<発明の詳細な説明>
下記用語が本願明細書で使用される際、下記用語は以下に説明する意味として用いている。
本明細書中、「含む(含有する)」(“comprising”)、「有する」(“having”)及び「含む(包含する)」(“including”)という用語は、オープンの、非限定的な意味で用いている。
「アルキル(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では直鎖、分枝又は環状部分(縮合状の二環及びスピロ環部分、及び橋かけ構造を有する二環及びスピロ環部分を含む)、あるいは上記部分の組み合わせの構造を有する、炭素数1〜12の一価の飽和炭化水素基を包含する。環部分を有するアルキル基は3以上の炭素原子を有していなければならない。
「アルキレン(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、アルキル基由来の、炭素数1〜12の2価の基(例えば−CH2CH2CH2CH2−等)を包含する。
「アルケニル(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、炭素数1〜12のアルキル部分(アルキル(基)は上記定義の通り)を包含し、上記アルケニル部分のE及びZ異性体を含む。
「アルキニル(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む、炭素数1〜12のアルキル部分(アルキル(基)は上記定義の通り)を包含する。
「アルコキシ(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、O−アルキル基(アルキル(基)は上記定義の通り)を包含する。
“Me”という語はメチル(基)を意味し、“Et”はエチル(基)を意味し、“Ac”はアセチル(基)を意味する。
「シクロアルキル(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、本願明細書で言及される、全体で3〜10個の炭素原子、好ましくは5〜8個の環内炭素原子を含んでいる、非芳香族の飽和又は部分飽和の、単環、又は、縮合環、スピロ環若しくは非縮合環である二環若しくは三環の炭化水素をいう。シクロアルキルの例としては、3〜7個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有する単環、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。シクロアルキルの具体例としては、限定されないが、以下のものに由来する基が挙げられる。
「アリール(基)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では芳香族炭化水素から一つの水素を取り除いた、全体で6〜10の炭素原子を含む有機基(例えばフェニル基又はナフチル基等)を包含する。
「ヘテロ環(基)(heterocyclic)」あるいは「ヘテロサイクリル(基)(heterocyclyl)」という用語は、特に断りがない限り、本明細書中では、O、S及びNから各々選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する芳香族ヘテロサイクリル基(例えばヘテロアリール(基))及び非芳香族ヘテロサイクリル基であって、各へテロサイクリル基は、環構造内に4〜10個の原子を含んでいるが、但しヘテロサイクリル基の環内に隣り合った二つの酸素原子は存在しない、という基を包含する。非芳香族ヘテロサイクリル(基)は、その環構造内に3つの原子しか有しない基も含んでいる。しかし芳香族ヘテロサイクリル(基)はその環構造内に少なくとも5つの原子を有していなければならない。ヘテロサイクリル基はベンゾ縮合(benzo−fused)環系を含む。4員環ヘテロサイクリル基の一例はアゼチジニル(アゼチジン由来)である。5員環ヘテロサイクリル基の一例はチアゾリルである。また10員環ヘテロサイクリル基の一例はキノリニルである。非芳香族ヘテロサイクリル基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキ
セパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H−インドリル及びキノリジニル基である。芳香族ヘテロサイクリル基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル及びフロピリジニルである。上に列挙した群から派生する基のような、上述の基は、可能であれば、C結合型でもN結合型でもよい。例えばピロール由来の基はピロール−1−イル(Nで結合)でもよく、ピロール−2−イル(Cで結合)でもよく、ピロール−3−イル(Cで結合)でもよい。さらに、イミダゾール由来の基はイミダゾール−1−イル(Nで結合)でもよく、イミダゾール−2−イル(Cで結合)でもよい。4〜10員環のヘテロ環基は環内の炭素、硫黄又は窒素原子が、環一つ当たり1〜2個のオキソ(基)で置換されていてもよい。2つの環炭素原子がオキソ部分で置換されたヘテロ環基の例は1,1−ジオキソ−チオモルホリニルである。4〜10員環へテロ環基の他の具体例としては、以下に限定されないが、以下のものから由来する基が挙げられる。
特に断りがない限り、「アルキル(基)」、「アルキレン(基)」、「アルケニル(基)」、「アルキニル(基)」、「アリール(基)」、「シクロアルキル(基)」又は「ヘテロサイクリル(基)」は、それぞれ独立に、アルキルアミン、アミノ、アリール、シクロアルキル、ヘテロサイクリル、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルアミン、C1−C6ジアルキルアミン、C2−C6アルケニル又はC2−C6アルキニル(これらはそれぞれ1個以上のヘテロ原子が間に介在していてもよい)、カルボキシル、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、−C(O)OH、−C(O)2−(C1−C6アルキル)、−C(O)2−(C3−C8シクロアルキル)、−C(O)2−(アリール)、−C(O)2−(ヘテロサイクリル)、−C(O)2−(C1−C6アルキレン)アリール、−C(O)2−(C1−C6アルキレン)ヘテロサイクリル、−C(O)2−(C1−C6アルキレン)シクロアルキル、−C(O)(C1−C6アルキル)、−C(O)(C3−C8シクロアルキル)、−C(O)(アリール)、−C(O)(ヘテロサイクリル)、−C(O)(C1−C6アルキレン)アリール、−C(O)(C1−C6アルキレン)ヘテロサイクリル及び−C(O)(C1−C6アルキレン)シクロアルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、これらの任意の置換基はそれぞれ、さらに、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、C1−C6アルキルアミン、C1−C6ジアルキルアミン、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルケニル及びC1−C6ヒドロキシアルキルから選択される1〜5個の置換基によって置換されていてもよく、これらの置換基中、アルキルはそれぞれ1個以上のハロ置換基(例えばCF3)で置換されていてもよい。
「免疫調節剤」という用語は、刺激又は抑制(suppression)を通して正常な又は異常な免疫系を調節(modifying)する能力のある天然物又は合成物をいう。
「予防(する)」(preventing)という用語は、本願明細書で特定する疾患を有していると診断された患者又は患畜、あるいは当該疾患が発症する危険性がある患者又は患畜において、当該疾患を予防する本発明の化合物又は組成物の能力をいう。「予防(する)」という用語はまた、上記疾患を既に患っている、あるいは上記疾患の兆候を有している患者又は患畜において、疾患が更に進行しないよう防ぐことも包含している。
「患者・患畜(patient)」又は「対象(subject)」という用語は、動物(例えばウシ、ウマ、羊、豚、鶏、七面鳥、ウズラ、猫、犬、マウス、ラット、ウサギ、モルモット等)又は哺乳動物を意味し、キメラ動物及び哺乳動物、並びに形質転換動物及び哺乳動物も包含する。HCV感染症の治療又は予防において、「患者・患畜(patient)」又は「対象(subject)」という用語は、好ましくはサル又はヒトであり、最も好ましくはヒトを意味する。ある特定の実施形態において、患者・患畜又は対象はC型肝炎ウイルスに感染している、又はC型肝炎ウイルスに曝されている。ある実施形態においては、患者はヒトの乳幼児(0〜2歳児)、子供(2〜17歳)、青年(12〜17歳)、成人(18歳以上)又は老人(70歳以上)の患者である。さらに、上記患者又は患畜にはHIV陽性の患者又は患畜、癌患者又は患畜、免疫療法又は化学療法にて治療中の患者又は患畜等といった免疫不全(immunocompromised)患者又は患畜が含まれる。ある特定の実施形態においては、上記患者又は患畜は健常者(健常体)、すなわち他のウイルス感染の兆候を示していない個人(個体)である。
「治療上有効な量」という用語は、本発明の化合物の、ウイルス性疾患の治療若しくは予防における利益をもたらすのに充分な量、又はウイルス感染症若しくはウイルス誘導疾患に関連する症状を遅延若しくは最小化するのに充分な量、又は疾患若しくは感染症、若し
くはその原因を治療若しくは改善するのに充分な量をいう。特に、治療上有効な量は、インビボで治療上の効能をもたらすのに充分な量を意味する。本発明の化合物の量に関して用いる場合には、上記用語は好ましくは、総治療率(overall therapy)を向上させる無毒性量、疾患の症状や原因を減少又は回避する無毒性量、あるいは、他の治療剤の治療効能又は他の治療剤との相乗効果を高める無毒性量を包含する。
「予防上有効な量」という用語は、本発明の化合物又は他の有効成分の、ウイルス感染症の感染、再発又は蔓延を防止するのに充分な量をいう。予防上有効な量は、初期感染、又は感染症の再発若しくは蔓延、又は感染に伴う疾患を防止するのに充分な量をいう場合もある。本発明の化合物の量に関して用いる場合には、上記用語は好ましくは、総予防率(overall prophylaxis)を向上させる無毒性量、あるいは、他の予防剤若しくは治療剤の予防効能、又は他の予防剤若しくは治療剤との相乗効果を高める無毒性量を包含する。
「組み合わせ(て)(in combination)」という語は、それぞれの効能が相加的又は相乗的になるよう、同時に又は逐次的に2種以上の予防剤及び/又は治療剤を使用することをいう。
「治療(する)(treating)」という用語は、
(i)疾患、異常及び/又は身体不調が生じ易い傾向があるが、未だ発症しているとは診断されていない動物において、該疾患、異常又は身体不調を発生させないようにすること、
(ii)該疾患、異常又は身体不調を抑止する、すなわち、その発生を阻止すること、並びに、
(iii)該疾患、異常又は身体不調を和らげる、すなわち、該疾患、異常及び/又は身体不調を退縮させること
をいう。
R”及び“S”という用語は、描かれた化学構造中の不斉炭素原子における置換基の特定の立体化学的配置を示すものである。
“rac”という用語は、化合物がラセミ化合物であることを示したものである。ラセミ化合物とは一対のエナンチオマーの等モル混合物として定義される。“rac”化合物は光学活性を示さない。ラセミ化合物の化学名又は式は、(±)−若しくはrac−(若しくはracem−)という接頭辞、又は、RS及びSRという符号によりエナンチオマーと区別することができる。
「エンド(endo)」及び「エキソ(exo)」という用語は、ビシクロ[x.y.z]アルカン(x≧y>z>0)中の橋頭原子ではない原子に結合した置換基の相対的な向きを表す言葉である。
「シン(syn)」及び「アンチ(anti)」という用語は、ビシクロ[x.y.z]アルカン(x≧y>z>0)中の橋頭原子に結合した置換基の相対的な向きを表す言葉である。
“exo”という言葉は、最も大きな番号のついた橋(z橋、例えば下記例のC−7)側に向いた置換基(例えば下記に示す例において、C−2に結合したBr基)に付される。もしその置換基が最も大きな番号のついた橋から離れる側に向いている場合には、その置換基には“endo”という言葉が付される。
“syn”という言葉は、最も大きな番号のついた橋(z橋)に結合した置換基(例えば下記に示す例において、C−7に結合したF)に付され、最も小さな番号のついた橋(x橋、例えば下記例のC−2やC−3)側に向いている。もしその置換基が最も小さな番号のついた橋から離れる側に向いている場合には、その置換基には“anti”という言葉が付される。
「シス(cis)」及び「トランス(trans)」という言葉は、二重結合によって結ばれている異なる原子、又は環構造に含まれている異なる原子に結合した2つの配位子の関係を示す言葉である。2つの配位子が面の同じ側にある場合には、その2つの配位子は互いにシスの位置にあると言われる。2つの配位子が相対する側にある場合、その相対的な位置はトランスであるとされる。二重結合の適切な基準面は、関連するσ結合の面に垂直で、二重結合を通る面である。環の場合、基準面は環の中央面である。
本発明の化合物は互変異性現象を示すものであってもよい。式Iは、すべての考えうる互変異性形態を明確には描いていないものの、描かれた化合物のあらゆる互変異性形態を表すことを意図しているものと解されるべきものであって、式に描かれた特定の化合物に単に限定されるものではない。図解のために示すと、互変異性体の範囲を決して限定するものではないものの、式Iの化合物は以下のような形で存在することができる。
あるいは、式Iの化合物は次のように存在することもできる。
本発明の化合物は、単一の立体異性体(すなわち、本質的に他の立体異性体を含まないもの)であってもよく、ラセミ化合物であってもよく、且つ/又は、エナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物であってもよい。そのような単一の立体異性体、ラセミ化合物及びその混合物は全て、本発明の範囲に属することを意図している。好ましくは本発
明の光学活性を有する化合物は光学的に純粋な形態で使用される。
当業者によって一般的に理解されるように、1つの不斉中心(すなわち1つの不斉炭素原子)を有する光学的に純粋な化合物は、2つの可能なエナンチオマーのうちの1つから本質的に成る〔すなわち、鏡像異性的に純粋(enantiomerically pure)である〕。また2つ以上の不斉中心を有する光学的に純粋な化合物はジアステレオマー的に純粋で、且つ鏡像異性的にも純粋である。好ましくは、本発明の化合物は、本化合物の他のエナンチオマー又はジアステレオマーを10%以上は含んでいない形態、すなわち90%以上単一の異性体を含む形態〔80%鏡像体過剰率(“e.e.”)又はジアステレオマー過剰率(“d.e.”)以上〕で使用され、より好ましくは95%(90%e.e.又はd.e.)以上、更に好ましくは97.5%(95%e.e.又はd.e.)以上、最も好ましくは99%(98%e.e.又はd.e.)以上単一の異性体を含む形態で使用される。
さらに式Iは、同定された構造の溶媒和されていない形態に共に、溶媒和された形態も含むものである。例えば、式Iは同定された構造の水和物と非水和物の両方を含む。他の溶媒和物として、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸ペンチル、酢酸、又はエタノールアミンと結合した構造を含む。
式Iの化合物に加え、本発明は薬学的に許容されるプロドラッグ、薬学的に活性のある代謝産物、並びに該化合物及び代謝産物の薬学的に許容される塩を包含する。
「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、生理学的条件下で又は加溶媒分解によって特定の化合物又は該化合物の薬学的に許容される塩へと変換された後に薬理学的効果を発揮しうる化合物である。典型的には、プロドラッグは化学的安定性の向上、患者又は患畜の受容性(acceptance)及び服薬率(コンプライアンス)の向上、バイオアベイラビィリティの向上、作用持続時間の延長、器官選択性の向上、処方の改善(例えば水溶解性の向上等)及び/又は副作用(例えば毒性等)の低減等を目的として処方される。プロドラッグは式Iの化合物から当該技術分野において公知の方法、例えば、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Chemistry,1,172−178、949−982(1995)に記載された方法等を用いて容易に調製できる。公知の方法としては、さらにBertoliniら,J.Med.Chem.,40,2011−2016(1997);Shanら,J.Pharm.Sci.,86(7),765−767;Bagshawe,Drug Dev.Res.,34,220−230(1995);Bodor,Advances in Drug Res.,13,224−331(1984);Bundgaard,Design of Prodrugs(Elsevier Press 1985);Larsen,Design and Application of Prodrugs,Drug Design and Development(Krogsgaard−Larsenら編集,Harwood Academic Publishers,1991);Dearら,J.Chromatogr.B,748,281−293(2000);Spraulら,J.Pharmaceutical&Biomedical Analysis,10,601−605(1992);及び、Proxら,Xenobiol.,3,103−112(1992)も参照されたい。
「薬学的に活性な代謝産物」とは、体内における特定の化合物又はその塩の代謝を通して作られる、薬理学的に活性な物質を意味することを意図している。体内に入った後、ほとんどの薬は化学反応の基質となり、その際物性や生物学的な効果が変わり得る。これらの代謝による変換は、通常式Iの化合物の極性に影響を与えるのだが、体内での薬の分配経路と体からの排出経路を変える。しかしながら、薬の代謝は、治療上の効果を与える上で
必要な場合もある。例えば抗がん剤が代謝拮抗薬の一種である場合には、癌細胞に輸送された後、活性型に変換されなければならない。
ほとんどの薬はある種の代謝による変換を受けることから、薬の代謝において役割を果たす生化学反応は非常に多く且つ多岐に渡るものであろう。他の組織も関与するものの、薬代謝の主要部位は肝臓である。
これら多くの変換の特徴は、代謝生成物または「代謝物(metabolites)」が、親薬剤よりも極性が高くなっていることである。但し、極性が高い薬がより極性の低い物質を生成することも当然あり得る。脂質/水・分配係数が高い物質は細胞膜を容易に通過するが、尿細管から腎尿細管細胞を通って血漿へと向かう逆方向への拡散もしやすい。従って、そのような物質は腎クリアランスが低く、体内滞留時間が長い傾向がある。薬がより極性の高い化合物、すなわち、より低い分配係数を有するものへと代謝された場合、その管での再吸収が大幅に減少するであろう。さらに、近位尿細管及び肝実質細胞でのアニオンとカチオンに対する特定の分泌機構は極性の高い物質に対して働く。
具体例としては、フェナセチン(アセトフェネチジン)やアセトアニリドは、効き目が穏やかな鎮痛剤でもありかつ解熱剤でもあるが、体内で、より極性が高く、より効能の高い代謝物であるp−ヒドロキシアセトアニリド(アセトアミノフェン)に変換される。p−ヒドロキシアセトアニリド(アセトアミノフェン)は今日広く使われているものである。ある処方量のアセトアニリドがヒトに投与されたとき、血漿中ではその後発生する代謝物の極大化と消失が連続して起こる。最初の時間帯にはアセトアニリドは血漿の主成分である。第2の時間帯では、アセトアニリドの濃度が減少するにつれて、代謝物であるアセトアミノフェンの濃度が極大に達する。最後に、数時間経過後、血漿の主成分は、不活性で体外に排出され得る、さらに代謝が進んだ産物である。このように、1つ又は複数の代謝物の血漿中濃度は、薬剤そのものの濃度と同様に、薬理学的に重要な場合がある。
「薬学的に許容される塩」は、特定の化合物の遊離の酸及び塩基の生物学的効果を保持しつつ、生物学的に、あるいは他の理由から不適合ではない塩を意味することを意図している。本発明の化合物は充分に酸性な官能基、充分に塩基性な官能基、あるいはその両方を有していてもよく、従って、多くの任意の無機塩基や有機塩基、及び無機酸や有機酸と反応して薬学的に許容される塩を形成できる。薬学的に許容される塩の例としては、本発明の化合物と、鉱酸又は有機酸、又は無機塩基との反応により調製される塩、例えば硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩(モノハイドロジェンホスフェート)、二水素リン酸塩(ジハイドロジェンホスフェート)、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホネート、キシレンスルホネート、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタン−スルホネート、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、及びマンデル酸塩等が挙げられる。
本発明の化合物が塩基の場合、所望の薬学的に許容される塩は、当該技術分野で利用できるいかなる好適な方法により調製してもよい。例えば、無機酸〔例えば塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等〕、又は有機酸〔例えば酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピ
ラノシジル酸(例えばグルクロン酸又はガラクツロン酸等)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸又は酒石酸等)、アミノ酸(例えばアスパラギン酸又はグルタミン酸等)、芳香族酸(例えば安息香酸又は桂皮酸等)、スルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸又はエタンスルホン酸等)等〕を用いた遊離塩基の処理により上記塩を調製することができる。
本発明の化合物が酸の場合、所望の薬学的に許容される塩はいかなる好適な方法により調製してもよい。例えば無機又は有機の塩基〔例えばアミン(1級、2級又は3級)、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物等〕を用いた遊離酸の処理により上記塩を調製することができる。好適な塩の具体例としては、アミノ酸(例えばグリシン及びアルギニン等)、アンモニア、1級、2級及び3級アミン、並びに環状アミン(例えばピペリジン、モルホリン及びピベラジン等)由来の有機塩や、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム及びリチウム由来の無機塩等が挙げられる。
固体剤の場合、当業者の解するところだが、本発明の化合物及び塩は異なる結晶形態、共結晶形態、又は多形形態で存在していてもよく、これら全てが本発明及び本明細書で特定された式の範囲内に含まれることを意図している。
C型肝炎ウイルス感染症の治療及び予防方法
本発明は、C型肝炎ウイルス感染(症)を、その治療や予防を必要とする患者又は患畜において治療又は予防するための方法を提供する。
本発明はさらに、C型肝炎ウイルス感染の治療及び/又は予防において、治療上有効な量の式Iの化合物又は式Iの化合物の組み合わせを患者又は患畜の血流内に導入する方法を提供する。
しかしながら、感染の急性期又は慢性期での治療や予防における、本発明の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の予防上又は治療上の投与量は、感染症の性質や重症度、活性成分が投与される経路によって変動する。投与量や、場合によっては投与頻度も、治療対象の感染症、個々の患者又は患畜の年齢、体重、反応性によって変動する。好適な投薬計画は、これらの要素を充分に考慮しながら当業者により容易に選択される。
本発明の方法はヒトの患者に特に適している。特に、本発明の方法と投与量は免疫不全患者又は患畜、例えば、以下に限定されないが、癌患者又は患畜、HIV感染患者又は患畜、免疫変性疾患を患う患者又は患畜等にとって有用な可能性がある。さらに、上記方法は、現在は寛解状態にある免疫不全患者又は患畜にとって有用な可能性がある。本発明の方法及び投与量は他の抗ウイルス治療を受けている患者又は患畜にとっても有用である。本発明の予防方法は、特にウイルス感染の危険性がある患者又は患畜に有用である。このような患者又は患畜としては、以下に限定されないが、ヘルスケア関連業務への従事者、例えば医者、看護師、ホスピスの介護人;兵士;教師;保育者;社会支援従事者、宣教師、外交官等の外国、特に第三世界の地域に旅行する患者又は患畜又は居住している患者又は患畜等が含まれる。最後に、上記方法及び組成物は、不応性患者又は患畜や、逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤等への耐性など、治療に耐性のある患者又は患畜の治療を包含している。
投与量
本発明の化合物の毒性と効能は、細胞培養又は実験動物における標準の薬学的手順により決定することができ、例えばLD50(母集団の50%が死亡する投与量)及びED50
(母集団の50%において治療上有効な投与量)の測定等が挙げられる。毒性のある投与量と治療上効果のある投与量の比(投与量比)は治療上の指標であり、LD50/ED50比として表すことができる。
細胞培養アッセイと動物実験から得られるデータは、ヒトに使用するための化合物の投与量範囲を定式化するのに用いることができる。上記化合物の投与量は、毒性がほとんどないか又は毒性が全くなく、かつED50を含む血中濃度の範囲内であるのが好ましい。投与量は用いる投与形態や利用する投与経路に応じてこの範囲内で変えてもよい。本発明の方法で使用される化合物いずれに対しても、治療上有効な投与量は、最初は細胞培養アッセイから見積もることができる。投与量は、細胞培養において決定されるように、IC50(すなわち、症状の阻害が最大値の半分に達するときの試験化合物の濃度)を含む体内血漿中濃度範囲に達するよう動物モデルにおいて定式化してもよい。別の方法としては、式Iの化合物の投与量は、動物モデルにおいて、化合物の体内血漿中濃度が、反応が所定の大きさに達するのに必要な濃度に相当する濃度範囲になるよう定式化してもよい。そのような情報は、ヒトにおいて有用な投与量をより正確に決定するのに用いることができる。血漿中濃度は、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定してもよい。
本発明のプロトコルや組成物は、ヒトに使用する前に、インヴィトロ(試験管内)で、次にインビボ(生体内)で所望の治療活性又は予防活性をテストするのが好ましい。例えば、特定の治療プロトコルの適用を指示すべきかどうか決定するのに使用することができるインヴィトロでのアッセイには、インヴィトロでの細胞培養アッセイが含まれる。この細胞培養アッセイでは、式Iの化合物の作用に対して反応性の高い細胞をリガンドに曝露し、適切な技術によって反応の大きさが測定される。次に式Iの化合物のアセスメントは、式Iの化合物の効能、及び式Iの化合物のプロドラッグの変換率の点から評価される。本発明の方法において使用される化合物は、ヒトで試験する前に適当な動物モデル系においてテストすることができる。そのような動物モデル系には、以下に限定されないが、ラット、マウス、鶏、ウシ、サル、ウサギ、ハムスター等が含まれる。上記化合物は、その後適当な臨床試験で用いることができる。
感染又は身体不調の急性期又は慢性期の治療又は予防における、本発明の式Iの化合物のプロドラッグ、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物の予防上又は治療上の投与量は、感染症の性質や重症度、及び活性成分を投与する経路によって変動する。投与量や、場合によっては投与頻度も、治療対象の感染症、個々の患者又は患畜の年齢、体重及び反応性によって変動する。好適な投薬計画は、これらの要素を充分に考慮しながら当業者により容易に選択される。ある実施形態においては、上記投与量は使用する特定の化合物、及び患者又は患畜の体重や健康状態に応じたものである。また、上記投与量は、種々の具体的な式Iの化合物によって変わりうる。好適な投与量は上述のインヴィトロでの測定や動物実験に基づき予測することができる。例えば、上述した系または本願明細書に引用する系において測定した場合に、他の式Iの化合物よりも低い濃度で効果を示す式Iの化合物に対してはより少ない投与量が好適である、といったように予測することができる。概ね、一日当たりの投与量は約0.001〜100mg/kg、好ましくは約1〜25mg/kg、より好ましくは約5〜15mg/kgの範囲である。C型肝炎ウイルスに感染したヒトを治療するには、約0.1mg〜約15g/日、好ましくは100mg〜12g/日、より好ましくは100mg〜8000mg/日を、1日大体1〜4回に分けて投与する。
さらに、推奨される一日当たりの投与量を、単一薬剤として、又は他の治療剤と組み合わせて周期的に投与することができる。ある実施形態においては、一日当たりの投与量は単回投与又はいくつかに同量ずつ分割した投与形態で投与される。関連する実施形態においては、推奨される一日当たりの投与量を一週間に1回、一週間に2回、一週間に3回、一
週間に4回、又は一週間に5回投与することができる。
ある実施形態においては、本発明の化合物は、投与されて、患者又は患畜の全身へ分配される。関連する実施形態においては、本発明の化合物は、投与されて、体内全体において効果を発揮する。
他の実施形態においては、本発明の化合物は経口、経粘膜(舌下、口腔、直腸、経鼻、又は経膣投与等)、非経口(皮下、筋肉内、ボーラス注入、動脈内、又は静脈内投与等)、経皮、又は局所での各投与を介して投与される。特定の実施形態においては、本発明の化合物は経粘膜(舌下、口腔、直腸、経鼻、又は経膣投与等)、非経口(皮下、筋肉内、ボーラス注入、動脈内、又は静脈内投与等)、経皮、又は局所での各投与を介して投与される。さらに特定のある実施形態においては、本発明の化合物は経口投与によって投与される。さらに特定のある実施形態においては、本発明の化合物は経口投与によって投与されない。
別の感染症に対しては、当業者であれば容易に分かる通り、別の治療上有効な量を適用することができる。同様に、そのような感染症を治療又は予防するのに充分であるが、従来の治療法が伴っていた副作用を起こすには至らない量、又はその副作用を低減するのに充分な量も、上述した投与量と投薬頻度スケジュールに包含されるものである。
併用(組み合わせ)治療
本発明の特定の方法はさらに追加の治療剤(すなわち本発明の化合物以外の治療剤)を投与することを含む。本発明のある実施形態において、本発明の化合物は少なくとも一つの他の治療剤と組み合わせて使用することができる。治療剤には、以下に限定されないが、抗生物質、制吐剤、抗うつ剤、及び抗真菌剤、抗炎症剤、抗ウイルス剤、抗がん剤、免疫調節剤、α−インターフェロン、β−インターフェロン、リバビリン、アルキル化剤、ホルモン類、サイトカイン類、又はtoll様受容体モジュレーターが含まれる。ある実施形態においては、本発明はHCV特異性を有する又は抗HCV活性を発揮する追加の治療剤をさらに投与することを包含する。
本発明の式Iの化合物は抗生物質と組み合わせて投与あるいは処方することができる。例えば、本発明の式Iの化合物は、マクロライド〔例えばトブラマイシン(Tobi(R))〕、セファロスポリン〔例えば、セファレキシン(Keflex(R))、セフラジン(Velosef(R))、セフロキシム(Ceftin(R))、セフプロジル(Cefzil(R))、セファクロル(Ceclor(R))、セフィキシム(Suprax(R))若しくはセファドロキシル(Duricef(R))〕、クラリスロマイシン〔例えば、クラリスロマイシン(Biaxin(R))〕、エリスロマイシン〔例えば、エリスロマイシン(EMycin(R))〕、ペニシリン〔例えばペニシリンV(V−Cillin K(R)若しくはPen Vee K(R))〕又はキノロン〔例えば、オフロキサシン(Floxin(R))、シプロフロキサシン(Cipro(R))若しくはノルフロキサシン(Noroxin(R))〕、アミノグリコシド系抗生物質(例えば、アプラマイシン、アルベカシン、バンベルマイシン(bambermycins)、ブチロシン、ジベカシン、ネオマイシン、ネオマイシン、ウンデシレナート、ネチルマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン及びスペクチノマイシン)、アムフェニコール(amphenicol)系抗生物質(例えばアジダムフェニコール、クロラムフェニコール、フロルフェニコール及びチアンフェニコール)、アンサマイシン系抗生物質(例えばリファミド及びリファンピン)、カルバセフェム類(例えばロラカルベフ)、カルバペネム類(例えば、ビアペネム及びイミペネム)、セファロスポリン類(例えば、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セフォゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド及びセフピロム)、セファマイシン類
(例えばセフブペラゾン、セフメタゾール及びセフミノクス)、モノバクタム類(例えば、アズトレオナム、カルモナム及びチゲモナム)、オキサセフェム類(例えばフロモキセフ及びモキサラクタム)、ペニシリン類〔例えば、アムジノシリン、アムジノシリンピボキシル、アモキシシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリンナトリウム、エピシリン、フェンベニシリン(fenbenicillin)、フロキサシリン、ペナマクシリン(penamccillin)、ペネタメートヨウ化水素酸塩(penethamate hydriodide)、ペニシリンo−ベネタミン、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン、ペニメピサイクリン及びフェネチシリン(phencihicillin)カリウム〕、リンコサミド類(例えば、クリンダマイシン及びリンコマイシン)、アンホマイシン、バシトラシン、カプレオマイシン、コリスチン、エンドウラシジン(enduracidin)、エンビオマイシン、テトラサイクリン類(例えば、アピサイクリン、クロルテトラサイクリン、クロモサイクリン及びデメクロサイクリン)、2,4−ジアミノピリミジン類(例えば、ブロジモプリム)、ニトロフラン類(例えば、フラルタドン及び塩化フラゾリウム)、キノロン類及びその類似体〔例えばシノキサシン、クリナフロキサシン、フルメキン及びグレパグロキサシン(grepagloxacin)〕、スルホンアミド類(例えばアセチルスルファメトキシピラジン、ベンジルスルファミド、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタアミド、スルファクリソイジン及びスルファシチン)、スルホン類(例えば、ジアチモスルホン、グルコスルホンナトリウム及びソラスルホン)、サイクロセリン、ムピロシン及びツベリンと共に処方することができる。
本発明の式Iの化合物は制吐剤と組み合わせて投与あるいは処方することもできる。好適な制吐剤としては、以下に限定されないが、メトクロプロミド(metoclopromide)、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンザミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン(bietanautine)、ブロモプリド(bromopride)、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタル(methallatal)、メトピマジン(metopimazine)、ナビロン、オキシペルンジル(oxyperndyl)、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン、及びそれらの混合物等が挙げられる。
本発明の式Iの化合物は抗うつ剤と組み合わせて投与あるいは処方することもできる。好適な抗うつ剤としては、以下に限定されないが、ビネダリン、カロキサゾン、シタロプラム、ジメタザン(dimethazan)、フェンカミン、インダルピン、塩酸インデロキサジン、ネホパム、ノミフェンシン、オキシトリプタン、オキシペルチン、パロキセチン、セルトラリン、チアゼシム(thiazesim)、トラゾドン、ベンモキシン(benmoxine)、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、ニアラミド、オクタモキシン(octamoxin)、フェネルジン、コチニン、ロリシプリン、ロリプラム、マプロチリン、メトラリンドール、ミアンセリン、ミルタザピン(mirtazepine)、アジナゾラム、アミトリプチリン、アミトリプチリノキシド、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドチエピン(dothiepin)、ドキセピン、フルアシジン、イミプラミン、イミプラミンN−オキシド、イプリンドール、ロフェプラミン、メリトラセン、メタプラミン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン、オピプラモール、ピゾチリン(pizotyline)、プロピゼピン、プロトリプチリン、キヌプラミン、チアネプチン、トリミプラミン、アドラフィニル、ベナクチジン、ブプロピオン、ブタセチン(butacetin)、ジオキサドロール、デュロキセチン、エトペリドン、フェバルバメート、フェモキセチン、フェンペンタジオール、フルオキセチン、フルボキサミン、ヘマ
トポルフィリン、ヒペリシン、レボファセトペラン、メジホキサミン、ミルナシプラン、ミナプリン、モクロベミド、ネファゾドン、オキサフロザン、ピベラリン、プロリンタン、ピリスクシデアノール(pyrisuccideanol)、リタンセリン、ロキシンドール、塩化ルビジウム、スルピリド、タンドスピロン、トザリノン(thozalinone)、トフェナシン、トロキサトン、トラニルシプロミン、L−トリプトファン、ベンラファキシン、ビロキサジン及びジメルジン等が挙げられる。
本発明の式Iの化合物は抗真菌剤と組み合わせて投与あるいは処方することもできる。好適な抗真菌剤としては、以下に限定されないが、アムホテリシンB、イトラコナゾール、ケトコナゾール、フルコナゾール、イントラセカル(intrathecal)、フルシトシン、ミコナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチン、テルコナゾール、チオコナゾール、シクロピロックス、エコナゾール、ハロプログリン、ナフチフィン、テルビナフィン、ウンデシレナート及びグリセオフルビン等が挙げられる。
本発明の式Iの化合物は抗炎症剤と組み合わせて投与あるいは処方することもできる。有用な抗炎症剤としては、以下に限定されないが、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサラート(salsalate)、オルサラジン、スルファサラジン、アセトアミノフェン、インドメタシン、スリンダク、エトドラク、メフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、トルメチン、ケトロラック、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン(flurbinprofen)、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピボキシカム(pivoxicam)、テノキシカム、ナブメトン(nabumetome)、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾン及びニメスリド等の非ステロイド系抗炎症剤;以下に限定されないが、ジロートン、オーロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム及びオーラノフィン等のロイコトリエン・アンタゴニスト;以下に限定されないが、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アムシノニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン(betametasone)、安息香酸ベタメタゾン(betamethasone benzoate)、ジプロピオン酸ベタメタゾン(betamethasone diproprionate)、リン酸ベタメタゾンナトリウム(betamethasone sodium phosphate)、吉草酸ベタメタゾン(betamethasone valerate)、プロピオン酸クロベタゾール、ピバル酸クロコルトロン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、デソニド、デソキシメタゾン(desoximatasone)、デキサメタゾン、フルニソリド、フルコキシノリド(flucoxinolide)、フルランドレノリド(flurandrenolide)、ハルシノシド(halcinocide)、メドリソン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン(methprednisolone acetate)、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、フランカルボン酸モメタゾン(mometasone furoate)、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト酸プレドニゾロン(prednisolone tebuatate)、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、酢酸トリアムシノロン及びトリアムシノロンヘキサアセトニド等のステロイド;並びに、以下に限定されないが、メトトレキサート、コルヒチン、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン及びベンズブロマロン等の他の抗炎症剤等が挙げられる。
本発明の式Iの化合物は他の抗ウイルス剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。有用な抗ウイルス剤としては、以下に限定されないが、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤及びヌクレオシド類似体等が挙げられる。上記抗ウイルス剤としては、以下に限定されないが、ジドブジン、アシク
ロビル、ガングシクロビル(gangcyclovir)、ビダラビン、イドクスウリジン、トリフルリジン、レボビリン(levovirin)、ビラミジン(viramidine)及びリバビリン、更にホスカルネット、アマンタジン、リマンタジン、サキナビル、インジナビル、アンプレナビル、ロピナビル、リトナビル、α−インターフェロン類;β−インターフェロン類;アデフォビル、クレブジン(clevadine)、エンテカビル、プレコナリル等が挙げられる。
本発明の式Iの化合物は免疫調節剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。免疫調節剤には、以下に限定されないが、メトトレキサート(methothrexate)、レフルノミド(leflunomide)、シクロホスファミド、シクロスポリンA、ミコフェノール酸モフェチル、ラパマイシン(シロリムス)、ミゾリビン、デオキシスパガリン、ブレキナル、マロノニトリロアミド類〔例えば、レフルナミド(leflunamide)〕、T細胞受容体モジュレーター、及びサイトカイン受容体モジュレーター、ペプチドミメティック、及び抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、単クローン、多クローン、Fvs、ScFvs、Fab若しくはF(ab)2フラグメント、又はエピトープ結合フラグメント)、核酸分子(例えば、アンチセンス核酸分子及び三重ヘリックス)、小分子、有機化合物及び無機化合物が含まれる。T細胞受容体モジュレーターの例としては、以下に限定されないが、抗T細胞受容体抗体、例えば抗CD4抗体〔例えば、cM−T412(Boehringer)、IDEC−CE9.1(R)(IDECとSKB)、mAB 4162W94、オルソクローン及びOKTcdr4a(Janssen−Cilag)〕;抗CD3抗体〔例えば、Nuvion(Product Design Labs)、OKT3(Johnson&Johnson)又はリツキサン(IDEC)等〕;抗CD5抗体(例えば抗CD5リシン結合免疫複合体);抗CD7抗体〔例えば、CHH−380(Novartis)〕;抗CD8抗体;抗CD40リガンド単クローン抗体〔例えば、IDEC−131(IDEC)〕;抗CD52抗体〔例えばCAMPATH 1H(Ilex)〕;抗CD2抗体;抗CD11a抗体〔例えばXanelim(Genentech)〕;抗B7抗体〔例えば、IDEC−114(IDEC)〕;CTLA4免疫グロブリン;及び、toll様受容体(TLR)モジュレーター等が挙げられる。サイトカイン受容体モジュレーターの例としては、以下に限定されないが、可溶性サイトカイン受容体(例えばTNF−α受容体の細胞外ドメイン又はそのフラグメント、IL−1β受容体の細胞外ドメイン又はそのフラグメント、及びIL−6受容体の細胞外ドメイン又はそのフラグメント);サイトカイン又はそのフラグメント(例えば、インターロイキン(IL)−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15、TNF−α、インターフェロン(IFN)−α、IFN−β、IFN−γ、及びGM−CSF);抗サイトカイン受容体抗体[例えば抗IFN受容体抗体、抗IL−2受容体抗体〔例えば、Zenapax(Product Design Labs)〕、抗IL−4受容体抗体、抗IL−6受容体抗体、抗IL−10受容体抗体、及び抗IL−12受容体抗体];抗サイトカイン抗体[例えば、抗IFN抗体、抗TNF−α抗体、抗IL−1β抗体、抗IL−6抗体、抗IL−8抗体〔例えば、ABX−IL−8(Abgenix)〕及び抗IL−12抗体]等が挙げられる。
本発明の式Iの化合物はウイルス酵素阻害剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。限定されないが、ウイルス酵素阻害剤としては、例えばBILN2061、SCH−503034、ITMN−191又はVX−950等のHCVプロテアーゼの阻害剤;及び、NM107(及びそのプロドラッグであるNM283)、R1626、R7078、BILN1941、GSK625433、GILD9128又はHCV−796等のNS5Bポリメラーゼの阻害剤等が挙げられる。
本発明の式Iの化合物は、Wu,Curr Drug Targets Infect
Disord.2003,3(3),207−19に記載されているような、HCVポリメラーゼを阻害する薬剤や、Bretner MらのNucleosides Nucleotides Nucleic Acids.2003,22(5−8),1531に記載されているようなウイルスのヘリカーゼ機能を阻害する化合物、あるいはZhang
X.,IDrugs 2002,5(2),154−8に記載されているようなHCV特異的な他の標的の阻害剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。
本発明の式Iの化合物はウイルス複製阻害剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。
本発明の式Iの化合物はサイトカイン類と組み合わせて投与あるいは処方することもできる。サイトカイン類の例としては、以下に限定されないが、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−5(IL−5)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−7(IL−7)、インターロイキン−9(IL−9)、インターロイキン−10(IL−10)、インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン15(IL−15)、インターロイキン18(IL−18)、血小板由来増殖因子(PDGF)、赤血球生成促進因子(Epo)、上皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、プロラクチン、及びインターフェロン(IFN)(例えばIFN−α、及びIFN−γ)等が挙げられる。
本発明の式Iの化合物はホルモン類と組み合わせて投与あるいは処方することができる。ホルモン類の例としては、以下に限定されないが、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、成長ホルモン(GH)、成長ホルモン放出ホルモン、ACTH、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ソマトメジン、副甲状腺ホルモン、視床下部放出因子、インスリン、グルカゴン、エンケファリン、バソプレシン、カルシトニン、ヘパリン、低分子量へパリン、ヘパリノイド、合成及び天然オピオイド、インスリン甲状腺刺激ホルモン、並びにエンドルフィン等が挙げられる。
本発明の式Iの化合物はβ−インターフェロン類と組み合わせて投与あるいは処方することができる。以下に限定されないが、β−インターフェロン類の例としてはインターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b等が挙げられる。
本発明の式Iの化合物はα−インターフェロン類と組み合わせて投与あるいは処方することができる。α−インターフェロン類の例としては、以下に限定されないが、インターフェロンα−1、インターフェロンα−2a〔ロフェロン(roferon)〕、インターフェロンα−2b、イントロン、Peg−イントロン、ペガシス(Pegasys)、コンセンサスインターフェロン〔インファージェン(infergen)〕及びアルブフェロン(albuferon)等が挙げられる。
本発明の式Iの化合物は吸収促進剤、特にリンパ系を標的とする吸収促進剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。そのような吸収促進剤には、以下に限定されないが、グリココール酸ナトリウム;カプリン酸ナトリウム;N−ラウリル−β−D−マルトピラノシド;EDTA;混合ミセル;及び、Muranishi Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.,7,1−33(当該文献は、その全体を本願明細書に引用して援用する)において報告されているものなどが含まれる。他の公知の吸収促進剤も使用することができる。このように本発明は、1種以上の本発明の式Iの化合物と1種以上の吸収促進剤とを含む医薬組成物をも包含する。
本発明の式Iの化合物は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ阻害剤と組み合わせて投与あるいは処方することができ、これによりシトクロムP450モノオキシゲナーゼによって代謝される式Iの化合物の薬物動態を改善(例えば、半減期の延長、血漿中濃度がピークとなる時間の増加、血液中濃度の増加など)することができる。そのようなシトクロムP450モノオキシゲナーゼ阻害剤としては、以下に限定されないが、リトナビル、又はその薬学的に許容される塩、エステル、及びプロドラッグ等が挙げられる。このように、本発明は、本発明の式Iの化合物と1種以上のシトクロムP450モノオキシゲナーゼ阻害剤とを含む医薬組成物をも包含する。
本発明の式Iの化合物は、式Iの化合物の消化管での吸収性を高め、式Iの化合物のバイオアベイラビリティを向上させるために、食品と組み合わせて摂取させることもできる。
本発明の式Iの化合物はアルキル化剤と組み合わせて投与あるいは処方することができる。アルキル化剤の例としては、以下に限定されないが、ナイトロジェン−マスタード、エチレンイミン、メチルメラミン、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、トリアゼン、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ヘキサメチルメラミン(hexamethylmelaine)、チオテパ、ブスルファン、カルムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン及びテモゾロマイド等が挙げられる。
本発明の化合物及び他の治療剤は相加的に、あるいは、より好ましくは相乗的に作用し得る。ある実施形態においては本発明の化合物を含有する組成物は他の治療剤の投与と同時に投与される。この場合、他の治療剤は同一組成物の一部であってもよく、又は本発明の化合物を含有する組成物とは別の組成物として投与してもよい。他の実施形態においては、本発明の化合物は、他の治療剤の投与の前に、又は他の治療剤の投与後に投与する。別の実施形態においては、過去には他の治療剤、特に抗ウイルス剤を用いた治療を受けたことがない患者若しくは患畜、又は現在は他の治療剤、特に抗ウイルス剤を用いた治療を受けていない患者若しくは患畜に本発明の化合物を投与する。
ある実施形態においては、本発明の方法は、他の治療剤を用いずに本発明の式Iの化合物を1種以上投与することを含む。
医薬組成物及び投与形態
本発明の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を含有する医薬組成物及びシングルユニット型投与形態も本発明に包含される。本発明の各投与形態は、経口投与、経粘膜投与(舌下、口腔、直腸、経鼻、又は経膣投与を含む)、非経口投与(皮下、筋肉内、ボーラス注入、動脈内、又は静脈内投与を含む)、経皮投与、又は、局所投与に好適である。また、本発明の医薬組成物及び投与形態は、典型的には、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含有する。無菌的投与形態も考えられる。
別の実施形態において、本実施形態に包含される医薬組成物は、本発明の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物と、少なくとも1つの追加の治療剤とを含有する。追加の治療剤としては特に限定されず、上記のものが例として挙げられる。
本発明の投与形態の組成、形状及び種類は、典型的には、その用途に応じて異なるものである。例えば、ある疾病又は関連疾病の急性期治療で用いる投与形態は、1つ以上の有効成分を、同一疾病の慢性期治療で用いる投与形態より多くの量含有してもよい。同様に、非経口投与形態では、1つ以上の有効成分の含有量が、経口投与形態で同一の疾病又は疾患を治療する場合よりも少なくてもよい。本発明に包含される特定の投与形態が、このように又は別の態様で変動するものであることは、当業者には容易に明らかであろう。例え
ば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,ペンシルベニア州イーストン(1990)を参照されたい。投与形態には、以下に限定されないが、例えば錠剤;カプレット;ソフト弾性ゼラチンカプセル等のカプセル;カシェ剤;トローチ;菱形錠剤;分散剤;坐剤;軟膏;パップ剤(湿布);ペースト;粉末;包帯;クリーム;硬膏;溶液;パッチ;エアゾール(例えば、点鼻スプレー又は吸入器);ゲル;懸濁液(例えば、水性若しくは非水性の懸濁液、水中油型エマルジョン、又は、油中水型液体エマルジョン)、溶液及びエリキシル剤等の、患者又は患畜への経口又は粘膜投与に好適な液状の投与形態;患者又は患畜への非経口投与に好適な液状の投与形態;並びに、液体に溶かすことにより、患者又は患畜への非経口投与に好適な液状の投与形態になり得る無菌固体(例えば、結晶性又は非晶質固体)等が挙げられる。
典型的な医薬組成物及び投与形態は、基剤、賦形剤又は希釈剤を1つ以上含有する。好適な賦形剤は薬学分野の当業者には周知である。好適な賦形剤の例を本明細書に記載するが、それに限定されるものではない。特定の賦形剤が医薬組成物又は投与形態に好適に配合されるか否かは、当該技術分野において従来から周知の様々な要因に依存する。上記要因として、投与形態を患者又は患畜に投与する方法が挙げられるが、これに限定されない。例えば、錠剤等の経口投与形態は、非経口投与形態には不適な賦形剤を含有してもよい。また、特定の賦形剤が好適か否かは、投与形態中の特定の有効成分に依存することもある。
水によって化合物の分解が促進される場合があるので、本発明は有効成分を含有する無水の医薬組成物及び投与形態をさらに包含する。医薬技術において、有効期限又は経時安定性等の製剤の特性を測定するために、例えば、水(例えば5%)の添加が長期保存の模擬手段として広く認められている。例えば、Carstensen,Drug Stability:Principles&Practice,2d.Ed.,Marcel Dekker,ニューヨーク州ニューヨーク市,1995,pp.379−80を参照されたい。実際に、水や熱により分解が加速する化合物がある。このように、製剤は製造、取扱、包装、保存、輸送及び使用時において、概して水分及び/又は湿気に曝されるので、製剤に及ぼす水の影響は非常に重要となる。
本発明の無水の医薬組成物及び投与形態は、無水の原料又は低水分含有原料を用い、低水分又は低湿条件で調製可能である。
無水の医薬組成物は、無水性を維持したまま調製され、保存される必要がある。従って、無水組成物は、水への曝露を防止する公知の材料を用いて包装され、好適な処方キット内に収められることが好ましい。好適な包装には、以下に限定されないが、例えば、密閉フォイル、プラスチック、単位投与量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及び、ストリップパックが含まれる。
本発明は、有効成分の分解速度を低減する1つ以上の化合物を含有する医薬組成物及び投与形態をさらに包含する。このような化合物(本明細書では「安定剤」という)には、以下に限定されないが、アスコルビン酸等の酸化防止剤、pHバッファー又は塩バッファーが含まれる。
賦形剤の量及び種類と同様に、投与形態中の有効成分の量及び具体的な種類は、ある要因に応じて異なっていてもよい。上記要因としては、以下に限定されないが、患者又は患畜への投与経路等が挙げられる。一方、本発明の典型的な投与形態は、本発明の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物を、1単位当たり0.1mg〜1500mg含有しており、1日当たり約0.01〜200mg/kgの服用を可能にする。
経口投与形態
経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、以下に限定されないが、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット、カプセル及び液体(例えば、味付シロップ)等の個別の投与形態とすることができる。このような投与形態は、所定量の有効成分を含有しており、当業者に周知の薬学的方法によって調製可能である。概して、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,ペンシルベニア州イーストン(1990)を参照されたい。
本発明の典型的な経口投与形態は、従来の薬剤調合技術に従って、有効成分を少なくとも1つの賦形剤と完全に混合することにより調製される。賦形剤は、投与に適した製剤の形態に応じて、様々の形態を取り得る。例えば、経口用液状又はエアゾール式投与形態に用いるのに好適な賦形剤には、以下に限定されないが、水、グリコール類、油類、アルコール類、香料、防腐剤及び着色剤が含まれる。固体状の経口投与形態(例えば、粉末、錠剤、カプセル及びカプレット)に用いるのに好適な賦形剤には、以下に限定されないが、例えばデンプン、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤が含まれる。
固体賦形剤を使用した錠剤及びカプセルは、その投与が容易であるので、経口投与単位形態として最も有利である。必要であれば、水性又は非水性の標準技術により錠剤をコーティングしてもよい。このような投与形態は、任意の薬学的方法により調製可能である。医薬組成物及び投与形態は一般に、有効成分を、液状の基剤又は微細化した固体基剤、又はその両方と均質かつ十分に混合し、必要であれば生成物を所望の形状に成形することにより調製される。
例えば、打錠又は成形することにより、錠剤を調製することができる。打錠剤は、粉末又は顆粒等の自由流動する有効成分を、必要により賦形剤と混合し、好適な機械中で打錠することにより調製可能である。成形錠は、不活性希釈液で湿潤させた粉末状の化合物の混合物を好適な機械で成形することにより調製可能である。
本発明の経口投与形態に使用可能な賦形剤には、以下に限定されないが、例えば結合剤、増量剤、崩壊剤及び滑沢剤が含まれる。医薬組成物及び投与形態に好適に用いられる結合剤には、以下に限定されないが、コーンスターチ、ジャガイモデンプン若しくは他のデンプン、ゼラチン、アラビアゴム等の天然及び合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカントゴム、グアーガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、品番2208、2906、2910)、微結晶性セルロース、及びこれらの混合物が含まれる。
本明細書に開示された医薬組成物及び投与形態で好適に用いられる増量剤には、以下に限定されないが、例えばタルク、炭酸カルシウム(例えば顆粒又は粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、及びこれらの混合物が含まれる。典型的には、本発明の医薬組成物中の結合剤又は増量剤の含有量は、医薬組成物又は投与形態の約50〜約99重量%である。
好適な微結晶性セルロースの形態には、以下に限定されないが、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105〔FMC Corporation、アメリカンビスコ−ス部門、Avicel
販売部(ペンシルベニア州マーカスフック)から入手可能〕として市販のもの、及びこれらの混合物が含まれる。結合剤の具体例としては、AVICEL RC−581として市販されている微結晶性セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物等が挙げられる。好適な無水若しくは低水分賦形剤又は添加物としては、AVICEL−PH−103TM及びStarch 1500LM等が挙げられる。
崩壊剤を本発明の組成物に用いることによって、水性環境に曝露された際に崩壊する錠剤を得ることができる。崩壊剤の含有量が過剰である錠剤は、保存中に分解することがあり、一方、含有量が少なすぎると、所望の速度で、又は所望の条件下で分解しないことがある。従って、有効成分の放出に変化をきたす不都合がないように過不足ない十分な量の崩壊剤を用いて、本発明の固体状の経口投与形態を調製するべきである。崩壊剤の使用量は、製剤の種類に応じて異なり、当業者には容易に識別可能である。医薬組成物は一般的に、崩壊剤を約0.5〜約15重量%、特に約1〜約5重量%含有する。
本発明の医薬組成物及び投与形態で使用可能な崩壊剤には、以下に限定されないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、α化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース及びゴム、並びにこれらの混合物が含まれる。
本発明の医薬組成物及び投与形態で使用可能な滑沢剤には、以下に限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、軽鉱物油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、胡麻油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル(ethyl laureate)、寒天、及びこれらの混合物が含まれる。さらに滑沢剤としては、例えば、シロイド(syloid)シリカゲル〔AEROSIL 200、W.R.Grace社(メリ−ランド州ボルティモア)製造〕、合成シリカの凝結エアゾール〔デグサ社(テキサス州プレーノー)販売〕、CAB−O−SIL〔火成二酸化ケイ素製品、Cabot社(マサチューセッツ州ボストン)販売〕、及びこれらの混合物が挙げられる。滑沢剤を使用する場合、典型的には医薬組成物又は投与形態の約1重量%未満の量で配合する。
遅延放出型投与形態
本発明の有効成分は、当業者に周知の制御放出手段又は送達デバイスにより投与可能である。限定されないが、その例としては、米国特許第3,845,770号明細書;米国特許第3,916,899号明細書;米国特許第3,536,809号明細書;米国特許第3,598,123号明細書;及び米国特許第4,008,719号明細書、米国特許第5,674,533号明細書、米国特許第5,059,595号明細書、米国特許第5,591,767号明細書、米国特許第5,120,548号明細書、米国特許第5,073,543号明細書、米国特許第5,639,476号明細書、米国特許第5,354,556号明細書、及び米国特許第5,733,566号明細書に記載のものが挙げられる(上記文献の各々を本明細書に引用して援用する)。このような投与形態においては、例えばヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、ゲル、浸透膜、浸透系、多層被膜、微粒子、リポソーム、マイクロスフェア、又はこれらの組み合わせを用いることによって、1つ以上の有効成分の放出を遅延又は制御することを可能にし、様々な割合での所望の放出様式を可能にする。本明細書に記載されたものを含む当業者に公知の好適な制御放出製剤は、本発明の有効成分と共に使用する上で容易に選択できる。従って、本発明は、以下に限定されないが、例えば錠剤、カプセル、ジェルカプセル及びカプレットといった放出制御が可能な、経口投与に好適なシングルユニット型投与形態を包含する。
制御放出医薬品は全て、制御していない医薬品の場合よりも得られる薬物治療効果を向上させることを共通の目的としている。最適設計された制御放出製剤を治療に用いることによって、必要最低限の製剤原料を使用し、最短期間で症状を治療又は制御することが理想である。制御放出製剤の利点としては、薬剤活性の延長、投与頻度の低減、及び、患者又は患畜のコンプライアンスの向上等が挙げられる。また制御放出製剤を使用すると、薬剤の作用開始時間、又は他の特性(血中薬剤濃度等)に影響を及ぼす可能性があり、ひいては、副作用(例えば有害な副作用)の発生に影響を及ぼす可能性がある。
制御放出製剤の大部分は、まず、所望の治療効果を迅速にもたらす量の薬剤(有効成分)を放出し、徐々にかつ断続的に残りの薬剤を放出し、長期間にわたって治療効果又は予防効果のレベルが維持されるように設計されている。体中薬剤濃度をこの一定レベルに維持するためには、代謝され、体外に排出される薬剤の量を補充する速度で、投与形態から薬剤が放出されなければならない。有効成分の制御放出は、例えば、以下に限定されないが、pH、温度、酵素、水又は他の生理的条件又は化合物等の様々な条件の影響を受け得る。
非経口投与形態
非経口投与形態は、様々な経路により患者又は患畜に投与することができる。以下に限定されないが、上記経路には、皮下、静脈内(ボーラス注入を含む)、筋肉内及び動脈内が含まれる。このような投与を行う場合、典型的には汚染物質に対して患者又は患畜が生来持つ免疫系を通らないことから、非経口投与形態は、無菌であること、又は、患者若しくは患畜への投与前に滅菌可能であることが好ましい。非経口投与形態の例としては、以下に限定されないが、注射用溶液、薬学的に許容されるビヒクル中に溶解又は懸濁させて注射可能な調剤にできる乾燥物及び/又は凍結乾燥物(液体に溶いて再構成することが可能な粉末)、注射用懸濁液、並びにエマルジョン等が挙げられる。
本発明の非経口投与形態を可能にする好適なビヒクルは、当業者に周知である。以下に限定されないが、その例としては、米国薬局方注射液用水;水性ビヒクル(以下に限定されないが、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、並びに乳酸加リンガー注射液等);水混和性ビヒクル(以下に限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等);並びに、非水性ビヒクル(以下に限定されないが、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、胡麻油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル及び安息香酸ベンジル等)が挙げられる。
また、本明細書中に開示された1つ以上の有効成分の可溶性を向上させる化合物も、本発明の非経口投与形態に配合してもよい。
経皮投与形態
経皮投与形態には、皮膚に貼り付け、所望量の有効成分が浸透するように、特定期間付着可能な「リザーバー式」又は「マトリクス式」パッチが含まれる。
本発明に包含される経皮及び局所投与形態を可能にする好適な賦形剤(例えば基剤及び希釈剤)及び他の材料は、薬学分野の当業者に公知であり、所定の医薬組成物又は投与形態を投与する具体的な組織に応じて決定される。このことを考慮しつつ、代表的な賦形剤には、以下に限定されないが、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びこれらの混合物が含まれる。
治療対象である具体的な組織次第では、本発明の有効成分を用いた治療の前に、治療と同時に、又は、治療後に、追加の成分を使用してもよい。例えば浸透促進剤を用いることによって、有効成分の組織への送達を促進することができる。好適な浸透促進剤には、以下に限定されないが、アセトン;種々のアルコール(エタノール、オレイルアルコール、及びテトラヒドロフリルアルコール等);アルキルスルホキシド(ジメチルスルホキシド等);ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ピロリドン(ポリビニルピロリドン等);Kollidonの各グレード(ポビドン、ポリビドン);尿素;及び、種々の水溶性又は不溶性糖エステル〔Tween80(ポリソルベート80)及びSpan60(ソルビタンモノステアレート)等〕が含まれる。
1つ以上の有効成分の送達性を改善するために、医薬組成物若しくは投与形態のpH、又は、医薬組成物若しくは投与形態を投与する組織のpHを調整してもよい。同様に、送達性を改善するために、溶媒基剤の極性、そのイオン強度又は張性を調整してもよい。ステアリン酸塩等の化合物を医薬組成物又は投与形態に添加することで、1つ以上の有効成分の親水性又は親油性を有利に変化させて、送達性を改善することもできる。この点において、ステアリン酸塩は、製剤の脂質ビヒクルとして、乳化剤又は界面活性剤として、さらには送達促進剤又は浸透促進剤として作用し得る。有効成分の他の塩、水和物又は溶媒和物を用いることにより、生成する組成物の特性をさらに調整することができる。
局所投与形態
本発明の局所投与形態には、以下に限定されないが、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、エマルジョン、懸濁液、又は当業者に公知の他の投与形態が含まれる。Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th eds.,Mack Publishing,ペンシルベニア州イーストン(1990)、及び、Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,4th ed.,Lea&Febiger,フィラデルフィア(1985)などを参照されたい。
本発明に包含される経皮及び局所投与形態を可能にする好適な賦形剤(例えば基剤及び希釈剤)及び他の材料は、薬学分野の当業者に周知であり、所定の医薬組成物又は投与形態を投与する具体的な組織に応じて決定される。このことを考慮しつつ、代表的な賦形剤には、以下に限定されないが、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びこれらの混合物が含まれる。
治療対象である具体的な組織次第では、本発明の有効成分を用いた治療の前に、治療と同時に、又は、治療後に、追加の成分を使用してもよい。例えば、浸透促進剤を用いることによって、有効成分の組織への送達を促進することができる。浸透促進剤としては、以下に限定されないが、アセトン;種々のアルコール(エタノール、オレイルアルコール、及びテトラヒドロフリルアルコール等);アルキルスルホキシド(ジメチルスルホキシド等);ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ピロリドン(ポリビニルピロリドン等);Kollidonの各グレード(ポビドン、ポリビドン);尿素;及び種々の水溶性又は不溶性糖エステル〔Tween80(ポリソルベート80)及びSpan60(ソルビタンモノステアレート)等〕が好ましい。
粘膜投与形態
本発明の粘膜投与形態には、以下に限定されないが、点眼剤、スプレー及びエアゾール、又は、当業者に公知の他の投与形態等が含まれる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th eds.,Mack Publishing,ペンシルベニア州イーストン(1990);及び、Introduc
tion to Pharmaceutical Dosage Forms,4th ed.,Lea&Febiger,フィラデルフィア(1985)を参照されたい。口腔内の粘膜組織の治療に好適な投与形態は、口内洗浄液又は経口ゲルとして処方することができる。一実施形態において、エアゾールは基剤を含み、他の実施形態においては、エアゾールは基剤を含まない。
また、本発明の式Iの化合物は、吸入により肺に直接投与されてもよい。吸入によって投与される場合、多種多様なデバイスにより式Iの化合物を肺に簡便に送達することができる。例えば、好適な低沸点噴射剤(例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適なガス)が入った缶を用いる定量噴霧式吸入器〔“Metered Dose Inhaler”(MDI)〕により、式Iの化合物を肺に直接送達することができる。MDIデバイスは、3M社、アベンティス社、ベーリンガーインゲルハイム社、フォレストラボラトリーズ社、グラクソ・ウエルカム社、シェリング・プラウ社及びベクチュラ社等、多くの供給元より入手可能である。
また、ドライパウダー吸入器(DPI)を用いて、式Iの化合物を肺に投与することもできる(例えば、Raleighら,Proc.Amer.Assoc.Cancer Research Annual Meeting,1999,40,397を参照。本文献を本明細書に引用して援用する)。DPIデバイスでは、典型的に、ガスの噴出等の機構により、乾燥粉末の雲を容器内部で生成する。この乾燥粉末の雲を患者又は患畜は吸入することができる。DPIデバイスもまた当該技術分野において周知であり、例えばファイソンズ社、グラクソ・ウエルカム社、Inhale Therapeutic Systems社、ML Laboratories社、Qdose社及びベクチュラ社等、多くの供給元より購入可能である。バリエーションとしては、反復投与DPI〔“multiple dose Dry Powder Inhaler”(MDDPI)〕システムがよく知られている。このMDDPIでは複数回分の治療投与量を送達することができる。MDDPIデバイスは、アストラゼネカ社、グラクソ・ウエルカム社、IVAX社、シェリング・プラウ社、SkyePharma社及びベクチュラ社等より入手可能である。例えば、吸入器又は散布器で用いるゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物と、ラクトース又はデンプン等のこのようなシステムに好適な粉末基剤との混合粉末を含有させて調剤することができる。
式Iの化合物の肺への送達を可能にする別の種類のデバイスとしては、例えばAradigm社供給の液体噴霧デバイスがある。液体噴霧システムでは、非常に小さなノズル孔により液状製剤をエアゾール化し、製剤の肺への直接吸入を可能にする。
一実施形態においては、ネブライザーデバイスにより、式Iの化合物を肺へ送達する。ネブライザーは、超音波エネルギー等により液状製剤からエアゾールを生成させ、容易に吸引可能な微粒子を発生させる(例えば、Verschoyleら,British J.Cancer,1999,80,Suppl 2,96を参照。本文献を本明細書に引用して援用する)。ネブライザーの例としては、Sheffield/Systemic Pulmonary Delivery社(Armerらの米国特許第5,954,047号明細書、van der Lindenらの米国特許第5,950,619号明細書、van der Lindenらの米国特許第5,970,974号明細書を参照。上記文献を本明細書に引用して援用する)、アベンティス社及びBatelle Pulmonary Therapeutics社供給のデバイス等が挙げられる。
一実施形態においては、電気流体力学(“EHD”)エアゾールデバイスを用いて、式Iの化合物を肺に送達する。EHDエアゾールデバイスは、電気エネルギーにより液状薬剤
溶液又は懸濁液をエアゾール化する(例えば、Noakesらの米国特許第4,765,539号明細書;Coffeeの米国特許第4,962,885号明細書;Coffeeの国際公開第94/12285号パンフレット;Coffeeの国際公開第94/14543号パンフレット;Coffeeの国際公開第95/26234号パンフレット、Coffeeの国際公開第95/26235号パンフレット、Coffeeの国際公開第95/32807号パンフレットを参照。上記文献を本明細書に引用して援用する)。式Iの化合物の製剤の電気化学的特性は、EHDエアゾールデバイスによって肺にこの薬剤を送達する際に最適化するべき重要なパラメータとなり得る。また、このような最適化は、当業者であれば通常行うものである。EHDエアゾールデバイスは、既存の肺への送達技術よりも効率的に薬剤を肺へ送達することができる。式Iの化合物を肺内へ送達する他の方法も当業者の知るところであり、本発明の範囲内である。
ネブライザー、液体噴霧デバイス及びEHDエアゾールデバイスでの使用に適した液状製剤は、薬学的に許容される基剤と共に式Iの化合物を含有するのが典型的である。薬学的に許容される基剤としては、アルコール、水、ポリエチレングリコール又はパーフルオロカーボン等の液体が好ましい。式Iの化合物の溶液又は懸濁液のエアゾール特性を変えるために、必要であれば別の材料を添加してもよい。この材料としては、アルコール、グリコール、ポリグリコール又は脂肪酸等の液体が好ましい。エアゾールデバイスで好適に使用される液状の薬剤溶液又は懸濁液を調剤する他の方法は、当業者に公知である(例えば、Biesalskiの米国特許第5,112,598号明細書;Biesalskiの第5,556,611号明細書を参照。上記文献を本明細書に引用して援用する)。式Iの化合物は、例えば、カカオバター若しくは他のグリセリド等の従来の坐薬基剤を含有するような坐薬又は保持浣腸剤(retention enemas)等の直腸又は膣用組成物中にも調剤可能である。
式Iの化合物は、すでに記載した製剤の他に、デポー剤としても調剤することができる。このような長期間作用が持続する製剤は、植え込み(例えば、皮下若しくは筋肉内)又は筋肉注射により投与可能である。従って、例えば、上記化合物を好適なポリマー性材料若しくは疎水性材料と共に(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)、又はイオン交換樹脂と共に、あるいは難溶性誘導体(例えば難溶性塩)として調剤可能である。
また、他の薬剤送達システムを用いてもよい。式Iの化合物の送達を可能にする送達ビヒクルの周知の例としては、リポソーム及びエマルジョン等が挙げられる。ジメチルスルホキシド等の特定の有機溶媒も使用することができる(但し毒性の高さを代償とする場合が多い)。式Iの化合物は、制御放出システムによっても送達可能である。一実施形態においては、ポンプを用いることができる(Sefton,CRC Crit.Ref Biomed Eng.,1987,14,201;Buchwaldら,Surgery,1980,88,507;Saudekら,N.Engl.J.Med.,1989,321,574)。他の実施形態においては、高分子材料を用いることができる(Medical Applications of Controlled Release,Langer and Wise(eds.),CRC Pres.,Boca Raton,Fla.(1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,Smolen and Ball(eds.),Wiley,New York(1984);Ranger and Peppas,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.,1983,23,61;及び、Levyら,Science,1985,228,190;Duringら,Ann.Neurol.,1989,25,351;Howardら,J.Neurosurg.,71,105(1989)を参照されたい)。更に他の実施形態においては、本発明の化合物の標的(例えば肺)の近傍に制御放出システムを配置することができるので、全身投与量の一部しか必要と
しなくてよい(例えば、Goodson,in Medical Applications of Controlled Release(上述),vol.2,pp.115(1984)を参照されたい)。他の制御放出システムを用いることもできる(例えば、Langer,Science,1990,249,1527を参照)。
本発明に包含される粘膜投与形態を可能にする好適な賦形剤(例えば基剤及び希釈剤)及び他の材料は、薬学分野の当業者に周知であり、所定の医薬組成物又は投与形態を投与する具体的な部位又は方法に応じて決定される。このことを考慮しつつ、代表的な賦形剤としては、以下に限定されないが、水、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらは無毒で、薬学的に許容されるものである。このような追加の成分の例は、当業界において周知である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th eds.,Mack Publishing,ペンシルベニア州イーストン(1990)を参照されたい。
1つ以上の有効成分の送達性を改善するために、医薬組成物若しくは投与形態のpH、又は、医薬組成物若しくは投与形態を投与する組織のpHを調整してもよい。同様に、送達性を改善するために、溶媒基剤の極性、そのイオン強度又は張性を調整してもよい。ステアリン酸塩等の化合物を医薬組成物又は投与形態に添加することで、1つ以上の有効成分の親水性又は親油性を有利に変化させて、送達性を改善することもできる。この点において、ステアリン酸塩は、製剤の脂質ビヒクルとして、乳化剤又は界面活性剤として、さらには送達促進剤又は浸透促進剤として作用し得る。有効成分の他の塩、水和物又は溶媒和物を用いることにより、生成する組成物の特性をさらに調整することができる。
キット
本発明は、C型肝炎ウイルス感染の治療又は予防に有用な式Iの化合物が入った1つ以上の容器を含む医薬用パック又はキットを提供する。別の実施形態において、本発明は、C型肝炎ウイルス感染の治療又は予防に有用な式Iの化合物が入った1つ以上の容器と、追加の治療剤(例えば、上記のもの、特に、抗ウイルス剤、インターフェロン、ウイルス酵素阻害剤又はウイルス複製阻害剤等が挙げられるが、それらに限定されない)が入った1つ以上の容器とを含む医薬用パック又はキットを提供する。追加の治療剤はHCV特異的であるか、又は抗HCV活性を示すことが好ましい。
本発明はまた、本発明の医薬組成物の成分が1種以上入った1つ以上の容器を含む医薬用パック又はキットを提供する。このような容器には、医薬品又は生物学的商品の製造、使用又は販売を規制する政府機関により規定された形式の注意書が任意で添付されていてもよい。この注意書は人体への投与を目的とした製造、使用又は販売に関する機関の承認を意味する。
本発明の薬剤は、当業界にて公知の一般的な技術を用いて、容易に入手可能な出発原料から、下記の反応経路及び合成スキームにより調製可能である。例示されていない本発明に係る化合物は、当業者には明白な変更、例えば、妨害基を適切に保護したり、先行技術において公知の他の好適な試薬へ変更したり、又は、反応条件を慣例的に変更したりすることによって、成功裏に合成可能である。また、本明細書に開示されている、又は当業界において広く知られている他の反応が、本発明の別の化合物を調製する際に適用可能であることは明らかであろう。
化合物の調製
下記に示す合成スキームにおいては、特に断りがない限り、温度は全て摂氏度(℃)であ
り、部は全て重量部、百分率は全て重量百分率で示してある。
試薬はAldrich Chemical Company又はLancaster Synthesis Ltd.等の民間の供給元から購入し、特に断りがない限り、購入したものをさらに精製することなく使用した。溶媒は全てAldrich、EMD Chemicals又はFisher等の民間の供給元から購入し、納入されたものをそのまま使用した。
以下に述べる反応は、概ね、無水溶媒中、(特に断りのない限り)周囲温度で、アルゴン又は窒素の正圧下で行った。反応フラスコにはゴム製のセプタムをつけて、シリンジで基質や試薬を投入できるようにした。ガラス器具はオーブン乾燥及び/又は熱乾燥させた。
反応はTLCでアッセイするか、及び/又は、LC−MS若しくはHPLCで分析し、出発物質の消費を判定して反応を終了させた。分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル60 F254でプレコートされたガラスプレートの0.25mmプレート(EMD Chemicals)上で行い、紫外線(254nm)、及び/又は、シリカゲル上のヨウ素、及び/又は、エタノール性リンモリブデン酸、ニンヒドリン溶液、過マンガン酸カリウム溶液若しくは硫酸セリウム溶液等のTLC染色を用いて加熱することにより可視化した。分取薄層クロマトグラフィー(prepTLC)は、シリカゲル60 F254でプレコートされたガラスプレートの0.5mmプレート(20×20cm、Thomson Instrument Companyより入手)上で行い、紫外線(254nm)で可視化した。
ワークアップは、特に断りのない限り、典型的には、反応溶媒か抽出溶媒で反応系の体積を2倍にし、次に、抽出体積の25%の体積の指定の水性溶液で洗滌することによって行った。生成物溶液は、無水Na2SO4及び/又はMgSO4で乾燥した後、濾過し、減圧下ロータリーエバポレーターで溶媒を留去して、溶媒が減圧下で除去されたことを確認した。カラムクロマトグラフィーは、Merckシリカゲル60、230〜400メッシュ若しくは50〜200メッシュ中性アルミナ、ISCOフラッシュ−クロマトグラフィー〔プレパック(prepacked)RediSepシリカゲルカラムを使用〕、又はAnalogixフラッシュカラムクロマトグラフィ〔プレパック(prepacked)SuperFlashシリカゲルカラムを使用〕を用いて正圧下で行った。水素添加分解は、実施例に示されている圧力、又は周囲圧力で行った。
1H NMRスペクトル及び13C−NMRスペクトルは、Varian Mercury−VX400機器(400MHzで操作)で記録した。NMRスペクトル(ppmで示す)は、適宜、クロロホルムの参照標準(プロトン:7.27ppm、カーボン:77.00ppm)を用いるCDCl3溶液、CD3OD(プロトン:3.4及び4.8ppm、カーボン:49.3ppm)、DMSO−d6(プロトン:2.49ppm)、又は、内部標準であるテトラメチルシラン(0.00ppm)を用いて得た。必要に応じて他のNMR溶媒も使用した。多様なピークが報告されている場合には、以下の略号:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br(ブロード)、bs(ブロードな一重線)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)を用いる。カップリング定数は測定時、ヘルツ(Hz)で表す。
赤外(IR)スペクトルはATR FT−IR分光計で、ニート(neat)の油状液体又は固体として記録し、測定時には波数(cm−1)で表している。報告されるマススペクトルはAnadys Pharmaceuticals,Inc.の分析化学部門で行った(+)−ES又はAPCI(+)LC/MSである。元素分析は、ジョージア州ノークロスにあるAtlantic Microlab,Inc.で行った。融点(mp)は
オープンキャピラリー装置で測定したものであり、値の補正はしていない。
鏡像体過剰率(ee)の値は、キラルパック(Chiralpak)(Chiral Technologies Inc.)カラムのAS−RH,2.1×150mm,5ミクロン,λ=312nm又はAS−RH,4.6×250mm,5ミクロン,λ=310nmを用いたHPLC分析によって決定した。
AS−RH,2.1×150mm,5ミクロン:二種の溶媒を混合した勾配HPLC分離。溶媒A:0.1%ギ酸水溶液、溶媒B:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液。サンプルを50%メタノール−50%水中に溶解[0.1mg/mL]させたものを10μL、注入した。
時間(分) %B Flow(mL/分)
0.0 55 0.3
5.0 95 0.3
5.5 95 0.3
6.0 55 0.3
12.0 55 0.3
AS−RH,4.6×250mm,5ミクロン:二種の溶媒を混合した勾配HPLC分離。溶媒A:0.05%TFA水溶液、溶媒B:0.05%TFAアセトニトリル溶液。サンプルをアセトニトリル中に溶解[1mg/mL]させたものを3〜5μl、注入した。
時間(分) %B Flow(mL/分)
0.0 50 0.8
8.0 95 0.8
10.0 95 0.8
11.0 50 0.8
13.0 50 0.8
記載した合成経路及び実験手順には多くの一般的な化学略号を用いている。例えば、2,2−DMP(2,2−ジメトキシプロパン)、Ac(アセチル)、ACN(アセトニトリル)、Bn(ベンジル)、BnOH(ベンジルアルコール)、Boc(tert−ブトキシカルボニル)、Boc2O(ジ−tert−ブチルジカーボネート)、Bz(ベンゾイル)、CSI(クロロスルホニルイソシアネート)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、DCC(N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DCE(1,2−ジクロロエタン)、DCM(ジクロロメタン)、DEAD(ジエチルアゾジカルボキシレート)、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)、DMA(N,N−ジメチルアセトアミド)、DMAP〔4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン〕、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、EDC〔1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩〕、Et(エチル)、EtOAc(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、HATU〔O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート〕、HBTU(O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、HF(フッ化水素)、HOAc(酢酸)、HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物)、HPLC(高圧液体クロマトグラフィー)、IPA(イソプロピルアルコール)、KHMDS〔カリウムビス(トリメチルシリル)アミド〕、KN(TMS)2〔カリウムビス(トリメチルシリル)アミド〕、KOtBu(カリウムtert−ブトキシド)、LDA(リチウムジイソプロピルアミン)、MCPBA(3−クロロ過安息香酸)、Me(メチル)、MeCN(アセトニトリル)、MeOH(メタノール)、NaBH(OAc)3(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)、NaCNBH3(シアノ水素化ホウ素ナトリウム)、Na
H(水素化ナトリウム)、NaN(TMS)2〔ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド〕、NaOAc(酢酸ナトリウム)、NaOEt(ナトリウムエトキシド)、Phe(フェニルアラニン)、PPTS(ピリジニウムp−トルエンスルホネート)、PS(ポリマーに担持された)、Py(ピリジン)、pyBOP〔(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート〕、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、TFAA(無水トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、Tol(トルオイル)、Val(バリン)等である。
スキーム1は、式Iの飽和5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を調製するために用いることができる概括的な手順を示したものである。
飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体は、スキーム3、4、6、7又は8に記載のいずれかの方法によって得られるものであるが、アミド結合を形成するのに用いられる標準のペプチドカップリング条件、例えばDCCなどを用いて、カルボン酸中間体(又はその塩、例えば、ナトリウム塩)と縮合させることにより、スキームに示すアミドを得ることができる。この中間体を、単離するか、単離することなく、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下で環化させることにより、所望の飽和5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を得ることができる。
スキーム2は、式Iの不飽和5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を調製
するのに用いることができる概括的な手順を示したものである。
不飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体(スキーム1で定義されたRを有している)は、スキーム5又は9に記載された方法のいずれかによって得られるものであるが、アミド結合を形成するのに用いられる標準のペプチドカップリング条件、例えばDCCなどを用いて、カルボン酸中間体(又はその塩、例えば、ナトリウム塩)と縮合させることにより、スキームに示すアミドを得ることができる。この中間体を単離するか、単離することなく、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下で環化させることにより、所望の不飽和5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を得ることができる。
スキーム3は飽和酸無水物から飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を調製するのに用いることができる概括的な手順を示している。
市販の飽和環状メソ−酸無水物は、文献で述べられているような、酵素、あるいは、キナ・アルカロイド(例えばキニン又はキニジン等)のようなキラル剤を用いて、光学活性飽和環状ジカルボン酸モノエステル(スキーム1で定義したR基を有するもの)へと非対称化することができる。J.Org.Chem.,65,6984−6991(2000);Synthesis,11,1719−1730(2001)や、その中で引用されている参照文献を参照されたい。
これらの中間体から、クルツィウス転移(Curtius rearrangement;スキーム中に示す)やホフマン分解(Hofmann degradation)などの転移反応を介して、さらに保護−光学活性飽和環状β−アミノ酸エステル類(例えば、Cbz−保護体)を合成することができる。標準条件における保護−飽和環状β−アミノ酸エステルの水素添加は、保護基を除去して、光学活性飽和環状β−アミノ酸エステルとするのに用いることができる。当該光学活性飽和環状β−アミノ酸エステルは、遊離塩基、又はそれに対応する塩として単離(及び使用)できる。光学活性飽和環状β−アミノ酸エステル(又はその塩)を、次に還元剤(シアノ水素化ホウ素ナトリウムなど)の存在下、アルデヒド又はケトンで処理することにより、所望の光学活性飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を得ることができる。なおスキーム中、RxとRwは独立に、C1−C5アルキル、C3−C8シクロアルキル、−C1−C5アルキレン(C3−C8シクロアルキル)、−C1−C5アルキレン(アリール)、−C1−C5アルキレン(ヘテロサイクリル)、アリール、若しくはヘテロサイクリルであるか、又は、RwはRxと結合して3〜8員環を形成していても良い。あるいは、上記反応シーケンスは、酵素又はキラル剤なしで行って、アキラルな中間体や生成物としてもよい。
スキーム4は、不飽和酸無水物から飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を調製するのに用いることができる概括的な手順を示している。
市販の不飽和環状メソ−酸無水物は上述(スキーム3)のように非対称化して、光学活性不飽和環状ジカルボン酸モノエステル(スキーム1で定義したR基を有するもの)とすることができる。これらの中間体から、クルツィウス転移(スキーム中に示す)やホフマン分解などの転移反応を介して、さらに保護−光学活性不飽和環状β−アミノ酸エステル(例えば、Cbz−保護体)を合成することができる。標準条件における保護−光学活性不飽和環状β−アミノ酸エステルの水素添加により、保護基は除去され、オレフィンが還元されて、光学活性飽和環状β−アミノ酸エステルとなる。この光学活性飽和環状β−アミノ酸エステルは、遊離塩基又はそれに相当する塩として単離(及び使用)することができる。
光学活性飽和環状β−アミノ酸エステル(又はその塩)は、次に還元剤(シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下、アルデヒド又はケトン(スキーム3で定義したRxやRwを有するもの)で処理することにより、所望の光学活性飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体とすることができる。あるいは、上記反応シーケンスは、酵素又はキラル剤なしで行って、アキラルな中間体や生成物としてもよい。
スキーム5は不飽和酸無水物から不飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を調製するのに用いることができる概括的な手順を示している。
市販の不飽和環状メソ−酸無水物は上述(スキーム4)のように非対称化して、光学活性不飽和環状ジカルボン酸モノエステル(スキーム1で定義したR基を有するもの)とすることができる。これらの中間体から、クルツィウス転移(スキーム中に示す)やホフマン分解などの転移反応を介して、さらに保護−光学活性不飽和環状β−アミノ酸エステル(例えば、Boc−保護体)を合成することができる。その後、Boc保護基をオレフィンの存在下で選択的に除去し、光学活性不飽和環状β−アミノ酸エステル中間体とすることができる。この光学活性不飽和環状β−アミノ酸エステル中間体は、塩又はそれに相当する遊離塩基として単離(及び使用)することができる。
光学活性不飽和環状β−アミノ酸エステル(又はその塩)は、次に還元剤(シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下、アルデヒド又はケトン(スキーム3で定義したRxやRwを有するもの)で処理して、所望の光学活性不飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体とすることができる。あるいは、上記反応シーケンスは、酵素又はキラル剤なしで行って、アキラルな中間体や生成物としてもよい。
スキーム6は飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を調製するのに用いることができる概括的な手順を示している。
二環式オレフィン(例えばノルボルネン)は、クロロスルホニルイソシアネートと反応させてスキームに示すβ−ラクタムとすることができる。これらの中間体は、強酸(例えば塩酸)の存在下、加水分解して、飽和環状β−アミノ酸(又はその塩)とすることができる。次に、この飽和環状β−アミノ酸(又はその塩)から、標準条件(スキーム1で定義したR基を有するもの)を用いて、対応するエステルを合成することができる。この飽和環状β−アミノ酸エステルを、次に還元剤(シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下、アルデヒド又はケトン(スキーム3で定義したRxやRwを有するもの)で処理して、所望の飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体とすることができる。
スキーム7は、ジアステレオマー法による晶析によって、ジ−exoエナンチオマーを光学分割するのに用いることができる方法を述べた概括的なスキームを示している。
上述のようにしてノルボルネンから得られたラセミ体のジ−exo−β−アミノ酸エステル誘導体は、光学的に純粋な酸、例えば(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸などを用いてジアステレオマー塩を形成させることにより光学分割することができる。(1R,2R,3S,4S)−β−アミノ酸エステル誘導体は、(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸と結晶状の塩を形成し、この結晶塩を好適な溶媒(例えば酢酸エチル)を用いた濾過によって選択的に単離することができる。次にその塩を炭酸ナトリウムなどの塩基で処理すると、遊離の、エナンチオマー的に純粋な環状(1R,2R,3S,4S)−β−アミノ酸エステルが得られる。光学的に純粋な環状(1R,2R,3S,4S)−β−アミノ酸エステル(又はその塩)を、次に還元剤(シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下、アルデヒド又はケトン(スキーム3で定義したRxやRwを有するもの)で処理することにより、所望の光学的に純粋な飽和環状N−置換−(1R,2R,3S,4S)−β−アミノ酸エステル中間体が得られる。
スキーム8は、エナンチオマー的に純粋な飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を調製するのに用いることができる別の手順を示したものである。
β−ラクタム(スキーム6記載の方法で調製されたもの)を、アルコール(例えば、エタノール)の存在下、光学的に純粋な酸、例えば(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸(スキーム7に記載のもの)などを用いてジアステレオマー塩を形成させることにより、開環させて光学分割することによって、ジアステレオマー的に純粋な(1R,2R,3S,4S)−β−アミノ酸エステルを、(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸との塩として直接得ることができる。炭酸カリウムなどの塩基で処理し、還元剤(シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下、アルデヒド又はケトン(スキーム3で定義したRxやRwを有するもの)を用いて還元的アルキル化を行うことにより、所望のエナン
チオマー的に純粋な飽和環状N−置換−(1R,2R,3S,4S)−β−アミノ酸エステル中間体が得られる。
スキーム9は、飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体の調製に用いることができる概括的な手順を示したものである。
飽和環状β−アミノ酸エステル(又はその塩、スキーム1で定義したR基を有するもの)は、購入することもできるし、対応する市販の飽和環状β−アミノ酸から調製することもできるし、またスキーム3、4、6又は7に記載の方法によって調製することもできる。次に飽和環状β−アミノ酸エステルを、還元剤(シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下、アルデヒド又はケトン(スキーム3で定義したRxやRwを有するもの)で処理することにより、所望の飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を得ることができる。それぞれのケースにおいて、飽和環状β−アミノ酸エステル又は所望の飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体は光学活性であってもよい。
スキーム10は、飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を調製するのに用いることができる別の概括的な手順を示したものである。
飽和環状β−アミノ酸エステル(又はその塩、スキーム1で定義したR基を有するもの)は、購入することもできるし、対応する市販の飽和環状β−アミノ酸から調製することもできるし、またスキーム3、4、6又は7に記載の方法によって調製することもできる。次に飽和環状β−アミノ酸エステル類を、銅(例えばUllmann反応条件下で)又はパラジウム(例えば、Buchwald−Hartwig反応条件下で)などの金属触媒の存在下で、ハロゲン化物又は擬ハロゲン化物Xa(例えば、臭化物、ヨウ化物又はトリフラート等)で処理することにより、所望の飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を得ることができる。なおスキーム中、Rvはアリール又はヘテロサイクリルである。それぞれのケースにおいて、飽和環状β−アミノ酸エステル又は所望の飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体は光学活性であってもよい。
スキーム11は不飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を調製するのに用いることができる概括的な手順を示したものである。
不飽和環状β−アミノ酸エステル(又はその塩、スキーム1で定義したR基を有するもの)は、購入することもできるし、対応する市販の不飽和環状β−アミノ酸から調製することもできるし、またスキーム5に記載の方法によって調製することもできる。次に不飽和環状β−アミノ酸エステルを、還元剤(シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下、アルデヒド又はケトン(スキーム3で定義したRxやRwを有するもの)で処理することにより、所望の不飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を得ることができる。それぞれのケースにおいて、不飽和環状β−アミノ酸エステル又は所望の不飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体は光学活性であってもよい。
スキーム12は、不飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を調製するのに使用することができる別の概括的な手順を示したものである。
不飽和環状β−アミノ酸エステル(又はその塩、スキーム1で定義したR基を有するもの)は、購入することもできるし、対応する市販の不飽和環状β−アミノ酸から調製することもできるし、またスキーム5に記載の方法によって調製することもできる。不飽和環状β−アミノ酸エステルを、銅(例えばUllmann反応条件下で)などの金属触媒の存在下で、ハロゲン化物又は擬ハロゲン化物Xa(例えば、臭化物、ヨウ化物又はトリフラート等)で処理することにより、所望の不飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体を得ることができる。なおスキーム中、Rvはアリール又はヘテロサイクリルである。それぞれのケースにおいて、不飽和環状β−アミノ酸エステル又は所望の不飽和環状N−置換−β−アミノ酸エステル中間体は光学活性であってもよい。
スキーム13は、7−置換−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル−酢酸中間体を調製するのに使用することができる概括的な手順を示したものである。
市販の6−ニトロベンゾチアゾールを、ヒドラジンで処理することにより、2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンチオールを得ることができる。続いてこの2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンチオールをクロロアセトアセテートと反応させることにより、(7−ニトロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステルが得られる。ニトロ基のアミノ基への還元は、塩化スズ(II)との反応によって達成できる。引き続き塩化メチルスルホニル等の塩化スルホニルと反応させると、対応するスルホンアミドを得ることができる。両方の窒素の好適な保護基(例えばBoc基など)による保護は、アミノ基を保護するための標準的な方法を用いて行うことができる。スルフィドは好適な酸化剤(例えばMCPBA等)を用いて酸化し、スルホンとすることができる。最後に、トリフルオロ酢酸を用いてアミノ基の脱保護を行い、次にエステルを加水分解して、所望の酸中間体を得ることができる。
スキーム14は、7−置換−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル−酢酸中間体を調製するのに用いることができる概括的な手順である。
市販の2−クロロ−5−ニトロ−ベンゼンスルホン酸を塩化チオニルで処理することにより、塩化スルホニルを得ることができる。この塩化スルホニルをさらにアンモニアで処理して、スルホンアミド中間体とすることができる。この塩化物は、硫酸銅(II)の存在下、水酸化アンモニウムと炭酸アンモニウムで処理することにより、アンモニアと置換反応させることができる。標準的な水素添加条件下でニトロ基を還元することによりアニリン中間体が得られる。このアニリン中間体を塩化メチルスルホニル等の塩化スルホニルで処理することにより、対応するスルホンアミドを得ることができる。塩化マロニル(例えば、3−クロロ−3−オキソ−プロピオン酸エチル等)を用いた2−アミノ基のアシル化によって、対応するアミドが得られる。同時に、このアミドはチアジアジン−ジオキシドへと環化され、加水分解されて所望の酸中間体が得られる。
スキーム15は、2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド中間体を調製するために使用することができる別の手順を示したものである。
市販の2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホン酸は、スルホランなどの好適な共溶媒の存在下、塩化ホスホリルを用いて対応の塩化スルホニルへと変換することができる。アンモニア(例えば水酸化アンモニウム水溶液又はアンモニアガス等)で処理することにより、所望の2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド中間体を得ることができる。
スキーム16は、2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド中間体を調製するのに用いることができる別の手順を示したものである。
2−クロロ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド中間体(スキーム14記載の方法で調製されたもの)は、ベンジルアミン等のベンジル型アミン類で処理することにより、塩素基を置換することができる。酸(例えばメタンスルホン酸等)の存在下、標準条件下で水素添加を行うことにより、ベンジル基を除去しつつ同時にニトロ基を還元して、2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミド中間体を塩として得ることができる。あるいは、2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミド塩は、酸(例えばメタンスルホン酸等)の存在下、標準の水素添加条件で2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(スキーム14及び15に記載の方法によって調製したもの)を還元することにより得ることができる。引き続き塩化メタンスルホニルと反応させることにより、所望の2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド中間体を得ることができる。
スキーム17は、(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸中間体を調製するのに用いられた手順を示したものである。
市販の2−アミノベンゼンスルホンアミドをN−ヨードスクシンイミド(NIS)で処理することにより、2−アミノ−5−ヨード−ベンゼンスルホンアミドを得ることができる。マロニルハライドモノエステル(例えば3−クロロ−3−オキソ−プロピオン酸エチル等)、又はジアルキルマロネート(例えばジエチルマロネート等)でアシル化することにより、対応するアミドを得る。同時に、このアミドをチアジアジン−ジオキシドへと環化し、加水分解して、所望の酸中間体(又はその塩、例えばナトリウム塩)にすることができる。
スキーム18は(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸中間体を調製するのに使用した手順を示したものである。
市販の2−アミノベンゼンスルホンアミドを、マロニルハライドモノエステル(例えば3−クロロ−3−オキソ−プロピオン酸エチル等)、又はジアルキルマロネート(例えばジエチルマロネート等)でアシル化することにより、対応するアミドを得ることができる。同時に、このアミドをチアジアジン−ジオキシドへと環化し、加水分解して、所望の酸中間体(又はその塩、例えばナトリウム塩)にすることができる。
スキーム19は3−アミノ−ピリジン−4−スルホン酸アミド中間体を調製するのに使用した手順を示したものである。
3−アミノ−ピリジン−4−スルホン酸アミド中間体は、Tetrahedron 1998,54,13645−13654(ステップ2〜4)に記載の以下の方法に従って調製することができる。市販の4−クロロ−3−ニトロ−ピリジンを硫化ナトリウム水和物で処理することにより塩素基を置換することができる。クロラミンで処理し、酸化剤(例えばMCPBA等)を用いて硫黄を酸化することにより、ニトロ−スルホンアミド中間体とする。標準条件(例えば塩化スズ(II))を用いてニトロ基を還元することにより、
所望の3−アミノ−ピリジン−4−スルホン酸アミド中間体を得る。
スキーム20は4−アミノ−ピリジン−3−スルホン酸アミド中間体を調製するのに使用した手順を示すものである。
市販のピリジン−4−イルアミンを、塩化チオニルの存在下、クロロスルホン酸で処理することにより、塩化スルホニル中間体を得ることができる。水酸化アンモニウム水溶液で処理することにより、所望の4−アミノ−ピリジン−3−スルホン酸アミド中間体とすることができる。
スキーム21は3−アミノ−ピリジン−2−スルホン酸アミド中間体を調製するのに使用した手順を示すものである。
市販の2−クロロ−3−ニトロ−ピリジンを、塩基(例えば炭酸カリウム等)の存在下で、ベンジルメルカプタンで処理することにより、スルフィド中間体を得ることができる。1,3−ジクロロ−5,5−ジメチル−ヒダントインを用いて酸化することにより、塩化スルホニルとする。この塩化スルホニルを水酸化アンモニウム水溶液で処理することによりスルホンアミド中間体を得ることができる。標準の水素添加条件下でニトロ基を還元することにより所望の3−アミノ−ピリジン−2−スルホン酸アミド中間体を得ることができる。
スキーム22は4−アミノ−ピリジン−3−スルホン酸アミド中間体を調製するのに使用した手順を示している。
市販の4−クロロ−ピリジン−3−スルホン酸アミドはアジ化ナトリウムで処理してアジド中間体とすることができる。このアジド中間体を、還元剤(例えば水素化ホウ素ナトリウム等)で還元することにより、所望の4−アミノ−ピリジン−3−スルホン酸アミド中間体を得ることができる。
スキーム23はアミノピリジンスルホン酸アミド中間体由来の酸中間体を調製するのに使用した手順を示している。
スキーム19〜21に記載のアミノピリジンスルホン酸アミド中間体を、マロニルハライドモノエステル(例えば3−クロロ−3−オキソ−プロピオン酸エチル等)、又はジアルキルマロネート(例えばジエチルマロネート等)でアシル化することにより、対応するアミドを得ることができる。同時に、このアミドをチアジアジン−ジオキシドへと環化し、加水分解して、所望の酸中間体(又はその塩、例えばナトリウム塩)にすることができる。
スキーム24は、式Iの5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を、対応するヨード前駆体から調製するのに使用した概括的な手順を示すものである。
置換基を有していても良い5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オンを、銅が媒介する置換反応において、置換基を有するスルホンアミドで処理することにより、所望の式Iの5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を得ることができる。
スキーム25はスルファミド基を有する式Iの5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を、対応するヨード前駆体から調製するのに使用した概括的な手順である。
置換基を有していても良い5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オンを、アジ化ナトリウムで処理することによりヨード基を置換することができる。アジド中間体を標準条件、例えば触媒的水素添加などを用いて還元することにより、アニリン中間体を得る。さらに塩基(例えばトリエチルアミン等)の存在下で、置換基を有していても良いスルファモイルクロリドと反応させることにより、所望の式Iの5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を得る。
スキーム26は式IのN−置換5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を調製するのに使用した概括的な手順を示している。
置換基を有していても良い5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オンのスルホンアミド基を、塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下、アルキルハライド又は擬ハロゲン化物Xa(例えば塩化物、臭化物、ヨウ化物、メシレート、トシレート、トリフラート、又はクロロホルメート)等のアルキル化剤で処理してN−アルキル化することにより、所望の式IのN−置換5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を得ることができる。
スキーム27は、式Iの5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を、対応するヨード前駆体から調製するのに使用した手順を示している。
置換基を有していても良い5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オンを、Stille型パラジウム触媒反応において、スタンナン類(上記不飽和環状スルホンなど)で処理することにより、スキームに示す不飽和中間体を得ることができる。このアルケンを標準の水素添加条件を用いて還元することにより、所望の式Iの5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を得る。
スキーム28は、式Iの5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物を、対応するヨード前駆体から調製するのに使用した概括的な手順を示したものである。
置換基を有していてもよい5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オンは、銅が媒介する置換反応においてアミン類で処理することにより、所望の式Iの5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン化合物とすることができる。
実施例1
(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
塩化チオニル(11mL)と2−クロロ−5−ニトロベンゼンスルホン酸(4.78g,20.1mmol)の溶液にN,N−ジメチルホルムアミド(0.92μL)を添加し、反応混合液を還流下4時間加熱した。次に反応混合液を注意深く水中に注いで反応を停止させ、生成物を減圧濾過で単離した。塩化スルホニルを最少量のトルエン中に溶解させ、次に濃水酸化アンモニウム水溶液(25mL)とテトラヒドロフラン(25mL)の混合物に−10℃で添加した。2時間攪拌後、pHが4になるまで6.0M塩酸を加えて反応を停止させた。分液を行い、有機相をスラリー状になるまで減圧下で濃縮した。ペンタンを加え、減圧濾過により生成物を単離して、2−クロロ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド(2.0g,8.48mmol,42.4%)を固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:7.94(d,1H,J=8.8Hz),7.97(bs,2H),8.40(dd,1H,J1=8.6Hz,J2=3.1Hz),8.64(d,1H,J=3.1Hz)。
b)2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド
2−クロロ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(1.95kg,8.30mol)、炭酸アンモニウム(1.983kg,20.64mol)、及び硫酸銅(II)(394g,2.47mol)をオートクレーブ中に仕込み、30%水酸化アンモニウム水溶液(11.7L,330mol)で希釈した。混合物を118℃で3日間加熱し、その後23℃に冷却した。混合物を濾過し、次に固体を水(20L)で洗滌した。この固体を温メタノール(20mL/g)中に溶解させ、混合物を濾過して不溶固体を除去した。濾液を4℃で一晩保存し、その後得られた固体生成物を濾過した。減圧蒸留により濾液を部分的に濃縮し、濃縮液を冷却して23℃になった時、固体の生成物を濾別した。2回にわたって得られた固体を寄せ集めて、さらに減圧下、45℃で乾燥させることにより、所望の生成物である、2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(1.10kg,5.06mol,61%)を固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:6.89(d,J=9.3Hz,1H),7.12(bs,2H),7.57(bs,2H),8.07(dd,J1=9.0Hz,J2=2.6Hz,1H),8.43(
d,J=3.0Hz,1H)。
あるいは、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミドは下記のようにして調製することもできる。
2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸(200.00g,0.917mol)を温スルホラン(250mL)中に懸濁させ、懸濁液を80℃に加熱した。オキシ塩化リン(126mL,1.375mol)を加え、得られた混合物を110〜120℃に加熱し、4時間攪拌した。得られた溶液を60℃に冷却し、10℃未満の温度の濃水酸化アンモニウム水溶液(800mL,11.9mol)に滴下した。フラスコを温スルホラン(50mL)で洗滌し、洗浄液を上記反応混合物に添加した。得られた懸濁液を25℃で1時間攪拌し、95℃に加熱して、1時間攪拌した。混合物を80℃に冷却し、3.0M塩酸(約600mL)でpHを6〜8に調整し、25℃にまで放冷した。深緑色の懸濁液を濾過し、湿潤濾過ケーキを水(300mL)で洗滌し、60℃で一晩乾燥させて粗生成物(140g)を緑黄色固体として得た。粗生成物を0.5M水酸化ナトリウム水溶液(1.4L,0.7mol)中に溶解させた。炭(14g)を加え、混合物を加熱して還流させ、15分攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕を通して濾過し、0.5M水酸化ナトリウム水溶液(100mL)で洗滌した。濃塩酸(約60mL)を用いて濾液のpHを6〜8に調整し、黄色懸濁液を25℃にまで放冷した。混合物を濾過し、湿潤濾過ケーキを水(200mL)で洗滌し、60℃で一晩乾燥させることにより、所望の生成物である、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド(130g,0.599mol,65%)を、明るい黄色の粉末として得た。
c)2,5−ジアミノベンゼンスルホンアミド
2−アミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(5.00kg,23.0mol)、メタノール(65L)、テトラヒドロフラン(65L)、及び10%パラジウム炭素(250g)をオートクレーブに仕込んだ。混合物の窒素、水素パージを3回くり返し、その後、混合物を水素下(50psi)、23℃で一晩攪拌した。触媒を濾過で除去し、次に濾液を減圧下で濃縮し、茶色の固体を得た。固体をさらに減圧下、45℃で乾燥させることにより、所望の生成物である、2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミド(4.21kg,22.4mol,98%)を固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:4.54(2H,bs),4.98(2H,bs),6.55−6.60(2H,m),6.87(1H,d,J=2.2Hz),6.99(2H,bs)。
LC−MS(ESI) C6H9N3O2Sに対する計算値187.04,実測値188.3[M+H+]。
d)2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド
2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミド(4.20kg,22.4mol)をジクロロメタン(120L)及びピリジン(8.00kg,89.9mol)中に溶解させた。得られた溶液を0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(2.80kg,24.4mol)をゆっくりと加え、得られた混合物を23℃まで昇温した後、2日間攪拌した。混合物を濾過し、得られた固体をジクロロメタン(2×20L)で洗滌した。その固体を水(100L)及び1.0M塩酸(25L)で希釈し、その後23℃で1時間攪拌した。混合物を濾過し、得られた固体を水(20L)で、次にメチルtert−ブチルエーテル(2×10L)で洗滌した。さらに固体を減圧下、45℃で乾燥させることにより、所望の生成物である、2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(4.39kg,16.5mol,73%)を淡桃色固体として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ:2.89(3H,s),6.82(1H,d,J=8.5Hz),7.20(1H,dd,J1=8.5Hz,J2=2.5Hz),7.58(1H,d,J=2.5Hz)。 LC−MS(ESI) C7H11N3O4S2に対する計算値265.02,実測値266.0[M+H+]。
あるいは、2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミドは下記のようにして調製することもできる。
a’)2−ベンジルアミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド
2−クロロ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(2.20kg,9.30mol)、ベンジルアミン(1.5L,13.9mol)、トリエチルアミン(2.5L,18.1mol)、及びアセトニトリル(22.0L)の混合物を92℃で20時間加熱した。その後、混合物を40℃に冷却し、その後減圧下で部分的に濃縮した。残留物を0℃の水(22.0L)に添加し、得られた懸濁液を23℃まで昇温した後、2時間攪拌した。懸濁液を濾過し、次に固体を水(5L)で洗滌した。洗滌した固体を無水エタノール(11L)中に懸濁させ、次に濾過し、無水エタノール(5L)で洗滌した。固体をさらに減圧下45℃で乾燥させることにより、所望の生成物である、2−ベンジルアミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(2.40kg,7.81mol,84%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:4.64(2H,d,J=4.6Hz),6.81(1H,d,J=9.4Hz),7.23−7.44(6H,m),7.77(2H,bs),8.11(1H,dd,J1=9.4Hz,J2=2.3Hz),8.49(1H,d,J=3.1Hz)。 LC−MS(ESI) C13H13N3O4Sに対する計算値307.06,実測値308.2[M+H+](100%),615.2[2M+H+](81%)。
b’)2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミドメタンスルホネート
メタンスルホン酸(465mL,7.16mol)を、2−ベンジルアミノ−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(2.20kg,7.16mol)とテトラヒドロフラン(11.0L)の溶液にゆっくりと添加した。得られた溶液を、水素添加反応器中で、10%パラジウム炭素(50%水湿潤触媒220g)と水(1.1L)の混合物に添加した。混合物をさらに無水エタノール(21.0L)で希釈し、55psi水素で50℃、21時間水素添加した。10%パラジウム炭素(50%水湿潤触媒55g)をさらに加え、55psi及び50℃での水素添加を22時間行った。得られた懸濁液を水(1.1L)で希釈し、次にセライト〔Celite(登録商標)〕のパッドを通して懸濁液を濾過した。濾液を減圧下で部分的に濃縮し、次にアセトニトリル(15.4L)で希釈した。溶液を、再度減圧下で部分的に濃縮し、アセトニトリル(15.4L)で希釈した。得られた懸濁液を減圧下で部分的に濃縮し、23℃で2時間攪拌した。懸濁液を濾過し、次に固体をアセトニトリル(3L)で洗滌した。さらに固体を減圧下、45℃で乾燥させることにより、所望の生成物である、2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミドメタンスルホネート(1.88kg,6.64mol,93%)を紫色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:2.34(3H,s),6.05(2H,b),6.87(1H,d,J=8.6Hz),7.20(1H,dd,J1=8.6Hz,J2=2.3Hz),7.38(2H,s),7.53(1H,d,J=2.3Hz),9.62(3H,b)。 LC−MS(ESI) C6H9NO2Sに対する計算値187.04,実測値187.9[M+H+]。
あるいは、2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミドメタンスルホネートは下記のようにして調製することもできる。
2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド(実施例1bに従って調製したもの,100.00g,0.460mol)及び5%パラジウム炭素(湿潤,5.00g)を、エタノール(2L)及び水(100mL)中に懸濁した。メタンスルホン酸(33mL,0.51mol)を加え、得られた混合物を55℃に加熱し、8時間水素雰囲気下で攪拌した。混合物を濾過し、体積が約450mLになるまで濾液を減圧下で濃縮した。アセトニトリル(1L)を濃縮液に添加し、得られた混合物を25℃で一晩攪拌した。懸濁液を濾過することにより、所望の生成物である、2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミドメタンスルホネート(122.36g,0.432mol,93.8%)を紫色の固体として得た。
c’)2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド
2,5−ジアミノ−ベンゼンスルホンアミドメタンスルホネート(1.80kg,6.35mol)をアセトニトリル(24L)中に懸濁させた。ピリジン(1.55L,19.1mol)を加え、その後、塩化メタンスルホニル(517mL,6.68mol)を注意深くゆっくりと加えた。23℃で20時間攪拌した後、混合物を減圧下、55℃で部分的に濃縮した。水(18L)を濃縮物に添加し、得られた懸濁液を23℃で2時間攪拌した。固体を濾過し、次に固体を水(4L)で洗滌し、フィルター上で風乾させた。固体を無水エタノール(9L)中に懸濁させ、23℃で9時間攪拌し、次に濾過した。固体を無水エタノール(2×2L)で洗滌し、その後さらに減圧下50℃で乾燥させることにより、所望の生成物である、2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(1.45kg,5.48mol,86%)を紫色の固体として得た。
e)N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステル
2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(23.27g,87.81mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド(100mL)及びジエチルエーテル(100mL)中に溶解させた。3−クロロ−3−オキソ−プロピオン酸エチル(13.88g,92.20mmol)を加え、反応混合液を25℃で1時間攪拌した。反応混合液を酢酸エチル(400mL)で希釈し、水(400mL)で抽出した。水相を酢酸エチル(2×200mL)で逆抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、さらに減圧下で溶媒の大部分を除去することにより、体積を約100mLとした。
攪拌しながら、上記溶液にヘキサン(約100mL)を添加した。添加した際には沈殿が形成した。その沈殿を減圧濾過で回収し、ヘキサンで洗滌し、高減圧下で乾燥させることにより、分析上純粋な生成物である、N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステル(31.22g,85.53mmol,97.4%)を薄茶色の固体として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ:1.31(3H,t,J=7.0Hz),3.00(3H,s),3.59(2H,s),4.25(2H,四重線,J=6.9Hz),7.42−7.45(1H,m),7.86(1H,m),7.92(1H,d,J=8.8Hz)。
f)N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイルフェニル)−マロンアミド酸メチルエステル
2−アミノ−5−メタンスルホニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(実施例1dに従って調製したもの,1.70kg,6.40mol)をテトラヒドロフラン(35L)中に溶解させ、その後0℃に冷やした。3−クロロ−3−オキソプロピオン酸メチル(792mL,7.40mol)をゆっくりと加え、その後得られた混合物を23℃まで昇温し、2日間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、その後残留物を水(4L)及び飽和重曹水溶液(2L)で希釈した。得られた固体を濾過し、次に水(5L)で洗滌した。固体を温メタノール中に懸濁させ(15mL/g)、次に23℃に冷却し、濾過することにより、所望の生成物である、N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸メチルエステル(1.68kg,4.61mol,72%)を茶色の固
体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:3.02(3H,s),3.60(2H,s),3.66(3H,s),7.38(1H,dd,J1=2.3Hz,J2=8.6Hz),7.53(2H,bs),7.73(1H,d,J=2.4Hz),7.83(1H,d,J=8.7Hz),9.43(1H,s),9.99(1H,s)。
g)(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸
N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステル(実施例1eに従って調製したもの,9.55g,26.16mmol)を、8%水酸化ナトリウム水溶液(262mL)中に溶解させ、100℃で1.5時間加熱した。反応溶液を0℃まで冷却し、溶液のpHが1〜2になるまで12.0M塩酸をゆっくり加えて溶液を酸性化した。沈殿が生じはじめ、懸濁液を0℃で30分間攪拌した。沈殿物を減圧濾過で回収し、冷水で洗滌し、高減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(7.20g,21.621mmol,82.6%)を薄桃色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:3.03(3H,s),3.56(2H,s),7.33(1H,d,J=9.1Hz),7.52−7.54(2H,m),10.09(1H,s),12.24(1H,s),13.02(1H,bs)。 LC−MS(ESI) C10H11N3O6S2に対する計算値333.01,実測値334.1[M+H+]。
あるいは、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸は以下の方法でも調製することができる。
N−(4−メタンスルホニルアミノ−2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸メチルエステル(実施例1gに従って調製したもの,1.35kg,3.69mol)を3.8wt.%水酸化ナトリウム水溶液(14.0kg)に加えた。得られた混合物を23℃で30時間攪拌し、その後0℃にまで冷却した。2.0M塩酸(9.72L)をゆっくりと加え、0℃での攪拌を30分間続け、その後、混合物を濾過した。固体を水(1.4L)で洗滌し、その後、メタノール(1.4L)及びジエチルエーテル(2.7L)の混合液中にてスラリー化した。濾過後、固体をジエチルエーテル(2×1.4L)で洗滌し、さらに減圧下、23℃で乾燥させて、所望の生成物である、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(1.07kg,3.21mol,87%)を薄茶色の固体として得た。
h)(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(1g,4.6mmol)をメタノール(23mL)中に懸濁させた。酢酸ナトリウム(0.755g,9.2mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(1g)及び4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.571g,4.6mmol)を加えた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.578g,9.2mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(200mL)と酢酸エチル(200mL)の1:1混合物に注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和ブライン水溶液(50mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することによって、粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.993g,3.41mmol,74%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C17H22FNO2に対する計算値291.16,実測値292.1[M+H+]。
i)(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.1g,0.299mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)中に溶解させた。(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.087g,0.3mmol)を添加した後、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの1.0Mジクロロメタン溶液(0.315mL,0.315mmol)を添加した。混合物を25℃で1.5時間攪拌した。トリエチルアミン(0.124mL,0.9mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。冷却して、混合物を1.0M塩酸(100mL)中に注ぎ込んだ。生成物を酢酸エチル(100mL)中に抽出した。有機相を1.0M塩酸(50mL)、飽和ブライン水溶液(25mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm,0〜1%メタノールinジクロロメタン)で精製し、次にメタノールから晶析すること
により、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.08g,0.141mmol,47%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.18−1.21(2H,m),1.39−1.59(5H,m),2.61−2.64(1H,m),3.03(1H,d,J=14.2Hz),3.05(3H,s),3.53(1H,d,J=9.3Hz),4.41(1H,d,J=14.8Hz),4.96(1H,d,J=15.5Hz),7.14(2H,t,J=9.0Hz),7.32(2H,dd,J1=8.7Hz,J2=6.2Hz),7.50(1H,dd,J1=9.3Hz,J2=2.4Hz),7.55−7.57(2H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C25H25FN4O6S2に対する計算値560.12,実測値561.3[M+H+]。 HPLC分析:Chiralpak AS−RH 4.6×250mm,5ミクロン,室温,溶媒A−溶媒B(勾配は表を参照),0.8mL/分,310nm,t1=7.72分,t2=9.00分。
実施例2
(rac−ジ−endo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−endo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(rac−ジ−endo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(1g,4.6mmol)をメタノール(23mL)中に懸濁させた。酢酸ナトリウム(0.755g,9.2mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(1g)及び4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.571g,4.6mmol)を加えた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.578g,9.2mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(200mL)と酢
酸エチル(200mL)の1:1混合物中へと注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和ブライン水溶液(50mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(ジ−endo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(1.096g,3.77mmol,82%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C17H22FNO2に対する計算値291.16,実測値292.1[M+H+]。
b)(rac−ジ−endo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.1g,0.299mmol)を、無水N,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)中に溶解させた。(rac−ジ−endo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.087g,0.3mmol)を添加し、次にN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの1.0Mジクロロメタン溶液(0.315mL,0.315mmol)を添加した。混合物を25℃で1.5時間攪拌した。トリエチルアミン(0.124mL,0.9mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。冷却して、混合物を1.0M塩酸(100mL)中へ注ぎ込んだ。生成物を酢酸エチル(100mL)中に抽出した。有機相を1.0M塩酸(50mL)、飽和ブライン水溶液(25mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm,0〜1%メタノールinジクロロメタン)で精製し、メタノールから晶析することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−endo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.092g,0.164mmol,55%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.25−1.48(6H,m),2.64−2.73(2H,m),3.06(3H,s),3.24(1H,d,J=23.8Hz),3.72(1H,d,J=11.6Hz),4.07(1H,d,J=14.8Hz),5.12(1H,d,J=15.3Hz),7.14(2H,t,J=8.6Hz),7.39(2H,dd,J1=8.1Hz,J2=5.7Hz),7.51(1H,dd,J1=8.5Hz,J2=2.4Hz),7.57−7.60(2H,m),10.18(1H,s). LC−MS(ESI) C25H25FN4O6S2に対する計算値560.12,実測値561.4[M+H+]。 HPLC分析:Chiralpak AS−RH 4.6×250mm,5ミクロン,室温,溶媒A−溶媒B(勾配は表を参照),0.
8mL/分,310nm,t1=7.58分,t2=10.08分。
実施例3
(rac−ジ−endo)−N−{3−[3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−endo)−3−[(5−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(rac−ジ−endo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(1g,4.6mmol)をメタノール(23mL)中に懸濁させた。酢酸ナトリウム(0.755g,9.2mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(1g)を添加し、次に5−フルオロ−ピリジン−2−カルバルデヒド(0.576g,4.6mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.578g,9.2mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(200mL)と酢酸エチル(200mL)の1:1混合物中へと注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和ブライン水溶液(50mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(rac−ジ−endo)−3−[(5−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(1.247g,4.27mmol,93%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C16H21FN2O2に対する計算値292.16,実測値293.1[M+H+]。
b)(rac−ジ−endo)−N−{3−[3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.1g,0.299mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)中に溶解させた。(rac−ジ−endo)−3−[(5−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.088g,0.3mmol)を添加し、次にN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの1.0Mジクロロメタン溶液(0.315mL,0.315mmol)を添加した。混合物を25℃で1.5時間攪拌した。トリエチルアミン(0.124mL,0.9mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。冷却して、混合物を1.0M塩酸(100mL)中に注ぎ込んだ。生成物を酢酸エチル(100mL)中へと抽出した。有機相を1.0M塩酸(50mL)、飽和ブライン水溶液(25mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。メタノールから晶析することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−endo)−N−{3−[3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.087g,0.156mmol,52%)を淡黄色粉末として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.24−1.50(6H,m),2.64−2.73(2H,m),3.05(3H,s),3.28(1H,d,J=12.2Hz),3.89(1H,d,J=14.9Hz),4.25(1H,d,J=15.7Hz),5.10(1H,d,J=15.5Hz),7.46−7.51(2H,m),7.55−7.57(2H,m),7.66−7.71(1H,m),8.49(1H,d,J=2.3Hz),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C24H24FN5O6S2に対する計算値561.12,実測値562.4[M+H+]。
実施例4
N−{3−[(1S,2S,7R,8R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(1R,2S,3R,4S)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸
出発物質(a)をJ.Org.Chem.2000,65,6984−6991に記載の方法に従って調製した。cis−5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン酸無水物(4.104g,25mmol)を、トルエンと四塩化炭素(500mL)の1:1混合物中に懸濁させた。混合物を20分間攪拌した。キニン(8.92g,27.5mmol)を加え、フラスコを脱気し、窒素を充填した。溶液を−55℃に冷却した。攪拌しながら、メタノール(3.04mL,75mmol)を加えた。混合物を−55℃で20時間攪拌した。25℃に昇温して、混合物を減圧下で濃縮することにより、粘稠な油状液体とした。その油状液体を酢酸エチル(400mL)中に溶解させ、1.0M塩酸(2×400mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(1R,2S,3R,4S)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸(4.8g,24.5mmol,98%)を透明なワックス状の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.26(1H,d,J=8.5Hz),1.33(1H,d,J=8.8Hz),3.00(1H,s),3.03(1H,s),3.21−3.30(2H,m),3.45(3H,s),6.02−6.04(1H,m),6.14−6.16(1H,m),11.86(1H,s)。
b)メチル(1S,2R,3S,4R)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート
(1R,2S,3R,4S)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸(4.61g,23.5mmol)を無水テトラヒドロフラン(40mL)中に溶解させた。フラスコを脱気し、窒素を充填し、混合物を0℃まで
冷却した。トリエチルアミン(9.9mL,70.5mmol)を添加し、次に、激しく攪拌しながら、クロロギ酸エチル(4.48mL,47mmol)を滴下した。すぐに沈殿が形成されるのが確認された。さらにテトラヒドロフラン(60mL)を加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した。アジ化ナトリウム(4.58g,70.5mmol)を水(30mL)中に溶解させ、0℃で反応混合物に加えた。混合物を0℃で5分間攪拌した。氷浴を取り除いた。混合物を25℃まで昇温した後、2時間攪拌した。混合物を水(300mL)中へ注ぎ込み、生成物を酢酸エチル(300mL)中に抽出した。有機相をさらに半飽和重曹水溶液(2×100mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、透明油状液体を得た。その油状液体を無水ベンゼン(50mL)中に溶解させ、窒素下で2時間攪拌しながら還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、かすかに黄色の油状液体を得た。その油状液体をジクロロメタン(30mL)中に溶解させ、ベンジルアルコール(2.68mL,25.9mmol)を添加し、次にトリエチルアミン(6.61mL,47mmol)を添加した。混合物を窒素下で16時間還流した。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm,15%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、メチル(1S,2R,3S,4R)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート(5.51g,18.31mmol,78%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.38(1H,d,J=9.1Hz),1.50(1H,d,J=9.4Hz),3.10(2H,s),3.21(1H,dd,J1=9.2Hz,J2=2.3Hz),3.53(3H,s),4.62(1H,dt,J1=9.4Hz,J2=2.9Hz),5.07(2H,q,J=13.0Hz),5.29(1H,d,J=8.6Hz),6.15−6.17(1H,m),6.37−6.38(1H,m),7.29−7.35(5H,m)。 LC−MS(ESI) C17H19NO4に対する計算値301.13,実測値258.1(100%),302.2[M+H+](70%),603.5[2M+H+](20%)。
c)メチル(1R,2R,3S,4S)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩
メチル(1S,2R,3S,4R)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート(5.5g,18.27mmol)を酢酸エチル(75mL)中に溶解させた。5%パラジウム炭素(650mg)を加えた。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、濾液を減圧下で濃縮することにより、粘稠な透明油状液体を得た。その油状液体を酢酸エチル(15mL)中に溶解させ、塩化水素酸の4.0M 1,4−ジオキサン溶液(10mL,40mmol)をジエチルエーテル(90mL)中に添加して得た混合物に、激しく攪拌しながら滴下した。所望の生成物が白色固体として析出し始めた。混合物を20分間攪拌した。沈殿物を減圧濾過で回収し、追加のジエチルエーテル(15mL)で洗滌した。固体をさらに減圧下で1時間乾燥させることにより、所望の生成物である、メチル(1R,2R,3S,4S)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボ
キシレート塩酸塩(2.61g,12.69mmol,69%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.34−1.43(4H,m),1.54(1H,d,J=9.5Hz),1.68(1H,d,J=11.4Hz),2.47−2.48(2H,m),3.03(1H,dd,J1=11.0Hz,J2=4.0Hz),3.49−3.53(1H,m),3.62(3H,s),8.07(3H,bs)。 LC−MS(ESI) C9H15NO2(遊離アミン)に対する計算値169.11,実測値170.1[M+H+](100%),339.2[2M+H+](50%)。
d)メチル(1R,2R,3S,4S)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
メチル(1R,2R,3S,4S)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩(1g,4.86mmol)をメタノール(23mL)中に溶解させた。酢酸ナトリウム(0.755g,9.2mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(1g)及び4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.571g,4.6mmol)を加えた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.578g,9.2mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(200mL)と酢酸エチル(300mL)の混合物中に注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。さらに、有機相を飽和重曹水溶液(100mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、メチル(1R,2R,3S,4S)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(1.172g,4.23mmol,92%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C16H20FNO2に対する計算値277.15,実測値278.2[M+H+]。
e)N−{3−[(1S,2S,7R,8R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
メチル(1R,2R,3S,4S)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.087g,0.3mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(2.8mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.1g,0.3mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.07mL,0.63mmol)を添加した。混合物を全成分が溶解するまで約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.061g,0.315mmol)を加え、混合物を25℃で4時間攪拌した。トリエチルアミン(0.126mL,0.9mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。25℃に冷却して、溶液を酢酸エチル(25mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×25mL)、飽和ブライン水溶液(10mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。その油状液体をメタノール(4mL)中に溶解させ、攪拌しながら1.0M塩酸(4mL)を添加することにより生成物が沈殿した。固体を減圧濾過で回収し、さらに減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、N−{3−[(1S,2S,7R,8R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.0805g,0.144mmol,48%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.23−1.48(6H,m),2.67−2.68(2H,m),3.06(3H,s),3.24(1H,d,J=15.0Hz),3.72(1H,d,J=11.9Hz),4.07(1H,d,J=15.6Hz),5.12(1H,d,J=15.7Hz),7.14(2H,t,J=8.4Hz),7.39(2H,dd,J1=8.2Hz,J2=5.8Hz),7.51(1H,dd,J1=8.4Hz,J2=2.3Hz),7.57−7.60(2H,m),10.18(1H,s)。 LC−MS(ESI) C25H25FN4O6S2に対する計算値560.12,実測値561.3[M+H+]。 ee=99%[HPLC分析:Chiralpak AS−RH 4.6×250mm,5ミクロン,室温,溶媒A−溶媒B(勾配は表を参照),0.8mL/分,310nm,t1=7.58分(主成分),t2=10.08分]。
実施例5
N−{3−[(1R,2R,7S,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(1S,2R,3S,4R)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸
出発物質(a)をJ.Org.Chem.2000,65,6984−6991に記載の方法に従って調製した。cis−5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン酸無水物(8.21g,50mmol)を、トルエンと四塩化炭素の1:1混合物(250mL)中に懸濁させた。混合物を10分間攪拌した。キニジン(17.84g,55mmol)を加え、フラスコを脱気し、窒素を充填した。溶液を−55℃まで冷却した。攪拌しながら、メタノール(6.08mL,150mmol)を加えた。混合物を−55℃で18時間攪拌した。25℃まで昇温し、混合物を減圧下で濃縮することにより、粘稠な油状液体とした。油状液体を酢酸エチル(400mL)と1.0M塩酸(300mL)の混合物中に溶解させた。振盪後、分液を行い、有機相をさらに1.0M塩酸(2×100mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸(9.15g,46.6mmol,94%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.26(1H,d,J=8.4Hz),1.33(1H,d,J=8.4Hz),3.00(1H,s),3.03(1H,s),3.21−3.29(2H,m),3.45(3H,s),6.02−6.04(1H,m),6.14−6.16(1H,m),11.86(1H,s)。
b)メチル(1R,2S,3R,4S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート
中間体(b)をSynthesis 2001,11,1719−1730に記載の方法に従って調製した。(1S,2R,3S,4R)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸(8.94g,45.57mmol)を無水テトラヒドロフラン(200mL)中に溶解させた。フラスコを脱気し、窒素を充填し、混合物を0℃まで冷却した。トリエチルアミン(19.2mL,136.7mmol)を添加し、次に、激しく攪拌しながら、クロロギ酸エチル(8.69mL,91.1mmol)を滴下した。すぐに沈殿が形成されるのが確認された。混合物を0℃で1時間攪拌した。アジ化ナトリウム(8.89g,136.7mmol)を水(60mL)中に溶解させ、0℃で反応混合物に加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した。氷浴を取り除いた。混合物を25℃まで昇温した後、2時間攪拌した。混合物を水(400mL)中へ注ぎ込み、生成物を酢酸エチル(400mL)中に抽出した。有機相をさらに半飽和重曹水溶液(2×200mL)、飽和ブライン水溶液(2×200mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、かすかに茶色の油状液体を得た。その油状液体を無水ベンゼン(100mL)中に溶解させ、窒素下で2時間、攪拌しながら還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、かすかに茶色の
油状液体を得た。その油状液体をジクロロメタン(60mL)中に溶解させ、ベンジルアルコール(5.19mL,50.13mmol)を添加し、次にトリエチルアミン(12.81mL,91.14mmol)を添加した。混合物を窒素下で16時間還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm,10%酢酸エチルinヘキサン)による精製を行うことにより、所望の生成物である、メチル(1R,2S,3R,4S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート(10.1g,33.55mmol,74%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.38(1H,d,J=8.7Hz),1.50(1H,d,J=8.4Hz),3.10(2H,s),3.21(1H,d,J=8.8Hz),3.53(3H,s),4.59−4.64(1H,m),5.07(2H,q,J=13.0Hz),5.29(1H,d,J=8.3Hz),6.15−6.17(1H,m),6.37−6.38(1H,m),7.27−7.36(5H,m)。 LC−MS(ESI)
C17H19NO4に対する計算値301.13,実測値258.1(100%),302.2[M+H+](70%),603.5[2M+H+](20%)。
c)メチル(1S,2S,3R,4R)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩
メチル(1R,2S,3R,4S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート(10g,33.22mmol)を酢酸エチル(150mL)中に溶解させた。5%パラジウム炭素(1.5mg)を加えた。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で2時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。濾液を、体積が50mLになるまで減圧下で濃縮した。塩化水素酸の4.0M 1,4−ジオキサン溶液(20mL)をジエチルエーテル(200mL)中に添加して得た混合物に、溶液を激しく攪拌しながら滴下した。所望の生成物が白色固体として析出し始めた。混合物を10分間攪拌した。沈殿物を減圧濾過で回収し、追加のジエチルエーテル(15mL)で洗滌した。固体をさらに1時間減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、メチル(1S,2S,3R,4R)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩(5.21g,25.33mmol,76.3%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.33−1.42(4H,m),1.54(1H,d,J=10.3Hz),1.69(1H,d,J=11.5Hz),2.46−2.48(2H,m),3.03(1H,dd,J1=10.8Hz,J2=4.1Hz),3.46−3.55(1H,m),3.62(3H,s),8.09(3H,bs)。 LC−MS(ESI) C9H15NO2(遊離アミン)に対する計算値169.11,実測値170.1[M+H+](100%),339.2[2M+H+](50%)。
d)メチル(1S,2S,3R,4R)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
メチル(1S,2S,3R,4R)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩(1g,4.86mmol)をメタノール(23mL)中に溶解させた。酢酸ナトリウム(0.755g,9.2mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(1g)と4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.571g,4.6mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.578g,9.2mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(200mL)と酢酸エチル(300mL)の混合物中に注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和重曹水溶液(100mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、メチル(1S,2S,3R,4R)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(1.11g,4.0mmol,87%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C16H20FNO2に対する計算値277.15,実測値278.2[M+H+]。
e)N−{3−[(1R,2R,7S,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
メチル(1S,2S,3R,4R)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.087g,0.3mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(2.8mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.1g,0.3mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.07mL,0.63mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.061g,0.315mmol)を加え、混合物を25℃で4時間攪拌した。トリエチルアミン(0.126mL,0.9mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。25℃に冷却し、溶液を酢酸エチル(25
mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×25mL)、飽和ブライン水溶液(10mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。その油状液体をメタノール(4mL)中に溶解させ、攪拌しながら1.0M塩酸(4mL)を加えることにより生成物を沈殿させた。固体を減圧濾過で回収し、さらに減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2R,7S,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.0781g,0.139mmol,46%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.23−1.48(6H,m),2.67−2.68(2H,m),3.06(3H,s),3.24(1H,d,J=15.0Hz),3.72(1H,d,J=11.9Hz),4.07(1H,d,J=15.6Hz),5.12(1H,d,J=15.7Hz),7.14(2H,t,J=8.4Hz),7.39(2H,dd,J1=8.2Hz,J2=5.8Hz),7.51(1H,dd,J1=8.4Hz,J2=2.3Hz),7.57−7.60(2H,m),10.18(1H,s)。 LC−MS(ESI) C25H25FN4O6S2に対する計算値560.12,実測値561.3[M+H+]。 ee=99%[HPLC分析:Chiralpak AS−RH 4.6×250mm,5ミクロン,室温,溶媒A−溶媒B(勾配は表を参照),0.8mL/分,310nm,t1=7.58分,t2=10.08分(主成分)]。
実施例6
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(1S,2S,3R,4R)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸
出発物質(a)をJ.Org.Chem.2000,65,6984−6991に記載の方法に従って調製した。cis−5−ノルボルネン−exo−2,3−ジカルボン酸無水
物(5g,30.45mmol)を、トルエンと四塩化炭素の1:1混合物(610mL)中に懸濁させた。混合物を10分間攪拌した。キニン(10.87g,33.5mmol)を加え、フラスコを脱気し、窒素を充填した。溶液を−55℃まで冷却した。攪拌しながら、メタノール(3.7mL,91.35mmol)を加えた。混合物を−55℃で16時間攪拌した。25℃まで昇温し、混合物を減圧下で濃縮して、フォーム状とした。そのフォームを酢酸エチル(400mL)と1.0M塩酸(400mL)の混合物中に溶解させた。分液を行い、有機相をさらに1.0M塩酸(2×200mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(1S,2S,3R,4R)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸(5.95g,30.3mmol,99%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.31(1H,d,J=8.5Hz),1.98(1H,d,J=8.6Hz),2.51(2H,d,J=1.6Hz),2.95(2H,bs),3.52(3H,s),6.17−6.21(2H,m),12.16(1H,s)。
b)メチル(1R,2R,3S,4S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート
(1S,2S,3R,4R)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸(5.9g,30mmol)を無水テトラヒドロフラン(133mL)中に溶解させた。フラスコを脱気し、窒素を充填し、混合物を0℃まで冷却した。トリエチルアミン(12.64mL,90mmol)を添加し、次に、激しく攪拌しながら、クロロギ酸エチル(5.72mL,60mmol)を滴下した。すぐに沈殿が形成されるのが確認された。混合物を0℃で1時間攪拌した。アジ化ナトリウム(5.86g,90mmol)を水(40mL)中に溶解させ、0℃で反応混合物に加えた。混合物を0℃で5分間攪拌した。氷浴を取り除いた。混合物を25℃まで昇温し、2時間攪拌を続けた。混合物を水(300mL)中に注ぎ込み、生成物を酢酸エチル(300mL)中に抽出した。有機相をさらに半飽和重曹水溶液(2×100mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、薄茶色の油状液体を得た。その油状液体を無水ベンゼン(66mL)中に溶解させ、窒素下で2時間攪拌しながら還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、薄茶色の油状液体を得た。その油状液体をジクロロメタン(40mL)中に溶解させ、ベンジルアルコール(3.41mL,33mmol)を添加し、次にトリエチルアミン(8.44mL,60mmol)を添加した。混合物を窒素下で16時間攪拌させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、粘稠な油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm;1st column:3:1ヘキサン/酢酸エチル;2nd column:2:4:1ジクロロメタン/ペンタン/ジエチルエーテル)による精製により、所望の生成物である、メチル(1R,2R,3S,4S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート(6.95g,23.09mmol,77%)を淡黄色油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.59(1H,d,J=9.3Hz),1.96(1H,d,J=9.3Hz),2.66(1H,d,J=7.9Hz),2.75(1H,s),2.96(1H,s),3.59(3H,s),4.01(1H,t,J=8.5H
z),5.09(2H,q,J=10.4Hz),5.46(1H,d,J=9.4Hz),6.17−6.22(2H,m),7.29−7.36(5H,m)。 LC−MS(ESI) C17H19NO4に対する計算値301.13,実測値258.1(100%),302.2[M+H+](70%),603.5[2M+H+](20%)。
c)メチル(1S,2R,3S,4R)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩
メチル(1R,2R,3S,4S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート(1g,3.32mmol)を酢酸エチル(15mL)中に溶解させた。5%パラジウム炭素(120mg)を加えた。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、濾液を減圧下で濃縮することにより、粘稠な透明油状液体を得た。その油状液体をジエチルエーテル(10mL)中に溶解させ、塩酸の4.0M 1,4−ジオキサン溶液(1.8mL)をジエチルエーテル(18mL)中に添加して得た混合物に、激しく攪拌しながら滴下した。所望の生成物が白色固体として析出し始めた。さらにジエチルエーテル(10mL)を加え、混合物を10分間攪拌した。沈殿物を減圧濾過で回収し、追加のジエチルエーテル(2×8mL)で洗滌した。固体をさらに1時間減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、メチル(1S,2R,3S,4R)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩(0.64g,3.11mmol,94%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.17−1.27(3H,m),1.40−1.61(2H,m),1.91(1H,d,J=10.7Hz),2.36(1H,d,J=4.1Hz),2.44(1H,d,J=3.1Hz),2.75(1H,d,J=7.8Hz),3.30−3.38(1H,m),3.61(3H,s),8.05(3H,bs)。 LC−MS(ESI) C9H15NO2(遊離アミン)に対する計算値169.11,実測値170.3[M+H+](100%),339.3[2M+H+](50%)。
d)メチル(1S,2R,3S,4R)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
メチル(1S,2R,3S,4R)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩(実施例6cに従って調製したもの,0.5g,2.43mmol)をメタノール(12mL)中に溶解させた。酢酸ナトリウム(0.4g,4.86mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(0.5g)及び4−フルオロ−ベ
ンズアルデヒド(0.302g,2.43mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.305g,4.86mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(200mL)と酢酸エチル(300mL)の混合物中に注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和重曹水溶液(100mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、メチル(1S,2R,3S,4R)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.663g,2.39mmol,98%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C16H20FNO2に対する計算値277.15,実測値278.2[M+H+]。
e)N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
メチル(1S,2R,3S,4R)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.6g,2.16mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.72g,2.16mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.5mL,4.54mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.435g,2.27mmol)を加え、混合物を25℃で45分間攪拌した。トリエチルアミン(0.91mL,6.48mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。
25℃に冷却して、溶液を酢酸エチル(300mL)で希釈し、1.0M塩酸(3×300mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm,0〜0.75%メタノールinジクロロメタン)によって精製することにより、生成物を白色フォームとして得た。そのフォームをメタノール(10mL)中に溶解させ、攪拌しながら1.0M塩酸(20mL)を添加することにより生成物が沈殿した。固体を減圧濾過で回収し、さらに減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.573g,1.02mmol,47%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.16−1.22(2H,
m),1.37−1.65(4H,m),2.49−2.53(1H,m),2.63(1H,d,J=2.3Hz),3.02(1H,d,J=8.5Hz),3.05(3H,s),3.52(1H,d,J=9.4Hz),4.41(1H,d,J=15.6Hz),4.95(1H,d,J=15.6Hz),7.14(2H,t,J=9.0Hz),7.32(2H,dd,J1=8.1Hz,J2=5.7Hz),7.50(1H,dd,J1=9.5Hz,J2=2.3Hz),7.55−7.57(2H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C25H25FN4O6S2に対する計算値560.12,実測値561.3[M+H+]。 ee=90%[HPLC分析:Chiralpak AS−RH 2.1×150mm,5ミクロン,室温,溶媒A−溶媒B(勾配は表を参照),0.3mL/分,312nm,t1=4.3分(主成分),t2=6.0分]。
あるいは、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミドは以下の方法でも調製することができる。
f)(rac−ジ−exo)−3−アザ−トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−4−オン
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(1000g,10.6mol)を酢酸エチル(1.7L)中に溶解させ、得られた溶液を0℃に冷却した。クロロスルホニルイソシアネート(969mL,11.1mol)を0〜20℃で30分かけて添加した。混合物を25℃に昇温し、4時間攪拌し、その後0℃に冷却した。亜硫酸ナトリウム(1500g,11.9mol)の水(6L)中混合物を0〜20℃で添加した。乳状の懸濁液を25℃で30分間攪拌し、0℃に冷却した。50%水酸化ナトリウム水溶液(1.6L,30.3mol)を0〜15℃で添加し、pHを7に調整した。飽和炭酸ナトリウム水溶液(300mL)を添加して、pHを7.5〜8.0に調整した。混合物を濾過し、固体を酢酸エチル(3×2L)で洗滌し、固体を廃棄した。集めた酢酸エチル抽出物を飽和ブライン水溶液(2L)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。溶液を減圧下で乾燥状態になるまで濃縮することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−アザ−トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−4−オン(1220g,8.9mol,84%)を白色のガラス状固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.02−1.11(2H,m),1.24(1H,dt,J1=10.9Hz,J2=1.6Hz),1.51−1.72(3H,m),2.37−2.37(1H,m),2.43−2.44(1H,m),2.99−3.00(1H,m),3.40(1H,d,J=3.4Hz),5.73(1H,bs)。
g)(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸塩酸塩
(rac−ジ−exo)−3−アザ−トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−4−オン(23.37g,170.4mmol)に、12.0M塩酸(150mL)を添加した。混合物を25℃で12時間攪拌した。溶媒を減圧下で留去し、粗製の化合物を0.5時間、高減圧下で乾燥した。粗製の化合物をアセトンと共に摩砕し、濾過することにより、(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸塩酸塩(28.43g,148.3mmol,87%)を白色固体として得た。1H
NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.15−1.26(3H,m),1.42−1.59(2H,m),1.87(1H,d,J=10.3Hz),2.33(1H,d,J=3.4Hz),2.45(1H,d,J=2.3Hz),2.67(1H,d,J=7.6Hz),3.23−3.26(1H,m),7.93(3H,bs),12.73(1H,bs)。
h)(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩
−10℃の無水エタノール(75mL)に塩化チオニル(4.1mL,54.5mmol)を滴下して加え、次に(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸塩酸塩(9.60g,50.1mmol)を加えた。混合物を0℃で1時間攪拌し、25℃で4時間攪拌し、還流下で0.5時間加熱した。溶液を減圧下で濃縮し、高減圧下で乾燥させることにより、粗製の(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(11.01g,50.1mmol,100%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.17−1.27(3H,m),1.21(3H,t,J=7.0Hz),1.43−1.57(2H,m),1.91(1H,d,J=10.0Hz),2.36(1H,d,J=3.9Hz),2.42(1H,d,J=3.0Hz),2.72(1H,d,J=7.6Hz),3.28(1H,d,J=8.3Hz),4.00−4.13(2H,m),8.06(3H,bs)。
i)(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(11.01g,50.1mmol)に飽和重曹水溶液(50mL)を添加し、混合物を25℃で0.5時間攪拌した。粗生成物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、高減圧下で2時間乾燥させることにより、粗製の(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(8.17g,44.6mmol,89%)を茶色の油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.10−1.26(3H,m),1.29(3H,t,J=7.0Hz),1.45−1.62(2H,m),1.86(2H,bs),1.95(1H,dt,J1=10.3Hz,J2=1.9Hz),2.09(1H,d,J=4.5Hz),2.49(1H,d,J=4.2Hz),2.56(1H,d,J=9.0Hz),3.24(1H,d,J=7.7Hz),4.09−4.21(2H,m)。
j)(1R,2S,3R,4S)−3−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−アミニウム(1’S)−(+)−10−カンファースルホネート
(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(408.47g,2.98mol)の酢酸エチル(500mL)中溶液に、(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸(691.70g,2.98mol)のエタノール(800mL)中溶液を、50〜75℃で30分かけて添加した。得られた溶液を70℃で1時間攪拌した。さらに酢酸エチル(2.7L)を55℃以下にはならない温度で添加した。溶液を50℃まで放冷し、(1R,2S,3R,4S)−3−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−アミニウム(1’S)−(+)−10−カンファースルホネート(約20mg)を種晶として加えた。混合物を25℃まで放冷し、16時間攪拌した。懸濁液を濾過し、湿潤濾過ケーキを酢酸エチル(2×500mL)で洗滌した。粗製塩をエタノール(600mL)及び酢酸エチル(3L)から再結晶し、所望の生成物である、(1R,2S,3R,4S)−3−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−アミニウム(1’S)−(+)−10−カンファースルホネート(334.84g,0.806mol,27%,>99.5%de)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.84(3H,s),1.08(3H,s),1.30(3H,t,J=6.9Hz),1.32−1.43(4H,m),1.58−1.75(3H,m),1.89(1H,d,J=17.7Hz),1.95−2.07(3H,m),2.33(1H,dt,J1=18.4Hz,J2=3.9Hz),2.53(1H,s),2.58−2.65(1H,m),2.69(1H,d,J=2.9Hz),2.76−2.79(2H,m),3.26(1H,d,J=14.1Hz),3.60(1H,d,J=7.4Hz),4.
14−4.27(2H,m),7.80(3H,bs)。
あるいは、(1R,2S,3R,4S)−3−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−アミニウム(1’S)−(+)−10−カンファースルホネートは以下の方法でも調製することができる。
(rac−ジ−exo)−3−アザ−トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−4−オン(実施例6fに従って調製したもの,1220g,8.9mol)を酢酸エチル(1.7L)中に溶解させた。溶液を50℃に加熱し、(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸(2066g,8.9mol)のエタノール(2.5L)中溶液を50〜75℃で30分かけて添加した。得られた溶液を70℃で2時間攪拌した。さらに酢酸エチル(8L)を添加し、温度を55℃以下にはならない温度まで冷まし、溶液に(1R,2S,3R,4S)−3−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−アミニウム(1’S)−(+)−10−カンファースルホネート(約100mg)を種晶として加えた。混合物を25℃にまで放冷し、16時間攪拌した。沈殿物を濾過により回収し、湿潤濾過ケーキを酢酸エチル(2×2L)で洗滌した。粗製の塩を25℃で48時間乾燥し、次にエタノール(2L)と酢酸エチル(2.5L)から再結晶することにより、所望の生成物である、(1R,2S,3R,4S)−3−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−アミニウム(1’S)−(+)−10−カンファースルホネート(920g,2.21mol,25%,>99.9%de)を白色固体として得た。
k)(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(1R,2S,3R,4S)−3−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−アミニウム(1’S)−(+)−10−カンファースルホネート(2.76g,6.64mmol)に酢酸エチル(28mL)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(28mL)を添加し、混合物を25℃で0.5時間攪拌した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、高減圧下で1時間乾燥させることにより、(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(1.15g,6.28mmol,95%)を無色の油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.10−1.26(3H,m),1.29(3H,t,J=7.0Hz),1.45−1.62(2H,m),1.86(2H,bs),1.95(1H,dt,J1=10.3Hz,J2=1.9Hz),2.09(1H,d,J=4.5Hz),2.49(1H,d,J=4.2Hz),2.56(1H,d,J=9.0Hz),3.24(1H,d,J=7.7Hz),4.09−4.21(2H,m)。
鏡像体過剰率(ee)を決定するために、(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルを、以下のようにして(S)−マンデル酸塩へと誘導体化した。(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(34.2mg,0.187mmol)の酢酸エチル(1mL)中溶液に、(S)−α−ヒドロキシフェニル酢酸(28.7mg,0.187mmol)を添加し、混合物を25℃で0.5時間攪拌した。
固体を濾過し、高減圧下で乾燥させることにより、(1R,2S,3R,4S)−3−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−アミニウム(S)−α−ヒドロキシフェニルアセテート(11.4mg,0.034mmol,18%,de=97%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.08−1.20(3H,m),1.28(3H,t,J=7.1Hz),1.50−1.59(2H,m),1.79(1H,d,J=10.9Hz),2.23(1H,s),2.46−2.48(2H,m),3.04(1H,d,J=7.8Hz),4.05−4.18(2H,m),4.89(1H,s),5.49(3H,bs),7.22−7.31(3H,m),7.43(2H,d,J=6.9Hz)。
l)(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(1.15g,6.28mmol)のエタノール(30mL)中溶液に、4−フルオロベンズアルデヒド(0.68mL,6.31mmol)、氷酢酸(0.4mL,6.99mmol)、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.04g,15.7mmol)を25℃で添加した。3時間攪拌した後、混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和重曹水溶液(50mL)を用いて0.5時間で反応を停止させた。セライト〔Celite(登録商標)〕を通して混合物を濾過した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。全溶媒を除去すると、固体が形成した。固体を濾過し、水で洗滌し、減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(1.74g,5.97mmol,95%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.05−1.16(2H,m),1.21(1H,dt,J1=8.0Hz,J2=1.6Hz),1.27(3H,t,J=7.4Hz),1.45−1.61(2H,m),1.94(1H,dt,J1=10.1Hz,J2=1.9Hz),2.28(1H,d,J=3.9Hz),2.43(1H,d,J=3.3Hz),2.60(1H,dd,J1=8.8Hz,J2=1.5Hz),2.94(1H,d,J=7.8Hz),3.66(1H,d,J=13.2Hz),3.80(1H,d,J=13.5Hz),4.13(2H,q,J=7.0Hz),6.97(2H,t,J=8.5Hz),7.26(2H,t,J=7.1Hz)。
あるいは、(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルは以下の方法でも調製することができる。
(1R,2S,3R,4S)−3−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−アミニウム(1’S)−(+)−10−カンファースルホネート(実施例6jに従って調製したもの,2000g,4.81mol)及び粉末炭酸カリウム(1320g,9.62mol)を酢酸エチル(20L)中に懸濁させた。懸濁液を25℃で16
時間攪拌し、濾過した。酢酸エチル濾液を減圧下で濃縮することにより、遊離アミン(1050g)を液体として得た。その液体をエタノール(10L)中に溶解させ、4−フルオロベンズアルデヒド(558mL,5.3mol)及び酢酸(362mL,6.3mol)を添加し、温度を28〜30℃に上げた。溶液を25℃にまで放冷し、30分間攪拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(756g,12.03mol)をエタノール(5L)中に添加して得た白濁した溶液を20分で添加し、温度を45〜50℃に上げた。混合物を25℃にまで放冷し、16時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮して、体積を約13〜14Lとした。水(1〜2L)を加え、得られた混合物をさらに減圧下で濃縮した。攪拌しながら飽和重曹水溶液(4L)と水(4L)を添加した。さらに飽和重曹水溶液(約500mL)を加えてpHを8.0〜8.5に調整した。混合物を1時間した後、固体を濾過で回収して、湿潤濾過ケーキを水(2L)で洗滌した。固体を減圧下、35℃で64時間乾燥させることにより、所望の生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(1350g,4.63mol,96%)を白色固体として得た。
m)(1S,2R,3S,4R)−3−{(4−フルオロベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(100.6mg,0.345mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中溶液に、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,120.8mg,0.362mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(10.6mg,0.086mmol)、及び1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(70.9mg,0.362mmol)を添加した。25℃で12時間攪拌した後、混合物を酢酸エチルで希釈し、1.0M塩酸でpH1にまで酸性化した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、高減圧下で乾燥させることにより、粗生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−{(4−フルオロベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルをほのかに黄色の油状液体として得た。この粗生成物はさらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C27H31FN4O7S2に対する計算値606.16,実測値607.2[M+H+]。
n)N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
粗製の(1S,2R,3S,4R)−3−{(4−フルオロベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルの無水エタノール溶液(3mL)に、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.51mL,1.37mmol)を加えた。60℃で2時間攪拌した後、混合物を酢酸エチルで希釈し、1.0M塩酸でpH1にまで酸性化した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製の混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(131.5mg,0.235mmol,2つのステップを通して68%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ:1.28(2H,d,J=11.0Hz),1.47(1H,t,J=10.8Hz),1.57−1.74(3H,m),2.56(1H,d,J=3.2Hz),2.75(1H,d,J=2.3Hz),2.96(1H,d,J=9.2Hz),3.02(3H,s),3.58(1H,d,J=9.2Hz),4.42(1H,d,J=15.5Hz),5.03(1H,d,J=15.7Hz),7.04(2H,t,J=8.5Hz),7.31(2H,dd,J1=7.9Hz,J2=5.5Hz),7.37(1H,d,J=8.8Hz),7.54(1H,dd,J1=8.3Hz,J2=2.3Hz),7.69(1H,d,J=2.3Hz)。 LC−MS(ESI) C25H25FN4O6S2に対する計算値560.12,実測値561.4[M+H+]。 ee=98.5%[HPLC分析:Chiralpak AS−RH 2.1×150mm,5ミクロン,室温,溶媒A−溶媒B(勾配は表を参照),0.3mL/分,312nm,t1=7.58分(主成分),t2=8.95分]。
あるいは、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミドは以下の方法でも調製することができる。
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,1.88kg,5.63mol)及び(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6lに従って調製したもの,1.72kg,5.91mol)を23℃でアセトニトリル(18.8L)中に溶解させた。N−メチルモルホリン(1.25kg,12.4
mol)を加え、得られた懸濁液を23℃で1時間攪拌した。懸濁液を0℃に冷却し、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.19kg,6.20mol)を一度に加えた。混合物を0℃で3時間攪拌し、その後23℃まで昇温し、一晩攪拌した。トリエチルアミン(1.88kg,18.6mol)を加え、その後、混合物を50℃で3時間加熱した。混合物を減圧下45℃で部分的に濃縮し、次に酢酸エチル(22.5L)で希釈し、2.0M塩酸(22.6L)で洗滌した。得られた水溶性画分を酢酸エチル(2×9.4L)で抽出した。集めた有機相の抽出物を1.0M塩酸(10.4L)で、次に水(18.8L)で洗滌した。得られた有機画分をセライト〔Celite(登録商標)〕(600g)を通して濾過し、次に濾液を減圧下、45℃で部分的に濃縮した。無水エタノール(5.6L)を濃縮残留物に添加し、その後、攪拌しながら混合物を50℃で加熱した。ジクロロメタン(400mL)を、晶析が始まるまで何度かに分けて添加した。無水エタノール(20.7L)を1時間かけて何度かに分けて添加し、得られた混合物を23℃で一晩攪拌した。混合物を濾過し、次に固体を無水エタノール(1.9L)で洗滌した。固体をさらに減圧下45℃で乾燥させ、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(2.46kg,4.39mol,78%)をオフホワイトの結晶状固体として得た。
X線のデータ:
グラフ1はN−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例6においてkgスケールで調製したもの)のX線回折図を示している。該X線グラフにおいて、回折角度2θはx軸上にプロットし、ピーク強度はy軸上にプロットした。X線回折グラフにおける極大ピークは6.2°、17.9°、19.7°、20.5°、22.6°、及び24.8°±0.3°の角度に確認できる。またそれよりも強度の小さいピークは、12.4°、16.5°、18.7°、21.6°、23.2°、24.1°、25.6°、26.6°、27.1°、28.5°、及び29.3°に確認できる。
IRデータ:
グラフ2はN−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例6においてkgスケールで調製したもの)のFT−ラマンスペクトルを示す。上記化合物は、以下の主要なIRバンド:1617、1524、1321、1260、1229、1217、及び1163cm−1と、以下の小さなバンド:1498、1465、1147、836、727、406cm−1によって特徴付けられる。
実施例7
N−{3−[(1S,2R,7S,8R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(1R,2R,3S,4S)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸
出発物質(a)をJ.Org.Chem.2000,65,6984−6991に記載の方法に従って調製した。cis−5−ノルボルネン−exo−2,3−ジカルボン酸無水物(5g,30.45mmol)をトルエンと四塩化炭素の1:1混合物(150mL)中に懸濁させた。混合物を10分間攪拌した。キニジン(10.9g,33.5mmol)を加え、フラスコを脱気し、窒素を充填した。溶液を−55℃に冷却した。攪拌しながら、メタノール(3.7mL,91.35mmol)を加えた。混合物を−55℃で16時間攪拌した。25℃まで昇温し、混合物を減圧下で濃縮してフォームとした。そのフォームを酢酸エチル(400mL)と1.0M塩酸(400mL)の混合物中に溶解させた。分液を行い、有機相をさらに1.0M塩酸(2×100mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(1R,2R,3S,4S)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸(5.92g,30.2mmol,99%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.29(1H,d,J=10.2Hz),1.96(1H,d,J=8.6Hz),2.47−2.49(2H,m),2.93−2.94(2H,m),3.51(3H,s),6.15−6.20(2H,m),12.15(1H,s)。
b)メチル(1S,2S,3R,4R)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート
中間体(b)を、Synthesis 2001,11,1719−1730に記載の方法に従って調製した。(1R,2R,3S,4S)−3−(メトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸(5.9g,30mmol)を無水テトラヒドロフラン(133mL)中に溶解させた。フラスコを脱気し、窒素を充填し、混合物を0℃まで冷却した。トリエチルアミン(12.64mL,90mmol)を添加し、その後、激しく攪拌しながらクロロギ酸エチル(5.72mL,60mmol)を滴下した。すぐに沈殿が形成されるのが確認された。混合物を0℃で1時間攪拌した。アジ化ナトリウム(5.86g,90mmol)を水(40mL)中に溶解させ、0℃で反応混合物に加えた。混合物を0℃で5分間攪拌した。氷浴を取り除いた。混合物を25℃まで昇温し、2時間攪拌を続けた。混合物を水(300mL)に注ぎ込み、生成物を酢酸エチル(350mL)中に抽出した。有機相をさらに半飽和重曹水溶液(2×100mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、薄茶色の油状液体を得た。
その油状液体を無水ベンゼン(66mL)中に溶解させ、窒素下で2時間攪拌しながら還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、薄黄色の油状液体を得
た。その油状液体をジクロロメタン(40mL)中に溶解させ、ベンジルアルコール(3.41mL,33mmol)を添加し、次にトリエチルアミン(8.44mL,60mmol)を添加した。混合物を窒素下で16時間還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、粘稠な油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm;1st column:3:1ヘキサン/酢酸エチル;2nd column:2:4:1ジクロロメタン/ペンタン/ジエチルエーテル)で精製することにより、所望の生成物である、メチル(1S,2S,3R,4R)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート(6.195g,20.58mmol,69%)をほのかに黄色の油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.60(1H,d,J=9.4Hz),1.97(1H,d,J=9.3Hz),2.66(1H,d,J=7.5Hz),2.75(1H,s),2.96(1H,s),3.60(3H,s),4.02(1H,t,J=8.9Hz),5.09(2H,q,J=10.5Hz),5.47(1H,d,J=8.8Hz),6.18−6.23(2H,m),7.29−7.37(5H,m)。 LC−MS(ESI) C17H19NO4に対する計算値301.13,実測値258.1(100%),302.2[M+H+](70%),603.4[2M+H+](20%)。
c)メチル(1R,2S,3R,4S)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩
メチル(1S,2S,3R,4R)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキシレート(1g,3.32mmol)を酢酸エチル(15mL)中に溶解させた。5%パラジウム炭素(120mg)を加えた。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、濾液を減圧下で濃縮することにより、粘稠な透明油状液体を得た。その油状液体をジエチルエーテル(10mL)中に溶解させ、塩酸の4.0M 1,4−ジオキサン溶液(1.8mL、7.2mmol)をジエチルエーテル(18mL)中に添加して得た混合物に、激しく攪拌しながら滴下した。所望の生成物が白色固体として析出し始めた。さらにジエチルエーテル(10mL)を加え、混合物を10分間攪拌した。沈殿物を減圧濾過で回収し、追加のジエチルエーテル(2×8mL)で洗滌した。固体をさらに1時間減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、メチル(1R,2S,3R,4S)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩(0.554g,2.7mmol,81%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.18−1.27(3H,m),1.37−1.61(2H,m),1.90(1H,d,J=11.0Hz),2.35(1H,d,J=3.8Hz),2.44(1H,d,J=3.1Hz),2.75(1H,d,J=8.7Hz),3.29−3.34(1H,m),3.61(3H,s),8.03(3H,bs)。 LC−MS(ESI) C9H15NO2(遊離アミン)に対する計算値169.11,実測値170.3[M+H+](100%),339.3[2M+H+](50%)。
d)メチル(1R,2S,3R,4S)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
メチル(1R,2S,3R,4S)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩(0.5g,2.43mmol)をメタノール(12mL)中に溶解させた。酢酸ナトリウム(0.4g,4.86mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(0.5g)及び4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.302g,2.43mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.305g,4.86mmol)を加え、混合物を25℃で3時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(300mL)中に注ぎ込み、飽和重曹水溶液(200mL)と共に振盪した。両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和重曹水溶液(100mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、メチル(1R,2S,3R,4S)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.675g,2.43mmol,99%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C16H20FNO2に対する計算値277.15,実測値278.2[M+H+]。
e)N−{3−[(1S,2R,7S,8R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
メチル(1R,2S,3R,4S)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.6g,2.16mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.72g,2.16mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.5mL,4.54mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.435g,2.27mmol)を加え、混合物を25℃で45分間攪拌した。トリエチルアミン(0.91mL,6.48mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。25℃に冷却して、溶液を酢酸エチル(3
00mL)で希釈し、1.0M塩酸(3×300mL)、飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm,0〜0.75%メタノールinジクロロメタン)で精製することにより、生成物を白色のフォームとして得た。そのフォームをメタノール(10mL)中に溶解させ、攪拌しながら1.0M塩酸(20mL)を加えることにより生成物を沈殿させた。固体を減圧濾過で回収し、さらに減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、N−{3−[(1S,2R,7S,8R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.592g,1.06mmol,49%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.15−1.22(2H,m),1.39−1.61(4H,m),2.49−2.55(1H,m),2.62−2.63(1H,m),3.02(1H,d,J=9.8Hz),3.05(3H,s),3.52(1H,d,J=9.3Hz),4.41(1H,d,J=15.5Hz),4.95(1H,d,J=15.5Hz),7.14(2H,t,J=8.7Hz),7.32(2H,dd,J1=8.2Hz,J2=5.7Hz),7.50(1H,dd,J1=8.4Hz,J2=2.4Hz),7.55−7.57(2H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C25H25FN4O6S2に対する計算値560.12,実測値561.3[M+H+]。
ee=96%[HPLC分析:Chiralpak AS−RH 2.1×150mm,5ミクロン,室温,溶媒A−溶媒B(勾配は表を参照),0.3mL/分,312nm,t1=4.3分,t2=6.0分(主成分)]。
実施例8
(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−アミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル
攪拌しながら、(rac−ジ−exo)−3−アミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−2−カルボン酸(1.0g,6.37mmol)の無水メタノール及びベンゼン(1:1,20mL)中溶液に、(トリメチルシリル)ジアゾメタンの2.0Mジエチルエーテル溶液(6.37mL,12.7mmol)を滴下した。得られた混合物を1時間攪拌し、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−アミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(1.02g,5.85mmol,94%)を無色の油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.53(2H,m),1.62(2H,m),2.68(1H,d,J=7.6Hz),3.27(1H,d,J=7.6Hz),3.59(3H,s),4.14(1H,d,J=6.0Hz),4.67(1H,d,J=4.8Hz)。
b)(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル
窒素雰囲気下、4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.62mL,5.85mmol)を、(rac−ジ−exo)−3−アミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(1.02g,5.85mmol)の無水メタノール(20mL)中溶液に25℃で添加した。10分間攪拌した後、氷酢酸(0.8mL)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(920mg,14.6mmol)を順次添加し、得られた混合物を25℃で18時間攪拌した。反応混合物を飽和重曹水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を高減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(1.40g,5.02mmol,86%)を無色の油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.73(4H,m),2.86(1H,d,J=8.0Hz),3.15(1H,d,J=8.0Hz),3.68(1H,d,J=13.6Hz),3.73(3H,s),3.84(1H,d,J=13.6Hz),4.46(1H,d,J=5.2Hz),4.73(1H,d,J=4.8Hz),6.99(2H,m),7.26(2H,m)。
c)(rac−ジ−exo)−3−{(4−フルオロ−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル
攪拌しながら、(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(190mg,0.68mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中溶液に、窒素雰囲気下、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,185mg,0.55mmol)、N−メチルモルホリン(149μL,1.36mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(130mg,0.68mmol)を順次添加した。25℃で3時間攪拌した後、反応混合液を1.0M塩酸に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物である(rac−ジ−exo)−3−{(4−フルオロ−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステルをさらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C25H27FN4O8S2に対する計算値594.13,実測値595.2[M+H+]。
d)(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
攪拌しながら、粗製の(rac−ジ−exo)−3−{(4−フルオロ−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステルの無水エタノール(8mL)中溶液に、窒素雰囲気下、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.81mL,1.10mmol)を加えた。混合物を60℃で30分間攪拌し、次に25℃に冷却した。1.0M塩酸(4mL,4mmol)を混合物にゆっくりと添加した。その際、白色の固体が沈殿した。懸濁液を15分間攪拌し、濾過用漏斗を通して濾過し、水
で洗滌した。固体を回収し、高減圧下で乾燥させることにより、分析上純粋な(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(165mg,0.29mmol,2つのステップを通して53%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.67(4H,m),3.05(3H,s),3.32(1H,m),3.79(1H,d,J=9.2Hz),4.39(1H,d,J=15.6Hz),4.69(1H,d,J=4.4Hz),4.76(1H,d,J=3.6Hz),5.04(1H,d,J=15.6Hz),7.16(2H,m),7.33(2H,m),7.49(1H,dd,J=9.2Hz),7.56(2H,m),10.17(1H,s),13.89(1H,s)。 LC−MS(ESI) C24H23FN4O7S2に対する計算値562.10,実測値563.4[M+H+]。
実施例9
(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩
(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸塩酸塩(1g,5.27mmol)をメタノール(7mL)中に溶解させた。ベンゼン(10mL)を添加し、(トリメチルシリル)ジアゾメタンの2.0Mジクロロメタン溶液(5mL,10mmol)を滴下した。黄色の溶液を25℃で10分間攪拌した。さらに(トリメチルシリル)ジアゾメタンの2.0Mジクロロメタン溶液(2mL,4mmol)を加えた。黄色溶液を25℃で10分間攪拌した。溶液を減圧下で濃縮することにより、黄色油状液体を得た。その油状液体をメタノール(15mL)中に溶解させ、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(1.07g,5.25mmol,99%)を黄色油状液体として得た。LC−MS(ESI) C9H13NO2(遊離アミン)に対する計算値167.09,実測値168.2[M+H+](100%),335.4[2M+H+](25%)。
b)(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル
(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(1.07g,5.25mmol)をメタノール(23mL)中に懸濁させた。酢酸ナトリウム(0.865g,10.54mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(1g)と4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.621g,5mmol)を加えた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.662g,10.54mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(200mL)と酢酸エチル(200mL)の1:1混合物に注ぎ込んだ。混合物を振盪し、分液を行った。有機相をさらに飽和ブライン水溶液(50mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(1.044g,3.79mmol,76%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C16H18FNO2に対する計算値275.13,実測値276.2[M+H+]。
c)(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(0.083g,0.3mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(2.8mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.1g,0.3mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.07mL,0.63mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.061g,0.315mmol)を加え、混合物を25℃で45分間攪拌した。トリエチルアミン(0.126mL,0.9mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。25℃に冷却した後、溶液を1.0M塩酸(8mL)で希釈した。得られた沈殿物を減圧濾過で回収し、メタノール中に
溶解させ、減圧下で濃縮することにより、粗生成物をベージュの粉末として得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm,0〜0.75%メタノールinジクロロメタン)で精製することにより生成物を白色フォームとして得た。そのフォームをジエチルエーテルとヘキサンの1:1混合液(6mL)と共に摩砕し、得られた固体を減圧濾過で回収した。固体を減圧下で16時間乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(40.3mg,0.072mmol,24%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.37(1H,d,J=9.5Hz),1.62(1H,d,J=9.4Hz),2.81−2.89(1H,m),3.05(3H,s),3.19−3.40(4H,m),4.52(1H,d,J=15.5Hz),5.04(1H,d,J=14.8Hz),6.13(1H,dd,J1=5.5Hz,J2=3.1Hz),6.35(1H,dd,J1=5.9Hz,J2=2.5Hz),7.14(2H,t,J=9.1Hz),7.34(2H,dd,J1=7.8Hz,J2=5.6Hz),7.49(1H,dd,J1=8.8Hz,J2=2.0Hz),7.54−7.59(2H,m),10.16(1H,s)。 LC−MS(ESI) C25H23FN4O6S2に対する計算値558.10,実測値559.1[M+H+]。
実施例10
(rac−ジ−endo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−endo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸エチルエステル
(rac−ジ−endo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2
−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(1g,4.6mmol)をメタノール(23mL)中に懸濁させた。酢酸ナトリウム(0.753g,9.18mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(1g)と4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.57g,4.59mmol)を加えた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.577g,9.18mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(200mL)と酢酸エチル(200mL)の1:1混合物へと注ぎ込んだ。混合物を振盪し、分液を行った。有機相をさらに飽和ブライン水溶液(50mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(rac−ジ−endo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(1.18g,4.08mmol,88%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C17H20FNO2に対する計算値289.15,実測値290.2[M+H+]。
b)(rac−ジ−endo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
(rac−ジ−endo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(0.087g,0.3mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(2.8mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.1g,0.3mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.07mL,0.63mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.061g,0.315mmol)を加え、混合物を25℃で45分間攪拌した。トリエチルアミン(0.126mL,0.9mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。25℃に冷却した後、溶液を1.0M塩酸(8mL,8mmol)で希釈した。得られた沈殿物を減圧濾過で回収し、メタノール中に溶解させ、減圧下で濃縮することにより、粗生成物をベージュの粉末として得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm,0〜0.75%メタノールinジクロロメタン)で精製することにより、生成物を白色のフォームとして得た。そのフォームをジエチルエーテルとヘキサンの1:1混合液(6mL)と共に摩砕し、得られた固体を減圧濾過で回収した。固体を減圧下で16時間乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−endo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(69.3mg,0.124mmol,41%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.28−1.28(2H,m),3.33−3.41(3H,m),3.92−4.00(1H,m),4.
33(1H,d,J=14.7Hz),4.96(1H,d,J=15.6Hz),5.89−5.92(1H,m),6.11−6.13(1H,m),7.10(2H,t,J=9.1Hz),7.35(2H,dd,J1=8.2Hz,J2=5.9Hz),7.43(1H,dd,J1=8.4Hz,J2=2.4Hz),7.48−7.50(2H,m),10.10(1H,s)。 LC−MS(ESI) C25H23FN4O6S2に対する計算値558.10,実測値559.0[M+H+]。
実施例11
N−{3−[(1S,2R,7S,8R)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(1S,2R,3S,4R)−3−(メトキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸
exo−4,10−ジオキサ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,5−ジオン(5.10g,30.3mmol)をトルエンと四塩化炭素の1:1混合液(600mL)中に溶解させた。窒素雰囲気下、混合物を−55℃に冷却し、次にキニン(10.54g,32.5mmol)を加えた。メタノール(3.59mL,90mmol)をトルエンと四塩化炭素の1:1混合液(30mL)中に加えたものを滴下漏斗を介してゆっくりと添加した。懸濁液を−55℃で60時間攪拌し、次に25℃まで昇温した。混合物を減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチル(400mL)中に溶解させ、1.0M塩酸(2×300mL)と飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−(メトキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸(2.46g,12.3mmol,41%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.49−1.53(4H,m),2.99(2H,s),3.50(3H,s),4.66(2H,m),12.15(1H,s)。
b)メチル(1R,2S,3R,4S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
窒素雰囲気下、(1S,2R,3S,4R)−3−(メトキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸(2.46g,12.3mmol)を無水テトラヒドロフラン(35mL)中に溶解させ、−10℃に冷却した。トリエチルアミン(5.13mL,36.9mmol)を添加し、次に、激しく攪拌しながら、クロロギ酸エチル(2.35mL,24.6mmol)を滴下した。すぐに沈殿が形成されるのが確認された。混合物を−10℃で1時間攪拌した。アジ化ナトリウム(2.40g,36.9mmol)を水(17mL)中に溶解させ、−10℃で反応混合物に添加した。混合物を−10℃で15分間攪拌し、その後を25℃まで昇温し、2時間攪拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和重曹水溶液と飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、アシルアジト中間体を透明油状液体として得た。その油状液体を無水ベンゼン(80mL)中に溶解させ、窒素雰囲気下で2時間還流させた。溶液を25℃まで放冷し、減圧下で濃縮することにより、黄色油状液体を得た。その油状液体をジクロロメタン(45mL)に溶解させ、トリエチルアミン(3.46mL,24.6mmol)とベンジルアルコール(1.27mL,12.3mmol)を順次加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下で16時間還流させた。混合物を25℃まで放冷し、減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜50%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、メチル(1R,2S,3R,4S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(2.23g,7.30mmol,59%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.51(2H,m),1.72(1H,m),1.79(1H,m),2.97(1H,d,J=8.4Hz),3.56(3H,s),4.33(1H,m),4.37(d,1H,J=5.6Hz),4.78(1H,d,J=4.4Hz),5.10(2H,m),5.42(1H,d,J=10.0Hz),7.35(5H,m)。 LC−MS(ESI) C16H19NO5に対する計算値305.1,実測値306.5[M+H+]。
c)メチル(1R,2S,3R,4S)−3−アミノ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
メチル(1R,2S,3R,4S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(2.23g,7.30mmol)の酢酸エチル(60mL)中溶液に、5%パラジウム炭素(0.5g,22重量%)を加えた。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌し、セライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、酢酸エチルで洗滌した。濾液を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、メチ
ル(1R,2S,3R,4S)−3−アミノ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(1.0g,5.84mmol,80%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.43(2H,m),1.67(1H,m),1.76(1H,m),2.82(1H,d,J=7.6Hz),3.41(1H,d,J=7.6Hz),3.73(3H,s),4.28(1H,d,J=6.0Hz),4.81(1H,d,J=4.8Hz)。
d)メチル(1R,2S,3R,4S)−3−[(4−フルオロ−3−メチルベンジル)アミノ]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
窒素雰囲気下で攪拌しながら、メチル(1R,2S,3R,4S)−3−アミノ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(400mg,2.34mmol)のメタノール(8mL)中溶液に、4−フルオロ−3−メチル−ベンズアルデヒド(0.29mL,2.34mmol)を加えた。混合物を10分間攪拌し、その後酢酸(0.4mL)を添加し、次にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(368mg,5.85mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で16時間攪拌し、その後、飽和重曹水溶液(50mL)と酢酸エチル(100mL)の混合物に注ぎ込んだ。分液を行い、水相を酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、メチル(1R,2S,3R,4S)−3−[(4−フルオロ−3−メチルベンジル)アミノ]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(610mg,2.08mmol,80%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.40(2H,m),1.76(2H,m),2.27(3H,d,J=2.0Hz),2.86(1H,d,J=7.6Hz),3.16(1H,d,J=8.4Hz),3.64(1H,d,J=13.2Hz),3.74(3H,s),3.79(1H,d,J=13.6Hz),4.46(1H,d,J=5.2Hz),4.73(1H,d,J=4.8Hz),6.92(2H,m),7.07(2H,m)。
e)N−{3−[(1S,2R,7S,8R)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
窒素雰囲気下で攪拌しながら、メチル(1R,2S,3R,4S)−3−[(4−フルオロ−3−メチルベンジル)アミノ]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(100mg,0.34mmol)と(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,114mg,0.34mmol)との無水N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中溶液に、N−メチルモルホリン(0.075mL,0.68mmol)と1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(72mg,0.37mmol)を順次加えた。混合物を25℃で2.5時間攪拌し、1.0M塩酸に注ぎ込み、次に酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、アミド中間体を得た。この中間体はさらに精製することなく次のステップで用いた。
上記中間体をエタノール(5mL)中に溶解させ、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.5mL,1.36mmol)を加えた。混合物を60℃で30分間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、次に0.3M塩酸(10mL)をゆっくりと加えた。攪拌すると生成物が沈殿した。固体を濾過によって回収し、水で洗滌し、分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]でさらに精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(1S,2R,7S,8R)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(60mg,0.10mmol,31%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.50−1.71(4H,m),2.21(3H,d,J=2.0Hz),3.05(3H,s),3.40(1H,m),3.78(1H,d,J=9.2Hz),4.34(1H,d,J=15.2Hz),4.71(1H,d,J=4.8Hz),4.76(1H,d,J=3.6Hz),5.02(1H,d,J=15.6Hz),7.06−7.21(3H,m),7.49(1H,dd,J=8.4,2.4Hz),7.56(2H,m)。 LC−MS(ESI) C25H25FN4O7S2に対する計算値576.1,実測値577.5[M+H+]。 分析C25H25FN4O7S2に対する計算値:C,52.07;H,4.37;N,9.72;実測値:C,51.75;H,4.63;N,9.77。
実施例12
(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2
,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル
窒素雰囲気下、4−フルオロ−3−メチル−ベンズアルデヒド(0.14mL,1.10mmol)を、(rac−ジ−exo)−3−アミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例8aに従って調製したもの,200mg,1.17mmol)の無水メタノール(10mL)中溶液に25℃で添加した。20分間攪拌した後、氷酢酸(0.3mL)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(184mg,2.93mmol)を順次添加し、得られた混合物を25℃で18時間攪拌した。反応混合物を飽和重曹水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(167mg,0.57mmol,49%)を黄色油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.38−1.48(2H,m),1.65−1.82(2H,m),2.27(3H,s),2.89(1H,d,J=7.6Hz),3.26(1H,d,J=8.0Hz),3.67(1H,d,J=13.2Hz),3.75(3H,s),3.86(1H,d,J=13.2Hz),4.66(1H,d,J=5.2Hz),4.71(1H,d,J=4.4Hz),6.93(1H,t,J=9.6Hz),7.13(1H,m),7.19(1H,m)。 LC−MS(ESI) C16H20FNO3に対する計算値293.14,実測値294.3[M+H+]。
b)(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
窒素雰囲気下で攪拌しながら、(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(26mg,0.08mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中溶液に、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,30mg,0.09mmol)、N−メチルモルホリン(22μL,0.2mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(19mg,0.10mmol)を順番に加えた。25℃で1.5時間攪拌した後、反応混合液を酢酸エチルで希釈し、1.0M塩酸と飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、粗製の中間体を得た。粗製のアミド中間体を無水エタノール(5mL)中に溶解させ、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.13mL,0.35mmol)を加えた。混合物を60℃で1時間攪拌し、その後25℃まで放冷した。1.0M塩酸(4mL)をその混合物にゆっくりと添加し、攪拌すると白色の固体が沈殿した。固体を濾過によって回収し、水で洗滌し、減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(20mg,0.034mmol,43%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.50−1.70(4H,m),2.21(3H,s),3.05(3H,s),3.78(1H,d,J=8.8Hz),4.33(1H,d,J=15.2Hz),4.70(1H,d,J=4.4Hz),4.76(1H,d,J=4.0Hz),5.03(1H,d,J=14.8Hz),7.04−7.20(3H,m),7.49(1H,m),7.56(2H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C25H25FN4O7S2に対する計算値576.11,実測値577.3[M+H+]。
実施例13
(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル
窒素雰囲気下、3,3−ジメチル−ブチルアルデヒド(120mg,1.20mmol)を、(rac−ジ−exo)−3−アミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例8aに従って調製したもの,200mg,1.17mmol)の無水メタノール(10mL)中溶液に25℃で添加した。20分間攪拌した後、氷酢酸(0.3mL)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(150mg,2.38mmol)を順次加え、得られた混合物を25℃で18時間攪拌した。反応混合物を飽和重曹水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(300mg,1.17mmol,100%)を黄色油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.91(9H,s),1.42(4H,m),1.70−1.80(2H,m),2.46(1H,m),2.74(1H,m),2.89(1H,d,J=8.4Hz),3.26(1H,d,J=8.0Hz),3.71(3H,s),4.61(1H,s),4.70(1H,m)。 LC−MS(ESI) C14H25NO3に対する計算値255.18,実測値256.2[M+H+]。
b)(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン
窒素雰囲気下で攪拌しながら、(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(200mg,0.78mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中溶液に、(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(米国特許出願公開第2008/0031852号明細書に記載の方法に従って調製したもの,287mg,0.78mmol)、N−メチルモルホリン(0.2mL,1.72mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(165mg,0.86mmol)を順次加えた。25℃で2.5時間攪拌した後、反応混合液を酢酸エチルで希釈し、1.0M塩酸と飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、粗製のアミド中間体を得た。上記中間体を無水エタノール(10mL)中に溶解させ、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.17mL,3.16mmol)を加えた。混合物を60℃で1時間攪拌し、次に25℃にまで放冷した。1.0M塩酸(4mL)をゆっくりとその混合物に加え、攪拌すると白色の固体が沈殿した。固体を濾過によって回収し、水で洗滌し、減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(200mg,0.35mmol,45%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.93(9H,s),1.45(2H,m),1.63(2H,m),1.71(2H,m),1.95(1H,m),3.30(1H,m),3.84(1H,m),3.89(1H,m),4.74(2H,bs),7.35(1H,d,J=8.4Hz),7.98(1H,dd,J=8.4,1.6Hz),8.07(1H,d,J=1.6Hz)。
LC−MS(ESI) C22H26IN3O5Sに対する計算値571.06,実測値572.3[M+H+]。
c)(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
反応フラスコにヨウ化銅(I)(20mg,0.11mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(10mg,0.11mmol)、メタンスルホンアミド(83mg,0.87mmol)、(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(100mg,0.17mmol)及びリン酸カリウム(111mg,0.52mmol)を仕込んだ。フラスコを脱気し、窒素を充填し、次に無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)を加えた。得られた懸濁液を100℃で16時間激しく攪拌し、次に25℃にまで放冷した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、10%メタノール/ジクロロメタンで洗滌した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(25mg,0.046mmol,27%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.94(9H,s),1.48(2H,m),1.63(2H,m),1.70(2H,m),2.97(1H,m),3.30(1H,m),3.80−3.90(2H,m),4.75(2H,s),7.49(1H,dd,J=8.4,2.4Hz),7.56(2H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C23H30N4O7S2に対する計算値538.16,実測値539.4[M+H+]。
実施例14
N−{3−[(1S,2R,7S,8R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−メチル3−アミノ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
(rac−ジ−exo)−3−アミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸(1.0g,6.37mmol)を無水メタノールとベンゼンの1:1混合液(20mL)中に添加して得た溶液を攪拌しながら、この溶液に、(トリメチルシリル)ジアゾメタンの2.0Mヘキサン溶液(6.37mL,12.7mmol)を滴下した。得られた混合物を1時間攪拌し、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−メチル3−アミノ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(1.02g,5.96mmol,94%)を無色の油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.53(2H,m),1.62(2H,m),2.68(1H,d,J=7.6Hz),3.27(1H,d,J=7.6Hz),3.59(3H,s),4.14(1H,d,J=6.0Hz),4.67(1H,d,J=4.8Hz)。
b)(rac−ジ−exo)−メチル3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
窒素雰囲気下、4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.62mL,5.85mmol)を、(rac−ジ−exo)−メチル3−アミノ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(1.02g,5.85mmol)の無水メタノール(20mL)中溶液に25℃で添加した。10分間攪拌した後、氷酢酸(0.8mL)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(920mg,14.6mmol)を順次添加し、得られた混合物を25℃で18時間攪拌した。反応混合物を飽和重曹溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を高減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−メチル3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(1.40g,5.01mmol,86%)を無色の油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.30−1.42(2H,m),1.73(2H,m),2.86(1H,d,J=8.0Hz),3.15(1H,d,J=8.0Hz),3.68(1H,d,J=13.6Hz),3.73(3H,s),3.84(1H,d,J=13.6Hz),4.46(1H,d,J=5.2Hz),4.73(1H,d,J=4.8Hz),6.99(2H,m),7.26(2H,m)。
c)メチル(1R,2S,3R,4S)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]−7
−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
攪拌しながら、(rac−ジ−exo)−メチル3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(210mg,0.75mmol)の酢酸エチル(6mL)中溶液に、(S)−(+)−マンデル酸(57.2mg,0.38mmol)の酢酸エチル(3mL)中溶液を滴下した。15分間攪拌すると、透明溶液は白濁し、懸濁液となった。そのまま攪拌を20分間続けた。固体を濾過によって回収し、酢酸エチルで洗滌し、減圧下で乾燥させることにより、マンデル酸塩の形態をとる所望の生成物(90mg,0.21mmol,56%)(>96%de,1H NMR分析に基づく)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.37−1.49(2H,m),1.75(2H,m),2.88(1H,d,J=8.0Hz),3.78(1H,d,J=7.6Hz),3.65(1H,d,J=12.8Hz),3.72(3H,s),3.91(1H,d,J=13.2Hz),4.62(1H,d,J=5.2Hz),4.70(1H,d,J=4.8Hz),5.12(1H,s),6.94(2H,m),7.19(2H,m),7.34(3H,m),7.46(2H,m)。
上述のようにして得られた中間体(90mg,0.21mmol)を、飽和重曹水溶液(5mL)と酢酸エチル(5mL)の1:1混合物中に懸濁させ、25℃で30分間攪拌した。分液を行い、水相を酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、遊離アミンである、メチル(1R,2S,3R,4S)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(56mg,0.21mmol,95%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.25−1.44(2H,m),1.64−1.82(2H,m),2.86(1H,d,J=8.0Hz),3.15(1H,d,J=8.0Hz),3.67(1H,d,J=13.6Hz),3.73(3H,s),3.84(1H,d,J=13.6Hz),4.46(1H,d,J=5.2Hz),4.72(1H,d,J=4.8Hz),6.99(2H,m),7.26(2H,m)。
d)N−{3−[(1S,2R,7S,8R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
窒素雰囲気下で攪拌しながら、メチル(1R,2S,3R,4S)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.056g,0.21mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中溶液に、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.070g,0.21mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.046mL,0.42mmol)と1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(40mg,0.21mmol)を添加した。混合物を25℃で1時間攪拌し、トリエチルアミン(0.88mL,0.63mmol)を加え、得られた混合物を50℃で16時間攪拌した。反応混合物を25℃に放冷し、酢酸エチルで希釈し、1.0M塩酸と飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(1S,2R,7S,8R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(48mg,0.085mmol,41%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)
δ:1.51−1.71(4H,m),3.05(3H,s),3.30(1H,m),3.79(1H,d,J=8.4Hz),4.40(1H,d,J=15.6Hz),4.70(1H,d,J=4.8Hz),4.76(1H,d,J=4.8Hz),5.04(1H,d,J=14.8Hz),7.15(2H,t,J=8.4Hz),7.33(2H,m),7.49(1H,dd,J=8.4,2.4Hz),7.55(2H,m)。 LC−MS(ESI) C24H23FN4O7S2に対する計算値562.1,実測値563.5[M+H+]。 分析 C24H23FN4O7S2に対する計算値:C,51.24;H,4.12;N,9.96;実測値:C,51.10;H,4.51;N,9.98。 ee>98%[HPLC−分析:Chiralpak AS−RH
4.6×250mm,5ミクロン,0.8mL/分,310nm]。
実施例15
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)メチル(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
メチル(1S,2R,3S,4R)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩(実施例6cに従って調製したもの,0.32g,1.56mmol)をメタノール(8mL)中に溶解させた。酢酸ナトリウム(0.26g,3.12mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(0.32g)及び4−フルオロ−3−メチルベンズアルデヒド(0.19mL,1.56mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.24g,3.12mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(20mL)と酢酸エチル(30mL)の混合液に注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和重曹水溶液(10mL)、飽和ブライン水溶液(10mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、メチル(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.35g,1.20mmol,77%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C17H22FNO2に対する計算値291.36,実測値292.5[M+H+]。
b)N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
メチル(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.090g,0.31mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.10g,0.31mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.071mL,0.65mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.062g,0.32mmol)を加え、混合物を25℃で4時間攪拌した。トリエチルアミン(0.13mL,0.92mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。25℃に冷却して、溶液を酢酸エチル(50mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×50mL)、飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;50〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.12g,0.21mmol,68%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.43−2.85(9H,m),2.29(3H,s),3.07(3H,s),3.45−3.47(1H,m),5.17−5.21(2H,m),6.95−7.05(3H,m),7.59−7.66(3H,m)。 LC−MS(ESI) C26H27FN4O6S2に対する計算値574.64,実測値575.3[M+H+]。
実施例16
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)メチル(1S,2R,3S,4R)−3−(3,4−ジフルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート
メチル(1S,2R,3S,4R)−3−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩(実施例6cに従って調製したもの,0.32g,1.58mmol)をメタノール(8mL)中に溶解させた。酢酸ナトリウム(0.26g,3.16mmol)を添加し、次に次に4Å粉末モレキュラーシーブ(0.33g)と3,4−ジフルオロベンズアルデヒド(0.17mL,1.58mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.22g,3.16mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(20mL)と酢酸エチル(30mL)の混合液に注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和重曹水溶液(10mL)、飽和ブライン水溶液(10mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、メチル(1S,2R,3S,4R)−3−(3,4−ジフルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.36g,1.22mmol,78%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C16H19F2NO2に対する計算値295.32,実測値296.3[M+H+]。
b)N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
メチル(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.088g,0.30mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.10g,0.30mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.069mL,0.63mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.060g,0.32mmol)を加え、混合物を25℃で4時間攪拌した。トリエチルアミン(0.12mL,0.90mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。25℃に冷却して、溶液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×20mL)、飽和ブライン水溶
液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;50〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.082g,0.14mmol,47%)を白色粉末として得た。1H
NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.42−1.79(6H,m),2.51−2.54(1H,m),2.84−2.88(2H,m),3.07(3H,s),3.47−3.49(1H,m),5.06−5.10(2H,m),6.95−7.18(3H,m),7.60−7.66(3H,m)。 LC−MS(ESI) C25H24F2N4O6S2に対する計算値578.61,実測値579.2[M+H+]。
実施例17
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例16に従って調製したもの,114mg,0.20mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(7mL)中に溶解させた。炭酸カリウム(55mg,0.40mmol)とヨードメタン(0.014mL,0.22mmol)を順次添加した。反応系を25℃で18時間攪拌した。1.0M塩酸(20mL)を添加して反応を停止させた。混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜20%酢酸エチルinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド(94mg,0.06mmol,77%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.42−1.76(6H,m),2.51−2.54(1H,m),2.84−2.88(2H,m),3.07(3H,s),3.38(3H,s),3.4
7−3.49(1H,m),5.07−5.10(2H,m),6.96−7.16(3H,m),7.72−8.01(3H,m)。 LC−MS(ESI) C26H26F2N4O6S2に対する計算値592.63,実測値593.4[M+H+]。
実施例18
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例15に従って調製したもの,92mg,0.16mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(6mL)中に溶解させた。炭酸カリウム(44mg,0.32mmol)とヨードメタン(0.011mL,0.18mmol)を順次添加した。反応系を25℃で18時間攪拌した。1.0M塩酸(20mL)を添加して反応を停止させた。混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜20%酢酸エチルinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド(91mg,0.15mmol,96%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.18−2.85(9H,m),2.90(3H,s),2.97(3H,s),3.38(3H,s),3.45−3.47(1H,m),5.17−5.21(2H,m),6.96−7.08(3H,m),7.72−8.02(3H,m)。 LC−MS(ESI) C27H29FN4O6S2に対する計算値588.67,実測値589.2[M+H+]。
実施例19
(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.79mL,10.3mmol)及び(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロフォスフェート(1.52g,3.44mmol)を、順次、(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6lに従って調製したもの,1.0g,3.43mmol)と(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(米国特許出願公開第2008/0031852号明細書に記載の方法に従って調製したもの,1.26g,3.44mmol)とのN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)中溶液に25℃で添加した。得られた溶液を25℃で19時間攪拌し、その後減圧下で濃縮した。残留物を1.0M塩酸(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた橙色の油状液体をエタノール(50mL)中に25℃で溶解させた。ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(3.33mL,10.3mmol)を加え、反応混合液を60℃で3時間加熱した。25℃に冷却した後、反応混合液を、体積が約5mLになるまで減圧下で濃縮し、その後1.0M塩酸(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜60%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(1.0g,1.69mmol,49%)を淡黄色フォームとして得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.15−1.21(3H,m),1.38−1.41(1H,m),1.46−1.61(3H,m),2.62(1H,d,J=2.4Hz),2.98(1H,d,J=9.4Hz),3.52(1H,d,J=9.3Hz),4.40(1H,d,J=15.7Hz),4.95(1H,d,J=15.6Hz),7.14(2H,d,J=17.9Hz),7.11−7.16(2H,m),7.30−7.34(3H,m),7.97(1H,dd,J1=2.3Hz,J2=8.6Hz),8.07(1H,d,J=1.5Hz)。 LC−MS(ESI) C24H21FIN3O4Sに対する計算値593.03,実測値594.2[M+H+]。
実施例20
(1R,2S,7R,8S)−5−[7−(1,1−ジオキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1λ
6
−チオフェン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
窒素雰囲気下、(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例19に従って調製したもの,200mg,0.34mmol)とトリブチル−(1,1−ジオキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1λ6−チオフェン−2−イル)−スタナン(米国特許出願公開第2008/0031852号明細書に記載の方法に従って調製したもの,180mg,0.44mmol)との無水N,N−ジメチルホルムアミド(7mL)中溶液に、Pd(PPh3)4(20mg,0.017mmol)を添加した。得られた混合物を90℃で22時間攪拌し、その後25℃まで放冷した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−5−[7−(1,1−ジオキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1λ6−チオフェン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(38mg,0.065mmol,20%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.19(2H,m),1.42−1.61(4H,m),2.50(1H,m),2.65(1H,m),2.97(2H,m),3.05(1H,m),3.53(3H,m),4.43(1H,d,J=14.4Hz),4.96(1H,d,J=15.6Hz),7.15(2H,m),7.33(2H,m),7.41(1H,t,J=3.6Hz),7.66(1H,d,J=9.2Hz),7.96(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),8.10(1H,d,J=2.4Hz)。 LC−MS(ESI) C28H26FN3O6S2に対する計算値583.12,実測値584.2[M+H+]。
実施例21
(1R,2S,7R,8S)−5−[7−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ
6
−チオフェン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
(1R,2S,7R,8S)−5−[7−(1,1−ジオキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1λ6−チオフェン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例20に従って調製したもの,30mg,0.05mmol)をメタノール(15mL)に溶解させ、5%パラジウム炭(100mg)を加えた。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、10%メタノール/ジクロロメタンで洗滌し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC[Column Luna
5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−5−[7−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ6−チオフェン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(26mg,0.044mmol,86%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.19(2H,m),1.40−1.60(4H,m),2.12(1H,m),2.67(1H,m),2.36(1H,m),2.50(1H,m),2.65(1H,m),3.03(1H,m),3.23(1H,m),3.32(1H,m),3.53(1H,d,J=10.0Hz),4.42(1H,d,J=15.2Hz),4.56(1H,dd,J=11.6,6.8Hz),4.97(1H,d,J=15.6Hz),7.14(2H,m),7.33(2H,m),7.58(1H,d,J=8.8Hz),7.69(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),7.82(1H,d,J=2.4Hz);LC−MS(ESI) C28H28FN3O6S2に対する計算値585.14,実測値586.3[M+H+]。
実施例22
(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(1S,2R,3S,4R)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6kに従って調製したもの,0.5g,2.7mmol)をメタノール(25mL)中に溶解させた。イソバレルアルデヒド(0.233g,2.7mmol)を添加し、次に酢酸(1mL)を添加した。その溶液を25℃で10分間攪拌し続けた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.424g,6.75mmol)を加え、混合物を25℃で5時間攪拌した。混合物を半飽和重曹水溶液(100mL)に注ぎ込んだ。水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.43g,1.7mmol,63%)を薄黄色の油状液体として得た。この油状液体は、さらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C15H27NO2に対する計算値253.2,実測値254.1[M+H+]。
b)(1S,2R,3S,4R)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0
.216g,0.649mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中に溶解させた。(1S,2R,3S,4R)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.164g,0.649mmol)を添加し、次に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.13g,0.681mmol)を添加した。その後N−メチルモルホリン(0.138g,1.36mmol)を上述の反応混合物に添加した。混合物を25℃で4時間攪拌した。溶液を1.0M塩酸(100mL)に注ぎ込んだ。水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルを薄黄色の油状液体として得た。この油状液体はさらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C25H36N4O7S2に対する計算値568.2,実測値569.5[M+H+]。
c)(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
粗製の(1S,2R,3S,4R)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルをエタノール(7mL)に溶解させ、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.15mL,3.25mmol)を上記溶液に添加した。混合物を60℃で4時間攪拌し、25℃に冷却した。混合物を0.5M塩酸(100mL)に注ぎ込んだ。水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物を得た。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;100%酢酸エチル)で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.19g,0.364mmol,2つのステップを通して56.1%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.89−0.93(6H,m),1.16−1.23(2H,m),1.28−1.32(1H,m),1.35−1.62(7H,m),1.99−1.99(1H,m),2.52−2.54(1H,m),2.63(1H,bs),3.06(3H,s),3.62−3.72(2H,m),7.50(1H,dd,J1=8.9Hz,J2=2.2Hz),7.57−7.59(2H,m),1
0.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C23H30N4O6S2に対する計算値522.16,実測値523.6[M+H+]。
実施例23
(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(2−シクロプロピル−エチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
−78℃の塩化オキサリルの2.0Mジクロロメタン溶液(9.8mL,19.6mmol)に、ジメチルスルホキシドを滴下した。−78℃で15分間攪拌した後、シクロプロピルエチルアルコール(1.5g,17.4mmol)のジクロロメタン(3.5mL)中溶液を加えた。さらに1時間攪拌した後、トリエチルアミン(13.8mL,98.3mmol)を加えた。反応混合液を25℃まで昇温し、水で希釈した。有機相を分離し、水相をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。集めた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下0℃で濃縮することにより、粗生成物であるシクロプロピルアセトアルデヒドを得た。この粗生成物はさらに精製することなく次のステップで用いた。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.19(2H,dd,J1=10.3Hz,J2=5.2Hz),0.62(2H,dd,J1=13.2Hz,J2=5.3Hz),1.03−0.97(1H,m),2.30(2H,d,J=5.1Hz),9.79(1H,d,J=1.7Hz)。
b)(rac−ジ−exo)−3−(2−シクロプロピル−エチルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル
窒素雰囲気下、シクロプロピルアセトアルデヒド(148mg,1.75mmol)を、(rac−ジ−exo)−3−アミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例8aに従って調製したもの,300mg,1.75mmol)の無水メタノール(10mL)中溶液に25℃で添加した。20分間攪拌した後、氷酢酸(0.3mL)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(150mg,2.38mmol)を順次添加し、得られた混合物を25℃で18時間攪拌した。反応混合物を飽和重曹水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(2−シクロプロピル−エチルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(220mg,0.92mmol,53%)を黄色油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.19(2H,m),0.52(2H,m),0.70(1H,m),1.65−2.00(6H,m),3.10(1H,d,J=8.4Hz),3.23(2H,m),3.82(3H,s),3.93(1H,m),4.90(1H,d,J=4.8Hz),5.17(1H,d,J=5.2Hz)。
c)(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(2−シクロプロピル−エチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
窒素雰囲気下で攪拌しながら、(rac−ジ−exo)−3−(2−シクロプロピル−エチルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(120mg,0.50mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中溶液に、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,107mg,0.32mmol)、N−メチルモルホリン(0.12mL,1.09mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(105mg,0.55mmol)を順次添加した。25℃で2時間攪拌した後、反応混合液を酢酸エチルで希釈し、1.0M塩酸と飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、粗製の中間体を得た。粗製のアミド中間体を無水エタノール(5mL)中に溶解させ、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.8mL,2.16mmol)を加えた。混合物を60℃で2時間攪拌し、その後25℃まで放冷した。0.5M塩酸(10mL)を加え、次に混合物を酢酸エチルで抽出し、飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(2−シクロプロピル−エチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウン
デカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(25mg,0.048mmol,15%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.07(2H,m),0.41(2H,m),0.70(1H,m),1.37−1.72(6H,m),3.05(3H,s),3.07(1H,m),3.30(m,1H),3.92(2H,m),4.74(2H,m),7.49(1H,m),7.55(2H,m),10.16(1H,s)。 LC−MS(ESI) C22H26N4O7S2に対する計算値522.12,実測値523.4[M+H+]。
実施例24
(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例22に従って調製したもの,90mg,0.172mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中に溶解させた。炭酸カリウム(0.04g,0.344mmol)を添加し、次にヨードメタン(0.027g,0.189mmol)を添加した。混合物を25℃で5時間攪拌した。反応混合液を酢酸エチル(2×100mL)と水(100mL)で抽出した。有機相を飽和ブライン水溶液(50mL)で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、粗生成物を得た。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;40%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド(0.052g,0.097mmol,56.4%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.92(6H,d,J=6.4Hz),1.21−1.26(1H,m),1.28−1.33(1H,m),1.39−1.63(7H,m),2.54(1H,bs),2.63−2.67(1H,m),3.00(3H,s),3.06−3.17(1H,m),3.29(3H,s),3.63−3.72(2H,m),7.62(1H,d,J=8.5Hz),7.70−7.73(1H,m),7.85(1H,s)。 LC−MS(ESI) C24H32N4O6S2に対する計算値536.18,実測値537.6.6[M+H+]。
実施例25
(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル
(rac−ジ−exo)−3−アミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例8aに従って調製したもの,0.4g,2.34mmol)をメタノール(20mL)中に溶解させた。イソバレルアルデヒド(0.202g,2.34mmol)を添加し、次に酢酸(1mL)を添加した。25℃で10分間その溶液の攪拌を続けた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.37g,5.85mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を半飽和重曹水溶液(150mL)に注ぎ込んだ。水相を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(0.3g,2.34mmol,53.1%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C13H23NO3に対する計算値241.17,実測値242.4[M+H+]。
b)(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.211g,0.696mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(6mL)中に溶解させた。(rac−ジ−exo)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(0.168g,0.696mmol)を添加し、次に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.14g,0.731mmol)を添加した。その後N−メチルモルホリン(0.148g,1.46mmol)を上述の反応混合物に添加した。混合物を25℃で5時間攪拌した。溶液を1.0M塩酸(100mL)に注ぎ込んだ。水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステルを薄黄色の油状液体として得た。この油状液体はさらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C23H32N4O8S2に対する計算値556.17,実測値557.4[M+H+]。
c)(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
粗製の(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステルをエタノール(7mL)中に溶解させ、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.3mL,3.48mmol)を上記溶液に添加した。混合物を60℃で4時間攪拌し、25℃に冷却した。混合物を0.5M塩酸(100mL)に注ぎ込んだ。水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物を得た。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco
RediSep column;100%酢酸エチル)で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.07g,0.133mmol,2つのステップを通して19.2%)を淡黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.92(6H,d,J=5.5Hz),1.06−1.31(2H,m),1.40−1.72(6H,m),3.05(3H,s),3.17−3.22(1H,m),3.80−3.87(2H,m),4.72−4.73(2H,m),7.47−7.55(3H,m),10.12(1H,bs)。 LC−MS(ESI) C22H28N4O7S2に対する計算値524.14,実測値525.4[M+H+]。
実施例26
(1R,2S,7R,8S)−5−[7−(1,1−ジオキソ−1λ
6
−イソチアゾリジン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
反応フラスコに、ヨウ化銅(I)(8mg,0.042mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(9mg,0.1mmol),イソチアゾリジン1,1−ジオキシド(204mg,1.685mmol)、(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例19に従って調製したもの,100mg,0.168mmol)及びリン酸カリウム(179mg,0.842mmol)を仕込んだ。フラスコを脱気し、窒素を充填し、その後無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)を加えた。得られた懸濁液を100℃で17時間激しく攪拌し、その後25℃まで放冷した。混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×20mL)と飽和ブライン水溶液(40mL)で洗滌した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;1st column:100%ジクロロメタン,2nd column:5%ヘキサンinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物を得た。粗生成物を無水エタノール(3×)と共に摩砕し、減圧下60℃で乾燥させることにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−5−[7−(1,1−ジオキソ−1λ6−イソチアゾリジン−2−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル]−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(70mg,0.119mmol,71%)を固
体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.17−1.24(2H,m),1.40−1.61(4H,m),2.39−2.46(2H,m),2.51−2.54(1H,m),2.64−2.65(1H,m),3.03−3.05(1H,m),3.53−3.60(3H,m),3.83(2H,t,J=6.3Hz),4.43(1H,d,J=15.4Hz),4.97(1H,d,J=15.6Hz),7.15(2H,t,J=9.0Hz),7.32−7.35(2H,m),7.51−7.54(2H,m),7.62(1H,d,J=8.5Hz)。 LC−MS(ESI) C27H27FN4O6S2に対する計算値586.14,実測値587.4[M+H+]。
実施例27
(1R,2S,7R,8S)−N−[3−(6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド
(1R,2S,3R,4S)−3−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−アミニウム(1’S)−(+)−10−カンファースルホネート(実施例6jに従って調製したもの,5.00g,12.0mmol)と炭酸カリウム(4.16g,30.1mmol)との酢酸エチル(80mL)中懸濁液を25℃で5時間攪拌し、その後メディウムフリット(medium frit)を通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、粗製の(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(2.14g)を得た。この物質の一部(1.00g,5.52mmol)と(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,1.84g,5.52mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド中に25℃で溶解させ、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.11g,5.79mmol)とN−メチルモルホリン(1.27mL,11.6mmol)を順次添加した。得られた溶液を25℃で22時間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物を1.0M塩酸(200mL)と酢酸エチル(2×150mL)との間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた橙色の油状液体をエタノール(70mL)中に25℃で溶解させた。ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(10.7mL,33.0mmol)を加え、反応混合液を90℃で3日間加熱した。25℃に冷却した後、体積が約5mLになるまで反応混合液を減圧下で濃縮し、次に1.0M塩酸(200mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco
RediSep column;0〜7%メタノールinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−N−[3−(6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド(0.25g,0.552mmol,
10%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.17−1.22(2H,m),1.39−1.58(3H,m),2.24(1H,bs),2.32(1H,bs),2.64−2.66(1H,m),2.84−2.87(1H,m),3.04(3H,s),3.54(1H,bs),3.63(1H,bs),7.49(2H,bs),7.55(1H,bs),8.11(1H,bs),9.52(1H,bs),10.12(1H,bs)。 LC−MS(ESI) C18H20N4O6S2に対する計算値452.08,実測値453.2[M+H+]。
実施例28
(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
a)N−(2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステル
2−アミノ−ベンゼンスルホンアミド(5g,29mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド(25mL)及びジエチルエーテル(25mL)中に溶解させた。3−クロロ−3−オキソ−プロピオン酸エチル(4.6g,30.45mmol)を上記反応溶液に添加した。反応混合液を25℃で3時間攪拌した。生成物が沈殿し始め、その生成物を減圧濾過で回収した。固体を酢酸エチル(200mL)に溶解させ、水(200mL)で抽出した。水相を酢酸エチル(200mL)で逆抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、N−(2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステルを白色固体として得た。この粗生成物はさらに精製することなく次のステップで用いた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.23(3H,t,J=7.0Hz),3.61(2H,s),4.14(2H,四重線,J=7.0Hz),7.29−7.33(1H,m),7.53(2H,bs),7.56−7.60(1H,m),7.84−7.86(1H,m),7.97−7.99(1H,m),9.54(1H,bs)。 LC−MS(ESI) C11H14N2O5Sに対する計算値286.06,実測値287.1[M+H+]。
b)(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸
固体の水酸化ナトリウム(3.48g,87mmol)を水に溶解させて飽和溶液を調製した。粗製のN−(2−スルファモイル−フェニル)−マロンアミド酸エチルエステルをその水酸化ナトリウム溶液に添加した。反応混合液を110℃で2.5時間加熱し、その後25℃に冷却した。氷水浴中で冷却しながら、反応混合液に12.0M塩酸(9.67g,116mmol)をゆっくりと加えて酸性化した。生成物が沈殿し、その生成物を減圧濾過で回収した。固体を冷水で洗滌し、高減圧下で乾燥させることにより、粗生成物である、(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(5g,20.8mmol,2つのステップを通して71.7%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:3.58(2H,s),7.31(1H,d,J=8.0Hz),7.44(1H,dd,J1=7.8Hz,J2=7.8Hz),7.67(1H,dd,J1=7.8Hz,J2=7.8Hz),7.79(1H,d,J=7.9Hz),12.18(1H,bs),13.03(1H,bs)。 LC−MS(ESI) C9H8N2O4Sに対する計算値240.02,実測値241.1[M+H+]。
c)(1S,2R,3S,4R)−3−[[2−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(4−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(0.2g,0.833mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(8mL)中に溶解させた。(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6lに従って調製したもの,0.244g,0.833mmol)を添加し、次に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.168g,0.875mmol)を添加した。その後N−メチルモルホリン(0.177g,1.75mmol)を上述の反応混合物に添加した。混合物を25℃で16時間攪拌した。溶液を1.0M塩酸(100mL)に注ぎ込んだ。水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−[[2−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(4−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルを橙色の油状液体として得た。この油状液体はさらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C26H28FN3O5Sに対する計算値5
13.58,実測値514.4[M+H+]。
d)(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン
粗製の(1S,2R,3S,4R)−3−[[2−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(4−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルをエタノール(8mL)中に溶解させ、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.6mL,4.2mmol)を上記溶液に添加した。混合物を60℃で4時間攪拌し、25℃に冷却した。混合物を0.5M塩酸(100mL)に注ぎ込んだ。生成物が沈殿し始め、その生成物を減圧濾過で回収した。沈殿物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;100%酢酸エチル)で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−1,2−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(0.242g,0.517mmol,2つのステップを通して62.1%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.16−1.22(2H,m),1.40−1.60(4H,m),2.51(1H,bs),2.64(1H,d,J=2.1Hz),3.03(1H,d,J=8.0Hz),3.54(1H,d,J=9.3Hz),4.42(1H,d,J=15.6Hz),4.97(1H,d,J=15.7Hz),7.15(2H,t,J=8.8Hz),7.33(2H,dd,J1=8.0Hz,J2=5.9Hz),7.45−7.53(2H,m),7.67−7.71(1H,m),7.85(1H,d,J=7.9Hz)。 LC−MS(ESI) C24H22FN3O4Sに対する計算値467.13,実測値468.2[M+H+]。分析 C24H22FN3O4Sに対する計算値:C,61.66;H,4.74;N,8.99;実測値C,61.96;H,4.88;N,8.99。
実施例29
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル(米国特許出願公開第2008/0031852号明細書に記載の方法に従って調製したもの,600mg,1.666mmol)のメタノール(30mL)中溶液を氷水浴中で0℃に冷却し、2.0M水酸化リチウム水溶液(4.17mL,8.332mmol)で処理した。反応混合液を25℃まで昇温し、1時間攪拌した。メタノールを減圧下で除去し、反応混合液を氷上の0.5M塩酸(20mL)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、橙色の固体を得た。粗製の固体をジエチルエーテルと共に摩砕することにより、所望の生成物である、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸(409mg,1.232mmol,73.9%)を黄色固体として得た。LC−MS C11H12N2O6S2に対する計算値332.4,実測値333.0[M+H+]。
b)N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
メチル(1S,2R,3S,4R)−3−[(4−フルオロベンジル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(実施例6dに従って調製したもの,0.20g,0.69mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(7mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6
−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸(0.23g,0.69mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.17mL,1.52mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.15g,0.76mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。飽和重曹水溶液(20mL)を加えて反応を停止させた。混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。有機相を集めて飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌した。得られた溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。その油状液体をエタノール(10mL)中に溶解させた。ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.65mL,1.74mmol)を加えた。反応系を60℃で16時間攪拌した。1.0M塩酸(10mL)を加えて反応を停止させた。混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機相をさらに飽和重曹水溶液(2×20mL)、飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、透明油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;22〜75%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.020g,0.04mmol,5.3%)を黄色粉末として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.21−1.64(6H,m),2.52−2.71(3H,m),3.07(3H,s),3.39−3.52(1H,m),5.15−5.28(2H,m),6.60(1H,s),7.02−7.06(2H,m),7.22−7.26(2H,m),7.54−7.66(3H,m)。 LC−MS(ESI) C26H26FN3O6S2に対する計算値559.63,実測値560.5[M+H+]。
実施例30
(1R,2S,7R,8S)−5−(7−アミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
a)(1R,2S,7R,8S)−5−(7−アジド−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7]ウンデカ−5−エン−4−オン
(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例19に従って調製したもの,0.513g,0.864mmol)、アジ化ナトリウム(1.12g,17.2mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(0.086g,0.43mmol)、ヨウ化銅(I)(0.16g,0.84mmol)、及びtrans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.20mL,1.27mmol)を、ジメチルスルホキシドと水の5:1混合物(10mL)中に25℃で溶解させた。反応フラスコを脱気し、窒素を充填した(5×)。25℃で14時間攪拌した後、反応混合液を水(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜60%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−5−(7−アジド−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(0.348g,0.684mmol,79%)を暗褐色のフォームとして得た。そのフォームは、さらに精製することなく次のステップで用いた。
b)(1R,2S,7R,8S)−5−(7−アミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン
(1R,2S,7R,8S)−5−(7−アジド−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(0.348g,0.684mmol)をメタノールと酢酸エチルの1:1混合物(15mL)中に25℃で溶解させた。パラジウム炭素(0.40g,5%,「湿潤」)を加えると、黒色の懸濁液となった。反応系を25℃で6時間、水素雰囲気下(バルーン)に保持し、その後をセライト〔Celite(登録商標)〕を通して濾過し
た。そのセライト〔Celite(登録商標)〕を酢酸エチル(2×30mL)で洗滌し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;50〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−5−(7−アミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(0.159g,0.330mmol,48%)を淡黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.08−1.19(3H,m),1.40−1.57(3H,m),2.99(1H,d,J=7.2Hz),3.31(3H,s),3.36−3.37(1H,m),3.50(1H,d,J=7.8Hz),4.39(1H,d,J=14.6Hz),4.93(1H,d,J=14.5Hz),6.86−6.91(3H,m),7.13−7.15(2H,m),7.21(1H,d,J=8.8Hz),7.30(2H,bs),13.79(1H,s)。 LC−MS(ESI) C24H23FN4O4Sに対する計算値482.14,実測値483.4[M+H+]。
実施例31
(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩
(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸塩酸塩(1.0g,5.27mmol)をメタノール(7mL)中に溶解させた。ベンゼン(10mL)を添加し、次に(トリメチルシリル)ジアゾメタンの2.0Mジエチルエーテル溶液(5mL,10mmol)を滴下した。10分間攪拌した後、さらに(トリメチルシリル)ジアゾメタンの2.0Mジエチルエーテル溶液(3mL,6mmol)を加え、反応混合液をさらに20分攪拌した後には、黄色を帯びた溶液となった。溶媒を減圧下で除去し、残留物をメタノール(15mL)中に溶かし、溶媒を減圧下で除去することにより、粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(0.98g,4.83mmol,91.6%)を黄色油状液体として得た。この油状液体は、さらに精製
することなく次のステップで用いた。
b)(rac−ジ−exo)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル
(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(0.955g,4.703mmol)をメタノール(10mL)中に懸濁させた。酢酸ナトリウム(0.791g,9.652mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(1g)及び3−メチル−ブチルアルデヒド(0.385g,4.468mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.593g,9.406mmol)を加え、混合物を25℃で18時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(100mL)に注ぎ込み、酢酸エチル(100mL)で抽出した。分液を行い、有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜10%メタノールinジクロロメタン)でさらに精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(0.774g,3.14mmol,66.7%)を黄色油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.89(3H,d,J=1.6Hz),0.90(3H,d,J=2.1Hz),1.27−1.39(2H,m),1.54−1.64(2H,m),2.07(1H,d,J=9.4Hz),2.42−2.56(2H,m),2.66−2.73(1H,m),2.84(1H,bs),2.92(1H,bs),2.98(1H,d,J=7.7Hz),3.69(3H,s),6.14(2H,s)。 LC−MS C14H23NO2に対する計算値237.17,実測値238.2[M+H+]。
c)(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル
(rac−ジ−exo)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(208.7mg,0.880mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中溶液に、(7−メタンスルホニルアミ
ノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,351.7mg,1.056mmol)を添加し、全ての物質が完全に溶解するまで混合物を渦状に激しく攪拌した。N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの1.0Mジクロロメタン溶液(1.144mL,1.144mmol)を上述の溶液に添加し、窒素雰囲気下、混合物を25℃で18時間攪拌した。沈殿したN,N−ジシクロヘキシルウレアをセライト〔Celite(登録商標)〕上で濾過することにより取り出し、濾過ケーキをジクロロメタン(3×5mL)で洗滌し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合物(20mL)中に溶解させ、飽和ブライン水溶液と飽和重曹水溶液と水とで洗滌した。分液を行い、水相を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合物(20mL)で逆抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルを黄色油状液体として得た。この油状液体は、さらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS C24H32N4O7S2に対する計算値552.17,実測値553.3[M+H+]。
d)(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
粗製の(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルをエタノール(20mL)中に溶解させた。この溶液にナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.141g,3.52mmol)を添加し、反応混合液を25℃で2時間攪拌した。1.0M塩酸を添加すると、生成物が沈殿し、その生成物を減圧濾過で回収した。ジクロロメタンと酢酸エチルと共に摩砕することによりさらに精製すると、黄褐色の固体が得られた。この固体をさらに酢酸エチルで洗滌し、その後減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(116.6mg,0.224mmol,25.5%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.93(6H,d,J=5.3Hz),1.35−1.70(5H,m),2.85(1H,d,J=8.7Hz),3.06(3H,s),3.13−3.31(5H,m),3.49(1H,d,J=8.6Hz),3.75−3.83(1H,m),6.23(1H,s),6.39(1H,s),7.50−7.58(3H,m),10
.18(1H,s)。 LC−MS C23H28N4O6S2に対する計算値520.15,実測値521.4[M+H+]。
実施例32
(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル
(rac−ジ−exo)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(0.984g,4.846mmol)をメタノール(10mL)中に懸濁させた。酢酸ナトリウム(0.795g,9.692mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(1.0g)と3,3−ジメチルブチルアルデヒド(0.461g,4.604mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.610g,9.692mmol)を加え、混合物を25℃で18時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(100mL)に注ぎ込み、酢酸エチル(100mL)で抽出した。分液を行い、有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜10%メタノールinジクロロメタン)でさらに精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(0.773g,3.08mmol,63.5%)を黄色油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.91(9H,s),1.31−1.40(2H,m),1.55(1H,d,J=9.5Hz),2.08(1H,d,J=8.8Hz),2.43−2.49(1H,m),2.55(1H,d,J=7.8Hz),2.64−2.74(1H,m),2.85(1H,bs),2.93(1H,bs),2.99(1H,d,J=7.7Hz),3.69(3H,s),6.15(2H,s)。 LC−MS C15H25NO2に対する計算値251.19,実測値25
2.2[M+H+]。
b)(rac−ジ−exo)−3−{(3,3−ジメチル−ブチル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル
(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(233.3mg,0.929mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中溶液に、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,371.2mg,1.115mmol)を添加し、全ての物質が完全に溶解するまで混合物を渦状に激しく攪拌した。N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの1.0Mジクロロメタン溶液(1.208mL,1.208mmol)を上述の溶液に添加し、窒素雰囲気下、混合物を25℃で18時間攪拌した。沈殿したN,N−ジシクロヘキシルウレアをセライト〔Celite(登録商標)〕上で濾過することにより取り出し、濾過ケーキをジクロロメタン(3×5mL)で洗滌し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合物(20mL)中に溶解させ、飽和ブライン水溶液と飽和重曹水溶液と水とで洗滌した。分液を行い、水相を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合液(20mL)で逆抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−{(3,3−ジメチル−ブチル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルを黄色油状液体として得た。この油状液体は、さらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS C25H34N4O7S2に対する計算値566.19,実測値567.4[M+H+]。
c)(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
粗製の(rac−ジ−exo)−3−{(3,3−ジメチル−ブチル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(710.8mg,0.929mmol)をエタノール中に溶解させた。この溶液にナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.204g,3.716mmol)を添加し、反応混合液を25℃で2時間攪拌した。1.0M塩酸を添加すると、生成物が沈殿し、その沈殿物を減圧濾過で回収した。ジクロロメタンと酢酸エチルで摩砕することでさらに精製することにより、黄褐色の固体を得た。この固体をさらに酢酸エチルで洗滌し、その後減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(210.7mg,0.394mmol,2つのステップを通して42.5%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.96(9H,s),1.39−1.56(4H,m),2.85(1H,d,J=9.3Hz),3.06(3H,s),3.12−3.30(5H,m),3.49(1H,d,J=9.1Hz),3.74−3.81(1H,m),6.23(1H,s),6.40(1H,s),7.50−7.60(3H,m),10.18(1H,s)。 LC−MS C24H30N4O6S2に対する計算値534.16,実測値535.4[M+H+]。
実施例33
(rac−ジ−exo)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
a)(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル
(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(米国特許出願公開第2008/0031852号明細書に記載の方法に従って調製したもの,0.2g,0.546mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中に溶解させた。(rac−ジ−exo)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例25aに従って調製したもの,0.132g,0.546mmol)を添加し、次に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.11g,0.573mmol)を添加した。その後N−メチルモルホリン(0.116g,1.15mmol)を上述の反応混合物に添加した。混合物を25℃で16時間攪拌した。溶液を1.0M塩酸(100mL)に注ぎ込んだ。水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステルを薄黄色の油状液体として得た。この油状液体は、さらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C22H28IN3O6Sに対する計算値589.07,実測値590.5[M+H+]。
b)(rac−ジ−exo)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン
粗製の(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステルをエタノール(5mL)中に溶解させ、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1mL,2.73mmol)を上述の溶液に添加した。混合物を60℃で6時間攪拌し、25℃まで放冷した。混合物を0.5M塩酸(100mL)に注ぎ込んだ。生成物が沈殿し始め、その沈殿物を減圧濾過で回収した。沈殿物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;100%酢酸エチル)で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(0.066g,0.118mmol,2つのステップを通して21.7%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.92(6H,d,J=6.2Hz),1.41−1.73(7H,m),2.52−2.52(1H,m),2.94−3.07(1H,m),3.81−3.92(2H,m)
,4.75(2H,d,J=2.2Hz),7.37(1H,d,J=8.5Hz),8.00(1H,dd,J1=8.6Hz,J2=2.2Hz),8.08(1H,s)。
LC−MS(ESI) C21H24IN3O5Sに対する計算値557.05,実測値558.2[M+H+]。 分析 C21H24IN3O5S・0.5H2Oに対する計算値:C,44.53;H,4.45;N,7.45;実測値C,44.69;H,4.15;N,7.45。
実施例34
(1R,2S,7R,8S)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
a)(1S,2R,3S,4R)−3−[[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(米国特許出願公開第2008/0031852号明細書に記載の方法に従って調製したもの,0.2g,0.546mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中に溶解させた。(1S,2R,3S,4R)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例22aに従って調製したもの,0.138g,0.546mmol)を添加し、次に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.11g,0.573mmol)を添加した。その後N−メチルモルホリン(0.116g,1.15mmol)を上述の反応混合物に添加した。混合物を25℃で16時間攪拌した。溶液を1.0M塩酸(100mL)に注ぎ込んだ。水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−[[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−2−カルボン酸エチルエステルを薄黄色の油状液体として得た。この油状液体は、さらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C24H32IN3O5Sに対する計算値601.11,実測値602.6[M+H+]。
b)(1R,2S,7R,8S)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン
粗製の(1S,2R,3S,4R)−3−[[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.546mmol)をエタノール(5mL)中に溶解させ、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1mL,2.73mmol)を上述の溶液に添加した。混合物を60℃で6時間攪拌し、25℃まで放冷した。混合物を0.5M塩酸(100mL)に注ぎ込んだ。生成物が沈殿し始め、その生成物を減圧濾過で回収した。沈殿物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;40%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(0.122g,0.2mmol,2つのステップを通して40.3%)を薄黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.92(6H,d,J=5.4Hz),1.16−1.63(9H,m),2.99−3.12(2H,m),3.62−3.71(2H,m),7.37(1H,d,J=8.3Hz),7.99(1H,dd,J1=8.6Hz,J2=1.6Hz),8.08(1H,s)。 LC−MS(ESI) C22H26IN3O4Sに対する計算値555.07,実測値556.3[M+H+]。
実施例35
シクロプロパンスルホン酸{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド
(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例19に従って調製したもの,81mg,0.14mmol)、シクロプロパンスルホン酸アミド(132mg,1.09mmol),サルコシン(N−メチルグリシン)(18mg,0.20mmol)、ヨウ化銅(I)(26mg,0.14mmol)、及びリン酸カリウム(173mg,0.82mmol)を混ぜ合わせてN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中に溶解させた。フラスコを脱気し、窒素を充填した(3×)。反応系を100℃で4時間攪拌した。混合物を25℃まで放冷し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和重曹水溶液(2×20mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜8%メタノールinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物である、シクロプロパンスルホン酸{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド(76mg,0.13mmol,96%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.85−1.68(8H,m),2.50−2.62(2H,m),2.83−2.97(3H,m),3.45−3.47(1H,m),4.56(1H,bs),5.17−5.20(1H,m),7.03−7.07(2H,m),7.20−7.23(2H,m),7.63−7.69(2H,m),8.01(1H,s)。 LC−MS(ESI) C27H27FN4O6S2に対する計算値586.14,実測値587.4[M+H+]。
実施例36
(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−{(3,3−ジメチル−ブチル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル
窒素雰囲気下で攪拌しながら、(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例32aに従って調製したもの,103mg,0.410mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中溶液に、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸(実施例29aに従って調製したもの,136mg,0.410mmol)、N−メチルモルホリン(87.1mg,0.861mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(82.3mg,0.431mmol)を順次添加した。25℃で90分間攪拌した後、1.0M塩酸(10mL)と飽和ブライン水溶液を反応混合物に添加した。混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−{(3,3−ジメチル−ブチル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルをさらに精製することなく直接次のステップで用いた。LC−MS C26H35N3O7S2に対する計算値565.19,実測値566.5[M+H+]。
b)(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
粗製の(rac−ジ−exo)−3−{(3,3−ジメチル−ブチル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルをエタノール(10mL)中に溶解させた。この溶液にナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.399g,1.23mmol)を添加し、反応混合液を25℃で2.5時間攪拌した。1.0M塩酸(10mL)を添加し、さらに30分攪拌した後、追加の1.0M塩酸(5mL)を加えると生成物が沈殿した。固体を減圧濾過で回収し、1.0M塩酸(5mL)で洗滌し、その後減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(59mg,0.111mmol,2つのステップを通して27.1%)を黄色−黄褐色の固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.00−1.01(9H,m),1.26−1.29(2H,m),1.51−1.70(4H,m),2.57−2.63(1H,m),3.07(3H,s),3.10−3.17(2H,m),3.24−3.26(1H,m),3.35−3.39(1H,m),3.39−3.99(1H,m),4.90(0.7H,d,J=16.7Hz),5.20(0.3H,d,J=16.2Hz),5.27(0.7H,d,J=16.9Hz),5.73(0.3H,d,J=16.1Hz),6.17−6.22(1H,m),6.36−6.39(1H,m),7.17(1H,s),7.22−7.25(2H,m),7.56−7.61(1H,m),7.67−7.69(1H,m)。 LC−MS C25H31N3O6S2に対する計算値533.17,実測値534.4[M+H+]。
実施例37
(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−{(4−フルオロ−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル
窒素雰囲気下で攪拌しながら、(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例9bに従って調製したもの,112.7mg,0.410mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中溶液に、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸(実施例29aに従って調製したもの,136mg,0.410mmol)、N−メチルモルホリン(87.1mg,0.861mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(82.3mg,0.431mmol)を順次添加した。25℃で90分間攪拌した後、1.0M塩酸(10mL)及び飽和ブライン水溶液(10mL)を反応混合物に添加した。混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−{(4−フルオロ−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルをさらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS C27H28FN3O7S2に対する計算値589.14,実測値590.5[M+H+]。
c)(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
粗製の(rac−ジ−exo)−3−{(4−フルオロ−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルをエタノール中に溶解させた。この溶液にナトリウム
エトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.399g,1.23mmol)を添加し、反応混合液を25℃で2.5時間攪拌した。1.0M塩酸(10mL)を添加し、さらに30分攪拌した後、追加の1.0M塩酸(5mL)を添加すると生成物が沈殿した。固体を減圧濾過で回収し、1.0M塩酸(5mL)で洗滌し、その後減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(44mg,0.079mmol,2つのステップを通して19.3%)を黄褐色の固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.83−0.93(1H,m),1.26−1.29(2H,m),1.51(1H,d,J=8.4Hz),1.69(1H,d,J=9.5Hz),2.59(1H,d,J=8.3Hz),3.05(3H,s),3.09(1H,s),3.26(1H,s),3.35(1H,d,J=7.7Hz),4.36(1H,d,J=15.1Hz),5.24(1H,d,J=15.6Hz),6.12(1H,s),6.33(1H,s),7.00−7.04(2H,m),7.19−7.26(3H,m),7.56(1H,d,J=6.8Hz),7.68(1H,s)。 LC−MS C26H24FN3O6S2に対する計算値557.11,実測値558.1[M+H+]。
実施例38
(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル
窒素雰囲気下で攪拌しながら、(rac−ジ−exo)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(実施
例31bに従って調製したもの,97.2mg,0.410mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中溶液に、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−酢酸(実施例29aに従って調製したもの,136mg,0.410mmol)、N−メチルモルホリン(87.1mg,0.861mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(82.3mg,0.431mmol)を順次添加した。25℃で90分間攪拌した後、1.0M塩酸(10mL)及び飽和ブライン水溶液(10mL)を反応混合物に添加した。混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルをさらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS C25H33N3O7S2に対する計算値551.18,実測値552.3[M+H+]。
b)(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
粗製の(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルをエタノール(10mL)中に溶解させた。この溶液に、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.399g,1.23mmol)を添加し、反応混合液を25℃で2.5時間攪拌した。1.0M塩酸(10mL)を添加し、さらに30分攪拌した後、追加の1.0M塩酸(5mL)を添加すると生成物が沈殿した。固体を減圧濾過で回収し、1.0M塩酸(5mL)で洗滌し、その後減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,4]チアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(48.6mg,0.094mmol,2つのステップを通して22.8%)を黄褐色の固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.96−1.01(6H,m),1.26−1.29(2H,m),1.48−1.73(5H,m),2.58−2.63(1H,m),3.07(3H,s),3.08−3.17(1H,m),3.25(1H,s),3.37−3.40(1H,m),3.89−3.97(1H,m),4.90(0.7H,d,J=17.3Hz),5.21(0.3H,d,J=17.4Hz),5.28(0.7H,d,J=16.7Hz),5.72(0.3H,d,J=17.1Hz),6.17−6.22(1H,m),6.35−6.39(1H,m),7.23(1H,d,J=8.5Hz),7.38(1H,s),7.56−7.
62(1H,m),7.68−7.69(1H,m)。 LC−MS C24H29N3O6S2に対する計算値519.15,実測値520.2[M+H+]。
実施例39
(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7]ウンデカ−5,9−ジエン−4−オン
窒素雰囲気下で攪拌しながら、(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例9bに従って調製したもの,400mg,1.454mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(14mL)中溶液に、(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(米国特許出願公開第2008/0031852号明細書に記載の方法に従って調製したもの,532.1mg,1.454mmol)、N−メチルモルホリン(309mg,3.053mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(292mg,1.527mmol)を順次添加した。25℃で4時間攪拌した後、トリエチルアミン(441mg,4.362mmol)を加え、混合物を50℃で2時間攪拌した。反応混合物を25℃にまで放冷し、16時間攪拌を続けた。1.0M塩酸(10mL)を添加すると白色の沈殿物が形成され、その沈殿物を減圧濾過で回収し、1.0M塩酸(5mL)で洗滌し、減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−4−オン(280.2mg,0.474mmol,32.6%)を白色固体として得た。1
H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.16−1.20(2H,m),1.38(1H,d,J=9.4Hz),1.63(1H,d,J=9.3Hz),2.86(1H,bs),3.21(1H,bs),3.41(1H,d,J=9.2Hz),4.53(1H,d,J=15.6Hz),5.05(1H,d,J=15.6Hz),6.13−6.16(1H,m),6.35−6.37(1H,m),7.15(2H,t,J=8.4Hz),7.33−7.38(3H,m),7.99−8.01(1H,m),8.09(1H,s)。 LC−MS C24H19FIN3O4Sに対する計算値591.01,実測値592.4[M+H+]。
b)(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−4−オン(0.100g,0.1692mmol)、三リン酸カリウム(0.1075g,0.5076mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(0.0094g,0.1015mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.00128g,0.0677mmol)を混ぜ合わせた。無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)を添加し、次にN−メチルメタンスルホンアミド(0.09223g,0.8460mmol)を添加した。溶液を脱気し、窒素を充填した。混合物を100℃で16時間攪拌した。冷却して、混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して固体とした。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド(0.00105g,0.0184mmol,10.8%)を淡黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.27(3H,s),1.56(1H,d,J=9.5Hz),1.66(1H,d,J=9.2Hz),2.19(1H,s),2.64(1H,s),2.75(1H,d,J=9.3Hz),3.19(1H,bs),3.39(1H,d,J=9.4Hz),3.44(1H,bs),3.75(1H,s),4.32(1H,d,J=15.4Hz),5.22(1H,d,J=14.8Hz),6.11−6.13(1H,m),6.36−6.38(1H,m),6.97(1H,d,J=8.6Hz),7.04(2H,t,J=8.6Hz),7.20−7.24(2H,m),7.85(1H,dd,J1=8.6Hz,J2=2.2Hz),8.22(1H,s)
。 LC−MS C26H25FN4O6S2に対する計算値572.12,実測値573.3[M+H+]。
実施例40
シクロプロパンスルホン酸{3−(1R,2S,7R,8S)−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド
反応フラスコに、ヨウ化銅(I)(20mg,0.11mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(14.7mg,0.17mmol)、シクロプロパンスルホンアミド(125mg,1.04mmol)、(1R,2S,7R,8S)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例34に従って調製したもの,115mg,0.21mmol)及びリン酸カリウム(176mg,0.83mmol)を仕込んだ。フラスコを脱気し、窒素を充填し、その後無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)を添加した。得られた懸濁液を100℃で3時間激しく攪拌し、次に25℃まで放冷した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、10%メタノール/ジクロロメタンで洗滌した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することにより、所望の生成物である、シクロプロパンスルホン酸{3−(1R,2S,7R,8S)−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド(25mg,0.046mmol,22%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.92−0.98(10H,m),1.20−1.64(9H,m),2.52(1H,m),2.62(1H,s),2.68(1H,m),3.00(1H,d,J=9.6Hz),3.07(1H,m),3.61(1H,d,J=10.4Hz),3.66(1H,m),7.50−7.59(3H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C25H32N4O6S2に対する計算値548.18,実測値549.4[M+H+]。
実施例41
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−ベンゼンスルホンアミド
(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例19に従って調製したもの,0.10g,0.17mmol)、シクロプロパンスルホン酸アミド(0.21mg,1.36mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(0.02g,0.26mmol)、ヨウ化銅(I)(0.03g,0.17mmol)、及びリン酸カリウム(0.22g,1.02mmol)を混ぜ合わせ、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中に溶解させた。フラスコを脱気し、窒素を充填した(3×)。反応系を100℃で4時間攪拌した。混合物を25℃に放冷し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和重曹水溶液(2×20mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜8%メタノールinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−ベンゼンスルホンアミド(0.10g,0.16mmol,92%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.16−1.19(3H,m),1.38−1.57(5H,m),2.98(1H,d,J=8.4Hz),3.51(1H,d,J=9.2Hz),4.40(1H,d,J=15.6Hz),4.94(1H,d,J=15.6Hz),7.11−7.15(1H,m),7.29−7.32(2H,m),7.39−7.47(2H,m),7.54−7.64(4H,m),7.74−7.82(3H,m),10.74(1H,s)。 LC−MS(ESI) C30H27FN4O6S2に対する計算値622.69,実測値623.3[M+H+]。
実施例42
(rac−ジ−exo)−シクロプロパンスルホン酸{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド
反応フラスコにヨウ化銅(I)(20mg,0.11mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(14.7mg,0.17mmol)、シクロプロパンスルホンアミド(125mg,1.04mmol)、(rac−ジ−exo)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例33に従って調製したもの,115mg,0.21mmol)及びリン酸カリウム(175mg,0.82mmol)を仕込んだ。フラスコを脱気し、窒素を充填し、次に無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)を加えた。得られた懸濁液を100℃で5時間激しく攪拌し、次に25℃にまで放冷した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、10%メタノール/ジクロロメタンで洗滌した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−シクロプロパンスルホン酸{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド(17mg,0.031mmol,15%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.91−0.96(10H,m),1.40−1.76(7H,m),2.69(1H,m),3.00(1H,bs),3.29(1H,m),3.84(2H,m),4.74(2H,m),7.51−7.59(3H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C24H30N4O7S2に対する計算値550.16,実測値551.4[M+H+]。
実施例43
(rac−ジ−exo)−シクロプロパンスルホン酸{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド
a)(rac−ジ−exo)−3−{(3,3−ジメチル−ブチル)−[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル
(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例32aに従って調製したもの,227.8mg,0.907mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中溶液に、(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(米国特許出願公開第2008/0031852号明細書に記載の方法に従って調製したもの,398.2mg,1.088mmol)を添加し、全ての物質が完全に溶解するまで混合物を渦状に激しく攪拌した。N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの1.0Mジクロロメタン溶液(1.179mL,1.179mmol)を上述の溶液に添加し、混合物を窒素雰囲気下、25℃で18時間攪拌した。沈殿したN,N−ジシクロヘキシルウレアをセライト〔Celite(登録商標)〕上で濾過することにより取り出し、濾過ケーキをジクロロメタン(3×5mL)で洗滌し、減圧下で溶媒を除去した。残留物を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合物(20mL)中に溶解させ、飽和ブライン水溶液と飽和重曹水溶液と水とで洗滌した。分液を行い、水相を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合液(20mL)で逆抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−{(3,3−ジメチル−ブチル)−[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルを黄色油状液体として得た。この油状液体は、さらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS C24H30IN3O5Sに対する計算値599.10,実測値600.3[M+H+]。
b)(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−4−オン
粗製の(rac−ジ−exo)−3−{(3,3−ジメチル−ブチル)−[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(877.2mg,0.907mmol)をエタノール(20mL)中に溶解させた。この溶液にナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.176g,3.628mmol)を添加し、反応混合液を25℃で2時間攪拌した。1.0M塩酸(20mL)を添加すると、生成物が沈殿し始めた。反応混合液をさらに30分攪拌し、沈殿物を減圧濾過で回収した。固体を1.0M塩酸で、次に水で洗滌し、減圧下で乾燥した。得られた固体をメタノールと共に摩砕し、濾過し、減圧下で乾燥した。さらにフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜50%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−4−オン(154.1mg,0.272mmol,30%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.01(9H,s),1.32−2.00(4H,m),2.19(1H,d,J=2.2Hz),2.75(1H,d,J=9.5Hz),3.10−3.52(4H,m),3.78−3.88(1H,m),6.17−6.20(1H,m),6.40−6.46(1H,m),7.01(1H,d,J=8.6Hz),7.84(1H,dd,J1=8.5Hz,J2=1.5Hz),8.22(1H,s)。 LC−MS C23H26IN3O4Sに対する計算値567.07,実測値568.3[M+H+]。
c)(rac−ジ−exo)−シクロプロパンスルホン酸{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド
(rac−ジ−exo)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−4−オン(0.155g,0.255mmol)、三リン酸カリウム(0.271g,1.275mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(0.027g,0.306mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.024g,0.128mmol)を混ぜ合わせた。無水N,N−ジメチルホルムアミド(7mL)を添加し、次にシクロプロパンスルホン酸アミド(0.155g,1.275mmol)を添加した。溶液を脱気し、窒素を充填した。混合物を100℃で16時間攪拌した。冷却して、混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、固体とした。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−シクロプロパンスルホン酸{3−[3−(3,3−ジメチル−ブチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド(0.089g,0.159mmol,62.5%)を淡黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.00(9H,s),1.14−1.21(2H,m),1.24−1.37(2H,m),1.51−1.63(2H,m),2.49−2.61(1H,m),2.73−2.76(1H,m),3.09−3.16(1H,m),3.19−3.25(1H,m),3.38−3.46(2H,m),3.79−3.88(1H,m),6.17−6.19(1H,m),6.38−6.40(1H,m),7.18−7.25(1H,m),7.57(1H,s),7.63−7.66(1H,m),7.73−7.79(1H,m)。 LC−MS(ESI) C26H32N4O6S2に対する計算値560.18,実測値561.6[M+H+]。
実施例44
N−[3−(1R,2S,7R,8S)−3−シクロペンチル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド
a)(1S,2R,3S,4R)−3−シクロペンチルアミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
窒素雰囲気下、シクロペンタノン(0.12mL,1.38mmol)を、(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6kに従って調製したもの,230mg,1.26mmol)の無水メタノール(10mL)中溶液に25℃で添加した。10分間攪拌した後、氷酢酸(0.5mL)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(260mg,3.15mmol)を順次添加し、得られた混合物を50℃で30分間攪拌した。反応混合液を飽和重曹水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−シクロペンチルアミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(237mg,0.94mmol,75%)を黄色油状液体として得た。LC−MS(ESI) C15H25NO2に対する計算値251.19,実測値252.0[M+H+]。
b)N−[3−(1R,2S,7R,8S)−3−シクロペンチル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド
窒素雰囲気下で攪拌しながら、(1S,2R,3S,4R)−3−シクロペンチルアミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(150mg,0.60mmol)と(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,181mg,0.54mmol)との無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に、N−メチルモルホリン(0.12mL,1.08mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(104mg,0.54mmol)を順次添加した。混合物を25℃で45分間攪拌し、トリエチルアミン(0.25mL,1.76mmol)を加え、得られた混合物を50℃で60時間攪拌した。反応混合液を25℃に放冷し、酢酸エチルで希釈し、1.0M塩酸と飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した、濾液を減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することにより、所望の生成物である、N−[3−(1R,2S,7R,8
S)−3−シクロペンチル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド(80mg,0.15mmol,26%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.20−1.65(8H,m),1.75−1.95(6H,m),2.42(1H,s),2.60(1H,s),2.99(1H,d,J=9.2Hz),3.05(3H,s),3.60(1H,d,J=9.2Hz),3.93(1H,m),7.48−7.58(3H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C23H28N4O6S2に対する計算値520.15,実測値521.4[M+H+]。
実施例45
(rac−ジ−exo)−シクロプロパンスルホン酸{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド
a)(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル
(rac−ジ−exo)−3−(3−メチル−ブチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例31bに従って調製したもの,214.8mg,0.906mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中溶液に、(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(米国特許出願公開第2008/0031852号明細書に記載の方法に従って調製したもの,397.7mg,1.087mmol)を添加し、全ての物質が完全に溶解するまで混合物を渦状に激しく攪拌した。N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの1.0Mジクロロメタン溶液(1.178mL,1.178mmol)を上述の溶液に添加し、混合物を窒素雰囲気下、25℃で18時間攪拌した。沈殿したN,N−ジシクロヘキシルウレアをセライト〔Celite(登録商標)〕上
で濾過することにより取り出し、濾過ケーキをジクロロメタン(3×5mL)で洗滌し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合物(20mL)中に溶解させ、飽和ブライン水溶液、飽和重曹水溶液及び水で洗滌した。分液を行い、水相を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合液(20mL)で逆抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルを黄色油状液体として得た。この油状液体は、さらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS C23H28IN3O5Sに対する計算値585.08,実測値586.3[M+H+]。
b)(rac−ジ−exo)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−4−オン
粗製の(rac−ジ−exo)−3−[[2−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチルエステルをエタノール(20mL)中に溶解させた。この溶液にナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.174g,3.624mmol)を添加し、反応混合液を25℃で2時間攪拌した。1.0M塩酸(20mL)を添加すると生成物が沈殿し始めた。反応混合液をさらに30分間攪拌し、沈殿物を減圧濾過で回収した。固体を1.0M塩酸で、次に水で洗滌し、その後減圧下で乾燥した。次に得られた固体をメタノールと共に摩砕し、濾過し、減圧下で乾燥した。さらにフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜50%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−4−オン(28.7mg,0.0519mmol,2つのステップを通して5.7%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.98(3H,d,J=3.3Hz),0.99(3H,d,J=2.9Hz),1.47−1.68(6H,m),2.75(1H,d,J=9.3Hz),3.08−3.32(2H,m),3.39−3.44(2H,m),3.82−3.89(1H,m),6.18−6.20(1H,m),6.39−6.41(1H,m),6.99(1H,d,J=8.6Hz),7.84(1H,d,J=10.8Hz),8.21(1H,s)。 LC−MS C22H24IN3O4Sに対する計算値553.05,実測値554.1[M+H+]。
c)(rac−ジ−exo)−シクロプロパンスルホン酸{3−[6−ヒドロキシ−3−
(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド
(rac−ジ−exo)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−4−オン(0.029g,0.052mmol)、三リン酸カリウム(0.055g,0.259mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(0.006g,0.062mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.005g,0.026mmol)を混ぜ合わせた。無水N,N−ジメチルホルムアミド(7mL)を添加し、次にシクロプロパンスルホン酸アミド(0.031g,0.259mmol)を添加した。溶液を脱気し、窒素を充填した。混合物を100℃で16時間攪拌した。冷却して、混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して固体とした。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−シクロプロパンスルホン酸{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド(0.009g,0.016mmol,31.6%)を淡黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.98−1.08(6H,m),1.17−1.26(3H,m),1.52−1.73(4H,m),2.48−2.62(2H,m),2.75−2.77(1H,m),3.08−3.15(1H,m),3.39−3.44(2H,m),3.83−3.91(1H,m),6.19(1H,dd,J1=5.5Hz,J2=3.1Hz),6.40(1H,dd,J1=5.4Hz,J2=4.0Hz),7.01(1H,s),7.24(1H,t,J=7.1Hz),7.63−7.65(1H,m),7.70−7.73(1H,m)。 LC−MS(ESI) C25H30N4O6S2に対する計算値546.16,実測値547.4[M+H+]。
実施例46
(rac−ジ−exo)−シクロプロパンスルホン酸{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド
(rac−ジ−exo)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−4−オン(実施例39aに従って調製したもの,0.169g,0.285mmol)、三リン酸カリウム(0.303g,1.426mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(0.031g,0.342mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.027g,0.146mmol)を混ぜ合わせた。無水N,N−ジメチルホルムアミド(7mL)を添加し、次にシクロプロパンスルホン酸アミド(0.173g,1.426mmol)を添加した。溶液を脱気し、窒素を充填した。混合物を100℃で16時間攪拌した。冷却して、混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×100mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して固体とした。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−シクロプロパンスルホン酸{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5,9−ジエン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド(0.093g,0.159mmol,55.8%)を淡黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.97−1.04(2H,m),1.14−1.20(2H,m),1.53(1H,d,J=9.4Hz),1.66(1H,d,J=9.5Hz),2.48−2.61(2H,m),2.74(1H,d,J=9.4Hz),3.37−3.41(2H,m),4.32(1H,d,J=15.3Hz),5.19(1H,d,J=14.8Hz),6.09−6.11(1H,m),6.33−6.36(1H,m),7.02(2H,t,J=8.6Hz),7.16−7.23(3H,m),7.63(1H,dd,J1=9.3Hz,J2=2.3Hz),7.77(1H,d,J=2.3Hz),8.04(1H,s)。 LC−MS(ESI) C27H25FN4O6S2に対する計算値584.12,実測値585.2[M+H+]。
実施例47
N−[3−(1R,2S,7R,8S)−(3−シクロペンチル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド−N−イソプロピルカーバメート
窒素雰囲気下、N−[3−(1R,2S,7R,8S)−3−シクロペンチル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド(実施例44に従って調製したもの,48.5mg,0.093mmol)を無水ピリジン(2mL)中に溶解させた。クロロギ酸イソプロピルの1.0Mトルエン溶液(0.46mL,0.46mmol)をゆっくりと加えた。得られた混合物を25℃で15分間攪拌し、LC−MSにより反応が終結したことを確認した。メタノール(1mL)を用いて反応を停止させ、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2)
100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することにより、所望の生成物である、N−[3−(1R,2S,7R,8S)−(3−シクロペンチル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド−N−イソプロピルカーバメート(15mg,0.025mmol,27%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.19(6H,d,J=6.0Hz),1.30−1.65(8H,m),1.75−1.95(6H,m),2.43(1H,m),2.61(1H,m),3.00(1H,m),3.55(1H,m),3.62(3H,s),3.95(1H,m),4.94(1H,m),7.57(1H,d,J=9.2Hz),7.64(1H,dd,J=8.8,1.6Hz),7.97(1H,s)。 LC−MS(ESI) C27H34N4O8S2に対する計算値606.16,実測値607.3[M+H+]。
実施例48
(rac−ジ−exo)−N−[3−(3−シクロペンチル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド
a)(rac−ジ−exo)−3−シクロペンチルアミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル
窒素雰囲気下、シクロペンタノン(0.56mL,6.37mmol)を、(rac−ジ−exo)−3−アミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例8aに従って調製したもの,1.10g,6.37mmol)の無水メタノール(15mL)中溶液に25℃で添加した。20分間攪拌した後、氷酢酸(0.75mL)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.0g,15.92mmol)を順次添加し、得られた混合物を50℃で1時間攪拌した。反応混合液を飽和重曹水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−3−シクロペンチルアミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(1.06g,4.43mmol,70%)を黄色油状液体として得た。LC−MS(ESI) C13H21NO3に対する計算値239.15,実測値240.2[M+H+]。
b)(rac−ジ−exo)−N−[3−(3−シクロペンチル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド
窒素雰囲気下で攪拌しながら、(rac−ジ−exo)−3−シクロペンチルアミノ−7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸メチルエステル(170mg,0.71mmol)と(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1g
に従って調製したもの,197mg,0.60mmol)との無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に、N−メチルモルホリン(0.132mL,1.20mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(115mg,0.60mmol)を順次添加した。混合物を25℃で1時間攪拌し、トリエチルアミン(0.34mL,2.4mmol)を加え、得られた混合物を50℃で1時間攪拌した。反応混合物を25℃に放冷し、酢酸エチルで希釈し、1.0M塩酸と飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA
150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−[3−(3−シクロペンチル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド(120mg,0.23mmol,38%)をオフホワイトの固体として得た。1H
NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.48−1.96(12H,m),3.05(3H,s),3.30(1H,d,J=8.0Hz),3.89(1H,d,J=9.2Hz),4.13(1H,m),4.57(1H,s),4.74(1H,s),7.49−7.58(3H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C22H26N4O7S2に対する計算値522.12,実測値523.4[M+H+]。
実施例49
N−{3−[(2S,7R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.2.0
2,7
]ドデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)4−オキサ−トリシクロ[5.2.2.0
2,6]ウンデカン−3,5−ジオン
4−オキサ−トリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカ−8−エン−3,5−ジオン(4.00g,22.45mmol)を酢酸エチル(100mL)中に溶解させた。10%パラジウム炭素(400mg)を加えた。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(
登録商標)〕のプラグに通し、濾液を減圧下で濃縮することにより、粘稠な透明油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜30%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、4−オキサ−トリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカン−3,5−ジオン(2.92g,16.20mmol,72%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.55−1.64(6H,m),1.76(2H,d,J=9.2Hz),2.25(2H,s),3.11(2H,s)。 LC−MS(ESI) C10H12O3に対する計算値180.20,実測値181.0[M+H+]。
b)(2S,3R)−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボン酸モノメチルエステル
4−オキサ−トリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカ−3,5−ジオン(0.90g,4.99mmol)をトルエン(50mL)及び四塩化炭素(50mL)中に溶解させた。キニン(1.78g,5.49mmol)を加え、混合物を−55℃に冷却した。メタノール(0.61mL,14.97mmol)を上述の混合物に滴下した。反応系を−55℃で18時間攪拌した。反応系を25℃まで昇温し、減圧下で濃縮した。粗製物質を酢酸エチル(50mL)中に溶解させ、1.0M塩酸(2×40mL)で洗滌した。有機相をさらに飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、透明油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜50%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(2S,3R)−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボン酸モノメチルエステル(1.10g,5.18mmol,92%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.31(2H,dd,J1=20.0Hz,J2=12.4Hz),1.52−1.54(4H,m),1.63(1H,t,J=10.4Hz),1.75(1H,t,J=9.6Hz),1.87(2H,bs),2.84(2H,dd,J1=29.6Hz,J2=10.8Hz),3.52(3H,s),12.01(1H,s)。 LC−MS(ESI) C11H16O4に対する計算値212.24,実測値213.1[M+H+]。
c)(2R,3S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル
(2S,3R)−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボン酸モノメチルエステル(1.01g,4.76mmol)を無水テトラヒドロフラン(20mL)中に溶解させた。フラスコを脱気し、窒素を充填し、混合物を0℃まで冷却した。トリエチルア
ミン(1.99mL,14.28mmol)を添加し、次に、激しく攪拌しながら、クロロギ酸エチル(0.91mL,9.52mmol)を滴下した。混合物を0℃で1時間攪拌した。アジ化ナトリウム(0.93g,14.28mmol)を水(5mL)に溶解させ、0℃で反応混合物に添加した。混合物を0℃で5分間攪拌した。氷浴を除去した。混合物を25℃まで昇温し、2時間攪拌した。混合物を水(50mL)に注ぎ込み、生成物を酢酸エチル(50mL)中に抽出した。有機相をさらに半飽和重曹水溶液(2×20mL)、飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、透明油状液体を得た。その油状液体を無水ベンゼン(10mL)に溶解させ、窒素下、攪拌しながら2時間還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、かすかに黄色の油状液体を得た。その油状液体をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、ベンジルアルコール(0.54mL,5.24mmol)を添加し、次にトリエチルアミン(1.33mL,9.52mmol)を添加した。混合物を窒素下で16時間還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜20%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(2R,3S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル(0.58g,1.83mmol,38%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.18−1.28(2H,m),1.42−1.50(5H,m),1.73−1.96(3H,m),2.88(1H,d,J1=5.6Hz),3.27(1H,s),3.42(3H,s),4.00−4.04(1H,m),4.97(2H,dd,J1=46.4Hz,J2=12.8Hz),7.06(1H,d,J=9.6Hz),7.24−7.34(4H,m)。 LC−MS(ESI) C18H23NO4に対する計算値317.38,実測値317.9[M+H+]。
d)(2R,3S)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩
(2R,3S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル(0.57g,1.79mmol)を酢酸エチル(20mL)中に溶解させた。10%パラジウム炭素(60mg)を加えた。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、濾液を減圧下で濃縮することにより、粘稠な透明油状液体を得た。その油状液体をジエチルエーテル(6mL)に溶解させ、激しく攪拌しながら、塩化水素酸の4.0M 1,4−ジオキサン溶液(1.02mL)とジエチルエーテル(10mL)との混合物に滴下した。所望の生成物が白色固体として析出し始めた。混合物を20分間攪拌した。沈殿物を減圧濾過で回収し、さらにジエチルエーテル(5mL)で洗滌した。固体をさらに1時間減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(2R,3S)−3−アミノ−ビシクロ[2,2,2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(0.33g,1.50mmol,84%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.38(2H,dd,J1=21.2Hz,J2=13.6Hz),1.55−1.63(5H,m),1.76−1.89(3H,m),3.02(1H,dd,J1=10.0Hz,J2=2.4Hz),3.47(1H,bs),3.65(3H,s),7.97(3H
,s)。 LC−MS(ESI) C10H17NO2(遊離アミン)に対する計算値183.25,実測値184.2[M+H+]。
e)(2R,3S)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル
(2R,3S)−3−アミノ−ビシクロ[2,2,2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(0.34g,1.54mmol)をメタノール(10mL)に溶解させた。酢酸ナトリウム(0.25g,3.08mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(0.34g)と4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.16mL,1.54mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.19g,3.08mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(20mL)と酢酸エチル(30mL)との混合物に注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和重曹水溶液(10mL)、飽和ブライン水溶液(10mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(2R,3S)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2,2,2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル(0.32g,1.11mmol,72%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C17H22FNO2に対する計算値291.36,実測値292.2[M+H+]。
f)N−{3−[(2S,7R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.2.02,7]ドデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
(2R,3S)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2,2,2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル(93mg,0.32mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,107mg,0.32mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(74μL,0.67mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル
カルボジイミド塩酸塩(65mg,0.34mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。飽和重曹水溶液(20mL)を添加することにより反応を停止させた。混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。その油状液体をエタノール(5mL)中に溶解させた。ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.36mL,0.96mmol)を加えた。反応系を16時間還流させた。1.0M塩酸(10mL)を添加することにより、反応を停止させた。混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機相をさらに飽和重曹溶液(2×20mL)、飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、透明油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜20%酢酸エチルinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(2S,7R)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.2.02,7]ドデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.11g,0.19mmol,59%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.39(2H,d,J=8.0Hz),1.54−1.59(8H,m),1.91(1H,s),2.14(1H,s),3.06(3H,s),3.75(1H,d,J=11.6Hz),4.28(1H,d,J=15.2Hz),5.03(1H,d,J=15.6Hz),7.13−7.17(2H,m),7.34−7.37(2H,m),7.50−7.60(3H,m),10.18(1H,s)。 LC−MS(ESI) C26H27FN4O6S2に対する計算値574.64,実測値575.1[M+H+]。 m.p.:203.8−205.7℃。 ee=94.4%[HPLC−分析:Chiralpak
AS−RH 4.6×250mm,5ミクロン,0.8mL/分,310nm]。
実施例50
cis−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.2.0
2,7
]ドデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)cis−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボン酸モノメチルエステル
4−オキサ−トリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカ−8−エン−3,5−ジオン(1.00g,5.61mmol)をメタノール(20mL)中に溶解させた。10%パラジウム炭素(100mg)を添加した。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、濾液を25℃で72時間静置した。その後溶液を減圧下で濃縮することにより、透明油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜60%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、cis−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボン酸モノメチルエステル(1.10g,5.18mmol,92%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.31(2H,dd,J1=20.0Hz,J2=12.4Hz),1.52−1.54(4H,m),1.63(1H,t,J=10.4Hz),1.75(1H,t,J=9.6Hz),1.87(2H,bs),2.84(2H,dd,J1=29.6Hz,J2=10.8Hz),3.52(3H,s),12.01(1H,s)。 LC−MS(ESI) C11H16O4に対する計算値212.24,実測値213.2[M+H+]。
b)cis−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル
cis−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボン酸モノメチルエステル(1.09g,5.14mmol)を無水テトラヒドロフラン(20mL)中に溶解させた。フラスコを脱気し、窒素を充填し、混合物を0℃まで冷却した。トリエチルアミン(2.15mL,15.42mmol)を添加し、次に、激しく攪拌しながら、クロロギ酸エチル(0.98mL,10.28mmol)を滴下した。混合物を0℃で1時間攪拌した。アジ化ナトリウム(1.00g,15.42mmol)を水(7mL)に溶解させ、0℃で反応混合物に添加した。混合物を0℃で5分間攪拌した。氷浴を除去した。混合物を25℃まで昇温し、2時間攪拌した。混合物を水(70mL)に注ぎ込み、生成物を酢酸エチル(70mL)中に抽出した。有機相をさらに半飽和重曹水溶液(2×30mL)、飽和ブライン水溶液(30mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、透明油状液体を得た。その油状液体を無水ベンゼン(10mL)中に溶解させ、窒素下、2時間攪拌しながら還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、かすかに黄色い油状液体を得た。その油状液体をジクロロメタン(7mL)中に溶解させ、ベンジルアルコール(0.58mL,5.65mmol)を添加し、次にトリエチルアミン(1.43mL,10.28mmol)を添加した。混合物を窒素下、16時間還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、
金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜20%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、cis−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル(1.32g,4.16mmol,81%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ:1.18−1.28(2H,m),1.42−1.50(5H,m),1.73−1.96(3H,m),2.88(1H,d,J1=5.6Hz),3.27(1H,s),3.42(3H,s),4.00−4.04(1H,m),4.97(2H,dd,J1=46.4Hz,J2=12.8Hz),7.06(1H,d,J=9.6Hz),7.24−7.34(4H,m)。 LC−MS(ESI) C18H23NO4に対する計算値317.38,実測値317.92[M+H+]。
c)cis−3−アミノ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩
cis−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル(0.67g,2.11mmol)を酢酸エチル(10mL)中に溶解させた。5%パラジウム炭素(97mg)を加えた。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、濾液を減圧下で濃縮することにより、粘稠な透明油状液体を得た。その油状液体をジエチルエーテル(6.7mL)中に溶解させ、激しく攪拌しながら、塩化水素酸の4.0M 1,4−ジオキサン溶液(1.2mL)をジエチルエーテル(12mL)中に添加して得た混合物に滴下した。所望の生成物が白色固体として析出し始めた。混合物を20分間攪拌した。沈殿物を減圧濾過で回収し、追加のジエチルエーテル(5mL)で洗滌した。固体をさらに1時間減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、cis−3−アミノ−ビシクロ[2,2,2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(0.35g,1.59mmol,75%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.38(2H,dd,J1=21.2Hz,J2=13.6Hz),1.55−1.63(5H,m),1.76−1.89(3H,m),3.02(1H,dd,J1=10.0Hz,J2=2.4Hz),3.47(1H,bs),3.65(3H,s),7.97(3H,s)。 LC−MS(ESI) C10H17NO2(遊離アミン)に対する計算値183.25,実測値184.05[M+H+]。
d)cis−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル
cis−3−アミノ−ビシクロ[2,2,2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(0.34g,1.55mmol)をメタノール(10mL)中に溶解させた。酢酸ナトリウム(0.25g,3.10mmol)を添加し、次に4Å粉末モレキュラーシーブ(0.34g)及び4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.17mL,1.55mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.20g,3.10mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(20mL)と酢酸エチル(30mL)との混合液に注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和重曹水溶液(10mL)、飽和ブライン水溶液(10mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、cis−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2,2,2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル(0.34g,1.17mmol,75%)を透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C17H22FNO2に対する計算値291.36,実測値292.18[M+H+]。
d)cis−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.2.02,7]ドデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
cis−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2,2,2]オクタン−2−カルボン酸メチルエステル(0.20g,0.69mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(8mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.23g,0.69mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.16mL,1.45mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.14g,0.72mmol)を加え、混合物を25℃で4時間攪拌した。トリエチルアミン(0.29mL,2.07mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。25℃に冷却して、溶液を酢酸エチル(50mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×50mL)、飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜20%酢酸エチルinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物である、cis−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.2.02,7]ドデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.30g,0.52mmol,76%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.39(2H,d,J=8.0Hz),1.54−1.59(8H,m),1.91(1H,s),2.14(1H,s),3.06(3H,s),3.75(1H,d,J=11.6Hz),4
.28(1H,d,J=15.2Hz),5.03(1H,d,J=15.6Hz),7.13−7.17(2H,m),7.34−7.37(2H,m),7.50−7.60(3H,m),10.18(1H,s)。 LC−MS(ESI) C26H27FN4O6S2に対する計算値574.64,実測値575.4[M+H+]。 m.p.:203.8−205.7℃。 分析 C26H27FN4O6S2・0.4PhMeに対する計算値:C,56.57;H,4.98;N,9.16;実測値C,57.09;H,5.08;N,9.38。
実施例51
(2R,7S)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−テトラシクロ[6.3.2.0
2,7
.0
9,11
]トリデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)exo−4,4a,5,5a,6,6a−ヘキサヒドロ−4,6−エテノ−1H−シクロプロプ[f]イソベンゾフラン−1,3(3aH)−ジオン及びendo−4,4a,5,5a,6,6a−ヘキサヒドロ−4,6−エテノ−1H−シクロプロプ[f]イソベンゾフラン−1,3(3aH)−ジオン
フラン−2,5−ジオン(5.32g,54.26mmol)をキシレン(100mL)中に部分的に溶解させた。シクロヘプタ−1,3,5−トリエン(5g,54.26mmol)を加えた。反応系を144℃で5時間攪拌した。混合物を25℃まで放冷し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜20%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、exo−4,4a,5,5a,6,6a−ヘキサヒドロ−4,6−エテノ−1H−シクロプロプ[f]イソベンゾフラン−1,3(3aH)−ジオン(7.46g,39.22mmol,72%)及びendo−4,4a,5,5a,6,6a−ヘキサヒドロ−4,6−エテノ−1H−シクロプロプ[f]イソベンゾフラン−1,3(3aH)−ジオン(0.88g,4.63mmol,8%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:exo:0.27−0.42(2H,m),1.11−1.15(2H,m),3.25(2H,t,J=1.6Hz),3.46−3.50(2H,m),5.89(2H,dd,J1=4.8Hz,J2=3.2Hz);endo:0.14−0.26(2H,m),1.12−1.16(2H,m),3.09(2H,s),3.40−3.44(2H,m),5.94(2H,dd,J1
=4.8Hz,J2=3.2Hz)。 LC−MS(ESI) C11H10O3に対する計算値190.20,実測値exo 191.0;endo 191.3[M+H+]。
b)(6R,7S)−7−(メトキシカルボニル)トリシクロ[3.2.2.02,4]ノン−8−エン−6−カルボン酸
exo−4,4a,5,5a,6,6a−ヘキサヒドロ−4,6−エテノ−1H−シクロプロプ[f]イソベンゾフラン−1,3(3aH)−ジオン(1.00g,5.26mmol)をメタノール(20mL)中に溶解させた。反応系を25℃で72時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮することにより、透明油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜60%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(6R,7S)−7−(メトキシカルボニル)トリシクロ[3.2.2.02,4]ノン−8−エン−6−カルボン酸(1.11g,5.00mmol,95%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.01−0.10(2H,m),0.93−1.02(2H,m),2.98−3.05(4H,m),3.45(3H,s),5.68−5.77(2H,m),11.94(1H,s)。 LC−MS(ESI) C12H14O4に対する計算値222.24,実測値223.2[M+H+]。
b)メチル(6S,7R)−7−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}トリシクロ[3.2.2.02,4]ノン−8−エン−6−カルボキシレート
(6R,7S)−7−(メトキシカルボニル)トリシクロ[3.2.2.02,4]ノン−8−エン−6−カルボン酸(0.78g,3.53mmol)を無水テトラヒドロフラン(20mL)中に溶解させた。フラスコを脱気し、窒素を充填し、混合物を0℃まで冷却した。トリエチルアミン(1.48mL,10.59mmol)を添加し、次に、激しく攪拌しながら、クロロギ酸エチル(0.67mL,7.06mmol)を滴下した。混合物を0℃で1時間攪拌した。アジ化ナトリウム(0.69g,10.59mmol)を水(5mL)に溶解させ、0℃で反応混合物に添加した。混合物を0℃で5分間攪拌した。氷浴を除去した。混合物を25℃まで昇温し、2時間攪拌した。混合物を水(70mL)に注ぎ込み、生成物を酢酸エチル(70mL)中に抽出した。有機相をさらに半飽和重曹水溶液(2×30mL)、飽和ブライン水溶液(30mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、透明油状液体を得た。その油状液体を無水ベンゼン(10mL)中に溶解させ、攪拌しながら窒素下で2時間還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、かすかに黄色の油状液体を得た。その油状液体をジクロロメタン(10mL)中に溶解させ、ベンジルアルコール(0.40mL,3.88mmol)を添加し、次にトリエチルアミン(0.98mL,7.06m
mol)を添加した。混合物を窒素下で16時間還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜20%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、メチル(6S,7R)−7−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}トリシクロ[3.2.2.02,4]ノン−8−エン−6−カルボキシレート(0.62g,1.89mmol,54%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.17−0.22(2H,m),0.90−1.05(2H,m),2.98−3.14(3H,m),3.48(3H,s),4.38−4.43(1H,m),5.00−5.12(2H,m),5.77(1H,t,J=7.2Hz),6.05(1H,t,J=7.2Hz),7.29−7.37(5H,m)。 LC−MS(ESI) C19H21NO4に対する計算値327.37,実測値328.3[M+H+]。
c)メチル(6S,7R)−7−アミノトリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレート塩酸塩
メチル(6S,7R)−7−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}トリシクロ[3.2.2.02,4]ノン−8−エン−6−カルボキシレート(0.61g,1.85mmol)を酢酸エチル(10mL)中に溶解させた。5%パラジウム炭素(0.10g)を加えた。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、濾液を減圧下で濃縮することにより、粘稠な透明油状液体を得た。その油状液体をジエチルエーテル(6mL)中に溶解させ、激しく攪拌しながら、塩化水素酸の4.0M 1,4−ジオキサン溶液(0.93mL)をジエチルエーテル(11mL)中に添加して得た混合液に滴下した。混合物を濃縮し、減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、メチル(6S,7R)−7−アミノトリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.43g,1.85mmol,100%)を粘着性のあるゴム状物質として得た。LC−MS(ESI) C11H17NO2(遊離アミン)に対する計算値195.26,実測値196.5[M+H+]。
d)メチル(6S,7R)−7−[(4−フルオロベンジル)アミノ]トリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレート
メチル(6S,7R)−7−アミノトリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレート塩酸塩(0.43g,1.85mmol)をメタノール(10mL)中に溶解させた。酢酸ナトリウム(0.30g,3.70mmol)を添加し、次に4Å粉末
モレキュラーシーブ(0.40g)及び4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.20mL,1.85mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.23g,3.70mmol)を加え、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を飽和重曹水溶液(20mL)と酢酸エチル(30mL)との混合液に注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和重曹水溶液(10mL)、飽和ブライン水溶液(10mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、メチル(6S,7R)−7−[(4−フルオロベンジル)アミノ]トリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレートを透明油状液体として得た。LC−MS(ESI) C17H22FNO2に対する計算値291.36,実測値292.2[M+H+]。
d)(2R,7S)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−テトラシクロ[6.3.2.02,7.09,11]トリデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
メチル(6S,7R)−7−[(4−フルオロベンジル)アミノ]トリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレート(0.15g,0.49mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(8mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.16g,0.49mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.11mL,1.03mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.10g,0.51mmol)を加え、混合物を25℃で4時間攪拌した。トリエチルアミン(0.20mL,1.47mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。25℃に冷却して、溶液を酢酸エチル(50mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×50mL)、飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜20%酢酸エチルinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物である、(2R,7S)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−テトラシクロ[6.3.2.02,7.09,11]トリデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.23g,0.40mmol,82%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.44−1.28(10H,m),2.29(1H,bs),3.06(3H,s),3.82(1H,d,J=11.6Hz),4.40(1H,d,J=14.0Hz),4.98(1H,d,J=15.6Hz),7.12−7.60(7H,m),10.19(1H,s)。 LC−MS(ESI) C27H27FN4O6S2に対する計算値586.65,実測値587.5[M+H+]。
実施例52
(2S,7R)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−テトラシクロ[6.3.2.0
2,7
.0
9,11
]トリデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(6S,7R)−7−(メトキシカルボニル)トリシクロ[3.2.2.0
2,4]ノン−8−エン−6−カルボン酸
endo−4,4a,5,5a,6,6a−ヘキサヒドロ−4,6−エテノ−1H−シクロプロプ[f]イソベンゾフラン−1,3(3aH)−ジオン(実施例51aに従って調製したもの,0.86g,4.50mmol)をメタノール(20mL)中に溶解させた。反応系を25℃で72時間攪拌した。混合物を濃縮することにより、透明な油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜60%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(6S,7R)−7−(メトキシカルボニル)トリシクロ[3.2.2.02,4]ノン−8−エン−6−カルボン酸(0.94g,4.23mmol,94%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.06−0.17(2H,m),1.26−1.38(2H,m),2.74−2.85(2H,m),3.15−3.19(2H,m),3.67(3H,s),5.85−5.86(2H,m)。 LC−MS(ESI) C12H14O4に対する計算値222.24,実測値223.5[M+H+]。
b)メチル(6R,7S)−7−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}トリシクロ[3.2.2.02,4]ノン−8−エン−6−カルボキシレート
(6S,7R)−7−(メトキシカルボニル)トリシクロ[3.2.2.02,4]ノン
−8−エン−6−カルボン酸(0.68g,3.07mmol)を無水テトラヒドロフラン(20mL)中に溶解させた。フラスコを脱気し、窒素を充填し、混合物を0℃まで冷却した。トリエチルアミン(1.28mL,9.21mmol)を添加し、次に、激しく攪拌しながら、クロロギ酸エチル(0.58mL,6.14mmol)を滴下した。混合物を0℃で1時間攪拌した。アジ化ナトリウム(0.60g,9.21mmol)を水(5mL)中に溶解させ、0℃で反応混合物に添加した。混合物を0℃で5分間攪拌した。氷浴を除去した。混合物を25℃まで昇温し、2時間攪拌した。混合物を水(70mL)に注ぎ込み、生成物を酢酸エチル(70mL)中に抽出した。有機相をさらに半飽和重曹水溶液(2×30mL)、飽和ブライン水溶液(30mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、透明油状液体を得た。その油状液体を無水ベンゼン(10mL)中に溶解させ、攪拌しながら窒素下で2時間還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、かすかに黄色の油状液体を得た。その油状液体をジクロロメタン(10mL)中に溶解させ、ベンジルアルコール(0.35mL,3.38mmol)を添加し、次にトリエチルアミン(0.86mL,6.14mmol)を添加した。混合物を窒素下で16時間還流させた。25℃に冷却し、溶液を減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜20%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、メチル(6R,7S)−7−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}トリシクロ[3.2.2.02,4]ノン−8−エン−6−カルボキシレート(0.36g,1.10mmol,36%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.11−0.19(2H,m),0.13−1.34(2H,m),2.77−3.03(3H,m),3.62(3H,s),4.01−4.07(1H,m),5.07−5.14(2H,m),5.79−5.85(2H,m),7.30−7.38(5H,m)。 LC−MS(ESI) C19H21NO4に対する計算値327.37,実測値328.3[M+H+]。
c)メチル(6R,7S)−7−アミノトリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレート
メチル(6R,7S)−7−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}トリシクロ[3.2.2.02,4]ノン−8−エン−6−カルボキシレート(0.35g,1.07mmol)を酢酸エチル(10mL)中に溶解させた。5%パラジウム炭素(0.04g)を加えた。フラスコを脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、濾液を減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、メチル(6R,7S)−7−アミノトリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレートを粘稠な透明油状液体として得た。この粗生成物はさらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C11H17NO2(遊離アミン)に対する計算値195.26,実測値196.3[M+H+]。
d)メチル(6R,7S)−7−[(4−フルオロベンジル)アミノ]トリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレート
粗製のメチル(6R,7S)−7−アミノトリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレートをメタノール(10mL)中に溶解させた。酢酸(0.12mL,2.14mmol)を添加し、次に4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.12mL,1.07mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.14g,2.14mmol)を加え、混合物を60℃で16時間攪拌した。混合物を25℃に冷却し、飽和重曹水溶液(20mL)と酢酸エチル(30mL)との混合液に注ぎ込んだ。振盪後、両方の相をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相をさらに飽和重曹水溶液(10mL)、飽和ブライン水溶液(10mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、メチル(6R,7S)−7−[(4−フルオロベンジル)アミノ]トリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレートを透明油状液体として得た。この粗生成物はさらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C17H22FNO2に対する計算値291.36,実測値292.0[M+H+]。
e)(2S,7R)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−テトラシクロ[6.3.2.02,7.09,11]トリデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
粗製のメチル(6R,7S)−7−[(4−フルオロベンジル)アミノ]トリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボキシレートを無水N,N−ジメチルホルムアミド(8mL)中に溶解させた。(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.22g,0.66mmol)を添加し、次にN−メチルモルホリン(0.15mL,1.39mmol)を添加した。全成分が溶解するまで混合物を約5分間攪拌した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.13g,0.69mmol)を加え、混合物を25℃で4時間攪拌した。トリエチルアミン(0.28mL,1.98mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。25℃に冷却して、溶液を酢酸エチル(50mL)で希釈し、1.0M塩酸(2×50mL)、飽和ブライン水溶液(20mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜2
0%酢酸エチルinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物である、(2S,7R)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−テトラシクロ[6.3.2.02,7.09,11]トリデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.50g,0.86mmol,3つのステップを通して80%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.33−1.34(10H,m),2.30(1H,bs),3.06(3H,s),3.81(1H,d,J=11.2Hz),4.48(1H,d,J=15.6Hz),4.98(1H,d,J=14.8Hz),7.13−7.60(7H,m),10.19(1H,s)。 LC−MS(ESI) C27H27FN4O6S2に対する計算値586.65,実測値587.3[M+H+]。
実施例53
(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−7−ピロリジン−1−イル−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
窒素雰囲気下、ピロリジン(15μL,0.180mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(3.2mg,0.018mmol)、ヨウ化銅(I)(3.4mg,0.018mmol)、及びリン酸カリウム(57.3mg,0.270mmol)をフラスコ内に仕込んだ。(1R,2S,7R,8S)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(3−メチル−ブチル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例34に従って調製したもの,50mg,0.090mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中に溶解させ、上述の混合物に加えた。混合物を80℃で26時間攪拌した。追加のピロリジン(50μL,0.60mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(10mg,0.056mmol)、及びヨウ化銅(I)(15mg,0.079mmol)を添加し、LC−MSでの分析において反応の終結が示されるまで混合物を80℃でさらに16時間攪拌した。上述のものと同じスケールで反応をくり返し、80℃で24時間攪拌した後、追加のピロリジン(50μL,0.60mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(10mg,0.056mmol)、及びヨウ化銅(I)(15mg,0.079mmol)を添加し、LC−MSでの分析において反応の終結が示されるまで混合物を80℃でさらに18時間攪拌した。両方のバッチを合わせて、セライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通して濾過した。濾過ケーキをメタノールの10%ジクロロメタン溶液(2×2mL)とN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)で洗滌した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することによ
り、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−7−ピロリジン−1−イル−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(36.7mg,0.074mmol,40.9%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.92(6H,d,J=5.5Hz),1.21−1.60(9H,m),1.96−1.99(4H,m),2.52−2.52(1H,m),2.62−2.65(1H,m),2.94−2.98(1H,m),3.03−3.10(1H,m),3.27−3.30(4H,m),3.60−3.71(2H,m),6.71(1H,d,J=2.3Hz),6.90(1H,dd,J1=9.2Hz,J2=2.7Hz),7.41(1H,d,J=9.5Hz)。 LC−MS(ESI) C26H34N4O4Sに対する計算値498.23,実測値499.4[M+H+]。 分析 C26H34N4O4S・0.5H2Oに対する計算値:C,61.51;H,6.95;N,11.04;実測値:C,61.45,H,6.74,N,10.91。
実施例54
ピリジン−3−スルホン酸{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド
(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−5−(7−ヨード−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例19に従って調製したもの,100mg,0.17mmol)、ピリジン−3−スルホン酸アミド(81mg,0.51mmol)、サルコシン(N−メチルグリシン)(23mg,0.26mmol)、ヨウ化銅(I)(33mg,0.17mmol)、及びリン酸カリウム(216mg,1.02mmol)を混合し、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中に溶解させた。フラスコを脱気し、窒素を充填した(3×)。反応系を100℃で4時間攪拌した。混合物を25℃にまで冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和重曹水溶液(2×20mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜8%メタノールinジクロロメタン)で精製することにより、所望の生成物である、ピリジン−3−スルホン酸{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−アミド(56mg,0.09mmol,54%)を白
色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.38−1.58(6H,m),2.61(1H,s),3.00(1H,d,J=7.6Hz),3.52(1H,d,J=8.4Hz),4.40(1H,d,J=15.6Hz),4.94(1H,d,J=15.2Hz),7.13(2H,t,J=8.4Hz),7.29−7.32(2H,m),7.42−7.50(3H,m),7.60−7.63(1H,m),8.11(1H,d,J=7.6Hz),8.79(1H,d,J=4.4Hz),8.87(1H,s),10.94(1H,s),13.99(1H,s)。 LC−MS(ESI) C29H26FN5O6S2に対する計算値623.68,実測値624.2[M+H+]。
実施例55
(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−スルファミド
a)ベンジル[N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−スルファモイル]カーバメート
ベンジルアルコール(35μL,0.338mmol)をジクロロメタン(3mL)中に溶解させ、0℃まで冷却した。クロロスルホニルイソシアネート(29.4μL,0.338mmol)を加え、混合物を0℃で2.5時間攪拌した。0℃でトリエチルアミン(47μL,0.34mmol)を加え、次に(1R,2S,7R,8S)−5−(7−アミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例30に従って調製したもの,81.4mg,0.169mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液を加え、混合物を25℃で17時間攪拌した。混合物を水(2×2mL)と飽和ブライン水溶液(2mL)で抽出した。有機相を減圧下で濃縮し、さらに高減圧下で16時間乾燥させ
ることにより、粗生成物である、ベンジル[N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−スルファモイル]カーバメートを得た。この粗生成物はさらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C32H30FN5O8S2に対する計算値695.15,実測値696.6[M+H+]。
b)(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−スルファミド
粗製のベンジル[N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−スルファモイル]カーバメートをメタノール(5mL)中に溶解させ、混合物を脱気し、窒素を充填した(3×)。パラジウム炭素(10%乾燥品,180mg)を加え、混合物を脱気し、バルーンを介して水素ガスを充填した。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通し、濾液を減圧下で濃縮することにより、粗生成物を得た。この粗生成物をさらに分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−スルファミド(55.7mg,0.099mmol,2つのステップを通して58.7%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.19−1.24(2H,m),1.40−1.60(4H,m),2.51−2.54(1H,m),2.64−2.65(1H,m),3.04(1H,d,J=9.3Hz),3.53(1H,d,J=9.3Hz),4.42(1H,d,J=15.7Hz),4.96(1H,d,J=15.6Hz),7.15(2H,m),7.31−7.34(H,m),7.43(1H,dd,J1=9.4Hz,J2=2.3Hz),7.51−7.55(2H,m),9.96(1H,s)。 LC−MS(ESI) C24H24FN5O6Sに対する計算値561.12,実測値562.5[M+H+]。 分析 C24H24FN5O6S・0.5H2Oに対する計算値:C,50.51;H,4.42;N,12.27;実測値:C,50.42,H,4.35,N,11.90。
実施例56
(1R,2S,7R,8S)−N−[3−(3−ベンジル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド
a)(1S,2R,3S,4R)−3−ベンジルアミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
ベンズアルデヒド(0.454mL,4.47mmol)と氷酢酸10滴とを、順次、(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6kに従って調製したもの,0.82g,4.47mmol)のメタノール(15mL)中溶液に25℃で加えた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.703g,11.2mmol)を加え、反応混合液を25℃で2時間攪拌し、その後、半飽和重曹水溶液(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜35%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−ベンジルアミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.875g,3.22mmol,72%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.06−1.16(2H,m),1.20−1.23(2H,m),1.28(3H,t,J=7.0Hz),1.46−1.61(2H,m),1.93−1.97(1H,m),2.33−2.34(1H,m),2.43−2.44(1H,m),2.59−2.62(1H,m),2.98−3.00(1H,m),3.71(1H,d,J=14.0Hz),3.85(1H,d,J=13.3Hz),4.14(2H,q,J=7.3Hz),7.20−7.24(1H,m),7.27−7.33(4H,m)。
b)(1R,2S,7R,8S)−N−[3−(3−ベンジル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.200g,0.600mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.121g,0.631mmol)、及びN−メチルモルホリン(0.139mL,1.26mmol)を、順次、(1S,2R,3S,4R)−3−ベンジルアミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.164g,0.600mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に25℃で加えた。反応混合液を25℃で2時間攪拌し、その後1.0M塩酸(100mL)と酢酸エチル(2×100mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をエタノール(15mL)中に25℃で溶解させた。ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.972mL,3.00mmol)を加え、反応混合液を60℃で1時間加熱した。25℃に冷却した後、反応混合液を1.0M塩酸(100mL)と酢酸エチル(2×100mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;40〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−N−[3−(3−ベンジル−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド(0.120g,0.222mmol,37%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.15−1.21(2H,m),1.39−1.61(4H,m),2.52(1H,bs),2.64(1H,bs),3.05(3H,s),3.30(2H,bs),3.54(1H,d,J=9.5Hz),4.43(1H,d,J=16.4Hz),4.99(1H,d,J=15.5Hz),7.23−7.28(2H,m),7.33(2H,m),7.48−7.51(2H,m),7.55−7.57(2H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C25H26N4O6S2に対する計算値542.13,実測値543.2[M+H+]。
実施例57
(1R,2S,7R,8S)−N−[3−(6−ヒドロキシ−3−イソブチル−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド
a)(1S,2R,3S,4R)−3−イソブチルアミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
イソバレルアルデヒド(0.374mL,4.10mmol)と氷酢酸10滴とを、順次、(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6kに従って調製したもの,0.750g,4.09mmol)のメタノール(12mL)中溶液に25℃で加えた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.643g,10.2mmol)を加え、反応混合液を25℃で2時間攪拌し、その後、半飽和重曹水溶液(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−イソブチルアミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルを透明油状液体として得た。この油状液体は、さらに精製することなく次のステップで用いた。
b)(1R,2S,7R,8S)−N−[3−(6−ヒドロキシ−3−イソブチル−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.317g,0.951mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.192g,1.00mmol)、及びN−メチルモルホリン(0.220mL,2.00mmol)を、順次、粗製の(1S,2R,3S,4R)−
3−イソブチルアミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.228g,0.952mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中溶液に25℃で加えた。反応混合液を25℃で2時間攪拌し、その後1.0M塩酸(100mL)と酢酸エチル(2×100mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をエタノール(15mL)中に25℃で溶解させた。ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.23mL,3.80mmol)を加え、反応混合液を60℃で1.5時間加熱した。25℃まで冷却した後、反応混合液を1.0M塩酸(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;40〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−N−[3−(6−ヒドロキシ−3−イソブチル−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル)−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル]−メタンスルホンアミド(0.096g,0.190mmol,20%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.83(3H,d,J=7.2Hz),0.93(3H,d,J=7.1Hz),1.19−1.21(1H,m),1.28−1.32(1H,m),1.43−1.63(3H,m),2.09−2.15(1H,m),2.54(1H,bs),2.61−2.61(1H,m),2.74−2.79(1H,m),3.05(3H,s),3.30(1H,bs),3.60(1H,d,J=9.2Hz),3.73−3.79(1H,m),7.49−7.52(1H,m),7.56−7.58(2H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C22H28N4O6S2に対する計算値508.15,実測値509.4[M+H+]。
実施例58
(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[3−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(1S,2R,3S,4R)−3−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
3−クロロ−4−フルオロ−ベンズアルデヒド(0.710mL,4.48mmol)と10滴の氷酢酸とを、順次、(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6kに従って調製したもの,0.82g,4.47mmol)のメタノール(15mL)中溶液に25℃で加えた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.709g,11.3mmol)を加え、反応混合液を25℃で2時間攪拌し、その後、半飽和重曹水溶液(150mL)と酢酸エチル(2×150mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜35%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(1.12g,3.44mmol,77%)を透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.04−1.16(2H,m),1.18−1.24(2H,m),1.29(3H,t,J=7.4Hz),1.44−1.61(2H,m),1.91−1.94(1H,m),2.27−2.28(1H,m),2.42−2.43(1H,m),2.60(1H,d,J=7.7Hz),2.91(1H,d,J=8.8Hz),3.64(1H,d,J=13.9Hz),3.79(1H,d,J=14.2Hz),4.14(2H,q,J=7.0Hz),7.02−7.06(1H,m),7.13−7.17(1H,m),7.36−7.38(1H,m)。
b)(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[3−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,0.258g,0.774mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.156g,0.814mmol)及びN−メチルモルホリン(0.170mL,1.55mmol)を、順次、(1S,2R,3S,4R)−3−(
3−クロロ−4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.252g,0.773mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中溶液に25℃で添加した。反応混合液を25℃で2時間攪拌した後、1.0M塩酸(100mL)と酢酸エチル(2×100mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をエタノール(20mL)中に25℃で溶解させた。ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.00mL,3.09mmol)を加え、反応混合液を60℃で1時間加熱した。25℃に冷却後、反応混合液を1.0M塩酸(100mL)と酢酸エチル(2×100mL)の間で分配させた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep
column;40〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−N−{3−[3−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.196g,0.332mmol,43%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.04−1.21(4H,m),1.40−1.60(3H,m),2.54−2.63(1H,m),3.05(3H,s),3.31−3.40(2H,m),3.55−3.58(1H,m),4.45(1H,d,J=16.1Hz),4.91(1H,d,J=14.7Hz),7.31−7.35(2H,m),7.51−7.57(4H,m),10.17(1H,s),13.96(1H,s)。 LC−MS(ESI) C25H24ClFN4O6S2に対する計算値594.08,実測値595.3[M+H+]。
実施例59
(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例25に従って調製したもの,67mg,0.128mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中に溶解させた。炭酸カリウム(35mg,0.25mmol)とヨードメタン(0.008mL,0.128mmol)を順次添加した。反応系を25℃で2時間攪拌した。1.0M塩酸(20mL)を添加することにより反応を停止させた。混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液(50mL)で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、油状液体を得た。フラッ
シュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;0〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、(rac−ジ−exo)−N−{3−[6−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ブチル)−4−オキソ−11−オキサ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−N−メチル−メタンスルホンアミド(36mg,0.067mmol,52%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:0.92(6H,d,J=6.2Hz),1.16−1.65(7H,m),2.79−2.93(2H,m),2.96(3H,s),3.26(3H,s),3.62−3.69(1H,m),3.76−3.83(1H,m),4.60(2H,d,J=21.8Hz),7.27(1H,d,J=7.3Hz),7.55(1H,d,J=8.5Hz),7.65(1H,s)。 LC−MS(ESI) C23H30N4O7S2に対する計算値538.16,実測値539.4[M+H+]。
実施例60
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(3−フルオロ−4−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(1S,2R,3S,4R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6kに従って調製したもの,300mg,1.637mmol)をエタノール(5mL)中に懸濁させた。3−フルオロ−4−メチル−ベンズアルデヒド(0.2mL,1.637mmol)を添加し、次に氷酢酸(0.1mL,3.724mmol)及び4Å粉末モレキュラーシーブ(0.6g)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.593g,9.406mmol)を加え、混合物を窒素下50℃で18時間攪拌した。冷却して、セライト〔Celite(登録商標)〕を通して混合物
を濾過した。濾液を半飽和重曹水溶液(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2×75mL)で抽出した。分液を行い、有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;1st column:0〜25%酢酸エチルinヘキサン;2nd column:0〜20%酢酸エチルinヘキサン)でさらに精製することにより、所望の生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(221mg,0.724mmol,44%)を粘稠な透明油状液体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.04−1.15(2H,m),1.21(1H,d,J=10.1Hz),1.29(3H,t,J=7.1Hz),1.42−1.63(4H,m),1.94(1H,dt,J1=10.2Hz,J2=2.0Hz),2.25(3H,s),2.43(1H,d,J=3.5Hz),2.59(1H,dd,J1=8.6Hz,J2=1.6Hz),2.93(1H,dd,J1=8.6Hz,J2=1.6Hz),3.65(1H,d,J=13.4Hz),3.79(1H,d,J=14.2Hz),4.15(2H,q,J=7.1Hz),6.94(1H,d,J=7.9Hz),6.98(1H,d,J=10.9Hz),7.08(1H,t,J=7.8Hz)。 LC−MS(ESI) C18H24FNO2に対する計算値305.18,実測値305.9[M+H+]。
b)(1S,2R,3S,4R)−3−{(3−フルオロ−4−メチル−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
(1S,2R,3S,4R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(92mg,0.30mmol)、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,100mg,0.30mmol)、及び1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(60mg,0.315mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(4.0mL)中に添加して得た溶液に、N−メチルモルホリン(0.07mL,0.63mmol)を添加した。25℃で3時間攪拌した後、混合物を1.0M塩酸に注ぎ込み、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−{(3−フルオロ−4−メチル−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルを橙色油状液体として得た。この粗生成物はさらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C28H33FN4O7S2に対する計算値620.18,実測値621.4[M+H+]。
c)N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(3−フルオロ−4−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
粗製の(1S,2R,3S,4R)−3−{(3−フルオロ−4−メチル−ベンジル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルをエタノール(5mL)中に25℃で溶解させた。ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(0.224mL,0.60mmol)を加え、反応混合物を60℃で90分間加熱した。25℃に冷却した後、反応混合物を25℃で18時間攪拌した。混合物を1.0M塩酸(100mL)と酢酸エチル(2×100mL)の間で分配させた。有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(Teledyne Isco RediSep column;1st column:0〜10%酢酸エチルinヘキサン;2nd column:30〜80%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(3−フルオロ−4−メチル−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(53mg,0.092mmol,2つのステップを通して31%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.12−1.21(2H,m),1.39−1.64(4H,m),2.20(3H,s),2.63(1H,bs),3.02(1H,d,J=9.9Hz),3.06(3H,s),3.54(1H,d,J=9.3Hz),4.42(1H,d,J=15.5Hz),4.92(1H,d,J=15.5Hz),7.01−7.07(2H,m),7.23(1H,t,J=8.1Hz),7.49−7.58(3H,m),10.17(1H,s)。 LC−MS(ESI) C26H27FN4O6S2に対する計算値574.14,実測値575.4[M+H+]。
実施例61
(1R,2S,7R,8S)−5−(7−ブロモ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
a)2−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−3−スルホン酸アミド
25℃で攪拌しながら、クロロスルホン酸(40mL,602mmol)に5−ブロモ−ピリジン−2−イルアミン(10g,57.8mmol)を加えた。攪拌しながら、混合物を160℃で3時間加熱した。25℃に冷却して、茶色の溶液を氷(約500g)上に注意深く注いだ。生じた沈殿物を減圧濾過で回収し、水で洗滌することにより、中間体の2−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−3−スルホニルクロリドをベージュ色固体として得た。この固体を15%水酸化アンモニウム水溶液中に懸濁させた。反応混合物を45分間攪拌した。この時点で全成分を完全に溶解させた。混合物を0℃まで冷却し、12.0M塩酸を注意深く添加してpHを約8に調整した。固体が沈殿し、その固体を減圧濾過で回収し、水(2×50mL)で洗滌し、減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、2−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−3−スルホン酸アミド(7.48g,29.7mmol,51%)を淡いベージュ色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:6.69(2H,bs),7.54(2H,bs),7.91(1H,d,J=2.5Hz),8.22(1H,d,J=2.3Hz)。
b)N−(5−ブロモ−3−スルファモイル−ピリジン−2−イル)−マロンアミド酸エチルエステル
2−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−3−スルホン酸アミド(2.5g,9.9mmol)を1,4−ジオキサン(50mL)中に溶解させた。クロロカルボニル−酢酸エチルエステル(1.9mL,14.85mmol)を加え、攪拌しながら混合物を90℃で2時間加熱した。25℃に冷却し、混合物を半飽和重曹水溶液(250mL)に注ぎ込んだ。固体が沈殿し、その固体を減圧濾過で回収し、水(50mL)で洗滌し、減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、N−(5−ブロモ−3−スルファモイル−ピリジン−2−イル)−マロンアミド酸エチルエステル(2.5g,6.82mmol,69%)を淡いベージュ色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)
δ:1.19(3H,t,J=7.0Hz),3.67(2H,s),4.10(2H
,q,J=7.3Hz),7.78(2H,bs),8.33(1H,d,J=2.3Hz),8.70(1H,d,J=2.4Hz),9.85(1H,bs)。
c)(7−ブロモ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル
密閉した試験管中で、N−(5−ブロモ−3−スルファモイル−ピリジン−2−イル)−マロンアミド酸エチルエステル(2.2g,6.0mmol)をトルエン(44mL)中に懸濁させ、トリエチルアミン(11mL,78.9mmol)を加えた。攪拌しながら、混合物を110℃で30分間加熱した。固体は完全に溶解したものの、混和しない油状の残留物がフラスコの底部周辺に確認された。25℃に冷却して、酢酸エチル(約50mL)を加えた。全成分が混和した。溶液を減圧下で濃縮することにより、金色の油状液体を得た。その油状液体をメタノール(約50mL)中に溶解させ、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(7−ブロモ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル(2.18g,>6.0mmol,100%,未だ幾分かの溶媒を含む)を金色の油状液体として得た。LC−MS(ESI) C10H10BrN3O4Sに対する計算値346.96,実測値348.1(100%),349.2(10%),350.2(99%)[M+H+]。
d)(7−ブロモ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸ナトリウム
粗製の(7−ブロモ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸エチルエステル(1.14g,3.27mmol)をメタノール(20mL)中に溶解させた。固体の水酸化ナトリウム(0.392g,9.8mmol)を添加し、次に水(10mL)を添加した。およそ5分間以内に全成分が完全に溶解した。約20分後、固体が沈殿し始めた。混合物の攪拌を10分間続けた。生成物を減圧濾過で回収し、メタノール(約5mL)で洗滌し、減圧下で乾燥させることにより、所望の生成物である、(7−ブロモ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸ナトリウム(0.48g,1.5mmol,46%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,D2O) δ:3.30(2H,s),8.31(1H,d,J=2.2Hz),8.57(1H,d,J=1.6Hz)。注:DMSO−d6中で生成物のNMRデータを継続的に取得すると、約30分間にわたって脱カルボキシル化が起こり、7−ブロモ−3−メチル−4H−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン1,1−ジオキシドが生成しているのが確認された。しかしながら、生成物は固体のナトリウム塩の形態として安定なようである。
e)(1R,2S,7R,8S)−5−(7−ブロモ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン
(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6lに従って調製したもの,0.213g,0.73mmol)、(7−ブロモ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸ナトリウム(0.25g,0.73mmol)、及びO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェート(0.305g,0.803mmol)を混合し、N,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)中に溶解させた。混合物を、全成分が溶解するまで約1分間激しく振盪した。溶液の攪拌を1時間続けた。トリエチルアミン(0.5mL,3.65mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、体積を約5mLとした。水(約20mL)を加えると、生成物が沈殿した。固体を減圧濾過で回収し、フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silical gel 60,40〜63μm;35%酢酸エチルinヘキサン)で精製することにより、所望の生成物(0.24g,0.44mmol,60%)を白色の脆さのあるフォームとして得た。生成物の一部(0.07g,0.128mmol)をn−プロパノール(0.5mL)から再結晶することにより、純粋な所望の生成物である、5−(7−ブロモ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(0.044g,0.081mmol,63%)を黄色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.13−1.23(2H,m),1.38−1.60(4H,m),2.51(1H,s),2.63(1H,s),3.00(1H,d,J=8.4Hz),3.55(1H,d,J=9.4Hz),4.41(1H,d,J=14.7Hz),4.95(1H,d,J=15.4Hz),7.14(2H,t,J=9.0Hz),7.33(2H,dd,J1=8.6Hz,J2=5.5Hz),8.66(1H,s),8.82(1H,s)。 LC−MS(ESI) C23H20BrFN4O4Sに対する計算値546.04,実測値547.2[M+H+]。
実施例62
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
メタンスルホンアミド(0.348g,3.66mmol)、リン酸カリウム(0.078g,0.366mmol)、L−プロリン(0.021g,0.183mmol)及びヨウ化銅(0.035g,0.183mmol)を混合し、ジメチルスルホキシド(0.5mL)中に懸濁させた。フラスコを脱気した後、アルゴンを充填した。攪拌しながら混合物を110℃で5分間加熱した。5−(7−ブロモ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例62に従って調製したもの,0.1g,0.183mmol)をジメチルスルホキシド(0.5mL)中に溶解させ、反応混合物へ移した。混合物を110℃で16時間攪拌した。冷却して、混合物を酢酸エチル(150mL)及び飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)に注ぎ込んだ。混合物を振盪し、全量をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通した。有機相を濾液から分離し、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)、飽和ブライン水溶液(50mL)で洗滌し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、茶色のワックス状の固体とした。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm;0〜50%酢酸エチルinジクロロメタン)により、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(0.018g,0.032mmol,17.5%)をベージュ色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.04−1.52(6H,m),2.37−2.41(1H,m),2.53−2.56(1H,m),3.05(3H,s),3.25−3.34(2H,m),4.25(1H,d,J=15.1Hz),4.93(1H,d,J=15.0Hz),7.11(2H,t,J=9.1Hz),7.27(2H,dd,J1=8.7Hz,J2=5.4Hz),7.81(1H,s),8.36(1H,s),10.01(1H,bs)。 LC−MS(ESI) C24H24FN5O6S2に対する計算値561.12,実測値562.4[M+H+]。
実施例63
(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
5−(7−ブロモ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(実施例62に従って調製したもの,0.07g,0.128mmol)をメタノール(8mL)に溶解させた。ギ酸アンモニウム(0.2g,3.17mmol)を添加し、次に10%パラジウム炭素(湿潤,0.1g)を加えた。混合物を50℃で3時間攪拌した。混合物をセライト〔Celite(登録商標)〕を通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を水(5mL)及び酢酸エチル(50mL)中に溶解させた。混合物を振盪し、分液を行った。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、透明油状液体とした。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm;20〜40%酢酸エチルinヘキサン)により、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[2,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(0.0441g,0.094mmol,74%)を白色の、脆いフォームとして得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.11−1.61(6H,m),2.51(1H,s),2.63(1H,s),2.99(1H,d,J=9.4Hz),3.54(1H,d,J=9.4Hz),4.41(1H,d,J=15.7Hz),4.95(1H,d,J=15.4Hz),7.14(2H,t,J=8.6Hz),7.33(2H,dd,J1=8.6Hz,J2=5.4Hz),7.51(1H,dd,J1=7.8Hz,J2=4.5Hz),8.34(1H,d,J=7.6Hz),8.68(1H,dd,J1=4.6Hz,J2=1.7Hz)。 LC−MS(ESI) C23H21FN4O4Sに対する計算値468.13,実測値469.4[M+H+]。
実施例64
(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ピリド[4,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
4−クロロ−ピリジン−3−スルホン酸アミド(4g,20.77mmol)とアジ化ナトリウム(13.7g,210mmol)を混ぜ合わせた。無水N,N−ジメチルホルムアミド(80mL)及び水(30mL)を加えた。混合物を90℃で2時間攪拌した。冷却して、混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)で希釈した。生成物を酢酸エチル(6×200mL)中に抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、4−アジド−ピリジン−3−スルホン酸アミド(3.75g,18.83mmol,91%)を淡黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:7.54(2H,bs),7.57(1H,d,J=5.4Hz),8.68(1H,d,J=5.5Hz),8.81(1H,s)。
b)4−アミノ−ピリジン−3−スルホン酸アミド
4−アジド−ピリジン−3−スルホン酸アミド(3.75g,18.83mmol)をメタノール(80mL)中に溶解させた。水素化ホウ素ナトリウム(0.712g,18.83mmol)を何度かに分けて注意深く添加した。激しい発泡が確認された。25℃で混合物の攪拌を25分間続けた。混合物を減圧下で濃縮し、粘稠な黄色のスラッジ状とした。残留物を酢酸エチル(200mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)との混合液中に溶解させた。水相を酢酸エチル(6×200mL)で逆抽出した。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、4−アミノ−ピリジン−3−スルホン酸アミド(1.8g,10.4mmol,55%)を淡黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:6.63(2H,bs),6.68(1H,d,J=5.4Hz),7.40(2H,bs),8.06(1H,d,J=5.5Hz),8.43(1H,s)。
c)(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[4,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸メチルエステル
4−アミノ−ピリジン−3−スルホン酸アミド(0.25g,1.44mmol)をマロン酸ジメチルエステル(5mL,43.75mmol)中に懸濁させた。フラスコ内において窒素パージを行い、混合物を180℃で60分間攪拌した。冷却して、混合物を酢酸エチル(5mL)で希釈すると、すぐに不要な副生成物の沈殿が生じた。固体を減圧濾過で除去し、酢酸エチル(2mL)で洗滌した。濾液をシリカゲルのプラグに通し、酢酸エチルで溶離させた後、さらにメタノールの5%酢酸エチル溶液で溶離させた。メタノールの5%酢酸エチル溶液を含む画分を集め、減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[4,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸メチルエステル(0.135g,0.529mmol,37%)を黄色の油状液体として得た。LC−MS(ESI) C9H9N3O4Sに対する計算値255.03,実測値256.0[M+H+]。
d)(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[4,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸ナトリウム
(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[4,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸メチルエステル(0.13g,0.51mmol)をメタノール(3mL)中に溶解させた。水酸化ナトリウム(0.08g,2.0mmol)を水(1.5mL)中に溶解させた。両溶液を混合し、25℃で3時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[4,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸ナトリウムを黄色油状液体として得た。LC−MS(ESI) C8H7N3O4S(遊離の酸)に対する計算値241.02,実測値242.2[M+H+]。
e)(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[4,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン
粗製の(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[4,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸ナトリウム、(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6lに従って調製したもの,0.149g,0.51mmol)及びO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェート(0.194g,0.51mmol)を混合し、無水N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中に溶解させた。混合物を25℃で1時間攪拌した。トリエチルアミン(0.35mL,2.6mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。冷却して、混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(2×25mL)と飽和ブライン水溶液(25mL)で洗滌した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Merck silica gel 60,40〜63μm,75%〜100%酢酸エチルinヘキサン)で精製し、次に、得られた油状液体をヘキサンとジエチルエーテルの1:1混合液(2mL)を用いて摩砕することにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ピリド[4,3−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(0.0184g,0.039mmol,2つのステップを通して7.7%)を淡黄色粉末として得た。LC−MS(ESI) C23H21FN4O4Sに対する計算値468.13,実測値469.2[M+H+]。 1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.01−1.54(6H,m),2.35(1H,d,J=3.7Hz),2.46(1H,s),2.53(1H,s),3.26(1H,d,J=9.5Hz),4.23(1H,d,J=15.8Hz),4.94(1H,d,J=15.0Hz),7.08−7.13(3H,m),7.24−7.28(2H,m),8.44(1H,d,J=4.8Hz),8.67(1H,s)。
実施例65
(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ピリド[3,2−e][1,2,4]チアジアジン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−4−オン
a)2−ベンジルスルファニル−3−ニトロ−ピリジン
エタノール(150mL)を、2−クロロ−3−ニトロ−ピリジン(5g,31.54mmol)と炭酸カリウム(4.8g,34.7mmol)の混合物に添加した。ベンジルメルカプタン(4.09mL,34.7mmol)を添加し、次に水(30mL)を添加した。混合物を25℃で4時間攪拌した。水(350mL)を加えると、生成物が沈殿した。固体を減圧濾過で回収し、水(100mL)で洗滌し、減圧下で4時間乾燥させることにより、所望の生成物である、2−ベンジルスルファニル−3−ニトロ−ピリジン(6.6g,26.8mmol,85%)を黄色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:4.47(2H,s),7.21−7.31(3H,m),7.40−7.45(3H,m),8.58(1H,dd,J1=8.6Hz,J2=1.7Hz),8.83(1H,dd,J1=4.7Hz,J2=1.7Hz)。
b)3−ニトロ−ピリジン−2−スルホニルクロライド
2−ベンジルスルファニル−3−ニトロ−ピリジン(6g,24.39mmol)をジクロロメタン(84mL)中に溶解させた。酢酸(12mL)と水(24mL)を加えた。混合物を0℃に冷却した。激しく攪拌しながら、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン(14.4g,73.17mmol)をジクロロメタン(48mL)中懸濁液として何度かに分けて添加した。混合物をゆっくりと25℃まで昇温し、攪拌を16時間続けた。混合物を5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(100mL)に注ぎ込み、充分に振盪した。ジクロロメタン(200mL)及び20%リン酸二カリウム水溶液(100mL)を添加し、混合物を充分に振盪した。分液を行った。有機相中に溶解した、粗製の所望の生成物である、3−ニトロ−ピリジン−2−スルホニルクロライドをさらに単離や特性測定を行うことなく直接次のステップで用いた。
c)3−ニトロ−ピリジン−2−スルホン酸アミド
有機相を0℃に冷却し、濃水酸化アンモニウム水溶液(25mL)を加えた。混合物を10分間攪拌した。混合物を10%クエン酸水溶液(pHが7未満になるまで加えた。約200mL)で洗滌した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた固体をヘキサンと酢酸エチルの1:1混合液(約15mL)と共に摩砕し、減圧濾過で回収し、減圧下で16時間乾燥させることにより、所望の生成物である、3−ニトロ−ピリジン−2−スルホン酸アミド(3.1g,15.26mmol,63%)をベージュ色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:7.8
9(1H,d,J=4.7Hz),7.95(2H,s),8.48(1H,dd,J1=8.6Hz,J2=1.6Hz),8.92(1H,d,J=4.7Hz)。
d)3−アミノ−ピリジン−2−スルホン酸アミド
3−ニトロ−ピリジン−2−スルホン酸アミド(3g,14.77mmol)と鉄粉(5g,10ミクロン未満)をエタノール(100mL)中に懸濁させた。飽和塩化アンモニウム水溶液(60mL)を加え、混合物を105℃で1.5時間攪拌した。25℃に冷却して、酢酸エチル(200mL)を加え、混合物を激しく振盪した。混合物全量をセライト〔Celite(登録商標)〕のプラグに通して濾過した。得られた濾液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、分液を行った。水相を酢酸エチル(3×200mL)で逆抽出した。有機相を集め、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより乾燥状態にした。得られた固体をヘキサンと酢酸エチルの3:1混合液(約10mL)と共に摩砕した。固体を減圧濾過で回収し、減圧下で16時間乾燥させることにより、所望の生成物である、3−アミノ−ピリジン−2−スルホン酸アミド(1.95g,11.27mmol,76%)をオフホワイトの粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:5.98(2H,bs),7.19−7.21(1H,m),7.32(2H,bs),7.79−7.80(1H,m),7.90−7.91(1H,m)。
e)(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−チア−2,4,8−トリアザ−ナフタレン−3−イル)−酢酸エチルエステル
3−アミノ−ピリジン−2−スルホン酸アミド(1.8g,10.4mmol)を1,4−ジオキサン(45mL)中に溶解させた。クロロカルボニル−酢酸エチルエステル(1.57mL,12.48mmol)を加えた。混合物を90℃で1.5時間攪拌した。冷却して、混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、半飽和重曹水溶液(100mL)で、その後飽和ブライン水溶液(100mL)で洗滌した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた油状の残留物を、トルエン(36mL)とトリエチルアミン(9mL)で処理した。混合物を密封した試験管中、110℃で1.5時間攪拌した。残留物が完全に溶解することはなかった。冷却し、混合物を減圧下で濃縮することにより、粘稠な油状液体とした。最少量の酢酸エチル(約5mL)と共に摩砕することにより生成物を固形化した。固体を減圧濾過で回収し、減圧下で16時間乾燥させることにより、所望の生成物である、(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−チア−2,4,8−トリアザ−ナフタレン−3−イル)−酢酸エチルエステル(0.3g,1.11mmol,11%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ:1.21(3H,t,J=7.0Hz),3.71(2H,s),4.16(2H,四重線,J=7.1Hz),7.70−7.76(2H,m),8.62(1H,dd,J1=4.0Hz,J2=1.5Hz),12.29(1H,bs)。
LC−MS(ESI) C10H11N3O4Sに対する計算値269.05,実測値270.1[M+H+]。
f)(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−チア−2,4,8−トリアザ−ナフタレン−3−イル)−酢酸ナトリウム塩
(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−チア−2,4,8−トリアザ−ナフタレン−3−イル)−酢酸エチルエステル(0.25g,0.928mmol)を約60℃でメタノール(5mL)中に溶解させた。水酸化ナトリウム(0.111g,2.79mmol)を水(2.5mL)中に溶解させた。25℃に冷却して、両溶液を混合した。混合物を25℃で3時間攪拌した。混合物を−40℃で16時間保存した。混合物を減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−チア−2,4,8−トリアザ−ナフタレン−3−イル)−酢酸ナトリウム塩(約0.928mmol)を黄色のフィルム状で得た。この粗生成物はさらに精製することなく次のステップで用いた。
g)(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−チア−2,4,8−トリアザ−ナフタレン−3−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン
粗製の(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−チア−2,4,8−トリアザ−ナフタレン−3−イル)−酢酸ナトリウム塩(約0.928mmol)、(1S,2R,3S,4R)−3−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(0.27g,0.928mmol)、及びO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェート(0.494g,1.3mmol)を混合し、無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中に溶解させた。混合物を25℃で1.5時間攪拌した。トリエチルアミン(0.697mL,5mmol)を加え、混合物を50℃で16時間攪拌した。冷却して、混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(2×25mL)と飽和ブライン水溶液(25mL)で洗滌した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた固体を酢酸エチル(約15mL)と共に摩砕し、生成物を固体化した。固体を減圧濾過で回収し、減圧下で16時間乾燥させることにより、所望の生成物である、(1R,2S,7R,8S)−5−(1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−チア−2,4,8−トリアザ−ナフタレン−3
−イル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−4−オン(0.03g,0.064mmol,6.9%)を白色粉末として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)
δ:0.92−1.05(2H,m),1.18−1.46(4H,m),2.26(1H,d,J=3.1Hz),2.36(1H,d,J=9.5Hz),2.45(1H,d,J=3.0Hz),3.15(1H,d,J=9.4Hz),4.13(1H,d,J=15.6Hz),4.86(1H,d,J=15.6Hz),7.01−7.05(2H,m),7.16−7.20(2H,m),7.39−7.42(1H,m),7.50(1H,dd,J1=8.6Hz,J2=1.6Hz),8.26(1H,dd,J1=4.6Hz,J2=1.5Hz)。 LC−MS(ESI) C23H21FN4O4Sに対する計算値468.13,実測値469.2[M+H+]。
実施例66
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(2−シクロプロピル−エチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
a)(1S,2R,3S,4R)−3−(2−シクロプロピル−エチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
窒素雰囲気下、シクロプロピルアセトアルデヒドの1.4Mジクロロメタン溶液(実施例23aに従って調製したもの,3.4mL,4.76mmol)を、(1S,2R,3S,4R)−3−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(実施例6kに従って調製したもの,580mg,3.17mmol)の無水メタノール(15mL)中溶液に25℃で加えた。20分間攪拌した後、氷酢酸(0.6mL)を加えた。溶液を0℃まで冷却し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.7g,7.93mmol)を加え、得られた混合物を25℃で20時間攪拌した。飽和重曹水溶液(25mL)を用いて混合物の反応を停止させ、酢酸エチル(3×60mL)で抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、所望の生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−(2−シクロプロピル−エチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カ
ルボン酸エチルエステル(676.4mg,2.69mmol,84.9%)を黄色油状液体として得た。LC−MS(ESI) C15H25NO2に対する計算値251.19,実測値252.0[M+H+]。
b)(1S,2R,3S,4R)−3−{(2−シクロプロピル−エチル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル
窒素雰囲気下で攪拌しながら、(1S,2R,3S,4R)−3−(2−シクロプロピル−エチルアミノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステル(338.2mg,1.35mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中溶液に、(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,493mg,1.48mmol)、N−メチルモルホリン(0.33mL,2.96mmol)、及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(284mg,1.48mmol)を順次添加した。25℃で21時間振盪した後、追加の(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−酢酸(実施例1gに従って調製したもの,150mg,0.45mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(85mg,0.44mmol)を加えた。さらに26時間後、1.0M塩酸(12mL)を加え、混合物を酢酸エチル(3×60mL)で抽出した。集めた有機相を飽和ブライン水溶液(15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、粗生成物である、(1S,2R,3S,4R)−3−{(2−シクロプロピル−エチル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルを赤色油状液体として得た。この粗生成物は、さらに精製することなく次のステップで用いた。LC−MS(ESI) C25H34N4O7S2に対する計算値566.19,実測値567.4[M+H+]。
c)N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(2−シクロプロピル−エチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
粗製の(1S,2R,3S,4R)−3−{(2−シクロプロピル−エチル)−[2−(7−メタンスルホニルアミノ−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−3−イル)−アセチル]−アミノ}−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エチルエステルの無水エタノール(11mL)中溶液に、ナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(2.4mL,7.41mmol)を加えた。25℃で23時間振盪した後、さらにナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.0mL,3.09mmol)を加えた。25℃で6時間振盪した後、さらにナトリウムエトキシドの21wt.%エタノール溶液(1.0mL,3.09mmol)を加え、混合物をさらに24時間振盪した。その後、混合物を1.0M塩酸(22mL)で酸性化し、酢酸エチル(3×60mL)で抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物を分取HPLC[Column Luna 5μ C18(2) 100Å AXIA 150×21.2mm,5ミクロン,30%〜95%in7分@流速30mL/分,0.05%トリフルオロ酢酸inアセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸in水]で精製して、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(2−シクロプロピル−エチル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(160.7mg,0.309mmol,2つのステップを通して22.9%)を固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.09−0.15(2H,m),0.49−0.54(2H,m),0.64−0.73(1H,m),1.27−1.31(2H,m),1.48−1.78(6H,m),2.55−2.56(1H,m),2.74−2.80(1H,m),2.85(1H,d,J=9.2Hz),3.06(3H,s),3.10−3.17(1H,m),3.57(1H,d,J=9.2Hz),3.80−3.87(1H,m),6.99(1H,s),7.22−7.25(1H,m),7.62−7.68(2H,m)。 LC−MS(ESI) C23H28N4O6S2に対する計算値520.15,実測値521.4[M+H+]。
実施例67
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6,9−ジヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例6に従って調製したもの,168mg,0.299mmol)をジメチルスルホキシド(15mL)中に溶解させた。無水D−グルコース(3.3g)、GDH−102(375mg)及びNADP+(570mg)を100mMリン酸カリウム(pH8.0)水溶液(700mL)中で混合することにより、反応緩衝液(バッファー)を調製した。凍結乾燥させたMCYP−P1C11(1800mg,1500nmol,0.84nmol P450/mg,Codexis,Inc.)を50mMリン酸カリウム(pH8.0)水溶液(29mL)中に溶解させた。以下の成分を2.8Lのバッフル付Fernbachフラスコへと順次添加した:反応緩衝液、次にMCYP−P1C11ストック溶液、その後N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド溶液。N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミドストック溶液を調製するのに用いたバイアルを、0.1Mリン酸カリウム(pH8.0)水溶液(6mL)で洗滌し、次にこの溶液をフラスコに加え、反応溶液の全体積を750mLとした。その後、混合物を優しく振盪させながら24時間30℃でインキュベートし、その後−80℃で冷凍した。解凍した反応混合物にメタノール(1.5L)を添加すると、沈殿が形成した。固体を45分間、10,000rpmで遠心分離することによりペレットとして除去した。上澄みを減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLCにて精製することにより、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6,9−ジヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(49.5mg,0.086mmol,29%)を白色固体として得た。1H NMR(500MHz,DMSO−d6) δ:1.21(1H,dd,J1=14.7Hz,J2=4.8Hz),1.46−1.59(3H,m),2.44(1H,s),2.53(1H,s),2.87(1H,d,J=8.7Hz),3.07(3H,s),3.39(1H,d,J=8.5Hz),3.80(1H,d,J=6.0Hz),4.42(1H,d,J=15.5Hz),4.96(1H,d,J=15.7Hz),7.16(2H,t,J=8.7Hz),7.32−7.34(2H,m),7.52(1H,dd,J1=9.0Hz,J2=2.3Hz),7.59−7.60(2H,m),10.23(1H,s),14.08(1H,s),15.03(1H,bs)。 LC−MS(ESI) C25H25FN4O7S2に対する計算値576.11,実測値577.5[M+H+]。
実施例68
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,L−アルギニン塩
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例6に従って調製したもの,0.280g,0.499mmol)をアセトニトリル(5.0mL)中に溶解させた。0.1MのL−アルギニン水溶液(3.0mL,0.3mmol)を加え、次にL−アルギニンの0.1M 1−プロパノール溶液(2.0mL,0.2mmol)を添加した。23℃で6時間攪拌した後、フラスコを開放系とし、懸濁液を16時間攪拌した。固体を濾過によって回収し、さらに減圧下、23℃で乾燥させて、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,L−アルギニン塩・一水和物(0.257g,0.341mmol,68%)を結晶状の固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6) δ:0.96−1.17(2H,m),1.28(1H,app
t,J=10.0Hz),1.35−1.82(7H,m),2.33(1H,app
d,J=3.0Hz),2.43(1H,d,J=9.3Hz),2.97(3H,s),3.00−3.17(2H,m),3.23(1H,d,J=9.3Hz),4.21(1H,d,J=15.3Hz),4.94(1H,d,J=15.3Hz),7.04−7.15(3H,m),7.27(2H,dd,J=5.7,8.7Hz),7.35(1H,dd,J=2.5,8.9Hz),7.35−7.51(4H,m),8.82(1H,br s),15.29(1H,br s)。 分析 C31H39FN8O8S2・H2Oに対する計算値:C,49.46;H,5.49;N,14.88;O,19.13;S,8.52;F,2.52;実測値:C,49.49;H,5.23;N,14.96;O,18.69;S,8.82;F,2.81。 m.p.=216℃(DSC)。
実施例69
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,L−リシン塩
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例6に従って調製したもの,0.090g,0.160mmol)をアセトニトリル(2.5mL)中で溶解させた。L−リシン水溶液(50mg/mL水溶液の0.469mL,0.160mmol)を加えた。窒素気流下で溶媒を留去し、エタノール(0.5mL)を加えた。混合物を35℃で2日間攪拌し、次に超音波浴中に浸した。水(0.5mL)を加え、混合物を23℃で3日間攪拌した。固体を濾過によって回収し、さらに減圧下、23℃で乾燥させて、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,L−リシン塩・一水和物(0.070g,0.096mmol,60%)を結晶状の固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6) δ:0.96−1.15(2H,m),1.22−1.76(10H,m),2.34(1H,app d,J=2.7Hz),2.43(1H,d,J=9.3Hz),2.74−2.78(2H,m),2.97(3H,s),3.18−3.29(1H,m),4.21(1H,d,J=15.3Hz),4.95(1H,d,J=15.6Hz),7.07−7.18(3H,m),7.27(2H,dd,J=5.7,8.7Hz),7.36(1H,dd,J=2.4,8.7Hz),7.44(1H,d,J=2.4Hz),15.31(1H,br s)。 分析 C31H39FN6O8S2・H2Oに対する計算値:C,51.37;H,5.70;N,11.59;O,19.87;S,8.85;F,2.62;実測値:C,51.13;H,5.52;N,11.63;O,20.07;S,9.20;F,2.71。 m.p.=200℃(DSC)。
実施例70
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,ヘミマグネシウム塩
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例6に従って調製したもの,0.465g,0.829mmol)をアセトン(9.0mL)中に溶解させた。マグネシウムメトキシドの7〜8wt.%メタノール溶液(0.593mL,0.414mmol)を加えた。溶媒を留去し、次に残留物を水(0.9mL)及びアセトン(1.8mL)で希釈した。得られた混合物を23℃で16時間攪拌した。固体を濾過によって回収し、さらに減圧下、23℃で乾燥させて、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,ヘミマグネシウム塩・三水和物(0.377g,0.602mmol,73%)を結晶状の固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6) δ:0.96−1.17(2H,m),1.22−1.58(4H,m),2.33(1H,br s),2.44(1H,d,J=9.6Hz),2.98(3H,s),3.23(1H,d,J=9.3Hz),4.21(1H,d,J=14.7Hz),4.94(1H,d,J=15.3Hz),7.03−7.19(3H,m),7.21−7.48(4H,m),9.81(1H,br s),15.35(1H,br s)。分析 C25H24N4O6FS2・0.5Mg・3H2Oに対する計算値:C,47.98;H,4.83;N,8.95;O,23.01;S,10.25;F,3.04;Mg,1.94;実測値:C,47.66;H,4.89;N,8.98;O,23.00;S,11.36;F,3.09;Mg,1.82。 m.p.=184℃(DSC)。
実施例71
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,ナトリウム塩
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例6に従って調製したもの,0.407g,0.726mmol)をエタノール(11.0mL)中で懸濁させた。1.0M水酸化ナトリウム水溶液(0.726mL,0.726mmol)及び水(1.0mL)を加えた。混合物に、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,ナトリウム塩(別のバッチから作られたもの)の結晶を種晶として加え、その後、混合物を23℃で1日間攪拌した。固体を濾過によって回収し、さらに減圧下23℃で乾燥させて、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,ナトリウム塩・水和物(2.25モル当量の水)(0.235g,0.377mmol,52%)を結晶状の固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6) δ:0.99−1.11(2H,m),1.28(1H,app t,J=10.2Hz),1.36−1.53(3H,m),2.33(1H,app d,J=2.7Hz),2.42(1H,d,J=9.3Hz),2.97(3H,s),3.22(1H,d,J=9.3Hz),4.20(1H,d,J=15.3Hz),4.95(1H,d,J=15.3Hz),7.09−7.16(3H,m),7.25−7.36(3H,m),7.42(1H,d,J=2.4Hz),9.79(1H,s),15.32(1H,s)。分析 C25H24FN4NaO6S2・2.25H2Oに対する計算値:C,48.19;H,4.61;N,8.99;O,21.18;S,10.29;F,3.05;Na,3.69;実測値:C,48.14;H,4.67;N,8.97;O,21.07;S,10.25;F,3.13;Na,3.87。 m.p.=182−188℃(DSC)。
実施例72
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.0
2,7
]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ
6
−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,カリウム塩
N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド(実施例6に従って調製したもの,0
.281g,0.501mmol)をメチルエチルケトン(8.0mL)中に溶解させた。0.5M水酸化カリウム水溶液(1.0mL,0.500mmol)を加えた。溶液に、結晶状のN−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,カリウム塩(別のバッチから作られたもの)を種晶として加え、その後、得られた混合物を23℃で3時間攪拌した。固体を濾過によって回収し、さらに減圧下23℃で乾燥させて、所望の生成物である、N−{3−[(1R,2S,7R,8S)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−3−アザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5−エン−5−イル]−1,1−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−1λ6−ベンゾ[1,2,4]チアジアジン−7−イル}−メタンスルホンアミド,カリウム塩・水和物(0.75モル当量の水)(0.127g,0.207mmol,41%)を結晶状の固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6) δ:0.99−1.11(2H,m),1.27(1H,app t,J=10.3Hz),1.36−1.54(3H,m),2.33(1H,br s),2.42(1H,d,J=9.0Hz),2.95(3H,s),3.22(1H,d,J=9.3Hz),4.20(1H,d,J=15.3Hz),4.96(1H,d,J=15.6Hz),7.09−7.15(3H,m),7.25−7.34(3H,m),7.41(1H,d,J=2.7Hz),9.84(1H,br s),15.30(1H,s)。分析 C25H24FKN4O6S2・0.75H2Oに対する計算値:C,49.05;H,4.20;N,9.15;O,17.64;S,10.48;F,3.10;K,6.39;実測値:C,48.82;H,4.11;N,9.06;O,17.35;S,10.37;F,3.18;K,6.75。 m.p.=278℃(DSC)。
<生物学的試験>
式Iの化合物の、HCV複製を阻害する能力は以下のインヴィトロでのアッセイによって実証することができる。
化合物のHCVポリメラーゼ阻害能を調べた。アッセイは、ストレプトアビジンで被覆した96ウェルフラッシュプレート(FlashPlate)において、20mMのTris−HCl(pH7.5)と5mMのMgCl2と5mMジチオトレイトールと0.1g/Lウシ血清アルブミンと100U/mLのRNAse(リボヌクレアーゼ)阻害剤とを含んだ混合物中で20nMの酵素、0.5μCiの[α−33P]GTP、0.6μMのGTP、及び250nMの5’ビオチン化オリゴ(biotinylated oligo)(rG13)/poly rCを用いて行った。28℃で75分経た後、吸引によって反応を止め、プレートを数回洗滌した。プレートの洗滌及び乾燥の後、取り込まれた放射能を、Microbetaシンチレーションカウンターを用いて計数した。IC50値は、阻害されていない対照に対する値として計算し、阻害率のデータは4−パラメータのIC50の方程式に当てはめた。非常に強力な阻害剤に対しては、データを、タイトバインディング二次方程式に当てはめてIC50値を得た。
式Iの化合物に対するテスト結果(IC50値)を表1にまとめる。表1中、「++++」はNS5Bポリメラーゼ阻害率が、IC50値で0.02μM未満であり、「+++」はIC50値で0.02μM〜0.1μMであり、「++」はIC50値で0.1μM〜1μMであり、「+」はIC50値で1μM〜100μMであることを意味する。表1の実施例番号64と65の試験結果はEC50値である。表1中、「****」はHCVレプリコン阻害率が、EC50値で0.02μM未満であり、「***」はEC50値で0.02μM〜0.1μMであり、「**」はEC50値で0.1μM〜1μMであり、「*」はEC50値で1μM〜100μMであることを意味する。
<HCVレプリコンアッセイ(レプリコンEC50(μM))>
アッセイにおける各細胞培養は、本質的には、Bartenschlagerら,Hepatology 2002,35,694−703において説明されている内容に従って行う。すなわち、指数関数的に増殖するHCV Huh−7/C24レプリコン細胞を4.5×103細胞/ウェルの量で96ウェルプレート中に播種し、24時間後、6点半対数濃度(six point half−log concentration)の化合物で処理する。72時間曝露した後、培地を化合物のアッセイプレートから廃棄し、150μLの混合溶解剤(Genospectra)を添加し、45分間53℃でインキュベートすることによって細胞単層を溶解する。インキュベーションの後、溶解物をそれぞれよく混合し、次に、各溶解物のうち5μl(NS3プローブ)又は10μl(GAPDHプローブ)をキャプチャープレートに移し、bDNAアッセイによって分析する。
<分岐DNA(bDNA)アッセイ>
NS3[AJ242652]に対して提供されている配列に基づき、Genospectra(フリーモント,カリフォルニア,米国)により、(GAPDHと共に)これらの検体に対するプローブが設計され、合成された。細胞bDNA分析は、本質的にGenospectraのプロトコル〔詳細は、Shyamala,V.ら,Anal.Biochem.1999,266,140−7〕に記載されている方法に従って行われる。すなわち、キャプチャープレートに細胞溶解物を5又は10μL添加した後、標的に特異的なキャプチャーエキステンダー、ラベルエキステンダー及びブロッキングプローブを添加する。一晩アニーリングした後(この間に、キャプチャーエキステンダーとの相互作用を通じて標的RNAはプレートに捕捉される)、プレートを洗滌し、次にアンプリファイア(ラベルエキステンダーを介して結合する)及びラベルプローブを逐次添加する。
続いて化学発光基質(ジオキセタン)を添加してから、各プレートを照度計(Wallac 1420 Multilabel HTS Counter Victor 2)で読み取る。発光シグナルは各溶解物中に存在するmRNAの量と比例している。サンプルに加え、細胞の溶解物のみ(プローブなし)のバックグラウンド対照(コントロール)も各bDNAアッセイプレートに含まれており、この対照ウェルからの平均シグナルを分析の前にサンプルの読み取り値から減じる。薬剤未使用の対照のパーセントは、NS3とGAPDHのシグナルの両方から決定し、各化合物に関しても同様である。阻害率(%)は、薬剤未使用の対照と比較して各化合物の濃度により決定し、EC50を算出する。
<ルシフェラーゼに基づいたHCVレプリコンアッセイプロトコル>
指数関数的に増殖するHCV Huh−luc/neo−ETレプリコン細胞を6×103細胞/ウェルの量で96ウェルアッセイプレート中に播種した。24時間後、その細胞を種々の化合物濃度(一つの濃度ごとに3サンプルずつ)で処理した。化合物に72時間曝露した後、ウェル中のルシフェラーゼ活性を、Bright−Glo試薬(Promega,マディソン,ウィスコンシン州)を用い、照度計(Wallac 1420 Multilabel HTS Counter Victor 2)を使って測定した。バックグラウンドとなる対照は、100nMの、HCVプロテアーゼの阻害剤であるBILN−2061で処理したレプリコン細胞であった。阻害率(%)は陰性対照(化合物未使用)と比較して各化合物の濃度により決定し、EC50を算出した。
上述の説明は、本質的に例示のため、かつ説明のためのものと解されるべきものであって、本発明とその好ましい実施形態を説明することを目的とするものである。通常の実験を通して、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、明白な改変や変法がなされることを認識するであろう。