以下、添付図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、以下で説明される実施の形態に限定されず、他の形態に具体化できる。寧ろ、以下で紹介される実施の形態は、開示された内容が徹底的かつ完全になるように、そして、当業者に本発明の思想を十分に伝えることができるように提供されるものである。本明細書全体における同じ参照番号は、同じ構成要素を示し、説明の順序に従って提示される参照符号は、好ましい実施の形態によるものであって、その順序に限定されるものではない。添付図面における層及び領域の大きさは明確化するために誇張されたものである。また、ある層(又は膜)が他の層又は基板の「上」にあると言及される場合、それは他の層又は基板の上に直接形成され得るか、又はそれらの間に第3の層が介在し得る。
図1は、本発明の一実施の形態によるカンチレバー型プローブを含む形成物を説明するための平面図であって、図2は図1のI−I′線に沿って切断した断面図である。
図1及び図2に示すように、犠牲基板110上にプローブ122が配置される。プローブはチップ部122t及びビーム部122bからなることができる。さらに、プローブは接合部134をさらに含むことができる。チップ部122t及びビーム部122bは、トレンチ(trench)116a及び鋳型膜パターン(図示せず)による開口部からなる溝を充填する導電物質からなることがでできる。チップ部122tはビーム部122bの一側の下部に配置され、接合部134は、ビーム部130bと回路基板との間の付着のために、ビーム部130bの他側の上部に配置される。
図3乃至図18は本発明の一実施の形態によるカンチレバー型プローブの製造方法を説明するために図1のI−I′線に沿って切断した断面図である。
最初に、図3に示すように、犠牲基板110の全面に、酸化膜(oxide)からなる保護膜(passivation layer)112を形成する。トレンチを形成するための後続のウェットエッチング工程で異方性エッチングが可能であるように、犠牲基板110は結晶構造を有する物質であることが好ましい。例えば、犠牲基板110は上面の結晶方向が<100>である単結晶シリコン(silicon)であることが好ましい。保護膜112は、犠牲基板110に対してエッチング選択性を有する物質で形成できる。例えば、保護膜112は、シリコン酸化膜(silicon oxide)、シリコン窒化膜(silicon nitride)、シリコン酸化窒化膜(silicon oxide nitride)、及びフォトレジスト膜の中から選択された少なくとも一つで形成され得る。本発明の実施の形態における保護膜112は、シリコン酸化膜からなることができる。保護膜112をシリコン酸化膜で形成する方法として、犠牲基板110を熱酸化させる方法、又は化学的気相蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)工程を用いる方法などが使われ得る。
次に、図4に示すように、保護膜112の上部に、第1保護膜パターン112aを形成するための第1フォトレジストパターン114を形成する。第1フォトレジストパターン114は、予備トレンチ(preliminary trench)を形成するための後の工程であるエッチング工程においてエッチングマスクとして用いることができる。第1フォトレジストパターン114は、スピンコーティング(spin coating)によって保護膜112上にフォトレジストをコーティングした後、露光及び現像工程を遂行して形成され得る。
保護膜112上に形成された第1フォトレジストパターン114をエッチングマスクとして用いて、保護膜112をウェット又はドライエッチングして予備トレンチ(図5の116)が形成される領域を限定する第1保護膜パターン112aを形成する。第1保護膜パターン112aの上部の第1フォトレジストパターン114は、アセトン(acetone)などの化学物質を用いて除去できる。
それから、図5に示すように、第1保護膜パターン112aをエッチングマスクとして使用し、四フッ化炭素(CF4)、六フッ化硫黄(SF6)、八フッ化シクロブタン(C4F8)、及び酸素(O2)ガスの中から選択された少なくとも一つを工程ガスとして用いて、第1次異方性ドライエッチング工程を遂行して予備トレンチ116を形成する。第1次異方性ドライエッチング工程は、ディップトレンチ(deep trench)エッチング方法の一つである公知の反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)によって行われ得る。本発明の実施の形態では、六フッ化硫黄、八フッ化シクロブタン、及び酸素ガスを工程ガスとして用いて実施され得る。また、予備トレンチ116は、四つの側壁を有する四角形状であり得、好ましくは正方形であり得る。
その後、図6及び図7に示すように、予備トレンチ116の周辺に、第1保護膜パターン112aの上面を露出する第2フォトレジストパターン118を形成する。第2フォトレジストパターン118は、スピンコーティングによって犠牲基板110上に所定の厚さにフォトレジストをコーティングした後、露光及び現像工程を遂行して形成され得る。
第2フォトレジストパターン118をエッチングマスクとして用いて、露出された第1保護膜パターン112aをウェット又はドライエッチングして第2保護膜パターン112bを形成する。第2保護膜パターン112bは、トレンチを形成するための後続のエッチング工程においてエッチングマスクとして用いることができる。これにより、第2保護膜パターン112bは、犠牲基板110の上面を第1保護膜パターン112aに比べてさらに広く露出させることができる。
第2フォトレジストパターン118は、アセトンなどの化学物質を用いて除去できる。
次に、図8に示すように、第2フォトレジストパターン118が除去された犠牲基板110をエッチングして、予備トレンチ116に比べて幅及び深さが増加されたトレンチ116aを形成する。このエッチング工程は水酸化カリウム(KOH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH:Tetra−Methyl Ammonium Hydroxide)又はエチレンジアミンピロカテコール(EDP:Ethylene Diamine Pyrocatecol)をエッチャント(etchant)として使用することが好ましい。
周知のように、水産化カリウム(KOH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、又はエチレンジアミンピロカテコール(EDP)を使用する場合、シリコン基板のエッチング速度は結晶方向に依存する。例えば、<100>の結晶方向を有するシリコン基板は下方向(downward direction)に比べて横方向(lateral direction)の方がより速い速度でエッチングされ得る。その結果、犠牲基板110に形成された予備トレンチ116は下方向よりも横方向にさらに拡張され、トレンチ116aは図8に示すように広い上部と次第に狭くなる下部を有し得る。
本発明によれば、予備トレンチ116が拡張された結果物に対して、第2保護膜パターン112bをエッチングマスクとして使用する第2次異方性ドライエッチング工程を行って、トレンチ116aの深さを増加させることができる。第2次異方性ドライエッチング工程は、四フッ化炭素(CF4)、六フッ化硫黄(SF6)、八フッ化シクロブタン(C4F8)、及び酸素(O2)ガスの中から選択された少なくとも一つを工程ガスとして使用することが好ましい。第2次異方性ドライエッチング工程は、ディップトレンチエッチング方法の一つである公知の反応性イオンエッチングによって行われ得る。ここで、第2次異方性ドライエッチング工程は必要に応じて選択的に遂行され得る。例えば、第2次異方性ドライエッチング工程は、先に遂行された異方性ウェットエッチング工程によって形成されたトレンチ116aが緩やかな傾斜を有するようにするために遂行され得る。これにより、トレンチ116aは八角形状に形成され得る。
それから、図9及び図10に示すように、トレンチ116aを形成した後、トレンチ116aを形成するためのエッチング工程のエッチングマスクとして用いられた第2保護膜パターン112bを除去する。第2保護膜パターン112bはフッ酸(HF)などの化学物質を使用して除去できる。
本発明によれば、トレンチ116aが形成された犠牲基板110上に、後続の電気メッキ工程(electroplating process)を容易に行うために、メッキ用電極(図示せず)をコンフォーマル(conformal)に形成できる。メッキ用電極はスパッタリング(sputtering)方式を用いて順次に蒸着されるチタニウム膜(Ti)及び銅膜(Cu)であり得る。
第2保護膜パターン112bを除去した後、トレンチ116aを含む犠牲基板110上に鋳型膜パターン120を形成する。鋳型膜パターン120は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、及びフォトレジスト膜の中から選択された少なくとも一つで形成され得る。本発明の実施の形態における鋳型膜パターン120は、犠牲基板110上に所定の厚さにフォトレジストをコーティングした後、露光及び現像工程を遂行して形成され得る。
本発明の実施の形態によれば、鋳型膜パターン120内には、トレンチ116aを露出する開口部が形成される。トレンチ116a及び開口部は、プローブのチップ部及びビーム部を定義する鋳型として用いることができる。即ち、トレンチ116a及び鋳型膜パターン120による開口部は、チップ部及びビーム部を定義する溝をそれぞれ構成できる。
その後、図11及び図12に示すように、保護基板110に形成された溝を充填する導電膜122を形成する。導電膜122は、電気メッキ技術、化学的気相蒸着技術、及びスパッタリング技術の中から選択された少なくとも一つの方法を用いて形成できる。導電膜122はニッケル−コバルト(Ni−Co)合金で形成された導電物質であり得る。本発明の実施の形態における導電膜122は、電気メッキ技術を用いて形成され得る。
それから、鋳型膜パターン120の上面が露出されるまで、導電膜122を研磨及び平坦化する。その結果、チップ部122t及びビーム部122bが形成される。導電膜122を研磨及び平坦化する工程は、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)又はグラインディング(grinding)などの方法を用いることができる。
続いて、図13及び図14に示すように、ビーム部122bの一端の上面を露出する第1マスクパターン132を形成する。第1マスクパターン132は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、及びフォトレジスト膜の中から選択された少なくとも一つで形成され得る。本発明の実施の形態における第1マスクパターン132は、犠牲基板110上に所定の厚さにフォトレジストをコーティングした後、露光及び現像工程を遂行して形成され得る。
次に、第1マスクパターン132により露出されたビーム部122bの上部に接合部134を形成する。接合部134は後の工程でプローブを回路基板に付着する付着手段として使われ得る。接合部134は金(Au)で形成され得る。
もし、プローブカードを製造するための工程でプローブが付着される回路基板の所定部位にビーム部122bと連結するための接合部134が具備されると、図13及び図14で説明した接合部134を形成する工程は省略され得る。
その後、図15及び図16に示すように、化学溶液を用いるウェットエッチング方式で第1マスクパターン132及び鋳型膜パターン120を除去する。次いで、少なくとも接合部134を覆いつつチップ部122t周囲の犠牲基板110を露出する第2マスクパターン136を形成する。第2マスクパターン136は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、及びフォトレジスト膜の中から選択された少なくとも一つで形成され得る。本発明の実施の形態における第2マスクパターン136は、犠牲基板110上に所定の厚さにフォトレジストをコーティングした後、露光及び現像工程を遂行して形成され得る。
次に、図17及び図18に示すように、少なくともチップ部122tの下面及び側面が露出されるまで、第2マスクパターン136をエッチングマスクとして用いてチップ部122t周囲の犠牲基板110を部分的にエッチングする。チップ部122t周囲の犠牲基板110をエッチングする工程は、プラズマを用いるドライエッチング方式で遂行されることが好ましい。第2マスクパターン136は、接合部134を含むビーム部122bの所定部位のみを覆うため、チップ部122tは完全に露出され得る。これにより、チップ部122tは、図17に示すように、犠牲基板110から浮遊(floating)することができる。
その後、第2マスクパターン136を除去して接合部134を露出する。この工程は、化学溶液を用いるウェットエッチング方式で遂行されることが好ましい。これにより、チップ部122t、ビーム部122b、及び接合部134からなるプローブの下には、エッチングされず残存した犠牲基板110の一部がビーム部122bと接する。この時、プローブはチップ部122tの周辺領域で犠牲基板110に直接的に接せず、ビーム部122bを介して犠牲基板110に接することができる。
図19及び図20は、本発明の一実施の形態によるプローブカードの製造方法を説明するための工程断面図である。
図19及び図20に示すように、プローブを含む図18の形成物とは別途に、プローブが付着される回路基板210を作製する。プローブの接合部134と付着するために、回路基板210の所定位置にはバンプ212が形成され得る。さらに、バンプ212の表面には半田部(solder)214がさらに形成されることができ、半田部214は金(Au)とスズ(Sn)との合金で形成され得る。
プローブカードを製造するために、プローブの接合部134を、回路基板210のバンプ212の表面に形成された半田部214に付着させる。このような付着工程は、物理力を印加するステップと、半田部214を加熱するステップと、を含むことができる。この時、犠牲基板110に直接的に接しているビーム部122bは、物理力によるプローブの損傷を防止する構造的支持体としても用いることができる。また、上述したように、チップ部122tは犠牲基板110から浮遊する構造であるため、付着工程において、犠牲基板110との接触によるチップ部122tの物理的損傷を防止できる。即ち、従来の技術とは異なって、本発明はチップ部122tに物理的損傷を与えることなく、プローブを回路基板210に付着することができる。
プローブを回路基板210に付着した後、プローブを犠牲基板110から分離するためにビーム部122bと接して残存する犠牲基板110をエッチングする。上述したように、プローブのチップ部122tは犠牲基板110から浮遊する状態である。これにより、従来の技術とは異なって、プローブを完全に露出するために犠牲基板110を除去する間にチップ部122tに加えられる化学的損傷は最小化できる。
図21は、本発明の他の実施の形態によるカンチレバー型プローブを含む形成物を説明するための平面図であって、図22は図21のII−II′線に沿って切断した断面図である。
図21及び図22に示すように、犠牲基板310上にプローブが配置される。プローブはチップ部322t及びビーム部330bからなることができる。さらに、プローブは接合部334をさらに含むことができる。チップ部322tは、トレンチ316a及び鋳型膜パターン(図示せず)による開口部からなる溝を充填する導電物質からなることができる。チップ部522tはビーム部330bの一側に配置され、接合部334はビーム部330bの他側に配置される。接合部334は、ビーム部330bと回路基板との付着のために、ビーム部330bの他側の上部に形成され得る。ビーム部330bの下部にはビーム部330b及び犠牲膜326によって接続されないダミーチップ部(dummy tip portion)322dtがさらに形成され得る。ダミーチップ部322dtは、ビーム部330bの下部の溝を充填する導電物質からなることができる。図21及び図21に係る本実施の形態の説明において、チップ部322tが形成される犠牲基板310の領域を第1領域A、ダミーチップ部322dtが形成される犠牲基板310の領域を第2領域Bと称する。
図23乃至図42は、本発明の他の実施の形態によるカンチレバー型プローブの製造方法を説明するために図21のII−II′線に沿って切断した断面図である。図3乃至図18に基づき説明した類似の工程については説明を省略するか、又は簡略に説明する。
最初に、図23乃至図30に示すように、犠牲基板310の全面に、酸化膜からなる保護膜312を形成する。保護膜312の上部に、第1保護膜パターン312aを形成するための第1フォトレジストパターン314を形成する。保護膜312上に形成された第1フォトレジストパターン314をエッチングマスクとして用いて保護膜312をウェット又はドライエッチングして、予備トレンチ(図25の316)が形成される領域を限定する第1保護膜パターン312aを形成する。
第1保護膜パターン312aの上部の第1フォトレジストパターン314を除去する。第1保護膜パターン312aをエッチングマスクとして用いて第1次異方性ドライエッチング工程を遂行して、予備トレンチ316を形成する。予備トレンチ316は四つの側壁を有する四角形状であり得、好ましくは正方形であり得る。
予備トレンチ316の周辺に、第1保護膜パターン312aの上面を露出する第2フォトレジストパターン318を形成する。第2フォトレジストパターン318をエッチングマスクとして用いて、露出された第1保護膜パターン312aをウェット又はドライエッチングして第2保護膜パターン312bを形成する。次いで、第2フォトレジストパターン318を除去する。これにより、第2保護膜パターン312bは、犠牲基板310の上面を第1保護膜パターン312aに比べてさらに広く露出させることができる。
第2フォトレジストパターン318が除去された犠牲基板310をエッチングして、予備トレンチ316に比べて幅及び深さが増加されたトレンチ316aを形成する。このエッチング工程は、水産化カリウム(KOH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、又はエチレンジアミンピロカテコール(EDP)をエッチャントとして使用することが好ましい。
周知のように、水産化カリウム(KOH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、又はエチレンジアミンピロカテコール(EDP)を使用する場合、シリコン基板のエッチング速度は結晶方向に依存する。例えば、<100>の結晶方向を有するシリコン基板は下方向に比べて横方向の方がより速い速度でエッチングされ得る。その結果、犠牲基板310に形成された予備トレンチ316は下方向よりも横方向にさらに拡張され、トレンチ316aは図示されたように広い上部と次第に狭くなる下部を有し得る。
本発明によれば、予備トレンチ316が拡張された結果物に対して、第2保護膜パターン312bをエッチングマスクとして使用する第2次異方性ドライエッチング工程を遂行して、トレンチ316aの深さを増加させることができる。例えば、第2次異方性ドライエッチング工程は、前の工程である異方性ウェットエッチング工程で形成されたトレンチ316aが緩やかな傾斜を有するようにするために遂行され得る。これにより、トレンチ316aは八角形状に形成され得る。
トレンチ316aを形成した後、トレンチ316aを形成するためのエッチング工程のエッチングマスクとして用いられた第2保護膜パターン312bを除去する。第2保護膜パターン312bを除去した後、トレンチ316aを含む犠牲基板310上に鋳型膜パターン320を形成する。鋳型膜パターン320は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、及びフォトレジスト膜の中から選択された少なくとも一つで形成され得る。本発明の実施の形態における鋳型膜パターン320は、犠牲基板310上に所定の厚さにフォトレジストをコーティングした後、露光及び現像工程を遂行して形成され得る。
本発明の実施の形態によれば、鋳型膜パターン320内にはトレンチ316aを露出する複数個の開口部が形成される。この時、第1領域Aには、一つのトレンチ316aを露出する一つの開口部が配置され、第2領域Bには複数個のトレンチ316aを露出する複数個の開口部が配置される。第1領域Aのトレンチ316a及び開口部は、プローブのチップ部を定義する鋳型として用いることができ、第2領域Bのトレンチ316a及び開口部は、プローブと回路基板との付着工程において構造的支持体として使われるダミーチップ部の鋳型として用いることができる。即ち、トレンチ316a及び鋳型膜パターン320による開口部は、チップ部及びダミーチップ部を定義する溝を構成することができる。
それから、図31及び図32に示すように、犠牲基板310上に、第1領域A及び第2領域Bに形成された溝を充填する第1導電膜322を形成する。第1導電膜322は、電気メッキ技術、化学的気相蒸着技術、及びスパッタリング技術の中から選択された少なくとも一つの方法を使用して形成できる。第1導電膜322は、ニッケル(Ni)とコバルト(Co)との合金で形成された導電物質であり得る。本発明の実施の形態における第1導電膜322は電気メッキ技術を用いて形成され得る。
その後、鋳型膜パターン320の上面が露出されるまで、第1導電膜322を研磨及び平坦化する。その結果、第1領域A及び第2領域Bにはそれぞれチップ部322t及び複数個のダミーチップ部322dtが形成され得る。第1導電膜322を研磨及び平坦化する工程は、化学機械研磨(CMP)、エッチバック、又はグラインディングなどの方法を用いることができる。図30に基づき説明したように、鋳型膜パターン320は、第2領域Bの犠牲基板310に形成された少なくとも一つ以上のトレンチ316aを含む少なくとも一つ以上の開口部を有するため、チップ部322tの一側には少なくとも一つ以上のダミーチップ部322dtが形成され得る。
次に、図33及び図34に示すように、チップ部312t及びダミーチップ部312dtが形成された結果物上に、第2領域Bの上部を露出する第1マスクパターン324を形成する。第1マスクパターン324を形成する工程は、所定厚さのフォトレジストを形成した後、これを露光及び現象する工程を含むことができる。
本発明のこの実施の形態によれば、第1マスクパターン324を形成する前に、チップ部322t及びダミーチップ部322dtが形成された結果物上に、後の工程であるビーム部を形成するための電気メッキ工程を容易に行うために、順次に積層されたチタニウム膜及び銅膜からなるメッキ用電極(図示せず)を形成できる。この時、チタニウム膜及び銅膜はスパッタリング方式で蒸着できる。
第1マスクパターン324によって露出された第2領域Bの上部に犠牲膜326を形成する。犠牲膜326は、犠牲基板310を除去する後の工程で、ダミーチップ部322dtをビーム部から容易に除去するために形成され得る。これにより、犠牲膜326はプローブのエッチングを最小化しつつ除去され得る物質で形成されることが好ましい。例えば、犠牲膜326は、銅(Cu)又は亜鉛(Zn)で形成され得る。
続いて、第1マスクパターン324を除去する。第1マスクパターン324の除去は、鋳型膜パターン320がエッチングされることを防止するために、アッシング(ashing)方式を用いることが好ましい。これは、一般的なウェットエッチング方式で第1マスクパターン324を除去する場合、エッチング過程で鋳型膜パターン320が共にエッチングされ得るためである。
次に、図35及び図36に示すように、ビーム部を定義する開口部を有する第2マスクパターン328を形成する。第2マスクパターン328の開口部は、図示されたように、少なくとも犠牲膜326及びチップ部322tの上面を露出するように形成され得る。この時、第2マスクパターン328は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、及びフォトレジスト膜の中から選択された少なくとも一つで形成され得る。本発明の実施の形態における第2マスクパターン328は、犠牲基板310上に所定の厚さにフォトレジストをコーティングした後、露光及び現像工程を遂行して形成され得る。
その後、第2マスクパターン328を覆う第2導電膜330を形成する。第2導電膜330は、電気メッキ技術、CVD、及びスパッタリング技術の中から選択された少なくとも一つの方法を用いて形成できる。第2導電膜330は、第1導電膜322と同様にニッケル−コバルト合金で形成され得る。本発明のこの実施の形態における第2導電膜330は電気メッキ技術を用いて形成され得る。
電気メッキ技術を用いて第2導電膜330を形成する場合、チップ部322tとビーム部とが直接的に接触するために、図33に基づき説明したビーム部を形成するためメッキ用電極(図示せず)はチップ部322t上部から除去されることが好ましい。
その後、第2導電膜330を研磨及び平坦化して、チップ部322tに接続しつつ、犠牲膜326が形成されたダミーチップ部322dt上に延びるビーム部330bを形成する。第2導電膜330を研磨及び平坦化する工程は、CMP、エッチバック、又はグラインディングによって遂行され得る。この時、図33に基づき説明したように、ビーム部330は、犠牲膜326によって第2領域Bに配置されたダミーチップ部322dtと直接的に接触されないことができる。
次に、図37及び図38に示すように、第2マスクパターン328を除去して、第2領域B上のビーム部330bの一端の上面を露出する第3マスクパターン332を形成する。第3マスクパターン332は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、及びフォトレジスト膜の中から選択された少なくとも一つで形成され得る。本発明の実施の形態における第3マスクパターン332は、犠牲基板310上に所定の厚さにフォトレジストをコーティングした後、露光及び現像工程を遂行して形成され得る。
第2マスクパターン328の除去は、鋳型膜パターン320がエッチングされることを防止するために、アッシング方式を用いることが好ましい。これは、一般的なウェットエッチング方式で第2マスクパターン328を除去する場合、エッチング過程で鋳型膜パターン320が共にエッチングされ得るためである。又は、第2マスクパターン328を除去することなく、第2マスクパターン328上に第3マスクパターン332が形成され得る。これにより、除去されなかった第2マスクパターン328は、後の工程において第3マスクパターン332と共に除去され得る。
第3マスクパターン332によって露出された第2領域B上のビーム部330bの上部に接合部334を形成する。接合部334は後の工程でプローブを回路基板に付着する付着手段として使われることができる。接合部334は金で形成され得る。
もし、プローブカードを製造するための工程において、プローブが付着される回路基板の所定部位にビーム部330bと連結するための接合部334が具備されると、図38に基づき説明した接合部334を形成する工程は省略できる。
それから、図39及び図40に示すように、化学溶液を用いるウェットエッチング方式で第3マスクパターン332及び鋳型膜パターン320を除去する。次いで、少なくとも接合部334を覆いつつ第1領域Aを露出する第4マスクパターン336を形成する。第4マスクパターン336は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、及びフォトレジスト膜の中から選択された少なくとも一つで形成され得る。本発明のこの実施の形態における第4マスクパターン336は、犠牲基板310上に所定の厚さにフォトレジストをコーティングした後、露光及び現像工程を遂行して形成され得る。
図41及び図42に示すように、少なくともチップ部322tの下面及び側面が露出されるまで、第4マスクパターン336をエッチングマスクとして用いて第1領域Aの犠牲基板310を選択的にエッチングする。第1領域Aの犠牲基板310をエッチングする工程は、プラズマを用いるドライエッチング方式で遂行されることが好ましい。第4マスクパターン336は、接合部334を含む第2領域Bの所定部位のみを覆うため、第1領域Aに形成されたチップ部322tは完全に露出されると共に、第2領域Bに形成されたダミーチップ部322dtは一部が露出され得る。これにより、第1領域Aに形成されたチップ部322tは、図41に示すように、犠牲基板310から浮遊する。
その後、第4マスクパターン336を除去して、接合部334を露出する。この工程は化学溶液を用いるウェットエッチング方式で遂行されることが好ましい。これにより、チップ部322t、ビーム部330b及び接合部334からなるプローブの下には、犠牲膜326、ダミーチップ部322dt、及び犠牲基板310が残る。この時、プローブは犠牲基板310に直接的に連結されることなく、犠牲膜326及びダミーチップ部322dtを介して犠牲基板310に間接的に連結され得る。
図43及び図44は、本発明の他の実施の形態によるプローブカードの製造方法を説明するための工程断面図である。
図43及び図44に示すように、プローブを含む図42の形成物に加えて、プローブが付着される回路基板410を作製する。プローブカードを製造するためにプローブの接合部334を、回路基板410のバンプ412の表面に形成された半田部414に付着させる。このような付着工程は、物理力を印加するステップと、半田部414を加熱するステップと、を含むことができる。この時、犠牲基板410に直接的に連結されているダミーチップ部322dtは、物理力によるプローブの損傷を防止する構造的支持体として用いることができる。また、上述したように、チップ部322tは犠牲基板310から浮遊する構造であるため、付着工程において、犠牲基板310との接触によるチップ部322tの物理的損傷を防止することができる。即ち、従来の技術とは異なって、本発明はチップ部322tに物理的損傷を与えることなく、プローブを回路基板410に付着できる。
プローブを回路基板410に付着した後、プローブを犠牲基板310から分離するために犠牲膜326をエッチングする。犠牲膜326は、犠牲膜に適合するエッチャントを用いてエッチングできる。上述した本発明のこの実施の形態によれば、犠牲膜326は銅(Cu)、又は亜鉛(Zn)で形成されるため、犠牲膜用のエッチャントとして、銅用のエッチャント、又は亜鉛用のエッチャントを使用することができる。上述したように、プローブは、犠牲膜326及びダミーチップ部322dtを介して犠牲基板310に連結されている状態である。これにより、上述したように、犠牲膜326がエッチングされる場合、プローブは犠牲基板310から容易に分離され得る。これにより、従来の技術とは異なって、プローブを完全に露出するために犠牲基板310を除去する間にチップ部322tに加えられる化学的損傷を最小化できる。