JP2005089797A - 水素と還元鉄の製造方法及び装置 - Google Patents

水素と還元鉄の製造方法及び装置 Download PDF

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忠史 西村
Kenichi Yajima
健一 矢島
Eiji Inoue
英二 井上
Kazuo Tsutsumi
香津雄 堤
Chikanori Kumagai
親徳 熊谷
Yasushi Sakakida
康史 榊田
Keiichi Komai
啓一 駒井
Teruo Murata
輝夫 村田
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Abstract

【課題】 鉄鉱石を含む酸化鉄と炭素を含む固体燃料との混合物を原料とすることで、水素と還元鉄を安価に製造する。
【解決手段】 鉄鉱石を含む酸化鉄と炭素を含む固体燃料との混合物を第1反応炉10で加熱して炭素還元する酸化鉄の還元工程と、この還元工程を経た混合物に水蒸気又は水蒸気を含むガスを第2反応炉12で接触させて水素及び一酸化炭素ガスを含む燃焼ガスを生成させる水蒸気の還元工程からなり、水蒸気の還元工程で得られた水素及び一酸化炭素ガスを含む燃焼ガスを、水素分離装置14に導入して水素を分離し、水素が分離された残りガスを酸化鉄の還元工程における混合物を加熱する燃料として使用する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、鉄鉱石を含む酸化鉄と炭素を含む固体燃料との混合物を原料として、水素と還元鉄を安価に製造する方法及び装置に関するものである。
水素は、従来のように、石油の軽質化(クラッキング)のための原料や製鉄分野での還元用ガス等の各種化学反応用原料として用いられるだけでなく、近年は無公害の優れた原料として注目されている。特に最近、安価で容易に貯蔵出来る水素貯蔵合金が商業化されたこと、及び燃料電池の実用化により、水素の市場は急激に拡大しつつある。
このような状況下にあって、反応器のチューブ内に天然ガスと蒸気(スチーム)とを導入し加熱して水素を製造する従来方式に代わりより熱効率が良く、安価で、かつ簡単な方法の商業化が待たれており、各社が開発に凌ぎを削っている。
ところが、本発明者らは、アイアンカーバイドを製造するプロセスを研究している過程でアイアンカーバイドに水蒸気が触れると、アイアンカーバイドが鉄に変わるのと同時に水素と一酸化炭素が発生することを発見した。即ち、水とアイアンカーバイドを原料にして簡単に水素を発生させることを見出した。なお、この技術は既に特許出願している。
そこで、更に検討した結果、この反応は炭化物形態のアイアンカーバイドだけではなく、炭素により還元された鉄と固体炭素の混合物でも得られることを発見した。
アイアンカーバイドは水素による還元とメタンガスによる加炭、即ち、天然ガスによって製造されるが、上記混合物は石炭を使用する炭素還元プロセス、例えば、回転炉床炉で加熱還元された固体炭素混じりの還元鉄に水蒸気を導入することより水素が製造出来ることを示唆する。天然ガスが高価となり、石炭を還元剤とする直接還元製鉄プロセスが期待される中、本技術は非常に有効である。
従来、水素製造方法としては、炭化鉄に水蒸気又は水蒸気を含むガスを接触させて、水蒸気中の酸素を炭化鉄中の炭素と結合させて一酸化炭素ガス又は一酸化炭素ガス及び二酸化炭素ガスに変化させ、酸素が除去された水蒸気を水素に変化させて水素ガスを発生させ、炭化鉄を炭素が除去された鉄に転換する工程を包含するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、炭化鉄を水蒸気又は水蒸気を含むガスと反応させ、可燃性ガスである水素及び一酸化炭素を含むガスを発生させるとともに、炭化鉄の少なくとも一部を鉄に転換し、可燃性ガスを取り出した後の鉄及び炭化鉄を電気炉で製銑して銑鉄を製造し、回収した可燃性ガスである水素及び一酸化炭素をエネルギーとして利用するようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
従来、水素製造用触媒として、触媒を還元性ガスによって還元した後、水蒸気と接触反応させて水素を生成させる水素製造用触媒において、この触媒は、モリブデン、タングステン、バナジウム、ウラン、鉄及びニッケルからなる群から選ばれた少くとも一種の金属の酸化物にロジウムを添加したものであるようにすることが知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、Fe30〜60重量%、Ni0.1〜10重量%及びCaO20重量%以下の組成より成り、かつ比表面積が0.1〜30m2/g 、みかけ比重が2.5〜4.0である流動床条件下に重質炭化水素を酸化ないしは分解し、この組成中の酸化鉄を還元し、還元された鉄とスチームとの反応により水素を製造するプロセスに用いる触媒組成物も知られている(例えば、特許文献4参照)。
特許第2954585号公報(第1頁、図1) 特開2002−194411号公報(第2頁、図1) 特公昭63−35301号公報(第1頁) 特公昭59−51336号公報(第1頁)
解決しようとする問題点は、水素の製造及び還元鉄の製造のいずれの場合においても、高価な天然ガスを使用する方法が一般的である点である。
即ち、水素製造は主に下記の2つの方法によっている。
(1) 炭化水素の改質
(2) 炭化水素(ガス又は液体)に水蒸気を混合して反応させて水素と一酸化炭素と二酸化炭素を得、そのガスから水素を分離する。これらの方式の主な欠点は下記のとおりである。即ち、ガス改質器の加熱ガス温度が1000℃以上であるため多量の熱(燃料)が必要である。また、同じ理由で高温に耐える材料が必要である。また、高温の排ガスの熱回収を行うための各種付帯設備が必要であること等の理由で設備費が大きくなる。さらに、主原料が水と高価な天然ガスである。
還元鉄製造は主に下記の2つの方法によっているが、いずれの方法も下記の欠点がある。
(1) 天然ガス使用プロセス、シャフト充填層(ミドレックス(Midrex)法)方式
高価で、かつ価格変動が大きい天然ガスを使用するため、コスト評価は不安定である。また、プラント立地が天然ガスの産出国と限定され、輸送時の再酸化対策を施す必要がある。
(2) 石炭使用プロセス、回転炉床炉(RHF)方式
石炭に内在している灰分等の不純物が多く、得られた還元鉄を電気炉スクラップ中の不純物の希釈材として利用した場合、これら不純物を電気炉へ投入する手前で分離するか、又はこれら不純物も加熱しなければならず、エネルギー損失が大きくなって使用電力量が上がり、操業コストが高くなる。
また、アイアンカーバイド(IC)と水蒸気とにより、還元鉄と水素を製造する方法では、ICは大気中で安定した特性を示し、上記2つの方法による還元鉄製造方法より有利であるが、天然ガス使用のプロセスであり、コスト評価は基本的にミドレックス(Midrex)法と同じとなる。
なお、2ステージIC製造プロセスにおける反応式はつぎの通りである。
3Fe23+5H2→4FeO+2Fe+5H2
4FeO+2Fe+2CH4→2Fe3C+4H2
また、鉄と水素を併産するICプロセスにおける反応式はつぎの通りである。
2Fe3C+2H2O→6Fe+2H2+2CO
本発明は、鉄鉱石又は製鉄ダスト等の鉄鉱石を含む酸化鉄と、石炭等の炭素を含む固体燃料との混合物を原料として、水素及び還元鉄を安価に製造することを最も主要な特徴とする。
本発明の水素と還元鉄の製造方法は、鉄鉱石を含む酸化鉄と炭素を含む固体燃料との混合物を加熱して炭素還元する酸化鉄の還元工程と、該還元工程を経た混合物に水蒸気又は水蒸気を含むガスを接触させて水素及び一酸化炭素ガスを含む燃焼ガスを生成させる水蒸気の還元工程からなることを特徴としている。
この方法において、酸化鉄の還元工程を経た混合物に、さらに炭素を含む固体燃料を追加し、この混合物(固体燃料を追加した混合物)を水蒸気の還元工程に導入する場合もある。
また、これらの方法において、水蒸気の還元工程で得られた水素及び一酸化炭素ガスを含む燃焼ガスを、水素分離装置に導入して水素を分離し、水素が分離された残りガスを酸化鉄の還元工程における混合物を加熱する燃料として使用する場合もある。
また、これらの方法において、水蒸気の還元工程に必要な反応熱を、酸化鉄の還元工程を経た混合物の顕熱と、水蒸気又は水蒸気を含むガスに酸素又は空気を混入して生成した水素及び一酸化炭素ガスの一部を燃焼させた燃焼熱とで賄うように構成することがある。
本発明の水素と還元鉄の製造装置は、酸化鉄の還元工程を行うための回転炉床炉と、水蒸気の還元工程を行うための気流搬送装置とを備えたことを特徴としている。また、本発明の装置は、酸化鉄の還元工程を行うための回転炉床炉と、水蒸気の還元工程を行うための流動層反応炉とを備えたことを特徴としている。また、本発明の装置は酸化鉄の還元工程を行うための回転炉床炉と、水蒸気の還元工程を行うための移動層反応炉とを備えたことを特徴としている。さらに、本発明の装置は、酸化鉄の還元工程を回転炉床炉の略半分で行い、水蒸気の還元工程を回転炉床炉の残り略半分で行うようにしたことを特徴としている。
本発明はつぎのような効果を奏する。
(1) 従来の炭化水素の改質による水素製造に対し、設備が安価であること、原料として高価な天然ガス等の化石原料の使用量が少ないこと等の理由により、得られた水素の価格が安くなる。
(2) 従来の天然ガス使用プロセスであるシャフト充填層(ミドレックス法(Midrex)法)方式による還元鉄製造、及びアイアンカーバイド(IC)と水蒸気とにより還元鉄と水素を製造する方式に対し、設備が安価であること、原料として高価な天然ガス等の化石原料の使用量が少ないこと等の理由により得られた還元鉄の価格が安くなる。また、プロセス内圧力が大気圧に近い圧力か、又は10kg/cm2・G以下の低い値であるため、設備費が安いことに加えて、運転が容易である。
(3) 従来の石炭使用プロセスである回転炉床炉(RHF)方式による還元鉄製造に対し、水蒸気の還元工程を気流搬送方式とした場合、混合物中の石炭に内在している灰分等の不純物と還元鉄をサイクロンで分離することができ、電気炉のスクラップ代替として利用する上で、これらの不純物の加熱が不要となり、エネルギー消費上有効である。さらに、同時に、水素及び一酸化炭素ガスを含む燃焼ガスを生成するという利点がある。
水素及び還元鉄を安価に製造するという目的を、鉄鉱石を含む酸化鉄と炭素を含む固体燃料(例えば石炭)との混合物を原料とし、この原料を加熱して炭素還元し、ついで水蒸気を含むガスと接触させることにより実現した。
図1は、本発明方法の1実施例のブロック図であって、10は第1反応炉、12は第2反応炉である。第1反応炉10としては、回転炉床炉(rotary hearth furnace、RHF)等が用いられ、第2反応炉12としては、流動層反応炉等が用いられる。
粉鉱石(例えば、粉状の鉄鉱石)と粉炭材(例えば、粉状の石炭)との混合物を第1反応炉10に供給するとともに、LNG、コークス炉ガス等の燃料を燃焼させた燃焼ガスを第1反応炉10に供給して酸化鉄の還元工程が行われる。なお、燃料と空気とを第1反応炉10に供給して、炉10内で燃焼させるようにしてもよい。第1反応炉10が回転炉床炉(RHF)の場合は、RHF内を約1200〜1400℃のガス輻射加熱雰囲気温度として、鉄鉱石を含む酸化鉄と炭素を含む固体燃料(石炭)の混合物を加熱して炭素還元する酸化鉄の還元工程が行なわれる。
第1反応炉10からの排ガスは、集塵処理された後、大気放出される。第1反応炉10からの還元鉄、残カーボンは第2反応炉12に供給されるとともに、水蒸気又は水蒸気を含むガスが第2反応炉12に供給され、水素、CO、CO2を含むガスが生成する。そして、第2反応炉12から、還元鉄が排出される。第2反応炉12は、酸化鉄の還元工程を経た混合物に水蒸気又は水蒸気を含むガスを接触させ、約600〜750℃の温度下で、水素及び一酸化炭素ガスを含む燃焼ガスを生成する水蒸気の還元工程が行われる。このとき、図1においては、水蒸気の還元工程に必要な熱を、酸化鉄の還元工程を経た混合物の顕熱によって賄うように構成されるが、後述の図3に示すように、さらに、生成した水素及びCOの一部を別途導入する酸素又は空気により燃焼させて賄うように構成することが好ましい。
第1反応炉10内では、一例として下記の反応による酸化鉄の還元工程が行われる。
3Fe23+10.5C→6Fe+6CO+1.5CO2+3C
また、第2反応炉12内では、還元された鉄を触媒とし、残存するカーボンと水蒸気が接触して、一例として下記の反応による水蒸気の還元工程により水素が製造される。後述の図2に示す実施例におけるように、炭材はこの段階で加えてもよく、また量も任意に設定することができ、より多くの水素生成が期待できる。
6Fe+3C+3H2O→6Fe+3H2+3CO
図2は、本発明方法の他の実施例のブロック図である。本例は、第2反応炉12に石炭等の炭材を供給して水蒸気の還元工程を行うものである。炭材供給量を任意に設定することにより、より多くの水素生成を期待することができる。他の構成及び作用は、図1に示す実施例の場合と同様である。
図3は、本発明方法のさらに他の実施例のブロック図である。本例は、第2反応炉12からのH2、CO、CO2を含む生成ガスを水素分離装置14に導入して、H2を分離し、残りのガスを第1反応炉10に供給して燃料ガスとして利用し、第2反応炉12からの鉄を電気炉(EAF)16に供給するようにしたものである。水素分離装置14としては、圧力スイング方式(PSA)分離装置、膜分離装置等が用いられる。本例では、水蒸気の還元工程に必要な反応熱を、酸化鉄の還元工程を経た混合物の顕熱と、生成した水素及びCOの一部を別途導入する酸素又は空気(図3では、燃焼エア)により燃焼させた燃焼熱とで賄うように構成される。他の構成及び作用は、図1又は図2に示す実施例の場合と同様である。
図4は、本発明装置の1実施例の系統説明図である。鉄鉱石又は製鉄ダスト(以下、単に鉄鉱石という)が酸化鉄ホッパ20に投入され、石炭が石炭ホッパ22に投入される。ホッパ20からの鉄鉱石とホッパ22からの石炭は混合機24で混合された後、回転炉床炉(RHF)26に供給され、燃焼ガスにより1200〜1400℃に加熱されて酸化鉄が還元される。このときの反応式は、一例として、
3Fe23+9.5C→6Fe+6CO+1.5CO2+2C
となる。なお、前述の反応式とCの係数が異なっているが、これは加えるCの量を適宜調節することができるからである。
回転炉床炉(RHF)は、水平面を回転する耐火材からなるリング状平板(台車)の上部を、空間(燃焼室)を介して耐火材からなるケーシング(固定)で被覆し、水平方向に回転するリング状平板の上に原料を投入して加熱するように構成されている。
回転炉床炉26からの還元鉄と炭素との混合物は一旦、還元鉄ホッパ28に貯留された後、200℃前後の水蒸気とともに搬送管30を介してサイクロン32に気流搬送される。
このとき、還元鉄に水蒸気が接触して、H2及びCOを含む燃焼ガスが生成する。即ち、搬送管30が水蒸気の還元工程を行うための気流搬送装置となり、水蒸気の還元工程に必要な反応熱が、酸化鉄の還元工程を経た混合物の顕熱(約1,200℃)によって賄われる。このときの反応式は、一例として、
6Fe+2C+2H2O→6Fe+2H2+2CO
となる。なお、前述の反応式とC、H2O、H2及びCOの係数が異なっているが、これは加えるH2Oの量を適宜調節することができるからである。
回転炉床炉(RHF)26からの排ガスは空気予熱器34で冷却された後、集塵装置36で除塵処理されて大気放出される。38は排ガスブロワである。一方、空気ブロワ40により供給された空気は、空気予熱器34で予熱された後、回転炉床炉(RHF)26に供給される。
サイクロン32からの残カーボン、灰分、H2、CO、CO2を含むガスは集塵装置42で除塵処理された後、昇圧用ブロワ44により昇圧されて水素分離装置(PSA)46に導入される。
水素分離装置46で分離された水素は、ガスホルダー(GH)48に貯留され、高純度の製品として取り出される。水素が分離された残ガスは、回転炉床炉(RHF)26へ燃料として供給される。サイクロン32から抜き出された高温の還元鉄は電気炉(EAF)50へ供給され、製品の鋼となる。なお、電気炉50にスクラップが供給されることもある。また、電気炉の代わりに、石炭を燃料とした溶融炉を用いても良い。
図5は、本発明装置の他の実施例の系統説明図である。本例は、酸化鉄の還元工程を、図4の場合と同様に回転炉床炉(RHF)26で行い、水蒸気の還元工程を流動層反応炉52で行うように構成したものである。
図5に示すように、回転炉床炉(RHF)26からの混合物は流動層反応炉52に供給され、流動層54の下部に水蒸気が供給される。56は分散板である。流動層反応炉52からの生成ガスは集塵装置42を経て水素分離装置(PSA)46に導入され、流動層反応炉52からの高温の還元鉄は電気炉(EAF)50に供給される。他の構成及び作用は、図4に示す実施例の場合と同様である。
図6は、本発明装置の他の実施例の系統説明図である。本例は、酸化鉄の還元工程を、図4の場合と同様に回転炉床炉(RHF)26で行い、水蒸気の還元工程を移動層反応炉58で行うように構成したものである。
図6に示すように、回転炉床炉(RHF)26からの混合物は移動層反応炉58に供給され、移動層60の下部に水蒸気が供給される。62は分散板である。移動層反応炉58からの生成ガスは集塵装置42を経て水素分離装置(PSA)46に導入され、移動層反応炉58からの高温の還元鉄は電気炉(EAF)50に供給される。鉄鉱石を含む酸化鉄と炭素を含む固体燃料の混合物を、事前処理としてペレット又はブリケットとした場合に、本例のように、塊の壊れが少ない移動層を用いることは有効である。他の構成及び作用は、図4に示す実施例の場合と同様である。
図7は、本発明装置のさらに他の実施例の系統説明図である。本例は、酸化鉄の還元工程を、回転炉床炉(RHF)64の略半分で行い、水蒸気の還元工程をこの回転炉床炉(RHF)64の残り略半分で行うように構成したものである。酸化鉄と水蒸気の還元工程とを1つの反応炉で行うようにしたため、設備費上有効である。
以下、本例における回転炉床炉(RHF)64について詳細に説明する。図8は回転炉床炉(RHF)64の斜視図、図9は図8におけるA−A線拡大断面図、図10は回転炉床炉(RHF)64の環状の部分(ケーシング及び台車)の縦方向の環状断面を直線状に展開した断面説明図である。
66は耐火材からなるリング状平板(台車)で、このリング状平板66は水平面を回転するように構成されている。68はレール、70はモータである。このリング状平板66の上部は、空間(燃焼室)72を介して耐火材からなるケーシング74で被覆されている。なお、このケーシング74は回転しない。
リング状平板(台車)66は、図10における矢印の方向に回転移動する。リング状平板66上に、原料投入口76から鉄鉱石と石炭との混合物77が供給されるとともに、燃焼室72に燃焼ガスと空気(又は燃料と空気)が供給され、酸化鉄の還元工程が行われる。78は燃焼ガス・エア供給口、80はバーナ、82は排ガス排出口である。
ついで、酸化鉄の還元工程を経た混合物に水蒸気が供給され、H2 及びCOを含むガスを生成させる水蒸気の還元工程が行われる。84は水蒸気噴射器、86は水蒸気供給口、88は生成ガス排出口、90はスクリュー、92は還元鉄抜出口、94は2つの還元工程が行われる部分を区画するための凹部である。
排ガス排出口82からの排ガスは、図7に示すように、空気予熱器34に導入され、生成ガス排出口88からの生成ガスは集塵装置42を経て、水素分離装置46に導入され、還元鉄抜出口92からの高温の還元鉄は電気炉(EAF)50に供給される。他の構成及び作用は、図4に示す実施例の場合と同様である。
本発明の方法について、炭素量のFeに対するモル比の関係をまとめると以下のようである。第1反応の酸化鉄還元工程は、既存の技術が存在し、C/Fe(モル比)約1.25程度で実用化されている。第2反応の水蒸気還元工程では、アイアンカーバイドを用いた場合、C/Fe(モル比)0.33と一様であるのに対し、本発明の方法においては、任意に設定が可能である。
平衡計算では、第2反応でのC/Feモル比を大きくする程、Fe収率100%となる平衡温度は、例えば、C/Fe(モル比)0.5で740℃、C/Fe(モル比)2.0で640℃と、低くなり有利である。また、C/Fe(モル比)約1.0以上では、第2反応に要する反応熱を生成するガスの一部を導入する酸素との燃焼熱で、100%補償することができ、さらに、第1反応に要する反応熱を上記ガスの水素を分離した残りの燃焼ガスで、100%補償することができ、また、約1.2以上では第2反応に供給する水蒸気の潜熱、言い替えると水蒸気の製造までを補償することができる熱収支計算の結果を得ている。
石油の軽質化(クラッキング)用の水素、製鉄分野での還元用ガス、各種化学反応用原料、燃料電池用の水素等として利用することができ、また、製鉄分野での電気炉用、その他溶融還元炉用の還元鉄源として利用することができる。
水素と還元鉄の製造方法を示したブロック説明図である。(実施例1) 水素と還元鉄の製造方法を示したブロック説明図である。(実施例2) 水素と還元鉄の製造方法を示したブロック説明図である。(実施例3) 水素と還元鉄の製造装置の一例を示した系統的概略構成説明図である。 水素と還元鉄の製造装置の他の例を示した系統的概略構成説明図である。 水素と還元鉄の製造装置の他の例を示した系統的概略構成説明図である。 水素と還元鉄の製造装置のさらに他の例を示した系統的概略構成説明図である。 図7における回転炉床炉を示す斜視図である。 図8におけるA−A線断面拡大説明図である。 図8における回転炉床炉の環状の部分(ケーシング及び台車)の縦方向の環状断面を直線状に展開した状態を示す断面説明図である。
符号の説明
10 第1反応炉
12 第2反応炉
14 水素分離装置
16 電気炉
20 酸化鉄ホッパ
22 石炭ホッパ
24 混合機
26 回転炉床炉
28 還元鉄ホッパ
30 搬送管
32 サイクロン
34 空気予熱器
36 集塵装置
38 排ガスブロワ
40 空気ブロワ
42 集塵装置
44 昇圧用ブロワ
46 水素分離装置
48 ガスホルダー
50 電気炉
52 流動層反応炉
54 流動層
56 分散板
58 移動層反応炉
60 移動層
62 分散板
64 回転炉床炉
66 リング状平板(台車)
68 レール
70 モータ
72 空間(燃焼室)
74 ケーシング
76 原料投入口
77 混合物
78 燃焼ガス・エア供給口
80 バーナ
82 排ガス排出口
84 水蒸気噴射器
86 水蒸気供給口
88 生成ガス排出口
90 スクリュー
92 還元鉄抜出口
94 凹部

Claims (8)

  1. 鉄鉱石を含む酸化鉄と炭素を含む固体燃料との混合物を加熱して炭素還元する酸化鉄の還元工程と、該還元工程を経た混合物に水蒸気又は水蒸気を含むガスを接触させて水素及び一酸化炭素ガスを含む燃焼ガスを生成させる水蒸気の還元工程からなることを特徴とする水素と還元鉄の製造方法。
  2. 酸化鉄の還元工程を経た混合物に、さらに炭素を含む固体燃料を追加し、この混合物を水蒸気の還元工程に導入する請求項1記載の水素と還元鉄の製造方法。
  3. 水蒸気の還元工程で得られた水素及び一酸化炭素ガスを含む燃焼ガスを、水素分離装置に導入して水素を分離し、水素が分離された残りガスを酸化鉄の還元工程における混合物を加熱する燃料として使用する請求項1又は2記載の水素と還元鉄の製造方法。
  4. 水蒸気の還元工程に必要な反応熱を、酸化鉄の還元工程を経た混合物の顕熱と、水蒸気又は水蒸気を含むガスに酸素又は空気を混入して生成した水素及び一酸化炭素ガスの一部を燃焼させた燃焼熱とで賄う請求項1、2又は3記載の水素と還元鉄の製造方法。
  5. 酸化鉄の還元工程を行うための回転炉床炉と、水蒸気の還元工程を行うための気流搬送装置とを備えたことを特徴とする水素と還元鉄の製造装置。
  6. 酸化鉄の還元工程を行うための回転炉床炉と、水蒸気の還元工程を行うための流動層反応炉とを備えたことを特徴とする水素と還元鉄の製造装置。
  7. 酸化鉄の還元工程を行うための回転炉床炉と、水蒸気の還元工程を行うための移動層反応炉とを備えたことを特徴とする水素と還元鉄の製造装置。
  8. 酸化鉄の還元工程を回転炉床炉の略半分で行い、水蒸気の還元工程を回転炉床炉の残り略半分で行うようにしたことを特徴とする水素と還元鉄の製造装置。
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