JP2002228078A - 樹脂製コネクタ - Google Patents

樹脂製コネクタ

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JP2002228078A
JP2002228078A JP2001025947A JP2001025947A JP2002228078A JP 2002228078 A JP2002228078 A JP 2002228078A JP 2001025947 A JP2001025947 A JP 2001025947A JP 2001025947 A JP2001025947 A JP 2001025947A JP 2002228078 A JP2002228078 A JP 2002228078A
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resin
rings
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resin connector
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JP2001025947A
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Kazutaka Katayama
和孝 片山
Ayumi Ikemoto
歩 池本
Yoshio Okado
芳男 岡戸
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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  • Fuel Cell (AREA)
  • Branch Pipes, Bends, And The Like (AREA)
  • Gasket Seals (AREA)
  • Quick-Acting Or Multi-Walled Pipe Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】水素ガスや水蒸気に対するバリア性に優れ、か
つ抽出物の少ない樹脂製コネクタを提供する。 【解決手段】一端側がホース内部に挿入される挿入部6
に形成されているとともに、他端側が締結対象部材を内
部に収容する収容部7に形成されてなる略筒状のハウジ
ング部8と、そのハウジング部8内に取り付けられた2
個一組のOリング9,10とを備えた樹脂製コネクタで
ある。そして、上記ハウジング部8が、下記の特性
(A)〜(C)を備えた樹脂組成物硬化体によって形成
されている。さらに、上記2個一組のOリング9,10
のうち上記収容部7内の奥側内周面に取り付けられた第
1のOリング9が、下記の特性(D)を備えたエラスト
マーによって形成されている。 (A)80℃におけるヘリウム透過率が5×10-10
3 ・cm/cm2 ・sec・cmHg以下である。
(B)80℃における透水率が2mg・mm/cm2
day以下である。(C)100℃の純水におけるイオ
ン抽出量が1ppm以下である。(D)100℃の純水
におけるイオン抽出量が0.1ppm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池自動車の
燃料電池の配管に用いられる樹脂製コネクタに関するも
のである。
【0002】従来から、自動車におけるガソリン等の燃
料を搬送する配管装置に用いられるコネクタとしては、
例えば、ポリアミドを用いて形成されたハウジングにO
リング等の環状弾性シール材を備えたクイックコネクタ
が提案されている(特表平9−505871号公報
等)。
【0003】一方、近年、環境問題や石油の枯渇問題に
より、次世代車両として燃料電池自動車の開発が盛んに
進められている。このような燃料電池自動車に使用され
る配管継手においては、流体への金属イオンおよびハロ
ゲン化物イオンの抽出はシステム(触媒)を汚染し、発
電や改質効率および寿命を著しく悪化させることとな
る。また、配管継手としては、流体のバリア性およびシ
ール性は従来と同様重要な基本特性である。
【0004】このような燃料電池自動車においては電池
自体の最終燃料には水素ガスが用いられている。そし
て、上記燃料電池自動車用には、固体高分子型の燃料電
池が有力なものとして用いることが検討されているが、
この固体高分子型燃料電池では固体高分子膜に水分を供
給する必要があり、燃料である水素ガスと一緒に水蒸気
が供給されることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現状のガソリン自動車
では、簡易組み付け性を考慮して、上記のようなクイッ
クコネクタが配管継手として広く使用されている。この
場合、燃料となる流体がガソリンであることから、流体
であるガソリンに接触する部分は炭化水素に耐性があ
り、成形が容易である上記ポリアミド樹脂やそれに補強
剤等が配合されたものが成形材料として用いられてい
る。また、クイックコネクタ内に取り付けられるシール
材としては、フッ素ゴム(FKM)、フロロシリコンゴ
ム(FVMQ)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(NBR)等の炭化水素に対するバリア性の高いエラス
トマーで成形されたOリングを使用するのが一般的であ
る。
【0006】しかしながら、上記燃料電池自動車におけ
る配管継手においては、水素ガスが従来の燃料であるガ
ソリンと比較して分子が小さく透過しやすいという問題
がある。また、水素ガスとともに供給される水蒸気は、
配管の腐食抽出を促進させるという問題がある。そし
て、上記のようなポリアミドやそれに補強剤等が配合さ
れたものではバリア性が充分ではなく、このため、バリ
ア性確保のために、例えば、コネクタを金属材料で形成
することが考えられるが、腐食対策や金属イオン抽出の
対策が必要となり、貴金属類のメッキ等高価な表面処理
が必要となってくるという問題がある。さらに、上記O
リングに関しては、上記FKM、FVMQ、NBR等の
エラストマーは純水による抽出物が多く、触媒汚染が問
題となる。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、水素ガスや水蒸気に対するバリア性に優れ、か
つ抽出物の少ない樹脂製コネクタの提供をその目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の樹脂製コネクタは、一端側がホース内部
に挿入される挿入部に形成されているとともに、他端側
が締結対象部材を内部に収容する収容部に形成されてな
る略筒状のハウジング部と、そのハウジング部内に取り
付けられた2個一組のOリングとを備えた樹脂製コネク
タであって、上記ハウジング部が、下記の特性(A)〜
(C)を備えた樹脂組成物硬化体によって形成され、か
つ上記2個一組のOリングのうち上記収容部内の奥側内
周面に取り付けられた第1のOリングが、下記の特性
(D)を備えたエラストマーによって形成されていると
いう構成をとる。 (A)80℃におけるヘリウム透過率が5×10-10
3 ・cm/cm2 ・sec・cmHg以下である。 (B)80℃における透水率が2mg・mm/cm2
day以下である。 (C)100℃の純水におけるイオン抽出量が1ppm
以下である。 (D)100℃の純水におけるイオン抽出量が0.1p
pm以下である。
【0009】すなわち、本発明者らは、水素ガスや水蒸
気に対するバリア性に優れ、しかも抽出物の少ない樹脂
製コネクタを得るために鋭意検討を重ねた。そして、上
記課題を解決するために、樹脂製コネクタのハウジング
部およびシール材であるOリングの各物性を中心に研究
を行った結果、上記ハウジング部を、上記特性(A)〜
(C)を備えた樹脂組成物硬化体で形成し、かつ2個一
組のOリングのうち収容部内の奥側内周面に取り付けら
れた第1のOリングを上記特性(D)を備えたエラスト
マーにより形成すると、水素ガスや水蒸気に対して優れ
たバリア性を有し、しかもイオン抽出物の少ない樹脂製
コネクタが得られることを見出し本発明に到達した。
【0010】そして、上記ハウジング部が、ポリフェニ
レンサルファイドまたはポリブチレンナフタレートによ
って形成されていると、水素ガスや純水に対して一層優
れたバリア性を奏するようになる。
【0011】また、上記第1のOリングが、オレフィン
系ゴムまたは熱可塑性エラストマーによって形成されて
いると、水素ガスや純水に対して一層優れたバリア性を
奏するようになる。
【0012】さらに、上記第1のOリングが、受酸剤を
用いないエチレン−プロピレンゴム(EPR)または受
酸剤を用いないエチレン−プロピレン−ジエンゴム(E
PDM)によって形成されていると、燃料電池部に使用
される触媒および電解質膜の汚染がなく燃料電池の性能
低下を防止できるようになる。
【0013】そして、上記2個一組のOリングのうち上
記収容部内の出口側内周面に取り付けられた第2のOリ
ングが、ブチルゴムまたはハロゲン化ブチルゴムによっ
て形成されていると、より一層高い気密性(シール性)
を有するようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0015】本発明の樹脂製コネクタ5は、図1に示す
ように、接続されるホース内部に挿入される挿入部6と
締結対象部材を内部に収容する収容部7とが形成された
ハウジング部8と、上記収容部7内の奥側内周面に取り
付けられた第1のOリング9と、上記収容部7内の出口
側内周面に取り付けられた第2のOリング10とを備え
ている。そして、上記挿入部6表面には複数の環状隆起
部が形成され、また上記収容部7内部は、内部に向かう
につれ第1の径部7a、第2の径部7b、第3の径部7
cと内径が3段階に絞られ小さくなるよう形成されてい
る。図1において、11は上記第1のOリング9と第2
のOリング10との間に設けられたスペーサーである。
また、22は締結対象部材であるパイプ等を樹脂製コネ
クタに保持させるためのリテーナーであり、このリテー
ナー22には一対のストッパー部22aが設けられてい
る。そして、このストッパー部22aは開口7dに係合
してハウジング部8に着脱可能に保持されている。さら
に、21は上記2個一組のOリング9,10を収容部7
内に保持して、締結対象部材であるパイプ等が挿通する
孔を有する環状のブッシュであり、収容部7内に嵌着さ
れている。
【0016】上記リテーナー22形成材料としては、特
に限定するものではなく従来公知のもの、例えば、PA
6、PA66、PA11、PA12、PA6・12等の
ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリ
エステル樹脂等の靱性を有する樹脂、SUS等の金属等
等があげられる。
【0017】上記ブッシュ21形成材料としては、特に
限定するものではなく従来公知のもの、例えば、PA
6、PA66、芳香族ポリアミド(PPA)等のガラス
強化材等があげられる。
【0018】上記樹脂製コネクタ5のハウジング部8
は、下記の特性(A)〜(C)を備えた樹脂組成物硬化
体によって形成されていなければならない。 (A)80℃におけるヘリウム透過率が5×10-10
3 ・cm/cm2 ・sec・cmHg以下である。 (B)80℃における透水率が2mg・mm/cm2
day以下である。 (C)100℃の純水におけるイオン抽出量が1ppm
以下である。
【0019】上記特性(A)についてより詳しく説明す
ると、80℃のヘリウムに対する上記樹脂組成物硬化体
のヘリウム透過率が5×10-10 cm3 ・cm/cm2
・sec・cmHg以下でなければならない。特に好ま
しくは80℃におけるヘリウム透過率が4×10-10
3 ・cm/cm2 ・sec・cmHg以下である。す
なわち、ヘリウム透過率が5×10-10 cm3 ・cm/
cm2 ・sec・cmHgを超えると、ヘリウム透過率
が高いということであり、従って分子量の近い水素ガス
に対してもバリア性不足となり、燃料電池自動車におけ
る配管継手としては不適となるからである。この80℃
におけるヘリウム透過率は、例えば、つぎのようにして
算出される。すなわち、樹脂組成物を用い公知のインジ
ェクション成形にて厚み1mmのシートを作製する。こ
れを用いヘリウム透過量の測定を行うことによりヘリウ
ム透過率を算出する。ヘリウム透過量の測定は、GTR
ガス透過試験機(東洋精機製作所社製)を用いて、AS
TM D1434−75に準じ80℃におけるヘリウム
透過量の測定を行う。本発明では、水素ガスのバリア性
が課題であるが、通常、水素ガスによる透過率測定は危
険であることから、水素より分子径が小さく透過し易い
ヘリウムを用いた透過試験による適正な透過率を求め
た。このヘリウムを用いた透過試験は上記理由から当然
水素の透過試験評価よりも厳しいものである。
【0020】上記特性(B)についてより詳しく説明す
ると、80℃の純水に対する上記樹脂組成物硬化体の透
水率が2mg・mm/cm2 /day以下でなければな
らない。特に好ましくは80℃における透水率が1mg
・mm/cm2 /day以下である。すなわち、透水率
が2mg・mm/cm2 /dayを超えると、純水に対
するバリア性不足となり、燃料電池自動車における配管
継手としては不適となるからである。この80℃におけ
る透水率は、例えば、つぎのようにして算出される。す
なわち、樹脂組成物を用い公知のインジェクション成形
にて厚み1mmのシートを作製する。ついで、カップ法
(容積130cm3 中に100cm3 の純水を投入す
る。液接触面積34.2cm2 )により80℃の温度に
て120時間の前処理後、120〜240時間に透過し
た量を測定することにより算出する。
【0021】上記特性(C)についてより詳しく説明す
ると、100℃の純水における上記樹脂組成物硬化体か
らのイオン抽出量が1ppm以下でなければならない。
特に好ましくはイオン抽出量は0.1ppm以下であ
る。すなわち、イオン抽出量が1ppmを超えると、燃
料電池自動車におけるシステム(触媒)を汚染し、発電
や改質効率および寿命を著しく悪化させるからである。
この100℃におけるイオン抽出量は、例えば、つぎの
ようにして測定される。すなわち、樹脂組成物50gを
純水300mlに投入し、これをテフロン(登録商標)
製密閉容器に入れ、100℃で72時間熱処理した後、
溶出したイオン量を、金属元素、無機元素(炭素、窒
素、酸素を除く)については誘導結合プラズマ発光分光
分析法(以下「ICP発光分光法」という)、ハロゲン
化物イオンやリン酸イオン、硫酸イオンについてイオン
クロマトグラフ法を用いて測定する。なお、上記樹脂組
成物硬化体からのイオン抽出量の対象となるイオンと
は、陽イオンではリチウム、ベリリウム、ナトリウム、
マグネシウム、カリウム、カルシウム、鉄、ニッケル、
亜鉛等の金属イオンがあげられる。また、陰イオンでは
ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、硫酸イオンがあげ
られる。
【0022】上記特性(A)〜(C)を備えた樹脂組成
物硬化体を形成する樹脂としては、ポリフェニレンサル
ファイド(PPS)、ポリブチレンナフタレート(PB
N)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)
や、ポリエチレンサルファイド(PES)、ポリエーテ
ルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン
(PEK)等があげられる。そして、このような各種樹
脂において、特に重量平均分子量20000〜1000
00の高分子量樹脂を用いることが好ましい。なかで
も、成形加工性という点から、ポリフェニレンサルファ
イド(PPS)、ポリブチレンナフタレート(PBN)
を用いることが特に好ましい。
【0023】そして、上記樹脂組成物には、補強剤等各
種添加剤を配合することができる。
【0024】上記補強剤としては、例えば、ガラスファ
イバー等があげられる。そして、上記補強剤の配合量
は、樹脂組成物全体中の0〜50重量%の範囲に設定す
ることが好ましい。
【0025】上記収容部7内の奥側内周面に取り付けら
れる第1のOリング9形成材料としては、オレフィン系
ゴム、熱可塑性エラストマー等があげられる。具体的に
は、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−
プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、オレフィン系熱
可塑性エラストマー(TPO)、フッ素ゴム(FK
M)、シリコン系ゴム等が用いられる。上記EPDMに
おけるジエン系成分としては、特に限定はないが、炭素
数5〜20のジエン系モノマーが好ましく、具体的に
は、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、
1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘ
キサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘ
キサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエ
ン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(E
NB)、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタ
リル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノ
ルボルネン等があげられる。なお、上記第1のOリング
9形成材料には、水無抽出性という観点から、金属酸化
物等の受酸剤を用いないことが好ましい。
【0026】さらに、上記第1のOリング9形成材料で
あるエラストマーとして、100℃の純水におけるイオ
ン抽出量が0.1ppm以下となる特性〔特性(D)〕
を有していなければならない。特に好ましくはイオン抽
出量が0.05ppm以下である。すなわち、イオン抽
出量が0.1ppmを超えると、燃料電池自動車におけ
るメタノール改質でのシステム(触媒)を汚染し、発電
や改質効率および寿命を著しく悪化させるからである。
この100℃におけるイオン抽出量は、例えば、つぎの
ようにして測定される。すなわち、エラストマー50g
を純水300mlに投入し、これをテフロン製密閉容器
に入れ、100℃で72時間熱処理した後、溶出したイ
オン量を金属元素、無機元素(炭素、窒素、酸素を除
く)についてはICP発光分光法、ハロゲン化物イオン
やリン酸イオン、硫酸イオンについてはイオンクロマト
グラフ法を用いて測定する。なお、上記第1のOリング
9形成材料であるエラストマーからのイオン抽出量の対
象となるイオンとは、陽イオンではリチウム、ベリリウ
ム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウ
ム、鉄、ニッケル、亜鉛等の金属イオンがあげられる。
また、陰イオンではハロゲン化物イオン、リン酸イオ
ン、硫酸イオンがあげられる。
【0027】また、上記収容部7内の出口側内周面に取
り付けられる第2のOリング10形成材料としては、ブ
チルゴム(IIR)や、塩化ブチルゴム(Cl−II
R)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)等のハロゲン
化ブチルゴム、EPDM等があげられる。特に好ましく
はバリア性、低透過性という観点からIIR、ハロゲン
化ブチルゴムである。
【0028】上記第1および第2のOリング9,10形
成材料となるゴム材料には、加工助剤、老化防止剤、補
強剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加
硫遅延剤、充填剤等を必要に応じて適宜配合しても差し
支えない。
【0029】上記加工助剤としては、例えば、ステアリ
ン酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、炭化水素樹脂等
があげられる。
【0030】上記老化防止剤としては、例えば、フェニ
レンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、
ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止
剤、ワックス類等があげられる。
【0031】上記補強剤としては、例えば、カーボンブ
ラック、ホワイトカーボン等があげられる。
【0032】上記可塑剤としては、例えば、ジオクチル
フタレート(DOP),ジブチルフタレート(DBP)
等のフタル酸系可塑剤、ジブチルカルビトールアジペー
ト,ジオクチルアジペート(DOA)等のアジピン酸系
可塑剤、セバシン酸ジオクチル(DOS),セバシン酸
ジブチル(DBS)等のセバシン酸系可塑剤等があげら
れる。
【0033】上記加硫剤としては、例えば、硫黄、モル
ホリン、ジスルフィド等の硫黄化合物、有機過酸化物等
があげられる。
【0034】上記加硫促進剤としては、例えば、チアゾ
ール系促進剤、チウラム系促進剤、スルフェンアミド系
促進剤等があげられる。
【0035】上記加硫促進助剤としては、例えば、活性
亜鉛華、酸化マグネシウム等があげられる。
【0036】上記加硫遅延剤としては、例えば、N−
(シクロヘキシルチオ)フタルイミド等があげられる。
【0037】上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク等があげられ
る。
【0038】本発明の樹脂製コネクタは、例えば、つぎ
のようにして得られる。すなわち、上記成形材料である
樹脂に必要に応じて導電剤等の各種添加剤を配合し混合
して、所定形状にインジェクション成形することにより
ハウジング部を作製する。一方、上記第1および第2の
Oリング、さらにこれらOリングの両者間に介在される
スペーサーを従来公知の方法によりそれぞれ作製する。
あるいは、上記第1および第2のOリングを一体成形し
てもよい。
【0039】上記スペーサー形成材料としては、特に限
定するものではなく従来公知のもの、例えば、PA6、
PA66、PA11、PA12、PA6T、PA9T、
PPS等のガラス強化材があげられる。
【0040】上記ハウジング部の大きさは、挿入部に挿
入し取り付けられるホースの内径および収容部に収容さ
れるパイプの外径等により適宜設定される。
【0041】つぎに、上記のようにして作製されたハウ
ジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリングを、
またハウジング部の収容部出口側内周面に第2のOリン
グをそれぞれスペーサーを介して取り付けることにより
樹脂製コネクタが得られる(図1参照)。
【0042】そして、本発明の樹脂製コネクタは、例え
ば、図2に示すように、3層構造のホース15の一端部
に、複数の環状隆起部が形成された挿入部6を嵌挿し取
り付けることによりホース15を連結することができ
る。図2において、16はホース15と樹脂製コネクタ
5との間に設けられたOリングである。
【0043】上記ホース15に樹脂製コネクタ5を嵌挿
し締結する際には、ホース15の緊迫力を用いた圧入作
業にて行われる。さらに、必要に応じてホース15と樹
脂製コネクタ5との間には上記Oリング16以外に、弾
性コーティング材、シーリング材を用いることもでき
る。
【0044】上記Oリング16形成材料としては、先に
述べた第1のOリング9および第2のOリング10形成
材料と同様のものを用いることが好ましく、特に好まし
くは第1のOリング9形成材料を用いることである。
【0045】上記弾性コーティング材としては、上記第
1のOリング9と同様の材料等があげられる。
【0046】また、上記シーリング材としては、上記第
1のOリング9と同様の材料等があげられる。
【0047】本発明の樹脂製コネクタでは、その一端の
挿入部にホースが接続され、他端の収容部には締結対象
部材のパイプが直接圧入して接続される。
【0048】本発明の樹脂製コネクタは、例えば、つぎ
のような態様にて用いられる。すなわち、図3に示すよ
うに、上記樹脂製コネクタ5の挿入部6にホース15が
接続され、また樹脂製コネクタ5の収容部7内にパイプ
20が挿入され、ホース15とパイプ20とが本発明の
樹脂製コネクタ5を介して接続されることとなる。上記
パイプ20の端部外周にはリテーナー22が嵌挿され、
リテーナー22に設けられた一対のストッパー部22a
が、収容部7に設けられた開口7dに係合してハウジン
グ部8に着脱可能に保持されている。
【0049】本発明の樹脂製コネクタは、例えば、メタ
ノールを燃料とする自動車の燃料輸送機関の接続部分に
好適に用いられる。
【0050】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0051】
【実施例1】〔ハウジング部および2個のOリングの作
製〕ハウジング部形成材料としてPPS(大日本インキ
社製、FZ−2200−A5)を準備するとともに、2
種類のOリング形成材料としてEPDM(第1のOリン
グ形成材料)(住友化学工業社製、エスプレン501
A)とCl−IIR(第2のOリング形成材料)(JS
R社製、クロロブチル1066)を準備した。
【0052】まず、上記ハウジング部形成材料であるP
PSを用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=
300℃、Z2=320℃、Z3=340℃、ノズル=
330℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成
形した。
【0053】一方、上記2種類のOリング形成材料であ
るEPDM(第1のOリング形成材料)とCl−IIR
(第2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにし
て2個のOリングを作製した。すなわち、EPDMは加
硫剤として過酸化物を用いてプレス加硫160℃×45
分間、Cl−IIRはフェノール樹脂系加硫剤を用いて
プレス加硫160℃×45分間に設定することにより2
個のOリングを作製した。
【0054】そして、上記ハウジング部の収容部内の奥
側内周面に第1のOリング(外径11mm)を、また上
記収容部内の出口側内周面に第2のOリング(外径11
mm)を、PA66 GF30製スペーサーを介して取
り付けることにより図1に示す樹脂製コネクタ5を作製
した。
【0055】さらに、PA6・12製リテーナー、PP
S製ブッシュをそれぞれ公知の方法により製造し準備し
た。
【0056】
【実施例2】〔ハウジング部および2個のOリングの作
製〕ハウジング部形成材料として30重量%のガラスフ
ァイバー含有のPPS(大日本インキ社製、Z230)
を準備するとともに、2種類のOリング形成材料として
EPDM(第1のOリング形成材料)(住友化学工業社
製、エスプレン501A)とBr−IIR(第2のOリ
ング形成材料)(JSR社製、プロモブチル2255)
を準備した。
【0057】まず、上記ハウジング部形成材料であるガ
ラスファイバー含有PPSを用いてインジェクション成
形(成形条件:Z1=310℃、Z2=330℃、Z3
=340℃、ノズル=330℃)により図1に示す形状
のハウジング部8を成形した。
【0058】一方、上記2種類のOリング形成材料であ
るEPDM(第1のOリング形成材料)とBr−IIR
(第2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにし
て2個のOリングを作製した。すなわち、成形条件とし
て、ともに160℃×45分間でプレス加硫成形するこ
とにより2個のOリングを作製した。
【0059】そして、上記実施例1と同様にして、図1
に示す樹脂製コネクタ5を作製するとともに、リテーナ
ーおよびブッシュを準備した。
【0060】
【実施例3】〔ハウジング部および2個のOリングの作
製〕ハウジング部形成材料として、40重量%のガラス
ファイバー含有のPPS(大日本インキ社製、Z23
0)を準備するとともに、2種類のOリング形成材料と
してEPDM(第1のOリング形成材料)(住友化学工
業社製、エスプレン501A)とIIR(第2のOリン
グ形成材料)(JSR社製、ブチル365)を準備し
た。
【0061】まず、上記ハウジング部形成材料であるガ
ラスファイバー含有PPSを用いてインジェクション成
形(成形条件:Z1=320℃、Z2=340℃、Z3
=345℃、ノズル=340℃)により図1に示す形状
のハウジング部8を成形した。
【0062】一方、上記2種類のOリング形成材料であ
るEPDM(第1のOリング形成材料)とIIR(第2
のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにして2個
のOリングを作製した。すなわち、EPDMは加硫剤と
して過酸化物を用いてプレス加硫160℃×45分間、
IIRはフェノール樹脂系加硫剤を用いてプレス加硫1
60℃×45分間に設定することにより2個のOリング
を作製した。
【0063】そして、上記実施例1と同様にして、図1
に示す樹脂製コネクタ5を作製するとともに、リテーナ
ーおよびブッシュを準備した。
【0064】
【実施例4】〔ハウジング部および2個のOリングの作
製〕ハウジング部形成材料として30重量%のガラスフ
ァイバー(日東紡績社製、T−ガラス)含有のPBN
(東洋紡社製、ペルプレン)を準備するとともに、2種
類のOリング形成材料としてEPDM(第1のOリング
形成材料)(住友化学工業社製、エスプレン501A)
とCl−IIR(第2のOリング形成材料)(JSR社
製、クロロブチル1066)を準備した。
【0065】まず、上記ハウジング部形成材料であるガ
ラスファイバー含有PBNを用いてインジェクション成
形(成形条件:Z1=250℃、Z2=270℃、Z3
=290℃、ノズル=280℃)により図1に示す形状
のハウジング部8を成形した。
【0066】一方、上記2種類のOリング形成材料であ
るEPDM(第1のOリング形成材料)とCl−IIR
(第2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにし
て2個のOリングを作製した。すなわち、EPDMは加
硫剤として過酸化物を用いてプレス加硫160℃×45
分間、Cl−IIRはフェノール樹脂系加硫剤を用いて
プレス加硫160℃×45分間に設定することにより2
個のOリングを作製した。
【0067】そして、上記実施例1と同様にして、図1
に示す樹脂製コネクタ5を作製するとともに、リテーナ
ーおよびブッシュを準備した。
【0068】
【実施例5】〔ハウジング部および2個のOリングの作
製〕ハウジング部形成材料として、PA6T(三井化学
社製、アーレンSC2002SH1を準備するととも
に、2種類のOリング形成材料として、シリコン(信越
化学社製、KE552BU)(第1のOリング形成材
料)と、Cl−IIR(JSR社製、クロロブチル10
66)(第2のOリング形成材料)を準備した。
【0069】まず、上記ハウジング部形成材料であるP
A6Tを用いてインジェクション成形(成形条件:Z1
=310℃、Z2=320℃、Z3=320℃、ノズル
=320℃)により図1に示す形状のハウジング部8を
成形した。
【0070】一方、上記2種類のOリング形成材料であ
るシリコン(第1のOリング形成材料)とCl−IIR
(第2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにし
て2個のOリングを作製した。すなわち、シリコンは1
70℃×10分間のプレス加硫の後、200℃×4時間
(オーブン中)で、またCl−IIRはフェノール樹脂
系加硫剤を用いてプレス加硫160℃×45分間に設定
することにより2個のOリングを作製した。
【0071】そして、上記実施例1と同様にして、図1
に示す樹脂製コネクタ5を作製するとともに、リテーナ
ーおよびブッシュを準備した。
【0072】
【比較例1】〔ハウジング部および2個のOリングの作
製〕ハウジング部形成材料として、30重量%のガラス
ファイバー含有のポリアミド樹脂(アトフィナ社製、R
ilsan AZM30NOIR T6LD)を準備し
た。また、2種類のOリング製品、すなわち、第1のO
リングとしてFKMからなるOリング(エヌオーケー社
製、F201)と、第2のOリングとしてFVMQから
なるOリング(エヌオーケー社製、S924)を準備し
た。
【0073】まず、上記ハウジング部形成材料であるガ
ラスファイバー含有ポリアミド樹脂を用いてインジェク
ション成形(成形条件:Z1=190℃、Z2=210
℃、Z3=220℃、ノズル=210℃)により図1に
示す形状のハウジング部8を成形した。
【0074】そして、上記実施例1と同様にして、図1
に示す樹脂製コネクタ5を作製するとともに、リテーナ
ーおよびブッシュを準備した。
【0075】
【比較例2】〔ハウジング部および2個のOリングの作
製〕ハウジング部形成材料として、30重量%のガラス
ファイバー含有のポリアミド樹脂(アトフィナ社製、R
ilsan AZM30NOIR T6LD)を準備す
るとともに、2個のOリング形成材料としてCl−II
R(JSR社製、クロロブチル1066)を準備した。
【0076】まず、上記ハウジング部形成材料であるガ
ラスファイバー含有ポリアミド樹脂を用いてインジェク
ション成形(成形条件:Z1=190℃、Z2=210
℃、Z3=220℃、ノズル=210℃)により図1に
示す形状のハウジング部8を成形した。
【0077】一方、上記2個のOリング形成材料である
Cl−IIRを用いて、つぎのようにして2個のOリン
グを作製した。すなわち、Cl−IIRはフェノール樹
脂系加硫剤を用いて160℃×45分間でプレス加硫成
形することにより成形した。
【0078】そして、上記実施例1と同様にして、図1
に示す樹脂製コネクタ5を作製するとともに、リテーナ
ーおよびブッシュを準備した。
【0079】
【比較例3】〔ハウジング部および2個のOリングの作
製〕ハウジング部形成材料として、ポリアミド樹脂(東
レ社製、アミランCM3007)を準備した。また、2
個のOリング製品であるNBR製のOリング(日本バル
カ社製、B2070)を準備した。
【0080】まず、上記ハウジング部形成材料であるポ
リアミド樹脂を用いてインジェクション成形(成形条
件:Z1=270℃、Z2=290℃、Z3=290
℃、ノズル=280℃)により図1に示す形状のハウジ
ング部8を成形した。
【0081】そして、上記実施例1と同様にして、図1
に示す樹脂製コネクタ5を作製するとともに、リテーナ
ーおよびブッシュを準備した。
【0082】
【比較例4】〔ハウジング部および2個のOリングの作
製〕ハウジング部形成材料として、ポリアセタール(P
OM:ポリプラスチック社製、ジュラコンM90−4
4)を準備するとともに、2個のOリング形成材料とし
てEPDM(住友化学工業社製、エスプレン501A)
を準備した。
【0083】まず、上記ハウジング部形成材料であるP
OMを用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=
180℃、Z2=190℃、Z3=195℃、ノズル=
190℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成
形した。
【0084】一方、上記2個のOリング形成材料である
EPDMを用いて、つぎのようにして2個のOリングを
作製した。すなわち、EPDMは加硫剤として過酸化物
を用いて160℃×45分間でプレス加硫成形すること
により成形した。
【0085】そして、上記実施例1と同様にして、図1
に示す樹脂製コネクタ5を作製するとともに、リテーナ
ーおよびブッシュを準備した。
【0086】さらに、PA6・12製リテーナー、PA
66 GF30製ブッシュをそれぞれ公知の方法により
製造し準備した。
【0087】
【比較例5】ハウジング部形成材料として、PA6・1
2(デュポン社製、ザイテル153HS−L)を準備す
るとともに、2種類のOリング形成材料として、シリコ
ン(信越化学社製、KE650U)(第1のOリング形
成材料)と、シリコン(信越化学社製、KE650U)
(第2のOリング形成材料)を準備した。
【0088】まず、上記ハウジング部形成材料であるP
A6・12を用いてインジェクション成形(成形条件:
Z1=230℃、Z2=240℃、Z3=250℃、ノ
ズル=240℃)により図1に示す形状のハウジング部
8を成形した。
【0089】一方、上記2種類のOリング形成材料であ
るシリコン(第1のOリング形成材料)とシリコン(第
2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにして2
個のOリングを作製した。すなわち、シリコンを170
℃×10分間のプレス加硫ののち、2次加硫200℃×
4時間(オーブン中)を行うことにより成形した。
【0090】そして、上記実施例1と同様にして、図1
に示す樹脂製コネクタ5を作製するとともに、リテーナ
ーおよびブッシュを準備した。
【0091】このようにして得られた実施例および比較
例について、ハウジング部形成材料について、(A)8
0℃におけるヘリウム透過率、(B)80℃における透
水率、(C)100℃の純水におけるイオン抽出量を先
に述べた方法に従って測定した。また、第1のOリング
形成材料について、(D)100℃の純水におけるイオ
ン抽出量を先に述べた方法に従って測定した。さらに、
実施例および比較例の各樹脂製コネクタにおける水素透
過量(ヘリウム透過量)、透水量、純水のイオン抽出量
について下記の方法に従って測定し評価した。これらの
結果を後記の表1〜表2に併せて示す。
【0092】〔ヘリウム透過量(水素透過量)〕2個の
樹脂製コネクタのそれぞれの挿入部に線径2mmのそれ
ぞれのゴム製Oリングに対し、25%の圧縮率となるよ
う金属パイプに組み付けた。
【0093】つぎに、図4に示すように、ステンレス製
チューブ29の両端に上記2個の樹脂製コネクタ30,
31の挿入部30a,31aをそれぞれ圧入した。この
とき、樹脂製コネクタ30,31の挿入部30a,31
a同士はチューブ29内で接触しており、ステンレス製
チューブ29における液接触部分はゼロとなるようにし
た。そして、上記2個の樹脂製コネクタ30,31の一
方のコネクタ30の収容部30bには、外径8mmの金
属製パイプ32を収容し、その金属製パイプ32の端部
を栓33を用いて密栓した。また、他の樹脂製コネクタ
31の収容部31bには、圧力計34とバルブ35を備
えたパイプ36を挿入し固定した。
【0094】そして、23℃において、1.0MPaの
ヘリウムをパイプ36を通して封入し、80℃で2週間
熱処理した後、再び23℃における圧力を測定し、ガス
が理想気体であると仮定してヘリウムガスの透過量を重
量変化で算出した。これを水素透過量とした。
【0095】〔透水量〕2個の樹脂製コネクタのそれぞ
れの挿入部に線径2mmのそれぞれのゴム製Oリングに
対し、25%の圧縮率となるよう金属パイプに組み付け
た。
【0096】つぎに、図5に示すように、ステンレス製
チューブ29の両端に上記2個の樹脂製コネクタ30,
31の挿入部30a,31aをそれぞれ圧入した。この
とき、樹脂製コネクタ30,31の挿入部30a,31
a同士はチューブ29内で接触しており、ステンレス製
チューブ29における液接触部分はゼロとなるようにし
た。そして、上記2個の樹脂製コネクタ30,31の一
方のコネクタ30の収容部30bには、外径8mmの金
属製パイプ32を収容し、その金属製パイプ32の端部
を栓33を用いて密栓した。また、他の樹脂製コネクタ
31の収容部31bには、他端部に100ccの液が入
る金属製タンク40を備えた外径8mmの金属製パイプ
41を挿入し固定した。
【0097】そして、上記金属製タンク40内に純水を
投入し樹脂製コネクタ30,31内部に充填させて、8
0℃雰囲気下1週間の条件で前処理した後、2週間目の
透過量を重量変化で測定した。
【0098】〔純水のイオン抽出量〕図6に示すよう
に、ステンレス製チューブ29の両端に、上記2個の樹
脂製コネクタ30,31の挿入部30a,31aをそれ
ぞれ圧入した。このとき、樹脂製コネクタ30,31の
挿入部30a,31a同士は上記ステンレス製チューブ
29内で接触しており、ステンレス製チューブ29にお
ける液接触部分はゼロとなるようにした。そして、上記
2個の樹脂製コネクタ30,31の一方のコネクタ30
の収容部30bに、外径8mmのテフロン製切削パイプ
50を収容し密栓した。また、もう一方の樹脂製コネク
タ31の収容部31b側より水を投入し、収容部31b
に外径8mmのテフロン製切削パイプ51を収容する際
に生ずる内部容積の90%を水で充填させた。それか
ら、収容部31bに外径8mmのテフロン製切削パイプ
51を収容して密栓し、100℃雰囲気下72時間の条
件で熱処理した後、その抽出液をICP発光分光法およ
びイオンクロマトグラフ法を用いて測定した。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】上記表1〜表2の結果、実施例品は水素透
過量、透水量、純水のイオン抽出量の全てにおいて比較
例品に比べて非常に少なかった。このことからも、実施
例品は水素ガスや水蒸気に対する優れたバリア性を備
え、かつイオン抽出物の少ないものであることがわか
る。
【0102】これに対して、比較例品はいずれも水素透
過量、透水量、純水のイオン抽出量の全ての値が多く水
素ガスや水蒸気に対するバリア性に劣っていることがわ
かる。
【0103】
【発明の効果】以上のように、本発明の樹脂製コネクタ
は、一端側がホース内部に挿入される挿入部に形成され
ているとともに、他端側が締結対象部材を内部に収容す
る収容部に形成されてなる略筒状のハウジング部と、そ
のハウジング部内に取り付けられた2個一組のOリング
とを備えている。そして、上記ハウジング部が、上記特
性(A)〜(C)を備えた樹脂組成物硬化体によって形
成され、かつ2個一組のOリングのうち収容部内の奥側
内周面に取り付けられた第1のOリングが上記特性
(D)を備えたエラストマーによって形成されている。
このため、コネクタ全体が水素ガスや水蒸気に対して優
れたバリア性を備えている。しかも、イオン抽出物が少
なく燃料電池自動車における燃料電池の配管継手に有用
である。
【0104】そして、上記ハウジング部が、ポリフェニ
レンサルファイドまたはポリブチレンナフタレートによ
って形成されていると、水素ガスや純水に対して一層優
れたバリア性を奏するようになる。
【0105】また、上記第1のOリングが、オレフィン
系ゴムまたは熱可塑性エラストマーによって形成されて
いると、水素ガスや純水に対して一層優れたバリア性を
奏するようになる。
【0106】さらに、上記第1のOリングが、受酸剤を
用いないエチレン−プロピレンゴム(EPR)または受
酸剤を用いないエチレン−プロピレン−ジエンゴム(E
PDM)によって形成されていると、燃料電池部に使用
される触媒および電解質膜の汚染がなく燃料電池の性能
低下を防止できるようになる。
【0107】そして、上記2個一組のOリングのうち上
記収容部内の出口側内周面に取り付けられた第2のOリ
ングが、ブチルゴムまたはハロゲン化ブチルゴムによっ
て形成されていると、より一層高い気密性を有するよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂製コネクタの一例を示す一部断面
正面図である。
【図2】本発明の樹脂製コネクタをホースに連結した状
態を示す一部断面正面図である。
【図3】本発明の樹脂製コネクタにパイプを連結した状
態を示す一部断面正面図である。
【図4】樹脂製コネクタの水素透過量の測定方法を示す
模式図である。
【図5】樹脂製コネクタの純水透過量の測定方法を示す
模式図である。
【図6】樹脂製コネクタの純水イオン抽出量の測定方法
を示す模式図である。
【符号の説明】
5 樹脂製コネクタ 6 挿入部 7 収容部 8 ハウジング部 9 第1のOリング 10 第2のOリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡戸 芳男 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 3H019 FA16 3J040 AA01 BA02 CA02 EA16 FA05 HA07 3J106 AB01 BA01 BB01 BC04 BE13 BE19 BE40 CA11 EA03 EB02 EC01 EC07 ED05 EE02 EF05 5H026 AA06 5H027 AA06 BA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側がホース内部に挿入される挿入部
    に形成されているとともに、他端側が締結対象部材を内
    部に収容する収容部に形成されてなる略筒状のハウジン
    グ部と、そのハウジング部内に取り付けられた2個一組
    のOリングとを備えた樹脂製コネクタであって、上記ハ
    ウジング部が、下記の特性(A)〜(C)を備えた樹脂
    組成物硬化体によって形成され、かつ上記2個一組のO
    リングのうち上記収容部内の奥側内周面に取り付けられ
    た第1のOリングが、下記の特性(D)を備えたエラス
    トマーによって形成されていることを特徴とする樹脂製
    コネクタ。 (A)80℃におけるヘリウム透過率が5×10-10
    3 ・cm/cm2 ・sec・cmHg以下である。 (B)80℃における透水率が2mg・mm/cm2
    day以下である。 (C)100℃の純水におけるイオン抽出量が1ppm
    以下である。 (D)100℃の純水におけるイオン抽出量が0.1p
    pm以下である。
  2. 【請求項2】 上記ハウジング部が、ポリフェニレンサ
    ルファイドまたはポリブチレンナフタレートによって形
    成されている請求項1記載の樹脂製コネクタ。
  3. 【請求項3】 上記第1のOリングが、オレフィン系ゴ
    ムまたは熱可塑性エラストマーによって形成されている
    請求項1または2記載の樹脂製コネクタ。
  4. 【請求項4】 上記第1のOリングが、受酸剤を用いな
    いエチレン−プロピレンゴムまたは受酸剤を用いないエ
    チレン−プロピレン−ジエンゴムによって形成されてい
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂製コネク
    タ。
  5. 【請求項5】 上記2個一組のOリングのうち上記収容
    部内の出口側内周面に取り付けられた第2のOリング
    が、ブチルゴムまたはハロゲン化ブチルゴムによって形
    成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂
    製コネクタ。
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