JP2009518462A - 低不純物エラストマー材料 - Google Patents

低不純物エラストマー材料 Download PDF

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Abstract

本発明の実施形態は、高純度の硬化エラストマー材料、これらを形成するための組成物及び硬化エラストマー材料を包含する物品を含む。本発明の実施形態は、200ng/cm未満のカルシウムを有する硬化エラストマーを含む。ある実施形態において、硬化エラストマーは架橋エチレン‐プロピレン‐ジエンターポリマーから形成され、この硬化エラストマーは架橋フルオロエラストマー又はシリコーンエラストマーを含有しないことができる。本発明の実施形態の硬化エラストマーはOリング及びガスケットを含むシールに使用し得る。

Description

本願は2005年12月2日に出願の米国仮特許出願番号第60/742042号の優先権を主張するものであり、その内容は参照により全て本願に組み込まれるものとする。
燃料電池は、別々の導管を通して、水素、メタノール又は他の燃料を典型例とする水素含有燃料ガス、空気等の酸素源、及び水又はグリコールを典型例とする冷却流体を受け取る。燃料電池内において、燃料ガスからの水素源は電極とその間にある電解質を介して酸素源と反応し、電流を発生させる。
一般に、燃料電池の各「セル」は、一対の多孔性二極板又はコレクタ・セパレータ電極及び一対の膜と電極アセンブリ(MEA)を含む。各MEAは重合体電解質膜、触媒層及び反応性電極層を含むことができる。MEAは2つの二極板の間に挟まれることができる。二極板は通常は上記アセンブリにシールされ、このシールの透過性が低いことから、水の蒸発と重合体電解質膜の乾燥が軽減される。このシールは容易に組み立てられ及び容易に分解できたほうが有益である。隣接する幾つかのセルにより燃料電池スタックが形成される。燃料電池スタック間のシールは、ガスケットを用いて達成することができる。燃料電池スタックにおいては広範囲をシールすることから、燃料電池アセンブリのシールには大きな圧縮力が用いられ得る。シール時の圧縮力は、シールの圧縮高さがその使用中に時間の経過と共に若干変化するにつれ変化し、シールが損なわれる場合がある。
燃料電池の単一セルは、一般に、電極を嵌め込むことで構成され、電極はプラチナ又は他の適切な物質の触媒を板状の電解質の両側に被覆することで形成され得る。これらの2つの電極を更に外側に配置された導電体へ接続する。電気の発生は、こういった電極の一方、つまり陰極に供給された燃料ガスと、もう一方の電極、つまり陽極に供給された空気を用いて行う。より具体的には、燃料ガスは、触媒の作用により水素イオン、つまりプロトンと、電子とに陰極で分解され、水素イオンは電解質を通過して陽極へと移動し、電子は外部導体を通過した後に陽極に流れる。陽極において、酸素含有ガスは、水素イオンと陽極を通過した電子と触媒的に反応し、水が生成される。
ガスケット、シール、供給パイプ、排気パイプ等からの、又は燃料ガス又は酸化剤等の流体からのイオン汚染により燃料電池内の電解質及び/又は触媒が汚染され得、これにより水素イオンの正常な移動、燃料ガスの分解及び電気発生時の水の生成の失敗が生じ得る。イオン性不純物、例えばCa+2、及びZn+2は重合体電解質膜におけるプロトンの輸送に悪影響を与えることができる。OkadaらによるJ.Electrochem.Soc.Vol.144,pp.2744,(1997)及びSt‐PierreらのJ.New Mat.Electrochem.Sys.Vol.3 pp99,(2000)を参照のこと。他の用途において、イオン性汚染物質は半導体製造で使用されるウェハ洗浄液等の処理に影響を与え、欠陥チップの製造につながる場合がある。
本発明の実施形態は、高純度の硬化エラストマー材料を含む。ある実施形態において、この硬化エラストマーは、燃料電池のプロトン伝導が劣化し、有用な量の電流が発生できなくなるほどの量の、重合体電解質膜に結合する抽出性陽イオンを含有していない。他の実施形態において、この硬化エラストマーは抽出性カルシウム量は約200ng/cm未満を有する。ある実施形態においては、合わせて約200ng/cm未満の抽出性カルシウム及び亜鉛である。ある実施形態において、合わせて約225ng/cm未満の抽出性カルシウム、亜鉛及びマグネシウムである。他の実施形態において、合わせて約225ng/cmの抽出性カルシウム、亜鉛、ナトリウム及びマグネシウムである。ある実施形態において、この硬化エラストマーはエチレン‐プロピレン‐ジエンターポリマーを包含する。他の実施形態において、この硬化エラストマーは主にエチレン−プロピレン−ジエン−ターポリマー及び充填剤から構成される。本発明の実施形態は低金属含有熱硬化エラストマー、例えば低金属EDPM及びTFE/PP(ポリテトラフルオロエチレン/ポリプロピレン)熱硬化エラストマーを含み、これは優れた耐クリープ性を有し、慣用の熱硬化エラストマーよりも桁違いに不純物が少ない。
本発明の一実施形態は、過酸化物硬化性モノオレフィン共重合体ゴム、エラストマー又はガムストック、硬化剤及び充填剤を包含する又は含む組成物であり、硬化前の過酸化物硬化性モノオレフィン共重合体ゴム、硬化剤及び充填剤は総量約1000μg/g未満のイオン性物質を含み、好ましくは浸出性イオン性物質の量は約1000μg/g未満であり、更に好ましくは燃料電池内の重合体電解質膜の導電性を阻害するイオン性物質量は約(1000μgイオン性物質)/(組成物のグラム数)未満である。ある実施形態において、過酸化物硬化性モノオレフィンは、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、過酸化物硬化性エチレンプロピレン共重合体又はこれらのいずれの組み合わせである。この組成物は更に多価不飽和共剤を含むことができる。本発明の別の実施形態はこれらの組成物のいずれかを硬化させることで得られた硬化した熱硬化エラストマーである。ある実施形態において、エラストマーはフルオロエラストマーではない。
硬化していない組成物には存在していない又は実質的に存在していない、或いは硬化した熱硬化性エラストマー組成物から酸性溶液を用いて浸出/抽出されるイオン性物質は、抽出されたイオン性物質が酸性溶液に可溶であり及び/又は燃料電池の重合体電解質膜のイオン伝導を阻害することを特徴とする。又、イオン性物質は半導体デバイスに腐食やトラップの形成等の欠陥を引き起こすことを特徴とする。硬化したエラストマー組成物から純水ではない溶媒を用いてイオン性物質を抽出可能であり、それを特徴とする。ある実施形態において、硬化した熱硬化性エラストマーから酸性水溶液を用いて抽出されるイオン性物質の量は、抽出性物質約300ng/cm未満である。
ある実施形態において、充填剤、硬化性モノオレフィンゴム、エラストマーもしくはガムストック、硬化剤又はこれらのいずれの組み合わせを処理して、硬化前に抽出性イオン性物質を除去することが可能である。ある実施形態において、充填剤、硬化性モノオレフィンガム、エラストマーもしくはガムストック、硬化剤又はこれらのいずれの組み合わせを選択することで、陽イオンを抽出するイオン性物質又は化合物の量が許容範囲の少量となり、硬化エラストマーに形成可能な及びシールとして使用可能な組成物が得られる、許容範囲内の少量のイオン性材料となる。シールは燃料電池又はその他の物品に使用可能である。許容範囲にある少量のイオン性物質とは、発生させる電流又は電圧という観点から燃料電池の動作が非実際的とならない量である。
本発明の一実施形態は、エチレン−プロピレン−非共役ジエンターポリマー、エチレン−プロピレン共重合体及びこれらのいずれの組み合わせから成る群から選択された少なくとも1つ重合体;有機過酸化物又はフェノール系樹脂又はこれらのいずれの組み合わせである硬化剤;及び少なくとも1つの充填剤を含むエラストマーを含む又は包含する組成物である。この組成物は、重合体電解質膜のイオン伝導を劣化させる又はこのような膜を包含する燃料電池を稼動させるには非実際的とするに十分な陽イオン不純物を含まない。この組成物は硬化されて、重合体電解質のイオン伝導を低下させるに十分な陽イオン不純物を含有しない硬化した熱硬化エラストマーが形成される。ある実施形態において、硬化した熱硬化エラストマーは抽出性カルシウム約200ng/cm未満を有する。ある実施形態において、硬化した熱硬化エラストマーは合わせて約200ng/cm未満の抽出性カルシウムと亜鉛を含む。ある実施形態において、硬化した熱硬化エラストマーは合わせて約225ng/cm未満の抽出性カルシウム、亜鉛及びマグネシウムを含む。ある実施形態において、硬化した熱硬化エラストマーは合わせて約225ng/cm未満の抽出性カルシウム、亜鉛、ナトリウム及びマグネシウムを含む。これらの硬化エラストマーは物品又は装置に含有させることができ、例えば次に限定するものではないが、これらの物品又は装置は、燃料電池、フィルタ筐体、化学薬品ドラム缶、流体管又は浴内のドランスデューサ用シール、または高純度流体と接触する可能性のあるシールを備えた他のデバイスが挙げられる。ある実施形態において、硬化エラストマーは硬化フルオロエラストマーではない又はフッ素重合体を含有していない。他の実施形態において、硬化エラストマーはシリコーンを含有しない。
ある実施形態において、重合体ガムストック又は硬化性エラストマーは約100重量部が含まれ、カーボンブラック又はその他の材料が含まれる充填剤の量は約30重量部が可能であり、有機過酸化物が考えられる硬化剤の量は約2重量部である。この組成物は、温度約150度から約180度で約1時間に亘って圧縮成形することで形成及び硬化可能である。硬化した組成物からイオンとして抽出された微量金属といった陽イオン不純物の量は組成物の約300ng/cm未満が可能である。好ましくは、硬化した熱硬化エラストマーからの抽出性陽イオン不純物は合わせて約200ng/cm未満のカルシウム及び亜鉛を含む。
エチレン‐プロピレン‐ジエンターポリマーとなるようにターポリマー化された非共役ジエン単量体は、ジシクロペンタジエン、4‐ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン及びこれらを含むいずれかの組合せから成る群から選択でき得る。硬化剤は有機過酸化物が可能であり、過酸化ジクミル、メチル‐2,5‐ジ(t‐ブチル‐パーオキシ)ヘキサン、過酸化ジベンゾイル、2,4‐ジクロロベンジルパーオキシド及びこれらを含む組合せから成る群から選択でき得る。
ある実施形態において、エチレン‐プロピレン‐非共役ジエンターポリマー、エチレン‐プロピレン共重合体、これらのいずれかの組合せ;次に限定するものではないが有機過酸化物又はフェノール系樹脂又はこれらの組合せ等の硬化剤及び/又は少なくとも1つの充填剤を処理して抽出性イオン性物質を硬化前に除去することが可能である。或いは、1つ以上のこれらの成分を選択して、イオン性不純物を生成するイオン性物質又は化合物を許容範囲内の少量とすることができる。これらの成分を組み合わせることで燃料電池用のシールに使用可能な組成物が得られ、シールにより燃料電池の重合体電解質膜のイオン伝導性が著しく低下することがない。
本発明の一実施形態は、導管、トランスデューサ、電極、多孔性膜含有デバイス又は1つ以上のエラストマーシールを備えた燃料膜電極アセンブリ用のシールを含む又は包含する物品であり、このシールは過酸化物又はフェノール系樹脂で硬化させた熱硬化エラストマーを包含する。硬化エラストマーからは、膜電極アセンブリの重合体電解質膜の導電性を低下させるイオン性物質が約300ng/cm未満抽出される。ある実施形態において、物品中の硬化エラストマーは抽出性カルシウムを約200ng/cm未満有する。ある実施形態において、物品中の硬化した熱硬化エラストマーは合わせて約200ng/cm未満のカルシウムと亜鉛を有する。ある実施形態において、物品中の硬化エラストマーは合わせて約225ng/cm未満の抽出性カルシウム、亜鉛及びマグネシウムを有する。ある実施形態において、物品中の硬化エラストマーは合わせて約225ng/cm未満の抽出性カルシウム、亜鉛、ナトリウム及びマグネシウムを有する。本発明の実施形態における硬化エラストマー及び物品の要素は硬化不飽和エラストマー又は熱可塑性エラストマーを含んでいてもよい。ある実施形態において、エラストマーはフルオロエラストマーではない又はフルオロエラストマーを含有しない。
本発明の一実施形態は、導管用のシール、トランスデューサ、化学薬品ドラム缶用シール、電極用シール、フィルタ等の多孔性膜を備えたデバイス用のシール、又は燃料膜電極アセンブリのシールとしての、硬化した熱硬化エラストマーを含むことができる物品である。この物品のシールを構成する1つ以上の硬化エラストマーは、硬化した過酸化物又はフェノール性樹脂硬化剤、モノオレフィン共重合体含有エラストマー及び充填剤を包含する又は場合によってこれらから必須として成っていてよい。硬化モノオレフィン共重合体エラストマーは約300ng/cm未満の抽出性物質を抽出する。この抽出性物質は、燃料電池の膜電極アセンブリの重合体電解質膜の導電性を低下させる恐れのあるイオン性物質として特徴付けることができる。ある実施形態において、物品の硬化エラストマーは約200ng/cm未満の抽出性カルシウムを有する。ある実施形態において、物品中の硬化した熱硬化エラストマーは合わせて約200ng/cm未満の抽出性カルシウムと亜鉛を有する。ある実施形態において、物品中の硬化した熱硬化エラストマーは合わせて約225ng/cm未満の抽出性カルシウム、亜鉛及びマグネシウムを有する。ある実施形態において、物品中の硬化エラストマーは合わせて約225ng/cm未満の抽出性カルシウム、亜鉛、ナトリウム及びマグネシウムを有する。ある実施形態において、モノオレフィン共重合体はEPDM、EPMである、又はこれらの1つ以上を含む共重合体を包含する。ある実施形態において、モノオレフィン共重合体はEPDM、EPMである、又は1つ以上のこれらを含む共重合体から主に成る。抽出は酸性溶液から可能であり、いずれのイオン性抽出物も溶液に可溶である。
本発明の一実施液体は、1つ以上の熱硬化エラストマーシールを備えた燃料電池スタックであり、このシールは過酸化物又はフェノール系樹脂硬化モノオレフィン共重合体ゴムもしくはガムストックを充填剤と共に包含している。硬化モノオレフィン共重合体ゴムでは抽出性物質を約300ng/cm未満抽出され、この抽出性物質は燃料電池の重合体電解質膜の導電性を低下させる。
本発明の別の実施形態は、有機過酸化物硬化性モノオレフィン共重合体エラストマー又はガムストック、有機過酸化物及び充填剤から主に成る組成物であり、これらの有機過酸化物硬化性モノオレフィン共重合体ゴム、有機過酸化物及び充填剤の硬化前の組成物中のイオン性物質の総量は約1000μg/g未満である。ある実施形態において、硬化性モノオレフィンエラストマーはエチレンプロピレン‐ジエンターポリマー、エチレンプロピレン共重合体又はこれらのいずれかの組合せである。本発明のある実施形態はこれらの組成物を硬化させることで得られる硬化した熱硬化エラストマーを含む。硬化エラストマーとしての組成物は、シールへと形成され得、燃料電池において使用される流体と接触するデバイスにおいて使用され得、ウェハ洗浄装置において使用され得、化学薬品ドラム用のシールとして使用され得、又はトランスデューサ、導管、多孔性膜フィルタデバイス又はイオン性抽出物の含有量が低いことが有益な流体流動系における他構造体用のシールに形成され得る。
燃料電池を劣化させる又は半導体ウェハに欠陥を生じさせる恐れのある、抽出性汚染物質のレベルは、自動車用ホース又は目張り材等の他の用途よりもずっと低く、場合によって1桁以上低い。本発明の実施形態の熱硬化性エラストマーシールが使用される温度はインクジェット印刷用インク袋とはかなり異なり、インクジェット印刷用インク袋ではインクの表面張力に影響を与えるのは典型的にはインク袋からの有機物汚染である。
本発明の実施形態は、フルオロエラストマーよりも低コストで調製可能である点で有利である。これにより燃料電池、ウェハ又は基板洗浄装置、ウェハ又は基板コーティング装置、ウェハ又は基板取扱又は格納機器、化学薬品ドラム缶用シール、導管を連結するためのシール、又は導管又は出入り口と流体的に連通しているトランスデューサ用シール等の、複数のシールを使用する又は広いシール面積を有するシステムにおけるコスト削減が可能となる。
エラストマーの硬化は、充填剤、ガムストック又はエラストマー及び硬化エラストマーに含まれる他の成分に含まれる不純物及び添加物によって影響を受け得る。ガムストック又はエラストマー中のZnO、MgO等の微量の塩基性物質により、硬化しようとしている組成物の酸性度が変化し、これが硬化エラストマーの過酸化物安定性と性質に影響を与え得る。充填剤、エラストマー又はガムストック、過酸化物又は他の添加物に含まれるZnO、MgO、小分子アミン、鉱質担体及び他の不純物のイオン性汚染物質源を取り除く又は汚染物質量を低下させることで、過酸化物硬化反応及びこれらから生じた硬化エラストマーの性質(圧縮永久ひずみ、引張り強度、硬度、及び弾性率)を変化させることができる。発明者は、驚くことに、過酸化物又はフェノール系樹脂を包含する硬化剤を用いて、イオンの低い含有量又は浸出物質の低いを有する濃度、低コストの硬化した熱硬化エラストマーが調製可能であることを発見した。耐クリープ性、圧縮性、温度安定性、調節可能又は低い透水性といった硬化エラストマーの実施形態の特性により、これらの硬化エラストマーは燃料電池のシール、半導体製造機器用のシール又は他の用途に有用となる。ある程度、本発明の実施形態の他の態様、特徴、便益及び利点は以下の本文、付随する請求項及び添付の図面により明らかとなる。
本発明の組成物と方法について説明する前に、様々なものが考えられることから、本発明は記載の特定の分子、組成物、方法論又はプロトコルに限定されないことを理解しなくてはならない。又、本文中で使用の用語は特定のバージョン又は実施形態についてのみ説明することを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図しておらず、本発明の範囲は付随の請求項によってのみ限定される。
又、本文及び付随の請求項で使用されているように、内容からして明らかにそうでない場合をのぞき、単数表記の定冠詞、不定冠詞は複数も含まれることに留意しなければならない。従って、例えば「充填剤粒子」に言及した場合、これは1つ以上の充填剤粒子及び当業者に既知のその同等物について言及したものである。特に定義されない限り、本願で使用の全ての技術及び科学用語は当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。本願で記載のものと同様又は同等の方法及び材料を本発明の実施形態の実際の業務又は試験に使用することが可能である。本願に記載の全ての文献は参照により本願に組み込まれる。本発明が先行の発明により先行の開示より前のものでないということを容認したと解釈されるべきではない。
本発明の実施形態は、高純度の硬化したエラストマー材料、これらを形成するための組成物及び硬化したエラストマー材料を包含する物品を含む。本発明の実施形態は、200ng/cm未満のカルシウムを有する硬化エラストマーを含む。ある実施形態において、硬化エラストマーは架橋エチレン‐プロピレン‐ジエンターポリマーから形成され、架橋フルオロエラストマー又はシリコーンエラストマーを含有しないことがあり得る。本発明の実施形態における硬化エラストマーをOリング及びガスケットを含むシールに使用してもよい。
固形重合体タイプの燃料電池は、膜の形状である電解質材料によって隔てられた2つの多孔性電極を含むことができる。プラチナ等の触媒層を支持している膜(紙、重合体多孔性膜、又はその他の適した材料)から形成可能な多孔性電極と電解質材料が組み合わさって、膜電極アセンブリ(MEA)と呼ばれるアセンブリが形成される。MEAは2つの導電性又は、簡便にはグラファイト製流動場板の間に位置される。グラファイト製流動場板により、典型的には水素ガス又はメタノール等の水素含有燃料の形態である燃料と典型的には空気又は酸素等の酸素含有物質である酸化剤がMEAに供給される。又、グラファイト製流動場板は燃料電池スタックによって発生された電流を外部の電気回路に送る役目も果たし、米国特許番号第5284718号に記載されるように外部電気回路で電気は貯蔵される又は使用される。米国特許番号第5284718号は参照により全て本願にその内容が組み込まれる。
MEAの反応部位である膜電極及びシールアセンブリは基本的に同一でもよい。各膜電極及びシールアセンブリには、次に限定されるわけではないが、多孔性炭素繊維紙等の多孔性導電性シート材料を包含する第一層;固形重合体イオン交換膜等の電解質材料を包含する第二層;多孔性導電性シート材料を包含する第三層、及びガスケット又はその他の同様のシール等の要素を含むことができる。多孔性導電性シート材料は多層状態の炭素繊維紙が可能であり、シート材料間で膜を支持し、接合膜電極アセンブリ又はMEAを形成する。炭素繊維紙層はそれぞれ、膜に隣接又は接触する表面を触媒で処理し、電極を形成することができる。処理された領域は、炭素繊維紙層へガスを送る助けとなる流動場板の流動場と一致している。MEA用のシール又はガスケットは好ましくは、水の蒸発と重合体電解質膜の乾燥を軽減するために低透水率を有しており、シールの容易な組み立てと分解を可能とするものである。本発明の実施形態は、酸抽出性陽イオンの量が低下した硬化エラストマー、硬化ゴム又は硬化ガムストックから構成されるシールを含む。
有機過酸化物及びフェノール系樹脂を包含する硬化剤と共に使用され得るエラストマー又はガムストックのタイプには、別々にエチレン‐プロピレン‐ジモノマー(EPDM)ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPR又はEPM);ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンフルオロエラストマー;ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレンフルオロエラストマー;ビニリデン/クロロフルオロエチレンフルオロエラストマー;テトラフルオロエチレン/プロピレン(TEF/P)フルオロエラストマー(Asahi社製のアフラス等);ブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレン、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR);スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム;クロロスルホニルゴム、エピクロロヒドリンゴム;シリコーンゴム及びこれらの組合せ等の不飽和エラストマーストック(ガムストック)が含まれる。好ましくは、硬化剤と共に使用されるエラストマーには、エチレン‐プロピレン‐ジモノマー(EPDM)ゴム、エチレン‐プロピレンゴム(EPR又はEPM)又はこれらの組合せが含まれる。本発明の実施形態の硬化した熱硬化エラストマーの形成に使用し得るエラストマー混合物又は組合せはシリコーン又はフルオロエラストマーを含有しない又はこれらが存在しない。
ある実施形態において、ガムストックは約200ppm未満の抽出性カルシウムを有する。ある実施形態において、ガムストックは合わせて約200ppm未満の抽出性カルシウム及び亜鉛を有する。ある実施形態において、ガムストックは合わせて約225ppm未満の抽出性カルシウム、亜鉛及びマグネシウムを有する。ある実施形態において、ガムストックは約合わせて(数値抜け)未満の抽出性カルシウム、亜鉛、ナトリウム及びマグネシウムを有する。
EPDMとは、骨格にエチレン及びプロピレンならびに側鎖にジエンを含んでいるターポリマーを意味する。エチレン及びプロピレン単量体は結合して化学的に飽和した、安定した重合体骨格となる。第三の非共役ジエン単量体を制御下でターポリマー化して、飽和骨格を維持し、硬化又は重合体変性化学反応に使用できるように側鎖に反応性不飽和部を残すことができる。エチレン‐プロピレン共重合体又はエラストマーはEMPと称される。EPDMでの使用についてジエン単量体について特に制限はないが、5から20個の炭素原子を有するジエン単量体を使用することができる。ジエン単量体の非限定的な例には、1,4‐ペンタジエン、1,4‐ヘキサジエン、1,5‐ヘキサジエン、2,5‐ジメチル‐1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロ‐ペンタジエン(DCP)、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン(ENB)、5−ブチリデン‐2‐ノルボルネン、2‐メタアリル‐5−ノルボルネン、2−イソプロペニル‐5−ノルボルネン等が含まれる。これらのジエン単量体は単独で使用しても、或いは2つ以上の単量体を組み合わせて使用してもよい。上記で挙げたジエン単量体の中でも、ジシクロペンタジエン(DCP)及び5−エチリデン‐2‐ノルボルネン(ENB)を単独で用いる又は組合せて使用するのが好ましい。
過酸化物及び/又はフェノール系樹脂の硬化用に本発明で使用し得る熱可塑性エラストマー又はガムストックには、ポリエチレンエラストマー及びオレフィン系エラストマー又はそれに関連したオレフィン系エラストマー、塩素化ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エステル官能基を有するウレタンエラストマーが含まれるがこれらに限定はされない。
適した硬化剤は、通常、硬化エラストマーを形成する際に用いる硬化温度で遊離基を発生するものである。これらの硬化剤は、純粋な液状又は固形でよく、および、炭酸カルシウム、カオリンクレイ又は他の担体等の陽イオン発生材料等の固形担体を排除した形状が可能である。有機硬化剤は、過酸化ジクミル、tert‐ブチルクミルパーオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジアシル、n‐ブチル‐4,4´‐ジ(tert‐ブチルパーオキシ)バレレート等の過酸化物;1,3‐1,4‐ビス(tert‐ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル2,5‐ジ(tert‐ブチルパーオキシル)へキシン、2,5‐ジメチル2,5‐ジ(tert‐ブチルパーオキシ)へキサン(担体を伴わない液状として入手可能なVanderbuilt社のVAROX DBPHとして市販されている硬化剤の非限定的な一例);1,1´‐ジ(tert‐ブチルパーオキシ)‐3,3´,5−トリメチルシクロヘキサン又はこれらのいずれかの組合せを含み得る。別のタイプの有機架橋又は硬化剤であるフェノール系樹脂を慣用の硫黄加硫化反応で代用することができる。硬化剤としてのフェノール系樹脂は、オクチルフェノール系又はtert‐ブチルフェノール系又はブロモメチルアルキル化フェノール系樹脂(例えばDyphene570)又はこれらのいずれかの組合せ等のアルキルフェノールを含み得る。フェノール系樹脂及び有機過酸化物硬化剤は別々に又は混合物として用い得、およびエラストマー、充填剤と混合して、硬化エラストマーを生成し得る。
ある実施形態において、選択したゴム・ガムストック又はエラストマーと混合される過酸化物加硫化又は硬化剤は、例えば、2,4‐ジクロロ‐ベンゾイルパーオキシド、過酸化ベンゾイル、1,1‐ジ−t‐ブチルパーオキシ‐3,3,5‐トリメチル‐シクロヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジベンゾイルパーオキシヘキサン、n‐ブチル‐4,4´‐ジ‐t‐ブチルパーオキシバレレート、過酸化ジクミル、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキシド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐tブチルパーオキシヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐t−ブチルパーオキシヘキサン‐3等から選択可能である。これらの過酸化物は単独で用いても、或いは2つ以上の過酸化物を組み合わせて用いてもよい。市販の過酸化物タイプの加硫化剤の例は1,1‐ジ‐t‐ブチルパーオキシ‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサンであるNOF社のPERHEXA 3M、過酸化ジクミルである同社からのPERCUMYL D、1,3‐ビス‐(t‐ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンである同社のPEROXYMONE Fである。硬化剤を使用前に精製して含まれている金属又はイオン性不純物を低減することで、燃料電池での使用に適したシール材料を生成することが可能である。
本発明のゴム組成物には酸化防止剤、例えは、限定するものではないが、キノリンを含むことができる。酸化防止剤の使用量は好ましくは100重量部のEPDMあたり3重量部を超えない。
本発明のゴム組成物は、組成、特性又はそのシールとしての利点に悪影響を与えない限りいずれかの他の添加物を更に含有してもよい。次に他の添加物は白色のより堅い重合体等の白色補強剤を含んでいてよく、又、次に限定されるものではないが、ポリ‐パラフェニレンテレフタルアミド繊維(Kevlar)、ポリテトラフルオロエチレン繊維(PTFE)ポリエーテルエーテルケトン繊維(PEEK)、これらの混合物又は他のこういった還元金属含有繊維を含んでいてよい。他の添加剤は、加硫化促進剤、プロセス油、加工助剤、潤滑剤、可塑剤及び反応性単量体を更に含んでいてよい。本発明の実施形態は更に添加物を含有していてよく、好ましくはイオン性汚染物質を含有しない又はそのレベルが低い又は汚染物質の除去処理が施された添加剤である。これらの添加物の非限定的な例は、次に限定されるものではないが、カーボンブラック及び/又は促進剤、酸化防止剤、パラフィン系軟化剤、抗オザナント等の多様な他の有機添加物であり得る(例えば、Kleeman及びWeberによるElastomer Processing:Formulas and Tablesを参照のこと。この文献の内容は参照により全てここに組み込まれる)。ある場合には、添加剤を一切使用しない。例えば、フルオロエラストマー化合物はこれらを処理するために酸受容体を、例えば硬化エラストマーから抽出されず重合体電解質膜に結合する高分子重合体ポリアミンを、使用することができる。
組成物は共剤を含み得る。共剤は例えばHCL等の酸が硬化中に放出される場合に使用できる。共剤の例は1,2‐ポリブタジエン、不飽和エポキシ、これらの組合せ又はこれらの同等物を含み得る。これらの捕捉剤は金属陽イオンを硬化エラストマー内に残すZnO、MgO及びCaO等よりも有利である。本発明の実施形態は、金属含有共剤が存在しない又は含有しない組成物、ある実施形態においてZnO、MgO、CaO又はこれらの組合せ等の金属酸化物を含まない組成物を含むことができる。
シールはOリングに、ガスケットに、基板の一つまたはそれ以上の片側上にビーズシールに、又は他の複合構造体に、形成でき、又は、低分子量の、硬化時間が短いコポリマーを接着剤として使用して場合により形成し得る。このシールは、酸含有溶液により硬化エラストマーから抽出され得る陽イオン不純物を300ng/cm未満有する。抽出可能な不純物は、最初は硬化エラストマー中で化合物又は分子として存在し、酸含有抽出溶液での抽出又は溶液との接触により、又は使用中にプロセス流体又は他の流体が硬化エラストマーと接触した際に、イオンを形成することができる。抽出された不純物は、重合体電解質膜のイオン伝導を低下させる及び/又は半導体デバイスに欠陥(腐食の発生、チャージトラップとして作用、又は他の欠陥の発生)を発生させ得るものとして特徴づけることができる。本発明の硬化エラストマーのある実施形態において、硬化エラストマーから5%硝酸抽出溶液(又は他の同等の抽出溶液)を用いてイオンとして抽出されたナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、バナジウム、クロム、亜鉛、銅、ゲルマニウム及びバリウム金属の測定された総量は約300ng/cm未満である。又、硬化エラストマーは、抽出性カルシウムを約200ng/cm未満;抽出性カルシウムと亜鉛を合わせて約200ng/cm未満;抽出性カルシウム亜鉛及びマグネシウムを合わせて約225ng/cm未満;抽出性カルシウム、亜鉛、ナトリウム及びマグネシウムを合わせて約225ng/cm未満包含していると特徴づけることができる。
重合体電解質膜のイオン伝導を低下させる可能性のある不純物には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移元素(Ag、Ni+2、Mn+2、Cu+2、Zn+2、Cr+3、他)、希土類元素(Al+3、La+3又は他)、アンモニア誘導体、例えば次に限定されるものではないが、RNH4−n (RはH)、又は脂肪族、芳香族もしくはCH、C、C、C等の有機ラジカル、又は錯体等の陽イオンを含むことができる。
混合物であってよい共重合体、エラストマー又はガムストックは、シール(例えばガスケット、テープ、Oリング又は他のシール用物品)として有用となる程度に硬化させる。硬化された熱硬化エラストマーを形成するための硬化の度合いは、キシレン等の有機液体での有機物質の抽出、又はGC/MSを用いての揮発性有機物(VOC)の検出によって求めることができる。望ましくない量の残留過酸化物又はアルコール等の分解生成物の存在が硬化エラストマー中に検出された場合、硬化エラストマーを後加熱硬化で更に処理してもよい。望ましくない量の残留過酸化物又はアルコール等の分解生成物の存在が硬化エラストマーで検出された場合、硬化エラストマーを真空オーブン内等の減圧下で後加熱硬化で更に処理してもよい。
硬化剤として使用される有機過酸化物、フェノール系樹脂又はこれらの組合せは、加硫化又は硬化反応中に完全に消費される。硬化ゴム中の残留過酸化物の量は、ヨウ素還元滴定を用いて求めることができる。殆んどの有機過酸化物は酸溶液中でヨウ化物イオンによって還元され、1モルのヨウ素を当量の過酸化物に対して生成する。この反応は、有機過酸化物を定量するための、遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウムの標準溶液で滴定する周知のヨウ素還元滴定技法の基礎となるものである。硬化エラストマーは固形であることから、完全に混合して過酸化物をサンプルマトリクスと反応させる。油脂について一般に認められているヨウ素滴定法は米国油化学会の公式法Cd8−53である。この方法を更に変更してEPDM系により適したものとすることができる。
過酸化物及び/又はフェノール系樹脂で硬化させたエラストマー、例えば硬化モノオレフィン共重合体系エラストマーは、モノオレフィン共重合体ガムの標準的なエラストマー処理機器で処理可能であるという能力によるのみならず、その高温耐性とオゾン等の刺激の強い化学物質への耐性により、多数の用途で使用することが可能である。過酸化物及び/又はフェノール系樹脂で硬化させたモノオレフィン共重合体系エラストマーは、半導体業界においてチップ製造過程で使用可能であり、基板取扱いでの、基板被覆での、基板洗浄機器でのシールに使用することができる。チップ製造過程において、陽イオン抽出物含有量の低い硬化したモノオレフィン共重合体エラストマーは高温及び刺激の強い化学物質への曝露が可能である。
エラストマーと充填剤を硬化させるために添加される過酸化物及び/又はフェノール系樹脂を包含する硬化剤の量は、選択されたゴム・ガムストック又はエラストマー100重量部に対して約0.5から10重量部であり、より好ましくは2から5重量部である。重量部という単位は説明の便宜上、「部」のみで言及している。硬化剤の量が少なすぎる場合、十分に硬化しないことから得られるゴム又は硬化エラストマーのシール特性が不良となる。硬化剤の量が多すぎる場合、得られるゴム又は硬化エラストマーは有用なシールを形成するには硬くなりすぎる。ある実施形態において、重合体ガムストック又はエラストマーの含有量は約100重量部であり、カーボンブラックを含む場合もある充填剤の量は約30部が可能であり、過酸化物は約2部である。
エラストマー、充填剤及び硬化剤を包含する組成物は、約120度から約180度で硬化でき、ある実施形態において、組成物を約140度から約160度で硬化できる。温度を組み合わせて用いてもよく、又、処理中に温度を上昇、低下させることを含むことができる。組成物を約0.25時間から約4時間に亘って加熱することで、硬化させることができる。ある実施形態において、組成物は約0.75時間から約1.25時間に亘って加熱してよい。温度と時間を選択することで、ウェハ又はフラットパネルコーティング、洗浄、エッチング、又は剥離処理で使用する温度又は圧力において燃料電池をシールするのに又は流体を含む導管をシールするのに適した耐圧縮性及び耐クリープ性を有する硬化エラストマーが得られる。硬化時間を長くすることで完全な反応を確実にし、揮発性副生成物の除去を確実にし得る。組成物を硬化して圧縮成形してもよい。
ゴム・ガムストック又はエラストマー及び硬化剤といった成分と混合し得る充填剤は、例えば、次に限定するものではないが、カーボンブラック、バッキーボール(C60)、単層又は多層カーボンナノチューブ、グラファイト等の層状材料又はこれらのいずれかを含む組合せを含む。これらの充填剤は、単独で使用してもよく、又は2つまたはそれ以上の充填剤を組み合わせて使用して硬化エラストマー又は硬化ゴムの強度及び透過性を変化させてもよい。機械的特性及び成形特性という観点から、充填剤の平均粒径は0.05から20ミクロンであり、より好ましくは0.1から10ミクロンである。充填剤又は添加物が酸性基を含む場合、これらの材料の量を調節して、硬化剤を分解したり悪影響を与えないようにすることができる。
充填剤は、ガムストック及び過酸化物又は他の硬化剤と混合される前に洗浄されまたは抽出されて、抽出性陽イオンを除去し、低減し又は排除することができる。例えば、充填剤は、HCL又は硝酸等の強い鉱酸水溶液にて浸出に供され、脱イオン水で洗浄され、ガムストック及び硬化剤との混合前に乾燥され得る。充填剤は、過酸化物を分解して又はラジカルの形成を阻害して硬化反応に悪影響を与え得るいずれもの酸が十分なレベルにまで低下するまで、洗浄することができる。
添加される充填剤の量は、選択された硬化性エラストマー、硬化性ゴム又は硬化性ガムストック100部に対して10から130部、ある実施形態においては約20から約50部、更に別の実施形態においては30から50部の範囲であり得る。充填剤の量が20部未満の場合、得られるシーリング材のガス透過性は高くなる。充填剤の量が約130部より多く高すぎる場合、ゴムの強度は低下し得る。
硬化した熱硬化エラストマーは、エラストマー又はガムストック、硬化剤及び充填剤を含む成分を相互におよび場合によって他の成分又は添加物と混合して硬化性組成物を形成することにより、次いで混合物を二本ロールミル、ニーダー、バンバリミキサ等の混練機を用いて混練することにより調製でき得る。混合は耐腐食性ステンレススチール又は他の材料中で実行することができる。硬化エラストマーの試験片を各硬化性組成物から形成でき、この試験片は、次に限定するものではないが、熱風老化耐性、透水性、圧縮永久ひずみ及び/又は折り曲げ強さ等の、使用条件化での物理的特性について評価され得る。
本発明の実施形態で調製された高純度シール材料と接触する流体は、ZnO等の金属含有酸捕捉剤及びTiO2等の充填剤を使用して形成された似たシールと比較して、使用中にシールからより少い金属イオンを抽出する。本発明の実施形態の組成物は、燃料電池電解質及び半導体処理関連化学物質及びウェハに影響を与える可能性のある金属イオンを排除することができる。更に、本発明の実施形態には、加硫化剤を含む有機硫黄又は有機リン系が存在しない。本発明の実施形態の組成物は有機硫黄又は有機リン系加硫化剤からの硫黄及びリン酸イオン等の添加陰イオンを含有していない。こういったガスケット又はその他のシーツ物品は、酸性化水を用いての抽出によって特徴づけることができる。更に、低汚染シール材料は、溶媒が総金属イオン濃度300ng/cm以下を有するように抽出できる。ある実施形態において、硬化エラストマーは約200ng/cm未満の抽出性カルシウムを有する。ある実施形態において、硬化エラストマーは合わせて約200ng/cm未満のカルシウムおよび亜鉛を有する。ある実施形態において、硬化エラストマーは合わせて約225ng/cm未満の抽出性カルシウム、亜鉛及びマグネシウムを有する。ある実施形態において、硬化エラストマーは合わせて約225ng/cm未満の抽出性カルシウム、亜鉛、ナトリウム及びマグネシウムを有する。従って、流体が低汚染性物品に接触させられた場合でさえも、流体が金属イオンによって汚染される可能性はより低い。本発明のある実施形態における高純度シール材料は、その金属イオン含有量が十分に低いことから、半導体業界での使用に適している。残留している金属陽イオンとは、重合体サンプルを酸抽出に供した後に分析によって発見することができる金属イオンのことを指す。
本発明の実施形態には、高純度の硬化した熱硬化エラストマーが含まれる。ある実施形態において、この硬化エラストマーは、燃料電池のプロトン伝導が劣化するほどに燃料電池の重合体電解質膜に結合する可能性のある量の抽出性陽イオンを含有していない。この劣化は、本発明の実施形態の各種エラストマー材料について、各材料のガスケットを備えた燃料電池スタックを作成し、長時間、例えば1000時間以上に亘って燃料電池の寿命を、対照材料と比較して評価することにより、評価し得る。異なるシール材料を用いた燃料電池を同様の電流密度、湿度レベル、温度及びその他の条件下で稼動させることができる。対照及び試験燃料電池のセル電圧を時間の経過に応じて記録し、ガスケットの成分と相関させる。本発明の実施形態の硬化エラストマー材料は、燃料電池用のガスケットに形成することができる。こういったガスケットを利用する燃料電池は、充分な純度であり、及び/又は燃料電池の平均セル電圧劣化速度が約100マイクロボルト/時間未満、ある実施形態では50マイクロボルト/時間未満、更に別の実施形態では10マイクロボルト/時間未満となる充分なガス透過抵抗(水蒸気、酸化剤、燃料又はこれらのいずれの組合せ)である。
シールのガス透過性は、充填剤、エラストマー及び硬化剤を選択することで低下させることができる。低ガス透過性は燃料、酸化剤及び/又は水蒸気の蒸発を低減するために燃料電池にとって有利であり得る。スタックからの水の損失防止は、重合体電解質膜の乾燥の軽減に役立つ。硬化性エラストマーシールを使用する加工装置において、低ガス透過性によりHCl又はHF等の有害な蒸気の輸送を低減することができる。ある実施形態において、硬化した熱硬化エラストマーは、低透過性のシールに形成でき、重合体電解質膜の水の蒸発と乾燥を軽減することができ、および、硬化エラストマーの抽出により総金属イオン濃度が300(金属ng)/(シーリング材料cm)以下、好ましくは抽出性金属Zn、Ca、Mg及びナトリウムに関して総金属イオン濃度300(金属ng)/(シーリング材料cm)以下であるシールに形成できる。
硬化性組成物は、既知の成形技法を用いおよびエラストマー組成物を熱と圧力に供して硬化させることで、次に限定されるものではないが、テープ、ガスケット、基板の片面又は両面上のビーズシール又はOリング等に簡単に加工可能である。その後、物品を後硬化サイクルに供してもよい。本発明において得られる硬化エラストマーは、燃料電池での使用、医薬品の製造又は半導体及びディスプレイ機器の製造における使用、及びウェハ、フラットパネル及びチップ製造において使用される導管、トランスデューサ及び流体取扱いデバイスのシールにおいての使用に適している。硬化エラストマーは、硬化エラストマーから抽出又は浸出された陽イオンが材料のイオン伝導を阻害する可能性のある用途で有用である。特に、本発明の実施形態で形成された硬化エラストマーは非常に低いレベルの金属イオン又は他の残留陽イオンを有する。燃料電池用のガスケットとして使用される本発明の実施形態では、ガスケット本体を構成する材料との反応による陽イオン等の汚染物質の発生を防止する又は軽減し、これにより高発電効率の燃料電池となる。
本実施例は、硬化することで半導体又は燃料電池シーリング用途での使用に適した、抽出性物質の含有量の低いエラストマー包含組成物について説明するものである。例えば、金属陽イオンは燃料電池膜の活性部位と結合して、その性能を低下させる場合がある(プロトン伝導用部位)。金属不純物は燃料、酸化剤又は部材構成材料によりスタックへと導入されることがある。部材構成材料にはシール又はガスケット材料を含むことができる。これらの材料は、従来より、架橋反応を促進するため又はスコーチを防止するために意図的に添加する数多くの金属酸化物又は金属塩で処理される。
硫黄と金属塩、例えばステアリン酸カルシウムと亜鉛酸化物を結合させる従来の硫黄架橋化学反応の代わりに、本実施例は、有機系の硬化剤、特には低レベルの金属を有する有機過酸化物(例えば、過酸化ジクミル)を用いて金属非含有硬化エラストマー化合物を生成可能であることを説明するものである。これらの過酸化物はEPDM又はFKM等の金属非含有架橋エラストマーを生成するために用いることができる。
試験用の硬化した熱硬化エラストマー化合物は以下の基本手順によって形成された。100部のEPDMガムストック、30部のカーボンブラック、2部のVarox過酸化物を二本ロールミルで混合した。シートを1時間に亘って150度で圧縮成形した。
標準的なEPDM及びViton(登録商標)についての典型的な値と比較した、本発明の実施形態の硬化したEPDM熱硬化エラストマーの金属抽出物についての結果をまとめたものを以下の表1に記載する。材料は5日間に亘って5%硝酸中で室温で抽出に供され、誘導結合プラズマ/質量分析(ICP/MS)によって分析した。表1の値の単位はng/cmである。
Figure 2009518462
実施例のエラストマー材料は、表1の金属イオンについて、典型例としてのEPDM又はViton(登録商標)の双方よりも全抽出物の含有量が低かった。Viton(登録商標)サンプルの抽出性クロムとバリウムは実施例1のものよりも少なかった。全体として、実施例の硬化エラストマー材料は、全抽出性金属イオンの含有量が低く、特にマグネシウム、カルシウムおよび亜鉛の含有量が低い。測定したナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、バナジウム、クロム、亜鉛、銅、ゲルマニウム、バリウムイオンに関し、本発明の実施形態の硬化エラストマーの総金属抽出物量は約300ng/cm未満であり、典型例としてのEPDMは少なくとも154000ng/cmを有し、Viton(登録商標)はこれらの不純物を少なくとも17000ng/cmを有していた。本発明の組成物は抽出性カルシウムを約200ng/cm未満;合わせて約200ng/cm未満の抽出性カルシウム及び亜鉛;合わせて約225ng/cm2未満の抽出性カルシウム、亜鉛及びマグネシウム;合わせて約225ng/cm未満の抽出性カルシウム、亜鉛、ナトリウム及びマグネシウムを含んでいた。
本実施例は、異なる過酸化物硬化剤(Varox DBPH及びVul Cup)を用いての、本発明の実施形態である硬化エラストマーの調製である。過酸化物硬化剤の不純物レベル及びこれらから形成された硬化エラストマー(硝酸による温浸及び5%硝酸での抽出(6日間))の不純物レベルを表2に示す。
Figure 2009518462
Figure 2009518462
硬化エラストマーを実施例1と同様の手順で生成した。結果は、表2に挙げた種、特に元素Na、Mg、Al、K、Ca、Fe、Zn及びBa全部で、温浸による約600ppm未満の不純物レベルを有する硬化エラストマーを生成可能であることを示しており、硬化性エラストマー、硬化エラストマーを生成するために用いた硬化剤及び充填剤は、約1000μg/g(1000ppm)未満の陽イオン不純物を有することを示している。本実施例の硬化エラストマーは、抽出により、表2に挙げた元素、特に元素Na、Mg,Al、K、Ca、Fe、Zn及びBa全部で約500ng/cm未満を含んでいた。結果は更に、表2に挙げた種、特にはNa、Mg、Al、K、Ca、Fe、Zn及びBaについて全部で約300ppm未満(温浸により)の不純物を有する有機過酸化物等の硬化剤を用いて、低不純物の硬化性エラストマーを形成可能なことを示している。
本実施例の硬化エラストマーは約200ng/cm未満の抽出性カルシウム;合わせて約230ng/cm未満のカルシウム及び亜鉛;合わせて約250ng/cmの抽出性カルシウム、亜鉛及びマグネシウム;合わせて約250ng/cmの抽出性カルシウム、亜鉛、ナトリウム及びマグネシウムを含んでいた。
本実施例は、低不純物の硬化性エラストマー又はガムストックの例について説明する(サンプルID番号1040,1320、1440)。サンプル1040を用いて実施例1で得られたものと同様の本発明の硬化エラストマーの実施形態を作成した。硬化性エラストマーの不純物レベルを濃縮硝酸を用いた温浸で求め、表3に示した。
結果は、表3に挙げた種、特に元素Na、Mg、Al、K、Ca、Fe、Zn及びBaについての総不純物レベルが約250ppm未満の硬化性エラストマーを用いて低不純物硬化エラストマーを形成することが可能であることを示している。
Figure 2009518462
Figure 2009518462
本発明をその特定の好ましい実施形態に言及して極詳細に説明したが、他の態様も可能である。従って、付随の請求項の精神及び範囲は、この記載及び本明細書に含まれる好ましい態様に限定されるべきではない。

Claims (40)

  1. モノオレフィン共重合体と、
    硬化剤と、
    充填剤と
    を包含し、硬化前の前記モノオレフィン共重合体、前記硬化剤及び前記重合体はイオン性物質を総量で約1000μg/g未満含んでいる組成物。
  2. 前記モノオレフィン共重合体がエチレンプロピレン‐ジエンターポリマー、エチレンプロピレン共重合体及びこれらの組合せから成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 請求項1の組成物を硬化することにより得られる熱硬化エラストマー。
  4. 請求項3の熱硬化エラストマーを包含する物品。
  5. 前記イオン性物質が酸性溶液を用いて抽出される、請求項1又は3に記載の組成物。
  6. 前記イオン性物質が純水でない溶媒で抽出される、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記硬化エラストマーから抽出したイオン性物質が約300ng/cm未満の抽出性物質であり、前記抽出性物質は燃料電池の膜電極アセンブリ内の重合体電解質膜の導電性を低下させることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記硬化剤が鉱物担体を有さない有機過酸化物である、請求項1又は3に記載の組成物。
  9. エチレン‐プロピレン‐非共役ジエンターポリマー、エチレン‐プロピレン共重合体、及びこれらの組合せから成る群から選択される少なくとも1つの重合体を含むエラストマーガムストックと、
    有機過酸化物を包含する硬化剤と、および
    少なくとも1つの充填剤と
    を包含する組成物であり、
    前記組成物は燃料電池の重合体電解質膜のイオン伝導を劣化させる可能性のある陽イオン不純物を約1000μg/g未満含んでいる組成物。
  10. 前記エラストマーガムストックが約100重量部の量含まれており、前記充填剤が約30重量部のカーボンブラックであり、前記過酸化物が約2重量部である、請求項9に記載の組成物。
  11. 温度約150度から約180度にて約1時間に亘って圧縮成形することにより硬化した請求項9の組成物を包含する組成物。
  12. 前記硬化組成物からイオンとして抽出された微量金属の量が300ng/cm未満である、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記硬化組成物から抽出された微量金属が合わせて200ng/cm未満のカルシウムと亜鉛を含む、請求項11に記載の組成物。
  14. 前記エチレン‐プロピレン非共役ジエンターポリマーがジシクロペンタジエン、4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン及びこれらを含む組合せから成る群から選択される、請求項9に記載の組成物。
  15. 前記有機過酸化物が、過酸化ジクミル、メチル‐2,5‐ジ(t‐ブチル‐パーオキシ)ヘキサン、過酸化ジベンゾイル、2,4‐ジクロロベンジルパーオキシド及びこれらの組合せから成る群から選択される、請求項9に記載の組成物。
  16. 前記充填剤が処理されて抽出性イオン性物質が除去されている、請求項9に記載の組成物。
  17. 前記充填剤が炭素を包含する、請求項9に記載の組成物。
  18. 請求項11に記載の組成物を包含する物品。
  19. 1つ以上のエラストマーシールを備える膜電極アセンブリを包含し、前記シールは硬化エラストマーとおよび充填剤(この充填剤は担体非含有機過酸化物から形成されている。)とを包含し、
    前記硬化エラストマーは約200ng/cm未満の抽出性カルシウムを酸含有抽出液へ抽出する
    物品。
  20. 前記硬化エラストマーが硬化不飽和エラストマー又は熱可塑性エラストマーを包含する、請求項19に記載の物品。
  21. 前記エラストマーがフルオロエラストマーではない、請求項19に記載の物品。
  22. 1つ以上のエラストマーシールを備える膜電極アセンブリを包含し、前記シールは過酸化物又はフェノール系樹脂硬化モノオレフィン共重合体エラストマーを充填剤と共に包含し、
    前記硬化モノオレフィン共重合体エラストマーは約300ng/cm未満の抽出性物質を抽出し、前記抽出性物質は燃料電池の前記膜電極アセンブリの重合体電解質膜の導電性を低下させ得ることを特徴とする
    物品。
  23. 前記モノオレフィン共重合体エラストマーがEPDMである、請求項22に記載の物品。
  24. 前記硬化モノオレフィン共重合体がEPMを含む、請求項22に記載の物品。
  25. 前記抽出が酸性溶液から行われ、抽出物が陽イオンを含む、請求項22に記載の物品。
  26. 1つ以上の熱硬化エラストマーシールを備える燃料電池スタックを包含し、前記熱硬化エラストマーシールは過酸化物又はフェノール系樹脂で硬化したモノオレフィン共重合体エラストマーを包含し、
    前記硬化モノオレフィン共重合体エラストマーは約300ng/cm未満の抽出性物質を抽出し、前記抽出性物質は、前記燃料電池の重合体電解質膜の導電性を低下させ得ることを特徴とする
    物品。
  27. モノオレフィン共重合体エラストマーと、
    過酸化物硬化剤と、および
    充填剤を必須として含んで成り、硬化前の前記モノオレフィン共重合体エラストマー、前記硬化剤及び前記充填剤の組成物中におけるイオン性物質の総量は約1000μg/g未満である組成物。
  28. 前記モノオレフィン共重合体がエチレンプロピレン‐ジエンターポリマーである、請求項27に記載の組成物。
  29. 請求項27の組成物を硬化させることで得られる熱硬化エラストマー。
  30. 前記イオン性物質が燃料電池の重合体電解質膜の導電性を低下させる請求項27に記載の組成物。
  31. 硬化モノオレフィン共重合体ゴムと、および
    充填剤と
    を包含し、酸性抽出溶液と接触させた場合に約200ng/cm未満のカルシウムを抽出する
    組成物。
  32. 前記組成物が合わせて約200ng/cm未満のカルシウム及び亜鉛を抽出する、請求項31に記載の組成物。
  33. 前記組成物が合わせて約225ng/cm未満のカルシウム、亜鉛及びマグネシウムを抽出する、請求項31に記載の組成物。
  34. 前記組成物が合わせて約225ng/cm未満のカルシウム、亜鉛、ナトリウム及びマグネシウムを抽出する、請求項31に記載の組成物。
  35. モノオレフィン共重合体エラストマーと、
    硬化剤と、
    充填剤と
    を包含し、前記モノオレフィン共重合体エラストマー、前記充填剤及び前記硬化剤を温度約130度から約170度で混合して硬化エラストマーを形成する
    組成物。
  36. 前記モノオレフィン共重合体、前記硬化剤及び前記充填剤の硬化前の組成物におけるイオン性物質の総量が約1000μg/g未満である、請求項35に記載の組成物。
  37. 前記組成物が合わせて約200ng/cm未満のカルシウム及び亜鉛を酸含有抽出溶液に抽出する、請求項35に記載の組成物。
  38. 前記組成物が合わせて約225ng/cm未満のカルシウム、亜鉛及びマグネシウムを酸含有抽出溶液に抽出する、請求項35に記載の組成物。
  39. 前記組成物が合わせて約225ng/cm未満のカルシウム、亜鉛、ナトリウム及びマグネシウムを酸含有抽出溶液に抽出する、請求項35に記載の組成物。
  40. 前記充填剤がカーボンブラックである、請求項35に記載の組成物。
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