本発明の実行は、他に特に指示しない限り、当分野の技術の範囲内で化学、生化学、および薬理学の従来方法を使用するであろう。そのような技術は、文献において十分に説明されている。例えば、A.L. Lehninger,Biochemistry(Worth Publishers,Inc.,current addition);Morrison and Boyd,Organic Chemistry (Allyn and Bacon,Inc.,current addition);J. March,Advanced Organic Chemistry(McGraw Hill,current addition);Remington:The Science and Practice of Pharmacy,A. Gennaro,Ed.,20th Ed.;Goodman & Gilman The Pharmacological Basis of Therapeutics,J. Griffith Hardman,L.L. Limbird,A. Gilman,10th Ed.を参照されたい。
上記または下記のいずれであろうと、本明細書に言及したすべての刊行物、特許および特許出願は、これにより参照して全体として組み込まれる。
用語の定義
本発明を詳細に記載する前に、本発明は、添付の明細書、実施例および図面から明白であるように、それ自体が変動する可能性があるので、特定の実施形態には限定されないことを理解されたい。
本明細書および意図される特許請求項で使用されるように、単数形「1つの」および「その」は、状況が明白に他のことを指令しない限り、複数の指示対象を含んでいる。そこで、「1つの薬物」との言及は、単数の薬物ならびに2つ以上の同一もしくは相違する薬物を含んでおり、「1つの任意の賦形剤」との言及は、単数の任意の賦形剤ならびに2つ以上の同一もしくは相違する任意の賦形剤などを意味する。
本発明を記載および請求する際に、以下の用語は、以下に記載する定義にしたがって使用される。以下の定義は、用語が単独で、もしくは別の用語と組み合わせて使用されるかどうかに関わらず適用される。つまり、「アルキル」の定義は、「アルキル」、ならびに「アルコキシ」、「アルキルアミノ」などの「アルキル」部分に適用される。
「アルキル」は、典型的には、長さが約1〜20原子の範囲に及ぶ炭化水素鎖を意味する。そのような炭化水素鎖は、必ずではないが好ましくは飽和しており、分枝状もしくは直鎖状であってよいが、典型的には直鎖状が好ましい。典型的なアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、3−メチルペンチルなどが含まれる。本明細書で使用する「アルキル」は、3つ以上の炭素原子が言及される場合は、シクロアルキルを含んでいる。
特定の官能基に関連する「低級」は、1〜6個の炭素原子を有する基を意味する。
例えば、「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基を意味しており、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどによって例示されるように、直鎖状もしくは分枝状であってよい。
「シクロアルキル」は、架橋、縮合、もしくはスピロ環状化合物を含み、好ましくは3〜約12個、より好ましくは3〜約8個の炭素原子から構成される、飽和もしくは不飽和環状炭化水素鎖を意味する。
用語「アルキレン」は、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンなどの直鎖状もしくは分枝状アルキレン鎖を含んでいる。
「非干渉性置換基」は、分子中に存在する場合は、典型的にはその分子に含有される他の官能基と非反応性である基である。
例えば「置換アルキル」もしくは「置換アリール」におけるような「置換(された)」は、例えば、C3−C8シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチルなど)、ハロゲン(例、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード)、シアノ、オキソ、アシル、エステル、スルフヒドリル、アミノ、チオアルキル、カルボニル、カルボキシル、カルボキサミド、アルコキシ、低級アルキル、アリール、置換アリール、フェニル、置換フェニル、環状アミド(例、シクロペンタミド、シクロヘキサミドなど、モルホリンアミド、テトラヒドロキノリンアミド、テトラヒドロイソキノリンアミド、クマリンアミドなど)などであるがそれらに限定されない1つまたは複数の非干渉置換基で置換された部分(例、アルキルもしくはアリール基)を意味する。フェニル環上の置換基については、置換基は任意の配向(すなわち、オルト、メタ、もしくはパラ)にあってよい。
「アルコキシ」は、−O−R基(式中、Rは、アルキルもしくは置換アルキル、好ましくはC1−C20アルキル(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなど)、好ましくはC1−C7である)を意味する。
本明細書で使用する「アルケニル」は、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、テトラデセニルなどの、少なくとも1つの二重結合を含有する長さが1〜15原子の分枝状もしくは非分枝状炭化水素基を意味する。
本明細書で使用する用語「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を含有する、エチニル、n−プロピニル、イソプロピニル、n−ブチニル、イソブチニル、オクチニル、デシニルなどの、長さが2〜15原子の分枝状もしくは非分枝状炭化水素基を意味する。
「アリール」は、各々が5もしくは6個のコア炭素原子である1つまたは複数の芳香族環を意味する。アリールは、ナフチルにおけるように縮合であってよい、またはビフェニルにおけるように縮合されていなくてもよい複数のアリール環を含んでいる。アリール環は、さらに1つまたは複数の環状炭化水素、ヘテロアリール、または複素環と縮合されていても、縮合されていなくてもよい。本明細書で使用する「アリール」は、ヘテロアリールを含んでいる。好ましいアリール基は、1つまたは複数の芳香族環を含有している。
「ヘテロアリール」は、好ましくはN、O、もしくはS、またはそれらの組み合わせである1〜4個のヘテロ原子を含有するアリール基である。ヘテロアリール環は、さらに1つまたは複数の環状炭化水素、複素環、アリール、もしくはヘテロアリール環と縮合されていてよい。典型的なヘテロアリール環には、ピリジン、ピリダジン、ピロール、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、テトラヒキノリン、テトラヒキノリンアミド、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリンアミド、クマリン、クマリンアミドなどが含まれる。
「複素環」もしくは「複素環式」は、不飽和もしくは芳香族性を伴う、もしくは伴わない、そして炭素ではない少なくとも1つの環状原子を有する、5〜12個の原子、好ましくは5〜7個の原子の1つまたは複数の環を意味する。好ましいヘテロ原子には、硫黄、酸素、および窒素が含まれる。
「置換ヘテロアリール」は、置換基として1つまたは複数の非干渉基を有するヘテロアリールである。
「置換複素環」は、非干渉置換基から形成される1つまたは複数の側鎖を有する複素環である。
本明細書で使用する「アミノ」は、一置換アミノ化合物および二置換アミノ化合物の両方を包含している。例えば、アミノは、部分−NRaRb(式中、RaおよびRbは、各々独立して−H、アルキル、アリール、もしくはアルキルアリールである)を意味する。
本明細書で言及するカルバモイル誘導体、例えば、カルバモイルオキシ、カルバモキシチオ、およびカルバモイルアミノは、カルバモイル部分を包含するが、このときその中に含まれるアミノ基は、上記のアミノ基についての定義下で規定されたように、未置換、一置換もしくは二置換であってよい。
用語「反応性」もしくは「活性化」は、特定の官能基と結び付けて使用した場合は、典型的には、変換を受けるために、別の分子に存在する、求電子試薬もしくは求核試薬と容易に反応する官能基を意味する。これは、反応するために強力な触媒もしくは厳しい反応条件を必要とする官能基(すなわち、「非反応性」もしくは「不活性」基)とは対照的である。
用語「保護(された)」もしくは「保護基」は、所定の反応条件下で分子中における特定の化学的反応性官能基の反応を防止もしくは遮断する部分(すなわち、保護基)の存在を意味する。保護基は、保護される化学的反応性基のタイプならびに使用される反応条件、およびもしあれば、その分子内の追加の反応性基もしくは保護基の存在に依存して変動するであろう。当分野において公知である保護基は、Greene T.W.ら、Protective Groups in Organic Synthesis,3rd ed.,John Wiley & Sons,Inc.,New York,NY(1999)内に見いだすことができる。
本明細書で使用する用語「官能基」もしくはそれらの任意の同義語は、それらの保護形を包含することが意図されている。
「医薬上許容される賦形剤もしくは担体」は、本発明の組成物中に任意に含むことができる、そして患者へ有意に有害な毒物学的作用を惹起しない賦形剤を意味する。
「医薬上許容される塩」は、アミノ酸塩、無機塩を用いて調製された塩、例えば塩化物、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化物、および硝酸塩、または先行する塩のいずれかの無機酸塩形、例えば塩酸塩など、または有機カルボン酸もしくはスルホン酸を用いて調製された塩、例えばリンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、エチルコハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩、パーム酸塩、サリチル酸塩およびステアリン酸塩、ならびにエストレート、グルセプテートおよびラクトビオン酸塩などの非毒性塩を含むがそれらに限定されない。医薬上許容されるカチオンを含有する類似の塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、およびアンモニウム(置換アンモニウムを含む)が含まれるがそれらに限定されない。
本明細書で記載する「活性分子」もしくは「活性物質」には、任意の薬剤、薬物、化合物、一部の薬理学的な、しばしば有益であるインビボもしくはインビトロで証明できる作用を提供する物質もしくは混合物の組成物が含まれる。これは、食品、栄養補助食品、栄養物、栄養補給食品、薬物、ワクチン、抗体、ビタミン剤、およびその他の有益な薬剤を含んでいる。本明細書で使用するように、これらの用語はさらに、患者において局所性もしくは全身性作用を生成する任意の生理学的もしくは薬理学的活性物質を含んでいる。
「実質的」もしくは「本質的」は、ほぼ完全もしくは完全に、例えば、一部の所定の量の95%以上を意味している。
「任意」もしくは「任意に」は、引き続いて記載された状況が発生する、もしくは発生しない可能性があることを意味するので、この説明は、その状況が発生する例およびその状況が発生しない状況を含んでいる。
「病理的疼痛」は、例えば機能不全および/または病理的変化、病変、熱傷、傷害などの結果として生じる任意の疼痛を意味する。病理的疼痛の1つの形態は、最初は神経損傷の結果として生じる、しかしグリア細胞活性化を含む他の機序によって引き延ばされる、もしくは悪化させられると考えられる疼痛である「神経因性疼痛」である。病理的疼痛の例には、温熱性もしくは機械性痛覚過敏、温熱性もしくは機械性異痛症、糖尿病性疼痛、過敏性腸もしくは他の内臓疾患から発生する疼痛、子宮内膜症性疼痛、幻肢痛、複合性局所疼痛症候群、線維筋痛症、腰痛、癌性疼痛、感染症、炎症もしくは末梢神経系もしくは中枢神経系への外傷から発生する疼痛、多発性硬化症性疼痛、絞扼性疼痛などが含まれるがそれらに限定されない。
「痛覚過敏症」は、過剰な過敏性もしくは感受性の結果として生じる疼痛などの、異常に増加した痛覚を意味する。痛覚過敏症の例には、寒冷もしくは熱性痛覚過敏症が含まれるがそれらに限定されない。
「痛覚過敏症」(もしくは「痛覚鈍麻」)は、減少した疼痛感覚を意味する。
「異痛症」は、皮膚もしくは身体表面への通常は非有害性刺激の結果として生じる痛覚を意味する。異痛症の例には、寒冷もしくは熱性異痛症、触知性もしくは機械的異痛症などが含まれるがそれらに限定されない。
「侵害受容」は、本明細書では疼痛感覚であると規定されている。本明細書での「侵害受容器」は、侵害受容を媒介する構造を意味する。侵害受容は、例えば、機械的、電気的、熱的などの物理的刺激、または化学的刺激の結果である可能性がある。侵害受容器は、身体の実質的に全組織中に存在する。
「無痛覚」は、本明細書では意識消失を伴わない疼痛の軽減であると規定されている。「鎮痛剤」は、同様に、意識消失を伴わずに、疼痛を軽減するために有用な薬剤もしくは薬物である。
用語「中枢神経系」もしくは「CNS」は、脊椎動物の脳および脊髄の全細胞および組織を含んでいる。そこで、これらの用語には、ニューロン細胞、グリア細胞、星状グリア細胞、脳脊髄液(CSF)、間質腔などが含まれるがそれらに限定されない。
「グリア細胞」は、小グリア細胞、星状グリア細胞、および乏突起グリア細胞としても公知であるCNSの様々な細胞を意味する。
用語「被験者」、「個体」もしくは「患者」は、本明細書では互換的に使用され、脊椎動物、好ましくは哺乳動物を意味する。哺乳動物には、マウス、齧歯類、類人猿、ヒト、家畜、競技用動物および愛玩動物が含まれるがそれらに限定されない。
用語「薬理学的有効量」もしくは「治療有効量」の組成物もしくは薬剤は、本明細書に提供するように、例えば神経因性疼痛の減少もしくは逆転などの所望の反応を提供するために組成物もしくは薬剤の非毒性であるが十分量を意味する。必要な正確な量は、患者毎に、被験者の種、年齢、および全身状態、治療される状態の重症度、使用される特定の薬物、投与様式などに依存して変動するであろう。任意の個別症例における適切な「有効」量は、当業者であれば、本明細書に提供された情報に基づいて、ルーチン実験を使用して決定することができる。
特に所定量に関連する用語「約」は、±5%の偏差を包含することが意図されている。
神経因性疼痛を「治療」もしくは「治療する工程」には:(1)疼痛を予防する、すなわち疼痛に曝露させられる可能性がある、もしくは疼痛に対する素因を有するが疼痛をまだ経験していない、もしくは示していない被験者において疼痛を発生させない、もしくは低強度で発生させること、(2)疼痛を阻害する、すなわち疼痛の発生を停止させる、もしくは逆転させること、または(3)疼痛を軽減する、すなわち被験者が経験する疼痛の量を減少させることが含まれる。
「存在する疼痛を治療する工程」は、少なくとも24時間、例えば24〜96時間以上、例えば25、30、35、40、45、48、50、55、65、72、80、90、96、100時間などにわたり疼痛を経験していた被験者において神経因性疼痛を弱める、緩和するもしくは逆転させる工程を意味する。この用語は、さらに数週間、数カ月間、もしくは数年間さえなどの長期間にわたり発生していた疼痛を治療することを意図している。
用語「嗜癖」は、本明細書では、強迫的に薬物を使用する、または側坐核内の細胞外ドーパミン濃度を増加させる行動を繰り返し実行することであると規定されている。嗜癖は、精神刺激薬、麻薬性鎮痛薬、アルコール、および例えばニコチン、カンナビノイド、またはそれらの組み合わせなどの常習的アルカロイドを含むがそれらに限定されない薬物であってよい。典型的な精神刺激薬には、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、フェンメトラジン、ジエチルプロピオン、メチルフェニデート、コカイン、フェンシクリジン、メチレンジオキシメタンフェタミンおよび医薬上許容されるそれらの塩が含まれるがそれらに限定されない。典型的な麻薬性鎮痛薬には、アルフェンタニル、アルファプロジン、アニレリジン、ベジトラミド、コデイン、ジヒドロコデイン、ジフェノキシレート、エチルモルヒネ、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、イソメタドン、レボメトルファン、レボルファノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、アヘン抽出物、アヘン液抽出物、粉末状アヘン、顆粒状アヘン、生アヘン、アヘンチンキ、オキシコドン、オキシモルホン、ペチジン、フェナゾシン、ピミノジン、ラセメトールファン、ラセモルファン、テバインおよびそれらの医薬上許容される塩が含まれるがそれらに限定されない。活性薬物は、さらに例えばバルビツール酸塩、クロルジアゼポキシドなどの中枢神経系抑制薬、ならびに例えばエタノール、メタノール、およびイソプロピルアルコールなどのアルコールもまた含んでいる。用語「嗜癖」は、さらに行動嗜癖、例えば強迫的摂食、飲酒、喫煙、買い物、賭博、セックス、およびコンピュータ使用を含んでいる。
嗜癖に苦しんでいる被験者は、嗜癖関連行動、薬物嗜癖の症例における物質使用への渇望もしくは行動嗜癖の症例における行動を繰り返す不可抗力の衝動、望ましくない結果(例えば、健康、人間関係および財務状況へのマイナスの影響、失業、もしくは収監)にもかかわらず薬物中止もしくは強迫行動をやめられないこと、ドーパミン遊離に関連する報酬/奨励作用、および依存性、またはそれらの任意の組み合わせを経験する。
薬物嗜癖に関連する嗜癖関連行動は、その物質への依存性によって特徴付けられる薬物の強迫的使用の結果として生じる行動を含んでいる。行動の徴候となるのは、(i)薬物の使用との確かな関係、(ii)その供給の確保、および(iii)使用中止後の高い確率の再発である。
置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン
本発明は、一般に、置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物を包含する。標準的なインビトロおよびインビボアッセイの両方における結果に基づいて、本発明の化合物は、神経因性疼痛を治療する際に、ならびに炎症を治療する際に有効であることが見いだされている。さらに、本発明の所定の化合物は、ホスホジエステラーゼの阻害剤である。以下では、これに続くセクションにおいて本発明のこれらやその他の特徴を説明しよう。
本発明の化合物は、一般に以下の構造:
これらの化合物は、一般にピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物と呼ばれるが、このとき非橋頭環状原子のナンバリングは、構造Iに示されている。本発明の化合物は、典型的には1つまたは複数の第2、第3、および/または第6の環位置で置換基を有する。すなわち、本発明の化合物は、第2の位置で単一置換基、第3の位置で単一置換基、または第6位で単一置換基を有することができる。そのような化合物は、一置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンと呼ばれる。または、本発明の化合物は、2,3−二置換、2,6−二置換、もしくは3,6−二置換であってよい。さらに、本発明の化合物は、2,3,6−三置換であってよく、置換基の各々は独立して選択される。好ましくは、本発明による化合物は、R2はイソプロピルで、R3は2−メチルプロパン−1−オンである場合に、R6はHではない化合物である。
一般に、上記の構造Iを参照すると、R2は、独立してH、またはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヒドロキシ、スルフヒドリル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、置換アリールオキシ、カルバモイルオキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、カルバモイルチオ、チオアリール、置換チオアリール、アミノ、およびカルバモイルアミノからなる群から選択される有機基である;
R3は、独立してH、またはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルからなる群から選択される有機基である;および
R6は、独立してH、またはヒドロキシ、スルフヒドリル、アルコキシ、アリールオキシ、チオアルキル、チオアリール、アミノ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シアノ、カルボキシル、およびカルボキサミドからなる群から選択される有機基である。具体的なカルボキサミド部分には、直鎖状アミノ部分、ならびにラクタム、モルホリンアミド、テトラヒドロキノリンアミド、テトラヒドロイソキノリンアミド、クマリンアミドなどが含まれる。好ましくは、R6はHである。
R2の好ましい実施形態は、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、および置換アリールを含んでいる。典型的な低級アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、2−エチル−1−メチルプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、ヘキシル、およびイソヘキシルが含まれる。好ましい低級アルキルおよび置換低級アルキル基には、次の:ヒドロキシル、シアノ、ヒドロキシイミノ、カルバモイルオキシ、およびハロのうちの1つまたは複数で任意に置換された上記が含まれる。特に好ましいR2には、低級アルキル、例えば一置換低級アルキルなどの置換低級アルキル、例えばイソプロピルおよび2−ヒドロキシプロパン−2−イル、アミノ、アリール、および置換アリールが含まれる。
典型的なアリール基および置換アリール基には、フェニル、ベンジル、ジフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル、およびそれらの置換形が含まれる。具体的なアリール基には、フェニル、一置換フェニル、二置換フェニル、および三置換フェニルが含まれる。特定の実施形態では、R2は、単独のハロゲンもしくはアルコキシ置換基のいずれかを有するフェニル環である。好ましいR2置換基には、例えば4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、および4−ヨードフェニルなどの4−ハロフェニル基、ならびに4−アルコキシフェニル置換基が含まれるが、このときアルコキシは好ましくは低級アルコキシである。
所定の例では、R3は、構造:
はピラゾロ[1,5−a]ピリジン環系を表し、指示した炭素は環状炭素3に結合しており、およびCは飽和もしくは不飽和であってよい)を有する。
構造II内のCが飽和である場合は、XおよびYは各々独立して−H、またはヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、シアノ、ハロ、スルフヒドリル、チオアルキル、低級アルキル、および置換低級アルキルからなる群から選択される有機基からなる群から選択される。
C(上記の構造IIに関する)が不飽和である場合は、XおよびYは、一緒になると、O、S、およびN−R11(式中、R11は、−OH、−O−C(O)−NR12R13、−O−C(O)−R14、およびCR15R16から選択され、R12、R13、R14およびR15は、各々−H、低級アルキル、およびアリールから独立して選択される)から選択される官能基Zに結合した二重結合を形成する。そこで、Cが不飽和である場合は、XおよびYは、炭素原子と一緒になると、特に以下の部分:〜C=O、〜C=S、〜C=N−OH、〜C=N−O−C(O)−NR12R13、〜C=N−O−C(O)−R14、〜C=CR15R16のうちの1つまたは複数を形成することができる。好ましい実施形態では、R12およびR13はどちらも水素である。
上記の構造IIを参照すると、R10は、独立してH、またはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、およびエステルから選択される有機基である。好ましい実施形態では、R10は、低級アルキルもしくは置換低級アルキルである。これらなどの典型的な置換基には、特にイソプロピルおよび2−ヒドロキシイソプロピルが含まれる。さらにまた別の実施形態では、R10は、エステル、例えば低級アルキルエステルである。
または、構造IIを参照すると、Cが不飽和である場合、XおよびYは、一緒になって、R10と一緒になると芳香族複素環、好ましくは窒素含有複素環の一部を形成するCへの二重結合を形成する。例えば、Cは、X、Y、およびR10と一緒に、それらの置換バージョンを含むピリジン環、ピラゾール環、ピリミジン環、ピリダジン環などの一部を形成することができる。好ましい置換基は、低級アルキルおよびハロである。
1つの典型的な実施例では、R3は上記の構造IIに対応するが、このときCは不飽和であり、そしてCは、X、Y、およびR10と一緒に、3−ピリジン−4−イル置換基を形成し、他方R2はイソプロピルである。
さらにまた別の具体的な実施形態では、R3は上記の構造IIに対応するが、このときCは不飽和であり、そしてCは、X、Y、およびR10と一緒に、ピリミジン環の第2位で置換基を有する置換ピリミジン環を形成し、他方R2はイソプロピルである。それらの特定の実施形態では、ピリミジン環の第2位にある置換基は、イソプロピルアミノ基である。好ましくは、ピリミジン環は、その第4位でコアのピラゾロ[1,5−a]ピリジン環へ結合している。
本発明の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物は、さらに以下の一般化構造:
(式中、Zは、O、N−OH、もしくはN−O−C(O)NH
2である;Wは、低級アルキルもしくはアミノである;およびVは、低級アルキルもしくは置換フェニルである)を有していてよい。1つの実施形態では、Vは、一置換フェニルであり、このとき置換基はオルト、メタもしくはパラであってよい。特定の実施形態では、Vが一置換フェニルである場合は、置換基はパラである。構造IIIによるまた別の典型的な構造には:(i)Wは−CH
3もしくは−NH
2であり、Vはイソプロピルもしくは4−フルオロフェニルである、(ii)ZはOであり、Wは−NH
2であり、Vはイソプロピルである、(iii)ZはN−O−C(O)NH
2であり、Wはメチルであり、Vはイソプロピルである、そして(iv)ZはN−OHであり、Wはメチルであり、およびVは4−フルオロフェニルである構造が含まれる。
今度は部分R6に目を向けると、1つまたは複数の実施形態では、R6は、−H、またはヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、および置換低級アルキルからなる群から選択される有機基であってよい。典型的な置換低級アルキル基には、特にハロメチル、ジハロメチル、およびトリハロメチルが含まれる。
さらにまた別の具体的な化合物は、以下に示す構造:
さらにまた別の典型的な置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物は、以下の一般化構造:
(式中、Zは、O、N−OH、もしくはN−O−C(O)NH
2である)を有する。
上記の構造Iに目を向けると、部分R3に関して、典型的なR3基には、アルキル、置換アルキル、アルカノイル(アシルとも呼ばれる)、および置換アルカノイルが含まれる。例えば、典型的なR3部分には、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルカノイル、および置換アルカノイルが含まれる。特に好ましいR3部分には、(i)例えばヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、およびシアノなどの1つまたは複数の極性置換基で置換された低級アルカノイル、および(ii)アルキルオキシムが含まれる。
具体的なR3基には、特に2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−アミノエタノン、2−メチルプロパン−1−オンオキシム、2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシム、4−クロロフェニルメタノン、4−メトキシフェニルメタノン、プロパン−1−オン、2−メチルプロパン−1−オール、および2−メチルプロプ−1−エニルイソブチレート、2−アミノ−プロパン−1−オン、および2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムが含まれる。
所定の例では、R6は、−H、またはヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、および置換低級アルキルからなる群から選択される有機基である。典型的な置換低級アルキル基には、特にハロメチル、ジハロメチル、およびトリハロメチルが含まれる。
好ましくは、R2、R3、およびR6の少なくとも1つは、水素以外の置換基である。
本発明の好ましい置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物には、本明細書で使用する以下の名称:1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1032、1033、1085、1087、1103、および1137に対応する化合物が含まれる。先行する化合物名称の各々に対応する構造は、添付の実施例、および表1に提供されている。
特に好ましい実施形態では、R2はイソプロピルであり、R3は2−アミノエタノン、2−アミノ−プロパン−1−オン、2−メチルプロパン−1−オンオキシム、および2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムから選択され、R6はHである。
特に好ましい置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物には、化合物1013である(2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン)、1014である(1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシム)、1019である(1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシム)、1103である(2−イソプロピル−3−ピリジン−4−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン)、および1137である(イソプロピル−[4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンが含まれる。
R2、R3およびR6の各々に対応する特定の実施形態は、表1および添付の実施例に提供されている。
上記で述べたように、本明細書に記載した置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの任意の1つまたは複数についての言及は、適切な場合は、任意およびすべてのエナンチオマー、ならびにラセミ混合物、プロドラッグ、それらの医薬上許容される塩形、水和物(例、一水和物、二水和物など)、溶媒和物、様々な物理形(例、結晶質固体、非晶質固体)、および代謝産物を含むエナンチオマーの混合物を包含することが意図されている。
置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンを合成する方法
本発明の2,3,6−置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物は、従来型の有機化学合成技術を用いて調製される。具体的な合成は、本明細書の少なくとも実施例1〜71および75〜78に提供されている。
本発明の2,3−置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物を調製するための1つの好ましい方法は、第3の環位置でアシル基を含むピラゾロ[1,5−a]化合物、すなわち「2−置換,3−アルカノイルピラゾロ[1,5−a]ピリジン」を提供するために有効な条件下で、2−置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンをアシル化する工程を含んでいる。反応物質である2−置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、典型的には、第2の環位置でアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヒドロキシ、スルフヒドリル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アルカノイル、カルバモイルオキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、カルバモイルチオ、チオアリール、置換チオアリール、アミノ、ハロ、およびカルバモイルアミノから選択される部分を有する。好ましい2−置換基には、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、置換アリール、アルコキシ、ハロ、およびアルカノイルが含まれる。特に好ましい2−置換基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、sec−ブチル、フェニル、ハロフェニル、およびメトキシフェニルが含まれる。
上述した方法では、2−置換,3−アルカノイルピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、任意にさらに1つまたは複数の所望の2,3−置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物へ変換される。例えば、結果として生じるケト官能基は、例えばClemmensen還元を使用してアルコールへ、またはアルキル基へさえ還元させることができる。または、ケト基は、オキシムへ、またはイミンもしくはヒドラゾンへ変換させられてよい。さらに別のアプローチでは、さらにそれ以上の変換を可能にするために、離脱基、例えばハロ基もしくは他の適切な官能基を含有する3−アルカノイルピラゾロ[1,5−a]ピリジンを調製することができる。好ましいアプローチでは、アシル化反応は、α−ハロケトンの形成を生じさせる。
本方法の特に好ましい実施形態では、アシル化反応は、Friedel−Craftsアシル化である。一般に、そのような反応は、AlCl3などの適切なLewis酸触媒の存在下で、例えばピラゾロ[1,5−a]ピリジンなどのアレーンを塩化アシルもしくはアシル無水物と反応させる工程によって実行される。例えばより軽いランタニドIIIトリフレートであるSc、Y、In、La、Ce、Pr、Dy、Er、Yb、Bi、およびThなどの、例えば金属トリフレートなどの他のLewis酸触媒もまた使用できる。本方法は、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン環系の唯一の位置でのアシル化を提供するために有効である。例えば、2−置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(例えば、第2位でアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルコキシ、エステル、もしくはハロ置換基などを有する)については、酸塩化物もしくは酸無水物とのFriedel−Craftsアシル化反応は、環系内の橋頭窒素の存在に起因して第3の環位置でのアシル基の導入を生じさせる。
1つの好ましいアプローチでは、アシル化反応は、塩化アルミニウムなどのLewis酸触媒の存在下で2−置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンをα−ハロアルカノイル塩化物と反応させ、2−置換,3−(α−ハロアルカノイル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジンを提供する工程によって実行される。結果として生じる2−置換,3−(α−ハロアルカノイル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、次にα−ハロ基を新しい官能基、例えばアミノ基、ニトリル基、ヒドロキシル基などと置換するための適切な求核試薬との反応によって、任意で所望の生成物へさらに変換させることができる。
または、オキシム−カルバメート置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンを調製するためには、アシル化反応は、置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンを対応するアシル誘導体を提供するために、Lewis酸触媒の存在下で、塩化アルカノイルと反応させる工程によって実行される。アシル基は、次に対応するオキシムへ変換される。対応するオキシム−カルバメートへのオキシムの変換は、オキシムを例えばイミダゾール−1−カルボキサミドなどの試薬と反応させる工程によって実行できるが、このとき一方もしくは両方のアミド窒素は、アルキル、置換アルキル、アリール、もしくは置換アリール基と任意に置換される。イミダゾール−1−カルボキサミド試薬は、典型的には、例えばイミダゾール、トリアゾール、トリエチルアミン、ピリジンなどの触媒量の弱塩基の存在下で、前駆体アミンおよびカルボニルジ−イミダゾールから生成される。この反応は、典型的にはテトラヒドロフラン、ジオキサン、またはジクロロメタンなどの塩素化炭化水素などの有機溶媒中で実行される。
置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物のための追加の具体的な合成アプローチは、添付の実施例に提供されている。特別には、コアのピラゾロ[1,5−a]ピリジン環構造の第2、第3、および/または第6位での特定タイプの置換基を導入するための典型的なアプローチが提供される。
反応生成物は、典型的には、再結晶化、蒸留、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィーなどを含む有機化合物のための多数の従来型精製技術のいずれかを用いて精製される。分離すべき特定成分および所望の生成物の特徴に依存して、多数のクロマトグラフィーカラムおよび充填材料のいずれかを使用できる。クロマトグラフィー技術には、順相、逆相、サイズ排除、イオン排除、およびイオン交換クロマトグラフィーが含まれる。エナンチオマーを分離するためには、例えば、Regis Technologies社およびChromtech社などから入手できるキラルカラムを用いてキラルクロマトグラフィーもしくはキラルHPLCを使用できる。例えば、Gubitz G., and Schmid,M.G.,Eds.Methods in Molecular Biology,Vol.243,Chiral Separations Methods and Protocols,Humana Pressを参照されたい。
生成物は、典型的には、例えばNMR分光法、質量分析法、IR、元素分析などの多数の分析技術のいずれかを用いて同定される。
使用方法
上述したような標準動物モデルを用いた試験結果に基づいて、本発明者らは、所定の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの投与は、驚くべきことに神経因性疼痛の重症度の測定可能な減少を提供することに、および詳細には、機械的異痛症などの所定のタイプの神経因性疼痛の重症度の測定可能な減少を提供することに有効であることを見出した。さらに、本明細書に提供される所定の化合物は、リポ多糖誘導性サイトカイン産生を阻害することに、そこで炎症状態を治療する際にそれらの有効性の適応を提供することに特に有効である。さらに、本発明の所定の化合物は、有効なホスホジエステラーゼ阻害剤である。そこで、本明細書に提供される薬理学的データ(表2を参照)に基づいて、本発明の化合物は以下の状態の1つまたは複数を治療する際に特に有効であると考えられる。
本発明の化合物は、特にウイルス性神経痛(例、ヘルペス、AIDS)、糖尿病性ニューロパシー、幻肢痛、断端/神経腫疼痛、虚血後疼痛(脳卒中)、線維筋痛症、反射性交感神経性萎縮症(RSD)、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、癌性疼痛、椎間板断裂、脊髄損傷、および三叉神経痛、癌化学療法誘導性神経因性疼痛、および偏頭痛などの所定の症候群と関連する神経因性疼痛を治療する際に有用である。
さらに、本発明の化合物は、アヘン剤耐性および離脱症状を治療する際に、および/または抗ウイルス薬として有用な可能性がある。
本明細書に提供した化合物は、抑うつを治療する際にもまた有用な可能性がある。
さらに、本発明の化合物は、被験者の側坐核内へのドーパミンの遊離を抑制することに有用な可能性がある。側坐核内へのドーパミンの遊離は、薬物使用を刺激する「報酬」および嗜癖に関連する強迫行動を媒介すると考えられる。
そこで、本発明の化合物は、嗜癖と関連するドーパミン媒介性「報酬」を軽減もしくは無効にするために、そこで被験者の嗜癖と関連する渇望ならびに付随する嗜癖関連挙動および離脱症状症候群を減少させる、もしくは排除するために使用できる。
所定の実施形態では、治療有効量の本発明のピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物は、薬物嗜癖を治療するために被験者へ投与される。被験者は、精神刺激薬、麻薬性鎮痛薬、アルコール、および例えばニコチン、カンナビノイド、またはそれらの組み合わせなどの常習的アルカロイドを含むがそれらに限定されない1つまたは複数の薬物に対して中毒になっている可能性がある。典型的な精神刺激薬には、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、フェンメトラジン、ジエチルプロピオン、メチルフェニデート、コカイン、フェンシクリジン、メチレンジオキシメタンフェタミンおよび医薬上許容されるそれらの塩が含まれるがそれらに限定されない。典型的な麻薬性鎮痛薬には、アルフェンタニル、アルファプロジン、アニレリジン、ベジトラミド、コデイン、ジヒドロコデイン、ジフェノキシレート、エチルモルヒネ、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、イソメタドン、レボメトルファン、レボルファノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、アヘン抽出物、アヘン液抽出物、粉末状アヘン、顆粒状アヘン、生アヘン、アヘンチンキ、オキシコドン、オキシモルホン、ペチジン、フェナゾシン、ピミノジン、ラセメトロールファン、ラセモルファン、テバインおよびそれらの医薬上許容される塩が含まれるがそれらに限定されない。中毒を引き起こしやすい薬物には、さらに例えばバルビツール酸塩、クロルジアゼポキシドなどを含むがそれらに限定されない中枢神経系抑制薬、ならびに例えばエタノール、メタノール、およびイソプロピルアルコールなどのアルコールもまた含まれる。
さらに他の実施形態では、治療有効量の本発明の化合物は、行動嗜癖を治療するために被験者へ投与される。行動嗜癖は、例えば強迫的摂食、飲酒、喫煙、買い物、賭博、セックス、およびコンピュータ使用を含む可能性があるがそれらに限定されない。
嗜癖に苦しんでいる被験者は嗜癖関連行動、薬物嗜癖の症例における薬物使用への渇望もしくは行動嗜癖の症例における行動を繰り返す不可抗力の衝動、望ましくない結果(例えば、健康、人間関係および財務状況へのマイナスの影響、失業、もしくは収監)にもかかわらず薬物使用を中止できない、もしくは強迫行動を止められないこと、ドーパミン遊離に関連する報酬/奨励作用、および依存性、またはそれらの任意の組み合わせを経験する。
薬物嗜癖に関連する嗜癖関連行動は、その物質への依存性によって特徴付けられる薬物の強迫的使用の結果として生じる行動を含んでいる。行動の徴候となるのは、(i)薬物の使用との確かな関係、(ii)その供給の確保、および(iii)使用中止後の高い確率の再発である。本明細書に提供した化合物は、上述したような嗜癖関連行動を治療するために有用な可能性がある。
上述した使用にしたがって特に好ましい化合物には、化合物1013、1014、1019、1103、および1137が含まれる。
さらに別の態様では、本発明の所定の化合物は、TNF−αおよび/またはIL−1βの有効な阻害剤である。それらがTNF−αおよびIL−1βのリポ多糖誘導性産生を阻害する能力に基づいて、本発明の化合物は、多数の炎症状態のいずれかを治療する際にも有用な可能性がある。本発明の化合物を投与することによって治療できる典型的な炎症障害には、関節リウマチ、気管支炎、結核、慢性胆嚢炎、炎症性腸疾患、急性膵炎、敗血症、喘息、慢性閉塞性肺疾患、例えば乾癬およびアトピー性皮膚炎などの皮膚炎症性障害、全身性炎症反応症候群(SIRS)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、癌関連性炎症、腫瘍関連性血管新生の減少、変形性関節症、糖尿病、移植片対宿主拒絶反応および関連性組織拒絶反応、クローン病、遅延型過敏反応、CNS疾患の免疫媒介性および炎症性要素;例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症などが含まれる。
本発明の化合物の薬理学的活性を試験する際には、所定の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンがホスホジエステラーゼ(PDE)を阻害することに特に有効であることが見いだされている。例えば、ホスホジエステラーゼ阻害を評価するための具体的なアッセイについて記載している実施例73を参照されたい。ホスホジエステラーゼは、細胞シグナリングに影響を及ぼす二次メッセンジャーであるcAMPおよびcGMPの細胞内レベルを調節する。PDE阻害剤のための治療適応には、高血圧、うっ血性心不全、血栓症、緑内障、喘息、自己免疫疾患および炎症が含まれる。そこで、上記の状態の任意の1つまたは複数は、本発明のピラゾロ[1,5−a]ピリジンを投与する工程によって治療できる可能性がある。上記に提供した特に好ましいホスホジエステラーゼ阻害剤は、化合物1004、1006、1008、1012、1019、1022、1024、1025、および1026が含まれる。
さらに、本明細書に提供した化合物は、哺乳動物被験者においてオピオイド離脱症状症候群を治療するために使用できる。すなわち、別の態様では、本明細書に記載した1つまたは複数の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンを投与する工程によって哺乳動物被験者におけるオピオイド離脱症状症候群を治療する方法が本明細書では提供される。典型的なオピオイドには、モルヒネおよびメタドンが含まれるがそれらに限定されない。
オピオイド駆動性進行性神経膠活性化は、神経膠が、前炎症性サイトカインであるインターロイキン−1(IL−1)、腫瘍壊死因子(TNF)、およびインターロイキン−6(IL−6)を含む神経興奮性物質を遊離することを引き起こす。これらの神経興奮性物質は、例えばモルヒネなどのオピオイド剤の疼痛緩和作用を妨害し、モルヒネと一緒に炎症促進性もしくは抗炎症性物質の共投与を含む実験によって証明されたように、離脱症状を引き起こす。実際に、モルヒネ鎮痛作用が確立されて次に消散させられる場合は、強力な鎮痛薬は、IL−1受容体アンタゴニストを注射することによって容易に回復させることができ、これは鎮痛薬の消散はモルヒネの鎮痛作用の消散よりむしろ疼痛増強性炎症促進性サイトカインの活性によって誘発されることを示唆している。
他のオピオイドの活性は、さらにまた神経膠の活性化によって対抗される可能性がある。試験は、神経膠および炎症促進性サイトカインが、少なくとも一部には、非古典的オピオイド受容体を介するメタドンの鎮痛作用を危険に曝すことを証明している(Hutchinson M.R.ら、(2005)Proc. Soc. Neurosci., in press)。これらの結果は、神経膠および炎症促進性サイトカインがメタドン離脱症状、およびおそらくは同様に他のオピオイドからの離脱症状に含まれることを示唆している。これらのデータは、さらに神経膠活性化の臨床的意味にまで及んでいるが、それはオピオイド剤間の交差耐性は、オピオイド剤を用いて慢性疼痛を治療するすべての試みを弱化させる、神経膠疼痛促進系の活性化によって説明できるためである。
これをまとめると、オピオイドは神経膠を興奮させ、これは順に、オピオイドの作用に対抗してオピオイド療法を中止すると離脱症状を作り出す神経興奮性物質(例えば炎症促進性サイトカイン)を遊離する。本明細書に記載した化合物などの、そのような神経膠の活性化を抑制する化合物は、さらにオピオイド離脱症状を治療するための有益な新規治療薬となる可能性がある。
さらにまた別の態様では、本明細書では被験者におけるオピオイド誘導性鎮痛を増強するための方法であって、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤もしくは例えば本明細書に記載した置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンなどの神経膠アテニュエーターの投与による方法が提供される。例えば、表2を参照されたい。特別には、急性もしくは亜慢性疼痛を治療もしくは予防する方法であって、オピオイド鎮痛薬と組み合わせた、例えば本明細書に提供する具体的な化合物などの有効量のホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤もしくは神経膠アテニュエーターの投与による方法が提供される。投与された置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物は、被験者におけるオピオイド誘導性鎮痛を増強する。
インビボおよびインビトロモデル
本明細書に提供した化合物の潜在的治療使用を評価するためには、標準的インビトロおよびインビボモデルを使用できる。例えば、任意の1つまたは複数の以下の標準的疼痛モデルは、例えば本明細書に記載した神経因性疼痛を治療するための化合物の能力を評価するために使用できる。
カラゲナン誘導性足痛覚過敏症モデル:カラゲナン足痛覚過敏症試験は、炎症性疼痛のモデルである。カラゲナンの皮下注射は、ラットの左後足に行われる。ラットは、選択された物質を用いて、例えばカラゲナン注射の30分間前、またはカラゲナン注射の2時間後に処置される。各動物について足感圧性は、カラゲナン注射の3時間後に無痛覚計を用いて試験される。例えば、Randallら、Arch. Int. Pharmacodyn.(1957)111:409−419を参照されたい。
選択された薬剤がカラゲナン誘導性足浮腫に及ぼす作用についても試験できる。本試験(例えば、Vinegarら、J. Phamacol. Exp. Ther.(1969)166:96−103を参照されたい)は、化合物が足カラゲナン注射によって惹起される浮腫の形成を逆転または防止する能力の評価を可能にする。足浮腫試験は、足測定値のためにプレチスモメーターを用いて実行される。選択された物質の投与後、カラゲナン溶液は、左後足の足底面上の側方足蹠へ皮下注射される。カラゲナン処置の3時間後に、処置された足(左)および未処置足(右)の体積は、プレチスモメーターを用いて測定される。
Von Freyフィラメント試験:機械的異痛症に化合物が及ぼす作用は、L−5脊髄神経の堅い結紮を用いてラット(有痛性末梢性ニューロパシーのモデル)におけるvon Freyフィラメント試験によって決定できる。外科手技は、Kimら、Pain(1992)50:355−363によって記載されたように実行される。機械的異痛症を評価するためにはvon Freyフィラメントの一連の較正値が使用される(Chaplanら、J. Neurosci. Methods(1994)53:55−63)。フィラメントは剛性を増加させながら、左後足の座骨神経分布における中足底面へ垂直に適用される。フィラメントは、屈曲が発生するまで緩徐に押し下げられ、その後4〜6秒間保持される。フィラメント適用順序および試行回数は、Dixonのアップダウン法(Chaplanら、上記)によって決定した。足のフリンチング(たじろぎ)やリッキング(舐め)ならびに結紮側での足の引っ込めは、陽性反応と見なされる。
慢性収縮性傷害:温熱および寒冷異痛性反応ならびに機械的異痛性感覚は、以下で記載するように、慢性収縮性傷害(CCI)を有するラットにおいて評価できる。片側性単ニューロパシーは、ラットにおいて、Bennettら、Pain(1988)33:87−107に記載された慢性収縮性傷害モデルを用いて作り出される。CCIは、下記のように、麻酔したラットにおいて作り出される。各ラットの後肢の外側面は、剃毛されて、Nolvasanを用いてスクラブされる。無菌技術を用いて、中−大腿レベルで後肢の外側面上に切開部が作製される。大腿二頭筋は、座骨神経を露出させるために鈍的切開される。各ラットの右後肢上では、4つの緩く結んだ結紮(例えば、クロム製ガット4.0;Ethicon、Johnson and Johnson社、ニュージャージー州サマヴィル)が、座骨神経の周囲でおよそ1〜2mm離して作製される。各ラットの左側では、座骨神経が結紮されないことを除いて同一の(疑似)切開が実行される。筋肉は、連続縫合糸パターン、例えば4−0 Vicryl(Johnson and Johnson社、ニュージャージー州サマヴィル)を用いて閉鎖され、覆っている皮膚は創傷クリップを用いて閉鎖される。ラットは、識別の目的で耳にタグが付けられ、その後に動物用ハウジングへ戻される。
本モデルは、実施例72において、より詳細に記載される。一般に、本発明の1.0g以上の慢性収縮性傷害閾値を示す化合物は、神経因性疼痛を治療する際に使用するために好ましいが、1.5g以上、または一層より好ましくは2.0g以上の慢性収縮性傷害閾値を示す化合物が特に好ましい。そこで、化合物1009、1012、1013、1014、1017、1019、1026、1085、1103、および1137は、異痛症を治療するために特に有益である。要約すると、上記の化合物は、機械的異痛症ラットモデルを用いて証明されたように、神経因性疼痛を治療する際に特に効果的である。
ラット神経因性疼痛のChungモデル:温熱および寒冷異痛性反応ならびに機械的異痛性感覚は、以下で記載するように、脊髄神経傷害(例、結紮、交流)後のラットにおいて評価できる。詳細は、最初にSH Kim and JM Chung, Pain(1992)50:355−363で記載されている。
癌化学療法誘導性ニューロパシー:パクリタキセル(taxol)を用いる化学療法誘導性ニューロパシーは、Polomanoら、Pain(1994)3:293−304に詳細に記載されている。ラットは、一連のtaxolの隔日の4回の腹腔内注射後に異痛症性になる。温熱および寒冷異痛症ならびにvon Freyフィラメントに反応する機械的異痛症は、以下に記載するように評価することができる。
Hargreaves試験:Hargreaves試験(Hargreavesら、Pain(1998)32:77−88)は、疼痛についての放射熱モデルでもある。CCIラットは、手術の少なくとも10日後に温熱性痛覚過敏について試験される。試験装置は、高温加熱(80〜82°F)ガラス製プラットフォームからなる。全試験群を表す8匹のラットを一度に、試験の少なくとも15分前にプラットフォームのガラス製床上の倒置プラスチック製ケージ内へ個別に収容する。ガラスの下方に配置された放射熱源は、各ラットの後足の足底へ向けられる。熱の適用は、足が引っ込められるまで(引っ込め待ち時間)または経過時間が20秒間になるまで継続される。この試行は、疑似手術を受けた足にも適用される。各足に、試行間に少なくとも5分間の間隔を開けて、2〜4回の試行が交代に実行される。これらの数値の平均値は、引っ込め待ち時間を表す。
寒冷異痛症モデル:行動試験の試験装置および方法は、Gogasら、Analgesia(1997)3:111−118に記載されている。ニューロパシー性(CCI)ラットにおいて寒冷異痛症を試験するための装置は、チャンバー底部から6cmの金属プレートを備えるプレキシガラス製チャンバーから構成される。チャンバーには金属プレートの2.5cmの深さまで氷および水が充填され、浴の温度は全試験を通して0〜4℃で維持される。各ラットはチャンバー内へ個別に配置され、タイマーがスタートされ、そして動物の反応待ち時間は約10分の1秒の単位まで測定された。「反応」は、動物が静止状態で旋回運動を行っていない場合に、右側の結紮された後肢の水から完全に出た迅速な引っ込めであると規定されている。動物が歩いたり回転したりしている間に異常に大きくなった四肢は、反応であるとは判定されない。結紮された足の水からの引っ込めについての動物のベースライン時スコアは、典型的には7〜13秒間である。最高浸漬時間は20秒間であり、試行間隔は20分間である。
ニューロパシー性疼痛のモデルに関する追加の情報は、以下の刊行物において入手できる。Bennett GJ, Xie YK(1988),“A peripheral mononeuropathy in rat that produces disorders of pain sensation like those seen in man”,Pain 33:87−107;Chaplan SR,Bach FW,Pogrel JW,Chung JM,Yaksh TL(1994),“Quantitative assessment of tactile allodynia in the rat paw”,J. Neurosci. Meth.53:55−63;Fox A, Gentry C,Patel S,Kesingland A,Bevan S(2003),“Comparative activity of the anti−convulsants oxcarbazepine,carbamazepine,lamotrigin and gabapentin in a model of neuropathic pain in the rat and guinea−pig”,Pain 105:355−362;Milligan ED,Mehmert KK,Hinde JL,Harvey LOJ,Martin D,Tracey KJ,Maier SF,Watkins LR(2000),“Thermal hyperalgesia and mechanical allodynia produced by intrathecal administration of the Human Immunodeficiency Virus−1(HIV−1)envelope glycoprotein, gp120”,Brain Res. 861:105−116;De Vry J, Kuhl E, Franken−Kunkel P, Eckel G(2004),“Pharmacological characterization of the chronic constriction injury model of neuropathic pain”,Eur.J.Pharmacol. 491:137−148. Polomano RC,Mannes AJ,Clark US,Bennett GJ (2001),“A painful peripheral neuropathy in the rat produced by the chemotherapeutic drug,paclitaxel”,Pain 94:293−304。
抗炎症活性を評価するためのモデルには、実施例74に記載されたように試験化合物へ曝露させたリポ多糖活性化末梢血単核球中での例えばTNF−α、IL−1βなどのサイトカイン産生の測定を含んでいる。結果は、表2に提供されている。これに関連して、抗炎症薬として使用するために好ましい化合物は、約50μM以下、好ましくは約40μM以下、および一層より好ましくは約30μM以下のIC50を有する化合物である。そこで、抗炎症薬として使用するために好ましい化合物には、1001、1004、1006、1007、1008、1009、1013、1014、1018、および1024が含まれる。慢性炎症性疾患は例えばTNF−αおよびIL−1βなどの数種の炎症促進性サイトカインの長期的産生によって惹起されるので、化合物がそのようなサイトカインのLPS刺激産生を効果的に阻害する能力は、1つまたは複数の炎症状態を治療する際の有効性の兆候を提供する。
抗炎症活性を評価するための追加のアッセイは、“Animal Models for Inflammation”, ILAR Journal,40(4),1999に記載されている。抗炎症活性を評価するために使用できる他の適切な動物モデルには、次のプロモーター:Gadd45b、iNos、IL−2、COX−2、Ptgs2、TNF−αなどのうちの1つによって駆動されるルシフェラーゼレポーターとともに、トランスジェニックマウスを使用するXenogen社(カリフォルニア州アラメダ)から入手できるLPTA(登録商標)動物モデルが含まれる。
投与方法
本発明の化合物は、全身性もしくは局所性のいずれかで投与できる。そのような投与経路には、経口、動脈内、クモ膜下腔、髄腔内、筋肉内、腹腔内、静脈内、鼻腔内、皮下、および吸入経路が含まれるがそれらに限定されない。
より詳細には、本明細書に提供した化合物は、経口、経直腸、経鼻腔、局所(経皮、エアロゾル、経口腔および舌下を含む)、経膣、非経口(皮下、筋内、静脈内および皮内を含む)、クモ膜下腔、および経肺を制限なく含む任意の適切な経路によって治療使用のために投与することができる。好ましい経路は、当然ながら、レシピエントの状態および年齢、治療される特定の状態、およびもしあれば使用される薬物の特定の組み合わせとともに変動するであろう。
例えば神経因性疼痛を治療するための1つの好ましい投与様式は、例えば定位固定注射によるなどの当技術分野において公知の神経外科技術を使用して、ニードル、カテーテルもしくは関連デバイスを用いて、末梢神経、網膜、背根神経節、神経筋接合部ならびにCNSへ、例えば心室領域および線条体(例、線条体の尾状核もしくは果核)、脊髄および神経筋接合部への注射により標的脊髄神経膠へ直接的である(例えば、Steinら、J. Virol 73:3424−3429,1999;Davidsonら、PNAS 97:3428−3432,2000;Davidsonら、 Nat.Genet. 3:219−223,1993;およびAlisky and Davidson,Hum. Gene Ther. 11:2315−2329,2000を参照されたい)。
脊髄神経膠を標的とするために特に好ましい方法は、脊髄組織自体内へではなくむしろクモ膜下腔内送達による。
例えば神経因性疼痛を治療するための、置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンをベースとする本発明の組成物を投与するためにまた別の好ましい方法は、例えばその後の背根神経節(DRG)への拡散を伴う硬膜上腔内への注射によって、DRGニューロンへの送達による。例えば、そのような組成物は、組成物をDRGへ拡散させるために有効な条件下でクモ膜下腔カニュレーションを介して送達できる。例えば、Chiangら、Acta Anaesthesiol. Sin.(2000)38:31−36;Jain,K.K.,Expert Opin.Investig.Drugs(2000)9:2403−2410を参照されたい。
CNSへのさらにまた別の投与様式は、対流増加送達(CED)系を使用する。この方法で、本発明の化合物は、CNSの広い面積にわたって多数の細胞へ送達することができる。対流増加送達デバイスは、本発明の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンを送達するために適切な可能性がある。好ましい実施形態では、本デバイスは、浸透圧ポンプもしくは輸液ポンプである。浸透圧ポンプおよび注入ポンプは、例えばAlzet Corporation、Hamilton Corporation、Alza社(カリフォルニア州パロアルト)などの様々な供給業者から市販で入手できる。典型的には、本発明の組成物は、下記のようにCEDデバイスによって送達される。カテーテル、カニューラもしくは他の注射デバイスは、選択された被験者におけるCNS組織内に挿入される。定位固定マップおよびポジショニングデバイスは、例えばASI Instruments社(ミシガン州ワーレン)から入手可能である。ポジショニングは、選択された標的へ注射デバイスを誘導するのに役立つようにCTおよび/またはMRIイメージングによって入手される解剖学的マップを用いて実行することもできる。CED送達に関する詳細な説明については、例えば、参照して全体として本明細書に組み込まれる米国特許第6,309,634号明細書を参照されたい。
用量
治療量は、経験によって決定することができ、そして治療される特定の状態、被験者、ならびに組成物中に含有される活性物質各々の有効性および毒性に伴って変動するであろう。投与される実際用量は、被験者の年齢、体重、および全身状態、ならびに治療される状態の重症度、医療従事者の判断、および投与される特定の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンに依存して変動するであろう。
治療有効量は当業者であれば決定することができ、各特定の症例の要件に合わせて調整されるであろう。一般に、本発明の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの治療有効量は、単回投与として、または複数回投与として投与される、約0.1〜1,000mg/日、より好ましくは1〜200mg/日、30〜200mg/日、1〜100mg/日、30〜100mg/日、30〜300mg/日、1〜60mg/日、1〜40mg/日、もしくは1〜10mg/日の総1日量の範囲に及ぶであろう。好ましい用量には、1日2回約10mg超、もしくは1日3回約10mg超、もしくは1日4回約10mg超の用量が含まれる。すなわち、好ましい用量は、約20mg超/日、または30mg超/日である。用量は、30mg/日、40mg/日、50mg/日、60mg/日、70mg/日、80mg/日、90mg/日もしくは100mg/日などから選択できる。用量および治療される正確な状態に依存して、投与は、1日〜数日間、数週間、数カ月間、および数年間さえの時間経過にわたって1日1回、2回、もしくは3回であってよく、さらに患者の生涯にわたる場合もある。具体的な投与レジメンは、少なくとも約1週間、約1〜4週間、1〜3カ月間、1〜6カ月間、1〜50週間、1〜12カ月間、もしくはそれ以上の期間にわたって継続されるであろう。
事実上、単位用量の本発明の任意の所定の組成物は、臨床医の判断、患者の必要などに依存して、様々な投与スケジュールで投与できる。特定の投与スケジュールは当業者には公知であろう、またはルーチン方法を使用して経験的に決定することができる。典型的な投与スケジュールには、制限なく、1日5回、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、隔日、週3回、週2回、週1回、月2回、月1回などの投与が含まれる。
調製物
本発明の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンを含むことに加えて、本発明の治療用調製物は任意で以下に記載する1つまたは複数の追加の成分を含有していてよい。
本発明の組成物は、置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンに加えて、1つまたは複数の医薬上許容される賦形剤もしくは担体を含んでいてよい。典型的な賦形剤には、制限なく、ポリエチレングリコール(PEG)、水素化ヒマシ油(HCO)、クレモフォール、炭水化物、デンプン(例、コーンスターチ)、無機塩、抗微生物剤、抗酸化剤、結合剤/充填剤、界面活性剤、潤滑剤(例、ステアリン酸カルシウムもしくはマグネシウム)、タルクなどの流動促進剤、錠剤崩壊剤、希釈剤、バッファー、酸、塩基、フィルムコーティング、それらの組み合わせなどが含まれる。
本発明の組成物は、例えば糖、アルジトールなどの誘導体化糖、アルドン酸、エステル化糖、および/または糖ポリマーなどの1つまたは複数の炭水化物を含むことができる。特定の炭水化物賦形剤には、例えば:フルクトース、マルトース、ガラクトース、D−マンノース、ソルボースなどの単糖類;ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなどの二糖類;ラフィノース、メレチトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなどの多糖類;およびマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)、ピラノシルソルビトール、ミオイノシトールなどのアルジトールが含まれる。
さらに本発明の組成物において使用するために適合するのは、例えばグリコール酸デンプンナトリウムなどのジャガイモおよびトウモロコシをベースとするデンプンおよび直接圧縮可能な加工デンプンである。
また別の代表的な賦形剤には、クエン酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせなどの無機塩もしくはバッファーが含まれる。
本発明の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン含有組成物はさらに、例えば微生物の増殖を予防もしくは阻止するために、抗微生物剤を含むことができる。本発明のために適合する抗微生物剤の非限定的例には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、thimersol、およびそれらの組み合わせが含まれる。
本発明の組成物は、1つまたは複数の抗酸化剤をさらに含有していてよい。抗酸化剤は、それにより本製剤の薬物または他の成分の変質を防止するために、酸化を防止するため使用される。本発明において使用するために適合する抗酸化剤には、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、スルホキシル酸ホルムアルデヒドナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよびそれらの組み合わせが含まれる。
追加の賦形剤には、ポリソルベートなどの界面活性剤、例えば、「Tween 20」および「Tween 80」、ならびにF68およびF88(どちらもBASF社、ニュージャージー州マウントオリーブから入手できる)などのPluronic(登録商標)、ソルビタンエステル、脂質(例、リン脂質、例えばレシチンおよびその他のホスファチジルコリン、ならびにホスファチジルエタノールアミン)、脂肪酸および脂肪酸エステル、例えばコレステロールなどのステロイド、ならびにEDTAなどのキレート剤、亜鉛およびその他の適切なカチオン類が含まれる。
さらに、本発明の組成物は、任意で1つまたは複数の酸もしくは塩基を含んでいてよい。使用できる酸の非限定的な例には、塩酸、酢酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、硫酸、フマル酸、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される酸が含まれる。適切な塩基の例には、制限なく、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、フマル酸カリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される塩基が含まれる。
組成物中の個別賦形剤の量は、賦形剤が果たす役割、活性物質成分の用量要件、および組成物の特定の必要に依存して変動するであろう。典型的には、任意の個別賦形剤の最適量は、ルーチンの実験を通して、すなわち(低用量から高用量に及ぶ)様々な量の賦形剤を含有する組成物を調製する工程、安定性およびその他のパラメーターを試験する工程、および次に有意な副作用を伴わずに最適性能が達成される範囲を決定する工程とによって決定される。
しかし一般には、賦形剤は、組成物中に重量で約1%〜約99%、好ましくは約5%〜約98%、より好ましくは約15%〜約95%の量で存在するであろう。一般に、本発明のイブジラスト組成物中に存在する賦形剤の量は、重量で以下の少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、もしくは95%さえから選択される。
これらの上記の医薬用賦形剤については、他の賦形剤と一緒に、“Remington:The Science & Practice of Pharmacy”,19th ed.,Williams & Williams,(1995),the “Physician’s Desk Reference”,52nd ed., Medical Economics, Montvale,NJ(1998)、およびKibbe,A.H.,“Handbook of Pharmaceutical Excipients,3rd Edition”, American Pharmaceutical Association,Washington,D.C.,2000に記載されている。
本発明による調製物(もしくはキット)は、本発明の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンに加えて、1つまたは複数の追加の活性物質、例えば神経因性疼痛を治療するために有効な薬物を含有していてよい。そのような活性剤には、ガバペンチン、メマンチン、プレガバリン、モルヒネおよび関連アヘン剤、カンナビノイド、トラマドール、ラモトリジン、カルバマゼピン、デュロキセチン、ミルナシプラン、および三環式抗うつ薬が含まれる。
ガバペンチンは、Neurontin(登録商標)としても知られており、神経伝達物質GABAと構造的に関連している。GABAと構造的に関連しているが、ガバペンチンはGABA受容体とは相互作用せず、GABAもしくはGABAアゴニストへ代謝変換されず、そしてGABA取り込みもしくは分解の阻害剤ではない。ガバペンチンは、脳のGABA取り込み担体のGABAAもしくはGABAB受容体では活性を有していないが、その代りに脳膜(電位感受性Ca2+チャネルの補助サブユニット)内の高親和性結合部位と相互作用する。正確な作用機序については、その生理学的作用部位が脳であること以外は不明である。ガバペンチンの構造は、それが自由に血液脳関門を通過することを許容する。インビトロでは、ガバペンチンはGABA合成酵素の作用を変調すること、神経組織からの非シナプスGABA応答を増加させること、そして数種のモノアミン神経伝達物質の遊離の減少を含む多数の薬理学的作用を有している。ガバペンチンの1日量は、典型的には約600〜2,400mg/日、より好ましくは約900〜1,800mg/日の範囲に及び、例えば、1日3回のように分割用量で投与される。従来型の単位製剤は、300もしくは400mgカプセル剤または600もしくは800mg錠剤である。
活性物質であるメマンチンは、受容体アンタゴニストである。メマンチンは、NMDA受容体作動カチオンチャネルへ結合する低〜中親和性非競合的(開口チャネル)NMDA受容体アンタゴニストとして機能すると考えられている。推奨1日量は、典型的には約5mg〜20mgの範囲に及ぶ。
アヘン剤であるモルヒネは、脳および身体を通して広範囲に分布させられるアヘン剤受容体を活性化することによってその作用を引き出す。アヘン剤が脳に到達すると、アヘン剤は脳内の多数の領域内で見いだされるアヘン剤受容体を迅速に活性化し、関係する脳の領域と相関する作用を生成する。δ、μ、およびκ受容体を含む、数種のタイプのアヘン剤受容体がある。アヘン剤およびエンドルフィンは、μ受容体部位へ結合することによって疼痛信号を遮断するように機能する。
カンナビノイド、例えばテトラヒドロカンナビノールは、CB1と呼ばれるカンナビノイド受容体へ結合する。CB1受容体は、脳および末梢組織中で見いだされる;CB1受容体は、中枢神経系において高量で存在しており、ほぼすべての神経伝達物質受容体のレベルを超える。「CB2」と呼ばれる追加のカンナビノイド受容体サブタイプもまた同定されている。例えば、Martin B.R.ら、“The Journal of Supportive Oncology,Vol. 2, Number 4,July/August 2004”を参照されたい。
その作用機序は未だ完全には解明されていないが、オピオイドであるトラマドールは、GABA作動系、ノルアドレナリン作動系およびセロトニン作動系の調節を通して機能すると考えられている。トラマドール、およびM1として公知であるその代謝産物は、μ−オピオイド受容体に結合する(そこでGABA作動性伝達にその作用を発揮する)、および5−HTおよびノルアドレナリンの再取り込みを阻害することが見いだされている。第2機序は、トラマドールの鎮痛作用がμ−オピオイド受容体アンタゴニストであるナロキソンによって完全には拮抗されないので貢献すると考えられる。典型的には、1日量は4〜6時間毎に約50〜100mgの範囲に及び、総1日量は400mgを超えない。
ラモトリジンは、グルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩(興奮性アミノ酸神経伝達物質)遊離を阻害する、電位感受性ナトリウムチャネルを遮断することによってニューロン膜を安定化させるフェニルトリアジンである。ラモトリジンの1日量は、典型的には25mg/日〜500mg/日の範囲に及ぶ。典型的な1日量には、50mg/日、100mg/日、150mg/日、200mg/日、300mg/日、および500mg/日が含まれ、700mg/日を超えない。
カルバマゼピンは、電位感受性ナトリウムチャネルを遮断することによって作用する。典型的な成人1日量は、1日1もしくは2回100〜200mgから一般に毎日2〜3回の分割投与で投与される1日800〜1,200mgの範囲に及ぶ。
デュロキセチンは、セロトニンおよびノルエピネフリンのニューロン取り込みの強力な阻害剤かつドーパミン再取り込みの弱い阻害剤である。典型的な1日量は、1日1回約40〜60mgから1日2回20〜30mgの範囲に及ぶ。
ミルナシプランは、セロトニンおよびノルエピネフリンの再取り込み阻害剤として作用する。1日量は、典型的には1日1もしくは2回約50〜100mgの範囲に及ぶ。
上記に提供された用量は単にガイドラインとなることが意図されている;本発明の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンとの併用療法中に投与すべき第2活性物質の正確な量は、当然ながら適宜に調整され、そして例えば意図される患者集団、特定の治療すべき神経因性疼痛症状もしくは状態、投与される活性物質間の潜在的相乗作用などの要素に左右され、そして当業者であれば本明細書に提供した指針に基づいて容易に決定できるであろう。
好ましくは、本組成物は、活性物質の安定性を向上させ、半減期を延長させるために調製される。例えば、置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、徐放性調製物で送達することができる。制御放出性もしくは徐放性調製物は、リポソームなどの担体もしくはビヒクル、酢酸エチレンビニルコポリマーおよびHytrel(登録商標)コポリマーなどの非吸収性不浸透性ポリマー、ヒドロゲルなどの膨潤性ポリマー、もしくはコラーゲンなどの吸収性ポリマーならびに吸収性縫合糸を製造するために使用されるような所定のポリ酸もしくはポリエステル中に活性物質を組み込むことによって調製される。さらに、本発明の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、粒子状担体でカプセル封入する、粒子状担体に吸着させる、または粒子状担体と結び付けることができる。粒子状担体の例には、ポリメチルメタクリレートポリマーに由来する粒子状担体、ならびにポリ(ラクチド)およびPLGとして公知であるポリ(ラクチド−コ−グリコリド)に由来する微粒子が含まれる。例えば、Jefferyら、Pharm. Res.(1993)10:362−368;およびMcGeeら、J. Microencap.(1996)を参照されたい。
送達形
本明細書に記載した組成物は、すべてのタイプの調製物を、そして詳細には全身性もしくはクモ膜下投与のために適合する調製物を包含している。経口製剤には、錠剤、ロゼンジ剤、カプセル剤、シロップ剤、経口懸濁剤、エマルジョン剤、顆粒剤、およびペレット剤が含まれる。代替調製物には、エアロゾル剤、経皮パッチ、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤、復元できる散剤もしくは凍結乾燥剤、ならびに液剤が含まれる。例えば注射前に固体組成物を復元するために適切な希釈剤の例には、注射用静菌水、5%デキストロース水溶液、リン酸緩衝食塩液、リンガー液、食塩液、無菌水、脱イオン水、およびそれらの組み合わせが含まれる。液状医薬組成物に関しては、液剤および懸濁剤が想定されている。好ましくは、本発明の組成物は、経口投与のために適合する組成物である。
今度は経口送達用調製物に目を向けると、錠剤は、任意で1つまたは複数の副成分もしくは添加物を用いて、圧縮もしくは成形によって作製できる。例えば適切な錠剤成形機内で散剤もしくは顆粒剤などの自由流動形にある活性成分を圧縮する工程と、任意で結合剤(例、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存料、崩壊剤(例、グリコール酸デンプンナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)および/または界面活性剤もしくは分散剤と混合する工程とによって調製される。
成形錠剤は、例えば、適切な錠剤成形機内で、不活性液体希釈剤により湿潤させた粉末状化合物の混合物を成形する工程によって作製される。錠剤は、任意にコーティングもしくは折り目付けすることができ、そして例えば、所望の放出特性を提供するためにヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な比率で用いて活性成分の持続放出もしくは制御放出を提供できるように調製することができる。錠剤には、任意で、胃以外の腸の部分における放出を提供するために、例えば薄膜、糖衣、もしくは腸溶コーティングなどのコーティングを用意することができる。錠剤およびカプセル剤製造のためのプロセス、装置、および委託製造は、当分野において周知である。
口腔内へ局所投与するための調製物には、一般にはスクロースおよびアカシアもしくはトラガントなどのフレーバー付き基剤中に活性成分を含むロゼンジ剤および例えばゼラチンおよびグリセリンもしくはスクロースおよびアカシアなどの不活性基剤中に活性成分を含むトローチ剤が含まれる。
局所投与するための医薬組成物は、さらにまた軟膏剤、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、散剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル剤もしくはオイル剤として調製することもできる。
または、本調製物は、活性成分および任意で1つまたは複数の賦形剤もしくは希釈剤で含浸させられた包帯もしくは絆創膏などのパッチ(例、経皮パッチ)もしくはドレッシング剤の形態にあってよい。局所調製物は、追加して、例えば数例を挙げると、ジメチルスルホキシデムビサボロール、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、およびD−リモネンなどの、皮膚もしくはその他の患部を通しての成分の吸収もしくは浸透を増強する化合物を含んでいてよい。
エマルジョン剤については、油相は、公知の方法で公知の成分から構成される。この相は乳化剤(さもなければエマルジェントとして公知である)だけを含んでいるが、望ましくは少なくとも1つの乳化剤と脂肪および/または油との混合物を含んでいる。好ましくは、親水性乳化剤が、安定剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含まれている。一緒に、乳化剤は、安定剤を伴って、もしくは安定剤を伴わずに、いわゆる乳化ろうを作り上げ、そしてろうは油および/または脂肪と一緒に、クリーム調製物の油分散相を形成するいわゆる乳化軟膏基剤を作り上げる。具体的なエマルジェントおよびエマルジョン安定剤には、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリルおよびラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。
直腸投与のための調製物は、典型的には、例えばカカオバターもしくはサリチル酸塩を含む適切な基剤を備える坐剤の形態にある。
膣投与のために適切な調製物は、一般には坐剤、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤もしくはスプレー剤の形態を取る。
担体が固体である経鼻投与のために適切な調製物は、例えば、約20〜約500ミクロンの範囲内にある粒径を有する粗散剤を含んでいる。そのような調製物は、典型的には例えば鼻の近位に保持された散剤の容器から、鼻腔を通しての迅速な吸入によって投与される。または、経鼻送達のための調製物は、液体の形態、例えば鼻腔用スプレーもしくは点鼻剤の形態にあってよい。
吸入用のエアロゾル化可能な調製物は、乾燥散剤系(例えば、ドライパウダー吸入器による投与のために適合する)、または、例えばネブライザーにおいて使用するために、液体形にあってよい。エアロゾル化溶液を送達するためのネブライザーには、AERx(商標)(Aradigm社)、Ultravent(登録商標)(Mallinkrodt社)、およびAcorn II(登録商標)(Marquest Medical Products社)が含まれる。本発明の組成物は、さらに医薬的に不活性な液体噴射剤、例えばクロロフルオロカーボンもしくはフルオロカーボン中の本明細書に記載した薬物の液剤もしくは懸濁剤を含有する、加圧計量吸入器(MDI)、例えばVentolin(登録商標)計量吸入器を使用して送達することもできる。
非経口投与のために適合する調製物には、注射に適合する水性および非水性等張性無菌液剤、ならびに水性および非水性無菌懸濁剤が含まれる。
本発明の非経口調製物は、任意で単位用量もしくは多用量密封容器、例えばアンプルおよびバイアル中に含有され、そして使用直前に、無菌液状担体、例えば注射用水の添加だけを必要とする凍結乾燥状態で保存することができる。即時注射液剤および懸濁剤は、以前に記載したタイプの無菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製することができる。
本発明の調製物はさらに、薬物成分の各々が、非徐放性調製物と比較して経時的に緩徐に放出もしくは吸収されるような徐放性調製物であってよい。持続放出型調製物は、活性物質のプロドラッグ系、リポソームもしくはポリマーマトリック、ヒドロゲルなどの遅延放出薬物送達系、または活性物質へのポリエチレングリコールなどのポリマーの共有結合を使用できる。
特に上述した成分に加えて、本発明の調製物は任意で、製薬分野および使用される調製物の特定タイプ、例えば、経口投与形における従来型の他の物質を任意で含むことができるが、経口投与のための組成物は、さらに甘味料、増粘剤もしくはフレーバー剤などの追加の物質を含むことができる。
本発明の組成物は、さらにまた獣医学用途のために適合する形態で調製することができる。
本発明をその所定の好ましい特定の実施形態と結び付けて記載してきたが、上記の説明ならびに下記の実施例は、本発明を例示することを意図しており、本発明の範囲を限定することは意図していないと理解されたい。本発明の範囲内の他の態様、利点および変形は、本発明が関与する分野の当業者には明白であろう。
材料および方法
添付の実施例において言及したすべての化学試薬、溶媒などは、他に指示しない限り、市販で入手できる。全NMRデータは、Bruker社またはVarian社によって製造された300MHzのNMR分析計によって生成した。
(実施例1)
2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)エタノンの合成
(a)ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(113g、1.0mol)を水(500mL)に溶解させ、2−メチルピリジン(279g、3mol)を加えた。この溶液を90℃で45分間攪拌し、氷中で冷却し、発泡を制御するためにK
2CO
3(138g、1mol)を少しずつ加えた。添加が完了した後、ベージュ色の懸濁液を40〜50℃のロータリーエバポレータ上で乾燥するまで蒸発させ、エタノール(450mL)を加え、吸引を用いて懸濁液を濾過した。沈降物を150mLのエタノールで洗浄し、溶液を氷/塩浴中で冷却し、HI(57%の140mL)を少しずつ緩徐に加えた。結晶をおよそ20分間で分離し、濾過し、真空で乾燥させると、1−アミノ−2−メチルピリジニウムヨウ化物(87.2g、51%)が得られた。母液を濃縮し、冷却し、結晶の第2収穫物を収集し、乾燥させるとさらに68.8g(40.4%)が産生し、結合収量は156g(91.4%)となった(K.T. Pottsら、J. Org. Chem., 33, 3766−3770(1968))。
(b)1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン。実施例1(a)からの乾燥塩(113g)は、機械的攪拌機を装備した大きな丸底フラスコ内のイソブチル酸無水物(515g)中に懸濁させ、攪拌しながらK2CO3(85g)を加えた。混合物を8時間にわたり還流させ、室温へ冷却し、水(10mL)を加え、次にK2CO3(10g)を少しずつ加えた。最初の激しい反応が沈静化した後、水(500mL)および酢酸エチル(500mL)を加え、次に発泡を制御するために連続的機械的攪拌を行いながら280gのK2CO3を少しずつ加えた。この反応混合液を室温で1時間攪拌し、50mLの50% NaOHを加え、混合液を酢酸エチル(4×250mL)で抽出した。溶液を蒸発させると粘性油が産生したので、これを高真空下で蒸留すると、25.2g(32.9%)の2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン(沸点:45〜75℃/0.25〜0.5mmHg)、および60.4g(51.3%)の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン(沸点:125〜135℃/0.1mmHg;融点:53〜55℃)(T. Irikuraら、米国特許第3,850,941号明細書、1974年11月26日)が得られた。化合物411。
(c)2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン。1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン(28.1g、120mmol)を200mLの50%硫酸へ攪拌しながら10〜15分間にわたり加え、続いて一晩還流させた。冷却した後、溶液は約134gのNaOHを少量ずつ加えて、0〜5℃の温度を維持しながら8〜8.5の最終pHへ中和した。混合液は、酢酸エチルを用いて3回抽出した。有機相は食塩液を用いて洗浄し、MgSO4の上方に通して乾燥させた。酢酸エチルを真空下で蒸発させると16.07gの2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン(83.3%)が得られた。(T. Irikura、米国特許第4,097,483号明細書、1978年6月27日)。
(d)2−イソプロピル−3−(2−クロロアセチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン。2.0mLの2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン、2.0mLの2−クロロアセチル塩化物および200mgの無水AlCl3を4日間にわたり室温で攪拌しながら混合した。冷却後、50mLの酢酸エチルを加え、次に0〜5℃でpH8〜8.5へ冷却アンモニア溶液を加えた。この混合液を酢酸エチルで2回抽出した。有機相は食塩液を用いて洗浄し、MgSO4の上方に通して乾燥させた。酢酸エチルを減圧下で蒸発させると3gの粗化合物が得られたので、これを溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを使用する酸化アルミニウムカラム上で精製すると1.44gの純粋2−イソプロピル−3−(2−クロロアセチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(収率48.6%)が得られた。
(e)2−イソプロピル−3−(2−ヘキサメチレンテトラミン−アセチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン塩酸塩。2mLのクロロホルム中の626mg(2.64mmol)の2−イソプロピル−3−(2−クロロアセチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの溶液に1mLのクロロホルム中の369mg(2.1mmol)のヘキサメチレンテトラミンを室温で攪拌しながら加え、次に1時間にわたり60℃へ加熱した。冷却後、固体を濾過し、エチルエーテルを用いて洗浄すると620mg(78.4%)の2−イソプロピル−3−(2−ヘキサメチレンテトラミン−アセチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン塩酸塩が産生した。
(f)2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)エタノン。4.56mLのエタノール性HCl溶液(エタノール:濃HCl:水、20:4.8:4)に996mg(2.64mmol)の2−イソプロピル−3−(2−ヘキサメチレンテトラミン−アセチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン塩酸塩を加えた。この混合物を90分間にわたり40℃で攪拌した。溶媒を蒸発させた後、残留物はエチルエーテルで洗浄した。残留する固体を水に溶解させ、溶離剤として0.05% HCl−アセトニトリルを用いるオープンC18カラムを用いて精製すると、510mg(79.3%)の2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)エタノンが得られた。化合物1009。
(実施例2)
2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの合成
(a)2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)エタノン。2.0mLの2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン、2.0mLの2−クロロプロピオニル塩化物および200mgの無水AlCl
3を4日間にわたり室温で攪拌しながら混合した。冷却後、50mLの酢酸エチルを加え、次に0〜5℃でpH8〜8.5へ事前に冷却した4N KOH溶液を加えた。この混合液を酢酸エチルで2回抽出した。有機相は食塩液を用いて洗浄し、MgSO
4の上方に通して乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させると2.6gの粗化合物が得られたので、これを溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを使用する酸化アルミニウムカラム上で精製すると、1.16g(37.2%)の2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)エタノンが得られた。
(b)2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン。NH3(気体)は、ドライアイス凝縮器を装備した装置内で50〜60時間にわたり40℃で100mLの7N NH3−MeOH溶液中の1.16g(4.6mmol)の2−イソプロピル−3−(2−クロロプロピル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの溶液に通して発泡させた。真空内で溶媒を蒸発させた後、残留物を15mLのエチルエーテル中に溶解させ、4N HCl−ジオキサン溶液の添加によって沈降させた。沈降物を濾過し、エチルエーテルを用いて洗浄した。残留物を水に溶解させ、溶離剤として0.05% HCl−アセトニトリルを用いるオープンC18カラム上で精製すると、600mg(49.2%)の2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンが得られた。化合物1013。
(実施例3)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムの合成
32mLの無水EtOH中の2.3g(10mmol)の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの溶液に1.5g(20mmol)の塩酸ヒドロキシルアミンを加え、次に6mLの水中の2.4gのNaOHを滴下した。この混合液を攪拌し、一晩還流させた。冷却した後、溶液を攪拌しながら30分間にわたり8.3mLの6N HClおよび380mLの氷水の溶液中へ注入した。沈降物を濾過し、エチルエーテル−ヘキサンで洗浄すると1.2g(74.5%)の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシム(シス−およびトランス−異性体の混合物として)が得られたので、これを溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを用いた酸化アルミニウムカラム上で分離すると、1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムの0.3g(シス−)および0.325g(トランス−)異性体が得られた。化合物1012。
(実施例4)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムの合成
2mLの無水THF中の376mg(1.53mol)の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムの溶液に30分かけて0℃で540μLのイソシアン酸トリメチルシリルを滴下した。この反応液を室温で一晩攪拌した。溶媒を真空内で除去し、入手した残留物は溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを使用する酸化アルミニウムカラム上で精製すると、200mg(45.3%)の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムが得られた。化合物1014。
(実施例5)
2−メチル−1−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン
(a)4−メチル−1−フェニルペント−1−イン−3−オン。50mLの無水THF中の10.6g(100mmol)のエチニルベンゼンの溶液に10〜15分間にわたり攪拌しながら−50℃のアルゴン雰囲気下で36mLのn−ブチルリチウム(ヘキサン中の2.87M)を滴下し、続いて−20℃〜0℃で50mLのTHF中の13.6gの無水塩化亜鉛を滴下した。この反応液を0℃で20分間攪拌し、10.5mLの塩化イソブチリルを滴下した。室温で2時間にわたり攪拌した後、混合液は60mLの飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、10mLの濃水酸化アンモニウムおよび0〜5℃で100mLのエチルエーテルを加え、酢酸エチルにより3回抽出した。結合有機相は飽和塩化アンモニウム溶液で再び洗浄し、MgSO
4の上方に通して乾燥させ、真空下で蒸発させると粗油として19.4gの4−メチル−1−フェニルペント−1−イン−3−オンが得られた。
(b)2−メチル−1−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン。5g(20mmol)の4−メチル−1−フェニルペント−1−イン−3−オンおよび4.45gの1−アミノピリジニウムヨウ化物を30mLの無水アセトニトリル中に溶解させた。この溶液に30分間中に0℃のアルゴン雰囲気下で10mLのアセトニトリル中の6.0gのDBUを滴下した。この混合液を室温で一晩攪拌し続けた。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物に酢酸エチルを加えた。不溶性固体は濾過によって除去した。結果として生じた酢酸エチル溶液を10%クエン酸、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、MgSO4の上方に通して乾燥させた。酢酸エチルを蒸発させると5.2gの粗生成物が得られたので、これを溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを用いる酸化アルミニウムカラム上で精製すると、2.18g(41.1%)の2−メチル−1−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンが得られた。化合物1015。
(実施例6)
2−メチル−1−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンオキシムの合成
32mLの無水EtOH中の5.32g(20mmol)の2−メチル−1−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの溶液に3gの塩酸ヒドロキシルアミンを加え、次に12mLの水中の4.0gのNaOH溶液を滴下した。この混合液を攪拌し、一晩還流させた。冷却した後、溶液を攪拌しながら30分間にわたり11mLの6N HClおよび200mLの氷水の溶液中へ注入した。この混合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機相は食塩液を用いて洗浄し、MgSO
4の上方に通して乾燥させた。溶媒を減圧下で除去すると4.6gの化混合物が得られたので、これを溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを使用する酸化アルミニウムカラム上で精製すると、1.58g(30.1%)の2−メチル−1−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンオキシムが得られた。化合物1016。
(実施例7)
2−メチル−1−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムの合成
2mLの無水THF中の630mg(2.24mmol)の2−メチル−1−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンオキシムの溶液に30分かけて0℃で600μLのイソシアン酸トリメチルシリル(85%)を滴下した。この混合液を室温で一晩攪拌し、さらに500μLのピリジンを添加し、さらに4時間にわたり攪拌した。溶媒を真空内で除去し、入手した残留物は溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを使用する酸化アルミニウムカラム上で精製すると、482mg(66.3%)の2−メチル−1−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムが得られた。化合物1017。
(実施例8)
1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの合成
5.0g(41.25mmol)の4−フルオロエチニルベンゼンおよび4.33mLの塩化イソブチリルおよび5.62gのZnCl
2から出発して、実施例5(a)と同一方法を用いて対応する1−(4−フルオロフェニル)−4−メチルペント−1−イン−3−オンを調製すると8.3gの粗油中間体が得られた。4g(20mmol)の1−(4−フルオロフェニル)−4−メチルペント−1−イン−3−オン、4.45gの1−アミノピリジニウムヨウ化物および6.0gのDBUから実施例5(b)と同一方法を用いて2.18g(44.8%)の1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンが得られた。化合物1018。
(実施例9)
1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムの合成
32mLの無水EtOH中の2.3g(8.15mmol)の1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの溶液に2.26gの塩酸ヒドロキシルアミンを加え、次に5mLの水中の1.63g(8.15mmol)のNaOHの溶液を滴下した。この混合液を攪拌し、一晩還流させた。冷却した後、溶液を攪拌しながら30分間にわたり100mLの氷水中の4.8mLの6N HCl溶液中へ注入した。この混合液を酢酸エチルで3回抽出した。結合有機相は食塩液を用いて洗浄し、MgSO
4の上方に通して乾燥させた。真空下で溶媒を蒸発させた後、4.6gの粗生成物が得られた。溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを用いる酸化アルミニウムカラム上での精製によって1.65g(67%)の1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムが得られた。化合物1019。
(実施例10)
1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムの合成
5mLの無水THF中の742mg(2.5mmol)の1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムの溶液に30分かけて0℃で2mLのイソシアン酸トリメチルシリル(85%)を滴下した。混合液は48時間にわたり室温で攪拌し、次に50μLのピリジンを加えた。さらに4時間にわたり攪拌した後、溶媒を除去し、残留物は溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを使用する酸化アルミニウムカラム上で精製すると、482mg(56.7%)の1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムが得られた。化合物1020。
(実施例11)
1−(2−(4−メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの合成
5.0g(36.7mmol)の4−メトキシエチニルベンゼン、3.85mLの塩化イソブチリルおよび5.0gのZnCl
2から出発して、実施例5(a)と同一方法を用いて対応する1−(4−メトキシフェニル)−4−メチルペント−1−イン−3−オンを調製すると7.87gの粗油中間体が得られた。7.5g(37mmol)の1−(4−メトキシフェニル)−4−メチルペント−1−イン−3−オン、8.22g(37mmol)の1−アミノピリジニウムヨウ化物および11.6gのDBUから出発して、実施例5(b)におけると同様に、4.84g(45%)の1−(2−(4−メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンが得られた。化合物1021。
(実施例12)
1−(2−(4−メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムの合成
32mLの無水EtOH中の4.4(14.9mmol)の1−(2−(4−メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの溶液に4.15gの塩酸ヒドロキシルアミンを加え、次に10mLの水中の13.73g(14.9mmol)のNaOHの溶液を滴下した。この混合液を攪拌し、一晩還流させた。冷却した後、溶液を攪拌しながら30分間にわたり100mLの氷水中の6mLの6N HCl溶液中へ注入した。この混合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機相は食塩液を用いて洗浄し、MgSO
4の上方に通して乾燥させた。真空下で溶媒を蒸発させた後、5gの粗生成物が得られた。溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを用いる酸化アルミニウムカラム上での精製によって2.33g(50.5%)の1−(2−(4−メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムが得られた。化合物1022。
(実施例13)
1−(2−(4−メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムの合成
5mLの無水THF中の775mg(2.5mmol)の1−(2−(4−メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムの溶液に30分かけて0℃で2mL(85%)のイソシアン酸トリメチルシリルを滴下した。混合液は48時間にわたり室温で攪拌し、次に500μLのピリジンを加えた。さらに4時間攪拌した後、溶媒を除去し、そして残留物は酢酸エチルを用いて3回抽出した。結合有機相は10%のクエン酸を用いて2回洗浄し、MgSO
4の上方に通して乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、900mgの粗生成物が得られたので、これは溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを使用する酸化アルミニウムカラム上で精製すると、263mg(29.8%)の1−(2−(4−メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムが得られた。化合物1023。
(実施例14)
1−(2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの合成
4.9g(35.8mmol)の4−クロロエチニルベンゼン、3.76mLの塩化イソブチリルおよび4.88gのZnCl
2から出発して、実施例5(a)と同一方法を用いて対応する1−(4−クロロフェニル)−4−メチルペント−1−イン−3−オンを調製すると9.21gの粗油中間体が得られた。9.21g(35.8mmol)の1−(4−クロロフェニル)−4−メチルペント−1−イン−3−オン、9.90g(44mmol)の1−アミノピリジニウムヨウ化物および11gのDBUから出発すると、実施例5(b)と同様に所望の生成物である4.64g(43%)の1−(2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンが得られた。化合物1024。
(実施例15)
1−(2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムの合成
65mLの無水EtOH中の3.5g(11.7mmol)の1−(2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの溶液に3.25gの塩酸ヒドロキシルアミンを加え、次に8mLの水中の2.92g(11.7mmol)のNaOHの溶液を滴下した。この混合液を攪拌し、一晩還流させた。冷却した後、溶液を蒸発させ、攪拌しながら30分間にわたり100mLの氷水中の6mLの6N HCl溶液中へ注入した。この混合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機相は食塩液を用いて洗浄し、MgSO
4の上方に通して乾燥させた。真空下で溶媒を蒸発させた後、5.11gの粗生成物が得られた。溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを用いる酸化アルミニウムカラム上での精製によって1.86g(50.7%)の1−(2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムが得られた。化合物1025。
(実施例16)
1−(2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムの合成
5mLの無水THF中の783mg(2.5mmol)の1−(2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムの溶液に30分かけて0℃で2mLのイソシアン酸トリメチルシリル(85%)を滴下した。混合液は48時間にわたり室温で攪拌し、次に500μLのピリジンを加えた。さらに4時間攪拌した後、溶媒を除去し、そして残留物は酢酸エチルを用いて3回抽出した。結合有機相は1N HClを用いて2回洗浄し、食塩液で洗浄し、MgSO
4の上方に通して乾燥させた。真空下で溶媒を蒸発させた後、935mgの粗生成物が得られた。溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを用いる酸化アルミニウムカラム上での精製によって621mg(69.6%)の1−(2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン−O−カルバモイルオキシムが得られた。化合物1026。
(実施例17)
(4−クロロフェニル)(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)メタノンの合成
1.59gの2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン、1.74gの4−クロロベンゾイル塩化物および200mgの無水AlCl
3を室温で一晩、次に100〜120℃で4時間にわたり攪拌しながら混合した。冷却した後、混合液は酢酸エチル中の50mLの20%ジクロロメタンおよび15mLの10% Na
2CO
3で処理し、次に0〜5℃で4N KOHを添加してpH8〜8.5にした。この混合液を酢酸エチルで2回抽出した。結合有機相は食塩液を用いて洗浄し、MgSO
4の上方に通して乾燥させた。酢酸エチルを減圧下で蒸発させると2.6gの残留物が得られたので、これを溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタンを使用する酸化アルミニウムカラム上で精製すると480mg(16.3%)の(4−クロロフェニル)(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)メタノンが得られた。化合物1007。
(実施例18)
(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)(4−メトキシフェニル)メタノンの合成
3.2mLの2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン、2.2gの4−メトキシベンゾイル塩化物および200mgの無水AlCl
3を4日間にわたり室温で攪拌しながら混合した。冷却した後、混合液へ50mLのエチルエーテルを加え、次に0〜5℃で4N KOH溶液を加えてpH8〜8.5とした。この混合液を酢酸エチルで2回抽出した。結合有機相は食塩液を用いて洗浄し、MgSO
4の上方に通して乾燥させた。酢酸エチルを減圧下で蒸発させると6.4gの粗生成物が得られたので、これを溶離剤としてヘキサン−ジクロロメタン−酢酸エチルを使用する酸化アルミニウムカラム上で精製すると510mg(13.6%)の(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)(4−メトキシフェニル)メタノンが得られた。化合物1008。
(実施例19)
1−(2−(4−フルオロフェニル)−6−(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの合成
(a)1−(4−フルオロフェニル)−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エタノン。400mLの無水THF中の4−フルオロアセトフェノン(13.8g、100mmol)および2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン(20.0g、110mmol)の溶液にNaH(5.56g、220mmol)(使用前にペンタンを用いて洗浄した)を数回に分けて加えた。反応液は3日間にわたり室温でアルゴン雰囲気下で攪拌した。反応液はH
2O(300mL)を用いて注意深くクエンチし、次にジエチルエーテル(200mL)を加えた。有機相を分離し、6N HCl(2×300mL)で抽出した。水性抽出物を0℃へ冷却し、溶液のpHをpH11〜12へ調整するために6N NaOHを滴下した。次に混合液をジエチルエーテル(4×150mL)で抽出し、結合有機相を次にMgSO
4の上方に通して乾燥させた。濾過および濃縮により、互変異性体混合物として22.4g(79%)の表題化合物が得られた。
(b)1−(4−フルオロフェニル)−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エタノンオキシム。室温のメタノール(100mL)中の1−(4−フルオロフェニル)−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エタノン(8.00g、28.2mmol)の溶液に15% NaOH(29mL、109mmol)を加えた。生じた溶液は、固体の塩酸ヒドロキシルアミン(9.8g、140mmol)を少しずつ加えるにつれて強力に攪拌した。この混合液を1時間にわたり還流させるために加熱し、高温中に木炭で処理し、次に冷却するに任せる前にCeliteに通して迅速に濾過した。濾液は最初の体積の2分の1まで濃縮し、次に1時間にわたり0℃へ冷却した。結果として生じた固体は濾過によって収集し、水で洗浄し、50℃の真空下で一晩乾燥させると、暗黄色固体として5.00g(59%)の表題化合物が得られた。
化合物1032であるオキシム、1−(2−(4−フルオロフェニル)−6−(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンオキシムは、上記の(b)に記載した方法に類似する方法で調製した。
(c)2−(3−(4−フルオロフェニル)−2H−アジリジン−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン。ジクロロメタン中の1−(4−フルオロフェニル)−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エタノンオキシム(4.00g、13.4mmol)の溶液にトリエチルアミン(7.5mL、53.6mmol、CaH2から蒸留)を加えた。この溶液をアルゴン雰囲気下で0℃へ冷却し、無水トリフルオロ酢酸(2.2mL、16.2mmol)を滴下した。この反応液を30分間攪拌し、次に水(100mL)でクエンチした。有機相を分離し、MgSO4の上方に通して乾燥させ、濃縮させると油が得られた。フラッシュクロマトグラフィー(15%のEtOAc−ヘキサン)によって精製すると3.08g(82%)の表題化合物が得られ、これは放置すると結晶化した。
(d)2−(4−フルオロフェニル)−6−(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン。2.82g(10.0mmol)の2−(3−(4−フルオロフェニル)−2H−アジリン−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジンを1,2,4−トリクロロベンゼン(30mL、>99%)中に溶解させ、混合物を10時間にわたり200℃へ加熱した。反応混合液を室温へ冷却し、シリカカラム上に装填した。カラムは1,2,4−トリクロロベンゼンを除去するためにヘキサンを用いて、次に20% Et2O−ヘキサンを用いて生成物を溶出させた。濃縮は、2.62g(94%)の表題化合物を提供した。
(e)1−(2−(4−フルオロフェニル)−6−(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロプ−1−エニルイソブチレート。43mLのイソ酪酸無水物中の2.50g(8.9mmol)の2−(4−フルオロフェニル)−6−(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジンに濃H2SO4(5滴)を加えた。この混合液を攪拌し、142℃で一晩加熱した。この混合液を室温に冷却し、0℃で水(120mL)中に注入した。この溶液は次に2N NaOHを用いてpH10へ調整した。水層はEt2O(3×100mL)を用いて抽出し、MgSO4の上方に通して乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗生成物はフラッシュカラムクロマトグラフィー(3% EtOAc−ヘキサン)によって精製すると、オレンジ色の固体として2.54g(68%)の表題化合物が得られた。化合物1033。
(f)1−(2−(4−フルオロフェニル)−6−(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン。(e)の生成物(0.45g、1.07mmol)をTHF(1mL)中に溶解させ、0℃へ冷却した。MeOH(1.3mL、1.4mmol)中のNaOMeの1.1M溶液を滴下し、混合液を3時間かけて室温へ加温した。溶液をpH6〜7へ調整するために飽和NH4Cl溶液を加え、混合液をEt2O(4×5mL)で抽出した。結合有機層は、水(3×2mL)、食塩液で洗浄し、MgSO4の上方に通して乾燥させ、濾過し、濃縮させると固体として粗生成物が得られた。ヘキサンからの再結晶化は、0.35g(78%)の1−(2−(4−フルオロフェニル)−6−(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンを生じさせた。融点:129〜130℃。化合物1027。
(実施例20)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの合成
3.70g(23mmol)の2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジンを12.03g(92.4mmol)のプロピオン酸無水物中に溶解させ、2滴の濃H
2SO
4を加えた。反応混合液は出発物質が完全に消費される(
1H NMRによって決定した、7時間)まで還流させるために加熱した。褐色溶液を室温へ冷却し、そして氷(20g)およびK
2CO
3(20g)の混合物へ注入した。反応混合液のpHが11になるまでK
2CO
3を加え、次に反応混合液を室温でさらに1時間攪拌した。水層は、酢酸エチルを用いて4回抽出した。結合有機層は食塩液で洗浄し、木炭で処理し、Na
2SO
4の上方に通して乾燥させ、溶媒は減圧下で蒸発させた。残留物のフラッシュクロマトグラフィー処理(ヘキサン−酢酸エチル9:1;脱活性化シリカ)によって760mg(15.4%)の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンが黄色油として得られたので、これを冷蔵庫内に保管すると結晶化した。融点:41〜43℃。化合物1001。
(実施例21)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オールの合成
2.5g(10.76mmol)の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンをMeOH(50mL)(木炭濾過)中に溶解させ、0℃へ冷却した。NaBH
4(570mg、15.06mmol)を少しずつ加えた。反応混合液は、出発物質が完全変換するまで還流させるために加熱した(2〜4時間)。反応混合液を室温へ冷却し、水(50mL)の添加によってクエンチした。水層は、ジクロロメタンを用いて4回抽出した。結合有機層は食塩液で洗浄し、木炭で処理し、Na
2SO
4の上方に通して乾燥させ、溶媒は減圧下で蒸発させた。残留物(黄色油)のフラッシュカラムクロマトグラフィー処理(ヘキサン−酢酸エチル5:2;10%脱活性化シリカ)によって1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オールが無色油(1.7g、68%)として得られ、ペンタンを用いて研和すると結晶化した。融点:69℃。化合物1002。
(実施例22)
1−(2−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−アミンの合成
10mLの酢酸中の600mg(4.6mmol)のN−ベンジル−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−アミンの溶液に水素化ボトル中の100mgのPtO
2を加えた。H
2は、4時間にわたり50psiで適用した。反応液は濾過によって作製すると、0.1N HClを用いて希釈すると503mgの粗生成物が得られた。C
18分取的HPLCによる精製によって凍結乾燥後に400mgの精製1−(2−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−アミンが得られた。化合物1011。
実施例22〜58からの生成物は、対応するM+1イオンを提供するために高速原子衝撃質量分析法(FAB MS)によって各々特性解析した。生成物はさらに1H NMRによっても特性解析し、そして必要な場合は、それらの構造をさらに13C NMRおよび相関(多核1Hおよび13C)NMR分光法によって確認した。
(実施例23)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−モルホリノプロパン−1−オン塩酸塩の合成
4mLのMeOH中の500mg(2mmol)の2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの溶液に227mg(2.6mmol)のモルホリンおよび150mgのNaIを加えた。この混合液を室温で3日間攪拌した。溶媒を除去し、残留物を5mLのエーテル中に溶解させ、4N HCl−ジオキサンを用いて滴定すると沈降物が得られた。イソプロパノール/エーテルから再結晶化させると、200mgの純粋1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−モルホリノプロパン−1−オン塩酸塩が得られた。化合物1034。
(実施例24)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩の合成
4mLのMeOH中の500mg(2mmol)の2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン、272μL(2.4mmol)のN−メチルピペラジンおよび50mgのNaIの混合液を室温で4日間にわたり攪拌した。溶媒を除去し、粗残留物をAl
2O
3カラム上で精製した。精製した生成物を含有する分画を4N HCl−ジオキサンで滴定すると沈降物が得られた。イソプロパノール/エーテルから再結晶化させると、150mgの1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩(上記では天然形で示した)が生じた。化合物1035。
(実施例25)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−(ピペリジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩の合成
4mLのMeOH中の500mg(2mmol)の2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン、478μL(4.8mmol)のピペリジンおよび50mgのNaIの混合液を50℃で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた後に得られた残留物をAl
2O
3カラム上で精製した。精製した生成物を含有する分画を4N HCl−ジオキサンで滴定すると沈降物が得られた。イソプロパノール/エーテルから再結晶化させると、175mgの1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−(ピペリジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩が生じた。化合物1036。
(実施例26)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−(ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩の合成
10mLのMeOH中の980mg(3.90mmol)の2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン、1.45g(4mmol)のN−Boc−ピペラジンおよび100mgのNaIの混合液を50〜70℃で5時間にわたり攪拌した。溶媒を蒸発させた後に得られた残留物をAl
2O
3カラム上で精製した。精製した生成物を含有する分画を4N HCl−ジオキサンで滴定すると沈降物が得られた。イソプロパノール/エーテルから再結晶化させると、150mgの1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−(ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩が生じた。化合物1037。
(実施例27)
(3−クロロピリジン−2−イル)(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)メタノンの合成
ピコリン酸を塩化チオニルと反応させると対応する酸塩化物が得られたので、これを精製せずに使用して室温で4日間にわたり300mgのAlCl
3の存在下で2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジンをアシル化した。ワークアップ後に5gの粗生成物が得られたので、これをAl
2O
3カラム上で精製すると、373mgの(3−クロロピリジン−2−イル)(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)メタノンが生じた。構造は、NMRおよびLC−MSによって指定した。化合物1038。
(実施例28)
2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−フェニルエタノンの合成
3.5mL(21.8mmol)の2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン、2mL(10.5mmol)の2−クロロ−塩酸フェニルアセチルおよび300mgのAlCl
3を室温で4日間攪拌した。結果として生じた1.5gの粗塩化物を150mLのMeOH中に溶解させ、400℃で3日間にわたり20mgのNaIの存在下でNH
3(気体)と反応させると1.2gの粗生成物が得られたので、これをAl
2O
3カラム上で精製すると、220mgの2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−フェニルエタノンが得られた。化合物1039。
(実施例29)
1−(2−エチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの合成
4.35g(47mmol)の塩化プロピオニルを0℃で20分間かけて50mLのピリジン中の4.5g(23.5mmol)の2−メチル−1−アミノピリジウム臭化物へ加えた。この混合液を室温で1時間攪拌し、さらに2時間還流させた。ワークアップ後に得られた3.39gの粗生成物をAl
2O
3カラム上で精製すると、エーテル/ヘキサンからの再結晶化後に1.27gの1−(2−エチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンが得られた。化合物1040。
(実施例30)
2−(ベンジル(メチル)アミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの合成
15mLのMeOH中の2.37g(13.4mmol)の2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン、1.74mL(13.4mmol)のN−メチルベンジルアミンおよび50mgのNaIの混合液を一晩還流させた。溶媒を蒸発させた後に得られた混合液をAl
2O
3カラム上で精製し、エーテル/ヘキサンから再結晶化させると、1.5gの2−(ベンジル(メチル)アミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンが得られた。化合物1041。
(実施例31)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−(メチルアミノ)プロパン−1−オン塩酸塩の合成
2.5mLのH
2Oおよび47.5mLのMeOH中の700mgの2−(ベンジル(メチル)アミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの溶液に30mgの10% Pd−Cを加えた。この混合液を5時間にわたり50psiで水素化した。濾過および溶媒を蒸発させた後に得られた残留物をエーテル中に溶解させ、HCl/エーテルで処置すると、640mgの1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−(メチルアミノ)プロパン−1−オン塩酸塩が得られた。化合物1042。
(実施例32)
N−(1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロピル)シクロプロパンアミンの合成
25mLのベンゼン中の2.3g(10mmol)の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンおよび4.8mL(75mmol)のシクロプロピルアミンの混合液に室温の窒素雰囲気下で20分間かけて5mLのベンゼン中の735μLのTiCl
4を滴下した。この混合液を室温で1時間攪拌し、2時間還流させた。濾過および溶媒の蒸発によって中間体のイミンが得られたので、これを10mLのMeOH中に溶解させ、室温で一晩かけて378mgのNaBH
4と反応させた。4.3gの粗物質をワークアップ後に得た。MeOH−アセトン−エーテルからの再結晶化によって、770mgのN−(1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロピル)シクロプロパンアミンが得られた。化合物1044。
(実施例33)
N−(シクロプロピルメチル)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−アミン塩酸塩の合成
25mLのベンゼン中の2.3g(10mmol)の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンおよび2.37g(30mmol)のアミノメチルシクロプロパンの混合液に室温の窒素雰囲気下で20分間かけて5mLのベンゼン中の548μLのTiCl
4を滴下した。この混合液を室温で1時間攪拌し、2時間還流させた。濾過および溶媒の蒸発によって中間体が得られたので、これをAl
2O
3カラム上でのクロマトグラフィーによって精製した。1.69gの精製した中間体イミンを10mLのMeOH中の338mgのNaBH
4によって還元した。粗生成物を再びAl
2O
3カラム上で精製すると、1gの油が得られた。2N HCl−エーテルを用いた滴定によって、616mgのN−(シクロプロピルメチル)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−アミン塩酸塩が得られた。化合物1048。
(実施例34)
2−(シクロプロピルアミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン塩酸塩の合成
621mg(2.4mmol)の2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンを283mg(4.8mmol)のシクロプロピルアミンと6mLのMeOH中の20mgのNaIの存在下で反応させた。ワークアップ後に得られた粗生成物を2N HCl−エーテルにより酸性化すると、405mgの2−(シクロプロピルアミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン塩酸塩が得られた。化合物1045。
(実施例35)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−アミン塩酸塩の合成
3.5g(15mmol)の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンは室温で40mLのベンゼン中の11.48mL(7×15mmol)のベンジルアミンおよび1,097μLのTiCl
4と一緒に攪拌し、次に2時間にわたり還流させた。濾過および溶媒の蒸発によって中間体が得られたので、これをAl
2O
3カラム上でのクロマトグラフィーによって精製すると3.1gの中間体イミンが得られた。MeOH中の163mgのNaBH
4を用いたイミンの還元によって粗ベンジルアミンが得られたので、これを10% Pd−C上で水素化した。粗生成物は、C18逆相分取的HPLCによって精製した。精製した生成物を含有する分画への希HClの添加およびその後の凍結乾燥によって、399mgの1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−アミン塩酸塩が得られた。化合物1051。
(実施例36)
2−アミノ−1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン塩酸塩の合成
10mLのアセトニトリル中の1.1g(3.4mmol)の2−(5−(4−フルオロフェニル)−3−オキソペント−4−イン−2−イル)イソインドリン−1,3−ジオンおよび785mg(3.4mmol)のN−アミノピリジニウムヨウ化物の混合液に5mLのアセトニトリル中の1.04gのDBUを0℃の窒素雰囲気下で20分間にわたり滴下した。この反応液を室温で一晩攪拌し、これを酢酸エチルおよび塩化アンモニウムを用いてワークアップすると、粗固体として2−(1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)イソインドリン−1,3−ジオンが生成された。フタルイミド中間体をエタノール中の室温で一晩、500μLのヒドラジン水化物と反応させた。酢酸エチルおよび塩化アンモニウムを用いたワークアップ後、1gの粗生成物が得られた。粗生成物は、C18逆相分取的HPLCによって精製した。精製した生成物を含有する分画への希HClの添加およびその後の凍結乾燥によって、110mgの2−アミノ−1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン塩酸塩が得られた。化合物1052。
(実施例37)
シクロプロピル(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)メタノンの合成
2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(2.00g、12.4mmol)をシクロプロピル無水物(8.00g、51.9mmol)中に溶解させた。濃H
2SO
4(3滴)を室温で加え、次に混合液を140℃へ28時間にわたり加熱した。混合液を次に0℃へ冷却し、H
2O(10mL)を用いて希釈し、50% NaOH(水性)を加えるとpH11の溶液が達成された。この混合液をEt
2O(3×10mL)で抽出した。結合有機層をH
2O(15mL)、食塩液(15mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮した。次に粗混合物を直ちにフラッシュクロマトグラフィー(90% EtOAc/ヘキサン)にかけると白色粉末として1.02g(4.4mmol、36%)の表題化合物が得られた。この物質を次にn−ヘプタンから再結晶化させると0.6115g(2.7mmol、22%)のSB−I1−61が白色針状結晶として得られた。融点:72℃(n−ヘプタン);IR(薄膜)ν=2969,1635,1506,1439
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ=8.42(d,J=6.8Hz,1H),8.09(d,J=9.0Hz,1H),7.33−7.27(m,1H),6.82(ddd,J=6.8,6.8,1.2Hz,1H),3.75(sept,J=6.9Hz,1H),2.47−2.39(m,1H),1.40(d,J=6.9Hz,6H),1.27−1.17(m,2H),0.99−0.93(m,2H);
13C NMR(150MHz,CDCl
3)δ=194.8,163.1,141.6,128.9,127.4,118.9,113.2,110.7,27.8,22.4,20.4,10.2;MS(EI)m/z 229(M+1,18.2),228(M
+,100.0),213(46.4),200(13.1),199(23.4),198(14.1),185(23.2),171(23.2),160(13.5),145(11.8),132(10.2),131(13.8),119(11.6),117(18.0),92(10.2),91(10.9),90(11.0),84(11.2),78(17.6),69(24.6),51(10.9);HRMS(EI)C
14H
16N
2Oの計算値:228.1263;観察値:228.1261;C
14H
16N
2Oの分析計算値:C、73.66%;H、7.06%;観察値:C、73.93%;H、7.25%。化合物1046。
(実施例38)
シクロプロピル(2−シクロプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)メタノンの合成
1−アミノピリジニウムヨウ化物(5.2g、0.024mol)をシクロプロピル無水物(22.0g、0.143mol)中に懸濁させ、K
2CO
3(3.4g、0.025mol)を加えた。反応混合液を190℃へ緩徐に加熱し、同一温度で8時間にわたり維持し、次に室温で12時間にわたり攪拌した。懸濁液をH
2O(50mL)で希釈し、50℃で50% NaOHを用いて塩基性化した。水層を室温へ冷却し、EtOAcを用いて4回抽出した。結合有機層を食塩液で洗浄し、木炭で処理し、無水MgSO
4の上方に通して乾燥させ、そして濾過した。溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン、10:1〜5:1)によって精製するとn−ヘプタンからの再結晶化後に無色固体(2.4g、44%)として表題化合物が得られた。
融点:102〜104℃(n−ヘプタン);IR(薄膜)ν=3091,3007,1638,1509,1438,1393,1325,1262,1206,1182cm−1;1H NMR(300MHz,CDCl3)δ=8.39(d,J=6.9Hz,1H),8.23(d,J=8.9Hz,1H),7.33−7.41(m,1H),6.90(dt,J=6.9,1.2Hz,1H),2.75−2.87(m,1H),2.51−2.63(m,1H),1.26−1.34(m,2H),1.16−1.23(m,2H),1.07−1.15(m,2H),0.97−1.06(m,2H);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ=195.2,158.6,142.0,128.5,127.6,119.2,113.6,112.4,20.2,10.2,9.9, 8.6;MS(EI)m/z(%):226(54),225(11),211(33),199(14),198(26),185(59),183(12),170(26),169(43),157(27),156(14),155(20),142(13),130(16),117(18),90(12),78(27),51(13),41(33);HRMS(EI)C14H14N2Oについての計算値:226.1106;観察値:226.1107;C14H14N2Oについての分析計算値:C、74.31%;H、6.24%;観察値:C、74.27%;H、6.28%。化合物1047。
(実施例39)
1−(2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの合成
700mg(4.7mmol)の2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン、550mgの塩化イソブチリルおよび300mgのAlCl
3を室温で5時間にわたり2mL中のDCE中で攪拌した。この反応液は飽和NH
4Clを用いてクエンチし、酢酸エチルを用いて抽出すると、1gの粗生成物が得られた。Al
2O
3カラム上で精製すると、323mgの1−(2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンが得られた。化合物1055。
(実施例40)
2−アミノ−1−(2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの合成
500mg(3.3mmol)の2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン、393μLの2−クロロ−プロピオニル塩化物および300mgのAlCl
3を室温で5時間にわたり2mL中のDCE中で攪拌した。この反応液は飽和NH
4Clを用いてクエンチし、酢酸エチルを用いて抽出すると、663mgの粗α−クロロケトンが得られた。粗α−クロロケトンはそれ以上精製せずに5mLのDMF中の1.03gのNaN
3を用いて一晩反応させると、1gの粗α−アジドケトンが得られた。α−アジドケトンの還元は、60μLのH
2Oを含有する10mLのTHF中の1.17gのPh
3Pを用いて実施した。生成物をAl
2O
3カラム上で精製すると、116mgの2−アミノ−1−(2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンが得られた。化合物1057。
(実施例41)
2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ブタン−1−オンの合成
化合物1057の合成方法と同一方法に従うと、250mgの2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ブタン−1−オンが4g(25mmol)の2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン、3.5gの2−クロロ−ブチリル塩化物および600mgのAlCl
3から得られた。化合物1060。
(実施例42)
2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4−メチルペンタン−1−オンの合成
化合物1057の合成方法と同一方法に従うと、259mgの2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−4−メチルペンタン−1−オンが3.2g(20mmol)の2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン、3.37g(20mmol)の2−クロロ−バレリル塩化物および600mgのAlCl
3から得られた。化合物1061。
(実施例43)
1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの合成
140mLのアセトニトリル中の8.7g(38mmol)の4−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)ペント−1−イン−3−オンおよび10g(45mmol)のN−アミノピリジニウムヨウ化物の混合液に50mLのアセトニトリル中の11gのDBUを0℃の窒素雰囲気下で20分間にわたり滴下した。この反応液を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた後、粗混合液をAl
2O
3カラム上で精製し、酢酸エチル−ヘキサンから所望の生成物を再結晶化させると200mgの1−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンが得られた。化合物1070。
(実施例44)
1−(2−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの合成
560mg(3.45mmol)のN,N−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−アミン、355μL(3.45mmol)の塩化イソブチリルおよび100mgのAlCl
3を室温で一晩にわたり3mL中のDCE中で攪拌した。この混合液を飽和NH
4Clでクエンチし、EtOAcで抽出し、粗生成物をAl
2O
3カラム上で精製すると、208mgの1−(2−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンが得られた。化合物1072。
(実施例45)
2−アミノ−1−(2−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの合成
620mg(3.85mmol)のN,N−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−アミン、458.4μLの2−クロロ−プロピオニル塩化物および100mgのAlCl
3の混合液を室温で一晩にわたり6mL中のDCE中で攪拌した。この混合液は飽和NH
4Clを用いてクエンチし、EtOAcを用いて抽出すると、756mgの粗α−クロロケトン中間体が得られた。α−クロロケトンと5mLのDMF中の1.17gのNaN
3との反応、その後の72μLのH
2Oを含有する10mLのTHF中の1.17gのPh
3Pを用いた還元は1.3gの粗生成物を生じさせた。Al
2O
3カラム上で精製すると、404mgの2−アミノ−1−(2−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンが得られた。化合物1075。
(実施例46)
2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ヘキサン−1−オンの合成
4g(25mmol)の2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン、5.32g(25mmol)の2−塩化ブロモヘキサノイルおよび600mgのAlCl
3の混合液を室温で3日間にわたり6mL中のDCE中で攪拌した。この混合液は飽和NH
4Clを用いてクエンチし、EtOAcを用いて抽出すると、4.85gのα−ブロモケトン中間体が得られた。α−ブロモケトンと25mLのDMF中の5.1gのNaN
3との反応、その後の594μLのH
2Oを含有する50mLのTHF中のPh
3Pを用いた還元は9gの粗生成物を生じさせた。シリカゲルカラム上の粗生成物の精製によって、200mgの2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)ヘキサン−1−オンおよび1.5gの回収された2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン出発物質が得られた。化合物1077。
(実施例47)
2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−3−メトキシプロパン−1−オンの合成
4g(25mmol)の2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン、3.9g(25mmol)の2−クロロ−3−メトキシ−プロピオニル塩化物および600mgのAlCl
3の混合液を室温で3日間にわたり6mL中のDCE中で攪拌した。この混合液は飽和NH
4Clを用いてクエンチし、EtOAcを用いて抽出すると、6.3gの粗α−クロロケトン中間体が得られた。α−クロロケトンと25mLのDMF中の5.1gのNaN
3との反応、その後の594μLのH
2Oを含有する50mLのTHF中の4.76gのPh
3Pを用いた還元は9gの粗生成物を生じさせた。所望の生成物の精製をシリカゲルカラム上で実施すると、560mgの2−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−3−メトキシプロパン−1−オンが1.6gの回収された2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン出発物質とともに得られた。化合物1082。
(実施例48)
(Z)−2−(ヒドロキシイミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの合成
6.4g(40mmol)の2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン、3.7g(40mmol)の塩化プロピオニルおよび400mgのAlCl
3の混合液を室温で3日間にわたり5mL中のCS
2中で攪拌した。この混合液を飽和NH
4Clでクエンチし、EtOAcを用いて抽出すると5.44gの粗1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンが得られたので、これをシリカゲルカラム上で精製すると700mgの純粋中間体が3.53gの出発物質とともに得られた。700mgの1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンを−20℃で20分間にわたりt−BuOH中の600μLの1M t−BuOKと反応させ、次に600μLのイソアミルニトリルを0℃で加え、室温で一晩攪拌した。この混合液を飽和NH
4Clでクエンチし、EtOAcを用いて抽出すると1.2gの粗生成物が得られたので、これをシリカゲルカラム上で精製すると314mgの(Z)−2−(ヒドロキシイミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンが得られた。化合物1083。
(実施例49)
4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−2(3H)−チオンの合成
200mg(0.63mmol)の2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)エタノン、100mgのチオウレアおよび100μLのHOAcを60〜700℃で30分間にわたり1.5mLのジオキサン中で攪拌した。197mgの4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−2(3H)−チオンがワークアップ後に得られた。化合物1085。
(実施例50)
4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)チアゾール−2(5H)−イミンの合成
200mg(0.63mmol)の2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)エタノン、100mgのチオウレアおよび160mgの水素化ナトリウムの混合液を60〜70℃で30分間にわたり120μLのH
2O含有2mLのジオキサン中で攪拌した。ワークアップ後に、100mgの4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)チアゾール−2(5H)−イミンが得られた。化合物1087。
(実施例51)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イルアセテートの合成
5mLのDMF中の2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン(1.0g、1当量)および酢酸カリウム(0.6g、1.5当量)の溶液を室温で2日間にわたり攪拌した。この溶液を酢酸エチルおよび水によりワークアップすると、粗油が得られた。この油をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製すると、ペーストとして1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イルアセテート(0.95g、収率86%)が得られた。化合物1067。
(実施例52)
2−ヒドロキシ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの合成
3mLのTHF中の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イルアセテート(0.33g、1当量)および1M NaOH(1.5mL、1.25当量)の溶液を室温で24時間にわたり攪拌した。この溶液は酢酸エチルおよびNaHCO
3を用いてワークアップした。得られた粗固体を酢酸エチルおよびヘキサンから再結晶化させると、白色固体として2−ヒドロキシ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン(0.27g、収率96%)が得られた。化合物1068。
(実施例53)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンの合成
2mLのTHF中の2−ヒドロキシ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン(0.6g、1当量)、酸化銀(5g、8当量)、およびヨウ化メチル(2.5mL、15当量)の溶液を室温の密封チューブ中で26時間にわたり攪拌した。混合液を濾過して沈降した固体を除去した。濾液は酢酸エチルおよび飽和NaHCO
3を用いてワークアップした。入手した粗油をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製すると、油として1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンが得られた。化合物1069。
(実施例54)
2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボアルデヒドの合成
室温で3mLのDMFを攪拌し、純オキシ塩化リン(0.8mL、1.3当量)を滴下した。生じた混合液を室温で10分間攪拌し、次に純2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン(1g、1当量)を滴下した。この溶液を室温で19時間にわたり攪拌し、100mLの氷水中に注入した。水溶液のpHは、固体NaOHを用いて8へ調整した。形成された沈降物を濾過によって収集し、減圧下で乾燥させると、白色固体として2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルバルデヒド(0.97g、収率82%)が得られた。化合物1073。
(実施例55)
(E)−2−((2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)メチレン)ヒドラジン−カルボキサミドの合成
5mLのメタノール中の2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルバルデヒド(0.5g、1当量)、塩酸セミカルバジド(0.35g、1.2当量)、およびトリエチルアミン(0.4mL、1.1当量)の混合液を30分間還流させた。この溶液を濃縮し、生成した粗固体をTHFで抽出し、混合液を薄いシリカゲルパッドの上方の厚さ1インチの硫酸ナトリウムの層に通して濾過するとアンモニウム塩が除去された。濾液を濃縮し、沈着した固体をTHFおよびヘキサンから再結晶化させると、黄色固体として(E)−2−((2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)メチレン)ヒドラジンカルボキサミド(0.46g、収率70%)が得られた。化合物1074。
(実施例56)
S−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イルエタンチオエートの合成
4mLのDMF中の2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン(0.9g、1当量)およびチオ酢酸カリウム(0.61g、1.5当量)の溶液を室温で時間にわたり攪拌した。結果として生じた溶液は、EtOAcおよび水を用いてワークアップした。粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製すると、黄色固体としてS−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イルエタンチオエート(0.58g、収率55%)が得られた。化合物1081。
(実施例57)
2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸の合成
10mLのTHF中の2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルバルデヒド(1.5g、1当量)および過マンガン酸カリウム(2.9g、2.1当量)の混合液を室温で2日間にわたり攪拌した。10mLの水中の水酸化カリウム(2.2g、5当量)の溶液を加え、結果として生じた溶液を室温で2時間にわたり攪拌した。混合液を濾過して不溶性固体を除去し、濾液を抽出して未反応アルデヒドを除去した。残留している水溶液を濃HClで酸性化し、沈降物を濾過によって収集し、減圧下で乾燥させると、固体として2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(0.98g、収率60%)が得られた。化合物1079。
(実施例58)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)エタノンの合成
固体の塩化アルミニウム(0.82g、2当量)を1mLのジクロロメタン中の塩化アセチル(0.24mL、1.1当量)の溶液に加え、この溶液を室温で40分間にわたり攪拌した。純2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン(0.5g、1当量)をこの溶液に室温(発熱が観察された)で滴下し、結果として生じた溶液を室温で20時間にわたり攪拌し、EtOAcおよび飽和NaHCO
3を用いてワークアップした。粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製すると、固体として1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)エタノン(0.29g、収率46%)が得られた。化合物1080。
(実施例59)
3−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−フェニルアミンの合成
化合物1100〜1104および1111〜1112を合成するために利用したSuzuki反応のための一般合成方法は、以下に提供されている。下記に示した特定の合成は、化合物1100についてである。
工程1。1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチル−プロパン−1−オン(30.0g、115mmole)、水(100mL)、および濃硫酸(100mL)を結合し、130℃で18時間にわたり攪拌した。混合液を室温へ冷却し、そして氷(400g)および水(200mL)の溶液中へ注入した。この溶液を水酸化ナトリウム溶液で中和し、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。油を真空蒸留によって精製すると、14.9g(81%)の2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンが得られた。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.37(d,J=7.3Hz,1H),7.41(d,J=9.0Hz,1H),7.00(t,J=7.3Hz,1H),6.66(t,J=7.5Hz,1H),6.28(s,1H),3.16(sept,J=7.0Hz,1H),1.35(d,J=6.8Hz,6H).
工程2。2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(18.42g、115mmol)およびN−ヨードスクシンイミド(28.45g、126mmol)を1,2−ジクロロエタン(300mL)およびテトラヒドロフラン(300mL)の混合液中に溶解させた。この混合液を還流で18時間攪拌した。この混合液を冷却して真空で濃縮した。粗物質をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜20%の酢酸エチル)によって精製すると、30.9g(94%)の3−ヨード−2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンが得られた。
1H−NMR(250MHz,CDCl
3)δ8.36(d,J=7.0Hz,1H),7.36(d,J=9.0Hz,1H),7.12(t,J=7.9Hz,1H),6.67(t,J=7.6Hz,1H),3.20(sept,J=7.0Hz,1H),1.37(d,J=6.8Hz,6H).
工程3。20mLのマイクロ波反応バイアルに3−ヨード−2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(690mg、2.41mmol)、3−アミノフェニルボロン酸一水和物(411mg、2.65mmol)、ジクロロメタン(197mg、0.24mmol)との[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)複合体、アセトニトリル(8mL)、および1MのNa
2CO
3水溶液(5mL)を加えた。この混合液を140℃で2時間にわたりマイクロ波反応器内へ配置した。この反応混合液を真空で濃縮し、粗物質をジクロロメタンと水との間に分配させた。有機相を分離し、硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、そして真空で濃縮した。粗物質をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜30%の酢酸エチル)によって精製すると、205mg(34%)の3−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−フェニルアミンが得られた。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.40(d,J=7.0Hz,1H),7.44(d,J=9.0Hz,1H),7.25−7.18(m,1H),7.03−6.97(m,1H),6.81(d,J=7.3Hz,1H),6.71(s,1H),6.67−6.62(m,2H),3.65(broad s,2H),3.35(sept,J=6.9Hz,1H),1.35(d,J=6.8Hz,6H). LC/MS 252.3 m/z(M+H
+).化合物1100。
(実施例60)
4−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−フェニルアミンの合成
4−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−フェニルアミンは、上記の実施例59におけるように3−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−フェニルアミンの合成法の工程3で使用した方法にしたがって3−ヨード−2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンおよび4−アミノフェニルボロン酸一水和物から調製した(134mg、18%)。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.58(d,J=7.0Hz,1H),7.42(d,J=7.8Hz,1H),7.14−7.04(m,3H),6.77(t,J=7.0Hz,1H),6.67(d,J=8.5Hz,2H),5.15(s, 2H),3.23(sept,J=6.8Hz,1H),1.26(d,J=7.0Hz,6H). LC/MS 252.3 m/z(M+H
+).化合物1101。
(実施例61)
2−イソプロピル−3−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの合成
2−イソプロピル−3−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、上記の3−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−フェニルアミンの合成法の工程3(実施例59)において使用した方法にしたがって3−ヨード−2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンおよび4−モルホリノフェニルボロン酸から調製した(157mg、16%)。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.61(d,J=6.3Hz,1H),7.45(d,J=9.0Hz,1H),7.30(d,J=7.0Hz,2H),7.15−7.06(m,3H),6.81(t,J=6.5Hz,1H),3.79−3.75(m,4H),3.25(sept,J=6.3Hz,1H),3.22−3.15(m,4H),1.27(d,J=6.8Hz,6H);LC/MS 322.3 m/z(M+H
+).化合物1102。
(実施例62)
2−イソプロピル−3−ピリジン−4−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの合成
2−イソプロピル−3−ピリジン−4−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、上記の3−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−フェニルアミンの合成法の工程3(実施例59)において使用した方法にしたがって3−ヨード−2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンおよび4−ピリジンボロン酸から調製した(1,584mg、34%)。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.87−8.82(m,3H),8.09(d,J=6.5Hz,2H),7.95(d,J=9.0Hz,1H),7.52(t,J=8.0Hz,1H),7.11(t,J=6.8Hz,1H),3.48(sept,J=6.3Hz,1H),1.34(d,J=6.8Hz,6H);LC/MS 238.3 m/z(M+H
+).化合物1103。
(実施例63)
2−イソプロピル−3−(1H−ピラゾール−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの合成
2つの20mLのマイクロ波反応バイアルに各々3−ヨード−2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(486mg、1.69mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−ピラゾールカルボキシレート(500mg、1.69mmol)、ジクロロメタン(139mg、0.17mmol)との[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)複合体、アセトニトリル(8mL)、および1MのNaHCO
3水溶液(5mL)を加えた。この混合液を140℃で2時間にわたりマイクロ波反応器内へ配置した。2つのバイアルからの反応混合液を結合し、真空で濃縮し、粗物質をジクロロメタンと水との間に分配させた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、そして真空で濃縮した。粗物質をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜50%酢酸エチル)によって精製すると、保護されたアナログが得られた。保護されたアナログをジクロロメタン(50mL)中の20%トリフルオロ酢酸に溶解させ、室温で攪拌した。反応は完了についてHPLCによって監視した(2時間)。混合液を真空で濃縮し、濃縮した物質をジオキサン中の4N塩酸に溶解させた。この酸性溶液にエーテルを加えると、所望の物質が沈殿した。この物質を濾過して高真空下のインバキュオで乾燥させると、塩酸塩として235mg(31%)の2−イソプロピル−3−(1H−ピラゾール−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンが得られた。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.70(broad s,1H),8.64(d,J=7.0Hz,2H),8.07(d,J=7.0Hz,2H),7.61(d,J=9.0Hz,1H),7.19(dd,J=7,8,6.8Hz,1H),6.85(t,J=6.8Hz,1H),3.30(sept,J=7.0Hz,1H),1.29(d,J=6.8Hz,6H);LC/MS 227.1 m/z(M+H
+).化合物1104。
(実施例64)
2−イソプロピル−3−ピリジン−3−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの合成
2−イソプロピル−3−ピリジン−3−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、上記の3−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−フェニルアミンの合成法の工程3(実施例59)において使用した方法にしたがって3−ヨード−2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンおよび3−ピリジンボロン酸から調製した(240mg、32%)。
1H−NMR(250MHz, DMSO−d
6)δ8.69(d,J=7.3Hz,1H),8.67(s,1H),8.55(d,J=4.0Hz,1H),7.85(d,J=7.8Hz,2H),7.56−7.47(m,1H),7.20(t,J=8.8Hz,1H),6.89(t,J=6.8Hz,1H),3.24(sept,J=7.0Hz,1H),1.28(d,J=6.8Hz,6H);LC/MS 237.9 m/z(M+H
+).化合物1111。
(実施例65)
2−イソプロピル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの合成
2−イソプロピル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、上記の3−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−フェニルアミンの合成法の工程3(実施例59)において使用した方法にしたがって3−ヨード−2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンおよび1−メチルピラゾール−4−ボロン酸から調製した(138mg、13%)。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.59(d,J=6.8Hz,1H),7.93(s,1H),7.64(s,1H),7.58(d,J=9.0Hz,1H),7.16(t,J=7.6Hz,1H),6.80(t、J=6.8Hz,1H),3.91(s,3H),3.29(sept,J=7.0Hz,1H),1.29(d,J=6.8Hz,6H);LC/MS 241.1 m/z(M+H
+).化合物1112。
(実施例66)
イソプロピル−[4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンの合成
化合物1137、1139、および1134〜1136を合成するために利用した一般化方法は、下記に提供されている。下記のスキームは、化合物1137の合成を示している。
工程1。2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(10.00g、66.7mmol)、酢酸無水物(100mL)、および濃硫酸(10滴)を結合し、還流させながら3時間攪拌した。この混合液を室温へ冷却し、氷水(300mL)中に注入した。混合液をpH>10となるまで2N水酸化ナトリウムでクエンチし、クエンチした溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗物質をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜40%の酢酸エチル)によって精製すると、11.8g(87%)の1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エタノンが得られた。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.47(d,J=6.8Hz,1H),8.12(d,J=9.0Hz,1H),7.38(t,J=7.3Hz,1H),6.89(t,J=6.0Hz,1H),3.76(sept,J=6.9Hz,1H),2.60(s,3H),1.39(d,J=6.8Hz,6H);LC/MS 203.3 m/z(M+H
+).
工程2。1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エタノン(7.56g、3.74mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(80mL)を結合し、還流させながら24時間攪拌した。この反応混合液を真空で濃縮し、濃縮した反応混合液に新鮮N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(80mL)を加え、攪拌させながら24時間攪拌した。この反応混合液を真空でもう一度濃縮し、濃縮した反応混合液にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールの第3部分(80mL)を加え、攪拌させながら3度目の24時間にわたり攪拌した。反応混合液を真空で濃縮し、粗物質をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中で0〜40%アセトン)により精製すると、E−3−ジメチルアミノ−1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−プロペノンおよびZ−3−ジメチルアミノ−1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−プロペノンの4.30g(44%)の2:1混合物が得られた。
1H−NMR(250MHz,CDCl
3)δ8.37(d,J=6.8Hz,1H),7.99(d,J=9.0Hz,1H),7.69(d,J=12.5Hz,1H),7.17(t,J=7.0Hz,1H),6.72(t,J=6.0Hz,1H),5.49(d,J=12.5Hz,1H),3.70(sept,J=6.8Hz,1H),2.95(s,6H),1.37(d,J=7.0Hz,6H);E−3−ジメチルアミノ−1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−プロペノンについてはLC/MS 258.4 m/z(M+H
+).
1H−NMR(250MHz, CDCl
3)δ8.39(d,J=6.8Hz,1H),8.00(d,J=9.0Hz,1H),7.71(d,J=12.3Hz,1H),7.17(t,J=6.8Hz,1H),6.73(t,J=7.0Hz,1H),5.50(d,J=12.3Hz,1H),3.72(sept,J=6.9Hz,1H),2.97(s,6H),1.39(d,J=7.0Hz,6H);Z−3−ジメチルアミノ−1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−プロペノンについてはLC/MS 258.4 m/z(M+H
+).
工程3。イソプロピルアミン(9.2mL、108.0mmol)、2−メチル−2−チオプソイドウレア硫酸塩(15.00g、107.9mmol)、およびピリジン(30mL)を結合し、30℃で18時間にわたり攪拌した。この混合液をインバキュオで濃縮すると、N−イソプロピル−グアニジンが得られた。LC/MS 102.1 m/z(M+H
+).
工程4。3−ジメチルアミノ−1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−プロペノン(2.90g、11.3mmol)およびN−イソプロピル−グアニジン(4.00g、39.5mmol)をエタノール(150mL)中の2Mナトリウムエトキシドに溶解させ、この混合液を還流させながら攪拌した。反応混合液は完了についてHPLCによって監視した(24時間)。この混合液を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチした。クエンチした混合液を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗物質は、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0〜10%メタノール)によって精製した。メタノールおよびヘキサン中での再結晶化によりイソプロピル−[4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンが得られた。生成物をジオキサン(4mL)中の4N塩化水素中に溶解させ、次にエーテルを用いて沈殿させると、塩酸塩が得られた。沈降物を水に溶解させ、−78℃へ冷却し、凍結乾燥機上で乾燥させると、塩酸塩としてイソプロピル−[4−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンが得られた(798mg、24%)。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.87(d,J=6.8Hz,1H),8.36−8.22(m,2H),7.66−7.55(m,1H),7.20−7.07(m,2H),4.18(broad s,1H),3.72(sept,J=6.9Hz,1H),1.37(d,J=7.0Hz,6H),1.28(d,J=6.5Hz,6H);LC/MS 296.3 m/z(M+H
+).化合物1137。
(実施例67)
4−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イルアミンの合成
3−ジメチルアミノ−1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−プロペノン(591mg、2.30mmol)、塩酸グアニジン(878mg、9.19mmol)、炭酸カリウム(2.54g、18.38mmol)、およびDMF(60mL)を結合し、120℃で48時間攪拌した。反応混合液を真空で濃縮した。粗物質をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の2〜10%のメタノール)によって精製すると、210mg(36%)の4−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イルアミンが得られた。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.71(d,J=7.3Hz,1H),8.34(d,J=9.0Hz,1H),8.22(d,J=5.5Hz,1H),7.36(dd,J=7.9,6.8Hz,1H),6.96(t,J=6.9Hz,1H),6.79(d,J=5,3Hz,1H),6.55(s,2H),3.71(sept,J=6.9Hz,1H),1.34(d,J=7.0Hz,6H);LC/MS 254.3 m/z(M+H
+).化合物1139。
(実施例68)
3−[4−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]プロパン−1−オールの合成
工程1。N−(3−ヒドロキシ−プロピル)−グアニジンは、イソプロピル−[4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンの合成の工程3(実施例66)において使用した方法にしたがって3−アミノ−プロパン−1−オールおよび2−メチル−2−チオプソイドウレア硫酸塩から調製した。LC/MS 118.2 m/z(M+H
+).
工程2。3−[4−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−プロパン−1−オールは、再結晶化の代わりに分取的HPLC精製を使用した以外は、イソプロピル−[4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンの合成の工程4(実施例66)で使用した方法にしたがって3−ジメチルアミノ−1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−プロペノンおよびN−(3−ヒドロキシ−プロピル)−グアニジンから調製した(166mg、18%)。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.85(d,J=7.0Hz,1H),8.44−8.22(m,3H),7.59(t,J=7.0Hz,1H),7.18−7.05(m,2H),4.07(broad s,1H),3.79(sept,J=6.9Hz,1H),3.58−3.33(m,4H),1.77(pent,J=6.6Hz,2H),1.37(d,J=6.5Hz,6H);LC/MS312.3 m/z(M+H
+).化合物1134。
(実施例69)
[4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−アミン]の合成
工程1。N−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル)−グアニジンは、イソプロピル−[4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンの合成の工程3(実施例66)において使用した方法にしたがって3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピルアミンおよび2−メチル−2−チオプソイドウレア硫酸塩から調製した。LC/MS 200.2 m/z(M+H
+).
工程2。[4−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−アミンは、再結晶化の代わりに分取的HPLC精製を使用した以外は、イソプロピル−[4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンの合成の工程4(実施例66)で使用した方法にしたがって3−ジメチルアミノ−1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−プロペノンおよびN−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−グアニジンから調製した(162mg、19%)。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.72(d,J=6.8Hz,1H),8.28−8.20(m,2H),7.37(t,J=7.8Hz,1H),7.16−7.10(m,1H), 6.99(t,J=6.6Hz,1H),6.80(d,J=7.3Hz,1H), 3.78(sept,J=7.3Hz,1H),2.56−2.32(m,10H),2.22(s,3H),2.10−2.06(m,2H),1.73(pent,J=6.9Hz,2H),1.35(d,J=6.8Hz,6H);LC/MS 394.3 m/z(M+H
+).化合物1135。
(実施例70)
シクロプロピル−[4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンの合成
工程1。N−シクロプロピル−グアニジンは、イソプロピル−[4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンの合成の工程3(実施例66)において使用した方法にしたがってシクロプロピルアミンおよび2−メチル−2−チオプソイドウレア硫酸塩から調製した。LC/MS 100.2 m/z(M+H
+).
工程2。シクロプロピル−[4−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンは、再結晶化の代わりに分取的HPLC精製を使用した以外は、イソプロピル−[4−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンの合成の工程4(実施例66)で使用した方法にしたがって3−ジメチルアミノ−1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−プロペノンおよびN−シクロプロピル−グアニジンから調製した(34mg、7%)。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.86(d,J=6.8Hz,1H),8.57(d,J=8.3Hz,1H),8.27(d,J=6.5Hz,1H),7.59(t,J=7.9Hz,1H),7.19−7.10(m,2H),4.62(broad s,1H),3.86−3.78(m,1H),2.80−2.72(m,1H),1.38(d,J=6,5Hz,6H),0.90−0.84(m,2H),0.70−0.64(m,2H);LC/MS 294.2 m/z(M+H
+).化合物1136。
(実施例71)
2−イソプロピル−3−(1H−ピラゾール−3−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの合成
3−ジメチルアミノ−1−(2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−プロペノン(860mg、3.34mmol)、ヒドラジン(1.0mL、31.85mmol)、およびエタノール(70mL)中の2Nナトリウムエトキシドを結合し、還流させながら18時間攪拌した。この混合液を室温へ冷却して真空で濃縮した。乾燥させたペーストを飽和重炭酸ナトリウム溶液と酢酸エチルとの間に分配させた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。粗物質は、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0〜15%メタノール)によって精製した。純粋化合物を1N HClジオキサン(2mL)中に溶解させ、エーテルを用いて溶液から沈殿させると、塩酸塩として230mg(87%)の2−イソプロピル−3−(1H−ピラゾール−3−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンが得られた。
1H−NMR(250MHz,DMSO−d
6)δ8.66(d,J=7.0Hz,1H),7.95(s,1H),7.84(d,J=8.8Hz,1H),7.26(t,J=7.8Hz,1H),6.89(t,J=6.8Hz,1H),6.60(s,1H),6.55(broad s, 1H),3,54(sept,J=6.5Hz,1H),1.30((d,J=6.8Hz,6H);LC/MS 227.1 m/z(M+H
+).化合物1141。
表1は、本発明による典型的な化合物の要約を提供しており、R2、R3およびR6各々についての構造、対応する名称、および合成について記載している関連実施例との相互参照または参考文献を含んでいる。
(実施例72)
本発明の典型的な置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物についてのvon Frey線維に対する反応によって測定した機械的異痛症
異痛症を誘導するために、Sprague−Dawley系雄性ラットにBennett and Xie, Pain 1988;33(1):87−107によって記載された坐骨神経に対する慢性収縮性傷害(CCI)を受けさせた。盲験担当者による引っ込め反応を誘導するために後肢の足底面をvon Freyフィラメント(Stoelting社)を用いて刺激した。50%引っ込め反応を誘導するために必要とされた繊維の屈曲力をCCI手術後に計算した(投与前ベースライン値)。N=5〜6の異痛症性ラットに試験化合物もしくはビヒクルの単回腹腔内投与を受けさせた。投与の2時間後、再びvon Freyフィラメントを使用して盲験担当試験者によって50%足引っ込め閾値が決定された。本発明の様々な置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物についての投与前ベースライン値に比較した50%足引っ込め閾値における変化は、表2に報告されている。
神経因性疼痛を治療する際に使用するためには、1.0g以上の慢性収縮性傷害閾値を示す本発明の化合物が好ましいが、他方1.5g以上、または一層より好ましくは2.0g以上の慢性収縮性傷害閾値を示す化合物は特に好ましい。そこで、化合物1009、1012、1013、1014、1019、1026、1085、1103、および1137は、異痛症を治療するために特に有益である。要約すると、上記の化合物は、機械的異痛症ラットモデルを用いて証明されたように、神経因性疼痛を治療する際に特に効果的である。
投与後の様々な時点に2種の用量で腹腔内投与されたビヒクルもしくは化合物1014についての50%足引っ込め閾値(単位、g)のプロットは、図1に提供されている。同様に、図2は、投与後の様々な時点に3種の用量(10mg/kg;20mg/kg;および40mg/kg)で腹腔内投与されたビヒクルおよび化合物1013についての50%足引っ込め閾値(単位、g)のプロットを示している。
(実施例73)
本発明の典型的な置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物についてのPDEの阻害
96ウエルプレート内で、ウシ脳に由来するホスホジエステラーゼ(PDE)酵素(0.5〜1mU/ウエル)を5μM cAMP基質(Sigma社)と結合した。試験化合物(0〜200μM)もしくはビヒクル(0.5% DMSO)を酵素/基質に加え、1時間にわたりインキュベートした。PDELight(登録商標)キット(Cambrex社)を用いて、cAMPの加水分解からの反応において生成されたAMPの量は、AMPをATPへ直接的に変換するPDELight AMP検出試薬を用いて定量した。このアッセイは、新しく形成されたATPおよびルシフェリンからの光線の生成を触媒するルシフェラーゼを使用する。蛍光は、Victor Light 1420照度計上で読み取った。IC50の計算は、非線形回帰曲線当てはめを用いてプロットした。
IC50値の結果は、表2に、本発明の様々な置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物について報告されている。約50μM未満、好ましくは約20μM未満、より好ましくは約15μM未満、およびより一層好ましくは約10μM未満のIC50値を示す化合物は、ホスホジエステラーゼを効果的に阻害する能力によって好ましい。そこで、これに関連して、評価した化合物の中で好ましい化合物には、1004、1006、1008、1012、1019、1022、1024、1025、および1026が含まれる。
(実施例74)
本発明の典型的な置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物についての末梢血単核球(PBMC)のリポ多糖刺激
IC50値は、それらがヒト末梢血単核球においてLPS誘導性サイトカイン産生を阻害する能力に基づいて本発明の典型的な化合物について決定した。ヒトPBMC(末梢血単核球)は、地元の赤十字から入手したバフィーコートからFicoll勾配の上方で単離した。106個/ウエルのPBMCは、24ウエル組織培養プレート内で10%ヒト血清、ヘペスバッファーおよびピルビン酸ナトリウムを補給したRPMI 1640培地中に播種した。細胞は、0.1% DMSO(ビヒクル)もしくは試験化合物(1、10、および100μM)を用いて10ng/mLでLPS(リポ多糖)(大腸菌(E. Coli))による活性化30分前に処置した。LPS刺激の6〜10時間後に、培養上清を収集し、サイトカインであるTNF−αおよびIL−1βのレベルをELISA(R&D Systems社)および/またはLuminex(Linco Diagnostics社)によって定量した。IC50計算は、本発明の典型的な置換ピラゾロ[1,5−a]ピリジン化合物について非線形回帰曲線当てはめを用いてプロットした;結果は表2に提供されている。
表2の結果によって証明されたように、本発明の所定の化合物は、上述したアッセイにおけるLPS−媒介性サイトカイン放出を抑制する能力によって指示されたように、炎症状態を治療するために特に有用である。これに関連して、抗炎症薬として使用するために好ましい化合物は、約50μM以下、好ましくは約40μM以下、および一層より好ましくは約30μM以下のIC50を有する化合物である。そこで、抗炎症薬として使用するために好ましい化合物には、1001、1004、1006、1007、1008、1009、1013、1014、1018、および1024が含まれる。慢性炎症性疾患は例えばTNF−αおよびIL−1βなどの数種の炎症促進性サイトカインの長期的産生によって惹起されるので、化合物がそのようなサイトカインのLPS−刺激産生を効果的に阻害する能力は、1つまたは複数の炎症状態を治療する際の有効性の兆候を提供する。
備考(a). 投与2時間後にvon Frey繊維への反応によって測定した機械的異痛症(10mg/kg、IP、または指示通りに);投与前引っ込め閾値からの変化として報告された;
備考(b). 基質としてcAMPを用いる脳抽出物から入手したPDE;
備考(c). PBMCからのLPS刺激性サイトカイン放出の阻害。
(実施例75)
1−(2−シクロプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの合成
工程1。シクロプロピル(2−シクロプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)メタノン(1.0g、4.42mmol)は、10分間にわたりTsOH一水和物(0.8g、4.21mmol、0.95当量)の存在下でDean−Stark装置内で還流させるためにベンゼン(80mL)中で加熱した。新しく蒸留したエチレングリコール(2.0g、32.24mmol、7.3当量)を加え、さらに12時間還流させながら2相溶液を維持した。この反応液を室温へ冷却し、飽和NaHCO3溶液(25mL×3)を用いて抽出した。有機相をNa2SO4の上方に通して乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(4:1、ヘキサン:酢酸エチル)による精製によって、かすかに黄色の油として2−シクロプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジンが得られた(0.61g、3.85mmol、87%)。
IR(薄膜)ν=3435, 3081, 2088, 1635, 1523, 1435, 1331, 1254, 1221, 1021cm−1;1H NMR(300MHz,CDCl3)δ=8.31(d,J=6.9Hz,1H),7.32(d,J=9.0Hz,1H),6.96(t,J=7.8Hz,1H),6.57(t,J=7.0Hz,1H),6.11(s,1H),2.02−2.14(m,1H),0.96−1.05(m,2H),0.83−0.91(m,2H);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ=158.2,140.9,127.9,123.0,116.9,110.4,92.5,9.3,8.6 MS(EI)m/z(%):159(12),158(100),157(90),156(27),155(11),132(18),131(15),130(28),118(15),80(14),79(12),78(15),69(21),64(11),57(10),44(19),41(14)。
工程2。2−シクロプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン(0.61g、3.85mmol)は、15分間にわたりイソ酪酸無水物(10.0mL、60.24mmol)中で140℃へ加熱した。H
2SO
4(濃、5滴)を反応液に加え、この温度をさらに12時間維持した。この反応液を50℃へ冷却し、溶液のpHが約11になるまでNaOH(50%、水性)を加えた。室温へ冷却すると、水性混合液をCHCl
3(4×25mL)で抽出した。有機相を結合し、Na
2SO
4の上方に通して乾燥させ、濾過し、真空で濃縮すると、1−(2−シクロプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンおよびエノールエステルである1−(2−シクロプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロプ−1−エニルイソブチレートの1:2混合物が得られた。粗混合物は、室温で8時間にわたり新しく調製したMeOH/MeONa(1.0M、10mL)を用いて処理した。この反応液はNH
4Cl(水性)でクエンチし、CHCl
3(4×25mL)で抽出し、有機相を結合し、Na
2SO
4の上方に通して乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。表題化合物である1−(2−シクロプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンは、黄色結晶固体として回収された(0.35g、1.53mmol、39.7%)。融点:108〜109℃;IR(薄膜)ν=3077,2972,2930,2871,1638,1622,1538,1499,1466,1424,1360,1260,1207,1145,1081cm
−1;
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ=8.35(d,J=6.8Hz,1H),8.22(d,J=8.9Hz,1H),7.36(t,J=7.9Hz,1H),6.88(t,J=6.5Hz,1H),3.59(sept,J=6.8Hz,1H),2.42−2.56(m,1H),1.27(d,J=6.8Hz,6H),1.05−1.18(m,4H);
13C NMR(75MHz,CDCl
3)δ=199.7,158.3,142.3,128.4,127.6,119.2,113.4,110.4,38.0,18.8,9.5,8.4;MS(EI)m/z(%):228(26),200(17),186(13),185(100),157(37),117(12),78(13),41(19);HRMS(EI)C
14H
16N
2Oについての計算値:228.1263;観察値:228.1259;C
10H
12N
2についての分析計算値:C、73.66%;H、7.06%;観察値:C、73.13%;H、6.95%。化合物1050。
(実施例76)
3−(ベンジルアミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン塩酸塩の合成
140℃のn−プロピオン酸無水物(15mL、97%)中の2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(6.80g、42.50mmol)を濃H2SO4(0.5mL)に加えた。この混合液を140℃で一晩維持し、室温へ冷却し、pH>11になるまでNaOH(水性50%)を用いて塩基性化した。水層はクロロホルム(3×100mL)を用いて抽出し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%ヘキサン、9:1、ヘキサン:酢酸エチル)によって精製すると、黄色油として1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン(4.81g、22.27mmol、53%)が得られた。1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン(0.500g、2.3mmol)、パラホルムアルデヒド(0.069g、2.3mmol)、および塩酸ベンジルアミン(0.329g、2.3mmol)を5mLの丸底フラスコに加えた。このエタノール性塩酸塩(1mL、エタノール中の1.25%濃HCl)に加え、混合液を還流させるために16時間加熱した。この混合液を次に冷却してEt2O(5mL)および1M NaOH(水性)(10mL)を用いて希釈した。次に水層をEt2O(4×5mL)で抽出した。結合有機相を食塩液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮すると暗褐色油が得られた。この油をフラッシュクロマトグラフィー(0〜90%の範囲内のEtOAc/ヘキサンの10%勾配)にかけると淡黄色油として0.073g(収率9.5%)の3−(ベンジルアミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンが得られた。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ=8.47(d,J=7.0Hz,1H),8.03(d,J=8.9Hz,1H),7.37(dt,J=8.9,0.9Hz,1H),7.30−7.25(m,4H),7.23−7.18(m,1H),6.89(dt,J=7.0,0.9Hz,1H),3.78(sept,J=6.9Hz,1H),3.78(s,2H),3.54−3.43(m,1H),3.17(dd,J=11.7,7.5Hz,1H),2.69(dd,J=11.7,5.7Hz,1H),1.40(d,J=6.9Hz,3H),1.39(d,J=6.9Hz,3H),1.25(d,J=6.9Hz,3H);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ=198.1,164.4,141.4,140.4,129.2,128.3,128.0,127.7,126.8,118.9,113.1,109.3,54.2,52.3,44.8,27.7,22.4,22.1,16.0;MS(EI)m/z 336(M+1,0.5),335(M+,1.5),217(19.1),216(20.7),188(13.3),187(100.0),106(11.2),91(66.2);HRMS(EI)C21H25N3Oについての計算値:335.1998;観察値:335.1995。
アルゴン雰囲気下の氷浴中で冷却したMeOH(2mL)へAcCl(0.047mL)を滴下した。この溶液を10分間にわたり攪拌し、その後無水Et2O(5mL)中の3−(ベンジルアミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン(0.200g)へ滴下し、これをさらに氷浴中で冷却した。溶媒を蒸発させ、残留物をヘキサン(1mL)で処理した。溶媒を蒸発させ、黄色固体を得た。この固体は、MeOH(1%)およびEt2O(99%)を含有する10mLの溶液中で8時間にわたり攪拌した。この固体を濾過し、Et2Oで洗浄し、減圧下で乾燥させると、172mgの3−(ベンジルアミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン塩酸塩が淡黄色固体として得られた。融点=171〜175℃(Et2、ペンタン),IR(KBr)ν=3428,3034,2965,2784,25589,2425,1642,1538,1507,1481,1440,1360,1264,1210,1188,972;1H NMR(600MHz,DMSO−d6)δ=9.60(bs,1H),9.23(bs,1H),8.86(d,J=6.8Hz,1H),8.09(d,J=9.1Hz,1H),7.56−7.68(m,3H),7.37−7.47(m,3H),7.15(tr,J=6.8Hz,1H),4.15−4.23(m,2H),3.87−3.95(m,1H),3.74(sept,J=6.8Hz,1H),3.34−3.42(m,1H),2.94−3.01(m,1H),1.33(d,J=6.8Hz,3H),1.28(d,J=6.8Hz,3H),1.22(d,J=7.6Hz,3H);13C NMR(150MHz,CDCl3)δ=194.8,164.4,140.9,132.3,130.7,130.6,129.6,129.4,129.0,118.7,114.7,107.4,48.2,41.3,27.6,22.9,22.3,17.1;MS(FAB)m/z 337(M+1,25.5),336(M+,100.0),218(16.7),217(99.6),187(28.1),173(17.8),161(13.1),120(31.9),;HRMS(FAB)C21H26N3Oについての計算値:336.2076;観察値:336.2066。化合物1066。
(実施例77)
3−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン塩酸塩の合成
3−(ベンジルアミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン(0.312g、0.93mmol)はMeOH(25mL)中に溶解させた。フラスコから排出させ、アルゴンを用いてフラッシュした(3サイクル)。Pd−C(0.312g、10重量%)を少しずつ加えた。次にフラスコから排出させ、水素を用いてフラッシュした(4サイクル)。不均質混合液を次に2時間にわたり強力に攪拌し、その後に排出させてアルゴンを用いてフラッシュした(3サイクル)。この混合液をセライトに通して濾過し、MeOH(50mL)を用いて洗浄し、そして濃縮した。暗黄色油を次にフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%、MeOH)にかけ、その間にHPLCおよび
1H NMRによって分画を監視した。第1主分画は0.164g(53%の回収された出発物質)を含有していた;次は黄色油としての0.0379g(収率16%)の3−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンであった。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ=8.46(d,J=6.9Hz,1H),8.04(d,J=9.0Hz,1H),7.37(dt,J=9.0,0.6Hz,1H),6.88(dt,J=6.9,0.6Hz,1H),3.77(sept,J=6.9Hz,1H),3.39−3.28(m,1H),3.22−3.16(m,1H),2.80−2.77(m,1H),1.38(d,J=6.9Hz,3H),1.37(d,J=6.9Hz,3H),1.21(d,J=6.9Hz,3H);MS(EI)m/z 246(M+1,2.9),245(M+,17.7),213(14.0),188(14.0),187(100.0),161(16.1),160(27.9),117(10.6),86(46.7),84(72.6),71(10.7),57(23.5),55(10.2),49(15.1),47(18.8),44(11.1),43(24.9),41(16.7);HRMS(EI)C14H19N3Oについての計算値:245.1528;観察値:245.1533。
アルゴン雰囲気下の氷浴中で冷却したMeOH(2mL)へAcCl(0.12mL)を滴下した。この溶液を10分間にわたり攪拌し、その後無水Et2O(10mL)中の3−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン(0.340g)へ滴下し、これをさらに氷浴中で冷却した。沈殿物が直ちに形成されたので、これを濾過し、Et2O(4×15mL)で洗浄すると、0.390gの黄色固体が得られた。この固体は、MeOH(1%)およびペンタン(99%)を含有する20mLの溶液中で8時間にわたり攪拌した。次に溶媒を吸引すると、黄色固体として313mgの3−アミノ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン塩酸塩が得られた。
融点=110〜115℃(MeOH、ペンタン), 1H NMR(600MHz,CDCl3)δ=8.87(d,J=7.2Hz,1H),8.08(d,J=8.4Hz,1H),8.01(br s,3H),7.66(t,J=8.4Hz,1H),7.16(t,J=7.2Hz,1H),3.76−3.71(m,2H),3.25−3.23(m,1H),2.91−2.89(m,1H),1.34(d,J=7.2Hz,3H),1.30(d,J=6.6Hz,3H),1.21(d,J=7.2Hz,3H);13C NMR(150MHz,CDCl3)δ=195.1,164.4,140.9,130.6,129.7,118.7,114.7,107.6,42.0,40.7,27.7,22.9,22.3,16.5;IR(KBr)ν=3400,3369,2967,2873,1630cm−1;MS(FAB+)m/z 247(M+1,17.7),246(M+,100.0),217(24.2),187(21.5),161(71.7),147(11.6),136(10.9),91(10.3),73(42.4),43(10.0),30(22.9);HRMS(FAB+)C14H20N3Oについての計算値:246.1606;観察値:246.1604。化合物1065。
(実施例78)
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチル−3−(ピペリジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩の合成
1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オン(0.500g、2.3mmol)(1.10g、5.1mmol)は無水DMF(8.8mL)中に溶解させた。この溶液に塩酸ピペリジン(0.985g、8.1mmol)およびパラホルムアルデヒド(0.306g、10.2mmol)を加えた。このバイアルをアルゴンでパージし、密封し、85℃へ16時間にわたり加熱すると、出発物質の全部が消費された。バイアルを室温へ冷却し、次にEt
2O(10mL)およびH
2O(5mL)を用いて希釈した。これらの層を分離し、水層のpHをpH12へ調整し、その後でEt
2O(5×5mL)を用いて抽出した。結合有機層をH
2O(5×5mL)、食塩液(10mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮すると、褐色油(1.88g)が得られた。この粗油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40% EtOAc/ヘキサンおよび次に100% MeOH)を受けさせると、黄色油として1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチル−3−(ピペリジン−1−イル)プロパン−1−オン(1.34g、収率84%)が得られた。
IR(薄膜)ν=2965,2933,1646,1630,1457,1439;1H NMR(300MHz,CDCl3)δ=8.46(d,J=6.9Hz,1H),8.08(d,J=9.0Hz,1H),7.37(dt,J=9.0,1.2Hz,1H),6.88(dt,J=6.9,1.2Hz,1H),3.75(sept,J=6.9Hz,1H),3.57−3.46(m,1H),2.46−2.38(m,5H),1.52−1.45(m,4H),1.40−1.35(m,2H),1.39(d,J=6.6Hz,3H),1.38(d,J=6.9Hz,3H),1.22(d,J=6.9Hz,3H);13C NMR(75MHz,CDCl3)δ=198.7,164.0,141.4,129.1,127.5,118.9,11.31,109.5,62.0,54.9,42.4,27.7,25.9,24.2,22.4,22.2,16.9;MS(EI)m/z 313(M+,2.1),228(17.9),213(14.0),187(30.3),99(12.3),98(100.0),97(17.2),84(12.9),41(13.2);HRMS(EI)C19H27N3Oについての計算値:313.2154;観察値:313.2164。
アルゴン雰囲気下の氷浴中で冷却したMeOH(1mL)へAcCl(0.18mL)を滴下した。
この溶液を10分間にわたり攪拌し、その後無水Et2O(10mL)中の1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチル−3−(ピペリジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.661g)へ滴下し、これをさらに氷浴中で冷却した。沈殿物が直ちに形成されたので、これを濾過し、Et2O(4×15mL)で洗浄すると、0.419gのオフホワイトの固体が得られた。この固体は、次にMeOH(2%)、ペンタン(60%)およびEtOAc(38%)を含有する20mLの溶液中で3時間にわたり攪拌した。次に溶媒を吸引すると、純粋白色固体として323mgの1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチル−3−(ピペリジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩が得られた。
融点=166〜167℃(MeOH、ペンタン、EtOAc),IR(KBr)ν=3435,2973,2953,2936,1635,1503,1475,1441,1185;1H NMR(600MHz,DMSO)δ=10.41(s,1H),8.86(d,J=6.0Hz,1H),8.18(d,J=9.0Hz,1H),7.65−7.62(m,1H),7.16−7.14(m,1H),4.03−3.95(m,1H),3.79−3.74(m,1H),3.70−3.66(m,1H),3.44(d,J=12.0Hz,1H),3.23(d,J=12.0Hz,1H),3.06(dt,J=12.0,3.6Hz,1H),2.98−2.92(m,1H),2.85−2.76(m,1H),1.84−1.77(m,1H),1.75−1.70(m,3H), 1.64−1.61(m,1H),1.39−1.33(m,1H),1.31(d,J=6.9Hz,3H),1.28(d,J=6.9Hz,3H),1.22(d,J=7.3Hz,3H);13C NMR(150MHz,DMSO)δ=194.0,164.3,140.4,130.1,129.3,118.4,114.3,106.7,57.1,53.5,52.1,39.4,27.2,22.2,22.2,22.1,21.7,21.1,17.6;MS(FAB+)m/z 315(M+1,7.7),314(M+,33.3), 98(100.0);HRMS(FAB+)C19H28N3Oについての計算値:314.2232;観察値:314.2169;C19H28N3OClについての分析計算値:C、65.22%;H、8.07%;観察値:C、65.37%;H、8.09%。化合物1063。
(実施例79)
2−イソプロピル−3−(2−メチルプロプ−1−エニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジンの合成
25mLのMeOH中の9.2gの1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの溶液に1.5gのNaBH
4を加えた。この溶液を室温で一晩攪拌した。ワークアップ後に、10.25gの油性1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オールが得られた。10mLのベンゼン中の1.05gの1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オールを0.92gのPCl
5および1mLのピリジンを用いて室温で3時間にわたり攪拌しながら処理した。得られた粗2−イソプロピル−3−(2−メチルプロプ−1−エニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジンをAl
2O
3カラム上で精製すると、255mgの純粋化合物が得られた。化合物1049。
(実施例80)
2−(ベンジルアミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンの合成
20mLのMeOH中の2.51gの2−クロロ−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンおよび2.25mLのベンジルアミンに10mgのNaIを加え、この溶液を4時間にわたり還流させ、次に室温で一晩攪拌した。粗2−(ベンジルアミノ)−1−(2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)プロパン−1−オンをAl
2O
3上で精製すると2.51gの純粋化合物が産生した。化合物1071。
上記の明細書に提示した教示の利点を有する本発明の多数の変形およびその他の実施形態は、本発明が関与する分野の当業者であれば容易に思いつくであろう。このため、本発明は、本質的に例として提示されている本明細書に開示した特定の実施形態に限定するべきではないと理解されたい。上記に詳述した説明の意図は、典型的な実施形態について考察してはいるが、実施形態のすべての変形、代替形、および同等物は、それらが添付の開示によって規定される本発明の精神および精神に含まれる限り、含まれると見なすべきである。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは一般的および記述的意味でのみ使用されており、限定する目的で使用されているものではない。
上記では多数の刊行物および特許が言及されている。言及した刊行物および特許の各々は、これにより全体として参照して組み込まれる。