JP2009527658A - 軽量薄型可塑性ポリマーでコーティングされた手袋、およびその方法 - Google Patents

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Abstract

裏地の厚みの半分以上を介して編み裏地の前部に浸透し、編み裏地の少なくとも一部分に対しては全厚に浸透しないポリマーラテックスを有する、軽量薄型可塑性ゴム手袋の商品。例えば、裏地は、70から221デニールナイロンの66マルチフィラメント糸で、18ゲージ針を使用して編むことができる。ポリマーラテックスコーティングは、編み裏地の厚みの0.75から1.25倍であることが可能である。手袋の厚みの30%以上の減少を実現することによって、3倍の可塑性をもたらす。ポリマーラテックスコーティングを、5から50体積%の空気量で発泡化させてもよい。手袋への液体の浸透を防止するために、開放気泡フォームラテックスコーティングを、フッ素系分散剤の分散剤でコーティングしてもよい。該プロセスは、裏地への乳液のさらなる浸透を防止するために、糸の隙間でラテックス乳液をゲル化するステップを含むことができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2006年2月23日出願の、米国仮出願第60/775,948号への、35U.S.C.§119(e)に基づく優先権の利益を主張し、その開示は、参照することにより全体として本明細書に組み込まれる。本出願はまた、2007年2月21日出願の、米国特許出願第11/677,176号への、35U.S.C.§119(e)に基づく優先権の利益を主張し、その開示は、参照することにより全体として本明細書に組み込まれる。
発明の技術分野
本発明の側面は、薄型多孔性または連続的ラテックス層によって、部分的に被覆および浸透される薄型編み裏地を有し、それによって強化された可塑性を提供する軽量薄型可塑性ラテックスの商品に関連する。多孔性ラテックス層は、水または油の浸透性なしで通気性を提供するように処理することができる。
手袋は、産業または家庭環境において手を保護するために一般的に使用される。手袋は着用時汗でいっぱいになり、使用者にはベタベタした感触がある。手袋製造技術の進歩は、手袋が露出される編み部分において通気性を有するように、接着性ラテックス層での繊維編み裏地の部分的コーティングをもたらしてきた。編み裏地は、15ゲージ以上の編み針を使用して、319デニール以上(9000メートルの糸のグラム数として定義されるデニール)の比較的厚い頑丈な糸で作られる。形成されるラテックス層もまた相応して厚く、限られた可塑性を有する重い感触の手袋をもたらす。通気性を提供するために、使用されるラテックス層を多孔性に作るとき、多孔性ラテックス層の得られる厚みは通常より大きく、限られた接触感受性を有する不自然な感触の手袋をもたらす。同等の耐磨耗性に対して、泡沫層は、非発泡層よりも厚くなくてはならない。多くの特許が、手袋、ならびに比較的厚い編み裏地およびラテックス層の厚膜コーティングを使用した、それらの形成方法を扱っている。厚い編み裏地、および厚い発泡化ラテックス層は、手袋の全厚の薄さをもたらさず、手袋製品は、可塑性、ならびに指および手の容易な可動性を提供しない。
Johnsonによる米国特許第4,514,460号および4,515,851号は、滑り抵抗性表面を開示する。Johnsonによる米国特許第4,555,813号および4,567,612号は、滑り抵抗性手袋を開示する。Johnsonによる米国特許第4,569,707号および4,589,940号は、発泡化滑り抵抗性表面を製造する方法を開示する。この多孔性表面は、手袋が通気性を有し、吸湿特性を有する作業環境において、作業者にとって特に有用である。表面は、編まれた、または織られた繊維基質にラミネート加工された発泡表面である。ラミネート加工の前に、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル、天然ゴム、合成ゴム発泡体を、必要とされる耐磨耗性に応じて異なる量の空気で発泡化してもよい。発泡化は、機械的または化学的手段によってもよい。
Watanabeによる米国特許第4,497,072号および4,785,479号は、多孔性コーティング手袋、および手袋を製造する方法を開示する。破れた気泡は、多孔性表面を形成する。空気細胞は閉孔し、防寒および耐水の性質をもたらす。厚い独立気泡フォームは、織られた、または編まれた縫い布に接着される。その防寒性により、これは最小の可塑性を有する厚い手袋である。
Heeterらによる米国特許第5,322,729号は、通気性コーティング布地を製造するための方法、および器具を開示する。該方法は、布基質を樹脂でコーティングし、次に布基質および樹脂コーティングを介して空気の流れを導くことによって、樹脂内の気孔を開孔するステップを含む。気孔によって、コーティング布地の通気性をもたらし、蒸気または水分の透過速度を、気孔なしの樹脂コーティング布地の透過速度の約10倍にする。未硬化樹脂を介して空気を無理に送ることは、通常、制御されない気流の通過をもたらし、最悪の場合、布地からの樹脂の剥離をもたらす。
Krocheskiによる米国特許第5,581,812号は、耐漏れ性繊維手袋を開示する。綿手袋を耐水または耐油性にするために、綿手袋を裏返し、PVCまたはポリウレタンラテックス溶液に浸漬する。ラテックス層が肌に接触する一方で、綿表面が握り面となるように、手袋を裏返す。肌へのよりよい感触を得るために、ラテックス層を任意にフロック加工してもよい。この手袋に編み裏地はない。塗布されたラテックス層は、耐水または耐油性であるが、通気性を有しない。
Yamashitaらによる米国特許第6,527,990号は、ゴム手袋を製造する方法を開示する。熱膨張性マイクロカプセルを含む合成ゴムラテックスの凝固における、手袋の型の連続漬浸によって、ゴム手袋を製造する。合成ゴムラテックスの加硫の間、これらのマイクロカプセルは破裂し、湿潤または乾燥条件下で優れた粘着防止性および握りを提供する。この手袋に編み裏地はなく、ラテックス層が完全に手を包んでいる。
Borreaniによる米国特許広報第2002/0076503号は、繊維担体から作られる作業手袋、または保護手袋のような衣料品を開示する。繊維担体は、水性硝酸カルシウムの形で接着プライマーを受け取る。接着プライマーを有する繊維担体は、発泡水性ポリマー、好ましくは脂肪族ポリエーテルウレタン、またはポリエステルウレタンで、全体または部分的にコーティングされる。発泡水性ポリマーのみが、繊維担体の網目を通過することなく、支持体の外側部分に出現する。繊維担体が過度の親水性を有する場合、2〜5%過フッ化炭化水素を水性ラテックス乳液に添加する。繊維担体における糸のサイズは示されていない。特許は、なぜ水性ポリマーが繊維担体の網目に浸透しないのか示していない。水性空気泡の粘度は、1500から3000センチポイズの範囲にあり、この厚い泡は網目に侵入しない可能性があり、非常に局所的な領域において繊維に接触するだけであり、ポリマー層および繊維担体の付着不足を引き起こす。
Dillardらによる米国特許広報第2004/0221364号は、発泡手袋を提供するための方法、器具、および製品を開示する。繊維の外形の表面によって部分的に支持されている発泡ポリマーコーティング剤で、繊維の外形をコーティングする。基本ポリマーの密度を、基本ポリマーの初期密度の約10から50%に低下させるために、十分な量の空気を基本ポリマーと混合する。ナイロン、ポリエステル、アラミド、綿、ウール、レーヨン、またはアクリル繊維を使用して、繊維の外形を編む。泡沫細胞は液体を吸収し、それは、発泡ポリマーが握られる対象上の水または油から手を保護しないことを示す。糸は、編まれる繊維の外形のサイズを、薄い外形ではなく厚い外形に固定するShima Seki編機を使用して、15ゲージ針で編まれると述べられている。結果として、発泡手袋は厚い製品となり、可塑性はあまりない。
GB730879は、ラミネート加工された物質、および同物質を製造する方法を開示する。ラミネート加工された物質は、支持層の布地の実質的に半分を介する浸透により、共に固定される支持層および発泡ラテックス層を含み、ラテックス層の露出面は摩擦により除去され、外側部分をそこから容易に分離することができる。浸透した泡沫は、摩擦によって分離することはない。これは、使用中無傷の状態のままである支持層上の泡沫層ではない。
GB2400051号およびWO2005088005号は、ポリマー衣服材料を開示する。型上にあってもよい基質に凝固剤を添加し、ポリマー材料の発泡体を基質に添加し、発泡体の一部を凝固剤で凝固させ、基質上の凝固ポリマー材料の層を残すために、基質から非凝固発泡体を除去することによって、ポリマー衣服材料を作る。基質へ水のような液体をスプレーする、または空気のようなガスを噴射することにより、非凝固発泡体を除去する可能性がある。非凝固発泡体の除去後、凝固剤を除去するために基質を水中に浸漬してもよい。ポリマー材料は、ニトリルラテックス、天然ラテックス、ポリウレタンラテックス、ポリ塩化ビニルラテックス、ネオプレン、およびポリ酢酸ビニルの1つ以上であってもよい。発泡体をブラスト加工することは、添加された泡沫層の一部のみを残し、発泡エマストラー層の不規則な被覆率をもたらす。噴射の圧力は、基質の繊維の隙間に未硬化ゲル化ポリマーを送り込む。
結果的に、当技術分野において、軽量編み裏地の一部のみに添加されるラテックス層を有し、手袋の通気性をもたらす薄型軽量で可塑性の高いゴム手袋の必要性がある。また、多孔性であり、さらなる通気性、および改善された可塑性をもたらすラテックス層を有することが望ましい。多孔性ラテックス層を介する油、または水の浸入を防止することが望ましい。
手袋の可塑性は、手袋の厚みの強い機能であり、厚みの3乗の逆数に応じて増加する。したがって、ラテックス層でコーティングされた手袋などの弾性体の厚みを、30%減少することは、3の因数で可塑性を増加させる。手袋の厚みは、編み裏地の厚み、および粘着して接着されるポリマー層の厚みで構成される。編み裏地は、編み糸のレベルで置き換えることができるので、可塑性は、弾性体計算に基づいて、予想される可塑性よりも大きくなる可能性がある。モノフィラメント糸である代わりに、個々の糸が複数の縒り糸から構成される場合、この因子はさらに大きい。ポリマーが完全に裏地に浸透している場合、この可塑性増加は欠失し、手袋の剛性は、編み層の硬化により大幅に増加する。
一般的に、コーティングされた編み作業手袋に関して、よく使用される編み針は、15ゲージ針である。Shima Seikiは、18ゲージ針など、より細かい針サイズを使用することができる編機を製造する。Spencer DJ.Knitting Technology,p209,1993によると、編機の針のゲージは、使用することができる糸のデニールと明確な関係を有する。例えば、ゲージ15の針は、319デニール糸を使用する。しかしながら、ゲージ18の針は221デニール糸を使用する。デニールは、9000メートルの長さを有する糸のグラム数として定義される。したがって、18ゲージ針で編まれる裏地は、15ゲージ針で編まれる裏地より約30%軽い。また、18ゲージ針で編まれる221デニール糸の小さい直径は、平方単位面積あたり高い充填密度を有し、それによって、ラテックス浸漬に対してより滑らかな表面を与え、より滑らかで厚みが小さいラテックスをもたらす。
18ゲージ針の糸の糸サイズが、15ゲージ糸のサイズより小さいことから、18ゲージの薄い編み裏地は、編目および/または糸の間でより小さい間隔を有する。この18ゲージの編み針の使用は、通常、編み裏地における編目および/または糸が、糸の直径の1から3倍の間隔にあけられていることを意味する。そのようなものとして、小さい隙間が、糸および/または縫い目の間に与えられる。ラテックス層を薄い編み裏地に接着するために、ラテックスは、薄い編み裏地の厚みの半分以上を介して浸透しなければならない。厚みの半分未満へのラテックス層の浸透は、通常、付着不足をもたらし、ラテックス層の予期しない分離をもたらす可能性があり得る。しかしながら、全部のラテックス層が、編み裏地に完全に浸透する場合、ポリマーコーティングが手袋着用者の肌に接触することになり、望ましくない効果、また時には炎症をもたらす。この問題は、利用可能な裏地の大きな厚みの理由から、15ゲージ針の糸を使用して処理することができ、またこれまで処理されてきた。ラテックス層の付着、および浸透したラテックスの肌接触の防止とのこのバランスは、特に水性ラテックス乳液を使用する場合、18ゲージ針の糸に関しては解決されていない。
概説するならば、本発明の一側面は、薄い編み裏地、および編み層の厚みの約0.75から1.25倍の、ポリマーラテックスコーティング層を有する手袋を提供し、そこでポリマーラテックスコーティングは、厚みの半分以上を介して浸透し、編み裏地の少なくとも一部に対しては、ポリマーラテックスコーティングは、薄い編み裏地の全層に浸透しない。糸サイズは、221デニール以下である。一実施形態では、裏地を編むために18ゲージ針を使用する。別の実施形態では、編み裏地の肌接触面は、実質的にポリマーラテックスコーティングを含んでいない。実質的にポリマーラテックスコーティングを含んでいないことを参照することにより、編み裏地の肌接触面の表面積の大部分以上が、ラテックスコーティングを有しないことが意味される。一実施形態では、編み裏地の肌接触面は、ポリマーラテックスコーティングを約75%以上含まない。一実施形態では、使用される糸は、2プライ/70デニール/103フィラメント、または1プライの2エンド/70デニール/103フィラメントの仕様を有する部分延伸ナイロン66であり、各フィラメントは0.68でニールを有し、一般的に、デニールを有するフィラメントは、1フィラメントあたり1デニール未満である。多くの非常に小さいデニールフィラメントを有する、マルチフィラメント糸のこの束は、非常に高い可塑性を有し、したがって、編み裏地もまた非常に高い可塑性を有する。18ゲージ針は、裏地を編むために、2プライの70デニール糸、もしくは1プライの140デニール糸、または221デニールほどの大きさの糸の単糸を使用することができる。手の甲における裏地の部分が、ポリマーラテックス層でコーティングされていない一方で、ポリマーラテックス層は、手袋の掌および指の領域を通常含む手袋の選択された部分にのみコーティングされる。詳細な実施形態では、ポリマーラテックスコーティングは、天然ゴム、合成ポリイソプレン、スチレンブタジエン、カルボキシル化 、または非カルボキシル化アクリロニトリルブタジエン、ポリクロロプレン、ポリアクリル酸、ブチルラバー、または水性ポリウレタン(ポリエステル系、またはポリエーテル系)、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される。具体的な実施形態では、ポリマーは、水性ラテックス乳液から形成される、カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンラテックスを含む。一実施形態では、手袋の全厚は、0.6mmから1.14mmの範囲にある。詳細な実施形態では、全厚は、約0.70から約0.90mmである。
第2の実施形態では、5から50体積パーセントの範囲のよく分散された気泡を使用して、ポリマーラテック層を発泡化し、ポリマーラテックス層において通気孔により独立気泡、または開放気泡を形成する。独立気泡は、高い可塑性を有し、柔らかく多孔質の耐液体性ポリマーラテックスコーティングをもたらし、適した乾燥および乾燥および湿潤での握りを提供する。独立気泡は、通常、5から15体積パーセントの範囲の空気量と関連する。相互接続された開放気泡は、通常、15〜50%の気積の範囲で発生し、発泡化ポリマーラテックス層を介した手袋の通気性を提供する。開放気泡フォームを有する手袋は、口に当てることによって、ほとんど抵抗性なく、手袋のポリマーラテックスコーティングを介して空気を送ることができるという意味では、通気性を示す。手袋の通気性は、手袋の背面など、発泡化ポリマーラテックス層でコーティングされていない編み裏地の部分を介して、常に得ることができる。この発泡化ポリマーラテックス層はまた、編み裏地の厚みの半分以上に浸透し、編み裏地の少なくとも一部に対しては、ポリマーラテックス層は全層に浸透せず、したがって、ポリマーラテックスの肌接触を実質的に防止する。
第3の実施形態では、加硫加熱処理中ラテックス層と共に硬化する、約0.5から2ミクロンの厚さに硬化する前の、水性ラテックス浸漬の直後に、水性フッ素系分散コーティング剤で、非発泡化または発泡化ポリマーラテックス層の外部表面をコーティングし、水または油などのいかなる液体の接触角を変化し、発泡化ポリマーラテックス層の微細な気孔への浸入、および非発泡化ラテックス層におけるいかなる欠陥を防ぐ。このようにして、油または水の浸透によって手袋の内側へ浸入することなく、発泡化ポリマーラテックス層の通気性を維持する。
第4の実施形態では、手袋の外部ラテックス表面が、湿った、油っこい、および/または乾燥した表面の優れた握り特性を有するように、ポリマーラテックス層に複数の空洞を備える。空洞によって提供される強化された表面領域は、握られる作業表面から境界層の油、または水膜を捕らえるための表面領域を提供する。さらに、握り圧力を加えることによって、作業物上の境界層から油、または水の境界層を移動させ、空洞の体積中に押し込む。本発明の軽量編み裏地は、比較的厚みが小さく、対応するラテックス層の厚みも小さいため、空洞は、その浸透の深さに制限がなければならない。ラテックスの外部表面に均等に分布している空洞の形成プロセスは、Flatherらによる米国特許広報第2005/0035493号に開示され、その内容は、参照することにより全体として本明細書に組み込まれる。
本発明の一側面に基づき、軽量薄型可塑性ポリマーでコーティングされた手袋を製造する方法は、1)手型のセラミックまたは金属形成機に、18ゲージの編み裏地を配置ステップと、2)例えば、硝酸カルシウム凝固溶媒、またはアルコール溶液もしくは水溶液、またはそれらの組み合わせなどを含む凝固剤液に、形成機を浸漬するステップと、3)凝固剤でコーティングされた編み裏地の付いた形成機を除去するステップと、4)凝固剤でコーティングされた編み裏地の付いた形成機を、水性ポリマーラテックス乳液を含むタンクに浸漬し、ポリマーラテックス乳液が、編み裏地の厚みの半分以上に浸透し、編み裏地の少なくとも一部分に対しては、ポリマーラテックス乳液が、編み裏地の全層に浸透しないようにし、また凝固剤は、ポリマーラテックス剤をゲル化し、編み裏地の厚みへのラテックスのさらなる浸透を防止するステップと、5)ポリマーラテックスコーティング剤を有する編み裏地の付いた形成機を除去するステップと、6)ゲル化ポリマーラテックスコーティング剤で、形成機を洗浄するステップと、7)選択された時間の間、加硫温度まで加熱するステップと、8)凝固剤、および不快感を与えるラテックスタンパク質、ならびにラテックス安定化および加工化学物質を除去するために、手袋をさらに洗浄するステップを含む。プロセス変量は、ポリマーラテックス乳液の浸透を制御するが、乳液の粘度の制御、およびポリマーラテックス乳液タンク内の浸漬の深さの制御を含む。理論に束縛されることを目的としないが、水性ポリマーラテックス乳液タンク内の水圧もまた、浸透の深さの一因となる。ステップ6に従って洗浄した後、ラテックス層のいかなる欠陥による油または水の浸入を防止する、疎水性または親油性コーティングを形成するために、ステップ7および8に従って、発泡化ポリマーラテックスコーティングの外側表面を、水性、または溶剤型水性フッ素系分散コーティング剤でコーティングし、加硫処理してもよい。
プロセスの第2の実施形態では、空気圧、または機械的撹拌を使用して、ステップ4のポリマーラテックス溶液を発泡化する。編み裏地の全層を介する発泡化ポリマーラテックス溶液の浸透は、編み裏地の少なくとも一部に対して、第1の実施形態に詳述されるような浸漬の深さの制御、または以下に詳述される、第3の実施形態に詳述されるような遮断のいずれかによって維持される。プロセス変量は、発泡化ポリマーラテックス乳液の浸透を制御するが、乳液の粘度の制御、およびポリマーラテックス乳液タンク内の浸漬の深さの制御を含む。ステップ6に従って洗浄した後、疎水性または親油性コーティングを形成するために、ステップ7および8に従って、発泡化ポリマーラテックスコーティングの外側表面を、水性、または溶剤型水性フッ素系分散コーティング剤でコーティングし、加硫処理してもよい。発泡体は特に、空気量が、開放気泡構造を提供する15〜50%の範囲にある場合、通気性をもたし得るが、フッ素系コーティング剤は、手袋の内側への油または水の浸入を防止する。
第3の実施例では、初めに、編み裏地を手型の形成機に配置する。例えば、高分子量のPVA、溶解ワックス、溶剤型ポリウレタン、またはそれらの組み合わせの遮断コーティング、または編み裏地の糸の隙間を遮断する他の物質の粘性圧膜コーティング剤で、編み裏地の外側表面をコーティングする。有利に、適切な遮断化合物を凝固剤液に添加してもよい。任意に、遮断された編み裏地を形成機から取り外し、裏返し、手型のセラミック、または金属形成機に配置する。第1の実施形態に挙げられるステップは、ステップ4のものを除いて実行され、例えば、PVA、ワックス、溶剤型ポリウレタンなどで、糸の隙間を遮断することから、ポリマーラテックス乳液が、編み裏地の全厚に浸透することができないため、形成機の浸漬の深さを制御するための特別注意は必要ない。ステップ6の間、例えば、PVAまたはワックスなどの特定の遮断物質を、洗浄ステップの間に除去する。PVAは、例えば分解し、ワックスは、例えば滴状に落とす。このことにより、手袋の肌接触面の一部は、ポリマーラテックスコーティングを含まず、ポリマーラテックスコーティングへの使用者の肌の暴露が、最小限に抑えられる。遮断剤としての溶剤型ポリウレタンは、溶剤型ポリウレタンコーティングが、ポリマーラテックスとは異なり肌に優しい表面を与えることから、編み裏地から除去する必要がないため、特に有用である。
プロセスの第4の実施形態において、製造方法は、編み裏地の内側の繊維間隔を密封し、ラテックスが裏地の半分以上を介して浸透するが、裏地全部に浸透しないように、初めに形成機に配置された凝固剤でコーティングされた編み裏地を、水性ラテックス乳液に浸漬するステップを含む。この薄いラテックス層でコーティングされた裏地を、第2のラテックス浴槽にさらに浸漬し、ラテックスの第2の層を有する編み裏地に、流動床の塩処理を行う。塩粒子は個々に分離され、流動床によって浮遊したままでいるが、塩粒子の形を複製するラテックスを直ちにゲル化する第2の層に接触する。第1のラテックス層、および編み裏地にわたって存在する第2の層を含むこの塩は、塩粒子を除去するための水での洗浄を受ける。第2のラテックス層がすでにゲル化し、多少の機械的完全性を有するため、第2のラテックス層において生成される空洞構造を変化させない。次に、洗浄された手袋は、加硫加熱処理を受け、それは第1および第2のラテックス層を硬化し、それらを接着させる。
軽量薄型可塑性ポリマーでコーティングされた手袋の特徴は、以下に示される特徴を個々に、または組み合わせて含む。
はじめに、軽量薄型可塑性裏地を、221以下のデニールの糸から作る。一実施形態では、軽量薄型可塑性裏地を編むために、18ゲージ針を使用する。
第2に、221以下の総デニールを実現するために、種々の糸の形態が使用される。例えば、18ゲージ針は、薄型裏地を編むプロセスにおいて、1プライ/70デニール/103フィラメントナイロン66糸の2つの撚糸(140デニール)、または2プライ/70デニール/103フィラメントナイロン66糸の1つの撚糸(140デニール)、または221デニール糸の1つの撚糸を使用することができる。通常、縒り糸、プライ、および縒り糸のデニールのいかなる組み合わせも、221以下のデニールを有する糸を得るために、使用することができる。
第3に、軽量薄型編み裏地は、15ゲージ針を使用した標準の編み裏地よりも、約30%少ない重量および厚みを有する。対応するラテックスでコーティングされた、軽量薄型編み裏地の手袋も同様に、15ゲージ針からのラテックスコーティングされた編み裏地よりも、薄型で軽量となる。
第4に、軽量薄型編み裏地は、小さい隙間で密集したメッシュからできている。編み裏地の糸の隙間は、一般的に、適切なサイズの針ゲージを使用する場合、使用される糸の直径の1から3倍である。このパラメータは、糸の適切な選択、および編みのパラメータにより容易に得られる。しかしながら、過剰なサイズを有する編み針を使用する場合、編み裏地における糸の間隔ははるかに大きくなり、ポリマーラテックス乳液が裏地の全層に浸透することから、ラテックスの浸漬には通常不適当である。
第5に、詳細な実施形態では、ポリマーラテックスコーティングで該編み裏地をコーティングすることによって、一般的に編み裏地の厚みの半分以上を介して浸透し、裏地の該コーティングの優れた付着が得られるが、該コーティングは、編み裏地の少なくとも一部に対しては、好ましくは該編み裏地の全層に浸透せず、それによって、使用者の肌へのコーティングの接触を実質的に低減するような、コーティング形状を提供する。
第6に、別の詳細な実施形態では、編み裏地を形成機に配置し、凝固剤に浸漬し、次に、水性ポリマーラテックス乳液タンク内の規定の深さに浸漬するか、形成機への配置の前に隙間を遮断し、編み裏地の繊維の隙間にゲル化領域を形成し、裏地の厚みを介した乳液のさらなる浸透を、実質的に防止するようなプロセスによって形状を作る。
第7に、特定の実施形態では、初めに、凝固剤でコーティングされた編み裏地の糸の隙間を遮断し、次に、ポリマーラテックス乳液で裏地の反対面をコーティングし、編み裏地の厚みの半分以上を介して浸透するが、編み裏地の少なくとも一部に対しては、ポリマーラテックスが編み裏地の全層に浸透しない、ポリマーラテックスコーティングを形成することによって形状を作る。
第8に、手袋のラテックス層の握り面は複数の空洞を備え、摩擦を増加し、作業表面から境界液体または油膜を除去することにより、改善された湿潤または乾燥表面を提供する。

発明の詳細な説明
弾性物の可塑性は、対象の形状によって強く決定される。中心負荷「P」にさらされる、厚さ「T」、および長さ「L」および幅「B」を有する弾性ビームは、以下の方程式によって得られる負荷点における、最大偏差「δ」を有し、
Figure 2009527658
ここで、「E」は弾性率であり、Iは、以下の方程式によって得られる中心軸の慣性モーメントであり、
Figure 2009527658
ここで、「B」はビームの幅であり、「T」はビームの厚さである。同様の関係が、「P」の他の負荷形状に存在する。すべての場合において、偏差「δ」は、厚さ「T」の3乗に反比例する。したがって、ビームの厚さの30%の減少は、偏差または可塑性の2.91、または3近くの因数での増加をもたらす。
手袋ラテックスコーティングなどの、エラストマーコーティングを有する手袋の可塑性は、手袋の厚みを減少することによって増加することができる。手袋は編み裏地を有することから、編み裏地に部分的にのみ浸透し、それによって、編み裏地の糸の間の相対運動、および個々の糸のフィラメントの間の運動によって編み裏地を活用し、可塑性を強化してもよい。この強化された可塑性は、より薄い編み裏地の使用、およびより薄いポリマーコーティングの塗布を必要とする。次に述べるように、これらのアプローチのそれぞれにおいて、課題に直面する。
Shima Seikiから供給される編機などの従来の編機は、これまで手袋の裏地を編むために15ゲージ針を使用している。この針は、1993に発行された、DJ.Spencerによる本、Knitting Technologyのp209に記載のとおり、319の総糸デニールに適応することができる。デニールは、9000メートルの糸の長さに対する、グラムでの糸の重量である。1.13g/cmの密度を有するナイロン66を考慮すると、319cmの体積は、282cmである。同様に、9000メートルの糸の平均断面積は、0.031mmであり、それによって、0.19mmの平均糸直径を有する糸が得られる。この断面直径の計算は、1つのモノフィラメントの糸に対する結果を反映するが、同じデニールのマルチフィラメント糸は、糸の複数のフィラメント間に空間が存在することから、実質的により大きい断面直径を有する場合がある。裏地を形成するためにこれらの糸を編む場合、交差点において、断面直径は公称0.38mmである。これらの糸は通常、微細フィラメントの複数の縒り糸を撚ることによって製造されるため、糸の直径はより大きくなる場合があり、相応して、編み裏地もより厚くなる場合がある。さらに、編むプロセスは、ある程度の緩みを有し、編み裏地の厚みは、この緩みによってより大きくなる場合がある。例えば、2プライ/70デニール/34フィラメントで、各フィラメントが2.08のデニールを有する2エンドは、280の合計公称デニールを有し、それは、標準の従来技術の手袋を製造するために、ラテックスに浸漬される従来技術の標準裏地を製造するために、15ゲージ針で編むことに適している。かかる糸で作られる糸は、ASTM D1777に従って、Ames Logic Basicの隙間ゲージモデル番号BG1110−1−04を使用して測定された、1.34mmの非圧縮厚さ、および9oz(225グラム)負荷下の1.13mmの圧縮厚さを有する。編み裏地は、167.9±5.3グラム/mmの秤量を有するために測定される。編み裏地をポリマーラテックス乳液でコーティングするとき、糸はまとまる傾向があり、圧縮厚さに近似する編み裏地の厚みを提供する。ポリマーラテックスコーティングの厚みは、編み裏地の厚みに近似する。ポリマーラテックスコーティング剤でコーティングされた、2プライ/70デニール/34フィラメントの2エンドから作られる15ゲージの編み裏地は、Ansell 11−800のような、1.15mmから1.5mmの手袋の厚みをもたらす。15ゲージで編まれた手袋である、Ansell 11−600手袋は、完全浸透により溶剤型ポリウレタンでコーティングされ、約1mmである編み裏地の厚みにほとんど等しい厚みを有する。Showa製品のBO−500もまた、溶剤型ポリウレタンが完全に浸透した、15ゲージの編み裏地を使用しており、約1mmである編み裏地の厚みにほとんど等しい厚みを有する。
またShima Seikiも、18ゲージ針を使用することができる編機を有する。したがって、編み裏地を製造するために、より小さいデニール糸を使用してもよい。1993年に発行された、DJ.Spencerによる本、Knitting Technologyのp209に従って、18ゲージ針は、221の総デニールを有する糸を使用することができる。ナイロン66(1.13g/cm)の密度を考慮すると、この糸は、195cmの体積を有する。同様に、9000メートルの糸の平均断面積は、0.021mmであり、それによって、0.16mmの平均糸直径を有する糸をもたらす。しかしながら、140デニール糸を使用する場合、断面積は0.014mmである、または平均糸直径は0.13mmである。したがって、221デニール糸を使用する場合、糸の交差点において、編み裏地は0.32mmの最小厚さを有することになる。実際には、この厚みは、複数のフィラメントの使用によって、より大きくなることが予想される。具体例では、0.68デニールの103フィラメントで作られる70デニール糸を使用することができる。編み裏地もまた、ある程度の緩みを有する。1プライの70デニール/103フィラメント糸の2エンドの使用に加えて、プロセスは裏地を編むために、140デニールを有する2プライ/70デニール/103フィラメント糸、または221デニールを使用してもよい。各フィラメントが0.68デニールを有するような、1つの2プライ/70デニール/103フィラメント糸の使用は、ASTM D1777に従って、Ames Basic Logicの隙間ゲージモデル番号BG1110−1−04を使用して、非圧縮状態で0.83mm、および9oz(225グラム)負荷下の圧縮状態で0.67mmである、編み裏地をもたらす。この編み裏地は、142.9±1.3グラム/mの秤量を有するために測定される。編み裏地の厚みに近いラテックス層の厚みを有するポリマーラテックスコーティングで、この18ゲージ針をコーティングするとき、手袋は、0.6mmから1.14mmの範囲の最終厚さを有する。詳細な実施形態では、多袋は、約0.70mmから約0.90mmの厚みを有する。糸は、非常に微細な直径の部分延伸繊維で作られているため、糸の可塑性は非常に良好である。したがって、手袋の厚みは30%を超えて減少し、15ゲージ針から編まれた裏地を有する手袋と比較して、3倍を超える手袋の可塑性の改善をもたらす。ゴム手袋の全重量も、同様により軽い。
使用されるゲージ編み針は、通常、使用される糸のデニールに応じて選択される。しかしながら、より小さいデニール糸に対して、より大きなゲージ針を使用することが可能であり、この組み合わせは、編み裏地内の糸の過剰な間隔をもたらし、それは望ましい1から3倍の範囲よりも大きい。これは、15ゲージおよび18ゲージの編み針を使用するとき、編み裏地内の糸の間隔のばらつきによって説明される。隙間の間隔は、一般的に、適切な針ゲージが選択されるとき、裏地を編むために使用される糸の直径の1から3倍の範囲にある。15ゲージ針は、280デニール糸を使用することができ、0.19mmの平均糸直径を有する。18ゲージ針は、140デニール糸を使用することができ、0.13mmの平均糸直径を有する。隙間直径が糸直径の3倍の大きさになることができるように、糸直径と隙間の関係は、裏地を形成機に配置するときに変化する。
薄い編み裏地を、水性ポリマーラテックスでコーティングするとき、技術的問題が存在する。薄い編み裏地へのラテックス層の付着困難、およびラテックス層との接触による特定の使用者の肌への刺激が認められている。そのようなものとして、18ゲージ針の編み裏地はこれまで、水性ポリマーラテックス乳液でコーティングされていなかった。これらの技術的問題に対応するために、本発明の側面に従って、編み裏地の厚みの減少は、ポリマーラテックス乳液が、ポリマーラテックスコーティング、および編み裏地の間の付着を形成するために、約半分以上浸透することを必要とする。編み裏地の少なくとも一部に対しては、ラテックス層は編み裏地の全層に浸透せず、それによって、手袋着用時のポリマーラテックス、および使用者の肌との接触を実質的に軽減する。本発明の側面に従ったアプローチによって、全体の誤差範囲は著しく減少する。
Ansell 11−600、またはShowa BO−500などの、15ゲージ針の編み裏地を使用し、溶剤型ポリウレタンが浸透する厚みを有する、より薄い手袋を製造しようとする試みによって、硬質の手袋をもたらす。溶剤型ポリウレタンは、これらの手袋の裏地に完全に浸透することになり、それによって裏地を強化し、その弾性率「E」を増加し、その結果偏差を減少する。また、溶剤型ポリウレタンに使用される薬品は、容易に洗浄することができず、より硬質の手袋をもたらす。これにもかかわらず、本発明の特定の実施形態では、溶剤型ポリウレタンは許容可能な遮断剤であり、編み裏地の半分以上、および少なくとも一部に対して浸透する、ポリマーラテックスコーティングと共に使用することができる。本発明の側面の手袋は、例えば18ゲージ針を使用する糸のサイズに関わらず、この手袋の形状を達成することができる。
図1は、編み裏地内の糸の配列、および発泡化または非発泡化されてもよいポリマーラテックスコーティングとのその関係を、概略的に図解する。平均直径Dを有する糸は編み裏地内で編まれ、厚みT1の裏地を形成する。厚みT2のポリマーラテックスコーティングは編み裏地に浸透し、手袋の全厚を形成する。編み裏地の少なくとも一部に対しては、ポリマーラテックスコーティングは、T−T2で定義される距離に浸透せず、浸透の度合いは、比率(T−T2)/T1によって定義される。コーティングが裏地の全層に浸透する場合、編み裏地の厚みT1に関わらず、不浸透領域はゼロである。裏地の外側にあるポリマーラテックスコーティングは、T−T1で示される。したがって、ポリマーラテックスコーティングの厚みT2は、通常、編み裏地の厚みT1の0.75から1.25の範囲にある。比率が0.75のとき、コーティングの表面が繊維とぴったり重なっている場合、ポリマーラテックスコーティングは、裏地の4分の3に浸透する。浸透はより小さくてもよいが、半分以上であることは、繊維の表面の上部に広がるポリマーラテックスコーティングをもたらす。1.25の比率において、4分の3浸透するポリマーラテックスコーティングはなお、編み裏地の外側のポリマーラテックスコーティングの厚みの半分を有する。この範囲において、図1の形状は、編み裏地を覆うが、編み裏地の全層に浸透しないポリマーラテックスコーティングによって達成される。
水性ポリマーラテックスから生成されたラテックスコーティング付きの、15ゲージの編み裏地を有するAnsell 11−800手袋、溶剤型ポリウレタンコーティングが完全に浸透した、15ゲージの編み裏地を有するAnsell 11−600、溶剤型ポリウレタンが完全に浸透した、15ゲージの裏地を有するShowa製品BO−500に対して測定された、典型的特性の表Iにおいて比較が示される。本発明による典型的手袋は例Iと呼ばれ、カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンラテックスが一部に浸透する、18ゲージの編み裏地を使用して作られ、同様に表Iに示される。15ゲージ針の従来製品を、本発明の方法論によって製造される18ゲージ製品と直接比較することから、これらの例は選択された。Ansell 11−800手袋が一般的に、1.15から1.5mmの厚みを有する一方で、本発明による手袋の厚みは、0.60mmから1.14mmである。詳細な実施形態では、手袋は、約0.70から約0.90mmの厚みを有する。したがって、例Iによる手袋はより可塑性があり、よりよい触感感度を提供する。例Iの一般的なサイズ8の手袋が、平均で14.8グラムの重さを有する一方で、同様のサイズ8の11−800手袋は、19.2から20.7グラムの重さを有する。表Iはまた、例Iの製品上の油浸透性への、水性フルオロケミカル(FC)コーティングの効果を示す。
Figure 2009527658
より高いクラーク剛度の数は、より高い剛性の手袋に相当する。ポリウレタンでコーティングされたAnsell 11−600手袋は、ポリウレタンが15ゲージの編み裏地の全層に浸透し、裏地を強化しより高い弾性率「E」を与え、それにより偏差および可塑性を減少することから、その厚みの減少にもかかわらず、7.75cmのクラーク剛度で非常に硬い。11−800手袋が5.25cmのクラーク剛度を有する一方で、例Iによる手袋は、4.2cmのクラーク剛度を有する。例Iによる手袋を、フルオロケミカル(FC)分散コーティングで処理した。例Iのこの処理された手袋、および未処理手袋の油浸透性を測定した。FC処理の手袋は、表Iに示すように、油不浸透性の改善を示した。本発明の実施形態の手袋は、優れた乾燥に対する握り、水に対する握り、および油に対する握りを有する。
軽量薄型可塑性ポリマーでコーティングされた手袋の製造プロセスは、複数のステップを含む。詳細な実施形態では、公称140デニールのナイロン66糸による18ゲージの編み裏地を、手型のセラミックまたは金属形成機に配置し、2〜15wt%の硝酸カルシウム水溶液に浸漬する。硝酸カルシウム凝固剤液は編み裏地の全層に浸透する。この凝固剤でコーティングされた裏地が、水性ポリマーラテックス乳液に接触するとき、乳液を不安定化し、ラテックスをゲル化する。次に、形成機に配置された、凝固剤でコーティングされた編み裏地を、水性ポリマーラテックス乳液に浸漬する。ポリマー水性ラテックスは、250〜5000センチポイズの範囲の粘度を有し、水酸化カリウム、アンモニア、スルフォン酸塩などを含むがそれらに限定されない、一般に使用される安定剤を有する。ラテックスは、界面活性剤、抗菌剤、賦形剤/添加剤などの、他の一般に使用される成分を含んでもよい。糸のより小さい直径により、繊維間の距離は減少し、編み裏地内にピンチ領域を素早く形成し、ポリマーラテックス乳液がこの領域に浸入するとき、ゲル化作用は、ポリマーラテックス乳液が入ることを本質的に阻止し、それによって、編み裏地の厚みへの、ポリマーラテックス乳液の完全浸透を実質的に防止する。この浸透およびゲル化作用は、ポリマーラテックス乳液の粘度、および凝固剤でコーティングされた裏地のある形成機が、ポリマーラテックス乳液タンクに押し下げられる深さに反応しやすい。静水圧が高くなると、ポリマーラテックス乳液は、編み裏地により浸透する。浸漬の深さが小さくなり、ポリマーラテックス乳液の粘度が高くなる場合、ポリマーラテックスコーティングは編み裏地に最低限に浸透し、コーティングの付着不足をもたらす。したがって、2つの制御可能なプロセス変量は、編み裏地が比較的薄いときでさえ、編み裏地へのポリマーラテックスコーティングの浸透を、正確および確実に制御するために使用可能である。これらのプロセス変量は、1)ポリマーラテックス乳液粘度の制御、および2)編み裏地が配置された形成機の浸漬の深さである。編み裏地の厚みの半分以上の深さであるが全層未満の浸透に、この水性ポリマーラテックス乳液を達成するために必要とされる、一般的な浸漬の深さは、ラテックス乳液の粘度に基づいて、0.2から5cmである。手袋のラテックスコーティングは一般的に、手袋の掌および指の領域に与えられるため、ラテックス乳液の内外に型を動かす、複合メカニズムを使用して形成機を連接し、形成機に配置された編み裏地の種々の部分を、徐々に変化する深さに浸漬する。結果として、手袋の一部は、ある程度のラテックス浸透を有してもよいが、編み裏地の75%超は、手袋の肌接触面上のラテックスのしみを示すことなく、半分以上浸透される。プロセスの第1の実施形態は、初めに洗浄し、次にラテックス組成物を加硫するために加熱し、ラテックス乳液の粘度およびぬれ特性を安定化、および制御するために使用される凝固塩、および他のプロセス薬品を除去するために洗浄する、薄い編み裏地上の薄型連続的ラテックスゲル化層を生成する。したがって、製造される手袋は、15ゲージの手袋と比較して、重量および厚さにおいて30%超少なく、3倍超の可塑性を有する。
本発明の第2の実施形態では、使用されるポリマーラテックス乳液を発泡化する。空気量は一般的に、体積基準で5から50%の範囲にある。ポリマーラテックス乳液は、ラテックス発泡体を安定化するために、TWEEN 20などの追加の界面活性剤を含んでもよい。一度ラテックスを正しい空気量で発泡化し、粘度を調整すると、初めに最適速度で動く正しい泡立て羽根付き撹拌機を使用して、発泡体の微調整を行い、減速度で動く異なる羽根を使用して、気泡サイズを微調整する。この発泡化ポリマーラテックス乳液は通常より高い粘度を有し、したがって、編み裏地内の糸の隙間に浸透することがより困難であり、配置された編み裏地を有する形成機の、より深い浸漬を必要とする場合がある。繊維間の詰め領域を形成する糸の表面にある凝固剤の作用により、浸透した発泡化ラテックス乳液はすぐにゲル化し、編み裏地の厚みへの発泡化ラテックス乳液のさらなる浸入を防ぐ。気泡は、ポリマーラテックスコーティングの弾性率を減少し、手袋の可塑性を増加する。5〜15の体積百分率の範囲内の空気量は、独立気泡を有する発泡体をもたらし、ポリマーラテックスコーティングは液体を通さない。このコーティングは、スポンジのように軟らかい感触を有する。外部表面に隣接する気泡の一部は開き、粗さの増加をもたらし、握り面から油および水の境界層を除去し、握りの増加をもたらす能力を有する。体積空気量が15〜50%の範囲にあるとき、気泡は互いに隣接し、加硫加熱ステップの間それらは拡大し互いに接触し、開放気泡フォームを形成する。手袋のポリマーラテックスコーティングは通気性を有し、手袋はべとべとしない。液体の滴が手袋の掌部分に置かれるとき、特に手袋着用の場合、開放気泡の伸縮により、液体はポリマーラテックスコーティングに浸透する場合がある。水性フッ素系分散コーティングの塗布により、気泡の孔サイズに応じて、この液体浸透を最小化、または防止することができる。一般的に0.5から2ミクロンの厚みを有するコーティングを形成するために、分散剤は通常、水性溶剤中で分散されるフルオロケミカル組成物から成る。また、水性フッ素系分散コーティングを、ポリマーラテックスコーティングで被覆されない編み裏地の部分に塗布してもよい。加硫前に、フルオロケミカルコーティングをゲル化ラテックス塗布してもよく、コーティングは、ラテックスポリマーと共に硬化する。手袋のラテックスコーティングの偶発的欠陥を介した、油または水の浸透を防止するために、フルオロケミカルコーティングを非発泡化ラテックスコーティングに、同様に適切に塗布してもよい。
図2は、本発明の側面に従って、裏地に使用することができる糸を図解する。本発明の一側面では、糸は、糸の組み合わせである。糸の組み合わせは、約140から150のデニールを有することができる。図解されるプロセスは標準的な技術であるが、形成される糸は、18ゲージ針で編むことに適しており、本発明に従った手袋製造に適した、軽量で厚みが小さい編み裏地を形成する。いかなる糸、または糸の組み合わせも、本発明の種々の側面において使用することができる。
図3は、15ゲージ針を有する編機を使用して作られた、従来技術の裏地の縮尺写真である。写真の明るい領域は糸を示し、暗い領域は糸の間隔を示す。糸の繊維は直径が大きく、糸の間隔もまた相応して大きい。同様に、図4は、18ゲージ針有する編機を使用して作られた、本発明の一側面の裏地の縮尺写真であり、明るい領域は糸を示し、暗い領域は糸の間隔を示す。140デニールである18ゲージ糸は直径がはるかに小さく、編むプロセスは、糸のより小さい間隔をもたらす。これらの写真は、糸の間隔が15ゲージ針、または18ゲージ針の両方の糸の直径の約1倍であることを図解するが、本発明は、軽量で、より可塑性のあるより薄型の手袋を形成するために、221以下のデニール糸を使用する。
図5は、ラテックス層が空洞を備えるときの、その断面、および手袋の上部表面の斜角度の一部を示す、50倍でのゴム手袋のSEM顕微鏡写真を図解する。図はまた、指および掌部分におけるラテックス表面が複数の空洞を備えるような、最大倍率での手袋を示す。指示標識の顕微鏡写真は、0.1mmにそれぞれ分けられた10のドットを有する、1mmの距離を示す。5つのドットまたは0.5mmを示すために、1mmの標識に直接目盛りを描く。この目盛りを使用して、断面の空洞のそれぞれを測定し、それらの面積を空洞のそれぞれの真下に示す。空洞を、300μm、225μm、260μm、360μm、250μm、290μm、300μm、および350μmになるように示す。空洞は、292μmの平均空洞サイズで、ほぼ均等に分布している。このサイズの標準偏差は47μmであり、それは小さいサンプルサイズを反映する。手袋の編み裏地は、顕微鏡写真の下部の下に広がり、グレーのラテックスは裏地の半分以上に浸透するが、完全に浸透しない。ラテックス層の断面は、切り口における空洞の半月形断面を示す。この部分を越えた上部表面の部分は、上部表面の浅い斜角度を示し、ゴム手袋の握り面における空洞のほぼ均等の分布を示す。
詳細にわたり本発明の種々の側面を記載してきたが、かかる詳細に厳密に従う必要はないが、さらなる変更および修正がすべて、追記の請求項によって定義されるような本発明の範囲内で、当業者に提案されてもよいことは理解されるであろう。
図1は、編み裏地の厚みの半分以上を介して浸透するポリマーラテックス層を有する、編み裏地の概略図を示す。 図2は、本発明の一側面に従って使用することができる糸を図解する。 図3は、従来技術の編み裏地を示す、15ゲージ針を使用した編機で製造された手袋の写真である。 図4は、本発明の一側面に従って、18ゲージ針を使用した編機で製造された手袋の写真である。 図5は、ラテックス表面が複数の空洞を備えるような、手袋の断面および上部表面のSEM顕微鏡写真である。

Claims (40)

  1. 221以下のデニールを有する糸から作られた複数の編目を有する編み裏地と、前記編み裏地に接着されるポリマーラテックスコーティングと、
    を含む手袋であって、
    前記ポリマーラテックスコーティングは、前記編み裏地の厚みの半分以上を浸透し、前記編み裏地の少なくとも一部分に対しては、前記ポリマーラテックスコーティングは、前記編み裏地の全厚に浸透せず、
    前記ポリマーラテックスコーティングは、前記編み裏地の厚みの0.75から1.25倍の範囲の厚みを有する、手袋。
  2. 前記編み裏地の肌接触面は、実質的に前記ポリマーラテックスコーティングを含まない、請求項1に記載の手袋。
  3. 前記編み裏地の前記肌接触面は、前記ポリマーラテックスコーティングを約75%以上含まない、請求項2に記載の手袋。
  4. 前記編目の間隔は、前記糸の直径の約1から約3倍である、請求項1に記載の手袋。
  5. 前記糸は、約70から約221の範囲のデニールを有する、請求項1に記載の手袋。
  6. 前記ポリマーラテックスコーティングは、複数の空洞を有する、請求項1に記載の手袋。
  7. 前記複数の空洞は均等に分布している、請求項6に記載の手袋。
  8. 前記複数の空洞の範囲は、約225μmから約350μmのサイズを有する、請求項6に記載の手袋。
  9. 前記編目は18ゲージ針によって形成される、請求項1に記載の手袋。
  10. 前記手袋は、約0.60から約1.14mmの範囲の厚みを有する、請求項1に記載の手袋。
  11. 前記厚みは、約0.70から約0.90mmである、請求項10に記載の手袋。
  12. 前記手袋は軽量である、請求項1に記載の手袋。
  13. 前記手袋は可塑性のある、請求項1に記載の手袋。
  14. 前記手袋は、約5cm未満のクラーク剛度を有する、請求項13に記載の手袋。
  15. 前記ポリマーラテックスコーティングは、天然ゴム、合成ポリイソプレン、スチレンブタジエン、カルボキシル化、または非カルボキシル化アクリロニトリルブタジエン、ポリクロロプレン、ポリアクリル酸、ブチルラバー、水性ポリエステル系ポリウレタンポリエステル系、水性ポリエーテル系ポリウレタン、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の手袋。
  16. 前記ポリマーラテックスコーティングは、カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンを含む、請求項15に記載の手袋。
  17. 前記糸はナイロン66を含む、請求項1に記載の手袋。
  18. 前記ポリマーラテックスコーティングは発泡化される、請求項1に記載の手袋。
  19. 前記ポリマーラテックスコーティングは、体積基準で5%から50%の範囲の空気量を有する、請求項18に記載の手袋。
  20. 前記ポリマーラテックスコーティングは、体積基準で5%から15%の範囲の空気量を有する独立気泡フォームである、請求項19に記載の手袋。
  21. 前記ポリマーラテックスコーティングは、体積基準で15%から50%の範囲の空気量を有する開放気泡フォームである、請求項18に記載の手袋。
  22. 前記ポリマーラテックスコーティングは、前記編み裏地接着表面から遠位の表面上で、水性フッ素系分散コーティング剤でコーティングされる、請求項1に記載の手袋。
  23. 前記ラテックスコーティングは非発泡化され、前記フッ素系分散剤は、前記非発泡化ラテックスコーティングに添加される、請求項22に記載の手袋。
  24. 前記ラテックスコーティングは発泡化され、前記フッ素系分散剤は、前記発泡化ラテックスコーティングに添加される、請求項22に記載の手袋。
  25. 水性フッ素系分散剤の前記コーティングは、約0.5から約2ミクロンの範囲の厚みを有する、請求項22に記載の手袋。
  26. 軽量可塑性手袋を製造するためのプロセスであって、
    a)前記糸の前記直径の1から3倍の糸間隔で編まれた、手袋型の編み裏地を作るステップであって、前期糸は約221以下のデニールを有する、ステップと、
    b)前記編み裏地を、手型のセラミックまたは金属形成機に配置するステップと、
    c)前記形成機および前記編み裏地を、凝固剤液に浸漬するステップと、
    d)前記形成機、および前記凝固剤でコーティングされた編み裏地を引き出すステップと、
    e)前記形成機、および前記凝固剤でコーティングされた編み裏地を、水性ポリマーラテックス乳液を含むタンクに浸漬し、前記ポリマーラテックス乳液が、前記編み裏地の厚さの半分以上に浸透し、前記編み裏地の少なくとも一部分に対しては、前記ポリマーラテックス乳液が前記編み裏地の全厚に浸透しないようにするステップと、
    f)前記凝固剤でコーティングされた編み裏地の表面上、および前記編み裏地の糸の隙間で、前記ポリマーラテックス乳液をゲル化し、ポリマーラテックス乳液のさらなる浸透を防止するための遮断を行うステップと、
    g)前記形成機、およびゲル化ポリマーラテックスコーティング剤でコーティングされた前記編み裏地を引き出すステップと、
    h)前記形成機、およびゲル化ポリマーラテックスコーティング剤でコーティングされた前記編み裏地を、前記ラテックスコーティングを加硫する温度まで加熱し、ポリマーラテックスで硬化されたコーティングに接着される編み裏地で、硬化された手袋を形成するステップと、
    を含む、プロセス。
  27. i)前記硬化された手袋を洗浄するステップをさらに含む、請求項26に記載のプロセス。
  28. 前記手袋型編み裏地を作るステップは、18ゲージ針を備える編機を使用するステップを含む、請求項26に記載のプロセス。
  29. 前記凝固剤液は、2〜10重量%の硝酸カルシウム凝固剤液である、請求項26に記載のプロセス。
  30. 前記水性ポリマーラテックス乳液は、水酸化カリウム、アンモニア、またはスルフォン酸塩によって安定化される、請求項26に記載のプロセス。
  31. 前記水性ポリマーラテックス乳液は、250〜5000センチポイズの範囲の粘度を有する、請求項26に記載のプロセス。
  32. 前記形成機、および前記凝固剤でコーティングされた編み裏地の、前記水性ポリマーラテックス乳液を含むタンクへの前記浸漬の深さは、約0.2cmから約5cmの範囲である、請求項26に記載のプロセス。
  33. 前記水性ポリマーラテックス乳液を発泡化し、発泡化ポリマーラテックスコーティングを生成するステップをさらに含む、請求項26に記載のプロセス。
  34. 前記ポリマーラテックスコーティングは非発泡化され、水性フッ素系分散コーティング剤を、前記非発泡化ゲル化ポリマーラテックスコーティング上にコーティングするステップをさらに含む、請求項26に記載のプロセス。
  35. 水性フッ素系分散コーティング剤を、前記発泡化ポリマーラテックスコーティング上にコーティングするステップをさらに含む、請求項33に記載のプロセス。
  36. 水性フッ素系組成物は、加硫前に前記ゲル化ポリマーラテックスに添加される、請求項26に記載のプロセス。
  37. 前記水性フッ素系組成物は、加硫前に前記ゲル化発泡化ポリマーラテックスに添加される、請求項34に記載のプロセス。
  38. 前記形成機、および前記編み裏地を凝固剤液中に浸すステップの前に、前記編み裏地の糸の隙間を遮断するために、前記編み裏地に遮断物質のコーティング剤を添加するステップをさらに含む、請求項26に記載のプロセス。
  39. 前記遮断剤は、PVA、ワックス、および溶剤型ポリウレタンから成る群から選択される、請求項38に記載のプロセス。
  40. ステップf)後にゲル化される前記ラテックス層は、第2のラテックス層を形成するために、水性ラテックス乳液に浸漬され、空洞を生成し前記第2の層をゲル化するために流動塩浴槽での処理を行うが、それは塩を除去するために洗浄され、ラテックスの前記第2の層に空洞を生成する、請求項26に記載のプロセス。
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