JP2018040759A - 酵母細胞の力学特性の測定方法、及び力学特性に基づいた酵母細胞のスクリーニング方法 - Google Patents

酵母細胞の力学特性の測定方法、及び力学特性に基づいた酵母細胞のスクリーニング方法 Download PDF

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【課題】原子間力顕微鏡を用いた酵母細胞の力学特性の測定に際し、測定による偏差(誤差)が充分に低減された測定方法を提供すること。【解決手段】原子間力顕微鏡を用いた酵母細胞の力学特性の測定方法であって、支持体表面に固定化された酵母細胞を用意するステップと、単一の酵母細胞の複数の測定対象領域に対して原子間力顕微鏡を用いた測定を行い、各測定対象領域における高さ及び力学特性の測定値を得るステップと、酵母表面の傾斜角が20°以下になる測定対象領域のうち、いずれか1つの測定対象領域における力学特性の測定値を当該酵母細胞の力学特性として、又はいずれか2つ以上の測定対象領域における力学特性の測定値の統計値を当該酵母細胞の力学特性として決定するステップと、を含む、酵母細胞の力学特性の測定方法。【選択図】図3

Description

本発明は、原子間力顕微鏡を用いた酵母細胞の力学特性の測定方法、及び力学特性に基づいた酵母細胞のスクリーニング方法に関する。
原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)は、酵母等の微生物細胞の剛性等の力学特性を単一の細胞単位で計測できる手法である(非特許文献1及び非特許文献2)。
酵母細胞に限らず、生細胞は、同種の細胞であっても、個々の細胞の個性(例えば、形態、機能及び力学特性)には大きなばらつきが存在する。したがって、細胞の力学特性から細胞の状態を識別することが可能になることが期待される。現在、細胞単位での力学的識別については、動物細胞(正常細胞とがん細胞の力学的識別)を用いた研究報告がある(非特許文献3)。
細胞単位での力学的識別を高い精度で行うためには、個々の細胞の個性に由来する偏差の定量化の精度を上げる必要がある。細胞壁を持たない動物細胞においては、最近、AFMを用いて多数の単一細胞の力学特性の測定値から測定誤差を除去して細胞本来の個性に由来する偏差を抽出することに成功している(非特許文献4)。他方、細胞壁を有し、動物細胞と比べて弾性率が数桁大きい酵母細胞においては、AFMを用いて多数の単一細胞の力学特性の計測には成功しているが(非特許文献5)、細胞本来の個性に由来する偏差を定量化するには至っていない。
Applied and Environmental Microbiology,2016年,82(15),pp.4789−4801 Nature protocols,2008年,3(7),pp.1132−1138 Nature Nanotechnology,2007年,2(12),pp.780−783 Biophysical Journal,2013年,105,pp.1093−1102 Nature Protocols,2015年,10(1),pp.199−204
細胞本来の個性に由来する偏差を定量化するには、非特許文献4に記載されるように細胞本来の個性に由来する偏差と測定による偏差(測定誤差)とを分離するか、又は測定による偏差(測定誤差)を最小限に抑えることが必要である。
本発明は、原子間力顕微鏡を用いた酵母細胞の力学特性の測定に際し、測定による偏差(測定誤差)が充分に低減された測定方法を提供することを目的とする。本発明はまた、細胞単位での力学的識別の精度がより高められた、力学特性に基づいた酵母細胞のスクリーニング方法を提供することも目的とする。
本発明は、原子間力顕微鏡を用いた酵母細胞の力学特性の測定方法であって、支持体表面に固定化された酵母細胞を用意するステップと、単一の酵母細胞の複数の測定対象領域に対して原子間力顕微鏡を用いた測定を行い、各測定対象領域における酵母細胞の高さ及び力学特性の測定値を得るステップと、酵母表面の傾斜角が20°以下になる測定対象領域のうち、いずれか1つの測定対象領域における力学特性の測定値を当該酵母細胞の力学特性として、又はいずれか2つ以上の測定対象領域における力学特性の測定値の統計値を当該酵母細胞の力学特性として決定するステップと、を含む、酵母細胞の力学特性の測定方法を提供する。
本発明は、原子間力顕微鏡を用いた酵母細胞の力学特性の測定において、力学特性の測定値のばらつきが、測定対象領域における細胞形状(細胞表面の傾斜)に依存するという知見を見出したことに基づく。すなわち、本発明に係る測定方法は、単一の酵母細胞に対して複数の測定対象領域において高さ(細胞表面と支持体との鉛直方向の距離)及び力学特性を測定し、得られた測定値のうち、酵母表面の傾斜角が所定値以下になる測定対象領域における測定値を選択して酵母細胞の力学特性を決定するものであるため、測定による偏差(測定誤差)が充分に低減される。
本発明に係る測定方法では、上記統計値が、平均値であってもよい。酵母表面の傾斜角が所定値以下になる複数の測定対象領域における測定値の平均値を採用することにより、より精度よく酵母細胞の力学特性を決定することができる。
本発明に係る測定方法では、上記力学特性が、弾性率及び吸着力のいずれか一方、又は両方であってもよい。弾性率は、酵母細胞の弾性(例えば、形状を維持する能力)の指標となる。吸着力は、酵母細胞表面の物性(例えば、細胞間相互作用の能力)の指標となる。
本発明に係る測定方法では、複数の測定対象領域が、1辺6〜10μmの四角形領域を複数の1辺1〜3μmの四角形領域に分割した各領域であることが好ましい。これにより、各測定対象領域における酵母細胞の高さ及び力学特性の測定値をより効率よく得ることができる。
本発明はまた、力学特性に基づいた酵母細胞のスクリーニング方法であって、複数の被験酵母細胞が支持体表面に固定化されたサンプルを用意するステップと、各被験酵母細胞に対して本発明に係る測定方法を実施し、各被験酵母細胞の力学特性を決定するステップと、決定された力学特性に基づき所望の酵母細胞を選抜するステップと、を含む、力学特性に基づいた酵母細胞のスクリーニング方法を提供する。
本発明に係るスクリーニング方法は、各被験酵母細胞の力学特性を決定する際に、本発明に係る測定方法を採用しているため、各被験酵母細胞の力学特性の値は、測定による偏差(測定誤差)が充分に低減されており、各被験酵母細胞本来の個性に由来する偏差が充分に反映されている。このため、本発明に係るスクリーニング方法は、細胞単位での力学的識別の精度がより高められている。
本発明に係るスクリーニング方法は、原子間力顕微鏡に付設された細胞採取手段により、選抜された酵母細胞を単離するステップを更に含むことが好ましい。単離した酵母細胞は、所望の用途に使用することができる。
本発明によれば、原子間力顕微鏡を用いた酵母細胞の力学特性の測定に際し、測定による偏差(測定誤差)が充分に低減された測定方法を提供することができる。また、本発明によれば、細胞単位での力学的識別の精度がより高められた、力学特性に基づいた酵母細胞のスクリーニング方法を提供することができる。
AFMを用いた酵母細胞の力学特性の測定方法を説明するための模式図である。 単一の酵母細胞の複数の測定対象領域において酵母細胞の高さ及び力学特性を測定する方法を説明するための模式図である。 複数の測定対象領域の設定方法の一例を示す模式図である。 弾性率(ヤング率E(Pa)の対数表示LogE)、LogEの標準偏差(σ(Pa))及び酵母表面の傾斜角(Slope(°))を酵母細胞の頂点(高さが最大となる点)からの距離(鉛直方向の距離(Height)及び鉛直方向に垂直な面における距離(Distance))の関数としてプロットしたグラフである。 一実施形態に係る細胞採取手段を示す模式図である。 試験例2の結果を示す図である。 試験例3の結果を示す図である。 試験例4の結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
〔酵母細胞の力学特性の測定方法〕
本実施形態に係る酵母細胞の力学特性の測定方法は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いるものであり、支持体表面に固定化された酵母細胞を用意するステップと、単一の酵母細胞の複数の測定対象領域に対して原子間力顕微鏡を用いた測定を行い、各測定対象領域における酵母細胞の高さ及び力学特性の測定値を得るステップと、酵母表面の傾斜角が20°以下になる測定対象領域のうち、いずれか1つの測定対象領域における力学特性の測定値を当該酵母細胞の力学特性として、又はいずれか2つ以上の測定対象領域における力学特性の測定値の統計値を当該酵母細胞の力学特性として決定するステップと、を含む。
本実施形態に係る測定方法において、被測定対象となる酵母細胞は支持体表面に固定化されたものを用意する。支持体表面への固定化の強度は、AFMでの測定の際に酵母細胞が移動しない程度の強度があればよい。また、測定後の酵母細胞を更に培養又は単離する場合は、酵母細胞の生存に影響を与えない強度であることが好ましい。
酵母細胞を固定化するための支持体は特に制限されず、任意の形状を有するものであってよく、また任意の素材で形成されたものであってもよい。支持体の形状としては、例えば、平板プレート(培養ディッシュ等)、所定のピッチ(例えば、15μm)で所定の深さ(例えば、5μm)のウェルが多数(例えば、100〜1000)形成されたプレート(マイクロアレイ用プレート)が挙げられる。支持体を形成する素材としては、例えば、ガラス、細胞培養器具に汎用されるプラスチック(例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン)、ゴム(例えば、シリコーン、ポリジメチルシロキサン)が挙げられる。
支持体の表面は、本技術分野において細胞及び組織の接着及び固定に汎用される表面処理が施されたものであってもよい。表面処理の具体例としては、ゼラチンコート処理、ポリLリジンコート処理、接着タンパク質コート処理が挙げられる。
AFMでの測定の際に酵母細胞が移動しない程度の強度に加え、酵母細胞の生存に影響を与えない強度が得られるという観点から、酵母細胞を固定化する支持体としては、ポリLリジンコート処理が施されたマイクロアレイプレートが好ましく、ポリLリジンコート処理が施されたガラス製マイクロアレイプレートがより好ましい。マイクロアレイプレートは、酵母細胞の固定化により適することから、10〜20μmのピッチで深さ3〜8μmのウェルが多数形成されたプレートであることが好ましい。
本実施形態に係る測定方法は、支持体表面に固定化された酵母細胞に対し、単一の酵母細胞の複数の測定対象領域に対して原子間力顕微鏡を用いた測定を行い、各測定対象領域における酵母細胞の高さ及び力学特性の測定値を得る。
AFMを用いた測定では、AFMのカンチレバー先端の探針(プローブ)と酵母細胞との間に働く引力又は斥力を、カンチレバーのたわみ量から測定する。カンチレバーのたわみ量は、公知の変位検出方法(例えば、レーザー光をカンチレバーに照射し反射光の変位を測定する)で測定することができる。
図1は、AFMを用いた酵母細胞の力学特性の測定方法を説明するための模式図である。図1に示すAFM100は、その測定部において、Zスキャナ1、Yスキャナ2及びXスキャナ3で構成される試料載置部にディッシュ6が載置されている。ディッシュ6は底部にウェル7が多数形成されており、各ウェル7内の表面に酵母細胞8が固定化されている。固定化された酵母細胞8に対し、カンチレバー4の先端の探針(プローブ)5でZ方向に走査することで酵母細胞の高さ及び力学特性を測定する。なお、図1には、試料載置部がXYZ方向に移動する態様を示しているが、カンチレバー4及びプローブ5がXYZ方向に移動するものであってもよい。
酵母細胞の高さの測定値は、例えば、コンタクトモード、ノンコンタクトモード、インターミッテントコンタクトモード又はフォースモードで酵母細胞表面の凹凸のAFM像を測定することで得ることができる。酵母細胞の弾性率の測定値は、例えば、非特許文献1に記載される方法に従い、フォースモードで酵母細胞表面のAFM像を測定し、ヤング率として得ることができる。なお、特記しない限り、本明細書において「弾性率」とは「ヤング率」を意味する。酵母細胞の吸着力の測定値は、例えば、細胞及び組織の表面接着及び固定に汎用される表面処理(例えば、ポリLリジンコート処理)を施したプローブ5を使用し、フォースモードでAFM像を測定することで得ることができる。
本実施形態に係る測定方法では、単一の酵母細胞の複数の測定対象領域において酵母細胞の高さ及び力学特性を測定し、各測定対象領域における測定値のセット(高さ及び力学特性)を複数得る。
図2は、単一の酵母細胞の複数の測定対象領域において酵母細胞の高さ及び力学特性を測定する方法を説明するための模式図である。図2に示すように、まずZスキャナ1により、ウェル7に固定化された酵母細胞8の第1の測定対象領域をカンチレバー4の先端のプローブ5で測定が可能な位置に移動させる(図2(A))。次いで、Zスキャナ1、Yスキャナ2及びXスキャナ3を移動させながら、第1の測定対象領域におけるAFM像を測定する(図2(B))。第1の測定対象領域のAFM像の測定が完了したら、Zスキャナ1、Yスキャナ2及びXスキャナ3により、酵母細胞8の第2の測定対象領域がカンチレバー4の先端のプローブ5の鉛直下方に来るように試料を移動させる(図2(C))。そして、第2の測定対象領域に対して図2(A)〜(C)を繰り返す。これを予め設定した測定対象領域全てにおいて、酵母細胞の高さ及び力学特性を得るまで繰り返す。
図3は、複数の測定対象領域の設定方法の一例を示す模式図である。図3は、ウェル7内に固定化された酵母細胞8を鉛直上方又は下方から観察した場合を図示したものである。図3には、一つのウェル7のみを図示している。複数の測定対象領域は、ランダムに設定することもできるが、測定対象とする領域を設定し、当該領域を重なりのない複数のサブ領域に分割してそれぞれを測定対象領域とすることもできる。例えば、測定対象とする領域を1辺6〜10μmの四角形領域とし、当該四角形領域を更に重なりのない複数の1辺1〜3μmの四角形領域(サブ領域)に分割して、それぞれを測定対象領域としてもよい。図3では、酵母細胞8(又はウェル7)の中心付近を含む8μm四方の正方形を測定対象とする領域として設定し、当該領域を1μm四方の正方形からなる64のサブ領域に分割し、それぞれを測定対象領域としている(測定対象領域は64箇所)。測定対象とする領域は、正方形に限られるものではないが、酵母細胞8(又はウェル7)の中心付近を含む領域に設定することが好ましい。ここでいう「中心付近」とは、酵母細胞8(又はウェル7)を鉛直上方又は下方から観察した場合に、酵母細胞8(又はウェル7)の輪郭各点からの距離が略等距離になる点である。中心付近を含む領域には、酵母細胞8の頂点(高さが最大となる点)が含まれる可能性が高く、そのため測定による偏差(測定誤差)がより一層低減される。
測定対象領域の数は、酵母細胞の種類、測定する力学特性の種類等に応じて、適宜設定してよい。測定による偏差(測定誤差)をより低減する観点からは、測定対象領域の数は5箇所以上あることが好ましく、10箇所以上あることがより好ましく、30箇所以上あることが更に好ましい。また、測定の負荷を低減する観点からは、測定対象領域の数は100箇所以下であることが好ましく、70箇所以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る測定方法では、上記のようにして得られた複数の測定値に基づき以下の手順に従って酵母細胞の力学特性を決定する。まず、複数の測定対象領域のうち、酵母表面の傾斜角が20°以下になる測定対象領域(以下、「20°以下領域」ともいう。)のみを酵母細胞の力学特性の決定に使用する。酵母表面の傾斜角は、測定対象領域の隣接する測定点の勾配により求めることができる。酵母表面の傾斜角は、測定の都度、当該方法により求めてもよいし、酵母表面の傾斜角が20°以下になる測定対象領域を予め求めて設定しておいてもよい。例えば、図3に示すように測定対象領域を決める場合、64箇所の測定対象領域のうち、高さが上位25%に入る測定対象領域が、20°以下領域となる。
次に、20°以下領域における力学特性の測定値から、(i)いずれか1つの20°以下領域における力学特性の測定値を当該酵母細胞の力学特性として決定する、又は(ii)いずれか2つ以上の20°以下領域における力学特性の測定値の統計値を当該酵母細胞の力学特性として決定することができる。このようにして酵母細胞の力学特性を決定することで、測定による偏差(測定誤差)を充分に低減することができる。(ii)における統計値としては、例えば、中央値、平均値が挙げられ、測定誤差をより一層低減できることから平均値が好ましい。
本実施形態に係る測定方法の原理を図4に基づいて説明する。図4は、酵母細胞における弾性率(ヤング率E(Pa)の対数表示LogE)、LogEの標準偏差(σ(Pa))及び酵母表面の傾斜角(Slope(°))を酵母細胞の頂点(高さが最大となる点)からの距離(鉛直方向の距離(Height)及び鉛直方向に垂直な面における距離(Distance))の関数としてプロットしたグラフである。鉛直方向の距離が酵母細胞の頂点(0μm)から−1μm程の範囲にある測定点では、弾性率及び測定誤差ともに値が安定している一方、頂点からの鉛直方向の距離が−1μmを超えて離れるにつれ弾性率が過小評価され、測定誤差も大きくなっていくことがわかる(図4(A)及び図4(B))。また、鉛直方向に垂直な面における距離が1μmから3μmの範囲にある測定点では、弾性率及び測定誤差ともに値が安定している一方、鉛直方向に垂直な面における距離が3μmを超えて離れるにつれ弾性率が過小評価され、測定誤差も大きくなっていくことがわかる(図4(D)及び図4(E))。図4(C)及び図4(F)から、鉛直方向の距離が0μmから−1μmの範囲にある測定点、及び鉛直方向に垂直な面における距離が1μmから3μmの範囲にある測定点の酵母表面の傾斜角はいずれも20°以下である(それ以外の測定点は20°を超える)。したがって、酵母表面の傾斜角が20°以下になる測定点(測定対象領域)における測定値を酵母細胞の力学特性の決定に使用することで、測定誤差を最小限にできることがわかる。
〔力学特性に基づいた酵母細胞のスクリーニング方法〕
本実施形態に係る力学特性に基づいた酵母細胞のスクリーニング方法は、複数の被験酵母細胞が支持体表面に固定化されたサンプルを用意するステップと、各被験酵母細胞に対して本発明に係る測定方法を実施し、各被験酵母細胞の力学特性を決定するステップと、決定された力学特性に基づき所望の酵母細胞を選抜するステップと、を含む。
本実施形態に係るスクリーニング方法において、対象となる酵母細胞群は特に制限されず、任意の酵母細胞群を使用することができる。対象となる酵母細胞群はアルコールを生成できる酵母であればよく、その具体例としては、ビール用酵母、ワイン用発酵酵母、清酒用酵母、焼酎酵母及びこれらの任意の組合わせを挙げることができる。
対象となる酵母細胞群を固定化するための支持体としては、上述したものが挙げられる。各酵母細胞の力学特性を連続的に測定することができ、選抜にかかる時間を短縮できることから、支持体は、所定のピッチで所定の深さのウェルが多数形成されたプレート(マイクロアレイプレート)であることが好ましい。マイクロアレイプレートは、酵母細胞を固定化する表面にポリLリジンコート処理が施されたものがより好ましい。ウェルが形成されるピッチは、10〜20μmの範囲内であることが好ましく、15μmであることがより好ましい。ピッチがこの範囲内にあると、1ウェル中に1酵母細胞が存在するように固定化されることになり、連続的測定により適したものとなる。ウェルの深さは、3〜8μmの範囲内であることが好ましく、5μm程であることがより好ましい。ウェルの深さがこの範囲内にあると、AFMのプローブが酵母細胞の表面に接近し易くなる。
各被験酵母細胞の力学特性を決定するステップは、上述した本発明に係る測定方法により実施することができる。本発明に係る測定方法は、測定による偏差(測定誤差)が充分に低減されており、各酵母細胞本来の個性に由来する偏差(個体差)をより正確に定量することができる。したがって、本実施形態に係るスクリーニング方法は、細胞単位での力学的識別の精度がより高められている。
本実施形態に係るスクリーニング方法では、決定された各酵母細胞の力学特性に基づき、所望の酵母細胞を選抜する。選抜する酵母細胞は、目的に応じて任意に設定してよい。例えば、剛性に優れる酵母細胞を選抜することを目的とする場合、対象となる酵母細胞群の中から、弾性率の大きさが上位10%に入る酵母細胞を選抜してもよく、弾性率の大きさが上位5%に入る酵母細胞を選抜してもよく、弾性率の大きさが最大の酵母細胞を選抜してもよい。
本実施形態に係るスクリーニング方法は、原子間力顕微鏡に付設された細胞採取手段により、選抜された酵母細胞を単離するステップを更に含むことが好ましい。単離した酵母細胞は、所望の用途に使用することができる。
細胞採取手段としては、支持体から酵母細胞を剥離させて回収できる手段であればよく、具体的には、ポンプに接続されたマイクロピペット(ポンプによる引力で酵母細胞を回収する)が挙げられる。
図5は、一実施形態に係る細胞採取手段を示す模式図である。図5に示すAFM200は、Zスキャナ1、Yスキャナ2及びXスキャナ3で構成される試料載置部50と、プローブ5を先端に有するカンチレバー4で構成される試料測定部60と、細胞採取手段70とを備える。細胞採取手段70は、単離する酵母細胞を培地ごと吸引するマイクロピペット9と、マイクロピペット9に吸引力を付与するポンプ11と、マイクロピペット9に連結されポンプ11で発生させた吸引力をマイクロピペット9に伝えるチューブ10とを有する。
マイクロピペット9は、先端部の口径が所望の酵母細胞を選択的に採取できるものであれば任意のものを使用できる。例えば、プッシュボタン式液体用微量体積計に接続して使用される使い捨てのピペット等を使用できる。マイクロピペット9は、プラスチック製であってもよく、ガラス製であってもよい。
AFM200は、まず試料載置部50と試料測定部60との動作により全てのウェル7について、酵母細胞8の高さ及び力学特性を測定する。次にコンピューター上(図示せず)で測定値を解析し、所望の力学特性を有する酵母細胞8を特定し単離すべき酵母細胞として選抜する。その後、カンチレバー4の先端のプローブ5の位置に取付けられた細胞採取手段70が、AFM200の制御下で、試料載置部50のYスキャナ2及びXスキャナ3の動作により、単離すべき酵母細胞が含まれるウェル7がマイクロピペット9の鉛直下方に移動する。そして、試料載置部50のZスキャナ1の動作により、単離すべき酵母細胞が含まれるウェル7が鉛直上方に移動し、マイクロピペット9の先端部がウェル7中の培地中に進入する。ポンプ11の作動により生じた吸引力にで単離すべき酵母細胞が培地と共にマイクロピペット9に採取される。採取した酵母細胞は、例えば、培養培地を含む別の容器に移される。
以下、実施例等に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔試験例1:酵母細胞の弾性率、測定誤差及び酵母表面の傾斜角の測定〕
図4のグラフに示した結果は、以下の方法により測定したものである。
1×10細胞/mLに調製した酵母細胞(Saccharomyces cerevisiae)2mLをポリLリジン(PLL)コート処理(40μg/cm)を施したマイクロアレイ用ガラスプレート(Nunc Live Cell Array Slide 15μm Well、Nunc社製)に添加し、10分間静置して酵母細胞を表面に固定化した。マイクロアレイ用ガラスプレートには、15μmピッチで深さ約5μmのウェルが形成されている。
AFMの試料載置部に酵母細胞を固定化したマイクロアレイ用ガラスプレートを載置し、直径10μmのビーズ(プローブ)が先端についたカンチレバーを使用し、測定速度8μm/秒、各ウェルの中心部に8μm×8μmの領域を測定対象とする領域として設定し、当該領域を1μm×1μmからなる64のサブ領域に分割して、当該サブ領域全てで測定を行った。測定は、フォースモードで行い、各測定点でのフォースカーブ(プローブをサンプルに近づけサンプルに接触させ押し込む間の、プローブ位置とプローブにかかる力との関係)を得た。
得られたフォースカーブから、Hertzの弾性接触理論に基づきフィッティングを行うことで弾性率(ヤング率:LogE(Pa))を導出し、プローブに力がかかり始めた時のピエゾの位置から、測定位置の高さを導出した。この値を元に、弾性率(LogE)の標準偏差(σ(Pa))及び酵母表面の傾斜角(Slope(°))を酵母細胞の頂点(高さが最大となる点)からの距離(鉛直方向の距離(Height)及び鉛直方向に垂直な面における距離(Distance))の関数としてプロットした。
〔試験例2:酵母細胞の弾性率及び吸着力の同時測定〕
カンチレバー探針部に接着させた直径約10μmのビーズに、探針部に10μlのPLL(100μg/ml)を滴下して乾燥させることによってPLLコート処理を施したこと、フォースカーブをサンプルへのプローブ押し付け時だけでなく、退避時にも取得したこと以外は試験例1と同様に測定を行った。
得られた退避時のフォースカーブから、プローブ退避時にカンチレバーにかかる力の最大値を求めることにより、吸着力(nN)を導出した。酵母細胞の高さ、弾性率(ヤング率:LogE(Pa))は試験例1と同様に導出した。図6に各ウェルの高さ像(図6(A))、弾性率像(図6(B))、吸着力像(図6(C))を示した。図6に示すとおり、個々の細胞に特徴的な吸着力が確認された。このことはまた、弾性率及び吸着力を同時に測定できることを意味する。
〔試験例3:酵母細胞のエタノール処理前後の弾性率の測定〕
上面発酵酵母(Saccharomyces cerevisiae)を使用したこと以外は試験例1と同様に測定を行った。得られた測定値から、各酵母細胞について、最も高さの高い測定点における弾性率(ヤング率:LogE(Pa))の測定値を当該酵母細胞の弾性率とした(エタノール処理前の弾性率)。
上記測定後、測定したディッシュ内に99.9%エタノールを終濃度が12%となるように添加した。エタノール添加後、37℃で2時間静置した。その後、エタノール処理前の弾性率と同様に酵母細胞の弾性率を測定及び解析し、エタノール処理後の弾性率とした。
エタノール処理後の弾性率を測定した後、ディッシュ内のエタノール溶液をピペットにて全量排除し、メチレンブルー染色液2.5mL及び生理食塩水2.5mLをディッシュに添加し10分間静置した。ディッシュ内のメチレンブルー溶液をピペットにて全量排除し、生理食塩水5mLを添加した。これを写真撮影し、メチレンブルーで染色された酵母細胞と、非染色の酵母細胞を識別した。
結果を図7に示す。図7(A)は、エタノール処理前の弾性率の分布(n=100)をグラフにしたものであり、図7(B)は、エタノール処理後の弾性率の分布(n=100)をグラフにしたものである。図7(A)及び図7(B)の比較から、エタノール処理により弾性率が低下したことがわかる。また、図7(C)は、酵母細胞をメチレンブルー染色区分(n=20)及び非染色区分(n=80)に分けて弾性率変化量を比較したグラフである。図7(C)に示したとおり、染色区分の方が非染色区分と比較して弾性率が有意に低下していた(**はp<0.01を意味する。)。これらの結果から、ストレス処理が弾性率を低下させること、ストレスの大きさによって低下幅も大きくなることが示された。
〔試験例4:酵母細胞の弾性率の測定、及び細胞採取手段による単離〕
試験例1と同様に弾性率測定及び解析を行った。弾性率が高い2つの酵母細胞をAFMのカンチレバーに結合させたマイクロピペット(チューブを介してポンプに連結しており、ポンプの吸引力を利用して細胞を単離するように構成されている。)を使用して単離した。単離後、常法どおり培養した後、単離した酵母細胞に由来する細胞集団に対して、上記と同様に測定を行った。
図8に結果を示す。図8(A)は、マイクロピペットで酵母細胞を吸引採取した例を示す写真である。吸引前(左図)にウェル中に存在した酵母細胞が吸引後(右図)のウェルには存在しない(吸引採取された)ことがわかる。単一細胞単位で単離が可能であった。
図8(B)は、単離前の酵母細胞集団の弾性率像(左図)と、単離後に培養した酵母細胞集団(単離した酵母細胞に由来する細胞集団)の弾性率像(右図)である。左図四角で囲ったウェルが単離前の酵母細胞に対応する。単離後の培養が可能であるとともに、単離後の弾性率は概ね単離前の弾性率と同じであった。
1…Zスキャナ、2…Yスキャナ、3…Xスキャナ、4…カンチレバー、5…探針(プローブ)、6…ディッシュ、7…ウェル、8…酵母細胞、9…マイクロピペット、10…チューブ、11…ポンプ、50…試料載置部、60…試料測定部、70…細胞採取手段、100,200…AFM。

Claims (6)

  1. 原子間力顕微鏡を用いた酵母細胞の力学特性の測定方法であって、
    支持体表面に固定化された酵母細胞を用意するステップと、
    単一の酵母細胞の複数の測定対象領域に対して原子間力顕微鏡を用いた測定を行い、各測定対象領域における酵母細胞の高さ及び力学特性の測定値を得るステップと、
    酵母表面の傾斜角が20°以下になる測定対象領域のうち、いずれか1つの測定対象領域における力学特性の測定値を当該酵母細胞の力学特性として、又はいずれか2つ以上の測定対象領域における力学特性の測定値の統計値を当該酵母細胞の力学特性として決定するステップと、
    を含む、酵母細胞の力学特性の測定方法。
  2. 前記統計値が、平均値である、請求項1に記載の測定方法。
  3. 前記力学特性が、弾性率及び/又は吸着力である、請求項1又は2に記載の測定方法。
  4. 前記複数の測定対象領域が、1辺6〜10μmの四角形領域を複数の1辺1〜3μmの四角形領域に分割した各領域である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定方法。
  5. 力学特性に基づいた酵母細胞のスクリーニング方法であって、
    複数の被験酵母細胞が支持体表面に固定化されたサンプルを用意するステップと、
    各被験酵母細胞に対して請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定方法を実施し、各被験酵母細胞の力学特性を決定するステップと、
    決定された力学特性に基づき所望の酵母細胞を選抜するステップと、
    を含む、力学特性に基づいた酵母細胞のスクリーニング方法。
  6. 原子間力顕微鏡に付設された細胞採取手段により、選抜された酵母細胞を単離するステップを更に含む、請求項5に記載のスクリーニング方法。
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