JP2009531368A - プロパンからプロペンを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、プロパンからプロペンを製造する方法であって、以下の工程:
A)プロパンを含む供給ガス流aを供給する工程;
B)プロパンを含む供給ガス流a、所望により水蒸気、及び所望により酸素を含むガス流を、脱水素化領域に供給し、そしてプロパンをプロペンに脱水素化して、プロパン、プロペン、メタン、エタン、エテン、水素、所望により一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気及び酸素を含むガス流bを得る工程、
C)生成ガス流bを冷却し、所望により圧縮し、そして凝縮により水蒸気を除去し、これにより水蒸気が除去された生成ガス流cを得る工程;
D)生成ガス流Cを、選択された吸着条件下に、プロペンを選択的に吸着する選択性吸着剤と接触させ、プロペン含有吸着剤、及びプロパン、メタン、エタン、エテン及び水素、所望により二酸化炭素及び一酸化炭素を含むプロペン除去ガス流d2を得る工程;
E)減圧及び/又は吸着剤を加熱することにより、プロパン含有吸着剤から、プロペン含有ガス流e1を放出させる工程、
を含むことを特徴とする方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロパンからプロペンを製造する方法に関する。
プロペンは、プロパンを脱水素化することにより、工業的規模で得ることができる。
プロパンをプロペンに脱水素化するUOP−オレフレックス法として公知の方法では、プロパンを含む供給ガス流を600〜700℃に予熱して、そして流動床脱水素化反応器内で、アルミナ上に白金を含んだ触媒上で脱水素し、主にプロパン、プロペン、及び水素を含んだ生成物流を得ている。更に、クラッキング(熱分解)により形成された低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン)、及び少量の高沸点物(C4 +炭化水素)が生成ガス流内に存在する。この生成ガス混合物を、複数工程で冷却し、そして圧縮する。次に、「コールドボックス」内での凝縮により、C2及びC3炭化水素及び高沸点物を、脱水素で形成された水素とメタンから除去する。そして次に、この液体炭化水素凝縮物を蒸留して分離するが、この分離では、C2炭化水素を除去して、第1のカラム内にメタンを残し、そして第2の蒸留カラム内で、C3炭化水素を、高純度のプロペン部分(プロペン分留)と、プロパン部分(プロパン部分は、C4 +炭化水素も含む)に分離する。
この方法の不利な点は、コールドボックス内での凝縮によって、C3炭化水素が損失することである。脱水素化で形成された大量の水素のために、及び相平衡の結果として、(非常に低い温度で凝縮を行わなければ、)比較的多くの量のC3炭化水素も、水素/メタン排気ガス流(オフガス流)と一緒に排出することになる。従って、水素/メタン排気ガス流と一緒に排出されるC3炭化水素の量を制限するために、−20〜−120℃の温度で処理する必要がある。
本発明は、プロパンをプロペンに水素化するための改良された方法を提供することを目的とする。
この目的は、プロパンからプロペンを製造する方法であって、以下の工程:
A)プロパンを含む供給ガス流aを供給する工程;
B)プロパンを含む供給ガス流a、所望により水蒸気、及び所望により酸素を含むガス流を、脱水素化領域に供給し、そしてプロパンをプロペンに脱水素化して、プロパン、プロペン、メタン、エタン、エテン、水素、所望により一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気及び酸素を含むガス流bを得る工程、
C)生成ガス流bを冷却し、所望により圧縮し、そして凝縮により水蒸気を除去し、これにより水蒸気が除去された生成ガス流cを得る工程;
D)生成ガス流Cを、プロペンを選択的に吸着する選択性吸着剤と接触させ、プロペン含有吸着剤、及びプロパン、メタン、エタン、エテン及び水素、所望により二酸化炭素及び一酸化炭素を含むプロペン除去ガス流d2を得る工程;
E)減圧及び/又は吸着剤を加熱することにより、プロパン含有吸着剤から、プロペン含有ガス流e1を放出させる工程、
を含むことを特徴とする方法によって達成される。
第1の工程部分A)では、プロパンを含む供給ガス流を供給する。この供給ガス流は、通常、プロパンを少なくとも80体積%、好ましくは少なくとも90体積%含んでいる。更に、プロパン含有供給ガスは、通常、ブタン(n−ブタン、イソブタン)も含む。プロパン含有供給ガス流の典型的な組成は、DE−A10246119及びDE−A10245585に開示されている。典型例では、プロパン含有供給ガス流aは、液体石油ガス(LPG)から得ることができる。
ある工程部分B)では、プロパンを含む供給ガス流を、脱水素化領域に供給し、そして通常の触媒脱水素化の処理を行う。この工程部分では、脱水素化反応器内で、脱水素化活性触媒を使用して、プロパンを部分的に脱水素化し、プロペンを得る。更に、水素及び少量のメタン、エタン、エテン及びC4 +炭化水素(n−ブタン、イソブタン、ブテン、ブタジエン)を得る。また、酸化炭素(CO、CO2)、特にCO2、水蒸気及び所望により少量の不活性ガスを、触媒作用によるプロパン脱水素化の生成ガス混合物中に得る。脱水素化の生成ガス流は、通常、水蒸気を含んでおり、この水蒸気は、脱水素化ガス混合物中に既に加えられるものであり、及び/又は酸素の存在下(酸化性又は非酸化性)に脱水素を行う場合には、脱水素化中で既に形成されるものである。脱水素化を、酸素の存在下に行う場合には、(純粋な酸素を供給しない場合には、)酸素含有ガス流を供給して、不活性ガス(窒素)を脱水素化領域に導入する。酸素含有ガスを供給する場合、酸素含有ガスの含有量は、通常、少なくとも40体積%、好ましくは少なくとも80体積%、より好ましくは少なくとも90体積%である。生成ガス混合物内で不活性ガス部分が多くなり過ぎることを避けるためには、酸素含有量が>99%の技術的に純粋な酸を特に使用する。更に、未変換のプロパンが、生成ガス混合物中に存在する。
プロパンの脱水素は、原則として、従来技術から公知の如何なるタイプの反応器内でも行うことができる。本発明に従い適切な反応器のタイプについて、比較的理解し易い記載が、“Catalytica(登録商標) Studies Division,Oxidative Dehydrogenation and Alternative Dehydrogenation Process”(Study Number 4192 OD,1993,430 Ferguson Drive,Mountain View,California,94043−5272,USA)に存在する。
脱水素化は、酸化性又は非酸化性脱水素化として行うことができる。脱水素化は、等温的に、又は断熱的に行うことができる。脱水素化は、固定床、移動床又は流動床反応器内で、触媒作用を使用して行うことができる。
非酸化性の触媒作用によるプロパン脱水素化は、オートサーマル的(autothermally)に行うことが好ましい。この目的のために、少なくとも1箇所の反応領域で、酸素を追加的にプロパン脱水素化の反応ガス混合物に混合し、そして反応ガス混合物中に存在する水素及び/又は炭化水素を少なくとも部分的に燃焼させ、これにより少なくとも1箇所の反応領域で、脱水素化に必要な熱の少なくとも一部を反応ガス混合物中に直接的に発生させる。
酸化性の方法と比較した場合の非酸化性の方法の特徴の一つは、少なくとも中間物として水素を形成することである。非酸化性の方法の特徴は、生成ガス中に水素が存在することで明確化される。酸化性脱水素化では、脱水素化の生成ガス中にはフリーな状態の水素(遊離した水素)は存在しない。
適切な反応器の形態は、固定床管型反応器、又は管束型反応器(tube bundle reactor)である。これらの反応器内では、触媒(脱水素化触媒、及び所望により特殊化した酸化触媒)が、反応管内又は反応管の束内の固定床として設けられる。通常の反応管の内径は、約10〜15cmである。典型的な脱水素化管束反応器は、約300〜1000本の反応管を含む。反応管内の内部温度は、代表例では、300〜1200℃の範囲、好ましくは500〜1000℃の範囲で変動する。Phillips Petroleum Co.のプロパン又はブタンの脱水素化のために、作動圧力は、通常、0.5〜8バール、(低度の)水蒸気希釈を使用する場合には、しばしば1〜2バールであり、又は他に、(高度の)水蒸気希釈を使用する場合(水蒸気活性改質法(STAR process)又はLinde processに相当する)には、3〜8バールである。典型的なガスの時間空間時速度(gas hourly space velocity)(GHSV)は、使用する炭化水素に対して500〜2000h-1である。触媒のジオメトリー(幾何学的形状)は、例えば、球状又はシリンダー状(中空又は中実)であって良い。
触媒作用によるプロパン脱水素化は、Snamprogetti/Yarsintez−FBD法に従い、流動床内で、不均一触媒(heterogeneous catalyst)の使用下に行っても良い。2個の流動床を並行して運転することが適当である(この場合、一方の流動床は、再生の状態である。)。
作動圧は、典型的には、1〜2バールであり、脱水素化温度は、通常550〜600℃である。脱水素化に必要とされる熱は、脱水素化触媒を反応温度にまで予熱することによって、反応系に導入することができる。酸素を含む共供給物(cofeed)を混合することにより、予熱器が部分的に不必要になり、そして必要な熱が、酸素の存在下に水素及び/又は炭化水素が燃焼することによって、反応系内で直接的に発生する。所望により、水素を含んだ共供給物を、追加的に混合しても良い。
触媒作用によるプロパンの脱水素は、トレイ反応器内で行うことができる。脱水素化を、酸素含有ガス流を供給しながら、オートサーマル的に行う場合には、脱水素化をトレイ反応器内で行うことが好ましい。この反応器は、1つ以上の連続した触媒床を有する。触媒床の数は、1〜20個であって良く、1〜6個が有利であり、1〜4個が好ましく、そして1〜3個が特に好ましい。触媒床では、ガスが放射方向に、又は軸方向に流れることが好ましい。通常、このようなトレイ反応器は、固定触媒床を使用して運転する。最も単純な場合には、固定触媒床は、シャフト炉反応器(shaft furnace reactor)内で軸方向に配置するか、又は同心のシリンダー状格子の環状の間隙に配置する。シャフト炉反応器は、1個のトレイに相当する。一実施の形態として、一つのシャフト炉反応器内で脱水素化を行うことが挙げられる。別の好ましい実施の形態では、3個の触媒床を有するトレイ反応器内で脱水素化を行う。
通常、反応ガス混合物に加える酸素ガスの量は、以下のように選択する。すなわち、プロパンの脱水素化に必要な熱量を、反応ガス混合物内に存在する水素、及び反応ガス混合物内に存在する炭化水素、及び/又はコークスの状態で存在するカーボンの燃焼によって形成するように選択する。通常、供給する酸素の合計量は、プロパンの合計量に対して、0.001〜0.8モル/モルであり、好ましくは0.001〜0.6モル/モルであり、より好ましくは0.02〜0.5モル/モルである。酸素は、純粋な酸素の状態でも、又は(不活性ガスを含んだ)酸素含有ガスの状態でも使用して良い。処理において(以下を参照)、プロパンとプロペンの損失が多くなることを避けるために、使用する酸素含有ガスの酸素含有量が高いことが重要であり、そしてこの酸素含有量は、少なくとも40体積%、好ましくは少なくとも80体積%、より好ましくは少なくとも90体積%である。酸素含有ガスは、O2含有量が約99体積%の技術的に純粋な酸素(technically pure oxygen)であることが特に好ましい。
燃焼して熱を発生させる水素は、触媒作用よるプロパンの脱水素化で発生する水素であり、そして水素含有ガスとして反応ガス混合物中に追加的に加えられる水素でもある。存在する水素の量は、酸素を供給した直後の反応ガス混合物中のH2/O2モル比が、1〜10モル/モル、好ましくは2〜5モル/モルになる量が好ましい。複数工程(複数段階)反応器では、このこと(量)は、酸素含有ガス及び水素含有ガスの各中間供給に該当する。
水素は、触媒作用下に燃焼する。使用する脱水素触媒は、通常、炭化水素及び水素の酸素との燃焼にも触媒作用を及ぼし、これにより原則として、上記触媒とは別に特殊な酸化触媒は必要とされない。一実施の形態では、(炭化水素の存在下に、水素と酸素の燃焼に選択的に触媒を及ぼす)1個以上の酸化触媒の存在下に運転(操作)を行う。ここで、炭化水素の酸素との燃焼は、CO、CO2及び水を発生させるものであり、従って、炭化水素の燃焼は最小限の範囲でのみ進行する。脱水素化触媒と酸化触媒は、異なる反応領域に存在することが好ましい。
1工程を超える工程で反応を行う場合、酸化触媒は、1箇所以上、又は全ての反応領域に存在して良い。
水素の酸化に選択的に触媒作用を及ぼす触媒を、反応器内の他の箇所よりも酸素分圧の高い箇所(特に、酸素ガスの供給箇所の近く)に配置することが好ましい。酸素含有ガス及び/又は水素含有ガスを、反応器内の1箇所以上で供給しても良い。
本発明に従う一実施の形態では、トレイ反応器の各トレイの上流に、酸素含有ガスと水素含有ガスの中間供給が存在する。本発明に従う更なる実施の形態では、酸素含有ガスと水素含有ガスを、最初のトレイ以外の各トレイの上流に供給する。一実施の形態では、全ての供給箇所の下流側に特殊な酸化触媒の層が存在し、この層に続いて脱水素化触媒の層が存在する。更なる実施の形態では、特殊な酸化触媒は存在しない。脱水素化温度は、通常、400〜1100℃;トレイ反応器の最後の触媒床内の圧力は、通常、0.2〜15バール、好ましくは1〜10バール、より好ましくは1〜5バールである。GHSVは、通常、500〜2000h-1であり、高負荷運転では、100000h-1以下、好ましくは4000〜16000h-1である。
水素の燃焼に選択的に触媒作用を及ぼす好ましい触媒は、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、及びビスマスの酸化物及び/又はリン酸塩から成る群から選ばれる酸化物(オキサイド)とリン酸塩(ホスフェイト)を含む。水素の燃焼に触媒作用を及ぼす更なる好ましい触媒は、元素周期表の遷移族VIII及び/又はIの貴金属を含む。
使用する脱水素触媒は、通常、担体及び活性組成物を含んでいる。担体は、通常、耐熱性酸化物又は混合酸化物を含んでいる。脱水素化触媒は、担体として、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化シリコン、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化セリウム及びこれらの混合物から成る群から選ばれる酸化金属を含むことが好ましい。この混合物は、物理的混合物又は他に化学的に混合された相、例えば、マグネシウムアルニミウム酸化物又は亜鉛アルミニウム酸化物混合酸化物等のものであって良い。好ましい担体は、二酸化ジルコニウム、及び/又は二酸化シリコン、及び二酸化チタンであり、そして、二酸化ジルコニウムと二酸化シリコンの混合物が特に好ましい。
形成された適切な触媒体の形状(ジオメトリー)は、押出成形物、星状、リング状、サドル状、球状、フォーム状、及びモノリス状で、特徴寸法は、1〜100mmである。
脱水素化触媒の活性組成は、通常、元素周期表の遷移族VIII族の元素を1種以上含み、この元素は、白金及び/又はパラジウムが好ましく、白金がより好ましい。更に、脱水素化触媒は、元素周期表の主族I族及び/又はII族の元素(好ましくはカリウム又はセシウム)を1種以上含んでも良い。脱水素触媒は、更に元素周期表の遷移族III族の元素(ランタニドとアクチニドを含む)を1種以上含んでも良く、ランタンとアクチニドが好ましい。最後に、脱水素化触媒は、元素周期表の主族III及び/又はIVの元素を1種以上含んで良く、ホウ素、ガリウム、シリコン、ゲルマニウム、スズ及び鉛から成る群から選ばれる1種以上の元素を含むことが好ましく、スズを含むことが最も好ましい。
好ましい実施の形態では、脱水素化触媒は、遷移族VIII族の元素を少なくとも1種、主族I族及び/又はII族の元素を少なくとも1種、主族III族及び/又はIV族の元素を少なくとも1種、及び遷移族III族(ランタニドとアクチニドを含む)の元素を少なくとも1種を含む。
例えば、WO99/46039、US4,788,371、EP−A705136、WO99/29420、US5,220,091、US5,430,220、US5,877,369、EP0117146、DE−A19937106、DE−A19937105及びDE−A19937107に開示された全ての触媒を、本発明に従って使用して良い。オートサーマルプロパン脱水素化の上述した変形例のための、特に好ましい触媒は、DE−A19937107の実施例1、2、3及び4に従う触媒である。
オートサーマルプロパン脱水素化を、水蒸気の存在下に行なうことが好ましい。加えた水蒸気は、熱媒体として作用し、そして触媒上の有機堆積物のガス化を補助する。このガス化は、触媒の炭化に対抗するもので、そして触媒の運転時間を増加させる。このガス化は、有機堆積物を一酸化炭素、二酸化炭素、及び所望により水に変換する。水蒸気での希釈は、脱水素化の平衡変換(平衡反応)をシフトさせる。
脱水素化触媒を、それ自体は公知の方法で再生しても良い。例えば、水蒸気を、反応ガス混合物内に加えても良く、又は酸素を含んだガスを、高い温度で、時々触媒に通し、堆積(沈殿)した炭素を燃焼しても良い。再生の後、所望により、水素ガスを使用して触媒を還元する。
生成ガス流bを2つの副流に分けても良く、この場合、一方の副流をオートサーマル脱水素化に再循環させて良い(DE−A10211275及びDE−A10028582に記載されているサイクルガス法に対応)。
プロパン脱水素化を、酸化性脱水素化として行っても良い。酸化性プロパン脱水素化を均一酸化性脱水素化又は不均一触媒(heterogeneously catalyzed)作用による酸化性脱水素化として行って良い。
本発明に従う方法のプロパン脱水素化を、均一酸素脱水素化として構成する場合、原則としてこのプロパン脱水素化を、US−A3,798,283、CN−A1,105,352、Applied Catalysis,70(2),1991,p.175〜187、Catalysis Today 13,1992,p.673〜678及びDE−A19622331の文献に記載されているように行うことができる。
均一酸素脱水素化の温度は、通常、300〜700℃、好ましくは400〜600℃、より好ましくは400〜500℃である。圧力は、0.5〜100バール又は1〜50バールであって良い。圧力は、しばしば1〜20バールであり、特に1〜10バールである。
酸素脱水素化(酸化性脱水素化)の条件下における反応ガス混合物の滞留時間は、典型例では0.1又は0.5〜20秒、好ましくは0.1又は0.5〜5秒である。使用する反応器は、例えば、管型炉又は管束型反応器、例えば、熱媒体として燃焼排気ガスを使用する向流管型炉、又は熱媒体として溶解した塩を使用する管束型反応器であっても良い。
使用する出発混合物中の、プロパンの酸素に対する割合は、0.5:1〜40:1であって良い。出発混合物中のプロパンの分子状酸素に対するモル割合は、好ましくは≦6:1、より好ましくは≦5:1である。通常、上述した割合は、≧1:1、例えば≧2:1である。出発材料は、更に、H2O、CO2、CO、N2、貴ガス及び/又はプロパン等の実質的に不活性なガスを含んでも良い。プロペンが、精製からのC3留分中に存在しても良い。プロパンからプロペンへの均一な酸化性脱水素化を行う場合、反応空間の表面積の反応空間の体積に対する割合を最小にすることが好ましい。この理由は、均一な酸化性脱水素は、遊離基メカニズムによって進行し、そして反応室の表面は、通常、遊離基スキャベンジャー(遊離基妨害物)として機能するからである。特に好ましい表面材料は、アルミナ、石英ガラス、ホウケイ酸塩、ステンレス鋼、及びアルミニウムである。
本発明に従う方法における、第1の反応段階を不均一触媒作用による酸化性脱水素として構成する場合、この酸化性脱水素は、原則として、US−A4,788,371、CN−A1,073,893Catalysis Letters23(1994)103−106,W.Zhang,Gaodeng Xuexiao Huaxue Xuebao,14(1993)566,Z.Huang,Shiyou Huagong,21(1992)592、WO97/36849、DE−A19753817、US−A3,862,256、US−A3,887,631、DE−A19530454、US−A4,341,664、J.of Catalysis 167,560−569(1997)、J.of Catalysis 167,550−559(1997)、Topics in Catalysis 3 (1996)265−275、US−A5,086,032、Catalysis Letters 10(1991)181−192、Ind.Eng.Chem.Res.1996,35,14−18、US−A4,255,284、Applied CatalysisA:General,100(1993)111−130,J.of Catalysis 148,56−67(1994),V.Cortes Corberan and S.Vic Bellon(Editor),New Developments in Selective Oxidation II,1994,Elsevier Science B.V.,p.305−313,3rd World Congress on Oxidation Catalysis R.K.Grasselli,S.T.Oyama, A.M. Gaffney and J.E. Lyons(Editors),1997,Elsevier Science B.V.,p.375ff.p.375に記載されているように行うことができる。特に、上述した文献に記載されている全ての酸素脱水素化触媒を使用して良い。上述した文献のために記載した内容は、以下のものについても適用可能である:
i)Otsuka,K;Uragami,Y.;Komatsu,T.;Hatano,M.in Natural Gas Conversion,Stud.Surf.Sci.Catal.;Holmen A.;Jens,K−J.;Kolboe,S.,Eds.;Elsevier Science:Amsterdam,1991;Vol.61,p15;
ii)Seshan,K.;Swaan,H.M.;Smits,R.H.H.;van Ommen,J.G.;Ross,J.R.H.in New Developments in Selective Oxidation; Stud.Surf. Sci.Catal.;Centi,G.;Trifro,F.,Eds;Elsevier Science:Amsterdam 1990;Vol.55,p505;
iii)Smits,R.H.H.;Sehan,K.;Ross,J.R.H. in New Developments in Selective Oxidation by Heterogeneous Catalysis;Stud.Surf.Sci.Catal;Ruiz,P.;Delmon,B.,Eds.;Elsevier Science:Amsterdam,1992a;Vol.72,p221;
iv)Smits, R.H.H.;Seshan,K:Ross,J.R.H.Proceedings,Symposium on Catalytic Selective Oxidation,Washington DC;American Chemical Society:Washington,DC,1992b;1121;
v)Mazzocchia,C.;Aboumrad,C.;Daigne,C.;Tempesti,E.;Herrmann,J.M.;Thomas,G.Catal.Latt.1991,10,181;
vi)Bellusi,G.;Conti,G.;Perathonar,S.;Trifiro,F.Proceedings,Symposium on Catalytic Selective Oxidation,Washington,DC;American Chemical Society:Washington,DC,1992;p1242;
vii)Ind.Eng.Chem.Res.1996,35,2137−2143及び
viii)Symposium on Heterogeneous Hydrocarbon Oxidation Presented before the Division of Petroleum Chemistry,Inc.211th National Meeting,American Chemical Society New Orleans,LA,March24−29,1996.
特に適切な酸素脱水素化触媒は、DE−A19753817の複合酸化金属組成物又は触媒A、及び複合酸化金属組成物であり、又、好ましいものとして記載された複合酸化金属組成物又は触媒Aが極めて好ましい。換言すれば、有用な活性組成物は、一般式I、
1 aMo1-b2 bx (I)
(但し、
1=Co、Ni、Mg、Zn、Mn及び/又はCu、
2=W、V、Te、Nb、P、Cr、Fe、Sb、Ce、Sn及び/又はLa、
a=0.5〜1.5、
b=0〜0.5及び
x=I中で、酸素以外の元素の原子価と頻度によって決定される数、
である。)
の複合酸化金属組成物である。
更なる酸素脱水素化触媒として適切な複合酸化金属組成物は、以下に記載したものである:
適切なMo−V−Te/Sb−Nb−O複合酸化金属組成物は、EP−A0318295、EP−A0529853、EP−A0603838、EP−A0608836、EP−A0608838、EP−A0895809、EP−A0962253、EP−A1192987、DE−A19835247、DE−A10051418及びDE−A10119933に開示されている。
適切なMo−V−Nb−O複合酸化金属触媒は、特に、E.M.Thorsteinson,T.P.Wilson,F.G.Young,P.H.Kasei,Journal of Catalysis 52(1978)、116〜132頁、及びUS4,250,346及びEP−A0294845に記載されている。
適切なNi−X−O複合酸化金属触媒(但し、X=Ti、Ta、Nb、Co、Hf、W、Y、Zn、Zr、Al)は、WO00/48971に記載されている。
原則として、適切な活性組成物は、その成分の適切な供給源から、非常に緻密(intimate)な、好ましくは微細な、化学量論に対応する乾燥混合物を得、そしてこの乾燥混合物を450〜1000℃で「か焼」することにより、簡単(単純)な方法で製造することができる。か焼は、不活性ガス下でも、酸化性雰囲気下でも行って良く、例えば、空気(不活性ガスと酸素の混合物)の存在下に行なって良く、及び還元雰囲気下(例えば、不活性ガス、酸素及びNH3、CO及び/又はH2の混合物)で行っても良い。複合酸化金属活性組成物の成分の有用な供給源は、酸化物及び/又は少なくとも酸素の存在下に加熱により酸化物に変換可能なこれらの化合物を含む。酸化剤に加え、このような有用な出発化合物は、特に、ハロゲン化物、硝酸塩、ギ酸塩、シュ酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、アミン錯体塩、アンモニウム塩及び/又は水酸化物である。
複合酸化金属組成物は、粉状又は所定の触媒ジオメトリーに成形された状態の何れでも本発明に従う方法に使用可能であり、そしてこの成形は、最終的な「か焼」の前又は後に行って良い。適切な非担持触媒のジオメトリーは、例えば、外径と長さ(2〜10mm)を有する中実シリンダー又は中空シリンダーである。中空シリンダーの場合、壁厚は、1〜3mmが適切である。適切な中空シリンダーのジオメトリーは、例えば、7mm×7mm×4mm又は5mm×3mm×2mm又は5mm×2mm×2mm(各場合、長さ×外径×内径)である。非担持触媒は、当然、球状のジオメトリーを有することもでき、この場合、直径は2〜10mmであって良い。
事前成形した不活性触媒担体に適用することにより、当然、まだか焼していない状態の粉状活性組成物又はその粉状全躯体組成物も成形して良い。担体ボディに施す粉組成物の層厚さは、50〜500mmの範囲、好ましくは150〜250mmの範囲の範囲で適切に選択可能である。有用な担体材料は、通常の多孔性又は非孔性(孔を有しない)酸化アルミニウム、二酸化シリコン、二酸化トリウム、二酸化ジルコニウム、炭化ケイ素又は(マグネシウムシリケート又はアルミニウムシリケート等の)シリケートを含む。担体ボディは、規則的または不規則的な形状を有していて良く、規則的に成形された担体ボディであることが好ましく、この場合、その表面は明確な粗さを有するもので、そして例えば、寸法が1〜100mmの球状、中空シリンダー又はサドル状が好ましい。実質的に非孔性で、表面が粗く、直径が1〜8mm、好ましくは4〜5mmの球状のステアタイトの担体を使用することが適切である。
プロパンの不均一な触媒作用下での酸素脱水素化の反応温度は、通常、300〜600℃、典型的には、350〜500℃である。圧力は、0.2〜15バール、好ましくは1〜10バール、例えば1〜5バールである。1バールを超える圧力、例えば1.5〜10バールが特に有利であることがわかった。通常、不均一に触媒作用を及ぼされた、プロパンの酸素脱水素化は、固定触媒床を使用して行う。後者は、例えばEP−A700893及びEP−A700714及びこれらの文献が引用している文献に記載があるように、管束反応器の管内に導入することができる。触媒床内の反応ガス混合物の平均帯留時間は、通常、0.5〜20秒である。不均一な触媒作用下でのプロパンの酸素脱水素化(酸化性脱水素化)のために使用する出発反応ガス内のプロパンの酸素に対する割合は、本発明に従い、0.5:1〜40:1であって良い。出発ガス混合物中のプロパンに対する分子状酸素のモル割合は、<6:1、好ましくは<5:1である。通常、上述した割合は、≧1:1、例えば2:1である。出発ガス混合物は、更にH2O、CO2、CO、N2、貴ガス等の実質的に不活性な成分及び/又はプロペンを含んでも良い。更に、C1、C2及びC4炭化水素を少量の範囲で含んでも良い。
生成ガス流bが脱水素化領域を出る時点では、生成ガス流bは、通常、0.2〜15バール、好ましくは1〜10バール、より好ましくは1〜5バールであり、そして温度は300〜700℃の範囲である。
プロパン脱水素化では、得られるガス混合物は通常以下の組成を有している:10〜80体積%のプロパン、5〜50体積%のプロペン、0〜20体積%のメタン、エタン、エテン及びC4 +炭化水素、0〜30体積%の酸化炭素、0〜70体積%の水蒸気、0〜25体積%の水素、及び0〜50体積%の不活性ガスの組成を有している。
好ましいオートサーマルプロパン脱水素化では、得られるガス混合物は通常以下の組成を有している:10〜80体積%のプロパン、5〜50体積%のプロペン、0〜20体積%のメタン、エタン、エテン及びC4 +炭化水素、0.1〜30体積%の酸化炭素、1〜70体積%の水蒸気、0.1〜25体積%の水素、及び0〜30体積%の不活性ガスの組成を有している。
工程部分C)では、生成ガス流bから水を最初に除去する。水の除去は、生成ガス流bの凝縮、冷却、及び所望により圧縮工程(段階)によって行って良く、そして1工程以上の冷却工程と所望により圧縮工程によって行って良い。通常、この目的のために、生成ガス流bは、20〜80℃、好ましくは40〜65℃の範囲で冷却する。更に、生成ガス流は、通常、2〜40バール、好ましくは5〜20バール、より好ましくは10〜20バールの範囲で圧縮して良い。
本発明に従う一実施の形態では、生成ガス流bを、熱交換器のカスケードに通し、そして、先ず50〜200℃の範囲の温度に冷却し、そして更に冷却党(quenching tower)内で、水を使用して40〜80℃、例えば55℃に冷却する。このことにより、水蒸気の大部分、及び生成ガス流b内に存在するC4 +炭化水素、特にC5 +炭化水素が部分的に、凝縮除去される。適切な熱交換器は、例えば、直接熱交換器、及びガス−ガス向流熱交換器等の向流熱交換器、及び空気冷却器である。
水蒸気を除去(depleted)した生成物ガス流cを得ることができる。生成物ガス流cは、まだ0〜10体積%の水蒸気を含んでいる。工程D)で所定の吸着剤を使用する場合に、生成ガス流cから水を実質的に全て除去するために、分子篩、特に3A、4A、13X分子篩、又は好ましくは酸化アルミニウム又は膜を使用した乾燥を導入しても良い。
工程D)を行う前に、ガス洗浄(gas scrubbing)又は固体吸収剤への吸収により、二酸化炭素をガス流cから除去することができる。二酸化炭素ガス洗浄の前に、一酸化炭素を選択的に二酸化炭素に酸化する燃焼行程を行って良い。
CO2除去のために、使用する洗浄液体は、通常、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、又はアルカノールアミン溶液であり;活性N−メチルジエタノール溶液を使用することが好ましい。通常、ガス洗浄を行う前に、1段階又は複数段階圧縮によって、5〜25バールの範囲に生成ガス流cを圧縮する。CO2含有量が、通常<1000ppm、好ましくは<100ppm、より好ましくは<20ppmである、二酸化炭素が除去された流れcを得ることができる。
しかしながら、適切な固体吸着剤、例えば、13X分子篩、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム又はハイドロタルサイトに吸着させることによって、CO2を除去すること好ましい。
工程D)では、生成ガス流cを、吸着領域内で、選択した吸着条件下にプロペンを選択的に吸着する選択的吸着剤と接触させ、プロペン含有吸着剤(プロペンが付加された吸着剤)及びプロペンが除去されたガス流d2(ガス流d2は、プロパン、メタン、エタン、エテン、一酸化炭素、二酸化炭素及び水素を含む)を得る。プロペンが、ガス流d2内に存在しても良い。
脱着工程E)では、減圧及び/又は吸着剤の加熱によって、実質的にプロペンを含有する吸着剤から、プロペン含有ガス流e1を放出させる。圧力は、特にプロペンの全圧及び/又は分圧であって良い。
適切な吸着剤は、多孔性金属−有機骨格材料(MOF)を含む。更なる適切な吸着剤は、分子篩、活性炭、シリカゲル及びキセロゲル及びアエロゲル、及び多孔性共有結合有機骨格材料(COF;A.P.Cote etal.,Science 310(2005),1166〜1170)である。
特に、多孔性金属−有機骨格材料(MOF)が、一方ではプロペンの効果的な分離をもたらし、そして他方ではプロパントと更なるガス成分の分離をもたらすことがわかった。
多孔性金属−有機骨格材料は、少なくとも1種の金属イオンと配位的に結合した、少なくとも1種の、少なくとも二座の有機化合物を含む。これらの金属−有機骨格材料(MOF)は、例えば、US5,648,508、EP−0790253、M.O−Keefe et al.J.Sol.State Chem.,152(2000),page3〜20,H.Li et al.,Nature 402(1999),page276,M.Eddaoudi et al.,Topics in Catalysis ,(1999),page 105〜111,B.Chen etal., Science 291,(2001),page 1021〜1023及びDE−A−10111230、WO−A2005/049892及びA.C.Sudik er al., J.Am.Chem.Soc.127(2005),7110〜7118に記載されている。
本発明に従う金属−有機骨格材料は、孔、特にミクロ及び/又はメソ孔を含む。ミクロ孔は、直径が2nm以下のものと定義され、そしてメソ孔は、直径が2〜50nmの範囲のものと定義されており、各場合Pure Applied Chem.45,page71、特にpage79(1976)に示されている定義に対応するものである。ミクロ−及び/又はメソ孔は、吸着測定を使用して試験することができる。これらの測定は、77ケルビンで、MOFの、窒素の摂取容量を測定するものである(DIN66131及び/又は66134に従う)。
粉状態の骨格材料について、DIN66135(DIN66131、66134)に従い、Langmuirによって計算した比表面積は、好ましくは5m2/gを超え、より好ましくは10m2/gを超え、より好ましくは50m2/gを超え、更に好ましくは500m2/gを超え、更に好ましくは1000m2/gを超え、そして特に好ましくは1500m2/gを超える。
MOF成形ボディは、低活性な表面積を有していて良く;しかし好ましくは10m2/gを超え、より好ましくは50m2/gを超え、更に好ましくは500m2/gを超え、特に1000m2/gを超える。
本発明において、孔径分布の最大値は、少なくとも4Åであるべきである。この最大値は、好ましくは4.3〜20Åの範囲であるべきである。この範囲は、5〜13Åの範囲であることがより好ましい。
本発明に従う骨格の金属成分は、Ia、IIa、IIIa、IVa〜VIIIa族及びIb〜VIb族から選択することが好ましい。好ましいものは、更に、元素周期表のIIa、IIIb、IIIa〜VIa族のものであり、そして、ランタニド、V、Mn、Fe、Ni、Coが好ましい。特に好ましいものは、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ro、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb及びBiである。同様により好ましいものは、Mg、Al、In、Cu、Zn、Fe、Ni、Co、Mn、Zr、Ti、Sc、Y、La、Ceである。より好ましいものは、Mg、Al、In、Cu、Zn、Fe、Zr、Yである。銅の場合、フリーな(遊離した)銅の配位部位を有していないMOFタイプが好ましい。
これら元素のイオンに関し、特に記載すべきものは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Sc3+、Y3+、Ti4+、Zr4+、Hf4+、V4+、V3+、Nb3+、Ta3+、Cr3+、Mo3+、W3+、Mn3+、Mn2+、Re3+、Re2+、Fe3+、Fe2+、Ru3+、Os3+、Os2+、Co3+、Co2+、Rh2+、Rh+、Ir2+、Ir+、Ni2+、Ni+、Pd2+、Pd2+、Pd+、Pt2+、Pt+、Cu2+、Cu+、Ag+、Au+、Zn2+、Cd2+、Hg2+、Al3+、Ga3+、In3+、Ti3+、Si4+、Si2+、Ge4+、Ge2+、Sn4+、Sn2+、Pb4+、Pb2+、Pb2+、As5+、As3+、As+、Sb5+、Sb3+、Sb+、Bi5+、Bi3+及びBi+である。
「少なくとも二座の有機化合物」という記載は、与えられた金属イオンに、少なくとも2個、好ましくは2個の配位結合を形成可能な、及び/又は各場合において、2個以上、好ましくは2個の金属原子に、それぞれ1個の配位結合を形成可能な、少なくとも1種の官能基を含む有機化合物を表す。
上述した配位結合を形成可能な官能基は、特に、例えば以下の官能基である:−CO2H、−CS2H、−NO2、−B(OH)2、−SO3H、−Si(OH)3、−Ge(OH)3、−Sn(OH)3、−Si(SH)4、−Ge(SH)4、−Sn(SH)3、−PO3H、−AsO3H、−AsO4H、−P(SH)3、−As(SH)3、−CH(RSH)2、−C(RSH)3、−CH(RNH22、−C(RNH23、−CH(ROH)2、−C(ROH)3、−CH(RCN)2、−C(RCN)3、(但し、Rは、例えば、そして好ましくは、1、2、3、4又は5個の炭素原子を有するアルキレン基、例えばメチレン、エチレン、n−プロピレン、i−プロピレン、n−ブチレン、i−ブチレン、tert−ブチレン、又はn−ペンチレン基、又は1又は2個の芳香族環を含むアリール基、そして芳香族環は例えば2C6環で、これらは、適切であれば、縮合(condense)していても良く、そしてそれぞれが独立して少なくとも1個の置換基で適切に置換されていても良く、及び/又はそれぞれが独立して、少なくとも1種のヘテロ原子、例えばN、O及び/又はSを含んでいても良い。)。同様に好ましい実施の形態では、記載するべき官能基は、上述したR基が存在しないものである。これに関し、特に、−CH(SH)2、−C(SH)3、−CH(NH22、−C(NH23、−CH(OH)2、−C(OH)3、CH(CN)2又は−C(CN)3を記載して良い。
少なくとも2個の官能基は、(これら官能基を有する有機化合物が、配位結合を形成可能であり及び骨格材料を製造可能であるという条件で、)原則として、如何なる適切な有機化合物と結合していても良い。
少なくとも2個の官能基を含む有機化合物は、飽和又は不飽和脂肪族化合物又は芳香族化合物又は脂肪族と芳香族の両方の化合物から誘導したものであることが好ましい。
脂肪族化合物又は(脂肪族及び芳香族化合物の)脂肪族部分は、直鎖状及び/又は分岐(分枝)及び/又は環状であって良く、及び化合物当たり複数の環があっても良い。より好ましくは、脂肪族化合物又は(脂肪族及び芳香族化合物の)脂肪族部分は、1〜15個の炭素原子、好ましくは1〜14個、より好ましくは1〜13個、より好ましくは1〜12個、より好ましくは1〜11個、及び特に好ましくは1〜10個の炭素原子、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9個又は10個の炭素原子を含む。ここで、特に好ましいものは、中でも、メタン、アダマンタン、アセチレン、エチレン又はブタジエンである。
芳香族化合物又は(芳香族及び脂肪族化合物の)芳香族部分は、1個以上の環、例えば2、3、4又は5個の環を有していて良く、この場合環は、互いに離れて存在していて良く及び/又は少なくとも2個の環が縮合(fused)した状態で存在していても良い。芳香族化合物又は(脂肪族及び芳香族化合物の)芳香族部分は、更に好ましくは、1個、2個又は3個の環を有し、特に好ましくは、1個又は2個の環を有している。互いに独立して、上述した化合物の全ての環は、少なくとも1個ヘテロ原子、例えばN、O、S、B、P、Si、Al、好ましくはN、O及び/又はSを含んでも良い。芳香族化合物又は(芳香族及び脂肪族化合物の)芳香族部分は、好ましくは1個又は2個のC6環を含み、2個のC6環は互いに別々に(離れて)存在していて良く、又は縮合した状態で存在していて良い。特に記載して良い芳香族化合物は、ベンゼン、ナフタレン及び/又はビフェニル及び/又はビピリジル及び/又はピリジルである。
例えば、特にトランスムコン酸又はフマル酸又はフェニレンビスアクリル酸を記載して良い。
少なくとも二座の有機化合物を、ジ−、トリ−、又はテトラカルボン酸又はその硫黄類似体から誘導して良い。硫黄類似体は、官能基−C(=O)SH及びその互変体、及びC(=S)SHであり、これらは、1種以上のカルボン酸基の代わりに使用して良いものである。
本発明において、「誘導(derive)」という用語は、少なくとも二座の有機化合物が部分的に又は全てが脱プロトン化状態で、骨格材料中に存在して良いことを意味する。更に、少なくとも二座の有機化合物は、更なる置換基、例えば−OH、−NH2、−OCH3、CH3、−NH(CH3)、−N(CH32、−CN及びハロゲン化物を含んで良い。
例えば、本願発明について、以下のものを記載して良い;
すなわち、ジカルボン酸、例えば、
シュウ酸、コハク酸、酒石酸、1,4−ブタジエンジカルボン酸、4−オキソピラン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、1,8−ヘプタデカンジカルボン酸、1,9−ヘプタデカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、アセチルジカルボン酸、1,2−ベンゼンジカルボン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、ピリジン−2,3−ジカルボン酸、1,3−ブタジエン−1,4−ジカルボン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸、p−ベンゼンジカルボン酸、イミダゾール−2,4−ジカルボン酸、2−メチルキノリン−3,4−ジカルボン酸、キノリン−2,4−ジカルボン酸、キノキサリン−2,3−ジカルボン酸、6−クロロキノキサリン−2,3−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、キノリン−3,4−ジカルボン酸、7−クロロ−4−ヒドロキノリン−2,8−ジカルボン酸、ジイミデジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、2−メチルイミダゾール−4,5−ジカルボン酸、チオフェン−3,4−ジカルボン酸、2−イソプロピルイミダゾール−4,5−ジカルボン酸、テトラヒドロピラン−4,4’−ジカルボン酸、ペリレン−3,9−ジカルボン酸、ペリレンジカルボン酸、Pluriol E200−ジカルボン酸、3,6−ジオキサ−オクタンジカルボン酸、3,5−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、オクタジカルボン酸、ペンタン−3,3−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、ベンジジン−3,3’−ジカルボン酸、1,4−ビス(フェニルアミノ)ベンゼン−2,5−ジカルボン酸、1,1’−ジナフチルジカルボン酸、7−クロロ−8−メチルキノリン−2,3−ジカルボン酸、1−アニリノアントラキノン−2,4’−ジカルボン酸、ポリテトラヒドロフラン−250−ジカルボン酸、1,4−ビス(カルボキシメチル)ピペラジン−2,3−ジカルボン酸、7−クロロキノリン−3,8−ジカルボン酸、1−(4−カルボキシ)フェニル−3−(4−クロロ)フェニルピラゾリン−4,5−ジカルボン酸、1,4,5,6,7−ヘキサクロロ−5−ノルボルンネン−2,3−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、1,3−ジベンジル−2−オキソイミダゾリジン−4,5−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸、2−ベンゾイルベンゼン−1,3−ジカルボン酸、1,3−ジフェニル−2−オキソイミダソリジン−4,5−シス−ジカルボン酸、2,2’−ビキノリン−4,4’−ジカルボン酸、ピリジン−3,4−ジカルボン酸、3,6,9−トリオキサウンデカンジカルボン酸、O−ヒドロキシベンゾフェノンジカルボン酸、Pluriol E300−ジカルボン酸、Pluriol E400−ジカルボン酸、Pluriol E600−ジカルボン酸、ピラゾール−3,4−ジカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5,6−ジメチル−2,3−ピラジンジカルボン酸、(ビス(4−アミノフェニル)エーテル
ジイミドジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタンジイミドジカルボン酸、(ビス(4−アミノフェニル)スルホン)ジイミドジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、8−メトキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸、8−ニトロ−2,3−ナフタレンカルボン酸、8−スルホ−2,3−ナフタレンジカルボン酸、アントラセン−2,3−ジカルボン酸、2’,3’−ジフェニル−p−テトラフェニル−4,4”−ジカルボン酸、(ジフェニルエーテル)−4,4’−ジカルボン酸、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸、4(1H)−オキソチオクロメン−2,8−ジカルボン酸、5−タート−ブチル−1,3−ベンゼンジカルボン酸、7,8−キノリンジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、ヘキサトリアコンタン−ジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、1,7−ヘプタジカルボン酸、5−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジカルボン酸、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、フラン−2,5−ジカルボン酸、1−ノネン−6,9−ジカルボン酸、エイコセンジカルボン酸、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、1−アミノ−4−メチル−9,10−キオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2,3−ジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、シクロヘキセン−2,3−ジカルボン酸、2,9−ジクロロフルオルビン−4,11−ジカルボン酸、7−クロロ−3−メチルキノリン−6,8−ジカルボン酸、2,4−ジクロロベンゾフェノン−2’,5’−ジカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、1−メチルピロール−3,4−ジカルボン酸、1−ベンジル−1H−ピロール−3,4−ジカルボン酸、アントラキノン−1,5−ジカルボン酸、3,5−ピラゾールカルボン酸、2−ニトロベンゼン−1,4−ジカルボン酸、ヘプタン−1,7−ジカルボン酸、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、5,6−ジヒドロノロボルナン−2,3−ジカルボン酸又は5−エチル−2,3−ピリジンジカルボン酸、
トリカルボン酸、例えば、
2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、7−クロロ−2,3,8−キノリントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、4,5−ジヒドロ−4,5−ジオキソ−1H−ピロロ[2,3−F]キノリン−2,7,9−トリカルボン酸、5−アセチル−3−アミノ−6−メチルベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、3−アミノ−5−ベンゾイル−6−メチルベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、又はオーリントリカルボン酸、又は、
テトラカルボン酸、例えば、1,1−ジオキシドペリロ[1,12−BCD]チオフェン−3,4,9,10−テトラカルボン酸、ペリレンテトラカルボン酸、例えば、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸又は(ペリレン1,12−スルホン)−3,4,9,10−テトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又はメソ−1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、デカン−2,4,6,8−テトラカルボン酸、1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン−2,3,11,12−テトラカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、1,2,11,12−ドデカンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ヘキサンテトラカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,9,10−デカンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、又はシクロペンタンテトラカルボン酸、例えばシクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸。
任意に少なくとも単一置換された、単環式、二環式、三環式、又は四環式、芳香族、ジ−、トリ−、又はテトラカルボン酸(ここで、各環が、少なくとも1個のヘテロ原子を含んで良く、そして2個以上の環が同一又は異なるヘテロ原子を含んで良い。)を使用することが極めて好ましい。例えば、単環式ジカルボン酸、単環式トリカルボン酸、単環式テトラカルボン酸、二環式ジカルボン酸、二環式トリカルボン酸、二環式テトラカルボン酸、三環式ジカルボン酸、三環式トリカルボン酸、三環式テトラカルボン酸、四環式ジカルボン酸、四環式トリカルボン酸、及び/又は四環式テトラカルボン酸が好ましい。適切なヘテロ原子は、例えば、N、O、S、B、P、Siであり;ここで好ましいヘテロ原子は、N,S及び/又はOである。この点に関して記載して良い適切な置換基は、−OH、ニトロ基、アミノ基又はアルキル又はアルコキシ基を含む。
使用する少なくとも二座の有機化合物は、アセチレンジカルボン酸(ADC)、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、例えば4,4’−ビフェニルジカルボン酸(BPDC)、ビピリジンジカルボン酸、例えば2,2’−ビピリジンジカルボン酸、例えば、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸、ベンゼントリカルボン酸、例えば、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(BTC)、アダマンタン−テトラカルボン酸(ATC)、アダマンタンジベンゾエート(ADB)、ベンゼントリベンゾエート(BTB)、メタンテトラベンゾエート(MBT)、アダマンタンテトラベンゾエート又はジヒドロキシテトラフタル酸、例えば2,5−ジヒドロキシテレフタル酸(DHBDC)が特に好ましい。
特に、イソフタル酸、テロラフタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸、アミノテレフタル酸又はジアミノテレフタル酸を使用することが極めて好ましい。
これらの少なくとも二座の有機化合物に加え、MOFは、1種以上の単座リガンドを含んでも良い。
MOFを製造するための適切な溶媒は、エタノール、ジメチルホルムアルデヒド、トルエン、メタノール、クロロベンゼン、ジエチルホルムアルデヒド、ジメチルスルホキシド、水、過酸化水素、メチルアミン、水酸化ナトリウム溶液、N−メチルピロリジンエーテル、アセトニトリル、ベンジルクロリド、トリエチルアミン、エチレングリコール、及びこれらの混合物を含む。MOFの製造のための更なる金属イオン、少なくとも二座の有機化合物及び溶媒は、特にUS−A5,648,508又はDE−A10111230に記載されている。
MOFの孔サイズ(孔径)は、適切なリガンンド及び/又は少なくとも二座の有機化合物を選択することによって制御することができる。通常では、有機化合物が大きくなると、孔サイズも大きくなる。孔サイズは、好ましくは0.2nm〜30nmであり;孔サイズは、より好ましくは、結晶性材料をベースとして、0.3nm〜3nmである。
しかしながら、大きな孔は、MOF成形体にも発生し、そして孔のサイズ分布は変動(変化)して良い。しかしながら、1000nm以下の直径を有する孔によって、全体の孔体積の50%以上、特に75%以上を形成することが好ましい。しかしながら、孔体積の大半は、2つの径範囲からの孔によって形成される。従って、直径が100nm〜800nmの範囲の孔が、孔(pore)の合計体積の25%以上、好ましくは50%以上を形成することが好ましく、及び直径が10nm以下の孔が、孔の合計体積の15%以上、特に25%以上を形成することが好ましい。孔分布は、水銀ポロシメーターを使用して測定することができる。
極めて適切なMOFs(MOFの複数形)の例は、Cu−BTC(BTC=1,3,5−ベンゼントリカルボン酸)、Al−テレフタル酸、Cu−テレフタル酸−TEDA、Zn−テレフタル酸(MOF−5)、Zn−テレフタルサン−TEDA、MOF−74、Zn−ナフタレン−DC(IRMOF−8)、Al−アミノテレフタル酸である。
金属−有機骨格材料は、通常、成形体の状態で使用し、例えば、球、リング、押出成形物、又はタブレットのランダムパッキングとして使用し、又は構造パッキング、ハニカム及びモノリス等の内部構造物(structured internal)として使用する。
成形体の製造は、例えば、WO−A03/102000に記載されている。非常に堅く充填された状態のランダムパッキングを使用することが好ましい。従って、成形体は、その最も狭い箇所で、3mm以下の直径を有していることが好ましく、2mm以下の直径を有していることがより好ましく、1.5mm以下の直径を有していることが最も好ましい。タブレット状態の成形体が極めて好ましい。この代わりに、モノリス構造の形態の導入も可能である。この理由は、多数の流路(チャンネル)が流通に適切であり、この一方で壁内の材料は堅く充填された状態であるからである。
適切な分子篩は、例えば、C.A.Grade,A.E.Rodrigues,Ind.Eng.Chem.Res;Propane−Propylene Separation by Pressure Swing Adsorption Using Zeolote 4A,2005,44,8815−8829に記載されている。好ましい分子篩は、4A分子篩である。通常、4A分子篩は、少なくとも70℃の温度、好ましくは少なくとも90℃、及び特に好ましくは少なくとも100℃の温度で負荷される(使用される)。この場合、純度が>90%又は>99%のプロパンを得ることができる。
更に適切な分子篩は以下の文献に記載されている:
−C.A.Grande,S.Cavenati,F.Da Silva,A.E.Rodrigues,Ind.Eng.Chem.Res.:Carbon Molecular Sieve for Hydrocarbon Separations by Adsorption,2005,44,728−7227;
−F.A.Da Silva,A.E.Rodrigues,AICh Journal;Propane−Propylen Separation by Using 13X Zeolite,2001,47,341−357;
−F.A. Da Silva.Rodrigues,Ind Eng.Chem.Res.;Vacuum Swing Adsorption for Propane Propylen Separation with Zeolite 4A, 2001,40,5758−5774;
−I. Giannakopoulus,V.Nikolakis,Ind.Eng.Chem.Res.“Seperation of Propylen/Propane Mixtures Using Faujasite−Type Zeolite Mebranes”2005, 44, 226−230;
−J.Padin,S.Rege,R.Yang,L.Cheng,Chem.Eng.Science “Molecular sieve sorbents for kinetic separation of propane/propylen”,2000,55,4525。
4A、5A、13Xが特に好ましい。
通常、分子篩は、成形体の状態で使用する。適切な成形体は、例えば、球、リング、押出成形物、及びタブレットの状態のランダムパッキング、及び構造パッキング、ハニカム及びモノリスからなる内部構造である。
吸着工程D)では、残留している成分からプロペンを完全に除去する必要はない。この理由は、ガス流d2は、プロパンの脱水素化に再循環(recycle)するからである。この目的は、吸着剤に純粋なプロペンを最大限に含める(付加する)ことである。プロペンの吸着剤への吸着率は、他のガス成分のものよりも高いので、他のガス成分は、吸着領域(吸着サイト)から徐々に移動し、これによりプロパンが最終的に選択的に吸着される。
吸着工程D)と脱着工程E)を行うために、この技術分野の当業者が使用することができる、種々の異なる実施の形体が存在する。全てのものに共通することは、少なくとも2個、好ましくは3個、より好ましくは少なくとも4個の吸着剤を並行に運転させることであり、各場合において、この内の少なくとも2個、好ましくは全てが、フェーズ(位相又は段階)をずらして作動する。可能な変形例は、a)圧力変動吸着(pressure-swing adsorption)(PSA)、b)真空圧変動吸着(VPSA)、c)温度変動吸着(TSA)又は異なる方法の組合せである。これらの方法は、原則としてこの技術分野の当業者に公知であり、そしてテキスト、例えば.Kast,“Adsorption aus der Gasphase−Ingenieurwissenschaftliche Grundlagen und technische Verfahren”,VCH Weinheim,1988,D.M.Ruthven,S.Farooq.K.S.Knaebel,“Pressure Swing Adsorption”, Wiley−VCH,New York−Chichester−Weinheim−Brisbane−Singapore−Toronto,1994、又はM.Breitbach,“Adsorptiontechnik”,Springer Verlag Berlin−Heidelberg,2001,D.Basmadjian,“The Little Adsorption Book”, CRC Press Boca Raton,1996,又は出版物、例えばA.Mersmann,B.Fill,R.Hartmann,S.Maurer,Chem.Eng.Technol.23/11(2000)937に記載されている。吸着剤の床は、必ずしも単一の吸着剤のみを含む必要はなく、異なる材料の異なる層から成っていて良い。このことは、例えば、吸着フェーズ(吸着を行っている段階)の間、吸着した種の放出面を形成するために使用される。
例えば、プロパン/プロペン分離の圧力変動吸着は、以下のように構成することができる。以下に記載する、移り変わるフェーズにおいて並行して作動する4個の反応器について、フェーズ1では、吸着モードにある第2の吸着剤のガス、又は(排出と同時に減圧される)第2の吸着剤の排気ガスとフレッシュガスを供給することにより、吸着剤を作動圧(Pmaximum)にする。フェーズ2では、更なる供給により、好ましくは、全ての吸着面がブレークスルー(ガスがそのまま通過すること)し、そしてプロペンが更に吸着されなくなるまで、吸着剤にプロパンを一杯に付加(含有)させる。この場合、プロパンのブレークスルーが発生する前に、流れの下流側の、吸着モードの第2の反応器に接続することが好ましい。フェーズ3では、吸着剤内に存在する未吸着の残留プロパンを除去(移動)させるために、吸着剤(adsorber)を純粋なプロペンでフラッシュする。フラッシングは、並流又は向流で行うことが可能であり、並流で行うことが好ましい。フラッシングは、吸着圧で行うことができる。しかしながら、純粋なプロペンを確保するために、吸着剤の圧力を早期に低下させることが好ましく;吸着フェーズ(フェーズ2)及びフラッシュフェーズ(フェーズ3)におけるプロペンの分圧に近似する圧力にまで低下させることが好ましい。この圧力低下の過程で放出されるガス混合物を、圧力形成のために、フェーズ1の間、他の吸着剤に供給することができる。フェーズ4では、付加(積載)された及びフラッシュされた吸着剤を減圧して、純粋なプロピレン流を得る。生成物は、向流状態で除去することが好ましい。
更に、減圧をフェーズ4で行うことができる。この実施の形態は、VPSA法の例である。
吸着の熱/脱着の冷却(コールド)のための温度効果を補償するために、熱の供給又は除去を行うことが有利である。熱の供給は、種々の方法で行うことができる:内部の熱交換器による熱伝導、外部熱交換器による対流、又は放射により、例えばマイクロ波又は電磁波を使用して行なうことができる。フェーズ4の間、プロペンの脱着を更に容易化するために、そして脱着冷却を補償するために、熱を投入することができる。このような工程は、圧力変動吸着と温度変動吸着の組合せを構成する。
補助的な成分、例えばN2、CO2又は水蒸気で置き換えることによって、有用な生成物を脱着させることもできる。このことは、補助的な成分は、吸着圧力は一定に維持した状態で、ガス相中のプロピレンの分圧を低下させることができるという事実を利用するものである。更に、より強く吸着する補助的な成分、例えば水蒸気又はCO2も、吸着剤の表面から有用な(価値ある)生成物の置き換えを発生させる。しかしながら後者の場合、補助的な成分は、更なる工程で、吸着剤の表面から(例えば温度を上昇させることによって)再度除去しなければならない。この場合、例えば、プロピレンの存在下に、望ましくない副反応、例えば重合を発生させる温度レベルに設定することもできる。このような方法では、この補助成分は、脱着した有用な生成物中に存在するので、除去工程、例えば例えば、凝縮、吸着、膜による分離、蒸留による又は選択的洗浄(scrubbing)による除去工程が続いても良い。
フェーズは、同一の時間続く必要はなく、そして同期化のために、少数又は多数の吸着剤を使用しても良い。
所望のプロペンが所望の純度を有していない場合、吸着による更なる精製が続いても良く、この場合、ここで異なる吸着剤を使用しても良い。
吸着は、通常では−50℃〜250℃の範囲の温度、好ましくは10〜100℃、及びより好ましくは10〜50℃で行う。分子篩を使用する場合の吸着は、100〜150℃で行うことが好ましく;MOFsの場合、−50℃〜100℃の範囲の温度で行うことが好ましい。
吸着は、1〜40バール、好ましくは1.5〜20バール、より好ましくは2〜15バール及び特に2.5〜10バールの範囲の圧力で行う。
脱着フェーズ自体は、圧力(分圧)を下げることによって、又は加熱によって、又はこれら2つの方法を組み合わせることによって行うことができる。
吸着/脱着は、固定床法、流動床法又は移動床法として構成することができる。適切な装置の例は、固定床反応器、ロータリー吸着装置、及びブラインドフィルターである。可能な装置についての広範な記載を、Werner Kast,“Adsorption aus der Gasphase”,VCH(Weinheim);;H.brauer,“Die Adsorptionstechnik,Ein Gebiet mit Zukunft”,Chem.−Ing.Teach57(1985)8,650−653;Dieter bathen,Marc Breitbach“Adsorptionstechnik”,VDI−Buch,2001に見出すことができる。
吸着剤に吸着したガスを脱着させるために、吸着剤を加熱及び/又は低圧にまで減圧する。
脱着によって放出するプロペン含有ガス流e1は、通常、炭化水素含有量に対して、少なくとも90体積%のプロペン、好ましくは少なくとも95体積%のプロペン、より好ましくは少なくとも99.5体積%のプロペンを含む。更に、プロペン含有ガス流e1は、0〜5体積%のプロパン及び少量のCO、CO2、エタン、エテン、及びメタンを含んで良く、しかし、通常1体積%以下、好ましくは0.5体積%以下である。置き換え脱着(displacement desorption)を行う場合、流れe1は、追加的にフラッシュガス、例えばCO2を含んでも良い。
使用する吸着剤に依存して、例えばCu−BTC等のCu含有金属−有機骨格材料のために、吸着工程D)を行う前に選択的な水素化を行い、アセチレンとアレン(アセチレンとアレンは、ある場合では、プロペンより良好に吸着される)を除去することができる。流れc内のアセチレン含有量は、通常<1%、好ましくは<500ppm、より好ましくは<100ppm、特に<10ppmである。プロパン脱水素化で形成されるアセチレンとアレン(メチルアセチレン及びプロパジエン)の形成が相当な量になる場合には、選択的水素化を必要としても良い。選択水素化は、外部から水素を供給して、又は脱水素化の生成ガス中に存在する水素で行って良い。
本発明に従う一実施の形態では、プロパン含有ガス流d2を少なくとも部分的に、脱水素化領域に直接的に再循環させ、そして副流(パージガス流)を、通常、ガス流d2から除去し、不活性ガス、水素及び二酸化炭素を排出する。パージガス流を焼却することもできる。しかしながら、ガス流d2の副流の一つを脱水素化領域に直接的に再循環させ、そして吸着と脱着により別の副流からプロパンを除去し、そしてこのプロパンを脱水素化領域に再循環させることもできる。
本発明に従う更なる好ましい実施の形態では、工程D)で得られたプロパンガス含有流d2の少なくとも一部を、別の工程F)で高沸点吸収剤と接触させ、そして次に吸収剤中に溶解したガスを脱着させ、主としてプロパンから成る再循環流f1、及び排気ガスf2(オフガス流f2)(排気ガスf2は、メタン、エタン、エテン、及び水素、所望により一酸化炭素及び二酸化炭素を含む。)を得る。主としてプロパンから成る再循環流は、第1の脱水素化領域に再循環させる。
この目的のために、吸着工程で、ガス流d2を不活性吸収剤と接触させ、そしてプロパン及び少量のC2炭化水素を不活性吸収剤中に吸収させ、プロパンが付加された吸着剤と残りのガス成分を含む排気ガスを得る。これらは、主として二酸化炭素、水素、不活性ガス及びC2炭化水素及びメタンである。脱着工程(脱離工程:desorption stage)では、プロパンを吸収剤から再度放出させる。
吸収工程で使用する不活性吸収剤は、通常、(除去するべきプロパンの溶解度が、残留しているガス成分の溶解度よりも明確に高い)高沸点の無極性の溶媒である。吸収は、流れd2を吸収剤に通ことによって、単純に行うことができる。しかしながら、吸収は、カラム中又はロータリー吸収装置中で行うこともできる。吸収は、並流、向流又はクロス流で行うこともできる。適切な吸収カラムは、例えば、バブルキャップ、遠心分離器及び/又は篩トレイを有するトレイカラム、Mellapak(登録商標)250Y等の比表面積が100〜1000m2/m3の構造パッキングを有するカラム、及びランダムパッキングを有するカラムである。しかしながら、有用な吸収装置は、滴下及びスプレー塔、グラファイトブロック吸収剤、厚フィルム及び薄フィルム吸収剤等の表面吸収剤、及びロータリーカラム、パンスクラバー、クロススプレースクラバー、ロータリースクラバー(回転洗浄器)、及び内部構造を有している、又は有していないバブルカラムも含む。
適切な吸収剤は、比較的無極性の有機溶媒、例えば脂肪族C4−C18−アルケン、ナフサ又は芳香族炭化水素、例えばパラフィン蒸留からの中油留分、又はバルキーな基(bulky group)を有するエーテル、又はこれら溶媒の混合物で、各溶媒にはジメチル1,2−フタレート等の極性溶媒を加えても良い。更なる適切な吸収剤は、直鎖状C1−C8−アルカノールを有する安息香酸とフタル酸のエステル、例えばn−ブチルベンゾエートエステル、メチルベンゾエートエステル、エチルベンゾエートエステル、ジメチルベンゾエートエステル、ジエチルフタレートエステル、及び熱媒体オイル、例えばビフェニル及びジフェニルエーテル、これらの塩素誘導体、及びトリアリールアルカンである。適切な吸収剤は、ビフェニル及びジフェニルエーテル、好ましくは共沸性の組成のもの、例えば市販されているDiphyl(登録商標)である。この溶媒混合物は、ジメチルフタレートを0.1〜25質量%の量で含む。適切な吸収剤は、また、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、及びオクタデカン又は精製流から得られ、そして上述した直鎖状アルカンを主成分として含む留分である。
プロパンを脱着させるために、付加された吸収剤を加熱し、及び/又は低圧にまで減圧する。この代わりに、脱着は、(典型例では、水蒸気又は酸素含有ガスでの)ストリッピング、又は減圧、加熱及びストリッピングを組み合わせによって、1段階以上の工程(段階)で行うこともできる。例えば、脱着は2工程で行うこともでき、この場合、第2の脱着工程を第1の脱着工程よりも低圧で行い、そして第1の脱着ガスを吸収工程に再循環させる。脱着工程で再生された吸収剤は、吸収工程にリサイクルされる。
ある変形例では、減圧及び/又は付加された吸収剤の加熱によって脱着工程を行う。更なる工程の変形例では、付加的に水蒸気でストリッピングを行う。更なる工程の変形例では、酸素含有ガスを使用してストリッピングを行なう。使用するストリッピングガスの量は、オートサーマル脱水素化の酸素需要に対応するものであって良い。
この代わりとして、残留ガス成分からプロパンを除去し、主としてプロパンを含んだ再循環流f1を得るために、固定床吸着剤を使用した吸着/脱着を行っても良い。
この代わりに、工程F)で、二酸化炭素をガス洗浄によって除去し、ガス流d2から、又はその副流から二酸化炭素を除去した再循環流f1を得ることができる。二酸化炭素ガス洗浄について、一酸化炭素を選択的に二酸化炭素に酸化する別個の燃焼工程が先行しても良い。
CO2除去のために、使用する洗浄液は、通常、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、又はアルカノールアミン溶液であり;好ましくは、活性化したN−メチルジエタノールアミン溶液である。通常、ガス洗浄を行う前に、生成ガス流cを1段階又は複数段階圧縮で、5〜25バールの範囲の圧力に圧縮する。CO2濃度が、通常<100ppm、好ましくは<10ppmという、二酸化炭素が除去された再循環流f1を得ても良い。
ハロゲンは、適切であれば、膜分離又は圧力変動吸収によって、ガス流d2から除去しても良い。
排気ガス中に含まれている水素を分離するために、排気ガスを、(適切であれば、例えば間接的な熱交換器中で冷却した後に、)通常では管状に形成された膜(膜は分子状水素だけを透過させる)に通すことができる。このように除去した分子状水素は、必要であれば、少なくとも部分的に脱水素化で使用して良く、又は他に、他の利用(utilization)、例えば燃料電池の電気的エネルギーの再生に送っても良い。この代わりに、排気ガス流f2を焼却しても良い。
工程F)での吸収の代わりに又は追加的に、吸着処理を行っても良い。
以下に実施例を使用して本発明を詳細に説明する。
実施例
図1に示した、本発明に従う方法の変形例を計算によってシミュレートした。このシミュレーションでは、脱水素化工程におけるプロパンの変換が35%、プロペンの選択性が95.4%、及び追加的に分解生成物の形成が2.3%、及び燃焼生成物の形成が2.3%と推定(想定)された。8000h/aのランニングタイムで、プロパンが350kt/aという設備の能力が推定された。
脱プロパン装置中で、事前に低沸点物(C4 +炭化水素)が除去された、プロパンを含有している供給流(1)(この実施例では、供給流(1)は、なお0.01質量%のC4 +炭化水素を含んでいる)を、再循環流(15)と結合させ、加熱器内で450℃に予熱し、そして約8バールで、流れ(2)としてオートサーマルPDH(20)に供給した。オートサーマル性(autothermicity)を確保するために、流れ(4)と純粋酸素(3)をそこに加えた。生成ガス(5)を冷却し、そして中間冷却(30)を備えた多工程(多段階)圧縮に供給した。これは、2.5バールの圧力から開始して、ターボ圧縮機を備えた2工程により10バールになった。空気凝縮器と熱交換器を使用した55℃での中間冷却で、凝縮物を得た。この凝縮物は、主として水(7)で成っており、そして凝縮物は、この工程(プロセス)から排出した。PDH生成ガス(5)のアセチレン含有量に依存して、圧縮(30)の前に、これを選択的な脱水素化に供給し、これにより、ガス中の脱水素化水素及び所望により外部からの水素を使用してアセチレンをオレフィンに水素化した。プロペンを吸着除去する前に、圧縮ガス(6)を、CO2洗浄(40)に供給した。例えば、活性化MDEA洗浄を使用して、流れ(8)中のCO2の除去(depletion)を、ここで30質量ppmにまで行った。この除去で発生したCO2(9)を、この工程から排除した。
CO2が除去された流れ(8)を、更なる冷却と凝縮物の除去の後に、工程(50)で、4A分子篩による吸着を使用して実質的に完全に乾燥させた(流れ(10)は、10ppmの水をなお含んでいた。)。流れ(10)は、CO2が大幅に除去されており、そして次に水を吸着工程(60)に供給し、吸着工程(60)で、プロパンをポリマーグレードプロパン(12)として除去した。プロパンが除去されたガス流(13)(吸着工程の収率90%)を分割した。主要部分(15)を直接的にPDH(20)に再循環させた;二次的な成分と水素を排出するために、少量のパージ流(14)を工程から除去した。流れ(14)は、焼却することができ、及び吸収又は吸着させることによってプロパンを回収することもできる。
流れの組成を、質量部分として以下の表に示す。
Figure 2009531368
Figure 2009531368
本発明の一実施の形態を説明した図である。
符号の説明
1 供給流
2 流れ
3 純粋酸素
4 流れ
5 PDH生成ガス
6 圧縮ガス
7 水(凝縮物)
8 流れ
9 CO2
10 流れ
12 プロパン
13 プロパンが除去されたガス流
14 パージ流
15 主要部分
20 オートサーマルPDH
30 中間冷却
40 CO2洗浄
50 工程
60 吸着工程

Claims (15)

  1. プロパンからプロペンを製造する方法であって、以下の工程:
    A)プロパンを含む供給ガス流aを供給する工程;
    B)プロパンを含む供給ガス流a、所望により水蒸気、及び所望により酸素を含むガス流を、脱水素化領域に供給し、そしてプロパンをプロペンに脱水素化して、プロパン、プロペン、メタン、エタン、エテン、水素、所望により一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気及び酸素を含むガス流bを得る工程、
    C)生成ガス流bを冷却し、所望により圧縮し、そして凝縮により水蒸気を除去し、これにより水蒸気が除去された生成ガス流cを得る工程;
    D)生成ガス流Cを、選択された吸着条件下に、プロペンを選択的に吸着する選択性吸着剤と接触させ、プロペン含有吸着剤、及びプロパン、メタン、エタン、エテン及び水素、所望により一酸化炭素及び二酸化炭素を含むプロペン除去ガス流d2を得る工程;
    E)減圧及び/又は吸着剤を加熱することにより、プロパン含有吸着剤から、プロペン含有ガス流e1を放出させる工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 工程B)での脱水素化を、酸化又は非酸化脱水素化として行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 工程B)での脱水素化を、断熱的又は等温的に行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 工程B)での脱水素化を、固定床反応器、移動床反応器、又は流動床反応器内で行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 酸素を少なくとも90体積%含む酸素含有ガス流を工程B)に供給することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 脱水素化を、オートサーマル脱水素化として行うことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. プロペンを選択的に吸着する選択性吸着剤が、多孔性金属−有機骨格材料(MOF)、分子篩、活性炭、シリカゲル及び多孔性共有結合有機骨格材料(COF)を含む吸着剤から選ばれることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. 多孔性金属−有機骨格材料が、Mg、Al、In、Cu、Zn、Fe、Zr及びYから成る金属の群から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 分子篩が、4A、5A及び13X分子篩から選ばれることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 工程D)で得られるプロパン含有排気ガス流を、脱水素化領域に少なくとも部分的に再循環させることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
  11. 工程D)を行う前に、ガス洗浄又は固体吸収剤への吸収により、生成ガス流cから二酸化炭素を除去することを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
  12. 工程D)で得られたプロパン含有ガス流d2の少なくとも一部を、別の工程F)で
    高沸点吸収剤と接触させ、次に吸収剤に溶解したガスを脱着させて、主としてプロパンからなる再循環流f1、及びメタン、エタン、エテン、及び水素、所望により一酸化炭素及び二酸化炭素を含むf2を得、そして主としてプロパンからなる再循環流f1を、脱水素化領域に再循環させることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
  13. 工程F)で、水蒸気を使用したストリッピングにより、吸収剤に溶解したガスを脱着させることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 工程Fでの吸収の代わりに、又はこれに加えて、吸着処理を行うことを特徴とする請求項12又は13の何れかに記載の方法。
  15. 別の工程F)で、少なくとも工程D)で得られたプロパン含有ガス流d2の副流から、ガス洗浄により二酸化炭素を除去し、これにより二酸化炭素含有量の低い流れf1を得、流れf1を脱水素化領域に再循環させることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
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