回され、一端がデコンプウエイト40に係止され、他端がカムシャフト5に係止されるデコンプ装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の始動時に、機関弁を開弁することでピストンによる圧縮圧力を低減して始動を容易にするデコンプ装置に関する。
従来、機関弁を開閉するカムシャフトのカムロブにデコンプカムが回動自在に支持されて、内燃機関の始動時にデコンプカムの回動角度によりデコンプカムがカムロブの外周面より若干突出して所定タイミングで機関弁を開弁して燃焼室の圧縮圧力を低減するデコンプ方法が提案されている。
そしてデコンプカムを回動させるのに、カムシャフトの回転による遠心力により揺動するデコンプウエイトがカムシャフトの端部に揺動自在に設けられ、デコンプウエイトは遠心力による揺動に抗する方向に付勢手段により付勢されている。
スタータモータ等によりクランクシャフトを強制的に回転して内燃機関が始動されると、当初機関回転数が低いときは、デコンプウエイトは遠心力が弱く付勢手段によりデコンプ位置に維持されて始動を容易にし、始動して機関回転数が上昇すると、デコンプウエイトは遠心力により付勢手段の付勢力に抗してデコンプ解除位置に揺動してデコンプを解除して通常の機関運転により内燃機関は機関回転数を上昇してアイドリング回転数に制御される。
逆に機関停止するときは、機関回転数が低下してアイドリング回転数となり、さらにアイドリング回転数を下回ったところで、遠心力によりデコンプ解除位置にあったデコンプウエイトが付勢手段の付勢力により揺動しデコンプ位置に至る。
常にアイドリング回転数より低い機関回転数で、デコンプウエイトはデコンプ解除位置からデコンプ位置に揺動する必要がある。
遠心力によるデコンプウエイトの揺動に抗する方向に付勢する付勢手段には、カムシャフトに形成した凹部に圧縮コイルバネを介装して戻しピストンを嵌挿したものがあり、同戻しピストンが圧縮コイルバネのバネ力によりデコンプウエイトを遠心力による揺動に抗する方向に押圧する例がある(例えば、特許文献1参照)。
また、カムシャフトに回動自在に支持されデコンプウエイトを揺動自在に軸支するデコンプウエイトシャフトに、ねじりコイルスプリングが巻回され、同ねじりコイルスプリングの一端がカムシャフト側に係止され、他端がデコンプウエイトに係止されて、デコンプウエイトを遠心力による揺動に抗する方向に付勢する例がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−64083号公報 特開2003−254025号公報
特許文献1に開示された付勢手段は、圧縮コイルバネ以外に戻しピストンを必要とし、部品点数が多いとともに、カムシャフトに凹部を加工形成しなければならず、製造の時間と費用を要する。
これに対して、特許文献2は、ねじりコイルスプリングのみでデコンプウエイトを付勢しているので、部品点数は少なくてすみ、またカムシャフトに特別な加工を施す必要がなく、低コストであるが、ねじりコイルスプリングはカムシャフトに回動自在に支持される小径のデコンプウエイトシャフトに巻回されるので、ねじりコイルスプリングの巻回部の径は小さく、よってねじりコイルスプリングのバネ定数が大きくなる。
ねじりコイルスプリングのバネ定数が大きいと、機関停止するときに、機関回転数が低下して遠心力によりデコンプ解除位置にあったデコンプウエイトがねじりコイルスプリングの付勢力によりデコンプ位置に揺動し始める機関回転数が高くなる。
アイドリング回転数は、この揺動し始める機関回転数よりさらに高い回転数に設定しなければならないので、自ずとアイドリング回転数は高くなり、そのため燃料消費量を抑え難くなる。
なお、ねじりコイルスプリングの巻回部の径が小さくとも、巻回部の巻き回数を多くすればバネ定数を小さくすることができるが、巻き回数を多くすることはねじりコイルスプリングの巻き方向(デコンプウエイトシャフトの軸方向)の幅長が大きくなってねじりコイルスプリングの収容スペースの確保が容易でなくなるか、デコンプ装置が大型化する。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、少ない部品点数で特別な加工もなく小型に構成できるとともに、燃料消費量を抑えることが可能な内燃機関のデコンプ装置を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、シリンダヘッドに回転自在に軸支され機関弁を開閉するカムロブが形成されたカムシャフトと、前記カムロブに回動自在に支持され回動角度により前記機関弁に作用するデコンプカムと、前記カムロブの側面に突設されたデコンプウエイトシャフトに軸支され遠心力により揺動するデコンプウエイトと、前記デコンプウエイトの揺動を前記デコンプカムの回動に動力伝達する動力伝達部材と、前記デコンプウエイトの遠心力による揺動に抗する方向に付勢する付勢手段とを備えた内燃機関のデコンプ装置において、前記付勢手段は、ねじりコイルスプリングであり、前記ねじりコイルスプリングは、前記カムシャフトに巻回され、一端が前記デコンプウエイトのウエイト側係止部に係止され、他端が前記カムシャフトのカムシャフト側係止部に係止される内燃機関のデコンプ装置とした。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関のデコンプ装置において、前記ねじりコイルスプリングは、前記カムシャフトに巻回される巻回部から前記ウエイト側係止部に向けて直線的にウエイト側延出部が延び、前記デコンプウエイトシャフトのウエイト軸中心と前記カムシャフトのカム軸中心とを結ぶ第1の線分と、前記デコンプウエイトシャフトのウエイト軸中心と前記ねじりコイルスプリングの前記ウエイト側延出部の前記巻回部側端部とを結ぶ第2の線分とを想定し、前記ねじりコイルスプリングの一端が係止される前記デコンプウエイトの前記ウエイト側係止部が、前記第1の線分と前記第2の線分により挟まれる鋭角領域内に位置することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の内燃機関のデコンプ装置において、前記ねじりコイルスプリングの前記巻回部が、前記カムシャフトの軸線方向で前記デコンプカムと同じ位置になるように配置したことを特徴とする。
請求項1記載の内燃機関のデコンプ装置によれば、付勢手段はねじりコイルスプリングであるので、部品点数が少なく、カムシャフトに巻回されるのに、カムシャフトに特別加工を施す必要がない。
そして、ねじりコイルスプリングは比較的径の大きいカムシャフトに巻回されるので、巻回部の径を自ずと大きく形成することができ、巻き回数を増やして巻き方向の幅長を大きくして大型化することなく、ねじりコイルスプリングのバネ定数を小さくすることができ、バネ定数を小さくすることで、機関回転数が低下してデコンプウエイトがデコンプ解除位置からデコンプ位置に揺動し始める機関回転数を低くし、これに伴いアイドリング回転数も低く設定して、燃料消費量を抑えることができる。
請求項2記載の内燃機関のデコンプ装置によれば、デコンプウエイトシャフトのウエイト軸中心と前記カムシャフトのカム軸中心とを結ぶ第1の線分と、デコンプウエイトシャフトのウエイト軸中心とねじりコイルスプリングのウエイト側延出部の前記巻回部側端部とを結ぶ第2の線分とを想定し、ねじりコイルスプリングの一端が係止されるデコンプウエイトのウエイト側係止部が、第1の線分と第2の線分により挟まれる鋭角領域内に位置するので、デコンプウエイトがデコンプ位置からデコンプ解除位置に揺動したときに、ねじりコイルスプリングの一端が係止されるウエイト側係止部は、ウエイト軸中心とカム軸中心とを結ぶ第1の線分に略垂直に移動し、そのため、ねじりコイルスプリングの巻き方向に沿ってねじりコイルスプリングを効果的にねじることができ、ねじりコイルスプリングのねじりバネ力を有効に働かせることができる。
請求項3記載の内燃機関のデコンプ装置によれば、ねじりコイルスプリングの巻回部が、カムシャフトの軸線方向でデコンプカムと同じ位置になるように配置したので、軸線方向に拡張されるのを抑え、スペースを有効に利用してデコンプ装置をコンパクトに構成することができる。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図7に基づいて説明する。
本実施の形態に係る内燃機関Eは、自動二輪車に搭載されるパワーユニットPの前部をなす単気筒4ストローク内燃機関であり、パワーユニットPの全体断面図を図1に示す。
パワーユニットPは前部の内燃機関Eから後方にかけてベルト式無段変速機Tが構成され、その後部に設けられた減速機構Rに後輪が設けられる。
内燃機関Eは、左右割りの左右クランクケース72,72に主軸受71,71を介してクランク軸70が左右水平方向に指向して軸支され、この左右クランクケース72,72からシリンダブロック73が略水平に近い前傾姿勢で突設され、シリンダブロック73にシリンダヘッド1が重ねられて一体に締結され、シリンダヘッド1に被せられるヘッドカバー75の内部に動弁機構Vが設けられる。
シリンダブロック73のシリンダボア内を往復動するピストン76とクランク軸70とをコンロッド77が連結してクランク機構を構成している。
ピストン76の頂面とシリンダヘッド1の天井面との間に燃焼室78が形成され、シリンダヘッド1には燃焼室78に向かって斜めに点火プラグ79が嵌挿される。
クランク軸70の右クランクケース71の主軸受71より右方に突出した右軸部にACジェネレータ80が設けられ、ACジェネレータ80のアウタロータに空冷ファン81が取り付けられている。
クランク軸70の左クランクケース71の主軸受71より左方に突出した左軸部にベルト式無段変速機Tのベルト駆動プーリ82が一体となって回転可能に設けられている。
ベルト駆動プーリ82に対応する後方のベルト被動プーリ83は、減速機構Rは減速機入力軸86に対し相対回転自在に支持されるインナスリーブ85に支持されており、ベルト駆動プーリ82とベルト被動プーリ83との間にVベルト84が架渡されている。
ベルト被動プーリ83からインナスリーブ85に伝達された動力は、遠心クラッチ87を介して減速機入力軸84に伝達され、減速機入力軸84の回転は減速機構Rを介して減速されて減速機出力軸88と一体の後輪に伝達される。
シリンダヘッド1の上部に設けられる動弁機構Vは、シリンダヘッド1の上部に左右に相対向して突出した軸受部1L,1Rに、それぞれベアリング2,3を介してカムシャフト5が、左右方向に指向して回転自在に軸支されている(図3参照)。
カムシャフト5の右端は右側のベアリング3に軸支され、カムシャフト5の左端は左側を軸支するベアリング3より左方に突出しており、突出した左端にチェーン被動スプロケット91が取り付けられる。
一方で、クランク軸70の左軸部には左側の主軸受71とベルト駆動プーリ82との間にチェーン駆動スプロケット90が嵌着されており、同チェーン駆動スプロケット90とチェーン被動スプロケット91との間にチェーン92が架渡される(図1参照)。
チェーン92はクランクケース72,シリンダブロック73,シリンダヘッド1に連続して形成されたチェーン室93を挿通している。
動弁機構Vにおいて、カムシャフト5の左右ベアリング2,3間に吸気カムロブ6と排気カムロブ7が左右に隣り合わせて形成されている。
図2を参照して、吸気カムロブ6のカム外周面に吸気ロッカアーム11の一端に軸支されたローラ11rが接しており、吸気ロッカアーム11の他端が吸気バルブ11vに作用する。
同様に、排気カムロブ7のカム外周面に排気ロッカアーム12の一端に軸支されたローラ12rが接しており、排気ロッカアーム12の他端が排気バルブ12vに作用する。
したがって、内燃機関Eの駆動で、クランク軸70の回転がカムチェーンを介してカムシャフト5に伝達されると、吸気カムロブ6の回転で吸気ロッカアーム11を介して吸気バルブが所定タイミングで開閉駆動し、排気カムロブ7の回転で排気ロッカアーム12を介して排気バルブが所定タイミングで開閉駆動する。
排気カムロブ7と右側のベアリング3との間に、デコンプ装置30が設けられている。
なお、ベアリング3のインナレースにカムシャフト5の端部を嵌合する際に中空円板状のストッパプレート9がベアリング3に沿って挟持され、同ストッパプレート9と排気カムロブ7との間に、デコンプ装置30が設けられる。
概ね卵形をしたプロファイルの排気カムロブ7のカムノーズに対して反対側部分にデコンプカム31が右方に向けて突設されている。
デコンプカム31は、図7に示すように、大径の円柱本体部32と同円柱本体部32から中心軸に同軸に突出した小径の支軸33とからなり、支軸33が排気カムロブ7のカムノーズと反対側部分にカム軸方向に穿孔された円孔に回動自在に嵌合され、円柱本体部32が排気カムロブ7の右側面から突出している。
デコンプカム31の円柱本体部32の左側部分には端縁部32aの一部の円弧部分をその弦から切欠いた切欠き32bが形成され、円柱本体部32の右側端部には中心から半径方向に外周縁までU字状に欠損した凹部32cが形成されている。
切欠き32bと凹部32cとは所定の位置関係にある。
該デコンプカム31が支軸33を排気カムロブ7のカムノーズと反対側部分の円孔に回動自在に挿入して回動自在に取り付けられると、排気カムロブ7の右側面から突出する円柱本体部32は、排気カムロブ7のベース円より若干外側にはみ出すとともに、カムシャフト5の軸部との間に適度な間隙を構成する。
排気ロッカアーム12の一端に軸支されたローラ12rは、右端外周面以外が排気カムロブ7の外周面に接し、右端外周面はデコンプカム31の円柱本体部32の左端部に対向し、デコンプカム31の回動角度位置によって切欠き32bが対向することがある。
ローラ12rの右端外周面がデコンプカム31の切欠き32bに対向したときは、ローラ12rは排気カムロブ7にのみ接して、排気バルブはデコンプ解除状態の開閉駆動を行う(図5,図6参照)。
ローラ12rの右端外周面がデコンプカム31の切欠き32b以外の左端外周面32aに対向するときは、排気カムロブ7のベース円より外側にはみ出した左端外周面32aの円弧面にローラ12rの右端外周面が接し、排気バルブは閉弁タイミングで多少開弁するデコンプ状態の開閉駆動を行う(図3,図4参照)。
排気カムロブ7におけるデコンプカム31が取り付けられる側とは反対のカムノーズ側の右側面には、基端部を圧入されてデコンプウエイトシャフト35が右方に突設されており、同デコンプウエイトシャフト35に円筒状のスペーサ36が嵌挿され、さらにスペーサ36の上にデコンプウエイト40が揺動自在に嵌挿されている。
したがって、デコンプウエイト40は、その基端部41をデコンプウエイトシャフト35に軸支されて、デコンプウエイトシャフト35を中心に揺動自在に取り付けられる。
なお、デコンプウエイト40の右側に近接してストッパプレート9が配置されて、デコンプウエイト40の軸方向の移動を規制している。
図4を参照して、デコンプウエイト40は、デコンプウエイトシャフト35に軸支される基端部41から厚さが大きいウエイト部となる厚肉アーム部42がカムシャフト5に沿うように延出しており、同厚肉アーム部42の先端側部分から厚さが小さくなった薄肉アーム部43が基端部41,厚肉アーム部42とともにデコンプウエイトシャフト35をコ字状に囲うように延出している。
したがって、デコンプウエイト40は、排気カムロブ7のカムノーズ側に軸支される基端部41から厚肉アーム部42と薄肉アーム部43がカムシャフト5を略半周程一方向に廻り込むように延出し、薄肉アーム部43の先端は排気カムロブ7のカムノーズと反対側に設けられる前記デコンプカム31の上を通りすぎるまでに至っている。
薄肉アーム部43の先端近傍は、デコンプカム31の円柱本体部32の端面に近接して揺動し、薄肉アーム部43の先端近傍の円孔に圧入されて左方デコンプカム31側に突設された作動ピン45が、デコンプカム31の円柱本体部32に形成されたU字状の凹部32cに摺動自在に嵌挿されている。
したがって、デコンプウエイト40がデコンプウエイトシャフト35を中心に揺動すると、薄肉アーム部43の先端近傍の作動ピン45もともに揺動し、デコンプカム31の凹部32cに嵌挿された作動ピン45は凹部32cを摺動しながらデコンプカム31を支軸33を中心軸に回動する。
すなわち、作動ピン45は、デコンプウエイト40の揺動をデコンプカム31の回動に動力伝達し、デコンプカム31の回動は円柱本体部32の切欠き32bの向きを変更することができる。
カムシャフト5が回転すると、デコンプウエイト40は、主に厚肉アーム部42のウエイトにより遠心力が働き、外側に揺動すなわちカムシャフト5から離れる方向に揺動するが、この遠心力による揺動に抗してデコンプウエイト40を内側に付勢するねじりコイルスプリング50がカムシャフト5に巻回されて設けられている。
前記したように、デコンプカム31の円柱本体部32とカムシャフト5の軸部との間には間隙が構成されており、この間隙を通るようにねじりコイルスプリング50がカムシャフト5の軸部に巻回され、ねじりコイルスプリング50の巻回部50cより直線的に延出したカムシャフト側延出部50sの端部は、排気カムロブ7に穿孔されたカムシャフト側係止孔7hに係止され、ねじりコイルスプリング50の巻回部50cより直線的に延出したウエイト側延出部50wの端部は、デコンプウエイト40の基端部41に穿孔されたウエイト側係止孔41hに係止される。
デコンプウエイト40のウエイト側係止孔41hは、揺動中心軸であるデコンプウエイトシャフト35とカムシャフト5との間に位置している。
排気カムロブ7のカムシャフト側係止孔7hに一端を係止されたねじりコイルスプリング50は、カムシャフト5の軸部に、図4に示す側面視で反時計回りに巻き付くように順次右方にずれて巻回され、直線的に延出したウエイト側延出部50wの端部が同ウエイト側係止孔41hに係止され、ねじりコイルスプリング50のねじりバネ力がウエイト側延出部50wを引っ張るように作用し、ウエイト側延出部50wはデコンプウエイト40のデコンプウエイトシャフト35より内側のカムシャフト5寄りのウエイト側係止孔41hを引っ張るように作用するので、デコンプウエイトシャフト35に軸支されたデコンプウエイト40は遠心力に抗して内側(厚肉アーム部42がカムシャフト5の軸部に近づく方向)に付勢される。
図4を参照して、カムシャフト5のカム軸中心をAとし、デコンプウエイトシャフト35のウエイト軸中心をBとし、デコンプ状態におけるねじりコイルスプリング50のウエイト側延出部50wの巻回部側端部の位置をCとし、ウエイト軸中心Bとカム軸中心Aと結ぶ第1の線分BAと、ウエイト軸中心Bとウエイト側延出部50wの巻回部側端部Cと結ぶ第2の線分BCとを想定する。
第1の線分BAと第2の線分BCは、共通のウエイト軸中心Bから互いに鋭角度を形成して延出した線分である。
デコンプ状態において、ねじりコイルスプリング50のウエイト側延出部50wの端部がデコンプウエイト40のウエイト側係止孔41hに係止されたウエイト側係止部の位置をPとすると、このデコンプ状態のウエイト側係止部位置Pが、第1の線分BAと第2の線分BCにより挟まれる鋭角領域内に位置するように設定されている。
図3および図4は、内燃機関Eが稼動を停止しているときを示しており、カムシャフト5は停止してデコンプウエイト40には遠心力が作用せず、デコンプウエイト40はねじりコイルスプリング50により内側に付勢され、厚肉アーム部42がカムシャフト5の軸部に接している。
このとき、デコンプウエイト40の薄肉アーム部43の先端近傍に突設された作動ピン45がデコンプカム31のU字状の凹部32cに嵌挿して、デコンプカム31の左端外周面32aが排気カムロブ7のベース円より外側にはみ出す回動位置にデコンプカム31を回動するデコンプ状態とする。
すなわち、排気カムロブ7のベース円より外側にはみ出したデコンプカム31の左端外周面32aにローラ12rの右端外周面が接し、排気バルブは閉弁タイミングで多少開弁するデコンプ状態とする。
内燃機関Eの始動時には、低い機関回転数でねじりコイルスプリング50に抗してデコンプウエイト40の遠心力による揺動があっても僅かでデコンプ状態にあり、排気バルブは閉弁タイミングで多少開弁して燃焼室の圧縮圧力を低減して始動を容易にする。
内燃機関Eが始動して、機関回転数が上昇すると、デコンプウエイト40が遠心力によりねじりコイルスプリング50に抗して揺動し、デコンプウエイト40の薄肉アーム部43に突設された作動ピン45の揺動はデコンプカム31をU字状の凹部32cを介して回動し、図5および図6に示すように、デコンプカム31の切欠き32bが排気ロッカアーム12の一端に軸支されたローラ12rに対向する回動位置にしてデコンプ解除状態にする。
図5および図6は、内燃機関Eが所定機関回転数以上で稼動してデコンプ解除状態にあるときを示しており、ローラ12rの右端外周面はデコンプカム31の切欠き32bに対向して作用を受けず、ローラ12rは排気カムロブ7にのみ接して、排気バルブはデコンプ解除状態の開閉駆動を行う
デコンプ解除状態においては、デコンプウエイト40の揺動によりねじりコイルスプリング50は、揺動するデコンプウエイト40のウエイト側係止孔41hに係止されたウエイト側延出部50wが引っ張られてねじりバネ力が増加している。
図6を参照して、このデコンプ解除状態におけるねじりコイルスプリング50のウエイト側延出部50wの巻回部側端部の位置をC´とし、ねじりコイルスプリング50のウエイト側延出部50wの端部がデコンプウエイト40のウエイト側係止孔41hに係止されたウエイト側係止部の位置をP´とすると、このデコンプ解除状態のウエイト側係止部位置P´は、ウエイト軸中心Bとカム軸中心Aと結ぶ第1の線分BAと、ウエイト軸中心Bとウエイト側延出部50wの巻回部側端部C´と結ぶ第2の線分BC´とにより挟まれる鋭角領域内にある。
前記したようにデコンプ状態におけるねじりコイルスプリング50のウエイト側係止部位置Pが、第1の線分BAと第2の線分BCにより挟まれる鋭角領域内に位置するとともに、デコンプ解除状態におけるねじりコイルスプリング50のウエイト側係止部位置P´が、第1の線分BAと第2の線分BC´により挟まれる鋭角領域内に位置するので、デコンプウエイト40がデコンプ位置からデコンプ解除位置に揺動したときに、図6に示すように、ねじりコイルスプリング50の一端が係止されるウエイト側係止部の移動(P→P´)は、ウエイト軸中心Bとカム軸中心Aとを結ぶ第1の線分BAに対して略垂直であり、そのため、ねじりコイルスプリング50の巻き方向に沿ってねじりコイルスプリング50を効果的にねじることができ、ねじりコイルスプリングのねじりバネ力を有効に働かせることができる。
デコンプウエイト40に付勢力を作用させるのは、ねじりコイルスプリング50であるので、部品点数が少なく、カムシャフト5に巻回されるのに、カムシャフト5に特別加工を施す必要がない。
ねじりコイルスプリング50はデコンプカム40に比べても径の大きいカムシャフト5に巻回されるので、巻回部50cの径を自ずと大きく形成することができ、巻き回数を増やして巻き方向の幅長を大きくして大型化することなく、ねじりコイルスプリング50のバネ定数を小さくすることができる。
ねじりコイルスプリング50のバネ定数を小さくすることで、機関回転数が低下してデコンプウエイト40がデコンプ解除位置からデコンプ位置に揺動し始める機関回転数を低くすることができ、これに伴い当該機関回転数よりも高いアイドリング回転数も低く設定することができ、燃料消費量を抑えることができる。
ねじりコイルスプリング50は、巻回部50cの幅長が小さくでき、この巻回部50cをデコンプカム31の円柱本体部32とカムシャフト5の軸部との間の間隙を通して同巻回部50cが、カムシャフト5の軸線方向でデコンプカム31の円柱本体部32と同じ位置になるように配置したので、デコンプ装置30が軸線方向に拡張されるのを抑え、間隙スペースを有効に利用してデコンプ装置30をコンパクトに組み付けることができる。
本発明の一実施の形態に係るパワーユニットの全体断面図である。 シリンダヘッドの上部の動弁機構を示す上面図である。 デコンプ状態の動弁機構およびデコンプ装置の断面図である。 デコンプ状態の同デコンプ装置の側面図である。 デコンプ解除状態の動弁機構およびデコンプ装置の断面図である。 デコンプ解除状態の同デコンプ装置の側面図である。 デコンプカムの斜視図である。
符号の説明
E…内燃機関、1…シリンダヘッド、2,3…ベアリング、5…カムシャフト、6…吸気カムロブ、7…排気カムロブ、7h…カムシャフト側係止孔、9…ストッパプレート、11…吸気ロッカアーム、12…排気ロッカアーム、12r…ローラ、
30…デコンプ装置、31…デコンプカム、32…円柱本体部、32a…端縁部、32b…切欠き、32c…凹部、33…支軸、
35…デコンプウエイトシャフト、36…スペーサ、40…デコンプウエイト、41…基端部、41h…ウエイト側係止孔、42…厚肉アーム部、43…薄肉アーム部、
45…作動ピン、50…ねじりコイルスプリング、50c…巻回部、50s…カムシャフト側延出部、50w…ウエイト側延出部。

Claims (3)

  1. シリンダヘッドに回転自在に軸支され機関弁を開閉するカムロブが形成されたカムシャフトと、
    前記カムロブに回動自在に支持され回動角度により前記機関弁に作用するデコンプカムと、
    前記カムロブの側面に突設されたデコンプウエイトシャフトに軸支され遠心力により揺動するデコンプウエイトと、
    前記デコンプウエイトの揺動を前記デコンプカムの回動に動力伝達する動力伝達部材と、
    前記デコンプウエイトの遠心力による揺動に抗する方向に付勢する付勢手段とを備えた内燃機関のデコンプ装置において、
    前記付勢手段は、ねじりコイルスプリングであり、
    前記ねじりコイルスプリングは、前記カムシャフトに巻回され、一端が前記デコンプウエイトのウエイト側係止部に係止され、他端が前記カムシャフトのカムシャフト側係止部に係止されることを特徴とする内燃機関のデコンプ装置。
  2. 前記ねじりコイルスプリングは、前記カムシャフトに巻回される巻回部から前記ウエイト側係止部に向けて直線的にウエイト側延出部が延び、
    前記デコンプウエイトシャフトのウエイト軸中心と前記カムシャフトのカム軸中心とを結ぶ第1の線分と、前記デコンプウエイトシャフトのウエイト軸中心と前記ねじりコイルスプリングの前記ウエイト側延出部の前記巻回部側端部とを結ぶ第2の線分とを想定し、
    前記ねじりコイルスプリングの一端が係止される前記デコンプウエイトの前記ウエイト側係止部が、前記第1の線分と前記第2の線分により挟まれる鋭角領域内に位置することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のデコンプ装置。
  3. 前記ねじりコイルスプリングの前記巻回部が、前記カムシャフトの軸線方向で前記デコンプカムと同じ位置になるように配置したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関のデコンプ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021014841A (ja) * 2019-07-16 2021-02-12 本田技研工業株式会社 デコンプ装置を備えたエンジン

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