JP2009521667A - 遊星歯車駆動装置を含むアナログ表示装置 - Google Patents

遊星歯車駆動装置を含むアナログ表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】遊星歯車駆動装置を含むアナログ表示装置を提供すること
【解決手段】本発明は、表示装置(26)を有し、その表示装置(26)は、第1情報と第2情報をそれぞれ表示する第1表示部材(38)と第2表示部材(40)を含み、第2情報の値は、減少比で第1情報の値に関連付けられ、第1表示部材(38)と第2表示部材(40)は、プレート(42)に対して回転可能に取り付けられて、遊星歯車装置を備える駆動装置(44)によって駆動される、表示装置(26)を有する時計(10)であって、第2表示部材(40)は、遊星ピニオン(54)の回転軸(A2)を中心にして回動することを特徴とする、時計(10)に関する。
本発明は、この表示装置(26)を備える時計(10)、及びこの表示装置(26)を製造する方法も提案する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アナログ表示部材のための遊星歯車駆動装置を含むアナログ表示装置に関する。本発明はまた、そのような表示装置を含む時計とその表示装置を製造する方法にも関する。
この形式のアナログ表示装置は、特許文献1に開示された時計に適用される。この特許は、分針と時針を駆動するための遊星歯車装置を備える動作機構を開示し、示している。この目的のために、それは、分針を上端部に、駆動ピニオンを下端部に担持する駆動アーバを有し、駆動ピニオンは駆動ホィールと噛み合う。駆動アーバは、軸方向において、時針を支持するために設けられた時ホィールと駆動ピニオンとの間に挿入された中央ピニオンを備える。中央ピニオンは、内歯付きの固定クラウン歯車と噛み合う2つの遊星ピニオンと噛み合う。遊星ピニオンの可動回転軸は、それぞれ時ホィールの相補的なハウジング内に受け取られた支柱を介して上向きに延び、それにより、駆動アーバを中心にした遊星ピニオンの回転により、時ホィールを時計回りに回転させてる。
もちろん、中央ピニオンと遊星ピニオン間の歯車減少は、時針が完了する回転数と分針が完了する回転数との間に1:12の比が得られるように選択される。
この形式の動作機構は、軸方向に非常にコンパクトであるという利点を有する。しかしながら、針を駆動する方法は従来通りのままである、すなわち、ぎざぎざを付けることによって分針の駆動アーバに取り付けられなければならない時ホィールに依存している。分針は、その駆動アーバ上に押しはめられ、時針は、時ホィールに押しはめられる。したがって、この形式の動作機構は、比較的複雑な組み立て作業を必要とする。
特許文献2は、昼/夜インジケータディスクが、時ホィールに取り付けられた遊星歯車ホィールと噛み合った遊星ピニオンを担持する差動歯車の保持器を形成する時計を開示して、示している。
この時計は、針と遊星ホィールが依然として従来通りに時ホィールに取り付けられ、これが組み立て作業を比較的複雑にするので、上記のものと同じ種類の欠点を有する。さらに、この従来技術に開示された構造では、軸方向空間の問題のため、かつ複雑な補正機構が存在するため、遊星ピニオンを担持している表示部材を文字板の上方に配置することができない。
特許第5702881号公報 スイス特許第664468号公報
したがって、本発明の目的は、この形式のアナログ表示装置の構造を、それを簡単にすることによって改善することである。
したがって、本発明は、表示文字板と表示装置を有する時計において、表示装置は、第1情報を表示する第1回転アナログ表示部材と第2情報を表示する第2回転アナログ表示部材を含み、第2情報の値は、決められた減少比で第1情報の値に関連付けられ、第1表示部材と第2表示部材は、プレートに対して同一の主軸を中心にして回転可能に取り付けられて、プレートによって担持された遊星歯車駆動装置によって回転駆動され、駆動装置は、第1表示部材を回転するように取り付けられた中央ピニオンと、中央ピニオン及び内歯付きクラウン歯車と噛み合う少なくとも1つの遊星ピニオンとを回転駆動するために設けられたモータ要素を有し、第2表示部材は、遊星ピニオンアーバの移動によって主軸を中心にして回転駆動される、時計であって、第2表示部材は、表示文字板の上方に位置する平面上に延び、第2表示部材は、遊星ピニオンの回転軸を中心にして回動することとを特徴とする、時計に関する。
本発明による表示装置は、特に半径方向と軸方向の両方でコンパクトであるという利点を有する。さらに、作動するために必要な部品数が特に減少する。特に、第2表示部材は、直接的に遊星ピニオンに連係されているので、遊星歯車システム内の遊星ホィールキャリヤの役割を果たし、このことは、従来技術で既知の装置と比べて、1つの中間部品が省略されることを意味する。
時計の有利な特徴によれば、駆動装置は、主アーバと同軸の、モータ要素によって回転駆動される駆動アーバを有し、また、中央ピニオンと第1表示部材は、中央アーバに留め付けられる。駆動アーバは、モータ要素の出力アーバによって形成されてもよく、これは、簡略化された構造と組み立てを提供する。
好ましくは、第2表示部材と遊星ピニオン間の接続は、第2表示部材によって担持されるピボットによって達成される。この接続構造は、作製が容易であるとともに、組付けが容易である。特に、ピボットは、第2表示部材と一体状に形成されることができる。
有利な実施態様によれば、駆動装置は、3つの遊星ピニオンを有し、また、第2表示部材は、3つの遊星ピニオンの回転軸を中心にして回動でき、このことは、第2表示部材の安定性を増すとともに、それの回転駆動に対するいずれの動作遊びの影響も減少させる。
第2表示部材は、軸方向において第1表示部材によってプレートと反対側で保持されており、スペーサ要素が、第1表示部材と第2表示部材間に挿入され、このことは、第2表示部材を主回転軸上に組み付けるための簡単な解決策を与え、これにより、駆動アーバ用にいずれの追加部品又はいずれの特殊形状も必要ない。
第2表示部材が、クラウン歯車によって形成される円形領域全体を覆い、それにより、歯車要素をいずれの外部粒子からも保護するカバーの機能を果たすことが好ましい。第2表示部材を軸方向において第1表示部材と反対の側で、摩擦を最小限に抑えながら、保持するために、クラウン歯車は、円形滑り経路を設けた環状ラジアル面を有し、第2表示部材がこの環状面上に載置される。
クラウン歯車、中央ピニオン、遊星ピニオンは、ほぼ同一のラジアル平面上にあり、これにより、装置の製造がより容易になるとともに、それの軸方向空間必要量が最小限に抑えられる。
クラウン歯車はプレートと一体状に形成され、プレートは文字板によって担持され、それにより、2つの部品を同時に、特にリソグラフィプロセスを使用した微細機械加工技法によって製造することができることが好ましい。したがって、組み立てが容易になり、より剛直な駆動装置が得られる。
プレートを文字板の表示面に追加することができ、これにより、表示装置を変更することなく、文字板を変更することができる。プレートは、文字板と一体状に形成されることもでき、これにより、表示装置内の部品数が最小に抑えられるとともに、リソグラフィプロセスを使用する微細機械加工技法が実行されて、文字板とプレートが単結晶材料で形成される。半導体特性を有する単結晶材料で形成されたこの形式の文字板は、たとえば表示装置を制御するため、又は文字板内にエッチングされた電気機械微細システムの形に形成されたモータ要素を組み込むために、電子回路部品を文字板内に組み込むこともできるようにすることが可能である。
有利な実施態様によれば、駆動装置は、プレートの一方の面とピニオン間に挿入されたスライド要素を有し、それにより、回転中のそれらの摩擦抵抗を減少させるようにしている。これらのスライド要素は、プレート上に配置された円形滑り経路によって形成されるとともに、プレートと一体状に形成されてもよい。
表示部材は、好ましくは針であって、これにより、表示装置を多くの用途、特に置き時計や携帯時計の用途に使用することができる。第1表示部材は分針によって形成され、第2表示部材は時針によって形成される。
本発明はまた、表示文字板と表示装置を有する時計であって、第1回転アナログ表示部材が第1情報を表示し、第2回転アナログ表示部材が第2情報を表示し、第2情報の値は、決められた減少比で第1情報の値に関連付けられており、第1表示部材と第2表示部材は、プレートに対して同一の主軸を中心にして回転可能に取り付けられて、プレートによって担持された遊星歯車駆動装置によって回転駆動され、また、駆動装置は、第1表示部材を回転するように固定された中央ピニオンと、その中央ピニオンに内歯付きクラウン歯車と噛み合う少なくとも1つの遊星ピニオンとを回転駆動するために設けられたモータ要素を有し、第2表示部材は、遊星ピニオンアーバの移動によって主軸を中心にして回転駆動される、時計を製造する方法であって、組み立てステップを含み、その間に、第2表示部材を主軸上に自由に回転できるように取り付け、また、第2表示部材をピボットによって遊星ピニオンに組み付け、プレートとクラウン歯車を一体にするために、リソグラフィ処理を含む微細機械加工ステップを実行することとを特徴とする、製造方法を提案する。
本発明による製造方法により、操作数が減少し、表示装置の組立が簡略化される。
本方法の有利な特徴により、同じ微細機械加工ステップ中に遊星ピニオンを形成することができる。この方法は、多数の表示装置を平行して確実に製造できるようにし、このことは、高精度の高品質部品を得ながら、コストを制限する。好ましくは、プレートは、微細機械加工ステップ中に、表示装置の文字板と一体状に形成され、これにより、表示装置部品をすでに組み込んだ文字板を製造することができる。
本発明の他の特徴及び利点は、非制限的な例として与えられる添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、より明確に明らかになるであろう。
以下の記載において、同一または類似の要素は同一の符号が付される。
図1〜図3は、本発明の教示に従った第1実施形態によって形成された電子時計10を示す。時計10は、ここでは、例えば円筒形のケース12を有する携帯時計10によって形成される。
以下の説明において、ケース12の主軸A1に沿った垂直向きが、非制限的に使用される。
ケース12は、ほぼ横平面上に広がる底壁14と、周辺の軸方向壁16と、携帯時計10の上部表示面29の側でケース12を閉鎖する上部保護ガラス18とによって形成される。
ケース12は、本実施形態では印刷回路板24上に配置されてアナログ表示装置26を駆動する電子制御回路22を収容している。制御回路22は、印刷回路板24によって担持された経路32によって互いに接続された電子部品、たとえば制御ユニット28や、基準発振器30によって形成される時間基準回路などを含む。制御ユニット28は、たとえばマイクロコントローラ又は論理回路によって形成される。ケース12は、本実施形態ではバッテリ34によって形成された電源も収容する。
印刷回路板24とバッテリ34は、ケース12内に固定された表示文字板36の下側に配置される。
もちろん、押しボタン又は竜頭などの外部制御手段(図示せず)を設けて、使用者が表示装置26を操作できるようにし、たとえば、それらで携帯時計10の時間をリセットできるようにすることができる。
表示装置26は、第1情報を表示する第1アナログ表示部材38と、第2情報を表示する第2アナログ表示部材40とを有する。図示の実施形態によれば、第1アナログ表示部材38と第2アナログ表示部材40はそれぞれ、主軸A1を中心にしてプレート42に対して回転可能に取り付けられている分針38と時針40によって形成される。もちろん、2本の針38、40はそれぞれ、文字板36の上方に位置する平面上で延びている。
第2情報の値は第1情報に1:12の減少比で関連付けられ、時針40が1回転を完了する時、分針38はその主軸A1を中心にして12回転を完了することに注意されたい。
2本の針38、40は、プレート42によって担持された遊星歯車装置を備える駆動装置44によって回転駆動される。駆動装置44は、分針38に回転しないように取り付けられた中央ピニオン48を回転駆動するモータ要素46を含む。本実施形態では、中央ピニオン48と分針38は、モータ要素46の出力アーバを形成する駆動アーバ50に固定されている。
好ましくは、モータ要素46は、本実施形態では主軸A1に中心を置いたディスクの形のプレート42の下に配置されており、駆動アーバ50は、プレート42内に形成された穴52を軸方向上向きに貫通している。モータ要素46は、たとえば駆動アーバ50を直接的又は減速歯車列を介して駆動する、ラベット(Lavet)モータと呼ばれる時計仕掛けタイプの電気モータを含む。モータ要素46は、プレート42又は印刷回路板24によって担持されており、制御回路22とバッテリ34に電気的に接続される。
遊星ピニオン54は、中央ピニオン48と、主軸A1に中心を置いた内歯付きの固定クラウン歯車56とに噛み合い、それにより、図3の平面図で見て、中央ピニオン48の時計回り回転は、一方では、遊星ピニオン54をその軸A2を中心にして反時計回りに回転させ、また他方では、遊星ピニオン54を、主軸A1を中心とした円形軌道に沿って時計回り方向に移動させる。
時針40は、駆動アーバ50に回転自在に取り付けられており、遊星ピニオン54の軸A2の移動によって、主軸A1を中心にして回転駆動される。
クラウン歯車56,中央ピニオン48、遊星ピニオン54によって形成される遊星歯車装置の要素の寸法は、主軸A1を中心にした遊星ピニオン54の軸A2と中央ピニオン48との間の回転の減少比が1:12に等しい、すなわち時値を分値に対応付ける減少比に等しいように決定される。
遊星歯車装置の等式を計算することにより、遊星ピニオン54の軸A2によって形成される円形軌道の半径R2が、中央ピニオン48の半径R1の6倍に等しくなければならず、また、クラウン歯車56の内径R3が、中央ピニオン48の半径R1の11倍に等しくなければならないと決定することができる。
一例の実施形態によれば、中央ピニオン48は、0.4mmに等しい半径R1で形成されており、このことは、クラウン歯車56の半径R3が4.4mmに等しいことを意味する。したがって、クラウン歯車56の外径によって形成される外径が約10mmである駆動装置44を得る。
クラウン歯車56、中央ピニオン48、遊星ピニオン54がほぼ同一のラジアル平面上にあり、それにより、駆動装置44の軸方向空間必要量が最小に抑えられることが有利である。
別の有利な特徴によれば、クラウン歯車56は、プレート42と一体状に形成される。したがって、クラウン歯車56は、プレート42とともにドームを形成し、その内部に中央ピニオン48と遊星ピニオン54が収容され、プレート42の上面57がドームの底部を形成する。
本発明の教示によれば、時針40は、遊星ピニオン54の軸A1を中心にして回動する。したがって、本実施形態では、時針40は、その底面60から軸方向下向きに延びるピボット58を担持し、このピボットは、遊星ピニオン54内に形成された相補形の内孔62にはめ込まれる。好ましくは、ピボット58は、時針40と一体状に形成されるが、それを時針40内に打ち込む、又はそれに溶接することもできる。
本発明の変更形によれば、ピボット58を遊星ピニオン54によって担持し、内孔62を時針40に形成する。
分針38及び時針40間にスペーサ要素64を挿入することが有利である。本実施形態では、それは、分針38と一体状の管状セクション64によって形成され、その外径は、中央ピニオン48の外径より小さい。分針38は駆動アーバ50にはめ付けられるので、スペーサ64は、分針38と時針40間の摩擦を最小限に抑えながら、軸方向においてプレート42と反対側で時針40を保持する。
有利な実施形態によれば、時針40は、クラウン歯車56によって形成される円形領域全体に及び、それにより、駆動装置44の歯車を保護するカバーをプレート42の上方に形成するようにしている。したがって、時針40は、この場合、主軸A1上に中心を置いたディスクの形の主要部分と、文字板36上に時値を表示するために主要部分66の外径を半径方向に越えて延びている矩形のインジケータ部分68とを含む。ディスク形の主要部分66は、時針40に付け加えても良い。
図示の実施形態によれば、時針40のピボット58は、主軸A1とインジケータ部分68との間に配置されている。変更形(図示せず)によれば、時針40のピボット58を、主軸A1に対してインジケータ部分68と反対側に配置することができ、これは、不均衡を生成させることによって時針40の釣り合いを向上させるであろう。
好ましくは、時針40の主要部分66は、クラウン歯車56の環状の半径方向上面72上に配置された円形の滑り経路上に載置され、これによって、クラウン歯車56上での時針40の摩擦を最小限に抑えることができる。
同様に、部品が互いに接触している場合、一方では、中央ピニオン48とプレート42間の摩擦を、他方では、遊星ピニオン54及びプレート42間の摩擦を最小限に抑えるために、プレート42の上面57の上に円形の滑り経路74を配置することも可能である。
滑り経路70、74は、好ましくはプレート42と一体に形成される。
第1実施形態によれば、プレート42は、文字板36に追加されて、文字板36の表示上面76上に固定される。この目的のために、プレート42の底部分を相補的に受け取る段差状軸方向穴77が、文字板36を貫通している。本実施形態では、プレート42の底面78は、モータ要素46を相補的に受け取るように設けられたハウジング80を含むことに注意されたい。
本発明によるディスプレイ装置26の作動は以下の通りである。
携帯時計10の電子回路22によって制御されたモータ要素46が、駆動アーバ50を時計回りに回転駆動させ、それにより、分針38と中央ピニオン48が時計回りに毎時1回転の速度で回転する。中央ピニオン48の回転により、遊星ピニオン54が主軸A1を中心に移動し、これは、時針40を時計回りに毎時1/12回転の速度で駆動する。
次に、本発明による表示装置26を製造する一例の方法を説明する。
本方法は、クラウン歯車56及び滑り経路72、74をプレート42と一体に形成する微細機械加工ステップを含む。この微細機械加工ステップは好ましくは、フォトリソグラフィ技術、特に欧州特許第0851295号に記載されているLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)などの高アスペクト比微細機械加工(HARM)技法を使用する。LIGA技術は基板を使用し、それに以下の処理、すなわちリソグラフィ、電解槽電気メッキ、モールディングを加える。この技術は、金属材料内での電鋳(ガルバーニ成長)によって、又は金属、合金、プラスチック、セラミックなどのさまざまな材料内での鋳造によってプレート42を形成するために使用されることができる。
中央ピニオン48と遊星ピニオン54は、プレート42と同じ製造技術を用いて製造できる。好ましくは、それらは、時計用途に適することが既知である材料、たとえば黄銅の機械加工又はスタンピングによって製造される。
好ましくは、針38、40は、プレート42と同じ製造技術を用いて製造され、これにより、スペーサ64とピボット58をそれぞれの針38、40と一体状に形成することができる。
代替実施形態によれば、針38、40は、鉄又は黄銅などの材料の機械加工又はスタンピングによって、熱硬化性合成材料のモールディングによって、又はシリコンなどの単結晶材料で形成された基板の微細機械加工によって、又はフォトリソグラフィによって形成されてもよい。
本発明による表示装置26の製造方法は、以下のステップを含む組み立てステップをさらに有する。
モータ要素46をプレート42の下に位置するハウジング80内に、その駆動アーバ50が穴52を貫通するようにして、取り付ける。
中央ピニオン48を駆動アーバ50上にはめ付け、遊星ピニオン54をプレート42上で、中央ピニオン48の歯とクラウン歯車56の歯との間に取り付ける。
時針40を駆動アーバ50上に通し、それにより、主軸A1を中心にして回転自在になるようにする。次に、時針40を内孔62にはめ込まれたピボット58によって遊星ピニオン54上に組み付ける。
次に、分針38を駆動アーバ50上にはめ付けて、スペーサ64を介して時針40と接触させ、それにより、時針40を軸方向においてクラウン歯車56の半径方向上面72とスペーサ64との間に保持する。
したがって、本発明による製造方法によれば、表示装置26を、それを受け取るための装置に、特に本発明による携帯時計10に容易に追加することができるモジュールの形で得ることができる。
図4に示す本発明による表示装置26の第2実施形態によれば、駆動装置44は、3つの遊星ピニオン54を含む。時針40は好ましくは、3つの遊星ピニオン54の回転軸A2上で回動し、これによってその安定性と剛直性が改善される。本発明の第1実施形態による表示装置26の製造、組み立て、動作原理は変わらないままである。
もちろん、駆動装置44は、3つではなく2つの遊星ピニオン54でもよい。
図5に示す本発明による携帯時計10の第3実施形態によれば、プレート42は、文字板36と一体状に形成される。より詳しく言うと、プレート42とクラウン歯車56は、文字板36の上面76にエッチングされる。
好ましくは、この第3実施形態は、シリコンベースの単結晶材料からなる文字板36で実現され、これによって、電子部品28、30を、文字板36を形成するシリコン層内に直接的にエッチングされた集積回路の形で形成できる。これらの部品は、本実施形態では、文字板36の底面内に配置されるが、それらを上面76に配置することもできる。したがって、この第3実施形態は、印刷回路板とその欠点をなくすことができる。
有利には、文字板36は、その底面内にエッチングされた幾つかの同一の制御ユニット28を含むことである。したがって、1つの制御ユニット28が故障した場合、制御回路22を、動作に適した別の制御ユニット28に簡単に接続することができる。
文字板36は、異なった形式の幾つかの制御ユニット28を含むこともでき、これにより、同一の文字板36を異なった形式の携帯時計10用に使用することができる。したがって、携帯時計10の組み立て中、制御回路22を、組み立て中の携帯時計の形式に適する制御ユニット28に簡単に接続することができる。
モータ要素46は、フォトリソグラフィ式の方法に従って文字板36を微細機械加工することによって、マイクロ電気機械システム(MEMS)の形に形成することができることに注意されたい。この形式のモータ要素46は、たとえばWO特許第2004/081695号に記載して示されており、参照によって本明細書に援用される。この特許では、モータ要素46がシリコン層のエッチングによって形成される。それは、歯付き駆動ホィールと、ホィールの歯と協働してそれを回転させる作動フィンガとを有する。各作動フィンガは、固定コームに対して、固定コームに印加される電圧の関数として移動する可動コームに移動しないように留め付けられている。
本発明の第1実施形態に比べて、表示装置26を製造する方法は、プレート42が文字板36とともに製造されるので、プレート42用にわずかに異なる微細機械加工ステップを有する。
本実施形態で実行される製造技術は、シリコン基板のフォトリソグラフィ式微細機械加工である。本実施形態では好ましくは、上記特許の図7A〜図7Dを参照しながら説明されたもののような、S.I.O(シリコン・オン・インシュレータ)製造技法を使用できる。S.I.O製造技法を実行することにより、本体が、ここでは上から下へ、例えば350マイクロメートル厚さの基板を形成する上部シリコン層82、中間絶縁シリコン酸化物層(SiO2)84、例えば200〜300マイクロメートル厚さの底部シリコン層を含む文字板36が得られる。制御ユニット28と発振器30は、底部層86内に形成される。部品を互いに電気接続するために、経路も底部層86内に形成される。
遊星ピニオン54を、微細機械加工による文字板36とプレート42の製造中にシリコン基板内に形成することが望ましい。
発振器30は、参照によって本明細書に援用されるWO特許第2001/33711号の教示に従って形成され、この特許は、シリコン発振器を、携帯時計10の制御ユニット28を形成する集積回路と同じ基板上に形成することを記載し、示している。したがって、発振器30は、文字板36の本体内にエッチングされて制御回路22に電気接続されるマイクロ又はナノ電気機械構造体の形を有する。
この第3実施形態は、特に厚さがコンパクトであるという利点を有する。電子部品が直接的に文字板36にエッチングされるので、電子部品の組み立て/取り付けステップがなくなるため、制御回路22の製造が容易になる。マイクロエレクトロニクスで使用されるエッチング技法は、多数の部品を同時に製造できるようにし(バッチ処理)、これは製造コストを最低限に抑える。
もちろん、本発明の範囲から逸脱しない限り、ここに示さない他の変更形も考えることができるであろう。
特に、プレート42を、文字板36内に形成された孔内に配置して、文字板36の下側に配置された要素、例えば印刷回路板24上、又は機械式携帯時計の場合には機械式ムーブメントのプレート上に固定することができる。表示装置26も、ケース12に直接的又は間接的に固定することができる。
携帯時計10は、例えば駆動装置44用の保護カバーの役割を果たすために、半径方向においてクラウン歯車56と時針40間に広がるプレートを設けることができることに注意されたい。そのような場合、該プレートは、ピボット58が通ることができる円周溝を有しなければならないであろう。
電子携帯時計10を参照しながら本発明を説明してきたが、本発明は、モータ要素46が、機械式エスケープシステムやレギュレータと協働するばねによって形成される機械式携帯時計にも当てはまる。
針38、40の代わりに、回転表示ディスクを使用することもできる。
本発明は、第1情報が分であり、第2情報が時である時間情報を表示する表示装置26を参照しながら説明されている。しかしながら、本発明は、高度などの別の種類の情報を表示する表示装置26にも当てはまる。そのような場合、第1情報が100メートル単位の高度であり、第2情報が、1000メートル単位の高度である。その時、減少比は、1:10に等しく、これにより、駆動装置44を異なった寸法にする必要がある。
本発明の教示に従った第1実施形態による表示装置を備える携帯時計を概略的に示す軸方向断面図である。 図1の携帯時計に装着された表示装置及び駆動装置の拡大図を示す、断面2−2に沿った軸方向断面詳細図である。 図2の駆動装置を概略的に示す、平面3−3に沿った半横断面図を含む平面図である。 本発明の第2実施形態に従って形成された表示装置の駆動装置を示す、図3と同様な図である。 本発明の第3実施形態に従った表示装置を備える携帯時計を示す、図1と同様な図である。

Claims (26)

  1. 表示文字板(36)と表示装置(26)を有する時計(10)において、表示装置(26)は、第1情報を表示する第1回転アナログ表示部材(38)と第2情報を表示する第2回転アナログ表示部材(40)とを含み、第2情報の値は、決められた減少比で第1情報の値に関連付けられ、第1表示部材(38)と第2表示部材(40)は、プレート(42)に対して同一の主軸(A1)を中心にして回転可能に取り付けられ、かつ、プレート(42)に担持された遊星歯車装置を備える駆動装置(44)によって回転駆動され、駆動装置(44)は、第1表示部材(38)が回転するように取り付けられた中央ピニオン(48)と、中央ピニオン(48)及び内歯付きクラウン歯車(56)と噛み合う少なくとも1つの遊星ピニオン(54)とを回転駆動するために設けられたモータ要素(46)を有し、第2表示部材(40)は、遊星ピニオン(54)の軸(A2)の移動によって主軸(A1)を中心にして回転駆動される、時計であって、
    第2表示部材(40)は、表示文字板(36)の上方に位置する平面上にあり、第2表示部材(40)は、遊星ピニオン(54)の回転軸(A2)を中心にして回動することを特徴とする、時計(10)。
  2. 駆動装置(44)は、モータ要素(46)によって回転駆動される主軸(A1)と同軸の駆動アーバ(50)を有し、中央ピニオン(48)と第1表示部材は、中央アーバ(50)に固定されることを特徴とする、先行する請求項に記載の時計(10)。
  3. モータ要素(46)は、電気モータと、駆動装置(4)の駆動アーバ(50)を形成する出力アーバとを有することを特徴とする、先行する請求項に記載の時計(10)。
  4. 第2表示部材(40)は、ピボット(58)を担持し、遊星ピニオン(54)は、該ピボット(58)を中心にして回転可能に取り付けられることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計(10)。
  5. 駆動装置(44)は、3つの遊星ピニオン(54)を有し、第2表示部材(40)は、3つの遊星ピニオン(54)の回転軸(A2)を中心にして回動することを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計(10)。
  6. 第2表示部材(40)は、軸方向において第1表示部材(38)によってプレート(42)と反対側で保持されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計(10)。
  7. スペーサ要素(64)が、第1表示部材(38)と第2表示部材(40)間に挿入されることを特徴とする、先行する請求項に記載の時計(10)。
  8. 第2表示部材(40)は、クラウン歯車(56)によって形成される円形領域全体を覆うことを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計(10)。
  9. クラウン歯車(56)は、円形滑り経路(70)を設けた端面(72)を有し、第2表示部材(40)は、滑り経路(70)上に載置されることを特徴とする、先行する請求項に記載の時計(10)。
  10. クラウン歯車(56)、中央ピニオン(48)、遊星ピニオン(54)は、ほぼ同一のラジアル平面上にあることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計(10)。
  11. プレート(42)は、文字板(36)の表示面(76)側に配置されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計(10)。
  12. プレート(42)は、文字板(36)の表示面(76)に追加されることを特徴とする、先行する請求項に記載の時計(10)。
  13. プレート(42)は、文字板(36)と一体状に形成されることを特徴とする、請求項11に記載の時計(10)。
  14. プレート(42)は、単結晶材料で形成されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計(10)。
  15. 半導体材料で形成された本体を有する表示文字板(36)を備えており、モータ要素(46)は、電子制御回路(22)によって駆動される電子制御回路(22)は、文字板(36)の本体内にエッチングされた少なくとも1つの集積回路素子(28、30)を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計(10)。
  16. モータ要素(46)は、文字板(36)の本体内にエッチングされたマイクロ電気機械システムであることを特徴とする、先行する請求項に記載の時計(10)。
  17. 駆動装置(44)は、プレート(42)の一方の面(57)とピニオン(48、54)間に挿入されたスライド要素(74)を有し、それにより、回転中のそれらの摩擦抵抗を減少させるようにしたことを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計(10)。
  18. スライド要素(74)は、プレート(42)上に配置された円形滑り経路によって形成されることを特徴とする、先行する請求項に記載の時計(10)。
  19. 滑り経路(74)は、プレート(42)と一体状に形成されることを特徴とする、先行する請求項に記載の時計(10)。
  20. 表示部材(38、40)は、針であることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計(10)。
  21. クラウン歯車(56)は、プレート(42)と一体状に形成され、プレート(42)は、文字板(36)によって担持されることとを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計(10)。
  22. 第1表示部材(38)は、分針によって形成され、第2表示部材(40)は、時針によって形成されることを特徴とする、先行する請求項に記載の時計(10)。
  23. 表示文字板(36)及び表示装置(26)をし、第1回転アナログ表示部材(38)が第1情報を表示し、第2回転アナログ表示部材(40)が第2情報を表示し、第2情報の値は、決められた減少比で第1情報の値に関連付けられており、第1表示部材(38)と第2表示部材(40)は、プレート(42)に対して同一の主軸(A1)を中心にして回転可能に取り付けられて、プレート(42)に担持された遊星歯車装置を備える駆動装置(44)によって回転駆動され、また、駆動装置(44)は、第1表示部材(38)を回転するように取り付けられた中央ピニオン(48)と、中央ピニオン(48)及び内歯付きクラウン歯車(56)と噛み合う少なくとも1つの遊星ピニオン(54)とを回転駆動するために設けられたモータ要素(46)を有し、第2表示部材(40)は、遊星ピニオン(54)の軸(A2)の移動によって主軸(A1)を中心にして回転駆動される、時計(10)を製造する方法であって、
    組み立てステップを含み、その間に、第2表示部材(40)を、主軸(A1)に回転自在に取り付け、また、その間に、第2表示部材(40)をピボット(58)によって遊星ピニオン(54)に組み付け、プレート(42)を得るために、フォトリソグラフィ処理を含む微細機械加工ステップを実行することとを特徴とする、製造方法。
  24. クラウン歯車(56)は、プレート(42)と一体状に形成され、また前記微細機械加工ステップによって得られることを特徴とする、先行する請求項に記載の製造方法。
  25. 遊星ピニオン(54)は、微細機械加工ステップによって得られることを特徴とする、請求項23又は24に記載の製造方法。
  26. プレート(42)は、微細機械加工ステップ中に表示文字板(36)と一体状に形成されることを特徴とする、請求項23〜25のいずれかに1項に記載の製造方法。
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