JP2009535327A - ロピバカイン塩酸塩無水物およびその調製 - Google Patents

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Abstract

本発明は、安定な無水ロピバカイン塩酸塩を調製するための方法であって、当該方法は、ロピバカイン塩基からロピバカイン塩酸塩を調製することを含み、ロピバカイン塩基は、95%以上のキラル純度を有して提供され、当該単離は、イソプロパノールおよび塩酸塩の使用を含み、水フリーの条件下で行われる方法に関する。ロピバカイン塩基は、相間移動触媒の存在下で、L-ピペコリン酸2,6-キシリジド塩酸塩をN-プロピル化することにより高いキラル純度で提供され得る。更に本発明は、上記方法により得られる安定な無水ロピバカイン塩酸塩に関する。

Description

発明の分野
本発明は、安定なロピバカイン塩酸塩無水物および高いキラル純度を有するロピバカイン塩基、並びにその調製に関する。
発明の背景
WO-A-85/00599は、(S)-(-)-1-プロピルピペコリン酸2,6-キシリジド、すなわちロピバカインの調製を開示し、この化合物は、ラセミ化合物および対応するR-(+)-エナンチオマー、さらにメピバカインおよびブピバカイン(それぞれ、1-メチル同族体および1-n-ブチル同族体である)と比べて、予測できない長い持続期間を有する有効な局所麻酔薬であることが証明されている。
その調製は、4つの工程、すなわちa) L-(+)-酒石酸を使用してピペコリン酸を分割して、左旋性の光学立体異性体を単離し;b) その立体異性体を塩素化して、L-ピペコリン酸クロライド塩酸塩を形成し;c) その酸クロライド塩酸塩を2,6-キシリジンと反応させて、L-ピペコリン酸2,6-キシリジドを形成し;d) それをプロピル化して、所望のロピバカイン塩酸塩を得る工程を含む。
工程a)でピペコリン酸を分割する際の分割方法を使用して、局所麻酔薬メピバカインおよびブピバカインの長時間作用性の単一のエナンチオマーを得るアイデアは、J. Med. Chem. (1971) 14:891-892に公開され、ここでは酒石酸一水和物を使用し、イソプロパノールを添加してイソプロパノール不溶性エナンチオマーを分離し、その後、所望のエナンチオマーを単離する。しかし、US 5,959,112は、イソプロパノールの使用は、プラントでの生産に必要な時間にわたって安定な結晶化システムを提供しないことを教示する。これは、その溶液が、望ましくないエナンチオマーで過飽和状態にあることが理由であり、このため、望ましくないエナンチオマー形態の結晶化が、小さな混乱によって容易に始まり、これは、イソプロパノールが大規模生産での使用に適していないことを意味する。分割の工程において種々の水分含量と組合せてイソプロパノールを使用することは、何の改良も提供しない。
WO-A-85/00599と同様、WO-A-96/12700およびEP-A-1.433.782は、L-ピペコリン酸から出発して、ラセミ体および鏡像的に純粋な(enantiopure)ブピバカイン塩酸塩を調製することを教示する。これらの文献は、ワンポット合成の有利な効果に焦点を当てているが、これは、比較的多量の望ましくない塩基のエナンチオマーを中間体として伴う。
このことは、EP-A-239.710で強調され、これによれば、WO-A-85/00599に記載される調製方法は、望ましくない副生成物である比較的多量の(R)-(+)-エナンチオマーを含有する生成物を生じる。EP-A-239.710は、WO-A-85/00599の方法に従って得られる生成物は吸湿性であるため、安定でなく、約2%の水を含有することを更に記載する。1モルの結晶水は、5.5%の水分含量を意味する。種々の水分含量を有する生成物は、水分パーセンテージを、薬学的調合物を調製する度に分析しなければならないという欠点がある。よって、上記で報告されたロピバカインの形態は、不安定なために望ましくない形態の無水ロピバカイン塩酸塩として特徴づけるべきである。
加えて、EP-A-239.710は、ここで使用される溶媒、イソプロパノールからの再結晶化を受けなければ、WO-A-85/00599に記載される無水ロピバカイン塩酸塩を更に精製することができないことを教示する。水が添加されたが、光学的に更に純粋な生成物、または水分含量に関して更に洗練された生成物を得ることはできなかった。
したがって、US 5,959,112は、安定で、通常の室温および湿度での保存により変化しない、一水和物の形態の(S)-(-)-エナンチオマーを調製する方法を教示する。それについて、ラセミ体の出発材料、ピペコロキシリジド塩酸塩を、そのHCl塩から遊離し、分割剤を用いて結晶化により分割し、その後、安定な結晶生成物を1-ハロプロパンを用いてアルキル化する。アルキル化した後、ロピバカイン塩酸塩を、水を用いた抽出により沈殿させ、わずか約90%のキラル純度で得る。更に高いキラル純度を得るために、その後、ロピバカイン塩酸塩を水に溶解し、そこにホットなアセトンを添加する。その後、その溶液をできるだけホットな状態で濾過し、結晶化させる。約80%の収率がUS 5,959,112で報告される。しかし、ホットなアセトンからの単離は、実験室では平易な方法であるが、プラントでの生産で実施するのは容易ではない。
あるいは、EP-A-239.710に従って、得られた一水和物を、75℃で16時間加熱することにより結晶水を除去して、無水形態のロピバカインを得てもよい。かかる大規模な乾燥工程により、このプロセスは、不安定性の問題を解決するための工業化プロセスでの実施にほとんど適していないものになる。
このため、当該技術分野では、高いキラル純度および高い収率を有し、安定な形態のロピバカイン塩酸塩を産生する、コスト効率が高く簡易な調製ルートを提供する必要が常にある。
発明の概要
本発明の目的は、高いキラル純度を有するロピバカイン塩基を調製し単離するためのコスト効率が高い方法を提供することである。
また本発明の目的は、現存の安定なロピバカイン塩酸塩一水和物の代わりとして適切な、その一水和物対応物と同量もしくはそれ以下のR-(+)-エナンチオマーを含有する、好ましくは対応のR-(+)-エナンチオマーを実質的に含まない形態の、安定な形態で高いキラル純度を有するロピバカイン塩酸塩を提供することである。
更に本発明の目的は、高い収率を備え、大規模な精製工程を必要とすることなく安定な形態の生成物を維持する機会を備えた、安定なロピバカイン塩酸塩を調製するための簡単で工業的に適用可能な方法を提供することである。
高いキラル純度を有する無水形態の安定なロピバカイン塩酸塩は、ロピバカイン塩基から出発して、US 5,959,112およびEP-A-239.710で提案される水性(aqueous)塩酸塩およびホットな水性(aqueous)アセトンの代わりに、水フリーの条件下においてイソプロパノールおよび塩化水素を併用して塩酸塩の形態を調製することにより得ることができる。これにより、ロピバカイン一水和物を安定な無水ロピバカインに変換するための追加の大規模な乾燥工程が回避される。WO-A-85/00599、WO-A-96/12700およびEP-A-1.433.782を考慮すれば、本発明の方法では、キラリティーが純粋なロピバカイン塩基から出発することが必須であると考えられる。
当該技術分野で教示される水性(aqueous)単離の代わりの単離ルートを探索する場合、安定な形態の無水ロピバカインを提供するという課題に直面した当業者は、これらピペコロイルキシリジド塩酸塩の結晶化にイソプロパノールを使用することは、(本発明の背景技術に記載されるとおり)当該技術分野において既に長い間、不安定性と関連があったため、ロピバカイン塩基から出発する調製ルートに、とりわけ最後の単離工程ではない調製ルートに、イソプロパノール(IPA)を組み込むこと考えないでしょう。
本発明の方法では、95%以上、より好ましくは少なくとも99.5%のキラル純度を備えたロピバカイン塩基をまず提供することが重要である。低い純度は、望ましくないエナンチオマーの結晶化につながり、受け入れられない低レベルでロピバカイン塩酸塩を産生することになる。追加の分割工程が必要になり、不都合なことに再度システムに水が導入され、これにより不安定性が導入されることになる。
有利なことに、本発明の調製方法では、典型的には95%以上、好ましくは98%以上の収率の安定な無水ロピバカイン最終生成物が得られ、これは、EP-A-239.710およびUS 5,959,112でそれぞれ教示されるロピバカイン塩酸塩一水和物の約76%および80%の収率よりずっと高く、追加の精製工程の必要もない。また、安定なロピバカイン無水物の収率は、WO-A-85/00599で吸湿性の相当物として報告されたものよりずっと高い。L-ピペコリン酸2,6-キシリジド((S)-2-ピペコロキシリジド)から計算した、本発明の方法による全収率は、WO-A-85/00599の場合53%であるのに対し、77%以上である。
「安定な」ロピバカイン無水物は、湿潤条件下においても水分吸収の有意な変化を示すことなく、少なくとも2週間、好ましくは少なくとも1ヶ月にわたって無水の状態のままであるロピバカイン無水物を含むことを意図する。これは、10〜50℃の温度および20〜80%の相対湿度、更に50〜80%の相対湿度で、上記長さの貯蔵期間を経た後、標準化カール・フィッシャー滴定法により測定されるとおり、2.0 wt%未満の結晶水、より好ましくは1 wt%未満の結晶水の水分含量を示す。その点で、本発明のロピバカイン塩酸塩は、EP-A-239.710に教示される大規模な乾燥(75℃で16時間)の後に一水和物の相当物から得られる無水物とは異なる。このようにして得られた無水ロピバカイン塩酸塩は、吸湿性で安定でない無水形態を指す。
また、N-アルキル化ステップにおける相間移動触媒の使用は、キラル純度を更に改良し、反応時間および温度を低下させることが本発明により見出された。参照として、WO-A-85/00599では、ロピバカイン塩酸塩の調製におけるN-アルキル化は、約8時間70℃の温度が必要であることが報告される。US 5,959,112は、触媒を使用しなかったり、または反応が低い温度で行われたりすると、多大な反応時間がかかるため、アルキル化ステップにおける触媒の使用、および好ましくは還流温度への加熱を教示する。これは、ヨウ化物触媒、好ましくはヨウ化ナトリウムの使用を提案する。ここに、相間移動触媒の使用に対するヒントはなく、これにより実現される反応時間と温度の低減およびキラル純度の改良に対するヒントもない。
詳細な説明
よって、本発明は、式:
Figure 2009535327
の安定な無水ロピバカイン塩酸塩を調製するための方法であって、当該方法は、式:
Figure 2009535327
のロピバカイン塩基にイソプロパノールの存在下で塩化水素を添加することを含み、当該方法は、水フリーの条件下で行われ、ロピバカイン塩基は、95%以上、好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも99%、とりわけ少なくとも99.5%のキラル純度を有して提供される、方法に関する。
「水フリーの条件」とは、その調製の間にロピバカイン塩酸塩を含有する混合物が、標準化カール・フィッシャー滴定法を用いて測定され得るとおり、0.5 wt%未満、好ましくは0.1 wt%未満の水分含量を有すると理解される。使用されるすべての溶媒および出発材料は、現場では水フリーであると考えられる。
より詳細には、ロピバカイン塩基は、好ましくは、イソプロパノール以外の有機溶媒中に溶解されて提供され、そこにイソプロパノールおよび塩化水素が添加される。好ましい有機溶媒はケトンであり、とりわけアセトンまたはメチルイソブチルケトン(MIBK)であり、最も好ましくはMIBKである。
ロピバカイン塩基は、好ましくは、多量の有機溶媒中に、典型的には10〜100 g/lの濃度で、より好ましくは50〜80 g/lの濃度で溶解される。添加の間、温度は、30〜60℃に好ましくは維持され、好ましくは35〜50℃の範囲に維持される。塩基をその塩酸塩の形態に完全に変換するためには、添加をゆっくりかつ継続的に、0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間かけて行うことが好ましい。ロピバカイン塩基に対する、添加されるIPAおよびHClの合計の重量比は、0.3:1〜3:1、より好ましくは0.5:1〜2:1である。IPA以外の有機溶媒の場合、有機溶媒に対するイソプロパノールおよび塩化水素の合計の重量比は、好ましくは1:5〜1:20の範囲である。イソプロパノールおよび塩化水素は、イソプロパノール:HClの重量比2:1〜9:1で、ロピバカイン塩基に添加され得る。
最も好ましい態様において、塩化水素およびイソプロパノールは、有機溶媒中に溶解されたロピバカイン塩基に、混合物として添加される。イソプロパノール中に添加された塩化水素は、IPA HClと称される。典型的には、IPA HCl溶液のHCl含量は、10〜33 wt%である。
添加後、混合物を冷却し、結晶化させる。その後、固形物を、慣用的な手段に従って、濾過し、乾燥させることができる。これらの工程は、都合よくは室温で行われ得る。
単離後、このようにして得られたロピバカイン塩酸塩無水物は、好ましくは同じ水フリーの条件下でパッケージングにより更に処理されてもよい。このようにして得られたロピバカイン塩酸塩無水物は、2週間以内に、より好ましくは1週間以内に、最も好ましくは1日以内に、特に好ましくは調製直後に、パッケージングすることが好ましい。
本発明を実施するのに必要な高いキラル純度を有するロピバカイン塩基は、二相のN-アルキル化工程でそれを調製することにより、より詳細には、相間移動触媒を利用したL-ピペコリン酸2,6-キシリジドのN-プロピル化工程でそれを調製することにより得ることができる。これは、慣用的な合成ルートに従って報告される90%キラル純度の有意な改良である。
メカニズムは、以下のとおりであり得る:相間移動触媒は、有機相においてL-ピペコリン酸2,6-キシリジドと複合体を形成し、この複合体は、その後、有機相から、アルキル化剤を含有する水相に輸送される。N-アルキル化化合物は、一旦形成されると、水相から有機相へ移動する。触媒は、反応を促進し、それを整然とクリーンにする。
よって、この方法は、式
Figure 2009535327
のL-ピペコリン酸2,6-キシリジドまたはL-ピペコロキシリジドを、相間移動触媒(PTC)の存在下でN-プロピル化することによりロピバカイン塩基を提供することを更に含み、当該反応は、アルカリ性の水相および有機相を含有する二相の反応混合物を含む。
分割剤を使用して、水、好ましくはケトンと水の組み合わせを用いた安定な結晶化システムを形成して、望ましくないR-ピペコリン酸2,6-キシリジドを分離し、式(III)のL-ピペコリン酸2,6-キシリジドを単離することは、当該技術分野で周知である。この分割ステップは、たとえばWO-A-85/00599またはUS,5,959,112に詳細に説明される。本発明の方法において、任意の分割方法を使用することができる。使用され得る分割剤は、L-(-)-ジベンゾイル酒石酸またはL-(-)-ジトルオイル酒石酸である。
とりわけ、J. Med. Chem. 14 (1971) 891-892またはActa Chem. Scand B41 (1987) 757-761で公開される分割方法が好ましく、ここでは2’,6’-ピペコロキシリジドの混合物を、ジベンゾイル-L-酒石酸一水和物で処理し、イソプロパノールを、その後にそれが原因であるとされた結晶化システムの不安定性にもかかわらず(たとえばUS,5,959,112参照)、好ましい分割剤として使用する。有利なことに、IPAの単一溶媒システムは、当該技術分野で教示される二成分のアセトン−水混合物に対して、回収および再利用が容易である。
式(III)のL-ピペコロキシリジドは、有機溶媒中、または有機溶媒の混合液中で、PTC反応形態へ調製される。これは、調製後、直接N-アルキル化に使用されてもよく、これにより中間の乾燥または精製工程は不要になる。好ましい有機溶媒はトルエンである。
二相の反応混合物中のL-ピペコロキシリジドの濃度は、二相の反応混合物の全体積に対して計算すると、好ましくは0.1−10 g/L、より好ましくは0.5−5 g/Lである。二相の反応混合物の水分含量は、典型的には、二相の反応混合物の20−50 wt%である。アルカリ性の水相は、少なくとも10、より好ましくは少なくとも12、最も好ましくは更に高いpHを備えると理解される。
L-ピペコロキシリジドは、1-ハロプロパンを用いてアルキル化される。好ましいアルキル化試薬は、n-プロピルブロマイドまたはn-プロピルイオダイドである。アルキル化反応は、塩基の存在下で行われる。N-アルキル化で使用することができるアルキル化剤および塩基は、当業者に認識される。炭酸塩または水酸化物、とりわけそのカリウムまたはナトリウム塩、特に水酸化ナトリウムが、塩基として特に有効である。N-アルキル化剤は、L-ピペコロキシリジドに対して70−80 wt.%の量で使用される。
相間移動触媒は、第四級アンモニウムまたはホスホニウム塩とすることができ、好ましくは第四級アンモニウム塩、より好ましくはC2-C8アルキルを有するテトラアルキルアンモニウム塩、またはアルキルがC2-C8であるベンジルトリアルキルアンモニウム塩である。対の陰イオンは、好ましくはハロゲン化物または硫酸水素塩、より好ましくはIである。最も好ましい態様において、PTCは、テトラブチルアンモニウムイオダイドTBAIである。本発明の目的のために、PTCは触媒量、好ましくはL-ピペコロキシリジドの10−15 wt.%の量で使用される。
相間移動反応の間の反応温度は、好ましくは50−90℃、より好ましくは60−80℃である。これらの温度条件において、反応は、典型的には3時間以内、好ましくは2時間以内に完了する。好ましくは、N-アルキル化を完了させるために少なくとも70℃の温度を維持する。
また本発明は、本発明の方法により得られる、パッケージングされているかまたはされていない、安定な無水形態のロピバカイン塩酸塩に関する。本発明の文脈において、「ロピバカイン塩酸塩無水物」および「無水ロピバカイン塩酸塩」は、交換可能であると考えられ、2.0 wt%未満の結晶水を含有する、より好ましくは1 wt%未満の結晶水を含有する、最も好ましくは結晶水をまったく含有しないロピバカイン塩酸塩を意味する。この化合物は、0.5面積%未満の対応するR-(+)-エナンチオマー、比旋光度 [α]D25 -6.4乃至-6.8°(水中c=2)、および融解間隔 260〜262℃を含有することで更に特徴づけられる。
上記教示に類似して、更なる側面において、本発明は、メピバカイン、リドカインおよびブピバカイン塩酸塩に対応する、アルキルがメチル、エチルまたはブチルである、安定な無水(S)-(-)-l-アルキル-2',6'-ピペコロキシリジド塩酸塩を調製するための方法であって、当該方法は、それらの各々の塩基の形態からそれらを調製することを含み、当該調製は、イソプロパノールおよび塩化水素の使用を含み、水フリーの条件下で行われる方法、並びにイソプロパノールおよび塩化水素を用いた水フリーの調製方法により得られる安定な無水最終産物に関する。95%以上、より好ましくは97%以上、最も好ましくは99%以上、とりわけ少なくとも99.5%のキラル純度を有するメピバカイン塩基、リドカイン塩基およびブピバカイン塩基は、相間移動触媒の存在下で、L-ピペコリン酸2,6-キシリジド塩酸塩をN-アルキル化することにより提供することができ、当該反応は、水相および有機相を含有する二相の反応混合物を含む。
相間移動触媒によるN-アルキル化の原理は、5以上の原子のN-置換アルキル基へ拡張することができるが、これらの同族体は、毒性が高いため局所麻酔剤として機能しないことが知られている。
また本発明は、活性成分として、新規で純粋な無水の安定化合物を含有する薬学的調製物:局所麻酔効果を有する薬学的調製物の製造におけるこれら化合物の使用に関する。新規化合物を含むかかる薬学的調製物の調製は、当業者の知識の範囲内である。また、これは、化合物の投与形態および投与量の決定にも適用される。
例1−ロピバカイン塩基の調製
a.分割
70 g (0.3 mol) の2-ピペコリノキシリジド(pipecolinoxylidide)を、RTで350 mlのIPA中に溶解し、hiflow bedにより濾過した。その後、濾過物を2×49 mlのIPAで洗浄し、80℃に加熱した。ジベンゾイル-L-(-)-酒石酸の溶液を添加した。この溶液は、59.5 g (0.16 mol) のジベンゾイル-L-(-)-酒石酸を170 mlのIPA中に80℃で1時間溶解させることにより調製した。反応は、80℃で1時間維持し、RTに冷却し、更に1時間撹拌した。固形物を濾過し、3×25 mlのIPAで洗浄し、乾燥させた。このようにして、ジベンゾイル-2-ピペコリノキシリジド-L-酒石酸塩を得た。乾燥重量 58.6 g。収率 94.6%。
b.N-アルキル化
40 g (0.048 mol) のジベンゾイル-2-ピペコリノキシリジド-L-酒石酸塩、160 mlのDM水、および240 mlのトルエンを混合し、RTで撹拌した。混合物を60℃に加熱した後、13.12 mlの水酸化ナトリウム水溶液 (48% w/w) を60℃において0.5時間で添加した。反応混合物を、60℃で更に0.5時間撹拌した。有機層を分離し、水層を捨てた。11.6 g (0.145 mol) の水酸化ナトリウム溶液 (50% w/w)、3.0 gの触媒 (TBAI)、および17.8 g (0.144 mol) のn-プロピルブロマイドをRTで添加した。反応混合物を70℃に加熱し、1−2時間撹拌した。60℃に冷却した後、120 mlのDM水を添加し、混合物を0.5時間撹拌した。再度、有機層を分離し、水層を捨てた。その後、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、0−5℃に冷却した。スラリーを1時間撹拌し、濾過した。乾燥させた後、ロピバカイン塩基を得た。乾燥重量は21.0 gであった。キラル純度 99.5%。比旋光度 [α]D25 -82.0°乃至-84.0°(メタノール中c=2)。収率 78.7%。
例2−ロピバカイン塩酸塩無水物の調製
例1bに従って調製された10 g (0.03 mol) のロピバカイン塩基を撹拌し、130 mlのメチルイソブチルケトン (MIBK) をRTで添加した。混合物を40℃に加熱し、8.5 g (0.04 mol) のIPA.HCl (IPA中20% w/w HCl). HClを40℃において0.5時間で添加した。混合物を15分間撹拌し、RTに冷却し、更に1時間撹拌した。固形物を濾過し、乾燥させた。乾燥重量 11.2 g。キラル純度 99.5%。収率 98.9%。
例3−ロピバカイン塩基の調製
a.分割
1000 g (4.3 mol) の2-ピペコリノキシリジドを、RTで5000 mlのIPA中に溶解し、hiflow bedにより濾過し、2×700 mlのIPAで洗浄した。濾過物を80℃に加熱した。ジベンゾイル-L-(-)-酒石酸の溶液 (2420 ml IPA 中の850 g (2.37 mol) ジベンゾイル-L-(-)-酒石酸) を、80℃において2時間で添加した。反応を80℃で1時間維持し、RTに冷却し、更に1時間撹拌した。固形物を濾過し、3×350 mlのIPAで洗浄し、最後に乾燥させた。乾燥重量 859.1 g。収率 97.0%。
b.N-アルキル化
855 g (1.04 mol) のジベンゾイル-2-ピペコリノキシリジド-L-酒石酸塩、3420 mlのDM水、および5130 mlのトルエンを混合し、RTで撹拌した。混合物を60℃に加熱し、280.44 mlの水酸化ナトリウム水溶液 (48 wt%) を60℃において0.5時間で添加した。反応混合物を、60℃で0.5時間撹拌した。有機層を分離し、水層を捨てた。
247.65 g (3.09 mol) の水酸化ナトリウム溶液 (50% w/w)、64 gの触媒 (TBAI)、380.7 g (3.09 mol) のn-プロピルブロマイドをRTで添加した。反応混合物を70℃に加熱し、1−2時間撹拌し、60℃に冷却した。2565 mlのDM水を添加し、0.5時間撹拌した。有機層を分離し、水層を捨てた。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、0−5℃に冷却した。スラリーを1時間撹拌し、濾過し、乾燥させた。乾燥重量 444.6 g。キラル純度 99.5%、比旋光度 [α]D25 -82.0°乃至-84.0° (メタノール中c=2)。収率 78.8%。
例4−ロピバカイン塩酸塩無水物の調製
例3bに従って調製された419 g (1.53 mol) のロピバカイン塩基を撹拌し、5447 mlのMIBKをRTで添加した。混合物を40℃に加熱した。355 g (1.94 mol) のIPA.HCl (20% w/w) を40℃において1.5時間で添加し、15分間撹拌し、RTに冷却し、更に1時間撹拌した。固形物を濾過し、乾燥させた。乾燥重量 470 g。キラル純度 99.5%。収率 99%。

Claims (10)

  1. 安定な無水ロピバカイン塩酸塩を調製するための方法であって、当該方法が、ロピバカイン塩基にイソプロパノールの存在下で塩化水素を添加することを含み、当該方法が、水フリーの条件下で行われ、ロピバカイン塩基が、95%以上のキラル純度を有して提供される、方法。
  2. ロピバカイン塩基が、イソプロパノール以外の有機溶媒中に溶解され、そこにイソプロパノールおよび塩酸塩が、好ましくは混合物として添加される、請求項1に記載の方法。
  3. ロピバカイン塩基に対する、添加されるイソプロパノールおよび塩化水素の合計の重量比が、0.3〜3である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記有機溶媒がケトンである、請求項2または3に記載の方法。
  5. イソプロパノールおよび塩化水素の混合物が、前記ロピバカイン塩基に添加され、塩化水素の濃度が、前記混合物の10〜33 wt%である、請求項2〜4の何れか1項に記載の方法。
  6. 前記ロピバカイン塩基が、少なくとも99.5%のキラル純度を有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  7. ロピバカイン塩基が、相間移動触媒の存在下で、L-ピペコリン酸2,6-キシリジド塩酸塩をN-プロピル化することにより提供され、当該反応が、アルカリ性水相および有機相を含有する二相の反応混合物を含む、方法。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の方法により得られる、好ましくは少なくとも99.5%のキラル純度を有する、安定な形態のロピバカイン塩酸塩無水物。
  9. 安定な無水(S)-(-)-l-アルキル-2’’,6’’-ピペコロキシリジド塩酸塩を調製するための方法であって、アルキルが、メチル、エチルまたはブチルであり、当該方法が、その対応する塩基からそれを単離することを含み、当該方法が、イソプロパノールおよび塩酸塩の使用を含み、水フリーの条件下で行われる、方法。
  10. 前記塩基が、相間移動触媒の存在下で、L-ピペコリン酸2,6-キシリジド塩酸塩をN-アルキル化することにより提供され、当該反応が、アルカリ性水相および有機相を含有する二相の反応混合物を含む、請求項9に記載の方法。
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