JP5979369B2 - 発電装置、電子機器、移動手段、電池、及び、発電装置の制御方法 - Google Patents

発電装置、電子機器、移動手段、電池、及び、発電装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、発電装置、電子機器、移動手段、電池、及び、発電装置の制御方法等に関する。
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)や、水晶(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)などの圧電材料は、外力を受けて変形すると、材料内部に電気分極が誘起されて表面に正負の電荷が現れる。このような現象は、いわゆる圧電効果と呼ばれている。圧電材料が有するこのような性質を利用して、片持ち梁を振動させて圧電材料に繰り返し加重を作用させ、圧電材料の表面に生じた電荷を電気として取り出す発電方法が提案されている。例えば、先端に錘を設けるとともに圧電材料の薄板を貼り付けた金属製の片持ち梁を振動させ、振動に伴って圧電材料に交互に生じる正負の電荷を取り出すことによって交流電流を発生させる。そして、この交流電流をダイオードによって整流した後、コンデンサーに蓄えておき、電力として取り出す技術が提案されている(特許文献1)。
このような技術を用いた発電装置では、片持ち梁に想定以上の力がかかることによって、片持ち梁が過度に振れた場合に、該片持ち梁が周辺の部材に衝突して破損する虞がある。このことを防止するために、片持ち梁を収容する筐体の内壁に弾性体を設けて、片持ち梁が筐体の内壁に衝突した際の衝撃を緩和する技術が提案されている(特許文献2)。
特開平7−107752号公報 特開2003−218418号公報
しかし、提案されている従来の技術では、弾性体を設けるスペースを確保する必要があることから、発電装置を十分に小型化することが難しいという問題があった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、変形部材が過度に振れてしまうことを抑制することによって、変形部材を内蔵した発電装置を好適に小型化させることが可能な技術の提供を目的とする。
[適用例1]
本適用例の発電装置は、一対の電極を有する第1の圧電素子と、前記第1の圧電素子と積層された第2の圧電素子と、前記一対の電極間に電気的に接続されたスイッチと、前記第2の圧電素子に生じる電流を検出する電流検出部と、前記スイッチを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電流検出部で検出される前記電流が、第1基準値以上になった場合及び第2基準値以下になった場合の少なくともいずれかの場合に、前記スイッチを所定期間電気的に接続する、発電装置である。
本適用例の発電装置では、第1の圧電素子が変形することによって、第1の圧電素子には、圧電効果によって正負の電荷が発生する。第1の圧電素子が繰り返し変形すると、正負の電荷も繰り返し発生し、該電荷を電流として取り出すことによって発電が行われる。また、第1の圧電素子と積層された第2の圧電素子が設けられているので、第1の圧電素
子の変形に合わせて第2の圧電素子も変形する。すなわち、第2の圧電素子には、第1の圧電素子の変形量に応じた電流が発生する。したがって、第2の圧電素子に生じる電流に基づいて第1の圧電素子の変形量を検出することが可能である。また、第2の圧電素子に生じる電流が第1基準値以上となった場合及び第2基準値以下になった場合の少なくともいずれかの場合に、スイッチを所定期間電気的に接続することによって、第1の圧電素子に設けられた一対の電極間を短絡状態にする。すなわち、第1の圧電素子の変形量が所定の大きさ以上になると、第1の圧電素子に設けられた一対の電極間を短絡状態とする。こうすると、圧電素子は一対の電極間を短絡させた状態では変形し難い性質を持つことから、第1の圧電素子の変形が抑制される。これによって、衝突時の衝撃を緩和させるための部材を設ける必要がなく、発電装置を小型化することが可能となる。また、第2の圧電素子は、第1の圧電素子を設ける工程と同様の工程で設けることができるので、生産性を高めることが可能となる。
[適用例2]
上述の発電装置において、前記スイッチと直列に接続されたインダクターをさらに備え、前記インダクターと前記第1の圧電素子とは、共振回路を構成し、前記制御部は、前記所定期間以外の期間では、前記第1の圧電素子の変形方向が切り換わるタイミングで前記スイッチを電気的に接続した後、所定の時間が経過するタイミングで前記スイッチを電気的に切断することが好ましい。
第1の圧電素子及び第2の圧電素子の電荷の発生量は、圧電素子の変形量が大きくなるほど多くなる。また、第1の圧電素子はインダクターとともに共振回路を構成しており、その共振回路にはスイッチが設けられている。そして、スイッチが電気的に切断した状態で変形部材の変形を開始して、変形量が極値となるとき(すなわち変形方向が切り換わるとき)に、スイッチを電気的に接続する(導通状態とする)。第1の圧電素子は変形量が大きくなるほど多くの電荷を発生させるから、第1の圧電素子で発生した電荷が最も多くなったときに、第1の圧電素子がインダクターに接続されて共振回路を形成する。すると、第1の圧電素子に発生していた電荷がインダクターに流れ込む。そして、第1の圧電素子及びインダクターは共振回路を構成しているから、インダクターに流れ込んだ電流はオーバーシュートして、第1の圧電素子の反対側の端子に流れ込む。この期間(すなわち、第1の圧電素子の一方の端子から流れ出した電荷が、インダクターを介して反対側の端子から再び第1の圧電素子内に流れ込むまでの期間)は、第1の圧電素子及びインダクターによって形成される共振回路の共振周期の半分となる。したがって、第1の圧電素子の変形方向が切り換わったときにスイッチを接続して共振回路を形成し、その後、共振周期の半分の時間が経過したときにスイッチを切断すれば、インダクターを接続する前に第1の圧電素子内に発生していた正負の電荷の配置を逆転させることができる。そして、その状態から、今度は逆方向に第1の圧電素子を変形させれば、正負の電荷の配置が逆転した状態からさらに圧電効果によって発生した新たな電荷が積み増されるようにして第1の圧電素子内に電荷が蓄積される。また、第1の圧電素子内に電荷が蓄積されるにしたがって発生する電圧も増加するので、昇圧回路を別途用意しなくても、第1の圧電素子を構成する圧電材料の電気分極によって生じる電圧よりも高い電圧を発生させることができる。
[適用例3]
上述の発電装置において、前記制御部は、前記電流検出部で検出される前記電流に基づいて、前記第1の圧電素子の変形方向が切り換わるタイミングで前記スイッチを電気的に接続することが好ましい。
第1の圧電素子と第2の圧電素子とは積層されているので、第1の圧電素子の変形方向が切り換わるときには、第2の圧電素子の変形方向も切り換わる。そして、第2の圧電素子の変形方向が切り換わるタイミングは、第2の圧電素子が発生させる電荷による電流の
向きが切り換わるタイミング(電流が0となるタイミング)と一致する。したがって、第2の圧電素子に生じる電流を検出することによって、第1の圧電素子の変形方向が切り換わるタイミングで容易にスイッチを導通状態にできる。そして、制御部は、第1の圧電素子の変形方向の切り換わりから所定の時間だけスイッチを電気的に接続する(導通状態とする)ことで、第1の圧電素子内に効率よく電荷を蓄積することが可能となる。したがって、圧電効果を利用して、小型で効率的に高い電圧を発生させることが可能な発電装置を実現できる。
[適用例4]
上述の発電装置において、前記電流検出部は、前記第2の圧電素子と並列に接続された蓄電素子と、前記蓄電素子に流れる電流を検出する電流検出回路と、を含むことが好ましい。
蓄電素子が第2の圧電素子と並列に接続されているので、第2の圧電素子に生じた電流と同位相の電流が蓄電素子に流れる。したがって、蓄電素子に流れる電流を検出することによって、第2の圧電素子が発生させる電荷による電流の向きが切り換わるタイミング(電流が0となるタイミング)を容易に検出できる。
[適用例5]
上述の発電装置において、変形方向を切り換えて変形する変形部材をさらに備え、前記第1の圧電素子及び前記第2の圧電素子は、前記変形部材を挟んで積層されていることが好ましい。
第1の圧電素子及び第2の圧電素子を、変形部材を挟んで積層することによって、例えば、薄膜法などの製造方法によって、第1の圧電素子及び第2の圧電素子を変形部材の両面に容易に形成できる。
[適用例6]
本適用例の電子機器は、上述の発電装置を用いた、電子機器である。
[適用例7]
本適用例の移動手段は、上述の発電装置を用いた、移動手段である。
[適用例8]
本適用例の電池は、上述の発電装置を用いた、電池である。
これらの適用例によれば、発電装置を電池に組み込んだり、電池の代わりに又は電池の補助としてリモコン等の電子機器に組み込んだりすることが可能であるため、電子機器の移動によって発電できる。また、例えば、車両や電車などの移動手段に本発明の発電装置を用いることで、移動に伴う振動によって発電し、移動手段に備わる機器に効率良く電力供給することもできる。
[適用例9]
本適用例の発電装置の制御方法は、一対の電極を有する第1の圧電素子と、前記第1の圧電素子と積層された第2の圧電素子と、前記一対の電極間に電気的に接続されたスイッチと、を備える発電装置の制御方法であって、前記第2の圧電素子に生じる電流を検出することと、前記電流が、第1基準値以上になった場合及び第2基準値以下になった場合の少なくともいずれかの場合に、前記スイッチを所定期間電気的に接続することと、を含む、発電装置の制御方法である。
本適用例によれば、第2の圧電素子に生じる電流が第1基準値以上となった場合及び第2基準値以下となった場合の少なくともいずれかの場合に、スイッチを所定期間電気的に接続することによって、第1の圧電素子に設けられた一対の電極間を短絡状態にする。すなわち、第1の圧電素子の変形量が所定の大きさ以上になると、第1の圧電素子に設けられた一対の電極間を短絡状態とする。こうすると、圧電素子は一対の電極間を短絡させた状態では変形し難い性質を持つことから、第1の圧電素子の変形が抑制される。これによって、第1の圧電素子が過度に変形することも抑制することができるので、衝突時の衝撃を緩和させるための部材を設ける必要がなく、発電装置を小型化することが可能となる。
本実施例の発電装置の構造を示した説明図である。 本実施例の発電装置の動作を示した説明図である。 本実施例の発電装置の動作原理の前半部分を概念的に示した説明図である。 本実施例の発電装置の動作原理の後半部分を概念的に示した説明図である。 スイッチがONするタイミングが任意のタイミングであっても、圧電部材の端子間の電圧を昇圧させることが可能な理由を示す説明図である。 スイッチがONするタイミングが任意のタイミングであっても、圧電部材の端子間の電圧を昇圧させることが可能な理由を示す説明図である。 スイッチがONするタイミングが任意のタイミングであっても、圧電部材の端子間の電圧を昇圧させることが可能な理由を示す説明図である。 LC共振回路の共振周期の3/2倍の時間だけスイッチをONにした場合の圧電部材の端子間の電圧波形を示した図である。 LC共振回路の共振周期の1/4倍の時間だけスイッチをONにした場合の圧電部材の端子間の電圧波形を示した図である。 第2の圧電素子に生じる電流を検出することによってスイッチSW1を適切なタイミングで制御可能な理由を示す説明図である。 第1の圧電素子に振動を与えた場合の第1の圧電素子の変位を示す説明図である。 第2の圧電素子に生じる電流が第1基準値以上になった場合及び第2基準値以下になった場合にスイッチを接続することによって、第1の圧電素子の変形が抑制される様子を示す説明図である。 本実施例における発電装置の制御方法の一例としてのスイッチ制御処理を説明するためのフローチャート。 電流検出回路の構成の一例を示すブロック図。 第1変形例の発電装置100aの構造を示す図。 第2変形例の発電装置100bの圧電素子の配置を示した説明図である。 第2変形例の発電装置100bの電気的な構造を示した説明図である。 第3変形例の発電装置100cの電気的な構造を示した説明図である。 発電装置100を備えた電子機器2の一例の電気的な構造を示す図。
以下、本発明の好適な実施例について図面を用いて詳細に説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序にしたがって実施例を説明する。
A.実施例:
A−1.発電装置の構造:
A−2.発電装置の動作:
A−3.発電装置の動作原理:
A−4.スイッチの切換タイミング:
B.第1変形例:
C.第2変形例:
D.第3変形例:
E.電子機器、移動手段及び電池
A.実施例:
A−1.発電装置の構造:
図1は、本実施例の発電装置100の構造を示した説明図である。図1(a)には、発電装置100の機械的な構造が示されており、図1(b)には電気的な構造が示されている。
本実施例の発電装置100は、一対の電極を有する第1の圧電素子108と、第1の圧電素子108と積層された第2の圧電素子110と、前記一対の電極間に電気的に接続されたスイッチSW1と、第2の圧電素子110に生じる電流を検出する電流検出部130と、スイッチSW1を制御する制御部140と、を備える。制御部140は、電流検出部130で検出される電流が、第1基準値以上になった場合及び第2基準値以下になった場合の少なくともいずれかの場合に、スイッチSW1を所定期間電気的に接続する。
本実施例の発電装置100の機械的な構造は、積層された第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110の一端が、支持端102に固定された片持ち梁構造となっており、変形方向を切り換えて変形することができる。支持端102は発電装置100内に固定されるのが望ましい。第1の圧電素子108は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電材料によって形成された圧電部材108cと、圧電部材108cの表面に金属薄膜によって形成された一対の第1電極(上部電極)108a及び第2電極(下部電極)108bとを含んで構成されている。第1電極(上部電極)108a及び第2電極(下部電極)108bは、圧電部材108cを挟んで対向配置されている。第2の圧電素子110は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電材料によって形成された圧電部材110cと、圧電部材110cの表面に金属薄膜によって形成された一対の第1電極(上部電極)110a及び第2電極(下部電極)110bとを含んで構成されている。第1電極(上部電極)110a及び第2電極(下部電極)110bは、圧電部材110cを挟んで対向配置されている。図1(a)に示す例では、第1の圧電素子108の第2電極108bと第2の圧電素子110の第1電極110aとは、互いに絶縁されて積層されている。図1(a)に示す例では、第1の圧電素子108と第2の圧電素子110とは同じ形状を有しているが、必ずしも同じ形状でなくてもよい。例えば、第1の圧電素子108が設置可能な最大の長さ(支持端102から遠ざかる方向への長さ)と幅(支持端102から遠ざかる方向に対する幅)であれば、第1の圧電素子108の発電量は大きくなる。一方、第2の圧電素子110が設置可能な最小の幅であれば、第2の圧電素子110による変位抵抗が低減するため、発電効率が良くなる。
第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110は、一端が支持端102に固定されているので、振動などが加わると、図中に白抜きの矢印で示したように、支持端102から遠い側の先端が大きく振動する。その結果、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110には、圧縮力及び引張力が交互に作用する。すると、第1の圧電素子108の圧電部材108cは圧電効果によって正負の電荷を発生し、その電荷が第1電極108a及び第2電極108bに現れる。同様に、第2の圧電素子110の圧電部材110cは圧電効果によって正負の電荷を発生し、その電荷が第1電極110a及び第2電極110bに現れ
る。
図1(b)には、本実施例の発電装置100の回路図が例示されている。第1の圧電素子108の一対の電極である第1電極108aと第2電極108bとの間には、スイッチSW1が設けられている。また、図1(b)に示す例では、インダクターL1がスイッチSW1と直列に接続されている。第1の圧電素子108の圧電部材108cは、電気的には、電流源と、電荷を蓄えるコンデンサー(容量成分)Cg1として表すことができる。インダクターL1は、圧電部材108cに対して並列に接続されて、第1の圧電素子108を含む共振回路を構成している。すなわち、インダクターL1は、圧電部材108cの容量成分Cg1とともに電気的な共振回路を形成している。第2の圧電素子110の圧電部材110cは、電気的には、電流源と、電荷を蓄えるコンデンサー(容量成分)Cs1として表すことができる。
電流検出部130は、第2の圧電素子110に生じる電流を検出する。図1(b)に示す例では、電流検出部130は、第2の圧電素子110と並列に接続された蓄電素子132と、蓄電素子132に流れる電流を検出する電流検出回路134とを含んで構成されている。
制御部140は、スイッチSW1のON/OFFを制御する。制御部140は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されていてもよい。制御部140は、電流検出部130で検出される電流が第1基準値Iref1以上となった場合及び第2基準値Iref2以下となった場合の少なくともいずれかの場合に、スイッチSW1を所定期間電気的に接続する。また、制御部140は、前記所定期間以外の期間では、第1の圧電素子108の変形方向が切り換わるタイミングでスイッチSW1を電気的に接続した後、所定の時間が経過するタイミングでスイッチSW1を電気的に切断してもよい。また、制御部140は、電流検出部130で検出される電流に基づいて、第1の圧電素子108の変形方向が切り換わるタイミングでスイッチSW1を電気的に接続してもよい。電流検出部130及び制御部140の動作の詳細については後述される。
また、第1の圧電素子108の圧電部材108cに設けられた第1電極108a及び第2電極108bは、第1の圧電素子108が発生させる電流を整流する整流回路120に接続されている。本実施例においては、整流回路120は、4つのダイオードD1〜D4から構成される全波整流回路である。整流回路120を全波整流回路で構成することによって、第1の圧電素子108から発生した電荷を効率よく引き出して、効率よく発電することができる。さらに、整流回路120には、電気負荷を駆動するために、整流後の電流を蓄えておく蓄電素子(出力用コンデンサー)C1が接続されている。すなわち、蓄電素子C1は、整流回路120を介して第1の圧電素子108と並列に接続されている。なお、蓄電素子C1は必須の構成ではなく、必要に応じて設ければよい。
一方、第2の圧電素子110はスイッチSW1を制御するために設けられており、第2の圧電素子110に設けられた第1電極110a及び第2電極110bは、電流検出部130に接続されている。したがって、以下では、第1の圧電素子108を「発電用の圧電素子」と称し、第2の圧電素子110を「制御用の圧電素子」と称することがあるものとする。
A−2.発電装置の動作:
図2は、本実施例の発電装置100の動作を示した説明図である。図2(a)には、第1の圧電素子108の振動に伴って、第1の圧電素子108の先端(支持端102から遠い側の端部)の変位uが変化する様子が示されている。なお、プラスの変位uは、第1の圧電素子108が上向きに反った状態(第1の圧電素子108の上面側が凹となった状態
)を表しており、マイナスの変位(−u)は、第1の圧電素子108が下向きに反った状態(第1の圧電素子108の下面側が凹となった状態)を表している。また、図2(b)には、第1の圧電素子108の変形に伴って、圧電部材108cに生じる電流の様子と、その結果として圧電部材108cの内部に生じる起電力とが示されている。なお、図2(b)では、圧電部材108cに電荷が発生する様子は、単位時間あたりに発生する電荷量(すなわち、電流Ipzt)として表され、また、圧電部材108cに生じる起電力は、第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧Vpztとして表されている。
なお、図1を用いて前述したように、第1の圧電素子108と積層された第2の圧電素子110も設けられており、第1の圧電素子108が変形すると、圧電部材110cも圧電部材108cと同様に変形する。したがって、圧電部材110cの内部にも、圧電部材108cと全く同様に、図2(b)に示す電流Ipztと同様の電流Ipzt2、及び、図2(b)に示す電圧Vpztと同様の電圧Vpzt2が発生する。
図2(a)及び図2(b)に示されるように、第1の圧電素子108の変位が増加している間は、圧電部材108cは正方向の電流を発生させ(すなわち、電流Ipztがプラス値)、これに伴って第1電極108a及び第2電極108bの電圧Vpztは正方向へ増加する。正方向の電圧Vpztが、蓄電素子C1の電圧VC1と整流回路120を構成しているダイオードの順方向降下電圧Vfの2倍との和、すなわち、VC1+2Vfよりも大きくなれば、それ以降に発生した電荷は直流電流として取り出して、蓄電素子C1に蓄えておくことができる。また、第1の圧電素子108の変位が減少している間は、圧電部材108cは負方向の電流を発生させ(すなわち、電流Ipztがマイナス値)、これに伴って第1電極108a及び第2電極108bの電圧Vpztは負方向へ増加する。負方向の電圧Vpztが、VC1と整流回路120の2Vfの和よりも大きくなれば、発生した電荷は直流電流として取り出して、蓄電素子C1に蓄えておくことができる。すなわち、図1のスイッチSW1をOFFにしたままでも、図2(b)中に斜線を付して示した部分については、蓄電素子C1に電荷を蓄えることができる。
一定時間に圧電部材108cから取り出せる電荷量(発電効率)はスイッチSW1がONするタイミングによって異なり、図2(c)に示すように、第1の圧電素子108の変形方向が切り換わるタイミングでスイッチSW1がONする場合に発電効率が最大となる。以下では、まず発電効率が最大となる場合の動作について説明する。
制御部140が、図2(c)に示すタイミングでSW1をONにしたとする。すると、図2(d)に示すように、第1電極108aと第2電極108bとの間の電圧波形が、スイッチSW1をONにしたときにシフトしたかのような現象が発生する。すなわち、例えば、図2(d)中に「B」と表示した期間Bでは、圧電部材108cの起電力に対応する細い破線で示した電圧Vpztの波形がマイナス方向にシフトしたような、太い破線で示した電圧波形が第1電極108aと第2電極108bとの間に現れる。このような現象が発生する理由については後述する。また、図2(d)中に「C」と表示した期間Cでは、圧電部材108cの起電力に対応する電圧Vpztの波形がプラス方向にシフトしたような、太い破線の電圧波形が現れる。以降の期間D、期間E、期間Fなどについても同様に、圧電部材108cの起電力に対応する電圧Vpztの波形がプラス方向あるいはマイナス方向にシフトしたような、太い破線の電圧波形が現れる。そして、シフトした電圧波形が、VC1と2Vfとの和を超えた部分(図2(d)中に斜線を付して示した部分)では、圧電部材108cで発生した電荷を蓄電素子C1に蓄えておくことができる。なお、圧電部材108cから蓄電素子C1に電荷が流れる結果、第1電極108aと第2電極108bとの間の電圧Vgenは、VC1と2Vfとの和の電圧でクリップされる。その結果、第1電極108a及び第2電極108bの間の電圧波形は、図2(d)に太い実線で示した波形となる。
図2(b)に示したスイッチSW1をOFFにしたままの場合と、図2(d)に示したように、第1の圧電素子108の変形方向が切り換わるタイミングでスイッチSW1をONにした場合とを比較すれば明らかなように、本実施例の発電装置100では、適切なタイミングでスイッチSW1をONにすることで、効率よく、蓄電素子C1に電荷を蓄えることが可能となる。そこで、本実施例の発電装置100は、スイッチSW1を適切なタイミングでONにするために、制御用の第2の圧電素子110を設けておき、第2の圧電素子110に生じた電流を検出してスイッチSW1を制御している。この点については、後ほど詳しく説明する。
また、蓄電素子C1に電荷が蓄えられて、蓄電素子C1の端子間電圧が増加すると、それにしたがって電圧波形のシフト量も大きくなる。例えば、図2(d)中の期間B(蓄電素子C1に電荷が蓄えられていない状態)と、図2(d)中の期間H(蓄電素子C1に少し電荷が蓄えられた状態)とを比較すると、期間Hの方が電圧波形のシフト量が大きくなっている。同様に、図2(d)中の期間Cと期間Iとを比較すると、蓄電素子C1に蓄えられた電荷が増えている期間Iの方が、電圧波形のシフト量が大きくなっている。このような現象が発生する理由については後述するが、この結果、本実施例の発電装置100では、圧電部材108cを変形させたことによって、第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧Vpzt以上の電圧を、蓄電素子C1に蓄えることも可能となる。その結果、特別な昇圧回路を設ける必要がなくなり、小型で高効率の発電装置を得ることが可能となる。
A−3.発電装置の動作原理:
図3は、本実施例の発電装置100の動作原理の前半部分を概念的に示した説明図である。また、図4は、本実施例の発電装置100の動作原理の後半部分を概念的に示した説明図である。図3では、圧電部材108cの変形に合わせてスイッチSW1をONにしたときのCg1の電荷の動きが、概念的に示されている。図3(a)は、圧電部材108c(正確には第1の圧電素子108)が上向きに(上面側が凹となるように)変形した状態を表している。圧電部材108cが上向きに変形すると、電流源からは正方向の電流が流れ、Cg1に電荷が蓄積され、圧電部材108cの端子間には正方向の電圧が発生する。電圧値は、圧電部材108cの変形が大きくなるほど増加する。そして、圧電部材108cの変形がピークとなったタイミング(電荷量がピークになったタイミング。図3(b)参照)で、スイッチSW1をONにする。
図3(c)には、スイッチSW1をONにした直後の状態が示されている。Cg1には電荷が蓄えられているから、この電荷がインダクターL1に流れようとする。インダクターL1に電流が流れると磁束が生じる(磁束が増加する)が、インダクターL1には、自らを貫く磁束の変化を妨げる方向に逆起電力が生じる性質(自己誘導作用)がある。スイッチSW1をONにしたときには、電荷が流れることによって磁束が増加しようとするから、この磁束の増加を妨げる方向(換言すれば、電荷の流れを妨げる方向)に逆起電力が発生する。また、逆起電力の大きさは、磁束の変化速度(単位時間あたりの変化量)に比例する。図3(c)には、このようにしてインダクターL1に生じる逆起電力が、斜線を付した矢印によって表されている。このような逆起電力が発生するため、スイッチSW1をONにしても、圧電部材108cの電荷は少しずつしか流れ出さない。すなわち、インダクターL1を流れる電流は少しずつしか増加しない。
その後、インダクターL1を流れる電流がピークになると、磁束の変化速度が「0」となるので、図3(d)に示したように逆起電力が「0」となる。そして、今度は電流が減少し始める。すると、インダクターL1を貫く磁束が減少するので、インダクターL1には、この磁束の減少を妨げる方向(電流を流そうとする方向)の起電力が発生する(図3
(e)参照)。その結果、この起電力によってCg1から電荷を引き抜きながら、インダクターL1を電流が流れ続ける。そして、電荷の移動の途中で損失が発生しなければ、圧電部材108cの変形によって生じた全ての電荷が移動して、ちょうど正負の電荷が置き換わったような状態(すなわち、圧電部材108cの下面側に正電荷が分布し、上面側に負電荷が分布した状態)となる。図3(f)には、圧電部材108cの変形によって生じた正負の電荷が全て移動した状態が表されている。
仮に、このままスイッチSW1をONにしておくと、今度は上述した内容と逆の現象が生じる。すなわち、圧電部材108cの下面側の正電荷がインダクターL1に流れようとして、このときインダクターL1には、電荷の流れを妨げる方向の逆起電力が発生する。その後、インダクターL1を流れる電流がピークに達した後、減少に転じると、今度は電流の減少を妨げる方向(電流を流し続けようとする方向)の起電力がインダクターL1に発生する。その結果、圧電部材108cの下面側にあった全ての正電荷が上面側に移動した状態(図3(b)に示した状態)となる。こうして圧電部材108cの上面側に戻った正電荷は、再び、図3(b)〜図3(f)を用いて前述したようにして、下面側に移動する。
このように、Cg1に電荷が蓄えられた状態でスイッチSW1をONにした後、その状態を保っておくと、圧電部材108cとインダクターL1との間で電流の向きが交互に反転する一種の共振現象が発生する。そして、この共振現象の周期は、いわゆるLC共振回路の共振周期Tとなるから、圧電部材108cに含まれる容量成分Cg1の大きさ(キャパシタンス)をC、インダクターL1の誘導成分の大きさ(インダクタンス)をLとすると、T=2π(LC)0.5によって与えられる。したがって、スイッチSW1をONにした直後(図3(c)に示した状態)から、図3(f)に示した状態となるまでの時間は、T/2となる。
そこで、スイッチSW1をONにしてからT/2が経過した時点で、図4(a)に示すようにスイッチSW1をOFFにする。そしてこの状態から、圧電部材108c(正確には第1の圧電素子108)を今度は下向きに(下面側が凹となるように)変形させる。前述した図3(a)では、圧電部材108cを上向きに変形させたが、図4(a)では下向きに変形させているので、電流源から負方向の電流が流れ、圧電部材108cの端子間の電圧が負方向へ大きくなるようにCg1に電荷が蓄積する。また、図3(a)〜図3(f)を用いて前述したように、圧電部材108c(正確には第1の圧電素子108)を下向きに変形させる前の段階で、圧電部材108cの下面側には正電荷が分布し、上面側には負電荷が分布しているから、これらの電荷に加えて、下面側には新たな正電荷が蓄積され、上面側には新たな負電荷が蓄積されることになる。図4(b)には、スイッチSW1をOFFにした状態で圧電部材108c(正確には第1の圧電素子108)を変形させることによって、圧電部材108cに新たな電荷が蓄積された状態が示されている。
そして、この状態からスイッチSW1をONにすると、圧電部材108cの下面側に蓄積された正電荷がインダクターL1に流れようとする。このときインダクターL1には逆起電力が発生するので(図4(c)参照)、電流は少しずつ流れ始めるが、やがてピークに達して、その後は減少に転じる。すると、インダクターL1には、電流の減少を妨げる方向(電流を流し続けようとする方向)に起電力が発生し(図4(e)参照)、この起電力によって電流が流れ続けて、最終的には、圧電部材108cの下面側に分布していた全ての正電荷が上面側に移動し、上面側に分布していた全ての負電荷が下面側に移動した状態となる(図4(f)参照)。また、下面側の全ての正電荷が上面側に移動し、上面側の全ての負電荷が下面側に移動する時間は、LC共振回路の共振周期Tの半分に相当する時間T/2となる。そこで、スイッチSW1をONにした後、時間T/2が経過したらスイッチSW1をOFFにして、今度は圧電部材108c(正確には第1の圧電素子108)
を上向きに(上面側が凹となるように)変形させれば、圧電部材108c内にさらに正負の電荷を蓄積することができる。
以上に説明したように本実施例の発電装置100では、圧電部材108cを変形させて電荷を発生させた後、圧電部材108cをインダクターL1に接続して、共振周期Tの半分の時間だけ共振回路を形成することで、圧電部材108c内での正負の電荷の分布を反転させる。その後、圧電部材108cを今度は逆方向に変形させて新たな電荷を発生させる。圧電部材108c内での正負の電荷の分布は反転されているから、新たに発生させた電荷は圧電部材108cに蓄積されることになる。その後、再び、共振周期Tの半分の周期だけ圧電部材108cをインダクターL1に接続して、圧電部材108c内での正負の電荷の分布を反転させた後、圧電部材108cを逆方向に変形させる。このような動作を繰り返すことで、圧電部材108cを繰り返し変形させる度に、圧電部材108cに蓄積された電荷を増加させることができる。
図2を用いて前述したように本実施例の発電装置100では、スイッチSW1をONにする度に第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧波形がシフトする特異な現象が生じるが、この現象は、以下のようなメカニズムによって発生する。すなわち、例えば図2(d)中に示した期間Aでは、圧電部材108c(正確には第1の圧電素子108)の変形にしたがって、第1電極108a及び第2電極108bの間に電圧が発生するが、第1電極108a及び第2電極108bは整流回路120に接続されているので、VC1と2Vfとの和の電圧を超えた部分の電荷は、整流回路120に接続された蓄電素子C1に流れ込む。その結果、第1の圧電素子108の変形がピークになった時点でスイッチSW1をONにすると、そのときに圧電部材108c内に残っていた正負の電荷がインダクターL1を介して移動して、圧電部材108c内での正負の電荷の配置が入れ代わる。
そして、正負の電荷の配置が入れ代わった状態から第1の圧電素子108を逆方向に変形させると、圧電部材108cの第1電極108a及び第2電極108bの間には、圧電効果による電圧波形が現れる。すなわち、圧電部材108cの第1電極108a及び第2電極108bの極性が入れ代わった状態から、圧電部材108cに変形による電圧変化が発生することになる。その結果、図2(d)中に示した期間Bでは、第1の圧電素子108の変形によって圧電部材108cに生じる電圧波形をシフトさせたような、電圧波形が現れることになる。もっとも、前述したように、VC1と2Vfとの和の電圧を超えた部分の電荷は蓄電素子C1に流れ込むので、圧電部材108cの第1電極108a及び第2電極108bの間の電圧は、VC1と2Vfとの和の電圧でクリップされる。その後、共振周期Tの半分の時間だけスイッチSW1をONにすると、圧電部材108cに残っていた正負の電荷の配置が入れ代わる。そして、その状態から第1の圧電素子108が変形することによって、圧電部材108cには圧電効果による電圧波形が現れる。このため、図2(d)中に示した期間Cにおいても、第1の圧電素子108の変形による電圧波形をシフトさせたような電圧波形が現れることになる。
また、図2を用いて前述したように本実施例の発電装置100では、第1の圧電素子108が変形を繰り返しているうちに、電圧波形のシフト量が次第に大きくなるという現象も発生する。このため、圧電部材108cの圧電効果によって第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電位差よりも高い電圧を、蓄電素子C1に蓄えることができるという大きな効果を得ることができる。このような現象は、次のようなメカニズムによって生じる。
先ず、図2(d)中の期間Aあるいは期間Bに示したように、C1が充電されていない場合は、圧電部材108cの端子間で発生する電圧が、整流回路120の2Vfを超える
と、圧電部材108cから蓄電素子C1に電荷が流れ込むので、第1電極108aと第2電極108bとの間に現れる電圧は、2Vfでクリップされている。しかし、こうして蓄電素子C1に電荷を蓄えるにしたがって蓄電素子C1の端子間の電圧が増加していく。すると、それ以降は、第1電極108aと第2電極108bとの間の電圧がVC1と2Vfとの和よりも高い電圧になって始めて、圧電部材108cから電荷が流れ込むようになる。このため、第1電極108aと第2電極108bとの間の電圧がクリップされる値が、蓄電素子C1に電荷が蓄えられるにしたがって次第に上昇していく。
加えて、図3及び図4を用いて前述したように、圧電部材108cから電荷を流出させない限り、圧電部材108c(正確には第1の圧電素子108)を変形させる度に、圧電部材108c内の電荷は増えて行き、それに伴って、第1電極108aと第2電極108bとの間の電圧は大きくなる。このため、電荷がインダクターL1やスイッチSW1を流れる際の損失などを考えなければ、第1電極108aと第2電極108bとの間の電圧を大きくすることができる。このため、本実施例の発電装置100によれば、特別な昇圧回路を設けなくても、電気負荷の駆動に必要な電圧まで自然に昇圧させた状態で、発電することが可能となる。
A−4.スイッチの切換タイミング:
以上に説明したように、本実施例の発電装置100では、圧電部材108c(正確には第1の圧電素子108)に繰り返し変形を加えて、変形方向が切り換わるタイミングで、共振周期Tの半分の時間だけ圧電部材108cをインダクターL1に接続することで、蓄電素子C1に効率良く電荷を蓄えることができ、加えて昇圧回路が不要なために容易に小型化することができるという優れた特徴を得ることができる。もっとも、制御部140やスイッチSW1の動作速度などの事情から、制御部140がスイッチSW1をONするタイミングは、第1の圧電素子108の変形方向が切り換わるタイミングと完全に一致するとは限らない。しかし、スイッチSW1がONするタイミングが第1の圧電素子108の変形方向が切り換わるタイミングと完全に一致しなくても、第1の圧電素子108と第2の圧電素子110との積層体の固有振動周期と一致する周期で、LC共振回路の共振周期Tの半分の時間だけスイッチSW1をONにすることで、第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧Vgenを昇圧させることが可能である。以下、この理由について説明する。
図5(a)は、仮に、第1の圧電素子108の変形方向が切り替わる時刻t1でスイッチSW1をONした後OFFしない場合の、第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧Vgenの様子を示している。図5(b)は、図5(a)の時刻t1以降を拡大したものである。なお、図5の例では、整流回路120や蓄電素子C1はないものとしている。
時刻t1において、Vgenはピークになっており、スイッチSW1がONすることによって、LC共振回路の共振周期Tの1/2の周期(時刻t1,t2,t3,t4,t5,t6,・・・)で正負のピーク値Vp1,Vp2,Vp3,Vp4,Vp5,Vp6,・・・が交互に現れながら減衰していく。もし、時刻t1からT/2だけ経過後の時刻t2にスイッチSW1をOFFにすると、前述したVgenのシフト量はVp1の絶対値とVp2の絶対値の和(|Vp1|+|Vp2|)となる。なお、図3及び図4を用いて説明したように、Vp2は、LC共振回路の共振によって、容量成分Cg1の正負の電荷が入れ替わったときの電圧値であるから、Vp1の絶対値が大きいほどVp2の絶対値も大きくなる。したがって、Vp1の絶対値が大きいほどVgenのシフト量も大きくなる。
図6は、第1の圧電素子108の変形方向が切り替わるタイミング毎にスイッチSW1がT/2だけONする場合の、第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧
Vgenの様子を示している。なお、図6の例でも、整流回路120や蓄電素子C1はないものとしている。圧電部材108cが発生させる起電力による電圧Vpztの振幅が一定とすると、図6に示すように、最初にVgenが正のピーク値となる電圧値VとなるタイミングでスイッチSW1がT/2だけONすると、VgenはV+Vaだけマイナス方向にシフトする。すると、2回目にスイッチSW1がONするときのVgenの電圧値V=−(Va+2V)であり、スイッチSW1がT/2だけONするとVgenはVb+Va+2Vだけプラス方向にシフトする。同様に、3回目にスイッチSW1がONするときのVgenの電圧値V=Vb+2Vであり、スイッチSW1がT/2だけONするとVgenはVc+Vb+2Vだけマイナス方向にシフトする。同様に、4回目にスイッチSW1がONするときのVgenの電圧値V=−(Vc+2V)であり、スイッチSW1がT/2だけONするとVgenはVd+Vc+2Vだけプラス方向にシフトする。同様に、5回目にスイッチSW1がONするときのVgenの電圧値V=Vd+2Vである。ここで、V=−(Va+2V)であるから、明らかに|V|>|V|である。そして、V,Vは図5(b)のVp1に対応する電圧値、Va,Vbは図5(b)のVp2に相当する電圧値であり、|V|>|V|であるから必ずVb>Vaとなる。すると、V=−(Va+2V),V=Vb+2Vであり、Vb>Vaであるから|V|>|V|である。同様に、|V|>|V|であるから必ずVc>Vbとなり、V=Vb+2V,V=−(Vc+2V)であり、Vc>Vbであるから|V|>|V|である。同様に、|V|>|V|であるから必ずVd>Vcとなり、V=−(Vc+2V),V=Vd+2Vであり、Vd>Vcであるから|V|>|V|である。要するに、第1の圧電素子108の変形方向が切り替わるタイミングでスイッチSW1がT/2だけONすることによって、第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧Vgenの絶対値は|V|<|V|<|V|<|V|<|V|<・・・と昇圧していく。
第1の圧電素子108の変形方向が切り替わるタイミングとスイッチSW1がONするタイミングがずれた場合も同様に考えることができる。図7(a)は、第1の圧電素子108の変形方向が切り替わるタイミングの後ろでスイッチSW1がT/2だけONする場合に第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧Vgenの様子を示し、図7(b)は、第1の圧電素子108の変形方向が切り替わるタイミングの前でスイッチSW1がT/2だけONする場合に第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧Vgenの様子を示している。なお、図7(a)、図7(b)の例でも、整流回路120や蓄電素子C1はないものとしている。
図7(a)及び図7(b)の例では、図6の例と同様に、Vgenは、最初にスイッチSW1がONするときの電圧値Vに対して、2回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=−(Va+2V)、3回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=Vb+2V、4回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=−(Vc+2V)、5回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=Vd+2V、・・・となる。ここで、V,V,V,V,・・・は、それぞれ図6の場合のV,V,V,V,・・・と同じ式で表されるので、やはりV>V、V>V、V>V、V>V、・・・となる。したがって、第1の圧電素子108の変形方向が切り替わるタイミングから前後にずれたタイミングでスイッチSW1をT/2だけONしても、Vgenは|V|<|V|<|V|<|V|<|V|<・・・と昇圧していく。ただし、電圧値Vが高いほど、Va,Vb,Vc,Vd,・・・が大きくなるので、図6の例の方が、図7(a)及び図7(b)の例よりもVgenが昇圧するスピードが速く、発電効率が高い。
なお、第1の圧電素子108の変位が0(Vgenが0)となるタイミングでスイッチSW1がT/2だけONする場合(図7(a)及び図7(b)でV=0の場合)は、L
C共振回路の共振が起こらずVgenは昇圧しない。
以上に説明したように、スイッチSW1がONするタイミングが任意のタイミング(ただし、第1の圧電素子108の変位が0(Vgenが0)となるタイミングを除く)であっても、LC共振回路の共振周期Tの半分の時間だけスイッチSW1をONにすることで、第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧を昇圧させることができる。
なお、発電効率を高めるために、LC共振回路の共振周期Tの半分の時間だけスイッチSW1をONにすることが望ましいが、所定の時間だけスイッチSW1をONにしても第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧Vgenを昇圧させることは可能である。例えば、図8は、第1の圧電素子108の変形方向が切り替わるタイミングで共振周期Tの3/2倍の時間だけスイッチSW1をONにした場合の、第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧Vgenの一例を示している。要するに、図5(b)に示した時刻t1でスイッチSW1をONにして時刻t3でスイッチSW1をOFFにする場合に対応する。なお、図8の例でも、整流回路120や蓄電素子C1はないものとしている。
図8の例では、図6の例と同様に、Vgenは、最初にスイッチSW1がONするときの電圧値Vに対して、2回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=−(Va+2V)、3回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=Vb+2V、4回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=−(Vc+2V)、5回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=Vd+2V、・・・となり、Vgenは|V|<|V|<|V|<|V|<|V|<・・・と昇圧していく。ただし、電圧値Vが高いほど、Va,Vb,Vc,Vd,・・・が大きくなるので、図6の例の方が、図8の例よりもVgenが昇圧するスピードが速く、発電効率が高い。
一方、図9は、第1の圧電素子108の変形方向が切り替わるタイミングで共振周期Tの1/4倍の時間だけスイッチSW1をONにした場合の、第1電極108aと第2電極108bとの間に生じる電圧Vgenの様子を示している。要するに、図5(b)に示した時刻t1でスイッチSW1をONにして時刻(t1+t2)/2でスイッチSW1をOFFにする場合に対応する。なお、図9の例でも、整流回路120や蓄電素子C1はないものとしている。
図9の例では、Vgenは、最初にスイッチSW1がONするときの電圧値Vに対して、2回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=−2V、3回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=2V、4回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=−2V、5回目にスイッチSW1がONするときの電圧値V=2V、・・・となる。すなわち、Vgenは2Vまで昇圧できるが、2Vを超えての昇圧はされない。
同様に、第1の圧電素子108の変形方向が切り替わるタイミングで共振周期Tの3/4倍、5/4倍、7/4倍、9/4倍、・・・のいずれかの時間だけスイッチSW1をONにした場合もV=−2V、V=2V、V=−2V、V=2V、・・・となり、Vgenは2Vまで昇圧できるが、2Vを超えての昇圧はされない。
以上より、LC共振回路の共振によって、少なくとも、VgenがスイッチSW1をONにするときの極性と反対の極性となったときにスイッチSW1をOFFすれば、Vgenが昇圧していく。要するに、LC共振回路の共振周期Tに対して、スイッチSW1をONする所定の時間を、少なくとも、(n+1/4)Tより長く(n+3/4)Tよりも短い時間(nは0以上の任意の整数)に設定すれば、Vgenを効率よく昇圧させることが
できる。
前述したように、LC共振回路の共振周期Tの1/2の時間だけスイッチSW1をONするのが、スイッチSW1の切り換えときのシフト量が最も大きくなるので、発電効率が最も高い。そこで、本実施例の発電装置100では、制御部140は、第1の圧電素子108と第2の圧電素子110との積層体の固有振動周期と一致する周期でスイッチSW1をONにし、LC共振回路の共振周期Tの1/2の時間が経過するとスイッチSW1をOFFにする。
もっとも、第1の圧電素子108の変形方向が切り換わるタイミングでスイッチSW1をONにすることは、それほど容易なことではない。例えば、第1の圧電素子108の変形方向が切り換わるタイミングは、第1の圧電素子108の変位の大きさが最大と考えれば、機械的な接点を用いて、第1の圧電素子108が最大変位となったタイミングでスイッチSW1がONとなるように構成することも可能である。しかし、接点の調整がずれると効率が大きく低下することになる。そこで、本実施例の発電装置100では、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2を検出することによって、スイッチSW1をONにする。第2の圧電素子110の変形方向が切り換わるタイミングは、第2の圧電素子110が発生させる電荷による電流Ipzt2の向きが切り換わるタイミング(電流値が0となるタイミング)と一致する。したがって、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2を検出することによって、第1の圧電素子108の変形方向が切り換わるタイミングで容易にスイッチSW1をON(導通状態)にできる。
図10は、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2を検出することによって(すなわち、電流検出部130で検出される電流に基づいて)、スイッチSW1を適切なタイミングで制御可能な理由を示す説明図である。図10(a)には、第1の圧電素子108の変位が示されている。また、図10(b)には、第1の圧電素子108の振動に伴って、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2が変化する様子が示されている。
図3〜図9を用いて前述したように、第1の圧電素子108の変位uが極値に達したタイミングでスイッチSW1をONにした場合に、最も効率よく発電することができる。そして、図10(a)と図10(b)とを比較すれば明らかなように、第1の圧電素子108の変位uが極値となるのは、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2が0となるタイミングと一致する。その理由は、第2の圧電素子110は、インダクターL1や蓄電素子C1と接続していないため、電荷の増減が第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2の変化に直接反映されるからである。
そこで、図10(b)に白抜き矢印で示したように、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2が0となるタイミングを検出して、そのタイミングから、所定の時間(例えば、前述したLC共振回路の共振周期Tの半分の時間(T/2))だけスイッチSW1をONにしてやれば、効率よく発電することが可能となる。
図11は、第1の圧電素子108に振動を与えた場合の第1の圧電素子108の変位を示す説明図であり、第1の圧電素子108の振動に伴って、第1の圧電素子108の先端の変位uが変化する様子が示されている。図11中の実線はスイッチSW1がOFFの場合の第1の圧電素子108の変位を示しており、破線はスイッチSW1がONの場合、すなわち第1の圧電素子108の第1電極108aと第2電極108bとがスイッチSW1を介して短絡している場合の第1の圧電素子108の変位を示している。なお、図11中のスイッチSW1がOFFの場合(実線)とスイッチSW1がONの場合(破線)とでは、互いに同じ力が第1の圧電素子108に加えられている。図11の破線と実線とを比較すれば明らかなように、スイッチSW1をOFFにした場合よりも、スイッチSW1をO
Nにして第1電極108aと第2電極108bとを短絡した場合の方が、第1の圧電素子108の変形は抑制される。この理由は、圧電素子108の第1電極108aと第2電極108bとの間を短絡させた状態では、圧電部材108cの表面に発生した電荷が短絡した第1電極108aと第2電極108bとの間を流れることによって、圧電部材108cや第1電極108aと第2電極108bとの間の抵抗成分でその電荷が電力消費されるため、第1の圧電素子108の変形にブレーキがかかり、変形し難くなるからである。
本実施例の発電装置100では、第1の圧電素子108のこのような性質を利用して、第1の圧電素子108の変形量を制御している。すなわち、第2の圧電素子110は第1の圧電素子108と積層されて設けられており、これらは同程度に変形するものであることから、第1の圧電素子108の変形量が大きくなる程、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2の絶対値は大きくなる。そして、電流Ipzt2が第1基準値Iref1以上になった場合及び第2基準値Iref2以下となった場合の少なくともいずれかの場合に、スイッチSW1をONにして第1の圧電素子108の第1電極108aと第2電極108bとを短絡することよって、第1の圧電素子108が所定の変形量以上に変形することを抑制する。第1基準値Iref1の絶対値と第2基準値Iref2の絶対値は、等しい値に設定してもよいし、異なる値に設定してもよい。
図12は、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2が第1基準値Iref1以上になった場合及び第2基準値Iref2以下になった場合にスイッチSW1を接続することによって、第1の圧電素子108の変形が抑制される様子を示す説明図である。図12(a)には、第1の圧電素子108の変位が示されている。また、図12(b)には、第1の圧電素子108の振動に伴って、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2が変化する様子が示されている。図12(b)に示すように、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2はタイミングt1で第1基準値Iref1に到達している。このタイミングt1は、図12(a)に示すように、第1の圧電素子108が変形する速度が一定値以上になっているタイミングである。そして、図12(c)に示すように、タイミングt1でスイッチSW1を所定期間ONにして第1の圧電素子108の第1電極108aと第2電極108bとを短絡することよって、第1の圧電素子108が変形することを抑制する。すなわち、スイッチSW1をONにしなければ図12(a)に破線で示すように大きく変形していたところを、スイッチSW1をONにして第1の圧電素子108の変形を実線で示す程度まで抑制している。また、図12(b)に示すように、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2はタイミングt2で第2基準値Iref2に到達している。このタイミングt2は、図12(a)に示すように、第1の圧電素子108が変形する速度が一定値以上になっているタイミングである。そして、図12(c)に示すように、タイミングt2でスイッチSW1を所定期間ONにして第1の圧電素子108の第1電極108aと第2電極108bとを短絡することよって、第1の圧電素子108が変形することを抑制する。すなわち、スイッチSW1をONにしなければ図12(a)に破線で示すように大きく変形していたところを、スイッチSW1をONにして第1の圧電素子108の変形を実線で示す程度まで抑制している。
また、第2の圧電素子110に生じる電流Ipzt2は、第2の圧電素子110(及び第1の圧電素子108)が変形する速度に比例した大きさの電流値になるので、第1の圧電素子108の変位が大きくなる前のタイミングでスイッチSW1を接続するか否かを判定できる。したがって、例えば、第1の圧電素子108の変位そのものを検出する場合や、第1の圧電素子108の変位に比例して変化する第2の圧電素子110に生じる電圧を検出する場合に比べて、より確実に第1の圧電素子108の変形を抑制できる。
以上のように、第1の圧電素子108の変形量を制御することができるので、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110の周辺に配置されている部材や筐体に第1の圧電
素子108及び第2の圧電素子110が衝突することを防止できる。その結果、該衝突の衝撃を緩衝するための緩衝部材を配置する必要がなくなり、発電装置100を小型化することが可能となる。
図13は、本実施例における発電装置100の制御方法の一例としてのスイッチ制御処理を説明するためのフローチャートである。本実施例における発電装置100の制御方法は、第2の圧電素子110に生じる電流を検出することと、検出された電流が第1基準値Iref1以上となった場合及び第2基準値以下となった場合の少なくともいずれかの場合に、スイッチSW1を所定期間接続することと、を含む。また、本実施例における発電装置100の制御方法は、前記所定期間以外の期間では、第1の圧電素子108の変形方向が切り換わるタイミングでスイッチSW1を接続した後、所定の時間が経過するタイミングでスイッチSW1を切断することと、を含んでもよい。
図13に示すスイッチ制御処理において、まず、電流検出部130は、第2の圧電素子110に生じる電流を検出する(ステップS100)。本実施例においては、電流検出部130の電流検出回路134が、蓄電素子132に流れる電流を検出することによって、第2の圧電素子110に生じる電流を検出する。図1(b)に示すように、蓄電素子132は圧電素子110と並列に接続されているので、第2の圧電素子110に生じた電流と同位相の電流が蓄電素子132に流れる。したがって、蓄電素子132に流れる電流を検出することによって、第2の圧電素子110が発生させる電荷による電流の向きが切り換わるタイミング(電流が0となるタイミング)を容易に検出できる。
図14は、電流検出回路134の構成の一例を示すブロック図である。
電流検出器1341は一般的に知られている、例えばホール素子型電流センサーやシャント抵抗などを用いることができる。
増幅回路1342は、電流検出器1341の出力信号(Id)を所定のゲインで増幅する。絶対値回路1343は、増幅回路1342の出力信号(Idamp)の絶対値信号を出力する。なお、増幅回路1342及び絶対値回路1343は必須の回路ではなく、比較器1344による電流有無の検出が容易に行えるように入れてある。
比較器1344は、絶対値回路1343の出力信号(Iabs)を2値化(パルス化)して出力する。この比較器1344の出力信号(Ipls)の立ち下がりエッジのタイミングで、蓄電素子132に流れる電流が0になる。なお、電流が0ではなく、少し流れている状態で検出するようにしてもよい。これは無電流時にノイズ等で比較器1344が誤動作を起こすことを防止するためである。ここでの余裕を多くとると検出タイミングがずれることによって発電効率が悪化するので、できるだけノイズを低減し、電流が0に近いタイミングで検出することが望ましい。
図13に示すスイッチ制御処理において、ステップS100の後に、ステップS100で検出された電流値が0クロスしたか否かを判定する(ステップS102)。本実施例においては、電流検出部130の電流検出回路134の出力信号(Ipls)に基づいて、制御部140がステップS102の判定を行う。
電流検出部130で検出される電流の電流値が0クロスした場合(ステップS102でYESの場合)には、制御部140は、スイッチSW1をON状態に切り換える(ステップS104)。本実施例においては、制御部140がスイッチSW1に対して制御信号を出力することによってスイッチSW1をON状態に切り換える。
ステップS104の後に、制御部140は、タイマーをスタートする(ステップS106)。本実施例においては、制御部140がタイマーを有していてもよい。
ステップS106の後に、制御部140は、第1の圧電素子108の容量成分Cg1とインダクターL1とによって構成される共振回路の共振周期Tの1/2の時間(T/2)が経過したか否かを判定する(ステップS108)。本実施例においては、制御部140がステップS108の判定を行う。制御部140が、T/2の時間が経過していないものと判定した場合(ステップS108でNOの場合)には、ステップS108を繰り返す。
制御部140が、T/2の時間が経過したものと判定した場合(ステップS108でYESの場合)には、制御部140は、スイッチSW1をOFF状態に切り換える(ステップS110)。本実施例においては、制御部140がスイッチSW1に対して制御信号を出力することによってスイッチSW1をOFF状態に切り換える。ステップS110の後に、制御部140はステップS100からステップS110を繰り返す。
以上のようにしてスイッチSW1のON/OFF状態を切り換えることによって、第1の圧電素子108の動きに合わせて適切なタイミングでスイッチSW1のON/OFF状態を切り換えられるので、発電装置100を用いて効率よく発電することが可能となる。
また、第2の圧電素子110に生じる電流に基づいてスイッチSW1のON/OFF状態を切り換えるので、電流値の極値に達したか否かではなく、電流値が基準値を横切ったか否かでタイミングを判定することができる。したがって、スイッチSW1を切り換えるタイミングを精度よく判定することができる。これによって、発電効率を高めることができる。
電流検出部130で検出される電流の電流値が0クロスしていない場合(ステップS102でNOの場合)には、電流検出部130で検出される電流が第1基準値Iref1以上又は第2基準値Iref2以下か否かを判定する(ステップS112)。本実施例においては、電流検出部130の電流検出回路134の出力信号(Ipls)に基づいて、制御部140がステップS112の判定を行う。
電流検出部130で検出される電流の電流値が第1基準値Iref1以上又は第2基準値Iref2以下となった場合(ステップS112でYESの場合)には、制御部140は、スイッチSW1をON状態に切り換える(ステップS114)。本実施例においては、制御部140がスイッチSW1に対して制御信号を出力することによってスイッチSW1をON状態に切り換える。
ステップS114の後に、制御部140は、タイマーをスタートする(ステップS116)。本実施例においては、制御部140がタイマーを有していてもよい。
ステップS116の後に、制御部140は、所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS118)。本実施例においては、制御部140がステップS118の判定を行う。ここで、所定期間は、第1の圧電素子108の変形を抑制させるために第1電極108aと第2電極108bとを短絡させる時間である。所定時間の長さとしては、例えば、第1の圧電素子108と第2の圧電素子110との積層体の振動周期の1/2程度の、第1の圧電素子108の変形を十分に抑制することの可能な時間の長さであることが好ましい。制御部140が、所定期間が経過していないものと判定した場合(ステップS118でNOの場合)には、ステップS118を繰り返す。
制御部140が、所定期間が経過したものと判定した場合(ステップS118でYES
の場合)には、制御部140は、スイッチSW1をOFF状態に切り換える(ステップS120)。本実施例においては、制御部140がスイッチSW1に対して制御信号を出力することによってスイッチSW1をOFF状態に切り換える。ステップS120の後に、又は、電流検出部130で検出される電流の電流値が第1基準値Iref1以上又は第2基準値Iref2以下とならなかった場合(ステップS112でNOの場合)には、制御部140及び電流検出部130は、ステップS100に戻って上述した一連の処理を繰り返す。
以上のステップS112〜S120の処理を行うことによって、第2の圧電素子110に生じる電流の電流値が第1基準値Iref1又は第2基準値Iref2に達した場合(すなわち、第1の圧電素子108が変形する速度が所定の大きさ以上になった場合)に、第1電極108aと第2電極108bとを所定時間だけ短絡させて第1の圧電素子108が想定以上に変形することを抑制することができる。その結果、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110の周辺に配置されている部材や筐体に第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110が衝突することを防止でき、該衝突の衝撃を緩衝するための緩衝部材を配置する必要がなくなるので、発電装置100を小型化することが可能となる。
また、1つのスイッチSW1をONにするタイミングを制御することによって、効率よく発電させることが可能となり(ステップS100〜S110)、なおかつ、第1の圧電素子108の変形量を抑制することが可能である(ステップS112〜S120)。すなわち、効率よく発電させるために設けられたスイッチSW1を、第1の圧電素子108の変形量を抑制するためにも用いているので、発電装置100を構成する部材点数の増加を抑えることが可能となる。
B.第1変形例:
上述した実施例には種々の変形例が存在している。以下では、第1変形例について簡単に説明する。なお、上述の実施例と同様な構成については、各変形例においても同じ符号を付すものとして、詳細な説明を省略する。
図15は、第1変形例の発電装置100aの構造を示す図である。発電装置100aは、変形方向を切り換えて変形する変形部材(梁104)をさらに備え、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110は、変形部材(梁104)を挟んで積層されている。
第1変形例の発電装置100aの機械的な構造は、先端に錘106が設けられた梁104が、基端側で支持端102に固定された片持ち梁構造となっており、変形方向を切り換えて変形することができる。また、梁104の表面には、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110が設けられている。すなわち、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110は、梁104を挟んで積層されている。なお、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110は梁104の変形によって変形するから、梁104が本発明の「変形部材」に相当する。
梁104は、基端側が支持端102に固定されており、先端側には錘106が設けられているので、振動などが加わると、図中に白抜きの矢印で示したように、梁104の先端が大きく振動する。その結果、梁104の表面に設けられた第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110には、圧縮力及び引張力が交互に作用する。すると、第1の圧電素子108の圧電部材108cは圧電効果によって正負の電荷を発生し、その電荷が第1電極108a及び第2電極108bに現れる。同様に、第2の圧電素子110の圧電部材110cは圧電効果によって正負の電荷を発生し、その電荷が第1電極110a及び第2電極110bに現れる。また、錘106は必須ではないが、梁104の先端側と基端側とで重量のバランスが非均衡であることが望ましい。なぜなら、重量のバランスが非均衡である
ことで、例えば、1つの振動によって梁104の変位が反復しやすくなるためである。
このように、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110を、変形部材(梁104)を挟んで積層することによって、例えば、薄膜法などの製造方法によって、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110を変形部材(梁104)の両面に容易に形成できる。
C.第2変形例:
次に、第2変形例について簡単に説明する。
上述した実施例の発電装置100では、発電用の圧電素子108及び制御用の圧電素子110が1つずつ設けられているものとして説明した。しかし、これらの発電用の圧電素子108及び制御用の圧電素子110は必ずしも1つだけである必要はなく、それぞれ複数を設けてもよい。
図16は、発電用の圧電素子及び制御用の圧電素子を複数備えた第2変形例の発電装置100bを示した説明図である。図16(a)は、梁104の一方の面から見た平面図である。図16(b)は、梁104の他方の面から見た平面図である。図16(a)には、梁104の一方の面に設けられた2つの発電用の圧電素子(圧電素子108及び圧電素子116)が示されており、図16(b)には、梁104の他方の面に設けられた2つの制御用の圧電素子(圧電素子110及び圧電素子114)が示されている。図16(a)に示すように、発電用の圧電素子108及び116は、梁104の一方の面に、梁104の長手方向に並べて設けられている。また、図16(a)と図16(b)とを比較すれば明らかなように、発電用の圧電素子108に対しては、梁104を挟んで対向した位置に制御用の圧電素子110が設けられ、発電用の圧電素子116に対しては、梁104を挟んで対向した位置に制御用の圧電素子114が設けられている。圧電素子116は、圧電素子108と同様に、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電材料によって形成された圧電部材116cと、圧電部材116cの表面に金属薄膜によって形成された一対の第1電極(上部電極)116a及び第2電極(下部電極)116bとを含んで構成されている。第1電極(上部電極)116a及び第2電極(下部電極)116bは、圧電部材116cを挟んで対向配置されている。圧電素子114は、圧電素子110と同様に、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電材料によって形成された圧電部材114cと、圧電部材114cの表面に金属薄膜によって形成された一対の第1電極(上部電極)114a及び第2電極(下部電極)114bとを含んで構成されている。第1電極(上部電極)114a及び第2電極(下部電極)114bは、圧電部材114cを挟んで対向配置されている。
図17は、2つの発電用の圧電素子108及び116、並びに、2つの制御用の圧電素子110及び114を備える第2変形例の発電装置100bの電気的な構造を示した説明図である。図17と図1(b)とを比較すると明らかなように、上述の実施例に対して第2変形例の発電装置100bは、発電用の圧電素子116や、インダクターL2、スイッチSW2、4つのダイオードD5〜D8から構成される整流回路121、制御用の圧電素子114等が追加されている。これらの追加された構成は、上述の実施例で説明した発電用の圧電素子108や、インダクターL1、スイッチSW1、整流回路120、制御用の圧電素子110等と同様に動作する。また、電流検出部130は、圧電素子110に生じる電流と圧電素子114に生じる電流を検出する。図17に示す例では、電流検出部130は、圧電素子114に並列に接続された蓄電素子133と、蓄電素子133に流れる電流を検出する電流検出回路135を含んで構成されている。
制御用の圧電素子110に生じる電流の電流値が0クロスしてから所定の時間(例えば
、共振周期Tの1/2の時間)が経過するまでスイッチSW1をONにすることによって、発電用の圧電素子108に生じた電荷が効率よく蓄電素子C1に蓄えられる。同様に、制御用の圧電素子114に生じる電流の電流値が0クロスしてから所定の時間(例えば、共振周期Tの1/2の時間)が経過するまでスイッチSW2をONにすることによって、発電用の圧電素子116に生じた電荷も蓄電素子C1に蓄えられる。
また、制御用の圧電素子110に生じる電流の電流値が第1基準値Iref1以上になった場合及び第2基準値Iref2以下になった場合の少なくともいずれかの場合になってから所定時間が経過するまでスイッチSW1をONにすることによって、発電用の圧電素子108の変形を抑制したのと同様に、制御用の圧電素子114に生じる電流の電流値が第3基準値Iref3以上になった場合及び第4基準値Iref4以下になった場合の少なくともいずれかの場合になってから所定時間が経過するまでスイッチSW2をONにすることによって、発電用の圧電素子116の変形を抑制する。発電用の圧電素子108及び116の変形をそれぞれ抑制することによって、発電用の圧電素子108及び116が設けられている梁104の別々の部分の変形をそれぞれ抑制することができる。このように、梁104の別々の部分の変形をそれぞれ抑制するので、梁104の別々の部分のうち一方の部分だけに過度の変形が発生したとしても該一方の部分だけの変形を抑制して、他方の部分は変形を抑制せずに電力を発生させることが可能となる。したがって、梁104の多様な変形に応じて過度の変形を抑制しながら効率よく発電することが可能となる。
D.第3変形例:
次に、第3変形例について簡単に説明する。
図18は、第3変形例の発電装置100cの電気的な構造を示した説明図である。図18と図1(b)とを比較すると明らかなように、上述の実施例に対して第3変形例の発電装置100cは、インダクターL1が接続されていない。すなわち、第3変形例の発電装置100c内には上述の実施例のようなLC共振回路は構成されない。これによって、制御部140によって実行されるLC共振回路を利用するための制御処理(図13のS102〜S110)を省略することができる。
もちろん、第3変形例の発電装置100cは、上述した実施例の発電装置100のようにLC共振回路を利用しないので、実施例の発電装置100ほどは効果的に電荷を蓄積することを望めないものの、第1の圧電素子108の変形量が所定値以上になったときにSW1をONにする処理(図13のS112〜S120)を行うことによって、第1の圧電素子108の変形を抑制できる。以上のように、第3変形例の発電装置100cは、部材点数(インダクターL1)や制御部140の処理負荷(LC共振回路を利用するための制御処理)の増大化を抑えた上で、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110の周辺に配置されている部材や筐体に第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110が衝突することを防止できる。
E.電子機器、移動手段及び電池
図19は、発電装置100を備えた電子機器2の一例の電気的な構造を示す図である。電子機器2は、構造物の健全性を判定するストラクチャヘルスモニタリングのセンサーノードとして用いられる。電子機器2は、センサー302と、センサー302が出力するデータを収集するマイクロプロセッサー303と、マイクロプロセッサー303が収集したデータを無線によって送信するトランスミッター304を含んで構成されている。センサー302は構造物の振動をモニタリングすることを目的に加速度センサーが用いられている。発電装置100は、センサー302、マイクロプロセッサー303及びトランスミッター304に電力を供給する。
図19に示す電子機器2は構造物のコンクリートなどに埋め込んで利用するため、電池交換や充電などのメンテナンスが極めて困難である。しかしながら、電子機器2は構造物の振動を利用して発電できる発電装置100を備えているので、メンテナンスを必要とせず、半永久的に動作できる。
なお、電子機器2は、発電装置100に代えて、発電装置100a、発電装置100b及び発電装置100cのいずれかを備えていてもよい。この場合にも同様の効果を奏する。
また、本発明の発電装置は振動や移動に応じて発電するため、例えば、橋梁や建築物あるいは地すべり想定箇所などに発電装置を設置すれば地震などの災害時に発電し、電子機器などのネットワーク手段に必要時(災害時)だけ電源供給することもできる。
なお、電子機器に限らず、本発明の発電装置は小型化が可能であるため、あらゆる機器に設置することもできる。例えば、自動車、自転車、電車、飛行機などの移動手段(移動装置)に本発明の発電装置を用いることで、移動に伴う振動によって発電し、移動手段に備わる機器に効率良く電力供給することもできる。
このとき、あらゆる振動に対応するために、梁104の長さや錘106の重さが異なる複数の発電装置100を移動手段に組み込んでもよい。例えば、複数の発電装置100が共通の支持端102に固定されている発電ユニットとして構成されていてもよい。
また、本発明の発電装置を電池の代わりに又は電池の補助としてリモコン等の小型電子機器に組み込むこともできる。
さらに、特定の機器等に設置されるのではなく、本発明の発電装置が例えばボタン電池、乾電池と同じ形状の電池として構成され、電子機器一般で使用されてもよい。このとき、振動によって蓄電素子への充電が可能であるため、電力が喪失した災害時でも電池として使用可能である。また、一次電池より寿命が長いため、ライフサイクルの観点で環境負荷低減を図ることができる。
以上、本実施例あるいは変形例について説明したが、本発明はこれら本実施例あるいは変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
例えば、上述した第1変形例では、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110が片持ち梁構造の梁104に取り付けられているものとして説明した。しかし、第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110が取り付けられる部材は、振動などによって容易に繰り返し変形する部材であれば、どのような部材であっても構わない。例えば、薄膜の表面に第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110を取り付けてもよいし、弦巻バネの側面に第1の圧電素子108及び第2の圧電素子110を取り付けても構わない。
本発明は、実施例で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施例で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施例で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施例で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…電子機器、100,100a,100b,100c…発電装置、102…支持端、1
04…梁、106…錘、108…第1の圧電素子、108a…第1電極、108b…第2電極、108c…圧電部材、110…第2の圧電素子、110a…第1電極、110b…第2電極、110c…圧電部材、114…圧電素子、114a…第1電極、114b…第2電極、114c…圧電部材、116…圧電素子、116a…第1電極、116b…第2電極、116c…圧電部材、120,121…整流回路、130…電流検出部、132,133…蓄電素子、134,135…電流検出回路、140…制御部、302…センサー、303…マイクロプロセッサー、304…トランスミッター、1341…電流検出器、1342…増幅回路、1343…絶対値回路、1344…比較器、L1,L2…インダクター、C1…蓄電素子、D1〜D8…ダイオード、SW1,SW2…スイッチ

Claims (9)

  1. 一対の電極を有する第1の圧電素子と、
    前記第1の圧電素子と積層された第2の圧電素子と、
    前記一対の電極間に電気的に接続されたスイッチと、
    前記第2の圧電素子に生じる電流を検出する電流検出部と、
    前記スイッチを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記電流検出部で検出される前記電流が、第1基準値以上になった場合及び第2基準値以下になった場合の少なくともいずれかの場合に、前記スイッチを所定期間電気的に接続する、発電装置。
  2. 請求項1に記載の発電装置において、
    前記スイッチと直列に接続されたインダクターをさらに備え、
    前記インダクターと前記第1の圧電素子とは、共振回路を構成し、
    前記制御部は、
    前記所定期間以外の期間では、前記第1の圧電素子の変形方向が切り換わるタイミングで前記スイッチを電気的に接続した後、所定の時間が経過するタイミングで前記スイッチを電気的に切断する、発電装置。
  3. 請求項2に記載の発電装置において、
    前記制御部は、
    前記電流検出部で検出される前記電流に基づいて、前記第1の圧電素子の変形方向が切り換わるタイミングで前記スイッチを電気的に接続する、発電装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発電装置において、
    前記電流検出部は、
    前記第2の圧電素子と並列に接続された蓄電素子と、
    前記蓄電素子に流れる電流を検出する電流検出回路と、
    を含む、発電装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発電装置において、
    変形方向を切り換えて変形する変形部材をさらに備え、
    前記第1の圧電素子及び前記第2の圧電素子は、前記変形部材を挟んで積層されている、発電装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発電装置を用いた、電子機器。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発電装置を用いた、移動手段。
  8. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発電装置を用いた、電池。
  9. 一対の電極を有する第1の圧電素子と、前記第1の圧電素子と積層された第2の圧電素子と、前記一対の電極間に電気的に接続されたスイッチと、を備える発電装置の制御方法であって、
    前記第2の圧電素子に生じる電流を検出することと、
    前記電流が、第1基準値以上になった場合及び第2基準値以下になった場合の少なくともいずれかの場合に、前記スイッチを所定期間電気的に接続することと、
    を含む、発電装置の制御方法。
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