JP2009538113A - 電気的に駆動される車両の制動のための方法 - Google Patents

Abstract

電気的に駆動される車両、特にレール車両の制動のための方法に関する。制動システムの特性を直接にシステム状態に依存せずに最適に形成し、すなわち、例えば車両積載状態、電動機および特に磁石の温度ならびに冗長性要求のような車両の運転状態に応じて最適に形成し、それにより今日車両で必要不可欠であった機械的ブレーキの省略を達成することにある。バネ付勢に基づく摩擦ブレーキを装備していて、車両駆動が永久励磁同期機によって行なわれ、同期機の端子がスイッチを介して制動トルク発生装置に接続されている電気的に駆動される車両の制動のための方法において、車両の運転状態および要求される制動値に依存して、存在する電動機の制動およびバネ付勢に基づく摩擦ブレーキを個別にかつ順々に投入する制御を行う。

Description

本発明は、永久励磁同期機による駆動が行なわれる電気的に駆動される車両、特にレール車両の制動のための方法に関する。

従来技術によればレール車両の制動は電空式ブレーキ装備によって行なわれる。このような装置の設計は不利な環境条件（例えば摩擦値）の前提のもとで最大車両積載荷重を基礎とする。

無秩序な制動は、例えば部分積載荷重において、要求される減速度の超過を結果として伴う。一般に機械的ブレーキの設定／調節は負荷に依存したブレーキ圧変化によって行なわれる。

最新の開発状況によれば、車両、特にレール車両の駆動のために、個別の電気制動回路を有する永久励磁同期機が使用される。

独国特許出願公開第１０２００４０３２６８０号明細書は、同期機の端子がスイッチを介して制動トルク発生装置に接続されている永久励磁同期機を有する電気駆動される車両、特にレール車両のための電動機ブレーキを開示している。これによれば、同期期の動作点の変化によって高められた制動出力を保証するために、制動トルク発生装置に対して少なくともコンデンサが並列接続されている。

例えば、制動トルク発生装置は制動抵抗であり、この制動抵抗は可変であるとよい。

抵抗器（Ｒ）もしくは抵抗とコンデンサとの組合せ（ＲＣ）への永久励磁同期機の接続によって、同期機の回転数に関する電動機ブレーキ作用が最適化され、特にレール車両のための安全な電気ブレーキが実現可能である。

例えば車両の積載状態、電動機の温度および特に磁石の温度ならびに冗長性要求のような大きく異なった周辺条件は、永久励磁同期機の上述の接続の際に、ＲもしくはＲＣを固定的に設計した場合には、運転者よって又は規準にて予め与えられたブレーキ減速度の限界値が、ブレーキ時の全てのケースで守られるわけではないということをもたらす。

存在するブレーキ装置全体の同時作動の場合には、すなわち制御の介入のない場合には、一連のシステム状態において減速度の限界値を行過ぎる。

この種の動作は運転者によって受け入れられず、レール車両のための安全な電気ブレーキの使用を妨げる。

したがって、本発明の基礎をなす課題は、直接にシステム状態、すなわち車両の上述の周辺条件に応じて制動システムの特性を最適に形成し、それにより今日車両で必要不可欠であった機械的ブレーキ（駐車状態のための機械的な補助ブレーキとは異なる。）の省略を達成することにある。

課題は請求項１の特徴にしたがって解決される。従属の請求項は本発明の有効な構成を再現する。

本発明によれば、バネ付勢に基づく摩擦ブレーキを装備していて、車両駆動が永久励磁同期機により行なわれ、この同期機の端子がスイッチを介して制動トルク発生装置に接続されている電気的に駆動される車両、特にレール車両の制動のための方法において、車両の運転状態（ブレーキ動作）および要求される制動値に依存して存在する電動機の制動およびバネ付勢に基づく摩擦ブレーキの制動を個別にかつ順々に投入する制御装置を作動する。

システム構造に応じて各電動機の制動出力もバネ付勢に基づく摩擦ブレーキの制動出力も個別にかつ互いに独立に投入可能であり、したがって安全な総制動出力への要求が満たされる。

システム状態の検出のために、車両の総制動出力の制御装置のための入力量として、例えば次の車両運転状態が求められる。
適切な複数のセンサによる減速度の測定、
複数の電動機電流の測定および機械モデルによる算定、
複数の電動機電圧の零通過の測定および分散決定による減速度の算定、
電動機出力もしくは中間回路出力の測定、
制動抵抗器における出力測定、
複数の回転数の測定、
複数の温度検出、
空気バネ圧との組合せでの負荷周期検出。

検出された運転値に基づいて実際特性曲線が形成されて、要求される制動値の維持のための有効な目標特性曲線と比較される。負の目標値と実際値との偏差、すなわち目標値に対する下回りが存在する間は、許容帯域幅の考慮のもとで順々に、ＲもしくはＲＣの回路への電動機の投入による電動機の制動もしくはバネ付勢に基づく摩擦ブレーキの制動が作動させられる。

電動機の回転数および車両の加速度から形成された実際特性曲線を不揮発性メモリに保存された目標特性曲線と比較し、負の目標値と実際値との偏差において電動機もしくはバネ付勢に基づく摩擦ブレーキの制動を投入するのもよい。

１つよりも多いブレーキ構成要素の同時投入を防止する論理的なインターロック機構が設けられるとよい。

しかし、それとは違って、バネ付勢に基づく摩擦ブレーキの全てが一緒に投入されてもよい。

電気的および機械的な制動出力を個別にかつ順々に投入する可能性によって、自由に使用可能な制動力を制御し、それにより車両の積載状態電動機および特に磁石の温度のような周辺条件による影響を補償することができる。

制動経過は計画可能な目標特性曲線に従って行なわれる。制動減速度の要求された限界値が守られる。付加的にブレーキ使用時における願わしくない衝撃が制限される。

本発明によって安全な電気的ブレーキの使用およびそれにともなう今日車両で必要不可欠であった機械的ブレーの省略を達成することができ、電気駆動される車両の制動時に快適性および減速度の要求を満たすことができる。

Claims (8)

1. バネ付勢に基づく摩擦ブレーキを装備していて、車両駆動が永久励磁同期機により行なわれ、前記同期機の端子がスイッチを介して制動トルク発生装置に接続されている電気的に駆動される車両、特にレール車両の制動のための方法において、
   車両の運転状態および要求される制動値に依存して、存在する電動機の制動およびバネ付勢に基づく摩擦ブレーキの制動を個別にかつ順々に投入する制御装置を作動することを特徴とする方法。
2. 各電動機の制動出力もバネ付勢に基づく摩擦ブレーキの制動出力も互いに独立に投入されることを特徴とする請求項１記載の方法。
3. 車両の総制動出力の制御装置のための入力量として次の車両運転状態のうちの１つあるいは２つ以上が検出され、または評価され、または記憶された特性との目標−実際比較の決定のために使用されることを特徴とする請求項１又は２記載の方法、
   適切な複数のセンサによる減速度の測定、
   複数の電動機電流の測定および機械モデルによる算定、
   複数の電動機電圧の零通過の測定および分散決定による減速度の算定、
   電動機出力もしくは中間回路出力の測定、
   制動抵抗器における出力測定、
   複数の回転数の測定、
   複数の温度検出、
   空気バネ圧との組合せでの負荷周期検出。
4. 検出された運転値に基づいて実際特性曲線が形成されて、要求される制動値の維持のための有効な目標特性曲線と比較され、制動の目標値と実際値との偏差における許容帯域幅の考慮のもとで、次の電動機ブレーキもしくはバネ付勢に基づく摩擦ブレーキの制動が投入されることを特徴とする請求項３記載の方法。
5. １つよりも多いブレーキ構成要素の同時投入が論理的なインターロック機構によって防止されることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１つに記載の方法。
6. バネ付勢に基づく摩擦ブレーキの全てが一緒に投入されることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１つに記載の方法。
7. 電動機の制動もしくはバネ付勢に基づく摩擦ブレーキの制動が遮断可能に構成されていることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１つに記載の方法。
8. 制動トルク発生装置の少なくとも１つに対してコンデンサが並列接続されていることを特徴とする請求項１記載の方法。