JP2009527478A - パーキンソン病の治療のための方法と組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、7−クロロ−4−アミノキノリン化合物、例えば、アモジアキンおよびグラフェニン、によるパーキンソン氏病の進展を治療または阻止する方法およびキットを特徴とする。幹細胞は、本発明の方法に有用であり、7−クロロ−4−アミノキノリン化合物と一緒にまたは別々に投与することができる。本発明は、さらに、パーキンソン氏病の進展を治療または阻止に有用な追加的な科学物質を同定する方法を特徴とする。
【選択図】なし

Description

パーキンソン氏病(PD)は、慢性、進行性の運動系の障害である。約5万人の米国人が毎年PDと診断されている。この神経変性疾患の一次症状は、震え、硬直、運動の緩慢、及び、平衡障害である。付け加えて、多くのPD患者は、感情変化、記憶喪失、会話障害、睡眠困難を含む他の色々な症状に悩んでいる。
PDは、中脳ドーパミン(DA)ニューロンの特定の、かつ、進行性の神経変性により引き起こされる。もともとは、これらの神経は、ドーパミンという、黒質と線条体の間のシグナル伝達のための化学伝達物質を生産して、円滑な目的のある筋肉活動をもたらす。しかしながら、ドーパミンの喪失は、制御されないで活動する線条体の神経細胞をもたらし、運動を指示及び抑制する能力を障害された患者を残している。
現在のPDの治療は、患者にドーパミン前駆体L−DOPA(L−ジヒドロキシフェニル−アラニン)の経口投与を与えることによるドーパミンの補充に主として頼っている。この治療は、治療の継続につれて用量の増加を必要とし、いつかは、重篤な副作用を引き起こす。PDにとって追加の治療法が必要とされている。
本発明者らは、パーキンソン病の新しい治療、及び幹細胞を分化してドーパミン作働性神経細胞にもたらす方法、及びパーキンソン病の治療のための化学物質の同定に有用なスクリーニング方法を開発した。
したがって、一例では、本発明は、(a)パーキンソン病であるか、又は、パーキンソン氏病の進展リスクをもつ者であるかを決定するステップと、(b)仮に、パーキンソン氏病の患者であるか、又は、パーキンソン氏病に進展するリスクをもつときは、その患者に7−クロロ−4−アミノ−キノリン構造を含む化合物、例えば、アモジアキン又はグラフェニンをパーキンソン氏病の進展を治療又は阻止するに十分な量を投与し、または、別の態様では患者の細胞中のNurr1を活性化するに十分な量を投与するステップを含むパーキンソン病の進展を治療又は阻止する方法を特色としている。
別の例では、本発明は、7−クロロ−4−アミノ−キノリン構造を含む化合物と共に、パーキンソン氏病であるか、またはそれに進展するリスクをもつと診断された患者へその化合物を投与するための指示書を含むキットであることを特徴とする。
本発明は、さらに、ドーパミン作働性神経中で、生体外(ex vivo)の幹細胞、例えばヒト胚幹細胞、の分化を誘導するのに十分量が存在する7−クロロ−4−アミノ−キノリン構造を含む化合物と幹細胞を接触させることによる幹細胞の分化を引き起こす方法を特色とする。
本発明は、付け加えると、(a)患者の脳内に幹細胞を含む組成物を注射すること;そして、(b)前記(a)のステップに続いて、前記幹細胞の分化を誘導するに十分な量の7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物を前記患者に投与するステップを含むパーキンソン氏病の治療又は進展を阻止する方法を特色とする。
本発明は、さらに、患者の脳内に幹細胞及び7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物を含む組成物を注入することによりパーキンソン氏病の治療又は進展を阻止する方法を特徴とする。
別の例では、本発明は、幹細胞及び7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物を含む薬学的組成物を特徴とする。
本発明は、その上に、パーキンソン病における治療のための化合物を同定する方法であって、次の工程:
(a)Nurr1遺伝子のドメインを含む第1のプラスミド、及び、レポータ遺伝子に操作可能に結合したプロモータを含む第2のプラスミドをもつ、ほ乳類細胞、例えば、SK−N−BE(2)C細胞、に同時に遺伝子導入する工程;
(b)前記細胞に候補化学物質を接触させる工程;
(c)得られたレポータ遺伝子の発現量を測定する工程;
(d)対照値に対するレポータ遺伝子の発現量を比較して、仮に、レポータ遺伝子の発現量が少なくとも対照量より20%以上大きい場合は、前記候補化学物質がパーキンソン病の治療用の化学物質として同定される、を含むことを特徴とする方法。ある場合には、ステップ(b)でつくられた混液は、ステップ(c)の18時間前にインキュベトされる。第1のプラスミドと第2のプラスミドの間のモル比は、いかなる比率は、例えば、0.1〜10の間、でとることができる。第2のプラスミドは、チロシンハイドロキシラーゼプロモータの全部又は一部を含むことができ、例えば、チロシンハイドロキシラーゼプロモータの100塩基又は2,600塩基である。どのようなレポータ遺伝子であっても、例えば、ホタルルシフェラーゼでも、使用することができる。ある場合には、第1のプラスミドは、Nurr1ドメイン遺伝子に操作可能に結合したGALA4 DNA−結合ドメインを含み、さらに、第2のプラスミドは、レポータ遺伝子に操作可能に結合したGAL4結合部位を含む。
本発明は、その上に、パーキンソン病における治療のための化合物を同定する方法であって、その方法が、次の工程:
(a)ドーパミンを生産可能なほ乳類細胞及び本発明の方法を用いて同定された化学物質を提供し;(b)そのように同定された化学物質を細胞に接触させ;(c)その結果得られるチロシンハイドロキシラーゼ又はドーパミンの発現量を測定し;そして、(d)対照値と発現量を比較し、発現量が少なくとも対照値より20%以上大きい場合は、その化学物質が、パーキンソン氏病に治療的に使用できる化学物質として同定される。ステップ(c)の測定は、例えば、リアルタイムPCR、又は、免疫染色、又は、HPLC分析を用いたドーパミンの定量を用いたチロシンハイドロキシラーゼの定量を含むことができる。ステップ(a)の同定は、化合物を同定するあらゆる方法を用いることが含まれる;例えば、次のステップを含む方法を用いることができる:すなわち、(i)ほ乳類細胞、例えば、SK−N−BE(2)C細胞に、Nurr1遺伝子のドメインを含む第1のプラスミド、及び、レポータ遺伝子に操作可能に結合したプロモータを含む第2のプラスミドを、同時に遺伝し導入し;(ii)その細胞を候補化学物質と接触させ;(iii)その結果得られるレポータ遺伝子の発現量を測定し;(iv)対照値に対するレポータ遺伝子の発現量を比較し、対照値より少なくとも20%以上大きい場合であれば、パーキンソン氏病の治療用の候補化学物質として同定される。
本発明のどのような方法、組成物、キットにおいても、前記7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物、例えば、アモジアキン又はグラフェニンを利用することができる。本発明のあらゆる方法、組成物、キットに用いるための適当な幹細胞は、例えば、ヒト胚幹細胞を含む。
上記のように、本発明のある方法は、7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物を用いる。このような化合物は、下記式:

Figure 2009527478
ここで、各R、RとRは、独立して、H、OH、OC(O)−R、C(O)−O−R、ハロゲン、C1−7アルキル、C2−7アルケニル、C2−7アルキニル、及びC1−7へテロアルキル、から選択され;そして、各RとRは、独立して、C1−7アルキル、C2−7アルケニル、C2−7アルキニル、及びC1−7ヘテロアルキル、から選択される。このような化合物は、例えば、米国特許第2,474,821号及び第3,232,944号に記載されているように調製することができ、各々は、参照により本明細書に取り込まれている。その典型的な市販品として入手可能な7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物は、アモジアキン及びグラフェニンである。

Figure 2009527478
本発明の方法及びキットに用いることのできる他の7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物は、4−(3’−ピペリジルメチル−4’−ヒドロキシアニリノ)−7−クロロキノン;4−(3’−ジエチルアミノメチル−4’−ヒドロキシアニリノ)−7−クロロキノン;4−(3’−エチルアミノエチル−4’−ヒドロキシアニリノ)−7−クロロキノン;4−(3’−ジ−n−ブチルアミノメチル−4’−ヒドロキシアニリノ)−7−クロロキノン;4−(3’−N−ピペリジルメチル−4’,6’−ジヒドロキシアニリノ)−7−クロロキノン;4−(3’−ジエチルアミノメチル−4’−ヒドロキシアニリノ)−7−クロロキノン;2−((7−クロロ−4−キノリニル)アミノ)−メチルエステル;及び、ベンゾイックアシッド,2−((7−クロロ−4−キノリニル)アミノ),エチルエステルを挙げることができる。
本発明の化合物の一般的な記述において、置換基における特定のタイプの原子数は、通常は、例えば、1から7の炭素原子を含むアルキル基又はC1〜7アルキルである。このような範囲の言及は、特定の範囲内の原子の整数の各々を有する基を含むことを意味する。例えば、炭素原子1〜7のアルキル基は、C、C、C、C、C、C及びCの各々を含む。C1〜7ヘテロアルキル基は、例えば、C1から6の炭素原子に1又はそれ以上のヘテロ原子が追加されたものを含む。原子の他の数や他のタイプ原子は、同様な方法で表示されている。
本明細書で用いたように、用語「アルキル」及び接頭辞「アルキ−」は、直鎖及び分岐鎖基の両者及び環状基、例えば、シクロアルキルを含んでいる。環状基は、単環及び多環であり、好ましくは3〜6員環原子を含まれる。典型的な環状基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基である。C1〜7アルキルは、置換されているか、又は、置換されないことができる。代表的な置換基は、アルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハロゲン化合物、ヒドロキシル、フルオロアルキル、パーフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、2置換基アミノ、第4級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、及びカルボキシル基、を含む。C1〜7アルキルは、限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、n−ブチル、イソ−ブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、n−シクロブチルエチル、n−ペンチル、シクロペンチル、チクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、及びシクロヘキシルを含む。
「C2〜7アルケニル」は、分岐又は分岐していない、1又は2以上の二重結合を含む炭素数2〜7を有する炭化水素基を意味する。C2〜7アルケニルは、選択的に、単環又は多環を含み、各環は、望ましくは3〜6員である。C2〜7アルケニルは、置換されることができ、また、置換されないこともできる。典型的な置換基は、アルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハロゲン化物、ヒドロキシル、フルオロアルキル、パーフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、2置換アミノ基、第4級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、及び、カルボキシル基を挙げることができる。C2〜7アルケニルは、限定されないが、ビニル、アリル、2−シクロプロピル−1−エテニル、1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、2−エチル−2−プロペニル、1−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル− 4−ペンテニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、及び、2,2−ジメチル−3−ブテニル基を挙げることができる。
「C2〜7アルキニル」は、1又は2以上の3重結合を含み、2〜7の炭素原子をもつ分岐している、又は、分岐していない炭化水素基を意味している。C2〜7アルキニルは、選択的に、単環、二環、又は三環であり、それらの環は、好ましくは、5員又は6員である。C2〜7アルキニル基は、置換されることができ、また、置換されないこともできる。典型的な置換基は、アルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、ハロゲン化物、ヒドロキシル、フルオロアルキル、パーフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、2置換アミノ、第4級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、及び、カルボキシル基を挙げることができる。C2〜7アルキニルは、限定されることはないが、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、5−ヘキセン−1−イニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘエキシニル、5−ヘキシニル、1−メチル−2−プロピニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、1,2−ジメチル−3−ブチニル、2,2−ジメチル−3−ブチニル、1−メチル−2−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、及び、3−メチル−4−ペンチニルを挙げることができる。
「C1〜7ヘテロアルキル」は、分岐しているか又は分岐していない、炭素原子1〜7をもち、N、O、S及びPから独立して選択される1、2、3又は4のヘテロ原子を付加されたアルキル、アルケニル、又は、アルキニル基である。ヘテロアルキル、限定されるものではないが、第3級アミン類、第2級アミン類、エーテル類、チオエーテル類、アミド類、チオアミド類、カルバメート類、チオカルバメート類、ヒドラゾン類、イミン類、ホスホジエステル類、ホスフォールアミデイト類、スルフォンアミド類、及びジスルフィド類を挙げることができる。ヘテロアルキルは、選択的に、単環、二環、又は三環であり、それらの環は、好ましくは、3員から6員である。ヘテロアルキニル基は、置換されることができ、また、置換されないこともできる。典型的な置換基は、アルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、ハロゲン化物、ヒドロキシル、フルオロアルキル、パーフルオロアルキル、アミノ、アミノアルキル、2置換アミノ、第4級アミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、及び、カルボキシル基を挙げることができる。
「投与すること」は、患者に所定量の薬剤を与える方法を意味する。本発明の方法で用いる組成物は、限定されるものではないが、吸入、眼内、非経口的に、皮膚的に、経皮的、口腔内、直腸内、舌下、舌周辺(perilingual)、鼻腔内、局所投与、又は経口投与から選択される経路で投与されることができる。非経口投与は、静脈内、腹腔内、皮下、及び、筋肉内投与を含む。好ましい投与方法は、種々の要因に依存して変化することができ、例えば、投与される組成物の成分、投与される症状の重篤度である。
「治療するために十分な量」は、患者の状態、病気の症状、臨床上の関連態様において、改善、阻止、又は、よくなることを意味する。患者における何らかの改善は治療を達成するに十分であると考える。パーキンソン氏病の治療のための本発明を実施するために用いる活性化合物の十分量は、投与の態様、年齢、体重、患者の全体的な健康に依存して変化する。最終的には、処方する人又は研究者が適切な投与量と用法・用量を決めるであろう。
「細胞中のNurr1を活性化するに十分な量」は、細胞中のチロシンハイドロキシラーゼのプロモータに操作可能に結合した遺伝子の転写を、検出できる再現可能な態様で、増加するに要する本発明の化合物の量を意味する。望ましくは、転写の増加が、少なくとも、基準又は対照の量と相対的に、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%の増加である。遺伝子は、チロシンハイドロキシラーゼ又はレポータ遺伝子のいずれかであり、例えば、レポータ遺伝子としては、ホタル、ルシフェラーゼである。チロシンハイドロキシラーゼ プロモーターがNurr1の直接の標的であるため、チロシンハイドロキシラーゼの活性は、Nurr1レベルの増加を示している。
幹細胞の「分化を誘導するに十分な量」は、未分化幹細胞を希望する細胞のタイプ、例えば神経細胞、に分化をもたらすに要する本発明の化合物の量を意味する。
「候補化学物質」は、本明細書に記載した試験方法の1つを用いて試験した結果、遺伝子若しくは蛋白発現レベル、又は、遺伝子若しくは蛋白の生理活性を変化させる能力をもつあらゆる化学物資を意味する。候補化合物は、例えば、ペプチド、ポリペプチド、合成有機分子、天然で生じた有機分子、核酸分子、及びそれらの構成成分を含む。
分化は、特殊化されていない幹細胞が特殊化された細胞、例えば神経細胞、の特質を獲得する経過を意味する。分化は、細胞の自己複製能力を制限すると参照されることができ、そして、一般には、細胞の機能的な能力の変化を伴う。幹細胞の分化は、その技術分野でよく知られた方法により測定することができ、その方法とは、分化したと定義された状態の細胞に伴われる細胞マーカ又は形態学的特徴の分析を含んでいる。このようなマーカの特徴の例は、糖蛋白、アルカリフォスファターゼ、や、癌胎児性抗原の発現の測定を含み、これらの蛋白のいずれかの増加が分化の指標である。
「治療上の使用のための化学物質」は、信頼できる医学的判断の範囲内で、ヒトの組織と接触しての使用に適しており、過度の毒性、刺激、アレルギー性反応、及びそれと同様なことがなく、リスク/利点が妥当に釣り合ったものであり、意図された使用に有効であり、両イオンの形をとる、ことが本発明の組成物である。
「胚幹細胞」は、胞胚期の胚に由来する細胞、又は、3胚葉へ入る細胞の実質的分化の前の細胞であり、自己複製でき、未分化細胞の形態学的特徴を有し、胚の分化した細胞又は成熟細胞とは区別される細胞である。典型的な形態学的特徴は、顕微鏡下で、高い(核/原形質)の比及び顕著な核小体を含む。当業者に知られている適切な条件下では、幹細胞は、胚幹細胞は、3胚葉の細胞又は組織に分化することができる:すなわち、内胚葉、中胚葉、外胚葉である。胚幹細胞の確認試験は、適当な宿主で奇形腫の形成能力であるか、又は、Oct−4のような未分化のマーカとしての染色されることである。
化学物質のスクリーニングとの関連において「ヒット」は、所与の試験においてポジティブの評価を得た候補化合物を意味する。ポジティブな結果がレポータ遺伝子の活性増加により示されたスクリーニングにおいては、仮にそれが、所定の基準値を超えるレポータ遺伝子の活性が得られる場合、例えば、対照の活性よりも、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%又は500%である場合、候補化合物はヒットであると考える。
「Nurr1生理活性」生体内(in vivo)、又は、生体外(ex vivo)、でNurr1ポリペプチドにより引き起こされたことが知られているあらゆる活性を意味する。例えば、このような活性は、チロシンヒドロキシラーゼの転写活性を含むことができる。
「Nurr1核酸」及び「Nurr1遺伝子」は、本明細書では交互に用いられ、Nurr1ポリペプチドの全部又は一部をコードするか、又は、ジーンバンク受付番号第AB017586(ichinose等、Gene230:233−239,1999)の核酸配列の全部又は一部であるか、そのアナログと実質的に同定される核酸であると参照される。
「Nurr1ポリペプチド」は、ジーンバンク受付番号第75666号のポリペプチド、そのアナログであってNurr1の生理活性をもつものの、配列の全部又は一部と実質的に同一であるポリペプチドを意味する。
「操作可能に結合された」は、適当な分子、例えば、転写活性蛋白が調節エレメントに結合するとき、遺伝子発現を許容するために、遺伝子と1又はそれ以上の調節エレメントの結合を意味する。
「患者」は、医薬治療を受けるヒトを意味する。
「プロモータ」は、操作可能に結合されたコーディング領域の転写開始を促進する遺伝子の調節エレメントを意味する。
「レポータ遺伝子」は、レポータ分子、例えば酵素、をコードする遺伝子配列を意味する。レポータ分子は、あらゆる検出システムで検出することができ、限定されるものではないが、蛍光、酵素(例えば、エライザは、酵素をベースとした組織化学的測定法と同様)、放射活性、発光系を含んでいる。典型的なレポータ遺伝子は、ホタルルシフェラーゼ、緑色蛍光蛋白(GFP)、大腸菌β−ガラクトシダーゼ、又は、グルクロニダーゼ、ヒト胎盤アルカリホスファターゼ、及びクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT);他のレポータ遺伝子は、この分野で公知であるものは、所望により使用することができる。
「幹細胞」は、自己複製能力を具え、適切な条件下で定められた前駆細胞、特定された細胞又は組織に向って分化するあらゆる細胞を意味する。幹細胞は、複数の能力又は多くの能力をもっている。幹細胞は、限定されるものではないが、胚幹細胞、胚生殖細胞、成熟幹細胞、及び臍帯血の幹細胞を含む。
「実質的に同一」は、基準のアミノ酸又は塩基配列に対して少なくとも、75%、85%、90%、95%又は99%でさえも示すポリペプチド又は核酸を意味する。ポリペプチドにとっては、比較する配列の長さが、通常は、少なくとも、35アミノ酸、45アミノ酸、55アミノ酸、又は70アミノ酸であろう。核酸にとっては、比較する配列の長さが、少なくとも、60ヌクレオチド、90ヌクレオチド、120ヌクレオチドであろう。
配列の確認は、典型的には、公に利用可能なコンピュータプログラムを用いて測定される。コンピュータプログラムは、2つの配列間の同一性を判定するコンピュータプログラムは、限定されるものではないが、GCGプログラムパッケッジ(Devereux等、 Nucleic Acids Research 12:387,1984)、BLASTP、BLASTN及びFASTA(Altschul等、J.MoI.Biol.215:403、1990)を含む。よく知られているスミス ウオーターマンアルゴリズム(Smith Waterman algorithm)は、同定するために使うことができる。ブラスト(BLAST)プログラムは、NCBIや他の機関から公に利用できる(例えば、BLAST Manual, Altschul等、NCBI NLM NIH、Bethesda、MD 20894)。これらのソフトウエアプログラムは、種々の置換、削除、及び他の修飾に対するホモロジの程度を割り当てることにより近似した配列を適合させる。アミノ酸比較のための同類置換は、次の群内での置換:すなわち、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;及びフェニルアラニン、チロシンを、を含んでいる。
「チロシンヒドロキシラーゼプロモーター」は、転写開始促進によりハイドロキシラーゼ遺伝子の発現調節をすることができるチロシンハイドロキシラーゼの上流エレメントを意味する。チロシンキシラーゼプロモータは、その遺伝子発現を調節するためにあらゆる遺伝子に操作可能に結合することができる。どのようなチロシンハイドロキシラーゼ、例えば、キム(Kim)等(J.Neurochem.,85:622−634、2003)は、本発明に用いることができる。
本発明の態様は、多くの利点を提供している。例えば、7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物によるパーキンソン氏病の治療は、障害を受けた平衡と調整;腕、顎、脚、顔のリズミカルな震え;筋肉の硬直;及び動作の緩慢、例えば、自発運動の緩慢、等のような症状の軽減をすることができる。付け加えると、幹細胞と7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物の両方によるパーキンソン氏病の治療は、さらに治療効果の増強をもたらす利点、又は、それ以外の方法で、有効な治療を必要としている7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物の用量を減少させる利点を提供することができる。本明細書に記載したスクリーニング方法は、パーキンソン氏病の治療に有用な追加の化合物を同定する方法を提供する利益がある。
本発明の他の特徴と利点は、以下の詳細な説明の記述及び特許請求の範囲から明らかにであろう。
本発明は、パーキンソン氏病のユニークな治療を特徴とする。治療の方法は、この疾病を治療するに十分な量で7−クロロ−4−アミノキノリン構造を有する化合物の投与をすることを特徴とし;これは、一般的には、治療される患者の細胞中のNurr1を活性化するに十分量での投与が関係する。幹細胞は、本発明の他の治療の態様において使われる。例えば、胚幹細胞、骨髄幹細胞、臍帯血幹細胞、及び、末梢血幹細胞が用いられ得る。本発明は、加えて、胚幹細胞のドーパミン作働性神経への分化を引き起こすための方法を特徴とし、このような方法は、7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物の使用することを特徴とする。本発明は、さらに、パーキンソン氏病の治療のための化学物質を同定するための有用なスクリーニング方法を特徴とする。同定する方法は、DA神経の生存及び/又は維持を促進する役割をもつ1又はそれ以上の転写因子を活性化する低分子のスクリーニングを特徴とする。例えば、Nurr1、中脳ドーパミン神経の運命を決定づける重要な転写因子、は、本発明のスクリーニングにおいて有用な標的である。
7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物類:
7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物類は、上記により定義され、本発明の方法、キット、組成物において有用である。本発明の方法において用いられた典型的な化合物は、アモジアキン、殺シゾント活性をもつ抗マラリア剤であり、グラフェニン、疼痛の軽減に用いられている特性を有するアントラニル酸誘導体である。
本発明の治療は、単独で又は別の治療と併用して行うことができ、家庭で、医者のオフィスで、医院で、病院の外来部門で、又は病院で提供することができる。治療は一般には、病院で始まるが、医者は、治療効果を厳密に観察することができ、必要とされる調整をする。治療期間は、年齢、患者の症状、患者のパーキンソン氏病のステージに依存する。付け加えると、パーキンソン氏病の高リスクをもつ人(例えば、一般的に遺伝的になりやすい人)は、この病気の阻止又は症状の遅延のための予防措置を受けることができる。
パーキンソン氏病をもつ又はリスクをもつ患者の診断方法は、この分野ではよく知られている。例えば、次のような症状の1又はそれ以上の存在が、PD診断の一部として用いられている:振え、例えば、片腕又は片足の無意識の、リズミカルな振え;筋肉硬直、(筋肉の)凝り;不快感;日常生活のあらゆる活動が一般に遅く、例えば、無運動、動作緩慢;歩行困難、平衡困難、姿勢困難;環状変化;記憶喪失;会話障害;及び睡眠障害である。患者の症状、活動、医薬、を再調査すると、共通な医薬の問題、又は、毒物接触の可能性が、PD診断をするために有用である。付け加えると、患者は、パーキンソン氏病の可能性が増すことを示す遺伝的な変化の存在の有無の検査を受けさせることができる。例えば、NURR1における1又はそれ以上の特定部位の変異又はポリモルフィズム(多型)の存在、α−シヌクレイン、パーキン、MAPT, DJ−1、PINK1、SNCA、NAT2又は、LRRK2遺伝子が、パーキンソン氏病であるか又はそのリスクをもつかの診断に用いられる。これらは、次の文献を参照されたい: 米国特許公報第2003−0119026及び2005−0186591;Bonifati、Minerva Med.96:175−186、2005;及びCookson等、Curr.Opin.Neurol.18:706− 711,2005;これらの各々は、参照により本明細書に取り込まれている。
薬学的組成物の製剤
本発明の薬学的組成物は、当業者に知られている方法で調製することができ、例えば、通常の溶解をし、凍結乾燥し、混合し、粒状化し、調合することによる。この分野で製剤を製造する周知の方法は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy,20th編、ed.A.R.Gennaro,2000,Lippincott Williams及びWilkins,Philadelphia及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technology、eds.J. Swarbrick及びJ.C.Boylan、1988−1999、Marcel Dekker、New York、により知られている。
投与の適切な様式は、これに限定されるものではないが、経口、直腸内、静脈内、筋肉内、皮下、吸入、鼻腔内、局所、又は、経皮、膣内及び眼内を含む。
本発明の化合物の投与は、パーキンソン氏病の進展を治療又は阻止(例えば、遅延)するための有効な化合物の濃度をもたらすあらゆる適切な方法によることができる。その化合物は、適切なキャリア物質と混合することができ、例えば、投与される化合物の治療上の特質を維持する薬学的に許容される賦形剤である。典型的な薬学的に許容される賦形剤の1例は、生理食塩水である。適切なキャリア物質は、一般的には、組成物の総重量の1〜95%の量である。組成物は、適切な経口、直腸内、静脈内、筋肉内、皮下、吸入、鼻腔内、局所、又は、経皮、膣内及び眼内投与される剤形で提供される。したがって、組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、懸濁剤、乳剤、液剤、ヒドロゲルを含むゲル剤、ペースト、オイントメント、クリーム、プラスター、浸剤、デリバリーデバイス、座剤、注腸、注射剤、埋め込み、スプレイ剤、又は、エアロゾール剤等の剤形であり得る。
本発明の組成物は、投与に対し実質的に即時に活性化合物を放出するように製剤化され得る、また、投与後、所与の期間に放出される抑制放出製剤に製剤化され得る。
抑制放出製剤での化合物の投与は、次の場合に有用である、すなわち、化合物が、単独で又は併用のいずかで、(i)狭い治療指数(例えば、有害な副作用又は毒性反応を導く血漿濃度と治療効果に導く血漿濃度の差が小さい;一般に、治療指標は、中間有効量(ED50)に対する致死量値(LD50)の比率として定義される:(ii) 消化管における狭い吸収受入口、又は(iii) 生理的に短いハーフライフ;それは、治療濃度を維持するために一日中に頻繁な投与が必要とされるためである。
多くの戦略が、放出率が治療化合物の代謝率を上回るような抑制放出を得るために、追求されるべきである。例えば、抑制放出は、製剤パラメータや構成成分、例えば、抑制放出や被覆を含む、の適切な選択により得ることができる。適切な製剤は、当業者に公知である。単一の又は複数単位の錠剤、又はカプセル組成物、オイル溶液、懸濁液、乳剤、マイクロカプセル、マイクロスフェア、ナノカプセル、パッチ、及びリポソームを含む。
経口投与用固体製剤
経口投与用製剤は、無毒の薬学的に許容される賦形剤と共に混合物中に活性成分を含有する錠剤を含んでいる。このような賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤又は充填剤(例えば、蔗糖、ソルビトール)、滑剤、流動促進剤、付着防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、シリカ、水素添加した植物油又はタルク)である。
経口投与用の製剤は、チュアブル錠、又は、活性成分が不活性な固体希釈剤と混合した堅いゼラチンカプセル剤、又は活性成分が水又はオイルメディウムで混合されたソフトゼラチンカプセル剤として提供され得る。
用量
本発明の方法で用いる化合物の適切な用量は、投与方法、パーキンソン氏病の重篤度、年齢、治療される患者の健康を含む幾つかの要因に依存しており、付け加えると、特定された患者の薬理ゲノミック(薬物動態解析、薬動力学、または治療剤の有効性の特性)情報が、使用する用量に影響を与えることがあり得る。
本発明の方法で用いた化合物の毎日の連続的な投与は、要求されない。治療計画は、薬物が投与されない、または、必要に応じて治療が行われる期間という周期が求められる。
上述したように、本発明で取り上げている化合物又は組成物は、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤の剤形で経口的に、又は直腸内に座剤で投与され得る。化合物の非経口投与は、例えば、生理食塩水溶液の形で、または、リポソームに取り込まれた化合物の形で適切に行われる。化合物自身が、溶解されるのに十分可溶性でない場合は、エタノールのような溶解剤が適用される。
本発明の方法に用いるあらゆる化学物質の用量は、当業者により容易に決めることができる。好ましくは、本発明の方法に用いるあらゆる化学物質の用量は、患者のパーキンソン氏病の症状を緩和するために十分であるべきである。別の態様では、患者の細胞のNurr1細胞を活性化させるに十分であるべきである。生体外(ex vivo)で幹細胞の分化に関与する本発明の方法にとっては、望ましくは用量が、幹細胞の分化を誘導するに十分であるべきである。
以下に、説明の目的で、アモジアキン又はグラフェニンの用量が記載されている。当業者は、本発明で用いる有用な他の7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物の適切な用量を容易に確認することができるであろう。
経口投与
平均的な成人ヒトのアモジアキンの一日当たりの総経口投与量は、約1〜600mg(0.02〜8.5mg/kg)、好ましくは約25〜400mg/kg(0.35〜5.7mg/kg)、及びより好ましくは、約100〜300mg(1.4〜4.2mg/kg)一日あたりの総用量であり得る。投与は、一日当たり、1回から3回を一日から1年間とすることができ、患者に生涯に毎日さえも投与できる。慢性的な、長期間投与が、多くの場合に指示されるであろう。一日当たりの用量は、最大で600mgまでが必要とされることができる。
全身投与用の経口投与に適したグラフェニンにとっては、一日の投与量は、約0.1〜60mg(0.002〜0.85mg/kg)、好ましくは約2.5〜40mg(0.035〜0.57mg/kg)、そしてより好ましくは約10〜30mg(0.14〜0.42mg/kg)を総一日当たりの投与量とすることができる。アモジアキンのように、グラフェニンは、一日から一年間投与することができ、また、患者の生涯の間さえも投与できる。一日最大で60mgの投与量を必要とすることができる。
投与経路の追加
アモジアキンの静脈内、筋肉内、皮下、直腸内、吸入、局所、膣内、又は眼内にとって、一日当たりの総投与量は、約1〜600mg(0.02〜8.5mg/kg)、好ましくは約2.5〜400mg(0.35〜5.7mg/kg)、そして最も好ましくは約100〜300mg(1.4〜4,2mg/kg)であることができる。グラフェニンの一日当たりの投与量は、約0.1〜60mg(0.002〜0.85mg/kg)、好ましくは約2.5〜40mg(0.035〜0.57mg/kg)、そして最も好ましくは約10〜30mg(0.14〜0.42mg/kg)であることができる。これらの経路によれば、アモジアキン又はグラフェニンのいずれかの投与は、一日当たり1回から4回である。
幹細胞
幹細胞は、本発明の方法、キット、及び組成物において7−クロロ−4−アミノキノリン構造を有する化合物と併用して用いることができる。例えば、本発明は、幹細胞を7−クロロ−4−アミノキノリン構造を有する化合物と接触させることにより、生体外(ex vivo)で幹細胞をドーパミン作働性神経への分化を引き起こす方法を特徴とする。本発明は、また、幹細胞を用いる生体内(in vivo)での方法を特徴とする、例えば、幹細胞を7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物と共に患者の脳内への注射である。したがって、本発明の観点からは、幹細胞は、ドーパミン作働性神経の喪失又は劣化を含む障害、例えばパーキンソン氏病、に苦しむ患者を治療する強力なツールを提供している。
幹細胞は、無期限な分裂(自己再生)する能力をもち、正しい状況又はシグナルの下では臓器に創りあげられる、異なるタイプの多くの細胞に分化をするユニークな細胞集団である。胚盤胞(blastcyst)の内細胞塊は、胚幹細胞(ES細胞)として知られている。始原生殖細胞に由来する幹細胞、成熟配偶子(卵子及び精子)に正常に発達するが、それは、胚生殖(EG)細胞として知られている。幹細胞のこれらのタイプの両方は、3つのすべての胚葉(内胚葉、中胚葉、外胚葉)の類に分化するユニークな能力のために、多機能性細胞として知られている。
多機能(pluripotent)幹細胞は、しばしば成熟組織から由来する別のタイプの多能性(multipotent)幹細胞にさらに特化することができる。多能性(multipotent)幹細胞は、自己再生と分化を経験し得る。しかし、胚幹細胞のようではなく、特定の機能をもつ細胞になるように委ねられている。成熟幹細胞の例は、造血幹細胞(HSC)であり、この細胞は分裂し、分化した後、リンパ球や骨髄性タイプの細胞になる;骨髄細胞に由来する幹細胞(BMSC)、これは、脂肪細胞、軟骨細胞、骨細胞、肝細胞、心筋細胞及び神経に分化し得る;神経幹細胞(NSC)、これはアストロサイト、神経、及び乏突起膠細胞に分化し得る;そして、末梢血幹細胞である。多能性(multipotent)幹細胞は、また、上皮、脂肪組織、及び臍帯血(UCB)に由来している。
着床前の胚の内細胞塊に由来するES細胞は、最高の多能性幹細胞集団として理解されており、それゆえ、本発明の方法にとって好ましい細胞である。これらの細胞は、生体外(ex vivo)で無限分裂をすることができる、一方、多くの体細胞及び胚体外組織へ分化し得る能力を維持している。ES細胞は、雄性(XY)または雌性(XX)であることができる;雌性ES細胞が好ましい。
多能性、成熟幹細胞は、また、本発明の方法に用いることができる。好ましい成熟幹細胞は、造血幹細胞(HSC)、これは、分裂し、分化して、生涯にわたってリンパ球や骨随タイプの細胞をつくる;骨髄由来−幹細胞(BMSC)、これは、脂肪細胞、軟骨細胞、骨細胞、肝細胞、心筋細胞、及び神経を含む種々の細胞に分化することができる;神経幹細胞、これは、アストロサイト、神経、及び乏突起膠細胞に分化することができる。上皮及び脂肪組織、臍帯血細胞に由来する多能性幹細胞は、また、本発明の方法に使用することができる。
幹細胞は、制限されるものではないが、マウス、ヒト、及び霊長類を含むあらゆるほ乳類に由来することができる。幹細胞の獲得に続いて、これらの細胞は、本発明の方法に直接使用することができる;例えば、臍帯血細胞は、治療の目的で直接に使用するに十分な質を獲得されている。別の態様では、幹細胞は、利用できる細胞の数を増やすために、まず、数を拡大することができる;例えば、米国特許第6,338,942号を参照されたい。幹細胞標本のための好ましいマウスは、129,C57BL/6、および、交配種(Brook等、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.94:5709−5712、1997、Baharvand等、In Vitro Cell Dev.Biol.Anim.40:76−81、2004)である。マウス、ヒト、又は霊長類幹細胞の調製方法は、この技術分野で知られており、例えば、Nagy等、Manipulating the mouse embryo: A laboratory manual, 3rdin ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press、2002;Thomson等、Science 282:1145−1147、1998、Marshall等、Methods MoL Biol.158:11−18、2001;Thomson等、Trends Biotechnol 18:53−57、2000;Jones等、Semin.Reprod.Med.18:219−223、2000;Voss等、Exp.Cell Res.230:45−49、1997;及び、Odorico等、Stem Cells 19:193−204、2001、記載されている。
ES細胞は、胚盤胞(blastcyst)又は発達中の他のあらゆる初期の段階に直接的に由来することができ、体細胞の核移植その他の類似した手法により「クローン化した」幹細胞株とすることができる。胚盤胞(blastcyst)からのマウス、ヒト、又は霊長類のES細胞の培養する一般的な方法は、Appendix C of the NIH report on stem cells entitled Stem Cells: Scientific Progress and Future Research Directions、June 2001に、知られている。例えば、第一段階では、着床前の胚盤胞(blastcyst)の内細胞塊が、それを取り囲む栄養外胚葉から離れる。(ヒトES細胞の培養にとっては、胚盤胞が、イン ビトロで受精により発生し、研究用に提供される。)細胞を増殖させるために用いる小さなプラスチック製培養ディシュは、牛胎児血清を補充した増殖培地を含み、非分裂細胞の「フィーダ層」でしばしば被覆されている。フィーダ細胞は、分裂しないように化学的に不活性化されたマウス胚繊維芽細胞(MEF)である場合もある。サイトカインの白血病抑制因子(LIF)のような追加試薬がマウスES細胞の培養メディウムに加えることができる。第二段階では、数日から1週間後、細胞の増殖中のコロニーは、分離して、新しい培養ディシュに分散させ、各々は、MEFフィーダ層を含むこともでき、含まないこともできる。細胞がヒトへの治療用に用いるものであるならば、MEFフィーダ層は含まないことが好ましい。このような生体外(ex vivo)では、ES細胞は、コロニー凝集して、コロニーを形成する。ES細胞のラインをつくるために要する第三段階では、個々の分裂していないコロニーを分離し、新しいディシュに移す、このステップを「パッセージ」と呼ぶ。この再プレーティングの工程がES細胞の「ライン」を確立させる。細胞の「ライン」は、単一のES細胞が生じるならば、「クローン」と呼ばれる。限定希釈法が、クローン化されたES細胞ラインをつくるために用いることができる。幹細胞の培養に必要な試薬は、市販で入手可能であり、例えば、Invitrogen、Stem Cell Technologies、R&D Systems、及び、Sigma Aldrichであり、また、例えば、米国特許公報第2004/0235159及び2005/0037492、Appendix C of the NIH report、Stem Cells: Scientific Progress and Future Research Directions、supra、に記載されている。
本明細書に記載の幹細胞を用いる方法は、ES細胞に由来する分化した細胞の移植を介して治療し得る疾病の治療に用いることができる。本発明の幹細胞又は本発明の方法を用いて造られた幹細胞は、パーキンソン氏病、及び他の神経変性疾患、例えば、アルツハイマ疾患、又は、脳、又は、脊髄の外傷のあらゆる患者、好ましくは、ヒトを治療するために用いることができる。
本発明は、分化又は進化の研究の目的のために用いることができ、本明細書に記載した幹細胞と使用する方法を用いることができる、例えば、パーキンソン氏病の動物モデルや他の神経学の傷害モデルを創り、その試験をするためである。本発明の幹細胞及び方法は、また、特定の化合物の幹細胞分化、進化、及び、組織の発生、又は再生に対する効果を検討するために用いることができる。
Nurr1の活性化を検出する評価及び選抜
Nurr1は、中脳ドーパミンのための鍵となる運命を決める転写因子であり(図1)、したがって、本発明のスクリーニング試験において有用な標的である。Nurr1は、チロシンハイドロキシラーゼ(TH)のプロモータの転写活性化を細胞特異的な態様で行う(Kim 等、J.Neurochem.85:622−634、2003)(図2)。付け加えると、ドーパミン作働性表現型の年齢に関連した傾向は、(中脳)黒質におけるNurr1発現の抑制制御を伴っている。それゆえ、Nurr1機能を活性化させる分子が、DPの神経の生存を促進することができ、TH遺伝子発現を増加させることによりドーパミンの生産を増加させる。スクリーニング、例えば、低分子ライブラリの高生産性(high−throughput)スクリーニングは、本発明の方法において用いることができる。
本発明は、DA神経の神経生存を促進し、TH遺伝子発現の増強によりドーパミンの生産を増加させることによる、Nurr1機能を活性化させる化合物のための評価を特徴とする。本発明の1つの試験においては、Nurr1遺伝子の全部又は一部を含むエフェクタープラスミドが本来の又は修飾されたチロシンハイドロキシラーゼプロモータの一部に操作可能に結合したレポータ遺伝子を含むレポータプラスミドと同時にトランスフェクトされる。レポータ遺伝子の試験は、個々の候補化合物又は化合物ライブラリの存在下又は非存在下で行われる。種々のパラメータに、これらに限定されるものではないが、プラスミドの比率、エフェクタープラスミド中でNurr1遺伝子が存在する位置、THプロモータの長さと配列、レポータ遺伝子、細胞のライン、及びレポータ遺伝子の試験を含む、スクリーニングの条件を最適化するためには、個々に又は一緒になって、変動することができる。
例えば、エフェクタプラスミドは、Nurr1をコードする遺伝子、又はそのドメインを含む、例えば、LBD(リガント−結合ドメイン)であり、これは、別のドメインをコードする遺伝子に融合している、例えば、GALADNA−結合ドメイン(DBD)である。対応するDNAの活性化領域の上流、例えば、GALA結合部位、は、レポータプラスミド中でレポータ遺伝子に操作可能に結合している。エフェクタとレポータプラスミドは、候補化合物の存在下又は非存在下で細胞へ共にトランスフェクトされており、ヒット候補(化合物)が、レポータ遺伝子試験の結果に基づいて同定される。
望ましくは、候補化合物のライブラリは、生体外(ex vivo)試験でテストされ、この試験で得られたヒット化合物は、偽陽性候補化合物を除くために、独特な生体外(ex vivo)試験である、第2次試験にかけられる。
ヒット候補化合物のセットを同定する生体外(ex vivo)試験又は他の試験に続いて、ヒット化合物の妥当性を確認するために動物(in vivo)試験を行うことが望ましい。例えば、候補化合物は、被験動物、例えば、マウス、に投与することができ、引き続いての試験は、被験動物からの中脳ドーパミン作働性神経に対してヒット化合物が対照試験に比べて、ドーパミンの発現量を増加したか否かを決定するためにおこなうことができる。
図3は、新規に創作した細胞べースの試験において、ヒット化合物の同定と選抜、及び、これらの化合物の動物(in vivo)試験に関する概略を示している。スクリーニングと試験の詳細な例は、以下に述べる。
実施例
以下の実施例は、本発明を説明する目的で提供するものであり、これに限定されると解釈すべきではない。
実施例1.Nurr1細胞−ベースの評価試験
THのNurr1活性化を引き出す細胞ベースの系は、Nurr1活性化化合物の同定試験を開発するために考案された。SK−N−BE(2)C(TH発現)細胞が、宿主細胞ラインとして用いられ、トランスフェクッションにおいて、レポータプラスミドに対しNurr1エフェクタの明瞭な反応を示している。付け加えると、安定した細胞のライン化のトランスフェクションを用いるのではなく、一次スクリーニングでは、低親和性のヒット化合物を検出するためにレポータ遺伝子に対し化合物の最大の反応性が好ましいため、一過性のトランスフェクションを選択した。別のパラメータが、人為的に複製されたプロモータよりも、天然のプロモータがより近い生物的スクリーニング条件を生じるという仮説に基づいて、ある特定の種類のNBRE−モチーフよりもすべての必須NBRE(Nurr1−結合)−様モチーフとの短いサイズの天然THプロモータの選択が考えられ、そして偽陽性化学物質は、無関係の転写因子との相互作用のために、二次スクリーニングの方法で容易に除外することができる。
この新規なNurr1細胞ベースの評価系を調査するため、エフェクタ遺伝子プロモータ、内部対照遺伝子のプロモータ、THプロモータサイズ、内部対照遺伝子のプロモータ、一過性トランスフェクションの条件、血清濃度、及びDMSO効果等を含む、様々なパラメータのいくらかの組み合わせが試された。例えば、レポータ遺伝子に対するTHプロモータサイズの効果が検討され(図4)、外来性Nurr1の発現は、SK−N−BE(2)C細胞の6.0kb−THよりも2.6kb−THにより駆動されたレポータ遺伝子の発現をより強固に転写を活性化したことを示している。
部分的に最適化した条件でNurr1アクチベータの予備的なスクリーニングが化学物質ライブラリを用いて行われた。図5A、5B及び6に示すように、幾つかの候補化合物は、対照に比較してルシフェラーゼ活性を数倍上昇させた。
このアプローチを用いて、数種の一次ヒット化合物が、Nurr1エフェクタとホタルルシフェラーゼに融合した2,6−THプロモータを用いて当初のスクリーニングからNurr1活性化剤として同定された。二次スクリーニングシステムとしては、GAL4DNA結合ドメイン(DBD)構築物が用いられ、それは、全Nurr1、Nurr1−リガンド結合ドメイン(LBD)、又はイーストGAL4DBDへのNurr1−DNA結合ドメインを別々に融合したものである。例えば、一次ヒット候補のGAL4DBD−Nurr1LBDを用いたレポータ遺伝子の効果は、図7に示しており、図7は、この二次スクリーニングが、一次でヒット候補の偽陽性を除外することができたことを示した。アミノ末端領域を介してNurr1を調節している6−MPをこの実験のネガティブコントロールとして用いた。アモジアキンとグラフェニンは、この二次評価でヒット候補化合物として同定された。
この実験シリーズは、パーキンソン氏病の治療のために有用であり得るリード化合物を同定するために一次及び二次スクリーニングを用いた値を示した。
実施例2.7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物の相対活性試験
ヒト神経芽細胞腫SK−N−BE(2)C細胞が、10%牛胎児血清(Hyclone)、100ユニット/mlのストレプトマイシン、及び100ユニットのペニシリンを補充されたダルベッコ修正イーグルメディウムで増殖され、トランスフェクション1日前に96穴ウエルプレート中に抗生物質を含まない上記メディウム中にウエルあたり25,000個を植え付けた。各96穴プレートは、Nurr1遺伝子を含むエフェクタプラスミドと、レポータ遺伝子を含むレポータ構築物の1:1のモル比でトランスフェクトを行った(図8A〜8B、及び、9A〜9B)。トランスフェクションは、リポフェクタミン法で行い、トランスフェクション用のプラスミドは、キアゲン(Qiagen)カラム(Qiagen Co.Santa Clarita、CA、米国)を用いて調製した。総DNA量は、96穴プレートあたり0.2μg、内部標準としてpRSV−b−galの0.02μgを用いた。トランスフェクションの日に、0.2μgのDNAが25μlのOpti−MEMI血清減量メディウムで希釈し、0.5μlのリポフェクタミンは、各96穴プレートにおいて、25μlのOpti−MEMI血清減量メディウムで希釈した。5分間インキュべーション後、その希釈したDNAと希釈したリポフェクタミンを併せて、室温で40分間インキュベーションし、DNA−リポフェクタミン複合体を形成させた。
DNA−リポフェクタミン複合体の50μlを分離した後、3種の化合物(アモジアキン、グラフェニン、及び、クロロキンジホスフェイト)を活性炭処理済み3%牛胎児血清含有DMEM中で適切な濃度にその希釈液が、添加され、一晩インキュべーションされた。各96穴プレートからの細胞は、次いで、50μlの溶解緩衝液(25mMトリス−リン酸緩衝液 (pH 7.8)、2mM DTT、2mM CDTA(1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸)、10%グリセロール及び1%トライトンX−100)で溶解した。次いで、ホタルルシフェラーゼ基質の等容量を添加し、ルシフェラーゼ活性は、ルミノメータープレートリーダで測定し、下記の表に示すように、β−ガラクトシダーゼ活性に対して標準化した。
[表]
Figure 2009527478
実施例3.ヒット候補を試験するための生体外(ex vivo)機能系の確立:
生体外(ex vivo)機能系は、パーキンソン病を治療するためのさらなるリード薬剤開発の最適ヒット候補を選択するために組み立てることができる。Nurr1活性化の考えられる機能試験は、リアルタイムPCRによるTH遺伝子の増加を検出すること、HPLC又はドーパミン作働性細胞ラインでTH蛋白の免疫染色によりドーパミン量を検出することから構成されている。
リアルタイムPCRによるTHmRNAの定量: ドーパミン細胞ラインMN9Dは、ヒット候補の機能を試験するための有用な生体外(ex vivo)モデルを提供する。MN9Dは、吻側中脳被蓋と神経芽腫細胞ラインN18TG2マウス胚14日からのプライマリ神経の体細胞融合により生じた(Choi等、Brain Res.552:67−76、1991)。MN9Dは、カテコ−ルアミンを合成し、胚の性質を有し、神経特異的なマーカを発現し、そしてDA細胞毒である、N−メチル−4−フェニルピリジニウム(MPP)に感受性である(Kim等、Biochem.Biophys.Res.Commun.286:659−665、2001)。これらの試験では、MN9Dは、10%牛胎児血清、100U/mlペニシリン及び100U/mlストレプトマイシンを補充したDMEM/F12メディウム中で、5%炭酸ガス、37℃で維持した。候補化合物に接触させたMN9Dからの総RNAは、Tri試薬を用いて調製し、Dnエース(Dnase)I処理をした。cDNAは、RT−PCR用のスーパスクリプトTM第一鎖合成系でRNA5μgを用いて得た。その結果得られたcDNAは、PCR試薬用のテンプレートとして用いた。下記のプライマセットは、リアルタイムPCR分析に用いることができる:
Actin: 5’−GGCATTGTGATGGACTCCGG−3’及び
5’−TGCCACAGGATTCCATACCC−3’(358bp);
TH: 5’−TTGGCTGACCGCACATTTG 及び
5’−ACGAGAGGCATAGTTCCTGAGC−3’(336bp);
GAD:5’−GGGTTTGAGGCACACATTGATAAG−3’及び
5’−GCGGAAGAAGTTGACCTTGTCC−3’(279bp);
Nurrl:5’−CATGGACCTCACCAACACTG−3’及び
5’−GAGACAGGTGTCTTCCTCTG−3’(383bp)。
リアルタイムPCRは、発現レベルを定量するために行うことができる。増幅は、0.5μMの各プライマ、0.5X SYBR GreenI(Molecular Probes)、及び2μlの10倍希釈したcDNA(DNA engine Opticon?(MJリサーチ社製、Waltham、MA)を含む25μlで行うことができる。PCR反応は、温度プロフィールが、95℃30秒、60℃30秒、72℃30秒、79℃5秒を用いた50サイクルから構成される。PCR産物の融点が測定された。各PCRサイクル後、プライマダイマを融解するために蛍光シグナルは、79℃で検出した(ここで用いた全てのプライマダイマのTmは、79℃より小さい。)。PCR産物(単一で、特徴的なバンドの存在として定義される)の純度は、次に、ゲル電気泳動により確認した。標準曲線がGAPDHプラスミド(10〜10分子)を用いてつくられた。特定のPCR産物からの蛍光シグナルがアクチンのそれにより標準化された。各遺伝子にとって、2つの独立したサンプルが分析され、反応の全てが、少なくとも2回繰り返されるべきである。
HPLCによるドーパミンの定量: ドーパミンのHPLC分析は候補化合物に接触後細胞を融解により行われた。6ウエルからの細胞溶解物はプールされ、200μlの過塩素酸(PCA)とEDTAの最終濃度0.33Mと0.17mMの各々で蛋白を沈殿させた。1,4000xg10分間の遠心後、細胞内画分(上清)と細胞ペレットが、細胞内DAと蛋白分析の各々のために分離される。電気化学的なHPLCの分析が、Andersson 等、Neurotoxicology、16:201−210、1995の記載により、分離のために逆相カラムを用いて行った。
TH蛋白の免疫染色: 化合物で処理後、MN9D細胞は、4%ホルムアルデヒド(Electron Microscopy Sciences、Ft.Washington、PA)で30分間固定し、PBSで洗浄し、次いでブロッキング緩衝液 [PBS、10% 正常ロバ血清(NDS)又は正常ヤギ血清(NGS)、0.1%トライトンX−100]で10分間インキュベーションした。細胞は、2%NDS又はNGSを含むPBSで希釈した一次抗体と4℃で一晩インキュべートされる。様々な一次抗体を用いることができる、例えば、ウサギ抗−β−チュブリン(1:2000;Covance,Richmond、CA)、ヤギ抗−TH(1:200;Pel−Freez、Rogers、Arkansas)、ヤギ抗−AADC(1:200;Chemicon、Temecula、CA)、ラット抗−DAT(1:1000;Chemicon)、又はウサギ抗−5−ヒドロキシトリプタミン(HT)(1:3000;Diasorin、Stillwater、MN)である。蛋白は次いで、抗−γ−アミノ酪酸(GABA)(1:5000;Sigma)を用いて沈殿させる。PBSで洗浄後、カバースリップは、蛍光レベルした二次抗体でインキュベトした、例えば、Alexa Fluor 488(緑)又はAlexa Fluor 568(赤)−標識ロバ/ヤギIgG(1:500;Molecular Probes,OR)をPBS中で2%NDS又はNGSで室温で30分間である。PBSで3x10分間洗浄後、カバースリップが、次いで、Gel/Mount(Biomeda Corp.、Foster市、CA)を用いてスライドグラスにマウントする。細胞は、クリプトン、クリプトン/アルゴン及びヘリウムレーザで装備された共焦点顕微鏡LeicaTCS/NTを用いて検査した。細胞は、in Chung等、Eur.J.Neurosci.16:1829−1838、2002、及びその改訂版、に記載のプロトコールに従って計測した。
実施例4.ドーパミン作働性神経細胞の分化:
ES細胞のイン ビトロでの分化については、本発明者らは、5段階方式を用いた、その方法は、この分野では公知である(例えば、Lee等、Nat.Biotechnol.18:675−679、2000を参照)、また、これは、ES細胞の発達段階の各ステージを区別するために有用である。マウス杯盤胞細胞由来ES細胞ラインD3及びJ1は、増殖させ、この技術分野で公知の方法により維持した(例えば、Deacon等、Exp.Neurol.,149:28−41、1998及びChung等、Stem Cells,20:139−145、2002を参照)。マウスES細胞は、胚様体(EBs)として非粘着性の細菌培養用のディシュに4日間、2mM L−グルタミン、0.001%β−メルカプトエタノール、1X 非必須アミノ酸(これら全ては、Invitrogen社製)、及び10%FBS(Hyclone社製)を補充されたDMEMを含む培地で発生させた。EBsは、次いで、粘着性の組織培養用ディシュ表面上に移植した。24時間培養後、ネスチン陽性細胞の選択が無血清ITSFn培地で行われた。10日間の選抜の後、ネスチン陽性細胞は、トリプシン処理に続いて、ポリ−L−オルニチン/ファイブロネクチン−被覆のカバースリップ上に移し、ラミニン(1μg/ml)及び最小限の基本の繊維芽細胞成長因子(bFGF)(10μg/ml)(Invitrogen)を補充したN2培地中で拡大増殖させた。神経細胞の前駆細胞の分化は、ラミニン含有N2培地からbFGFを取り出したものにより誘導された。アモジアキン(4E)の効果をみるために、本発明者らは、4E化合物の2μMをES由来神経に、ES由来神経段階(ステージ)の第5日に、4日間加えた。
細胞は、1xPBS中4パーセントパラホルムアルデヒドで固定し、スライドグラス上にマウントし、抗−TH(Pelfreese)及び抗−β−チュブリンIII(Cobavnce)を含む一次抗体で染色した(図10A〜10B)。適当なAlexa488−及びAlexa555−標識二次抗体(分子プローブ)及び4’,6−アミジノ−2−フェニルインドール対比染色を視覚化のために用いた。
他の態様:
本明細書で述べた全ての刊行物、特許及び特許出願は、参照により本明細書に取り込まれている。当業者であれば、本発明の範囲および趣旨から逸脱しない、記載した本発明の方法やシステムの他の様々な変更形態が容易にわかるであろう。本発明が特別な態様との関連で記載されたものであっても、このように特別な態様に制限されるべきではない。事実、当業者に明確である本発明を実施するために記載した態様の様々な変更態様は、本発明の範囲内に含まれるものと解釈すべきである。
他の態様は、特許請求の範囲に含まれる。
図1は、ドーパミン神経の発達におけるNurr1の役割を示す略図である。 図2は、Nurr1と、チロシンヒドロキシラーゼ及びドーパミンの間の相互関係を示す略図である。 図3は、Nurr1活性化剤を見いだす方法、及び、それを試験する方法を示す略図である。 図4は、SK−N−BE(2)C細胞における一過性トランスフェクションの結果を示すフローチャートである。SK−N−BE(2)C細胞での一過性に発現したNurr1活性は、2.6kb−THプロモータと6.0−THプロモータで同時トランスフェクションにより、各々測定された。トランスフェクションのために用いたエフェクタプラスミドのレポータプラスミドに対するモル比は、各試験において0.5であった。ルシフェラーゼ活性を求めた後、内部標準としてのβ−ガラクトシダーゼの活性で標準化した。 図5Aは、小規模の化学物質ライブラリでの初期のスクリーニングデータのチャートを示す図である。SK−N−BE(2)C細胞で一過性に発現したNurr1活性は、各化合物添加して18時間インキュベーション後に2.6−THプロモータを用いてルシフェラーゼ活性を測定した。細胞ベースの測定系は、ポジティブなヒット候補、フォルスコリン(forskolin)、を得た、それは、対照のDMSOに比べてルシフェラーゼ活性の明らかな増加を示した。各カラムは、8種の異なる化合物である。 図5Bは、さらに、小規模化学物質ライブラリでの初期のスクリーニングデータのチャートを示す図である。SK−N−BE(2)C細胞で一過性に発現したNurr1活性は、各化合物添加して18時間インキュベーション後に2.6−THプロモータを用いてルシフェラーゼ活性を測定した。細胞ベースの測定系は、ポジティブなヒット候補、クロロキンジホスフェート、を得た、それは、対照のDMSOに比べてルシフェラーゼ活性の明らかな増加を示した。各カラムは、8種の異なる化合物である。 図6は、一次ヒット候補を用いて繰り返した一次スクリーニングデータのチャートを示す図である。SK−N−BE(2)C細胞で一過性に発現したNurr1活性は、各化合物と共に、pcDNA−Nurr1構築物を添加して18時間インキュベーション後にルシフェラーゼ活性を測定した。2つのヒット候補、アモジアキンおよびグラフェニン、が確認された。 図7は、一次ヒット化学物質を用いた二次スクリーニングデータのチャートを示す図である。SK−N−BE(2)C細胞で一過性に発現したNurr1活性は、Nurr1−LBDで結合したGAL4−DBD構築物と各化合物とを共に添加して18時間インキュベーション後にルシフェラーゼ活性を測定した。2つのヒット候補、アモジアキンおよびグラフェニンが、確認された。同様に、ホタル、ルシフェラーゼレポータ遺伝子を活性化させるGAL4−DBD−Nurr1−LBD融合構築物の概略図を示している。 図8Aは、一過性にトランスフェクションしたレポータ遺伝子の測定を示した略図である。 図8Bは、Nurr1がエフェクタ遺伝子であり、プロモータは、TH遺伝子由来であり、ホタルルシフェラーゼが、レポータ遺伝子であることを示した一過性トランスフェクション−レポータ試験を示す略図である。 図9Aは、pcDNA−Nurr1がエフェクター遺伝子であり、プロモータがTH遺伝子の2.6Kb上流に由来し、ホタルルシフェラーゼがレポータ遺伝子である、一過性のトランスフェクションレポータ試験を示す略図である。 図9Bは、2.6KbTHプロモータとホタルルシフェラーゼレポータ遺伝子の存在下で、エフェクタ遺伝子の存在しない、一過性トランスフェクションレポータ試験を示す略図である。この系で増強したルシフェラーゼ活性を示すヒット化合物は、偽陽性(フォールスポジティブ)である。 図10Aは、間接免疫化学試験(TH+/Tuj1+染色)に従った胚幹細胞由来神経細胞を示す1対の写真を示す図である。ES由来神経細胞は、抗−β−チュブリンIIIおよび抗THで免疫ラベルした。蛍光顕微鏡で両蛋白質の重ね合わせが白く認められた。 図10Bは、アモジアキンが対照のDMSOに比べて、イン ビトロ(in vitro)でのES細胞の分化中にTH+細胞数の増加させたことを示す棒グラフを示す。

Claims (35)

  1. パーキンソン氏病の治療または発症を阻止する方法であって、次のステップ:
    (a)患者が、パーキンソン病であるか、または、パーキンソン氏病の発症のリスクを有するかを決定し;そして、
    (b)前記患者がパーキンソン氏病であるか、または、発症のリスクを有していれば、前記患者にパーキンソン氏病を治療又は発症を阻止するに十分な量の7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物を投与する、
    ステップを含む方法。
  2. パーキンソン氏病を治療または発症を阻止する方法であって、次のステップ:
    (a)患者が、パーキンソン病であるか、または、パーキンソン氏病の発症のリスクを有するかを決定し;そして、
    (b)前記患者がパーキンソン氏病であるか、または、発症のリスクを有していれば、前記患者に7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物を、前記患者の細胞中のNurrlを活性化するのに十分な量を投与する、
    ステップを有する方法。
  3. 前記化合物が、アモジアキン(amodiaquine)である、請求項1または2の方法。
  4. 前記化合物がグラフェニン(glafenine)である、請求項1または2の方法。
  5. (a)7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物;および、
    (b)パーキンソン氏病を発症しているか、または、発症のリスクを有すると診断された患者に前記化合物を投与するための使用説明書、
    を含むキット。
  6. 前記化合物が、アモジアキン(amodiaquine)である請求項5記載のキット。
  7. 前記化学物質が、グラフェニン(glafenine)である請求項5記載のキット。
  8. 生体外(ex vivo)で幹細胞をドーパミン作働性神経細胞に分化を引き起こす方法であって、前記方法が、前記幹細胞の分化を誘導するに十分な量が存在する7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物と生体外(ex vivo)で接触させることを含む方法。
  9. 前記幹細胞が、ヒト胚細胞である請求項8記載の方法。
  10. 前記化学物質が、アモジアキン(amodiaquine)である請求項8記載の方法。
  11. 前記化学物質が、グラフェニン(glafenine)である請求項8記載の方法。
  12. パーキンソン氏病を治療またはその発症を阻害する方法であって、次のステップ:
    (a)患者の脳内に幹細胞を含む組成物を注射すること;そして、
    (b)前記(a)のステップに続いて、前記幹細胞の分化を誘導するに十分な量の7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物を前記患者に投与すること、
    を含む方法。
  13. 前記幹細胞が、ヒト胚性幹細胞である請求項12の方法。
  14. 前記化学物質が、アモジアキンである請求項12の方法。
  15. 前記化学物質が、グラフェニンである請求項12の方法。
  16. 幹細胞と7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物を含む組成物を患者の脳に注射することを含むパーキンソン病を治療又はその発症を阻止する方法。
  17. 前記幹細胞が、ヒト胚性幹細胞である請求項16の方法。
  18. 前記化合物が、アモジアキンである請求項16の方法。
  19. 前記化合物が、グラフェニンである請求項16の方法。
  20. (a)幹細胞;及び
    (b)7−クロロ−4−アミノキノリン構造を含む化合物、
    を含む薬学的組成物。
  21. 前記幹細胞が、ヒト胚性幹細胞である請求項20の薬学的組成物。
  22. 前記化学物質が、アモジアキンである請求項20の薬学的組成物。
  23. 前記化学物質が、グラフェニンである請求項20の薬学的組成物。
  24. パーキンソン病における治療のための化合物を同定する方法であって、前記方法が、次の工程:
    (a)Nurr1遺伝子のドメインを含む第1のプラスミド、及び、操作可能にレポータ遺伝子に結合したプロモータを含む第2のプラスミドをほ乳類細胞に同時に遺伝子導入する工程;
    (b)前記細胞を候補化学物質に接触させる工程;
    (c)得られたレポータ遺伝子の発現量を測定する工程;
    (d)もし、前記量が少なくとも前記対照値より20%以上大きい場合は、前記候補化学物質がパーキンソン病の治療剤用の化学物質として同定されることを特徴とする、前記量を対照量と比較する工程;
    を含む方法。
  25. ステップ(b)でつくられた混液が、ステップ(c)の前18時間培養される、請求項24記載の方法。
  26. 前記細胞が、SK−N−BE(2)C細胞である請求項24の方法。
  27. 前記第1のプラスミドと前記第2のプラスミド間のモル比が0.1と10の間である請求項24の方法。
  28. 前記第2のプラスミドが100塩基のチロシンヒドロキシラーゼのプロモータを含む請求項24記載の方法。
  29. 前記第2のプラスミドが、2600塩基のチロシンヒドロキシラーゼのプロモータを含む請求項28の方法。
  30. 前記レポータ遺伝子が、ホタルルシフェラーゼである請求項24の方法。
  31. 前記第1のプラスミドが、Nurr1遺伝子の前記ドメインに操作可能に結合したGAL4DNA−結合ドメインを含み、さらに、前記第2のプラスミドが、前記レポータ遺伝子に操作可能に結合したGAL4結合部位を含むものである請求項24記載の方法。
  32. パーキンソン病における治療のための化合物を同定する方法であって、前記方法が、次の工程:
    (a)
    (i)ドーパミンを生産し得るほ乳類細胞;及び、
    (ii)請求項24記載の方法を用いて同定した化学物質;
    を提供する工程;
    (b)前記細胞に候補化学物質を接触させる工程;
    (c)チロシンハイドロキシラーゼ、又は、ドーパミンの発現の得られた量を測定する工程;及び、
    (d)前記発現量を対照値と比較し、もし、前記発現量が少なくとも前記対照値より20%以上大きい場合は、前記候補化学物質がパーキンソン病の治療剤用の化学物質として同定される工程;
    を含むことを特徴とする方法。
  33. 前記測定する工程が、リアルタイムPCRを用いたチロシンハイドロキシラーゼの定量を含むものである請求項32の方法。
  34. 前記測定する工程が、HPLC分析を用いたドーパミンの定量を含むものである請求項32の方法。
  35. 前記測定する工程が、免疫染色を用いたチロシンハイドロキシラーゼの定量を含むものである請求項32の方法。
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