JP2009541587A - オーステナイト系常磁性耐食性材料 - Google Patents

オーステナイト系常磁性耐食性材料 Download PDF

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Abstract

本発明の合金は、高い塩化物濃度を有する媒体中で、高い強度、延性および降伏強度ならびに良好な耐食性を有するオーステナイト系常磁性材料を提供する。本発明の合金は、油田産業による優れた材料の必要性から開発された。本発明の合金はドリルストリング構成部品に使用することができる。また、実施した試験により、このような合金が非常に高い降伏強度、透磁率、および耐食性の均衡がとれており、あらゆる点で現在入手可能な常磁性、高い強度、耐食性のオーステナイト系ステンレス鋼よりも優れた特性を示すことが明らかとなった。
【選択図】なし

Description

本発明は、高い塩化物濃度を有する媒体中で使用するための、高い強度、降伏強度および延性を有するオーステナイト系常磁性耐食性材料に関する。特に、油田技術、特に油井およびガス井の傾斜掘削(directional drilling)における非磁性構成部品での使用に好適な鋼に関する。
常磁性、耐食性であって、経済的理由からクロム、マンガンおよび鉄の合金から実質的になる高強度材料は、化学的機器の製造に、電気エネルギーを生成する装置に、特に、油田技術における構成部品、装置および設備に使用される。クロム-マンガンステンレス鋼は、非磁性特性、高い降伏強度および塩化物応力腐食割れに対する良好な耐性という要件を妥当な費用で満たすので、このような部品の製造に好ましく使用されている。しかしながら、このように使用される材料の化学的腐食特性ならびに機械的特性に対してますます高い要求がなされるようになってきている。
これらのタイプのステンレス鋼においては、材料の性質・挙動が完全に均質であり、かつ高度に常磁性であることが不可欠である。例えば、高い降伏強度および延性を有する発電機のキャップリングにおいては、起こり得る低いレベルの強磁性の挙動はできる限り確実に排除しなければならない。特に原油または天然ガス地帯における調査井(exploration well)の掘削中の測定には、探査孔の正確な位置を追跡し、計画したコースからのずれを確認し修正するために、約1.02未満または場合によっては1.01未満(セヴァーンゲージを用いて)の透磁率値を有する材料から製造されたドリルステムが必要である。
機械および設備工学の利点ならびに高度の動作信頼性を達成するために、油田技術における装置およびドリルステム構成部品は高い機械的強度、特に0.2%オフセットにおいて高い降伏強度を有することがさらに必要である。部品および/またはドリルステムの回転中は片振り応力または交番応力が存在し得るので、多くの場合、両振り応力下での高い疲労強度は同様に重要である。最後に、水性媒体、特に高い塩化物濃度を有する媒体中での材料の腐食性は、極めて重要である。
深部掘削技術の最近の発達による要求により、常磁性特性および高い降伏強度、ならびに強度、塩化物に起因する応力腐食に対する耐性、特に孔食(pitting)および隙間腐食に対する耐性の組み合わせに関し、材料に対してますますより厳しい基準が設けられるようになった。機械的特性および腐食性に関してこれらの要件を完全に満たしているCr-Mn-Fe合金から製造されたいくつかの材料が知られている。しかしながら、それらの透磁率値により、磁気測定に関連して使用される部品中にそれらを使用することは妨げられ、また、ドリルステムにそれらを使用することは除外される。一方、利用可能な良好な強度特性を有する常磁性材料は腐食による攻撃に抵抗することができず、またほとんどの場合、高い耐食性を有する常磁性部品は必要な高い機械的値を有さないことが多い。
掘削中測定(MWD)構成部品においては、複雑な内部形状のために泥堆積物が生成しまた腐食孔が成長する隙間を生成し得るので、耐孔食性の制御は非常に重要である。材料の耐孔食性はその材料のPREN値により予測することができ、ここでPREN値は(wt-%Cr) + (3.3)(wt-%Mo) + (16)(Wt-%N)と定義される。孔食は、全体構造に対してごくわずかな重量減少を伴う、ステンレス鋼の貫通を生成し得る局所的な攻撃である。孔食は不動態皮膜の局所的な不連続性と関係がある。それは表面損傷または介在物などの機械的な欠陥であるか、またはその皮膜の局所的な化学分解であり得る。塩化物は孔食を開始させる最も一般的な薬剤である。一度小孔が形成されると、それは実質的に隙間になる。孔食開始への耐性に関する不動態皮膜の安定性は、クロム、モリブデンおよび窒素により主に制御される。
実質的なCr-Mn-Fe合金の機械的特性および化学的腐食特性を改善するために窒素を使用することは既知であるが、しかしながら、これは高圧で行う高価な冶金工程を必要とする。経済的理由から、加圧製錬または同様の鋳造工程なしに、すなわち大気圧で製造することができるCr-Mn-Fe合金が開発されており、この合金においては、合金技術を用いて材料の所望の特性プロファイルが達成されている(PCT公開番号WO98/48070)。耐食性を改善する目的で、これらの合金は2%を超えるモリブデン含有量を有する。この結果、孔食(pitting)特性および隙間腐食特性が改善される。しかしながら、モリブデンは、クロムと同様にフェライト形成剤であり、また、偏析領域(segregation area)の材料中に好ましくない磁気特性をもたらし得る。ニッケル含有量の増加はオーステナイトを安定化するが(これは銅の濃度の増加と関連している可能性がある)、ニッケル含有量の増加は機械的特性に有害な影響を与え、亀裂開始を増大させ得ると考えられている。
クロム-マンガンオーステナイト系ステンレス鋼群の多くの合金が以前から知られており、また現在入手可能である。PCT公開番号WO91/016469では、高温加工中さらに焼き戻しすることなく有益な組み合わせの特性を有する、オーステナイト系抗磁性防錆鋼合金を作製するために、均衡のとれた濃度の合金元素を使用する試みが行われている。欧州特許EP-0207068では、常磁性ドリルストリング部品の機械的特性を改善するための方法が提案されており、材料は熱間成形および冷間成形に付され、その冷間成形は100℃〜700℃の温度で少なくとも5%の変形の程度で行われる。
さらに最近では、米国特許第6,454,879号に、炭素、ケイ素、クロム、マンガン、窒素、ならびに任意のニッケル、モリブデン、銅、ホウ素、および炭化物形成元素からなるオーステナイト系常磁性耐食性材料が記載されている。この特許では、約0.96 wt-%未満のレベルのニッケルおよび約0.3 wt-%未満のレベルの銅が所望の程度の耐食性を達成するのに必要であることが教示されている。しかしながら、これらの低いレベルのニッケルおよび銅(これらの2元素はオーステナイト形成剤である)においては、安定な冶金構造のために、低いレベルのモリブデンおよび/またはクロム(フェライト形成元素である)が存在しなければならず、よって、この鋼は所望のレベルの耐孔食性を満たすことができない。
深井戸掘削法における最近の発達により、材料および部品に対してより厳しい条件が求められている。これらの部品はさらに厳しい塩化物環境で作動することが求められ、それと同時に、掘削はさらに深いレベルで行われ、ここでは部品はさらに高い降伏強度を有することが求められる。上記の鋼はいずれも、これらのより厳しい作動条件下での許容できる性能に必要な降伏強度および耐孔食性という所望の特性のすべては有さない。
したがって、この分野において進歩はあったものの、その常磁性特性、高い強靱性、ならびに炭化物、窒化物、およびシグマ相およびカイ相の析出のない微細構造を維持しながら非常に高い降伏強度に鍛造することができる、より高い臨界孔食電位を有する合金の必要性は、当技術分野において依然として残っている。本発明の合金はこれらの必要性に対処し、さらに関連した利点を提供する。
PCT公開番号WO98/48070 PCT公開番号WO91/016469 欧州特許EP-0207068 米国特許第6,454,879号
要するに、本発明は、高い塩化物濃度を有する媒体中で使用するための、高い強度、降伏強度および延性を有するオーステナイト系常磁性耐食性材料に関する。本発明は、油田技術、特に油井およびガス井の傾斜掘削における非磁性構成部品中での使用に好適な合金を提供する。
一実施形態において、高い塩化物濃度を有する媒体中で高い強度、延性および降伏強度ならびに良好な耐食性を有するオーステナイト系常磁性材料が提供され、該材料は、(wt-%で):最高約0.035の炭素;約0.25〜約0.75のケイ素;約22.0〜約25.0のマンガン;約0.75〜約1.00の窒素;約19.0〜約23.0のクロム;約2.70〜約5.00のニッケル;約1.35〜約2.00のモリブデン;約0.35〜約1.00の銅;約0.002〜約0.006のホウ素;最高約0.01の硫黄;および最高約0.030のリンを含み、フェライト含有量を実質的に含まない。
さらなる実施形態において、材料は約2.70〜約4.25 wt-%のニッケルを含む。よりさらなる実施形態において、材料は約2.75〜約4.20 wt-%のニッケルを含む。よりさらなる実施形態において、材料は約3.50〜約4.20のニッケルを含む。
別のさらなる実施形態において、材料は約0.35〜約0.85 wt-%の銅を含む。よりさらなる実施形態において、材料は約0.35〜約0.75 wt-%の銅を含む。よりさらなる実施形態において、材料は約 0.50〜約0.75の銅を含む。
別のさらなる実施形態において、材料は、(wt-%で):最高約0.030の炭素;約0.25〜約0.45のケイ素;約22.0〜約23.0のマンガン;約0.75〜約0.90の窒素;約19.0〜約20.0のクロム;約2.70〜約4.25のニッケル;約1.40〜約1.80のモリブデン;約0.35〜約0.75の銅;約0.003〜約0.006のホウ素;最高約0.006の硫黄;および 最高約0.025 のリンを含む。よりさらなる実施形態において、材料は、(wt-%で):最高約0.028の炭素;約0.30〜約0.45のケイ素;約22.0〜約23.0のマンガン;約0.78〜約0.90の窒素;約19.0〜約20.0のクロム;約3.50〜約4.20のニッケル;約1.40〜約1.75のモリブデン;約 0.50〜約0.75の銅;約0.003〜約0.006のホウ素;最高約0.003の硫黄;および 最高約0.20のリンを含む。
別のさらなる実施形態において、材料は約37より大きいPREN値を有する。よりさらなる実施形態において、材料は約37より大きく約39未満のPREN値を有する。
別のさらなる実施形態において、材料は0.2%オフセットにおいて約140 ksiより大きい降伏強度を有する。よりさらなる実施形態において、材料は0.2%オフセットにおいて約140 ksiより大きく約190 ksi未満の降伏強度を有する。
別のさらなる実施形態において、材料は約37より大きいPREN値を有し、かつ0.2%オフセットにおいて約140 ksiより大きい降伏強度を有する。よりさらなる実施形態において、材料は約37より大きく約39未満のPREN値を有し、かつ0.2%オフセットにおいて約140 ksiより大きく約190 ksi未満の降伏強度を有する。
本発明のこれらの態様および他の態様は以下の詳細な説明を参照することにより明らかになるであろう。
以下に、本発明の種々の実施形態を十分に理解するための、ある特定の詳細を示す。しかしながら、これらの詳細なしで本発明は実施し得ることが当業者には理解されよう。他の例において、本発明の実施形態の記載をいたずらに不明確にすることを避けるために、鋼合金の周知の面については詳細には説明も記載もしない。
文脈上別段に必要としない限り、本明細書およびそれに続く特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」なる語ならびにその変形は、制限することのない包括的な意味で、すなわち「含むが、これに限定されない」として解釈すべきである。
本明細書を通して「一つの実施形態」または「ある実施形態」とは、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が少なくとも1つの本発明の合金の実施形態に含まれるということを意味する。したがって、本明細書を通して各所に、「一つの実施形態において」または「ある実施形態において」なる語句が現れるが、必ずしもすべてが同一の実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせることができる。
本発明は、高い塩化物濃度を有する媒体中で高い強度、延性および降伏強度ならびに良好な耐食性を有するオーステナイト系常磁性材料を提供する。この材料は、ケイ素、マンガン、窒素、クロム、ニッケル、モリブデン、銅、ホウ素、ならびに所定の量の炭素、硫黄、およびリン、残部の鉄を含む。材料はフェライト含有量を実質的に有さず、また好ましくは実質的に完全にオーステナイトである。材料は以前の合金よりも高い臨界孔食電位を有し、また直径12.75インチの大きさのセクションにおいて非常に高い降伏強度のものに鍛造することができる。この形態の材料は、その常磁性特性、非常に高い強靱性、ならびに炭化物、窒化物、およびシグマ相およびカイ相の析出のない微細構造を維持する。材料の製造工程および有益で代表的な使用方法を提供する。
本発明の合金は、費用効果的で基本的な電気アーク炉溶融法を用いて製造される。アルゴン酸素脱炭(AOD)法を利用した材料の二次精錬は、正確な化学制御および一定の注入温度を提供する。AOD法は、低い硫黄および酸素レベルを可能にし、その結果非常にクリーンな鋼が生成する。
本発明の合金から製造される油井掘削構成部品は、所望の機械的特性を達成するために温間鍛造工程を用いて、開放型鍛造技術により製造される。最良の腐食特性を得るために、本発明の合金は最終鍛造の前に1900°Fで溶液焼きなましされる。これらの条件下で製造された材料は、高い降伏強度(>144 ksi)およびPREN値(>37.00)ならびに非常に良好な臨界孔食電位(80,000 ppm Cl溶液中で400 mV)を有し、また、透磁率(Dr. Foersterの磁力検出機(モデル1.067)を用いて1.004以下)ならびにASTM 262 Aに従う粒間耐食性(ステップ構造のみ)、最小硬度(341 HBN)、およびノッチ付衝撃強度(122 J)に対する所望の最低条件を満たす。
炭素は、オーステナイト形成およびマルテンサイト変態に対するオーステナイトの安定化に大きく寄与する。しかしながら、高い炭素含有量は、腐食特性の低下、合金の脆化、およびオーステナイトの不安定化、ならびに場合により局所的なマルテンサイト変態をもたらす炭化クロムの析出も引き起こす。このこと自体は、材料を部分的に強磁性にし得る。より高い炭素含有量は、塩化物を含む媒体中の孔食および腐食ならびにそれから製造される部品の結晶間または粒間腐食(intergranular corrosion)も引き起こす。炭素はまた、オーステナイトに対して限定された溶解度を有しており、より高い濃度は炭化クロムの析出を引き起こし得る。より高い炭素濃度が悪影響を及ぼすために、本発明の合金は、約0.035重量%を超えず、またいくつかの実施形態において、炭素は約0.030 wt-%を超えない。本発明の合金のさらなる実施形態は、約0.028 wt-%の炭素を超えない。
ケイ素は、いくつかの実施形態において、脱酸元素として約0.25〜約0.75 wt-%の濃度で存在する。実質的により高い含有量のケイ素は、窒化物形成および材料の応力腐食に対する耐性の減少を引き起こし得る。ケイ素は強力なフェライト形成効果も有するために、より高い含有量は透磁率に悪影響を及ぼし得る。よって、本発明の合金のいくつかの実施形態は0.25〜0.45 wt-%の範囲でケイ素を含み、他の実施形態は約0.30〜約0.45 wt-%のケイ素を含む。
マンガンは、融解および固相(オーステナイト)に対する窒素の溶解度を増加させるために、またオーステナイトを安定化するために本発明の合金に加えられる。本発明の合金中のマンガンの上限は、約25.0 wt-%に制限される。マンガンはオーステナイトを形成するが、オーステナイトを安定化するために、また溶液中に大量の窒素を含めるために最初に加えられる。しかし、本発明の合金中約25 wt-%より大きい含有量においては、マンガンはフェライト形成剤として機能する。よって、本発明の合金のいくつかの実施形態においてはマンガンのレベルは約22.0〜約25.0 wt-%に制御され、他の実施形態においては約22.0〜約23.0 wt-%の範囲に制御される。
窒素はオーステナイト系ステンレス鋼に有益である。なぜなら、窒素は耐孔食性を強化し、クロム-モリブデンシグマ相の形成を抑制し、また鋼の降伏強度を増加させるからである。固溶体中の窒素は、オーステナイト中での窒素の溶解限度を超えない限りは、その延性および強靱性特性に悪影響を及ぼすことなくオーステナイト系ステンレス鋼中で高い強度を増強するための、最も有益な合金化元素である。溶解限度を超える場合、Cr2Nの析出物および/またはガス空隙の形成が起こり、これは耐食性、延性および強靱性を低下させる。よって本発明の合金の実施形態は窒素含有量を約0.75〜約1.00 wt-%に制限し、他の実施形態は約0.75〜約0.90 wt-%の窒素の範囲にある。さらなる実施形態は約0.78〜約0.90 wt-%の窒素を含む。
クロムはいくつかの理由から本発明の合金において重要である。良好な耐食性のためには高いクロム含有量が必要とされる。クロムは不動態皮膜の形成において必須の元素である。他の元素は皮膜の形成または維持においてクロムの効力に影響を与え得るが、他の元素はいずれも、それ自身でステンレス鋼のこの特性を作り出すことはできない。高い腐食抵抗値のためには、本発明の合金のクロム含有量は少なくとも約19.0重量%でなければならない。クロムは溶融相と固相との両方において窒素の溶解度を増加させ、これにより、合金中の窒素含有量を増加させることができる。高いクロム含有量はマルテンサイト変態に対するオーステナイト相の安定化にも寄与する。一方、クロムはフェライト安定化元素であるので、クロムが非常に高い割合で存在することは、強磁性フェライトの存在を引き起こす。本発明の合金の常磁性特性を維持するために、いくつかの実施形態におけるクロム含有量は約19.0〜約23.0重量%であり、他の実施形態においては、クロム含有量は約19.0〜約21.0 wt-%の範囲にある。さらなる実施形態はクロムを約19.0〜約20.0 wt-%の範囲で含む。
ニッケルは、炭素および窒素に続いて、もっとも効果的なオーステナイト安定化元素である。ニッケルは、マルテンサイトへの変形に対するオーステナイト安定性を増加させ、また材料の降伏強度、強靱性、および耐孔食性を増加させる。ニッケルにより、フェライトグレードのステンレス鋼は塩化物溶液中で応力腐食割れの影響を受けやすくなる。しかしながらオーステナイト系ステンレス鋼においては、ニッケルは再不動態化の促進において効果的である。米国特許第6,454,879号には、十分に良好な腐食特性のためには、ニッケルは、本発明の合金におけるレベル未満、好ましくは0.96 wt %未満のレベルに制限するべきであることが教示されている。この教示に反して、驚くべきことに、本発明の合金の不動態化する能力を最適化するためには約1〜2 wt-%のニッケルが必要であることが見出された。しかしながら、有効腐食速度(active corrosion rate)を減少させるためには、最低約2.7 wt-%(好ましくは最低約3 wt-%)のニッケルが必要である。
本発明の合金において、ニッケルは、中性溶液中室温での合金の臨界孔食電位を、80,000 ppm 塩化物溶液中で450mVよりも大きい値まで改善する。この値はすべての市販のCr-Mn-Nオーステナイト系ステンレス鋼よりも高い。本発明の合金において、オーステナイト構造を達成し、また本発明の合金の耐食性特性を最大化するのに十分高い合金中Mo含有量を可能にするためには、最低約2.70 wt-%のニッケルが必要である。本発明の合金中の高いニッケル含有量は、オーステナイト構造をデルタフェライトまたはシグマ相の形成から保護するために必要である。よって、本発明の合金のいくつかの実施形態は約2.70〜約5.00 wt-%のニッケルを含み、他の実施形態は約2.70〜約4.25 wt-%のニッケルを含む。さらなる実施形態は約2.75〜約4.20 wt-%のニッケルを含み、よりさらなる実施形態は約3.50〜約4.20 wt-%のニッケルを含む。
クロムと組み合わせたモリブデンは、塩化物の存在下での不動態皮膜の安定化の点から非常に効果的である。モリブデンは孔食および隙間腐食の開始に対する耐性を増加させることにおいて特に効果的である。しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼に加えることができるモリブデンの量は、合金を脆化し、耐孔食性を減少させるシグマ相およびカイ相の析出開始により制限される。モリブデンを含まないオーステナイト系ステンレス鋼への窒素の添加は耐孔食性を改善するが、窒素の効果はモリブデンの存在下で顕著に高められる。この窒素とモリブデンの複合された有益な効果は、孔食に対する耐性を増加させ、また市販のCr-Mn-Nオーステナイト系ステンレス鋼に比べて高い臨界孔食電位を達成するために、本発明の合金に使用される。しかしながら、モリブデンは強力なフェライト形成剤であり、その含有量は制御されなければならない。いかなるフェライト材料も形成することなくモリブデンの有益な効果を活用する目的で、本発明の合金のいくつかの実施形態のモリブデン含有量は約1.35〜約20.0 wt-%に制限され、他の実施形態は約1.40〜約1.80 wt-%のモリブデンを含む。よりさらなる実施形態は約1.40〜約1.75 wt-%のモリブデン濃度を有する。
銅は本発明の合金の冶金学的安定性に影響を与える。銅はオーステナイト安定剤であり、本発明の合金の常磁性特性を補助するために加えられる。最高約1.00 wt-%までの銅は、その不動態化能、耐孔食性、および有効腐食速度の点から有益である。米国特許第6,454,879号には、所望の程度の耐食性を達成するためには、Cr-Mn-Nオーステナイト鋼中の銅が最高約0.3 w-t%、好ましくは約0.25 wt-%未満でなければならないことが教示されている。この教示とは対照的に、驚くべきことに、少なくとも約0.35 wt-%の銅含有量が最良の腐食特性を達成することが見出された。よって、銅は、本発明の合金のいくつかの実施形態において約0.35〜約1.00 wt-%の量で存在し、他の実施形態において約0.35〜約0.85 wt-%存在する。さらなる実施形態は約0.35〜約0.75 wt-%の銅濃度を有し、よりさらなる実施形態は約0.50〜約0.75 wt-%の銅濃度を有する。
ホウ素は、本発明の合金の粒間耐食性および耐孔食性を増加させるために本発明の合金に加えられる。高すぎるホウ素含有量においては、耐食性が損なわれ得る。したがって、本発明のいくつかの実施形態の合金中のホウ素含有量は約0.002〜約0.006重量%である。他の実施形態のホウ素レベルは約0.003〜約0.006 wt-%である。これらのレベルにおいて、ホウ素は溶解して存在し、また、耐孔食性に対して有益な効果を提供する。ホウ素は(Cr2)3C6の析出も抑制し、よって本発明の合金の粒間耐食性に対して有益な効果を有する。
硫黄は、特に高マンガンステンレス鋼において、易溶性硫化物介在物を形成することにより耐食性に影響を及ぼす。これらの硫化物の形態および組成は、耐食性、特に耐孔食性に大きな影響を与え得る。したがって、本発明の合金の硫黄含有量は、いくつかの実施形態において、最高約0.01 wt-%に制限される。他の実施形態は最高約0.006 wt-%の硫黄を含む。よりさらなる実施形態の硫黄含有量は約0.003 wt-%である。
粒界においてクロムと共にリンが富化すると、Cr-P化合物が形成し得る。Crが豊富なリン化物の形成は近隣領域のCrを枯渇させ、粒界腐食を引き起こし得る。したがって、本発明の合金が最小量のリンを含むことが重要である。本発明の合金のいくつかの実施形態は最高約0.030 wt-%のリンを含み、他の実施形態は最高約0.025 wt-%のリンを含む。よりさらなる実施形態は最高約0.020 wt-%のリンを含む。
本発明の合金による一連のヒート(heat)を溶融し、バー(bar)を鍛造して降伏強度、引張強度、伸長率、断面減少率、および衝撃靱性(impact toughness)を試験した。これらのヒートの組成を表1に示し、機械的特性を表2および3に示す。表1〜3は、本発明の合金の種々の特性と市販の鋼との比較も示す。下に示すように、本発明の合金は、より高い降伏強度、より高い耐孔食性のための所望の組み合わせの特性を満たし、非透磁率、および粒間腐食に対する耐性を維持する。上述のすべての試料は、透磁率、降伏強度、改善された耐孔食性、粒間耐食性、最小硬度、およびノッチ付衝撃強度に対する上記の所望の基準を満たしていた。
Figure 2009541587
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臨界孔食電位(CPP)
この試験に用いた試験方法は、定電位および動電位アノード分極測定を行うための標準的な基準試験方法であるASTM G 5のガイドラインに従った。
試験片を、ホウ砂緩衝剤を用いて周囲温度で6.8〜7.0 pHに緩衝化した、脱気80,000 ppm塩化物溶液中に入れた。飽和カロメル電極(SCE)を参照電極として、白金メッシュを対極として使用した。試験片を試験開始前に1時間試験溶液と平衡化させた。SCEに対して-600mVから開始して、電位を0.1 mV/秒の速度で増加させた。
臨界孔食温度(CPT)
臨界孔食温度(CPT)は、ステンレス鋼の電気化学的な臨界孔食温度試験の標準試験法であるASTM G 150に従って測定した。試験片をカロメル参照電極および白金対極を有するセル内のNaClの1モル濃度溶液中に入れた。溶液を大気中で通気し、試料と参照電極との間に+700mVの電位を印加した。温度を1℃/分で増加させた。CPTを100 μA/cm2の電流密度が観察された温度であるとして決定した。
本明細書中で参照されるおよび/または出願データシートに記載されている、すべての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許文献は、参照により全て本明細書に組み込まれる。
本発明の特定のステップ、要素、実施形態および合金の用途を例示の目的で本明細書に示し説明したが、特に上記の教示に照らして、本発明の思想および範囲を逸脱することなく、当業者により修正が行われ得ることから、当然本発明がそれらに制限されないことが理解されよう。したがって、本発明は特許請求の範囲による以外は限定を受けるものではない。

Claims (15)

  1. 高い塩化物濃度を有する媒体中で高い強度、延性および降伏強度ならびに良好な耐食性を有するオーステナイト系常磁性材料であって、(wt-%で):
    最高約0.035の炭素;
    約0.25〜約0.75のケイ素;
    約22.0〜約25.0のマンガン;
    約0.75〜約1.00の窒素;
    約19.0〜約23.0のクロム;
    約2.70〜約5.00のニッケル;
    約1.35〜約2.00のモリブデン;
    約0.35〜約1.00の銅;
    約0.002〜約0.006のホウ素;
    最高約0.01の硫黄;および
    最高約0.030のリンを含み、フェライトを実質的に含まない、上記材料。
  2. 前記材料が約2.70〜約4.25 wt-%のニッケルを含む、請求項1に記載の材料。
  3. 前記材料が約2.75〜約4.20 wt-%のニッケルを含む、請求項2に記載の材料。
  4. 前記材料が約3.50〜約4.20 wt-%のニッケルを含む、請求項3に記載の材料。
  5. 前記材料が約0.35〜約0.85 wt-%の銅を含む、請求項1に記載の材料。
  6. 前記材料が約0.35〜約0.75 wt-%の銅を含む、請求項5に記載の材料。
  7. 前記材料が約0.50〜約0.75 wt-%の銅を含む、請求項6に記載の材料。
  8. 前記材料が、 (wt-%で):
    最高約0.030の炭素;
    約0.25〜約0.45のケイ素;
    約22.0〜約23.0のマンガン;
    約0.75〜約0.90の窒素;
    約19.0〜約20.0のクロム;
    約2.70〜約4.25のニッケル;
    約1.40〜約1.80のモリブデン;
    約0.35〜約0.75の銅;
    約0.003〜約0.006のホウ素;
    最高約0.006の硫黄;および
    最高約0.025のリンを含む、請求項1に記載の材料。
  9. 前記材料が、(wt-%で):
    最高約0.028の炭素;
    約0.30〜約0.45のケイ素;
    約22.0〜約23.0のマンガン;
    約0.78〜約0.90の窒素;
    約19.0〜約 20.0のクロム;
    約3.50〜約4.20のニッケル;
    約1.40〜約1.75のモリブデン;
    約0.50〜約0.75の銅;
    約0.003〜約0.006のホウ素;
    最高約0.003の硫黄;および
    最高約0.020のリンを含む、請求項8に記載の材料。
  10. 前記材料が約37より大きいPREN値を有する、請求項1に記載の材料。
  11. 前記材料が約37より大きく約39未満のPREN値を有する、請求項10に記載の材料。
  12. 前記材料が0.2%オフセットにおいて約140 ksiより大きい降伏強度を有する、請求項1に記載の材料。
  13. 前記材料が約140より大きく約190 ksi未満の降伏強度を有する、請求項12に記載の材料。
  14. 前記材料が、約37より大きいPREN値を有し、かつ0.2%オフセットにおいて約140 ksiより大きい降伏強度を有する、請求項1に記載の材料。
  15. 前記材料が、約37より大きく約39未満のPREN値を有し、かつ0.2%オフセットにおいて約140より大きく約190 ksi未満の降伏強度を有する、請求項14に記載の材料。
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