JP2009545736A - 生細胞を調べるための走査型イオンコンダクタンス顕微鏡法 - Google Patents

生細胞を調べるための走査型イオンコンダクタンス顕微鏡法 Download PDF

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Abstract

走査型プローブ顕微鏡法を用いて表面を調べる方法であって、この方法は、走査型プローブを表面へ接近させ、一定の距離を維持するように表面に対するプローブの位置を制御することを含み、プローブを通る液体の調整流によって表面に圧力を加え、続けてプローブの位置を監視することを特徴とし、プローブの動きが、結果として生じる表面の動きを示すようになっている。

Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡法と、構造体、特に細胞の可撓性または弾性の研究における走査型プローブ顕微鏡法の使用とに関する。
動物か植物かにかかわらず、細胞は生体の最も基本的な単位である。細胞の構造と構成や、細胞の様々な構成要素がどのように機能するかについて研究することにより、生物系全体で生じる複雑な過程についての貴重な見識が得られる。このためには、細胞試料を、実時間で、非侵襲的に、細胞の機能が保持されるように生理学的な条件を模倣した溶液中で調べることのできる技術が必要である。
生細胞の研究には、(可視光を用いた)光学顕微鏡法が広く利用されてきた。しかしながら、その解像度は、回折により約200〜250nmまでに限られる。さらに詳細にわたる研究のために一般に用いられる方法の一つには電子顕微鏡法があり、同法では、解像度10nmの画像を得ることができるが、撮像前に試料を固定する必要がある。従って、生細胞の研究には電子顕微鏡を用いることができない。
高解像度技術の他の候補としては走査型プローブ顕微鏡法(scanning probe microscopy、SPM)の利用に基づくものがあり、同法では、とがったプローブ先端を研究対象の試料に極めて接近させて走査させる。その結果として生じる相互作用、すなわち試料の化学的・物理的な特性を、試料に対する先端の位置の関数としてプロットして、この測定された相互作用のプロファイルを生成することができる。生物学的なイメージングに通常利用されるSPM系の仲間としては、原子間力顕微鏡法(atomic force microscopy、AFM)、走査型イオンコンダクタンス顕微鏡法(scanning ion-conductance microscopy、SICM)、および走査型近接場光学顕微鏡法(scanning near-field optical microscopy、SNOM)がある。
SICMでは、電解質で満たされたガラス製マイクロピペットを、電解液に浸された試料の表面上で走査させる。これについてはサイエンス(Science)243:641-3のHansmaら(1989年)を参照されたい。ピペット開口を通って流れるイオン電流を監視することにより、ピペットと試料との離隔距離が一定値に維持される。この流れは2つの電極の間に存在する。電極の一方はピペット内側にあり、他方は外側の電解液中にある。電極間にかけられるバイアスについては、イオン電流信号は、マイクロピペットの抵抗(R)とアクセス抵抗(RAC)との組み合わせに依存する。ここで、アクセス抵抗(RAC)とは、電解槽からマイクロピペット開口への収束経路に沿った抵抗である。Rがマイクロピペットの先端径と円錐角とに依存する一方、RACは、電解槽および試料の電気化学的特性、幾何学的配置、およびプローブからの離隔距離に対して、複雑な依存性を示す。ピペットと試料との離隔距離に対してイオン電流の感度を与え、それを利用して、接触が起こらないように距離を維持できるようにするのはRACである。
精密表面用の非接触プロファイル測定法としてSICMを成立させることができる先端と試料との最適な離隔距離は、先端の直径のおよそ半分である。これについてはジャーナル・オブ・マイクロスコピー(J. Microsc.)188:17-23またバイオフィジカル・ジャーナル(Biophys. J.)73:653-8のKorchevら(1997年)を参照されたい。先端の位置を制御しているシステムの出力を用いて、試料表面の形状の特徴を表す画像が生成される。SICMを用いて達成できる空間分解能は、先端開口の大きさに依存し、典型的には50nmから1.5μmの間である。これにより、相当する解像度が得られる。
しかしながら、例えば細胞などの表面構造を研究するための改良された方法および装置が、依然として必要とされている。
本発明は、研究対象の表面に接近した位置にある走査型プローブを通る液体の調整流によって、局所的な、制御された圧力または力を表面に加えることができる、という認識に基づいている。この加圧を用いると、加えられた圧力とその結果として生じる表面の動きとの関係を監視することによって表面の可撓性または弾性を測定することができる。また、この加圧を用いると、例えば機械受容イオンチャネルといった細胞表面の構成要素を刺激し、続けて、その結果として生じる電気生理学的または化学的な信号の変化を監視することにより、この刺激を測定することもできる。
本発明の第1の態様によると、方法は、走査型プローブ顕微鏡法を用いて表面を調べる方法であって、走査型プローブを表面へ接近させ、一定の距離を維持するようにプローブの位置を制御することを含み、プローブを通る液体の調整流によって表面に圧力を加え、続けてプローブの位置を監視することを特徴とし、プローブの動きが、結果として生じる表面の動きを示すようになっている。
本発明の第2の態様によると、方法は、細胞の電気生理学的または化学的な変化を誘発する方法であって、走査型プローブを細胞の表面へ接近させ、プローブを通る液体の調整流によって表面に既定圧力を加え、細胞の電気生理学的または化学的な信号の変化を監視することを含む。
本発明の第3の態様によると、表面を調べる装置であって、走査型プローブ顕微鏡と、プローブを通る液体の調整流によって表面に圧力を加える手段とを備える装置がある。
表面からのプローブ先端の平均距離は典型的にはプローブの内半径に近いので、低い流速における流れパターンでは、プローブ内部の液体にかかる静水圧とほぼ同等の圧力が表面に生じ、表面の法線方向の正味の力は、その圧力と、プローブ先端における開口の断面積との積になる。先端下の表面が感じる局所的な圧力は、圧力を発生するのに用いられる手段にかかわらず、その手段により外部からピペット(プローブ)に加えられる圧力とほぼ正確に同じである。さらに、表面にかかる力は、結局はその圧力に先端の断面積を乗じたものに極めて近くなる。これら2つの特徴はいずれも、実験的に求められ、分析的に探求されたものである。これらによってデータの解釈が非常に明快になり、またこれらこそ、本発明の方法に特有の強みである。
本発明を添付の図面を参照して説明する。
本発明は、非常に局所的で制御された圧力または力を表面に加える手段を提供する。この手段は、細胞表面の弾性を測定したり、機械的刺激に反応して電気生理学的または化学的な信号を生成する様々な生物学的構造体を刺激したりするために用いられ得る。
本発明を実現する装置は、通常、プローブと、調べられる表面からのプローブの距離を測定および/または制御する手段と、制御された圧力をプローブ内部の液体に加える手段とを備える。加えられた圧力によって、プローブ先端を通る液体の流れが生じ、その結果、相関する圧力が調べられる表面に発生する。
「調べる」(interrogate)という用語は、構造体の表面における変化を監視して、例えば、単一の位置における、またはプローブが表面を走査するのに応じた表面上または表面における構造的変化を検出する能力のことを指すための用語である。
表面が十分にしなやかであれば、表面に加えられた圧力によって表面が動く。正圧、すなわちプローブを通って表面へ向かう流れは、表面をプローブから離れる方へ押す効果を有しており、表面とプローブとの離隔距離を長くする。負圧は、表面をプローブの方へ引き寄せ、離隔距離を短くする。ところが、本装置は表面からのプローブの距離を一定に制御するようにしてあるので、表面が何らかの動きをすると、それに対応するようにプローブが動く。この結果、液体の流れと圧力と動きとの間の相互関係を監視することができる。プローブの垂直位置の何らかの変化は、加えられた圧力に起因するであろう表面の垂直位置の変化の、直接的な指標となる。従って、加えられる圧力とその結果生じる表面の動きとの関係から、表面構造の弾性についての情報を得ることができる。
また、本発明は、機械的刺激に反応して電気生理学的または化学的な信号を発する細胞構造を刺激するためにも用いられ得る。例えば、イオンチャネルを刺激することができ、その結果として発せられる信号を、好適な検出器を用いて検出することができる。これは、機械的感覚の研究において有用である。機械的感覚は、浸透圧調節、成長、聴覚、重力屈性、平衡、固有受容、および触覚を含む様々な身体過程の動作に不可欠である(Ghaziら、Biochemie、1998年、80:357-62)。嗅覚、味覚、および視覚はすべてGタンパク質共役受容体の活性化によって働くが、これらとは違って、触覚、痛覚、および聴覚の基となる機械感覚の分子的基礎はいまだ不明である(SukharevおよびCorey、Sci STKE、2004年、219:re4、Kung、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジオロジー(J. Appl. Physiol.)、2005年、98:2328-36)。機械受容(mechanosensitive、MS)イオンチャネルは、機械的な力を電気的または化学的な信号へ変換する膜貫通タンパク質から成る(SukharevおよびCorey、supra 2004)。MSイオンチャネルは、バクテリア、酵母、植物、および多数の動物細胞を含む多様な有機体において、電気生理学的に検出されている(Ghaziら、supra 1998、Kung、supra 2005)。機械的に活性化されたチャネルは、様々なイオンチャネルファミリからの膜タンパク質の混成群のようである。様々なイオンチャネルファミリとしては、大腸菌のMscLおよびMscS、(6回の膜貫通領域(transmembrane domain、TM)(SAKCa)および2回のTM(KATP)の)伸展活性化Kチャネル、DEG/ENaC型チャネル、機械ゲート型2細孔(4TM)K漏洩チャネル、およびTRPファミリのうちのいくつかの種類が含まれる(Ghaziら、supra 1998、SukharevおよびCorey、supra 2004)。
本発明は、細胞または細胞表面の構造を調べるのに有用なだけでなく、走査型顕微鏡により加えられる適切な水準の圧力を加えられることによって変形し得る表面や、あるいはそのような圧力に対して異なる水準の抵抗を示す表面の研究にも応用され得る。表面は、固体であっても液体であってもよい。例えば、表面は、乳濁液の表面であっても水性液体の表面であってもよく、表面の機械的特性が、その乳濁液または液体の特性を明らかにしてくれる。例えば、水性液体中の油滴は、加えられる圧力に対して、水と比較して異なる水準の抵抗を示すので、その水中油滴構成物の特性を特定するのに本発明を用いることができる。この特徴は、多くの食材、化粧品、および洗浄剤のバルク特性を決めるのに役立ち得る。研究対象の液体水は通常、プローブを満たすのに用いられる液体とは混合しない。
さらに、本発明は、例えばゴム系またはプラスチック系の材料などの非生物学的構造体を研究するのに用いることができ、加えられる圧力によってそのような材料の構造の違いを明らかにすることができる。
プローブを用いて表面を走査することもできる。つまり、走査型プローブ顕微鏡法によって行う。画像を生成することができ、関心の対象である表面の一部分を、特有の特性を有するものとして特定することができる。正または負の圧力を、非常に正確に、表面の選択された位置に加えることができ、それによって表面の機械的反応または動きを測定することができる。表面の同じ部分または異なる部分にこの処理を繰り返して、表面についての詳細な情報を得てもよい。
また、プローブを用いて表面を走査しながら、同時に表面に圧力を加えてもよい。このように、本発明を用いて、加えられた圧力に表面が反応するのに応じて表面の詳細な画像を構築し、表面および表面下の構造を明らかにすることができる。
表面が非常に柔軟で、加えられる圧力が正である領域では、表面が下にある下部構造上へつぶれ、例えば、細胞膜が下の細胞骨格の形状を呈する場合がある。表面が非常に柔軟で、加えられる圧力が負である領域では、表面までの隆起の程度の変動によって、例えば、細胞膜のどの部分が細胞骨格へ固定され、どの部分が自由に動けるのかが明らかになる場合がある。
本発明の効果は、プローブを表面に接触させることなく、表面を調べるということである。プローブを表面に接触させると、表面の損傷、先端の汚染、繰り返し実験による表面の二次汚染という結果を招きかねない。
本発明は、従来の装置を用いて実現することができる。例えば、走査型イオンコンダクタンス顕微鏡法(SICM)を用いることができる。典型的なSICMシステムは、すべての走査型プローブ顕微鏡の特徴となっている部品、すなわち走査型プローブ、ピエゾアクチュエータ走査素子、制御電子回路、およびコンピュータを備える。これらの部品が、例えばDiaphot 200(株式会社ニコン、日本国東京都)のような倒立顕微鏡の内部および周囲に組み立てられてよい。
任意の好適な中空プローブが用いられてよい。典型的には、プローブは、マイクロピペットまたはナノピペットである。そのようなプローブは、例えば外径および内径がそれぞれ1.00mmおよび0.58mmのホウ珪酸ガラス毛細管を、レーザ系のマイクロピペット・プラー(例えば米国カリフォルニア州サンラファエルのサッター社(Sutter Instrument Co.)のP-2000型)を用いて引っ張ることによって製造できる。円錐テーパ長さおよび頂部の直径が200nm、400nm、および1.0μmのプローブを得ることができる。装置は、典型的には、表面からのプローブ先端の平均距離がほぼプローブの内半径となるように設定される。
圧力は、プローブを通る液体の流れを制御する従来の手段によって加えることができる。典型的には、例えば米国コネチカット州ハムデンのワーナー社(Warner Instruments)のPM-4型のようなプログラム可能な圧力注入器システムが、可撓管によってSICMピペット保持部の軸部に取り付けられ、必要な圧力−時間曲線を生成するように注入器がプログラムされる。必要な圧力の大きさは、当業者が決めることができる。典型的には、少なくとも10kPa、例えば10〜50kPaの正圧が加えられる。さらに典型的には、13〜40kPaの圧力が加えられる。
本発明はまた、本発明を用いて、細胞または生物学的な表面により生成され、また刺激され得る電気生理学的または化学的な信号を測定する手段によっても実現することができる。そのような測定手段は、従来から走査型イオンコンダクタンス顕微鏡法に存在し、本発明に適用可能である。
以下の実施例により、本発明を説明する。
以下の実施例は、ヒトおよびラットのDRG知覚ニューロンの研究において、本発明の非接触式SICM法を従来の接触式SICM法と比較して調べたものである。
[走査型イオンコンダクタンス顕微鏡(SICM)]
我々は、SICMプローブを用いて、機械的刺激を与えるのに用いられる大きなプローブでは通常アクセスできない、膜のサブミクロン領域を選び出し、機械的に刺激した。我々は、SICM(イオンスコープ社(Ionscope Limited)、英国ロンドン)を用いて、形状の画像を得て細胞を機械的に刺激した。生細胞の形状の画像を撮るためのSICMの基本的な設定については、これまでに説明されている(Korchevら、バイオフィジカル・ジャーナル(Biophys. J.)、1997a、73:653-8、Korchevら、ジャーナル・オブ・マイクロスコピー(J. Microsc.)、1997b、188(Pt1):17-23)。簡単に言うと、本SICMでは、試料に対して垂直に配置されたパッチクランプナノピペットを走査型プローブとして用いる。ピペットは、3軸ピエゾ平行移動ステージに取り付けられており、細胞表面に接近し、ピペットを通るイオン電流を一定に保つSICMフィードバック制御を用いて先端と試料との離隔距離を一定に維持しながら、細胞表面を走査する(図1B)。SICM制御部が細胞の表面画像を生成し(図1C)、細胞の、識別された特定の領域または構造に対してピペットが直接、正確に、膜から約100nm以内にまで接近できるようにする。そして、SICMのピペットプローブを用いて、パッチクランプによる電気生理学的手法を同時に施しながら細胞を機械的に刺激し、膜電流を測定したり細胞内のCa2+イメージングを行ったりすることができる(図1A)。
SICMナノピペットは、レーザ系の電極プラー(カリフォルニア州ノバトのサッター社(Sutter Instrument)のP-2000)を用いて、ホウ珪酸ガラス毛細管(英国ハートフォードシャー州のイントラセル社(Intracel Ltd.)のイントラフィル(Intrafil)、外径1.0mm×内径0.58mm)から引いて作り、電解槽の溶液に浸したときの15〜20MΩのピペット抵抗を実現した。ピペット先端の内半径は、電解槽の溶液に浸したときのピペットの抵抗に基づくと、およそ200nmであった。
[機械的刺激]
我々は、SICMのナノピペットプローブを用いて、2つの異なる種類の機械的刺激を加えた。第1の手法である「接触法」では、SICMフィードバック制御をオフにし、ピエゾ制御によって、決められた距離および継続時間ずつピペットを細胞膜に対して垂直に下げた(図2A)。この方法では、ピペットが膜の小さな領域(〜700nm=ピペット先端の外径)に物理的に接触して押し下げ、ピペットの物理的な閉塞によりピペットを通って流れる電流(I/Imax)が減少した(図2C)。第2の手法は「非接触法」であり、ピペットの先端から細胞に対する圧力噴射の印加と同時に、ピエゾ制御によってピペットを細胞膜に向けて垂直に下げた(図2B)。下向き刺激ステップを行う数秒前にSICMピペットの軸部を介して正圧(13〜40kPa)を加えてピペットの先端から液体を噴出させ、ステップ直後に停止した。溶液噴射が膜との接触を防ぎ、それによりピペットの閉塞を防いだが、このことは、ピペットを通る電流の流れに著しい減少が無かったことにより確認された(図2D)。この方法は、細胞膜に対する接触および物理的損傷を防ぐので、細胞に対する「非接触」の機械的刺激をもたらす。
我々は、記録チャンバーの底部ガラス表面に圧力噴射を加えて、ピペットの動きやピペット抵抗の変化を引き起こす可能性のある圧力噴射を加える際にピペットの偽の動きがないかを確かめるという実験で、機械的に誘発される人為現象の問題に取り組んだが、SICMピペットの著しい動きは見られなかった(<10nm)。
[細胞培養]
ニューロサイエンスレター(Neurosci. Lett.)2006年399:51-56のAnandらの記述のように、ヒトDRG知覚ニューロンを準備した。簡単に言うと、2週間前までの、交通事故における腕神経叢裂離、すなわち中枢軸索切断の5人の成人男性患者(n=5、年齢幅は21〜28歳)から、全頸部DRGを得た。神経修復に必須の部分として神経再建術の過程においてDRGを切除し、患者の書面によるインフォームドコンセントと地域の倫理委員会の承認を得てこれを研究した。各患者からの2つないし3つの頸神経節を細かく切断し、ペニシリン(100μg/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)、0.5%ディスパーゼ(8U/mg、GIBCO)、および0.2%コラゲナーゼ(タイプIV、ワージントン社(Worthington)、168U/mg)を含有するハムF12培地(GIBCO)にて、37℃で3時間、酵素消化し、続けてハムF12+10%ウシ胎仔血清(fetal calf serum)にて機械的解離を行った。約3000cells/mlを含有する250μlの細胞懸濁液を、ポリ−L−リジン(20μg/ml、シグマ社(Sigma))およびラミニン(20μg/ml、シグマ社)でコーティングされた8ウェルのパーマノックス製Lab−Tekスライド(ナルジェヌンク社(Nalge Nunc Int.))上に蒔いた。2mlのハムF12+10%FCSをすべてのウェルに加え、NGF−7S(100ng/ml、シグマアルドリッチ社(Sigma-Aldrich))、rhGDNF(50ng/ml)、およびrhNT3(50ng/ml)をウェルの半数に加えた。8%CO/airの湿潤環境下、37℃で5日間、細胞を培養し、培地は3日間で交換した。
成体ウィスターラットを二酸化炭素により窒息死させ、すべての脊髄レベルからのDRGを得てプールした。DRGをハムF12 Nutrient Mix(インビトロジェン社(Invitrogen Life Technologies Ltd.)、英国ペーズリー)に捕集し、新しいハムF12にて3回スピン洗浄した。次いでDRGを1.5mlのエッペンドルフチューブへ移し、5%CO下、37℃で50分間、1mlの10U/mlパパイン溶液(シグマ社)に浸漬した。消化された組織をスピンし、過剰なパパインを除去してから、トリプシンインヒビター溶液(シグマ社)にて 浸軟させた。ラットおよびヒトのDRG知覚ニューロンを、ポリ−L−リジン(20μg/ml)およびラミニン(10μg/ml)(両方ともシグマ社)でプレコートされた丸いカバーガラス(直径13mm)に蒔いた。実験での使用に先立ち、完全BSF2培地(ハムF12、ウシ血清アルブミン、アポトランスフェリン、プロゲステロン、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、プトレシン、ペニシリン、ストレプトマイシン、および2%(ラット用)または10%(ヒト用)の熱失活したウシ胎仔血清)に神経栄養性成長因子(100ng/mlのNGF−7S、50ng/mlのGDNF、50ng/mlのhNT3)を付加したものにて、95%空気および5%COの雰囲気下、37℃で少なくとも48時間、細胞を成長させた。
[電気生理学]
カバースリップで培養したDRG知覚ニューロンを潅流チャンバー(ワーナー社(Warner Instruments Inc.)のRC-25)へ移し、分離型のパッチクランプヘッドステージおよび電極を用いて、標準的な全細胞電圧クランプ記録を行った。パッチ電極は、SICMピペットと同じガラス毛細管から作ったものであり、10〜16MΩのピペット抵抗を実現した。パッチクランプピペット溶液は、CsClを130mM、NaClを5mM、EGTA−Naを5mM、および、pH7.3のHEPESを10mM含有した。電解槽およびSICMピペット溶液は、NaClを140mM、KClを5mM、MgClを2mM、CaClを1.8mM、グルコースを10mM、およびpH7.4のHEPESを10mM含有した。無機塩および試薬はすべてシグマアルドリッチ社(Sigma-Aldrich Company Ltd.)(シグマ社、英国ジリンガム)のものとした。Axopatch 200Bパッチクランプ増幅器およびClampex-pClamp 9(アクソン社(Axon Instruments)、カリフォルニア州バーリントン)を用いて、パッチクランプした細胞にパッチ電極を通じて−60mVの保持電位をかけ、記録を10kHzで継続してサンプリングして2kHzでオンラインでフィルタ処理した。ソフトウェアを用いて容量性電流および/または線形のリーク電流を減じた。Clampfit-pClamp 9およびOrigin 5(マイクロキャル社(Microcal)、マサチューセッツ州ノーサンプトン)を用いてデータをさらに解析した。実験はすべて23±2℃の室温にて行った。
[カルシウムイメージング]
DRG知覚ニューロンにfluo-4アセトキシメチルエステル(オレゴン州ユージーンのモレキュラープローブス社(Molecular Probes)のfluo-4 AM)を4μM、室温で1時間添加した。残ったfluo-4を洗浄し、続いて15分間の脱エステル化の後、潅流チャンバーへ移した。fluo-4を450〜480nmにて励起し、放射された520nmを超える蛍光を、増感CCD(英国サセックス州のフォトニックサイエンス社(Photonic Science)のCoolView IDIカメラシステム)をニコンのTE-2000倒立顕微鏡につなげてImage-Pro Plusソフトウェア(メディアサイバネティクス社(Media Cybernetics)、英国ウォーキンガム)で制御したものを用いて検出することによって、Ca2+の変動を撮像した。画像は、毎秒2フレーム、個々のフレーム露出時間100msにて取得した。対応するタイムトレースが、関心領域における初期蛍光に対する蛍光の比(F/F)として、正規化された蛍光強度を示す。
[結果]
我々は、Ca2+イメージング実験を用いて、機械的刺激に対するDRG知覚ニューロンの反応の特徴を明らかにした。まず、細胞体の小領域(<1μm)に接触接近を用いて、DRGニューロンを刺激した。図3に、SICMピペットがヒトDRGニューロンの表面に1μmを2ステップ分だけ接近した時の結果を示す。第1ステップでは、ニューロンは[Ca2+]iのわずかな増加を示す。fluo-4の蛍光強度は、基底水準(図3A、フレーム1)からフレーム2の水準まで増加する。ピペットをさらに1μm進めると、Ca2+の反応のピークとなって、[Ca2+]iがさらに上昇する(図3A、フレーム3)。約2分後には[Ca2+]iは基底レベルに戻り(図3A、フレーム4)、そこで2μmの第3の刺激によって再び[Ca2+]iが上昇する(図3A、フレーム5)。我々は、両者、つまりヒト(n=12)およびラット(n=24)のDRGニューロンについて、接触接近法による評価を行った。しかしながら、この接触法を用いるにあたっては大きな限界があった。所与の実験において、成功した順次刺激の数が限られたのである。ピペットが細胞の表面に接触するたびに、ピペットが膜にくっついて、細胞を物理的に損傷させる恐れがある。これは、蛍光色素分子が細胞から漏れ出て蛍光が急激に低下したこと(図3A、フレーム6)から明らかである。この基準によれば、接触手順は研究対象のニューロン(n=36)の64±8%を「損傷させた」。
我々は、接触接近で観測したのと同様の反応を非接触接近を用いて生じさせたが(ヒトはn=8、ラットはn=32)、今度は刺激による損傷は非常にわずかしかなかった。非接触接近で刺激されたニューロンは、2.5±2.5%しか損傷を受けなかった(n=40)(図5C参照)。図4は、非接触手順を用いて順次の機械的刺激をラットDRGニューロンに与えた様子を示しており、それぞれ細胞膜を3μm押し下げている。それぞれの押し込みで、[Ca2+]iが増加した(図4Bおよび図4C)。最初の刺激は、その後の刺激と比べてよりおおきなCa2+反応を生じさせた。加えた機械的刺激は、非常に局所的であり、近隣の細胞を乱すことはない(データは図示せず)。図4Dは、非接触手順を用いて、強度を増やしていく3回の順次の機械的刺激で刺激されたある細胞の反応の例を示す。段階的な[Ca2+]iの増加が検出されている。
図5は、接触接近と非接触接近とを比較する図である。我々は、MS(機械的刺激)に対して[Ca2+]iの増加で反応した細胞の割合を計算したが、接触接近は非接触接近よりも著しく多い個数の細胞で反応を誘発した(図5A)。例えば、細胞膜に対するSICMピペットの全変位3μmの同様の刺激において、接触MSには細胞の75%が反応し(n=16)、非接触には44%しか反応しなかった(n=14)。さらに、接触接近を用いた時は、[Ca2+]iの上昇が非接触接近よりも著しく高かった(図5B)。ただし、接触接近では一種の全か無かの反応が生じた一方、非接触接近では段階的な反応が生じた。接触接近における[Ca2+]iの上昇は、刺激強度との間に関連を示さないか、示したとしてもごくわずかだったが、非接触接近においては、Ca2+反応の強さは刺激強度に依存していた。1.5μmおよび3μmの押し下げを生じる機械的刺激によって[Ca2+]iの上昇が次第に大きくなり、4.5μmでは最大となった(図5B)。
我々は、成体ラットから培養したDRG知覚ニューロンにおいて、機械的刺激により活性化される全細胞内向き電流を観測した。接触接近および非接触接近を用いた場合はいずれも、機械的刺激が、過渡的成分および持続的成分をもつ内向き陽イオン電流を惹起したが(図6Aおよび図6B)、これは、ニューロサイエンスレター1999年273:179-82のMcCarterら、ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(J. Neurosci.)2002年22:RC228のDrewら、およびジャーナル・オブ・フィジオロジー(J. Physiol.)2004年556:691-710のDrewらに報告されている通りである。接触接近の使用は限られた効果しか無かったが、これは細胞がすぐに損傷を受けてしまったためであり、あるいは、パッチクランプピペットが動いて、直接的な物理的接触、および/または機械的刺激による乱れにより、高抵抗のパッチを破ってしまったためである。ところが、非接触の機械的刺激であれば、場合によっては何度でも繰り返すことが可能であった。これはSICMプローブと細胞との間に物理的接触がなく、損傷が回避されたからである。図6Aは、電圧クランプされたラットDRGニューロンに対する、非接触接近を用いた3回の順次の機械的刺激を示す。SICMピペットが細胞膜を1μm押し下げて、過渡的成分および持続的成分をもつ内向き電流を活性化した。同様に、相当する電流を接触手順によって活性化した(図6B)。これら1μmの機械的刺激による結果は、所与の最大下の機械的刺激において、接触接近による活性化全細胞ピーク電流(342.7±37.8pA、n=6)(図6C)が非接触の刺激(122.1±12.4pA、n=4)よりも著しく大きいという点で、図5Bに示した[Ca2+]iの上昇と合致している。
非接触接近を用いた刺激の際にかけられた圧力噴射が、機械受容イオンチャネルを活性化するに足りる細胞膜の変位を生じさせたかどうかを明らかにするため、我々は、圧力噴射単独で生じる細胞膜変位を測定する、という対照実験を行った。我々は、非接触刺激の際に用いられた圧力の高さの3倍までの圧力を用いたが、膜は500nmまで動くものの全細胞電流には大した変化が検出されないことを観測した(図6D)。これが意味するのは、圧力を加えてプローブも1mm以上動かした時の付加的な変位こそが、細胞膜をより大きく変形させて機械受容チャネルを活性化するのであり、圧力単独によるものではない、ということである。
ヒトDRG知覚ニューロンの神経突起は非常に微細であり、直径が数百ナノメートルに至る。従来用いられてきた技術では、アクセスするのが非常に困難である。今回、我々は、非接触接近を用いて、直径約1〜2μmの樹状突起への機械的刺激に対するヒトDRG知覚ニューロンの反応を研究した。ここで我々は、先の機械的刺激の例が、異なるニューロンどうしの収束から発した直径2μmの2つの樹状突起間の交差部分に加えられたものであることを明示する(図7、矢印2)。SICMピペットは、膜に接近しながら、同時に13kPaの圧力噴射を加え、表面を750nm変位させた。蛍光強度が増加して刺激点から神経突起に沿って12μm/sで伝播したが(図7、矢印1)、その一方で他の神経突起(図7、矢印3)では蛍光が増加しなかった。
上述したすべての公表の内容は、引用することによりここに組み込まれているものとする。
図1(A)および図1(B)は、細胞表面を調べるために用いられるSICMシステムの構成を示す図であり、図1(C)は、結果として得られる細胞表面の走査画像を示す図である。 図2は、接触接近および非接触接近の両方によるSICMを説明する図である。 図3は、SICMピペットがヒトDRGニューロンに接近する時の[Ca2+]を説明する図である。 図4は、非接触接近を用いたDRGニューロンへの順次の機械的刺激の結果を説明する図である。 図5は、[Ca2+]に基づく、接触接近および非接触接近による機械的刺激の結果を示す図である。 図6は、DRG知覚ニューロンへの機械的刺激によって活性化された電流を示す図である。 図7は、本発明のSICMを用いて生成された、DRG知覚ニューロンの蛍光刺激を示す図である。

Claims (15)

  1. 走査型プローブ顕微鏡法を用いて表面を調べる方法であって、走査型プローブを前記表面へ接近させ、一定の距離を維持するように前記表面に対する前記プローブの位置を制御することを含み、前記プローブを通る液体の調整流によって前記表面に圧力を加え、続けて前記プローブの位置を監視することを特徴とし、前記プローブの動きが、結果として生じる前記表面の動きを示すようになっている方法。
  2. 前記表面に正圧を加えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記表面に負圧を加えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記プローブは、マイクロピペットまたはナノピペットであることを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の方法。
  5. 調べられる前記表面は、細胞構造または細胞内構造であることを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 前記表面は、液体の表面であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  7. 前記液体は、乳濁液であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記表面は、非生物学的構造のものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  9. 前記走査型プローブ顕微鏡法は、走査型イオンコンダクタンス顕微鏡法であることを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の方法。
  10. 前記表面の、または前記表面における電気的または機械的な変化を監視するための上記請求項のいずれかに記載の方法。
  11. 細胞の電気生理学的または化学的な変化を誘発する方法であって、走査型プローブを前記細胞の表面へ接近させ、前記プローブを通る液体の調整流によって前記表面に既定圧力を加え、前記細胞の電気生理学的または化学的な信号の変化を監視することを含む方法。
  12. 前記電気生理学的または化学的な信号は、細胞に存在するイオンチャネルに関連したものであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 走査型イオンコンダクタンス顕微鏡法を用いて前記プローブを前記細胞へ接近させることを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
  14. 表面を調べる装置であって、走査型プローブ顕微鏡と、前記プローブを通る液体の調整流によって前記表面に圧力を加える手段とを備える装置。
  15. 前記走査型プローブ顕微鏡は、走査型イオンコンダクタンス顕微鏡であることを特徴とする請求項14に記載の装置。
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