JPWO2018174068A1 - 積層体 - Google Patents

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Abstract

基材と、重合体ラテックスから形成される重合体層とを備える積層体であって、前記重合体層は、一部が、前記基材に浸透した状態で前記基材を被覆しており、前記重合体層のうち、前記基材に浸透した部分である浸透重合体層の、前記基材の表面からの厚みをt1とし、前記基材を被覆する部分である表面重合体層の、前記基材の表面からの厚みをt2とした場合に、前記表面重合体層の厚みt2に対する前記浸透重合体層の厚みt1の比(t1/t2)が、0.15〜5.0であり、前記基材に前記重合体層が積層された部分におけるヤング率が、800kPa以下である積層体を提供する。

Description

本発明は、基材と、重合体ラテックスから形成される重合体層とを備える積層体に関する。また、本発明は、このような積層体や、このような積層体を形成するための膜成形体の柔軟性を測定するための方法にも関する。
従来、工場での製造作業、軽作業、工事作業、農作業等の様々な用途で、繊維製手袋をゴムや樹脂等により被覆することで、耐溶剤性、グリップ性、耐摩耗性等を向上させた保護手袋が用いられている。
このような保護手袋は、通常、人体と接触して使用されるものであるため、耐摩耗性などの機械的強度や耐久性に優れていることに加え、柔軟性に優れていることが求められている。
一方で、このような保護手袋は、柔軟性を定量的に測定することが困難であり、そのため、柔軟性を評価するためには、実際に手袋形状のサンプルを作製し、複数の被験者に実際に装着してもらい、軽作業を行ってもらうことで、使用感(柔らかさ)を確かめてもらう必要があり、柔軟性の評価に時間や手間が掛かるという課題があった。
これに対し、たとえば、特許文献1では、保護手袋からサンプルを採取し、採取したサンプルに対し、曲げ試験機を用いて曲げ剛性の測定を行うことで柔軟性を評価しているものの、曲げ剛性の結果と、実際に装着した場合における使用感(柔らかさ)との相関が低く、柔軟性を適切に評価できているとは言い難いものであった。したがって、従来においては、保護手袋などの積層体のように厚みの薄い試料について、柔軟性を適切に評価することができない状況にあったため、どのような積層体を製造すれば柔軟性に優れたものとなるかが明らかにされておらず、実際に柔軟性に優れる積層体を製造することは、困難であった。
国際公開第2012/070576号
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、柔軟性に優れた積層体を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、基材と、重合体ラテックスから形成される重合体層とを備える積層体において、重合体層のうち基材に浸透した部分の厚みと、重合体層のうち基材の表面を被覆する部分の厚みとを、所定の状態となるように制御し、さらに、基材に重合体層が積層された部分における積層体のヤング率を特定の範囲に制御することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、基材と、重合体ラテックスから形成される重合体層とを備える積層体であって、前記重合体層は、一部が、前記基材に浸透した状態で前記基材を被覆しており、前記重合体層のうち、前記基材に浸透した部分である浸透重合体層の、前記基材の表面からの厚みをtとし、前記基材を被覆する部分である表面重合体層の、前記基材の表面からの厚みをtとした場合に、前記表面重合体層の厚みtに対する前記浸透重合体層の厚みtの比(t/t)が、0.15〜5.0であり、前記基材に前記重合体層が積層された部分におけるヤング率が、800kPa以下である積層体が提供される。
本発明の積層体において、前記浸透重合体層の厚みtが、0.05〜0.6mmであることが好ましい。
本発明の積層体において、前記重合体層を形成するための重合体ラテックスが、揮発分を除去して膜成形体とした場合における該膜成形体のヤング率が10,000kPa以下であることが好ましい。
本発明の積層体において、前記重合体層を形成するための重合体ラテックスが、重合体として、共役ジエン単量体単位の含有割合が52〜78重量%である共役ジエン系ゴムを含有することが好ましい。
本発明の積層体において、前記重合体層を形成するための重合体ラテックスが、重合体として、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が20〜40重量%である共役ジエン系ゴムを含有することが好ましい。
本発明の積層体において、前記重合体層を形成するための重合体ラテックスが、重合体として、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位の含有割合が2〜10重量%である共役ジエン系ゴムを含有することが好ましい。
また、本発明においては、ゴムの膜成形体またはゴム層を有する積層体の柔軟性を測定する方法であって、前記膜成形体または前記積層体に対し、所定の押込荷重で圧子を押し込み、前記圧子を押し込んだ際の、押込荷重と、押し込みによる変位とに基づいて、柔軟性を測定する、ゴムの膜成形体またはゴム層を有する積層体の柔軟性の測定方法が提供される。
本発明の測定方法において、異なる複数の押込荷重で圧子を押し込んだ際の、押込荷重と、押し込みによる変位とに基づいて、柔軟性を測定することが好ましい。
本発明の測定方法において、前記圧子を押し込んだ際の、押込荷重と、押し込みによる変位とに基づいて、前記膜成形体または前記積層体のヤング率を求めることが好ましい。
本発明の測定方法において、前記膜成形体または前記積層体が、人体に接触して使用されるものであることが好ましい。
本発明によれば、柔軟性に優れた積層体を提供することができる。
図1(A)は、重合体層を形成する前の繊維基材の断面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す繊維基材に重合体層が積層されてなる積層体の断面図である。 図2は、本発明の測定方法に用いることができる押込試験装置20の一例を示す図である。 図3は、測定試料10に対する押込荷重と、測定試料10の押し込みによる変位との関係を示す特性曲線である。 図4は、膜成形体のヤング率、および保護手袋のヤング率の測定結果を、官能性試験の結果と対応付けてプロットして示したグラフである。 図5は、ヤング率、および曲げ試験の結果を、官能性試験の結果と対応付けてプロットして示したグラフである。
本発明の積層体は、基材と、重合体ラテックスから形成される重合体層とを備える積層体であって、
前記重合体層は、一部が、前記基材に浸透した状態で前記基材を被覆しており、
前記重合体層のうち、前記基材に浸透した部分である浸透重合体層の、前記基材の表面からの厚みをtとし、前記基材を被覆する部分である表面重合体層の、前記基材の表面からの厚みをtとした場合に、前記表面重合体層の厚みtに対する前記浸透重合体層の厚みtの比(t/t)が、0.15〜5.0であり、
前記基材に前記重合体層が積層された部分におけるヤング率が、800kPa以下である。
<積層体>
本発明の積層体は、基材と重合体層とを備える。本発明の積層体は、柔軟性が必要とされる用途に用いることができ、特に限定されないが、たとえば、基材として繊維基材を用いて、繊維基材と重合体層とを備える積層体として用いることが好ましく、作業用手袋、特に家庭用、農業用、漁業用および工業用などの保護手袋などの人体と接触して用いられるものとして用いることが特に好ましい。
以下においては、重合体層を有する積層体として、保護手袋などの人体と接触して用いられる、繊維基材と重合体層とを有する積層体を例示して説明する。
繊維基材としては、繊維製のものであればよく、特に限定されないが、綿、毛、麻、羊毛などの天然繊維、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、ナイロンなどの合成繊維などを素材として用いることができ、これらの中でも、ナイロンを用いることが好ましい。また、繊維基材は、編まれたものであってもよいし、縫製されたものであってもよく、織布であっても、不織布であってもよい。
繊維基材の厚み(後述する繊維基材の基材層平均厚みd)は、特に限定されないが、好ましくは0.05〜3.00mm、より好ましくは0.10〜2.00mm、さらに好ましくは0.15〜1.5mmである。繊維基材の線密度は、特に限定されないが、好ましくは50〜500デニールである。繊維基材のゲージ数は、特に限定されないが、好ましくは7〜18ゲージである。ここで、ゲージ数は、1インチの間にある編機の針の数をいう。
本発明の積層体は、たとえば、このような繊維基材に、凝固剤溶液を付着させた後、凝固剤溶液が付着した繊維基材に、重合体を含有する重合体ラテックスを接触させて重合体ラテックス中の重合体を凝固させることで、繊維基材上に重合体層を形成することにより得ることができる。この際においては、繊維基材に付着した凝固剤溶液は、繊維基材を構成する繊維の間に浸透する。そして、この状態で、凝固剤溶液が浸透した繊維基材に重合体ラテックスを接触させると、重合体ラテックスは一部が繊維基材を構成する繊維の間に浸透して中の重合体が凝固されることにより、図1(A)および図1(B)に示すように、繊維基材の表面上に重合体層が形成されるとともに、重合体層の一部が繊維基材を構成する繊維の隙間まで浸透したものとなる。なお、図1(A)は、重合体層を形成する前の繊維基材の断面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す繊維基材に重合体層が積層されてなる積層体の断面図である。
なお、前記の重合体ラテックス中の重合体を凝固させて形成される重合体層は、前記方法を複数回実施することで多層積層構造としてもよい。
図1(B)に示す積層体においては、重合体層は、一部が、繊維基材を構成する繊維の間に浸透した状態で繊維基材を被覆している。また、図1(B)においては、積層体を構成する重合体層のうち、繊維基材の表面から繊維の隙間に浸透した部分を浸透重合体層とし、また、重合体層のうち、繊維基材の表面から繊維基材を被覆する部分を表面重合体層として示している。なお、以下においては、重合体層を、適宜、浸透重合体層および表面重合体層からなるものとして説明するが、通常、これら浸透重合体層および表面重合体層は、一体として形成されることとなる。
本発明の積層体においては、表面重合体層の厚みtに対する浸透重合体層の厚みtの比(t/t)は、0.15〜5.0であればよく、耐久性、柔軟性および装着時の快適性を高度にバランスさせるという観点より、好ましくは0.2〜0.5、より0.25〜4.80、さらに好ましくは0.30〜4.60である。また、浸透重合体層の厚みtは、積層体を保護手袋等として用いた際の耐久性の観点より、好ましくは0.05〜0.6mmであり、より好ましくは0.10〜0.55mm、さらに好ましくは0.10〜0.50mmである。浸透重合体層の厚みtを、上記範囲とすることにより、積層体を保護手袋等として用いた際の耐久性をより適切に高めることができる。また、表面重合体層の厚みtは、積層体を保護手袋等として用いた際の耐久性の観点より、好ましくは0.01〜3.00mm、より好ましくは0.02〜2.5mm、さらに好ましくは0.03〜2.0mmである。
また、積層体を保護手袋等として用いた際の耐久性、柔軟性および装着時の快適性を高度にバランスさせるという観点より、繊維基材の基材層平均厚みdに対する浸透重合体層の厚みtの比(t/d)は、好ましくは0.1〜0.95であり、より好ましくは0.1〜0.9、さらに好ましくは0.15〜0.8である。また、積層体の全厚み(表面重合体層の厚みtと、繊維基材の基材層平均厚みdとの合計)は、好ましくは0.75〜3.70mm、より好ましくは0.75〜3.5mmである。なお、繊維基材は、そのミクロ構造においては、繊維の重なり度合いが密になっている部分と、繊維の重なり度合いが疎になっている部分とで、その厚みが異なる場合があるが、繊維基材の基材層平均厚みdは、繊維基材について、繊維の重なり度合いが密になっている部分の厚みを、その厚みとした平均値として、求めることとする。
また、本発明の積層体を得るために用いる重合体ラテックスを構成する重合体としては、特に限定されないが、天然ゴム;ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンを重合または共重合してなる共役ジエン系ゴム;等が挙げられ、これらの中でも、共役ジエン系ゴムが好ましい。共役ジエン系ゴムとしては、ニトリルを共重合してなるいわゆるニトリルゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム等が挙げられ、これらの中でも、ニトリルゴムが特に好ましい。
ニトリルゴムとしては、特に限定されないが、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体および必要に応じて用いられる共重合可能なその他の単量体を共重合したものを用いることができる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、特に限定されないが、ニトリル基を有し、炭素数が、好ましくは3〜18であるエチレン性不飽和化合物を用いることができる。このようなα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ハロゲン置換アクリロニトリルなどが挙げられ、これらの中でも、アクリロニトリルが特に好ましい。なお、これらのα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体は、1種単独用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ニトリルゴムにおけるα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは10〜45重量%、より好ましくは20〜40重量%、さらに好ましくは21〜38重量%、特に好ましくは22〜37重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合を上記範囲にすることにより、積層体を、耐溶剤性に優れ、かつ、風合いに優れたものとすることができる。
また、ニトリルゴムとしては、ゴム弾性を付与し、かつ、得られる積層体の重合体層にクラックが発生してしまうことをより有効に防止することができるという観点より、共役ジエン単量体単位を含有するものが好ましい。共役ジエン単量体単位を形成する共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレンなどの炭素数4〜6の共役ジエン単量体が好ましく、1,3−ブタジエンおよびイソプレンがより好ましく、1,3−ブタジエンが特に好ましい。なお、これらの共役ジエン単量体は、1種単独用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン単量体単位の含有割合は、ニトリルゴムを構成する全単量体単位に対して、好ましくは40〜80重量%、より好ましくは52〜78重量%、さらに好ましくは54〜76重量%、特に好ましくは56〜74重量%である。共役ジエン単量体単位の含有割合を上記範囲にすることにより、積層体を、耐溶剤性に優れ、かつ、風合いに優れたものとすることができる。
また、ニトリルゴムは、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成する単量体、および共役ジエン単量体単位を形成する単量体と共重合可能なその他のエチレン性不飽和酸単量体を含んでいてもよい。
このような共重合可能なその他のエチレン性不飽和酸単量体としては、特に限定されないが、たとえば、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、スルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体、リン酸基含有エチレン性不飽和単量体などが挙げられる。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、特に限定されないが、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸およびその無水物;マレイン酸メチル、イタコン酸メチル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;などが挙げられる。
スルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体としては、特に限定されないが、ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、2−アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などが挙げられる。
リン酸基含有エチレン性不飽和単量体としては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−リン酸プロピル、(メタ)アクリル酸−2−リン酸エチル、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンリン酸などが挙げられる。
これらの共重合可能なその他のエチレン性不飽和酸単量体は、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩として用いることもでき、また、1種単独用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記の共重合可能なその他のエチレン性不飽和酸単量体のなかでも、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体が好ましく、エチレン性不飽和モノカルボン酸がより好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。
エチレン性不飽和酸単量体の単位の含有割合は、好ましくは2〜10重量%、より好ましくは2.5〜9.0重量%、さらに好ましくは3.0〜8.0重量%である。
重合体ラテックスは、たとえば、上記の単量体を含有してなる単量体混合物を乳化重合することにより得ることができる。乳化重合に際しては、通常用いられる、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤等の重合副資材を使用することができる。
また、本発明の積層体を得るために用いる重合体ラテックスとしては、柔軟性に優れた積層体を好適に得ることができるという点より、揮発分を除去して膜成形体とした場合における膜成形体のヤング率が10,000kPa以下であるものを用いることが好ましい。この場合における、膜成形体のヤング率は、10,000kPa以下であればよいが、好ましくは9,500kPa以下、より好ましくは9,000kPa以下、さらに好ましくは8,000kPa以下、特に好ましくは7,000kPa以下である。ヤング率を上記範囲とすることにより、得られる積層体の柔軟性をより適切に高めることができる。なお、上記の膜成形体のヤング率の下限は、特に限定されないが、通常0.01kPa以上、好ましくは0.02kPa以上である。
重合体ラテックスとして、揮発分を除去して膜成形体とした場合における膜成形体のヤング率が10,000kPa以下であるものを用いる場合における、ヤング率を、上記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、重合体ラテックスを構成する重合体の種類および組成を上記した範囲において調整する方法、重合体ラテックスに添加する増粘剤の種類および量を調整する方法などが挙げられる。
たとえば、重合体ラテックスを共役ジエン系ゴムのラテックスとする場合には、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を、好ましくは20〜40重量%、より好ましくは21〜38重量%、さらに好ましくは22〜37重量%の範囲で含有し、かつ、共役ジエン単量体単位を、好ましくは52〜78重量%、より好ましくは54〜76重量%、さらに好ましくは56〜74重量%の範囲で含有するものとすることが好ましく、これらに加えて、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の単位を、好ましくは2〜10重量%、より好ましくは2.5〜9.0重量%、さらに好ましくは3.0〜8.0重量%の範囲で含有するものとすることが特に好ましい。なお、この場合において、各単量体単位を構成する単量体としては、上述したものを用いることができる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、揮発分を除去して膜成形体とした場合におけるヤング率をより低下させることができ、これにより、得られる積層体の柔軟性をより適切に向上させることができる。また、共役ジエン単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、重合体ラテックス中にゲルが発生してしまうことをより有効に抑制することができ、これにより、重合体ラテックスにより重合体層を形成した際における、このようなゲルの発生に起因して重合体層が不均一な膜になってしまうことを防止し、得られる積層体について、重合体層にクラックが発生してしまうことをより有効に防止することができ、外観に優れたものとすることができるとともに、積層体を、耐溶剤性に優れ、かつ、風合いに優れたものとすることができる。さらに、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の単位を上記含有割合にて含有させることにより、揮発分を除去して膜成形体とした場合におけるヤング率をより低下させることができ、これにより、得られる積層体の柔軟性をより適切に向上させることができる。
また、重合体ラテックスとしては、重合体ラテックスを構成する重合体のメチルエチルケトン不溶解分量が、好ましくは90重量%以下、より好ましくは85重量%以下、さらに好ましくは80重量%以下のものを用いることが好ましい。メチルエチルケトン不溶解分量を上記範囲にすることにより、重合体ラテックス中にゲルが発生してしまうことをより有効に抑制することができ、これにより、重合体ラテックスにより重合体層を形成した際における、このようなゲルの発生に起因して重合体層が不均一な膜になってしまうことを防止し、得られる積層体について、重合体層にクラックが発生してしまうことをより有効に防止することができ、外観により優れたものとすることができる。なお、メチルエチルケトン不溶解分量は、たとえば、次の方法により測定することができる。すなわち、まず、重合体ラテックス中に含まれる重合体のフィルムを得て、メチルエチルケトンへの浸漬前の乾燥フィルムの重量(W1)を測定しておき、該フィルムを、80メッシュのかご状金網に入れた状態にて、室温下において、メチルエチルケトン中に24時間浸漬させる。次いで、浸漬後のフィルムを105℃で乾燥することによりメチルエチルケトンを除去することで、乾燥フィルムを得て、浸漬後の乾燥フィルムの重量(W2)を測定する。そして、得られた測定結果に基づいて、下記式により算出することができる。
メチルエチルケトン不溶解分量(単位:重量%)=(浸漬後の乾燥フィルムの重量(W2)/浸漬前の乾燥フィルムの重量(W1))×100
また、重合体ラテックスとしては、架橋剤や増粘剤等の配合剤を配合したものを用いてもよい。すなわち、重合体ラテックスとしては、架橋剤や増粘剤等の配合剤を配合して、ラテックスの組成物として用いてもよい。この場合において、重合体ラテックスとして、揮発分を除去して膜成形体とした場合における膜成形体のヤング率が10,000kPa以下であるものを用いる場合には、ラテックス組成物について、揮発分の除去を行い、膜成形体とした場合における膜成形体のヤング率が10,000kPa以下であるものとすればよい。
架橋剤としては、硫黄系架橋剤を用いることが好ましい。硫黄系架橋剤としては、特に限定されないが、粉末硫黄、硫黄華、沈降性硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などの硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド、カプロラクタムジスルフィド、含リンポリスルフィド、高分子多硫化物などの含硫黄化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどの硫黄供与性化合物;などが挙げられる。これらの架橋剤は、1種単独用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、架橋剤として硫黄を使用する場合には、架橋促進剤(加硫促進剤)や、酸化亜鉛を併用することが好ましい。
架橋促進剤(加硫促進剤)としては、特に限定されないが、たとえば、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ−2−エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などのジチオカルバミン酸類およびそれらの亜鉛塩;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチオ・カルバイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホリニル−2−ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3−ビス(2−ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリアなどが挙げられ、これらの中でも、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛が好ましい。これらの架橋促進剤は、1種単独用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、重合体ラテックスには、その粘度を調整し、これにより、浸透重合体層の厚みt、および表面重合体層の厚みtを制御するという観点より、増粘剤を配合してもよい。増粘剤としては、特に限定されないが、たとえば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル系化合物;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体;ポリカルボン系酸化合物およびそのナトリウム塩;ポリエチレングリコールエーテル等のポリオキシエチレン誘導体;等が挙げられる。
重合体ラテックスに増粘剤を配合する場合には、使用する増粘剤の1%粘度は、好ましくは20mPa・s以上、より好ましくは50mPa・s以上、さらに好ましくは200mPa・s以上である。なお、増粘剤の1%粘度は、増粘剤を水に溶解させて濃度1重量%の水溶液とし、25℃にてB型粘度計を使用し回転数10rpmの条件で粘度を測定することにより、求めることができる。増粘剤の1%粘度を上記範囲とすることにより、重合体ラテックス中にゲルが発生し、このゲルに起因して、得られる積層体の重合体層の表面に粒子が発生してしまうことによる外観の不良をより有効に抑制することができ、しかも、増粘剤の使用量を少なくすることができるようになるため、増粘剤の使用量が増加することによる、得られる積層体の重合体層の硬化をより有効に抑制することができるようになる。
また、重合体ラテックスに増粘剤を配合する場合には、使用する増粘剤を水に溶解させた際における不溶成分の粒径は、好ましくは30μm以下、より好ましくは28μm以下、さらに好ましくは25μm以下である。増粘剤の不溶成分の粒径を上記範囲とすることにより、得られる積層体の重合体層の表面に粒子が発生してしまうことによる外観の不良をより有効に抑制することができるようになる。
重合体ラテックスに増粘剤を配合する場合には、重合体ラテックス中における増粘剤の含有割合は、好ましくは0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.1〜4.0重量%、さらに0.1〜3.0重量%である。増粘剤の含有割合を上記範囲とすることにより、重合体ラテックスの粘度をより適度なものとすることができる。
重合体ラテックスに増粘剤に添加する方法としては、特に限定されないが、重合体ラテックスとして架橋剤を添加したものを用いる場合には、重合体ラテックス中に凝集物が発生してしまうことを防止し、重合体ラテックスの移送をより良好に行うことができるようになるという観点より、重合体ラテックスの熟成後に増粘剤を添加する方法、または重合体ラテックスの熟成前に一部の増粘剤を添加した後、熟成後にさらに増粘剤を添加する方法を用いることが好ましく、重合体ラテックスの熟成後に増粘剤を添加する方法が特に好ましい。
本発明の積層体を製造する方法としては、特に限定されないが、たとえば、以下の方法を用いることができる。
すなわち、繊維基材と重合体層とを有する積層体は、たとえば、繊維基材に凝固剤溶液を付着させ、次いで、凝固剤溶液を付着させた繊維基材に、重合体ラテックスを接触させて重合体を凝固させることで、繊維基材上に重合体層を形成することにより、繊維基材と重合体層からなる積層体を得る方法を用いることができる。また、重合体層形成後、複数回積層させた多層構造であっても良い。繊維基材に重合体ラテックスを付着させる方法としては、特に限定されないが、たとえば、繊維基材を、重合体ラテックスに浸漬させる方法などが挙げられる。
なお、繊維基材に凝固剤溶液を付着させる際には、予め繊維基材を所望の形状の成形用型に被せた状態で、繊維基材を凝固剤溶液に浸漬させることが好ましく、その後、凝固剤溶液を付着させた繊維基材を、重合体ラテックスを浸漬させることが好ましい。繊維基材を被せる成形用型としては、特に限定されないが、材質は磁器製、ガラス製、金属製、プラスチック製など種々のものを用いることができる。成形用型の形状は、最終製品の形状に合わせて、所望の形状とすればよい。たとえば、重合体層を有する積層体が、保護手袋である場合には、繊維基材を被せる成形用型として、手首から指先までの形状を有する成形用型など、各種の手袋用の成形用型を用いることが好ましい。
凝固剤溶液を繊維基材に付着させた後、乾燥を行うことで、凝固剤溶液に含まれている溶媒を除去することが好ましい。この際の乾燥温度は、特に限定されず、用いる溶媒に応じて選択すればよいが、好ましくは10〜80℃、より好ましくは15〜70℃である。また、乾燥時間は、特に限定されないが、好ましくは1〜600秒間、より好ましくは5〜300秒間である。
次いで、このようにして凝固剤溶液を付着させた繊維基材に、重合体ラテックスを接触させることで、重合体ラテックス中の重合体を凝固させて、繊維基材上に重合体層を形成する。
凝固剤溶液が付着した繊維基材に重合体ラテックスを接触させる方法としては、特に限定されないが、たとえば、凝固剤溶液が付着した繊維基材を、重合体ラテックスに浸漬させる方法などが挙げられる。
また、凝固剤溶液が付着した繊維基材を重合体ラテックスに浸漬させる際には、凝固剤溶液が付着した繊維基材を、所望の形状の成形用型に被せた状態で、重合体ラテックスに浸漬させることが好ましい。この際においては、予め繊維基材を所望の形状の成形用型に被せた状態で、上述したように繊維基材に凝固剤溶液を付着させて、その後、凝固剤溶液が付着した繊維基材を、成形用型に被せたまま、重合体ラテックスに浸漬させることが好ましい。なお、重合体ラテックスとして、架橋剤を添加したものを用いる場合には、重合体ラテックスとして、予め熟成(前加硫ともいう。)させたものを用いてもよい。
また、凝固剤溶液が付着した繊維基材を重合体ラテックスに浸漬させた後、乾燥を行うことが好ましい。この際における乾燥温度は、特に限定されないが、好ましくは10〜80℃、より好ましくは15〜80℃である。また、乾燥時間は、特に限定されないが、好ましくは5秒間〜120分間、より好ましくは10秒間〜60分間である。
さらに、繊維基材を重合体ラテックス浸漬させ、乾燥した後に、さらに重合体ラテックスを浸漬させ、複数回積層させた多層構造としてもよい。
また、重合体ラテックスに架橋剤を配合した場合には、必要に応じて、加熱することにより架橋させてもよい。
さらに、繊維基材を成形用型に被せた状態で重合体層を形成した場合には、重合体層が形成された繊維基材を、成形用型から脱着することによって、積層体を得ることができる。脱着方法としては、手で成形用型から剥したり、水圧や圧縮空気の圧力により剥したりする方法を採用することができる。
このようにして、重合体層を有する積層体の一例としての、繊維基材と重合体層とを有する積層体を得ることができる。
本発明の積層体は、基材に重合体層が積層された部分におけるヤング率(すなわち、基材に重合体層が積層された箇所にて、基材と重合体層とに対して測定を行うことにより得られるヤング率)が、800kPa以下であり、好ましくは750kPa以下、より好ましくは700kPa以下、さらに好ましくは600kPa以下、特に好ましくは500kPa以下である。ヤング率を上記範囲とすることにより、得られる積層体について、保護手袋等として用いた場合に、顕著に柔軟性に優れたものとすることができる。なお、積層体における、基材に重合体層が積層された部分におけるヤング率の下限は、特に限定されないが、通常0.01kPa以上、好ましくは0.02kPa以上である。
特に、従来においては、保護手袋などの積層体のような厚みの薄い試料について、柔軟性を適切に評価することができない状況にあったため、どのような積層体を製造すれば、柔軟性に優れたものとなるかが明らかにされていない状況にあった。これに対して、本発明者等は、保護手袋などの積層体のような厚みの薄い試料について、後述する方法により、適切にヤング率を測定することができる方法を見出し、さらに、このようにして測定されたヤング率が、積層体の柔軟性と高い相関があるとの知見を得た。本発明は、このような知見に基づいて、積層体について、基材に重合体層が積層された部分におけるヤング率を上記範囲に制御することにより、顕著に柔軟性に優れた積層体を得ることができるものである。
本発明の積層体における、基材に重合体層が積層された部分におけるヤング率を、上記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、重合体ラテックスを構成する重合体の種類および組成を調整する方法、重合体ラテックスに添加する増粘剤の種類および量を調整する方法、および表面重合体層の厚みtに対する浸透重合体層の厚みtの比(t/t)をそれぞれ上記範囲に制御する方法などが挙げられる。また、重合体ラテックスとして、揮発分を除去して膜成形体とした場合における膜成形体のヤング率が10,000kPa以下であるものを用いる方法も好適である。
<ヤング率の測定方法>
次いで、本発明の積層体のヤング率を測定する方法について、説明する。
本発明の積層体のヤング率は、重合体層を有する積層体に対し、所定の押込荷重で圧子を押し込み、圧子を押し込んだ際の、押込荷重と、押し込みによる変位とに基づいて、測定することができる。この方法により測定されるヤング率は、柔軟性を示す指標となるため、本方法によれば、本発明の積層体などのゴム層を有する積層体の柔軟性を測定できるものである。
以下においては、本発明の積層体のヤング率の測定方法について説明するが、重合体ラテックスを用いて得られる膜成形体のヤング率(すなわち、重合体ラテックスを用いて得られる膜成形体などのゴムの膜成形体の柔軟性)についても、同様にして測定できるものである。
本発明のヤング率の測定においては、重合体層を有する積層体に対し、少なくとも1つの押込荷重にて圧子を押し込み、少なくとも1つの押込荷重で圧子を押し込んだ際の、押込荷重と、押し込みによる変位とに基づいて、ヤング率を測定すればよいが、ヤング率をより適切に測定できるという観点より、異なる複数の押込荷重で圧子を押し込み、異なる複数の押込荷重で押し込んだ際の、押込荷重と、これに対応する押し込みによる変位とに基づいて、ヤング率を測定することが好ましい。
図2は、ヤング率の測定に用いることができる押込試験装置20の一例を示す図である。以下においては、図2に示す押込試験装置20を用いた場合における、ヤング率の測定方法を例示して説明するが、ヤング率の測定方法は、図2に示す押込試験装置20を用いる方法に特に限定されるものではない。
図2に示す押込試験装置20は、測定台21上に、ヤング率の測定の対象となる測定試料10を載置するための吸引台30を備え、測定台21および吸引台30の上方に、球状圧子29を保持する支持アーム22が設けられている。また、支持アーム22には、水平アーム23が設けられており、水平アーム23に設けられた水平駆動機構により、球状圧子29が、測定台21および吸引台30の面内方向、すなわち、図中のX方向およびY方向(紙面に垂直な方向)に移動可能となっている。これにより、押込試験装置20は、測定試料10の様々な個所について試験を行うことができるものである。
そして、押込試験装置20には、粗動用垂直可動機構24、および微動用垂直可動機構25を介して、ステージ26が、図中のZ方向に可動可能に設けられている。また、ステージ26には、ロードセル27、および荷重軸28を介して、球状圧子29が接続されている。なお、粗動用垂直可動機構24は、たとえば、ボールナットによる可動機構を備えるものとすることができ、モータの回転により、ステージ26を図中のZ方向に可動可能なものとすることができる。また、微動用垂直可動機構25は、たとえば、可動機構としてボイスコイルモータを備えるものとするこができ、ステージ26を細かなピッチで精度良く、Z方向に可動できるものとすることができる。
そして、押込試験装置20によれば、粗動用垂直可動機構24によりステージ17を介して球状圧子29を、測定試料10に接近させた後、微動用垂直可動機構25のよりステージ26を介して球状圧子29を、細かなピッチで精度良く測定試料10に押し込むことができる。また、この際における、押込荷重をロードセル27により検出可能となっている。さらに、微動用垂直可動機構25は、たとえば、レーザーを使用した光学的な位置検出機構などを備えており、これにより高い精度で、測定試料10に対する、押込み量、すなわち測定試料10の押し込みによる変位(厚み方向における変位)を検出可能となっている。
そして、このような押込試験装置20を用いた具体的な測定方法について説明すると、まず、ヤング率の測定対象となる積層体について、基材に重合体層が積層されている部分を、必要に応じて、適切なサイズに加工することで測定試料10とし、測定試料10を吸引台30上に載置する。なお、吸引台30は、その表面において、測定箇所(すなわち、球状圧子29が当接する箇所)の近傍に、複数の吸引孔が形成されており、不図示の吸引ポンプと接続されることで、複数の吸引孔より、測定試料10を吸引により固定することのできるものである。本発明においては、このように吸引により固定しながら測定を行うことで、高精度に測定を行うことができるものである。特に、測定対象である積層体は、吸引による固定を行わずに測定を行うと、測定中に、試料のたるみなどが発生してしまい、良好に測定を行うことができない場合が多い。これに対し、吸引により固定しながら測定を行うことで、このような不具合の発生を有効に防止することができ、これにより、高精度な測定を実現できるものである。なお、積層体の測定を行う際には、吸引台30による吸引を適切に行うために、測定面と反対の面のうち、吸引台30の複数の吸引孔に対応する部分に、樹脂テープを貼り付けた状態とした上で、吸引台30上に載置して測定を行うことが好ましい。
次いで、粗動用垂直可動機構24によりステージ26を介して球状圧子29を駆動させ、球状圧子29を、吸引台30上に吸引により固定させた測定試料10の表面近傍まで移動させる。その後、微動用垂直可動機構25のよりステージ26を介して球状圧子29を、細かなピッチで測定試料10に徐々に押し込み、この際における、ロードセル27により検出された測定試料10に対する押込荷重と、微動用垂直可動機構25に備えられた位置検出機構により検出された押込み量、すなわち測定試料10の押し込みによる変位とを、連続的に検出することで、たとえば、図3に示すような、測定試料10に対する押込荷重と、測定試料10の押し込みによる変位との関係を示す特性曲線を得ることができる。
なお、具体的な測定条件としては、球状圧子29としては、たとえば、SUS製のものを用いることができ、その直径は、好ましくは40mm以下、より好ましくは20mm以下である。また、測定時の押込速度は、0.1〜10mm/sとすることが好ましく、0.1〜2mm/sとすることがより好ましく、測定における最大荷重は、0.5〜50Nとすることが好ましく、0.5〜20Nとすることがより好ましい。
そして、測定により得られた、図3に示す測定試料10に対する押込荷重と、測定試料10の押し込みによる変位との関係を示す特性曲線に基づいて、測定試料10のヤング率を求めることができる。以下、測定試料10のヤング率の算出方法について説明する。
まず、測定試料10に対して、十分に硬い球状圧子29を押込む場合、球状圧子29の押し込みに係る押込荷重Fと押込量(すなわち、測定試料10の変位)δとの関係は、Hertzの弾性接触理論によって、下記式(1)により示される。
Figure 2018174068
Figure 2018174068
上記式(1)、(2)中、φは球状圧子29の直径、Eは測定試料10のヤング率、vは測定試料10のポアソン比である。また、αは測定試料10の柔軟性を表す係数であり、以下においては、柔軟性係数とする。
そして、図3に示す測定試料10に対する押込荷重と、測定試料10の押し込みによる変位との関係を示す特性曲線を使用して、最小二乗法等により柔軟性係数αを求めることができ、さらに、上記式(2)を変形することにより得られる下記式(3)により、測定試料10のヤング率Eを求めることができる。
Figure 2018174068
その一方で、測定対象としての測定試料10は、本発明の積層体であり、これらは、上述した通り、その厚みが薄いものであることから、球状圧子29を押し込んだ際に、押し込みに伴う押込荷重の増加が顕著となるため、Hertzの弾性接触理論による上記式(1)を精度良く適用できない場合が多い。そのため、このように厚みが薄い場合には、下記式(4)を適用することが好ましく、このような式(4)を使用することにより、球状圧子29の押し込みに係る押込荷重Fと押込量(すなわち、測定試料10の変位)δとの関係を適切に表現できるものである。
Figure 2018174068
上記式(4)中、βは、測定試料10の薄さが荷重へ与える影響を表す係数である。そのため、本発明においては、測定試料10が、本発明の積層体のように厚みの薄い試料である場合でも、上述した方法にしたがって、図3に示す測定試料10に対する押込荷重と、測定試料10の押し込みによる変位との関係を示す特性曲線を使用して、荷重へ与える影響を表す係数β、および柔軟性係数αを求めることができ、さらに、上記式(4)より、測定試料10のヤング率Eを求めることができる。
なお、上記においては、本発明の積層体のヤング率の測定方法について説明したが、重合体ラテックスとして、揮発分を除去して膜成形体とした場合における膜成形体のヤング率が10,000kPa以下であるものを用いる場合において、該膜成形体のヤング率を測定する際にも、上記方法を用いればよい。すなわち、重合体ラテックスの揮発分を、加熱などの公知の方法により除去し、膜成形体を得て、得られた膜成形体について上記方法にしたがって、ヤング率の測定を行えばよい。ここで作製する膜成形体の厚みは、従来の方法ではヤング率の測定が困難であった薄さ、具体的には、通常3.0mm以下であり、好ましくは2.5mm以下とすることができる。従来においては、重合体ラテックスから得られる固形分についても、固形分がバルク(塊)の状態であれば、ヤング率を測定することができたものの、重合体ラテックスを膜成形体のような薄い試料とした場合には、ヤング率を測定することが困難であった。これに対し、上述した本発明のヤング率の測定方法によれば、重合体ラテックスを用いて作製される薄い膜成形体についても、ヤング率を測定することが可能となる。
以上の本発明のヤング率の測定方法によれば、測定対象となる、ゴムの膜成形体またはゴム層を有する積層体に対し、所定の押込荷重で圧子を押し込み、圧子を押し込んだ際の、押込荷重と、押し込みによる変位とに基づいて、柔軟性を測定するため、ゴムの膜成形体またはゴム層を有する積層体の柔軟性を適切に測定できるものであり、より具体的には、圧子を押し込んだ際の、押込荷重と、押し込みによる変位とに基づいて、ゴムの膜成形体またはゴム層を有する積層体のヤング率を求め、求めたヤング率として数値化されたものを柔軟性の指標とすることにより、ゴムの膜成形体またはゴム層を有する積層体の柔軟性を適切に測定できるものである。
以下に、実施例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限られるものではない。以下において、特記しない限り、「部」は重量基準である。物性および特性の試験または評価方法は以下のとおりである。
ブタジエン単位の含有量測定
ブタジエン単位の含有割合は、ニトリルゴムのヨウ素価(JIS K 6235による)を測定することにより算出した。
アクリロニトリル単位の含有量測定
アクリロニトリル単位の含有割合は、JIS K6384に従い、ケルダール法により、ニトリルゴム中の窒素含量を測定することにより算出した。
メタクリル酸単位の含有量測定
2mm角のニトリルゴム0.2gに、2−ブタノン100mlを加えて16時間攪拌した後、エタノール20mlおよび水10mlを加え、攪拌しながら水酸化カリウムの0.02N含水エタノール溶液を用いて、室温でチモールフタレインを指示薬とする滴定により、ニトリルゴム100gに対するカルボキシル基のモル数として求め(単位:ephr)、求めたカルボキシル基のモル数をメタクリル酸単位の量に換算することにより、ニトリルゴムにおけるメタクリル酸単位の含有割合を算出した。
メチルエチルケトン不溶解分量
重合体ラテックスを枠付きガラス板に流涎し、湿度23℃、相対湿度50%で48時間放置することで、厚みが1mmの乾燥フィルムを得た。得られた乾燥フィルム約0.2gを精秤し、これを浸漬前のフィルムの重量(W1)とした。そして、浸漬前のフィルムを80メッシュのかご状金網に入れて、かご状金網に入れた状態にて、メチルエチルケトン100mLに24時間浸漬させた。そして、浸漬後のフィルムを105℃で、1時間乾燥することにより、メチルエチルケトンを除去した後、得られた乾燥フィルムの重量を測定し、これを浸漬後の乾燥フィルムの重量(W2)とした。そして、得られた結果より、下記式にしたがって、メチルエチルケトン不溶解分量(MEK不溶解分量)を算出した。
メチルエチルケトン不溶解分量(単位:重量%)=(浸漬後の乾燥フィルムの重量(W2)/浸漬前の乾燥フィルムの重量(W1))×100
増粘剤の1%粘度
増粘剤を水に溶解させて濃度1重量%の水溶液とし、25℃にてB型粘度計を使用し回転数60rpmの条件で測定される粘度を、1%粘度として求めた。
増粘剤の不溶成分粒径
不溶成分の粒径は、増粘剤を水に溶解させて濃度1重量%とした前記水溶液を、グラインドゲージ(JIS−K5101)によりJIS−K5600−5―2に準じ線条法にて測定した粒径を示す。具体的には、前記水溶液を粒度ゲージの上に乗せ、スクレーパーをゲージと垂直になるように当てながら手前に引き、連続して10mm以上の線が3本以上並んで現れた位置の目盛りを読み取る線条法評価により不溶成分の粒径を決定した。
なお、前記方法により測定した粒径は、粒径が30μmを超える不溶成分が溶液中に極微量含むものを一切排除するものではない。前記測定法の精度及び再現性についてはJISに記載されているように、2回測定して得た2個の平均値間の差の絶対値は、確率95%で、ゲージ範囲の20%であることが期待されている(目標とされている)。したがって、JISの要求する精度、再現性の範囲において、水溶液中には、粒子径が30μmを超える不溶成分が存在していてもよい。
浸透重合体層の厚みt 、および表面重合体層の厚みt
保護手袋(積層体)について、中指の先から12cmの掌部分の重合体層が積層された断面を、光学顕微鏡(製品名「VHX−200」、キーエンス社製)を用いて観察することで、浸透重合体層の厚みt、および表面重合体層の厚みtを測定した。具体的な測定方法について図1を参照して説明すると、浸透重合体層の厚みtは、繊維基材の表面から、浸透したゴムの最深部までの距離を、10カ所測定し、測定結果の数平均値を算出することにより求めた。また、表面重合体層の厚みtは、繊維基材の表面から、重合体層の表面までの距離を、10カ所測定し、測定結果の数平均値を算出することにより求めた。
官能試験
保護手袋(積層体)を10人にそれぞれ着用してもらい、その柔軟性を下記の5段階の評価点で評価してもらい、評価点の平均値を求め、評価点の平均値が最も近いものを、各実施例における評価点とした(たとえば、平均値が4.1である場合には、「4:柔らかい」等とした。)。
5:非常に柔らかい
4:柔らかい
3:やや柔らかい
2:硬い
1:非常に硬い
膜成形体および保護手袋のヤング率
重合体ラテックスの揮発分を除去して作製した膜成形体、または保護手袋(積層体)の掌部分を、60mm×60mmの形状に裁断することで、測定用サンプルを得た。そして、測定用サンプルに対し、図2に示す押込試験装置20(測定部として、製品名「HG1003−SL」、堀内電機社製を使用したもの)を用いて、上述した方法に従って、膜成形体または保護手袋のヤング率の測定を行った。具体的な条件については、下記に示す通りとした。なお、測定に際しては、測定用サンプルの吸引台30の複数の吸引孔に対応する部分に、樹脂テープを貼り付けた状態とし、吸引台30による吸引を行いながら、重合体層側から、球状圧子を押し込むことで測定を行った。なお、保護手袋の測定の際には、測定用サンプルの重合体層が形成された面(測定面)と反対側の面に樹脂テープを貼り付け、吸引台30による吸引を行いながら、重合体層側から、球状圧子を押し込むことで測定を行った。また、測定は、60mm×60mmの測定用サンプルの3箇所について行い、3箇所のヤング率の測定結果の平均値を求め、これを各実施例のヤング率とした。
球状圧子:直径10mmのSUS製の球状圧子
押込速度:0.5mm/s
最大荷重:0.5N
球状圧子の初期位置:−6mm(吸引台30から6mmの高さ位置)
曲げ剛性
保護手袋(積層体)の掌部分を、60mm×60mmの形状に裁断することで、測定用サンプルを得た。そして、測定用サンプルに対し、曲げ試験機(製品名「KES−FB2」 カトーテック株式会社製)を用いて、試験条件をSENS20および曲げ2cm−1として、曲げた際に、ゴム層を内面となる方向に曲げることで、曲げ剛性を測定した。測定は、5回行い、その平均値を各実施例の曲げ剛性とした。
耐摩耗性
摩耗試験はEN388に記載の方法に則って、マーチンデール式摩耗試験機(製品名「STM633」、SATRA社製)を用いて評価を実施した。具体的には、保護手袋(積層体)について、所定の加重をかけながら摩擦を繰り返し、破損までの摩擦回数を得た。破損に至るまでの摩擦回数に従い、レベル0からレベル4までのレベルに分けられ、レベルが高いほど耐摩耗性に優れる。
LEVEL 4:回転数8,000回転以上
LEVEL 3:回転数2,000回転以上、8,000回転未満
LEVEL 2:回転数500回転以上、2,000回転未満
LEVEL 1:回転数100回転以上、500回転未満
LEVEL 0:回転数100回転未満
外観
保護手袋(積層体)について、目視により重合体層を観察し、以下の基準により外観の評価を行った。
A:重合体層にクラックもピンホールも確認されなかった
B:重合体層にクラックのみ確認された
C:重合体層にピンホールのみ確認された
重合体ラテックスの製造方法
製造例1(ニトリルゴムのラテックス(A−1)の製造)
反応器に、イオン交換水180部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25部、アクリロニトリル20部、メタクリル酸5部、およびt−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.6部を、この順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン75部を仕込んだ。反応器を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部、還元剤、およびキレート剤を適量仕込み、攪拌しながら約16時間重合反応を継続した。次いで、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合転化率85%で重合反応を停止した後、水温60℃のロータリーエバポレータを用いて残留単量体を除去した後、濃縮しニトリルゴムのラテックス(A−1)(固形分濃度約30重量%)を得た。得られたニトリルゴムのラテックス(A−1)における、ニトリルゴムの組成、およびメチルエチルケトン不溶解分量の測定、揮発分を除去することにより得られる膜成形体のヤング率の測定を行った。結果を表2に示す。
製造例2(ニトリルゴムのラテックス(A−2)の製造)
アクリロニトリルの使用量を20部から27部に、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)の使用量を0.6部から0.5部に、1,3−ブタジエンの使用量を75部から68部に、それぞれ変更した以外は、製造例1と同様にして、ニトリルゴムのラテックス(A−2)を得て、同様に測定を行った。結果を表2に示す。
製造例3(ニトリルゴムのラテックス(A−3)の製造)
アクリロニトリルの使用量を20部から37部に、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)の使用量を0.6部から0.3部に、1,3−ブタジエンの使用量を75部から58部に、それぞれ変更した以外は、製造例1と同様にして、ニトリルゴムのラテックス(A−3)を得て、同様に測定を行った。結果を表2に示す。
製造例4(ニトリルゴムのラテックス(A−4)の製造)
アクリロニトリルの使用量を20部から15部に、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)の使用量を0.6部から0部に、1,3−ブタジエンの使用量を75部から80部に、それぞれ変更した以外は、製造例1と同様にして、ニトリルゴムのラテックス(A−4)を得て、同様に測定を行った。結果を表2に示す。
製造例5(ニトリルゴムのラテックス(A’−5)の製造)
アクリロニトリルの使用量を20部から42部に、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)の使用量を0.6部から0.4部に、1,3−ブタジエンの使用量を75部から53部に、それぞれ変更した以外は、製造例1と同様にして、ニトリルゴムのラテックス(A’−5)を得て、同様に測定を行った。結果を表2に示す。
製造例6(ニトリルゴムのラテックス(A’−6)の製造)
アクリロニトリルの使用量を20部から30部に、メタクリル酸の使用量を5部から12部に、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)の使用量を0.6部から0.5部に、1,3−ブタジエンの使用量を75部から58部に、それぞれ変更した以外は、製造例1と同様に、ニトリルゴムのラテックス(A’−6)を得て、同様に測定を行った。結果を表2に示す。
実施例1
ディップ成形用ラテックス組成物の調製
重合体ラテックスとして、製造例2で製造したニトリルゴムのラテックス(A−2)を準備し、ニトリルゴムのラテックス中のニトリルゴム100部に対して、それぞれ固形分換算で、コロイド硫黄(細井化学工業社製)1.0部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(大内新興化学工業社製)0.5部、酸化亜鉛2.0部となるように、各配合剤の水分散液を調製し、調製した水分散液を添加し、ラテックス組成物を得た。なお、各配合剤の水分散液を添加する際には、ラテックスを撹拌した状態で、各配合剤の水分散液を所定の量をゆっくり添加した。その後、ラテックス組成物の固形分濃度を調整し、次いで、温度30℃、48時間の条件で、熟成(前加硫ともいう。)を施した。そして、熟成後のラテックス組成物に対して、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(B−1)(商品名「WS−C」、第一工業製薬社製)(不溶成分粒径:20μm、1%粘度:250mPa・s、エーテル化度:0.6〜0.7)を0.7重量%の割合で添加し、温度25℃かつ固形分濃度45重量%の条件においてB型粘度計を使用し回転数10rpmの条件で測定される粘度を2,800mPa・sに調整することで、ディップ成形用ラテックス組成物を得た。
凝固剤溶液の調製
凝固剤としての硝酸カルシウム2.0重量%をメタノールに溶解させてなるメタノール溶液を、凝固剤溶液として調製した。
積層体(保護手袋)の製造
手袋形状の繊維基材(材質:ナイロン、繊維基材の基材層平均厚みd:0.7mm、13ゲージ)を被せた金属製手袋型を、上記の凝固剤溶液に5秒間浸漬し、凝固剤溶液から引き上げた後、温度30℃、60秒間の条件で乾燥させた。その後、金属製手袋型を、上記のディップ成形用ラテックス組成物に3秒間浸漬し、ディップ成形用ラテックス組成物から引き上げた後、温度30℃、30分間の条件で乾燥させた。次いで、温度100℃、60分間の条件で熱処理を行う事で、重合体層中のニトリルゴムに架橋処理を施した。次いで、重合体層が形成された繊維基材を金属製手袋型から剥がすことで、保護手袋(積層体)を得た。得られた保護手袋(積層体)について、上述した方法に従い、浸透重合体層の厚みtの測定、表面重合体層の厚みtの測定、官能試験、ヤング率の測定、耐摩耗性、および外観の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2
ラテックス組成物に添加する増粘剤として、カルボキシメチルセルロース(B−1)に代えて、カルボキシメチルセルロース(B−2)(商品名「Daicel1150」、ダイセルファインケム社製)(不溶成分粒径:28μm、1%粘度:300mPa・s、エーテル化度:0.6〜0.8)を0.65重量%の割合で使用することで、ディップ成形用ラテックス組成物の粘度を3,000mPa・sに調整した以外は、実施例1と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3
ラテックス組成物に添加する増粘剤として、カルボキシメチルセルロース(B−1)に代えて、カルボキシメチルセルロース(B−3)(商品名「Daicel1190」、ダイセルファインケム社製)(不溶成分粒径:25μm、1%粘度:1,800mPa・s、エーテル化度:0.6〜0.8)を0.4重量%の割合で使用することで、ディップ成形用ラテックス組成物の粘度を3,200mPa・sに調整した以外は、実施例1と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4
凝固剤溶液から引き上げた後、温度30℃、20秒間の条件で乾燥させた以外は、実施例1と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
凝固剤溶液から引き上げた後、温度30℃、120秒間の条件で乾燥させた以外は、実施例1と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
ラテックス組成物に添加する増粘剤として、カルボキシメチルセルロース(B−1)に代えて、カルボキシメチルセルロース(B’−5)(商品名「Daicel1120」、ダイセルファインケム社製)(不溶成分粒径:15μm、1%粘度:20mPa・s、エーテル化度:0.6〜0.8)を1.5重量%の割合で使用することで、ディップ成形用ラテックス組成物の粘度を2,500mPa・sに調整した以外は、実施例1と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3
ラテックス組成物の熟成前に添加する増粘剤として、カルボキシメチルセルロース(B−1)に代えて、カルボキシメチルセルロース(B’−7)(商品名「BSH−6」、第一工業製薬社製)(不溶成分粒径:50μm、1%粘度:4,000mPa・s、エーテル化度:0.65〜0.75)を0.1重量%の割合で使用することで、ディップ成形用ラテックス組成物の粘度を3,500mPa・sに調整した以外は、実施例1と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2018174068
実施例1〜4、比較例1〜3の評価
表1に示すように、表面重合体層の厚みtに対する浸透重合体層の厚みtの比(t/t)、および基材に重合体層が積層された部分におけるヤング率が、それぞれ所定の範囲に制御された積層体は、官能試験、および外観の評価結果がいずれも良好であったため、柔軟性に優れ、しかも、外観も良好なものであった(実施例1〜4)。
一方、積層体のヤング率が高すぎる場合には、積層体は、官能試験の評価結果が悪いものであり、柔軟性に劣るものであった(比較例1〜3)。特に、比較例1は、積層体の浸透重合体層の厚みtが厚いことにより、積層体のヤング率がより高くなってしまい、これにより、官能試験の評価結果が悪化し、柔軟性に特に劣るものであった。
実施例5
ディップ成形用ラテックス組成物の調製
製造例1で製造したニトリルゴムのラテックス(A−1)に、ラテックス中のニトリルゴム100部に対して、それぞれ固形分換算で、コロイド硫黄(細井化学工業社製)1.0部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(大内新興化学工業社製)0.5部、酸化亜鉛2.0部となるように、各配合剤の水分散液を調製し、調製した水分散液を添加し、ラテックス組成物を得た。なお、各配合剤の水分散液を添加する際には、ラテックスを撹拌した状態で、各配合剤の水分散液を所定の量をゆっくり添加した。その後、ラテックス組成物の固形分濃度を調整し、次いで、温度30℃、48時間の条件で、熟成(前加硫ともいう。)を施した。そして、熟成後のラテックス組成物に対して、増粘剤(商品名「アロン A−7100」、東亜合成社製)を0.4重量%の割合で添加し、温度25℃かつ固形分濃度45重量%の条件においてB型粘度計を使用し回転数10rpmの条件で測定される粘度を3,000mPa・sに調整することで、ディップ成形用ラテックス組成物を得た。
凝固剤溶液の調製
凝固剤としての硝酸カルシウム2.0重量%をメタノールに溶解させてなるメタノール溶液を、凝固剤溶液として調製した。
積層体(保護手袋)の製造
手袋形状の繊維基材(材質:ナイロン、繊維基材の基材層平均厚みd:0.7mm、13ゲージ)を被せた金属製手袋型を、上記の凝固剤溶液に5秒間浸漬し、凝固剤溶液から引き上げた後、温度30℃、60秒間の条件で乾燥させた。その後、金属製手袋型を、上記のディップ成形用ラテックス組成物に3秒間浸漬し、ディップ成形用ラテックス組成物から引き上げた後、温度30℃、30分間の条件で乾燥させた。次いで、温度100℃、60分間の条件で熱処理を行う事で、重合体層中のニトリルゴムに架橋処理を施した。次いで、重合体層が形成された繊維基材を金属製手袋型から剥がすことで、保護手袋(積層体)を得た。得られた保護手袋(積層体)について、上述した方法に従い、浸透重合体層の厚みtの測定、表面重合体層の厚みtの測定、官能試験、ヤング率の測定、および外観の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例6
ニトリルゴムのラテックス(A−1)に代えて、製造例2で製造したニトリルゴムのラテックス(A−2)を使用した以外は、実施例5と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
実施例7
ニトリルゴムのラテックス(A−1)に代えて、製造例3で製造したニトリルゴムのラテックス(A−3)を使用した以外は、実施例5と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
実施例8
ニトリルゴムのラテックス(A−1)に代えて、製造例5で製造したニトリルゴムのラテックス(A−4)を使用した以外は、実施例5と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
比較例4
ニトリルゴムのラテックス(A−1)に代えて、製造例5で製造したニトリルゴムのラテックス(A’−5)を使用した以外は、実施例5と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
比較例5
ニトリルゴムのラテックス(A−1)に代えて、製造例6で製造したニトリルゴムのラテックス(A’−6)を使用した以外は、実施例5と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2018174068
実施例5〜8、比較例4,5の評価
実施例5〜8および比較例4,5の各測定結果を表2に示した。また、図4に、膜成形体のヤング率、および保護手袋のヤング率の測定結果を、官能性試験の結果と対応付けてプロットして示したグラフを示した。すなわち、実施例5を例示して説明すると、官能試験:5、膜成形体のヤング率:2,100kPa、保護手袋のヤング率:211kPaであったため、膜成形体のヤング率の測定結果を示す「丸プロット」を官能試験:5、ヤング率(左軸):2,100kPaの位置にプロットし、また、保護手袋のヤング率の測定結果を示す「四角プロット」を官能試験:5、ヤング率(右軸):211kPaの位置にプロットした。以下、実施例6〜8および比較例4,5ついても同様とした。
表2の結果からも明らかなように、表面重合体層の厚みtに対する浸透重合体層の厚みtの比(t/t)、および基材に重合体層が積層された部分におけるヤング率が、それぞれ所定の範囲に制御された積層体は、官能試験が良好であり、柔軟性に優れたものであった(実施例5〜8)。
一方、積層体のヤング率が高すぎる場合には、積層体は、官能試験の評価結果が悪いものであり、柔軟性に劣るものであった(比較例4,5)。
なお、表2、図4の結果からも明らかなように、上述した測定方法にしたがって求めた膜成形体のヤング率、および積層体のヤング率は、保護手袋の官能試験の結果とよく一致する結果となった。すなわち、膜成形体のヤング率、および積層体のヤング率が低いほど、官能試験の結果が良好となり、膜成形体のヤング率、および積層体のヤング率が高いほど、官能試験の結果が悪くなる結果となり、これらの間には一定の相関があり、そのため、上述した測定方法にしたがって求めた膜成形体のヤング率、および積層体のヤング率は、保護手袋の柔軟性の指標として適切に用いることができることが確認できる。
実施例9
ディップ成形用ラテックス組成物の調製
実施例5と同様にして、重合体ラテックスとして、製造例2で製造したニトリルゴムのラテックス(A−2)を準備し、ニトリルゴムのラテックス中のニトリルゴム100部に対して、それぞれ固形分換算で、コロイド硫黄(細井化学工業社製)1.0部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(大内新興化学工業社製)0.5部、酸化亜鉛2.0部となるように、各配合剤の水分散液を調製し、調製した水分散液を添加し、ラテックス組成物を得た。なお、各配合剤の水分散液を添加する際には、ラテックスを撹拌した状態で、各配合剤の水分散液を所定の量をゆっくり添加した。その後、ラテックス組成物の固形分濃度を調整し、次いで、温度30℃、48時間の条件で、熟成(前加硫ともいう。)を施した。そして、熟成後のラテックス組成物に対して、増粘剤として、アロン A−7100(東亜合成社製)を0.4重量%の割合で添加し、温度25℃かつ固形分濃度45重量%の条件においてB型粘度計を使用し回転数10rpmの条件で測定される粘度を3,000mPa・sに調整することで、ディップ成形用ラテックス組成物を得た。
凝固剤溶液の調製
凝固剤としての硝酸カルシウム2.0重量%をメタノールに溶解させてなるメタノール溶液を、凝固剤溶液として調製した。
積層体(保護手袋)の製造
手袋形状の繊維基材(材質:ナイロン、繊維基材の基材層平均厚みd:0.7mm、13ゲージ)を被せた金属製手袋型を、上記の凝固剤溶液に5秒間浸漬し、凝固剤溶液から引き上げた後、温度30℃、1分間の条件で乾燥させた。その後、金属製手袋型を、上記のディップ成形用ラテックス組成物に3秒間浸漬し、ディップ成形用ラテックス組成物から引き上げた後、温度30℃、30分間の条件で乾燥させた。次いで、温度100℃、60分間の条件で熱処理を行う事で、ゴム層中のニトリルゴムに架橋処理を施した。次いで、ゴム層が形成された繊維基材を金属製手袋型から剥がすことで、保護手袋(積層体)を得た。得られた保護手袋(積層体)について、上述した方法に従い、浸透ゴム層の厚みtの測定、表面ゴム層の厚みtの測定、官能試験、ヤング率の測定、曲げ剛性、および耐摩耗性の測定を行った。結果を表3に示す。
実施例10
ラテックス組成物に、熟成後に添加する増粘剤として、アロン A−7100(東亜合成社製)を0.3重量%の割合で使用することで、ディップ成形用ラテックス組成物の粘度を2,000mPa・sに調整した以外は、実施例9と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。
実施例11
金属製手袋型を、凝固剤溶液から引き上げた後の乾燥条件を、温度30℃で、30秒間とした以外は実施例9と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12
ラテックス組成物に、熟成後に添加する増粘剤として、アロン A−7100(東亜合成社製)を0.6重量%の割合で使用することで、ディップ成形用ラテックス組成物の粘度を5,000mPa・sに調整するとともに、金属製手袋型を、ディップ成形用ラテックス組成物に浸漬する時間を5秒間に変更した以外は、実施例9と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。
比較例6
金属製手袋型を、凝固剤溶液から引き上げた後の乾燥条件を、温度30℃、90秒間とした以外は、実施例9と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。
比較例7
金属製手袋型を、凝固剤溶液から引き上げた後、温度30℃、60秒間の条件で乾燥させた後、金属製手袋型をディップ成形用ラテックス組成物に浸漬させる操作、すなわち、金属製手袋型をディップ成形用ラテックス組成物に3秒間浸漬させ、引き上げた後、温度30℃、30分間の条件で乾燥させる操作を2回繰り返して行った以外は、実施例9と同様にして、保護手袋(積層体)を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2018174068
実施例9〜12、比較例6,7の評価
実施例9〜12および比較例6,7の各測定結果を表3に示した。また、図5に、ヤング率、および曲げ試験の結果を、官能性試験の結果と対応付けてプロットして示した。すなわち、実施例9を例示して説明すると、官能試験:4、ヤング率:359kPa、曲げ剛性:0.340gf・cm/cmであったため、ヤング率の測定結果を示す「四角プロット」を官能試験:4、ヤング率:359kPaの位置にプロットし、また、曲げ剛性の測定結果を示す「丸プロット」を官能試験:4、曲げ剛性:0.340gf・cm/cmの位置にプロットした。以下、実施例10〜12、比較例6,7についても同様とした。
表3の結果からも明らかなように、表面重合体層の厚みtに対する浸透重合体層の厚みtの比(t/t)、および基材に重合体層が積層された部分におけるヤング率が、それぞれ所定の範囲に制御された積層体は、官能試験が良好であり、柔軟性に優れたものであった(実施例9〜12)。
一方、表面重合体層の厚みtに対する浸透重合体層の厚みtの比(t/t)が本発明の範囲外であり、さらには、積層体のヤング率が高すぎる場合には、積層体は、官能試験の評価結果が悪いものであり、柔軟性に劣るものであった(比較例6,7)。
なお、表3、図5の結果からも明らかなように、本発明の測定方法にしたがって求めたヤング率は、官能試験の結果とよく一致する結果となった。すなわち、官能試験の結果が悪い場合ほど、ヤング率は高くなり、官能試験の結果が良好なほど、ヤング率は低くなる結果となり、これらの間には一定の相関があり、そのため、本発明の測定方法にしたがって求めたヤング率は、柔軟性の指標として適切に用いることができることが確認できる。
一方で、曲げ剛性の結果は、官能試験の結果との一致性が悪く、柔軟性の指標として適切なものではないという結果となった。

Claims (10)

  1. 基材と、重合体ラテックスから形成される重合体層とを備える積層体であって、
    前記重合体層は、一部が、前記基材に浸透した状態で前記基材を被覆しており、
    前記重合体層のうち、前記基材に浸透した部分である浸透重合体層の、前記基材の表面からの厚みをtとし、前記基材を被覆する部分である表面重合体層の、前記基材の表面からの厚みをtとした場合に、前記表面重合体層の厚みtに対する前記浸透重合体層の厚みtの比(t/t)が、0.15〜5.0であり、
    前記基材に前記重合体層が積層された部分におけるヤング率が、800kPa以下である積層体。
  2. 前記浸透重合体層の厚みtが、0.05〜0.6mmである請求項1に記載の積層体。
  3. 前記重合体層を形成するための重合体ラテックスが、揮発分を除去して膜成形体とした場合における該膜成形体のヤング率が10,000kPa以下である請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記重合体層を形成するための重合体ラテックスが、重合体として、共役ジエン単量体単位の含有割合が52〜78重量%である共役ジエン系ゴムを含有する請求項3に記載の積層体。
  5. 前記重合体層を形成するための重合体ラテックスが、重合体として、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が20〜40重量%である共役ジエン系ゴムを含有する請求項3または4に記載の積層体。
  6. 前記重合体層を形成するための重合体ラテックスが、重合体として、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位の含有割合が2〜10重量%である共役ジエン系ゴムを含有する請求項3〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. ゴムの膜成形体またはゴム層を有する積層体の柔軟性を測定する方法であって、
    前記膜成形体または前記積層体に対し、所定の押込荷重で圧子を押し込み、前記圧子を押し込んだ際の、押込荷重と、押し込みによる変位とに基づいて、柔軟性を測定する、ゴムの膜成形体またはゴム層を有する積層体の柔軟性の測定方法。
  8. 異なる複数の押込荷重で圧子を押し込んだ際の、押込荷重と、押し込みによる変位とに基づいて、柔軟性を測定する、請求項7に記載の柔軟性の測定方法。
  9. 前記圧子を押し込んだ際の、押込荷重と、押し込みによる変位とに基づいて、前記膜成形体または前記積層体のヤング率を求める、請求項7または8に記載の柔軟性の測定方法。
  10. 前記膜成形体または前記積層体が、人体に接触して使用される請求項7〜9のいずれかに記載の柔軟性の測定方法。
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