JP2010001207A - 金属塩化物の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩化炉への圧力の印加および調整を効率的に行うことができ、かつ製造コストの低減を図ることができる金属塩化物の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物を生成する塩化炉と、金属塩化物を含むガスを塩化炉から排出するためのガス排出流路とを備えた金属塩化物の製造装置において、ガス排出流路に、塩化炉内を加圧する複数の狭窄部を直列に設ける。狭窄部は、塩化炉内で生成した金属不純物塩化物の凝縮物や鉱石あるいはコークスの付着物で構成されている。狭窄部の内径は、狭窄部に併設した口径維持手段を適宜稼働させることにより適切な範囲に維持できる。前記した複数の狭窄部を設けることにより、塩化炉内の圧力を0.1MPa以上の高圧域に保持することができる。
【選択図】図1
【解決手段】金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物を生成する塩化炉と、金属塩化物を含むガスを塩化炉から排出するためのガス排出流路とを備えた金属塩化物の製造装置において、ガス排出流路に、塩化炉内を加圧する複数の狭窄部を直列に設ける。狭窄部は、塩化炉内で生成した金属不純物塩化物の凝縮物や鉱石あるいはコークスの付着物で構成されている。狭窄部の内径は、狭窄部に併設した口径維持手段を適宜稼働させることにより適切な範囲に維持できる。前記した複数の狭窄部を設けることにより、塩化炉内の圧力を0.1MPa以上の高圧域に保持することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、塩化炉内において、高融点金属等を含む金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物を製造する金属塩化物の製造装置および製造方法に係り、特に、塩化炉内の加圧調整技術に関する。
金属塩化物である四塩化チタンは、スポンジチタンや酸化チタンの原料に用いられているのみならず電子材料素材の原料としても幅広く用いられている。四塩化チタンは、塩化炉内にて、コークスの存在下においてチタン鉱石と塩素ガスを高温で反応させることで生成される。
前記塩化炉底部から供給された塩素ガスは、塩化炉内部に流動状態に保持されているチタン鉱石とコークスと反応して四塩化チタンガスを生成せしめる。
この際、チタン鉱石中に含まれる不純物成分も金属成分と一緒に塩素化されて四塩化チタンガスと共に冷却工程に導かれる。冷却工程に導かれた不純物ガスは冷却されて、四塩化チタンから凝縮分離される。冷却工程で不純物塩化物を分離除去された四塩化チタンガスは、更に冷却されて液状四塩化チタンとして回収される。
上記のようにして製造された四塩化チタンの生産性は、塩化炉に供給される塩素ガスの流量に比例する。しかしながら、塩素ガス流量が増加すると塩化炉内に流動状態に保持された鉱石やコークスの飛散量も増加するため歩留まりが低下することが知られている。このため、前記塩化炉内を加圧することにより塩素ガスや生成物ガスの流速を下げて原料の飛散ロスを抑制する対策が講じられている。
従来、前記の塩化炉の加圧状態は、塩化炉で生成した四塩化チタンガスを凝縮するための冷却工程あるいはその途中の配管に絞り弁を介装させることによりなされていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法で塩化炉を加圧した場合に、塩化炉内を加圧できるものの、塩化炉の炉頂から前記絞弁に至るまでの配管にも圧力が印加され、その結果塩化炉のみならず前記配管に対しても耐圧構造が必要となり設備コストが嵩むという課題があった。
また、前記絞り弁の内面には、塩化炉で生成した四塩化チタンのみならず、微細な鉱石やコークス等の固形分あるいは不純物塩化物の固形分が付着し、その結果、絞り弁の絞り機能が低下する虞れがあった。
更には、前記固形物により絞り弁の摺動部の摩耗を助長し、装置寿命に悪影響を及ぼすという課題もあった。
前記課題に対して、塩化炉で生成した四塩化チタンの固形物や塩化物の析出物で構成された付着物を絞り弁に見立てて塩化炉内を加圧する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、操業試験の経験の中から、特許文献2に記載の方法では高めることのできる圧力には限界があるようであり、0.1MPa以上の高圧域まで加圧することは難しい。
このように、四塩化チタンを製造するための塩化炉内の圧力を、0.1MPaを超えるような高圧域に効率よく維持することができる装置およびその運転方法が望まれている。したがって、本発明は、塩化炉への圧力の印加および調整を効率的かつ容易に行うことができ、かつ製造コストの低減を図ることができる金属塩化物の製造装置および製造方法を提供することを目的としている。
本願発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物を生成する塩化炉において、前記金属塩化物を含むガスを前記塩化炉から排出するためのガス排出流路に塩化炉内で生成した金属塩化物あるいは固形物で構成された複数の狭窄部を四塩化チタンガスの排出流路に対して直列に設けることで前記課題を効果的に解決できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
即ち本願発明は、金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物を生成する塩化炉と、金属塩化物を含むガスを塩化炉から排出するためのガス排出流路とを備えた金属塩化物の製造装置において、前記ガス排出流路に、塩化炉内を加圧する複数の狭窄部を直列に備えたことを特徴とするものである。
また、前記狭窄部のガス導入部の周囲にガス流れに向かって凸状に形成されていることを好ましい態様とするものである。ここで、前記ガス排出流路とは、塩化炉直上に設けた排出口のみならず、前記排出口から冷却系に導くためのガス道を意味する場合がある。
本願発明においては、前記狭窄部を、塩化炉から排出されたガスの凝縮物および前記ガス中に含まれる固形物で構成することを好ましい態様とするものである。
また、前記ガス排出流路の外面には水冷または空冷設備が装着されていることを特徴とするものである。
更には、本願発明では、前記狭窄部の内径を維持するための口径維持手段を併設したことを特徴とするものである。更に、前記口径維持手段は、先端部に切削ビットを具備し、狭窄部内面に摺動可能な構造を備えたことを好ましい態様とするものである。
更に、本願発明に係る金属塩化物の製造方法は、塩化炉の内部において金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物を生成し、この塩化炉の頂部に設けられた排出流路から前記金属塩化物を含むガスを塩化炉から排出し、冷却して金属塩化物を製造する方法において、ガス排出流路に設けられた複数の狭窄部によって、塩化炉内の圧力を加圧状態に維持することを特徴とするものである。
また、前記塩化炉の内部において金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物の生成を開始する際には、前記排ガス流路の外周部に配設した水冷設備を稼動させることを特徴とするものである。
さらには、前記前記塩化炉の内部において金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物が生成させる操業状態が定常に達した後は、前記水冷設備に替えて空冷設備を稼動させることを特徴とするものである。
本発明の金属塩化物の製造装置または製造方法によれば、塩化炉のガス排出流路に塩化炉内の圧力を加圧するための複数の狭窄部を設けることで、ガス流を狭窄部において滞留させることにより、塩化炉内の圧力を0.1MPa以上の高圧域に効率よく維持することができるという効果を奏するものである。
また、前記狭窄部を塩化炉の直上にある四塩化チタンガスのガス排出流路に設けているために、従来のように塩化炉の下流側の配管や不純物分離系等の部位に圧力が印加されることが抑制され、塩化炉およびその直上の配管を限定的に加圧することができるという効果を奏するものである。
その結果、本願発明に係る金属塩化物の製造装置における耐圧構造は、塩化炉とその頂部に設けた狭窄部に至る配管に限定することができるので、従来の方法に比べて設備コストを抑制でき経済性に優れているのみならず、必然的にガス漏れの発生する箇所も最小限に抑えることができ、安全上の見地からも優れているという効果を奏するものである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る四塩化チタン(金属塩化物)の製造装置Mに係る概略構成を示しており、製造装置Mは、塩化炉1と、圧力調整部2から構成されている。
塩化炉1は、鉄皮10と耐火物16から構成された炉体により構成されており、その底部には、塩化炉1内に塩素ガスを供給するためのノズル13を配設したウインドボックス12が装着されている。
前記ウインドボックス12の上面には、チタン鉱石およびコークスからなる原料層14が形成されており、前記原料層14に対して塩素ガスを均一に供給するための分散盤11が装着されている。
分散盤11の上の原料層14は、分散盤11から供給された塩素ガスによって流動状態が形成されている。また、原料層14内に供給された塩素ガスは、原料層14を構成するチタン鉱石およびコークスと反応して四塩化チタンガスが生成される。
塩素ガスとチタン鉱石およびコークスとの反応は発熱反応であるので、外部から加熱することなく前記原料層14の温度は900〜1000℃の高温状態に保持することができる。
原料層14内では、四塩化チタンガスのみならず、チタン鉱石中に含まれる鉄やケイ素あるいはアルミ等の不純物金属成分も同時に塩素化される。よって、原料層14の上方空間には、四塩化チタンガスに加えて塩化鉄や塩化ケイ素あるいは塩化アルミニウム等の金属塩化物が四塩化チタンガスに随伴して塩化炉1の頂部から圧力調整部2を経由して冷却系に排出される。
前記塩化炉1の頂部に配設されている垂直排ガス配管20やその下流にある水平排ガス配管21の内面には、前記した不純物金属成分のガスが冷却されて前記配管の内面に凝縮後、固体として析出して付着物を形成する。前記付着物は、垂直配管20および水平配管21の両方に付着して成長し、図1に示したような垂直狭窄部22と水平狭窄部23を形成する。
本願発明においては、前記付着物を利用することにより前記垂直狭窄部22および水平狭窄部23の内径を絞ることで、塩化炉1内の圧力を加圧状態に維持することを好ましい態様とするものである。その結果、従来のように特別な絞弁を介装することなく、塩化炉1内を加圧状態に維持することができるという効果を奏するものである。また、前記垂直狭窄部22および水平狭窄部23は、チタン鉱石に含まれる不純物の塩化物や鉱石あるいはコークスの粉が焼結して生成したいわば耐火物で構成された強固なライニングが形成されているので、絞弁を用いた場合に発生が予想される絞弁の可動部にチタン鉱石やコークスの微粉が侵入して弁の可動部の摩耗を助長させる心配もない。
前記垂直狭窄部22および水平狭窄部23は、図1に示すようにそれぞれの配管の長手方向全域に形成させることが好ましい。このような狭窄部を形成させることで、配管内における圧力損失を効果的に発生させることができる。
本願発明においては、前記した垂直狭窄部22および水平狭窄部23の外面には格別の保温材を配設することなく自然放冷により、狭窄部の過熱を抑制することで前記ライニングを効果的に成長させることができる。
しかしながら、塩化炉M内での四塩化チタンの生産量が増加した場合には、前記垂直狭窄部22および水平狭窄部23からの自然放冷による抜熱が追随できず、過熱する場合が想定される。そこで、本願発明では、垂直狭窄部22あるいは水平狭窄部23の外面に水冷または空冷設備を配設することが好ましい。
前記水冷設備としては、冷却ジャケットや冷却コイルを選択することが好ましい。また空冷の場合には、前記鉛直狭窄部22あるいは水平狭窄部23の外面にガスを直接噴射してもよい。
このように、前記のような冷却設備を垂直狭窄部22あるいは水平狭窄部23の外面に装着することで、前記狭窄部の内面に適切な厚みをもった付着物を確実に析出させることができるという効果を奏するものである。
特に、塩化炉の操業開始時には、前記垂直排ガス配管20や水平排ガス配管21の外面に装着した水冷設備を稼動させることが好ましい。前記したような強制冷却を行なうことで、前記垂直排ガス配管20や水平排ガス配管21の内面に比較的短時間のうちに狭窄部2および23を形成させることができるという効果を奏するものである。
このように、本願発明においては、前記垂直排ガス配管20および水平排ガス配管21の外周部には、ジャケット形式の冷却設備を配設しておくことが好ましい。
また、付着の成長あるいは剥離状況に応じて適宜、水冷または空冷できるような装置構成としておくことが好ましい。
また、本願発明においては、前記水平狭窄部23に比べて垂直狭窄部22の内径は小さくなるように構成することが好ましい。前記のような構成とすることで、水平狭窄部23の配管に印加される圧力を低く維持することができる。その結果、前記配管の耐圧強度も小さくでき、設備コストも効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
本願発明においては、また、前記垂直狭窄部22を通過するガス流速が音速を超えないように塩化炉1に供給する塩素ガスを調節することが好ましい。
以上述べたように、垂直狭窄部22と水平狭窄部23を併用し、更に、前記のような運転方法を併用することで、塩化炉M内の圧力を効果的に0.1MPa以上の加圧状態に維持することができるという効果を奏するものである。
本願発明においては、図2に示すように、前記した垂直狭窄部22のガス導入部29には、ガス流れに向かって形成された凸部28を予め形成しておくことが好ましい。前記凸部28を形成しておくことで、ガス導入部29の周囲に達したガスは、鉄皮10に衝突してその流れ方向を一旦上流方向(塩化炉下方)に反転させた後、ガス導入部29の内部に導くことができる。
その結果、垂直狭窄部22に入るに先立って、ガス導入部29の近傍においてガスの圧損を高めることができ、塩化炉内の圧力上昇を可能ならしめることができるという効果を奏するものである。
図2に示した凸部28は、耐火物で予め焼成した部品として構成しておき、塩化炉1の鉄皮10に設けたアンカー27によって、塩化炉1の頂部を構成する鉄皮10に密着配置することができる。
塩化炉1の運転開始当初は垂直ガス配管20の内面には付着物が形成されていないが、運転開始後、短期間のうちに付着物が形成され図2に示すような垂直狭窄部22を形成させることができる。その結果、塩化炉1内の圧力を効果的に昇圧することができる。
更に、凸部を有さず垂直狭窄部を単独に構成した従来の塩化炉に比べて、垂直狭窄部22と凸部28の相乗効果により、より高い圧力状態を維持することができるという効果を奏するものである。
前記した凸部28は、塩化炉1の頂部に設けた水平排ガス配管21に設けた水平狭窄部23の入口に設けてもよい。その結果、水平排ガス配管21内の圧力を更に高めることができる。その結果、塩化炉1内の圧力も更に高めることができるという効果を奏するものである。
本願発明では前記したように垂直狭窄部22や水平狭窄部23の内部には、付着が成長する傾向にある。このため、本願発明では、前記垂直狭窄部22と水平狭窄部23の内部に成長した付着物を除去して所定の内径を維持するための垂直口径維持手段24および水平口径維持手段25をそれぞれの配管に併設しておくことが好ましい。
前記垂直口径維持手段24および水平口径維持手段25を定期的に稼動させることにより、前記垂直狭窄部22および水平狭窄部23の内径を一定の口径に維持することができるのみならず、前記配管の長手方向全域に亘り垂直狭窄部22および水平狭窄部23を形成させることができるという効果を奏するものである。その結果、塩化炉1内の圧力を効率よく0.1MPa以上に加圧することができるという効果を奏するものである。
前記垂直口径維持手段24および水平口径維持手段25の先端部には、切削ビット26を装着しておくことが好ましい。前記切削ビット26は、耐熱鋼あるいは表面にセラミクスを溶射した耐熱鋼で構成することが好ましい。
本願発明においては、前記切削ビット26は、垂直ガス配管20あるいは水平ガス配管21内の狭窄部の内面を回転しつつ前後に摺動するような形式で作動させるように構成しておくことが好ましい。
前記切削ビット26を保持する基体には、前記の構成に加えて、塩化炉で生成した四塩化チタンガスを冷却系に逃がすような開口部を設けておくことが好ましい。前記のような開口部を設けておくことで、切削ビット26を垂直狭窄部22および水平狭窄部23内を摺動中にも塩化炉1内の圧力の異常加圧を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
前記した水平狭窄部23から排出された四塩化チタンガスは、図示しないガス冷却器に導かれる。ガス冷却器に導かれた四塩化チタンガスは、300〜400℃前後まで冷却されて四塩化チタン回収器に導かれる。この間に、前記四塩化チタンガス中に含まれている鉄やケイ素あるいはアルミ等の不純物塩化物が凝縮して、ガス冷却器の底部に沈降しつつ系外に抜き出される。ガス冷却器の外部に抜き出された不純物塩化物は、水処理後、更に無害化処理されて排出される。
以上述べたように本願発明に係る塩化炉とガス冷却器の間に複数の狭窄部を設けることで、塩化炉内の圧力を効果的に0.1MPa以上の高圧域に保持することができるという効果を奏するものである。
また、従来のような絞弁のような可動部を有していないために、長期に亘り、塩化炉内の圧力を加圧状態に安定的に維持することができると、いう効果を奏するものである。
更には、前記狭窄部内の開口部の径を一定に保持するための口径維持手段の先端部に装着した切削ビット26には、四塩化チタンガスを逃がすための開口部を設けているために、前記狭窄部内の口径維持手段を稼動中にも前記狭窄部を完全に閉塞することなく、塩化炉内を安定した圧力に維持することができるという効果を奏するものである。
以上、チタン鉱石を用いてチタン塩化物を製造する実施形態について説明したが、以上の説明は、タンタルやハフニウムを含有する鉱石からタンタル塩化物やハフニウム塩化物を製造する際にも同様に適用することができる。
図1に示すように頂部に垂直狭窄部22とその下流側に水平狭窄部23を設けた金属塩化物の製造装置Mと図示しない冷却設備を用いて、炉内の圧力を0.15MPaに維持しつつ、4500t/炉の生産速度で1ヶ月間の試験操業を行った。その結果、塩化炉内の圧力は安定して維持することができた。また、鉱石の利用効率は、99%であった。
[比較例]
実施例において、垂直狭窄部22のみを用いた以外は同じ条件下にて、4500t/炉の生産を試みた。その結果、塩化炉内の圧力を、0.07MPa以上に昇圧することは困難であった。1ヶ月間の試験操業後、鉱石の利用効率を調査したところ、97%に留った。
実施例において、垂直狭窄部22のみを用いた以外は同じ条件下にて、4500t/炉の生産を試みた。その結果、塩化炉内の圧力を、0.07MPa以上に昇圧することは困難であった。1ヶ月間の試験操業後、鉱石の利用効率を調査したところ、97%に留った。
実施例の鉱石の利用効率は、比較例に比べて2%の差異しかないが、鉱石の使用量を考慮すると絶対的な経済効果には顕著な差異が認められる。
以上の実施例および比較例により、本願発明に係る設備および方法を用いることにより鉱石の利用率を高いレベルに維持しつつ、四塩化チタンの生産性を高めることができるという効果を奏するものである。
本発明の金属塩化物の製造装置または製造方法により、四塩化チタンを効率よく製造することができる。
M…四塩化チタン製造装置、1…塩化炉部、10…鉄皮、11…分散盤、12…ウインドボックス、13…ノズル、14…原料層、15…原料供給ノズル、16…耐火物、2…圧力調整部、20…垂直排ガス配管、21…水平排ガス配管、22…垂直狭窄部、23…水平狭窄部、24…垂直口径維持手段、25…水平口径維持手段、26…切削ビット、27…アンカー、28…凸部、29…ガス導入部
Claims (16)
- 金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物を生成する塩化炉と、前記金属塩化物を含むガスを前記塩化炉から排出するためのガス排出流路とを備えた金属塩化物の製造装置において、
前記ガス排出流路に、前記塩化炉内を加圧する複数の狭窄部を直列に備えたことを特徴とする金属塩化物の製造装置。 - 前記複数の狭窄部が、塩化炉の頂部に設けた垂直狭窄部と、垂直狭窄部の下流であって塩化炉の外部に配置されたガス排出流路の水平狭窄部から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の金属塩化物の製造装置。
- 前記水平狭窄部に比べて垂直狭窄部の内径が小さくなるように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の金属塩化物の製造装置。
- 前記垂直狭窄部のガス導入部が、ガス流れに向かって凸状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の金属塩化物の製造装置。
- 前記狭窄部は、塩化炉から排出されたガスの凝縮物および前記ガス中に含まれる固形物で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属塩化物の製造装置。
- 前記狭窄部には、前記狭窄部の内径を維持するための口径維持手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属塩化物の製造装置。
- 前記口径維持手段は、その先端部に切削ビットを具備し、狭窄部内面に摺動可能な構造を備えたことを特徴とする請求項6に記載の金属塩化物の製造装置。
- 前記切削ビットの内部には、塩化炉で生成するガスを排出するための開口部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の金属塩化物の製造装置。
- 前記ガス排出流路の外面には水冷または空冷設備が装着されていることを特徴とする請求項1に記載の金属塩化物の製造装置。
- 前記切削ビットは耐熱鋼で構成され、その表面にはセラミックス材料からなる被覆層が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の金属塩化物の製造装置。
- 塩化炉の内部において金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物を生成し、この塩化炉の頂部に設けられたガス排出流路から前記金属塩化物を含むガスを前記塩化炉から排出し、冷却して金属塩化物を製造する方法において、
前記ガス排出流路に設けられた複数の狭窄部によって、前記塩化炉内の圧力を加圧状態に維持することを特徴とする金属塩化物の製造方法。 - 前記金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物を生成を開始する際には、ガス排出流路の外周部に配設した水冷設備を稼動させて、前記ガス排出流路の内側に狭窄部を成長させることを特徴とする請求項11に記載の金属塩化物の製造方法。
- 前記前記金属含有原料を塩素ガスで塩素化することにより金属塩化物を生成させる状態が定常状態に達した後は、前記ガス排出流路の外周部に配設させた空冷設備を稼動させることを特徴とする請求項11に記載の金属塩化物の製造方法。
- 前記狭窄部には、前記狭窄部の内径を維持するための口径維持手段が設けられ、この口径維持手段を稼動させることにより狭窄部の内径を変更することで前記塩化炉内の加圧維持圧力を調整することを特徴とする請求項11に記載の金属塩化物の製造方法。
- 前記塩化炉内の圧力が0.1MPa以上であることを特徴とする請求項11に記載の金属塩化物の製造方法。
- 前記金属含有原料は、チタン、タンタル、あるいはハフニウムからなる鉱石あるいは酸化物であることを特徴とする請求項11に記載の金属塩化物の製造方法。
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