JP2010000166A - 椅子の背凭れ部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂一体成形の背凭れ部材に実効的にクッション性を付与する。
【解決手段】背凭れ部材において、後面側に開口する空間部15と、空間部15の縁部から前面側に突き出しており着座者の身体の荷重を受けて弾性変形する変形部14とを樹脂一体成形して設けた。着座者の身体の荷重を受けた変形部14は、少なくとも空間部15の縁部に連なる部分141が空間部15の内側に入り込むか、あるいは空間部15の外側に撓むように変形し、クッション性を発揮する。
【選択図】図3A
【解決手段】背凭れ部材において、後面側に開口する空間部15と、空間部15の縁部から前面側に突き出しており着座者の身体の荷重を受けて弾性変形する変形部14とを樹脂一体成形して設けた。着座者の身体の荷重を受けた変形部14は、少なくとも空間部15の縁部に連なる部分141が空間部15の内側に入り込むか、あるいは空間部15の外側に撓むように変形し、クッション性を発揮する。
【選択図】図3A
Description
本発明は、椅子の背凭れの構成部材に関する。
オフィス等で使用される椅子には種々の態様のものが存在する。背凭れに着目しても、フレームに伸縮性に富むメッシュ素材の張材を張り設けたもの(例えば、下記非特許文献1を参照)や、シェルの前面にクッションを取り付けたもの(例えば、下記非特許文献2を参照)、硬質樹脂板を主体としたもの(例えば、下記非特許文献3を参照)等、様々である。
"FOSTER ETHOS",コクヨ総合カタログ2008年版ファニチャー編,コクヨ株式会社,平成19年12月,p.320−323 "SEDISTA",コクヨ総合カタログ2008年版ファニチャー編,コクヨ株式会社,平成19年12月,p.356−359 "Protty",コクヨ総合カタログ2008年版ファニチャー編,コクヨ株式会社,平成19年12月,p.392−393
"FOSTER ETHOS",コクヨ総合カタログ2008年版ファニチャー編,コクヨ株式会社,平成19年12月,p.320−323 "SEDISTA",コクヨ総合カタログ2008年版ファニチャー編,コクヨ株式会社,平成19年12月,p.356−359 "Protty",コクヨ総合カタログ2008年版ファニチャー編,コクヨ株式会社,平成19年12月,p.392−393
着座者の身体を支持する背凭れ面を樹脂成形部材単体で構成すれば、張材を張り設けたりクッションを取り付けたりするものに比べて製造コストを低減できる。
だが、従前の如き硬質樹脂板では、背凭れ面のクッション性を具現することは不可能であり、椅子の座り心地の面で不利となる。
以上の問題に着目してなされた本発明は、樹脂一体成形の背凭れ部材に実効的にクッション性を付与することを所期の目的としている。
上述した課題を解決するべく、本発明では、後面側に開口する空間部と、前記空間部の縁部から前面側に突き出しており着座者の身体の荷重を受けて弾性変形する変形部とを樹脂一体成形することとした。このようなものであれば、比較的低コストで製造できる上、変形部の変形を利用したクッション性が実現される。
変形部は、着座者の身体の荷重を受けたときに、少なくとも空間部の縁部に連なる部分が空間部の内側に入り込むか、あるいは空間部の外側に撓むものとする。
着座者の身体と接触して着座者の荷重を受ける身体保持部と、前記身体保持部を支持するフレーム部と、前記身体保持部の端部と前記フレーム部との間に介在して両者を接続するとともに、弾性変形を通じて身体保持部の端部とフレーム部との距離を拡縮させる伸縮部とをさらに具備し、身体保持部の縁部に変形部を設けるとともに、その縁部に空間部を隣接させており、これら身体保持部、フレーム部、伸縮部及び変形部を樹脂一体成形していれば、伸縮部の伸長により身体保持部及び変形部をフレーム部に対して相対変位可能とすることができ、背凭れ面の可変形性及び弾力性が増強される。
本発明によれば、樹脂一体成形の背凭れ部材にクッション性を付与することができ、この背凭れ部材を背凭れに用いた椅子の座り心地の向上に寄与し得る。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本発明に係る背凭れ部材1を適用した椅子を示す。この椅子は、既存の椅子と同様、脚5と、脚5の上部に取り付けた支基4と、支基4に支持させた座3及び背凭れ2とを備えてなるもので、その背凭れ2を構成する主体として硬質樹脂一体成形品の背凭れ部材1を採用している。
図2等に示すように、背凭れ部材1は、後面側に開口する空間部15と、空間部15の縁部から前面側に突き出しており着座者の身体の荷重を受けて弾性変形する変形部14とを具備し、その変形部14によってクッション性を実現したものである。
<第1実施形態>図2及び図3に示している背凭れ部材1では、上下方向に延伸した左右一対のフレーム部12の上端部同士及び/または下端部同士をそれぞれ左右方向に延伸したフレーム部13で連結して正面視三方枠または四方枠を構築し、その内周に着座者の身体を保持する身体保持部11を架け渡している。身体保持部11は、フレーム部12、13と比べて可撓性を有する。図2及び図3に示すものでは、正面視斜め方向に拡張した、前後の厚みが薄い帯状体である。帯状体の一部は、一端部が左方または右方のフレーム部12に接続し、他端部が上方または下方のフレーム部13に接続する。この身体保持部11は全体として格子網状をなしており、前後に開通した空間部15を複数包有する。
図3Aに示すように、変形部14は、その空間部15の縁部から前面側に突き出している。着座者の身体の荷重を受けたとき、変形部14は、図3Bに示すように、空間部15の縁部に連なる基端部分141が空間部15の内側に入り込むように弾性変形する。あるいは、図3Cに示すように、空間部15の縁部に連なる基端部分141が空間部15の外側に撓み、折り曲げられるように弾性変形する。
<第2実施形態>図4及び図5に示している背凭れ部材1では、背凭れ面を構成する板体の各所に変形部14を点在させて成形している。変形部14は、その上下が互いに略平行な縁辺をなすように板体から切り離される一方で、左右は板体に連接している。変形部14は、背凭れ部材1の他の部位よりも厚みが薄く、弾性変形しやすい。
図5Aに示すように、変形部14は板体の前面よりも前方に迫り出し、その後背に後方に開放した空間部15を存在させている。着座者の身体の荷重を受けたとき、変形部14は、図5Bに示すように、空間部15の縁部に連なる側縁部分141が空間部15の内側に入り込むように弾性変形する。あるいは、図5Cに示すように、空間部15の縁部に連なる側縁部分141が空間部15の外側に撓み、折り曲げられるように弾性変形する。
<第3実施形態>図6Aに示している背凭れ部材1の変形部14は、図4に示した例における変形部14の中途部分を切断したものとなっている。着座者の身体の荷重を受けたとき、変形部14は、図6Bに示すように、空間部15の縁部に連なる側縁部分141が空間部15の内側に入り込むように弾性変形する。あるいは、図6Cに示すように、空間部15の縁部に連なる側縁部分141が空間部15の外側に撓み、折り曲げられるように弾性変形する。
<第4実施形態>図7ないし図8に示している背凭れ部材1では、背凭れ面を構成する板体に上下方向に延伸したチャネル状をなす変形部14を並列的に成形している。変形部14は、背凭れ部材1の左右部位及び変形部14と変形部14との間の部位よりも厚みが薄く、弾性変形しやすい。背凭れ部材1の左右部位及び変形部14と変形部14との間の部位は、図示しないリブ等の補強を介して相互に連結することが好ましい。
図8Aに示すように、変形部14は板体の前面よりも前方に突出し、その後背に後方に開放した空間部15を存在させている。変形部14は着座者の身体の荷重を受けたとき、変形部14は、図8Bに示すように、空間部15の縁部に連なる側壁部分141が空間部15の内側に入り込むように弾性変形する。あるいは、図8Cに示すように、空間部15の縁部に連なる側壁部分141が空間部15の外側に撓み、折り曲げられるように弾性変形する。
<第5実施形態>図9及び図10に示している背凭れ部材1では、背凭れ面を構成する板体に正面視略切頭円錐状をなす複数個の変形部14を成形している。変形部14は、背凭れ部材1の他の部位よりも厚みが薄く、弾性変形しやすい。
図10Aに示すように、変形部14は板体の前面よりも前方に突出し、その後背に後方に開放した空間部15を存在させている。着座者の身体の荷重を受けたとき、変形部14は、図10Bに示すように、空間部15の縁部に連なる周壁部分141、言い換えれば円錐面に該当する部分が空間部15の内側に入り込むように弾性変形する。あるいは、図10Cに示すように、空間部15の縁部に連なる周壁部分141が空間部15の外側に撓み、折り曲げられるように弾性変形する。なお、変形部14の周壁に切り込みを入れて、容易に湾曲ないし屈曲するようにしてもよい。
<第6実施形態>図11及び図12に示す背凭れ部材1では、フレーム部12、13に身体保持部11を支持させ、その身体保持部11に変形部14及び空間部15を設けるとともに、身体保持部11の端部とフレーム部12、13との間に伸縮部16を介在させて両者を接続するようにしている。伸縮部16は、弾性変形を通じて身体保持部11の端部とフレーム部12、13との距離を拡縮させる。
図12Aに示すように、伸縮部16は例えば、身体保持部11の端部に連なり、そこから前後に突没するように折り畳まれた襞状(または、波状)をなす。伸縮部16は後方に湾出しており、身体保持部11の前面よりも前方には突き出さない。伸縮部16は、身体保持部11及びフレーム部12、13よりも弾性率が高い、即ち弾性変形して伸縮しやすい。身体保持部11が着座者の身体の荷重を受けたとき、伸縮部16の襞状部分が弾性変形により拡開することで伸長し、身体保持部11の端部とフレーム部12との距離を広げる。結果、身体保持部11がフレーム部12、13に対し相対的に後方に変位する。同時に、伸縮部16が、身体保持部11を介して着座者の身体を前方へ押し返そうとする弾性反発力を発揮する。着座者が左方または右方に偏った姿勢で背凭れ1に凭れかかった場合、換言すれば偏荷重がかかった場合には、図12Bに例示するように、左右の伸縮部16のうち一方が他方よりも大きく伸長して、背凭れ面が左方または右方に傾く。
上下に並んだ伸縮部16は、互いに独立している。そして、比較的上方に位置する伸縮部16は、比較的下方に位置する伸縮部16に比して後方への湾出長が大きくなっており、その分伸縮可能量が大きい。故に、より上位にある身体保持部11ほど、荷重を受けたときに深く後方に沈み込む。
また、各所の伸縮部16毎の弾性率を変えることで、ある位置の身体保持部11を沈み込みにくく、別の位置の身体保持部11を沈み込みやすくすることも考えられる。伸縮部16の弾性率を変えるには、襞状部分の湾出長や襞の数を変えたり、肉厚あるいは肉薄にしたり、伸縮部16に付随させてリブ等の補強を成形したりする。
本実施形態によれば、後面側に開口する空間部15と、前記空間部15の縁部から前面側に突き出しており着座者の身体の荷重を受けて弾性変形する、即ち少なくとも空間部15の縁部に連なる部分141が空間部15の内側に入り込むかあるいは空間部15の外側に撓む変形部14とを樹脂一体成形することとしたため、比較的低コストで製造できる上、変形部14の変形を利用したクッション性が実現される。
着座者の身体と接触して着座者の荷重を受ける身体保持部11と、前記身体保持部11を支持するフレーム部12、13と、前記身体保持部11の端部と前記フレーム部12、13との間に介在して両者を接続するとともに、弾性変形を通じて身体保持部11の端部とフレーム部12、13との距離を拡縮させる伸縮部16とをさらに具備し、身体保持部11の縁部に変形部14を設けるとともに、その縁部に空間部15を隣接させており、これら身体保持部11、フレーム部12、13、伸縮部16及び変形部14を樹脂一体成形するようにすれば、伸縮部16の伸長により身体保持部11及び変形部14をフレーム部12、13に対して相対変位可能とすることができ、背凭れ面の可変形性及び弾力性が増強される。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。背凭れ部材1に、その前面及び/または後面を被覆する張り部材を被せてもよいし、その前面にクッションパットを取り付けてもよい。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…背凭れ部材
11…身体保持部
12、13…フレーム部
14…変形部
15…空間部
16…伸縮部
11…身体保持部
12、13…フレーム部
14…変形部
15…空間部
16…伸縮部
Claims (5)
- 後面側に開口する空間部と、
前記空間部の縁部から前面側に突き出しており着座者の身体の荷重を受けて弾性変形する変形部と
を樹脂一体成形して設けたことを特徴とする背凭れ部材。 - 着座者の身体の荷重を受けた変形部は、少なくとも空間部の縁部に連なる部分が空間部の内側に入り込む請求項1記載の背凭れ部材。
- 着座者の身体の荷重を受けた変形部は、少なくとも空間部の縁部に連なる部分が空間部の外側に撓む請求項1記載の背凭れ部材。
- 着座者の身体と接触して着座者の荷重を受ける身体保持部と、
前記身体保持部を支持するフレーム部と、
前記身体保持部の端部と前記フレーム部との間に介在して両者を接続するとともに、弾性変形を通じて身体保持部の端部とフレーム部との距離を拡縮させる伸縮部とをさらに具備し、
身体保持部の縁部に変形部を設けるとともに、その縁部に空間部を隣接させており、
これら身体保持部、フレーム部、伸縮部及び変形部を樹脂一体成形している請求項1、2または3記載の背凭れ部材。 - 請求項1、2、3または4記載の背凭れ部材を用いてなる背凭れを有する椅子。
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JP2008160140A JP2010000166A (ja) | 2008-06-19 | 2008-06-19 | 椅子の背凭れ部材 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013103066A (ja) * | 2011-11-16 | 2013-05-30 | Itoki Corp | 椅子の身体受け部及び背もたれ |
JP5967746B1 (ja) * | 2016-03-11 | 2016-08-10 | 大日電子株式会社 | 入室許可管理装置及び入室許可管理方法 |
KR102236972B1 (ko) * | 2020-09-28 | 2021-04-05 | 양동현 | 의자용 등받이 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005160558A (ja) * | 2003-11-28 | 2005-06-23 | Itoki Crebio Corp | 椅子及びその座板並びに背板 |
JP2007130364A (ja) * | 2005-11-14 | 2007-05-31 | Okamura Corp | 椅子用基板 |
-
2008
- 2008-06-19 JP JP2008160140A patent/JP2010000166A/ja active Pending
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