JP2009524387A - 機械エネルギーを電気エネルギーに変換する方法および装置 - Google Patents

機械エネルギーを電気エネルギーに変換する方法および装置 Download PDF

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Abstract

本発明の主目的は、少なくとも一つの圧電素子と、少なくとも一つの可変容量キャパシタによる、機械エネルギーの電気エネルギーへの変換方法であって、該方法は下記ステップを含む。
a)圧電素子の機械的変形、
b)圧電素子の変形により生じた電荷の再生、
c)圧電素子からキャパシタへの電荷の転送、
d)キャパシタの容量の変更、
e)電気エネルギーの少なくとも一部の再生。
本発明の他の目的は、圧電素子と可変容量キャパシタとを含み、前記圧電素子が前記キャパシタに電荷を転送することが可能な、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する変換装置。
【選択図】 図1

Description

[技術領域および先行技術]
本発明は、主に、機械エネルギー、特に振動を、より効率よく電気エネルギーに変換する方法および装置に関する。
振動の形態の機械エネルギーを電気エネルギーに再生する装置が、例えば、非特許文献1において開示されている。その装置は、固定櫛部と可動櫛部とにより実行される二つの互いに向かいあったエレメントにより形成された、可変容量キャパシタを多数含み、可動櫛部は外部振動の影響で動き、2つのエレメント間のギャップ、すなわち、キャパシタの容量を変更する。
"Vibration-to-Electric Energy Conversion", Meinger, S.; Mure-Miranda, J. O.; Amirtharajah, R.; Chandrakasan, A.; Lang, JH; Very Scale Integration(VLSI) Systems, IEEE Transactions on, Volume 9, Issue 1, Feb. 2001 Page(s):64-76
その結果、キャパシタのアーマチュア間に静電気力を発生することにより、電気エネルギーを再生することができる。
また、機械エネルギーを電気エネルギーに変換するための、圧電素子の利用が開示されている。この場合、機械エネルギーは、圧電素子の変形を引き起こし、再生し得る電荷を素子に生じさせる。
この静電気手段または圧電素子手段による再生は、最適ではない。
従って、本発明の目的は、従来技術の方法に対して、より効率の良い、機械エネルギーから電気エネルギーへの再生方法を提案することにある。
また、本発明の目的は、機械エネルギーを電気エネルギーへ最適に変換する装置を提案することにある。
[発明の開示]
上述した目的は、機械エネルギーを電気エネルギーに変換できる圧電手段を用い、圧電手段により生じた電気エネルギーを増幅する静電手段に関連する、エネルギー変換装置により達成される。
言い換えれば、変換装置は、圧電素子と、可変容量キャパシタとに関連し、変形中に圧電素子により生じた電荷がキャパシタに転送され、キャパシタは、その容量を変化することにより、圧電素子により生じた電気エネルギーを増幅する。
容量の変化は、キャパシタのアーマチュアの相対運動により得られる。キャパシタの容量が低下すると、電荷は、キャパシタのアーマチュアの動きを制動する傾向のある静電力を生じ、従って、機械エネルギーの一部を電気エネルギーに変換する。その結果、変形中に圧電素子により生じる電気エネルギーは、キャパシタの容量の低下中に増幅される。
機械エネルギーを電気エネルギーに変換する構造は、静電気の原理と圧電変換とを、同期手法で結合している。実際、圧電素子の変形中に容量の変化があると、静電構造により、圧電素子で得られたエネルギーを増幅することが可能であり、継続的な増幅のために、圧電素子へ再注入することができる。各増幅フェーズにおいて、制動力(静電または圧電)が生じる。これは、毎回強力であり、機械エネルギーをさらに電気エネルギーに変換させる。
本発明で用いられる機械的容量の変化は、切替型容量の場合のように単純なものではなく、機械エネルギーの電気エネルギーへの変換である。実際、先行技術で開示された容量の切り替えは、電気エネルギー源の電位を上げることが可能であるが、エネルギーレベルを上げることはない。事実、電圧の増加は、平均出力パワーを平均入力パワーと等しく維持する出力電流の低下をもたらす。そこでは、電圧-電流積が一定となり、これは電気/電気エネルギー変換であって、機械/電気エネルギー変換ではない。他方、本発明により、機械的変形に起因する容量の低下により、電位が増加するだけでなく、蓄えられるエネルギーも増加する。容量を変化させる機械的エネルギーは、実際、最初に容量に蓄えられた電気エネルギーを増幅しながら、電気エネルギーに変換される。
機械的変形による容量の低下により、電気エネルギーは増幅され、文献EP 1 050 955で述べられているような切替型容量システムでは、電圧だけが増幅される。本発明の場合は、機械的容量が変形し値が低下した場合、電極における蓄積電荷Qは一定(回路が一時的に開いている)であり、容量Cの値により蓄積電荷Qを割った値に等しい電圧Uが増加する。同様に、蓄積電気エネルギーEcapa = QU/2は、Uが増加した場合、すなわち、Cが低下した場合、増加する。
Figure 2009524387

従って、Qが一定で容量Cが低下した場合、Ecapaは増加する。
例えば、並列の容量を直列に通す、切替型容量システムは、機械的変化による容量変化とは異なる作動をする。実際、容量が並列の場合は、電荷は容量に分散され、それ等の直列の配置は、この配分を変化せず、等価容量は低下し、電荷の一部のみが外部端子において検出される。
等しく事前充電された10個の容量の直列配置は、10倍の電圧と、10分の一の等価電荷と、不変の蓄積エネルギーQU/2を提供する。このシステムに対しては、外部エネルギーは加わらないため、これはもっともなことである。
本発明の範囲では、容量の機械的変化により変換されたエネルギーは、従って、圧電素子により変換されたエネルギーに関して有意である。
好ましくは、静電エレメントの最大容量は、圧電素子の端子における最大電圧に対応する。簡単な電気的手法を用いて、圧電素子により変換されたエネルギーは、容量値が最大の場合に、静電エレメントに効果的に変換され得る。このエネルギーは、容量が低下するフェーズの間に増幅される。
実際、静電変換と圧電変換の同期に加えて、静電構造の容量の各最大値において、圧電素子の最大変形が生じ、この増幅フェーズは最適化され得る。変形が最大の場合、圧電素子に蓄積された電気エネルギーは、最大容量値を有する静電構造に容易に転送される。静電構造が、最大容量値から最小値になると、この構造内で電気エネルギーの増加が生じる。この電気エネルギーが最大の場合、ストレージユニット(バッテリー)に転送され、または、再度増幅されるように、圧電素子に再注入される。
このシステムは、効率約20%の、移動質量のグラムあたり数マイクロワットのオーダーの、日常環境における機械的振動エネルギー(自動車、機械ツール等)を再生するために用いられ得る。
さらに、本発明に従う装置は、小さな機械的/電気的結合という観点における、静電構造の利点を保ちながら、電気エネルギーの初期ソースの必要なく有利に開始することができる。
本発明の主目的は、従って、少なくとも一つの圧電素子と、少なくとも一つの可変容量キャパシタによる、機械エネルギーの電気エネルギーへの変換方法であって、下記ステップを含む。
a)圧電素子の機械的変形、
b)圧電素子の変形により生じた電荷の再生、
c)圧電素子からキャパシタへの電荷の転送、
d)キャパシタの容量の変更、
e)電気エネルギーの少なくとも一部の再生。
圧電素子の変形とキャパシタの容量の変更は同時である。
さらに、キャパシタの容量が最大の場合に、圧電素子の変形は最大である。
容量は、例えば、キャパシタの機械的変形により変更される。圧電素子およびキャパシタは、従って、同じ機械的強制力により変形し得る。
キャパシタにより変換された電気エネルギーの一部が、圧電素子に転送され得る。
電荷が、圧電素子の変形方向に依存して、第一のキャパシタまたは第二のキャパシタに転送され得る。
圧電素子の端子における電圧が最大の場合、続く変換周期において変換されるエネルギーを増加させ得る機械的制動力を生じるために、符号が反転する。
さらに、本発明に従う方法は、電気エネルギーの増幅の所定レベルに達するまで、キャパシタにより生じた電気エネルギーを、第二のキャパシタに、また逆も同様に、転送する、追加ステップを含み得る。
前記増幅に関する過剰エネルギー量は、ストレージまたは作動ユニットへ転送される。
ステップc)の電荷の転送は、制御回路に取り付けられたダイオードまたはスイッチにより制御される。
本発明の他の目的は、少なくとも一つの圧電素子と、少なくとも一つの可変容量キャパシタと、圧電素子とキャパシタとの間の電荷の転送の制御方法とを含み、圧電素子の変形の間に生じる電荷が、容量の変化により増幅される電気エネルギーを生じるために、キャパシタに転送される、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。
電荷の転送の制御方法は、制御回路に取り付けられた少なくとも一つのダイオードまたはスイッチにより形成される。
キャパシタの容量は、例えば、キャパシタのアーマチュアが互いに近づくことにより変更される。
圧電素子と、キャパシタのアーマチュアは、同じ機械的強制力を受けるように、実質的に平行である。
本発明に従う装置は、容量が反対に変化する2つのキャパシタを含んでいる。
一実施形態において、本発明に従う装置は、機械的強制力の適用により動き、運動軸の両側に歯部を備えた部位を含み、歯部を備えた2つの固定部が可動部の歯部と反対に動き、圧電素子が可動部の運動に対して垂直で、可動部に電気的に接続され、向かい合った歯の対が、容量が反対に変化する直列のキャパシタを2組形成する。
本発明に従う装置の他の実施形態では、圧電素子は、静電電極および圧電素子の第二電極が膜の変形により可変容量キャパシタを形成するように、静電電極からある距離で懸架されたフレキシブル膜の形態である。
本発明に従う装置は、第一の電位の第一電極と、電気的絶縁材料の層と、第二の電位の第二電極とが交互になってキャパシタが形成された層構造を含み、電気的絶縁材料は弾性的に変形可能であり、圧電素子が層構造の一つの層を形成する。
圧電素子は、圧電材料の層と、圧電材料の層の各側に第一の電極と第二の電極とを備えている。
圧電材料は、PZT(PbZrtiO3)またはPLZT(ランタンを含む)またはBaTiO3等のセラミクス、ナノクリスタル(PZN-PTまたはPMN-PT)、ポリマー(PVDF)、またはAFC(Active Fiber Composites)から選択されても良い。
[図面の簡単な説明]
本発明の他の特性と利点は、以下の添付図面を参照して下記記述を読むことで、より明瞭に理解される。
―図1Aは、本発明に従う装置の一実施形態の図式的表示の平面図である。
―図1Bは、図1Aの装置に対応する電気回路図の一例である。
―図1Cは、圧電素子のマイクロメータの変形と、圧電素子が変形した際の、図1Aおよび図1Bの装置のキャパシタのピコファラッドの容量変化を、ミリセカンドの時間関数で示す図である。
―図1Dは、圧電素子が変形した際の、図1Aおよび図1Bの装置のキャパシタの端末における電位の変化を、時間関数で示す図である。
―図1Eは、圧電素子の電気的動作のモデルである。
―図2Aは、本発明に従うエネルギー再生装置の他の実施形態の透視図である。
―図2Bは、本発明に従う装置の基本原理電気回路図である。
―図3は、本発明の他の実施形態の透視図である。
―図4は、本発明の他の実施形態の図である。
―図5Aは、本発明の他の実施形態の図である。
―図5Bは、図5Aの装置の詳細図である。
―図5Cは、図5Aの装置の詳細図である。
―図5Dは、図5Aの装置に対応する電気回路図の一例である。
―図6は、本発明の他の実施形態に対応する電気回路図の一例である。
―図7は、本発明の他の実施形態に対応する電気回路図の一例である。
―図8は、本発明の他の実施形態に対応する電気回路図の一例である。
―図9は、本発明の他の実施形態に対応する電気回路図の一例である。
本システムは、効率約20%の、移動質量のグラムあたり数マイクロワットのオーダーの、日常環境における機械的振動エネルギー(自動車、機械ツール等)を再生する
さらに、初期電気エネルギー源を必要とすることなく開始することができる利点を有する。
[詳細な説明および具体的な実施形態]
説明を通じて、所与の電荷の下に弾性変形可能なエレメントは、「変形可能」を意味する。ここで、エレメントの材料は、再生装置が受ける可能性のある強制力に適して選択される。
図1Aおよび1Bは、可動部202と、可動部202を囲む2つの固定部204、206とを含み、可動部と固定部が噛み合った、本発明の一実施形態を示している。
固定部と可動部は、導電性材料で作られている。
可動部202は、z軸の両側に垂直に伸びる多数の歯部210が設定された、z軸方向の本体を含んでいる。固定部204、206は、z軸に平行で、z軸に垂直な歯部212、214を含んでいる。固定部204の歯部212は、図面において、歯部210の右に位置する表面210.1に向かい合い、歯部214は、図面において、歯部210の左に位置する表面210.2に向かい合っている。
可動部202は、z軸に沿って、左右に移動し得る。従って、可動部202が右に動いた場合、歯部210は歯部212から離れるとともに、歯部214に近づく。可動部202が左に動いた場合、歯部210は歯部212に近づくとともに、歯部214から離れる。
可動部202は、z軸方向へ可動可能なように、変形アーム218により、キャリア216に結合されている。固定部204、206は、キャリア216に堅固に結合されている。
圧電素子Pは、可動部202が動いた場合に変形し得るように、アーム218上に位置している。この圧電素子Pは、電気的には直列または並列であってもよい。圧電素子Pは、一つの圧電材料と、その両側の2つの電極とを含んでいる。
固定部204の全ての歯部212と可動部202の歯部210は、可動部202が右に動いた場合に容量が増加するキャパシタの第一組を形成する。
固定部206の全ての歯部214と反対側の可動部202の全ての歯部210は、可動部202が左に動いた場合に容量が増加するキャパシタの第二組を形成する。
以下の記述においては、可動部202が右に動いた場合に、圧電素子の端子における電圧Vpが増加し、可動部202が左に動いた場合に、圧電素子の端子における電圧VPが低下するものとする。
図1Bは、図1Aの装置に関連し得る電気回路の例を示す。この電気回路は、2つの副回路C1、C2で構成されている。第一副回路C1は、第一ダイオード224と、可変容量C226の第一キャパシタ226とに直列に取り付けられた圧電素子Pを有している。第一キャパシタ226は、歯部210と212により形成されるキャパシタの連続に相当するキャパシタを表している。第二副回路C2は、第二ダイオード228と、可変容量C230の第二キャパシタ230とに直列に取り付けられた同一の圧電素子22を有している。第二キャパシタ226は、歯部210と214により形成されるキャパシタに相当するキャパシタを表している。第一ダイオード224と第二ダイオード228は、それぞれが逆方向電流経路を有し得るように、互いに反対向きに取り付けられている。
従って、圧電素子Pの端子における電圧VPが増加した場合は、第一ダイオード224が電流を流し、圧電素子Pの端子における電圧VPが低下した場合は、第二ダイオード228が電流を流す。
図の例では、副回路C1、C2は、ストレージユニットC5、または、個別のアプリケーションにそれぞれ接続されているが、同じユニット、または、同じアプリケーションに接続されても良い。
次に、本装置の動作を説明する。
キャリア216が機械振動を受けると、可動部は、z軸方向に沿って左右に動く。可動部の動きは、圧電素子Pの変形を引き起こす。そして、圧電素子の端子に電圧が生じ、生じた電荷は、可変容量のキャパシタの一つに伝わる。これは、容量の変化および端子の電位変化に起因して再生された電気エネルギーを増幅する。
従って、動きの各方向において、機械エネルギーの電気エネルギーへの変換を引き起こしながら、圧電素子Pは変形する。
図の例では、電荷伝送の制御手段は、ダイオード224、228により形成されるが、例えば、制御回路を備えたスイッチが提供され得る。
ダイオードの場合、この伝送は、最小電荷値から連続的に実施される。一方、制御スイッチの場合は、この伝送は、圧電素子の端子間の電位が最大になった場合に、単一動作で実施される。スイッチは、ダイオードに対して逆に制御される必要があり、電流を流すために自動的に切り換わる。
図1Eは、圧電素子の電気的動作の簡易モデルを表す電気的回路図を示している。
この回路は、容量Cのキャパシタ222.1と、変形圧電材料で形成される交流発電機222.2とを含んでいる。
図1Cは、キャパシタ226(曲線III)、230(曲線IV)の端子における容量の変化と、圧電素子の変形(曲線V)とを、時間関数で示している。
図1Dは、キャパシタ226(曲線I、II)、230(曲線I´、II´)の端子における電位の変化を示している。
可動部202が右に移動すると、圧電素子Pは変形し、圧電素子Pの端子における電圧VPが増加し、ダイオード304を導通状態とする(図1DのパートI)。キャパシタ226の端子における電位V226は、従って、図1Bの圧電素子のキャパシタP.1に蓄積される電荷のキャパシタ226への累積伝送により、電位VPに続く。そして、圧電素子の変形が最大に達すると、圧電素子の端子における電位VPは低下し始め、一方、電位V226は、これに反して、増加する(図1DのパートII)。これは、ダイオード224にブロックさせる。V226のこの増加は、可動部202が左に動いた場合、容量C226が低下するとともに(図1DのパートII´)、ダイオード224のブロッキングにより、キャパシタ226が残りの部分から電気的に分離される一方、電荷Q226=C226V226は一定に維持される、という事実に起因する。この電荷Q226が一定で容量C226が低下した場合、電位V226は増加する。電位V226が最大に達すると、この電荷のエネルギーをストレージユニットC5またはパワーを要するアプリケーションに直接転送するために、古典的な放電回路(フライバック型構造等)が利用され得る。
容量C226が減少するこのフェーズにおいて得られた電気エネルギーE226は、1/2Q226(V226max−V226min)、または1/2Q226(1/C226min−1/C226max)に等しい。電荷Q226は、圧電素子の端子における電圧が低下し始める(図1DのパートIIの開始)までに、圧電素子Pによりキャパシタ226に転送された電荷である。電圧V226maxは、パートIIの終端(図1D)での、キャパシタ226の端子における電圧である。電圧V226minは、パートIIの開始(図1D)での、キャパシタ226の端子における電圧である。容量C226minは、パートIIの終端(図1D)での、キャパシタ226の容量である。容量C226maxは、パートIIの開始(図1D)での、キャパシタ226の容量である。
圧電素子Pまたは静電構造において、最大の電圧を検出するためには、例えば、この電圧の、正の値から負の値に至る変動経路を検出すれば十分である。
さらに、装置は、対称性を提供し、従って、副回路C2において、電位VPが負になった場合、すなわち、可動部202が左に動いた場合に、同様の動作が介在する。この構造的対称性は、従って、双方向の動きにおいて、エネルギーを再生し得る。要望により、単一回路を提供し得る。
キャパシタ226、230の容量が最大の場合に、圧電素子の端子における電位VPが最大となる。これにより、変換された電気エネルギーを算出するための電位V226の値が、キャパシタ226の端子において最大値となるため、変換は、最適化される。
実際、圧電素子Pの電位VPが、キャパシタ226の容量C226の前後で最大であれば、キャパシタ226の端子における電位V226の値は、最大とはならず、パートII(図1D)の区間V226min;V226maxにおける値となる。
再び、圧電素子により実施された変換およびキャパシタ226、230で実施された変換は、圧電素子Pおよびキャパシタ226、230の変化が同じ外的機械作用により生じるため、同期する。ここで、後者は、圧電素子の端子における電位の相違の存在と、キャパシタ226、230の容量の変化を生じる。
本発明に従う装置は、可動部202により圧電素子が変形した場合に、圧電素子によりエネルギーが供給されるため、先行技術の静電システムに関し、さらに、初期電気エネルギー源を必要とすることなく開始することができる利点を有する。
さらに、先行技術の能動的充電サイクルは、電気回路の消費による電気損失源であり、容量の充電の瞬間を検出し、このエネルギーを装置に注入するために、既に充電されたストレージユニットからエネルギーが取り出されるのを許す。本発明に従えば、能動的充電サイクルは、完全に受動的で、必然的な同期充電サイクルに有利に置き換えられる。エネルギー変換は、静電気構造により主に実施されるため、静電構造に小さい初期電荷を注入することを主目的とする圧電素子は、高い効率を必要とされるものではない。
図2Aは、圧電素子Pと静電電極4を有する、本発明に従う他の実施形態を示す。圧電素子Pと電極4は、実質的に平行であり、例えば空気のような誘電材料により分離されている。圧電素子Pと固定電極4は、長手方向の端部がキャリア6に取り付けられている。圧電素子Pと固定電極4は、電気的に絶縁されている。
圧電素子Pは、例えば圧電PVDF型ポリマーで作られた膜等の圧電材料9と、膜の両側の第一電極8および第二電極10とを含んでいる。第二電極10は、キャパシタ12を形成するために、固定電極4に対向している。
圧電素子Pは、z軸方向に機械的負荷がかかった場合に、変形し得る。この変形は、第二電極10の変位を引き起こし、従って、固定電極4と可動電極10との間の間隔dの変化を引き起こす。従って、キャパシタ12は、膜9への機械的な力の印加で変化する容量を有する。
図2Bは、本発明に従う、例えば図1A等の装置の基本原理電気回路図を示す。電荷転送制御手段20が回路に取り付けられている。これ等の手段は、ダイオードまたはスイッチ型であり、制御回路に取り付けられている。これ等の手段20は、キャパシタ12に対する圧電素子Pの電荷転送を許可する。
力が、z軸において圧電素子Pに加わった場合、圧電膜9は、第一電極8と第二電極10との間に電位を生じながら変形する。圧電素子Pのこの変形は、第二電極10と固定電極4を互いに近づけ、キャパシタ12の容量の増加を生じる。
この動作は、図1Aから1Eに関して述べた動作と同等である。
圧電素子Pの変形で生じた電荷は、キャパシタ10へ転送される。そして、力が圧電素子Pに加わらなくなると、キャパシタは静止位置に復帰し、電極4と10は、容量の低下を生じながら互いに離れる。
キャパシタ12の端子における電位の変化に関連するこの容量変化は、蓄えられ得る、または、特定のアプリケーションにより直接利用され得る電気エネルギーの再生を可能にする。
圧電素子Pの変形は、容量の変化と圧電素子の変形を生じるエネルギーが同一の外的機械エネルギーであるため、静電エレメントの容量変化と同期する。
この装置は、例えば、スイッチの押圧、ガスの圧力変化、血管の圧力変化、または圧電素子上に落下する雨滴等に起因する、膜に印加される圧力や衝撃からのエネルギーを再生するために利用され得る。
図3は、分岐の内側端106、108が、互いに対向する静電電極110、112を有する、細長いU形状のキャリア104を含む、本発明に従う他の実施形態を示す。この装置は、Uの底部に取り付けられた圧電素子Pをも含む。圧電素子Pは、外側面に、それぞれ電極118、120を有し、内側面により、Uの枝部に対して平行に伸び、導電材料で作られたビーム122の第一端に取り付けられた、圧電材料で作られた2つの部位114、116を有する。ビームは、静電電極110、112の間に位置する可動マス124を、第二端に有している。マス124は、それぞれ電極110、112に対向する導電面126、128を含み、例えば空気等の誘電材料により、それ等と分離されている。
導電面126、128と、電極110、112とは、それぞれ、Uの枝部の間でマス124が動いた際に容量が変化し得るキャパシタを形成する。
このため、この装置は、可動マス124の慣性の結果、キャリア104に機械的振動が加わった場合に、電気エネルギーを再生するために利用され得る。キャリア104に機械的振動が加わった場合、マス124は、圧電素子114、116の変形を生じながら、Uの枝部の間で振動し、従って、電極118、120と共通電極122との間で、電位を生じると同時に、キャパシタの容量変化が生じる。
ビームが導電性であるため、電極122の電位は電極1126、128に等しい。
従って、例えば、図1Bの電気回路に結び付けて、電気エネルギーの再生が可能となる。
動作は、図1Aの装置の動作と同等である。
図4は、多数の層により形成されたサンドイッチ構造を備えた、機械的強制力を電気エネルギーに変換する装置の他の実施形態を示す。
この装置は、圧電材料404の両側に電極406、408を備えた、圧電素子Pを含んでいる。また、この装置は、同一の電位U412の第二導電層412と交互で、変形可能な分離層414により分離された、同一の電位U410の第一導電層410を含む多層構造を有している。この構造は、圧電素子上に設置される。
電位U410は、電位U412と異なる。
第一導電層410および第二導電層412は、分離層414と共に、電気的に並列な、可変容量のキャパシタの連続を形成する。
電極406は、電極410と電気的に接触している。
圧電素子の側面と対向する側面は、z軸方向の可変機械的強制力を受容するように設計されている。
強制力がサンドイッチに加わった場合、圧電素子Pの端子における電気エネルギーが増加し、互いに動く層410、412により、静電容量が増加する。これ等の層410、412は、強制力の効力下において、層410、412が互いに動くことを可能にする、例えばラバーなどの、非常にしなやかな電気絶縁体を選択することにより、互いに動き得る。
図1Aの装置については、圧電素子Pにより生じた電気エネルギーは、最大の場合に、キャパシタ416に移動する。そして、電位エネルギーは、装置に加わっていた強制力がなくなると増幅される。
圧縮の間、圧電素子は、機械エネルギーの一部を電気エネルギーに変換し、強制力がなくなると、この変換を増幅するのはキャパシタまたは静電部位である。
静電構造についても言及され得る。実際、導電層410、412が互いに近づくと、それらは圧電素子Pから電荷を受け取る、この電荷は、導電層が互いに離れるのを防ぐ傾向のある静電気力を生じ、従って、圧縮の間に得られる機械エネルギーの一部を、電位エネルギーに変換する。得られたこの電位エネルギーは、電気回路、アクチュエータ、またはエネルギーストレージユニットに電力を供給するために利用され得る。
図5A、5B、および5Cは、図1Aの装置の形態と同等の形態を備えた、本発明に従う装置の具体的な実施形態を示す。
説明を簡単にするために、図1Aと同じ符号を用いるものとする。
アーム218は、キャリアの全幅に渡って運動軸zに垂直に伸びる、圧電素子Pにより形成されている。圧電素子Pは、図5Bの詳細図でわかるように、例えば、その端部が、キャリアと固定部分204、206との間に組み込まれている。電気的絶縁体の層223は、圧電素子Pと固定部分204、206との間に置かれている。圧電素子は、圧電材料232の、可動部202と電気的に連結される一方の側に位置する電極234と、圧電材料232の他の側に位置する電極236、238とを有している。
電極236、238は、共に同電位に接続されている。
この装置は、移動の末に歯部間の接触による短絡を避けるための停止部239を有する。
エネルギー変換装置は、図よりも多数の歯部を有していても良い。
図5A〜5Cのサイズは単に例示されたものであり、制限されるものではない。
可動部202は、幅300μm、長さ7000μmである。歯部は、150μmの距離で間隔を置き、高さ1200μmである。この装置は、厚さ400μmであり、可動部202の各側に46個の歯部を有し、重量は約1gであり得る。歯部の空隙は、1μm〜50μmである。
可動部202が、固定部204、206に対して、z軸方向において図の右に動くと、可動部202と固定部204との間の容量が増加し、可動部202と固定部206との間の容量が低下する。同時に、圧電素子Pが、変形、特に伸張する。
圧電素子の電極234は、可動部202と同じ電位を有することを考慮する。
圧電素子Pが伸張された場合、対称性により、電極236、238の電位は同様に増加し、共に電位Vに接続され得る。
このシステムは、部分的にまたは全体的にマイクロ電子技術を用いて、または、より大きいスケールにおいて標準的製造技術(機械加工、鋳造等)を用いて作られ得る。
図5Dは、図5Aの回路の機械構造に適用される電気回路を示している。
図1Bに示す回路に加えて、機械エネルギーの変換により再生された電気エネルギーを電気エネルギーストレージユニットC5へ放電するための、例えば回路C3と、放電回路C3を開始させるための第二の電源C4の回路とを有している。
この放電回路C3は、回路C1およびC2と並列に接続されている。放電回路は、それぞれ回路C1、C2に並列で、コイルL1、L2に直列のスイッチK1、K2を有している。また、スイッチK1、K2に接続されたダイオードD及びコイルLをストレージユニットC5に直列に有している。また、端末L1、L2、及びLは、同じ磁気回路を有している
また、ダイオードDPが、圧電素子Pに並列に取り付けられている。
第二の電源C4の回路は、例えば、ダイオード224及び228と、ダイオード224´及び228´により再充電され得るソースE´に接続される、2つのダイオード224´及び228´を有する。
容量C226またはC230が最大値C226maxまたはC230maxに達する度に、圧電素子Pは最大変位となり、容量が最大値に達したキャパシタ226、230を再充電させ得る正電圧VPを生じる。
そして、注入された電荷のエネルギーは、図1Aの装置に対する方法と同様に、あらかじめ充電されたキャパシタ226、230の容量の値の低下、または、キャパシタ226、230の端子における電圧増加によって増幅される。
キャパシタ226、230の端子における電圧が最大値となった場合、電気エネルギーは、対応するスイッチK1、K2を共鳴期間(L1C226またはL2C230)閉じることにより、放電回路C3によってストレージユニットC5に伝達される。そして、キャパシタ226、230により得られた電位エネルギーは、スイッチK1、K2を介して、放電回路C3に伝達され、ダイオードDS介して、放電回路C3からストレージユニットC5へ伝達される。
開始時に、ストレージユニットC5が空の場合は、スイッチK1及びK2の制御に要するエネルギーは、ダイオード224´及び228´により必然的に充電される第二のソースE´により供給され得る。次に、ストレージユニットC5が十分な電圧に達すると、これ等のスイッチの制御に電力を供給し得る。
ダイオードDPの役割は、キャパシタ226、230に事前に転送された電荷を、圧電素子Pの電極222.3に再注入することである。
損失を最小限にするために、好ましくは、閾値が低く、電流が流れる際の抵抗が低く、逆電圧でのインピーダンスが高いダイオードが選択される。例えば、ショットキー形のダイオードであっても良い。好ましくは、電流が流れる際の抵抗が低く、オープン状態でのインピーダンスが高く、寄生容量が低いトランジスタが選択される。例えば、MOSFETまたはJFETであっても良い。
圧電素子に関しては、使用される材料、厚さ及び長さは、回路C1及びC2を有する静電構造を事前充電する十分な電圧と電流を供給できるように、そして、好ましくは、再生を狙った機械振動または相対運動の周波数範囲内で、静電構造の共振が提供できるように、選択される。
圧電素子は、PZT(PbZrtiO3)またはPLZT(ランタンを含む)またはBaTi O3等のセラミクス、ナノクリスタル(PZN-PTまたはPMN-PT)、ポリマー(PVDF)、またはAFC(Active Fiber Composites)の中から選択されても良い。
誘導変圧器の磁気回路は、一周期の間に、キャパシタ226、または230によって得られたエネルギーを蓄えられるように選択される。この磁気回路に取り付けられたコイルL1、L2、及びLsのコイルの巻き数は、磁気回路の充電/放電回数が、相対運動の機械的周期に対して、極僅かであるように、選択される。この巻き数は、さらに、C226min、C230minの値と、ストレージユニットC5の端子における電圧に依存する。
例えば、回路の共振期間L1C226min及びL2C230minを、マイクロセカンドオーダーとする、すなわち、数ミリセカンドの周期を有する機械振動の周期に対して、たいへん低くすることが可能である。
上述した装置の寸法に基づいて、本発明に従う装置により再生され得るエネルギーを決定する。
キャパシタ226または230の容量性表面面積は、次のとおりである。
S = 46×0.4×1 =18.4mm2
C226min = C230min= ε0S / dmax= ε0×18.4mm2 / 50μm = 3.3pF
C226max = C230max = ε0S / dmin = ε0×18.4mm2 / 1μm = 162.7pF
dmax及びdminは、それぞれ、運動中のキャパシタC226及びC230の2つの歯部間の最大空隙及び最小空隙である。
共鳴周波数をfr = 50 Hzとすると、可動部202のZ軸に従う運動に対する圧電素子の全体剛性kは、次のとおりである。
k = M(2Πfr)P= 10-3(2Π50)P = 98.7N/m
相対運動の増幅率がAの一周期において、機械的に利用可能なエネルギーは、Edispo ≒1/2kA2である。
最も好ましい場合(エネルギーを最も生じる場合)、Aは(dmax - dmin) / P = 24.5μmである。
従って、
Edispo ≒ 1/2kA2 = 1/2×98.7×(24.85×10-6) 2 =29.6nJ.
静電構造により、一周期で電気的に変換可能なエネルギーは、以下のとおりである。
Figure 2009524387
電気的に変換可能なエネルギーを、機械的に利用可能なエネルギーと等しくしたい場合、それは減衰が1に近いことに対応し、E = Edispoであり、従って、V2 charge = 2.7Vである。
事前充電を実施するために、静電構造(C226またはC230)に注入されるエネルギーは、次のとおりである。
Figure 2009524387
従って、圧電素子が、各周期の間、24.5μm の相対振幅運動に対して、2.7Vで0.6nJのエネルギーを生み出すのは十分であり、これは、静電構造により変換されるエネルギーの49倍以下である。従って、この場合、圧電ビームの唯一の役割は、静電変換構造の動作を開始することである。
圧電素子により変換される電気エネルギーは、利用可能な機械エネルギーの2%にすぎないため、圧電素子の材料の選択は、用いられるマイクロ電子製造技術に対する互換性を主に考慮して行われ得る。
50Hzおよび全振幅での、そのようなシステムにより再生され得るエネルギーは、以下のとおりである。
Precoverable50Hz = 29.6.10-9×2×50 = 2.96μW
機械的周期毎に、キャパシタC226による1周期とキャパシタC230による1周期との2周期がある。
本発明は、純粋な静電システムに対して、効率で20%の利得を可能とする。
図6は、本発明の一実施形態に従う、同期型圧電素子および静電素子の関連性を利用するために用いられ得る電気回路図を示す。
回路は、圧電素子P、ダイオード504、可変容量C506のキャパシタ506、圧電素子Pに並列なスイッチ508、および、コイル510を含んでいる。圧電素子Pの端子電圧はVPであり、キャパシタの端子電圧はV506である。
この場合、VPが低下すると、キャパシタ506の容量が増加するものとする。
本実施形態では、圧電素子の端子における電圧を反転し、装置の効率を上げるために、スイッチ508を作動する。
電圧VPが最大の場合、圧電素子Pの端子電圧は、コイル510と圧電素子Pのキャパシタとで形成される回路の半共振期の間スイッチ508を閉じることで反転され得る。 圧電素子Pに蓄えられた電荷の符号のこの反転は、次の周期で変換されるエネルギーの増加を可能にする、機械的制動力を生じる。この周期は、電圧VPが低下するフェーズに対応する。電圧VPが最小の場合、半共振期の間スイッチ508が再び閉じられて電圧VPの極性が反転し、ダイオード504により、電圧VPが最大の場合に、キャパシタ506が充電される。キャパシタC506が低下すると、キャパシタC506の可変周期に対して非常に短い時間で、電力が供給されるべきアプリケーションに全体的または部分的に転送される前に、電位エネルギーは最大値まで増加する。残りのエネルギーは、電圧VPが0でない値で次の周期を開始するように、キャパシタ506に残る。
図7は、エネルギーを供給することなく、変換装置の開始が可能な、他の実施形態の電気回路図を示す。
回路は、ダイオード604及びキャパシタ606と、ダイオード608とに並列に配置された圧電素子Pを含んでいる。
圧電素子Pとキャパシタ606は、それぞれの端子の一つにより、主要電位(potentiel de masse)610に接続されている。キャパシタ606は、他端により、放電回路に接続されている。
キャパシタ606の容量C606が増加した場合、圧電素子の端子における電圧VPが増加し、逆も同様であるとする。
電圧VPが増加した場合、ダイオード604は電流を通過させ、電圧VPが最大値に達するまでキャパシタ606を充電する。容量C506が低下した場合、キャパシタ606に転送されていた電荷が増幅される。この電位エネルギーが最大の場合、放電回路を介して、電力が供給されるべきアプリケーションにまたはストレージユニットに転送される。
ダイオード608の導入により、正の周期の間に、電圧VPの最大値を増加するために、電圧VPが通常負の場合に、圧電素子Pの容量CPを再充電することが可能となる。
図8は、エネルギーの再生の間に圧電素子を能動的にする、他の実施形態の電気回路図を示す。
エネルギーの再生の間に、圧電素子を能動的にすることは、本発明の範囲では、変形に抗する圧電力を生じさせるために、電荷が圧電素子に注入される静電変換と同等である。運動に抗する力を生じさせることにより、圧電素子により一周期で変換されるエネルギーは、全くの受動的動作に対して、著しく増加する。
図8の回路は、第一回路C6と、第二回路C7とを含んでいる。第一回路C6は、圧電素子P、ダイオード704、キャパシタ706、スイッチ708およびコイル710を含んでいる。スイッチ708およびコイル710は、ダイオード704に並列に配置されている。
第二回路C7は、圧電素子P、ダイオード712、キャパシタ714、ダイオード712に並列に配置されるスイッチ716およびコイル718を含んでいる。スイッチ708およびコイル710は、ダイオード704に並列に配置されている。
圧電素子Pは、ストレージユニットC5に接続されている。スイッチ708およびコイル710の間の第一回路C6と、スイッチ716およびコイル718の間の第二回路C7は、それぞれスイッチ720、722によって、ストレージユニットC5に接続されている。
スイッチ708、716、720、722すべてが開いている場合、回路は図1Bの回路と同様に作動する。この形態は、システムを開始させることができる。すなわち、圧電素子の端子における電圧VPが増加すると、キャパシタ706が充電され、キャパシタ706の容量が低下すると、キャパシタの端子における電圧V706が増加する。電圧V706が最大の場合、ストレージユニットC5に対して、静電構造を完全に放電する代わりに、電気エネルギーの一部が圧電素子Pに転送される。この目的のため、スイッチ708が閉じられる。これは、キャパシタ706と圧電素子Pとの間に電流を流す効果を有する。この電流の循環は、電圧VPを反転させ、圧電素子Pにおいて機械的制動力を生じる。最終的に、全電気エネルギー(圧電素子、キャパシタ706、およびコイル710に蓄えられた)の一部が、スイッチ708を開き、スイッチ720を閉じることで、回路C6とストレージユニットC5との間の電流循環がなくなるまで、ストレージユニットに送り返され得る。
0ではない分極により次の周期を開始するために、圧電素子の容量CPが完全に放電されなくても、ダイオード704の存在により、キャパシタ706は完全に放電され得ない、といことを留意すべきである。この電圧VPが、電圧V706の最大値に比べて低い限り、これは問題ではない。スイッチ708の閉時間は、圧延素子Pで望まれる分極値と、各周期においてストレージユニットC5に転送されるエネルギーに従って設定され得る。構造の対称性に起因して、圧電素子が図1Aの装置と同様に異なる方向に動いた場合に、回路C7を介して、同様の動作が存在する。
図9は、圧電素子が、エネルギーのイニシャルソースとして単に用いられた、他の実施形態の電気回路図を示す。ここでは、エネルギーは、静電構造の可変キャパシタを介して、幾つかの段階で、増幅される。
回路は、第一回路C9と、第二回路C10とを含んでいる。回路C9は、圧電素子P、ダイオード804、および、可変容量キャパシタ806を含んでいる。
第二回路C10は、圧電素子P、ダイオード808、および、可変容量キャパシタ810を含んでいる。
キャパシタ806は、スイッチ812およびコイル814と並列に配置されている。
キャパシタ810は、スイッチ816およびコイル814と並列に配置されている。
コイル814は、スイッチ818により、ストレージユニットC5に接続されている。
最初に、キャパシタ806の端子における電圧V806は0である。圧電素子の端子における電圧VPが正になると、キャパシタ806の初期充電が始まり、この充電に関連するエネルギーが、キャパシタ806の容量の低下によって増幅される。キャパシタ806の容量が最小になると、つまり、電圧V806が最大の場合、キャパシタ806の電位エネルギーは、スイッチ812を閉じることにより、まずインダクタンス814に転送され、次にスイッチ816を閉じることにより、インダクタンス814からキャパシタ810に転送される。さらに、キャパシタ806の容量が最小の場合、キャパシタ810の容量は最大であることを考えると、キャパシタ810の容量が低下する間に、他の電位エネルギーの増加がある。
機械的期間の間に、一つのキャパシタから他のキャパシタにエネルギーを転送する時間は、ごくわずかであると考えられ、つまり、コイル814およびキャパシタ806で形成される回路と、コイル814およびキャパシタ810で構成される回路の共振周波数は、可動部の機械的共振周波数よりも非常に高い。キャパシタ810の電位エネルギーが最大値に達すると、エネルギーはキャパシタ806に転送される。
2つのキャパシタ806、810の間の転送は、増幅レベルが十分になるまで続く。各機械的期間において、過剰なエネルギーは、ストレージユニットC5へ転送される。これは、コイル816に一時的に蓄えられたエネルギーを用いることで実施され得、スイッチ818を閉じることにより、部分的にまたは全体的にストレージユニットC5に転送され得る。
配置の対称性により、圧電素子の端子が負の電圧VPの第二回路により、初期充電が行われ得る。
本装置は、圧電素子において、0.数ボルトオーダーの非常に低い電圧(ダイオード806、810の閾値電圧よりわずかに高い電圧)で開始する利点を有する。
装置の動作、特に、図2Aの動作、は、圧縮力を考慮して述べてきたが、層410、412を離すように意図された牽引力の形態で適用されるエネルギーの変換も可能である。
本発明は、マイクロシステムに限定されず、メーター寸法のシステム、および、ナノメーター寸法のシステムにも適用される。
本発明に従う装置の一実施形態の図式的表示の平面図である。 図1Aの装置に対応する電気回路図の一例である。 圧電素子のマイクロメータの変形と、圧電素子が変形した際の、図1Aおよび図1Bの装置のキャパシタのピコファラッドの容量変化を、ミリセカンドの時間関数で示す図である。 圧電素子が変形した際の、図1Aおよび図1Bの装置のキャパシタの端末における電位の変化を、時間関数で示す図である。 圧電素子の電気的動作のモデルである。 本発明に従うエネルギー再生装置の他の実施形態の透視図である。 本発明に従う装置の基本原理電気回路図である。 本発明の他の実施形態の透視図である。 本発明の他の実施形態の図である。 本発明の他の実施形態の図である。 図5Aの装置の詳細図である。 図5Aの装置の詳細図である。 図5Aの装置に対応する電気回路図の一例である。 本発明の他の実施形態に対応する電気回路図の一例である。 本発明の他の実施形態に対応する電気回路図の一例である。 本発明の他の実施形態に対応する電気回路図の一例である。 本発明の他の実施形態に対応する電気回路図の一例である。
符号の説明
4 静電電極
6 キャリア
8 第一電極
9 圧電材料
10 第二電極
12 キャパシタ
20 電荷伝送制御手段
202 可動部
204、206 固定部
208 本体
210、212、214 歯部
216 キャリア
218 変形アーム
224 第一ダイオード
226 第一キャパシタ
228 第二ダイオード
230 第二キャパシタ
404 圧電材料
406 電極
408 電極
410 第一導電層
412 第二導電層
414 分離層
C1 第一副回路
C2 第二副回路
C5 ストレージユニット
P 圧電素子

Claims (20)

  1. 少なくとも一つの圧電素子と、少なくとも一つの可変容量キャパシタによる、機械エネルギーの電気エネルギーへの変換方法であって、該方法は下記ステップを含む。
    a)圧電素子の機械的変形、
    b)圧電素子の変形により生じた電荷の再生、
    c)圧電素子からキャパシタへの電荷の転送、
    d)キャパシタの機械的変形によるキャパシタの容量の変更、
    e)電気エネルギーの少なくとも一部の再生。
  2. 圧電素子の変形とキャパシタの容量の変更は同時である、
    請求項1に記載の変換方法。
  3. キャパシタの容量が最大の場合に、圧電素子の変形が最大である、
    請求項2に記載の変換方法。
  4. 圧電素子およびキャパシタは、同じ機械的強制力により変形する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の変換方法。
  5. キャパシタにより変換された電気エネルギーの一部が、圧電素子に転送される、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の変換方法。
  6. 電荷が、圧電素子の変形方向の関数として、第一のキャパシタまたは第二のキャパシタに転送される、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の変換方法。
  7. 圧電素子の端子における電圧が最大の場合、続く変換周期において変換されるエネルギーを増加させ得る機械的制動力を生じるために、符号が反転する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の変換方法。
  8. 本発明に従う方法は、所定の電気エネルギー増幅レベルに達するまで、キャパシタにより生じた電気エネルギーを、第二のキャパシタに、また逆も同様に、転送する追加ステップを含む、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の変換方法。
  9. 前記増幅レベルに関するエネルギーの過剰量は、ストレージまたは作動ユニットへ転送される、
    請求項8に記載の変換方法。
  10. ステップc)の電荷の転送が、制御回路に取り付けられたダイオードまたはスイッチにより制御される、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の変換方法。
  11. 少なくとも一つの圧電素子(P)と、少なくとも一つの可変容量キャパシタと、圧電素子とキャパシタとの間の電荷の転送の制御方法とを含み、圧電素子(P)の変形の間に生じる電荷が、容量の変化により増幅される電気エネルギーを生じるために、キャパシタに転送される、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する変換装置。
  12. 電荷の転送の制御方法が、制御回路に取り付けられた少なくとも一つのダイオードまたはスイッチにより形成される、
    請求項11に記載の変換装置。
  13. キャパシタの容量が、キャパシタのアーマチュアが動くことにより変更される、
    請求項11または12に記載の変換装置。
  14. 圧電素子(P)と、キャパシタのアーマチュアは、同じ機械的強制力を受けるように、実質的に平行である、
    請求項13に記載の変換装置。
  15. 容量が反対に変化する2つのキャパシタを含む、
    請求項11〜14のいずれか1項に記載の変換装置。
  16. 機械的強制力の適用により動き、運動軸の両側に歯部(210)を備えた部位(202)を含み、歯部(212、214)を備えた2つの固定部(204、206)が可動部(202)の歯部と反対に動き、圧電素子(P)が可動部(202)の運動に対して垂直で、可動部(202)に電気的に接続され、向かい合った歯の対が、容量が反対に変化する直列のキャパシタを2組形成する、
    請求項11〜15のいずれか1項に記載の変換装置。
  17. 圧電素子(P)が、静電電極(4)および圧電素子(P)の第二電極(10)が前記膜の変形により可変容量キャパシタを形成するように、静電電極(4)からある距離で懸架されたフレキシブル膜の形態である、
    請求項11〜15のいずれか1項に記載の変換装置。
  18. 第一の電位の第一電極(410)と、電気的絶縁材料の層(414)と、第二の電位の第二電極(412)とが交互になってキャパシタが形成された層構造を含み、電気的絶縁材料は弾性的に変形可能であり、圧電素子(P)が層構造の一つの層を形成する、
    請求項11〜15のいずれか1項に記載の変換装置。
  19. 圧電素子が、圧電材料の層と、圧電材料の層の各側に第一の電極と第二の電極とを備える、
    請求項11〜18のいずれか1項に記載の変換装置。
  20. 圧電材料が、PZT(PbZrtiO3)またはPLZT(ランタンを備える)またはBaTiO3等のセラミクス、ナノクリスタル(PZN-PTまたはPMN-PT)、ポリマー(PVDF)、またはAFC(Active Fiber Composites)から選択され得る、
    請求項19に記載の変換装置。
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