JP2009532877A - 基板の急速熱処理のための適応制御方法 - Google Patents

基板の急速熱処理のための適応制御方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般に、基板の急速熱処理(RTP)の方法に関する。本発明の実施形態は、リアルタイム適応制御アルゴリズムを使用するか、又は種々の基板形式に対して設計された固定の制御アルゴリズムの組から選択された制御アルゴリズムを使用することにより、熱プロセスを制御することを含む。制御アルゴリズムの選択は、熱プロセス中に測定される基板の光学的特性に基づく。一実施形態において、ランプグループの大部分が固定制御アルゴリズムで制御されると共に、実質的に少数のランプゾーンが適応制御アルゴリズムで制御されるような制御アルゴリズムの組合せが使用される。
【選択図】 図7

Description

発明の背景
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般的に、半導体基板のような材料を熱処理する方法に関する。
関連技術の説明
[0002]多くの用途では、半導体及び他の材料の熱処理が行われるが、これには、材料の温度を正確に測定して制御することが必要である。例えば、半導体基板を処理するには、広い温度範囲にわたり温度を正確に測定して制御することが必要である。このような処理の一例が、多数の製造プロセスに使用される急速熱処理(RTP)であり、急速熱アニーリング(RTA)、急速熱クリーニング(RTC)、急速熱化学気相堆積(TCVD)、急速熱酸化(RTO)、及び急速熱窒素処理(RTN)を含む。RTO又はRTNによるCMOSゲート誘電体形成の特定の用途では、ゲート誘電体の厚み、成長温度及び均一性が、全体的なデバイス性能及び製造収率に影響するパラメータである。これらプロセスの幾つかは、基板にわたる温度変動を数℃未満にする必要がある。
[0003]基板の熱処理中には基板の温度均一性を得ることが望まれる。温度均一性は、膜堆積、酸化物成長及びエッチングのような温度活性化ステップに対して基板に関する均一なプロセス変数(例えば、層厚み、抵抗率、エッチング深さ)を与える。更に、基板の温度均一性は、熱応力で誘起される基板ダメージ、例えば、歪み、欠陥発生及びスリップを防止するためにも必要である。例えば、1150℃では、4インチシリコンウェハの中心から縁の温度差が約5℃あって、転位の形成及びスリップを誘起することになる。
[0004]他の原因で温度勾配も誘起されることがある。例えば、基板は、その表面積又は体積に対する空間的な変更のために、非均一な放射率を有することがある。これらの変更は、バイポーラトランジスタの埋設層のように、ホトリソグラフィー又は局部的ドープ領域によりパターン化された膜を含んでもよい。更に、基板の温度勾配は、処理チャンバー設計に関係した局部的ガス冷却又は加熱作用や、処理中に基板表面に発生し得る非均一な吸熱又は発熱反応によって誘起されることもある。
[0005]急速熱処理中に基板の全領域間の温度非均一性を最小にするのに加えて、基板の実際の時間−温度軌跡が、基板の望ましい時間−温度軌跡、特に、ピーク温度から変動するのをできるだけ少なくすることも重要である。時間−温度軌跡及びピーク温度は、図1を参照して以下に説明する。
[0006]図1は、例示的な急速熱プロセス、この場合は、スパイクアニールプロセスに対する理想的な時間−温度軌跡、以下、ターゲット時間−温度軌跡100と称する、を示している。横座標は時間を表し、縦座標は基板温度を表し、ターゲット時間−温度軌跡100は、スパイクアニールプロセス中の任意の時間における基板の望ましい温度を表している。時間120において、基板が実質的に室温である温度130にある状態で、基板の熱処理が開始される。基板の温度は、図2を参照して以下に述べる初期温度傾斜201の間に温度132へ上昇される。基板の温度は、図3を参照して以下に述べる高輝度ランプを例示的RTPチャンバーの一部分として使用して上昇される。時間122から始めて、基板の温度は、安定化周期202の期間中、温度132に一定に保持される。時間123に、基板の温度は、時間124におけるピーク温度133まで急速に上昇され、次いで、時間125における温度134まで直ちに降下される。RTP中に基板のピーク温度133を満足しない場合には、基板に対する重要なプロセス、例えば、後注入アニールが完了しないことがある。また、RTP中にピーク温度133を越える場合には、プロセスは、他の仕方、例えば、基板への注入原子の望ましくない拡散や、基板上に形成されるデバイスの熱履歴を越えることで、悪影響を受けることがある。
[0007]図2は、図1を参照して上述したスパイクアニールプロセスのような急速熱プロセスのための典型的なプロセスシーケンス200を示すフローチャートである。一般的に、このようなプロセスは、基板の初期温度傾斜201で開始される。基板が約300℃から約400℃の温度になるまで、初期温度傾斜201の第1セグメント中に開ループ加熱が行われる。図1に戻ると、開ループ加熱は、時間120と121との間に行われる。開ループ加熱中には、基板温度のフィードバックがプロセスの制御に組み込まれず、むしろ、ランプ電力が所定の期間中に所定の値で基板に印加され、基板がそれに印加されるランプエネルギーの大部分に対して実質的に不透過となる温度領域に基板を加熱する。約300℃より下では、シリコンウェハのような典型的なRTP基板は、典型的な加熱ランプにより発生される放射エネルギーの多くを主として透過する。このような場合は、基板を通過する放射エネルギーが、基板の背面温度を測定するパイロメータにより検出され、不正確な基板温度測定値を発生することがある。閉ループ加熱制御アルゴリズムの場合には、不正確な基板温度測定で、初期温度傾斜201の間に、不安定さ及び/又はハンチングのような重大な制御問題を招くことがある。この問題を回避するために、RTPの始めには、開ループ加熱が典型的に使用される。開ループ加熱の設定点は、一般的に、実験で決定される。
[0008]基板が約300℃から約400℃に加熱された後、初期温度傾斜201は、一般的に、基板の温度を約500℃から約700℃の安定化温度へもっていく閉ループ制御アルゴリズムを使用して完了される。閉ループ制御は、1つ以上のパイロメータゾーン内で熱プロセスの所与の時間ステップにおける基板の温度測定を制御アルゴリズムに組み込んで、その後の時間ステップに対する加熱ランプの電力出力を微同調する。時間ステップは、比較的小さく、例えば、0.1又は0.01秒である。最小時間ステップサイズは、一般的に、加熱プロセスを制御するのに使用される温度センサのサンプリングレートによって制限される。閉ループ制御の使用は、望ましい基板温度と実際の基板温度との間のエラーを最小にする。
[0009]RTPでは正確な温度制御が非常に重要であるので、モデルベースの制御アルゴリズムが、従来のPID制御アルゴリズムに代わって、熱処理中の閉ループ温度制御の一部分として時々使用される。モデルベースのコントローラとしても知られているモデルベースの制御アルゴリズムは、標準的なPID制御ループに比して、処理中の実際の基板温度とターゲット温度との間のエラーを更に減少することができる。測定エラーに比例する入力(この場合は、ランプ電力)を変化することで測定エラーに応答するのではなく、モデルベースの制御アルゴリズムは、各時間ステップに基板及びチャンバーのエネルギー伝達モデルを適用して、次の時間ステップに基板が熱的にどのように振る舞うか予想する。シミュレーションプログラムと異なるのではなく、モデルベースのコントローラは、システムの全ての関連態様を、基板及びチャンバー壁の光学的特性、ランプの電力出力及び位置、等を含む熱伝達モデルに含ませる。コントローラは、これら全てのファクタを考慮し、次いで、各ランプ又はランプグループの電力出力を、基板の現在温度、望ましい温度、及び全システムのモデル化応答に基づいて制御する。この予想方法は、熱処理中、特に、ターゲット温度が時間の関数として迅速に変化するときに、ターゲット温度からの僅かな変動を許し、スパイクアニール及び関連急速熱プロセスに対して有用なものにする。
[0010]モデルベースのコントローラの顕著な欠点は、基板の温度を望ましい時間−温度軌跡に正確に制御する能力が、モデルのベースとなった仮定の精度によって制限されることである。モデルベースのコントローラによって正確に考慮される必要のある最も重要なファクタは、プロセスチャンバーの態様、例えば、チャンバーのサイズ及び形状、ランプ電力、等、並びに基板の放射率、吸収率、反射率、透過率を含む基板の光学特性である。ここで使用する「放射率」、「吸収率」、「反射率」及び「透過率」は、約0.2μmから約5μmの光波長に対する材料の特性を指す。モデルベースのコントローラは、熱処理中の特定のRTPチャンバーの振舞いをより正確に表わすようにテストを通じて修正することができ、即ち「ファッジファクタ」としても知られている実験的ファクタが典型的にモデルベースの制御アルゴリズムに含まれ、また、コントローラの精度を微同調するために試行錯誤を通じてそれを決定することもできる。しかしながら、コントローラの計算は、固定の光学的特性を伴う特定の基板形式に基づくので、モデルベースのアルゴリズムは、1つを除く全ての形式の基板に対して本来不正確なものとなる。これは、異なる基板の光学的特性が、RTPの前に基板がどのように処理されたかに基づいて劇的に変化するためである。例えば、金属性基板のような高反射性の基板、及び著しくパターン化された基板のような光吸収性の基板は、両方とも、同じ制御アルゴリズムを使用して、同じRTPチャンバー内で処理することができる。処理される各基板形式を考慮するための異なるコントローラが開発されない限り、最適に満たない温度制御しか生じない。多くのコントローラは、単一のRTPチャンバーに使用するようにプログラムされるが、各コントローラは、繰り返される実験に基づいて微同調することを必要とする。ある状況、例えば、半導体工場では、数百の異なる基板形式が所与のRTPチャンバーで処理され、各形式が光学的特性をそれ自身の独特の組合せで有することがある。これは、処理されるべき各基板形式に対して特殊なコントローラを最適化するのを不可能にする。
[0011]図2に戻ると、基板が初期温度傾斜201の終りに安定化温度に達すると、その後、安定化周期202が一般的に生じる。安定化周期202は、初期温度傾斜201の間に基板に刻印された熱勾配を、熱プロセスの温度感知セグメントであるスパイクアニール203を開始する前に基板を平衡させることで、除去することが意図される。スパイクアニール203の始めに存在する基板温度の非均一性は、このプロセス中に修正される見込みは低い。安定化周期202は、その長さが約5秒から約30秒であり、典型的に、約10秒から約20秒である。基板温度は、図1に示すように、安定化温度132に留まるように制御され、これは、特定の熱プロセスに基づいて約500℃から約700℃でよい。
[0012]安定化周期202が完了すると、スパイクアニール203が開始される。この例では、スパイクアニール203は、基板の熱処理が実際に行われるプロセスのセグメントである。スパイクアニールプロセスの好ましい用途は、硼素の注入後に基板上でアニールを遂行することである。この場合に、スパイクアニール203は、基板の熱露出を最小にしながら、注入された硼素を結晶内のランダムな場所からシリコン格子内の電気的に活性なサイトへ移転させる。図1に示すように、スパイクアニール203は、時間123と124との間に行われ、その後に、冷却204が続く。スパイクアニール203の間の基板温度の傾斜率は、一般的に、約150℃/秒から約300℃/秒であり、また、ピーク温度133は、約1000℃から約1200℃/秒であって、スパイクアニール203が、一般的に、数秒間しか持続しないことを意味する。従って、熱プロセスの最も温度に敏感なセグメント中にターゲット時間−温度軌跡100からの基板温度の変動を制御アルゴリズムが修正するための時間は、ほとんどない。急速熱プロセスのこのセグメント中に基板の温度に生じるターゲット温度からの変動、例えば、オーバーシュート、アンダーシュート又はワイドスパイクは、基板と基板との間のピーク温度反復性を低下させる。図2に戻ると、スパイクアニール203の後に、冷却204が続き、基板の急速熱プロセスが終了となる。
[0013]上述したように、基板の熱処理中に基板の温度を可能な限り均一にすることが重要である。実際上、基板の縁領域は、基板の他の領域よりも、RTPチャンバーの周囲によって熱的に影響を受け、縁領域には慢性の温度非均一性が存在するに至る。標準的制御アルゴリズムは、半径方向の温度非均一性が検出されると、それに応答するように設計される。スパイクアニールプロセスのような非常に短いプロセスの場合には、制御アルゴリズムは、充分迅速に補償することができず、基板の縁付近に温度非均一性を招くことがある。更に、RTPチャンバーの現在の設計は、円形基板における半径方向温度非均一性に向かって整えられているので、この温度制御方法では、非半径方向の温度非均一性、例えば、基板を中心として対称的でない「コールドスポット」を修正することができない。
[0014]従って、基板の急速熱処理を制御するための方法及び装置であって、広範囲な基板に使用でき、最小限の同調しか要求せず、ピーク温度反復性を改善し、低い温度において閉ループ制御を使用できるようにし、且つ基板の温度非均一性を最小にするような方法及び装置が以前要望される。
発明の概要
[0015]本発明は、一般的に、基板の急速熱処理(RTP)を行う方法及び装置に関する。本発明の実施形態は、リアルタイム適応制御アルゴリズムを使用するか、又は種々の基板形式に対して設計された固定の制御アルゴリズムの組から選択された制御アルゴリズムを使用することにより、熱プロセスを制御することを含む。制御アルゴリズムの選択は、熱プロセス中に測定される基板の光学的特性に基づく。一実施形態において、ランプグループの大部分が固定制御アルゴリズムで制御されると共に、実質的に少数のランプゾーンが適応制御アルゴリズムで制御されるような制御アルゴリズムの組合せが使用される。
[0016]本発明の上述した特徴を詳細に理解できるように、前記で簡単に要約した本発明を、添付図面に幾つか示された実施形態を参照して、より詳細に説明する。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、それ故、本発明の範囲を何ら限定するものではなく、本発明は、他の等しく有効な実施形態も受け入れられることに注意されたい。
[0035]明瞭化のため、各図面間で共通の同一要素を呼称するのにできるだけ同一の参照番号を使用している。
詳細な説明
[0036]本発明は、一般に、基板の急速熱処理を行う方法及び装置に関する。その実施形態は、改良されたピーク温度反復性を与える制御アルゴリズムの使用を意図し、これは、リアルタイム適応制御アルゴリズムと、基板の特性に基づいて固定制御アルゴリズムを選択する方法と、少数のゾーンのみが適応制御アルゴリズムを使用し、残りのゾーンが計算上あまり強力でない制御アルゴリズムにより制御されるような組合せ制御とを含む。
[0037]図3は、本発明の実施形態を合体できる例示的なRTPチャンバーの部分的斜視図である。この例示的RTPチャンバーは、以下、チャンバー300と称されるが、明瞭化のために断面図で示されている。このチャンバー300は、一般的に、ランプアッセンブリ310、チャンバー本体320、及び基板支持アッセンブリ330より成る。明瞭化のため、図3には、チャンバー本体320の上部しか示されていない。
[0038]ランプアッセンブリ310は、複数のランプ311を備え、その各々は、反射光パイプ312内に位置される。ランプは、タングステン−ハロゲンのような白熱ランプでもよいし、又は放電ランプのような他の高出力ランプでもよい。典型的に、ランプの出力は、ランプ当たり約500Wまで変化し得る。これと共に、反射光パイプ312は、水冷ハウジング314内にハニカムアレイ313を形成する。反射光パイプ312のハニカムアレイ313は、図5を参照して以下に説明する。非常に薄い石英窓315は、ランプアッセンブリ310の底面を形成し、ランプアッセンブリ310を、チャンバー300に通常存在する真空から分離する。赤外光線を透過することから石英窓315には石英が典型的に使用される。ランプアッセンブリ310は、チャンバー本体320の上面に真空密式に取り付けられる。
[0039]チャンバー本体320は、チャンバー300の壁及び床と、基板開口321及び排気開口322とを含む。基板は、基板開口321を通してチャンバー300に送り込まれ且つそこから取り出され、また、真空ポンプ(図示せず)は、排気開口322を通してチャンバー300を真空にする。基板開口321及び排気開口322を必要に応じてシールするためにスリット又はゲートバルブ(図示せず)を使用してもよい。
[0040]基板支持アッセンブリ330は、チャンバー本体320内に収容され、縁リング331と、回転石英シリンダー332と、反射プレート333と、光ファイバプローブ334のアレイとを含む。縁リング331は、回転石英シリンダー332に載せられ、基板処理中に、石英窓315の約25mm下に(明確に示されていない)基板を支持する。縁リング331は、典型的に、熱処理中の過剰な膨張及び収縮を防止するために、熱膨張係数の低い硬い材料、例えば、炭化シリコンより成る。回転石英シリンダー332は、基板の処理中に約50rpmから約300rpmで回転し、基板に対するチャンバー300の熱的非対称性の影響を最小にすることにより処理中の基板温度均一性を最大にする。反射プレート333は、基板の約5mm下に位置される。パイロメータプローブとしても知られている光ファイバプローブ334は、反射プレート333に貫通し、熱処理中に基板の底に向けられる。光ファイバプローブ334は、放射エネルギーをパイロメータ(図示せず)へ伝達し、基板の温度、並びにある実施形態では、熱処理中の基板前面の放射率及び反射率を決定する。ランプ311が白熱ランプであるときには、パイロメータは、典型的に、約0.2マイクロメートル(μm)から約5μmの波長の、基板の背面からの広帯域放射を測定するように適応される。これは、ほとんどの放射エネルギーが基板に印加されるスペクトル範囲である。
[0041]基板にわたる温度均一性を良好に制御するために、基板は、パイロメータゾーンとして知られた複数のゾーンに分割される。各パイロメータゾーンは、熱処理中に基板が回転するときに所与のパイロメータにより測定される基板の領域である。パイロメータゾーンは、典型的に、円形でよい基板の中心にあるゾーンを除いて、環状の領域である。図4は、パイロメータゾーン401−406に分割された基板400の概略平面図である。参考として、パイロメータ位置411−416は、基板400がRTPチャンバーにおいて処理されるときにパイロメータゾーンに関連して示されている。各パイロメータ位置は、基板の中心からの独特の半径方向変位である。パイロメータゾーンの当該構成は、直径が300mmの基板400について示されている。この構成は、他の直径の基板についても使用できる。逆に、300mm直径の基板に対して異なる構成のパイロメータゾーンが使用されてもよく、例えば、この実施例よりも多数の又は少数のゾーンが使用されてもよい。更に、各ゾーンの半径方向寸法は、他のパイロメータゾーンの半径方向寸法と同一であるとは仮定されない。
[0042]温度の均一性を更に改善するために、ランプアッセンブリ310に収容されたランプ311は、ランプゾーンとして知られたグループで制御される。図5は、チャンバー300のためのハニカムアレイ313においてランプ311の1つの考えられる構成500を示す概略平面図である。参考として、チャンバー300の内径501、縁リング331の外径502、及び基板の外径503が、ハニカムアレイ313に関連して示されている。また、図5は、この特定のランプ構成に関連して使用できる対応するパイロメータ位置521−526も含む。ハニカムアレイ313のランプ311は、ランプグループ531−538へとグループ編成される。ランプグループは、実質的に同心的なランプグループ、例えば、ランプグループ531−35、対称的であるが非同心的なランプグループ、例えば、ランプグループ538、或いはその両方の組合せ、例えば、ランプグループ536及び537より成ってもよい。1つの態様において、ハニカムアレイ313における1つ以上のランプグループは、図15を参照して以下に述べる非同心的、非対称的なランプグループより成ってもよい。ランプグループにおける個々のランプの電力出力は、典型的に、ランプグループの全てのランプに対して同じである。
[0043]パイロメータデータの収集、ランプの制御、バルブ及び基板取り扱いロボットの操作を含む、チャンバー300の全ての態様の動作は、典型的にシステムコントローラ(図示せず)と称されるコンピュータ又はプログラム可能なロジックコントローラによってタイミング合わせされ、管理される。あるケースでは、システムコントローラは、特定のRTPチャンバーのみの動作専用とされ、また、他のケースでは、完全な基板処理システムに位置された全てのチャンバー、センサ、及び基板移送ロボットを動作し、整合するのに使用することができる。
[0044]RTP中の基板の時間−温度軌跡を良好に制御するために、熱プロセスは、ここでは時間ステップと称される連続的な時間増分で制御することができる。ターゲット時間−温度軌跡からの基板のずれを最小にするために、時間ステップは、例えば、約0.1秒から約0.01秒以下という程度の短い期間であるのが好ましい。
[0045]熱プロセスにおける所与の時間ステップに対して、基板の各パイロメータゾーンが望ましい温度に加熱される。典型的に、RTPでは、各パイロメータゾーンのターゲット温度が基板全体に対して同じである。一緒に考えると、各時間ステップに対する望ましい温度が、図1に示す基板のためのターゲット時間−温度軌跡100を形成する。
[0046]一般的に、所与の時間ステップにおいて、各パイロメータは、その各々のパイロメータゾーンにおける基板の温度を測定する。この情報は、システムコントローラへ中継され、システムコントローラは、次いで、制御アルゴリズムを使用して、次の時間ステップに対する望ましい温度に基板を加熱するためにその時間ステップに対する各ランプグループの電力出力を決定する。所与のパイロメータゾーンを加熱する放射エネルギーの大部分は、そのパイロメータゾーンに最も近いランプグループから発生される。例えば、図5を参照すれば、パイロメータ位置521により測定されるパイロメータゾーンは、主として、ランプグループ531により影響される。このため、1つ以上のランプグループが、特定のパイロメータゾーンへ「マップ」されてもよく、即ち主として、そのパイロメータゾーンに対して測定された温度に基づいて制御される。しかしながら、これも所与のパイロメータゾーンを加熱する他の顕著なエネルギー源、例えば、近方のランプグループがあるために、特に、スパイクアニールのような短い急速変化プロセスにおいて基板の正確な温度制御を行うには、制御アルゴリズムが他のエネルギー源を考慮に入れることが重要である。各時間ステップに対する入力電力の不正確な予想は、熱プロセスに対する望ましい時間−温度軌跡からの基板温度の著しいずれを招くことがある。
[0047]パイロメータゾーンに対する入力電力の正確な予想に影響するファクタは、基板の光学的特性、例えば、放射率、透過率及び反射率、チャンバー壁からの放射熱、ランプ応答時間を含むと共に、基板の縁領域に対応するパイロメータゾーンの場合は、縁リングからの熱伝達も含む。別の混同するファクタは、より遠方のパイロメータゾーンに対する各ランプグループの作用である。これは、影響マトリクスと称され、チャンバーの幾何学形状の関数だけでなく、基板の前面の反射率の関数でもある。入射放射エネルギーを反射する基板、即ち基板の反射率>0の場合には、制御アルゴリズムは、ランプグループからの放射エネルギーがそのランプグループの真下のパイロメータゾーンにしか影響しないと仮定してはならない。入射放射エネルギーの顕著な部分が基板から反射され、他のパイロメータゾーンを加熱することがある。例えば、図5を参照すれば、高反射性の基板を処理するときには、ランプグループ531からのエネルギーの5%程度が、パイロメータ位置524により測定されるパイロメータゾーンを加熱することがある。
[0048]前記ファクタは、上述したモデルベースの制御アルゴリズムのような従来技術の制御アルゴリズムに組み込むことができる。しかしながら、適応可能な熱電圧モデルの多数の重要なコンポーネントは特定基板の光学特性に依存するので、モデルベースのコントローラの予想精度は、基板の形式と共に変化する。基板の前面の放射率が、モデルベースの制御アルゴリズムの開発に使用されたものと異なる場合には、温度制御の精度が影響を受けることになる。本発明の態様は、仮定された前面の放射率又は反射率のような基板の特性に基づかず、それ故、各ランプグループからの所要電力をより正確に予想して、基板の急速熱処理を制御するための方法を意図している。
基板温度の閉ループ制御
[0049]改善されたピーク温度反復性を与えるために本発明により制御アルゴリズムを含む多数の方法が意図される。1つの態様においては、プロセスの各時間ステップに対して基板の瞬時加熱率を決定して、プロセスの次のステップに対する望ましい電力入力を計算するようなリアルタイム適応制御アルゴリズムを使用して、基板の加熱を制御する。別の態様では、考えられる固定の制御アルゴリズムの組から適当な制御アルゴリズムを選択する方法が使用される。固定の制御アルゴリズムの選択は、測定された基板特性、例えば、透過率又は前面の放射率に基づく。別の態様では、少数のランプグループのみが適応制御アルゴリズムを使用し、残りのグループが計算上あまり強力でない固定の制御アルゴリズム、例えば、ビン型アルゴリズムによって制御されるような組合せ型方法が開示される。
適応制御方法
[0050]1つの態様においては、基板の熱処理中にランプ電力を制御するために適応制御アルゴリズムが使用される。従来技術とは異なり、ここに開示する制御アルゴリズムは、基板の光学的特性について仮定された値に依存しない。むしろ、このアルゴリズムは、現在測定された基板温度及び手前の時間ステップで印加された電力を使用して、現在時間ステップに対する基板の瞬時加熱率を決定する。瞬時加熱率は、主として、前面の放射率、透過率、及び前面の反射率を含む基板の光学的特性の関数である。基板のこれら特性は、基板温度と共に著しく変化するので、モデルベースの制御アルゴリズムのような、基板の特性の基づくアルゴリズムは、実際の基板の実際の光学特性がモデルにより仮定された値からずれるときの不正確さの増加で悩まされる。このような不正確さは、時間ステップごとに基板の振舞いが不正確に計算されるので、制御アルゴリズムの予想精度を制限する。これは、不十分なプロセス反復性及び考えられる制御不安定さを招くことがある。対照的に、ここに開示するアルゴリズムは、手前の時間ステップにおける基板の実際の振舞いに基づいて瞬時加熱率を計算し、それ故、基板の光学的特性について仮定した値に依存しない。
[0051]各パイロメータゾーンに対して、そのゾーンがターゲット温度に到達するに必要な全電力は、式(1)により表わされる。
(1) Ptotal=Pramp+Psteady state
但し、
total=そのゾーンが望ましい温度に到達するために次の時間ステップ中に要求される全電力、
ramp=現在の測定温度から望ましい温度まで次の時間ステップ中にパイロメータゾーンを加熱するのに要求される電力、及び
steady state=時間ステップ中にパイロメータゾーンからの熱損失を打ち消し、それ故、パイロメータゾーンを同じ温度に保持するために要求される電力。
[0052]図2を参照して上述した安定化周期202の間は、Pramp=0である。基板の熱処理のこのセグメント中には、正確な温度制御が重要ではないが、基板温度の均一性が望まれる。上述したように、この安定化ステップは、初期温度傾斜201から基板に存在する温度勾配が平衡状態になるのを許容する。これは、基板の全領域が、同じ熱的「出発点」から温度に敏感なスパイクアニール203を開始するように保証し、基板の全ての領域が同じ熱プロセスを経験する確率を改善する。
[0053]スパイクアニール203中に、Pramp又はPsteady stateのいずれかの計算に存在する不正確さが熱プロセスの結果に著しく影響することがある。両方の項(Pramp及びPsteady state)は、基板の光学的特性に強く依存する。典型的なスパイクアニールプロセスの温度、即ち約700℃より高い温度では、基板の前面反射率及び放射率が最も重要な特性である。というのは、この温度では、典型的な基板の透過率が本質的にゼロだからである。これらの特性の値は、基板の温度と共に変化し、それ故、モデルベースのコントローラは、益々不正確なものとなるが、そのモデルが、処理されている基板と全く同様に温度と共に特性が変化する基板に基づくものであれば、その限りでない。所与のRTPチャンバーでは多数の形式の基板を処理できるので、一般的には、そのようにならない。異なる基板形式は、高反射性、金属性基板から、比較的暗い、甚だしくパターン化された基板までの範囲である。温度エラーを測定して、近似モデルに基づいて、次の時間ステップに基板の熱応答を予想し、そのエラーを減少するように試みるのではなく、本発明は、最も最近の時間ステップにおいて基板の実際の熱的振舞い、即ち基板の瞬時加熱率を計算し、次いで、その情報を使用して、基板の各パイロメータゾーンに対する必要な瞬時電力入力をより正確に予想する方法を意図している。
[0054]RTP中に、基板の加熱率、即ち所与の入力電力に対する基板の温度上昇率は、一定値ではない。これは、Pramp及びPsteady stateが、両方とも、基板温度と共に変化する基板の光学的特性の関数だからである。例えば、高い温度における基板のPsteady stateの大きさは、低い温度でのPsteady stateより相当に大きい。これが図6に示されている。説明のための例として、図6は、入力電力即ちPtotalがプロセス全体にわたって一定であるRTP中に基板の1つのパイロメータゾーンの時間−温度軌跡601を示すグラフである。横座標は、時間を表し、縦座標は、パイロメータゾーンの温度を表す。第1の時間間隔t1は、時間602と603との間に生じ、第2の時間間隔t2は、時間604と605との間に生じる。時間間隔t1及びt2は、同じ長さである。時間間隔t1の間に、ゾーンは、温度606から温度607へ温度が上昇する。1時間ステップ中に基板の1パイロメータゾーンに対する傾斜率としても知られている温度傾斜率は、ここでは、1つの時間ステップ、例えば、時間間隔t1又はt2の間のパイロメータゾーンの温度上昇率として定義される。時間間隔t1中の傾斜率RR1は、時間間隔t1中の時間−温度軌跡601の平均勾配としてグラフで表わされ、数学的には、次のように定義される。
(2) RR1=T(607−606)/t
但し、
(607−606)=温度607と606との間の温度差、及び
=時間間隔t1の期間。
同様に、時間間隔t2の傾斜率RR2は、次のように定義される。
(3) RR2=T(609−608)/t
但し、
(609−608)=温度609と608との間の温度差、及び
=時間間隔t2の期間。
図6に示すように、熱プロセスに対してPtotalが一定に保たれるときにはRR2<RR1である。これは、時間間隔t2中の高い温度の基板に関連した増加熱損失によるものである。高い熱損失は、Psteady stateも高いことを意味する。この実施例ではPtotalが一定であるので、Prampに対してあまり電力が得られず、従って、パイロメータゾーンに同じ入力電力が印加されても、RR2は、RR1より相当に小さい。
[0055]図6は、基板からの実際の熱損失が、基板温度、前面の放射率、吸収率及び反射率の複雑な関数であって、熱プロセスの各時間ステップに対する基板の熱的振舞いの正確な予想を困難にしていることを示す。これは、モデルベースのコントローラが、各パイロメータゾーンに必要な入力電力を計算するときに試みることである。対照的に、ここに開示する適応制御方法は、基板のパイロメータゾーンの瞬時加熱率又は加熱率関数がパイロメータゾーンへの入力電力の簡単な一次関数であると仮定する。ここで使用する「瞬時加熱率」とは、1つの時間ステップ中の基板の1パイロメータゾーンに対する加熱率を示す関数として定義される。いずれの時間ステップに対する瞬時加熱率も、時間ステップごとに、その手前の時間ステップにおけるパイロメータゾーンの熱的振舞いに基づいて再計算される。時間ステップが比較的短くて、例えば、約0.01秒程度であるときには、この仮定は、非常に正確である。
[0056]上述したように、基板のパイロメータゾーンの瞬時加熱率は、入力電力に比例する一次関数であると仮定し、数学的に次のように定義することができる。
(4) RR=(mxP)+C
但し、
RR=時間ステップ中のパイロメータゾーンの傾斜率、
m=加熱率関数の勾配(注:これは、傾斜率である図6に示す時間−温度軌跡の勾配とは区別されるべきである)、
=時間ステップ中にパイロメータゾーンに印加される電力、及び
C=式(4)のような一次式の「切片」としても知られた定数。
パイロメータゾーンに対する瞬時加熱率が既知であり、即ち式(4)の勾配m及び切片Cが決定されたときには、そのパイロメータゾーンに必要とされる電力は、次の時間ステップに対するパイロメータゾーンの傾斜率に基づいて決定することができる。式(2)及び(3)に示すように、所与の時間ステップに対するパイロメータゾーンの傾斜率は、パイロメータゾーンの現在温度、パイロメータゾーンのターゲット温度、及び時間間隔の長さの関数である。各時間ステップに対するパイロメータゾーンのターゲット温度は、望ましい時間−温度軌跡に基づいてルックアップテーブルから得られる。時間ステップの期間も知られている。従って、式(4)における望ましい傾斜率RRは、現在時間ステップの始めに現在温度が測定されると、時間ステップに対する既知の量となる。これは、パイロメータゾーンの望ましい傾斜率RRを生じさせる時間ステップ中に必要な電力Pを計算できるようにする。
[0057]パイロメータゾーンの熱的な振舞い、ひいては、瞬時加熱率は、熱プロセス全体にわたって変化するので、式(4)における勾配m及び切片Cは、熱プロセスの各時間ステップに解く必要がある。これは、加熱率関数が、2つの連続する時間ステップ間のような比較的短い時間周期にわたって著しく変化しないと仮定し、次いで、最後の2つの時間ステップにおける基板の熱的振舞いに基づいて勾配m及び切片Cを解くことにより行われる。例えば、第1の時間ステップにおいて、既知の電力Pp1がパイロメータゾーンに印加され、ゾーンの温度が上昇して、既知の傾斜率RR1を生じさせる。第2の時間ステップでは、異なる既知の電力Pp2がパイロメータゾーンに印加され、ゾーンの温度が再び上昇して、既知の傾斜率RR2を生じさせる。一実施例では、既知の電力Pp2の大きさが、既知の電力Pp1から、既知の電力Pp1の値の少なくとも約10%、相違する。それ故、勾配m及び切片Cの値が、2つ又は3つの時間ステップを含む比較的短い時間間隔にわたって実質的に一定のままであると仮定すれば、これら2つの未知数は、次の2つの式を使用して解くことができる。
(4a) RR1=(mxPp1)+C
(4b) RR2=(mxPp2)+C
[0058]この手順は、基板の各パイロメータゾーンに対して熱プロセスの時間ステップごとに繰り返される。基板の瞬時加熱率は、熱プロセスの時間ステップごとに更新されるので、基板の実際の時間−温度軌跡は、モデルベースの制御アルゴリズムよりも、望ましい時間−温度軌跡をより厳密に追跡することができる。これは、モデルベースのコントローラが、処理されている基板とは実質的に異なる光学的特性を有する基板形式に基づくものであるときに、特に言えることである。
[0059]熱プロセスを正確に制御するには、既知の電力Pp1及び既知の電力Pp2の値の精度が重要であることに注意するのが大切である。このため、RTPチャンバーに使用されるランプが白熱ランプであるときには、瞬時ランプ電力、即ち任意の時点でランプ又はランプグループによって発生される放射電力は、ランプ又はランプグループに印加される電圧を使用するだけでは決定することができない。ランプ電力が増加又は減少するときのランプフィラメントの過渡的応答のために、白熱ランプがその電力における熱的平衡に到達しない限り、印加電圧が白熱ランプの電力を表わさない。RTPの間にはランプ電力が短い時間間隔にわたって頻繁に変化するので、これは一般的なケースではない。むしろ、RTPチャンバーに使用される白熱ランプの瞬時電力は、次の式から瞬時ランプ抵抗Rlampを計算することにより正確に決定することができる。
(5) V=iinstlamp
但し、
V=ランプ又はランプグループに印加される電圧、及び
inst=瞬時ランプ電流。
所与の白熱ランプでは、瞬時ランプ抵抗は、厳密な電力に対応することが知られている。
[0060]図7は、本発明の態様に含むことのできる適応制御方法700のフローチャートである。図1に戻ると、この方法は、安定化周期202、スパイクアニール203、及び初期温度傾斜201の高温セグメントを含むRTP中に基板温度を制御するための閉ループ制御アルゴリズムとして使用するのに最も適している。
[0061]適応制御方法700の第1ステップにおいて、パイロメータゾーンの温度測定701が行われる。
[0062]瞬時加熱率の決定702は、基板上の各パイロメータゾーンに対して行われる。式(4)、(4a)及び(4b)に関連して上述したように、勾配m及び切片Cの値は、手前の時間ステップに対する既知の値であるRR1、RR2、既知の電力Pp1及び既知の電力Pp2を使用して式(4a)及び(4b)のシステムを解くことにより式(4)に対して見出される。1つの態様では、現在時間ステップの瞬時加熱率に対する勾配m及び切片Cの値は、式(4a)及び(4b)の解から直接得られる。別の態様では、現在時間ステップに対する勾配m及び切片Cの更新値は、式(4)の解と、勾配m及び切片Cの1つ以上の以前の値との重み付けされた平均である。一実施形態では、勾配m及び切片Cの更新値に対する重み付けされた平均の計算は、勾配m及び切片Cの最新の値が、勾配m及び切片Cの古い値よりも、勾配m及び切片Cの更新値に不均衡に大きな貢献をするような指数関数的に重み付けされた平均である。この態様では、連続する時間ステップの間に勾配m及び/又は切片Cの値に突然大きな変化が生じたときに、式(4)の数学的な不安定さを回避することができる。この態様の別の実施例では、勾配m及び切片Cの重み付け構成が同じでない。
[0063]適応制御方法700の次のステップでは、傾斜率の計算703が行われ、各パイロメータゾーンに対する傾斜率RRが、次の式を使用して計算される。
(2a) RR=ΔT/t
但し、
ΔT=パイロメータゾーンに対する現在測定温度と、基板に対する希望の時間−温度軌跡に基づいてルックアップテーブルにより指令される、時間ステップの終りに必要な温度との間の温度差、及び
t=現在時間ステップの期間。
1つの態様においては、基板全体の所要温度を、時間−温度軌跡ルックアップテーブルによりその時間ステップに指定される値より低い値に減少することにより、基板の全傾斜率が下げられる。これは、その指定の時間−温度軌跡を追跡できなかった幾つかのパイロメータゾーンが他のパイロメータゾーンと平衡するのを許容することにより、パイロメータゾーン間の温度非均一性を制限する。この方法は、パイロメータゾーンを充分迅速に加熱できないときに、関連ランプグループからの最大ランプ出力がそのパイロメータゾーンにマップされていても、重大な温度非均一性を防止するのに使用できる。一実施例では、基板の1つ以上のパイロメータゾーンが2つ以上の連続する時間ステップに対してターゲット温度より約3℃未満低いときに、基板の全傾斜率が減少される。別の実施例では、基板の1つ以上のパイロメータゾーンが2つ以上の時間ステップに対してターゲット温度より約5℃未満低いときに、基板の全傾斜率が減少される。
[0064]適応制御方法700の次のステップは、パイロメータゾーン電力の計算704である。現在時間ステップに対する各パイロメータゾーンのパイロメータゾーン電力Pは、傾斜率の計算703で決定された傾斜率に基づいて、式(4)を使用して直接計算される。
[0065]次いで、ランプグループ電力の計算705が実行される。特定のランプグループに対するランプグループ電力Plgは、一般的に、そのランプグループがマッチングされたパイロメータゾーンに対するパイロメータゾーン電力Pに等しくない。これは、1つのランプグループは、それがマップされた単なるパイロメータゾーンより大きく影響するためである。この作用、即ち影響マトリクスは、図5を参照して上述した。特定のRTPチャンバーに対して、影響マトリクス、即ち全てのランプグループの全電力が特定のパイロメータゾーンにわたってどのようにローカル放射を発生するかは、典型的に、分かっている。一般的に、この情報は、各パイロメータゾーンにおける各ランプグループの合成放射をRTPチャンバーに対して定量化する実験テストを通して得ることができる。このようなテストは、RTPチャンバーを特徴付ける典型的な要素であり、この技術で知られている。この影響マトリクスと、適応制御方法700の先のステップで計算された各パイロメータゾーンのパイロメータゾーン電力Pが与えられると、影響マトリクスを逆転することによりRTPチャンバーにおける各ランプグループに対してランプグループ電力Plgを直接計算することができる。また、本発明の態様は、各基板に対する影響マトリクスを「オンザフライ」で、即ちRTPの早期の非重要段階中に、決定することも意図している。これらの態様は、「基板の光学特性の決定」のもとで以下に説明する。
[0066]1つの態様において、ランプグループ電力は、白熱ランプのような幾つかのランプ形式に固有の過渡的応答を予想するように変更される。白熱ランプの応答時間は、典型的なRTP時間ステップと同程度に長いので、ランプグループは、ランプグループ電力を計算するプロセスステップ705で計算されるランプグループ電力Plgを時間ステップの終りまで全く与えないことがある。式(4)のRRは、パイロメータゾーン電力Pの恒常的印加を仮定しているので、過渡的なランプ応答があると、所与のランプグループに対する望ましいランプグループ電力Plgより低い実際の電力がランプグループにより発生されることになる。これが図8aに示されており、以下に説明する。望ましいランプグループ電力と、ランプグループにより発生される実際のランプグループ電力Plgとの間のこのような食い違いは、基板への不正確な電力入力を生じさせ、ひいては、望ましい時間−温度軌跡に対する基板温度の追従が不十分になり得る。
[0067]図8aは、白熱ランプの出力電力を時間の関数800として示すグラフである。横座標は、時間を表し、縦座標は、白熱ランプにより発生される瞬時電力を表す。時間801は、RTP時間ステップ811の開始をマークし、時間802は、RTP時間ステップ811の終了をマークする。RTP時間ステップ811の期間は、0.01秒程度でよく、これは、RTPスパイクアニールプロセスにとって典型的なものである。時間801では、ランプにより発生される電力が初期ランプ電力803に等しい。RTP時間ステップ811に対して、ランプの望ましい出力電力は、ターゲットランプ電力804に等しい。実際のランプ電力は、関数800で示されている。白熱ランプフィラメントに電圧が印加されるときには、フィラメント温度の増加に伴い、ランプの電力出力が変化する。というのは、フィラメントの抵抗が温度の関数として変化するからである。フィラメントが熱的平衡に到達すると、ランプの電力出力が一定のままとなる。これが図8aに示されている。ランプの出力電力は、RTP時間ステップ811の終了付近でのみターゲットランプ電力804に等しく、その結果、ランプグループ電力を計算するプロセスステップ705で指定されるものより低い全エネルギーが基板に印加される。このエネルギー不足が領域805の面積で表わされる。陰影付けされた領域805によって表わされたエネルギー不足の大きさは、長いランプ応答時間、短い時間ステップ、及びターゲットランプ電力804と初期ランプ電力803との間の大きな電力差によって悪化される。この態様において、この問題を改善するためにオーバーシュート電力806(図8bを参照)に対応する電圧が白熱ランプに印加される。オーバーシュート電力806は、図8aに関連して上述した過渡的なランプ振舞いから生じるエネルギー不足を補償するように計算される。
[0068]図8bは、白熱ランプの出力電力を時間の関数820として示すグラフで、ランプ出力電力は、ターゲットランプ電力804より上のオーバーシュート電力806にセットされる。この関数820は、RTP時間ステップ811の間のランプの実際の電力出力を表す。領域807は、時間801と時間809との間で、関数820で表わされた実際のランプ電力と、ターゲットランプ電力804との間の、ランプで発生されるエネルギーの差、この場合はエネルギー不足、を表している。領域808は、時間809と時間802との間で、実際のランプ電力(関数820)とターゲットランプ電力804との間の、ランプで発生されるエネルギーの差、この場合はエネルギー余剰、を表している。オーバーシュート電力806は、領域807が領域808に面積的に等しくなるように選択される。これは、RTP時間ステップ811の間にランプにより発生される全エネルギーが、ターゲットランプ電力804の一定電力出力をもつランプ、即ち過渡応答をもたないランプにより発生される全エネルギーに等しいことを意味する。オーバーシュート電力806は、例えば、領域807及び808の面積の反復積分計算を使用して、各ランプグループに対して時間ステップごとに数学的に決定することができる。或いは又、オーバーシュート電力806は、所与のランプ形式、時間ステップの期間、及びランプ電力の変化に対して必要なオーバーシュート電力がランプの実験テストから予めコンパイルされたルックアップテーブルから選択されてもよい。
[0069]適応制御方法700の次のステップ、即ち基板の加熱706では、各ランプグループが、手前のステップで計算されたランプグループ電力Plgを発生し、基板が加熱される。上述したように、前記プロセスステップは、望ましい時間−温度軌跡が基板によって経験されるまで、熱プロセスにおいてその後の時間ステップごとに繰り返される。
[0070]一実施例では、適応制御方法700は、図1に示すスパイクアニール203のような、RTPプロセスのスパイクアニールセグメント中に、ランプの閉ループ制御に使用される。別の実施例では、適応制御方法700は、RTPプロセスのスパイクアニール203及び安定化周期202の間にランプの閉ループ制御に使用される。更に別の実施例では、適応制御方法700は、安定化周期202、スパイクアニール203、及び初期温度傾斜201の高温度セグメントの間に、ランプの閉ループ制御に使用される。
[0071]ここに述べる適応制御方法の1つの効果は、単一のコントローラが、再同調又は変更を伴わずに広範囲な前面放射率で異なる基板形式において同じ熱プロセスを繰り返し遂行できるようにすることである。別の効果は、従来のモデルベースのコントローラに対して、適応制御方法が計算的にあまり激しいものでないことである。第3の効果は、多数の形式の基板を処理できるのに加えて、適応制御方法は、特に、非常に短い、温度に敏感なプロセス、例えば、スパイクアニールプロセスの間に、RTPプロセスにあまりプロセス変化を与えないことである。
ビン型コントローラ方法
[0072]別の態様において、RTP中のランプ電力は、基板の処理中にその場で測定できる基板の1つ以上の光学的特性に基づいて基板を処理するために選択された固定の制御アルゴリズムを使用することにより制御される。これは、多数の異なる制御アルゴリズムが異なる基板特性に対して最適化されて、基板特性の値に基づいてシステムコントローラに記憶即ちビン処理された「ビン型(binned)」コントローラを使用する、と称される。例えば、テーブル1は、異なる範囲の基板前面放射率に対して各々最適化された10個の制御アルゴリズムをビン処理できる1つの仕方を示す。
Figure 2009532877
テーブル1に示された前面放射率は、図1に示す安定化周期202の終了又はその付近における基板の前面放射率であるのが好ましい。基板の放射率は、一般に、550℃の温度、即ち典型的な安定化温度と、1100℃、即ち典型的なスパイクアニール温度との間で著しく変化しないので、安定化周期202の終了又はその付近における基板の前面放射率は、熱プロセスのスパイクアニール203セグメント中の前面放射率を実質的に表わすと考えられる。テーブル1に示された例示的コントローラ、例えば、Emis1、Emis2、等は、純粋な理論的シミュレーション、例えば、従来のモデルベースのコントローラに組み込まれる光学的モデルに基づいて開発することができる。或いは又、コントローラは、多数の異なる基板形式における系統的な実験テスト、又は理論的シミュレーションと実験テストとの組合せに基づいてもよい。
[0073]この方法は、従来技術のモデルベースのコントローラよりも有益である。というのは、所与の基板に対して選択される制御アルゴリズムは、基板の特定の加熱特性に対して最適化することができ、ひいては、熱プロセスの各時間ステップにおいて基板の熱的振舞いをより正確に予想できるからである。更に、「ビン型」コントローラの使用は、図7を参照して上述した適応制御方法700のような、熱プロセスの時間ステップごとに著しい数の計算を必要とする方法よりも、計算上あまり激しいものではない。更に、この方法は、1つ以上の定量化基準に基づいてコントローラ選択プロセスを自動化し、処理装置オペレータからの最小の入力及び関連人為的エラーで広範囲な基板形式に対して同じ熱プロセスの正確且つ反復性のある制御を行えるようにする。
[0074]基板の最適な制御アルゴリズムに対して選択基準として働くことのできる基板の光学的特性は、前面放射率、吸収率及び反射率を含む。所与の基板を処理する光学的コントローラを選択するためにこれらの光学的特性を直接測定し又は推測する方法は、「基板の光学的特性の決定」のもとで以下に説明する。基板の他の光学的特性に比して、放射率は、基板の熱的振舞い、即ち加熱特性に最も大きく作用するので、選択基準として使用するのに最も適していると考えられる。別の実施例では、基板吸収率及び/又は前面反射率が選択基準として含まれてもよい。
[0075]ビン型コントローラ方法の一実施例では、図7を参照して上述した適応制御方法700を、多数の異なる前面放射率を有する異なる基板を熱処理するためのコントローラとして使用する一連の実験テストが行われる。各前面放射率に対して、瞬時加熱率の勾配m及び切片Cの値(式4を参照)が、基板の各温度に対して記録され、ルックアップテーブルに作表される。その後、基板は、図9に示す簡易型の適応制御方法900を使用して処理することができ、ここでは、勾配m及び切片Cの値が、手前の時間ステップ中の基板の加熱特性に基づいて計算されない。むしろ、各時間ステップに対する勾配m及び切片Cは、上述した実験テストを経て確立されたルックアップテーブルから取り出される。図9は、ビン型コントローラ方法の一実施例に組み込むことのできる簡易型の適応制御方法900のフローチャートを示す。瞬時加熱率の決定902を除くと、簡易型の適応制御方法900の他の全てのプロセスステップは、図7を参照して適応制御方法700について上述した対応するプロセスステップと実質的に同じである。瞬時加熱率の決定902では、式(4)における勾配m及び切片Cの値が、基板温度及び前面放射率に基づいてルックアップテーブルから取り出される。
[0076]ビン型コントローラ方法の別の実施例では、モデルベースのコントローラのような従来技術のコントローラの複数の変形例が、特定範囲の基板の光学特性、例えば、前面放射率に対して各々開発されてビン処理される。例えば、モデルベースのコントローラは、前面放射率が0.30から0.39のような指定の範囲内に入る基板上で特定の熱プロセスを制御するように微同調されてもよい。これは、ほとんどのシミュレーションモデリングプログラムに典型的に含まれる実験的ファクタを同調することで行われてもよい。その最適な値は、実験テストを通して決定することができる。指定範囲の基板前面放射率に対してコントローラを微同調することにより、前面放射率が指定範囲内に入る基板を処理するときにコントローラの性能が改善される。逆に、前面放射率が指定範囲から外れる基板については、コントローラの性能が由々しきことに低下し得る。従って、基板の前面放射率が分かっているときには、例えば、「基板の光学的特性の決定」のもとで以下に説明される方法の1つ以上を使用することにより、テーブル1を参照して上述した基板の前面放射率に基づいて適当なビン型コントローラを使用することができる。
結合コントローラ方法
[0077]別の態様においては、基板の熱処理中にランプ電力を制御するための結合方法が開示される。この態様では、RTPチャンバーにおけるランプグループの大部分が、プリセットされたランプグループ電力より成るコントローラのような、計算上あまり厳しくない制御アルゴリズムによって制御される。好ましくは少数のランプグループより成る残りのランプグループは、より精巧な制御アルゴリズム、例えば、適応制御アルゴリズム又はビン型制御アルゴリズムを使用する。この方法は、適応制御方法の効果を含み、即ち温度制御の改善された精度、及び広範囲な基板を処理する能力を含み、しかも、全てのランプグループが適応制御方法によって制御される方法のように計算上激しいものではない。システムコントローラを圧倒するのを回避するために制御アルゴリズムが各時間ステップ中に少数の計算しか必要としないのが有益である。システムコントローラは、しばしば、基板処理システム全体を通して非常に多数のコンポーネント及びセンサを同時に制御し且つ監視する役割を果たすので、計算上激しいアルゴリズムは、必要な全ての演算を適時に遂行する能力を妨げ、処理エラー及び/又は遅延を生じさせることがある。
[0078]この態様において、基板へ入力される放射エネルギーの大部分、例えば、約90%程度は、比較的少量の計算リソースしか要求しない方法を経て制御され、基板温度の「粗調整」とみなすことができる。基板に入力される放射エネルギーの残りの僅かな部分、例えば、約10%程度は、より正確に制御されるが、計算上より激しい制御アルゴリズムである。これは、基板温度の「微調整」とみなすことができ、ランプグループの大部分がプリセットされたランプ電力により制御されても、基板が経験する時間−温度軌跡が、望ましい時間−温度軌跡を正確にたどることを保証する。
[0079]図10は、少なくとも1つの粗調整ランプグループ及び少なくとも1つの微調整ランプグループがパイロメータゾーンに電力を印加する結合コントローラ方法に関連して使用できるランプグループの1つの構成1000を示す。参考として、この構成1000に関連して、RTPチャンバーの内径501、縁リングの外径502、及び基板の外径503が示されている。ランプグループ1031−1038は、熱プロセスの各時間ステップに対するプリセットされた出力電力を使用して制御される。ランプグループ1041−1043は、上述した適応制御方法、ビン型コントローラ、又は従来のモデルベースのコントローラによって制御される。
[0080]ここに述べる結合コントローラ方法の付加的な効果は、ランプグループの信号対雑音比を改善して、基板温度の小さな調整を行うことである。一般的に、比較的多数のランプより成るランプグループによって加熱されるパイロメータゾーンに対して制御アルゴリズムによって基板温度の小さな調整が要求されるときには、精密な制御がしばしば問題となる。これは、パイロメータゾーンの要求された温度上昇がランプ当たりの出力電力に非常に小さな変化しか要求せず、出力電力のこの変化がランプ出力制御の精度程度に過ぎないことがあるためである。例えば、10個のランプより成るランプグループに対してランプ当たりに要求される出力電力の変化が1Wとする。ランプ出力制御の精度も1W程度である場合には、大きなランプグループがこのような小さな変化に正確に応答できないために、要求された基板温度の変化を実現することができない。全出力電力の同じ変化が、1つのランプのみより成るランプグループに要求された場合は、ランプ当たりの出力電力の変化が10Wとなる。これは、最小精度のランプ出力制御の10倍である。
基板の光学的特性の決定
[0081]上述したように、熱処理中には、前面放射率、前面反射率、吸収率、又は広帯域透過率のような基板の光学的特性の現在値を知ることが有益である。というのは、それらが熱処理中に変化するからである。これは、モデルベースでない温度制御方法、例えば、上述した適応制御方法、ビン型コントローラ方法、又は結合コントローラ方法を使用するときに、特に言えることである。本発明の態様は、基板を熱的に擾乱し、基板のその後の温度上昇を測定して、基板の1つ以上の光学的特性を推定することを意図している。他の態様では、熱的擾乱を必要とせずに、光学的特性を直接決定することができる。
基板の前面放射率
[0082]幾つかの熱プロセスでは、熱プロセス中に基板の前面放射率を知ることが有益である。例えば、図1に戻ると、スパイクアニールプロセスの初期温度傾斜201において、基板の前面放射率及び透過率を正確に決定すると、時間121より早期に基板温度の閉ループ制御を開始することができる。これは、初期温度傾斜201中に基板における望ましくない熱勾配を最小にし、それ故、スパイクアニール203の前に短い安定化周期202しか要求しない。別の実施例では、スパイクアニール203のような短い期間のプロセスの直前に基板前面の放射率を正確に測定することが、温度制御にとって有益である。これは、コントローラが基板の将来の温度を予想して基板を正しい時間−温度軌跡に維持する能力が基板の光学特性に強く依存し得るからである。上述したビン型コントローラ方法は、1つのこのようなケースである。過去の温度エラーに応答する方法に依存するのは、このような短い期間のプロセスにとって低速になり過ぎる。というのは、白熱ランプのような標準的なランプの応答時間は、1つの時間ステップほど長く又はそれより長くなり得るからである(図8a及び8bを参照)。むしろ、基板の将来の温度を予想する正確な方法が要求される。第3の実施例において、任意の基板に対する最適な制御アルゴリズムを選択するプロセスは、熱プロセスの最も温度に敏感なセグメントの前に基板の前面放射率を決定し、それに応じて制御アルゴリズムを選択することにより、自動化することができる。
[0083]1つの態様において、基板の前面放射率は、基板の1つ以上の領域に電力を印加し、それにより生じる温度の変化を測定することにより、図1のスパイクアニール203のような、熱プロセスの温度に敏感なセグメントの前に、推定される。この態様では、基板は、既に少なくとも約500℃の温度になければならない。図3を参照して上述したチャンバー300のような標準的なRTPチャンバーでは、この方法は、付加的な計測器を必要とせず、ここに既に述べたパイロメータ及び光ファイバプローブ334だけである。前面放射率は、パイロメータにより測定される波長において基板が実質的に不透明で、即ちその透過率=0である限り、この方法によって決定することができる。上述したように、白熱ランプを使用するチャンバーの場合、これは、約0.2マイクロメートルから約5マイクロメートルの範囲の波長でよい。一般的に、基板は、スパイクアニール203の前の安定化周期202に典型的な温度、例えば、約500℃から約700℃にあるときに、これら光波長に対して実質的に不透明である。
[0084]手前の時間ステップに対する入力電力は既知である。基板の吸収度は、基板の温度変化、入力電力、及び入力電力の期間の既知の関数である。基板が熱平衡にあるときには、放射率は、定義により、その吸収率に等しい。更に、この技術では、加熱及び冷却の条件のもとでも、基板の放射率は、その吸収率に実質的に等しいと仮定する。従って、基板の前面放射率は、基板が本質的に不透明であり且つ前面放射率が基板の吸収率に実質的に等しいという仮定が正しい限り、基板の温度変化から直接決定することができる。後者の仮定は、基板が熱的平衡に比較的近いとき、即ち基板の温度が比較的ゆっくり上昇又は下降するときに、最も正確である。この態様では、入力電力は、基板が、例えば、安定化周期202中に熱的平衡にあるときに、基板の1つ以上のゾーンに印加されるのが好ましい。また、1つ以上のパイロメータゾーンに印加される入力電力の期間が、基板の熱的応答時間より長いことも好ましい。例えば、基板をその現在温度に維持するために要求される入力電力より増加される電力入力P1の所与の大きさに対して、基板が温度を明らかに上昇させるのに必要な時間は、0.1秒程度でよい。従って、基板に入力される増加電力の好ましい期間は、電力入力の大きさがほぼP1に等しいときには、0.2秒程度又はそれより長くてもよい。これは、基板の温度の測定可能な応答を確保し、吸収率及び放射率の計算を行えるようにする。一実施例では、増加電力入力P1の期間は可変であり、増加電力入力P1は、パイロメータゾーンの温度が所定量上昇するまで基板の1つ以上のパイロメータゾーンに印加される。
[0085]もし希望であれば、基板の前面反射率も、この態様の熱プロセスの時間ステップに対して決定されてもよい。基板の透過性は、実質的に0に等しいと仮定することができるので、基板の前面反射率は、式(5)を式(5a)へと簡単化することにより決定することができる。
(5) A+τ+R=1.0
(5a) R=1.0−A
但し、
A=時間ステップ中の波長0.2μmから5μmの放射に対するパイロメータゾーンの吸収率、
τ=時間ステップ中の波長0.2μmから5μmの放射に対するパイロメータゾーンの透過率、及び
R=時間ステップ中の波長0.2μmから5μmの放射に対するパイロメータゾーンの前面反射率。
[0086]この方法は、比較的一定の基板温度の周期中、例えば、安定化周期202中に、前面放射率及び反射率を決定するのに使用でき、及び/又は基板温度が急速に変化する間、例えば、スパイクアニール203の間に、リアルタイムの放射率/反射率計算に使用できる。後者のシナリオは、例えば、kHz範囲の高いセンササンプリングレート及び高いランプ制御周波数に対して必要となることがある。白熱ランプの制御周波数は、約100Hz程度であるから、異なるランプ形式が要求されることもある。また、各時間ステップに対して放射率の付加的な計算を遂行しながら、熱プロセスの最も敏感なセグメントを制御するために、充分な計算リソースを伴うシステムコントローラを有することも必要となり得る。これらの理由で、前面放射率のその場での測定は、スパイクアニールプロセスの直前の周期中、例えば、スパイクアニールプロセスではなく、安定化周期202中に行うときに、最も有益となり得る。放射率は、一般に、約500℃から約1000℃では、基板に対して実質的に変化しないので、スパイクアニールプロセスは、先行する安定化周期202中に測定された前面放射率及び前面反射率の値に基づいて正確に制御することができる。
[0087]別の態様では、基板の前面放射率は、基板が比較的低い温度にあるときに、基板の1つ以上の領域に電力入力を波形として、即ち振動関数として印加することにより推定される。この電力入力波形は、基板の現在透過率の測定を可能にし、ひいては、基板の実際の温度を計算できるようにする。基板の吸収率及び前面放射率は、基板の温度上昇から決定することができる。次いで、式(5a)に関連して上述したように、必要に応じて、前面反射率を計算することができる。
[0088]基板が約500℃以上の温度にあるときに、パイロメータは、基板の背面から放射される光を測定することにより基板の温度を決定することができる。図1を参照して上述したように、約300℃未満から約400℃の基板は、通常使用されるランプによって発生される放射の波長を実質的に透過する。このため、低い温度では、従来のパイロメータは、基板の背面により放射される光に加えて、基板により透過されたランプからの光を検出し、非常に不正確な基板温度測定となる。従って、基板がランプ放射に対してほぼ不透明となるに充分な高い温度になるまでは、熱プロセスの制御に基板温度フィードバックが組み込まれない開ループ制御が、一般的に、熱処理に対して好ましい。この態様では、例えば、約250℃程度の低い温度で基板の透過率及び前面放射率を決定することによりプロセスにおいて非常に早期に閉ループ制御を使用できるようにする。例えば、スパイクアニールプロセスの初期温度傾斜201(図1に示す)では、基板の前面放射率及び透過率を正確に決定すると、基板温度の閉ループ制御を時間121より早期に開始することができる。これは、初期温度傾斜201中に基板に刻印される望ましくない熱勾配を最小にし、それ故、スパイクアニール203の前の安定化周期202が短くてよくなる。
[0089]図11は、本発明のこの態様に対するプロセスシーケンス1100を示すフローチャートである。基板の前面放射率、特に、透過性は、温度の関数として著しく変化するので、これら光学的特性の値は、基板の温度を制御するのに使用されるときには、頻繁に更新されるのが重要である。一実施例では、プロセスシーケンス1100は、基板の熱処理全体を通じて連続的に行われる。別の実施例では、プロセスシーケンス1100は、基板の熱処理中に周期的に、例えば、毎秒1回、行われ、それにより、透過率及び前面放射率が更新される。更に、この態様は、熱プロセス全体を通して使用されてもよいし、又は熱プロセスの特定のセグメント、例えば、図1に示す初期温度傾斜201及び安定化周期202の間だけ使用されてもよい。この態様は、初期温度傾斜201及び安定化周期202の間に最も有益となり得る。というのは、基板の透過率は、700℃より高い温度では一般的に0であり、また、前面の放射率は、約700℃より高い温度では僅かに変化するだけだからである。
[0090]図11に戻ると、第1のプロセスステップ、即ち電力の印加1101では、電力が振動関数又は波形において基板に印加される。振動関数は、正弦波関数、方形波、鋸歯状波、又は既知の大きさ及び周波数の他の波でよい。振動関数の周波数及び大きさは一定であるのが好ましい。更に、振動関数の周波数は、基板の熱的応答時間より実質的に高いが、パイロメータのサンプリングレート以下であるのが好ましい。例えば、電力入力P2の所与の大きさに対して、基板の温度を明らかに上昇させるのに必要な時間は、0.1秒程度でよい。基板の温度を監視するパイロメータのサンプリングレートは、0.001秒程度でよい。従って、振動電力入力の好ましい周波数は、電力入力の大きさがほぼP2に等しいときには、0.01秒程度でよい。このようにする際に、基板を貫通する放射電力の一部分、即ち透過率は、ランプからの入力電力波形の大きさを、パイロメータによって検出される透過電力波形の大きさと比較することにより決定することができる。透過電力波形の大きさは、基板の透過率に直接比例する。
[0091]一実施例では、電力を印加するプロセスステップ1101の間に、電力入力波形が基板の各パイロメータゾーンに印加され、各パイロメータゾーンの透過率が上述したように直接決定される。別の実施例では、時間ステップ当たり少数の計算しか使用しないために、全てのパイロメータゾーンに対して透過率決定されない。時間ステップ中に基板にわたる温度差は、一般的に、基板にわたり著しい透過率の差を生成するには小さ過ぎるので、透過率は、所与の時間ステップ中には基板にわたって一定であると仮定してもよい。従って、透過率は、基板の単一のパイロメータゾーンに対してのみ決定され、1つのパイロメータゾーンに対する透過率が実質的に基板全体を表すと仮定してもよい。別の実施例では、交互のパイロメータゾーンの透過率が、電力の印加1101に関連して上述された方法を経て決定され、それらの間のパイロメータゾーンの透過率は、測定されたパイロメータゾーンの透過率から補間される。
[0092]次のプロセスステップ、即ち透過率の計算1102では、制御アルゴリズムは、熱プロセスのこの時間ステップに対してパイロメータゾーン(1つ又は複数)の透過率を計算する。この計算は、電力の印加1101で得た情報に基づく。
[0093]次のプロセスステップ、即ち温度の計算1103では、制御アルゴリズムは、その時間ステップに対する基板の透過率及びランプからの入力電力の大きさを要因として入れることにより、その時間ステップに対する基板の全パイロメータゾーンの実際の温度を計算する。
[0094]次のプロセスステップ、即ち温度変化の計算1104では、制御アルゴリズムは、熱プロセスにおけるこの時間ステップと手前の時間ステップとの間の基板の全パイロメータゾーンの温度変化を計算する。
[0095]次のプロセスステップ、即ち放射率計算1105では、基板の各パイロメータゾーンの前面放射率が、基板の吸収率に実質的に等しいと仮定する。吸収率は、高い温度の基板に対する前面放射率を決定するための上述した基板温度変化、入力電力及び時間ステップ期間の既知の関数である。
[0096]任意であるが、次のプロセスステップ、即ち反射率の計算1106では、式(5)及び(5a)に関連して上述したように、前面反射率を決定することができる。
[0097]この態様は、低い温度において、ひいては、熱プロセスの早期に、基板温度の閉ループ制御を許容する。これは、必要な安定化周期を短くし、基板温度をより均一にすることができる。また、この方法は、熱プロセス全体にわたり温度非均一性を低く維持しながら、放射エネルギーに対して全く不透明でない基板の熱処理を可能にする。従来のパイロメトリーのための装置を使用して、プロセスを制御することもできる。
[0098]別の態様では、基板と、縁リング、例えば、図3に示す縁リング331との間の放射率の差を補償するために、コントローラが熱プロセスの早期にどのように応答したかに基づいて、基板の前面放射率を処理中に推定することができる。この方法は、比較的長い時間周期、例えば、5秒から10秒以上にわたって平均化される制御アルゴリズムの振舞いに依存するので、スパイクアニールプロセス、又は温度に敏感な他のプロセスの直前に、基板の前面放射率を決定するのに最も適している。この態様は、周囲ランプグループへの電力出力を変化させることにより、(図12Aから12Cを参照して以下に述べる)「縁リング作用」に応答できる閉ループ制御方法に関連して使用することができる。この態様に適合できる閉ループ制御方法は、例えば、どちらもここに述べる適応制御方法及びビン型コントローラ方法を含む。
[0099]図3に戻ると、縁リング331は、チャンバー300においてRTP中に基板を支持する。縁リング331は、一般的に、縁リング331に接触する基板の領域への又は領域からの熱を導通する能力を最小にするために、非常に薄くなるよう適応される。しかし、基板温度に対する縁リング331の作用は、伝導性の熱伝達に限定されない。縁リング331の放射率が基板の前面放射率と異なるときには、縁リング331は、伝導性及び/又は放射性の熱伝達を経て基板の縁領域に対する著しいヒートソース又はヒートシンクとして働き得る。例えば、高反射性の基板、即ち縁リングより低い基板放射率及び吸収率を有する基板の場合には、縁リングは、基板より迅速に放射エネルギーを吸収するので、基板に対するヒートソースとして働く。高吸収、高放射率の基板が同じチャンバー300内で処理されるときには、逆のことが言え、縁リングは、ヒートシンクとして働く。この作用は、以下「縁リング作用」と称されるが、これは、縁リング331と、処理されている基板との間の放射率の差に直接依存する。
[00100]通常、ランプグループの異なる電力出力が互いに固定されず、即ち独立して制御されるときには、ランプグループは、基板の前面放射率の所与の値に対してランプ曲線としても知られている同様の電力プロフィールを一貫して示す。ここで使用する電力プロフィールとは、RTPチャンバー内の各ランプグループに対する平均ランプ電力、即ち個々の代表的ランプの電力出力を示すグラフとして定義される。同様の電力プロフィールの反復指示は、縁リングと基板の前面との間の放射率の差によって推進される。例えば、基板の放射率が縁リングの放射率にほぼ等しいときには、制御アルゴリズムにより要求される個々のランプ電力がランプグループ間でほぼ均一になる。これは、縁リングがRTP中に著しいヒートソース又はヒートシンクとして作用しないためである。基板の放射率が、縁リングより実質的に低いときには、外側のランプグループのランプ電力が、内側のランプグループのランプ電力より下がる。というのは、縁リングが基板の縁に対してヒートソースとして働くからである。逆に、基板の放射率が縁リングより実質的に高いときには、外側のランプグループのランプ電力が内側のランプグループのランプ電力より高くなる。というのは、縁リングが基板の縁に対してヒートソースとして働くからである。これらの3つのシナリオが、図12Aから12Cに示されている。
[00101]図12Aから12Cは、8個のランプグループを含むチャンバー300のようなRTPチャンバーに対する電力プロフィールを示す。ランプグループは一般的に基板の同じ全表面積を取り扱うものではないので、各ランプグループに対する全電力ではなく、異なるランプグループを比較するために個々のランプ電力が使用される。各ランプグループのランプ電力は、RTPプロセス全体にわたって平均化されてもよいし、又はRTPプロセスの温度に敏感なセグメント、例えば、スパイクアニールセグメントのみにわたって平均化されてもよい。
[00102]図12Aは、前面放射率が縁リングにほぼ等しい基板を処理するRTPチャンバーに対する電力プロフィール1200Aを示す。この電力プロフィール1200Aは、RTPプロセスのスパイクアニールセグメント、例えば、スパイクアニール203の間に8つのランプグループ531から538に対するランプ電力1211Aから1218Aを含む。ランプ電力1211Aから1218Aの各々は、スパイクアニールステップ203の期間にわたる平均出力電力を表す。あるケースでは、ガスの流れ及び壁の反射率の影響のために、ランプ電力1211Aから1218Aは、実際には、図12Aに例示のために示すように互いに厳密に等しくならず、それでも、「縁リング」作用が実質的にない既知の再現可能なプロフィールを示す。いずれにせよ、縁リングは、著しいヒートソース又はヒートシンクとして働かないので、基板の周囲付近の各ランプグループに対するランプ電力は、図12Aに示すように、互いにほぼ均一となる。
[00103]図12Bは、前面放射率が縁リングより著しく低い基板を処理するRTPチャンバーに対する電力プロフィール1200Bを示す。この電力プロフィール1200Bは、RTPプロセスのスパイクアニールセグメントの期間にわたって各々平均化された、8つの全ランプグループ531から538に対するランプ電力1211Bから1218Bを含む。縁リングが著しいヒートソースとして働くので、基板の縁付近のランプ電力は降下する。これは、RTPチャンバーの制御アルゴリズムが縁リング作用をどのように補償するかを示す実験的指示である。
[00104]図12Cは、前面放射率が縁リングより著しく高い基板を処理するRTPチャンバーに対する電力プロフィール1200Cを示す。この電力プロフィール1200Cは、RTPプロセスのスパイクアニールセグメントの期間にわたって各々平均化された、8つの全ランプグループ531から538に対するランプ電力1211Cから1218Cを含む。縁リングが著しいヒートシンクとして働くので、基板の縁付近のランプ電力は、中央のランプグループの場合より高い。図12Bの場合と同様に、これは、RTPチャンバーの制御アルゴリズムが縁リング作用をどのように補償するかを示す実験的指示である。
[00105]電力プロフィールの振舞は、基板の前面放射率の予想可能な反復関数であるから、この情報は、基板が熱処理中にその場にある間に基板の前面放射率を実験的に推定するのに使用できる。本発明は、熱プロセスの早期段階、例えば、図1に示すスパイクアニールプロセスの初期温度傾斜201の間に、基板の前面放射率を推定することを意図している。前面放射率は、基板の測定された電力プロフィールを、基板の前面放射率の異なる値に対応する1組の実験的に決定された「ビン型」電力プロフィールと比較することによって選択される。この態様の一実施例では、測定された電力プロフィールが2つのビン型電力プロフィール間に実質的に等しく入るときに、前面放射率の値がそれらの間で補間される。
[00106]この態様は、実験的情報に基づいて熱処理のための最適なコントローラを選択できるようにする。即ち、制御アルゴリズムの記録された振舞い、即ち電力プロフィールは、特定のチャンバーに対する実験テストデータとの相関に基づいて基板の前面放射率を指示することができる。電力プロフィールが特定チャンバーにおける特定基板の熱的振舞いに基づくので、前面放射率を正確に決定するのに付加的なモデリングも修正ファクタも必要とされない。また、前面放射率を決定するのに、熱プロセスの各時間ステップにおける多数の付加的な計算も必要とされず、電力プロフィールは、記録データから直接取り出されて、熱プロセスの温度に敏感なステップの直前に対応する放射率に相関させることができる。
基板の透過率
[00107]上述したように、熱プロセス中に基板の透過率を知るのが有益な場合がある。これは、基板の透過率が温度と共に実質的に変化し得るときには、低い温度、即ち400℃より低い温度において、特に言えることである。基板の透過率を計算するために本発明により意図された1つの方法は、図11を参照して上述した。400℃より低い温度において基板の透過率を決定する2つの更に別の方法をここに開示する。
[00108]1つの態様においては、基板の透過率及び他の光学的特性が、基板の各パイロメータゾーンに対して2チャンネルパイロメトリー方法で決定される。図3に戻ると、各光ファイバプローブ334からの光は2つの光学路に分割され、その一方の経路は、基板の背面から直角に放射される光周波数、即ちシリコン基板のバンドギャップより低い波長、例えば、約1μm未満の波長を測定する第1パイロメータへ向けられる。このパイロメータは、標準的なRTPパイロメータと同等でよい。第2の光学路からの光は、より長い波長の光、ひいては、典型的な基板のバンドギャップエネルギーより実質的に低いエネルギーを測定する第2のパイロメータへ向けられる。
[00109]典型的なRTP基板に含まれる完全なシリコン結晶のような半導体のバンドギャップは、価電子バンドの頂部と伝導バンドの底部との間のエネルギー差として定義される。入射光が半導体により熱エネルギーとして吸収され、即ち価電子殻から伝導殻へ電子を促進するに充分なエネルギーであるためには、入射放射のエネルギーが半導体のバンドギャップより高くなければならない。バンドギャップより低くて、入射光が充分短い波長で且つ充分高いエネルギーであれば、全ての光が半導体によって完全に吸収され又は反射され、即ち何も透過されない。しかしながら、任意の材料のバンドギャップは、温度と共に変化し、即ち材料の温度が上昇するにつれて、低いエネルギー(即ち長い波長)の光が半導体材料により熱エネルギーとして吸収される。更に、より高い温度では、最小バンドギャップエネルギー要求をもたない入射光エネルギーを吸収するのにより多くの電子を使用でき、それ故、より長い周波数の光エネルギーも吸収できる。主として、これら2つのエネルギー吸収メカニズムのために、典型的なRTP基板は、RTPプロセスの開始時における入射ランプ放射のほぼ100%透過率からRTPプロセスの後期段階中の0%透過率までの範囲となり得る。
[00110]RTP用途に使用される標準的なパイロメータは、RTP中の最も重要なプロセス温度、例えば、約500℃より高い温度で完全に吸収される波長において光を測定する。これらの波長は、約0.2μmから約3μmの範囲である。20℃のような低い温度では、これらの光波長は、シリコン結晶のバンドギャップより高く、それ故、基板をほぼ完全に透過する。上述した第2のパイロメータは、第1のパイロメータより若干長い波長の光、特に、当該基板温度におけるシリコンバンドギャップの付近又はそれより若干長い光を検出するようにフィルタすることができる。その間に、基板の温度が上昇するときに、約0.2μmから約3μmの範囲の透過率を決定することができる。図11並びに式(5)及び(5a)に関連して上述したように、基板の透過率、時間ステップ中の入力電力、及び時間ステップ中の関連温度上昇が全て既知であるときには、吸収率、前面放射率、及び前面反射率を含む基板の残りの光学的特性を計算及び/又は推定することができる。
[00111]別の態様では、基板の透過率は、分光計又は透過パイロメータのいずれかを使用して、基板材料のバンドギャップの温度依存性に基づく方法により決定される。
[00112]一実施例では、約400℃より低い温度での熱処理中に基板のスペクトル放出を分析するのに分光計を使用することができる。インジウム・ガリウム・砒素(InGaAs)ダイオード光検出器のような近赤外線分光計をこの方法に使用することができる。図3に戻ると、分光計337は、熱処理中に基板の背面に向けられる1つ以上の光ファイバプローブ334に光学的に取り付けることができる。所与の帯域路(bandpath)、即ち2つの選択された波長間の波長のスペクトルに対して、低い温度、例えば、約100℃より低い温度において基板を透過するエネルギーのスペクトルプロフィールを分光計で測定して記録することができる。基板の温度が上昇し、その透過率が変化するときには、選択された帯域路における基板放射の第2のスペクトルプロフィールが分光計によって測定される。2つのスペクトルプロフィール間の差を分析することにより、現在温度における基板の透過率は、どれほど多くの全エネルギーが基板により吸収されるかに基づいて決定することができる。スペクトル分析のための当該帯域路は、約1.0μmから約1.5μmの範囲又は約900nmから約2.2μmの広い範囲の波長を含むことができる。幾つかの場合には、スペクトル分析のための帯域路は、約0.2μmから約3.0μmの範囲の波長を含む。図11並びに式(5)及び(5a)に関連して上述したように、基板の透過率、時間ステップ中の入力電力、及び時間ステップ中の関連温度上昇が全て既知であるときには、基板の残りの光学的特性を計算及び/又は推定することができる。基板が400℃より低いときに基板の温度を測定する確実な方法では、閉ループ制御を熱プロセスの早期に使用して基板の加熱を制御することができる。これは、スパイクアニールの前の熱的安定化に必要な時間を短縮する開ループ制御により生じる基板上の熱勾配を最小にし、且つ閉ループ制御の前の基板の著しい変形を防止する。
[00113]1つのケースでは、基板放射のスペクトル分析及び透過率の決定は、約500℃より低い熱プロセスの時間ステップごとに基板の各パイロメータゾーンに対して行われる。別のケースでは、スペクトル分析及び透過率決定は、単一のパイロメータゾーンのみについて行われ、他の全てのゾーンは、ほぼ同じ透過率を有すると仮定する。別のケースでは、スペクトル分析が交互のパイロメータゾーンで行われ、残りのパイロメータゾーンの透過率が隣接パイロメータゾーンから補間される。
[00114]低い温度において透過率を決定する別の実施例では、ほぼ室温のパイロメトリー(ART)として知られた方法を使用してもよく、この場合は、基板材料のバンドギャップの温度依存性により基板の温度を推定することができる。
[00115]ARTは、基板の透過率に基づき、例えば、500℃未満の低い温度の処理中に、1つ以上の透過パイロメータを使用して基板の温度を推定する。透過パイロメータは、放射加熱ランプからの光学的放射を、それがシリコン基板によりフィルタリングされたときに検出する。ある波長帯域におけるシリコンの吸収、即ちシリコンの透過率は、基板温度に強く依存している。異なる温度及びランプ出力における基板に対する透過パイロメータの信号出力間の相関は、基板処理前に実験テストに基づいて導出することができる。この相関が定量化されると、パイロメータの出力信号、又は光電流、及び低温度処理中の任意の時間におけるランプ出力電力から、基板の温度を推定することができる。
[00116]透過パイロメトリーは、放射加熱ランプによって付与される放射電力又は他の電気的特性と、基板の温度と、透過パイロメータの光電流との間の一般的な関係が分かったときに、遂行することができる。光電流と、基板の温度と、ランプ出力との間のこれら特性関係をコンパイルする1つの方法では、二次元テーブルに、非正規化、即ち非相関光電流を、実験テストを通じて基板及びランプ温度の関数として埋めることができる。作表されたデータは、基線条件としてのランプ電流及び基板温度に対する透過パイロメータ光電流の依存性を確立する。要求されるランプ及び基板特性は、多数の方法で確立することができる。ランプ電流及び基板温度、並びにおそらくは、基板厚みの非常に多数の組合せに対してパイロメータ光電流を測定し、それら実験値を使用して、その後、光電流を基板温度に関係付けることができる。一般に、正規化ファクタとしても知られた倍率ファクタを、各処理基板に対して作表された実験データに適用して、基板の光学的特性の変動及びチャンバー条件の変化、例えば、異なるランプ等を考慮するのが好ましい。倍率ファクタ即ち正規化ファクタは、図12Eを参照して以下に説明する校正ステップで決定される。その後、基板を処理するときに、基板の既知の温度における光電流の初期測定は、処理されている特定の基板に対して適当な正規化ファクタでテーブルデータをスケーリングできるようにする。基板の初期測定は、熱プロセスの始めに、基板が加熱される前に、行われる。基板のその後の熱処理中に、パイロメータ光電流が既知のランプ温度又は抵抗において測定されたときに、正規化テーブルを調べて、対応する基板温度を得る。
[00117]透過パイロメータのフィルタ及び光検出器は、一緒に、例えば、200℃から450℃又は100℃から250℃の当該基板温度において吸収ギャップの波長に敏感なスペクトル応答を与える。ここで使用する特定の光検出器は、約350℃より低い温度に対してはシリコン光検出器でよい。というのは、シリコンの吸収ギャップは、室温から350℃までの温度に対しては約1μmから約1.2μmまで変化し、シリコンの光検出器は、波長が約1.1μmより大きな放射には不感だからである。約350℃より高い温度に対しては、吸収縁がシリコン光検出器の検出限界を越えて、吸収縁波長の更なる増加が容易に検出されなくなる。従って、高い基板温度での運転については、長い波長に敏感な光検出器を使用することが望ましい。このような検出器は、例えば、約0.9から1.7μmの検出帯域を有するInGaAsダイオード光検出器である。
[00118]ARTの運転の温度領域は、図12Dのグラフを参照して説明する。曲線1226は、透過パイロメータからの全光電流を、ランプ電流の1つの設定に対して基板温度の関数として表している。低い温度では、全光電流は、主として、暖かいランプからの光子束から生じて基板を通過する光電流1228である。しかしながら、曲線1230により表わされたように、一定の背景放射、例えば、漂遊放射、及び暖かいチャンバー部品が存在する。高い温度では、基板それ自体の黒体放射からの貢献が増大し、曲線1232で示されている。ランプの貢献と基板の黒体貢献とのクロスオーバーが、放射パイロメータが有効になる領域の下端付近である約400℃の温度で生じる。
[00119]基板の制御可能な加熱に対する基本的なアルゴリズムが、図12Eのプロセスフロー図に示されている。ステップ1236において、既知の温度の基板がRTPチャンバーに挿入され、ステップ1238において、ランプが低い設定電流、例えば、最大ランプ電流の約20%に切り換えられる。ステップ1240において、基板がランプの放射で著しく温まる時間をもつ前に、透過パイロメータからの光電流が測定される。この測定は、既知の値のランプ電流及び基板温度で行われ、既知の特性を適当な倍率ファクタで適切に正規化/修正することができる。ステップ1242において、光電流とランプ及び基板温度との既知の非正規化の特性値が、校正ステップで決定された倍率ファクタで正規化される。ステップ1244において、ランプ電流が少なくとも初期の予熱値に上昇される。ステップ1246において、透過パイロメータからの光電流が、同じ基板及び増加されたランプ電流に対して測定される。ステップ148において、測定された光電流及びランプ電力を、基板及びランプ温度の関数として適当にスケーリングされた光電流のテーブルデータと比較することにより、基板温度を決定することができる。ステップ1250において、ある最終的な予熱基板温度に到達したと決定されるまで、ステップ1246及び1248が繰り返される。
[00120]本発明の幾つかの構成に含ませることのできるART方法及び装置のより詳細な説明は、2004年10月26日に出願された“Method and Apparatus for Low Temperature Pyrometry Useful forThermally Processing Silicon Wafers”と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/974,003[9376]号に見ることができ、これは、本発明と矛盾しない程度に参考としてここにそのまま援用する。
[00121]本発明のこの態様は、同じ制御アルゴリズムを使用してある範囲の基板形式に対して充分制御された熱プロセスを適用できるようにする。異なる基板形式は、低い温度において大巾に異なるバンドギャップ及び透過率を有することがあるが、この態様は、閉ループ制御を早期に導入することにより、同じ熱プロセスに対して異なる基板形式ごとに異なるコントローラをカスタマイズする必要性を回避する。また、部分透明から完全不透明へのクロスオーバーが各基板形式に対して異なる温度で生じるので、開ループ制御の使用は、必要以上に長い安定化周期を要求する。閉ループ制御が熱プロセスの早期に利用できる状態では、温度非均一性を改善できると共に、熱プロセスの全期間を短縮することができる。一実施形態では、上述した適応制御方法又はビン型コントローラ方法を、この態様に関連して使用することができる。更に、この態様は、低い温度、例えば、400℃未満の温度において基板の信頼性ある反復可能な熱処理を行えるようにする。
[00122]400℃未満の基板温度の決定、ひいては、これら温度での閉ループ制御を許容するのに加えて、比較的低い温度で基板の透過率を決定する本発明の態様は、基板が処理されるときにランプグループの影響マトリクスを定量化するのにも使用できる。これは、熱プロセスにおいて比較的早期に、例えば、図1及び2を参照して上述した初期温度傾斜201の間に、行うことができる。熱プロセスのこのセグメント中に基板温度を連続的に傾斜させるのではなく、この時間の一部分を、各ランプグループを短い時間で順次に循環させるのに専用とすることができる。基板の各パイロメータゾーンの真の温度が既知であり、また、電力入力の大きさ及び期間も既知であるから、全てのパイロメータゾーンに対する各ランプグループの比例的影響を熱プロセスにおいて早期に定量化することができる。正確に定量化される影響マトリクスは、本発明の他の態様、例えば、図7を参照して上述した適応制御方法に対して有益となり得る。
基板の前面反射率
[00123]ある場合には、熱プロセス中に基板の前面反射率を知ることが有益となり得る。例えば、基板の吸収率が前面放射率にほぼ等しいという仮定に代わって、基板の吸収率は、前面反射率が既知であるときに式(5a)で直接解くことができる。基板の前面反射率及び吸収率は、熱処理中の基板の熱的振舞いに強く作用するので、これら光学的特性の正確な値を、テーブル1に関連して上述したように、以前に最適化された制御アルゴリズム(1つ又は複数)に対する選択基準として使用することができる。基板の前面反射率を計算するために本発明により意図された幾つかの方法は、図11及び式(5a)に関連して上述された。
[00124]基板の前面から既知の大きさの反射信号を測定することにより基板の前面反射率を計算する別の方法がここに開示される。反射信号の大きさを測定して、それをランプからの入力信号の大きさと比較することにより、前面反射率を決定することができる。好ましくは、入力信号は、一定周波数の振動関数、例えば、正弦波関数、方形波、鋸歯状波又は他の波形である。一実施形態では、白熱ランプで通常発生する既存のA/Cリプル符号を波形として使用することができる。いずれの場合も、この方法は、図11を参照して上述した前面放射率を推定する方法と概念的に非常に良く似ている。
[00125]基板の前面から反射される放射エネルギーは、チャンバー300(図3を参照)のランプアッセンブリ310に設置されたセンサ350によってその場で測定される。一実施例では、センサ350は、標準的なパイロメータである。別の実施例では、複数のパイロメータがチャンバー300のランプアッセンブリ310に設置され、各パイロメータゾーンのような基板の複数の位置において反射エネルギーを測定することができる。
[00126]一実施例では、この方法は、前面反射率の値を更新するために基板の熱処理全体にわたって使用できる。別の実施例では、この方法は、基板の熱処理中に周期的に、例えば、毎秒一度、行われ、それに応じて、吸収率を更新することができる。別の実施例では、この方法は、熱プロセスの特定のセグメント、例えば、図1に示す初期温度傾斜201及び安定化周期202の間にのみ、使用されてもよい。
[00127]別の態様では、基板の前面反射率は、チャンバー300(図3を参照)のランプアッセンブリ310に設置されたセンサ350によってその場で直接測定される。この態様では、センサ350は、反射計である。熱プロセスの前に又は熱プロセス全体にわたり基板の反射率を直接測定することは、前面反射率が数学的に推定される間接的方法よりも計算需要が低い。この情報は、基板の温度を望ましい時間−温度軌跡により正確に追従させるために、ランプ入力電力を変更するのに使用できる。
基板温度の均一性
[00128]また、本発明は、RTPにおいて従来技術より温度均一性を改善するための方法及び装置も意図している。上述したように、熱処理中には、基板の全領域にわたって均一な温度分布をもつことが重要である。一実施形態では、上述した方法の1つによりその場で決定される基板の前面放射率に基づいて所定の仕方で全ランプグループの電力出力をスケーリングすることによりRTP中に基板が均一に加熱される。別の実施形態では、縁リングの直接温度制御を通じて縁リング作用を減少することにより基板温度の均一性が改善される。別の実施形態では、ランプグループが、基板の前面放射率の関数として再構成される。更に別の実施形態では、少なくとも1つのランプグループが、RTP中に基板上で検出される非半径方向の温度非均一性を処理するように適応された半径方向に非対称的なランプグループより成る。
[00129]一実施形態において、温度均一性に対する縁リング作用は、基板の前面放射率に基づく所定の仕方で全ランプグループのランプ電力を互いにスケーリングすることにより改善することができる。図12Aから12Cを参照して上述したように、特定のプロセス中のRTPチャンバーの電力プロフィールは、基板の前面放射率の予想可能で且つ反復可能な関数である。基板の放射率が既知である場合には、チャンバー内の各ランプグループの個々のランプ電力は、望ましい基板及びプロセスに対する温度非均一性を最小にするために既に知られた電力プロフィールに一致するようにスケーリングすることができる。例えば、前面放射率が縁リングより低い基板を処理する場合は、図12Bに示すように、基板の縁付近のランプグループに対してランプ電力が下げられる。
[00130]各ランプグループに対するランプ電力の相対的スケーリングは、単なる実験的関数でもよいし、又はランプグループの電力プロフィールが、一次、放物線又は指数関数のような数式として変化する理想的な電力プロフィールでもよい。
[00131]図13は、このランプ電力スケーリング方法を使用してRTP中に基板温度の均一性を改善するためのプロセスシーケンス1300のフローチャートである。このプロセスシーケンス1300は、ランプグループ間のランプ電力の相対的スケーリングを、温度非均一性を減少するための既知の電力プロフィールに制限する。
[00132]第1に、「基板の光学特性の決定」のもとで上述した方法の1つを使用して基板の前面放射率をその場で決定する放射率の初期決定1320が実行される。或いは又、基板の前面放射率をRTPプロセスチャンバーの外部で決定してもよい。好ましくは、放射率の初期決定1320は、その場で実行され、更に好ましくは、RTPプロセスの温度に敏感なセグメントの出発温度に比較的接近した温度で実行される。放射率は、基板温度の関数であるから、温度に敏感なステップの直前に最も正確な放射率測定値が取り出される。例えば、基板が1200℃に加熱されることのあるスパイクアニールプロセスに対しては、基板が約500℃から約700℃の温度に保持される安定化ステップの間に前面放射率の決定を行うのが好ましい。基板放射率の室温推定は、あまり正確でない。前面放射率の正確な測定は、熱プロセスに対して最も適当なランプ電力プロフィールを選択できるようにするために重要である。
[00133]放射率の決定1320が完了した後に、適当なランプ電力プロフィールの選択1325が行われ、ここでは、基板の測定又は推定された前面放射率に基づいて選択が行われる。
[00134]次いで、各パイロメータゾーンの温度測定1301が行われる。このプロセスステップは、急速熱プロセスの各時間ステップに行われる。
[00135]次いで、電力の決定1302が実行され、ここでは、各パイロメータゾーンが次の時間ステップに必要な温度に到達し又はそれを維持するのに要求される電力を制御アルゴリズムが計算する。このプロセスステップでは、従来のモデルベースのコントローラに含まれるもののような基板のエネルギー伝達モデルを含む多数のアルゴリズムによりこの計算を行うことができる。好ましい実施例では、適応制御方法の一部分として上述した瞬時加熱率を使用して、各パイロメータゾーンに要求される電力を決定する。
[00136]次いで、電力の決定1303が実行され、ここでは、基板全体に要求される全電力が制御アルゴリズムで計算され、即ち全てのパイロメータゾーンに要求される電力を加算することにより計算される。
[00137]次のステップ、即ちランプグループの電力の決定1304では、次の時間ステップ中の各ランプグループへの適当な電力出力が制御アルゴリズムで計算される。この計算は、選択されたランプ電力プロフィールと、電力の計算1303で計算された基板全体に要求される全電力とに基づいて行われる。
[00138]次いで、次の時間ステップの期間中、基板の加熱1305が行われる。
[00139]1つの態様において、この方法は、次いで、次の時間ステップに対するパイロメータゾーンの温度測定1301に復帰し、基板の熱処理が完了するまで上記プロセスステップを繰り返す。或いは又、別の態様では、各時間ステップの終りに基板の前面放射率が再計算されてもよい。これは、放射率の決定1330の間に行われる。この態様では、適当なランプ電力プロフィールの選択1325の間に各時間ステップに対して新たな電力プロフィールが選択される。基板の放射率は基板温度の関数であるから、この態様では、各時間ステップに対する放射率の更新値を許容すると共に、RTP中に基板の放射率が変化するときに最良のランプ電力プロフィールを選択できるようにする。
[00140]この方法の1つの効果は、特に、所与の時間ステップに対して各ランプグループから相対的な電力出力を決定するのに影響マトリクスの逆転が要求されないので、純粋なモデルベースの制御アルゴリズムよりも計算上あまり激しいものではないことである。各パイロメータゾーンに対する各ランプグループの作用を計算するのではなく、実験で決定されたランプ電力曲線に基づいて各ランプグループの相対的ランプ電力をスケーリングすることにより基板の温度均一性が維持される。
[00141]更に、この方法は、熱処理中に基板上で測定される温度非均一性に応答しない。むしろ、温度非均一性が生じる前に縁リング作用を補償するためにランプグループ間でランプ電力がスケーリングされ、これは、全体的な基板温度均一性を改善することができる。
[00142]別の実施形態では、RTP中に縁リングの直接的な温度制御を通じて基板に対する縁リング作用を減少することによって基板の温度均一性が改善される。図3及び4に戻ると、全ての光ファイバプローブ334は、チャンバー300内での熱処理中に基板の底部の異なる半径方向位置に向けられることが明らかである。これは、基板の同心領域の温度測定及び制御を行えるようにする。縁リングは、基板の温度均一性に著しい作用を及ぼすことが知られているので、この作用は、縁リングの温度を、最も外側の基板パイロメータゾーンの温度により厳密に一致させることによって減少することができる。縁リング331の底部に向けて光ファイバプローブ334aを追加すると、縁リングは、本質的に付加的なパイロメータゾーンとして処理することができる。この外側のパイロメータゾーン、即ち縁リングの温度を制御することにより、縁リングの放射率が基板の前面放射率と実質的に異なるときでも、基板に対する縁リングの熱的影響を著しく減少することができる。外側ランプグループの1つ以上が光ファイバプローブ334aに関連したパイロメータにマップされるような1つの態様においては、ランプグループが縁リングのための専用のヒートソースとして働くことができる。
[00143]別の実施形態では、ランプグループは、縁リング温度の最良の独立した制御を果たすために基板の前面放射率の関数として再構成される。例えば、上述した方法により基板の前面放射率が既知である場合には、パイロメータゾーンに対するランプグループのマッピングは、基板の最も外側のパイロメータゾーンに対して縁リングに最適な電力入力を与えるように再構成することができる。例えば、図4及び5を参照すれば、より暗い、高放射率の基板の場合に、ランプグループ535がパイロメータゾーン405にマップされ且つランプグループ536−538がパイロメータゾーン406にマップされるようにランプグループを編成することができる。縁リング作用のために、高反射性の基板の場合に、ランプグループ535及び536がパイロメータゾーン405にマップされ且つランプグループ537及び538がパイロメータゾーン405にマップされるように外側のランプグループを再マップするのが有益となり得る。
[00144]更に別の実施形態では、少なくとも1つのランプグループは、RTP中に基板上で検出される非半径方向の温度非均一性を取り扱うように適応された半径方向に非対称的なランプグループより成る。基板上に生じる最大の温度非均一性は、一般的に半径方向であり、例えば、基板の縁付近の環状領域が基板の他の全ての領域より低温になり得る。図14は、環状領域1501、中心点1502、及び該中心点1502に対して半径方向に対称的でない領域1503を伴う基板1500の概略平面図である。この実施例では、環状領域1501は、基板1500の残部より典型的に高温又は低温である基板1500の領域に対応している。環状領域1501の温度非均一性は、基板の他の領域に対してその領域への電力入力を増加又は減少することにより最も良く排除される。このため、RTPチャンバーのランプグループは、図5及び10に示すように、実質的に同心的なゾーンに配列される。これは、環状領域1501のような基板の環状領域において対応するランプグループ(1つ又は複数)からその領域への電力入力を増加又は減少することにより、温度を簡単に修正することができる。
[00145]しかしながら、同心的なランプグループは、性質が半径方向でない温度非均一性、例えば、基板1500の領域1503における温度非均一性を補償することができない。むしろ、1つ以上のランプグループは、図15にランプのハニカムアレイ1600で示すように、非同心的形態で構成することができる。1つの態様では、非同心的ランプグループは、ランプグループ1601のような、半径方向を向いた行より成ってもよい。別の形態では、非同心的なランプグループは、ランプグループ1602及び1603の組合せのような、半径方向を向いた行を一緒に形成する2つ以上の個別のランプグループより成ってもよい。別の態様では、各同心的パイロメータゾーンの等部分に影響を及ぼすために、ランプグループ1604のような楔形のランプグループを使用してもよい。更に別の態様では、非同心的ランプグループは、1つ以上が、ランプグループ1605aのような半径方向を向いた直線的グループより成り、且つ1つ以上がランプグループ1605bのような楔形グループより成るようなランプグループの組合せ1605を含んでもよい。非同心的ランプグループの他の構成も実施できる。
[00146]図15を参照して上述したランプグループ構成の1つを組み込むと、基板1500が回転するたびに、領域1503は、基板1500の他の全ての領域よりも多い電力又は少ない電力を必要に応じて受け取り、領域1503を基板1500の他の領域と熱的に平衡させることができる。
[00147]ランプグループ1602及び1603のような非同心的ランプグループに加えて、基板上の側部から側部への温度非均一性を実際上軽減する制御アルゴリズムが必要である。この制御アルゴリズムは、一般的に、各ランプグループへの電力分配を基板の回転に対して同期させなければならない。1つの態様では、上述した適応制御アルゴリズムは、パイロメータゾーンのような基板の環状領域に対する平均電力をセットすることができる。次いで、二次「回転アルゴリズム」を使用して、基板の回転の進路にわたって必要な平均電力を非対称的に仕切り、パイロメータゾーンに存在する側部から側部への温度非均一性を減少することができる。
[00148]本発明の教示を組み込んだ多数の好ましい実施形態を図示して詳細に説明したが、当業者であれば、これらの教示を組み込んだ他の多数の変形実施形態も容易に案出できよう。
[00149]以上の説明は、本発明の実施形態に向けられたが、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに他の実施形態や更に別の実施形態が案出され得るので、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって限定されるものとする。
例示的な急速熱プロセスのための理想的な時間−温度軌跡を示す図(従来技術)である。 急速熱プロセスのための典型的なプロセスシーケンスを示すフローチャート(従来技術)である。 本発明の実施形態を合体できる例示的なRTPチャンバーの部分的斜視図である。 パイロメータゾーンに分割された基板の概略平面図である。 RTPチャンバーのためのハニカムアレイにおいて1つの考えられるランプ構成を示す概略平面図である。 プロセス全体を通じて入力電力が一定であるRTPの間に基板の1つのパイロメータゾーンの時間−温度軌跡を示すグラフである。 本発明の態様に含ませることのできる適応制御方法のフローチャートを示す図である。 白熱ランプの出力電力を時間の関数として示すグラフである。 ランプの出力電力がターゲットランプ電力よりも高いオーバーシュート電力にセットされる場合の白熱ランプの出力電力を時間の関数として示すグラフである。 ビン型コントローラ方法に合体することのできる簡単な適応制御方法のフローチャートを示す図である。 組み合わされた制御方法に関連して使用できるランプグループの1つの構成を示す図である。 本発明の1つの態様に対するプロセスシーケンスを示すフローチャートである。 8個のランプグループを含むRTPチャンバーの電力プロフィールを示すグラフである。 8個のランプグループを含むRTPチャンバーの電力プロフィールを示すグラフである。 8個のランプグループを含むRTPチャンバーの電力プロフィールを示すグラフである。 ARTのための動作の温度領域を示すグラフである。 ARTを使用して基板を制御可能に加熱するためのプロセスフロー図である。 ランプ電力スケーリング方法を使用してRTP中に基板温度の均一性を改善するためのプロセスシーケンスのフローチャートである。 環状領域、中心点、及び半径方向に対称的でない領域をもつ基板の概略平面図である。 RTPチャンバーのためのランプグループの考えられる非同心的構成を示す概略平面図である。
符号の説明
100・・・ターゲット時間−温度軌跡、201・・・初期温度傾斜、202・・・安定化周期、203…スパイクアニール、204・・・冷却、300・・・チャンバー、310・・・ランプアッセンブリ、311・・・ランプ、312・・・反射光パイプ、313・・・ハニカムアレイ、314・・・水冷ハウジング、315・・・石英窓、320・・・チャンバー本体、321・・・基板開口、322・・・排気開口、330・・・基板支持アッセンブリ、331…縁リング、332・・・石英シリンダー、333・・・反射プレート、334・・・光ファイバプローブ、400・・・基板、401−406・・・パイロメータゾーン、411−416・・・パイロメータ位置、500・・・ランプの構成、501・・・チャンバーの内径、502・・・縁リングの外径、503・・・基板の外径、521−526・・・パイロメータ位置、531−538・・・ランプグループ、1000・・・ランプグループの構成、1031−1038・・・ランプグループ、1041−1043・・・ランプグループ、1500・・・基板、1501・・・環状領域、1502・・・中心点、1503・・・領域、1600・・・ハニカムアレイ、1601−1605・・・ランプグループ

Claims (33)

  1. ある時間間隔中に処理チャンバー内で少なくとも1つのゾーンを含む基板の温度を制御する方法において、
    上記時間間隔の前に上記基板の各ゾーンの温度を測定するステップと、
    上記時間間隔に対する各ゾーンの瞬時加熱率を、少なくとも1つの先行する時間間隔における各ゾーンの熱的振舞いに基づいて計算するステップと、
    上記瞬時加熱率に基づいて上記時間間隔の終了までに各ゾーンを望ましい温度にもっていくために各ゾーンに対する入力電力を決定するステップと、
    各ゾーンに対する上記入力電力を各それぞれのゾーンに印加するステップと、
    を備えた方法。
  2. 上記基板の温度は、約500℃より低く、各ゾーンの温度を測定する上記ステップは、
    上記基板の透過率を決定する段階と、
    上記基板を透過したエネルギーを要因として除くことによりパイロメータで各ゾーンの温度を測定する段階と、
    を含む請求項1に記載の方法。
  3. 基板の透過率を決定する上記段階は、分光計を使用して、上記基板の少なくとも1つのゾーンの透過率を決定することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 上記基板の温度は、約500℃より低く、各ゾーンの温度を測定する上記ステップは、ほぼ室温のパイロメトリーを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 基板の透過率を決定する上記段階は、
    少なくとも1つのゾーンの背面から放射される光を捕獲する工程と、
    各ゾーンからの上記捕獲された光を第1光学路及び第2光学路に分割する工程と、
    上記第1光学路の光を第1パイロメータへ指向する工程であって、該第1パイロメータが第1帯域路の光を検出するようにフィルタされる工程と、
    上記第2光学路の光を第2パイロメータへ指向する工程であって、該第2パイロメータが第2帯域路の光を検出するようにフィルタされ、且つ該第2帯域路が、上記第1帯域路よりも長い周波数の光を含むような工程と、
    上記第1パイロメータ及び第2パイロメータにより検出された合計エネルギーを比較する工程と、
    を含む請求項2に記載の方法。
  6. 基板の透過率を決定する上記段階は、
    第1の大きさをもつ電力入力波形を少なくとも1つのゾーンに印加する工程と、
    少なくとも1つのゾーンを透過したエネルギーと、少なくとも1つのゾーンの背面から放射されるエネルギーとの和に対応する電力波形であって、第2の大きさをもつ電力波形を測定する工程と、
    上記第1の大きさ及び第2の大きさを比較する工程と、
    を含む請求項2に記載の方法。
  7. 各ゾーンの瞬時加熱率を計算する上記ステップは、更に、
    第1の時間間隔中に第1の電力入力から生じる上記ゾーンの第1の温度傾斜率を計算する段階と、
    第2の時間間隔中に第2の電力入力から生じる上記ゾーンの第2の温度傾斜率を計算する段階と、
    上記ゾーンの上記瞬時加熱率が時間の一次関数で、入力電力比例し、更に、該一次関数が一定の勾配及び一定の切片を含むと仮定する段階と、
    上記第1傾斜率、第2傾斜率、第1電力入力及び第2電力入力を使用して、新たな勾配値及び新たな切片値を解く段階と、
    を含む請求項1に記載の方法。
  8. 新たな勾配値及び先行する勾配値の重み付けされた平均である勾配の値を使用する段階と、
    新たな切片値及び先行する切片値の重み付けされた平均である切片の値を使用する段階と、
    を更に含む請求項7に記載の方法。
  9. 上記重み付けされた平均は、指数関数的な時間重み付け平均である、請求項8に記載の方法。
  10. 上記少なくとも1つのゾーンは、複数の実質的に同心的なゾーンを含み、各ゾーンは、出力電力を発生する対応熱源により実質的に加熱される、請求項1に記載の方法。
  11. 各ゾーンの入力電力及び影響マトリクスに基づいて各熱源に対する出力電力を計算する段階を更に含む、請求項10に記載の方法。
  12. 上記影響マトリクスは、上記チャンバー内で決定される、請求項11に記載の方法。
  13. 各熱源は、ランプグループであり、各熱源に対する出力電力を計算する上記段階は、更に、各ランプグループの出力電力にオーバーシュート電力を含ませることによりランプの過渡応答を補償することを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 熱処理中に基板を処理する方法において、
    熱処理中に基板の光学的特性の値を決定するステップと、
    上記光学的特性の値に基づいてビン型制御アルゴリズムを選択するステップと、
    上記ビン型制御アルゴリズムを使用して熱処理の第1部分に対して基板の温度を制御するステップと、
    を備えた方法。
  15. 上記光学的特性は、前面の放射率、前面の反射率及び吸収率より成るグループから選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 光学的特性を決定する上記ステップは、更に、
    基板の領域の温度を測定する段階と、
    ある時間増分中に上記領域の前面に入力電力を印加する段階と、
    上記時間増分の後に上記領域の温度を再測定する段階と、
    上記時間増分中の温度上昇に基づいて基板の前面放射率を推定する段階と、
    を含む請求項15に記載の方法。
  17. 上記前面放射率に基づいて前面反射率を推定する段階を更に含む、請求項16に記載の方法。
  18. 上記基板の領域の温度を測定する前に上記基板を実質的に熱的平衡に維持する段階を更に含む請求項16に記載の方法。
  19. 光学的特性を決定する上記ステップは、更に、
    上記基板の透過率を決定する段階と、
    上記基板を透過したエネルギーを要因として除くことによりパイロメータで上記基板の温度を測定する段階と、
    上記基板の温度上昇に基づいて上記基板の前面放射率を推定する段階と、
    を含む、請求項15に記載の方法。
  20. 上記前面放射率に基づいて前面反射率を推定する段階を更に含む、請求項19に記載の方法。
  21. 基板の透過率を決定する上記段階は、分光計を使用して、上記基板の少なくとも1つのゾーンの透過率を決定することを含む、請求項19に記載の方法。
  22. 基板の透過率を決定する上記段階は、ほぼ室温のパイロメトリーを使用することを含む、請求項19に記載の方法。
  23. 基板の透過率を決定する上記段階は、
    上記基板の背面から放射される光を捕獲する工程と、
    上記捕獲された光を第1光学路及び第2光学路に分割する工程と、
    上記第1光学路の光を第1パイロメータへ指向する工程であって、該第1パイロメータが第1帯域路の光を検出するようにフィルタされる工程と、
    上記第2光学路の光を第2パイロメータへ指向する工程であって、該第2パイロメータが第2帯域路の光を検出するようにフィルタされ、且つ該第2帯域路が、上記第1帯域路よりも長い周波数の光を含むような工程と、
    上記第1パイロメータ及び第2パイロメータにより検出された合計エネルギーを比較する工程と、
    を含む請求項19に記載の方法。
  24. 基板の透過率を決定する上記段階は、
    第1の大きさをもつ電力入力波形を基板に印加する工程と、
    上記基板を透過したエネルギーと、上記基板の背面から放射されるエネルギーとの和に対応する電力波形であって、第2の大きさをもつ電力波形を測定する工程と、
    上記第1の大きさ及び第2の大きさを比較する工程と、
    を含む請求項19に記載の方法。
  25. 上記光学的特性は、前面放射率を含み、光学的特性の値を決定する上記ステップは、
    閉ループ制御アルゴリズムを使用して上記熱処理の早期部分中に上記基板の温度を制御する段階と、
    上記熱処理の早期部分中に示される電力プロフィールに基づいて上記前面放射率を推定する段階と、
    含む請求項14に記載の方法。
  26. 上記基板は、少なくとも1つのゾーンを含み、上記方法は、更に、
    上記熱処理の第2部分中に上記基板の温度を制御するステップを備え、該ステップは、
    上記熱処理の上記第2部分中に生じるある時間間隔の前に上記基板の各ゾーンの温度を測定する段階、
    上記時間間隔に対する各ゾーンの瞬時加熱率を、少なくとも1つの先行する時間間隔における各ゾーンの熱的振舞いに基づいて計算する段階、
    上記瞬時加熱率に基づいて上記時間間隔の終了までに各ゾーンを望ましい温度にもっていくために各ゾーンに対する入力電力を決定する段階、及び
    各ゾーンに対する上記入力電力を各それぞれのゾーンに印加する段階、
    を含む方法を使用して実行する、請求項14に記載の方法。
  27. 上記熱処理の上記第2部分は、上記熱処理の上記第1部分に先行し、更に、
    熱処理中に上記基板の光学的特性の値を決定する上記ステップは、上記熱処理の上記第2部分中に行われる、請求項26に記載の方法。
  28. 上記基板は、少なくとも1つのゾーンを含み、上記ビン型制御アルゴリズムは、
    上記熱処理中に生じるある時間間隔の前に上記基板の各ゾーンの温度を測定し、
    上記時間間隔に対する各ゾーンの瞬時加熱率を、少なくとも1つの先行する時間間隔における各ゾーンの熱的振舞いに基づいて計算し、
    上記瞬時加熱率に基づいて上記時間間隔の終了までに各ゾーンを望ましい温度にもっていくために各ゾーンに対する入力電力を決定し、更に、
    各ゾーンに対する上記入力電力を各それぞれのゾーンに印加する、
    ことを含む、請求項14に記載の方法。
  29. 各ゾーンの瞬時加熱率の上記計算は、更に、
    第1の時間間隔中に第1の電力入力から生じるゾーンの第1の温度傾斜率を計算し、
    第2の時間間隔中に第2の電力入力から生じるゾーンの第2の温度傾斜率を計算し、
    上記ゾーンの上記瞬時加熱率が時間の一次関数で、入力電力比例し、更に、該一次関数が一定の勾配及び一定の切片を含むと仮定し、
    上記第1傾斜率、第2傾斜率、第1電力入力及び第2電力入力を使用して、新たな勾配値及び新たな切片値を解き、
    新たな勾配値及び第1の数の先行する勾配値の重み付けされた平均である勾配値を使用し、更に、
    新たな切片値及び第2の数の先行する切片値の重み付けされた平均である切片値を使用する、
    ことを含む請求項1に記載の方法。
  30. 上記第1の数及び第2の数は、光学的特性の値に基づく、請求項29に記載の方法。
  31. 第1のランプグループ及び少なくとも1つの付加的なランプグループを備えたチャンバー内で熱処理中に基板を処理する方法において、
    熱処理中に基板の光学的特性の値を決定するステップと、
    上記光学的特性の値に基づいてビン型制御アルゴリズムを選択するステップと、
    上記熱処理の一部分に対して基板の温度を制御するステップと、
    を備え、温度を制御する上記ステップは、
    開ループ制御を使用して上記第1ランプグループの電力出力を制御する段階と、
    上記ビン型制御アルゴリズムを使用して少なくとも1つの付加的なランプグループの電力出力を制御する段階と、
    を含む、方法。
  32. 上記第1ランプグループは、上記チャンバー内の全ランプの半分より多くを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 上記光学的特性は、前面放射率、前面反射率、及び吸収率より成るグループから選択される、請求項31に記載の方法。
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