JPH1193631A - 手動始動式4サイクルエンジン用デコンプ装置 - Google Patents

手動始動式4サイクルエンジン用デコンプ装置

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JPH1193631A
JPH1193631A JP9250806A JP25080697A JPH1193631A JP H1193631 A JPH1193631 A JP H1193631A JP 9250806 A JP9250806 A JP 9250806A JP 25080697 A JP25080697 A JP 25080697A JP H1193631 A JPH1193631 A JP H1193631A
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JP
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cam
decompression
rotating body
cam gear
valve
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Application number
JP9250806A
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English (en)
Inventor
Mitsunori Watanabe
光則 渡辺
Kenji Imafuku
健治 今福
Takanobu Furuguchi
孝信 古口
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Subaru Corp
Shin Daiwa Kogyo Co Ltd
Makita Numazu Corp
Original Assignee
Fuji Robin KK
Shin Daiwa Kogyo Co Ltd
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Priority to US09/152,226 priority patent/US6109230A/en
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L13/00Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations
    • F01L13/08Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations for decompression, e.g. during starting; for changing compression ratio

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸排気バルブの開閉を精度良く制御し、かつ
機構の複雑化を伴うことなく、場所をとらずに装着する
ことのできる手動始動式4サイクルエンジン用デコンプ
装置を得ること。 【解決手段】 カムギヤ18に、吸気バルブ用カム部2
2−1及び排気バルブ用カム部22−2が別個に設けら
れ、カムギヤ18の一方の平面側面の所定範囲には所定
深さの凹部30が形成され、更にカムギヤ18にはその
回転軸とほぼ同一方向の回転軸となるようにデコンプ回
動体34が貫挿され、デコンプ回動体34は第1位置か
ら第2位置までの範囲で回動可能である。デコンプ回動
体は第1位置では一方のバルブに開放動作を与え、第2
位置ではその開放動作を与えないようにカム部によるバ
ルブリフト動作を変更する。そして、エンジン始動動作
時にはデコンプ回動体34を前記第1位置にて制止さ
せ、始動動作終了後の通常動作中には第2位置までの回
動を許容するために付勢手段36が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手動始動式4サイ
クルエンジン用デコンプ装置、特に手持ち式の噴霧器、
刈払機などに搭載されて使用される小型の手動始動式4
サイクルエンジンのデコンプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】手持ち式の作業機、例えば 草木向けの
噴霧器や刈払機などに用いられる動力源としてのエンジ
ンは、従来、2サイクルエンジンが多く用いられてい
る。しかしながら、2サイクルエンジンは、騒音が大き
く、また排気ガス中の炭化水素の量が多いなどの欠点を
有しており、4サイクルエンジンを用いることが考慮さ
れている。 このような4サイクルエンジンは、設計・
加工技術などの進歩により小型軽量化が図られている
が、一般にこのような小型の4サイクルエンジンではエ
ンジンの始動動作は、リコイル式スタータによる手動動
作、すなわちワイヤーを引く動作などによりクランクシ
ャフトを回転させるいわゆるクランキング動作が行われ
ている。
【0003】このような手動による始動動作において
は、クランクシャフトを回転させる際に、それに伴って
ピストンの上昇動作、すなわち燃焼室内の圧縮動作が行
われるが、この圧縮動作には大きな力が必要であり、手
動により始動動作を行う際の困難な条件となっていた。
そこで、その始動動作時において排気バルブを若干開放
して高圧状態を緩和し、ピストンの上昇動作がより小さ
い力で行うことができるようにするデコンプ装置がこの
ような小型の4サイクルエンジンに取り付けられてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記デ
コンプ装置は、排気バルブを一時的に開放するという機
能を奏するために、吸・排気バルブの開閉動作を行うた
めのカム機構に対して一時的な所定の修正を加える機構
が必要となり、比較的複雑な機構を伴う。従って、この
デコンプ装置を設けることは、手持ち式作業機などの小
型化のために要請される動力源たるエンジンの小型化の
要請において大きな支障となるものであった。
【0005】また、排気バルブと吸気バルブの開閉制御
をより正確に行うためには、カムギヤのカム部は、吸・
排気バルブ共通のものを利用するのではなく、吸・排気
バルブでそれぞれ別個のものを利用するのが好ましい。
このためには、カムギヤのカム部を吸気バルブ用と排気
バルブ用とに分けて構成することとなるが、この場合
に、デコンプ機構を如何に装着するかという課題もあっ
た。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は機構の複雑化を伴うことなく、かつ場
所をとらずに装着することができ、吸・排気バルブのよ
り高い精度での制御の可能な手動始動式4サイクルエン
ジン用デコンプ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る手動始動式4サイクルエンジン用デ
コンプ装置は、カムギヤには、吸気バルブ用カム部及び
排気バルブ用カム部が別個に設けられ、一方の平面側面
の所定範囲には所定深さの凹部が形成され、このカムギ
ヤにはその回転軸とほぼ同一方向の回転軸となるように
デコンプ回動体が貫挿され、そのデコンプ回動体は第1
位置から第2位置までの範囲で回動可能である。そし
て、デコンプ回動体は、第1位置では前記両バルブ用カ
ム部の何れか一方のカム部によるバルブリフト動作のみ
にバルブを開放させるための変化を与え、前記第2位置
では該開放させるための変化を与えないように設置され
ている。
【0008】また、エンジン始動動作時にはデコンプ回
動体を前記第1位置にて制止させ、始動動作終了後の通
常動作中には前記デコンプ回動体の前記第2位置までの
回動を許容するために付勢手段が設けられている。そし
て、カムギヤの前記凹部内に前記付勢手段及びその付勢
力を受けるデコンプ回動体の部分が装填されている。
【0009】これにより、吸・排気バルブの開閉制御を
より精度良く行うためのカム部の分割(それぞれ別個の
カム部の採用)を行いつつ、デコンプ回動体の設置が可
能となり、加えて従来カムギヤの近傍の領域を占領して
いたデコンプ機構の主要部がカムギヤ内に治められた構
成となっている。従って、2種類のカム部を設けたにも
かかわらず、全体としてカムギヤの厚さ方向の大型化が
回避される。
【0010】請求項2に係る手動始動式4サイクルエン
ジン用デコンプ装置は、吸・排気バルブそれぞれのカム
部が、カムギヤの前記凹部の形成された一方の平面側面
とは反対側の平面側面から外方にギヤ軸と同軸にて連続
して所定幅ずつ突出形成されている。このような構成に
より、2種類の分割されたカム部が無駄なく配置され、
全体としてシンプルなカムギヤの形成が可能となってい
る。
【0011】請求項3に係る手動始動式4サイクルエン
ジン用デコンプ装置は、デコンプ回動体が何れかのカム
部のみに変更を与えるため、デコンプ回動体が、何れか
一方のカム部の外周部における他方のカム部よりも外径
の小さい部分からのみ外部に露出し、その一方のカム部
の外周形状に変化を与えることができる構成をとってい
る。
【0012】したがって、吸・排気バルブ用の2種類の
カム部が軸方向に連続して存在する構成の下で、複雑な
構成を伴うことなく、一方のカム部のみに対してその外
周形状の変化を与えることができる。
【0013】請求項4に係る手動始動式4サイクルエン
ジン用デコンプ装置は、デコンプ回動体に所定の機能を
発揮させるために付勢力を与える付勢手段が紐状スプリ
ングにて形成され、記凹部内に装填されたこのスプリン
グが凹部内から脱落しないようにするためのスプリング
係止手段が同じく凹部内に設けられている。これによ
り、様々な傾斜状態で用いられる可能性の高い小型の4
サイクルエンジンにおいて、デコンプ機構の重要な要素
である付勢手段が脱落することを有効に防止することが
でき、かつこのスプリング係止手段が前記凹部内に形成
されるので、エンジンの小型化を阻害する恐れがない。
【0014】請求項5に係る手動始動式4サイクルエン
ジン用デコンプ装置は、上記紐状スプリングの係止手段
の構成を凹部の内側壁面に連続して形成した溝部によっ
て達成している。そして、紐状スプリングの一部をその
溝部に納めた状態として紐状スプリングを装填設置する
こととしている。従って、カムギヤに対し他の部材を付
加することなく、かつカムギヤの内側に溝を形成すると
いうスペースの増加を伴うことのない構成により紐状ス
プリングを確実に係止し、脱落防止が達成されている。
【0015】請求項6に係る手動始動式4サイクルエン
ジン用デコンプ装置は、上記請求項3に記載のように装
填された紐状スプリングの一部にて前記デコンプ回動体
のカムギヤの凹部からの離脱する方向へのずれを制止す
るようにしている。これにより、デコンプ回動体の脱落
防止のための部材を別途設ける必要がなく、1つの付勢
手段にてデコンプ回動体への付勢力の付与とこのデコン
プ回動体の脱落の防止を達成することができる。
【0016】請求項7に係る手動始動式4サイクルエン
ジン用デコンプ装置は、紐状スプリングの装填をその一
端部をデコンプ回動体に取り付け、中間部を前記溝部に
納め、他端部を前記凹部の中心位置に取り付け、この中
心位置に取り付けた他端部から溝部に納められた中間部
までの間の部分でデコンプ回動体の上記制止を行うよう
にしている。すなわち、紐状スプリングを複雑な形状に
することなく極めてシンプルな構成で上記付勢力の付与
と回動体の脱落防止の機能を奏することが可能となって
いる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るデコ
ンプ装置の設けられた手動始動式4サイクルエンジンが
示されている(なお、上記図において、構成の明確化の
ため、特徴部分であるカムギヤ18付近の部材の表示を
一部省略し、また、部材の重なり部分についても実線を
記している)。
【0018】図示のように、このような小型の手動始動
式4サイクルエンジン10では、エンジンの始動を行う
ためクランクシャフト12を回転させるエンジンスター
ト機構であるリコイルスタータ機構14が設けられてお
り、このリコイルスタータ機構14において、図示のよ
うに巻回されたワイヤー16を手動で引く動作を行うこ
とによって始動動作としてクランクシャフト12を回転
させるクランキング動作を行うように構成されている。
このクランクシャフト12の図上上方位置にはこのクラ
ンクシャフト12の回転力を受けて回転するカムギヤ1
8が設けられている。本実施の形態では、クランクシャ
フト12と同軸に設けられたギヤ20に噛合する状態で
設けられ、さらにこのカムギヤ18には同軸でカム部2
2が形成されている。
【0019】図2は、このカムギヤ18の構成を示す概
略断面図であり、図示のように、回転軸32の図上左側
には最も外径の大きな歯車部21が形成され、それに連
続してカム部22が一体的に形成されている。特徴的な
ことは、このカム部22が2つのカム部(22−1、2
2−2)に分かれていることであり、それぞれ異なる外
周形状を有している。すなわち、カム部22のうち図上
左側が吸気バルブの開閉制御にのみ用いられる吸気バル
ブ用カム部22−1であり、右側が排気バルブの開閉制
御のみに用いられる排気バルブ用カム部22−2であ
る。
【0020】このような構成により、吸・排気バルブに
動力を伝達する各プッシュロッド24のそれぞれのリフ
ター(図示せず)は、一つのカム部、すなわち共通の外
周形状のカム部をトレースするのではなく、それぞれ異
なるカム部22−1、22−2をトレースする。したが
って、吸・排気バルブ26、28をそれぞれ別個に、よ
り精度高く開閉制御することが可能となっている。
【0021】本発明の実施の形態において特徴的なこと
は、カムギヤ18の一方の平らな側面(平面側面)18
aに所定深さのリング状の凹部30を設けたことであ
り、図3にはその凹部30側からカムギヤ18を見た状
態の形状が示されている。
【0022】図3に示したように、カムギヤ18の平面
側面18aを中ぐりした状態で所定深さのリング状凹部
30が形成されている。すなわち、カムギヤ8の回転軸
32に対する軸受部18bの部分を残してその周囲にリ
ング状に凹部30が形成されている。
【0023】この凹部30内には、後述するようにカム
部22(排気バルブ用カム部22−2)の外周部形状に
よるバルブリフトカーブを所定のタイミングで変化させ
るデコンプ回動体34の基部34a及びこのデコンプ回
動体34に所定の付勢力を付与する紐状スプリング36
が収納されている。なお、図3に示された状態がエンジ
ンの作動していない通常の静止状態である。
【0024】図示のように、デコンプ回動体34は中心
部34bを中心として回動するようカムギヤ18に係合
した状態で貫挿されている。一方、紐状スプリング36
は、一端部36aがデコンプ回動体34に当接されてお
り、他端部36bがカムギヤ18のほぼ中央部分で固定
されている。また、紐状スプリング36の中間部分は凹
部30の内周面に形成された溝部38に納められた状態
で設置されている。これにより、紐状スプリング36は
溝部38にて脱落しないように係止された状態で凹部3
0内に納められ、かつ一端部36aがデコンプ回動体3
4に当接されその当接部分でデコンプ回動体34をカム
ギヤ18の回動中心方向に付勢している。
【0025】次に、図4(A)は図3のB−B断面図で
あり、図示のようにデコンプ回動体34は、カムギヤ1
8に形成された貫通穴31に回動可能に貫挿されてい
る。そして、この一端部34cの部分がデコンプカム部
(以下34cの符号を使用する)を形成している。この
デコンプカム部34cの構成は、同図(B)(同図
(A)を図上右方向から見た図)から理解されるように
略半円形の断面形状を有しており、このデコンプカム部
34cがカムギヤ18に同軸上に取り付けられたカム部
22の外周部形状によるバルブリフトカーブを変更する
機能を奏するものである。図3の通常静止状態では、図
4(B)に示されているように排気バルブ用カム部22
−2の外周部からやや突出した突起部を形成する状態と
なっている。
【0026】図4(A)から理解されるように、カムギ
ヤ18の貫通穴31に挿通されたデコンプ回動体34は
この貫通穴31を中心として回動可能であり、紐状スプ
リング36によって凹部30内から外方へ離脱すること
のないように制止されている。
【0027】ここで貫通穴31の形成されている位置
は、貫挿されるデコンプ回動体34のデコンプカム部3
4cが、排気バルブ用カム部22−2の部分でのみ外周
部の外側に露出するような位置とされている。すなわ
ち、排気バルブ用カム部22−2の外周形状が吸気バル
ブ用カム部22−1のそれよりも小さくなっている部分
に貫挿され、その露出した部分でカム部のバルブリフト
カーブを変更する。これにより、吸気バルブ用カム部2
2−1の部分では、デコンプ回動体34は、外部には現
れずバルブリフトカーブを変更する機能は奏しない。こ
のように特別の部材を設けることなく一方のバルブ用カ
ム部の外周形状に所定のタイミングで変化を与える構成
が得られている。
【0028】また、上記のように、本実施の形態では、
リング状に形成された凹部30内に付勢手段である紐状
スプリング36全体及びデコンプ回動体34の基部34
aが収納されている。従って、カムギヤ18の厚さ方向
にさらに付勢手段やデコンプ回動体が存在しスペースを
とっていた従来の構成に比べデコンプ機構の主要部がカ
ムギヤ18の凹部30の深さ範囲に収納されているの
で、カムギヤ18の歯車部21の部分の厚さ方向の縮小
化が図られている。これにより、2つの別個のバルブ用
カム部の存在にもかかわらず、図4(A)の幅Wの増加
が有効に抑制されている。
【0029】次に、上記図3及び図4と図5及び図6に
基づいて上記実施の形態に係るデコンプ機構の動作につ
いて説明する。上記のように図3に示した通常静止状態
では、デコンプ回動体34のデコンプカム部34cは排
気バルブ用カム部22−2の外周部から一部突出した状
態となっている。そして、紐状スプリング36はこの状
態を保持するようにデコンプ回動体34を付勢してい
る。この状態で使用者が上記ワイヤー16を引くことに
よりエンジンの始動動作を開始するとクランクシャフト
12が回転を開始し、これに伴ってカムギヤ18は図上
矢印100方向に回転を開始する。
【0030】この時の回転速度は停止した状態から手動
により回転を開始するので、低い回転速度であり、デコ
ンプ回動体34に作用する遠心力は小さい。従って、こ
の始動動作時におけるデコンプカム部34cの状態は、
図4(B)に示されたように排気バルブ用カム部22−
2の外周部形状に凸部を突出した状態である。従って、
この状態ではデコンプカム部34cは排気バルブ28用
のプッシュロッド24を若干押し上げ、その分だけ排気
バルブ28を開放する。これにより、燃焼室内の高圧状
態が緩和され、エンジンの始動動作に必要な力が軽減さ
れその容易化が図られる。
【0031】そして、この始動動作が終了し、カムギヤ
18が始動動作終了後の速度で回転を始めると遠心力の
上昇によりデコンプ回動体34は、図5に示したように
矢印200方向に回動する。すなわち、図3(及び図4
(B))に示した第1位置から図5(図6(B))に示
した第2位置へ回動移動する。この状態では、図6に示
したようにデコンプカム部34cは排気バルブ用カム部
22−2の外周部から突出しない状態となり、デコンプ
カム部34cは排気バルブ28を開放する作用を奏しな
い状態となる。
【0032】上記のように、紐状スプリング36の付勢
力は、カムギヤ18の始動動作時における回転速度の時
の遠心力ではデコンプ回動体34を通常静止状態に維持
しておくことができ、始動動作終了後の回転速度ではこ
れに抗しきれずデコンプ回動体34の第2位置への回動
動作を許容する付勢力に設定されるものである。
【0033】上記実施の形態によれば、カムギヤ18に
は、2つのバルブ用カム部22を別個に設け、バルブ開
閉制御の高精度を達成し、更にカムギヤ18の他に部材
を設けることなく紐状スプリング36を凹部30の内周
面の溝部38内に係止させておくことができ、また同じ
く他の部材を設けることなく紐状スプリング36により
デコンプ回動体34を凹部30内に安定して保持してお
くことが可能である。従って、2つのバルブ用カム部を
設けたにもかかわらず、カムギヤ18の厚さ方向の大型
化が回避されている。
【0034】なお、本発明は上記構成に限定されるもの
ではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能であ
る。例えば、本実施の形態では付勢手段として紐状スプ
リング36を用いたが、このような構成に限られず凹部
30内においてデコンプ回動体34に対しカムギヤ18
の略回動中心方向に付勢力を加えることのできる付勢手
段であれば他の構成のものを用いることが可能である。
【0035】また、本実施の形態ではデコンプ回動体3
4を排気バルブ用カム部22−2に作用させる構成をと
ったが、逆に吸気バルブ用カム部22−1に作用させる
ようにすることも可能である。すなわち、何れかのバル
ブ用カムに作用することでデコンプ機能は十分に達成さ
れる。その場合、吸気バルブ用カム部22−1の外周形
状の小さい部分にデコンプカム部34cが設置されるこ
ととなる。
【0036】また、本実施の形態では排気バルブ用カム
部22−2と吸気バルブ用カム部22−1のカム山トッ
プの高さを同じとし、排気バルブ用カム部22−2のベ
ース円を吸気バルブ用カム部22−1より大きな径とし
たが、排気バルブ用カム部22−2のベース円を大きく
し、かつそのカム形状を吸気バルブ用カム部22−1と
相似するものとしても良い。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る手動
始動式4サイクルエンジン用デコンプ装置によれば、2
つのバルブ用カム部を有するカムギヤによりバルブ開閉
制御の高い精度を得ることができると共に、部品点数の
少ない極めて簡単な構成でカムギヤの厚さ方向の幅を増
加させずにデコンプ機構を設けることができ、手動始動
式4サイクルエンジンの始動性向上に有効に貢献するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るデコンプ装置を応用した手動
始動式4サイクルエンジンの概略断面構成を示す説明図
である。
【図2】実施の形態に係るカムギヤの構成を示す断面図
である。
【図3】実施の形態に係るデコンプ機構を装填したカム
ギヤの説明図である。
【図4】(A)は図3のB−B断面図、(B)は(A)
の図上右方向から見た形状説明図である。
【図5】カムギヤが始動動作後の回転動作を開始した状
態のデコンプ機構状態説明図である。
【図6】(A)は図5のC−C断面図、(B)は(C)
の図上右方向から見た図である。
【符号の説明】
10 手動始動式4サイクルエンジン 18 カムギヤ 22−1 吸気バルブ用カム部 22−2 排気バルブ用カム部 34 デコンプ回動体 34c デコンプカム部 36 紐状スプリング 38 溝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今福 健治 東京都羽村市神明台2丁目10−5 新ダイ ワ工業株式会社東京技術研究所内 (72)発明者 古口 孝信 東京都新宿区西新宿1丁目7番2号 富士 重工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトからの回転力を受けて
    回転し、吸気バルブ及び排気バルブにそれぞれのタイミ
    ングで開閉動作を行わせるための吸気バルブ用カム部及
    び排気バルブ用カム部を別個に有し、一方の平面側面の
    所定範囲には所定深さの凹部が形成されたカムギヤと、 該カムギヤにその回転軸とほぼ同一方向の回転軸となる
    ように貫挿され、第1位置から第2位置までの範囲で回
    動可能に取り付けられ、前記第1位置では前記両バルブ
    用カム部の何れか一方のカム部のみがバルブに開放動作
    を与え、前記第2位置では該開放動作を与えないように
    前記バルブ用カム部によるバルブリフト動作に変化を与
    えるように設置されたデコンプ回動体と、 手動によるエンジン始動動作時のカムギヤの回転スピー
    ドによる遠心力に対してはこれに抗してデコンプ回動体
    を前記第1位置にて制止させ、始動動作終了後の回転ス
    ピードには抗し得ず前記デコンプ回動体の前記第2位置
    までの回動を許容する付勢力を前記デコンプ回動体に付
    与する付勢手段と、を有し、 前記カムギヤの前記凹部内に前記付勢手段及び前記デコ
    ンプ回動体の前記付勢力を受ける部分が装填されたこと
    を特徴とする手動始動式4サイクルエンジン用デコンプ
    装置。
  2. 【請求項2】 前記吸気バルブ用カム部及び排気バルブ
    用カム部は、 前記カムギヤの前記凹部の形成された一方の平面側面と
    は反対側の平面側面からからギヤ軸と同軸にて所定幅ず
    つ連続して突出形成されたことを特徴とする請求項1に
    記載の手動始動式4サイクルエンジン用デコンプ装置。
  3. 【請求項3】 前記デコンプ回動体の何れかのカム部の
    バルブリフト動作のみに変更を与える設置は、 前記カムギヤに貫挿されたデコンプ回動体が、何れか一
    方のカム部の外周部における他方のカム部よりも外径の
    小さい部分からのみ外部に露出し、その一方のカム部の
    外周形状に変化を与えることができるように行われたこ
    とを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の手動始
    動式4サイクルエンジン用デコンプ装置。
  4. 【請求項4】 前記付勢手段は、 紐状スプリングにて形成され、 前記凹部には前記紐状スプリングの凹部内からの脱落防
    止のためのスプリング係止手段が形成されたことを特徴
    とする請求項1乃至3の何れかに記載の手動始動式4サ
    イクルエンジン用デコンプ装置。
  5. 【請求項5】 前記スプリング係止手段は、 前記凹部の内側壁面に連続して形成された溝部によって
    構成され、該溝部に少なくともその一部を納めた状態で
    前記紐状スプリングを装填するようにしたことを特徴と
    する請求項4に記載の手動始動式4サイクルエンジン用
    デコンプ装置。
  6. 【請求項6】 前記紐状スプリングは、装填された状態
    でその一部にて前記デコンプ回動体の前記凹部外へ離脱
    する方向へのずれを制止する構成とされたことを特徴と
    する請求項4に記載の手動始動式4サイクルエンジン用
    デコンプ装置。
  7. 【請求項7】 前記紐状スプリングは、一端部が前記デ
    コンプ回動体に取り付けられ、中間部が前記溝部に納め
    られ、他端部が前記凹部のほぼ中央部分に取り付けら
    れ、前記他端部から前記溝部収納部分までの間にて前記
    デコンプ回動体のずれの制止を行うようにしたことを特
    徴とする請求項5に記載の手動始動式4サイクルエンジ
    ン用デコンプ装置。
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