JP2009528080A - 硬化性骨セメント - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な硬化性骨セメントの提供。
【解決手段】硬化性高分子結合剤及び充填材を含んでなる硬化性骨セメントであって、当該セメントが、硬化剤への暴露の際に、顕著な発熱を伴わずに硬化可能であり、前記結合剤が、反応によりセメントを硬化させることができるフェノール基を含んでなる、前記硬化性骨セメント。
【選択図】図5

Description

本発明は骨セメント用途に使用される硬化性組成物に関する。
顎顔面手術及び骨軟骨手術などの多くの臨床手技において、骨セメントを使用して骨欠損及び欠乏を補填することが必要となる。さもなければ、骨欠損及び欠乏は適切に治癒せず、通常の機能への回復が困難となるからである。このため、様々な合成代替骨が開発され、その幾つかは注射可能な形態であり、それにより侵襲的な手術を最小限にすることが可能となった。注射可能な代替骨の主な使用目的としては、脊椎癒合、骨及び関節の欠陥の治療、骨孔破壊の治療、再生手術及び椎体形成などが挙げられる。但し注射可能な代替骨が有する共通の欠点として、それらが硬化の方法の間、熱を発生させるということが挙げられる。すなわちこの発熱により、周囲組織が損傷を受けるおそれがある。
ゆえに、硬化するときに発熱しない、硬化性代替骨に対するニーズが存在する。
本発明の目的は、上記の欠点のうちの少なくとも1つを克服又は実質的に改善することである。
本発明は、硬化性結合剤及び充填材を含んでなる硬化性骨セメントであって、当該セメント(及び/又は当該結合剤)が顕著な発熱をせずに硬化できる、硬化性骨セメントを開示するものである。当該セメントは、硬化剤への暴露(例えば硬化剤との組み合わせ、混合又は硬化剤の添加)により硬化しうるものであってもよい。当該硬化剤は試薬であってもよく、又は触媒であってもよい。当該結合剤及び当該充填材は、生物学的適合性を有するものであってもよい。当該硬化剤は、生物学的適合性を有するものであってもよい。
当該結合剤は、顕著な発熱をせずに架橋されうるものであってもよい。それはポリマー性若しくはオリゴマー性の結合剤であってもよい。それは酸化剤(例えば中等度活性の酸化剤)によって架橋されうるものであってもよい。それは、−C6R’4OR基(すなわちフェノール基)を含んでなってもよく、式中、R及び各R’は各々独立に水素、アルキル基、アリール基又はアシル基であり、またR’はOHであってもよい。各R’は同じでもよく、又は各R’は異なってもよく、但し、少なくとも1つのR’(例えばOR基に対してオルト位のR’)は水素である。R及びR’は、1つの−C6R’4OR基が酸化的にもう1つの−C6R’4OR基とカップリングさせることができるものであってもよい。当該−C6R’4OR基は、例えば−C64OH基であってもよい。当該結合剤は、ポリマー性物質とフェノール性物質との、混合物、複合体、反応生成物又はコンジュゲートを含んでなってもよい。当該フェノール性物質は、ポリフェノールであってもよい。好適なフェノール性物質として、チラミン、カテキン、エピカテキン、没食子酸及びエピガロカテキンガレート(EGCG)、並びにそれらの2つ以上のあらゆる混合物が挙げられる。当該ポリマー性物質は、生物高分子又はその誘導体であってもよい。それは例えばヒアルロン酸、ポリアミン又はポリペプチド(例えばゼラチン及び/又はコラーゲン)であってもよい。当該充填材は、アパタイト充填材(例えばヒドロキシアパタイト、炭酸アパタイト、フルオロアパタイト、又はあらゆる形態の修飾アパタイト若しくは数種類のアパタイトを任意の割合で含んでなる組合せ)であってもよく、又は幾つかの他の鉱物質充填剤(例えばシリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、リン酸カルシウム、タルク、炭酸カルシウム、雲母)であってもよい。
本発明の第1の態様では、硬化性の高分子結合剤及び充填材を含んでなる硬化性骨セメントであって、当該セメントが、硬化剤への暴露の際、顕著な発熱を生じさせずに硬化でき、当該結合剤が、反応してセメントを硬化させることができるフェノール基を含んでなる、当該硬化性骨セメントの提供に関する。当該フェノール基は、酸化的にカップリングして高分子結合剤を硬化させることができるものであってもよい。当該フェノール基は−C6R’4OR基であってもよく、式中、R及び各R’は各々独立に水素、アルキル基、アリール基又はアシル基であり、R’はOHであってもよく、各R’は同じであってもよく、又は各R’は異なってもよく、但し、少なくとも1つのR’(例えばOR基に対してオルト位のR’)は水素であり、R及びR’は、1つの−C6R’4OR基が酸化的にもう1つの−C6R’4OR基とカップリングできるものである。
少なくとも幾つかの−C6R’4OR基は、−C64OH基であってもよい。当該結合剤は、例えばヒアルロン酸−チラミン(HA−Tyr)コンジュゲート、ゼラチン−Tyrコンジュゲート又はヒアルロン酸−エピガロカテキンガレート(HA−EGCG)コンジュゲートを含んでなってもよい。当該充填材は、鉱物質充填剤(例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、タルク、アパタイト、又はこれらの任意の2つ以上の混合物)を含んでなってもよい。それらの代わりに薬剤、タンパク質及び/又は成長因子を放出できる粒子を当該充填材に用いてもよく、あるいは、それらの粒子を更に添加してもよい。当該粒子は、徐放性の粒子であってもよい。かかる粒子は、骨組織、又は骨を囲む組織の治癒を促進するのに有用であるのが好ましい。好適なアパタイト充填材の例としては、ヒドロキシアパタイト、炭酸アパタイト、フルオロアパタイト若しくは修飾アパタイト、又はあらゆる形態の修飾アパタイト若しくは数種類のアパタイトを任意の割合で含んでなる組合せが挙げられる。適切なアパタイト充填材の例は、ヒドロキシアパタイト(HAP)及び炭酸アパタイト(CAP)の混合物である。当該硬化剤は、骨セメントが使用温度(例えば骨セメントが注入される体温)で、許容できる時間内に硬化できるものを選択することが好ましい。当該骨セメントは、当該セメントを硬化させる患者の体温で、硬化剤への暴露後約10秒〜約30分、又は約20秒〜1分で硬化できるものであるのが好ましい。当該硬化剤は酸化剤を含んでなってもよい。当該硬化剤は、フェノール基の酸化的カップリングのためのの薬剤であってもよい。当該硬化剤は、セメントの硬化が顕著な発熱なしで実施されるように、中等度の活性を有する酸化剤であるのが好ましい。当該硬化剤は酵素(例えばペルオキシダーゼ)を含んでなってもよい。それは過酸化物を含んでなってもよい。それは過酸化物及び酵素(例えばペルオキシダーゼ、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP))の組合せを含んでなってもよい。例えば、当該硬化剤は、過酸化水素及び西洋ワサビペルオキシダーゼを含んでなってもよい。他の適切な硬化剤としては、グルタチオンペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、チロシナーゼ又はラッカーゼが挙げられ、それらは過酸化物と組み合わせてもよく、又は組み合わせなくともよい。
当該骨セメントは更に、1つ以上の更なる成分(例えばコラーゲン、ケイ酸塩、タンパク質(例えば成長因子)及び血小板)を含んでなってもよい。
当該骨セメントは注射可能であってもよい。それはペースト状であってもよく、又はスラリー若しくは他の幾つかの粘着性の調製物であってもよい。それは粘度減少(偽可塑性の)レオロジーを示してもよい。それは可塑性のレオロジーを示してもよく、すなわち、それは有限の降伏応力を示しても良い。当該骨セメントは、硬化剤と混合した後に注射可能であるのが好ましい。それはペースト状であってもよく、又はスラリー若しくは他の幾つかの粘着性の調製物であってもよい。
一実施形態では、当該硬化性骨セメントは、
−ヒアルロン酸と、チラミン、カテキン、エピカテキン、没食子酸及びエピガロカテキンガレート、並びにそれらの2つ以上の化合物を含有する混合物からなる群から選択されるコンジュゲートと、
−アパタイト充填材を含んでなり、当該セメントは、過酸化物及びペルオキシダーゼ酵素への暴露により、顕著な発熱を生じさせずに硬化しうることを特徴とする。
他の実施形態では、当該硬化性骨セメントは、ヒアルロン酸−チラミン(HA−Tyr)コンジュゲート及びアパタイト充填材を含んでなり、それにより、当該セメントは過酸化水素及び西洋ワサビペルオキシダーゼへの暴露の後、顕著な発熱を生じさせずに硬化しうる。
他の実施形態では、当該硬化性骨セメントは、
−ポリアミン、又はゼラチン及び/若しくはコラーゲンなどのポリペプチドと、チラミン、カテキン、エピカテキン、没食子酸及びエピガロカテキンガレート、並びにそれらの2つ以上を含有する混合物からなる群から選択される化合物とのコンジュゲートと、
−アパタイト充填材を含んでなり、
それにより、当該セメントは、過酸化水素及び西洋ワサビペルオキシダーゼへの暴露の後、顕著な発熱を生じさせずに硬化しうる。
当該硬化性骨セメントは、ゼラチン−Tyr、HA−Tyr及び/又はアパタイト充填材の混合物を含んでなってもよい。
本発明はまた、骨の修復用の骨セメントの製造への、硬化性結合剤及び充填材の使用の提供に関し、当該結合剤は、少なくとも1つの水素原子が芳香環に結合したフェノール基を含んでなる。
本発明はまた、第1の態様に係る硬化性骨セメントと硬化剤とを含んでなるキットの提供に関し、前記硬化剤の存在により、顕著な発熱を生じさせることなく、硬化性骨セメントを硬化させることが可能となる。キットに含まれる、硬化剤に対する骨セメントの比率は、当該骨セメントが患者の体温において約10秒〜約30分間で硬化できるだけの比率であるのが好ましい。本発明は更に、硬化剤と組み合わせた硬化性骨セメントを含んでなる、触媒作用を及ぼされた骨セメントの提供に関する。
本発明の第二の態様は、硬化性骨セメントの製造方法の提供に関し、当該方法は、硬化性結合剤を含む溶液を、充填材、及び任意に1つ以上の更なる成分(例えばコラーゲン、ケイ酸塩、タンパク質(例えば成長因子)及び血小板)と混合することを含んでなり、前記結合剤は、当該セメントを硬化させるためのフェノール基を含んでなる。当該硬化性結合剤及び当該充填材は、上記の通りに反応するものであってもよい。すなわち、例えば当該充填材はアパタイト又は2種類以上のアパタイトの混合物を含んでなってもよい。上記の混合するステップでは、硬化性結合剤の溶液を調製するステップを含んでなってもよい。それは硬化性結合剤の溶液と充填材とを混合するステップを含んでなってもよい。
当該方法は、硬化性結合剤を調製するためのステップを含んでなってもよい。これは、フェノール性物質をポリマー性物質とカップリングさせる操作を含んでなってもよい。当該ポリマー性物質は、生物高分子(例えばヒアルロン酸又はその誘導体)であってもよい。それは、ポリアミン又はポリペプチド(例えばゼラチン又はコラーゲン)であってもよい。当該フェノール性物質は、1つ以上の−C6R’4OR基を含んでなってもよい。それは、アミン官能基を含んでもよく、又は含まなくてもよい。
一実施形態では、当該方法は、硬化性結合剤(例えばヒアルロン酸−チラミン(HA−Tyr)コンジュゲート)を含有する溶液を、アパタイト充填材、及び任意に1つ以上の更なる成分(例えばコラーゲン、ケイ酸塩、タンパク質(例えば成長因子)及び血小板)と混合することを含んでなる。
他の実施態様に係る方法は、
−フェノール性物質とポリマー性物質をカップリングさせて硬化性結合剤を形成させるステップと、
−当該硬化性結合剤の溶液を充填材、及び任意にコラーゲン、ケイ酸塩、タンパク質(例えば成長因子)及び血小板などの1つ以上の更なる成分と混合するステップを含んでなり、前記結合剤は、反応によりセメントを硬化させるフェノール基を含んでなる。
本発明はまた、当該第2の態様に係るプロセスにより得られる硬化性骨セメントの提供に関する。
本発明はまた、触媒作用を及ぼされた骨セメントの製造方法の提供に関し、当該方法は、第1の態様に係る硬化性骨セメントを準備するステップと、前記硬化性骨セメントを硬化剤に暴露する(例えば組み合わせる、混合する又は添加する)ステップを含んでなり、それにより、前記硬化剤は、顕著な発熱を生じさせることなく、硬化性骨セメントを硬化させることが可能となる。硬化性骨セメントを準備する当該ステップは、例えば本発明の第二態様に係る方法で、前記硬化性骨セメントを調製するステップを含んでなってもよい。
本発明の第3の態様は、骨セメントを硬化させる方法の提供に関し、当該方法では、前記骨セメントが硬化性結合剤及び充填材を含んでなり、前記結合剤が、反応によりセメントを硬化させるフェノール基を含んでなり、また前記方法は、
−当該硬化性骨を硬化剤に暴露して、触媒作用を及ぼされた骨セメントを形成させるステップと、
−当該触媒作用を及ぼされた骨セメントを、顕著な発熱を生じさせずに硬化させるステップを含んでなる。
当該硬化性結合剤、当該充填材及び当該硬化剤は、上記の通りであってもよい。すなわち、例えば当該充填材はアパタイト又は2つ以上のアパタイトの混合物を含んでなってもよく、当該硬化剤は過酸化物及びペルオキシダーゼ酵素を含んでなってもよい。当該方法は、患者に当該骨セメントを注射するステップを含んでなってもよく、あるいは、当該骨セメントを患者の骨の内部、及び/又は骨の表面に適用するステップを含んでなってもよい。このステップは、触媒作用を及ぼされた骨セメントを硬化させるステップの前に実施してもよい。当該硬化性骨セメント及び当該硬化剤は、患者に対して毒性を及ぼさない程度の量で用いるのが好ましい。
本発明はまた、本発明の第3の態様に係る方法で調製された、硬化した骨セメントの提供に関する。
本発明の第4の態様は、患者の骨を修復する方法の提供に関し、当該方法は、
−硬化性結合剤及び充填材を含有する硬化性骨セメントを、硬化剤と混合して、触媒作用を及ぼされた骨セメントを形成させるステップであって、前記結合剤が、反応によりセメントを硬化させることができるフェノール基を含んでなるステップと、
−前記触媒作用を及ぼされた骨セメントを、前記の骨の表面、及び/又は骨の内部に注入するステップと、
−顕著な発熱を生じさせずに、当該骨の表面、及び/又は骨の内部において、当該触媒作用を及ぼされた骨セメントを硬化させるステップを含んでなる。
当該硬化性結合剤、当該充填材及び当該硬化剤は、上記の通りであってもよい。すなわち、例えば当該充填材はアパタイト又は2つ以上のアパタイトの混合物を含んでなってもよく、当該硬化剤は過酸化物及びペルオキシダーゼ酵素を含んでなってもよい。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい形態を例示する。
本発明は、硬化性結合剤及び充填材を含んでなる硬化性骨セメントの提供に関し、当該セメント(及び/又は結合剤)は、実質的に発熱を生じさせることなく硬化しうる。当該セメントは、硬化剤への暴露により硬化しうるものであってもよい。硬化性結合剤及び硬化剤のいずれか又は全ての成分は、薬学的、臨床的及び/又は獣医学的に許容できるものであるのが好ましい。それらは、それらを適用する患者に毒性を示さないものであるのが好ましい。それらは、生物学的適合性を有するものであるのが好ましい。
当該硬化性結合剤は、ポリマー性物質又は高分子物質を含んでなってもよく、またポリマー性物質と結合する架橋部分を有してもよく、又はポリマー性物質と混合される架橋剤を含んでなってもよい。当該ポリマー性物質は生物学的適合性であるのが好ましい。それは毒性を示さないものであるのが好ましい。それは例えば、グリコサミノグリカン、多糖類、ポリカルボン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、プロテオグリカン、ポリウロン酸(ポリペクチン酸、ポリガラクツロン酸、ポリグルクロン酸、ペクチン、コロミン酸、アルギン酸又は他の幾つかのポリマー性物質であってもよく、またそれらは任意に置換されてもよい。適切なポリマー性物質はヒアルロナン又はヒアルロン酸であり、それらは任意に置換されてもよい。当該置換基は架橋部分であってもよい。当該架橋部分は、反応により当該セメントを硬化させる−C6R’4OR(すなわちフェノール)基を含んでなってもよい。−C6R’4OR基の式中、R及び各R’は各々独立に水素、アルキル基、アリール基又はアシル基であってもよく、R’はOHであってもよく、各R’は同じでもよく、又は各R’は異なってもよく、但し、少なくとも1つのR’(例えばOR基に対してオルト位のR’)は水素であり、R及びR’は、1つの−C6R’4OR基が酸化的にもう1つの−C6R’4OR基とカップリングできるものである。他の−C6R’4OR基は、他のポリマー性分子と結合することができ、酸化的なカップリングにより、当該ポリマー性物質との架橋が形成される。当該アルキル基は、C1−C12又はそれ以上の炭素数の直鎖アルキル基であってもよい。それは、C3−C12又はそれ以上の炭素数の分岐状若しくは環状のアルキル基であってもよく、又はアルキル基とシクロアルキル基の混合した基(例えばシクロヘキシルメチル基)を有してもよい。好適なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピルなどが挙げられる。他の置換基として、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール基などが使用可能であることが理解されよう。R及びR’基の性質は、−C6R’4OR基の酸化的カップリングを阻害するものであってはならない。すなわち、例えば極端に大きな置換基(特に環状のR’基)の場合には、立体障害により、当該基のカップリングが阻害又は妨害されうる。特定のR’基では、電気的な要因により、カップリングを阻害又は妨害する場合もある。少なくとも幾つかの−C6R’4OR基は、−C64OH基(例えばp−C64OH、又は−C62(OH)3(例えば3、4、5−トリヒドロキシフェニル基))であってもよい。少なくとも幾つかのフェノール基は、縮合した環状フェノール基(例えば少なくとも1つのフェノール由来のOH基を有するクロマン構造)であってもよい。
当該結合剤は、−C6R’4OR基を、ポリマー性物質(ポリマー又はオリゴマ)、及び任意に生物学的適合性若しくは非毒性のポリマー又はオリゴマーとカップリングさせることにより得られる。当該ポリマー性物質は、生物高分子であってもよい。それは、多糖類、ポリアミン又はポリペプチド(例えばヒアルロン酸、ゼラチン又はコラーゲン)であってもよい。当該カップリングは、ポリマー性物質を、−C6R’4OR基を有するアミノ官能性フェノール性物質とカップリングさせるステップを含んでなってもよい。すなわち、アミン基はポリマー性物質中の官能基(例えばカルボン酸塩、ハロアルキルその他)とカップリングできるものであってもよい。適切なアミノ官能性基は、式H2N−L−C6R’4ORの構造を有してもよく、式中、R及びR’は上記の通りであり、Lはリンカー基である。Lはアルキレン、アリーレン又は他の幾つかの適切なリンカー(例えばメチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH2CH2−)など)であってもよく、それらは直鎖状、分岐状又は環状であってもよい。適切なアミノ官能性の分子としては、チラミン(Tyr)が挙げられる。
当該カップリングは、上記の代わりに、又は上記に加えて、ポリマー性物質を非アミノ官能性フェノール性物質(例えばポリフェノール)と反応させることを含んでなってもよい。好適な当該ポリフェノールとしては、カテキン、エピカテキン、没食子酸及びエピガロカテキンガレート(EGCG)などが挙げられる。この場合、ポリマー又はオリゴマーをアセタール化合物(例えばジアルキルアセタール化合物)とコンジュゲートさせることにより、アセタール官能性のポリマー又はオリゴマーを形成し、更に当該アセタール官能性ポリマー又はオリゴマーをフェノール性物質とカップリングさせることにより、当該フェノール性物質とポリマー又オリゴマーとをコンジュゲートさせてもよい。例えば、ポリマーがHAでありフェノール性物質がEGCGである場合、EGCGをHA−アセタール(例えばHA−ジアルキルアセタール)コンジュゲートとカップリングさせてもよい。この反応は、当該アセタール官能性ポリマー又はオリゴマー中のアセタール接合基を酸で変換させ、アルデヒド官能基を生成させることによりなされる。HA−ジアルキルアセタールは、HAとアミノ官能性アセタール(例えばジアルキルアセタール)(例えばアミノアセトアルデヒド ジエチルアセタール)との反応により形成させることができる。この反応は、任意に縮合剤(例えばN−ヒドロキシスクシニミド及び/又はカルボジイミド)の存在下で、酸性条件、通常は中等度に酸性の条件(例えば約4〜約6のpH)下で、水溶液注で実施させることができる。当該反応は、試薬、濃度及び温度に応じて、室温条件又は高い温度条件で、約1〜約24時間実施させてもよい。得られるHA−アセタールコンジュゲートは、任意の周知の方法(例えば透析)により精製することができる。更に当該HA−アセタールコンジュゲートを、酸を使用して加水分解させてもよい。それは、例えば水に溶解させ、得られる溶液を約2以下のpH(例えば約1)に調整することによって、加水分解させることができる。これは、強酸(例えばミネラル性の酸(例えば塩酸、硫酸又は他の幾つかの適切な酸))を使用することにより実施できる。得られる上記の溶液への、フェノール性物質(例えばEGCG)の、任意に溶液(簡便には水と混和できる有機溶剤(例えばDMSO、DMFなど))の状態での添加により、所望のHA−フェノール性物質コンジュゲートが得られる。後者の反応は室温で行ってもよく、あるいは適当に高い温度で実施してもよいが、但し試薬又は生成物の生じさせない温度であることが好ましい。当該反応は、不活性雰囲気下(例えば窒素、アルゴン、二酸化炭素下)で実施させてもよい。それは、試薬、濃度及び温度に応じて、約1〜48時間実施させてもよい。
当該結合剤の構造は、基本骨格−リンカー−フェノール基であってもよく、当該基本骨格はポリマー性物質に由来し、当該フェノール基はフェノール性物質に由来する。当該結合剤は、リンカーをポリマー性物質にカップリングさせて基本骨格−リンカーの組合せを形成させ、更にフェノール基を当該基本骨格−リンカーの組合せにカップリングさせて調製してもよく、あるいは、フェノール基をリンカーにカップリングさせてリンカー−フェノール基の組合せを形成させ(又は、リンカー−フェノール基の組合は幾つかの他の給源、例えば市販されているチラミンであってもよい)、更に当該リンカー−フェノール基の組合せをポリマー性物質とカップリングさせて調製してもよい。例えば上記のケースの場合、アミノ官能性アセタール(又は対応するアミノ官能性アルデヒド)をEGCGとカップリングさせ、アミノ官能性EGCG誘導体を形成させ、更にそのアミノ官能性EGCG誘導体をHAとカップリングさせ、HA−EGCGコンジュゲートを形成させてもよい。アミノ官能性EGCG誘導体をHAとカップリングさせるための反応条件は、上記の通りの、アミノ官能性アセタールをHAにカップリングさせるために使用する条件と同様であってもよい。アミノ官能性アセタール又はアルデヒドをEGCGにカップリングさせるための反応条件は、上記の通りの、EGCGにHA−ジアルキルアセタールをカップリングさせるために使用する条件と同様であってもよい。本発明のセメントを硬化させることにより、基本骨格−リンカー−フェノール基の構造が、基本骨格−リンカー架橋されたフェノール基の構造に変換することができる。上記の基本骨格−リンカー−架橋されたフェノール基の部分構造を図5に示すが、本発明に係る硬化した結合剤は図5に示すヒドロゲル構造内に分配される充填材粒子を含んでなる。
当該結合剤は例えば、任意にリンカー基(上記のL)を介して、フェノール基を有する多糖類と結合していてもよく、それにより、当該フェノール基は、酸化的カップリングによって多糖類と架橋できる。当該結合剤は、ヒアルロン酸−チラミン(HA−Tyr)コンジュゲートを含んでなってもよい。あるいは、他の適切なコンジュゲートを用いてもよく、例えばチラミン、カテキン、エピカテキン、没食子酸又はエピガロカテキンガレート(EGCG)とのコンジュゲート、又はそれらの任意の2つ以上の混合物を用いてもよい。これらは、ヒアルロン酸とのコンジュゲートであってもよく、又は幾つかの他のポリマー又はオリゴマーとのコンジュゲートであってもよい。
あるいは、別の架橋剤を当該ポリマー性物質と混合させてもよく、それにより、当該架橋剤が触媒と接触したときに、顕著な発熱を生じさせることなく、ポリマーを架橋することが可能となる場合もある。当該架橋は、架橋剤のフェノール基上の炭素原子(例えば前記の架橋前に水素原子を有している炭素原子)によって、及び/又は、架橋剤のフェノール基に結合している酸素原子によって行われてもよい。架橋により形成されうる代表的な架橋構造を、図5に示す。
当該充填材は、無機充填剤(例えばミネラル質充填剤)を含んでなってもよい。それは補強用充填剤であってもよい。それは非毒性であるのが好ましく、生物学的適合性を有してもよい。それは骨セメントで治療される患者に対して刺激を伴わないものが好ましい。それは、例えばシリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、タルク、雲母、アパタイト、又はこれらの2つ以上の任意の混合物でもあってもよい。他の適切な充填材も当業者に周知である。好適なアパタイト充填材の例としては、ヒドロキシアパタイト、炭酸アパタイト及びそれらの混合物が挙げられる。当該充填材は、硬化性結合剤と反応性を有してもよく、又はそれと反応性を有さなくてもよい。当該充填材は約1〜約500ミクロンの平均粒子径を有してもよいが、但し当該セメント(当該充填材粒子有する)がシリンジ針から射出できる必要がある。当該シリンジ針は、約18〜30のゲージであってもよい。当該充填材の平均粒子サイズは、約1〜200ミクロン、約1〜100ミクロン、1〜50ミクロン、1〜20ミクロン、1〜10ミクロン、1〜5ミクロン、10〜200ミクロン、50〜200ミクロン、100〜200ミクロン、10〜100ミクロン、10〜50ミクロン、200〜500ミクロン、300〜500ミクロン、200〜300ミクロン、100〜300ミクロン、50〜300ミクロン又は50〜100ミクロンであってもよく、例えば約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、350、400、450又は500ミクロンであってもよい。当該充填材は、狭い若しくは広い粒子径分布を有するものであってもよい。当該充填材は、シリンジ針の内径より小さい(任意に、シリンジ針の内径より50%小さい)最大粒子径を有するのが好ましい。
セメント(すなわち硬化性結合剤)の硬化反応は、顕著な発熱を伴わずに生じる。本願明細書では、当該用語は、当該セメントが患者の身体中で硬化するときに若干発熱した場合であっても、当該硬化性セメントの周囲の組織、又は当該セメントの成分(例えば添加してもよいタンパク質)に損傷を生じさせるには不十分であるという意味で用いる。当該セメントが患者の身体において硬化しているとき(すなわち患者の体温条件下で硬化しているとき)、硬化反応に伴う発熱は顕著に少なく、硬化する間、当該硬化性セメントの温度は約5℃以上増加せず、又は約4℃、3℃、2℃、1℃又は0.5℃以上増加しない。当該硬化反応は、注入先の患者の体温において生じる。この温度は患者の体質にも依存するが、通常は約35〜約45℃、約35〜40℃、40〜45℃、37〜43℃又は36〜39℃であってもよく、例えば約35、36、37、38、39、40、41、42、43、44又は45℃の温度であってもよい。上記の硬化温度において、当該硬化性セメント(硬化剤に暴露させて触媒作用を及ぼされた硬化性セメントを形成させたとき)は、約10秒〜約30分、又は10秒〜15分、10秒〜5分、10秒〜2分、10秒〜1分、10秒〜30秒、10秒〜20秒、30秒〜30分、1〜30分、5〜30分、10〜30分、15〜30分、20秒〜5分、20秒〜1分、1〜10分、1〜5分又は30秒〜2分で固体状となり、例えば約10、15、20、25、30、35、40、45、50又は55分、又は約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25又は30分で固体状となる。
当該骨セメントは、患者の骨の修復に使用できる。当該患者は、脊椎動物(例えば哺乳類、鳥、魚又は爬虫類)であってもよい。それはヒトであってもよく、又はヒト以外の哺乳類であってもよい。それは、例えばヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ゾウ、ラマ、ヤギ、ヒツジ又は他の任意の哺乳類であってもよい。
当該硬化性結合剤の、及び当該硬化性骨セメントの硬化は、硬化剤により促進されてもよい。当該硬化剤は酸化剤を含有してもよい。当該セメントの硬化が顕著な発熱なしに実施されるように、酸化剤は中等度の活性を有する酸化剤であってもよい。当該硬化剤は、フェノール基の酸化的カップリングを進行させる(例えば触媒作用を及ぼす)ための試薬であってもよい。当該硬化剤は酵素(例えばペルオキシダーゼ)を含んでなってもよい。それは過酸化物を含んでなってもよい。それは過酸化物と酵素(例えばペルオキシダーゼ、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP))の組合せを含んでなってもよい。例えば、当該硬化剤は過酸化水素と西洋ワサビペルオキシダーゼを含んでなってもよい。
当該骨セメントは更に、1つ以上の更なる成分(例えばコラーゲン、ケイ酸塩、タンパク質(例えば成長因子)及び血小板)を含んでなってもよい。当該更なる成分は、硬化した骨セメントを補強するのに有用であるか、又は硬化性骨セメントが注入される骨の表面、又はその周囲の組織の治癒を促進するのに有用であるか、又は周囲組織への損傷又は刺激を最小化にするのに有用であってもよく、あるいは他の幾つかの目的に貢献しうるものであってもよい。当該更なる成分は、治療薬を輸送する目的で、薬剤/タンパク質/成長因子を輸送するポリマー性の無機質コンポジット粒子中に存在させてもよい。それは、セメントが注入される部位の付近、又は隣接する部位に治療薬を輸送する目的で、制御放出可能な粒子を含んでなってもよい。
(硬化性若しくは触媒作用を及ぼされた)骨セメントは、注射可能であってもよい。それはペースト状であってもよく、又はスラリー状若しくは他の幾つかの粘着性の調製物であってもよい。それはシリンジ(例えば約18〜30ゲージ)を使用して注射を行うことが可能であるレオロジーを示すのが好ましく、比較的高い剪断力で比較的粘稠性が低い(可動性である)のが好ましい。それは、骨に注入した後で、注入部位から容易に流出しないだけのレオロジーを示すのが好ましく、すなわち低い剪断力で比較的粘稠性が高いのが好ましい。それは、降伏応力以下の剪断力では流動しない降伏応力を示すのが好ましい。
当該硬化性骨セメントは、硬化性結合剤を含む溶液を、充填材、及び任意に1つ以上の更なる成分(例えばコラーゲン、ケイ酸塩、タンパク質(例えば成長因子)及び血小板)と混合することにより調製してもよい。当該溶液は水溶液であってもよい。それは更なる成分(例えばバッファ物質)を含んでなってもよい。当該溶液は、溶媒中に硬化性結合剤を溶解させて調製してもよく、又は多糖類の溶液を試薬と混合することにより調製してもよく、当該試薬は架橋基を含んでなり、それにより多糖類が試薬と反応することにより硬化性結合剤が形成される。硬化性結合剤は、そこに結合する充分な数の架橋基を有する必要があるか、又は充分な架橋剤が共に混合されている必要があり、さもないと固体状セメントに硬化した際、当該硬化性セメントが許容できる強度及び/又は硬度を有することができなくなる。当該固体状セメントは、少なくとも約0.5MPa、又は少なくとも約1、2、5、10、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900又は1000MPaの湿潤時の圧縮剛性を有してもよい。当該湿潤時の圧縮剛性は、約0.5MPa〜1GPa、約1MPa〜1GPa、10MPa及び1GPa、100MPa〜1GPa、500MPa〜1GPa、0.5〜500MPa、0.5〜100MPa、0.5〜50MPa、0.5〜20MPa、0.5〜10MPa、0.5〜5MPa、0.5〜1MPa、1〜500MPa、10〜500MPa、100〜500MPa、10〜100MPa、又は10〜50MPaであってもよく、例えば約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800若しくは900MPa、又は約1GPaの湿潤時の圧縮剛性を有してもよい。当該固体状セメントの架橋密度は、ポリマー性物質の100モノマー単位あたり、約1〜約50の架橋、又は100モノマー単位につき約1〜25、1〜10、1〜5、5〜50、10〜50、25〜50、5〜25又は5〜10の架橋を有してもよく、例えば100モノマー単位当たり約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45又は50架橋であってもよい。すなわち、例えば当該硬化性結合剤がHA−Tyrコンジュゲートを含んでなる場合、コンジュゲート調製の際のHA対Tyrのモル比率(すなわちHA中の糖単位)は、およそ100:1〜100:50(HAの糖単位に基づく)であってもよい。硬化性結合剤は、溶液中に、約1及び約10%(w/v)、又は約1〜5、1〜2、2〜10、5〜10、1〜3、2〜4又は2〜3%(例えば約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は5%)で存在してもよい。当該溶液は、当該充填材と、約1:5〜約5:1、又は約1:5〜1:1、1:1〜5:1、1:4〜4:1、1:3〜3:1、1:2〜2:1若しくは1:1.5〜1.5:1であってもよく、例えば、約1:5、1:4.5、1:4、1:3.5、1:3、1:2.5、1:2、1:1.5、1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1若しくは5:1の重量比率で混合させてもよい。硬化性結合剤及び充填材を含有する溶液を、例えば混合、ブレンド、ホモジナイズ、ボルテックスあるいはその他の方法で組み合わせ、硬化性骨セメントを調製してもよい。セメント中に更なる成分を含有させる場合には、それらは充填材と混合した後で、若しくは前に添加してもよく、又は同時に添加してもよい。添加する順序は決定的ではなく、任意の適切な順序を使用してもよいことが容易に理解できる。当該更なる成分は無水物として添加してもよく、又は溶液(例えば水溶液)として添加してもよく、複数の更なる成分を用いる場合には、それらは一緒に添加してもよく、又は別個に添加してもよい。例えば、更なる成分を、硬化性結合剤と充填材の組み合わせに添加してもよく、又は、硬化性結合剤を充填材と更なる成分との組み合わせと(任意に溶液中で)混合してもよい。当該更なる成分に対する充填材の比率は、充填材及び更なる成分の性質に依存しうる。当該比率は、例えば約1:2〜約100:1(w/wベース)、又は1:2〜50:1、1:2〜20:1、1:2〜20:1、1:2〜10:1、1:2〜5:1、1:2〜2:1、1:2〜1:1、1:1〜100:1、10:1〜100:1、50:1〜100:1、1:1〜50:1、1:1〜20:1、1:1〜10:1、1:1〜5:1、5:1〜50:1、5:1〜20:1又は5:1〜10:1、であってもよく、例えば約1:2、1:1.5、1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、4,1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1又は100:1、又は他の任意の比率であってもよい。
触媒作用を及ぼされた骨セメントを形成させるために、当該硬化性骨セメントを硬化剤に暴露する。当該硬化剤は、例えば混合、撹拌、振とう、ブレンド、超音波処理により、又はその他の任意の方法で硬化性セメントと組み合わせてもよい。当該硬化剤は、骨セメントが所望の時間内に、使用温度において硬化するのに充分な量において添加するのが好ましい。硬化/構築のための温度及び時間は、本願明細書において記載されているとおりである。これらの数値は、硬化性セメント及び硬化剤の性質に依存する。一例としては、硬化性セメントがHA−Tyrコンジュゲートを含んでなり、硬化剤がHRP及び過酸化水素を含んでなる場合、HRPは約0.01〜約0.05U/mg(又は約0.01〜0.03、0.01〜0.02、0.02〜0.05、0.03〜0.05、0.02〜0.04若しくは0.02〜0.03U/mg、例えば約0.01、0.015、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045又は0.05U/mg)でHA−Tyrに添加してもよく、過酸化水素は約0.5〜5nmol/mg、約0.5〜2、0.5〜1、1〜5、2〜5、1〜3又は0.8〜1.2nmol/mg、例えば0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は5nmol/mgで添加してもよい。HRP及び過酸化水素は各々、溶液(例えば水溶液)中に添加してもよい。それらは一緒に添加してもよく、又は別個に添加してもよい。当該溶液のHRP濃度は、約10〜100U/ml(又は約10〜50、10〜20、20〜100、50〜100、20〜80、15〜30、20〜30又は22〜28U/ml)であってもよく、例えば約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100U/mlであってもよい。当該溶液の過酸化水素濃度は、約1〜10mM、又は約1〜5、1〜2、2〜10、5〜10、2〜8、3〜7又は4〜6mMであってもよく、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10mMであってもよい。
ゆえに当該硬化性骨セメントは、硬化剤と混合されることにより、触媒作用を及ぼされた骨セメントを形成することができる。当該セメントは更に、治療しようとする骨に適用(例えば骨内若しくは骨表面、又はその両方に注入)することができる。この操作は、当該硬化反応が、セメントがもはや注射可能でなくなる前に実施する必要がある。これは硬化時間に依存し、それは本願明細書で記載されているとおりである。一般的に、硬化反応は高い温度で促進されることが理解されよう。すなわち、当該触媒作用を及ぼされた骨セメントは、比較的低い温度(例えば約10〜25℃、10〜20℃、10〜15℃、15〜25℃、20〜25℃又は15〜20℃、例えば10、15、20、25℃又は常温)で、硬化速度が比較的遅い条件下で調製するのが好ましく、更に上記したように約35〜45℃の体温の患者に注射するのが好ましい(硬化速度はより急速となりうる)。
1つの態様では、本発明は、ヒアルロン酸−チラミン(HA−Tyr)コンジュゲート及びアパタイトを含んでなる注射可能な骨セメント材の提供に関する。この注射可能なペーストは、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)及び過酸化水素の存在下で、HAの架橋ネットワークの形成を経て、急速に固化しうる。当該システムでは、当該架橋反応が、穏やかな条件下における、HA−Tyrコンジュゲート中のチラミン部分の酵素的な酸化反応により開始されるため、骨セメントの形成の間、発熱が見られないか若しくは低く、更に組織の損傷が見られないか若しくは許容可能な程に低い。この新規な注射可能なHA−アパタイトベースの骨セメントは、主にHA、コラーゲン及びアパタイト(いずれも骨及び間接領域に固有に存在する)を含有するため、骨軟骨欠陥の治療に特に好適である。
HAは、直鎖状の、分岐状のポリアニオン性二糖類単位を含んでなるグリコサミノグリカンである。当該二糖類単位は、β−1,3及びβ−1,4グリコシル結合で交替に連結されたグルクロン酸 N−アセチルグルコサミン単位を含んでなる。ここで、チラミンとは4−(2−アミノエチル)フェノールである。
本発明の硬化性骨セメントは、更にコラーゲン、ケイ酸塩及び/又はタンパク質(例えば成長因子及び血小板)を含んでなってもよい。HRP及び過酸化水素を含有する溶液と混合したとき、当該セメントは注射可能なペースト(すなわち触媒作用を及ぼされた骨セメント)として形成される。それはHA−Tyrコンジュゲートの架橋によって、短時間で固体の物質に固化する。従来の注射可能な骨セメントと比較し、本発明の骨セメントの主な効果は、当該固化のプロセスが発熱を伴うものではなく、それにより周囲組織に損傷を与えないということである。また、放出された熱により、セメント中の成分(例えば添加された成長因子)に損傷が与えられるおそれがあるため、好ましい。
本発明のセメントの利用により、多くの利点が提供される。例えば、
(i)は外科的なインプラント操作が不要になる、
(ii)組織の損傷が防止できる、
(iii)成長因子の生物学的活性の損傷が最小化される、
(iv)生体適合性が改善される、などの利点が挙げられる。
骨を囲んでいる組織は主にHA及びコラーゲンを含有するため、(コラーゲンとHA−Tyrコンジュゲートを使用して調製される)本発明に係る骨セメントは、組織の損傷を伴うことなく、HA−コラーゲンマトリックス中におけるアパタイトの結晶化を可能にするという効果を有する。HA及びコラーゲンを含有する多くの骨足場が報告されているが、この骨セメントは、それを使用することにより、周囲組織に損傷を与えることなく、単純な注入によって骨組織を再生させることが可能であるため、より用途が広いものといえる。当該骨セメントは、それが主にHA、コラーゲン及びアパタイト(全て骨及び関節の領域おいて存在する物質である)を含むため、特に骨軟骨における欠陥の治療に適切である。当該骨セメントは、それが主にHA及びアパタイト(軟骨及び骨の成分)を含有するため、特に骨−関節の接合部分における使用に適すると考えられる。それは、この部位における欠陥を治療するための段階的なコンポジット構造として使用できる。
マウスを用いた動物実験では、本発明による骨セメントが毒性を示さず、生物学的適合性を有し、in vivoで直ちに固化することが示された。更に、陽アルカリホスファターゼ染色による結果から、注射後5週間において抽出された試料においても、当該材料による骨形成誘導効果が観察された。
材料及び方法
ヒドロキシアパタイト(HAP)及び炭酸アパタイト(CAP)を、塩基を用いた沈殿法により、硝酸カルシウム、リン酸アンモニウム及び炭酸アンモニウムから合成した。コラーゲンはネズミから抽出し、40mg/mlの濃度となるように、0.05Mのリン酸溶液中に溶解させた。4つの異なる注射可能なペースト状の調製物に関して試験した:
1.HA−Tyr溶液のみ(コントロール);
2.HA−Tyr溶液及びアパタイト粉末;
3.HA−Tyr溶液及びアパタイト粉末、並びにコラーゲン溶液;
4.HA−Tyr溶液及び予備的に混合したコラーゲン−アパタイト溶液。
HA−アパタイトベースの骨セメント(コラーゲンを含むか若しくは含まない)を、HA−Tyr、アパタイト、HRP及び過酸化水素のペースト状混合物をマウスに注入することにより凝固させた。コラーゲンを含まないサンプルの場合、HA−Tyr(25mg)を1mlのPBS(リン酸塩緩衝液)中に溶解させた。この溶液に、600mgのアパタイト粉末を添加し、更に十分にボルテックスして混合した。調製直後のHRP(25U/ml)溶液25μl、及び過酸化水素(0.14モル/L)溶液5μlを、酵素による酸化的カップリング反応用の硬化剤として、HA−Tyrのペーストに添加した。上記ペーストを更に、スイスアルビノマウスに、18ゲージの針を用いて皮下注入し、それにより、HRP及び過酸化水素の添加から30秒以内に固体状のセメントに固化した。コラーゲンを含有するサンプルの場合、2つの異なるペースト溶液を調製した:
(i)0.5mlのコラーゲンを含有する、HA−Tyr及びアパタイトのペースト状溶液、及び
(ii)コラーゲン及びアパタイトの予備混合溶液1mlを含有するHA−Tyr溶液。
注射後5週目でマウスを安楽死させ、注入したセメントを除去し、凍結切片の作製及び組織学的分析を行った。スライドは、ヘマトキシリン及びエオシン(H及びE)、アルカリホスファターゼ及びヌクレアファストレッド(ALP及びNFR)及びVon Kossa及びヌクレアファストレッド(VK及びNFR)溶液を使用して免疫染色した。
結果及び考察
注入後5週目において、以下の結果が得られた。H及びE染色では、好ましい細胞増殖、血液供給及び組織内への成長が全てのサンプルにおいて示され、また壊死は存在しなかった(図1(a)、2(a)、3(a)及び4(a))。H及びEとは、ヘマトキシリン及びエオシンによる、組織切片の組織学的な染色のことを指す。細胞核は、幾つかの異染色も存在するが、青色に染色される。細胞質はピンクの様々な色合いで染色され、それらは異なる組織構成成分を示す。ALPとは、組織切片のアルカリホスファターゼクロモゲン染色(BCIP/NBTともいう。BCIP:5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート、NBT:塩化p−ニトロブルーテトラゾリウム)のことを指す。アルカリホスファターゼ活性が見られる領域は、濃い紫色に染色される。アルカリホスファターゼは、主に肝臓(イソ酵素ALP−1)及び骨(イソ酵素ALP−2)に存在する酵素群である。NFRとは、ヌクレアファストレッド染色(組織切片用の対比染色剤)のことを指す。細胞核が赤く染色され、細胞質がピンクに染色される。VKとは、カルシウムに関する、組織切片のVon Kossa染色を指す。この方法は、カルシウム又はカルシウム塩の堆積を観察する方法であり、それはカルシウムイオン自体に対しては特異性を有さない。この方法では、組織切片を硝酸銀溶液で処理し、強い光によって還元されたカルシウムを置換させることによって銀を堆積させ、カルシウム塩を有する領域を黒又は暗い茶色で染色する。コントロール(図1(b))と比較し、原料調製物へのアパタイトの添加により、ALP染色において陽性であり、また骨芽細胞活性を示す領域が、黒紫色による染色部位として示された(図2(b)、図3(b)及び図4(b))。また、アパタイトを含有するサンプルにおいてもVK染色において陽性(暗褐色)であり(図2(c)、図3(c)及び図4(c))すなわちアパタイトに存在するか又は骨芽細胞の活性により放出されるカルシウムに起因するものと考えられる。以上より、当該材料は毒性を有さず、また生物学的適合性を有することも示された。更に、ALP活性が異所領域への注入の後にも観察されたため、アパタイトを含む調製物また骨形成を促進するものと考えられる。
結論
発明者らは、発熱又は周囲組織の損傷を伴わずに、注射可能であり、またin vivoでの迅速な固化性能を有する骨セメント材を開発した。酵素によるの酸化的カップリング反応を応用することにより、単純かつ非毒性の、注射可能な、in situ骨セメントシステムの開発に至った。この注射可能な骨セメントシステムは、生体適合性を有し、また使用が簡便であるため、骨欠損の治療及び再生に非常に有効である。
予備的なin vivo試験の結果から、HA−アパタイトベースの材料は、非毒性であり、生物学的適合性を有することを確認し、また骨形成を促進するものと考えられた。これらの骨セメントは主にヒアルロン酸及びアパタイトを含有し、その両成分は骨−関節の領域で元々豊富に存在するものである。これらの特徴は、当該材料が、特に骨軟骨領域の欠陥の治療、脊椎癒合、骨及び関節の欠陥の治療、骨孔破壊の治療、顎顔面及び再生手術及び椎体形成に好適であることを示すものである。
ヒアルロン酸−アミノアセチルアルデヒドジエチルアセタールコンジュゲート(1)の合成
コンジュゲート(1)は、図6に示す、一般のプロトコルに従い合成した。HA(1g、2.5mmol)を100mlの蒸留水に溶解させた。この溶液に、アミノアセトアルデヒドジエチルアセタール(1.2g、9mmol)を添加した。反応混合物のpHを、0.1MのHCl N−ヒドロキシスクシニミド(0.34g、3.0mmol)を添加して4.7に調整し、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸(EDC)(0.575g、3.0mmol)を溶液に添加した。混合後、反応のpHはを4.7に維持した。溶液を穏やかに撹拌しながら、24時間室温に保持した。混合物を透析(分子量=1000のカットオフ)して精製した。
ヒアルロン酸−エピガロカテキンガレート(HA−EGCG)コンジュゲートの合成
HA−EGCGコンジュゲートを、図7に示すプロトコルにより合成した。1gのコンジュゲート(1)を、60mlの蒸留水に溶解させた。更に、HCl溶液を添加して溶液のpHを1に調整した。この溶液に、DMSO中に溶解させた5mlのEGCG溶液(0.2g/mL)を添加した。溶液を穏やかに撹拌しながら、24時間室温に保持した。混合物を透析(分子量=1000のカットオフ)して精製した。
本発明に係る骨セメントを注射された骨の顕微鏡写真を示す。(a)H及びE、(b)ALP及びNFR、並びに(c)VK及びNFRによる染色。セメント1に関する、注入の5週間後における実施例(HA溶液+硬化剤)(コントロール)の結果を示す。 本発明に係る骨セメントを注射された骨の顕微鏡写真を示す。(a)H及びE、(b)ALP及びNFR、並びに(c)VK及びNFRによる染色。セメント2に関する、注入の5週間後における実施例(HA溶液及びアパタイト粉+硬化剤)の結果を示す。 本発明に係る骨セメントを注射された骨の顕微鏡写真を示す。(a)H及びE、(b)ALE及びNFR、並びに(c)VK及びNFRによる染色。セメント3に関する、注入の5週間後における実施例(HA溶液及びアパタイト粉、及びコラーゲン溶液、+硬化剤)の結果を示す。 本発明に係る骨セメントを注射された骨の顕微鏡写真を示す。(a)H及びE、(b)ALP及びNFR、並びに(c)VK及びNFRによる染色。セメント4に関する、注入の5週間後における実施例(HA溶液及び予備混合コラーゲン−アパタイト溶液、+硬化剤)の結果を示す。 本発明による代表的な架橋構造を示す。 HA−ジアルキルアセタールコンジュゲートの調製スキームを示す。 HA−EGCOコンジュゲートの調製スキームを示す。

Claims (30)

  1. 硬化性高分子結合剤及び充填材を含んでなる硬化性骨セメントであって、当該セメントが、硬化剤への暴露の際に、顕著な発熱を伴わずに硬化可能であり、前記結合剤が、反応によりセメントを硬化させることができるフェノール基を含んでなる、前記硬化性骨セメント。
  2. 前記フェノール基が−C6R’4OR基を含んでなり、式中、R及び各R’が各々独立に水素、アルキル基、アリール基又はアシル基であり、またR’がOHであってもよく、各R’が同じでもよく、又は各R’が異なってもよく、但し、OR基に対してオルト位の少なくとも1つのR’が水素であり、R及びR’が、1つの−C6R’4OR基が酸化的にもう1つの−C6R’4OR基とカップリングさせることができるものである、請求項1記載の硬化性骨セメント。
  3. 少なくとも幾つかの−C6R’4OR基が−C64OH基である、請求項2記載の硬化性骨セメント。
  4. 前記硬化性高分子結合剤が、多糖類、ポリアミン又はポリペプチドと、チラミン、カテキン、エピカテキン、没食子酸及びエピガロカテキンガレート(EGCG)、並びにそれらの2つ以上を含むあらゆる混合物からなる群から選択される化合物とのコンジュゲートを含んでなる、請求項1記載の硬化性骨セメント。
  5. 前記多糖類がヒアルロン酸である、請求項4記載の硬化性骨セメント。
  6. 前記硬化剤が酸化剤を含んでなる、請求項1記載の硬化性骨セメント
  7. 前記硬化剤が酵素を含んでなる、請求項1記載の硬化性骨セメント。
  8. 前記酵素がペルオキシダーゼ酵素である、請求項7記載の硬化性骨セメント。
  9. 前記硬化剤が更に過酸化物を含んでなる、請求項7記載の硬化性骨セメント。
  10. 前記硬化剤が過酸化水素及び西洋ワサビペルオキシダーゼを含んでなる、請求項1記載の硬化性骨セメント。
  11. 請求項1記載の硬化性骨セメントであって、当該セメントが、当該セメントを硬化させる患者の体温において、硬化剤への暴露の際に、顕著な発熱を伴わずに約10秒〜約30分で固体に硬化されうる、前記硬化性骨セメント。
  12. 前記充填剤がミネラル質充填剤を含んでなる、請求項1記載の硬化性骨セメント。
  13. 前記充填材がアパタイト又は2つ以上のアパタイトの混合物を含んでなる、請求項1記載の硬化性骨セメント。
  14. 前記充填材が、ヒドロキシアパタイト、炭酸アパタイト、フルオロアパタイト、修飾アパタイト、シリカ、リン酸カルシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、タルク、雲母及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでなる、請求項1記載の硬化性骨セメント。
  15. 更に、コラーゲン、ケイ酸塩、タンパク質及び血小板からなる群から選択される少なくとも1つの更なる成分を含んでなる、請求項1記載の硬化性骨セメント。
  16. 前記タンパク質が成長因子である、請求項15記載の硬化性骨セメント。
  17. 硬化剤と組み合わされた請求項1記載の硬化性骨セメントを含んでなる、触媒作用を及ぼされた骨セメント。
  18. 注射可能である、請求項17記載の骨セメント。
  19. ペースト状である、請求項17記載の骨セメント。
  20. 硬化性骨セメントの調製方法であって、硬化性高分子結合剤の溶液と充填材を混合することを含んでなり、前記結合剤が、反応により前記セメントを硬化させることができるフェノール基を含んでなり、それにより、当該セメントが、当該セメントを硬化させる患者の体温において、硬化剤への暴露の際に、顕著な発熱を伴わずに硬化されうる、前記方法。
  21. 前記フェノール基が−C6R’4OR基を含んでなり、式中、R及び各R’が各々独立に水素、アルキル基、アリール基又はアシル基であり、またR’がOHであってもよく、各R’が同じでもよく、又は各R’が異なってもよく、但し、OR基に対してオルト位の少なくとも1つのR’が水素であり、R及びR’が、1つの−C6R’4OR基が酸化的にもう1つの−C6R’4OR基とカップリングさせることができるものである、請求項20記載の方法。
  22. 前記硬化性高分子結合剤が、多糖類、ポリアミン又はポリペプチドと、チラミン、カテキン、エピカテキン、没食子酸及びエピガロカテキンガレート(EGCG)、並びにそれらの2つ以上を含むあらゆる混合物からなる群から選択される化合物とのコンジュゲートを含んでなる、請求項20記載の方法。
  23. 前記充填材が、アパタイト、アパタイトの混合物、シリカ、リン酸カルシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、タルク、雲母又はこれらのうちの2つ以上の混合物を含んでなり、前記硬化剤が酵素を含んでなる、請求項20記載の方法。
  24. 前記酵素がペルオキシダーゼ酵素である、請求項23記載の方法。
  25. 前記硬化剤が更に過酸化物を含んでなる、請求項23記載の方法。
  26. コラーゲン、ケイ酸塩、タンパク質及び血小板からなる群から選択される少なくとも1つの更なる成分を添加することを含んでなる、請求項20記載の方法。
  27. 硬化性骨セメントを硬化させる方法であって、
    −硬化性骨を硬化剤に暴露させ、触媒作用を及ぼされた骨セメントを形成させるステップと、
    −顕著な発熱を生じさせずに、前記触媒作用を及ぼされた骨セメントを硬化させるステップを含んでなり、
    前記骨セメントが、硬化性高分子結合剤及び充填材を含んでなり、前記セメントが、前記セメントを硬化させる患者の体温で、硬化剤への暴露の際に、顕著な発熱を生じさせずに硬化されることができ、前記結合剤が、反応によりセメントを硬化させることができるフェノール基を含んでなる、前記方法。
  28. 前記硬化剤が酵素を含んでなる、請求項27記載の方法。
  29. 前記触媒作用を及ぼされた骨セメントを硬化させるステップの前に、更に、患者に骨セメントを注射するステップを含んでなる、請求項27記載の方法。
  30. 少なくとも部分的に患者の骨を修復する方法であって、
    −硬化性骨セメントを硬化剤と混合して、触媒作用を及ぼされた骨セメントを形成させるステップと、
    −前記触媒作用を及ぼされた骨セメントを、前記骨の表面及び/又は内部に注入するステップと、
    −前記触媒作用を及ぼされた骨セメントを、顕著な発熱を生じさせずに、前記骨の表面及び/又は内部で硬化させるステップを含んでなり、
    前記骨セメントが、硬化性高分子結合剤及び充填材を含んでなり、前記セメントが、患者の体温で、硬化剤への暴露の際に、顕著な発熱を生じさせずに硬化されることができ、前記結合剤が、反応によりセメントを硬化させることができるフェノール基を含んでなる、前記方法。
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