JP2009525267A - ヒトおよび非ヒト霊長類において喘息を処置するための方法および組成物 - Google Patents

ヒトおよび非ヒト霊長類において喘息を処置するための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般に、肺疾患を処置するための方法および化合物に関連し、より具体的には、喘息を処置するためのhIL-4変異型タンパク質の吸入投与および使用に関連する。

Description

発明の分野
本発明は一般的に肺障害を処置するための方法および組成物に関連し、より具体的には喘息を処置するためのhIL-4変異型タンパク質の使用に関連する。
背景情報
インターロイキン-4(IL-4)およびインターロイキン-13(IL-13)は、アトピーおよび喘息の病因に重要な、いくつかの標的細胞への生物学的効果の広範なスペクトルを伴う、多面発現性サイトカインである。IL-4は、アトピーおよび喘息の発症に要される根本的な環境を形成する「Th2型」の炎症反応を開始する中心的なサイトカインとして、ますます理解されている。IL-4の効果はT細胞およびB細胞の活性化、増殖および分化を含む。Bリンパ球の増殖の間、IL-4はIgGからIgEへのクラス転換を制御することにより分化因子として作用し、従ってアレルギー反応の発症を助長する。IL-13は、現在では恐らくより下流のエフェクター(effector)サイトカインとして理解されている。IL-13の主要な効果は、双方ともに喘息の主要な特徴である気道過敏(airways hyperresponsiveness)(AHR)および杯細胞過形成の誘導を含む。しかしながら、これらの2つのサイトカインの効果には、相当な重複性が存在する。
これらの2つのサイトカインの結合およびシグナル伝達に付随する効果における重複性は、それらが共通の受容体を共有することにより説明されうる。IL-4受容体α鎖(IL-4Rα)は、結合し、かつシグナル伝達をすることが可能な2つの結合パートナーを有している。IL-4Rαポリペプチドは、サイトカイン共通受容体γ鎖(γc)と結合し、タイプ1 IL-4Rヘテロダイマーを形成する。IL-4Rポリペプチドはまた、IL-13受容体α1鎖ともヘテロダイマーを形成し、タイプ2 IL-4R(IL-13Rとしても公知)を創出する。IL-4はタイプ1およびタイプ2受容体の双方を活性化し、一方IL-13はタイプ2受容体へテロダイマーのみを活性化する。活性化された場合、双方の受容体は、転写因子であるシグナル伝達および転写活性因子6(STAT6)を通してシグナルを伝達する。IL-4はTヘルパー2(Th2)経路を固有に開始してもよいが、タイプ1受容体のみがTリンパ球へ局在するため、IL-13はより潤沢かつより効力があってもよい。従って、これらの2つのサイトカインの産生により制御および調節されている疾患状態において、双方のサイトカインの阻害が重要である。
最近、野生型において天然に存在するアミノ酸が、120、121、122、123、124、125、126、127または128位の1つまたは複数の位置において1つまたは複数の天然アミノ酸により置換された、ヒトIL-4(hIL-4)変異型タンパク質において、ある種のアンタゴニスト特性および部分的なアンタゴニスト特性が観察されている。従って、これらのhIL-4突然変異タンパク質(mutein)はオーバーシュート(overshoot)した、または不正に制御された免疫反応および自己免疫性疾患の処置における薬物として使用するための、価値ある治療的薬剤として記載されている。
発明の概要
本発明は、部分的には、変異型IL-4タンパク質が喘息を有する被験体の処置において有用であるという知見に基づく。本発明は、部分的には、R121DおよびY124Dの置換を有する変異型IL-4タンパク質が、野生型hIL-4および野生型hIL-13の受容体への結合をアンタゴナイズする薬学的組成物において投与されうるという知見に基づく。
従って、1つの態様においては、本発明は変異型IL-4タンパク質の投与により喘息を処置する方法を提供する。1つの態様においては、喘息を処置するための方法は、野生型hIL-4に一致させて番号付けたR121DおよびY124Dの置換を伴う野生型hIL-4のアミノ酸配列を有する、IL-4変異型タンパク質の治療的有効量を含む薬学的組成物を、処置を必要とする被験体へ投与する段階を含む。1つの局面においては、組成物は投与に先立ちエアロゾル化され、従って1日に1回または2回吸入を介して投与されてもよい。用量あたりの典型的な変異型IL-4タンパク質量は、ネブライザー(nebulizer)中に0.5 mgの名目用量(nominal dose)より多いか、またはそれに等しい量である。被験体はヒトのような哺乳動物であってもよい。
本発明の変異型IL-4タンパク質を含む薬学的組成物は、典型的には生理食塩水のような薬学的に許容される担体を含む。他の態様においては、変異型IL-4タンパク質は非タンパク質ポリマーに共役される。本発明において有用な非タンパク質ポリマーは、ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー、およびポリエチレングリコールのような疎水性ポリマーを含むが、それらに限定されない。
本発明はさらに、喘息を有する被験体の処置のための治療的レジメンのモニタリングの方法に関連する。1つの態様においては、喘息を有する被験体を処置するための治療的レジメンのモニタリングの方法は、即時型および遅発型の喘息反応、気道過敏、および気管支肺胞洗浄(BAL)で発見される炎症マーカー、血清または呼気を含む、気道肺機能における変化の決定を含む。モニタリングは、被験体の気道または血液中における炎症細胞および媒介物質の流入の変化を検出することにより達成される。他の態様においては、喘息を有する被験体を処置するための治療的レジメンのモニタリングの方法は、治療の間のBAL好酸球濃度の変化の決定を含む。治療の間のBAL好酸球濃度の減少により正の治療効果が示される。さらなる態様においては、モニタリングの方法は、治療前の呼気一酸化窒素との比較において、治療の間の呼気一酸化窒素濃度を決定することを含む。治療の間または後の、呼気一酸化窒素濃度の減少により正の治療効果が示される。
発明の詳細な説明
本発明はhIL-4突然変異タンパク質が喘息の処置に有用であるという知見に基づく。従って、本発明は、治療的有効量の変異型IL-4タンパク質により喘息を処置する方法および組成物、ならびにその突然変異タンパク質を含む薬学的組成物を開示する。
本発明は、本明細書において記載される特定の方法論、プロトコール、細胞株、ベクター、試薬等に限定されず、従って、これらは変更されてもよい。また本明細書で使用される用語は特定の態様のみを記載する目的のために使用され、かつ本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、単数形「1つの(a)」「1つの(an)」および「その(the)」という用語は、前後関係から明確にそうでないと規定される場合以外は、複数への参照を含む。
「喘息」という用語は本明細書において、困難な呼吸、胸部狭搾、および咳の突然の繰り返しの発作に特徴付けられる、しばしばアレルギーに起因する慢性的呼吸器疾患を一般的に記載するため使用される。典型的な喘息反応では、IgE抗体が細気管支および小気管支に密接に付随する肺間質に位置する肥満細胞を主に攻撃する。従って、気道に入った抗原は肥満細胞-抗体複合体へ反応すると考えられ、インターロイキンサイトカイン、ケモカインおよびアラキドン酸誘導体媒介物質を含むがこれらに限定されない数種の物質の放出を引き起こし、気管支収縮、気道過敏、過度の粘液分泌および気道炎症をもたらす。従って、本発明のある態様においては、喘息の処置は気道過敏の処置および/または肺炎症の処置を含んでもよい。
本明細書で使用される「抗原」という用語は、体内に導入された場合、抗体の産生を促進する任意の物質を意味する。抗原は昆虫、動物および植物タンパク質、毒素、細菌、外来性血液細胞、および移植臓器の細胞を含む。「アレルゲン」という用語は被験体においてアレルギー免疫反応を引き起こす任意の物質を意味する。典型的には、アレルゲンは食物、植物、昆虫または動物に由来し、気道に炎症を起こし、かつ粘液産生および気管支収縮を引き起こす。
本明細書において使用される「被験体」という用語は、本方法が遂行される任意の個体または患者を意味する。一般的に、被験体はヒトであるが、当業者にとって被験体は動物であってもよいと理解されるであろう。従って、齧歯類(ネズミ、ラット、ハムスターおよびギニアピッグを含む)、ネコ、イヌ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ等を含む家畜、および非ヒト霊長類(サル、チンパンジー、オランウータン、およびゴリラを含む)のような哺乳動物を含む他の動物が被験体の定義の範囲内に含まれる。
本明細書で使用されるように、「変異型ヒトIL-4タンパク質」、「改変型ヒトIL-4受容体アンタゴニスト」、「mhIL-4」、「IL-4突然変異タンパク質(mutein)」、「IL-4アンタゴニスト」およびその等価物は置換可能に使用され、かつ本発明の範囲内である。これらのポリペプチドおよびそれらの機能的断片は、成熟したヒトIL-4タンパク質に対して特異的アミノ酸置換がなされているポリペプチドを意味する。これらのポリペプチドは、喘息の処置を必要性とする被験体へ投与される本発明のmIL-4組成物を含む。とりわけ、本発明のmhIL-4は少なくともR121D/Y124Dの対の置換を含む(「IL-4RA」)(図13B)。
本明細書で使用されるように、「機能的断片」は、より小型のペプチドを含む、IL-4アンタゴナイズ活性を有するポリペプチドである。hIL-4の改変型mhIL-4の、これらの、および他の局面は米国特許第6,335,426号;第6,313,272号;および第6,028,176号に記載され、その全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書で使用されるように、「野生型IL-4」または「wtIL-4」およびこれらの等価物は置換可能に使用され、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,017,691号に開示されるような、天然のヒトIL-4の通常存在する129個のアミノ酸の配列を有する、天然または組み換え体のヒトインターロイキン-4を意味する。さらに、本明細書に記載される改変型ヒトIL-4受容体アンタゴニストは、様々な挿入および/または欠失および/または非タンパク質ポリマーへの共役を有してもよく、かつwtIL-4に一致させて番号付けられ、これは特定の選択されたアミノ酸が通常野生型で見られるアミノ酸と同一であることを意味する。従って、当業者は、ある位置、例えば121位(アルギニン)、124位(チロシン)、および/または125位(セリン)に通常存在するアミノ酸は、突然変異タンパク質においてシフトしてもよいことを理解するであろう。従って、例えば、38位、102位および/または104位のアミノ酸位置へのシステイン残基の挿入により、突然変異タンパク質上ではシフトしてもよい。しかしながら、シフトしたSer(S)、Arg(R)、Tyr(Y)または挿入されたCys(C)の位置は、検査、および、隣接するアミノ酸と、野生型IL-4においてSer、Arg、TyrまたはCysに隣接するアミノ酸との関連により決定されうる。
さらに、ヒトIL-4をコードするDNA配列は、シグナル配列をコードするDNA配列を含んでも、または含まなくてもよい。そのようなシグナル配列は、もし存在する場合、IL-4突然変異タンパク質の発現のために選択された細胞により認識されるものであるべきである。それは、原核生物のもの、真核生物のものまたは2つの組み合わせでもよい。それは、天然のIL-4のシグナル配列でもよい。シグナル配列の含有は、作製された組み換え細胞からのIL-4突然変異タンパク質の分泌が望ましいかどうかに依存する。もし選択された細胞が原核生物の場合、DNA配列がシグナル配列をコードせず、しかし発現を方向付けるためN末端のメチオニンを含むことが好ましい。もし選択された細胞が真核生物の場合、シグナル配列がコードされ、かつ最も好ましくは参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,028,176号に開示されるように、野生型IL-4のシグナル配列が使用されることが一般に好ましい。1つの例証的実施例においては、本発明の変異型ヒトIL-4タンパク質は、改変を伴う野生型hIL-4のアミノ酸配列を含み、第1の改変は、野生型hIL-4タンパク質の121位、124位または125位に存在する1つまたは複数のアミノ酸の別の天然アミノ酸への置換であり、かつ、N末端メチオニンをさらに任意で含む。別の実施例においては、変異型タンパク質は、以下からなる群より選択される第2の改変をさらに含む:
i)タンパク質のC末端の改変、
ii)タンパク質の潜在的グリコシル化部位の欠失、
iii)タンパク質の非タンパク質ポリマーへの共役、
およびそれらの任意の組み合わせ。
別の実施例においては、変異型タンパク質は、野生型hIL-4に一致させて番号付けられたR121DおよびY124Dの置換を含むタンパク質の第1の改変を含む。
本明細書で使用されるように「突然変異タンパク質(mutein)」は、天然の変異、または当業者により創出される、任意のタンパク質への部位特異的アミノ酸置換の結果として生じる、任意のタンパク質を意味する。「グリコシル化」は、糖タンパク質を形成するための、タンパク質へのグリコシル基の添加を意味する。このように、この用語は、天然グリコシル化、および、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物骨格の連結(「N-グリコシル化」)、または糖、好ましくはN-アセチルガラクトサミン、ガラクトースまたはキシロースのセリン、スレオニン、4-ヒドロキシプロリンまたは5-ヒドロキシリジンへの共役(O-グリコシル化)のような合成グリコシル化の双方を含む。
従って、本発明は、これら2つのインターロイキンのタイプ1およびタイプ2 IL-4Rへの結合を干渉することによる、ヒトインターロイキン-4および/またはヒトインターロイキン-13のアンタゴニストである1つまたは複数のhIL-4突然変異タンパク質を含む組成物に関連する。そのような組成物は喘息または喘息関連の症状を有する被験体を処置するために有用である。hIL-4突然変異タンパク質は、121位、124位または125位の置換に加え、さらに改変を含んでもよい。これらの改変は、hIL-4突然変異タンパク質の安定性を増加させるため、生物学的半減期を延長させるため、または調製および精製工程を促進するために実行される。本明細書で使用されるように、「アゴニスト」という用語は、生産的に受容体へ結合し、およびその生物学的活性を模倣する試薬またはアナログを意味する。「アンタゴニスト」という用語は、受容体へ結合するが正常な生物学的反応を誘発せず、かつアゴニストの活性を遮断または部分的に遮断する試薬を意味する。
IL-4に対するアンタゴニストは文献に報告されている。アンタゴニストとして機能するIL-4の変異体は、IL-4アンタゴニスト突然変異タンパク質IL-4/Y124D(Kruse, N., Tony, H.P., Sebald, W., Conversion of human interleukin-4 into a high affinity antagonist by a single amino acid replacement, EMBO J. 11:3237-44, 1992)および二重突然変異タンパク質IL-4[R121D/Y124D](Tony, H., et al., Design of Human Interleukin-4 Antagonists in Inhibiting Interleukin-4-dependent and Interleukin-13-dependent responses in T-cells and B-cells with high efficiency, Eur. J. Biochem. 225:659-664 (1994))を含む。単一突然変異タンパク質はD-へリックス内の124位チロシンのアスパラギン酸による置換である。参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,313,372号および第6,028,176号に開示されているように、二重突然変異タンパク質は、121位アルギニンのアスパラギン酸による、およびD-へリックス内の124位チロシンのアスパラギン酸による置換である。D-へリックスのこの領域における変異は、IL-4RA鎖の第2の結合領域との相互作用における変化と正に関連する。
1つの態様において、突然変異タンパク質は様々なアミノ酸残基、とりわけ、28位、36位、37位、38位、102位、104位、105位、または106位で非タンパク質ポリマーに共役される。アミノ酸位置は野生型IL-4(すなわち、ヒトインターロイキン-4)アミノ酸配列(参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,017,691号参照)に一致させて番号付けられる。非タンパク質ポリマーは、例えば、全体の内容が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第4,640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号または第4,179,337号に記載されるように、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシアルキレンを含む。
従って、当業者は本明細書に記載される周知の技術を使用して、ポリペプチドおよびその機能的断片の適切な変異を決定することが可能であろう。このように、当業者は(1)活性にとって重要でないと信じられている領域を標的にすることにより、活性を破壊することなく変化されうるポリペプチドの適切な領域を同定(参照により本明細書に組み入れられるKreitman et al. (1994) Biochemistry 33:11637-11644参照);(2)類似のポリペプチドで保存されているポリペプチドの残基および部分を同定;および(3)生物学的活性を破壊することなく、またはポリペプチド構造に有害な影響を与えることなく、依然として保存的アミノ酸置換の対象でありうる、生物学的活性または構造にとって重要である可能性のある領域を同定してもよい。
さらに、当業者は、活性または構造にとって重要な類似のポリペプチドでの残基を同定している構造-機能研究を検討することが可能である。そのような比較を考慮して、当業者は、類似のタンパク質で活性または構造にとって重要なアミノ酸残基に相当する、タンパク質のアミノ酸残基の重要性を予測することが可能である。当業者はそのような予測された重要なアミノ酸残基について化学的に類似のアミノ酸置換を選択してもよい。
当業者はまた、類似のポリペプチド構造との関連において、三次元構造およびアミノ酸配列を解析することも可能である。そのような情報を考慮して、当業者は三次元構造の観点でポリペプチドのアミノ酸残基のアラインメントを予測してもよい。ある態様においては、当業者は、他の分子との重要な相互作用に関与する可能性があるので、タンパク質表面に位置すると予測されるアミノ酸残基への根本的な変化を作製しないよう選択してもよい。さらに、当業者は各所望のアミノ酸残基での単一アミノ酸置換を含む試験的変異体を生成してもよい。変異体は続いて当業者に公知の活性アッセイを使用してスクリーニングされうる。そのような変異体は適切な変異体についての情報を収集するために使用されうる。例えば、もし特定のアミノ酸残基への変化が、破壊され、所望に反して減少し、または不適切な活性をもたらすことが見出された場合、そのような変化を伴う変異体は回避される。言い換えれば、そのようなルーチンの実験から収集された情報に基づき、当業者は、さらなる置換が、単独で、または他の変異との組み合わせにおいて回避されるべきアミノ酸であるかどうかを容易に決定することが可能である。
多数の科学刊行物が二次構造の予測に向けられている。Moult, 1996, Curr. Op. in Biotech. 7:422-427; Chou et al, 1974, Biochemistry 13:222-245; Chou et al, 1974, Biochemistry 113:211-222; Chou et al, 1978, Adv. Enzymol Relat. Areas Mol. Biol 47:45-148; Chou et al, 1979, Ann. Rev. Biochem. 47:251-276;およびChou et al, 1979, Biophys. J. 26:367-384参照。さらに現在では、二次構造予測を援助するコンピュータープログラムが利用可能である。二次構造予測の1つの方法はホモロジーモデリングに基づく。例えば、約30%より高い配列同一性、または40%より高い配列類似性を有する2つのポリペプチドまたはタンパク質は、しばしば類似の構造的トポロジーを有する。最近のタンパク質構造データベースの増大により、ポリペプチドまたはタンパク質の構造内における潜在的折り畳み数を含む、二次構造の増強された予測能力が提供されている。Holm et al. 1999, Nucl. Acid. Res. 27:244-247参照。任意のポリペプチドまたはタンパク質において、限られた数の折り畳みが存在し、かつ一旦、臨界数である5つの構造が解明されると、構造的予測は劇的により正確になるであろうことが示唆されている(Brenner et al, 1997, Curr. Op. Struct. Biol. 7:369-376)。
1つの態様においては、本発明は喘息の処置レジメンの一部として有用な方法を提供する。その方法は、アミノ酸121位(アルギニン)および124位(チロシン)がアスパラギン酸に置換された、本発明の突然変異タンパク質(IL−4RA;図2参照)の治療的有効量を含む薬学的組成物の投与を含む。本明細書に提供されているように、突然変異タンパク質のさらなる改変は、以下の1つまたは複数を含んでもよい:前記分子のN末端および/またはC末端の改変、一つまたは複数のポリエチレングリコール分子の前記分子への共有結合、および、前記分子中に存在するグリコシル化部位の部分的または完全な欠失。
「投与」または「投与する」という用語は、処置を必要とする被験体に本発明の化合物または薬学的組成物を提供する行為を含むと定義される。「治療的有効量」または「有効量」という用語は、研究者、獣医師、医師または他の臨床技師により求められる、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的反応を誘発する、化合物または薬学的組成物の量を意味する。
1つの態様において、薬学的組成物は、+2位のアミノ酸位置へのアミノ酸挿入であるN末端の改変を有する突然変異タンパク質を含む。他の態様においては、突然変異タンパク質は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つおよび少なくとも5つのアミノ酸の欠失であるC末端の改変を有する。しかしながら、C末端から5アミノ酸より多い欠失により突然変異タンパク質の活性に影響を及ぼす可能性がある。上記および本明細書に記述された任意の改変に由来する突然変異タンパク質の活性は、関連出願および/または特許において以前に記載された任意の方法、および本明細書に記載された方法(例えば、the Bimolecular Interaction Analysis (BIA)、および全体の内容が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第10/820,559号に記載されるような増殖アッセイ)により決定される。
本発明の方法において有用な突然変異タンパク質は、元のポリペプチドのアミノ酸配列と比較して、グリコシル化部位の数および/またはタイプが変更されたグリコシル化変異体をさらに含んでもよい。ある態様においては、タンパク質変異体は天然のタンパク質よりもより多いまたはより少ない数のN-結合グリコシル化部位を含む。N-結合グリコシル化部位は以下の配列により特徴付けられる:Asn-X-SerまたはAsn-X-Thr、ここでXとして示されるアミノ酸残基はプロリンを除く任意のアミノ酸残基であってもよい。この配列を創出するためのアミノ酸残基の置換により、N-結合炭水化物鎖の添加のための潜在的な新規部位が提供される。あるいは、この配列を削除する置換により既存のN-結合炭水化物鎖が除去されるであろう。また、1つまたは複数のN-結合グリコシル化部位(典型的には天然のもの)が削除され、かつ1つまたは複数の新規N-結合部位が創出されるような、N-結合炭水化物鎖の再編成も提供される。
さらなる変異体は、元のアミノ酸配列と比較して、1つまたは複数のシステイン残基が、添加され、欠失され、または別のアミノ酸(例えば、セリン)に置換されているシステイン変異体を含む。システイン変異体は不溶性封入体の単離後のように、タンパク質が生物学的に活性型の高次構造へ再折り畳みされねばならない場合に有用である可能性がある。一つの態様においては、システイン変異体は天然のタンパク質と比べ、より少ないシステイン残基、かつ非対合システイン由来の相互作用を最小化するために偶数個のシステインを有するであろう。別の態様においては、システイン変異体は、少なくとも一つの、ポリエチレングリコール(PEG)分子のような非タンパク質ポリマーの突然変異タンパク質への部位特異的共役を許容するであろう。
さらなる変異体は置換、添加、欠失またはそれらの任意の組み合わせのような変異を含むがそれらに限定されず、かつ、本明細書に記載される方法に基づいて、ならびに当技術分野において公知の方法に基づいて(例えば、参照により本明細書に組み入れられるSambrook et al, MOLECULAR CLONING: A LOBORATORY MANUAL, 3rd Ed., 2001, Cold Spring Harbor, N.Y.、および、Berger and Kimmel, METHODS IN ENZYMOLOGY, Volume 152, Guide to Molecular Cloning Techniques, 1987, Academic Press, Inc., San Diego, CA.参照)、1つまたは複数の突然変異誘発性オリゴヌクレオチドを使用した部位特異的突然変異誘発により典型的に産生される。
本発明のアミノ酸置換は以下の置換を含む:(1)タンパク質分解に対する感受性を減少させる置換、(2)酸化に対する感受性を減少させる置換、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性を変更させる置換、(4)結合親和性を変更させる置換、および/または(5)そのようなポリペプチドにおいて他の物理化学的または機能的性質を付与または改変する置換。ある態様に従い、単一または複数のアミノ酸置換(およびいくつかの場合においては、保存的アミノ酸置換)が天然の配列において作製されてもよい(例えば、ポリペプチド部分で、分子間接触を形成するドメインの外側)。
従って、保存的アミノ酸置換は典型的にヌクレオチド配列の構造的特性を実質的には変化させない(例えば、アミノ酸置換によりヌクレオチド配列中にあるへリックスを破損する、またはヌクレオチド配列を特徴付ける他のタイプの二次構造を破壊する結果になる傾向はない)。当技術分野で認識されているポリペプチドの二次および三次構造の例は、各々参照により本明細書に組み入れられる、PROTEINS, STRUCTURES AND MOLECULAR PRINCIPLES, (Creighton, Ed.), 1984, W. H. Freeman and Company, New York; INTRODUCTION TO PROTEIN STRUCTURE (C. Branden and J. Tooze eds.), 1991, Garland Publishing, New York, N.Y.; およびThornton et al., 1991, Nature 354:105に記載されている。
ペプチドアナログは、鋳型ペプチドの性質に類似した性質を伴う非ペプチド薬物として医薬品産業において一般に使用されている。これらのタイプの非ペプチド化合物は「ペプチド模倣薬(peptide mimetics)」または「ペプチド模倣物(peptidomimetics)」と名付けられる。本明細書に参照により組み入れられるFrauchere, 1986, Adv. Drug Res. 15:29; Veber & Freidinger, 1985, TINS p.392; および Evans et al., 1987, J. Med. Chem. 30:1229を参照。そのような化合物は、しばしばコンピューター化された分子モデリングの助けを借りて開発される。治療的に有用なペプチドと構造的に類似したペプチド模倣薬は、類似の治療的または予防的効果を産生するために使用されてもよい。一般に、ペプチド模倣物は、ヒト抗体のような模範(paradigm)ポリペプチド(すなわち、生化学的性質または薬学的活性を有するポリペプチド)に構造的に類似しているが、当技術分野で周知の方法によって、以下から選択される結合に任意で交換される、1つまたは複数のペプチド結合を有する:-CH2-NH-、-CH2-S-、-CH2-CH2-、-CH=CH-(シスおよびトランス)、-COCH2-、-CH(OH)CH2-および-CH2SO-。コンセンサス配列の1つまたは複数のアミノ酸の、同一型のD-アミノ酸(例えば、L-リジンの代わりにD-リジン)による系統的置換は、より安定なペプチドを生成するためある態様において使用されてもよい。加えて、コンセンサス配列または実質的に一致したコンセンサス配列変種を含む制約されたペプチドが、当技術分野で公知の方法により(参照により本明細書に組み入れられる、Rizo &Gierasch, 1992, Ann. Rev. Biochem. 61:387);例えば、ペプチドを環状化する分子内ジスルフィド架橋を形成することが可能な、内部システインの添加により、生成されてもよい。
別の態様においては、薬学的組成物は、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、またはポリエチレングリコール(PEG)分子のような、少なくとも一つの非タンパク質ポリマーの突然変異タンパク質への部位特異的共役を可能にする置換を含む、さらなるアミノ酸置換を有する突然変異タンパク質(IL-4RA)を含む。例えば、PEGの部位特異的共役により、ポリエチレン-グリコシル化(polyethylene-glycosylated)(PEG化(PEGylated))分子の利点を有する改変型突然変異タンパク質の生成が許容され、すなわち、N末端およびリジン側鎖のPEG化(PEGylation)のような非特異的PEG化ストラテジーと比べてより顕著な有効性を維持し、増加した血漿半減期(例えば、非改変型IL-4RAよりも少なくとも2〜10倍長い、または10〜100倍長い)を有する。効率的PEG化を提供する方法は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第10/820,559号に記載されている。IL-4突然変異タンパク質は、効果的PEG化を許容するため、適正に精製されねばならない。精製法は米国特許出願第10/820,559号に記載されている(実施例2参照)。
改変型IL-4突然変異タンパク質受容体アンタゴニストのIL-4受容体に対するKiは、米国特許出願第10/820,559号に記載されているリアルタイムBimolecular Interaction Analysis (BIA)のような、当技術分野で公知の、任意の方法を使用してアッセイされうる(実施例4参照)。改変型IL-4突然変異タンパク質受容体アンタゴニストが免疫細胞の増殖反応を阻害する能力は、米国特許出願第10/820,559号に記載されているような増殖アッセイを使用して評価されうる。
上記記載の特性を伴う多数の改変型IL-4突然変異タンパク質受容体アンタゴニストが、上記アッセイを用いて候補をスクリーニングすることにより米国特許出願第10/820,559号で同定されている。1つの態様においては、非タンパク質ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)は少なくともアミノ酸残基38位、102位および/または104位に共役されている。
別の態様においては、本発明は、発現に続くポリペプチドの適正な折り畳みを可能にする、hIL-4のアミノ酸置換の特定部位を選択する方法を提供する。改変型IL-4突然変異タンパク質受容体アンタゴニストは、非改変型IL-4RAのものと比べて、多くとも100倍の親和性の減少を伴いIL-4およびIL-13受容体へ結合する。改変型IL-4突然変異タンパク質受容体アンタゴニストは、非改変型IL-4RAと比べて、多くとも10倍の能力減少を伴いIL-4およびIL-13媒介の活性を阻害する。加えて、改変型IL-4突然変異タンパク質受容体アンタゴニストは、非改変型IL-4RAの少なくとも2〜10倍長い血漿半減期を有する。
上記のポリペプチド変異体は、本明細書で請求される方法で使用される改変型IL-4ポリペプチド型の例示であるが、本発明の態様としてもよい発明の変種型を網羅したものではない。特許請求の範囲の基準に適合する上記ポリペプチドの誘導体も、また考慮されるべきである。全てのポリペプチドおよびその機能的断片は、本明細書で教示される方法および実施例において、有効性をスクリーニングされうる。
hIL-4は、遺伝学的操作により、例えば大腸菌(E. coli)で組み換えタンパク質(rhIL-4)として産生されうる。rhIL-4の組み換え体産生に適する宿主細胞は、大腸菌、桿菌(Bacillus)またはシュードモナス(Pseudomonas)の株のような原核生物細胞(Kung, H.-F., M. Boublik, V. Manne, S. Yamazaki and E. Garcia, Curr. Topics in Cell. Reg. 26:531-542, 1995)、または酵母サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のような単細胞真核生物細胞(Bemis, L. T., F. J. Geske and R. Strange, Methods Cell Biol., 46:139-151, 1995)を含み、当業者に公知である。組み換え産生のための宿主細胞は、また、昆虫のような無脊椎動物(スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda) Sf9細胞)(Altmann F., E. Staudacher, IB Wilson, and L Marz, Glycoconj J., 16:109-123, 1999)ならびに、マウス繊維芽細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO/-DHFR)(Urlaub and Chasin, Proc Nat Acad Sci 77:4216, 1980)、胎児ハムスター腎細胞(9BHK, ATCC CCL 10);SV40により形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7, ATCC CRL 1651)およびヒト胎児腎臓細胞株293(Tartaglia et al., Proc Nat Acad Sci 88:9292-9296, 1991およびPennica et al., J.. Biol. Chem. 267:21172-21178, 1992)を含む多数の哺乳類細胞株を含む脊椎動物細胞を含む、多細胞真核生物に由来してもよい。
細菌、真菌(酵母を含む)、植物、昆虫、哺乳動物または他の適した動物細胞もしくは細胞株、ならびにトランスジェニック動物もしくは植物を含む、任意の適切な宿主が本発明のIL-4突然変異タンパク質を産生するために使用されてもよい。このように、これらの宿主は、大腸菌株、桿菌、放線菌(Streptomyces)、真菌、酵母、スポドプテラ・フルギペルダ(SF9)のような昆虫細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、およびNS/Oのようなマウス細胞、COS1、COS7、BSC1、BSC40、およびBNT10のようなアフリカミドリザル細胞、ならびにヒト細胞といった動物細胞、ならびに組織培養における植物細胞のような周知の真核生物および原核生物宿主を含んでもよい。細菌および酵母はrhIL-4を含む多数の組み換えポリペプチドのための標準的組み換え宿主細胞であるが、近年高等植物由来の形質転換細胞で、抗体(Hiatt, A. T. and J. K. Ma, Int. Rev. Immunol., 10: 139-152, 1993)およびヘモグロビン(Theisen, M. in Chemicals Via Higher Plant Bioengineering, F. Shahidi et al., eds, Plenum Publishers, NY, p.211-220, 1999)といったヒト組み換えタンパク質を発現することが可能である。植物バイオテクノロジーは異種ポリペプチドの効率的産生にとって、多くの利点を提供し、かつこのアプローチは、本明細書に記載される、mhIL-4およびその誘導体を含む改変型ヒトIL-4受容体アンタゴニストの産生にとって有用であってもよい(Plant Technology: New Products and Applications, John Hammond, et al., eds., Springer, N. Y., 1999も参照)。
IL-4またはIL-13と、タイプ1またはタイプ2 IL-4受容体との安定な複合体の形成により、受容体シグナル伝達が許容され、かつ結果として得られる下流事象が被験体において喘息症状を引き起こすと信じられている。従って、1つの態様においては、本発明は治療的有効量の、IL-4RAを含む改変型ヒトIL-4受容体アンタゴニストを、喘息に付随する症状の改善のため対象へ投与する方法を提供する。データにより、IL-4RAは野生型IL-4と類似の結合および解離速度でIL-4受容体α鎖へ結合し、これにより、γc(タイプ1)またはIL-13Rα(タイプ2)のいずれかが、下流事象のシグナル伝達を行う受容体複合体に集合することを阻害することが示唆される(表1参照)。従って、IL-4RAは、IL-4受容体α鎖と安定なヘテロダイマー複合体を形成するための、IL-13Rα1またはγcのいずれかの動員を遮断する(A.L. Andrews et al., ATS 2004)。
(表1)固定化IL-4受容体α鎖へのIL-4RAのBiacore結合
Figure 2009525267
本発明は様々な用量を記載するが、処置を必要とする任意の特定の被験体にとっての特異的な用量レベルおよび用量頻度は変更されてもよく、かつ様々な要因に依存するであろうことが当業者により理解されるであろう。これらの要因は、特異的ポリペプチドまたはその機能的断片の活性、その化合物の代謝安定性および作用期間、年齢、体重、全体的健康、性別、食事、投与の様式および時間、排出速度、薬物の組み合わせ、特定の状態の程度、および治療を受ける宿主を含む。しかしながら、一般に用量は、特異的化合物の既知の投与方法にとって典型的なものに近似するであろう。従って、IL-4RAの典型的な用量は約0.1〜1 mg/kgであろう。例えば、IL-4RAの投与について、エアロゾル吸入による近似用量は約0.3 mg〜60 mgであろう。近似用量は、一日または一週間当り、一回または複数回の投与用量で、被験体へ約0.3 mg、約0.5 mg、約1.0 mg、約3.0 mg、約20 mg、約30 mgまたは約60 mgを含むが、それらに限定されない。他の例証的実施例において、皮下注射によるIL-4RAの投与の近似用量は約25 mgを含むが、それに限定されない。IL-4RAの投与による処置は症状が持続する限り、数日間、数週間、数年間に及ぶ、または無限に継続する可能性がある。それゆえ、適した用量および処置レジメンが、本明細書で提供されるようなルーチンの手法を使用して当業者により決定されうる。
本発明の組成物および製剤は、全身的または局部的、すなわち、局所的に、中でも噴霧化される吸入スプレーまたは乾燥粉末剤エアロゾルのようなエアロゾルとして投与されうる。本明細書で使用されるように、「全身的投与」または「全身的に投与される」とは、被験体の血流中へ導入され、かつ代謝および排出により分解される前に、処置が必要な被験体の体の部分に効果的な用量で到達するために被験体の体内中を移動する、組成物または製剤を意味する。組成物または製剤の全身的投与は例えば、経口適用(例えば、シロップ、錠剤、カプセル等)、針注射、経皮的送達(例えば、皮膚パッチに取り込まれた組成物)、および皮下送達(例えば、皮下で解離されるように設置された代謝可能なマトリックス中の製剤)により達成されうる。本明細書で使用されるように、「局部的投与」または「局部的に投与される」とは、処置の必要な被験体の体の部分に直接的に導入される組成物または製剤を意味する。組成物または製剤は、例えば注射(例えば、患者の歯茎中への麻酔剤の注射)により、または局所的に(例えば、クリーム、軟膏、またはスプレー)、局部的に送達されうる。局部的投与は投与後に、組成物または製剤の全身レベルをもたらすことが理解されるべきである。(例えば、吸入された組成物は組成物の全身レベルをもたらしてもよい)。
本明細書で使用されるように、「エアロゾル」という用語は、微細な固体または液体粒子の任意の気状懸濁剤を意味する。そのようなものとして、「エアロゾル化」という用語は、空気または気体中に拡散または懸濁された微視的固体または液体粒子の形状であることを意味する。典型的な微視的固体は平均空気力学直径≦20μmの質量を有するであろう。本明細書で使用されるように、「噴霧化する(nebulize)」という用語は、(液体を)微細スプレーに変換すること、または霧状化する行為を意味する。従って、「乾燥粉末剤エアロゾル」という用語は気体、典型的には空気に懸濁された任意の微視的固体を意味する。本発明の組成物については、徐放性製剤として調製されることもまた可能である。短期治療または継続的治療は全ての治療形態の場合において可能である。
IL-4アンタゴニストの治療製剤は、IL-4アンタゴニストを、所望の純度を達成した後、薬学的および/または生理学的に許容される担体、補助的物質または安定化剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences、上記引用文中)とともに、凍結乾燥または水溶液の形状で混合することにより、投与および/または保管のため調製される。担体に関連して使用された場合、「薬学的に許容される」または「生理学的に許容される」という用語は、担体、希釈剤または添加剤が、製剤の他の成分と適合性がなければならず、かつそれの受容者にとって有害であってはならないことを意味する。
一般に、薬学的組成物は、活性成分を液体担体または微細に分割された固体担体または双方と均一および密接に関連させ、かつもし必要な場合、産物を所望の製剤へ形成することにより調製される。許容される担体、補助的物質または安定化剤は、用いられる用量および濃度で受容者にとって毒性があってはならない;それらは、リン酸、クエン酸、トリスまたは酢酸ナトリウムおよび他の有機酸のような緩衝剤;アスコルビン酸のような酸化防止剤;低分子量ポリペプチド(およそ10残基未満)、血清アルブミンのようなタンパク質、ゼラチンまたは免疫グロブリン;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アルギニン、ロイシンまたはリジンのようなアミノ酸;例えば、グルコース、スクロース、マンノース、ラクトース、クエン酸、トレハロース、マルトデキストリンまたはデキストリンのような単糖類、二糖類および他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような塩形成カウンターイオン、および/またはTween、Pluronicsまたはポリエチレングリコール(PEG)のような非イオン界面活性物質を含む。
そのような薬学的組成物は、企図される投与様式および用量形態に依存して、1つまたは複数の希釈剤、増量剤、結合剤、および他の賦形剤をさらに含んでもよい。当業者に公知の、治療的非活性型の無機または有機担体は、ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、植物油、ワックス、油脂、ポリエチレングリコールのようなポリオール、水、サッカロース、アルコール、グリセリン等を含むが、それらに限定されない。製剤の安定化を補助するため、または活性成分の生物学的利用能の増加を補助するため、または経口用量の場合許容可能な風味または臭気の製剤を得るためといった必要に応じ、様々な防腐剤、乳化剤、分散剤、香味料、湿潤剤、抗酸化剤、甘味料、着色料、安定化剤、塩、緩衝剤等もまた添加されうる。本発明の突然変異タンパク質は単独でまたは様々な組み合わせにおいて、および他の治療的組成物との組み合わせにおいて投与されうる。
本発明のIL-4アンタゴニストは通常、凍結乾燥された形態で、または溶液で保管される。本発明のIL-4アンタゴニストは典型的には水溶性であって、かつ乾燥粉末剤として、または水もしくは生理食塩水で再構成され、投与されるよう、乾燥固体として利用可能である。肺輸送のため、呼吸に適する粉末剤は、ジェットミル、エアロゾル乾燥、溶媒沈殿、超臨界流体凝縮等の様々な慣習的技術により産生されうる。
肺輸送は循環に対する薬物の非経口の投与様式を表す。下気道上皮は分子サイズ約20 kDaまでの広範囲のタンパク質に対して高度な浸透性を有する。マンニトール、スクロースまたはラクトースのような適切な担体中の薬物を含むミクロサイズの乾燥粉末剤がNektar(商標)、Vectura(Gyrohaler(商標))、およびGSK(Discus(商標))、またはAstra(Turbohaler(商標))推進剤ベースの定量吸入器のような乾燥粉末剤吸入器(DPI)を使用して末端肺胞表面へ輸送されてもよい。リポソームを伴うまたは伴わない溶液製剤はPARI(LC Plus(商標))およびAerogen(Aeroneb Pro(商標))の製品のような超音波ネブライザーを使用して送達されてもよい。
本発明の組成物はまた、改変型ヒトIL-4受容体アンタゴニストが遅延型放出フォーマットである製剤を有することも可能である。遅延型放出を有する製剤の適切な例は、例えば、タンパク質を含む固形疎水性ポリマーからなる半浸透性マトリックスであり;これらのマトリックスは例えば、フィルム錠剤またはマイクロカプセルの成型物である。遅延型放出を有するマトリックスの例はポリエステル、ヒドロゲル [例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリル酸(2-hydroxyethyl methacrylate))、Langer et al., J. Biomed. Mater. Res., 15:167-277[1981]およびLanger, Chem. Tech., 12:98-105[1982]により記載、またはポリ(ビニルアルコール)]、ポリアクチド(polyactides)(米国特許第3,773,919号、欧州特許第58,481号)、L-グルタミン酸およびγ-エチル-L-グルタメートの共重合体(Sidman et al., Biopolymers, 22:547-556[1983])、非分解性エチレン/ビニルアセテート(Langer et al., 上記引用文中)、Lupron DepotTM(乳酸/グリコール酸共重合体およびロイプロリドアセテート(leuprolide acetate)からなる注射可能なマイクロスフェア)のような分解性乳酸/グリコール酸共重合体およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシブチル酸(poly-D-(-)-3-hydroxybutyric acid)(欧州特許第133,988号)である。エチレン/ビニルアセテートおよび乳酸/グリコール酸のようなポリマーは100日を超える期間、分子を放出することが可能であるが、いくつかのヒドロゲルの場合、タンパク質は比較的短期間で放出される。もしカプセル化されたタンパク質が体内に比較的長期間留まる場合、それらは37℃で湿度により変性し、または凝集する可能性があり、生物学的活性の喪失、および免疫抗原性の変化の可能性がもたらされる。タンパク質を安定化するための意義のあるストラテジーが、関与するメカニズムに依存して開発されうる。例えば、もし凝集へと導くメカニズムがチオジスルフィド交換の結果としての分子間ジスルフィド架橋形成に基づくことが発見された場合には、安定化は、メルカプト基ラジカルを修飾し、酸溶液より凍結乾燥し、水分含有量を調節し、適切な添加剤を使用し、かつ特別なポリマー/マトリックス組成物を開発することにより達成されうる。
遅延型放出を示す本発明の製剤はまた、リポソームに封入された改変型ヒトIL-4受容体アンタゴニストを含む。IL-4アンタゴニスト含有リポソームはそれ自体公知の、以下の方法により調製される:ドイツ連邦共和国特許第3,218,121号;Epstein et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82;3688-3692(1985); Hwang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4030-4034(1980);欧州特許第52,322号;欧州特許第36,676号;欧州特許第88,046号;欧州特許第143,949号;欧州特許第142,641号;日本国特許出願第83-118008号;米国特許第4,485,045号および第4,544,545号;およびまた欧州特許第102,324号。通常リポソームは小型で(約200〜800オングストローム)、約30モル%コレステロールを超える脂質含有量を有する単層タイプであり、各場合において、比率は最適なIL-4アンタゴニストのために調整される。延長された循環時間を示すリポソームは米国特許第5,013,556号に開示されている。
本発明の他の製剤は、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、ナノカプセルおよびマクロエマルジョンを含む。そのような技術は参照により本明細書に組み入れられるRemington’s Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Osol, A., Ed. (1980)に言及されている。以下に続く実施例は例証を意図したもので、本発明を限定しない。
実施例1
大腸菌の発酵
突然変異タンパク質の産生のための遺伝子を含む細胞はOD600が0.8〜1.0に到達するまで、LB培地(1リットルあたり10 g Bacto tryptone、5 g Yeast extract、10 g NaCl、pH 7.5)で増殖される。発現はIPTGを最終濃度0.5 mMで添加し、および5時間継続された培養により誘導された。細胞は遠心分離により回収された。hIL-4突然変異タンパク質を発現する大腸菌形質転換体は米国特許第6,130,318号に記載されるよう培養された。端的には、大腸菌は以下の組成のLB栄養溶液中で発酵された:Bacto tryptone 10 g/l、Bacto yeast extract 5 g/l、および塩化ナトリウム10 g/l。構成成分は脱イオン水に溶解され、121℃で20分間滅菌された。播種に先立ち、形質転換体を選択するために適切な抗生物質(例えば、ベクター中に使用された選択マーカーに依存して、100 mg/lアンピシリンNaまたは50 mg/l硫酸カナマイシン)が無菌条件下で栄養溶液へ添加された。全ての大腸菌形質転換体の株ストックは予備培養の2 mlアリコートを採取し、かつ液体窒素中に保管することにより貯蔵された。予備培養発酵は200 mlのLB栄養溶液を含む1リットルの撹拌フラスコで行われた。栄養溶液には株ストックまたはLB寒天プレート由来の単一コロニーが播種された。培養液は30℃で12〜18時間、継続的に撹拌されながら保温された。
主要な培養発酵は、10リットル撹拌タンク発酵器を使用してLB栄養溶液で行われた。栄養溶液には予備培養の1〜5%容量が播種されたが、バイオマスは予備培養から遠心分離され、かつ播種に先立ち新鮮なLB培養液に再懸濁された。10リットル主要培養のための発酵条件は以下の通りである:37℃、撹拌回転速度500 rpm、通気率0.5 vvma。
バイオマスの増殖を計測するため、滅菌試料がおよそ1時間の間隔で培養液から除去され、かつそれらの光学濃度が600 nm(OD600)で決定された。培養はOD600が0.8〜1.2に到達した時点で誘導された。誘導は以下のように行われた。IPTG誘導:イソプロピル-β-D-チオ-ガラクトピラノシド(IPTG)を0.4 mMの濃度になるよう無菌添加。誘導時間は典型的には4〜8時間であった。
発酵が終了した後(6〜14時間)、発酵器の内容物は10〜15℃へ冷却され、かつ細菌細胞は標準的遠心分離技術(例えば、バケット遠心分離)を使用して回収された。遠心分離後に得られた細胞塊は一時的に、必要に応じて凍結状態で、保管された。産物はこの様式で得られたバイオマスから精製された。
実施例2
誘導可能なプロモーターを使用した、大腸菌におけるインターロイキン4変異型タンパク質の発現
驚くべきことに、IL-4突然変異タンパク質の特別製作のベクター系および大腸菌コドン最適化遺伝子に関して、米国特許第6,506,590号による該プラスミドを用いて形質転換された細菌が、多くの場合、同一の宿主を当技術分野で公知のプラスミドで形質転換した後に観察されるものと比べ、より高い発現率、プラスミドおよび発現安定値を提供することが実証された。
2つのlacオペレーター配列と共に、大腸菌ファージT5プロモーターはpDSファミリープラスミドに属するpQE30プラスミド(Qiagen)に由来する(Bujard et al., Methods Enzymol. 155, 416-433, 1987;およびStuber et al., Immunological Methods, I. Lefkovits and B. Pernis, eds., Academic Press, Inc., Vol. IV, 121-152, 1990)。
リボソーム結合部位(rbs)はファージT7(T7 g 10リーダー)の遺伝子10の上流領域に由来する。ファージT7の遺伝子10は、T7感染後に発現される主要タンパク質であるコートタンパク質をコードする。T7 g10 rbsはベクターpET-9a(Studier et al., Methods Enzymol. 185, 60-89, 1990)より得られた。T7 g10リーダーは約100 bpの領域に及ぶ(Olines et al., Gene 227-235, 1988)。最終発現コンストラクトにおいて、XbaI部位の上流領域は欠失されている。ここでT7 g10リーダー配列は42 bpに及び、かつ好ましいプラスミドの3638位のGからAへの一塩基置換を含む。
同義コドン使用頻度バイアスの効率的測定である、コドン適応指数(CAI)は、所定の遺伝子の発現レベルを予測するのに有用でありうる(Sharp et al., Nucleic Acids Res. 15, 1281-1295, 1987;およびApeler et al., Eur. J. Biochem. 247, 890-895, 1997)。CAIは、遺伝子中で使用される各コドンに相当する相対同義コドン使用頻度(RSCU)値を、同一のアミノ酸組成の遺伝子の最大限可能なCAIで割ることにより、幾何平均として算出される。各コドンのRSCU値は、例えば、大腸菌のような特定生物の非常に高度に発現される遺伝子に由来して算出され、かつアミノ酸に対する同義コドンの同等な使用を仮定した条件下で予測される頻度で割ることにより、観察されるコドン頻度を表示する。例えば、リボソームタンパク質のような高度に発現される遺伝子は、一般に高いCAI値である0.46以上を有している。大腸菌のladおよびtrpRのような不十分に発現される遺伝子は、低いCAI値である0.3以下を有している。天然のIL-4配列の算出された大腸菌CAI値は0.733である。これは、この天然の遺伝子が大腸菌における高レベルの発現によく適していることを意味する。にもかかわらず、最適大腸菌コドン使用頻度(CAI値=1)を伴う合成遺伝子はさらに発現レベルを増加させる潜在性を有している。従って、合成IL-4およびIL-4突然変異タンパク質遺伝子が設計されかつクローン化された。
転写終結因子Tφを含むT7 DNA断片はベクターpET-9a(Studier et al., Methods Enzymol. 185, 60-89, 1990)に由来する。転写終結因子はmRNA-RNAポリメラーゼ-DNA複合体が解離する地点を決定し、従って、転写を終了させる。高度に発現される遺伝子の末端に転写終結因子が存在することは、いくつかの利点を有する:それらは不必要な転写に従事させられる可能性があるRNAポリメラーゼの隔離を最小化し、mRNA長を最小限に制限し、従って、エネルギー消費を限定し、強度の転写は複製起点を阻害する可能性があるため、転写終結因子はコピー数維持によりプラスミド安定性を増加させる(Balbas and Bolivar, Methods Enzymol. 185, 14-37, 1990)。
カナマイシン耐性遺伝子はベクターpET-9aに由来する(Studier et al., Methods Enzymol. 185, 60-89, 1990)。本来、これはベクターpUC4KISS(Barany, Gene 37, 111-123, 1985)由来のTn903のカナマイシン遺伝子である。好ましいプラスミドにおいて、カナマイシン遺伝子およびIL-4およびIL-4突然変異タンパク質遺伝子は逆方向を有しており、T5プロモーター由来のリードスルー転写により誘導後のカナマイシン遺伝子産物の増加は存在しないはずである。カナマイシンは、GMP目的のための好ましい抗生物質であるため、選択マーカーとして選択された。加えて、カナマイシン遺伝子ベースのベクターはアンピシリン耐性(bla)プラスミドより安定である。薬剤が分泌されたβ-ラクタマーゼ酵素により分解されるため、アンピシリン選択は培養中に喪失される傾向がある。カナマイシンに対する細菌の抵抗性様式は抗生物質を不活性化するアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(aminogly-coside phosphotransferase)に依存する。
調節された遺伝子発現は、安定なプラスミド系のセットアップにとって、とりわけ、もし関心対象のタンパク質が宿主細胞に対して有害である場合は、絶対的に必要である。好ましいプラスミドは、lac抑制遺伝子(lacI)および大腸菌ファージT5プロモーターの下流に融合された2つの合成lacオペレーター配列からなる、lacベースの誘導可能な系を使用する。lacIqプロモーターおよびlacI構造遺伝子はベクターpTrc99A(Amann, et al., Gene 69, 301-315, 1988)から単離された。IqはlacI抑制因子の過剰産生に至るプロモーター変異である。野生型lac抑制因子は各360アミノ酸の4つの同一サブユニットを含む四量体分子である。lac抑制因子四量体は2つの機能的二量体の二量体である。4つのサブユニットは残基340〜360に由来して形成される4つのへリックス束により結合されている。NarI切断によるベクターpTrc99AからのlacI遺伝子の単離のため、アミノ酸331位以降の残基は欠失され、かつ通常lacI遺伝子にコードされていない10アミノ酸が添加される。lacIのC末端、アミノ酸329位以降に起こる変異または欠失は、表現型的に野生型抑制因子に類似するように見受けられる、機能的二量体をもたらすことが公知である(Pace et al., TIBS 22, 334-339, 1997)。
好ましいプラスミドの複製起点(ori)は、oriがpBR322を起源とするベクターpET-9aに由来する。従って、好ましいプラスミドはpMBI(ColE1)レプリコンを保有する。このレプリコンを持つプラスミドは「緩和(relaxed)」様式で複製する多コピープラスミドである。最低限15〜20コピーのプラスミドが、通常の増殖条件下で各細菌細胞中に維持される。好ましいプラスミドの実際数はこの範囲内である。ColE1タイプoriの複製は、ori近傍の鋳型DNAと永続的なハイブリッドを形成する555ヌクレオチドのRNA転写産物、RNA IIにより開始される。続いてRNA II-DNAハイブリッドは、DNAポリメラーゼIのプライマーとして役割を果たす遊離3’OH基を得るため、oriでRNase Hにより切断される。このDNA合成のプライミングは、RNA IIの5’末端と相補的な108ヌクレオチドのRNA分子であるRNA Iにより負に制御されている。アンチセンスRNA IとRNA IIの相互作用により、RNA IIの鋳型DNAへの結合を阻害し、結果としてプラスミドDNA合成の開始を回避する、RNA II中の立体配置的変化が引き起こされる。RNA IおよびIIの間の結合は、複製起点の400ヌクレオチド下流に位置する遺伝子によりコードされる、63アミノ酸の小型タンパク質(Ropタンパク質、プライマーの抑制因子(Repressor of primer))により強化される(Sambrook et al., Molecular Cloning, Cold Spring Harbor, 1989)。rop遺伝子の欠失によりコピー数の増加が導かれ、かつ遺伝子量効果のため、異種遺伝子をコードするプラスミドの増強された発現レベルが導かれる。この観察はまた試験されたIL-4発現ベクターにも見られた。しかし、ropプラスミドは不安定であり、かつ非選択条件下では発酵の間に非常に迅速に喪失されることが明らかになった。従って、好ましいプラスミドのレプリコンは、高度のプラスミド安定性を保証するためrop遺伝子を含む。好ましいプラスミドは、授動に必要とされるmob遺伝子を欠如しており、したがって1つの細菌から別の細菌への自身の接合伝達による方向付けをすることができない。
実施例3
IL-4変異型タンパク質の調製
細胞破壊および封入体の単離:実施例1由来の25 gの大腸菌湿性バイオマスは200 mlの緩衝液(0.1 M リン酸緩衝液、pH 7.3、0.1% Triton、1 mM EDTA、1 μg/mlペプスタチン)に取り込まれ、かつ超音波処理(Branson B 15 sonifier)により破壊された。産物を含む封入体は遠心分離(35,000 x g、20分間)により単離され、かつ、4 M尿素をさらに含む破壊緩衝液中で洗浄された。
洗浄された封入体は、125 mlの緩衝液(0.2 M Tris、pH 8.1、8 M塩酸グアニジン)中で可溶化された。4 gの亜硫酸ナトリウムおよび2 gの四チオン酸カリウムが添加され、かつ反応混合物は2時間撹拌された。反応が終了した後、不溶構成成分は遠心分離(35,000 x g、20分間)により除去された。上清はゲル濾過カラム(Sephacryl S-300 HR, Pharmacia, 10 x 90 cm)に負荷され、かつ6 M塩酸グアニジンを含むPBS緩衝液中で、280 ml/hの流速でゲル濾過に供された。産物を含有する画分はSDS-PAGEの手段により同定され、組み合わされた。
β-メルカプトエタノール(最終濃度15 mM)が分子を還元させるため添加された。室温で2時間の保温に続き、混合物は水で5倍に希釈され、かつ緩衝液(3 mM NaH2PO4、7 mM Na2HPO4、2 mM KCl、120 mM NaCl)中で3〜4日間透析された。透析された物質は酢酸を用いてpH 5.0へ調製され、水の添加により、その伝導率は10 mS/cm以下に減少された。25 mM酢酸アンモニウム、pH 5.0で平衡化された50 mlのCM Sepharose-FF(Pharmacia)が撹拌中に混合物へ添加された。非結合物質は濾過され、かつゲルがカラム充填のため使用された。産物は、25 mM酢酸アンモニウム、pH 5.0中で0〜1 M NaClの線状勾配を用いて流速300 ml/hで溶出された。産物含有画分はSDS-PAGEまたは分析RPクロマトグラフィーにより同定された。
CM Sepharoseのプールは0.1% TFAで平衡化されたVydac C-4カラム(1 x 25 cm、10 μm)へ負荷され、かつアセトニトリルの増加勾配を用いて溶出された。純粋産物を含む画分は組み合わせられ、かつ凍結乾燥された。
実施例4
治療的霊長類モデルにおいて、IL-4変異型タンパク質は既存の喘息を減少させる
アレルゲン誘導された気道炎症および気道過敏(喘息の動物モデル)に対するIL-4RA皮下処置の治療効果が、(図1)に示されるようにアスカリス・スウム(Ascaris suum)抗原に生来アレルギー性であるカニクイザル(Cynomolgus monkey)で評価された。これらの実験について、研究期間は24日目まで拡張され、その間、動物は吸入抗原投与を3、5、7、12、14、19および21日目に受けた。吸入されたメタコリン(methacholine)に対する気道過敏および気道細胞組成(BAL)は0、10、17および24日目に検査された。IL-4RAによる最初の処置(0.5 mg/kg, s.c.)は10日目の気道過敏および気道炎症の評価に続いて行われ、かつ23日目まで、継続する各々の日に一日2回継続された(全14日間の処置)。従って、この研究は既存の気道炎症および気道過敏からの回復におけるIL-4RAの効果を評価するために設計された。
担体処置の対照研究とは対照的に、IL-4RA(0.5 mg/kg/bid、s.c.)の投与により、研究17日目において、気道過敏におけるいかなる増加も回避され、24日目で気道過敏が約-79%回復した(p=0.018、図2a)。IL-4RA処置の気道炎症における効果も観察された。17日目において正味の好酸球流入が有意に減少し(p=0.05)、かつ24日目で依然として減少しているように見受けられる(図2b、値は平均値±SD、n=6)。
これらの研究は、皮下的に投与されたIL-4RAが、継続的な抗原投与の存在下において効果的に気道過敏から回復させうることを実証し、この化合物は臨床疾患において治療的有用性を有してもよいことを示唆している。
実施例5
皮下送達されたIL-4変異型タンパク質のヒト喘息に対する研究
アレルゲン誘導による肺機能、気道過敏ならびに喘息に付随する他の徴候および症状の変化に対する皮下(s.c.)IL-4RAの効果が、単一のセンターで、無作為化され、二重盲検法で、プラセボ調節された、並列群研究において24人の喘息患者について評価された。被験体は25 mg IL-4RA s.c.(n=12)またはプラセボ(無菌生理食塩水、n=12)で28日間毎日処置されかつ、抗原投与に対する遅延型喘息反応(LAR)(1秒間の努力性肺活量(FEV1)により測定される)が一次的評価項目として評価された。さらに、吸入メタコリン気道過敏における効果が評価された。患者は治験の間現行の治療が維持されるため、医薬使用は患者の症状報告とともにモニタリングされた。
プラセボと比較して、IL-4RA処置された群では、LARで46%の改善(p=0.05)および1秒間の努力性肺活量(FEV1)における最大降下で26%の改善を示した。図3は処置群における薬物使用前(スクリーニング訪問2)から28日目の最終処置後への改善を示す。IL-4RAを受けた患者では、メタコリン気道過敏に対する改善へ向けての傾向も存在した。被験体の肺機能における正の効果に加え、IL-4RAを受けた被験体では、プラセボを受けた被験体(6人の被験体中、β-アゴニストを要する11事象を伴う14事象)より57%少なく、かつ緩和された喘息関連の有害事象(4人の被験体中、β-アゴニストを要する3事象を伴う6事象)が報告された。β-アゴニスト治療を要するプラセボおよびIL-4RA処置された患者の間の差異は有意であった(p=0.03、図4)。
実施例6
非ヒト霊長類研究での使用のためのAeroneb Pro(登録商標)におけるIL-4変異型タンパク質のエアロゾル特徴付け
非ヒト霊長類での研究に先立ち、IL-4RAの安定性に対するエアロゾル化の効果が決定された。IL-4RA(5 mL)、クエン酸または乳酸製剤±0.01% tweenの溶液がAerogen Aeroneb Pro(商標)ネブライザーに設置され、かつネブライザーは乾燥状態まで稼動された。IL-4RA試料は噴霧化前および後に収集され、かつ濃度、凝集および活性がアッセイされた。タンパク質濃度はいくつかの方法を使用して評価された。Bradford型方法またはRP-HPLCによれば、噴霧化前および後の試料で、タンパク質濃度にいかなる差異も決定されなかった。SEC測定もまた、噴霧化後試料において95〜101%のタンパク質回収を実証した。加えて、SEC-HPLCは試料中にいかなる可溶性凝集体も存在しないことを実証した。SDS-PAGE解析は、溶液の噴霧化によって、IL-4RAの分解がもたらされていないかを決定するために遂行された。凝集体または断片のような分解産物の証拠は、大型の不溶性凝集体を示すゲル上部、またはゲル自体には全く観察されなかった。噴霧化前および後の試料中のIL-4RA活性はTF-1/IL-4増殖アッセイで評価された。IL-4RAがIL-4誘導された細胞増殖(EC50がおよそ0.2〜0.3 nM)を阻害する能力は、噴霧化前および後の試料から決定されたEC50値の比較により実証されるように、噴霧化後も減少しなかった(図5)。噴霧化試料でのIL-4RAのIL-4受容体α鎖への結合活性が、Biacoreアッセイを使用して測定された。約0.1 nMのKdが得られ、結果は噴霧化前および後の試料の間で全く差異がみられなかったことを示した。データはIL-4RAのタンパク質量、活性および統合性は噴霧化の後も維持されていることを実証する。
実施例7
サルにおけるIL-4変異型タンパク質の吸入研究
アレルゲン誘導された気道炎症および気道過敏(喘息の動物モデル)に対する、エアロゾル化したIL-4RAの効果が、生来アスカリス・スウム抗原にアレルギー性であるカニクイザルで評価された。研究は7日間霊長類喘息モデルを使用して遂行された。吸入されたメタコリンに対する気道過敏および気管支肺胞洗浄(BAL)による気道細胞組成が、3日間継続(3、4、5日目)するアスカリス・スウム抽出産物の吸入の2日前(0日目)および2日後(7日目)に決定された。時間を経て抗原に対する感受性の変化が起こっていないことを保証するため、処置研究は対照研究により一括された。全ての動物は、気道過敏および炎症がベースライン(抗原前)レベルに戻るのを許容するため、対照研究と処置研究との間、4〜6週間休息した。
この毎日2回の処置研究で、IL-4RAは2日目の午後、3、4、5日目の抗原投与1時間前および5時間後、ならびに6日目の午前および午後に投与された。吸入されたIL-4RAはネブライザー装置の名目用量0.5、1.0、および3.0 mg(3 ml容量中)で評価された。吸入研究はBird Mark 7A呼吸装置に共役されたAerogen Aeroneb Proネブライザー系を使用して遂行された。この系を使用して、IL-4RAは噴霧化後に活性および統合性を保持することが示されている(実施例6)。エアロゾル送達の間、5秒間の息こらえを伴う、5呼吸/分(20 cm H2O吸気圧カットオフ)を使用して、動物は気管内チューブを介して人工呼吸した。logメタコリン誘発濃度(provocative concentration)(PC100, mg/ml)の変化ならびに0〜7日目のBAL全細胞数および好酸球数の変化が、2つの一括した対照研究について決定され、かつ処置研究との比較のため平均化された。
抗原誘導された気道過敏に対する毎日2回の吸入IL-4RAの効果が、図6(n=6〜10、平均値±SEM)に示される。吸入IL-4RAは抗原誘導された気道過敏の誘導を用量依存的様式で効率的に阻害し、3 mg BIDの名目用量で64%(p<0.001)の最大阻害効果に達した。
吸入IL-4RAの気道炎症に対する効果もまた観察された。毎日2回(BID)送達される吸入IL-4RAの、抗原誘導された気道(BAL)好酸球増加(n=6〜10、平均値±SEM)が気道炎症のマーカーとして研究された。アレルゲン誘導されたBAL好酸球増加(60%阻害、p=0.003)に対する吸入IL-4RAの有意な阻害効果が、3 mg BIDの名目用量で観察された(図7)。IL-4RAの生物学的利用率はおよそ6〜30%である。
実施例8
ヒト喘息研究における使用のためのPari LC Plus(登録商標)によるIL-4変異型タンパク質のエアロゾル特性付け
喘息のヒトでの研究に先立ち、Pari LC PlusネブライザーおよびPari Pro Neb Ultra Compressorを使用するIL-4RAのエアロゾル化の効果もまた決定された。IL-4RA溶液(3 mL、乳酸製剤)がPari LC Plus(商標)ネブライザーに設置され、かつネブライザーが乾燥状態まで稼動された。IL-4RA試料は噴霧化前および後に収集され、かつ濃度、凝集および活性についてアッセイされた。TF-1/IL-4増殖アッセイは噴霧化後IL-4RA試料の活性を評価するために使用された。吸光度測定法(A280)およびRP-HPLCアッセイが、噴霧化後の試料の濃度を確立するために使用された。噴霧化後IL-4RAの統合性は、SDS-PAGEおよびRP-HPLCにより確認された。TF-1増殖アッセイにより、噴霧化前のIC50は0.4594 nM、噴霧化後のIC50は0.4826 nMであり、IL-4RAの活性が噴霧化後にも維持されたことを示すことが実証された(図8Aおよび8B)。噴霧化後のIL-4RAの統合性もまたSDS-PAGEおよびRP-HPLCにより確認された。別の研究で、同一のネブライザーおよびコンプレッサーを使用して、Anderson Cascade衝撃装置を使用して質量平均空気力学的粒子サイズが決定され、4 μmであることが発見された。微細粒子画分(4.7μmを下回る粒子%、従って呼吸に適するサイズ)は57%であった。呼吸模擬装置および成人呼吸パターンを使用して、用量のおよそ38%が肺へ送達されると推定された。
実施例9
ヒト喘息でのIL-4変異型タンパク質の吸入研究
アレルゲン誘導された肺機能、気道過敏および喘息に付随する他の徴候および症状の変化に対するエアロゾル化IL-4RAの効果が、30人の喘息被験体で評価された。同数の被験体が、IL-4RA(60 mg)または相当容量のプラセボのいずれかを受けるよう無作為化された。処置は、IL-4RAを無傷でおよび完全に活性型のままにしておくことが示されているPARI LC Plusネブライザーからの噴霧化により投与された(実施例8)。被験体は毎日2回のIL-4Aまたはプラセボの投与を27日間、および28日目に単一の午前用量を受けた。研究前および間に、症状、生命徴候、ECG、呼気一酸化窒素および肺機能が定期的に測定された。アレルゲン投与に対する遅延型喘息反応(LAR)(FEV1として測定される)は一次的評価項目として評価された。加えて、IL-4RA、抗IL-4RA抗体、IgE、sIL-13Rα2、IFN-γおよび反応の遺伝学的マーカー(一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphisms))、ならびに標準的血液学および臨床化学パラメーターを測定するため、血液試料が得られた。27日目に、患者は彼らが以前に過敏性反応を示した吸入抗原を投与され、かつ28日目には気道過敏がアデノシン一リン酸(AMP)を伴う吸入投与の間、検査された。
27日目には、彼らが以前に過敏性反応を示した抗原に対する吸入投与後の遅延型喘息FEV1反応で、プラセボと比較して72%の減少(p<0.01)がみられた。図9は処置群での薬物前(スクリーニング)から27日目の最終処置後までの改善を示す。同様に、プラセボと比較して、28日目にはAMPに対する気道過敏の減少がみられた。喘息炎症の重症度の生物マーカーである、呼気一酸化窒素の評価により、毎日2回の吸入IL-4RAを用いた27日間の処置によって、呼気一酸化窒素が減退したことが示された(図10)。
IL-4RAは、抗原誘導された肺機能の減退、および非特異的気道反応性の減退の発症に対して被験体を保護する。サルおよび喘息のヒトの双方は、彼らが曝露のルートに関わらず示された過敏性を有する抗原に対する吸入投与後、肺機能において改善を示した。肺洗浄好酸球により測定されるように、サルのデータはまた、肺炎症がIL-4RA処置により減少したことを示し、一方減少した呼気一酸化窒素、症状およびβ-アゴニスト使用は同様の反応が喘息で起こることを示唆する。皮下または吸入処置後のヒトおよびサルでのIL-4RAの薬物速度論の評価は、吸入後には、全身用量が皮下IL-4RA処置後の全身曝露と比べおよそ10倍低いことを示す(図11、ヒト;図12、サル)。このより高い肺用量、しかしより低い全身用量は、吸入処置後のヒトおよびサルにおける、より良好または類似の結果を伴う。サルとヒトの双方のデータを総合すると、データによって、IL-4RAの効果が、一次的に他の全身器官および組織に媒介されるよりむしろ、肺および肺付随組織(血管系およびリンパ節)に直接的であることが示唆される。
本発明は上記実施例に対する参照を伴い記載されたが、改変および変更が本発明の精神および範囲内に包括されることが理解されるであろう。従って、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
霊長類喘息モデルの治療介入プロトコールを示すグラフ表示である。 図2Aおよび2Bは、非ヒト霊長類における、アレルゲン誘導された気道過敏および気道好酸球増加に対する、IL-4RAの皮下送達を伴う治療介入の結果を示すグラフ表示である。 喘息患者における、処置前(スクリーニング訪問2)および処置終了時(28日目)での抗原投与反応に対する、毎日の皮下IL-4RAの結果を示すグラフ表示である。 喘息患者における、β-アゴニストを要する有害事象(AE)に対する、毎日の皮下IL-4RAの結果を示すグラフ表示である。 Aerogen Aeronebネブライザーでの噴霧化の前および後の、IL-4RA(乳酸製剤)のTF-1/IL-4増殖活性アッセイにおける生物活性評価を示すグラフ表示である。 非ヒト霊長類における、抗原誘導された気道過敏に対する、毎日2回送達される(BID)吸入IL-4RAの効果を示すグラフ表示である。 非ヒト霊長類における、抗原誘導された気道(BAL)好酸球増加に対する、毎日2回送達される(BID)吸入IL-4RAの効果を示すグラフ表示である。 図8Aおよび8Bは、Pari LC Plusネブライザーでの噴霧化の前および後の、IL-4RA(乳酸製剤)のTF-1/IL-4増殖活性アッセイにおける生物活性評価を示すグラフ表示である。 喘息患者における、処置前(スクリーニング)および処置終了時(27日目)での、抗原投与反応に対する毎日2回の吸入IL-4RA投与の結果を示すグラフ表示である。 喘息患者における、スクリーニング2日目および27日目での薬剤処置による一酸化窒素濃度の対数値を示すグラフ表示である。 吸入IL-4RAの局部送達により達成される血漿濃度が、皮下IL-4RA臨床治験において達成される血漿濃度を下回ることを示すグラフ表示である。 非ヒト霊長類において、皮下送達の場合と比較して、吸入により送達された場合、IL-4RAが、より低い血漿濃度でより効果的であることを示すグラフ表示である。 図13Aおよび13Bは、各々wtIL-4および変異型IL-4の核酸配列およびアミノ酸配列を示す。

Claims (48)

  1. 改変を伴う野生型hIL-4のアミノ酸配列を含む変異型ヒトIL-4タンパク質の治療的有効量を含む薬学的組成物を、処置を必要とする被験体へ投与する段階を含む、喘息を処置する方法であって、第1の改変が、野生型hIL-4タンパク質の121位、124位、または125位に存在する1つまたは複数のアミノ酸の別の天然アミノ酸への置換であり、かつ、該変異型ヒトIL-4タンパク質がN末端メチオニンをさらに任意で含む、方法。
  2. i)タンパク質のC末端の改変、
    ii)タンパク質の潜在的グリコシル化部位の欠失、
    iii)タンパク質の非タンパク質ポリマーへの共役、
    およびそれらの任意の組み合わせ
    からなる群より選択される第2の改変をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 第1の改変が、野生型hIL-4に一致させて番号付けられたR121DおよびY124Dの置換を含む、請求項1記載の方法。
  4. 投与が全身的または局部的である、請求項1記載の方法。
  5. 投与が吸入を介する、請求項1記載の方法。
  6. 組成物が、吸入を介して被験体の肺へ投与され、かつ被験体の全身循環へ入る、請求項5記載の方法。
  7. 投与に先立ち組成物がエアロゾル化される、請求項5記載の方法。
  8. 投与に先立ち組成物が液体として噴霧化され、または乾燥粉末としてエアロゾル化される、請求項1記載の方法。
  9. 投与が1日に1回行われる、請求項1記載の方法。
  10. 投与が1週間に3回行われる、請求項1記載の方法。
  11. IL-4の量が約0.7 mgである、請求項10記載の方法。
  12. IL-4の量が約7.0 mgである、請求項10記載の方法。
  13. IL-4の量が約20 mgである、請求項10記載の方法。
  14. IL-4の量が約30 mgである、請求項9記載の方法。
  15. 投与が1日に1回行われる、請求項5記載の方法。
  16. IL-4の量が約0.3 mgである、請求項5記載の方法。
  17. IL-4の量が約3.0 mgである、請求項5記載の方法。
  18. IL-4の量が約30 mgである、請求項5記載の方法。
  19. IL-4の量が約60 mgである、請求項5記載の方法。
  20. 組成物が薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項1記載の方法。
  21. 担体が乳酸、クエン酸、およびスクロース緩衝剤からなる群より選択される、請求項20記載の方法。
  22. IL-4タンパク質が非タンパク質ポリマーに共役される、請求項1記載の方法。
  23. ポリマーが親水性である、請求項22記載の方法。
  24. ポリマーがポリビニルピロリドンである、請求項23記載の方法。
  25. ポリマーが疎水性である、請求項22記載の方法。
  26. ポリマーがポリエチレングリコールである、請求項25記載の方法。
  27. 投与が皮下的である、請求項4記載の方法。
  28. 投与が毎日2回行われる、請求項27記載の方法。
  29. IL-4の量が約30 mgである、請求項28記載の方法。
  30. IL-4の量が約25 mgである、請求項27記載の方法。
  31. IL-4の量が約0.1〜1 mg/kgである、請求項1記載の方法。
  32. 治療の間の肺機能および炎症の変化を決定する段階を含む、喘息を有する被験体を処置するための治療的レジメンをモニタリングする方法であって、肺機能の亢進または炎症細胞の減少により正の治療効果が示される、方法。
  33. 肺機能の亢進が、即時型喘息反応の改善、遅発型喘息反応の改善、または気道過敏の減少により決定される、請求項32記載の方法。
  34. 治療の間のBAL好酸球濃度の変化を決定する段階をさらに含み、BAL好酸球濃度の減少により正の治療効果が示される、請求項32記載の方法。
  35. 治療前の呼気一酸化窒素との比較において、治療の間の呼気一酸化窒素の変化を決定する段階をさらに含み、一酸化窒素濃度の減少により正の治療効果が示される、請求項32記載の方法。
  36. 治療が請求項1記載の処置を含む、請求項32記載の方法。
  37. 改変を伴う野生型hIL-4のアミノ酸配列を含む変異型ヒトIL-4タンパク質の治療的有効量、および薬学的に許容される担体を含む、エアロゾル化された治療的組成物であって、第1の改変が、野生型hIL-4タンパク質の121位、124位または125位に存在する1つまたは複数のアミノ酸の別の天然アミノ酸への置換であり、かつ、該変異型ヒトIL-4タンパク質がN末端メチオニンをさらに任意で含む、治療的組成物。
  38. タンパク質が、
    i)そのC末端の改変、
    ii)その潜在的グリコシル化部位の欠失、
    iii)該タンパク質の非タンパク質ポリマーへの共役、
    およびそれらの任意の組み合わせ
    からなる群より選択される第2の改変をさらに含む、請求項37記載の組成物。
  39. タンパク質の第1の改変が、野生型hIL-4に一致させて番号付けられたR121DおよびY124Dの置換を含む、請求項37記載の組成物。
  40. 担体が乳酸、クエン酸、またはスクロース緩衝剤からなる群より選択される、請求項35記載の組成物。
  41. IL-4タンパク質が非タンパク質ポリマーに共役されている、請求項37記載の組成物。
  42. ポリマーが親水性である、請求項41記載の組成物。
  43. ポリマーがポリビニルピロリドンである、請求項42記載の組成物。
  44. ポリマーが疎水性である、請求項41記載の組成物。
  45. ポリマーがポリエチレングリコールである、請求項44記載の組成物。
  46. 改変を伴う野生型hIL-4のアミノ酸配列を含む変異型ヒトIL-4タンパク質の治療的有効量、および薬学的に許容される担体を含み、該IL-4タンパク質が非タンパク質ポリマーに共役されている、エアロゾル化された治療的組成物であって、第1の改変が、野生型hIL-4タンパク質の121位、124位または125位に存在する1つまたは複数のアミノ酸の別の天然アミノ酸への置換であり、かつ、該変異型ヒトIL-4タンパク質がN末端メチオニンをさらに任意で含む、エアロゾル化された治療的組成物。
  47. タンパク質が、
    i)そのC末端の改変、
    ii)その潜在的グリコシル化部位の欠失、
    iii)該タンパク質の非タンパク質ポリマーへの共役、
    およびそれらの任意の組み合わせ
    からなる群より選択される第2の改変をさらに含む、請求項46記載の組成物。
  48. タンパク質の第1の改変が、野生型hIL-4に一致させて番号付けられたR121DおよびY124Dの置換を含む、請求項46記載の組成物。
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