JP3747784B2 - 樹脂製コネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料としてメタノールを用いる自動車の燃料輸送の配管に用いられる樹脂製コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車におけるガソリン等の燃料を搬送する配管装置に用いられるコネクタのボディ(ハウジング)としては、強度の大きい合成樹脂、例えば、ガラス繊維を配合したポリアミドを用いて形成されたものが提案されている(特開平8−233181号公報等)。
【0003】
一方、近年、環境問題や石油の枯渇問題により、次世代車両として燃料電池自動車の開発が盛んに進められている。このような燃料電池自動車に使用される配管継手においては、流体への金属イオンおよびハロゲンイオンの抽出はシステム(触媒)を汚染し、発電や改質効率および寿命を著しく悪化させることとなる。また、配管継手としては、流体のバリア性およびシール性は従来と同様重要な基本特性である。
【0004】
このような燃料電池自動車としては、電池自体の最終燃料には水素ガスが用いられるが、気体でありハンドリングの問題、インフラの整備上の問題より、液体燃料を車載上で水素ガスに改質し、水素ガスを発生するシステムが検討されている。その液体燃料として水素ガスに改質が比較的容易なメタノールが主に検討されている。上記メタノールを燃料として使用するシステムは、例えば、メタノール貯蔵用タンクから燃料ホースを通じてメタノールは改質器に送られ、この改質器によって改質された水素ガスがエンジン部に送られエンジンの駆動に供せられるというシステムが提案され、上記メタノールの改質器等の水素発生装置の搭載が有力視されている。このような配管には、メタノール配管と純水配管とがあり、また電池から発生した純水を再利用するための配管があげられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
現状のガソリン自動車では、簡易組み付け性を考慮して、上記のようなクイックコネクタが配管継手として広く使用されている。この場合、燃料がガソリンであることから、流体であるガソリンに接触する部分は炭化水素に耐性があり、成形が容易である上記ポリアミド樹脂やそれに補強剤等が配合されたものが成形材料として用いられている。また、クイックコネクタ内に取り付けられるシール材としては、フッ素ゴム(FKM)、フロロシリコンゴム(FVMQ)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等の炭化水素に対するバリア性の高いエラストマーで成形されたOリングを使用するのが一般的である。
【0006】
しかしながら、上記燃料電池自動車における配管継手においては、流体がガソリンではなくメタノールや純水であり、上記のようなポリアミド樹脂やそれに補強剤等が配合されたものではバリア性が不足している。このため、バリア性確保のために、例えば、配管継手を金属材料で形成することが考えられるが、腐食対策や金属イオン抽出の対策が必要となり、貴金属類のメッキ等高価な表面処理が必要となってくるという問題がある。さらに、上記Oリングに関しては、FKM、FVMQ、NBR等のエラストマーはメタノールや純水による抽出が多く、触媒汚染が問題となる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、メタノールや純水に対するバリア性に優れ、かつ抽出物の少ない樹脂製コネクタの提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の樹脂製コネクタは、一端側がホース内部に挿入される挿入部に形成されているとともに、他端側が締結対象部材を内部に収容する収容部に形成されてなる略筒状のハウジング部と、そのハウジング部内に取り付けられた2個一組のOリングとを備えた樹脂製コネクタであって、上記ハウジング部が、下記の特性(A)〜(C)を備えた樹脂組成物硬化体によって形成され、かつ上記2個一組のOリングのうち上記収容部内の奥側内周面に取り付けられた第1のOリングが、下記の特性(D)を備えた、受酸剤を用いないエチレン−プロピレンゴムまたは受酸剤を用いないエチレン−プロピレン−ジエンゴムによって形成されているという構成をとる。
(A)60℃におけるメタノール透過率が5mg・mm/cm2 /day以下である。
(B)80℃における透水率が2mg・mm/cm2 /day以下である。
(C)100℃の純水におけるイオン抽出量が1ppm以下である。
(D)100℃の純水におけるイオン抽出量が0.1ppm以下である。
【0009】
すなわち、本発明者らは、メタノールや純水に対するバリア性に優れ、しかも抽出物の少ない樹脂製コネクタを得るために鋭意検討を重ねた。そして、上記課題を解決するために、樹脂製コネクタのハウジング部およびシール材であるOリングの各物性を中心に研究を行った結果、上記ハウジング部を、上記特性(A)〜(C)を備えた樹脂組成物硬化体で形成し、かつ2個一組のOリングのうち収容部内の奥側内周面に取り付けられた第1のOリングを上記特性(D)を備えた上記特定のエラストマーにより形成すると、メタノールや純水に対して優れたバリア性を有し、しかもイオン抽出物の少ない樹脂製コネクタが得られることを見出し本発明に到達した。
【0010】
また、上記第1のOリングが、受酸剤を用いないエチレン−プロピレンゴム(EPR)または受酸剤を用いないエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)によって形成されているため、燃料電池の触媒および電解質膜、改質器に影響を与える金属イオンやハロゲンイオンの抽出がなくなるようになる。
【0011】
さらに、上記2個一組のOリングのうち上記収容部内の出口側内周面に取り付けられた第2のOリングが、ブチルゴムまたはハロゲン化ブチルゴムによって形成されていると、より一層高い気密性を有するようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0013】
本発明の樹脂製コネクタ5は、図1に示すように、接続されるホース内部に挿入される挿入部6と締結対象部材を内部に収容する収容部7とが形成されたハウジング部8と、上記収容部7内の奥側内周面に取り付けられた第1のOリング9と、上記収容部7内の出口側内周面に取り付けられた第2のOリング10とを備えている。そして、上記挿入部6表面には複数の環状隆起部が形成され、また上記収容部7内部は、内部に向かうにつれ第1の径部7a、第2の径部7b、第3の径部7cと内径が3段階に絞られ小さくなるよう形成されている。図1において、11は上記第1のOリング9と第2のOリング10との間に設けられたスペーサーである。また、22は締結対象部材であるパイプ等を樹脂製コネクタに保持させるためのリテーナーであり、このリテーナー22には一対のストッパー部22aが設けられている。そして、このストッパー部22aは開口7dに係合してハウジング部8に着脱可能に保持されている。さらに、21は上記2個一組のOリング9,10を収容部7内に保持して、締結対象部材であるパイプ等が挿通する孔を有する環状のブッシュであり、収容部7内に嵌着されている。
【0014】
上記リテーナー22形成材料としては、特に限定するものではなく従来公知のもの、例えば、PA6、PA66、PA11、PA12、PA6・12等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂等の靱性を有する樹脂、SUS等の金属等があげられる。
【0015】
上記ブッシュ21形成材料としては、特に限定するものではなく従来公知のもの、例えば、PA6、PA66、芳香族ポリアミド(PPA)等のガラス強化材等があげられる。
【0016】
上記樹脂製コネクタ5のハウジング部8は、下記の特性(A)〜(C)を備えた樹脂組成物硬化体によって形成されていなければならない。
(A)60℃におけるメタノール透過率が5mg・mm/cm2 /day以下である。
(B)80℃における透水率が2mg・mm/cm2 /day以下である。
(C)100℃の純水におけるイオン抽出量が1ppm以下である。
【0017】
上記特性(A)についてより詳しく説明すると、60℃のメタノールに対する上記樹脂組成物硬化体のメタノール透過率が5mg・mm/cm2 /day以下でなければならない。特に好ましくは60℃におけるメタノール透過率が1.5mg・mm/cm2 /day以下である。すなわち、メタノール透過率が5mg・mm/cm2 /dayを超えると、メタノールに対するバリア性不足となり、燃料電池自動車における配管継手としては不適となるからである。この60℃におけるメタノール透過率は、例えば、つぎのようにして算出される。すなわち、樹脂組成物を用い公知のインジェクション成形にて厚み1mmのシートを作製する。ついで、カップ法(容積130cm3 中に100cm3 のメタノールを投入する。液接触面積34.2cm2 )により60℃の温度にて120時間の前処理後、120〜240時間に透過した量を測定することにより算出する。
【0018】
上記特性(B)についてより詳しく説明すると、80℃の純水に対する上記樹脂組成物硬化体の透水率が2mg・mm/cm2 /day以下でなければならない。特に好ましくは80℃における透水率が1mg・mm/cm2 /day以下である。すなわち、透水率が2mg・mm/cm2 /dayを超えると、純水に対するバリア性不足となり、燃料電池自動車における配管継手としては不適となるからである。この80℃における透水率は、例えば、つぎのようにして算出される。すなわち、樹脂組成物を用い公知のインジェクション成形にて厚み1mmのシートを作製する。ついで、カップ法(容積130cm3 中に100cm3 の純水を投入する。液接触面積34.2cm2 )により80℃の温度にて120時間の前処理後、120〜240時間に透過した量を測定することにより算出する。
【0019】
上記特性(C)についてより詳しく説明すると、100℃の純水における上記樹脂組成物硬化体からのイオン抽出量が1ppm以下でなければならない。特に好ましくはイオン抽出量は0.1ppm以下である。すなわち、イオン抽出量が1ppmを超えると、燃料電池自動車におけるメタノール改質でのシステム(触媒)を汚染し、発電や改質効率および寿命を著しく悪化させるからである。この100℃におけるイオン抽出量は、例えば、つぎのようにして測定される。すなわち、樹脂組成物50gを純水300mlに投入し、これをテフロン製密閉容器に入れ、100℃で72時間熱処理した後、溶出したイオン量を、金属元素、無機元素(炭素、窒素、酸素を除く)については誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下「ICP発光分光法」という)、ハロゲン化物イオンやリン酸イオン、硫酸イオンについてはイオンクロマトグラフ法を用いて測定する。なお、上記樹脂組成物硬化体からのイオン抽出量の対象となるイオンとは、陽イオンではリチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、鉄、ニッケル、亜鉛等の金属イオンがあげられる。また、陰イオンではハロゲン化物イオン、リン酸イオン、硫酸イオンがあげられる。
【0020】
上記特性(A)〜(C)を備えた樹脂組成物硬化体を形成する樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)や、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)等の各種フッ素樹脂、ポリエチレンサルファイド(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)等があげられる。そして、このような各種樹脂において、特に分子量20000〜100000の高分子量樹脂を用いることが好ましい。なかでも、成形加工性という点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)を用いることが特に好ましい。
【0021】
そして、上記樹脂組成物には、導電剤、補強剤等各種添加剤を配合することができる。
【0022】
上記導電剤としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、カーボンブラック等があげられる。そして、これら導電剤の配合量は樹脂組成物全体中の2〜18重量%の範囲に設定することが好ましい。すなわち、18重量%を超えると、導電性は安定するが、ハウジング部の成形性に劣るようになる傾向がみられるからである。
【0023】
上記補強剤としては、例えば、ガラスファイバー等があげられる。そして、上記補強剤の配合量は、樹脂組成物全体中の0〜50重量%の範囲に設定することが好ましい。
【0024】
上記収容部7内の奥側内周面に取り付けられる第1のOリング9形成材料としては、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)が用いられる。上記EPDMにおけるジエン系成分としては、特に限定はないが、炭素数5〜20のジエン系モノマーが好ましく、具体的には、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等があげられる。なお、上記第1のOリング9形成材料には、メタノールおよび水無抽出性という観点から、金属酸化物等の受酸剤を用いない。
【0025】
さらに、上記第1のOリング9形成材料であるエラストマーとして、100℃の純水におけるイオン抽出量が0.1ppm以下となる特性〔特性(D)〕を有していなければならない。特に好ましくはイオン抽出量が0.05ppm以下である。すなわち、イオン抽出量が0.1ppmを超えると、燃料電池自動車におけるメタノール改質でのシステム(触媒)を汚染し、発電や改質効率および寿命を著しく悪化させるからである。この100℃におけるイオン抽出量は、例えば、つぎのようにして測定される。すなわち、エラストマー50gを純水300mlに投入し、これをテフロン製密閉容器に入れ、100℃で72時間熱処理した後、溶出したイオン量を金属元素、無機元素(炭素、窒素、酸素を除く)についてはICP発光分光法、ハロゲン化物イオンやリン酸イオン、硫酸イオンについてイオンクロマトグラフ法を用いて測定する。なお、上記第1のOリング9形成材料であるエラストマーからのイオン抽出量の対象となるイオンとは、陽イオンではリチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、鉄、ニッケル、亜鉛等の金属イオンがあげられる。また、陰イオンではハロゲン化物イオン、リン酸イオン、硫酸イオンがあげられる。
【0026】
また、上記収容部7内の出口側内周面に取り付けられる第2のOリング10形成材料としては、ブチルゴム(IIR)や、塩化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)等のハロゲン化ブチルゴム、EPDM等があげられる。特に好ましくは低メタノール透過率、低透水率という観点からIIR、ハロゲン化ブチルゴムである。
【0027】
上記第1および第2のOリング9,10形成材料となるゴム材料には、加工助剤、老化防止剤、補強剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、充填剤等を必要に応じて適宜配合しても差し支えない。
【0028】
上記加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、炭化水素樹脂等があげられる。
【0029】
上記老化防止剤としては、例えば、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、ワックス類等があげられる。
【0030】
上記補強剤としては、例えば、カーボンブラック、ホワイトカーボン等があげられる。
【0031】
上記可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP),ジブチルフタレート(DBP)等のフタル酸系可塑剤、ジブチルカルビトールアジペート,ジオクチルアジペート(DOA)等のアジピン酸系可塑剤、セバシン酸ジオクチル(DOS),セバシン酸ジブチル(DBS)等のセバシン酸系可塑剤等があげられる。
【0032】
上記加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリン、ジスルフィド等の硫黄化合物、有機過酸化物等があげられる。
【0033】
上記加硫促進剤としては、例えば、チアゾール系促進剤、チウラム系促進剤、スルフェンアミド系促進剤等があげられる。
【0034】
上記加硫促進助剤としては、例えば、活性亜鉛華、酸化マグネシウム等があげられる。
【0035】
上記加硫遅延剤としては、例えば、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド等があげられる。
【0036】
上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク等があげられる。
【0037】
本発明の樹脂製コネクタは、例えば、つぎのようにして得られる。すなわち、上記成形材料である樹脂に必要に応じて導電剤等の各種添加剤を配合し混合して、所定形状にインジェクション成形することによりハウジング部を作製する。一方、上記第1および第2のOリング、さらにこれらOリングの両者間に介在されるスペーサーを従来公知の方法によりそれぞれ作製する。あるいは、上記第1および第2のOリングを一体成形してもよい。
【0038】
上記スペーサー形成材料としては、特に限定するものではなく従来公知のもの、例えば、PA6、PA66、PPA、PBT、PET、PE、PP等があげられる。
【0039】
上記ハウジング部の大きさは、挿入部に挿入し取り付けられるホースの内径および収容部に収容されるパイプの外径等により適宜設定される。
【0040】
つぎに、上記のようにして作製されたハウジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリングを、またハウジング部の収容部出口側内周面に第2のOリングをそれぞれスペーサーを介して取り付けることにより樹脂製コネクタが得られる(図1参照)。
【0041】
そして、本発明の樹脂製コネクタは、例えば、図2に示すように、3層構造のホース15の一端部に、複数の環状隆起部が形成された挿入部6を嵌挿し取り付けることによりホース15を連結することができる。図2において、16はホース15と樹脂製コネクタ5との間に設けられたOリングである。
【0042】
上記ホース15に樹脂製コネクタ5を嵌挿し締結する際には、ホース15の緊迫力を用いた圧入作業にて行われる。さらに、必要に応じてホース15と樹脂製コネクタ5との間には上記Oリング16以外に、弾性コーティング材、シーリング材を用いることもできる。
【0043】
上記Oリング16形成材料としては、先に述べた第1のOリング9および第2のOリング10形成材料と同様のものを用いることが好ましく、特に好ましくは第1のOリング9形成材料を用いることである。
【0044】
上記弾性コーティング材としては、上記第1のOリング9と同様の材料等があげられる。
【0045】
また、上記シーリング材としては、上記第1のOリング9と同様の材料等があげられる。
【0046】
本発明の樹脂製コネクタでは、その一端の挿入部にホースが接続され、他端の収容部には締結対象部材のパイプが直接圧入して接続される。
【0047】
本発明の樹脂製コネクタは、例えば、つぎのような態様にて用いられる。すなわち、図3に示すように、上記樹脂製コネクタ5の挿入部6にホース15が接続され、また樹脂製コネクタ5の収容部7内にパイプ20が挿入され、ホース15とパイプ20とが本発明の樹脂製コネクタ5を介して接続されることとなる。上記パイプ20の端部外周にはリテーナー22が嵌挿され、リテーナー22に設けられた一対のストッパー部22aが、収容部7に設けられた開口7dに係合してハウジング部8に着脱可能に保持されている。
【0048】
本発明の樹脂製コネクタは、例えば、メタノールを燃料とする自動車の燃料輸送機関の接続部分に好適に用いられる。
【0049】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0050】
【実施例1】
〔ハウジング部および2個のOリングの作製〕
ハウジング部形成材料としてPPS(大日本インキ社製、FZ−2200−A5)を準備するとともに、2種類のOリング形成材料としてEPDM(第1のOリング形成材料)(住友化学工業社製、エスプレン501A)とCl−IIR(第2のOリング形成材料)(JSR社製、クロロブチル1066)を準備した。
【0051】
まず、上記ハウジング部形成材料であるPPSを用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=300℃、Z2=320℃、Z3=340℃、ノズル=330℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成形した。
【0052】
一方、上記2種類のOリング形成材料であるEPDM(第1のOリング形成材料)とCl−IIR(第2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにして2個のOリングを作製した。すなわち、EPDMは加硫剤として過酸化物を用いてプレス加硫160℃×45分間、Cl−IIRはフェノール樹脂系加硫剤を用いてプレス加硫160℃×45分間に設定することにより2個のOリングを作製した。
【0053】
そして、上記ハウジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリング(外径11mm)を、また上記収容部内の出口側内周面に第2のOリング(外径11mm)を、PA66 GF30製スペーサーを介して取り付けることにより図1に示す樹脂製コネクタ5を作製した。
【0054】
さらに、PA6 ・12製リテーナー、PA12 GF30製ブッシュをそれぞれ公知の方法により製造し準備した。
【0055】
【実施例2】
〔ハウジング部および2個のOリングの作製〕
ハウジング部形成材料として30重量%のガラスファイバー含有のPPS(大日本インキ社製、Z230)を準備するとともに、2種類のOリング形成材料としてEPDM(第1のOリング形成材料)(住友化学工業社製、エスプレン501A)とBr−IIR(第2のOリング形成材料)(JSR社製、ブロモブチル2255)を準備した。
【0056】
まず、上記ハウジング部形成材料であるガラスファイバー含有PPSを用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=310℃、Z2=330℃、Z3=340℃、ノズル=330℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成形した。
【0057】
一方、上記2種類のOリング形成材料であるEPDM(第1のOリング形成材料)とBr−IIR(第2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにして2個のOリングを作製した。すなわち、成形条件として、ともに160℃×45分間でプレス加硫成形することにより2個のOリングを作製した。
【0058】
つぎに、上記ハウジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリング(外径11mm)を、また上記収容部内の出口側内周面に第2のOリング(外径11mm)を、PA66 GF30製スペーサーを介して取り付けることにより図1に示す樹脂製コネクタ5を作製した。
【0059】
さらに、PA6・12製リテーナー、PA12 GF30製ブッシュをそれぞれ公知の方法により製造し準備した。
【0060】
【実施例3】
〔ハウジング部および2個のOリングの作製〕
ハウジング部形成材料として、30重量%のガラスファイバー含有のPPS(大日本インキ社製、Z230)を準備するとともに、2種類のOリング形成材料としてEPDM(第1のOリング形成材料)(住友化学工業社製、エスプレン501A)とEPDM(第2のOリング形成材料)(住友化学工業社製、エスプレン501A)を準備した。
【0061】
まず、上記ハウジング部形成材料であるガラスファイバー含有PPSを用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=310℃、Z2=330℃、Z3=340℃、ノズル=330℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成形した。
【0062】
一方、上記2種類のOリング形成材料であるEPDM(第1のOリング形成材料)とEPDM(第2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにして2個のOリングを作製した。すなわち、成形条件として、ともに160℃×45分間でプレス加硫成形することにより2個のOリングを作製した。
【0063】
つぎに、上記ハウジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリング(外径11mm)を、また上記収容部内の出口側内周面に第2のOリング(外径11mm)を、PA66 GF30製スペーサーを介して取り付けることにより図1に示す樹脂製コネクタ5を作製した。
【0064】
さらに、PA6・12製リテーナー、PA12 GF30製ブッシュをそれぞれ公知の方法により製造し準備した。
【0065】
【実施例4】
〔ハウジング部および2個のOリングの作製〕
ハウジング部形成材料として30重量%のガラスファイバー(日東紡績社製、T−ガラス)含有のPP(住友化学工業社製、ノーブレン)を準備するとともに、2種類のOリング形成材料としてEPDM(第1のOリング形成材料)(住友化学工業社製、エスプレン501A)とBr−IIR(第2のOリング形成材料)(JSR社製、ブロモブチル2255)を準備した。
【0066】
まず、上記ハウジング部形成材料であるガラスファイバー含有PPを用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=190℃、Z2=210℃、Z3=220℃、ノズル=210℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成形した。
【0067】
一方、上記2種類のOリング形成材料であるEPDM(第1のOリング形成材料)とBr−IIR(第2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにして2個のOリングを作製した。すなわち、成形条件として、ともに160℃×45分間でプレス加硫成形することにより2個のOリングを作製した。
【0068】
つぎに、上記ハウジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリング(外径11mm)を、また上記収容部内の出口側内周面に第2のOリング(外径11mm)を、PA66製スペーサーを介して取り付けることにより図1に示す樹脂製コネクタ5を作製した。
【0069】
さらに、PA6・12製リテーナー、PA12 GF30製ブッシュをそれぞれ公知の方法により製造し準備した。
【0070】
【実施例
〔ハウジング部および2個のOリングの作製〕
ハウジング部形成材料としてPA9T(クラレ社製、ジェネスタ)を準備するとともに、2種類のOリング形成材料としてEPDM(第1のOリング形成材料)(住友化学工業社製、エスプレン501A)とCl−IIR(第2のOリング形成材料)(JSR社製、クロロブチル1066)を準備した。
【0071】
まず、上記ハウジング部形成材料であるPA9Tを用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=300℃、Z2=320℃、Z3=320℃、ノズル=310℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成形した。
【0072】
一方、上記2種類のOリング形成材料であるEPDM(第1のOリング形成材料)とCl−IIR(第2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにして2個のOリングを作製した。すなわち、EPDMは加硫剤として過酸化物を用いて160℃×45分間でプレス加硫成形することにより、またCl−IIRはフェノール樹脂系加硫剤を用いて160℃×45分間でプレス加硫成形することにより2個のOリングを作製した。
【0073】
そして、上記ハウジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリング(外径11mm)を、また上記収容部内の出口側内周面に第2のOリング(外径11mm)を、PPA製スペーサーを介して取り付けることにより図1に示す樹脂製コネクタ5を作製した。
【0074】
さらに、PA6T製リテーナー、PA9T製ブッシュをそれぞれ公知の方法により製造し準備した。
【0075】
【比較例1】
〔ハウジング部および2個のOリングの作製〕
ハウジング部形成材料として、30重量%のガラスファイバー)含有のポリアミド樹脂(アトフィナ社製、Rilsan AZM30NOIR T6LD)を準備するとともに、2種類のOリング形成材料としてFKM(第1のOリング形成材料)(ダイキン工業社製、ダイエルG556)とFVMQ(第2のOリング形成材料)(信越化学工業社製、FE251K−u)を準備した。
【0076】
まず、上記ハウジング部形成材料であるガラスファイバー含有ポリアミド樹脂を用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=190℃、Z2=210℃、Z3=220℃、ノズル=210℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成形した。
【0077】
一方、上記2種類のOリング形成材料であるFKM(第1のOリング形成材料)とFVMQ(第2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにして2個のOリングを作製した。すなわち、ともに170℃×10分間でプレス加硫成形した後、200℃×4時間で2次加硫することにより2個のOリングを作製した。
【0078】
そして、上記ハウジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリング(外径11mm)を、また上記収容部内の出口側内周面に第2のOリング(外径11mm)を、PA66 GF30製スペーサーを介して取り付けることにより図1に示す樹脂製コネクタ5を作製した。
【0079】
さらに、PA6・12製リテーナー、PA12 GF30製ブッシュをそれぞれ公知の方法により製造し準備した。
【0080】
【比較例2】
〔ハウジング部および2個のOリングの作製〕
ハウジング部形成材料として、30重量%のガラスファイバー含有のポリアミド樹脂(アトフィナ社製、Rilsan AZM30NOIR T6LD)を準備するとともに、2個のOリング形成材料としてCl−IIR(JSR社製、クロロブチル1066)を準備した。
【0081】
まず、上記ハウジング部形成材料であるガラスファイバー含有ポリアミド樹脂を用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=190℃、Z2=210℃、Z3=220℃、ノズル=210℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成形した。
【0082】
一方、上記2個のOリング形成材料であるCl−IIRを用いて、つぎのようにして2個のOリングを作製した。すなわち、Cl−IIRはフェノール樹脂系加硫剤を用いて160℃×45分間でプレス加硫成形することにより成形した。
【0083】
そして、上記ハウジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリング(外径11mm)を、また上記収容部内の出口側内周面に第2のOリング(外径11mm)を、PA66 GF30製スペーサーを介して取り付けることにより図1に示す樹脂製コネクタ5を作製した。
【0084】
さらに、PA6・12製リテーナー、PA12 GF30製ブッシュをそれぞれ公知の方法により製造し準備した。
【0085】
【比較例3】
〔ハウジング部および2個のOリングの作製〕
ハウジング部形成材料として、ポリアミド樹脂(東レ社製、アミランCM3007)を準備するとともに、2個のOリング形成材料としてNBR(日本ゼオン社製、ニポールDN−302)を準備した。
【0086】
まず、上記ハウジング部形成材料であるポリアミド樹脂を用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=270℃、Z2=290℃、Z3=290℃、ノズル=280℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成形した。
【0087】
一方、上記2個のOリング形成材料であるNBRを用いて、つぎのようにして2個のOリングを作製した。すなわち、150℃×30分間でプレス加硫成形することにより成形した。
【0088】
そして、上記ハウジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリング(外径11mm)を、また上記収容部内の出口側内周面に第2のOリング(外径11mm)を、PA66製スペーサーを介して取り付けることにより図1に示す樹脂製コネクタ5を作製した。
【0089】
さらに、PA6・12製リテーナー、PA66製ブッシュをそれぞれ公知の方法により製造し準備した。
【0090】
【比較例4】
〔ハウジング部および2個のOリングの作製〕
ハウジング部形成材料として、ポリアセタール(POM:ポリプラスチック社製、ジュラコンM90−44)を準備するとともに、2個のOリング形成材料としてEPDM(住友化学工業社製、エスプレン501A)を準備した。
【0091】
まず、上記ハウジング部形成材料であるPOMを用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=180℃、Z2=190℃、Z3=195℃、ノズル=190℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成形した。
【0092】
一方、上記2個のOリング形成材料であるEPDMを用いて、つぎのようにして2個のOリングを作製した。すなわち、EPDMは加硫剤として過酸化物を用いて160℃×45分間でプレス加硫成形することにより成形した。
【0093】
そして、上記ハウジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリング(外径11mm)を、また上記収容部内の出口側内周面に第2のOリング(外径11mm)を、PA66製スペーサーを介して取り付けることにより図1に示す樹脂製コネクタ5を作製した。
【0094】
さらに、PA6・12製リテーナー、POM製ブッシュをそれぞれ公知の方法により製造し準備した。
【0095】
【比較例5】
〔ハウジング部および2個のOリングの作製〕
ハウジング部形成材料としてPA6・12(デュポン社製、ザイテル153HS−L)を準備するとともに、2種類のOリング形成材料としてEPDM(第1のOリング形成材料)(住友化学工業社製、エスプレン501A)とCl−IIR(第2のOリング形成材料)(JSR社製、クロロブチル1066)を準備した。
【0096】
まず、上記ハウジング部形成材料であるPA6・12を用いてインジェクション成形(成形条件:Z1=240℃、Z2=240℃、Z3=230℃、ノズル=230℃)により図1に示す形状のハウジング部8を成形した。
【0097】
一方、上記2種類のOリング形成材料であるEPDM(第1のOリング形成材料)とCl−IIR(第2のOリング形成材料)を用いて、つぎのようにして2個のOリングを作製した。すなわち、EPDMは加硫剤として過酸化物を用いてプレス加硫160℃×45分間、Cl−IIRはフェノール樹脂系加硫剤を用いてプレス加硫160℃×45分間に設定することにより2個のOリングを作製した。
【0098】
そして、上記ハウジング部の収容部内の奥側内周面に第1のOリング(外径11mm)を、また上記収容部内の出口側内周面に第2のOリング(外径11mm)を、PA66 GF30製スペーサーを介して取り付けることにより図1に示す樹脂製コネクタ5を作製した。
【0099】
さらに、PA6 ・12製リテーナー、PA6・12製ブッシュをそれぞれ公知の方法により製造し準備した。
【0100】
このようにして得られた実施例および比較例について、ハウジング部形成材料について、(A)60℃におけるメタノール透過率、(B)80℃における透水率、(C)100℃の純水におけるイオン抽出量を先に述べた方法に従って測定した。また、第1のOリング形成材料について、(D)100℃の純水におけるイオン抽出量を先に述べた方法に従って測定した。さらに、実施例および比較例の各樹脂製コネクタにおけるメタノール透過量、透水量、純水のイオン抽出量について下記の方法に従って測定し評価した。これらの結果を後記の表1〜表に併せて示す。
【0101】
〔メタノール透過量〕
2個の樹脂製コネクタのそれぞれの挿入部に線径2mmのそれぞれゴム製Oリングに対し、25%の圧縮率となるよう金属パイプに組み付けた。
【0102】
つぎに、図4に示すように、PTFE樹脂製チューブ29の両端に上記2個の樹脂製コネクタ30,31の挿入部30a,31aをそれぞれ圧入した。このとき、樹脂製コネクタ30,31の挿入部30a,31a同士はチューブ29内で接触しており、PTFE樹脂製チューブ29における液接触部分はゼロとなるようにした。そして、上記2個の樹脂製コネクタ30,31の一方のコネクタ30の収容部30bには、外径8mmの金属製パイプ32を収容し、その金属製パイプ32の端部を栓33を用いて密栓した。また、他の樹脂製コネクタ31の収容部31bには、他端部に100ccの液が入る金属製タンク35を備えた外径8mmの金属製パイプ34を挿入し固定した。
【0103】
そして、上記金属製タンク35内にメタノールを投入し樹脂製コネクタ30,31内部に充填させて、60℃雰囲気下1週間の条件で前処理した後、2週間目の透過量を重量変化で測定した。
【0104】
〔透水量〕
上記メタノール透過量の測定において、メタノールを純水に代えた。また、前処理温度を80℃に変えた。それ以外は上記メタノール透過量の測定方法と同様にして透水量を測定した。
【0105】
〔純水のイオン抽出量〕
図5に示すように、ステンレス製チューブ29の両端に、上記2個の樹脂製コネクタ30,31の挿入部30a,31aをそれぞれ圧入した。このとき、樹脂製コネクタ30,31の挿入部30a,31a同士は上記ステンレス製チューブ29内で接触しており、ステンレス製チューブ29における液接触部分はゼロとなるようにした。そして、上記2個の樹脂製コネクタ30,31の一方のコネクタ30の収容部30bに、外径8mmのテフロン製切削パイプ40を収容し密栓した。また、もう一方の樹脂製コネクタ31の収容部31b側より水を投入し、収容部31bに外径8mmのテフロン製切削パイプ41を収容する際に生ずる内部容積の90%を水で充填させた。それから、収容部31bに外径8mmのテフロン製切削パイプ41を収容して密栓し、100℃雰囲気下72時間の条件で熱処理した後、その抽出液をICP発光分光法およびイオンクロマトグラフ法を用いて測定した。
【0106】
【表1】
Figure 0003747784
【0107】
【表2】
Figure 0003747784
【0108】
上記表1〜表の結果、実施例品はメタノール透過量、透水量、純水のイオン抽出量の全てにおいて比較例品に比べて非常に少なかった。このことからも、実施例品はメタノールや純水に対する優れたバリア性を備え、かつイオン抽出物の少ないものであることがわかる。
【0109】
これに対して、比較例品はいずれもメタノール透過量、透水量、純水のイオン抽出量の全ての値が多くメタノールや純水に対するバリア性に劣っていることがわかる。
【0110】
【発明の効果】
以上のように、本発明の樹脂製コネクタは、一端側がホース内部に挿入される挿入部に形成されているとともに、他端側が締結対象部材を内部に収容する収容部に形成されてなる略筒状のハウジング部と、そのハウジング部内に取り付けられた2個一組のOリングとを備えている。そして、上記ハウジング部が、上記特性(A)〜(C)を備えた樹脂組成物硬化体によって形成され、かつ2個一組のOリングのうち収容部内の奥側内周面に取り付けられた第1のOリングが上記特性(D)を備えた前記特定のエラストマーによって形成されている。このため、コネクタ全体がメタノールや純水に対して優れたバリア性を備えるとともに、イオン抽出物の少なく燃料電池自動車におけるメタノール改質でのシステム(触媒)を汚染の発生を効果的に抑制することができる。したがって、燃料電池自動車の燃料搬送連結部分に用いた場合、発電や改質効率を向上させることができる。
【0111】
また、上記第1のOリングが、受酸剤を用いないエチレン−プロピレンゴム(EPR)または受酸剤を用いないエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)によって形成されているため、燃料電池の触媒および電解質膜、改質器に影響を与える金属イオンやハロゲンイオンの抽出がなくなるようになる。
【0112】
さらに、上記2個一組のOリングのうち上記収容部内の出口側内周面に取り付けられた第2のOリングが、ブチルゴムまたはハロゲン化ブチルゴムによって形成されていると、より一層高い気密性を有するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の樹脂製コネクタの一例を示す一部断面正面図である。
【図2】 本発明の樹脂製コネクタをホースに連結した状態を示す一部断面正面図である。
【図3】 本発明の樹脂製コネクタにパイプを連結した状態を示す一部断面正面図である。
【図4】 樹脂製コネクタの燃料透過量の測定方法を示す模式図である。
【図5】 樹脂製コネクタの純水イオン抽出量の測定方法を示す模式図である。
【符号の説明】
5 樹脂製コネクタ
6 挿入部
7 収容部
8 ハウジング部
9 第1のOリング
10 第2のOリング

Claims (2)

  1. 一端側がホース内部に挿入される挿入部に形成されているとともに、他端側が締結対象部材を内部に収容する収容部に形成されてなる略筒状のハウジング部と、そのハウジング部内に取り付けられた2個一組のOリングとを備えた樹脂製コネクタであって、上記ハウジング部が、下記の特性(A)〜(C)を備えた樹脂組成物硬化体によって形成され、かつ上記2個一組のOリングのうち上記収容部内の奥側内周面に取り付けられた第1のOリングが、下記の特性(D)を備えた、受酸剤を用いないエチレン−プロピレンゴムまたは受酸剤を用いないエチレン−プロピレン−ジエンゴムによって形成されていることを特徴とする樹脂製コネクタ。
    (A)60℃におけるメタノール透過率が5mg・mm/cm2 /day以下である。
    (B)80℃における透水率が2mg・mm/cm2 /day以下である。
    (C)100℃の純水におけるイオン抽出量が1ppm以下である。
    (D)100℃の純水におけるイオン抽出量が0.1ppm以下である。
  2. 上記2個一組のOリングのうち上記収容部内の出口側内周面に取り付けられた第2のOリングが、ブチルゴムまたはハロゲン化ブチルゴムによって形成されている請求項1記載の樹脂製コネクタ。
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