JP2009544575A - ピロ[1,2−b]ピリダジノン化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピロ[1,2−b]ピリダジノン化合物を提供する。
【解決手段】本発明はピロ[1,2−b]ピリダジノン化合物、及びC型肝炎ウイルスによる感染症を治療するのに有用な該化合物を含有する医薬組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ピロ[1,2−b]ピリダジノン化合物、及びC型肝炎ウイルスによる感染症を治療するのに有用な該化合物を含有する医薬組成物に関する。
C型肝炎は世界的に重大な健康問題である。世界保健機構は、1億7千万人の人々がC型肝炎ウイルス(HCV)の慢性保菌者であって、米国だけでも400万人の保菌者がいると概算している。米国内では、HCV感染者のうち慢性肝疾患の患者が40%を占めており、HCV疾患は肝移植の原因として最多である。HCVへの感染は慢性感染へとつながり、感染例のうち約70%が慢性的な肝組織変化(慢性肝炎)へと進行し、10〜40%の肝硬変のリスクを伴い、また肝細胞癌の生涯リスクは4%であると見積もられている。米国疾病管理予防センター(CDC)は、毎年米国では35,000のHCV感染症の新症例があり、HCV疾患によって約1万人が死亡していると概算している。
現在行われている標準療法はペグインターフェロン/リバビリンの併用によるもので、この治療には毎年約31,000ドルの費用を要する。上記薬剤は重大な投薬上の問題と副作用を抱えており、HCVに感染したと診断された患者の約半数が、この問題のせいで投与対象から外されている。ペグインターフェロン治療は危険なインフルエンザ様症状や過敏症、集中不能、自殺念慮、白血球減少症を伴う。リバビリンは溶血性貧血や先天的欠損症を伴う。
この標準療法に対する全奏功率(overall response)も低く、患者の約3分の1には効果がない。効果があった患者のうち、大半は6〜12カ月間の治療が完了したのち6カ月以内に再発する。その結果、治療に入った全患者に対する長期奏功率は約50%でしかない。現在行われている療法である抗HCV薬治療は比較的奏功率が低く、また重大な副作用を伴うことから、慢性HCV感染症に対する長期に渡る効果が否定的なことも相まって、より改良された治療法を望む医薬上の継続的なニーズがある。HCVのようなRNAウイルス疾患を治療する抗ウイルス製剤はほとんどなく、上述したように多数の副作用を伴う場合が多い。
C型肝炎感染の治療に有用なNS5B阻害剤を開示した最近の刊行物がいくつか見られる。例えば、(あるピリダジノン類を開示する)特許文献1;(選択された複素環式化合物類を開示する)特許文献2;並びに、(それぞれ特定の置換チアジアジン類を記載する)特許文献3、特許文献4及び特許文献5等を参照されたい。
症例によっては疾患の症状を軽減する市販の薬がある一方で、根本的な原因であるウイルスの複製を効果的に阻害する薬剤はほとんどない。C型肝炎ウイルスによる慢性感染症など(但しこれに限定されない)のRNAウイルス疾患の重大性及び有病率を見るに、現在行われている抗ウイルス製剤の有用性及び有効性が限定されていることも相まって、これらの疾患を治療するための新規製剤に対する切実かつ継続的なニーズがある。
米国特許出願公開第2006/0189602号明細書 米国特許出願公開第2006/0252785号明細書 国際公開第03/059356号パンフレット 国際公開第2002/098424号パンフレット 国際公開第01/85172号パンフレット
本発明は、新規なピロ[1,2−b]ピリダジノン化合物、及びその薬学的に許容可能な塩を記載する。上記化合物又は塩は、C型肝炎ウイルス感染症を、その治療又は予防を必要とする患者において治療又は予防するのに有用であり、治療上又は予防上有効な量のピロ[1,2−b]ピリダジノン化合物を該患者に投与することを特徴とする。
包括的な態様として、本発明は式Iの化合物:
Figure 2009544575
[式中、
は独立に、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、−NR、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキル、アルケニル、アルキニル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、−(C−Cアルキレン)NR、−C(O)OH、−C(O)O(C−Cアルキル)、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)(C−Cアルキル)、アリール又は1、2若しくは3個のN、O若しくはS原子を有するヘテロサイクリル〔R及びRは独立にH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール若しくはヘテロサイクリルであるか、又はRとRは、それらが結合しているN原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環(複素環)を形成する〕から選択される1〜3個の部分であり;
は水素、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキル、アルケニル、アルキニル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、アリール、又は1、2若しくは3個のN、O若しくはS原子を有するヘテロサイクリルであり;
は水素又はC−Cアルキルであり;
は下記:
Figure 2009544575
(式中、nは0、1又は2)
から選択されるものであり;
は水素又はC−Cアルキルであり;
は水素、ハロ又はC−Cアルキルであり;
環Aは、5又は6員環のアリール又はヘテロサイクリル基であって、1〜3個のR部分〔RはH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロサイクリル、ハロ、シアノ、ニトロ、OH、−O−アルキル、−O−(C−Cヒドロキシアルキル)、−O−(C−Cアルコキシ)、−O−(C−Cアルキレン)−シアノ、−O−(C−Cアルキレン)−C(O)R10、−OCHR10C(O)O−R11、−OCHR10C(O)NHOH、−O−(C−Cアルキル)−C(O)NR1112、−O−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)R11、−O−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)OR11、−O−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)NR1112、−OCHR10C(O)NR1112、−O−(C−Cアルキレン)−S(O)R10、−O−(C−Cアルキル)−S(O)10、−O−(C−Cアルキレン)−S(O)NR1112、−O−(C−Cアルキレン)−NR10S(O)NR1112、−O−(C−Cアルキレン)−NR10S(O)11、−O−(C−Cアルキレン)−S(O)10、−O−(C−Cアルキレン)−NR1112、−(C−Cアルキレン)−S(O)10、−(C−Cアルキレン)−S(O)NR1112、−(C−Cアルキレン)−S(O)R10、−(C−Cアルキレン)−C(O)R10、−(C−Cアルキレン)−C(O)NR1112、−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)R11、−(C−Cアルキレン)−NR10S(O)11、−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)OR11、−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)NR1112、−(C−Cアルキレン)−NR10S(O)NR1112、−(C−Cアルキレン)−C(O)OR10、−(C−Cアルキレン)−NR1112、−NR1112、−NR11C(O)R12、−NR10S(O)11、−NR10S(O)NR1112、−C(O)R10、−S(O)R10、−S(O)10、又は−S(O)NR1112(式中、R10、R11及びR12は独立にH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール若しくはヘテロサイクリルであるか、又はR10とR11若しくはR11とR12は、それらが結合している原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環を形成する)である〕により置換されていてもよく;
式中、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12の中で与えられた上記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル又はヘテロサイクリル部分は、それぞれ任意にかつ独立に、
アルキルアミン;
アミノ;
アリール、シクロアルキル、ヘテロサイクリル;
−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルアミン、C−Cジアルキルアミン、C−Cアルケニル、又はC−Cアルキニル(これらはそれぞれ1個以上のヘテロ原子が間に介在していてもよい);
カルボキシル;
シアノ;
ハロ;
ヒドロキシ;
ニトロ;
オキソ;
−C(O)OH、−C(O)−(C−Cアルキル)、−C(O)−(C−Cシクロアルキル)、−C(O)−(アリール)、−C(O)−(ヘテロサイクリル)、−C(O)−(C−Cアルキレン)アリール、−C(O)−(C−Cアルキレン)ヘテロサイクリル、−C(O)−(C−Cアルキレン)シクロアルキル、−C(O)(C−Cアルキル)、−C(O)(C−Cシクロアルキル)、−C(O)(アリール)、−C(O)(ヘテロサイクリル)、−C(O)(C−Cアルキレン)アリール、−C(O)(C−Cアルキレン)ヘテロサイクリル、及び−C(O)(C−Cアルキル)シクロアルキルから選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
上記任意の置換基は、さらに、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、C−Cアルキルアミン、C−Cジアルキルアミン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル及びC−Cヒドロキシアルキルから選択される1〜5個の置換基によって置換されていてもよく、これらの置換基中、アルキルは、それぞれ1個以上のハロ置換基で置換されていてもよい]、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、互変異性体若しくは立体異性体に関する。
ある実施形態においては、Rが水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、−NR、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキル、アルケニル、アルキニル、C−Cアルコキシ、−(C−Cアルキレン)NR、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)R、アリール又は1、2若しくは3個のN、O若しくはS原子を有するヘテロサイクリル(R及びRは独立にH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール若しくはヘテロサイクリルであるか、又はRとRは、それらが結合しているN原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環を形成する)から選択される式Iの化合物に関する。
他の実施形態においては、本発明は、Rが以下の基:
Figure 2009544575
(式中、R13、R14及びR15は独立に、水素、アルキルアミン、アミノ、アリール、シクロアルキル、ヘテロサイクリル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、カルボキシル、シアノ、ハロ及びヒドロキシルから選択されるか、又はR13とR14は、それらが結合しているN原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環を形成する)から選択される式Iの化合物に関する。
さらに他の実施形態においては、Rは水素、フルオロ、シアノ及びメチルから選択される。
ある実施形態においては、本発明は、RがC−Cシクロアルキル、C−Cアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール及び1、2若しくは3個のN、O、若しくはS原子を有するヘテロサイクリルから選択され、上記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル又はヘテロサイクリル部分はそれぞれ任意にかつ独立に、アリール、シクロアルキル、ヘテロサイクリル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルアミン、C−Cアルケニル、又はC−Cアルキニル(これらはそれぞれ1個以上のヘテロ原子が間に介在していてもよく、シアノ又はハロ基によって置換されていてもよい)から選択される1〜3個の置換基により置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
他の実施形態においては、Rが以下の基:
Figure 2009544575
(式中、XはO又はSであり、n=0、1又は2である)
から選択される式Iの化合物に関する。
さらに他の実施形態においては、Rが以下の基:
Figure 2009544575
から選択される。
またさらに他の実施形態においては、Rが以下の基:
Figure 2009544575
から選択される。
ある実施形態においては、本発明は、R及びRが独立に水素、メチル及びエチルから選択される式Iの化合物に関する。
ある実施形態においては、本発明は、Rが水素、フルオロ、メチル及びエチルから選択される式Iの化合物に関する。
ある実施形態においては、本発明はnが2である式Iの化合物に関する。
ある実施形態においては、本発明は、環Aが下記基:
Figure 2009544575
〔式中、XはS、O、NH又は−N(C−Cアルキル)である〕
から選択される式Iの化合物に関する。
他の実施形態においては、環Aは下記基:
Figure 2009544575
から選択される。
さらに他の実施形態においては、環Aは、下記:
Figure 2009544575
〔式中、Rは水素、−(C−Cアルキレン)−S(O)NR1112、−(C−Cアルキレン)−S(O)R10、−(C−Cアルキレン)−S(O)10、−NR10S(O)11又は−NR10S(O)NR1112〕である。
さらに他の実施形態においては、Rが以下の基:
Figure 2009544575
〔式中、nは0から6の整数であり、mは1から6の整数であり、R16、R17及びR18は独立に、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール及びヘテロサイクリルから選択されるか、又はR16とR17若しくはR17とR18はそれらが結合している原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環を形成しており、R19は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル−S(O)10又は−S(O)NR1112(式中R10、R11及びR12は独立に水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール若しくはヘテロサイクリルから選択されるか、又はR11とR12は、それらが結合しているN原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環を形成する)である〕
から選択される。
他の実施形態においては、本発明は、下記:
Figure 2009544575
から選択される化合物に関する。
さらに本発明は式Iの化合物の薬学的に許容可能な塩、水和物及び溶媒和物にも関する。また式Iの化合物の有利な製造方法も記載される。
ある態様において、本発明はC型肝炎ウイルス感染症を、その治療又は予防を必要とする哺乳動物、好ましくはそれを必要とするヒトにおいて治療又は予防するための方法を包含する。該方法は治療上又は予防上有効な量の式Iの化合物を該患者に投与することを特徴とする。ある実施形態においては、本発明は、HCV NS5Bポリメラーゼの阻害剤である式Iの化合物を、治療上又は予防上有効な量、治療又は予防を必要とする患者に投与することにより、C型肝炎ウイルス感染症を治療又は予防するための方法を包含する。
他の態様においては、本発明は、C型肝炎ウイルス感染症を、その治療又は予防を必要とする患者において治療又は予防するための方法であって、治療上又は予防上有効な量の式Iの化合物と薬学的に許容可能な賦形剤、基剤、又はビヒクルを上記患者に投与する方法を包含する。
他の態様においては、本発明は、C型肝炎ウイルス感染症を、その治療又は予防を必要とする患者において治療又は予防するための方法であって、治療上又は予防上有効な量の式Iの化合物と追加の治療剤、好ましくは追加の抗ウイルス剤若しくは免疫調節剤を上記患者に投与する方法を包含する。
<本発明の詳細な説明>
下記用語が本願明細書で使用される際、下記用語は以下に説明する意味として用いている。
「含む(含有する)」(“comprising”)、「有する」(“having”)及び「含む(包含する)」(“including”)という用語は、オープンの、非限定的な意味で用いている。
「アルキル(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では直鎖、分枝又は環状部分(縮合状の二環及びスピロ環部分、及び橋かけ構造を有する二環及びスピロ環部分を含む)、あるいは上記部分の組み合わせの構造を有する一価の飽和炭化水素基を包含する。環部分を有するアルキル基に対しては3以上の炭素原子を有していなければならない。
「アルキレン(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、アルキル基由来の2価の基(例えば−CHCHCHCH−等)を包含する。
「アルケニル(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有するアルキル部分(アルキル(基)は上記定義の通り)を包含し、上記アルケニル部分のE及びZ異性体を含む。
「アルキニル(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含むアルキル部分(アルキル(基)は上記定義の通り)を包含する。
「アルコキシ(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、O−アルキル基(アルキル(基)は上記定義の通り)を包含する。
“Me”という語はメチル(基)を意味し、“Et”はエチル(基)を意味し、“Ac”はアセチル(基)を意味する。
「シクロアルキル(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、本願明細書で言及される、全体で3〜10個の炭素原子、好ましくは5〜8個の環内炭素原子を含んでいる、非芳香族の飽和又は部分飽和の、単環、又は縮合環、スピロ環若しくは非縮合環である二環若しくは三環の炭化水素をいう。シクロアルキルの例としては、3〜7個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有する単環、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。シクロアルキルの具体例としては、限定されないが、以下のものに由来する基が挙げられる。
Figure 2009544575
「アリール(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では芳香族炭化水素から一つの水素を取り除いた有機基(例えばフェニル基又はナフチル基等)を包含する。
「ヘテロ環(基)(heterocyclic)」あるいは「ヘテロサイクリル(基)(heterocycyl)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、O、S及びNからそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する芳香族ヘテロサイクリル基(例えばヘテロアリール(基))及び非芳香族ヘテロサイクリル基であって、各へテロサイクリル基は、環内に4〜10個の原子を含んでいるが、但しヘテロサイクリル基の環内に隣り合った二つの酸素原子は存在しない、という基を包含する。非芳香族ヘテロサイクリル(基)は、その環構造内に3つの原子しか有しない基も含んでいる。しかし芳香族ヘテロサイクリル(基)はその環構造内に少なくとも5つの原子を有していなければならない。ヘテロサイクリル基はベンゾ−縮合(benzo−fused)環系を含む。4員環ヘテロサイクリル基の一例はアゼチジニル(アゼチジン由来)である。5員環ヘテロサイクリル基の一例はチアゾリルである。また10員環ヘテロサイクリル基の一例はキノリニルである。非芳香族ヘテロサイクリル基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H−インドリル及びキノリジニル基である。芳香族ヘテロサイクリル基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル及びフロピリジニルである。上に列挙した群から派生する基のような、上記基は、可能であれば、C結合型でもN結合型でもよい。例えばピロール由来の基はピロール−1−イル(Nで結合)でもよく、ピロール−3−イル(Cで結合)でもよい。さらに、イミダゾール由来の基はイミダゾール−1−イル(Nで結合)でもよく、イミダゾール−3−イル(Cで結合)でもよい。4〜10員環のヘテロ環基は環内の炭素、硫黄又は窒素原子が、環一つ当たり1〜2個のオキソ(基)で置換されていてもよい。2つの環炭素原子がオキソ部分で置換されたヘテロ環基の例は1,1−ジオキソ−チオモルホリニルである。4〜10員環へテロ環基の他の具体例としては、以下に限定されないが、以下のもの由来の基が挙げられる。
Figure 2009544575
特に断りがない限り、「アルキル(基)」、「アルキレン(基)」、「アルケニル(基)」、「アルキニル(基)」、「アリール(基)」、「シクロアルキル(基)」又は「ヘテロサイクリル(基)」は、それぞれ任意にかつ独立に、アルキルアミン、アミノ、アリール、シクロアルキル、ヘテロサイクリル、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルアミン、C−Cジアルキルアミン、C−Cアルケニル又はC−Cアルキニル(これらはそれぞれ1個以上のヘテロ原子が間に介在していてもよい)、カルボキシル、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、−C(O)OH、−C(O)−(C−Cアルキル)、−C(O)−(C−Cシクロアルキル)、−C(O)−(アリール)、−C(O)−(ヘテロサイクリル)、−C(O)−(C−Cアルキレン)アリール、−C(O)−(C−Cアルキレン)ヘテロサイクリル、−C(O)−(C−Cアルキレン)シクロアルキル、−C(O)(C−Cアルキル)、−C(O)(C−Cシクロアルキル)、−C(O)(アリール)、−C(O)(ヘテロサイクリル)、−C(O)(C−Cアルキレン)アリール、−C(O)(C−Cアルキレン)ヘテロサイクリル及び−C(O)(C−Cアルキレン)シクロアルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、これらの任意の置換基は、さらに、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、C−Cアルキルアミン、C−Cジアルキルアミン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル及びC−Cヒドロキシアルキルから選択される1〜5個の置換基によって置換されていてもよく、これらの置換基中、アルキルはそれぞれ1個以上のハロ置換基(例えばCF)で置換されていてもよい。
「免疫調節剤」という用語は、刺激又は抑制(suppression)を通して正常な又は異常な免疫系を調節(modifying)する能力のある天然物又は合成物をいう。
「予防(する)」という用語は、本願明細書で特定する疾患を有していると診断された患者、あるいは当該疾患が発現する危険性がある患者において、当該疾患を予防する本発明の化合物又は組成物の能力をいう。「予防(する)」という用語はまた、上記疾患を既に患っている、あるいは上記疾患の兆候を有している患者において、疾患が更に進行しないよう防ぐことも包含している。
「患者(patient)」又は「対象(subject)」という用語は、動物(例えばウシ、ウマ、羊、豚、鶏、七面鳥、ウズラ、猫、犬、マウス、ラット、ウサギ、モルモット等)又は哺乳動物(キメラ動物及び哺乳動物、並びに形質転換動物及び哺乳動物を含む)を意味する。HCV感染症の治療又は予防において、「患者(patient)」又は「対象(subject)」という用語は、好ましくはサル又はヒトであり、最も好ましくはヒトを意味する。特定の実施形態において、患者又は対象はC型肝炎ウイルスに感染している、又はC型肝炎ウイルスに曝されている。ある実施形態においては、患者はヒトの乳幼児(0〜2歳児)、子供(2〜17歳)、青年(12〜17歳)、成人(18歳以上)又は老人(70歳以上)の患者である。さらに、上記患者にはHIV陽性の患者、癌患者、免疫療法又は化学療法にて治療中の患者等の免疫不全(immunocompromised)患者が含まれる。特定の実施形態においては、上記患者は健常者(健常体)、すなわち他のウイルス感染の兆候を示していない個人(個体)である。
「治療上有効な量」という用語は、本発明の化合物の、ウイルス性疾患の治療若しくは予防における利益をもたらすのに充分な量、又はウイルス感染若しくはウイルス誘導疾患に関連する症状を遅延若しくは最小化するのに充分な量、又は疾患若しくは感染、若しくはその原因を治療若しくは改善するのに充分な量をいう。特に、治療上有効な量は、インビボで治療上の利益をもたらすのに充分な量を意味する。本発明の化合物の量に関して用いる場合には、上記用語は好ましくは、総治療率(overall therapy)を向上させ、疾患の症状や原因を減少又は回避し、あるいは他の治療剤の治療効能又は他の治療剤との相乗効果を高める無毒性量を包含する。
「予防上有効な量」という用語は、本発明の化合物又は他の有効成分の、ウイルス感染症の感染、再発又は蔓延を防止するのに充分な量をいう。予防上有効な量は、初期感染、又は感染症の再発若しくは蔓延、又は感染に伴う疾患を防止するのに充分な量をいう場合もある。本発明の化合物の量に関して用いる場合には、上記用語は好ましくは、総予防率(overall prophylaxis)を向上させ、あるいは他の予防剤若しくは治療剤の予防効能、又は他の予防剤若しくは治療剤との相乗効果を高める無毒性量を包含する。
「組み合わせ(て)(in combination)」という語は、それぞれの効能が相加的又は相乗的になるよう、同時に又は逐次的に2種以上の予防剤及び/又は治療剤を使用することをいう。
「治療(する)(treating)」という用語は、
(i)疾患、異常及び/又は身体不調が生じ易い傾向があるが、未だ発症しているとは診断されていない動物において、該疾患、異常又は身体不調を発生させないようにすること、
(ii)該疾患、異常又は身体不調を阻害する、すなわち、その発生を阻止すること、及び、
(iii)該疾患、異常又は身体不調を和らげる、すなわち、該疾患、異常及び/又は身体不調を退縮させること
をいう。
“R”及び“S”という用語は、描かれた化学構造中の不斉炭素原子における置換基の特定の立体化学的配置を示すものである。
“rac”という用語は、化合物がラセミ化合物であることを示したものである。ラセミ化合物とは一対のエナンチオマーの等モル混合物として定義される。“rac”化合物は光学活性を示さない。ラセミ化合物の化学名又は式は、(±)−若しくはrac−(若しくはracem−)という接頭辞、又はRS及びSRという符号によりエナンチオマーと見分けることができる。
本発明の化合物は互変異性現象を示すものであってもよい。式Iは、すべての考えうる互変異性形態を明確には描いていないものの、描かれた化合物のあらゆる互変異性形態を表すことを意図しているものと解されるべきものであって、式に描かれた特定の化合物に単に限定されるものではない。図解のため、互変異性体の範囲を決して限定するものではないものの、式Iの化合物は以下のような形で存在することができる。
Figure 2009544575
本発明の化合物は、単一の立体異性体(すなわち、本質的に他の立体異性体を有していないもの)であってもよく、ラセミ化合物であってもよく、且つ/又は、エナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物であってもよい。そのような単一の立体異性体、ラセミ化合物及びその混合物は全て、本発明の範囲に属することを意図している。好ましくは本発明の光学活性を有する化合物は光学的に純粋な形態で使用される。
当業者によって一般的に理解されるように、1つの不斉中心(すなわち1つの不斉炭素原子)を有する光学的に純粋な化合物は、2つの可能なエナンチオマーのうちの1つから本質的に成る〔すなわち、鏡像異性的に純粋(enantiomerically pure)である〕。また2つ以上の不斉中心を有する光学的に純粋な化合物はジアステレオマー的に純粋で、且つ鏡像異性的にも純粋である。好ましくは、本発明の化合物は、他のエナンチオマー又はジアステレオマーを10%以上は含んでいない形態、すなわち90%以上単一の異性体を含む形態〔80%鏡像体過剰率(“e.e.”)又はジアステレオマー過剰率(“d.e.”)以上〕で使用され、より好ましくは95%(90%e.e.又はd.e.)以上、更に好ましくは97.5%(95%e.e.又はd.e.)以上、最も好ましくは99%(98%e.e.又はd.e.)以上単一の異性体を含む形態で使用される。
さらに、式Iは示した構造の溶媒和体及び非溶媒和体をも含むものである。例えば、式Iは示された構造の水和物と非水和物の両方を含む。他の溶媒和物としては、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸又はエタノールアミンと結合した構造も含まれる。
式Iの化合物に加え、本発明は薬学的に許容可能なプロドラッグ、薬学的に活性な代謝物、並びに上記化合物及び代謝物の薬学的に許容可能な塩を包含する。
「薬学的に許容可能なプロドラッグ」は、薬理学的効果を発揮する前に生理学的条件下で又は加溶媒分解によって特定の化合物又は該化合物の薬学的に許容可能な塩へと変換され得る化合物である。典型的には、プロドラッグは化学的安定性の向上、患者の受容性(acceptance)及び服薬率(コンプライアンス)の向上、バイオアベイラビィリティの向上、作用持続時間の延長、器官選択性の向上、処方の改善(例えば水溶解性の向上等)及び/又は副作用(例えば毒性等)の低減等を目的として処方される。プロドラッグは式Iの化合物から当該技術分野において公知の方法、例えば、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Chemistry,1,172−178、949−982(1995)に記載された方法等を用いて容易に調製できる。公知の方法としては、さらにBertoliniら,J.Med.Chem.,40,2011−2016(1997);Shanら,J.Pharm.Sci.,86(7),765−767;Bagshawe,Drug Dev.Res.,34,220−230(1995);Bodor,Advances in Drug Res.,13,224−331(1984);Bundgaard,Design of Prodrugs(Elsevier Press 1985);Larsen,Design and Application of Prodrugs,Drug Design and Development(Krogsgaard−Larsenら編集,Harwood Academic Publishers,1991);Dearら,J.Chromatogr.B,748,281−293(2000);Spraulら,J.Pharmaceutical&Biomedical Analysis,10,601−605(1992);及び、Proxら,Xenobiol.,3,103−112(1992)も参照されたい。
「薬学的に活性な代謝物」は、体内における特定の化合物またはその塩の代謝を通して作られる、薬理学的に活性な物質を意味することを意図している。体内に入った後、ほとんどの薬は化学反応の基質となり、その際物性や生物学的な効果が変わり得る。これらの代謝による変換は、通常式Iの化合物の極性に影響を与えるのだが、体内での薬の分配経路と体からの排出経路を変える。しかしながら、薬の代謝は、治療上の効果を与える上で必要な場合もある。例えば代謝拮抗性抗がん剤類は癌細胞に輸送された後、活性型に変換されなければならない。
ほとんどの薬はある種の代謝による変換を受けることから、薬の代謝において役割を果たす生化学反応は非常に多く且つ多岐に渡る。他の組織も関与するものの、薬代謝の主要部位は肝臓である。
これら多くの変換の特徴は、代謝生成物または「代謝物(metabolites)」が、親薬物よりも極性が高くなっていることである。但し、極性が高い薬がより極性の低い物質を生成することも当然あり得る。脂質/水・分配係数が高い物質は細胞膜を容易に通過するが、尿細管から腎尿細管細胞を通って血漿へと逆方向への拡散もしやすい。従って、そのような物質は腎クリアランスが低く、体内滞留時間が長い傾向がある。薬がより極性の高い化合物、すなわち、より低い分配係数を有するものへと代謝された場合、その管での再吸収が大幅に減少するであろう。さらに、近位尿細管及び肝実質細胞でのアニオンとカチオンに対する特定の分泌機構は極性の高い物質に対して働く。
具体例としては、フェナセチン(アセトフェネチジン)及びアセトアニリドは、効き目が穏やかな鎮痛剤でもありかつ解熱剤でもあるが、体内でより極性が高く、より効能の高い代謝物であるp−ヒドロキシアセトアニリド(アセトアミノフェン)に変換される。p−ヒドロキシアセトアニリド(アセトアミノフェン)は今日広く使われているものである。アセトアニリドがヒトに投与されたとき、血漿中では継続的に代謝物の極大化と消失が順に起こる。最初の時間帯にはアセトアニリドは血漿の主成分である。第2の時間帯では、アセトアニリドの濃度が減少するにつれて、代謝物であるアセトアミノフェンの濃度が極大に達する。最後に、数時間経過後、血漿の主成分は、不活性で、体外に排出され得る、さらに代謝が進んだ産物である。このように、1つ又は複数の代謝物の血漿中濃度は、薬剤そのものの濃度と同様に、薬理学的に重要な場合がある。
「薬学的に許容可能な塩」は、特定の化合物の遊離の酸及び塩基の生物学的効果を保持しつつ、生物学的に、あるいは他の理由から不適合ではない塩を意味することを意図している。本発明の化合物は充分に酸性な官能基、充分に塩基性な官能基、あるいはその両方を有していてもよく、従って、数多くの無機又は有機塩基、及び無機酸や有機酸と反応して薬学的に許容可能な塩を形成する。薬学的に許容可能な塩の例には、本発明の化合物と鉱酸又は有機酸、又は無機塩基の反応により調製される塩、例えば硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、燐酸塩、一水素燐酸塩(モノハイドロジェンホスフェート)、二水素燐酸塩(ジハイドロジェンホスフェート)、メタ燐酸塩、ピロ燐酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホネート、キシレンスルホネート、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタン−スルホネート、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、及びマンデル酸塩が含まれる。
本発明の化合物が塩基の場合、所望の薬学的に許容可能な塩は、当該技術分野で利用できるいかなる好適な方法により調製してもよい。例えば、無機酸(例えば塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸等)、又は有機酸〔例えば酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(例えばグルクロン酸又はガラクツロン酸等)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸又は酒石酸等)、アミノ酸(例えばアスパラギン酸又はグルタミン酸等)、芳香族酸(例えば安息香酸又は桂皮酸等)、スルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸又はエタンスルホン酸等)等〕を用いた遊離塩基の処理により上記塩を調製することができる。
本発明の化合物が酸の場合、所望の薬学的に許容可能な塩はいかなる好適な方法により調製してもよい。例えば無機又は有機の塩基〔例えばアミン(1級、2級又は3級)、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物等〕を用いた遊離酸の処理により上記塩を調製することができる。好適な塩の具体例には、アミノ酸(例えばグリシン及びアルギニン等)、アンモニア、1級、2級及び3級アミン、並びに環状アミン(例えばピペリジン、モルホリン及びピベラジン等)由来の有機塩や、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム及びリチウム由来の無機塩が含まれる。
固体剤の場合、当業者は、本発明の化合物及び塩は異なる結晶形態即ち多形形態で存在していてもよく、これら全てが本発明及び本明細書で特定された式の範囲内に含まれると意図されると理解するだろう。
C型肝炎ウイルス感染の治療及び予防方法
本発明は、C型肝炎ウイルス感染を、その治療又は予防を必要とする患者において治療又は予防するための方法を提供する。
本発明はさらに、C型肝炎ウイルス感染の治療及び/又は予防において、治療上有効な量の式Iの化合物又は式Iの化合物の組み合わせを患者の血流内に導入する方法を提供する。
しかしながら、感染の急性期又は慢性期の治療や予防における、本発明の式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物若しくは水和物の予防上又は治療上の投与量は、感染症の性質や重症度、活性成分が投与される経路によって変動する。投与量や、場合によっては投与頻度も、治療対象の感染症、個々の患者の年齢、体重、反応性によって変動する。好適な投薬計画は、これらの要因を充分に考慮しながら当業者により容易に選択される。
本発明の方法はヒトの患者に特に適している。特に、本発明の方法と投与量は免疫不全患者、例えば、以下に限定されないが、癌患者、HIV感染患者、免疫変性疾患を患う患者等にとって有用な可能性がある。さらに、上記方法は、現在は寛解状態にある免疫不全患者にとって有用な可能性がある。本発明の上記方法及び投与量は他の抗ウイルス治療を受けている患者にとっても有用である。本発明の予防方法は、特にウイルス感染の危険性がある患者に有用である。このような患者としては、以下に限定されないが、ヘルスケア関連業務への従事者、例えば医者、看護師、ホスピスの介護人;兵士;教師;保育者;社会支援従事者、宣教師、外交官等の外国、特に第三世界の地域に旅行する患者又は住んでいる患者等が含まれる。最後に、上記方法及び組成物は、不応性患者、すなわち、逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤等への耐性等、治療に耐性のある患者の治療を包含している。
投与量
本発明の化合物の毒性と効能は、細胞培養又は実験動物における標準の薬学的手順により決定することができ、例えばLD50(母集団の50%が死亡する投与量)及びED50(母集団の50%において治療上有効な投与量)の測定等が挙げられる。毒性のある投与量と治療上効果のある投与量の比(投与量比)は治療上の指標であり、LD50/ED50で表すことができる。
細胞培養アッセイと動物実験から得られるデータは、ヒトに使用するための化合物の投与量範囲を定式化するのに用いることができる。上記化合物の投与量は、毒性がほとんどない、あるいは全くなく、かつED50を含む血中濃度の範囲内であるのがよい。投与量は用いる投与形態や利用する投与経路に応じてこの範囲内で変動し得る。本発明の方法で使用される化合物いずれに対しても、治療上有効な投与量は、最初は細胞培養アッセイから見積もることができる。投与量は、細胞培養において決定されるように、IC50(すなわち、症状の阻害が最大値の半分に達するときの試験化合物の濃度)を含む体内血漿中濃度範囲に達するよう動物モデルにおいて定式化してもよい。別の方法としては、式Iの化合物の投与量は、動物モデルにおいて、化合物の体内血漿中濃度が、反応が所定の大きさに達するのに必要な濃度に相当する濃度範囲になるよう定式化してもよい。そのような情報は、ヒトにおいて有用な投与量をより正確に決定するのに用いることができる。血漿中濃度は、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定してもよい。
本発明のプロトコルや組成物は、ヒトに使用する前に、インヴィトロ(試験管内)で、次にインビボ(生体内)で所望の治療活性又は予防活性をテストするのが好ましい。例えば、特定の治療プロトコルの適用を指示すべきかどうか決定するのに使用することができるインヴィトロでのアッセイにはインヴィトロでの細胞培養アッセイが含まれる。この細胞培養アッセイでは、式Iの化合物の作用に対して反応性の高い細胞をリガンドに曝露し、適当な技術によって反応の大きさが測定される。次に式Iの化合物のアセスメントは、式Iの化合物の効能、及び式Iの化合物のプロドラッグの変換率の点から評価される。本発明の方法において使用される化合物は、ヒトで試験する前に適当な動物モデル系においてテストすることができる。そのような動物モデル系には、以下に限定されないが、ラット、マウス、鶏、ウシ、サル、ウサギ、ハムスター等が含まれる。上記化合物は、その後適当な臨床試験で用いることができる。
感染症又は身体不調の急性期又は慢性期の治療又は予防における、本発明の式Iの化合物のプロドラッグ、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、若しくは水和物の予防上又は治療上の投与量は、感染症の性質及び重症度、及び活性成分を投与する経路によって変動する。投与量や、場合によっては投与頻度も、治療対象の感染症、個々の患者の年齢、体重及び反応性によって変動する。好適な投薬計画は、これらの要因を充分に考慮しながら当業者により容易に選択される。ある実施形態においては、上記投与量は使用する特定の化合物、及び患者の体重や健康状態に応じて投与される。また、上記投与量は、種々の具体的な式Iの化合物によって変わりうる。好適な投与量は上述のインヴィトロでの測定や動物実験に基づき予測することができる。例えば、上述した系または本願明細書に引用する系において測定した場合に、他の式Iの化合物よりも低い濃度で効果を示す式Iの化合物に対してはより少ない投与量が好適である、といったように予測することができる。概ね、一日当たりの投与量は約0.001〜100mg/kg、好ましくは約1〜25mg/kg、より好ましくは約5〜15mg/kgの範囲である。ヒトのC型肝炎ウイルスによる感染を治療するには、約0.1mg〜約15g/日、好ましくは100mg〜12g/日、より好ましくは100mg〜8000mg/日を、大体1日1〜4回に分けて投与する。
さらに、推奨される一日服用量を、単一薬剤として、又は他の治療剤と組み合わせて周期的に投与することができる。ある実施形態においては、一日服用量は単回服用又はいくつかに同量ずつ分割した服用形態で投与される。関連する実施形態においては、推奨される一日当たりの投与量を一週間に1回、一週間に2回、一週間に3回、一週間に4回、又は一週間に5回投与することができる。
ある実施形態においては、本発明の化合物は、投与されて、患者の全身へ分布する。関連する実施形態においては、本発明の化合物は、投与されて、体内全体において効果を発揮する。
他の実施形態においては、本発明の化合物は経口、経粘膜(舌下、口腔、直腸、経鼻、又は経膣投与を含む)、非経口(皮下、筋肉内、ボーラス注入、動脈内、又は静脈内投与を含む)、経皮、又は局所での各投与を介して投与される。特定の実施形態においては、本発明の化合物は経粘膜(舌下、口腔、直腸、経鼻、又は経膣投与を含む)、非経口(皮下、筋肉内、ボーラス注入、動脈内、又は静脈内投与を含む)、経皮、又は局所での各投与を介して投与される。さらに特定の実施形態においては、本発明の化合物は経口投与によって投与される。さらに特定の実施形態においては、本発明の化合物は経口投与によって投与されない。
別の感染症に対しては、当業者であれば容易に分かる通り、別の治療上有効な量を適用することができる。同様に、そのような感染を治療又は予防するのに充分であるが、従来の治療法が伴っていた副作用を起こすには至らない量、またはその副作用を低減するのに充分な量も、上述した投与量と投薬頻度スケジュールに包含されるものである。
併用(組み合わせ)治療
本発明の特定の方法はさらに追加の治療剤(すなわち本発明の化合物以外の治療剤)を投与することを含む。本発明のある実施形態において、本発明の化合物は少なくとも一つの他の治療剤と組み合わせて使用することができる。治療剤には、以下に限定されないが、抗生物質、制吐剤、抗うつ剤、及び抗真菌剤、抗炎症剤、抗ウイルス剤、抗がん剤、免疫調節剤、α−インターフェロン、β−インターフェロン、リバビリン、アルキル化剤、ホルモン類、サイトカイン類、又はtoll様受容体モジュレーターが含まれる。ある実施形態においては、本発明はHCV特異性を有する又は抗HCV活性を発揮する追加の治療剤をさらに投与することを包含する。
本発明の式Iの化合物は抗生物質と組み合わせて投与あるいは処方することができる。例えば、本発明の式Iの化合物は、マクロライド〔例えばトブラマイシン(Tobi(R))〕、セファロスポリン〔例えば、セファレキシン(Keflex(R))、セフラジン(Velosef(R))、セフロキシム(Ceftin(R))、セフプロジル(Cefzil(R))、セファクロル(Ceclor(R))、セフィキシム(Suprax(R))若しくはセファドロキシル(Duricef(R))〕、クラリスロマイシン〔例えば、クラリスロマイシン(Biaxin(R))〕、エリスロマイシン〔例えば、エリスロマイシン(EMycin(R))〕、ペニシリン〔例えばペニシリンV(V−Cillin K(R)若しくはPen Vee K(R))〕又はキノロン〔例えば、オフロキサシン(Floxin(R))、シプロフロキサシン(Cipro(R))若しくはノルフロキサシン(Noroxin(R))〕、アミノグリコシド系抗生物質(例えば、アプラマイシン、アルベカシン、バンベルマイシン(bambermycins)、ブチロシン、ジベカシン、ネオマイシン、ネオマイシン、ウンデシレナート、ネチルマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン及びスペクチノマイシン)、アムフェニコール(amphenicol)系抗生物質(例えばアジダムフェニコール、クロラムフェニコール、フロルフェニコール及びチアンフェニコール)、アンサマイシン系抗生物質(例えばリファミド及びリファンピン)、カルバセフェム類(例えばロラカルベフ)、カルバペネム類(例えば、ビアペネム及びイミペネム)、セファロスポリン類(例えば、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セフォゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド及びセフピロム)、セファマイシン類(例えばセフブペラゾン、セフメタゾール及びセフミノクス)、モノバクタム類(例えば、アズトレオナム、カルモナム及びチゲモナム)、オキサセフェム類(例えばフロモキセフ及びモキサラクタム)、ペニシリン類〔例えば、アムジノシリン、アムジノシリンピボキシル、アモキシシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリンナトリウム、エピシリン、フェンベニシリン(fenbenicillin)、フロキサシリン、ペナマクシリン(penamccillin)、ペネタメートヨウ化水素酸塩(penethamate hydriodide)、ペニシリンo−ベネタミン、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン、ペニメピサイクリン及びフェネチシリンカリウム(phencihicillin)カリウム〕、リンコサミド類(例えば、クリンダマイシン及びリンコマイシン)、アンホマイシン、バシトラシン、カプレオマイシン、コリスチン、エンドウラシジン(enduracidin)、エンビオマイシン、テトラサイクリン類(例えば、アピサイクリン、クロルテトラサイクリン、クロモサイクリン及びデメクロサイクリン)、2,4−ジアミノピリミジン類(例えば、ブロジモプリム)、ニトロフラン類(例えば、フラルタドン及び塩化フラゾリウム)、キノロン類及びその類似体〔例えばシノキサシン、クリナフロキサシン、フルメキン及びグレパフロキサシン(grepagloxacin)〕、スルホンアミド類(例えばアセチルスルファメトキシピラジン、ベンジルスルファミド、ノプリルスリファミド、フタリルスルファセタアミド、スルファクリソイジン及びスルファシチン)、スルホン類(例えば、ジアチモスルホン、グルコスルホンナトリウム及びソラスルホン)、サイクロセリン、ムピロシン及びツベリンと共に処方することができる。
本発明の式Iの化合物は制吐剤と組み合わせて投与あるいは処方することもできる。好適な制吐剤には、以下に限定されないが、メトクロプロミド(metoclopromide)、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンザミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン(bietanautine)、ブロモプリド(bromopride)、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタル(methallatal)、メトピマジン(metopimazine)、ナビロン、オキシペンジル(oxyperndyl)、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン、及びそれらの混合物が含まれる。
本発明の式Iの化合物は抗うつ剤と組み合わせて投与あるいは処方することもできる。好適な抗うつ剤には、以下に限定されないが、ビネダリン、カロキサゾン、シタロプラム、ジメタザン(dimethazan)、フェンカミン、インダルピン、塩酸インデロキサジン、ネホパム、ノミフェンシン、オキシトリプタン、オキシペルチン、パロキセチン、セルトラリン、チアゼシム(thiazesim)、トラゾドン、ベンモキシン(benmoxine)、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、ニアラミド、オクタモキシン(octamoxin)、フェネルジン、コチニン、ロリシプリン、ロリプラム、マプロチリン、メトラリンドール、ミアンセリン、ミルタザピン(mirtazepine)、アジナゾラム、アミトリプチリン、アミトリプチリノキシド、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドチエピン(dothiepin)、ドキセピン、フルアシジン、イミプラミン、イミプラミンN−オキシド、イプリンドール、ロフェプラミン、メリトラセン、メタプラミン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン、オピプラモール、ピゾチリン(pizotyline)、プロピゼピン、プロトリプチリン、キヌプラミン、チアネプチン、トリミプラミン、アドラフィニル、ベナクチジン、ブプロピオン、ブタセチン(butacetin)、ジオキサドロール、デュロキセチン、エトペリドン、フェバルバメート、フェモキセチン、フェンペンタジオール、フルオキセチン、フルボキサミン、ヘマトポルフィリン、ヒペリシン、レボファセトペラン、メジホキサミン、ミルナシプラン、ミナプリン、モクロベニド、ネファゾドン、オキサフロザン、ピベラリン、プロリンタン、ピリスクシデアノール(pyrisuccideanol)、リタンセリン、ロキシンドール、塩化ルビジウム、スルピリド、タンドスピロン、トザリノン(thozalinone)、トフェナシン、トロキサトン、トラニルシプロミン、L−トリプトファン、ベンラファキシン、ビロキサジン及びジメルジンが含まれる。
本発明の式Iの化合物は抗真菌剤と組み合わせて投与あるいは処方することもできる。好適な抗真菌剤には、以下に限定されないが、アムホテリシンB、イトラコナゾール、ケトコナゾール、フルコナゾール、イントラセカル(intrathecal)、フルシトシン、ミコナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチン、テルコナゾール、チオコナゾール、シクロピロックス、エコナゾール、ハロプログリン、ナフチフィン、テルビナフィン、ウンデシレナート及びグリセオフルビンが含まれる。
本発明の式Iの化合物は抗炎症剤と組み合わせて投与あるいは処方することもできる。有用な抗炎症剤には、以下に限定されないが、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサラート(salsalate)、オルサラジン、スルファサラジン、アセトアミノフェン、インドメタシン、スリンダク、エトドラク、メフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、トルメチン、ケトロラック、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン(flurbinprofen)、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピロキシカム(pivoxicam)、テノキシカム、ナブメトン(nabumetome)、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾン及びニメスリド等の非ステロイド系抗炎症剤;以下に限定されないが、ジロートン、オーロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム及びオーラノフィン等のロイコトリエン・アンタゴニスト;以下に限定されないが、プロピオン酸アルクロメタゾン、アムシノニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン(betametasone)、安息香酸ベタメタゾン(betamethasone benzoate)、プロピオン酸ベタメタゾン(betamethasone diproprionate)、リン酸ベタメタゾンナトリウム(betamethasone sodium phosphate)、吉草酸ベタメタゾン(betamethasone valerate)、プロピオン酸クロベタゾール、ピバル酸クロコルトロン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、デソニド、デソキシメタゾン(desoximatasone)、デキサメタゾン、フルニソリド、フルコキシノリド(flucoxinolide)、フルランドレノリド(flurandrenolide)、ハルシノシド(halcinocide)、メドリソン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン(methprednisolone acetate)、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、フランカルボン酸モメタゾン(mometasone furoate)、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト酸プレドニゾロン(prednisolone tebuatate)、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、酢酸トリアムシノロン及びトリアムシノロンヘキサアセトニド等のステロイド;並びに、以下に限定されないが、メトトレキサート、コルヒチン、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン及びベンズブロマロン等の他の抗炎症剤が含まれる。
本発明の式Iの化合物は他の抗ウイルス剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。有用な抗ウイルス剤には、以下に限定されないが、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤及びヌクレオシド類似体が含まれる。上記抗ウイルス剤には、以下に限定されないが、ジドブジン、アシクロビル、ガングシクロビル(gangcyclovir)、ビダラビン、イドクスウリジン、トリフルリジン、レボビリン(levovirin)、ビラミジン(viramidine)及びリバビリン、更にホスカルネット、アマンタジン、リマンタジン、サキナビル、インジナビル、アンプレナビル、ロピナビル、リトナビル、α−インターフェロン類;β−インターフェロン類;アデフォビル、クレブジン(clevadine)、エンテカビル、プレコナリルが含まれる。
本発明の式Iの化合物は免疫調節剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。免疫調節剤には、以下に限定されないが、メトトレキサート(methothrexate)、レフルノミド(leflunomide)、シクロホスファミド、シクロスポリンA、ミコフェノール酸モフェチル、ラパマイシン(シロリムス)、ミゾリビン、デオキシスパガリン、ブレキナル、マロノニトリロアミド類〔例えば、レフルナミド(leflunamide)〕、T細胞受容体モジュレーター、及びサイトカイン受容体モジュレーター、ペプチドミメティック、及び抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、単クローン、多クローン、Fvs、ScFvs、Fab若しくはF(ab)2フラグメント、又はエピトープ結合フラグメント)、核酸分子(例えば、アンチセンス核酸分子及び三重ヘリックス)、小分子、有機化合物及び無機化合物が含まれる。T細胞受容体モジュレーターの例には、以下に限定されないが、抗T細胞受容体抗体、例えば抗CD4抗体〔例えば、cM−T412(Boehringer)、IDEC−CE9.1(R)(IDECとSKB)、mAB 4162W94、オルソクローン及びOKTcdr4a(Janssen−Cilag)〕;抗CD3抗体〔例えば、Nuvion(Product Design Labs)、OKT3(Johnson&Johnson)又はリツキサン(IDEC)等〕;抗CD5抗体(例えば抗CD5リシン結合免疫複合体);抗CD7抗体〔例えば、CHH−380(Novartis)〕;抗CD8抗体;抗CD40リガンド単クローン抗体〔例えば、IDEC−131(IDEC)〕;抗CD52抗体〔例えばCAMPATH 1H(Ilex)〕;抗CD2抗体;抗CD11a抗体〔例えばXanelim(Genentech)〕;抗B7抗体〔例えば、IDEC−114(IDEC)〕;CTLA4免疫グロブリン;及び、toll様受容体(TLR)モジュレーターが含まれる。サイトカイン受容体モジュレーターの例には、以下に限定されないが、可溶性サイトカイン受容体(例えばTNF−α受容体の細胞外ドメイン又はそのフラグメント、IL−1β受容体の細胞外ドメイン又はそのフラグメント、及びIL−6受容体の細胞外ドメイン又はそのフラグメント);サイトカイン又はそのフラグメント(例えば、インターロイキン(IL)−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15、TNF−α、インターフェロン(IFN)−α、IFN−β、IFN−γ、及びGM−CSF);抗サイトカイン受容体抗体[例えば抗IFN受容体抗体、抗IL−2受容体抗体〔例えば、Zenapax(Product Design Labs)〕、抗IL−4受容体抗体、抗IL−6受容体抗体、抗IL−10受容体抗体、及び抗IL−12受容体抗体];抗サイトカイン抗体[例えば、抗IFN抗体、抗TNF−α抗体、抗IL−1β抗体、抗IL−6抗体、抗IL−8抗体〔例えば、ABX−IL−8(Abgenix)〕及び抗IL−12抗体]が含まれる。
本発明の式Iの化合物はウイルス酵素阻害剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。限定されないが、ウイルス酵素には、例えばBILN2061、SCH−503034、ITMN−191又はVX−950等のHCVプロテアーゼの阻害剤;及び、NM107(及びそのプロドラッグであるNM283)、R1626、R7078、BILN1941、GSK625433、GILD9128又はHCV−796等のNS5Bポリメラーゼの阻害剤が含まれる。
本発明の式Iの化合物は、Wu,Curr Drug Targets Infect Disord.,3,207−19(2003)に記載されているような、HCVポリメラーゼを阻害する薬剤や、Bretner M.ら,Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids.,22,1531(2003)に記載されているようなウイルスのヘリカーゼ機能を阻害する化合物、あるいはZhang X.,IDrugs,5(2),154−8(2002)に記載されているようなHCV特異的な他の標的の阻害剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。
本発明の式Iの化合物はウイルス複製阻害剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。
本発明の式Iの化合物はサイトカイン類と組み合わせて投与あるいは処方することもできる。サイトカイン類の例には、以下に限定されないが、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−5(IL−5)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−7(IL−7)、インターロイキン−9(IL−9)、インターロイキン−10(IL−10)、インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン15(IL−15)、インターロイキン18(IL−18)、血小板由来増殖因子(PDGF)、赤血球生成促進因子(Epo)、上皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、プロラクチン、及びインターフェロン(IFN)(例えばIFN−α、及びIFN−γ)が含まれる。
本発明の式Iの化合物はホルモン類と組み合わせて投与あるいは処方することができる。ホルモン類の例には、以下に限定されないが、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、成長ホルモン(GH)、成長ホルモン放出ホルモン、ACTH、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ソマトメジン、副甲状腺ホルモン、視床下部放出因子、インスリン、グルカゴン、エンケファリン、バソプレシン、カルシトニン、ヘパリン、低分子量へパリン、ヘパリノイド、合成及び天然オピオイド、インスリン甲状腺刺激ホルモン、並びにエンドルフィンが含まれる。
本発明の式Iの化合物はβ−インターフェロン類と組み合わせて投与あるいは処方することができる。以下に限定されないが、β−インターフェロン類の例にはインターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1bが含まれる。
本発明の式Iの化合物はα−インターフェロン類と組み合わせて投与あるいは処方することができる。α−インターフェロン類の例には、以下に限定されないが、インターフェロンα−1、インターフェロンα−2a〔ロフェロン(roferon)〕、インターフェロンα−2b、イントロン、Peg−イントロン、ペガシス(Pegasys)、コンセンサスインターフェロン〔インファージェン(infergen)〕及びアルブフェロン(albuferon)が含まれる。
本発明の式Iの化合物は吸収促進剤、特にリンパ系を標的とする吸収促進剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。そのような吸収促進剤には、以下に限定されないが、グリココール酸ナトリウム;カプリン酸ナトリウム;N−ラウリル−β−D−マルトピラノシド;EDTA;混合ミセル;及び、Muranishi Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.,7−1−33(当該文献は、その全体を本願明細書に引用して援用する)において報告されているものなどが含まれる。他の公知の吸収促進剤も使用することができる。このように本発明は、1種以上の本発明の式Iの化合物と1種以上の吸収促進剤とを含む医薬組成物をも包含する。
本発明の式Iの化合物はアルキル化剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。アルキル化剤の例には、以下に限定されないが、ナイトロジェン−マスタード、エチレンイミン、メチルメラミン、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、トリアゼン、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ヘキサメチルメラミン(hexamethylmelaine)、チオテパ、ブスルファン、カルムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン及びテモゾロマイドが含まれる。
本発明の化合物及び他の治療剤は相加的に、あるいは、より好ましくは相乗的に作用し得る。ある実施形態においては本発明の化合物を含有する組成物は他の治療剤の投与と同時に投与される。この場合、他の治療剤は同一組成物の一部であってもよく、又は本発明の化合物を含有する組成物とは別の組成物として投与してもよい。他の実施形態においては、本発明の化合物は、他の治療剤の投与の前に、又は他の治療剤の投与後に投与する。別の実施形態においては、過去には他の治療剤、特に抗ウイルス剤を用いた治療を受けたことがない患者、又は現在は他の治療剤、特に抗ウイルス剤を用いた治療を受けていない患者に本発明の化合物を投与する。
ある実施形態においては、本発明の方法は、他の治療剤を用いずに本発明の式Iの化合物を1種以上投与することを含む。
医薬組成物及び投与形態
本発明の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含有する医薬組成物及び投与単位形態も本発明に包含される。本発明の各投与形態は、経口投与、経粘膜投与(舌下、口腔、直腸、経鼻、又は経膣投与を含む)、非経口投与(皮下、筋肉内、ボーラス注入、動脈内、又は静脈内投与を含む)、経皮投与、又は、局所投与に好適である。また、本発明の医薬組成物及び投与形態は、典型的には、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含有する。無菌的投与形態も考えられる。
別の実施形態において、本実施形態に包含される医薬組成物は、本発明の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物と、少なくとも1つの追加の治療剤とを含有する。追加の治療剤としては限定されず、上記のものが例として挙げられる。
本発明の投与形態の組成、形状及び種類は、典型的には、その用途に応じて異なるものである。例えば、ある疾病又は関連疾病の急性期治療で用いる投与形態は、同一疾病の慢性期治療で用いる投与形態よりも、1つ以上の有効成分を多くの量含有してもよい。同様に、非経口投与形態では、経口投与形態で同一の疾病又は疾患を治療する場合より、1つ以上の有効成分の含有量が少なくてもよい。本発明に包含される特定の投与形態が、このように又は別の態様で変化するものであることは、当業者には容易に明らかであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,ペンシルベニア州イーストン(1990)を参照されたい。投与形態には、以下に限定されないが、例えば錠剤;カプレット;ソフト弾性ゼラチンカプセル等のカプセル;カシェ剤;トローチ;菱形錠剤;分散剤;坐剤;軟膏;パップ剤(湿布);ペースト;粉末;包帯;クリーム;硬膏;溶液;パッチ;エアゾール(例えば、点鼻スプレー又は吸入器);ゲル;懸濁液(例えば、水性若しくは非水性の懸濁液、水中油型エマルジョン、又は、油中水型水性エマルジョン)、溶液及びエリキシル剤を含む、患者への経口又は粘膜投与に好適な液状の投与形態;患者への非経口投与に好適な液状の投与形態;並びに、液体に溶かすことにより、患者への非経口投与に好適な液状の投与形態になり得る無菌固体(例えば、結晶性又は非晶質固体)が含まれる。
典型的な医薬組成物及び投与形態は、基剤、賦形剤又は希釈剤を1つ以上含有する。好適な賦形剤は薬学分野の当業者には周知である。好適な賦形剤の例を本明細書に記載するが、それに限定されるものではない。特定の賦形剤が医薬組成物又は投与形態に好適に配合されるか否かは、当該技術分野において従来から周知の様々な要因に依存する。上記要因としては、投与形態を患者に投与する方法が挙げられるが、これに限定されない。例えば、錠剤等の経口投与形態は、非経口投与形態には不適な賦形剤を含有してもよい。また、特定の賦形剤が好適か否かは、投与形態中の特定の有効成分に依存することもある。
水によって化合物の分解が促進される場合があるので、本発明は有効成分を含有する無水の医薬組成物及び投与形態をさらに包含する。医薬技術において、有効期限又は経時安定性等の製剤の特性を測定するために、例えば、水(例えば5%)の添加が長期保存の模擬手段として広く認められている。例えば、Carstensen,Drug Stability:Principles&Practice,2d.Ed.,Marcel Dekker,ニューヨーク州ニューヨーク市,1995,pp.379−80を参照されたい。実際に、水及び熱により分解が加速する化合物がある。このように、製剤は製造、取扱、包装、保存、輸送及び使用時において、概して水分及び/又は湿気に曝されるので、製剤に及ぼす水の影響は非常に重要となる。
本発明の無水の医薬組成物及び投与形態は、無水物又は低水分含有原料を用い、低水分又は低湿条件で調製可能である。
無水の医薬組成物は、無水性を維持したまま調製され、保存される必要がある。従って、無水組成物は、水への曝露を防止する公知の材料を用いて包装され、好適な処方キット内に収められることが好ましい。好適な包装には、以下に限定されないが、例えば、密閉フォイル、プラスチック、単位投与量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及び、ストリップパックが含まれる。
本発明は、有効成分の分解速度を低減する1つ以上の化合物を含有する医薬組成物及び投与形態をさらに包含する。このような化合物(本明細書では「安定剤」という)には、以下に限定されないが、アスコルビン酸等の酸化防止剤、pHバッファー又は塩バッファーが含まれる。
賦形剤の量及び種類と同様に、投与形態中の有効成分の量及び具体的な種類は、ある要因に応じて異なっていてもよい。上記要因としては、以下に限定されないが、患者への投与経路等が挙げられる。一方、本発明の典型的な投与形態は、本発明の式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を、1単位当たり0.1mg〜1500mg含有しており、1日当たり約0.01〜200mg/kgの服用を可能にする。
経口投与形態
経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、以下に限定されないが、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット、カプセル及び液体(例えば、味付シロップ)等の個別の投与形態とすることができる。このような投与形態は、所定量の有効成分を含有しており、当業者に周知の薬学的方法によって調製可能である。概して、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,ペンシルベニア州イーストン(1990)を参照されたい。
本発明の典型的な経口投与形態は、従来の薬剤調合技術に従って、有効成分を少なくとも1つの賦形剤と完全に混合することにより調製される。賦形剤は、投与に適した製剤の形態に応じて、様々の形態を取り得る。例えば、経口用液状又はエアゾール式投与形態に用いるのに好適な賦形剤には、以下に限定されないが、水、グリコール類、油類、アルコール類、香料、防腐剤及び着色剤が含まれる。固体状の経口投与形態(例えば、粉末、錠剤、カプセル及びカプレット)に用いるのに好適な賦形剤には、以下に限定されないが、例えばデンプン、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤が含まれる。
固体賦形剤を使用した錠剤及びカプセルは、その投与が容易であるので、経口投与単位形態として最も有利である。必要であれば、水性又は非水性の標準技術により錠剤を被覆してもよい。このような投与形態は、任意の薬学的方法により調製可能である。医薬組成物及び投与形態は一般に、有効成分を、液状の基剤若しくは微細化した固体基剤、又はその両方と均質かつ十分に混合し、必要であれば生成物を所望の形状に成形することにより調製される。
例えば、打錠又は成形することにより、錠剤を調製することができる。打錠剤は、粉末又は顆粒等の自由流動する有効成分を、必要により賦形剤と混合し、好適な機械中で打錠することにより調製可能である。成形錠は、不活性希釈液で湿潤させた粉末状の化合物の混合物を好適な機械で成形することにより調製可能である。
本発明の経口投与形態に使用可能な賦形剤には、以下に限定されないが、例えば結合剤、増量剤、崩壊剤及び滑沢剤が含まれる。医薬組成物及び投与形態に好適に用いられる結合剤には、以下に限定されないが、コーンスターチ、ジャガイモデンプン若しくは他のデンプン、ゼラチン、アラビアゴム等の天然及び合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカントゴム、グアーガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、品番2208、2906、2910)、微結晶性セルロース、及びこれらの混合物が含まれる。
本明細書に開示された医薬組成物及び投与形態で好適に用いられる増量剤には、以下に限定されないが、例えばタルク、炭酸カルシウム(例えば顆粒又は粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、及びこれらの混合物が含まれる。典型的には、本発明の医薬組成物中の結合剤又は増量剤の含有量は、医薬組成物又は投与形態の約50〜約99重量%である。
好適な微結晶性セルロースの形態には、以下に限定されないが、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105〔FMC Corporation、アメリカンビスコ−ス部門、Avicel販売部(ペンシルベニア州マーカスフック)から入手可能〕として市販のもの、及びこれらの混合物が含まれる。結合剤の具体例としては、AVICEL RC−581として市販されている微結晶性セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物が挙げられる。好適な無水若しくは低水分賦形剤又は添加物には、AVICEL−PH−103TM及びStarch 1500LMが含まれる。
崩壊剤を本発明の組成物に用いることによって、水性環境に曝露された際に崩壊する錠剤を得ることができる。崩壊剤の含有量が過剰である錠剤は、保存中に分解することがあり、一方、含有量が少なすぎると、所望の速度で、又は所望の条件下で分解しないことがある。従って、有効成分の放出に変化をきたす不都合がないように過不足ない十分な量の崩壊剤を用いて、本発明の固体状の経口投与形態を調製するべきである。崩壊剤の使用量は、製剤の種類に応じて異なり、当業者には容易に識別可能である。医薬組成物は一般的に、崩壊剤を約0.5〜約15重量%、特に約1〜約5重量%含有する。
本発明の医薬組成物及び投与形態で使用可能な崩壊剤には、以下に限定されないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、α化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース及びゴム、並びにこれらの混合物が含まれる。
本発明の医薬組成物及び投与形態で使用可能な滑沢剤には、以下に限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、軽鉱物油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、胡麻油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル(ethyl laureate)、寒天、及びこれらの混合物が含まれる。追加の滑沢剤には、例えば、シロイド(syloid)シリカゲル〔AEROSIL 200、W.R.Grace社(メリ−ランド州ボルティモア)製造〕、合成シリカの凝結エアゾール〔デグサ社(テキサス州プレーノー)販売〕、CAB−O−SIL〔火成二酸化ケイ素製品、Cabot社(マサチューセッツ州ボストン)販売〕、及びこれらの混合物が含まれる。滑沢剤を使用する場合、典型的には医薬組成物又は投与形態の約1重量%未満の量で配合する。
遅延放出型投与形態
本発明の有効成分は、当業者に周知の制御放出手段又は送達デバイスにより投与可能である。限定されないが、その例には、米国特許第3,845,770号明細書;米国特許第3,916,899号明細書;米国特許第3,536,809号明細書;米国特許第3,598,123号明細書;及び米国特許第4,008,719号明細書、米国特許第5,674,533号明細書、米国特許第5,059,595号明細書、米国特許第5,591,767号明細書、米国特許第5,120,548号明細書、米国特許第5,073,543号明細書、米国特許第5,639,476号明細書、米国特許第5,354,556号明細書、及び米国特許第5,733,566号明細書に記載のものが挙げられる(上記文献の各々を本明細書に引用して援用する)。このような投与形態においては、例えばヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、ゲル、浸透膜、浸透系、多層被膜、微粒子、リポソーム若しくはマイクロスフェア、又はこれらの組み合わせを用いることによって、1つ以上の有効成分の放出を遅延又は制御することを可能にし、様々な割合での所望の放出様式を可能にする。本明細書に記載されたものを含む当業者に公知の好適な制御放出製剤は、本発明の有効成分と共に使用する上で容易に選択できる。このように、本発明は経口投与に好適な投与単位形態を包含し、上記投与単位形態としては、以下に限定されないが、制御放出するように適合させた錠剤、カプセル、ジェルカプセル及びカプレットが挙げられる。
制御放出医薬品は全て、制御していない医薬品の場合よりも得られる薬物治療効果を向上させることを共通の目的としている。最適設計された制御放出製剤を治療に用いることによって、必要最低限の製剤原料を使用し、最短期間で症状を治療又は制御することが理想である。制御放出製剤の利点としては、薬剤活性の延長、投与頻度の低減、及び、患者のコンプライアンスの向上が挙げられる。また制御放出製剤を使用すると、薬剤の作用開始時間、又は他の特性(血中薬剤濃度等)に影響を及ぼす可能性があり、ひいては、副作用(例えば有害な副作用)の発生に影響を及ぼす可能性がある。
制御放出製剤の大部分は、まず、所望の治療効果を迅速にもたらす量の薬剤(有効成分)を放出し、徐々にかつ断続的に残りの薬剤を放出し、長期間にわたって治療効果又は予防効果のレベルが維持されるように設計されている。体中薬剤濃度をこの一定レベルに維持するためには、代謝され、体外に排出される薬剤の量を補充する速度で、投与形態から薬剤が放出されなければならない。有効成分の制御放出は、例えば、以下に限定されないが、pH、温度、酵素、水又は他の生理的条件又は化合物等の様々な条件の影響を受け得る。
非経口投与形態
非経口投与形態は、様々な経路により患者に投与することができる。以下に限定されないが、上記経路には、皮下、静脈内(ボーラス注入を含む)、筋肉内及び動脈内が含まれる。このような投与を行う場合、典型的には汚染物質に対する患者が生来持つ免疫系を通らないことから、非経口投与形態は、無菌であること、又は患者への投与前に滅菌可能であることが好ましい。非経口投与形態の例には、以下に限定されないが、注射用溶液、薬学的に許容可能なビヒクル中に溶解又は懸濁させて注射可能な調剤にできる乾燥物及び/又は凍結乾燥物(液体に溶いて再構成することが可能な粉末)、注射用懸濁液、並びにエマルジョンが挙げられる。
本発明の非経口投与形態を可能にする好適なビヒクルは、当業者に周知である。以下に限定されないが、その例には、米国薬局方注射液用水;水性ビヒクル(以下に限定されないが、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖及び塩化ナトリウム注射液、並びに乳酸加リンガー注射液等);水混和性ビヒクル(以下に限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等);並びに、非水性ビヒクル(以下に限定されないが、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、胡麻油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル及び安息香酸ベンジル等)が含まれる。
また、本明細書中に開示された1つ以上の有効成分の可溶性を向上させる化合物も、本発明の非経口投与形態に配合してもよい。
経皮投与形態
経皮投与形態には、皮膚に貼り付け、所望量の有効成分が浸透するように、特定期間付着可能な「リザーバー式」又は「マトリクス式」パッチが含まれる。
本発明に包含される経皮及び局所投与形態を可能にする好適な賦形剤(例えば基剤及び希釈剤)及び他の材料は、薬学分野の当業者に公知であり、所定の医薬組成物又は投与形態を投与する特定の組織に応じて決定される。このことを考慮しつつ、代表的な賦形剤には、以下に限定されないが、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びこれらの混合物が含まれる。
治療対象である特定の組織次第では、本発明の有効成分を用いた治療の前に、治療と同時に、又は、治療後に、追加の成分を使用してもよい。例えば浸透促進剤を用いることによって、有効成分の組織への送達を促進することができる。好適な浸透促進剤には、以下に限定されないが、アセトン;種々のアルコール(エタノール、オレイルアルコール、及びテトラヒドロフリルアルコール等);アルキルスルホキシド(ジメチルスルホキシド等);ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ピロリドン(ポリビニルピロリドン等);Kollidonの各グレード(ポビドン、ポリビドン);尿素;及び、種々の水溶性又は不溶性糖エステル〔Tween80(ポリソルベート80)及びSpan60(ソルビタンモノステアレート)等〕が含まれる。
1つ以上の有効成分の送達性を改善するために、医薬組成物若しくは投与形態のpH、又は、医薬組成物若しくは投与形態を投与する組織のpHを調整してもよい。同様に、送達性を改善するために、溶媒基剤の極性、そのイオン強度又は張性を調整してもよい。ステアリン酸塩等の化合物を医薬組成物又は投与形態に添加することで、1つ以上の有効成分の親水性又は親油性を有利に変化させて、送達性を改善することもできる。この点において、ステアリン酸塩は、製剤の脂質ビヒクルとして、乳化剤又は界面活性剤として、さらには送達促進剤又は浸透促進剤として作用する。有効成分の他の塩、水和物又は溶媒和物を用いることにより、生成する組成物の特性をさらに調整することができる。
局所投与形態
本発明の局所投与形態には、以下に限定されないが、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、エマルジョン、懸濁液、又は当業者に公知の他の投与形態が含まれる。Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th eds.,Mack Publishing,ペンシルベニア州イーストン(1990)、及び、Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,4th ed.,Lea&Febiger,フィラデルフィア(1985)を参照されたい。
本発明に包含される経皮及び局所投与形態を可能にする好適な賦形剤(例えば基剤及び希釈剤)及び他の材料は、薬学分野の当業者に周知であり、所定の医薬組成物又は投与形態を投与する特定の組織に応じて決定される。このことを考慮しつつ、代表的な賦形剤には、以下に限定されないが、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びこれらの混合物が含まれる。
治療対象である特定の組織次第では、本発明の有効成分を用いた治療の前に、治療と同時に、又は、治療後に、追加の成分を使用してもよい。例えば、浸透促進剤を用いることによって、有効成分の組織への送達を促進することができる。浸透促進剤としては、以下に限定されないが、アセトン;種々のアルコール(エタノール、オレイルアルコール、及びテトラヒドロフリルアルコール等);アルキルスルホキシド(ジメチルスルホキシド等);ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ピロリドン(ポリビニルピロリドン等);Kollidonの各グレード(ポビドン、ポリビドン);尿素;及び種々の水溶性又は不溶性糖エステル〔Tween80(ポリソルベート80)及びSpan60(ソルビタンモノステアレート)等〕が好ましい。
粘膜投与形態
本発明の粘膜投与形態には、以下に限定されないが、点眼剤、スプレー及びエアゾール、又は、当業者に公知の他の投与形態が挙げられる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th eds.,Mack Publishing,ペンシルベニア州イーストン(1990);及び、Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,4th ed.,Lea&Febiger,フィラデルフィア(1985)を参照されたい。口腔内の粘膜組織の治療に好適な投与形態は、口内洗浄液又は経口ゲルとして処方することができる。一実施形態において、エアゾールは基剤を含み、他の実施形態においては、エアゾールは基剤を含まない。
また、本発明の式Iの化合物は、吸入により肺に直接投与されてもよい。吸入によって投与される場合、多種多様なデバイスにより式Iの化合物を肺に簡便に送達することができる。例えば、好適な低沸点噴射剤(例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適なガス)が入った缶を用いる定量噴霧式吸入器〔“Metered Dose Inhaler”(MDI)〕により、式Iの化合物を肺に直接送達することができる。MDIデバイスは、3M社、アベンティス社、ベーリンガーインゲルハイム社、フォレストラボラトリーズ社、グラクソ・ウエルカム社、シェリング・プラウ社及びベクチュラ社等、多くの供給元より入手可能である。
また、ドライパウダー吸入器(DPI)を用いて、式Iの化合物を肺に投与することもできる(例えば、Raleighら,Proc.Amer.Assoc.Cancer Research Annual Meeting,1999,40,397を参照。本文献を本明細書に引用して援用する)。DPIデバイスでは、典型的に、ガスの噴出等の機構により、乾燥粉末の雲を容器内部で生成する。この乾燥粉末の雲を患者は吸入することができる。DPIデバイスもまた当該技術分野において周知であり、例えばファイソンズ社、グラクソ・ウエルカム社、Inhale Therapeutic Systems社、ML Laboratories社、Qdose社及びベクチュラ社等、多くの供給元より購入可能である。バリエーションとしては、反復投与DPI〔“multiple dose Dry Powder Inhaler”(MDDPI)〕システムがよく知られている。このMDDPIでは複数回分の治療投与量を送達することができる。MDDPIデバイスは、アストラゼネカ社、グラクソ・ウエルカム社、IVAX社、シェリング・プラウ社、SkyePharma社及びベクチュラ社等より入手可能である。例えば、吸入器又は散布器で用いるゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物と、ラクトース又はデンプン等のこのようなシステムに好適な粉末基剤との混合粉末を含有させて調剤することができる。
式Iの化合物の肺への送達を可能にする別の種類のデバイスとしては、例えばAradigm社供給の液体噴霧デバイスがある。液体噴霧システムでは、非常に小さなノズル孔により液状製剤をエアゾール化し、製剤の肺への直接吸入を可能にする。
一実施形態においては、ネブライザーデバイスにより、式Iの化合物を肺へ送達する。ネブライザーは、超音波エネルギー等により液状製剤からエアゾールを生成させ、容易に吸引可能な微粒子を発生させる(例えば、Verschoyleら,British J.Cancer,1999,80,Suppl 2,96を参照。本文献を本明細書に引用して援用する)。ネブライザーの例には、Sheffield/Systemic Pulmonary Delivery社(Armerらの米国特許第5,954,047号明細書、van der Lindenらの米国特許第5,950,619号明細書、van der Lindenらの米国特許第5,970,974号明細書を参照。上記文献を本明細書に引用して援用する)、アベンティス社及びBatelle Pulmonary Therapeutics社供給のデバイスが含まれる。
一実施形態においては、電気流体力学(“EHD”)エアゾールデバイスを用いて、式Iの化合物を肺に送達する。EHDエアゾールデバイスは、電気エネルギーにより液状薬剤溶液又は懸濁液をエアゾール化する(例えば、Noakesらの米国特許第4,765,539号明細書;Coffeeの米国特許第4,962,885号明細書;Coffeeの国際公開第94/12285号パンフレット;Coffeeの国際公開第94/14543号パンフレット;Coffeeの国際公開第95/26234号パンフレット、Coffeeの国際公開第95/26235号パンフレット、Coffeeの国際公開第95/32807号パンフレットを参照。上記文献を本明細書に引用して援用する)。式Iの化合物の製剤の電気化学的特性は、EHDエアゾールデバイスによって肺にこの薬剤を送達する際に最適化するべき重要なパラメータとなり得る。また、このような最適化は、当業者であれば通常行うものである。EHDエアゾールデバイスは、既存の肺への送達技術よりも効率的に薬剤を肺へ送達することができる。式Iの化合物を肺内へ送達する他の方法も当業者の知るところであり、本発明の範囲内である。
ネブライザー、液体噴霧デバイス及びEHDエアゾールデバイスでの使用に適した液状製剤は、薬学的に許容可能な基剤と共に式Iの化合物を含有するのが典型的である。薬学的に許容可能な基剤としては、アルコール、水、ポリエチレングリコール又はパーフルオロカーボン等の液体が好ましい。式Iの化合物の溶液又は懸濁液のエアゾール特性を変更するために、必要であれば別の材料を添加してもよい。この材料としては、アルコール、グリコール、ポリグリコール又は脂肪酸等の液体が好ましい。エアゾールデバイスで好適に使用される液状の薬剤溶液又は懸濁液を調剤する他の方法は、当業者に公知である(例えば、Biesalskiの米国特許第5,112,598号明細書;Biesalskiの第5,556,611号明細書を参照。上記文献を本明細書に引用して援用する)。式Iの化合物は、例えば、カカオバター若しくは他のグリセリド等の従来の坐薬基剤を含有する坐薬又は保持浣腸剤(retention enemas)等の直腸又は膣用組成物中にも調剤可能である。
式Iの化合物は、すでに記載した製剤の他に、デポー剤としても調剤することができる。このような長期間作用が持続する製剤は、植え込み(例えば、皮下若しくは筋肉内)又は筋肉注射により投与可能である。従って、例えば、上記化合物を好適なポリマー性若しくは疎水性材料と共に(例えば、許容可能な油中のエマルジョンとして)、又はイオン交換樹脂と共に、あるいは難溶性誘導体(例えば難溶性塩)として調剤可能である。
また、他の薬剤送達システムを用いてもよい。式Iの化合物の送達を可能にする送達ビヒクルの周知の例としては、リポソーム及びエマルジョンが挙げられる。ジメチルスルホキシド等の特定の有機溶媒も使用することができる(但し毒性の高さを代償とする場合が多い)。式Iの化合物は、制御放出システムによっても送達可能である。一実施形態においては、ポンプを用いることができる(Sefton,CRC Crit.Ref Biomed Eng.,1987,14,201;Buchwaldら,Surgery,1980,88,507;Saudekら,N.Engl.J.Med.,1989,321,574)。他の実施形態においては、高分子材料を用いることができる(Medical Applications of Controlled Release,Langer and Wise(eds.),CRC Pres.,Boca Raton,F1a.(1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,Smolen and Ball(eds.),Wiley,New York(1984);Ranger and Peppas,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.,1983,23,61;及び、Levyら,Science,1985,228,190;Duringら,Ann.Neurol.,1989,25,351;Howardら,J.Neurosurg.,71,105(1989)を参照されたい)。更に他の実施形態においては、本発明の化合物の標的(例えば肺)の近傍に制御放出システムを配置することができるので、全身投与量の一部しか必要としなくてよい(例えば、Goodson,in Medical Applications of Controlled Release(上述),vol.2,pp.115(1984)を参照されたい)。他の制御放出システムを用いることもできる(例えば、Langer,Science,1990,249,1527を参照)。
本発明に包含される粘膜投与形態を可能にする好適な賦形剤(例えば基剤及び希釈剤)及び他の材料は、薬学分野の当業者に周知であり、所定の医薬組成物又は投与形態を投与する特定の部位又は方法に応じて決定される。このことを考慮しつつ、代表的な賦形剤には、以下に限定されないが、水、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びこれらの混合物が挙げられる。これらは無毒で、薬学的に許容されるものである。このような追加の成分の例は、当業界において周知である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th eds.,Mack Publishing,ペンシルベニア州イーストン(1990)を参照されたい。
1つ以上の有効成分の送達性を改善するために、医薬組成物若しくは投与形態のpH、又は医薬組成物若しくは投与形態を投与する組織のpHを調整してもよい。同様に、送達性を改善するために、溶媒基剤の極性、そのイオン強度又は張性を調整してもよい。ステアリン酸塩等の化合物を医薬組成物又は投与形態に添加することで、1つ以上の有効成分の親水性又は親油性を有利に変化させて、送達性を改善することもできる。この点において、ステアリン酸塩は、製剤の脂質ビヒクルとして、乳化剤又は界面活性剤として、さらには送達促進剤又は浸透促進剤として作用し得る。有効成分の他の塩、水和物又は溶媒和物を用いることにより、生成する組成物の特性をさらに調整することができる。
キット
本発明は、C型肝炎ウイルス感染の治療又は予防に有用な式Iの化合物が入った1つ以上の容器を含む医薬用パック又はキットを提供する。別の実施形態において、本発明は、C型肝炎ウイルス感染の治療又は予防に有用な式Iの化合物が入った1つ以上の容器と、追加の治療剤(例えば、上記のもの、特に、抗ウイルス剤、インターフェロン、ウイルス酵素阻害剤又はウイルス複製阻害剤が挙げられるが、それらに限定されない)が入った1つ以上の容器とを含む医薬用パック又はキットを提供する。追加の治療剤はHCV特異的であるか、又は抗HCV活性を示すことが好ましい。
本発明はまた、本発明の医薬組成物の成分が1種以上入った1つ以上の容器を含む医薬用パック又はキットを提供する。このような容器には、医薬品又は生物学的商品の製造、使用又は販売を規制する政府機関により規定された形式の注意書が任意で添付されていてもよい。この注意書は人体への投与を目的とした製造、使用又は販売に関する機関の承認を意味する。
本発明の薬剤は、当業界にて公知の一般的な技術を用いて、容易に入手可能な出発原料から、下記の反応経路及び合成スキームにより調製可能である。例示されていない本発明に係る化合物は、当業者には明白な変更、例えば、妨害基を適切に保護したり、先行技術において公知の他の好適な試薬へ変更したり、又は、反応条件を慣例的に変更したりすることによって、成功裏に合成可能である。また、本明細書に開示されている、又は当業界において広く知られている他の反応が、本発明の別の化合物を調製する際に適用可能であることは明らかであろう。
化合物の調製
下記に示す合成スキームにおいては、特に断りがない限り、温度は全て摂氏度であり、部は全て重量部、百分率は全て重量百分率である。
試薬はAldrich Chemical Company又はLancaster Synthesis Ltd.等の民間の供給元から購入し、特に断りがない限り、購入したものをさらに精製することなく使用した。溶媒は全てAldrich、EMD Chemicals又はFisher等の民間の供給元から購入し、納入されたものをそのまま使用した。
以下に述べる反応は、概ね、無水溶媒中、(特に断りのない限り)周囲温度で、アルゴン又は窒素の正圧下で行った。反応フラスコにはゴム製のセプタムをつけて、シリンジで基質や試薬を投入できるようにした。ガラス器具はオーブン乾燥及び/又は熱乾燥させた。
反応はTLCでアッセイするか、及び/又はLC−MSで分析し、出発物質の消費を判定して反応を終了させた。分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル60 F254でプレコートされたガラスプレートの0.25mmプレート(EMD Chemicals)上で行い、紫外線(254nm)、及び/又は、シリカゲル上のヨウ素、及び/又は、エタノール性燐モリブデン酸、ニンヒドリン溶液、過マンガン酸カリウム溶液又は硫酸セリウム溶液等のTLC染色を用いて加熱することにより可視化した。分取薄層クロマトグラフィー(prepTLC)は、シリカゲル60 F254でプレコートされたガラスプレートの0.5mmプレート(20×20cm、Thomson Instrument Companyより入手)上で行い、紫外線(254nm)で可視化した。
ワークアップは、特に断りのない限り、典型的には反応溶媒か抽出溶剤で反応系の体積を2倍にし、次に、抽出体積の25%の体積の指定の水性溶液で洗滌することによって行った。生成物溶液は、無水NaSO及び/又はMgSOで乾燥させた後、濾過し、減圧下ロータリーエバポレーターで溶媒を留去して、溶媒が減圧下で除去されたことを確認した。カラムクロマトグラフィーは、Merckシリカゲル60、230〜400メッシュ若しくは50〜200メッシュ中性アルミナ、ISCOフラッシュ−クロマトグラフィー〔プレパック(prepacked)RediSepシリカゲルカラムを使用〕、又はAnalogixフラッシュカラムクロマトグラフィー〔プレパック(prepacked)SuperFlashシリカゲルカラム〕を用いて正圧下で行った。水素化分解は、実施例に示されている圧力、又は周囲圧力で行った。
H−NMRスペクトル及び13C−NMRスペクトルは、Varian Mercury−VX400機器(400MHzで操作)で記録した。NMRスペクトル(ppmで示す)は、クロロホルム(プロトン:7.27ppm、カーボン:77.00ppm)を参照標準として用いたCDCl溶液として得たものか、CDOD(プロトン:3.4及び4.8ppm、カーボン:49.3ppm)溶液として、あるいはDMSO−d(プロトン:2.49ppm)溶液として得たものであり、又は適宜、内部標準のテトラメチルシラン(0.00ppm)を用いた。必要に応じて他のNMR溶媒も使用した。多様なピークが報告されている場合には、以下の略号:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br(ブロード)、bs(ブロードな一重線)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)を用いた。カップリング定数は測定時、ヘルツ(Hz)で表した。
赤外(IR)スペクトルはATR FT−IR分光計で、ニート(neat)の油状液体又は固体として記録し、測定時には波数(cm−1)で表している。報告されるマススペクトルはAnadys Pharmaceuticals,Inc.の分析化学部門で行った(+)−ES又はAPCI(+)LC/MSである。元素分析は、ジョージア州ノークロスにあるAtlantic Microlab,Inc.又はカリフォルニア州サンディエゴにあるNuMega Resonance Labs,Inc.で行った。融点(mp)はオープンキャピラリー装置で測定したものであり、値の補正はしていない。
記載した合成経路及び実験手順には多くの一般的な化学略号を用いている。例えば、2,2−DMP(2,2−ジメトキシプロパン)、Ac(アセチル)、ACN(アセトニトリル)、Aliquat(R)336(トリオクチルメチルアンモニウムクロリド)、Bn(ベンジル)、BnOH(ベンジルアルコール)、Boc(tert−ブトキシカルボニル)、BocO(ジ−tert−ブチルジカーボネート)、Bz(ベンゾイル)、CSI(クロロスルホニルイソシアネート)、DAST(ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン)、DCC(N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DCE(1,2−ジクロロエタン)、DCM(ジクロロメタン)、DEAD(ジエチルアゾジカルボキシレート)、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)、DMA(N,N−ジメチルアセトアミド)、DMAP〔4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン〕、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、EDC〔1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩〕、Et(エチル)、EtOAc(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、EtO(ジエチルエーテル)、HATU〔O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート〕、HBTU(O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、HF(フッ化水素)、HOAc(酢酸)、HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物)、HPLC(高圧液体クロマトグラフィー)、iPrOH(イソプロピルアルコール)、IPA(イソプロピルアルコール)、KHMDS〔カリウムビス(トリメチルシリル)アミド〕、KN(TMS)〔カリウムビス(トリメチルシリル)アミド〕、KOBu(カリウムtert−ブトキシド)、KOH(水酸化カリウム)、LDA(リチウムジイソプロピルアミン)、MCPBA(3−クロロ過安息香酸)、Me(メチル)、MeCN(アセトニトリル)、MeOH(メタノール)、MTBE(メチルtert−ブチルエーテル)、NaCNBH(シアノ水素化ホウ素ナトリウム)、NaH(水素化ナトリウム)、NaN(TMS)〔ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド〕、NaOAc(酢酸ナトリウム)、NaOEt(ナトリウムエトキシド)、NIS(N−ヨードスクシンイミド)、Phe(フェニルアラニン)、PPTS(ピリジニウムp−トルエンスルホネート)、PS(ポリマーに担持された)、Py(ピリジン)、pyBOP〔(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート〕、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、TFAA(無水トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、Tol(トルオイル)、Val(バリン)等である。
スキーム1は、式Iの3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,2,4]チアジアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物を調製するのに用いた一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
環状酸無水物中間体(下記に示す手順で得ることができる)を、強塩基(水素化ナトリウム等)の存在下、マロン酸ジアルキルと共に縮合させて、スキーム1内に示したエステルを作り出すことができる。該エステルをオルト−アミノスルホンアミド化合物と共に縮合させてアミドを形成することができる。該アミドを塩基(例えばKOH水溶液)の存在下で環化させて所望の3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,2,4]チアジアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物を得ることができる。
スキーム2は環状酸無水物中間体を調製するのに使用することができる一般的な手順である。
Figure 2009544575
市販のピロール−2−カルボン酸エステル類(又は市販の酸をエステル形成のための標準的な方法を用いて適当なエステルとして保護することもできる)を、モノクロラミンを用いてN−アミノ化し、ヒドラジン中間体を作り出すことができる。上記の物を、アルデヒド又はケトン〔式中、RとRはC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキレン(C−Cシクロアルキル)、−C−Cアルキレン(アリール)、−C−Cアルキレン(ヘテロサイクリル)、アリール若しくはヘテロサイクリルであるか、又はRはRと結びついて3〜8員環を形成していてもよい〕、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤と反応させてN−アルキル化することができる。エステルの脱保護の後、ホスゲン又はホスゲン等価物を用いて環化させることにより、所望の環状酸無水物中間体を得る。
スキーム3は4−(3−メチル−ブチル)−6−オキサ−3a,4−ジアザ−インデン−5,7−ジオン中間体を調製するのに使用することができる手順である。
Figure 2009544575
ピロール−2−カルボン酸は、エステル形成のための標準的な方法を用いてエステル(例えばアリルエステル)として保護することができる。環内窒素はモノクロラミンを用いてN−アミノ化し、ヒドラジン中間体とすることができ、さらにこの中間体は還元的アミノ化の公知の方法を用いて、アルデヒドと反応させてN−アルキル化することができる。エステルの脱保護の後、ホスゲン又はホスゲン等価物を用いて環化させることにより、所望の4−(3−メチル−ブチル)−6−オキサ−3a,4−ジアザ−インデン−5,7−ジオン中間体を得ることができる。
スキーム4(a)及び4(b)は、2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド中間体を調製するのに使用した一般的な手順である。
Figure 2009544575
市販の4−ニトロアニリンを塩化スルホニル、例えば塩化メタンスルホニルで処理することで、対応するスルホンアミドを得ることができる。標準条件を用いてニトロ基を還元することにより、対応するアニリンを得ることができ、そのアニリンをクロロスルホニルイソシアネートで処理し、次に塩化アルミニウムで処理することにより、対応する1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−オンを得ることができる。環状ウレアを強酸(例えば塩酸)で開環することにより、所望の2−アミノ−5−スルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド中間体を得る。
Figure 2009544575
好ましい経路においては、市販の4−ニトロアニリンを、塩化スルホニル、例えば塩化メタンスルホニルで処理し、対応するスルホンアミドを得ることができる。標準条件を用いてニトロ基を還元することにより、対応するアニリンが得られる。このアニリンを、クロロスルホニルイソシアネートで処理し、次に塩化アルミニウムで処理することにより、対応する1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−オンを得ることができる。環状ウレアを強酸(例えば硫酸)で開環することにより、所望の2−アミノ−5−スルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド中間体と、さらに幾分かの加水分解された2,5−ジアミノベンゼンスルホンアミドが得られる。2,5−ジアミノベンゼンスルホンアミドは、塩化スルホニル、例えば塩化メタンスルホニルで処理することによって所望の2−アミノ−5−スルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド中間体へと変換しなおすことができる。
スキーム5は2−アミノ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド中間体を調製するのに使用できる手順である。
Figure 2009544575
市販の4−メトキシアニリンをクロロスルホニルイソシアネートで処理し、次に塩化アルミニウムで処理することにより、対応する7−メトキシ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−オンを得ることができる。環状ウレアを強酸(例えば硫酸)で開環することにより、所望の2−アミノ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド中間体を得る。
スキーム6は、2−アミノ−5−ヨード−ベンゼンスルホンアミド中間体を調製するのに使用できる手順である。
Figure 2009544575
市販の2−アミノ−ベンゼンスルホンアミドをN−ヨードスクシンイミドで処理することにより、所望の2−アミノ−5−ヨード−ベンゼンスルホンアミド中間体を得ることができる。
スキーム7は、式Iの3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,2,4]チアジアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物を調製するのに使用した別の一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
1−置換−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エステル中間体は、ニート(neat)で、又は好適な溶媒(例えばピリジン)中で、オルト−アミノスルホンアミド化合物(置換されていてもよい)と共に縮合させて、対応するアミドを形成することができる。アミド中間体を(事前に単離することなく)、塩基(例えばDBU)の存在下で環化させることにより、所望の3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,2,4]チアジアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物を得ることができる。
スキーム8は、1−置換−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル中間体を調製するために使用できる一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
市販の4−オキソ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステルをフッ素化剤、例えばDASTで処理することにより、対応するジフルオロ中間体を得ることができる。エステルの加水分解により酸が得られ、次にこの酸を標準条件を用いて適当なエステル(アリルエステル等)に変換することができる。保護基を標準条件下で除去することにより遊離のアミンを得る。次に酸化剤(例えば二酸化マンガン)を用いて酸化することにより、対応するピロール中間体となる。モノクロラミンを用いたN−アミノ化によってヒドラジン中間体を得、このヒドラジン中間体は、アルデヒド又はケトン〔式中、R及びRはC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキレン(C−Cシクロアルキル)、−C−Cアルキレン(アリール)、−C−Cアルキレン(ヘテロサイクリル)、アリール若しくはヘテロサイクリルであるか、又はRはRと結びついて3〜8員環を形成していてもよい〕、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で処理してN−アルキル化することができる。窒素を塩化マロニル(例えば塩化メチルマロニル)でアシル化して対応するヒドラジドとし、そのヒドラジドを塩基(例えばナトリウムエトキシド)の存在下で環化させて、所望の1−置換−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル中間体を得ることができる。
スキーム9は、1−置換−6−シアノ−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル中間体を調製するために使用できる一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
メチルエステル等の1H−ピロール−2−カルボン酸エステルを、クロロスルホニルイソシアネート(CSI)で処理し、次にN,N−ジメチルホルムアミドで処理することにより、シアノ部分を導入することができる。モノクロラミンを用いたN−アミノ化により、ヒドラジン中間体を得、このヒドラジン中間体は、アルデヒド又はケトン〔式中、R及びRはC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−C−Cアルキレン(C−Cシクロアルキル)、−C−Cアルキレン(アリール)、−C−Cアルキレン(ヘテロサイクリル)、アリール若しくはヘテロサイクリルであるか、又はRはRと結びついて3〜8員環を形成していてもよい〕、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で処理してN−アルキル化することができる。窒素を塩化マロニルモノエステル(例えば塩化メチルマロニル)でアシル化して対応するヒドラジドとし、そのヒドラジドを塩基(例えばナトリウムエトキシド)の存在下で環化させて、所望の1−置換−6−シアノ−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル中間体を得ることができる。
スキーム10は、式Iの3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,2,4]チアジアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物を調製するために使用できる別の一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
スキーム2、3、8及び9で説明したように調製することのできる1−置換−1−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エステル(例えばメチルエステル)を、DCC等の標準のペプチドカップリング条件を用いて酸中間体とカップリングさせることにより、対応するアミド中間体を得ることができる。これらの物を塩基(例えばナトリウムエトキシド)で処理することにより、式Iの、所望の3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,2,4]チアジアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物を得る。
スキーム11は、7−置換−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル−酢酸中間体を調製するために使用できる一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
市販の2−クロロ−5−ニトロ−ベンゼンスルホン酸を塩化チオニルで処理し、塩化スルホニルを得、さらにアンモニアで処理することによりスルホンアミド中間体を得ることができる。塩化物は、硫酸銅(II)の存在下、水酸化アンモニウムと炭酸アンモニウムで処理することによってアンモニアで置換することができる。標準水素化条件下でニトロ基を還元することによりアニリン中間体を得、そのアニリン中間体を塩化メチルスルホニル等の塩化スルホニルで処理することにより、対応するスルホンアミドを得ることができる。3−クロロ−3−オキソ−プロピオン酸エチル等の塩化マロニルを用いた2−アミノ部分のアシル化により対応するアミドを得、同時にチアジアジンジオキシドへと環化させ、加水分解することにより所望の酸中間体を得ることができる。
スキーム12は2−クロロ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド中間体を調製するのに使用できる別の手順を示したものである。
Figure 2009544575
市販の1−クロロ−4−ニトロ−ベンゼンをクロロスルホン酸と反応させて、対応する塩化スルホニルを得ることができる。アンモニアのメタノール中飽和溶液で処理することにより、所望の2−クロロ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド中間体を得る。
スキーム13は2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミド中間体を調製するのに使用できる別の手順を示したものである。
Figure 2009544575
2−クロロ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド中間体(スキーム11及び12で説明したような方法で調製する)はベンジルアミン等のベンジル系アミン(benzylic amine)で処理してクロロ部分を置換することができる。標準条件下での水素化によって、ベンジル性の基(benzylic group)を除去し、同時にニトロ基を還元して所望の2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミド中間体を得ることができる。
スキーム14は、2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド中間体を調製するのに使用できる別の手順を示している。
Figure 2009544575
市販の2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホン酸のナトリウム塩は、スルホラン等の適当な共溶媒の存在下、塩化ホスホリルを用いて、対応する塩化スルホニルに変換することができる。アンモニア、例えばアンモニアのメタノール溶液又はアンモニアガスで処理することにより所望の2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド中間体を得る。
スキーム15は、2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド中間体を調製するのに使用できる別の手順を示したものである。
Figure 2009544575
市販の2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホン酸は、スルホラン等の適当な共溶媒の存在下、塩化ホスホリルを用いて、対応する塩化スルホニルに変換することができる。アンモニア、例えば水酸化アンモニウム水溶液又はアンモニアガスで処理することにより、所望の2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド中間体を得る。
スキーム16は、N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステル中間体を調製するのに使用できる別の手順を示したものである。
Figure 2009544575
2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(スキーム4及び12で説明したような方法で調製する)をマロン酸ジエチル等のマロン酸ジアルキルで処理することにより、所望のN−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステル中間体を得ることができる。
スキーム17は、(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸中間体を調製するのに使用できる一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
3−クロロ−3−オキソ−プロピオン酸エチル等のハロゲン化マロニルモノエステル、又はマロン酸ジエチル等のマロン酸ジアルキルを用いて2−アミノ−5−ヨード−ベンゼンスルホンアミドをアシル化することにより、対応するアミドを得、同時にチアジアジンジオキシドへと環化させて、加水分解することにより所望の酸中間体を得ることができる。
スキーム18は、対応するヨード前駆体から、式Iの3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,2,4]チアジアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物を調製するのに使用できる一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(置換されていてもよい)を、銅媒介性置換反応において置換スルホンアミドで処理することにより、所望の、式Iの3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,2,4]チアジアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物を得ることができる。
スキーム19は、対応するヨード前駆体から、式Iの3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,2,4]チアジアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物を調製するのに使用できる一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(置換されていてもよい)は、スティル(Stille)型パラジウム触媒反応において、スタナン、例えば上記に示す不飽和環状スルホン等で処理することにより、上記に示す不飽和の中間体を得ることができる。標準水素化条件を用いてアルケンを還元することにより、所望の、式Iの3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,2,4]チアジアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物を得る。
スキーム20は、式1の3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,4]チアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物を調製するのに使用できる一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
環状酸無水物及び(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル中間体は、塩基(例えば水素化ナトリウム)の存在下で縮合させて所望の3−(1,1−ジオキソベンゾ[1,4]チアジン)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン化合物とすることができる。
スキーム21は、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル中間体を調製するのに使用できる手順を示したものである。
Figure 2009544575
市販の6−ニトロベンゾチアゾールをヒドラジンで処理することにより、2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンチオールを得ることができる。この2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンチオールを次にクロロアセト酢酸エステルと反応させて、(7−ニトロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステルを得ることができる。ニトロ基のアミノ基への還元は塩化スズ(II)との反応によって行うことができる。次に塩化メタンスルホニルとの反応により、対応するスルホンアミドを得ることができる。アミノ基を保護するための標準的な方法を用いて、Boc基等の適当な保護基で両方の窒素を保護することができる。スルフィドを適当な酸化剤(例えばMCPBA)を用いて酸化することにより、スルホンを得ることができる。最後に、トリフルオロ酢酸を用いてアミノ基の脱保護を行うことにより、所望の(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル中間体を得ることができる。
スキーム22は、7−置換−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル−酢酸中間体を調製するのに使用できる一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
標準条件(例えば水酸化リチウム)を用いて7−置換−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル−酢酸エステルの加水分解を行うことにより、所望の(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸中間体を得ることができる。
スキーム23は、7−(N−メチル)−置換−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル−酢酸中間体を調製するために使用できる一般的な手順を示したものである。
Figure 2009544575
市販の6−アミノベンゾチアゾールを、塩化スルホニル、例えば塩化メタンスルホニルで処理することにより、対応するスルホンアミドを得ることができる。塩基の存在下、ヨウ化メチルと反応させることにより、対応するN−メチルスルホンアミドを得る。ヒドラジン水和物と反応させ、次にクロロアセト酢酸メチルで処理することにより、対応する4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸メチルエステルを得る。アミノ基を保護するための標準的な方法を用いて、環内窒素をBoc基等の適当な保護基で保護することができる。スルフィドは適当な酸化剤(例えばMCPBA)を用いて酸化し、スルホンとすることができる。最後にエステルを加水分解することにより、所望の[7−(メタンスルホニル−メチル−アミノ)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸中間体を得る。
実施例1:3−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
a)1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
1H−ピロール−2−カルボン酸(1.5g,14mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中溶液に炭酸セシウム(4.8g,14.7mmol)及び臭化アリル(1.34mL,15.4mmol)を25℃で添加し、16時間攪拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液とジエチルエーテル(20mL)で処理した。分液操作を行い、水相をジエチルエーテル(3×100mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗製の所望の生成物、1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(1.6g,10.6mmol,収率76%)を黄色油状液体として得た。この油状液体は精製せずに次のステップで用いた。H NMR(400MHz,CDCl) δ4.77(1H,m),5.35(1H,dd,J=10.4Hz,J=1.2Hz),5.39(1H,dd,J=16.8Hz,J=1.6Hz),6.26(1H,m),5.96(1H,m),6.94(2H,m),9.2(1H,bs)。
b)1−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例1a,0.75g,4.96mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中溶液に、水素化ナトリウム(0.316g,7.29mmol)を25℃で添加し、1時間攪拌した。モノクロロアミン(36mL,7.19mmol)のジエチルエーテル中溶液(0.2M)を添加し、1時間攪拌し、次に飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)と水(25mL)で処理した。分液操作を行い、水相をジエチルエーテル(3×50mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗製の所望の生成物、1−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(0.90g)を黄色油状液体として得た。この油状液体は精製せずに次のステップで用いた。H NMR(400MHz,CDCl) δ4.75(2H,m),5.28(1H,dd,J=10.0Hz,J=1.2Hz),5.40(1H,dd,J=17.2Hz,J=1.6Hz),6.03−5.90(2H,m),6.87(1H,dd,J=4.0Hz,J=1.6Hz),6.97(1H,t,J=2.0Hz)。
別の方法としては、1−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステルは以下のようにして調製することができる。
1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例1a,11.73g,78.12mmol)をメチルtert−ブチルエーテル(150mL)中に溶解させ、水酸化ナトリウム(37g,925mmol)の水(150mL)溶液を添加した。固体の塩化アンモニウム(25.1g,469mmol)、塩化トリオクチルメチルアンモニウム(“Aliquat(R)336”,1mL)及び28%水酸化アンモニウム水溶液(50mL)をその2相混合物に添加した。激しく攪拌しながら、6.15%の漂白水溶液(“クロロックス(Chlorox)”,250mL)を滴下漏斗を介して45分かけながらゆっくりと添加すると、溶液の色は橙色に変化した。25℃で1.5時間攪拌した後、混合物をメチルtert−ブチルエーテル(150mL)へ投じ、分液操作を行った。有機相をチオ硫酸ナトリウム(10g)の水(200mL)溶液で洗滌し、その有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去することにより、所望の生成物、1−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(8.03g,48.32mmol,収率62%)を茶色油状液体として得た。
c)1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
1−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例1b,0.88g,5.3mmol)のメタノール(12mL)中溶液にイソバレリルアルデヒド(0.74mL,6.9mmol)と10%塩酸1滴を添加した。反応混合物を25℃で20分間攪拌し、その後シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.201g,3.2mmol)を添加し、得られた黄色溶液を還流下で16時間加熱した。10%塩酸で反応をゆっくりと終結させ、減圧下で濃縮した。粗スラリーをジエチルエーテルに再溶解させた。分液操作を行い、水相をジエチルエーテルで抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,酢酸エチル/ヘキサン,20−40%)で精製することにより、所望の生成物、1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(0.70g,2.96mmol,収率60%)を黄色油状液体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ0.92(6H,d,J=6.8Hz),1.42(2H,q,J=14.4Hz,J=7.2Hz),1.68(1H,m),3.03(2H,t,J=7.2Hz),4.76(2H,d,J=5.6Hz),5.28(1H,d,J=9.6Hz),5.40(1H,d,J=17.2Hz),6.01−6.04(2H,m),6.89−6.90(1H,m),6.96−6.97(1H,m)。
d)1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸
Figure 2009544575
1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例1c,2.8g,16mmol)のジクロロメタン(70mL)中溶液に、O−ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.56g,16mmol)を添加した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.6g,3.2mmol)を添加し、反応混合物を16時間、還流下で加熱した。粗混合物を25℃に冷却した。減圧下で溶媒を除去し、酢酸エチル(150mL)中に再溶解させ、次に10%塩酸(3×50mL)及び水(50mL)で洗滌した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,酢酸エチル/ヘキサン,20−60%)で精製し、所望の生成物、1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸(2.5g,13mmol,収率82%)を黄色油状液体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ0.94(6H,d,J=6.4Hz),1.41−1.47(2H,q,J=15.2Hz,J=6.8Hz),1.68(1H,m),6.18(1H,dd,J=4.0Hz,J=2.8Hz),6.98−7.02(2H,m)。
(e)4−(3−メチル−ブチル)−6−オキサ−3a,4−ジアザ−インデン−5,7−ジオン
Figure 2009544575
1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸(実施例1d,0.25g,1.27mmol)の水(2mL)溶液に炭酸カリウム(0.175g,1.27mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、ホスゲン(20%トルエン溶液)(0.95mL,1.91mmol)をゆっくりと滴下した。得られた黄色の溶液を16時間攪拌した。酢酸エチル(4mL)を添加し、分液操作を行った。水相を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,酢酸エチル/ヘキサン,20−50%)で精製し、所望の生成物、4−(3−メチル−ブチル)−6−オキサ−3a,4−ジアザ−インデン−5,7−ジオン(0.16g,0.72mmol,収率57%)を黄褐色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ0.93(6H,d,J=6.8Hz),1.56(2H,m),1.65(1H,m),4.16(2H,t,J=7.2Hz),6.50(1H,m),7.08(1H,m),7.70(1H,m)。
(f)4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル
Figure 2009544575
4−(3−メチル−ブチル)−6−オキサ−3a,4−ジアザ−インデン−5,7−ジオン(実施例1e,0.080g,0.36mmol)及びマロン酸ジエチル(0.58mL,3.6mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(1mL)中溶液に、水素化ナトリウム(0.017g,0.43mmol)とメタノール1滴を添加した。反応混合物を120℃に加熱し、16時間攪拌した。反応系を25℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを用いて反応を終結させた。分液操作を行い、水相を酢酸エチル(3×3mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,酢酸エチル/ジクロロメタン,2−5%)で精製することにより、所望の生成物、4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル(0.058g,0.20mmol,収率55%)を淡黄褐色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ0.93(6H,d,J=6.4Hz),1.30(3H,t,J=6.8Hz),1.49(2H,q,J=15.2Hz,J=7.6Hz),1.63(1H,m),4.23−4.30(4H,m),6.56(1H,m),6.87(1H,m),7.68(1H,m);LC−MS(ESI) C1520に対する計算値 292.33、測定値 293.30[M+H]。
(g)3−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル(実施例1f,0.040g,0.14mmol)を2−アミノ−ベンゼンスルホンアミド(0.0235g,0.14mmol)と混合し、得られた混合物を20分間180℃に加熱した。得られた粗油状液体を25℃まで冷却し、エタノール(0.5mL)を添加し、超音波処理を行うことで黄褐色の沈殿物を得た。この沈殿物を回収し、減圧下で乾燥させた。粗固体を1.0M水酸化カリウム水溶液(0.3mL)中に溶解させ、20時間110℃に加熱した。反応混合物を25℃まで冷却し、10%塩酸(0.5mL)を添加し、得られた白色沈殿物を回収した。固体をメタノールで洗滌し、減圧下で乾燥させ、所望の生成物、3−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(0.028g,0.07mmol,収率52%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ0.97(6H,d,J=6.4Hz),1.28(2H,bs),1.61(2H,q,J=15.2Hz,J=6.8Hz),1.74(1H,m),4.43(2H,t,J=8.0Hz),6.71(1H,dd,J=4.4Hz,J=2.4Hz),7.04(1H,d,J=4.4Hz),7.23(1H,t,J=8.0Hz),7.50(1H,t,J=7.6Hz),7.63(1H,d,J=8.4Hz),7.88(1H,d,J=8.0Hz),7.90(1H,m);LC−MS(ESI) C1920Sに対する計算値 400.45、測定値 401.28[M+H]。
実施例2:4−ヒドロキシ−3−(7−メトキシ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
a)7−メトキシ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−オン
Figure 2009544575
クロロスルホニルイソシアネート(17mL,195mmol)をニトロエタン(150mL)中に溶解させ、−40℃に冷却した。次に、攪拌しながら4−メトキシアニリン(20g,162mmol)のニトロエタン(100mL)中溶液を滴下した。滴下終了後、反応系をさらに5分間攪拌し、塩化アルミニウム(25g,195mmol)を添加した。次に混合物を20分間攪拌しながら急激に110℃まで加熱した。次に粗物質を氷中に投じ、沈殿物を減圧濾過によって回収し、冷水で洗滌し、減圧下で乾燥させることにより所望の生成物、7−メトキシ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−オン(35g,153.5mmol,収率79%)を紫色の粉体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ3.6(br,1H),3.78(s,3H),7.2(m,3H),11.05(s,1H)。
b)2−アミノ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2009544575
7−メトキシ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−オン(実施例2a,15g,65.7mmol)の50%硫酸(140mL)中溶液を130℃で6時間加熱した。次に溶液を氷中に投じ、飽和水酸化ナトリウム水溶液を添加しながら0℃で中和した。次に混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で乾燥させることにより所望の生成物、2−アミノ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド(8.1g,40.1mmol,収率61%)を茶色固体として得た。Girard,Y.,ら,J.Chem.Soc.Perkin Trans 1,1043−1047(1979)に記載の方法を参照されたい。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ3.65(s,3H),5.40(s,2H),6.73(d,1H,J=8.8Hz),6.90(dd,1H,J=8.8Hz,J=2.8Hz),7.07(d,1H,J=2.8Hz),7.19(s,2H)。
c)4−ヒドロキシ−3−(7−メトキシ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル(実施例1f,0.040g,0.14mmol)を2−アミノ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド(実施例2b,0.0235g,0.14mmol)と混合し、得られた混合物を20分間、180℃まで加熱した。得られた粗油状液体を25℃まで冷却し、エタノール(0.5mL)を添加し、超音波処理を行うことにより黄褐色の沈殿物を得た。沈殿物は回収して減圧下で乾燥させた。粗固体を1.0M水酸化カリウム水溶液(0.5mL)に溶解させ、12時間、110℃まで加熱した。反応混合物を25℃まで冷却し、10%塩酸(0.5mL)を添加して、得られた白色沈殿物を回収した。粗固体をメタノールで洗滌し、減圧下で乾燥させて所望の生成物、4−ヒドロキシ−3−(7−メトキシ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(0.027g,0.063mmol,収率47%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ1.07(6H,d,J=6.4Hz),1.69(1H,m),1.78(1H,m),3.89(3H,s),4.39(2H,t,J=7.6Hz),6.60(1H,dd,J=4.4Hz,J=2.8Hz),7.04(1H,d,J=4.4Hz),7.05(1H,dd,J=4.8Hz,J=2.0Hz),7.25(1H,m),7.17(1H,m),7.39(1H,d,J=2.0Hz);LC−MS(ESI) C1922Sに対する計算値 430.49、測定値 431.33[M+H]。
実施例3:N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
a)N−(4−ニトロ−フェニル)−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
4−ニトロ−フェニルアミン(25g,181mmol)をピリジン(450mL)中に溶解させた。攪拌しながら塩化メタンスルホニル(14.0mL,181mmol)を滴下した。混合物を16時間、25℃で攪拌した。溶液を、その体積が約50mLになるまで減圧下で濃縮した。混合物を酢酸エチル(400mL)で希釈し、1.0M塩酸(5×200mL)で洗滌した。集めた水相を酢酸エチル(200mL)で逆抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で、体積が約250mLになるまで濃縮した。生成物が沈殿し、その沈殿物を減圧濾過により回収した。濾液を、体積が約125mLになるまで減圧下で濃縮すると、さらに生成物が沈殿した。固体を減圧濾過で回収した。固体を合わせて、所望の生成物、N−(4−ニトロ−フェニル)−メタンスルホンアミド(25g,115.62mmol,収率64%)を浅黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ3.17(3H,s),7.35(2H,d,J=9.4Hz),8.20(2H,d,J=9.1Hz),10.69(1H,s)。
b)N−(4−アミノ−フェニル)−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
N−(4−ニトロ−フェニル)−メタンスルホンアミド(実施例3a,25g,115.62mmol)を、ヒートガンで約50℃まで緩やかに加熱しながらN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)中に溶解させた。酢酸エチル(100mL)及びメタノール(100mL)を添加し、次に10%パラジウム炭素(4g)を添加した。混合物を攪拌しながら脱気し、バルーンを介して気体水素をフラスコ内に充填した。混合物を25℃で4.5時間攪拌した。混合物をCelite(登録商標)を通して濾過し、〔上記Celite(登録商標)を酢酸エチルで洗滌して〕、減圧下で濃縮し、体積が約10mLの黄緑色の溶液とした。ジクロロメタン(約50mL)を添加すると固体が沈殿し始めた。混合物を25℃で30分間攪拌した。固体を減圧濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、所望の生成物、N−(4−アミノ−フェニル)−メタンスルホンアミド(15.32g,82.26mmol,収率71%)をベージュ色粉体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ2.79(3H,s),5.00(2H,s),6.49(2H,d,J=8.5Hz),6.87(2H,d,J=8.6Hz),8.87(1H,s)。
c)N−(1,1,3−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル)−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
クロロ−スルホニル−イソシアネート(1.7mL,19.6mmol)をニトロエタン(10mL)中に溶解させ、窒素下、−40℃に冷却した。N−(4−アミノ−フェニル)−メタンスルホンアミド(実施例3b,3g,16.1mmol)を予めニトロエタン(25mL)中に溶解させて溶液とし、その溶液を滴下した。混合物を−40℃で15分間攪拌した。塩化アルミニウム(8g,60mmol)を添加し、混合物を攪拌しながら110℃で30分間加熱した。混合物を氷(約150g)中に投じた。溶かしながら、生成物を酢酸エチル(5×250mL)中へ抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、所望の生成物、N−(1,1,3−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル)−メタンスルホンアミド(3.63g,12.46mmol,収率77%)をベージュ色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ3.00(3H,s),7.22(1H,d,J=8.5Hz),7.46(1H,dd,J=8.8Hz,J=2.7Hz),7.51(1H,d,J=2.4Hz),9.92(1H,s),11.20(1H,s)。
d)2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2009544575
N−(1,1,3−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル)−メタンスルホンアミド(実施例3c,1g,3.4mmol)を12M塩酸(60mL)中に懸濁させた。混合物を105℃で16時間攪拌した。固体を全てこの時点で溶解させた。混合物を水(250mL)で希釈した。溶液を減圧下で濃縮し、橙色固体とした。固体を水(20mL)中に溶解させ、減圧下で濃縮し橙色固体とした。固体を水(5mL)中に溶解させ、生成物を酢酸エチル(6×20mL)中へと抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、橙色固体とした。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,75%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物、2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(0.41g,1.55mmol,収率45%)をベージュ色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ2.86(3H,s),5.77(2H,s),6.76(1H,d,J=8.6Hz),7.11(1H,dd,J=8.6Hz,J=2.4Hz),7.25(2H,bs),7.43(1H,d,J=3.1Hz),9.16(1H,s)。
別の方法としては、上記3(d)の2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド中間体を以下の手順により好ましく作ることができた。
(a)’:N−(4−ニトロ−フェニル)−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
塩化メタンスルホニル(47.1mL,0.61mol)のアセトニトリル(160mL)中溶液を、4−ニトロアニリン(80.0g,0.58mol)及びピリジン(70.2mL,0.87mol)のアセトニトリル(400mL)中溶液に、40分かけて25℃で添加した。混合物を19時間、25℃で攪拌し、次に水(800mL)を添加した。得られた懸濁液を25℃で30分間攪拌し、次にブフナー漏斗を用いて濾紙を通して濾過した。回収した固体を水(2×150mL)で洗滌し、一晩風乾させて、所望の生成物、N−(4−ニトロ−フェニル)−メタンスルホンアミド(111.4g,0.52mol,収率89%)を浅黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ3.17(3H,s),7.35(2H,d,J=9.4Hz),8.20(2H,d,J=9.1Hz),10.69(1H,s)。
(b)’:N−(4−アミノ−フェニル)−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
5%パラジウム炭素(“wet”,11.1g)をN−(4−ニトロ−フェニル)−メタンスルホンアミド(実施例3a’,111.4g,0.52mol)のテトラヒドロフラン(900mL)中溶液に25℃で添加した。得られた懸濁液の上方の雰囲気を気体水素で置換し、いくつかのバルーンを介して反応混合物を水素1気圧下、25℃で4日間保持した。次に混合物をCelite(登録商標)を通して濾過し、Celite(登録商標)をテトラヒドロフラン(3×100mL)で洗滌した。集めた濾液と洗滌液を、減圧下で体積が約300mLになるまで濃縮して、激しく攪拌しながら、滴下漏斗を通して、25℃で45分かけてヘプタン(500mL)を滴下した。得られた懸濁液をさらに45分間、25℃で攪拌して、ブフナー漏斗を用いて濾紙を通して濾過した。回収した固体をヘプタン(1×150mL)で洗滌し、風乾させて所望の生成物、N−(4−アミノ−フェニル)−メタンスルホンアミド(90.7g,0.49mol,収率95%)をベージュ色の粉体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ2.79(3H,s),5.00(2H,s),6.49(2H,d,J=8.5Hz),6.87(2H,d,J=8.6Hz),8.87(1H,s)。
(c)’:N−(1,1,3−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル)−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
N−(4−アミノ−フェニル)−メタンスルホンアミド(実施例3b’,90.7g,0.49mol)のニトロエタン(900mL)中溶液を、機械的に攪拌したクロロスルホニルイソシアネート(50.6mL,0.54mol)のニトロエタン(150mL)中溶液に−20℃で1.5時間かけて滴下した。得られた懸濁液を−20℃で30分間攪拌し、次に塩化アルミニウム(77.9g,0.58mol)を1分かけて一度に添加した。得られた茶色の溶液を25℃まで加温し、次に110℃で1時間加熱した(この時間、かなりのガス放出が見られた)。−5℃まで冷却した後、滴下漏斗で15分かけて水(300mL)を滴下し、次にさらに水(700mL)を急いで添加した。得られた懸濁液を25℃まで昇温し、30分間激しく攪拌して、次にブフナー漏斗を用い、濾紙を通して濾過した。回収した固体を水(1×300mL)で洗滌し、風乾させて、所望の生成物、N−(1,1,3−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル)−メタンスルホンアミド(115.2g,0.40mmol,収率81%)をベージュ色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ3.00(3H,s),7.22(1H,d,J=8.5Hz),7.46(1H,dd,J=8.8Hz,J=2.7Hz),7.51(1H,d,J=2.4Hz),9.92(1H,s),11.20(1H,s)。
(d)’:2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2009544575
機械的に攪拌したN−(1,1,3−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル)−メタンスルホンアミド(実施例3c’,115.2g,0.40mol)の9.0M硫酸(500mL)中懸濁液を2.5時間、130℃に加熱した(この時間、かなりのガス放出が見られた)。得られた茶色の溶液を0℃まで冷却して、水酸化ナトリウム水溶液(351g/水750mL;約11.7M)を滴下漏斗を通して45分かけて添加した。次に反応混合物のpHを、3.0M炭酸ナトリウム水溶液を滴下することにより約7.0に調整した。得られた懸濁液を25℃まで昇温し、1時間攪拌して、次にブフナー漏斗を用いて濾紙を通して濾過した。回収した固体を水(1×300mL)で洗滌し、真空オーブン中、50℃で乾燥させることにより、2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミドと2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミドの混合物(比1.5:1.0,70.0g,収率75%)を茶色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:2.86(3H,s),4.54(2H,bs),4.98(2H,bs),5.77(2H,s),6.55−6.60(2H,m),6.76(1H,d,J=8.6Hz),6.87(1H,d,J=2.2Hz),6.99(2H,bs),7.11(1H,dd,J=8.6Hz,J=2.4Hz),7.25(2H,bs),7.43(1H,d,J=3.1Hz),9.16(1H,s)。
塩化メタンスルホニル(8.2mL,0.11mol)のアセトニトリル(100mL)中溶液を、2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミドと2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミドの上記混合物(比1.5:1.0,60.0g)及びピリジン(12.0mL,0.15mol)のアセトニトリル(500mL)中溶液に、25℃で15分かけて添加した。混合物を25℃で15時間攪拌し、次に体積が約300mLになるまで減圧下で濃縮した。酢酸エチル(300mL)を添加し、得られた懸濁液を25℃で10分間攪拌し、次にブフナー漏斗を用いて濾紙を通して濾過した。回収した固体を水(1×200mL)で洗滌し、真空オーブン中、50℃で乾燥させることにより、所望の生成物、2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(54.0g,0.20mol,収率80%)をベージュ色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ2.86(3H,s),5.77(2H,s),6.76(1H,d,J=8.6Hz),7.11(1H,dd,J=8.6Hz,J=2.4Hz),7.25(2H,bs),7.43(1H,d,J=3.1Hz),9.16(1H,s)。
e)N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル(実施例1f,0.098g,0.33mmol)及び2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(実施例3d又は実施例3d’,0.089g,0.33mmol)をピリジン(1.5mL)中で混合し、混合物を窒素雰囲気下、120℃で3時間攪拌した。LC−MS分析により、出発物質が消失し、非環状中間体の4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−アミドが形成されていることを確認した。1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)(150μL,1.0mmol)を添加し、混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間攪拌した。LC−MS分析により、反応が完了していることが示され、混合物を減圧下で濃縮した。粗物質をジメチルスルホキシドに溶解させ、分取HPLC〔カラムODS−A 100Å,5μ.150×21.2mm.流速22mL/分,30−100%アセトニトリル/水(0.01%トリフルオロ酢酸を含む)〕で精製し、水と1,4−ジオキサンにより凍結乾燥させて、所望の生成物、N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.016g,0.032mmol,収率9.7%)を淡茶色の粉体として得た。H NMR(DMSO−d) δ0.96(6H,d,J=6.3Hz),1.55−1.60(2H,m),1.67−1.77(1H,m),3.07(1H,s),4.40(2H,t,J=7.8Hz),6.70(1H,s),7.02(1H,s),7.52−7.67(3H,m),7.90(1H,s),10.20(1H,s);LC−MS(ESI) C2023に対する計算値 493.1、測定値 494.3[M+H]。
実施例4:N−{3−[1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
a)2−アミノ−5−ヨード−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2009544575
2−アミノ−ベンゼンスルホンアミド(5.15g,29.3mmol)をクロロホルム(87mL)に溶解させて、N−ヨードスクシンイミド(7.29g,30.77mmol)を窒素雰囲気下で添加した。混合物を還流下で24時間加熱して、25℃まで冷却し、焼結漏斗を通して濾過した。固体をクロロホルムと10%メタノール/クロロホルム(3〜8回)で洗滌して、所望の生成物、2−アミノ−5−ヨード−ベンゼンスルホンアミド(6.78g,22.75mmol,収率78%)を茶色の結晶状固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):5.98(s,2H),6.62(d,1H,J=8.8Hz),7.31(s,2H),7.45(dd,1H,J=8.8,2.4Hz),7.73(d,1H,J=2.0Hz)。
b)(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸
Figure 2009544575
2−アミノ−5−ヨード−ベンゼンスルホンアミド(実施例4a,2.0g,6.71mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド(5mL)とジエチルエーテル(7mL)に溶解させた。3−クロロ−3−オキソ−プロピオン酸エチル(0.916g,6.71mmol)を添加し、反応混合物を25℃で2時間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテル(10mL)と水(20mL)で希釈した。激しく混合すると、沈殿物が形成された。固体を減圧濾過で回収し、1.0M塩酸(2×10mL)で洗滌し、減圧下で2時間乾燥させた。固体を8%水酸化ナトリウム水溶液(50mL)中に溶解させ、100℃で15分間攪拌した。25℃まで冷却し、6.0M塩酸で溶液を中和した。1.0M塩酸(20mL)をさらに添加すると、所望の生成物が沈殿した。固体を減圧濾過で回収し、1.0M塩酸(2×10mL)で洗滌し、減圧下で16時間乾燥させることにより、所望の生成物、(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(2.0g,5.46mmol,収率81%)を薄桃色の粉体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:3.58(3H,s),7.13(1H,d,J=8.5Hz),7.98(1H,dd,J=8.6Hz,J=1.7Hz),8.03(1H,d,J=2.5Hz),12.33(1H,bs),13.05(1H,bs)。LC−MS(ESI) CINSに対する計算値 365.92、測定値 366.95[M+H]。
c)1−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
ジメチルスルホキシド(6.80mL,95.7mmol)を、塩化オキサリル(23.9mL,47.8mmol)のジクロロメタン中溶液に−78℃で5分かけて添加した。得られた混合物を−78℃で5分間攪拌し、次に3,3−ジメチル−ブタン−1−オール(5.22mL,43.1mmol)を添加した。さらに−78℃で30分間攪拌した後、トリエチルアミン(23.3mL,167mmol)を添加し、反応混合物を0℃にまで加温して、その温度で45分間攪拌した。次に混合物を分液漏斗に移し、0.5M塩酸で洗滌した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、約70mLの体積になるまで減圧下で濃縮した(水浴温度=0℃)。メタノール(100mL)を添加し、引き続き1−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例1b,7.16g,43.1mmol)、酢酸(6mL)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(5.42g,86.3mmol)を添加した。反応混合物を23℃で2時間攪拌し、次に飽和重炭酸ナトリウム水溶液(400mL)と、酢酸エチルとヘキサンの1:1混合物(2×200mL)との間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,5→10%酢酸エチルinヘキサン)で精製し、所望の生成物、1−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(4.04g,16.15mmol,収率37%)を透明液体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:0.91(9H,s),1.42−1.46(2H,m),2.98−3.04(2H,m),4.75−4.77(2H,m),5.26−5.28(1H,m),5.37−5.41(1H,m),5.96−5.99(1H,m),6.01−6.05(1H,m),6.27−6.30(1H,m),6.89−6.91(1H,m),6.96−6.98(1H,m)。
d)1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例4b,0.3g,0.819mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(4.1mL)中に溶解させた。1−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例4c,0.205g,0.819mmol)を添加し、次にN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの1.0Mジクロロメタン溶液(0.860mL,0.86mmol)を添加した。混合物を25℃で2時間攪拌した。この時点でN,N−ジシクロヘキシルウレアの沈殿が目視で確認できた。混合物をジクロロメタン(5mL)で希釈し、減圧下で濾過した。濾液を1.0M塩酸(2×10mL)、飽和ブライン水溶液(10mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、金色の油状液体を得た。油状液体をエタノール(4.1mL)中に溶解させた。ナトリウムエトキシドの21%エタノール溶液(0.673mL)を添加し、混合物を80℃で4時間攪拌した。さらにナトリウムエトキシドのエタノール溶液(0.673mL)を添加し、混合物を80℃で4時間攪拌した。25℃に冷却し、3.0M塩酸を添加してpHを約6に調整した。すぐに沈殿が観察された。メタノール(3mL)を添加し、混合物を激しく振盪させた。固体を減圧濾過で回収し、メタノール(3×2mL)で洗滌して、16時間減圧下で乾燥させて所望の生成物、1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(0.268g,0.67mmol,収率82%)を白色の粉体として得た。LC−MS(ESI) C2021INSに対する計算値、測定値 540.03、測定値 366.95[M+H]。
e)N−{3−[1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(実施例4d,0.065g,0.120mmol)、三リン酸カリウム(0.128g,0.60mmol)、サルコシン(0.006g,0.072mmol)及びヨウ化銅(I)(0.006g,0.03mmol)を合わせた。無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)を添加し、次にメタンスルホンアミド(0.114g,1.2mmol)を添加した。攪拌しながら減圧下で溶液を脱気し、フラスコを窒素でパージした。混合物を100℃で2時間攪拌した。冷却しながら、混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、1.0M塩酸(3×50mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機相全体をシリカゲルのプラグに通した。濾液を減圧下で濃縮して固体を得た。固体を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合液を用いて摩砕し、減圧濾過により回収して、メタノールを用いて摩砕し、減圧濾過により回収した。固体を減圧下で16時間乾燥させて所望の生成物、N−{3−[1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.031g,0.061mmol,収率51%)を浅黄色粉体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.01(9H,s),1.57−1.62(2H,m),3.07(3H,s),4.39−4.43(2H,m),6.70−6.72(1H,m),7.03(1H,d,J=3.8Hz),7.53(1H,dd,J=8.7Hz,J=2.8Hz),7.60(1H,d,J=2.3Hz),7.67(1H,d,J=8.4Hz),7.75(1H,s),10.20(1H,s),13.72(1H,bs)。LC−MS(ESI) C2125に対する計算値、測定値 507.12、測定値 508.36[M+H]。
実施例5:N−{3−[1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(実施例4d,0.257g,0.476mmol)、三リン酸カリウム(0.505g,2.38mmol)、サルコシン(0.025g,0.285mmol)及びヨウ化銅(I)(0.022g,0.119mmol)を合わせた。無水N,N−ジメチルホルムアミド(9.5mL)を添加し、次にN−メチル−メタンスルホンアミド(0.519g,4.76mmol)を添加した。攪拌しながら減圧下で溶液を脱気し、フラスコを窒素でパージした。混合物を100℃で1時間攪拌した。さらにヨウ化銅(I)(0.1g,0.525mmol)を添加した。100℃で3時間、さらに混合物の攪拌を続けた。冷却しながら混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機相全体をシリカゲルのプラグに通した。約10mLの体積まで減圧下で濃縮すると、所望の生成物が沈殿した。固体を減圧濾過で回収した。固体を酢酸エチル中で再結晶し、減圧濾過により回収し、減圧下で乾燥させて所望の生成物、N−{3−[1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド(0.082g,0.157mmol,収率33%)を浅黄色の粉体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.02(9H,s),1.58−1.62(2H,m),3.01(3H,s),3.31(3H,s),4.40−4.44(2H,m),6.72−6.72(1H,m),7.04(1H,d,J=3.9Hz),7.70−7.76(3H,m),7.88(1H,s),13.78(1H,bs)。LC−MS(ESI) C2227に対する計算値、測定値 521.14、測定値 522.6[M+H]。
実施例6:N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1.2−ジヒドロ−ピロロ[1.2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1.4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1.2.4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
a)4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例4b,0.2g,0.546mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(2.7mL)に溶解させた。1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例1c,0.129g,0.546mmol)を添加し、次にN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの1.0Mジクロロメタン溶液(0.574mL,0.574mmol)を添加した。混合物を25℃で2時間攪拌した。この時点でN,N−ジシクロヘキシルウレアの沈殿が目視で確認できた。混合物をジクロロメタン(5mL)で希釈し、減圧下で濾過した。濾液を1.0M塩酸(2×10mL)、飽和ブライン水溶液(10mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥させて濾過し、減圧下で濃縮して、金色の油状液体を得た。油状液体をエタノール(2.7mL)に溶解させた。ナトリウムエトキシドの21%エタノール溶液(0.448mL)を添加し、混合物を80℃で4時間攪拌した。さらにナトリウムエトキシドのエタノール溶液(0.448mL)を添加し、混合物を80℃で4時間攪拌した。25℃まで冷却し、3.0M塩酸を添加してpHを約6に調整した。すぐに沈殿が観察された。メタノール(3mL)を添加し、混合物を激しく振盪させた。固体を減圧濾過で回収し、メタノール(3×2mL)で洗滌し、16時間減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物、4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(0.196g,0.372mmol,収率68%)を白色粉体として得た。LC−MS(ESI) C1919INSに対する計算値、測定値 526.02、測定値 527.15[M+H]。
b)N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(実施例6a,0.188g,0.357mmol)、三リン酸カリウム(0.379g,1.78mmol)、サルコシン(0.019g,0.214mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.017g,0.089mmol)を合わせた。無水N,N−ジメチルホルムアミド(7mL)を添加し、次にN−メチル−メタンスルホンアミド(0.39g,3.57mmol)を添加した。攪拌しながら減圧下で溶液を脱気し、フラスコを窒素でパージした。混合物を100℃で1時間攪拌した。さらにヨウ化銅(I)(0.1g,0.525mmol)を添加し、100℃で3時間、さらに混合物の攪拌を続けた。冷却しながら混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して固体とした。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチルinジクロロメタン)により精製し、その後酢酸エチルにより摩砕し、減圧濾過によって回収することにより、所望の生成物、N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド(0.057g,0.112mmol,収率31%)を浅黄色の粉体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:0.97(6H,d,J=6.4Hz),1.59(2H,q,J=7.6Hz),1.73(1H,7重線,J=6.5Hz),3.01(3H,s),3.31(3H,s),4.41(2H,t,J=7.9Hz),6.70−6.72(1H,m),7.04(1H,d,J=4.5Hz),7.69−7.76(2H,m),7.88(1H,d,J=2.3Hz),7.91(1H,s),13.79(1H,bs)。LC−MS(ESI) C2125に対する計算値、測定値 507.12、測定値 508.4[M+H]。
実施例7:N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1.2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
a)N−ベンゾチアゾール−6−イル−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
塩化メタンスルホニル(4.93mL,63.7mmol)を、ベンゾチアゾール−6−イルアミン(9.58g,63.8mmol)のピリジン(100mL)中溶液に25℃で5分かけて添加した。得られた混合物を25℃で30分間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物を1.0M塩酸(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ジエチルエーテルを用いて残留物を摩砕することにより固体が得られ、その固体を減圧濾過で回収し、減圧下で乾燥させて所望の生成物、N−ベンゾチアゾール−6−イル−メタンスルホンアミド(13.3g,58.3mmol,収率91%)を桃色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:3.03(3H,s),7.36(1H,dd,J=2.3Hz,J=8.6Hz),7.94(1H,d,J=1.6Hz),8.02(1H,d,J=9.2Hz),9.27(1H,s),9.95(1H,s)。
b)N−ベンゾチアゾール−6−イル−N−メチル−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散液2.56g,64.0mmol)を、N−ベンゾチアゾール−6−イル−メタンスルホンアミド(実施例7a,13.3g,58.2mmol)のテトラヒドロフラン中溶液に0℃で添加した。15分後、ヨードメタン(36.2mL,581mmol)を添加し、反応混合物を25℃に加温して、4時間攪拌し、次に1.0M塩酸(300mL)と酢酸エチル(2×250mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ジエチルエーテルを用いて残留物を摩砕することにより固体が得られ、その固体を減圧濾過で回収し、減圧下で乾燥させて所望の生成物、N−ベンゾチアゾール−6−イル−N−メチル−メタンスルホンアミド(12.1g,50mmol,収率86%)を桃色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:3.00(3H,s),3.31(3H,s),7.57(1H,dd,J=2.2Hz,J=8.7Hz),8.07(1H,d,J=8.5Hz),8.23(1H,d,J=1.7Hz),9.40(1H,s)。
c)[7−(メタンスルホニル−メチル−アミノ)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸メチルエステル
Figure 2009544575
ヒドラジン一水和物(20.1mL,414mmol)を、N−ベンゾチアゾール−6−イル−N−メチル−メタンスルホンアミド(実施例7b,10.06g,41.5mmol)のエタノール(150mL)中溶液に25℃で添加した。反応混合物を50℃に13時間加熱し、次に減圧下で濃縮した。残留物を1.0M塩酸(100mL)に溶解させ、6.0M塩酸を添加することによってpHを7に調整した。得られた混合物を酢酸エチル(2×150mL)で抽出し、6.0M塩酸を添加することにより水相をpH3にまで酸性化し、次に重曹を添加することによってpH7へと中和した。混合物を再度酢酸エチル(1×150mL)で抽出し、有機相を全て集め、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。このようにして得た橙色の固体をテトラヒドロフラン(150mL)中に溶解させ、トリエチルアミン(12.3mL,88.2mmol)及び4−クロロ−3−オキソ−酪酸メチルエステル(5.10mL,44.2mmol)を25℃で逐次添加した。反応混合物を25℃で2時間攪拌し、次に1.0M塩酸(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,20→100%酢酸エチルinヘキサン)により精製することにより、所望の生成物、[7−(メタンスルホニル−メチル−アミノ)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸メチルエステル(8.40g,25.6mmol,収率64%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:2.86(3H,s),3.27(3H,s),3.43(2H,s),3.72(3H,s),6.86(1H,d,J=8.6Hz),7.12(1H,dd,J=2.3Hz,J=8.6Hz),7.21(1H,d,J=2.4Hz),10.63(1H,s)。
d)7−(メタンスルホニル−メチル−アミノ)−3−メトキシカルボニルメチル−1,1−ジオキソ−1H−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2009544575
ジ−tert−ブチルカーボネート(11.2g,51.1mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.625g,5.11mmol)を、[7−(メタンスルホニル−メチル−アミノ)−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸メチルエステル(実施例7c,8.40g,25.6mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)中溶液に25℃で逐次添加した。反応混合物を25℃で15時間攪拌し、次に1.0M塩酸(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を25℃でジクロロメタン(150mL)中に溶解させ、m−クロロ過安息香酸(17.2g,最高純度77%,76.7mmol)を添加した。25℃で50分間攪拌した後、チオ硫酸ナトリウム(15g、150mLの水に溶解させたもの)を添加し、2相混合物を25℃で30分間攪拌し、次に酢酸エチルとヘキサンの1:1混合液(350mL)を含む分液漏斗に投じた。分液を行い、有機相を1.0M水酸化ナトリウム水溶液(100mL)、1.0M塩酸(100mL)、及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)を用いて順に洗滌した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,20→90%酢酸エチルinヘキサン)によって精製することにより、所望の生成物、7−(メタンスルホニル−メチル−アミノ)−3−メトキシカルボニルメチル−1,1−ジオキソ−1H−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.29g,9.32mmol,収率36%)を黄色泡状物質として得た。H NMR(400MHz,CDCl)(数種の異性体/互変異性体の混合物) δ:1.51(s),1.54(s),1.55(s),2.87(s),2.88(s),3.35(s),3.37(s),3.71(s),3.83(s),3.87(s),5.88(s),6.39(s),7.64−7.68(m),7.77−7.78(m),7.83−7.85(m),10.02(s)。
e)[7−(メタンスルホニル−メチル−アミノ)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸
Figure 2009544575
水酸化リチウムの2.0M水溶液(7.0mL,14.0mmol)を、7−(メタンスルホニル−メチル−アミノ)−3−メトキシカルボニルメチル−1,1−ジオキソ−1H−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例7d,1.29g,2.80mmol)のメタノール溶液に25℃で添加した。反応混合物を25℃で5時間攪拌し、次に0.5M塩酸(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をジエチルエーテルとアセトニトリルの5:1混合物を用いて摩砕することにより、所望の生成物、[7−(メタンスルホニル−メチル−アミノ)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸(0.286g,0.83mmol,収率30%)を橙色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:2.96(3H,s),3.26(3H,s),3.48(2H,s),6.03(1H,s),7.29(1H,d,J=8.6Hz),7.58(1H,dd,J=2.3Hz,J=9.5Hz),7.79(1H,d,J=2.3Hz),10.80(1H,s),12.79(1H,s)。
f)N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例1c,0.112g,0.473mmol)と[7−(メタンスルホニル−メチル−アミノ)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸(実施例7e,0.164g,0.473mmol)を、ジクロロメタンとN,N−ジメチルホルムアミドの3:1混合液(4mL)中に25℃で溶解させた。N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの溶液(0.473mL,ジクロロメタン中1.0M,0.473mmol)を添加し、反応混合物を25℃で1時間攪拌し、その後濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、残留物をエタノール(4mL)中に25℃で溶解させた。ナトリウムエトキシドの21%エタノール溶液(0.368mL,1.14mmol)を添加し、反応混合物を80℃で6時間加熱した。25℃へと冷却した後、混合物を0.5M塩酸(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,約50→100%酢酸エチルinヘキサン)及び分取ΗPLC[カラム=Luna 5μ C18(2) 100Å Axia 50×21.2mm Id;溶離液=〔7.0分かけて0→100%アセトニトリルin水(共に0.05%トリフルオロ酢酸を含んでいる)〕、流速=30mL/分]によって順番に精製することにより、所望の生成物、N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド(0.060g,0.119mmol,収率25%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:0.94(6H,d,J=6.4Hz),1.50−1.54(2H,m),1.64−1.70(1H,m),2.99(3H,bs),3.28(3H,bs),4.29−4.32(2H,m),5.74(1H,s),6.12(1H,bs),6.49(1H,bs),6.90(1H,bs),7.30(1H,bs),7.60(1H,bs),7.82(1H,bs)。LC−MS(ESI) C2226に対する計算値 506.13、測定値 507.25[M+H]。
実施例8:N−{3−[1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
a)2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンチオール
Figure 2009544575
6−ニトロベンゾチアゾール(5g,27.7mmol)のエタノール(50mL)中溶液をヒドラジン一水和物(19g,388mmol)で処理した。反応混合物を25℃で3時間攪拌し、減圧下で濃縮した。得られた赤色の油状液体を酢酸エチル中に溶かし、溶液が淡黄色になるまで注意深く0.1M塩酸で酸性化した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた橙色固体をジエチルエーテルを用いて摩砕し、減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物、2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンチオール(4.1g,23.9mmol,収率86%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,アセトン−d) δ6.43(bs,2H),6.82(d,1H,J=8.7Hz),7.65(d,1H,J=2.2Hz),7.88(dd,1H,J=8.9Hz,J=2.7Hz)。LC−MS(ESI) CSに対する計算値[M+H] 171.01、測定値 193.20[M+Na]。
b)(7−ニトロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル
Figure 2009544575
2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンチオール(実施例8a,4.1g,23.9mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)中溶液をトリエチルアミン(4.8g,47.8mmol)とクロロアセト酢酸エチル(4.3g,26.3mmol)で処理した。反応混合物を25℃で12時間攪拌し、減圧下で濃縮して、酢酸エチル中に溶かし、80℃で3時間加熱した。反応混合物を25℃まで冷却し、ブライン溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で濃縮した。得られた茶色の固体をジエチルエーテルを用いて摩砕することにより、所望の生成物、(7−ニトロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル(5.8g,20.7mmol,収率87%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ1.32(t,3H,J=7.1Hz),3.49(s,2H),4.21(q,2H,J=7.0Hz),4.89(s,1H),6.91(d,1H,J=8.7Hz),8.00(dd,1H,J=9.5Hz,J=2.3Hz),8.12(d,1H,J=3.1Hz),10.95(bs,1H)。LC−MS(ESI) C1212Sに対する計算値[M+H] 281.05、測定値 281.23[M+H]。
c)(7−アミノ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル
Figure 2009544575
(7−ニトロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル(実施例8b,5.8g,20.7mmol)のエタノール(90mL)中溶液を、塩化スズ(II)と1.0M塩酸(3mL)で処理した。反応混合物を100℃で3時間加熱した。懸濁液を冷却し、濃縮した。粗物質を酢酸エチル(90mL)中に懸濁させ、6.0M水酸化ナトリウム水溶液(90mL)で処理した。得られた沈殿物を濾過した。濾過ケーキを酢酸エチルで充分に洗滌し、濾過されたものをブライン溶液で洗滌し、減圧下で濃縮した。粗油状液体をフラッシュクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,酢酸エチル/ヘキサン)により精製して所望の生成物、(7−アミノ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル(2.38g,9.51mmol,収率46%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ1.21(t,3H,J=7.1Hz),3.30(s,2H),3.43(bs,2H),4.08(q,2H,J=7.1Hz),4.52(s,1H),6.39(dd,1H,J=8.3Hz,J=2.7Hz),6.46(d,1H,J=2.3Hz),6.62(d,1H,J=7.6Hz),10.38(bs,1H)。LC−MS(ESI) C1214Sに対する計算値[M+H] 251.08、測定値 251.23[M+H]。
d)(7−メタンスルホニルアミノ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル
Figure 2009544575
(7−アミノ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル(実施例8c,2.38g,9.51mmol)のジクロロメタン(80mL)中溶液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(3.1g,30.4mmol)で処理し、次に塩化メタンスルホニル(1.37g,9.51mmol)を滴下した。反応混合物を0℃で0.5時間攪拌し、25℃まで昇温した。反応混合物を減圧下で濃縮して、フラッシュクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,酢酸エチル/ヘキサン)により精製することにより、所望の生成物、(7−メタンスルホニルアミノ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル(2.2g,6.7mmol,収率71%)を淡黄褐色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ1.31(t,3H,J=7.0Hz),3.00(s,3H),3.43(s,2H),4.19(四重線,2H,J=7.1Hz),4.73(s,1H),6.28(s,1H),6.85(d,1H,J=8.5Hz),6.99(dd,1H,J=8.5Hz,J=2.4Hz),7.12(d,1H,J=2.3Hz),10.64(bs,1H)。LC−MS(ESI) C1316Sに対する計算値[M+H] 329.06、測定値 329.10[M+H]。
e)[7−(メタンスルホニル−tert−ブチルオキシカルボニル−アミノ)−4−tert−ブチルオキシカルボニル−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸エチルエステル
Figure 2009544575
(7−メタンスルホニルアミノ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル(実施例8d,2.2g,6.7mmol)の無水テトラヒドロフラン(60mL)中溶液をジ−tert−ブチル−ジカーボネート(3.2g,14.7mmol)と4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.82g,6.7mmol)で処理した。反応混合物を窒素雰囲気下、25℃で3時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をジクロロメタンに溶解させた。得られた溶液を1.0M塩酸で洗滌し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗油状液体をフラッシュクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、所望の生成物、[7−(メタンスルホニル−tert−ブチルオキシカルボニル−アミノ)−4−tert−ブチルオキシカルボニル−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸エチルエステル(1.59g,3.01mmol,収率45%)を無色の樹脂状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ1.16(t,3H,J=7.0Hz),1.48(s,9H),1.52(s,9H),3.42(s,3H),3.67(bs,2H),4.07(q,2H,J=7.3Hz),6.26(s,1H),7.09(,1H,J=0.0Hz,J=0.0Hz),7.08−7.11(m,2H),7.42(d,1H,J=7.8Hz)。LC−MS(ESI) C2332に対する計算値[M+H] 529.16、測定値 429.48[M−Boc]。
f)[7−(メタンスルホニル−tert−ブチルオキシカルボニル−アミノ)−4−tert−ブチルオキシカルボニル−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸エチルエステル
Figure 2009544575
[7−(メタンスルホニル−tert−ブチルオキシカルボニル−アミノ)−4−tert−ブチルオキシカルボニル−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸エチルエステル(実施例8e,1.59g,3.01mmol)のジクロロメタン(50mL)中溶液を、3−クロロペルオキシ安息香酸(2.23g,12.9mmol)で処理した。反応混合物を25℃で12時間攪拌した。チオ硫酸ナトリウム(2.0g,12.9mmol)の水溶液を添加し、反応系をさらに0.5時間攪拌した。有機相を分離し、1.0M水酸化ナトリウム水溶液、1.0M塩酸、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインの順でそれぞれによって洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗油状液体をフラッシュクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、所望の生成物、[7−(メタンスルホニル−tert−ブチルオキシカルボニル−アミノ)−4−tert−ブチルオキシカルボニル−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸エチルエステル(1.1g,1.96mmol,収率64%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ1.23(t,3H,J=7.0Hz),1.50(s,9H),1.56(s,9H),3.46(s,3H),3.81(s,2H),4.15(q,2H,J=7.4Hz),6.40(s,1H),7.45(dd,1H,J=9.1Hz,J=2.7Hz),7.72(d,1H,J=2.3Hz),7.91(d,1H,J=8.6Hz)。LC−MS(ESI) C2332に対する計算値[M+H] 560.16、測定値 361.18[M−(2×Boc)]。
g)(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル
Figure 2009544575
[7−(メタンスルホニル−tert−ブチルオキシカルボニル−アミノ)−4−tert−ブチルオキシカルボニル−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル]−酢酸エチルエステル(実施例8f,0.30g,0.54mmol)のジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(1:1)中溶液を25℃で2時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を酢酸エチル中に溶解させた。溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液とブライン溶液で洗滌した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル(0.17g,0.47mmol,収率86%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ1.32(t,3H,J=6.9Hz),3.03(s,3H),4.02(s,2H),4.21(q,2H,J=7.0Hz),5.02(s,1H),6.96(s,1H),7.02(d,1H,J=8.4Hz),7.53(dd,1H,J=8.7Hz,J=2.4Hz),7.65(d,1H,J=2.2Hz),10.73(s,1H)。LC−MS(ESI) C1316に対する計算値[M+H] 361.04、測定値 361.18[M+H]。
h)(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸
Figure 2009544575
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル(実施例8g,0.245g,0.680mmol)のメタノール(15mL)中溶液を氷水浴中で0℃にまで冷却し、2.0M水酸化リチウム水溶液(1.7mL,3.40mmol)で処理した。反応混合物を25℃まで昇温し、1時間攪拌した。反応系を氷中の0.5M塩酸(50mL)に投じ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することにより橙色固体を得た。粗固体をジエチルエーテルを用いて摩砕し、所望の生成物、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸(0.175g,0.526mmol,収率77%)を淡橙色固体として得た。LC−MS(ESI) C1112に対する計算値 332.4、測定値 333.3[M+H]。
i)N−{3−[1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.0Mジクロロメタン溶液0.476mL,0.476mmol)を、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸(実施例8h,0.190g,0.572mmol)と1−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例4c,0.119g,0.475mmol)との、ジクロロメタンとN,N−ジメチルホルムアミドの3:1混合液(6mL)中溶液に25℃で添加した。反応混合物を25℃で1時間攪拌し、次に濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、残留物を25℃でエタノール(12mL)中に溶解させた。ナトリウムエトキシドの21%エタノール溶液(0.23mL,0.71mmol)を添加し、反応混合物を80℃で5時間加熱した。25℃に冷却した後、混合物を1.0M塩酸(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,40→100%酢酸エチルinヘキサン)によって精製することにより固体が得られ、その固体をジエチルエーテルを用いて摩砕することにより、所望の生成物、N−{3−[1−(3,3−ジメチル−ブチル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.101g,0.20mmol,収率42%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:1.07(9H,s),1.65−1.72(2H,m),3.09(3H,s),4.25−4.29(2H,m),5.54(2H,s),6.43−6.45(1H,m),7.01−7.03(1H,m),7.08−7.09(1H,m),7.30(1H,d,J=8.5Hz),7.39(1H,bs),7.61(1H,dd,J=2.3Hz,J=8.6Hz),7.73(1H,d,J=2.4Hz)。LC−MS(ESI) C2226に対する計算値 506.13、測定値 507.27[M+H]。
実施例9:N−{3−[1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1.2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
a)1−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.29g,36.4mmol)を、1−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例1b,3.03g,18.2mmol)と4−フルオロベンズアルデヒド(1.96mL,18.3mmol)と酢酸(6mL)とのメタノール(120mL)中溶液に25℃で添加した。反応混合物を25℃で18時間攪拌し、次に減圧下で濃縮して体積を約30mLにした。残った液体を、半飽和重炭酸ナトリウム水溶液(150mL)と、酢酸エチルとヘキサンの1:1混合液(2×200mL)との間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,0→40%酢酸エチルinヘキサン)によって精製することにより、所望の生成物、1−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(1.87g,6.8mmol,収率37%)を透明液体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:4.08(2H,d,J=5.4Hz),4.75−4.77(1H,m),5.27−5.30(1H,m),5.37−5.41(1H,m),5.95−5.97(1H,m),5.98−6.05(1H,m),6.58−6.61(1H,m),6.75−6.76(1H,m),6.89−6.91(1H,m),6.97−7.01(2H,m),7.22−7.25(2H,m)。
b)1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.0Mジクロロメタン溶液4.33mL,4.33mmol)を、(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例4b,1.58g,4.32mmol)と1−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例9a,1.08g,3.94mmol)との、ジクロロメタンとN,N−ジメチルホルムアミドの4:1混合液(25mL)中溶液に25℃で添加した。反応混合物を25℃で2.5時間攪拌し、その後濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を25℃でエタノール(20mL)中に溶解させた。ナトリウムエトキシドの21%エタノール溶液(8.0mL,24.6mmol)を添加し、反応混合物を80℃で8時間加熱した。25℃に冷却した後、混合物を1.0M塩酸(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、暗色固体を得た。この物質をメタノールを用いて摩砕することにより灰色固体が得られ、この固体を減圧濾過で回収することにより、所望の生成物、1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(1.42g,2.52mmol,収率64%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:5.64(2H,s),6.58−6.60(1H,m),7.01−7.02(1H,m),7.14−7.18(2H,m),7.42−7.46(2H,m),7.70−7.70(1H,m),8.02−8.04(1H,m),8.12−8.12(1H,m),13.70(1H,s)。
c)N−{3−[1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(実施例9b,0.257g,0.455mmol)、リン酸カリウム(三塩基)(0.483g,2.28mmol)、ヨウ化銅(I)(0.022g,0.11mmol)、サルコシン(0.024g,0.273mmol)、及びメタンスルホンアミド(0.433g,4.55mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(9mL)中に25℃で溶解させた。混合物を6時間、100℃に加熱し、次に25℃まで冷却し、酢酸エチル(10mL)で希釈し、Celite(登録商標)を通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,0→10%メタノールinジクロロメタン)により精製して黄色の固体を得た。この物質をメタノール、ジエチルエーテルを用いて順に摩砕することにより、所望の生成物、N−{3−[1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.113g,0.21mmol,収率47%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:3.08(3H,s),5.65(2H,s),6.59−6.61(1H,m),7.01−7.02(1H,m),7.14−7.18(2H,m),7.42−7.46(2H,m),7.54(1H,dd,J=2.3Hz,J=8.6Hz),7.62(1H,d,J=2.5Hz),7.66(1H,d,J=8.9Hz),7.71(1H,s),10.21(1H,s),13.66(1H,s)。LC−MS(ESI) C2218FNに対する計算値 531.07、測定値 532.10[M+H]。
実施例10:N−{3−[1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(実施例9b,0.269g,0.477mmol)、リン酸カリウム(三塩基)(0.506g,2.38mmol)、ヨウ化銅(I)(0.023g,0.119mmol)、サルコシン(0.026g,0.290mmol)及びN−メチル−メタンスルホンアミド(0.520g,4.77mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(9mL)に25℃で溶解させた。混合物を6時間、100℃に加熱し、その後25℃まで冷却し、酢酸エチル(10mL)で希釈し、Celite(登録商標)を通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,0→10%メタノールinジクロロメタン)で精製し、黄色の固体を得た。この物質をメタノール、ジエチルエーテルを用いて順に摩砕することにより、所望の生成物、N−{3−[1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド(0.169g,0.31mmol,収率65%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:3.02(3H,s),3.31(3H,s),5.65(2H,s),6.59−6.61(1H,m),7.01−7.03(1H,m),7.14−7.19(2H,m),7.42−7.46(2H,m),7.68−7.71(2H,m),7.75(1H,dd,J=2.4Hz,J=8.7Hz),7.90(1H,d,J=2.2Hz),13.72(1H,s)。LC−MS(ESI) C2320FNに対する計算値 545.08、測定値 546.15[M+H]。
実施例11:3−[7−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ −チオフェン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
a)トリブチル−(1,1−ジオキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1λ−チオフェン−2−イル)−スタナン
Figure 2009544575
n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液6.72mL,10.7mmol)を、2,3−ジヒドロ−チオフェン1,1−ジオキシド(1.21g,10.2mmol,J.Organomet.Chem.,665,167(2003)に記載の方法に従って調製)のテトラヒドロフラン(60mL)中溶液に−78℃で5分かけて添加した。反応混合物を−78℃で30分間攪拌し、次に塩化トリブチルスズ(3.04mL,11.2mmol)を5分かけて添加した。−78℃で45分間攪拌した後、混合物を25℃に加温し、さらに45分間攪拌して、次に減圧下で濃縮した。残留物をクロロホルム(50mL)で希釈し、濾過した。濾液を水(100mL)と、酢酸エチルとヘキサンの1:1混合液(1×200mL)との間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,20→30%酢酸エチルinヘキサン)によって精製することにより、所望の生成物、トリブチル−(1,1−ジオキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1λ−チオフェン−2−イル)−スタナン(1.13g,2.77mmol,収率27%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:0.90−0.95(9H,m),1.15−1.21(6H,m),1.29−1.40(8H,m),1.50−1.67(6H,m),2.96−3.00(1H,m),3.11−3.14(1H,m),6.57(1H,t,J=3.1Hz)。
b)3−[7−(1,1−ジオキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1λ−チオフェン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(実施例9b,0.207g,0.371mmol)、トリブチル−(1,1−ジオキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1λ−チオフェン−2−イル)−スタナン(実施例11a,0.181g,0.442mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.025g,0.020mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(8mL)中に25℃で溶解させた。混合物を24時間、90℃に加熱し、その後25℃まで冷却し、Celite(登録商標)を通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,0→7%メタノールinジクロロメタン)で精製することにより、茶色の固体を得た。この物質を再度クロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,40→100%酢酸エチルinヘキサン、その後100%酢酸エチル、その後0→7%メタノールinジクロロメタン)にかけることにより、所望の生成物、3−[7−(1,1−ジオキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1λ−チオフェン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(0.100g,0.180mmol,収率48.6%)を得た。LC−MS(ESI) C2519FNに対する計算値 554.07、測定値 555.00[M+H]。
c)3−[7−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ−チオフェン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
3−[7−(1,1−ジオキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1λ−チオフェン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(実施例11b,0.100g,0.180mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)に25℃で溶解させた。パラジウム炭素(5%,0.250g)を添加し、反応フラスコの雰囲気をバルーンからの水素により置換した。水素バルーン下1時間攪拌した後、混合物をCelite(登録商標)を通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,0→3%メタノールinジクロロメタン)で精製することにより黄色の固体を得た。この物質をジエチルエーテルを用いて摩砕することにより、所望の生成物、3−[7−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ−チオフェン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(0.028g,0.050mmol,収率28%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:2.08−2.18(1H,m),2.23−2.29(1H,m),2.32−2.43(1H,m),3.20−3.28(1H,m),3.31−3.37(1H,m),4.56−4.61(1H,m),5.65(2H,s),6.60(2H,d,J=7.0Hz),6.59−6.61(1H,m),7.02−7.03(1H,m),7.14−7.18(2H,m),7.42−7.46(1H,m),7.67−7.75(2H,m),7.87(1H,bs),13.73(1H,s)。LC−MS(ESI) C2521FNに対する計算値 556.09、測定値 557.15[M+H]。
実施例12:3−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
3−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オンを実施例11bに記載した反応から副生成物として得た。上述のカラムクロマトグラフィーにより所望の生成物、3−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(0.020g,0.046mmol,収率8.1%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:5.65(2H,s),6.59(1H,bs),7.00−7.01(1H,m),7.14−7.18(2H,m),7.42−7.46(2H,m),7.48−7.52(1H,m),7.60−7.62(1H,m),7.69−7.75(2H,m),7.87−7.89(1H,m),13.69(1H,s)。LC−MS(ESI) C2115FNに対する計算値 438.08、測定値 439.20[M+H]。
実施例13:シクロプロパンスルホン酸{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド
Figure 2009544575
a)4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル(実施例1f,0.218g,0.75mmol)をピリジン(1.5mL)中に溶解させ、2−アミノ−5−ヨード−ベンゼンスルホンアミド(実施例4a,0.222g,0.75mmol)を添加した。反応混合物を120℃で16時間加熱し、その後1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.12mL,0.78mmol)を添加し、さらに4時間加熱した。ピリジンを減圧下で除去し、粗製の所望の生成物を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,5%−10%メタノールinジクロロメタン)によって精製することにより、所望の生成物、4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(0.110g,0.209mmol,収率28%)を白色固体として得た。LC−MS(ESI) C1919INSに対する計算値、測定値 526.02、測定値 527.20[M+H]。
b)シクロプロパンスルホン酸{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド
Figure 2009544575
4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(実施例13a,0.105g,0.199mmol)、三リン酸カリウム(0.127g,0.598mmol)、サルコシン(0.011g,0.119mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.015g,0.080mmol)を合わせた。無水N,N−ジメチルホルムアミド(7mL)を添加し、次にシクロプロパンスルホン酸アミド(0.12g,1mmol)を加えた。溶液を減圧下で攪拌しながら脱気し、フラスコを窒素でパージした。混合物を100℃で16時間攪拌した。冷却しながら混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して固体とした。HPLC(カラムLuna 5u C18(2) 100Å size 50×21.2mm,5μm,40%−95% 0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水)で精製することにより、所望の生成物、シクロプロパンスルホン酸{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド(0.052g,0.10mmol,収率50%)を浅黄色の粉体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:0.97(10H,m),1.51(2H,q,J=7.2Hz),1.73(1H,m),2.71(1H,m),4.41(2H,t,J=7.6Hz),6.72(1H,m),7.02(1H,d,J=3.6Hz),7.58(1H,m),7.63(2H,m),7.88(1H,s),10.12(1H,bs)。LC−MS(ESI) C2225に対する計算値、測定値 519.12、測定値 520.3[M+H]。
実施例14:N−{3−[6−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
a)4,4−ジフルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル
Figure 2009544575
4,4−ジフルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステルを、Tetrahedron Lett.,44,7809−12(2003)に記載の方法に従って調製した。4−オキソ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル(7.12g,29.287mmol)をジクロロメタン(150mL)中に溶解させ、−78℃に冷却した。三フッ化N,N−ジエチルアミノ硫黄(23.58g,146.436mmol)を、溶液を攪拌しながら5分かけてゆっくりと添加した。反応系を16時間かけて25℃まで昇温した。反応混合物を氷(200mL)中に投じ、分液操作を行った。有機相を水と飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗製の所望の生成物、4,4−ジフルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル(1.90g,7.167mmol,収率58.1%)を黄色油状液体として得た。この油状液体は精製せずに次にステップで用いた。H NMR(400MHz,CDCl) δ:1.44(9H,s),2.47(1H,qd,J=13.3Hz,J=4.9Hz),2.63−2.78(1H,m),3.75−3.96(5H,m),4.50(5H,dm,J=40.4Hz,J=0.0Hz),4.43−4.57(1H,m)。
b)4,4−ジフルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
Figure 2009544575
4,4−ジフルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル(実施例14a,7.53g,28.403mmol)をアセトニトリル(330mL)中に溶解させ、水酸化リチウム(1.36g,56.807mmol)の水(110mL)溶液を添加した。25℃で16時間攪拌した後、アセトニトリルを減圧下で除去し、沈殿物が形成されるまで水相をゆっくりと1.0M塩酸で酸性化した。生成物を酢酸エチル(3×50mL)中に抽出し、集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、所望の生成物、4,4−ジフルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(1.54g,6.13mmol,収率95.6%)を脆い黄褐色の固体として得た。この固体は精製せずに次のステップで用いた。H NMR(400MHz,CDCl) δ:1.51(9H,s),2.50−2.84(2H,m),3.71−3.90(2H,m),6.73(1H,bs)。
c)4,4−ジフルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アリルエステル1−tert−ブチルエステル
Figure 2009544575
4,4−ジフルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(実施例14b,6.77g,26.96mmol)を5%重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)に溶解させた。臭化アリル(3.26g,26.96mmol)及び塩化トリオクチルメチルアンモニウム(“Aliquat(R)336”,10.90g,26.97mmol)をジクロロメタン(50mL)中に溶解させて、上記水溶液に加えた。2相の反応混合物を25℃で48時間激しく攪拌した。分液操作を行い、水相をジクロロメタン(3×70mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗製の所望の生成物を得た。この生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,20%酢酸エチルinヘキサン)で精製し、所望の生成物、4,4−ジフルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アリルエステル1−tert−ブチルエステル(5.85g,20.09mmol,収率74.5%)を透明な、かすかに黄色がかった油状液体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:1.44(9H,s),2.43−2.54(1H,m),2.64−2.80(1H,m),3.78−3.94(2H,m),4.46−4.73(3H,m),5.24−5.37(2H,m),5.87−5.96(1H,m)。
d)4,4−ジフルオロ−ピロリジン−2−カルボン酸アリルエステルトリフルオロ酢酸塩
Figure 2009544575
4,4−ジフルオロ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アリルエステル1−tert−ブチルエステル(実施例14c,5.85g,20.09mmol)をトリフルオロ酢酸の5%ジクロロメタン溶液中に溶解させて、25℃で16時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗製の4,4−ジフルオロ−ピロリジン−2−カルボン酸アリルエステル(6.14g,20.09mmol,収率100%)をトリフルオロ酢酸塩として得た。このトリフルオロ酢酸塩は精製せずに次のステップで用いた。H NMR(400MHz,CDCl) δ:2.75−2.86(1H,m),2.90−3.02(1H,m),3.76−3.93(2H,m),4.68−4.78(3H,m),5.33−5.39(2H,m),5.84−5.94(1H,m)。
e)4−フルオロ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
4,4−ジフルオロ−ピロリジン−2−カルボン酸アリルエステルトリフルオロ酢酸塩(実施例14d,6.13g,20.08mmol)の無水テトラヒドロフラン(300mL)中溶液に二酸化マンガン(IV)を添加し、反応混合物を80℃で4時間加熱した。混合物をCelite(登録商標)で濾過し、温テトラヒドロフラン、次に冷テトラヒドロフランで洗滌した。濾液を減圧下で濃縮して濃い橙色の油状液体を得た。油状液体を酢酸エチルに溶解させ、有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗滌した。溶媒を減圧下で除去し、橙色油状液体を得た。この油状液体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,30%酢酸エチルinヘキサン)で精製し、所望の生成物、4−フルオロ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(3.01g,17.80mmol,収率88.7%)を黄色油状液体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:4.77(2H,d,J=5.7Hz),5.29(1H,d,J=10.2Hz),5.38(1H,d,J=15.9Hz),5.94−6.04(1H,m),6.64−6.65(1H,m),6.72−6.74(1H,m),8.91(1H,bs)。
f)1−アミノ−4−フルオロ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
1−アミノ−4−フルオロ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステルを、Tetrahedron Lett.,47,5341−43(2006)に記載のN−アミノ化の手順に従って調製した。4−フルオロ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例14e,2.49g,14.74mmol)を、固体塩化アンモニウム(4.81g,90.75mmol)、30%水酸化ナトリウム水溶液(42.4mL)、29.56%水酸化アンモニウム水溶液(13.71mL)及び塩化トリオクチルメチルアンモニウム(“Aliquat(R)336”,0.166g,0.411mmol)と共にメチルtert−ブチルエーテル(50mL)中で混合した。激しく攪拌しながら、6.15%の漂白水溶液〔“クロロックス(Chlorox)”,146mL〕を滴下漏斗を介してゆっくり添加すると、溶液の色は橙色に変化した。25℃で2時間攪拌した後、分液操作を行い、水相をメチルtert−ブチルエーテル(2×10mL)で抽出した。集めた有機相を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(50mL)で洗滌し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,20%酢酸エチルinヘキサン)で精製して所望の生成物、1−アミノ−4−フルオロ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(2.02g,10.99mmol,収率62.1%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:4.73(2H,d,J=5.5Hz),5.26−5.29(1H,m),5.34−5.40(1H,m),5.52(2H,bs),5.93−6.02(1H,m),6.49−6.53(1H,m),6.78−6.80(1H,m)。
g)4−フルオロ−1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
1−アミノ−4−フルオロ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例14f,0.5g,2.717mmol)のメタノール(20mL)中溶液にイソバレルアルデヒド(0.257g,2.988mmol)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.256g,4.075mmol)を添加した。混合物を25℃で20時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,20%酢酸エチルinヘキサン)で精製して、所望の生成物、4−フルオロ−1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(0.264g,1.039mmol,収率38.2%)を黄色油状液体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:0.91(3H,s),0.93(3H,s),1.38−1.45(2H,m),1.63−1.80(1H,m),3.00−3.05(2H,m),4.74−4.76(1H,m),5.29(1H,d,J=10.4Hz),5.38(1H,d,J=18.8Hz),5.94−6.03(1H,m),6.52−6.56(1H,m),6.79−6.81(1H,m)。
h)1−[(2−メトキシカルボニル−アセチル)−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−4−フルオロ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
4−フルオロ−1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例14g,0.24g,0.944mmol)を無水1,4−ジオキサン(10mL)に溶解させ、窒素雰囲気下で塩化メチルマロニルを添加した。反応混合物を100℃に1時間加熱した。25℃に冷却しながら、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、生成物を50%酢酸エチル/ヘキサンで抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の所望の生成物、1−[(2−エトキシカルボニル−アセチル)−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−4−フルオロ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(0.335g,0.944mmol,収率100%)を浅黄色油状液体として得た。この油状液体は精製せずに次のステップで用いた。H NMR(400MHz,CDCl) δ:0.90(3H,d,J=4.6Hz),0.92(3H,d,J=5.2Hz),1.37−1.46(1H,m),1.54−1.64(1H,m),1.69−1.78(1H,m),3.13(2H,d,J=3.1Hz),3.70(3H,s),4.16−4.26(2H,m),4.73(2H,d,J=5.5Hz),5.28−5.31(1H,m),5.37(1H,dd,J=17.2Hz,J=1.6Hz),5.91−6.01(1H,m),6.69−6.76(2H,m)。
i)6−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル
Figure 2009544575
1−[(2−エトキシカルボニル−アセチル)−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−4−フルオロ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例14h,0.318g,0.898mmol)のエタノール(10mL)中溶液に、ナトリウムエトキシドの21%エタノール溶液(0.728g,2.245mmol)を添加し、混合物を40℃で16時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,20%酢酸エチルinヘキサン、その後10%メタノールinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物、6−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル(0.137g,0.441mmol,収率49.1%)を黄色油状液体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:0.99(3H,s),1.00(3H,s),1.44(3H,t,J=7.0Hz),1.58−1.63(2H,m),1.67−1.75(1H,m),4.18−4.22(2H,m),4.44(2H,四重線,J=7.1Hz),6.55(1H,m),7.04(1H,m)。
j)6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン
Figure 2009544575
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル(実施例14i,136.7mg,0.441mmol)と2−アミノ−5−ヨード−ベンゼンスルホンアミド(実施例4a,131.3mg,0.441mmol)を無水ピリジン(2mL)中で混合し、120℃で3時間加熱した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(200μL)を添加し、混合物を120℃で16時間加熱した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,20%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物、6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(0.047g,0.086mmol,収率19.5%)を濃い紫色の固体として得た。LC−MS(ESI) C1918FINSに対する計算値 544.01、測定値 544.97[M+H]。
k)N−{3−[6−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−1−(3−メチル−ブチル)−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−2−オン(実施例14j,0.047g,0.086mmol)、三リン酸カリウム(0.055g,0.258mmol)、サルコシン(0.0046g,0.0516mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.0066g,0.0344mmol)を合わせた。無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)を添加し、次にメタンスルホンアミド(0.0245g,0.258mmol)を添加した。フラスコを窒素でパージし、混合物を100℃で16時間攪拌した。冷却しながら、混合物をCelite(登録商標)を通して濾過し、酢酸エチルで洗滌し、溶媒を減圧下で除去した。分取HPLC(カラムLuna 5μ C18(2) 100Å size 150×21.2mm,5μm,11分かけて40%−95% @流速25mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水)で精製して、所望の生成物、N−{3−[6−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.0068g,0.0133mmol,収率15.4%)を固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:0.96(3H,s),0.97(3H,s),1.53−1.59(2H,m),1.66−1.76(1H,m),3.07(3H,s),4.32(2H,t,J=7.5Hz),6.83(1H,bs),7.51−7.63(3H,m),8.06(1H,bs),10.17(1H,bs)。LC−MS(ESI) C2022FNに対する計算値 511.10、測定値 512.3[M+H]。
実施例15:N−{3−[6−シアノ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
a)4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル
Figure 2009544575
4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステルを、Can.J.Chem.,59,2673−76(1981)に記載された方法で調製した。1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(2.00g,16.00mmol)をアセトニトリル(5mL)中で溶解させ、溶液を−20℃に冷却した。クロロスルホニルイソシアネート(3.40g,24.00mmol)をアセトニトリル(5mL)中で溶解させ、シリンジを介して5分間かけて上記溶液に滴下した。溶液を25℃まで昇温し、20時間攪拌した。溶液を0℃に冷却し直し、N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)を添加し、溶液を50℃に15分間加熱した。反応混合物を氷中に投じ、クロロホルムで抽出し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,40%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物、4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(1.09g,7.265mmol,収率45.4%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:3.91(3H,s),7.12(1H,t,J=2.0Hz),7.40−7.41(1H,m),9.60(1H,bs)。FT−IR(ATR)νmax(neat):2228,1691cm−1
b)1−アミノ−4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル
Figure 2009544575
固体塩化アンモニウム(5.8g,109.4mmol)をジエチルエーテル(300mL)中に懸濁し、懸濁液を−5℃に冷却した。これに29.56%の水酸化アンモニウム水溶液(16mL)と6.15%の漂白水溶液〔“クロロックス(Chlorox)”,240mL〕を15分間かけて添加した。混合物を−5℃で30分間攪拌し、次に分液操作を行った。有機相をブラインで洗滌し、硫酸ナトリウムで濾過し、−5℃で固体塩化カルシウムと共に保存した。4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(実施例15a,1.09g,7.265mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中に溶解させ、水素化ナトリウムの60%鉱油分散液(0.378g,9.445mmol)を添加した。25℃で1時間攪拌した後、上述のモノクロラミンの約0.36Mエーテル溶液(26mL,9.445mmol)を添加し、25℃で2時間攪拌した。反応を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、次に水を用いて終結させた。分液操作を行い、水相をジエチルエーテルで抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の所望の生成物、1−アミノ−4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステルを得た。この生成物は精製せずに次のステップで用いた。H NMR(400MHz,CDCl) δ:3.88(3H,s),5.67(2H,bs),7.07(1H,d,J=1.7Hz),7.37(1H,d,J=1.7Hz)。
c)4−シアノ−1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル
Figure 2009544575
粗製の1−アミノ−4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(実施例15b,0.60g,3.635mmol)とイソバレルアルデヒド(0.313g,3.635mmol)をイソプロパノール(15mL)中に溶解させ、50℃で72時間加熱した。溶媒を減圧下で除去することにより、イミンを黄色がかった油状液体として得た。中間体をメタノール(20mL)中に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(0.206g,5.453mmol)を添加した。25℃で30分間攪拌した後、反応を1.0M水酸化ナトリウム溶液を用いて終結させた。水相を酢酸エチルで抽出し、集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,40〜63μm,40%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物、4−シアノ−1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(0.604g,2.591mmol,収率71.3%)を黄色がかった油状液体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:0.92(3H,s),0.94(3H,s),1.37−1.43(2H,m),1.64−1.74(1H,m),2.99−3.04(2H,m),3.88(3H,s),6.40(1H,t,J=6.3Hz),7.09(1H,d,J=1.5Hz),7.36(1H,d,J=2.2Hz)。LC−MS(ESI) C1217に対する計算値 235.13、測定値 236.3[M+H]。
d)4−シアノ−1−[(2−エトキシカルボニル−アセチル)−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル
Figure 2009544575
4−シアノ−1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(実施例15c,0.600g,2.552mmol)の無水1,4−ジオキサン(25mL)溶液に、塩化メチルマロニル(0.383g,2.807mmol)を添加し、反応混合物を100℃で3時間加熱した。冷却しながら、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を用いて反応を終結させ、50%酢酸エチル/ヘキサン(3×30mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の所望の生成物、4−シアノ−1−[(2−エトキシカルボニル−アセチル)−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステルを黄色がかった油状液体として得た。この油状液体は精製せずに次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C1621に対する計算値 335.15、測定値 336.4[M+H]。
e)6−シアノ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル
Figure 2009544575
粗製の4−シアノ−1−[(2−エトキシカルボニル−アセチル)−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸メチルエステル(実施例15d,2.552mmol)のエタノール(30mL)溶液にナトリウムエトキシドの21%エタノール溶液(2.07g,6.380mmol)を添加し、混合物を40℃で16時間加熱した。冷却しながら、混合物の反応を1.0M塩酸とブラインで終結させた。水性混合物を酢酸エチルで抽出し、集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗製の所望の生成物、6−シアノ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステルを黄色固体として得た。この固体は精製せずに次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C1619に対する計算値 317.14、測定値 318.3[M+H]。FT−IR(ATR)νmax(neat):2231,1642,1610cm−1
f)N−{3−[6−シアノ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
6−シアノ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル(実施例15e,0.25g,0.788mmol)と2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(実施例3d,0.209g,0.788mmol)とのピリジン(4mL)溶液を120℃に3時間加熱した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(200μL)を添加し、混合物を120℃で16時間加熱した。反応混合物をシリカゲルのプラグに通し、50%→100%酢酸エチルinヘキサンで溶出させた。溶媒を減圧下で除去し、分取HPLC(カラムLuna 5μ Cl8(2) 100Å size 150×21.2mm,5μm,11分かけて40%−95% @流速25mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水)で精製することにより、所望の生成物、N−{3−[6−シアノ−4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.0275g,0.0531mmol,収率6.7%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:0.94(3H,s),0.96(3H,s),1.17−1.23(2H,m),1.51−1.57(2H,m),1.65−1.75(1H,m),5.74(1H,s),3.05(3H,s),7.40(1H,s),7.49−7.57(3H,m),8.51(1H,s),10.12(1H,s),13.75(1H,s)。LC−MS(ESI) C2122に対する計算値 518.10、測定値 519.4[M+H]。
実施例16:N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
a)1−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸(実施例8i,0.1g,0.3mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中に溶解させた。1−(3−メチル−ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例1c,0.07g,0.3mmol)を添加し、次に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.06g,0.315mmol)を添加した。その後、N−メチルモルホリン(0.07mL,0.63mmol)を上記反応混合物に添加した。混合物を25℃で4時間攪拌した。溶液を1.0M塩酸(50mL)中に投じた。水相を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗製の所望の生成物、1−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(0.3mmol)を黄色油状液体として得た。この油状液体は精製せずに次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C2430に対する計算値 550.16、測定値 551.6[M+H]。
b)N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
粗製の1−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例16a,0.3mmol)をエタノール(3mL)中に溶解させた。ナトリウムエトキシドの21%エタノール溶液(0.448mL,1.2mmol)を上記溶液に添加した。混合物を60℃で4時間攪拌した。25℃へ冷却しながら、混合物を1.0M塩酸(50mL)中に投じた。水相を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、黄色固体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Teledyne Isco RediSep;20%酢酸エチルinヘキサンから100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物、N−{3−[4−ヒドロキシ−1−(3−メチル−ブチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(20mg,0.04mmol,2つのステップにわたっての収率13%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ:1.05(6H,d,J=6.6Hz),1.64−1.81(3H,m),3.11(3H,s),4.24−4.31(2H,m),5.53(1H,s),6.41−6.46(1H,m),6.97−7.10(3H,m),7.30−7.33(1H,m),7.60−7.64(1H,m),7.70−7.72(1H,m)。LC−MS(ESI) C2124に対する計算値 492.11、測定値 493.3[M+H]。
実施例17:N−{3−[1−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ −ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
a)2−クロロ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド
Figure 2009544575
塩化チオニル(11mL)と2−クロロ−5−ニトロ−ベンゼンスルホン酸(4.78g,20.1mmol)の溶液に、N,N−ジメチルホルムアミド(0.92μL)を添加し、反応混合物を加熱して4時間還流させた。冷却しながら、反応混合物をトルエン(2〜3回)と共沸させた。塩化スルホニルを最少量のトルエン中に溶解させ、次に濃水酸化アンモニウム水溶液(25mL)とテトラヒドロフラン(25mL)の混合液に−10℃で添加した。2時間攪拌した後、pHが4に到達するまで6.0M塩酸を添加することにより反応を終結させた。分液操作を行い、有機相を減圧下で濃縮してスラリーとした。ペンタンを添加し、生成物を減圧濾過することにより単離して、所望の生成物、2−クロロ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド(2.0g,8.48mmol,収率42.4%)を固体として得た。
別の方法としては、2−クロロ−5−ニトロベンゼンスルホンアミドは以下のようにして調製することができる。
4−クロロニトロベンゼン(10g,63.5mmol)をフラスコ中に仕込み、次にクロロスルホン酸(21.1mL,317mmol)を添加して、120℃で100時間加熱した。反応混合物を、8.0N水酸化アンモニウム水溶液(200mL)を含有する氷(300mL)中に投じて反応を終結させ、混合物を25℃で18時間攪拌した。所望の生成物を酢酸エチル(400mL)で抽出し、Merckシリカゲル60(40〜63μm)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。70℃で2時間、粗生成物をトルエン(70mL)中でスラリー化した後、濾過し、所望の生成物、2−クロロ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(4.75g,20.1mmol,収率29%)を濃い茶色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:7.94(d,1H,J=8.8Hz),7.97(bs,2H),8.40(dd,1H,J=8.6Hz,J=3.1Hz),8.64(d,1H,J=3.1Hz)。
b)2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド
Figure 2009544575
2−クロロ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド(実施例17a,0.88g,3.72mmol)、炭酸アンモニウム(0.88g,9.16mmol)、及び硫酸銅(II)(0.175g,1.10mmol)の濃水酸化アンモニウム水溶液(4.4mL)中混合物を、耐圧反応容器中、120℃で4時間加熱した。混合物を25℃まで冷却し、得られた固体を減圧濾過で回収し、水洗し、乾燥させて、所望の生成物、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド(0.295g,1.36mmol,収率36.5%)を黄褐色固体として得た。
別の方法としては、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミドは以下のようにして調製することができる。4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム塩(20.00g,83.27mmol)のスルホラン(83mL)中懸濁液に、オキシ塩化燐(23mL,249.82mmol)を25℃でゆっくり添加した。混合物を120℃で3.5時間加熱し、25℃まで冷却し、ジクロロメタン(300mL)で希釈した。混合物を濾過し、沈殿物をジクロロメタン(200mL)で洗滌した。濾液を、氷浴中で冷却しながらアンモニアガスで10分間処理し、その後25℃で5分間攪拌した。黄色の固体を減圧濾過で回収し、沈殿物をさらにジクロロメタン(300mL、その後200mL)、及び冷水(2×150mL)で洗滌し、減圧下、60℃で16時間乾燥させて、所望の生成物、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド(8.06g,37.14mmol,収率44%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:6.89(d,J=9.3Hz,1H),7.12(bs,2H),7.57(bs,2H),8.07(dd,J=9.0Hz,J=2.6Hz,1H),8.43(d,J=3.0Hz,1H)。
別の方法としては、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミドは以下のようにして調製することができる。4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム塩(20.00g,83.27mmol)のスルホラン(83mL)中懸濁液に、オキシ塩化燐(23mL,249.82mmol)を25℃でゆっくり添加した。混合物を120℃で3.5時間加熱し、25℃まで冷却し、トルエン(300mL)で希釈した。混合物を濾過し、沈殿物をトルエン(200mL)で洗滌した。濾液を、氷浴中で冷却しながらアンモニアガスで10分間処理し、その後25℃で5分間攪拌した。黄色の固体を減圧濾過で回収し、沈殿物をさらにトルエン(300mL、その後200mL)、及び冷水(2×150mL)で洗滌し、減圧下、60℃で16時間乾燥させて、所望の生成物、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド(7.39g,34.05mmol,収率41%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:6.89(d,J=9.3Hz,1H),7.12(bs,2H),7.57(bs,2H),8.07(dd,J=9.0Hz,J=2.6Hz,1H),8.43(d,J=3.0Hz,1H)。
別の方法としては、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミドは以下のようにして調製することができる。2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホン酸(3.00g,13.75mmol)のスルホラン(10mL)中懸濁液にオキシ塩化燐(3.43mL,37.47mmol)を25℃でゆっくり添加した。混合物を120℃で3.5時間加熱し、25℃まで冷却し、ジクロロメタン(50mL)で希釈した。混合物を濾過し、沈殿物をジクロロメタン(50mL)で洗滌した。濾液を、氷浴中で冷却しながらアンモニアガスで10分間処理し、その後25℃で5分間攪拌した。黄色の固体を減圧濾過で回収し、沈殿物をさらにジクロロメタン(2×50mL)、及び冷水(2×50mL)で洗滌し、減圧下、60℃で16時間乾燥させて、所望の生成物、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド(1.46g,6.73mmol,収率49%)を茶色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:6.89(d,J=9.1Hz,1H),7.19(bs,2H),7.37(bs,2H),8.07(dd,J=8.9Hz,J=2.3Hz,1H),8.43(d,J=3.0Hz,1H)。
別の方法としては、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミドは以下のようにして調製することができる。2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホン酸(3.00g,13.75mmol)のスルホラン(10mL)中懸濁液に、オキシ塩化燐(3.43mL,37.47mmol)を25℃でゆっくり添加した。混合物を120℃で3.5時間加熱し、25℃まで冷却し、25℃で水酸化アンモニウム水溶液(30mL)中にゆっくり投じた。溶液のpHを約6〜7に調整すると、固体が沈殿した。固体を減圧濾過で回収し、沈殿物を水(100mL)で洗滌し、減圧下、60℃で16時間乾燥させ、所望の生成物、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド(1.87g,8.62mmol,収率63%)を黄−茶色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:6.89(d,J=9.1Hz,1H),7.19(bs,2H),7.37(bs,2H),8.07(dd,J=8.9Hz,J=2.3Hz,1H),8.43(d,J=3.0Hz,1H)。
c)2,5−ジアミノベンゼンスルホンアミド
Figure 2009544575
2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド(実施例17b,10g,46.08mmol)と10%パラジウム炭(約1g)のテトラヒドロフラン(250mL)中混合物を、バルーンを介して気体水素1気圧下、25℃で26時間水添した。その後混合物をCelite(登録商標)を通して濾過し、テトラヒドロフランで洗滌し、溶媒を減圧下で除去することにより、所望の生成物を得た。触媒/Celite(登録商標)混合物を、メタノール(400mL)中で16時間スラリー化し、濾過し、溶媒を減圧下で除去することにより、第二バッチの所望の生成物、2,5−ジアミノベンゼンスルホンアミド(合計:7.79g,41.65mmol,収率90.4%)を薄茶色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:4.54(2H,bs),4.98(2H,bs),6.55−6.60(2H,m),6.87(1H,d,J=2.2Hz),6.99(2H,bs)。LC−MS(ESI) CSに対する計算値 187.04、測定値 188.3[M+H]。
別の方法としては、2,5−ジアミノベンゼンスルホンアミドは以下のようにして調製することができる。
i)2−ベンジルアミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2009544575
2−クロロ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(20g,84.52mmol)のアセトニトリル(169mL)中溶液をベンジルアミン(13.85mL,126.78mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(29.44mL,169.04mmol)で処理し、55℃で16時間攪拌した。反応系を25℃に冷却し、水(1.0L)に投じ、その後攪拌しながら氷浴中に置いた。4時間後、沈殿物を濾別し、母液で洗滌することにより、所望の生成物、2−ベンジルアミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(21.65g,70.45mmol,収率83.3%)を黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:4.64(2H,d,J=4.6Hz),6.81(1H,d,J=9.4Hz),7.23−7.44(6H,m),7.77(2H,bs),8.11(1H,dd,J=9.4Hz,J=2.3Hz),8.49(1H,d,J=3.1Hz)。LC−MS(ESI) C1313Sに対する計算値 307.06、測定値 308.2[M+H](100%)、615.2[2M+H](81%)。
ii)2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2009544575
2−ベンジルアミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(実施例17ci,15g,48.81mmol)及び5%パラジウム活性炭粉体(wet,通常は50%水,6g)のメタノール(500mL)中混合物を55℃に加熱した。攪拌しながら混合物を脱気し、バルーンを介してフラスコに気体水素を仕込んだ。気体水素1気圧下で16時間攪拌した後、反応系をCelite(登録商標)を通して濾過し、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物、2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミド(8.55g,45.67mmol,収率93.6%)を黄褐色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:4.56(2H,bs),4.98(2H,bs),6.58−6.59(2H,m),6.87(1H,d,J=1.6Hz),7.00(2H,s)。LC−MS(ESI) CSに対する計算値 187.04、測定値 188.2[M+H](100%)。
d)2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2009544575
2,5−ジアミノベンゼンスルホンアミド(実施例17c,11.16g,59.61mmol)をアセトニトリル(300mL)中で溶解させ、ピリジン(7.07g,89.41mmol)を添加した。塩化メタンスルホニル(7.17g,62.59mmol)を10分かけて滴下し、反応混合物を25℃で16時間攪拌した後、沈殿物が形成された。大部分のアセトニトリルを減圧下で除去し、水(200mL)を添加することにより、透明な溶液を得た。生成物はゆっくりと沈殿し始め、混合物は3時間、氷浴中に置いた。沈殿物を減圧濾過で回収し、高減圧下乾燥させて、所望の生成物、2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(実施例3d及び3d’においても生成される)(11.1g,41.84mmol,収率70.2%)を茶色の固体として得た。H NMR(400MHz,CDOD) δ:2.89(3H,s),6.82(1H,d,J=8.5Hz),7.20(1H,dd,J=8.5Hz,J=2.5Hz),7.58(1H,d,J=2.5Hz)。LC−MS(ESI) C11に対する計算値 265.02、測定値 266.0[M+H]。
e)N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステル
Figure 2009544575
2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(実施例17d,23.27g,87.81mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド(100mL)とジエチルエーテル(100mL)中に溶解させた。3−クロロ−3−オキソ−プロピオン酸エチル(13.88g,92.20mmol)を添加し、反応混合物を25℃で1時間攪拌した。反応混合液を酢酸エチル(400mL)で希釈し、水(400mL)で抽出した。水相を酢酸エチル(2×200mL)で逆抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、大部分の溶媒を減圧下で除去して体積を約100mLとした。攪拌した溶液にヘキサン(約100mL)を添加すると沈殿物が形成された。沈殿物を減圧濾過で回収し、ヘキサンで洗滌し、高減圧下で乾燥させて、分析上は純粋な生成物、N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステル(31.22g,85.53mmol,収率97.4%)を薄茶色の固体として得た。H NMR(400MHz,CDOD) δ:1.31(3H,t,J=7.0Hz),3.00(3H,s),3.59(2H,s),4.25(2H,四重線,J=6.9Hz),7.42−7.45(1H,m),7.86(1H,m),7.92(1H,d,J=8.8Hz)。
別の方法としては、N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステルは以下のようにして調製することができる。
2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(実施例17d,175mg,0.66mmol)にマロン酸ジエチル(297mg,1.66mmol)を添加し、160℃で60分間加熱した。25℃まで冷却した後、酢酸エチル/ヘキサンの1:1混合液(5mL)を添加すると、白色固体が析出した。固体を減圧濾過で回収し、酢酸エチル/ヘキサンの1:1混合液で2度洗滌し、高減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物、N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステル(179mg,0.47mmol,収率72%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz,CDOD) δ:1.32(t,3H,J=7.0Hz),3.00(s,3H),3.60(s,2H),4.25(四重線,2H,J=6.8Hz),7.44(dd,1H,J=3.2Hz,J=8.4Hz),7.87(d,1H,J=5.6Hz),7.92(d,1H,J=8.4Hz)。LC−MS(ESI) C1217に対する計算値 379.05、測定値 380.1[M+H]。
f)N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイルフェニル)マロンアミド酸メチルエステル
Figure 2009544575
塩化メチルマロニル(9.05mL,84.4mmol)を、2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノベンゼンスルホンアミド(実施例17d,20.35g,76.7mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(90mL)中溶液に0℃で10分かけて滴下した。混合物を25℃まで昇温し、その温度で1時間攪拌した。次に重炭酸ナトリウム(7.09g,84.4mmol)の水(200mL)溶液を滴下漏斗で15分かけて添加し(気体の放出と穏やかな発熱が見られた)、その後さらに水(200mL)を素早く追加した。次に、得られた溶液に少量のN−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイルフェニル)マロンアミド酸メチルエステル(約15mg)を添加した。混合物を25℃で21時間攪拌すると、その間に黄褐色の沈殿物が形成された。この物質を濾過により回収し、水(150mL)で洗滌し、真空オーブン内で50℃で乾燥させることにより、所望の生成物、N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイルフェニル)−マロンアミド酸メチルエステル(24.33g,66.6mmol,収率87%)を黄褐色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:3.02(3H,s),3.60(2H,s),3.66(3H,s),7.38(1H,dd,J=2.3Hz,J=8.6Hz),7.53(2H,bs),7.73(1H,d,J=2.4Hz),7.83(1H,d,J=8.7Hz),9.43(1H,s),9.99(1H,s)。
g)(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸
Figure 2009544575
N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステル(実施例17e,9.55g,26.16mmol)を8%水酸化ナトリウム水溶液(262mL)中に溶解させ、100℃で1.5時間加熱した。反応混合物を0℃に冷却し、pHが1〜2に到達するまで12.0M塩酸をゆっくりと添加することにより溶液を酸性化した。沈殿物が形成され始めたら、懸濁液を30分間、0℃で攪拌した。沈殿物を減圧濾過で回収し、冷水で洗滌し、高減圧下で乾燥させることにより、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(7.20g,21.621mmol,収率82.6%)を桃色がかった固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:3.03(3H,s),3.56(2H,s),7.33(1H,d,J=9.1Hz),7.52−7.54(2H,m),10.09(1H,s),12.24(1H,s),13.02(1H,bs)。LC−MS(ESI) C1011に対する計算値 333.01、測定値 334.1[M+H]。
別の方法としては、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸は17fから以下のようにして調製することができる。N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイルフェニル)−マロンアミド酸メチルエステル(実施例17f,21.75g,59.53mmol)を水酸化ナトリウム水溶液(7.14g,178.5mmol;180mLの水に溶解させた)中に25℃で溶解させた。反応混合物を100℃に1時間加熱し、次に30分かけて0℃まで徐々に冷却した。12.0M塩酸(20mL,240mmol)を滴下漏斗で10分かけて滴下すると、黄褐色の沈殿物が形成された。混合物を25℃まで昇温し、その温度で21時間攪拌した。沈殿物を濾過によって回収し、水(150mL)で洗滌し、真空オーブン内で45℃で22時間乾燥させることにより、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(18.36g,55.1mmol,収率93%)を黄褐色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ:3.03(3H,s),3.56(2H,s),7.32−7.34(1H,m),7.51−7.54(2H,m),10.09(1H,s),12.26(1H,s),13.01(1H,bs)。LC−MS(ESI) C1011に対する計算値 333.01、測定値 334.1[M+H]。
h)1−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.11g,16.8mmol)を、1−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例1b,1.12g,6.74mmol)、3−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒド(1.32g,8.08mmol)及び酢酸(1.2mL)のメタノール(50mL)中溶液に25℃で添加した。反応混合物を25℃で18時間攪拌し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で反応を終結させ、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Teledyne Isco RediSep 40g,0→40%酢酸エチルinヘキサン)によって精製することにより、所望の生成物、1−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(1.36g,4.41mmol,収率65%)をオフホワイトの油状液体として得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ4.06(2H,d,J=5.5Hz),4.76(2H,d,J=5.3Hz),5.29(1H,d,J=11.0Hz),5.40(1H,d,J=16.4Hz),5.96−6.05(2H,m),6.58(1H,t,J=5.5Hz),6.76 1H,(t,J=1.9Hz),6.91(1H,dd,J=4.3Hz,J=1.8Hz),7.06(1H,t,J=8.6Hz),7.10−7.14(1H,m),7.33(1H,dd,J=7.1Hz,J=1.4Hz)。
i)1−{(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルメチル−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル
Figure 2009544575
1−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例17h,150.7mg,0.488mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中溶液に(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例17f,195.2mg,0.586mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(18.1mg,0.147mmol)、及び1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(114.5mg,0.586mmol)を添加した。25℃で12時間攪拌した後、混合物を酢酸エチルで希釈し、1.0M塩酸でpΗ1まで酸性化した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。集めた有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濾過し、濃縮し、乾燥させて、粗製の所望の生成物、1−{(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルメチル−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステルをかすかに黄色い油状液体として得た。粗製の所望の生成物は精製せずに次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C2523ClFNに対する計算値 623.07、測定値 624.2[M+H]。
j)N−{3−[1−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
Figure 2009544575
1−{(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルメチル−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸アリルエステル(実施例17i,304.5mg,0.488mmol)の無水エタノール(5mL)中溶液に、ナトリウムエトキシドの21%エタノール溶液(1.1mL,2.95mmol)を添加した。60℃で12時間攪拌した後、混合物を酢酸エチルで希釈し、1.0M塩酸で酸性化すると沈殿物が形成された。固体を減圧濾過で回収することにより、所望の生成物、N−{3−[1−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(88.5mg,0.156mmol、収率32%)をオフホワイトの固体として得た。濾液を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。集めた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ΗPLC精製(カラムLuna 5μ Cl8(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5μm,12分かけて25%−100% @流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水)によって粗混合物を精製することで、より多くの所望の生成物、N−{3−[1−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(18.4mg,0.033mmol,収率7%;全収率39%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d) δ3.06(3H,s),5.61(2H,s),6.57(1H,s),6.98(1H,s),7.37(2H,d,J=7.6Hz),7.52(1H,dd,J=8.5Hz,J=2.4Hz),7.59−7.68(4H,m),10.17(1H,s)。LC−MS(ESI) C2217ClFNに対する計算値 565.03、測定値 566.2[M+H]。
生物学的試験
式Iの化合物のHCV複製を阻害する能力は以下のインヴィトロでのアッセイによって実証することができる。
化合物のHCVポリメラーゼ阻害能を調べた。アッセイは、ストレプトアビジンで被覆した96ウェルフラッシュプレート(FlashPlate)において、20mM Tris−HCl(pH7.5)、5mMのMgCl、5mMジチオトレイトール、0.1g/Lウシ血清アルブミン、及び100U/mLのRNAse(リボヌクレアーゼ)阻害剤中の20nMの酵素、0.5μCiの[α−33P]GTP、0.6μMのGTP、及び250nMの5’ビオチン化オリゴ(biotinylated oligo)(rG13)/poly rCを用いて行った。28℃で75分経た後、吸引によって反応を止め、プレートを数回洗滌した。プレートの洗滌及び乾燥の後、取り込まれた放射能を、Microbetaシンチレーションカウンターを用いて計数した。IC50値は、阻害されていない対照に対する値として計算し、阻害率のデータは4−パラメータのIC50の方程式に当てはめた。非常に強力な阻害剤に対しては、データを、タイトバインディング二次方程式に当てはめてIC50値を得た。
式Iの化合物に対するテスト結果(IC50値)を表1にまとめる。表1中、「++」はNS5Bポリメラーゼ阻害率が、IC50値で0.10μM未満であり、「+」はIC50値が0.10μM〜3μMであることを意味する。
Figure 2009544575
HCVレプリコンアッセイ〔レプリコンEC 50 (μM)〕
アッセイにおける各細胞培養は、本質的に、Bartenschlagerら,Hepatology,35,694−703(2002)に記載されている方法に従って行われる。すなわち、指数関数的に増殖するHCV Huh−7/C24レプリコン細胞を4.5×10cells/ウェルの量で96ウェルプレート中に播種し、24時間後、6点半対数濃度(six point half−log concentration)の化合物で処理する。72時間曝露した後、培地を化合物のアッセイプレートから廃棄し、150μlの混合溶解剤(Genospectra)を添加し、45分間53℃でインキュベートすることによって細胞単層を溶解する。インキュベーションの後、溶解物をそれぞれよく混合し、次に、各溶解物のうち5μl(NS3プローブ)又は10μl(GAPDHプローブ)をキャプチャープレートに移し、bDNAアッセイによって分析する。
分岐DNA(bDNA)アッセイ
NS3[AJ242652]に対して提供されている配列に基づき、Genospectra(フリーモント,カリフォルニア,米国)により、(GAPDHと共に)これらの検体に対するプローブが設計され、合成された。細胞bDNA分析は、本質的にGenospectraのプロトコル〔詳細は、Shyamala,V.ら,Anal Biochem,266,140−7(1999)〕に記載されている方法に従って行われる。すなわち、キャプチャープレートに細胞溶解物を5又は10μl添加した後、標的に特異的なキャプチャーエキステンダー、ラベルエキステンダー及びブロッキングプローブを添加する。一晩アニーリングした後(この間に、キャプチャーエキステンダーとの相互作用を通じて標的RNAはプレートに捕捉される)、プレートを洗滌し、次にアンプリファイア(ラベルエキステンダーを介して結合する)及びラベルプローブを連続して添加する。
化学発光基質(ジオキセタン)を連続的に添加した後、各プレートを照度計(Wallac 1420 Multilabel HTS Counter Victor 2)で読み取る。発光シグナルは各溶解物中に存在するmRNAの量と比例している。サンプルに加え、細胞の溶解物のみ(プローブなし)のバックグラウンド対照(コントロール)も各bDNAアッセイプレートに含まれており、この対照ウェルからの平均シグナルを分析の前にサンプルの読み取り値から減じる。薬剤未使用の対照のパーセントは、NS3とGAPDHのシグナルの両方から決定され、各化合物に関しても同様である。阻害率(%)は薬剤未使用の対照と比較して各化合物の濃度から決定され、EC50が算出される。
上述の説明は、本質的に例示のため、かつ説明のためのものと解されるべきものであって、本発明とその好ましい実施形態を説明することを目的とするものである。通常の実験を通して、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、明白な改変や変法がなされることを認識するであろう。

Claims (25)

  1. 式Iの化合物:
    Figure 2009544575
    [式中、
    は独立に、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、−NR、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキル、アルケニル、アルキニル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、−(C−Cアルキレン)NR、−C(O)OH、−C(O)O(C−Cアルキル)、−C(O)NH(C−Cアルキル)、−C(O)(C−Cアルキル)、アリール又は1、2若しくは3個のN、O若しくはS原子を有するヘテロサイクリル(R及びRは独立にH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール若しくはヘテロサイクリルであるか、又はRとRは、それらが結合しているN原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環を形成する)から選択される1〜3個の部分であり;
    は水素、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキル、アルケニル、アルキニル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、アリール、又は1、2若しくは3個のN、O若しくはS原子を有するヘテロサイクリルであり;
    は水素又はC−Cアルキルであり;
    は下記:
    Figure 2009544575
    (式中、nは0、1又は2)
    から選択されるものであり;
    は水素又はC−Cアルキルであり;
    は水素、ハロ又はC−Cアルキルであり;
    環Aは、5又は6員環のアリール又はヘテロサイクリル基であって、1〜3個のR部分〔RはH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロサイクリル、ハロ、シアノ、ニトロ、OH、−O−アルキル、−O−(C−Cヒドロキシアルキル)、−O−(C−Cアルコキシ)、−O−(C−Cアルキレン)−シアノ、−O−(C−Cアルキレン)−C(O)R10、−OCHR10C(O)O−R11、−OCHR10C(O)NHOH、−O−(C−Cアルキル)−C(O)NR1112、−O−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)R11、−O−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)OR11、−O−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)NR1112、−OCHR10C(O)NR1112、−O−(C−Cアルキレン)−S(O)R10、−O−(C−Cアルキル)−S(O)10、−O−(C−Cアルキレン)−S(O)NR1112、−O−(C−Cアルキレン)−NR10S(O)NR1112、−O−(C−Cアルキレン)−NR10S(O)11、−O−(C−Cアルキレン)−S(O)10、−O−(C−Cアルキレン)−NR1112、−(C−Cアルキレン)−S(O)10、−(C−Cアルキレン)−S(O)NR1112、−(C−Cアルキレン)−S(O)R10、−(C−Cアルキレン)−C(O)R10、−(C−Cアルキレン)−C(O)NR1112、−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)R11、−(C−Cアルキレン)−NR10S(O)11、−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)OR11、−(C−Cアルキレン)−NR10C(O)NR1112、−(C−Cアルキレン)−NR10S(O)NR1112、−(C−Cアルキレン)−C(O)OR10、−(C−Cアルキレン)−NR1112、−NR1112、−NR11C(O)R12、−NR10S(O)11、−NR10S(O)NR1112、−C(O)R10、−S(O)R10、−S(O)10、又は−S(O)NR1112(式中、R10、R11及びR12は独立にH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール若しくはヘテロサイクリルであるか、又はR10とR11若しくはR11とR12は、それらが結合している原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環を形成する)である〕により置換されていてもよく;
    式中、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12の中で与えられた前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル又はヘテロサイクリル部分は、それぞれ任意にかつ独立に、
    アルキルアミン;
    アミノ;
    アリール、シクロアルキル、ヘテロサイクリル;
    −Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルアミン、C−Cジアルキルアミン、C−Cアルケニル、又はC−Cアルキニル(これらはそれぞれ1個以上のヘテロ原子が間に介在していてもよい);
    カルボキシル;
    シアノ;
    ハロ;
    ヒドロキシ;
    ニトロ;
    オキソ;
    −C(O)OH、−C(O)−(C−Cアルキル)、−C(O)−(C−Cシクロアルキル)、−C(O)−(アリール)、−C(O)−(ヘテロサイクリル)、−C(O)−(C−Cアルキレン)アリール、−C(O)−(C−Cアルキレン)ヘテロサイクリル、−C(O)−(C−Cアルキレン)シクロアルキル、−C(O)(C−Cアルキル)、−C(O)(C−Cシクロアルキル)、−C(O)(アリール)、−C(O)(ヘテロサイクリル)、−C(O)(C−Cアルキレン)アリール、−C(O)(C−Cアルキレン)ヘテロサイクリル、及び−C(O)(C−Cアルキル)シクロアルキルから選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
    前記任意の置換基は、さらに、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、C−Cアルキルアミン、C−Cジアルキルアミン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル及びC−Cヒドロキシアルキルから選択される1〜5個の置換基によって置換されていてもよく、これらの置換基中、アルキルは、それぞれ1個以上のハロ置換基で置換されていてもよい]、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、互変異性体若しくは立体異性体。
  2. が水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、−NR、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキル、アルケニル、アルキニル、C−Cアルコキシ、−(C−Cアルキレン)NR、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)R、アリール又は1、2若しくは3個のN、O若しくはS原子を有するヘテロサイクリル(R及びRは独立にH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール若しくはヘテロサイクリルであるか、又はRとRは、それらが結合しているN原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環を形成する)から選択される請求項1記載の化合物。
  3. が以下の基:
    Figure 2009544575
    (式中、R13、R14及びR15は独立に、水素、アルキルアミン、アミノ、アリール、シクロアルキル、ヘテロサイクリル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、カルボキシル、シアノ、ハロ及びヒドロキシルから選択されるか、又はR13とR14は、それらが結合しているN原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環を形成する)から選択される請求項1記載の化合物。
  4. が水素、フルオロ、シアノ及びメチルから選択される請求項1記載の化合物。
  5. がC−Cシクロアルキル、C−Cアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール及び1、2若しくは3個のN、O、若しくはS原子を有するヘテロサイクリルから選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル又はヘテロサイクリル部分はそれぞれ任意にかつ独立に、アリール、シクロアルキル、ヘテロサイクリル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルアミン、C−Cアルケニル、又はC−Cアルキニル(これらはそれぞれ1個以上のヘテロ原子が間に介在していてもよく、シアノ又はハロ基によって置換されていてもよい)から選択される1〜3個の置換基により置換されていてもよい、
    請求項1記載の化合物。
  6. が以下の基:
    Figure 2009544575
    (式中、XはO又はSであり、n=0、1又は2である)
    から選択される請求項1記載の化合物。
  7. が以下の基:
    Figure 2009544575
    から選択される請求項6記載の化合物。
  8. が以下の基:
    Figure 2009544575
    から選択される請求項6記載の化合物。
  9. 及びRが独立に水素、メチル及びエチルから選択される請求項1記載の化合物。
  10. が水素、フルオロ、メチル及びエチルから選択される請求項1記載の化合物。
  11. nが2である請求項1記載の化合物。
  12. 環Aが下記基:
    Figure 2009544575
    〔式中、XはS、O、NH又は−N(C−Cアルキル)である〕
    から選択される請求項1記載の化合物。
  13. 環Aが下記基:
    Figure 2009544575
    から選択される請求項12記載の化合物。
  14. 環Aは、下記:
    Figure 2009544575
    〔式中、Rは水素、−(C−Cアルキレン)−S(O)NR1112、−(C−Cアルキレン)−S(O)R10、−(C−Cアルキレン)−S(O)10、−NR10S(O)11又は−NR10S(O)NR1112
    である請求項13記載の化合物。
  15. が以下の基:
    Figure 2009544575
    〔式中、nは0から6の整数であり、mは1から6の整数であり、R16、R17及びR18は独立に水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール及びヘテロサイクリルから選択されるか、又はR16とR17若しくはR17とR18はそれらが結合している原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環を形成しており、R19は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル−S(O)10又は−S(O)NR1112(式中、R10、R11及びR12は独立に水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール若しくはヘテロサイクリルから選択されるか、又はR11とR12は、それらが結合しているN原子と結びついて5若しくは6員環のヘテロサイクリル環を形成する)である〕
    から選択される請求項1記載の化合物。
  16. 下記から選択される請求項1記載の化合物。
    Figure 2009544575
  17. 下記から選択される化合物。
    Figure 2009544575
  18. 請求項1記載の化合物及び薬学的に許容可能な基剤を含有する薬学的に許容可能な組成物。
  19. 治療上有効な濃度の請求項1記載の化合物へC型肝炎ウイルスを曝露することを含むC型肝炎ウイルスの複製を阻害する方法。
  20. C型肝炎ウイルスの構成要素を少なくとも一部有する細胞を請求項1記載の化合物を用いてインキュベートする該細胞の処理方法。
  21. 治療上又は予防上有効な量の請求項1記載の化合物を治療又は予防を必要とする哺乳動物に投与する、該哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染症を治療又は予防する方法。
  22. 前記哺乳動物はヒトである請求項21記載の方法。
  23. 追加の治療剤を前記哺乳動物に投与することをさらに含む請求項21記載の方法。
  24. 前記追加の治療剤は抗生物質、制吐剤、抗うつ剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗ウイルス剤、抗ガン剤、免疫調節剤、α−インターフェロン、β−インターフェロン、リバビリン、アルキル化剤、ホルモン、サイトカイン及びtoll様受容体モジュレーターからなる群から選択される請求項23記載の方法。
  25. 前記追加の治療剤はtoll様受容体モジュレーターである請求項23記載の方法。
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