JP6222132B2 - 炭化水素の二酸化炭素改質方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化水素の二酸化炭素改質方法、詳細には、炭化水素を触媒の存在下で二酸化炭素改質し、一酸化炭素と水素を含む合成ガスを生成させる方法に関する。
従来、炭化水素を触媒の存在下で二酸化炭素と反応させ(二酸化炭素改質)、一酸化炭素と水素を含む合成ガスに変換するガス改質法(炭化水素の二酸化炭素改質方法)が知られている。この炭化水素の二酸化炭素改質方法によれば、二酸化炭素を有効利用し、一酸化炭素と水素を含む工業的に有用な合成ガスを製造することができる。
炭化水素の二酸化炭素改質に用いられる触媒としては、アルミナやシリカなどの担体にニッケル、ルテニウム、ロジウムなどを担持した触媒が知られている(例えば、特許文献1、2)。これらの触媒は触媒活性に優れており、効率的な改質反応が期待できる。
特開平8−231204号公報 特開平9−168740号公報
しかし、上記のような従来の触媒は高価であり、炭化水素の二酸化炭素改質のコストアップの要因となる。また、炭化水素の二酸化炭素改質では、触媒上に炭素が析出しやすく、上述したような触媒を用いた場合、析出した炭素により触媒表面が覆われて活性が低下し、或いは触媒粒子間の空隙が埋まることにより反応管が閉塞するなどの問題を生じる。このため、工業的に安定して二酸化炭素改質反応を維持することは困難である。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、低コストに実施できるとともに、触媒上への炭素析出により触媒活性が低下するなどの問題を生じることなく、炭化水素の二酸化炭素改質を安定的且つ効率的に実施することができる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、凝固直後の高温の製鋼スラグ(以下、「凝固スラグ」という場合がある)について、下記(i)〜(iv)の点に着眼し、これを二酸化炭素改質反応の触媒及び熱源として利用する新たな炭化水素の二酸化炭素改質方法を創案した。
(i)製鋼スラグは比較的高濃度の鉄分を含んでいるため、炭化水素の二酸化炭素改質の触媒として利用できる。
(ii)凝固直後の製鋼スラグは高温であり、炭化水素の二酸化炭素改質反応に必要な熱の供給源としても利用できる。
(iii)したがって、例えば特開2001−180988号公報、放特開2009−51719号公報、特開2008−308398号公報に示されるようなスラグ凝固プロセスで処理された凝固直後の製鋼スラグを速やかに上記(i)、(ii)の触媒及び熱源として利用すれば、高価な触媒や特別な熱源を用いることなく、炭化水素の二酸化炭素改質を安定的且つ効率的に実施することができる。上記スラグ凝固プロセスでは大量の凝固スラグが得られるので、これを利用することにより、Fe系触媒であっても十分な触媒作用が得られ、且つ熱源としても十分な熱量が確保できる。
(iv)凝固スラグは、スラグ凝固プロセスから連続ないし半連続的に供給可能であるため、上記(i)、(ii)の触媒及び熱源として利用した凝固スラグを所定時間毎に新たな凝固スラグと入れ替えることにより、触媒上に炭素が析出したとしても触媒活性が低下する状態にまで至ることはなく、また、熱源としての機能も安定的に維持することができる。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]炭化水素を触媒の存在下で二酸化炭素改質し、一酸化炭素と水素を含む混合ガスを生成させる炭化水素の二酸化炭素改質方法において、
溶融した製鋼スラグを凝固させるスラグ凝固プロセスで得られた高温の凝固スラグを二酸化炭素改質用の反応容器(A)に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うとともに、反応容器(A)内の凝固スラグを所定時間毎に新たな凝固スラグと入れ替えることを特徴とする炭化水素の二酸化炭素改質方法。
[2]上記[1]の改質方法において、650℃以上の凝固スラグを反応容器(A)内に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うことを特徴とする炭化水素の二酸化炭素改質方法。
[3]炭化水素を触媒の存在下で二酸化炭素改質し、一酸化炭素と水素を含む混合ガスを生成させる混合ガスの製造方法において、
溶融した製鋼スラグを凝固させるスラグ凝固プロセスで得られた高温の凝固スラグを二酸化炭素改質用の反応容器(A)に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うとともに、反応容器(A)内の凝固スラグを所定時間毎に新たな凝固スラグと入れ替えることを特徴とする一酸化炭素と水素を含有する混合ガスの製造方法。
[4]上記[3]の製造方法において、650℃以上の凝固スラグを反応容器(A)内に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うことを特徴とする一酸化炭素と水素を含有する混合ガスの製造方法。
[5]炭化水素を触媒の存在下で二酸化炭素改質し、一酸化炭素と水素を含む混合ガスを生成させるプロセスにおいて、溶融した製鋼スラグを凝固させるスラグ凝固プロセスで得られた高温の凝固スラグを二酸化炭素改質用の反応容器(A)に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うとともに、反応容器(A)内の凝固スラグを所定時間毎に新たな凝固スラグと入れ替え、
反応容器(A)から取り出された凝固スラグを製品スラグに加工することを特徴とするスラグの製造方法。
[6]上記[5]の製造方法において、650℃以上の凝固スラグを反応容器(A)内に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うことを特徴とするスラグの製造方法。
本発明法によれば、溶融した製鋼スラグをスラグ凝固プロセスで処理することにより得られた凝固スラグを二酸化炭素改質用の反応容器(A)に装入し、この凝固スラグを二酸化炭素改質反応の触媒及び熱源として利用するとともに、反応容器(A)内の凝固スラグを所定時間毎に新たな凝固スラグと入れ替えるようにしたので、高価な触媒や特別な熱源を用いることなく、また、触媒上への炭素析出による触媒活性の低下などの問題を生じることなく、炭化水素の二酸化炭素改質を安定的且つ効率的に実施することができる。
本発明法の一実施形態を模式的に示す説明図 実施例における炉排出ガス成分の推移を示すグラフ 実施例で使用した縦型管状炉を示す説明図
本発明法は、炭化水素を触媒の存在下で二酸化炭素改質し、一酸化炭素と水素を含む混合ガスを生成させる炭化水素の二酸化炭素改質方法であり、また、一酸化炭素と水素を含有する混合ガスの製造方法でもある。
二酸化炭素改質用の反応容器内に、例えば650℃〜1200℃の高温において、炭化水素であるメタンと二酸化炭素を流通させると以下の反応が進行する。
CH→C+2H …(1)
C+CO→2CO …(2)
CH+CO→2H+2CO …(3)
メタンの二酸化炭素改質反応では、上記(1)式のCHの分解反応と上記(2)式のCOを生成する反応が進行し、結果として上記(3)式により二酸化炭素改質が表される。この(3)式の反応は、650℃以上の高温条件にて進行することが知られている。
特定の装置(スラグ処理装置)を用いて溶融スラグを冷却して凝固させ、凝固スラグを得るスラグ凝固プロセス(例えば、特開2001−180988号公報、特開2009−51719号公報、特開2008−308398号公報など)が知られており、このスラグ凝固プロセスは、言うまでもなく、鉄鋼製造プロセスの製鋼工程で発生する製鋼スラグにも適用することができる。このようなスラグ凝固プロセスで処理された凝固直後の製鋼スラグは高温であり、上記(3)式の反応に必要な熱の供給源として利用でき、しかも、製鋼スラグは比較的高濃度の鉄分を含んでいるため、炭化水素の二酸化炭素改質の触媒としても利用できる。そこで、本発明では、製鋼スラグをスラグ凝固プロセスで凝固させて得られた高温の凝固スラグ、好ましくは650℃以上の凝固スラグを二酸化炭素改質用の反応容器(A)に装入し、この凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うようにするものである。
スラグ凝固プロセスで処理された凝固直後の製鋼スラグは、一般に1100℃以上の高温を有するため、これを速やかに上記のような二酸化炭素改質反応の触媒及び熱源として利用すれば、高価な触媒や特別な熱源を用いることなく、炭化水素の二酸化炭素改質を安定的且つ効率的に実施することができる。特に、スラグ凝固プロセスでは、連続ないし半連続的に大量の凝固スラグが得られるので、これを利用することにより、Fe系触媒であっても十分な触媒作用が得られ、且つ熱源としても十分な熱量が確保できる。
反応容器(A)内に導入された凝固スラグは、二酸化炭素改質反応(吸熱反応)の進行にしたがい温度が低下し、熱源として機能できなくなる。特に、上記(3)式の反応は大きな吸熱反応(ΔH=−247kJ/mol)であるため、反応容器(A)内の凝固スラグは、その反応にしたがい急冷されることになる。また、多くの場合、上記(1)式の反応に比べて上記(2)式の反応速度が遅れる傾向にあるため、触媒である凝固スラグに炭素の析出が発生する。そこで、本発明では、反応容器(A)内の凝固スラグを所定時間毎に新たな凝固スラグ(スラグ凝固プロセスにて得られた高温の凝固スラグ)と入れ替えるようにする。凝固スラグは、連続ないし半連続的に供給可能であるため、反応容器(A)で触媒及び熱源として利用した凝固スラグを所定時間毎に新たな凝固スラグと入れ替えることにより、触媒上に炭素が析出したとしても触媒活性が低下する状態にまで至ることはなく、また、熱源としての機能も安定的に維持することができる。これにより、反応容器(A)内の温度を適正に制御し、二酸化炭素改質反応を安定的に維持することが可能となる。
本発明で用いる凝固スラグは、これを得るためのスラグ凝固プロセス(特定のスラグ処理装置を用いるプロセス)に特別な制限はない。スラグ凝固プロセスの具体例としては、溶融した製鋼スラグを冷却ドラムの表面に付着させて凝固させた後、冷却ドラムから剥離させることで凝固スラグを得るプロセス(例えば、特開2001−180988号公報、特開2009−51719号公報、特開2008−308397号公報、特開2009−227497号公報)、溶融した製鋼スラグを1対の冷却ロール間に供給し、冷却ロールで冷却しつつ圧延することで凝固スラグを得るプロセス(例えば、特開2008−308398号公報)、循環移動する複数の鋳型を備えた設備において、溶融した製鋼スラグを鋳型に注入して凝固させた後、鋳型から取り出して凝固スラグを得るプロセス(例えば、特開2014−85064号公報)などを挙げることができるが、これらに限定されない。一般に、スラグ凝固プロセスで用いるスラグ処理装置には、スラグ鍋からバッチ式に溶融スラグが供給されるので、スラグ凝固プロセスからの凝固スラグの供給は一時的に中断され、不連続な供給(すなわち半連続的な供給)になる場合があるが、例えば、スラグ処理装置内にスラグ液溜まりを形成する方式(例えば、特開2009-51719号公報の方式)の場合には、このスラグ液溜まりから冷却部に常に溶融スラグが供給されるので、スラグ凝固プロセスからの凝固スラグの供給は実質的に連続したものとなる場合もある。
このようなスラグ凝固プロセスで得られた高温の凝固スラグは、速やかに搬送されて反応容器(A)に装入され、本発明の実施に供される。
図1は、本発明法の一実施形態を模式的に示す説明図であり、Aは炭化水素の二酸化炭素改質用の反応容器、1はガス混合器である。本実施形態は、改質対象の炭化水素がメタンである場合を示している。
本実施形態の反応容器Aは、容器内の下部に分散板2を有し、この分散板2上に触媒である凝固スラグの充填層aが形成される。分散板2の下方の空間(風箱)には、混合ガス(炭化水素+二酸化炭素)の供給管3が接続されている。一方、反応容器Aの上部には排気管4が接続されている。
本実施形態では、スラグ凝固プロセスで得られた高温の凝固スラグを反応容器A内に装入し、分散板2上に凝固スラグの充填層aを形成する。
メタンと二酸化炭素(例えば、高炉ガスなどの発生ガスから分離された二酸化炭素)はガス混合器1で混合された後、供給管3を通じて反応容器Aに連続的に供給される。混合ガスは、分散板2から凝固スラグの充填層aに吹き込まれ、凝固スラグを触媒及び熱源とする炭化水素の二酸化炭素改質が行われ、水素と一酸化炭素を含有する改質ガスが得られる。この改質ガスは排気管4を通じて連続的に取り出され、高カロリーガスとして有効利用(例えば、製鉄所内での利用)される。
炭化水素の二酸化炭素改質反応は大きな吸熱反応であるため、反応容器A内では、凝固スラグが急速に冷却される。
以上の操業を一定時間以上続けると反応容器A内の凝固スラグの温度が低下し、熱源としての機能が低下するとともに、凝固スラグへの炭素析出により触媒活性も低下するので、その前に反応容器A内の凝固スラグを新たな凝固スラグ(スラグ凝固プロセスで得られた高温の凝固スラグ)と入れ替える。すなわち、操業中は、所定時間毎に反応容器Aへの混合ガス(メタン+二酸化炭素)の供給を中断し、反応容器A内の凝固スラグを新たな凝固スラグと入れ替える。この入れ替えは、凝固スラグ温度の面からは、反応容器A内の凝固スラグが650℃未満となる前に行うことが好ましい。反応容器A内の凝固スラグを入れ替えする時間的な間隔は、装入前の凝固スラグの温度、反応容器A内での温度低下や炭素の析出の程度などにより異なるが、数分〜数十分毎に行うことが好ましい。多くの場合、炭素析出による触媒活性の低下は数時間〜数十時間後に発生するので、反応容器A内の凝固スラグを数分〜数十分毎に入れ替えすれば、上記(1)式の反応により炭素が析出したとしても触媒活性が低下することはない。
表1に、1000℃、1100℃、1200℃の各凝固スラグ(転炉脱炭スラグ,比熱0.081kcal/kg/℃)を反応容器内に1000kg装入した状態でメタンの二酸化炭素改質を開始し、吸熱反応(吸熱量247kJ/mol-CH)によって凝固スラグが650℃に冷却されるまで二酸化炭素改質を行った場合について、原料メタン量、反応メタン量、メタンの転化率などの計算結果を示す。これによれば、高温の凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うことにより、燃料などとして有用な一酸化炭素と水素を含有する混合ガスが得られることが判る。
本発明では、二酸化炭素改質反応の触媒及び熱源として製鋼スラグを凝固させて得られた高温の凝固スラグを利用するものであるが、他に二酸化炭素改質反応の触媒及び熱源に利用できる高温物質としては、焼結機から排鉱される高温の焼結鉱が考えられる。すなわち、焼結鉱は比較的高濃度の鉄分を含んでいるため、炭化水素の二酸化炭素改質の触媒として利用でき、しかも焼結機から排鉱された焼結鉱は高温であり、炭化水素の二酸化炭素改質反応に必要な熱の供給源としても利用できる。表2に、1000℃、1100℃、1200℃の各焼結鉱(比熱0.22kcal/kg/℃)を反応容器内に1000kg装入した状態でメタンの二酸化炭素改質を開始し、吸熱反応(吸熱量247kJ/mol-CH)によって焼結鉱が650℃に冷却されるまで二酸化炭素改質を行った場合について、原料メタン量、反応メタン量、メタンの転化率などの計算結果を示す。表2によれば、焼結鉱を触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行った場合でも、所定の転化率で一酸化炭素と水素を含有する混合ガスが得られている。しかし、表1と表2を較べると、凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行った方が格段に高い転化率が得られている。これは、凝固スラグ(製鋼スラグ)は、焼結鉱よりも触媒効果が大きいことを意味している。この理由は必ずしも明らかではないが、含有するトータルFeは凝固スラグ(製鋼スラグ)よりも焼結鉱の方が格段に高いものの、焼結鉱のFe分はほぼ全量がヘマタイトであるのに対し、凝固スラグ(製鋼スラグ)には金属Feが含まれていること、凝固スラグ(製鋼スラグ)と焼結鉱とではFeの分布状態に違いがあること、などが関係している可能性がある。
Figure 0006222132
Figure 0006222132
本発明において炭化水素の二酸化炭素改質により得られる一酸化炭素と水素を含有する混合ガスは、例えば、製鉄所内の加熱炉や熱風炉の燃料など、種々の用途に供することができる。
また、凝固スラグの入れ替えにより反応容器Aから取り出されたスラグは、通常、常温まで冷却された後、製品スラグに加工され、例えば、土木材料、骨材などの種々の用途に用いられる。製品スラグへの加工では、通常、破砕処理・分級などが行われる。
製鋼スラグは水と反応して膨張する性質があるので、特に路盤材用途の製鋼スラグは十分安定しているものでなければならない。製鋼スラグを安定化する方法としてはエージングが一般的であるが、本発明において反応容器A内で急冷されることにより改質され、膨張性を抑制できる可能性がある。
図3に示す直径30mmの縦型管状炉(石英ガラス製の反応管)を用いてメタンの二酸化炭素改質試験を行った。この試験では、縦型管状炉内に詰められた綿の上に製鋼スラグ(常温)を30g乗せ、下からメタン(500mL/分)と二酸化炭素(500mL/分)の混合ガスを流通させた。加熱装置で縦型管状炉を加熱し、反応温度及びスラグ温度を1000℃に維持した。
試験開始から炉排出ガスの分析(GC-TCDによるガス分析)を行った。その結果を図2に示すが、メタンと二酸化炭素の濃度低下および一酸化炭素と水素の生成が確認される。ガスの流通時間は20分としたが、ガス流通開始後10分程度で改質反応はほぼ安定化し、また、その後、実験終了までの期間で触媒活性が低下した兆候も見受けられない。以上の通り、良好な試験結果が得られた。
A 反応容器
a 充填層
1 ガス混合器
2 分散板
3 供給管
4 排気管

Claims (6)

  1. 炭化水素を触媒の存在下で二酸化炭素改質し、一酸化炭素と水素を含む混合ガスを生成させる炭化水素の二酸化炭素改質方法において、
    溶融した製鋼スラグを凝固させるスラグ凝固プロセスで得られた高温の凝固スラグを二酸化炭素改質用の反応容器(A)に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うとともに、反応容器(A)内の凝固スラグを所定時間毎に新たな凝固スラグと入れ替えることを特徴とする炭化水素の二酸化炭素改質方法。
  2. 650℃以上の凝固スラグを反応容器(A)内に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うことを特徴とする請求項1に記載の炭化水素の二酸化炭素改質方法。
  3. 炭化水素を触媒の存在下で二酸化炭素改質し、一酸化炭素と水素を含む混合ガスを生成させる混合ガスの製造方法において、
    溶融した製鋼スラグを凝固させるスラグ凝固プロセスで得られた高温の凝固スラグを二酸化炭素改質用の反応容器(A)に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うとともに、反応容器(A)内の凝固スラグを所定時間毎に新たな凝固スラグと入れ替えることを特徴とする一酸化炭素と水素を含有する混合ガスの製造方法。
  4. 650℃以上の凝固スラグを反応容器(A)内に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うことを特徴とする請求項3に記載の一酸化炭素と水素を含有する混合ガスの製造方法。
  5. 炭化水素を触媒の存在下で二酸化炭素改質し、一酸化炭素と水素を含む混合ガスを生成させるプロセスにおいて、溶融した製鋼スラグを凝固させるスラグ凝固プロセスで得られた高温の凝固スラグを二酸化炭素改質用の反応容器(A)に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うとともに、反応容器(A)内の凝固スラグを所定時間毎に新たな凝固スラグと入れ替え、
    反応容器(A)から取り出された凝固スラグを製品スラグに加工することを特徴とするスラグの製造方法。
  6. 650℃以上の凝固スラグを反応容器(A)内に装入し、該凝固スラグを触媒及び熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うことを特徴とする請求項5に記載のスラグの製造方法。
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