JP2003213143A - 耐久性樹脂組成物 - Google Patents

耐久性樹脂組成物

Info

Publication number
JP2003213143A
JP2003213143A JP2002016179A JP2002016179A JP2003213143A JP 2003213143 A JP2003213143 A JP 2003213143A JP 2002016179 A JP2002016179 A JP 2002016179A JP 2002016179 A JP2002016179 A JP 2002016179A JP 2003213143 A JP2003213143 A JP 2003213143A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bond
compound
resin composition
resin
durable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002016179A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiyunichirou Suzuki
淳一朗 鈴木
Kazutaka Katayama
和孝 片山
Hiroaki Ito
弘昭 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2002016179A priority Critical patent/JP2003213143A/ja
Publication of JP2003213143A publication Critical patent/JP2003213143A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱劣化性に優れた耐久性樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】熱可塑性樹脂を主成分とし、これに下記の
(A)成分を含有した耐久性樹脂組成物である。(A)
平均結合エネルギー180〜300kJ/molの範囲
の結合を有する化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の燃料の
輸送用ホースおよびそれらの接続部分に用いられるコネ
クタ,パッキン,燃料タンク等の形成材料に用いられる
耐久性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車におけるガソリン等の
燃料を搬送する配管装置に用いられるコネクタのボディ
(ハウジング)としては、強度の大きい合成樹脂、例え
ば、ポリアミド系樹脂を用いて形成されたものが提案さ
れている。また、自動車用燃料ホースでは、ナイロンに
比べてガソール(アルコール混合ガソリン)に対するバ
リア性が高いことから、例えば、ポリエステル系熱可塑
性エラストマー(TPEE)からなる低透過層を備えた
燃料ホースが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記コ
ネクタや燃料ホースに関して、耐サワーガソリン性およ
び耐熱老化性が重要特性の一つであるが、上記形成材料
であるポリアミド系樹脂やポリエステル系熱可塑性エラ
ストマー(TPEE)等では、上記耐サワーガソリン性
および耐熱老化性に関して充分ではないという欠点を有
している。さらに、コネクタや燃料ホースでは、蓄積さ
れた電荷による火災発生を防止するため、コネクタやホ
ースの最内層に、導電性を付与する場合があるが、熱可
塑性樹脂に導電性付与のため、導電剤であるカーボンブ
ラックを添加すると、耐サワーガソリン性および耐熱老
化性が大きく低下する場合がある。そして、上記耐サワ
ーガソリン性および耐熱老化性に劣る結果、例えば、コ
ネクタであれば振動によりクラックや割れが発生した
り、燃料ホースにおいては振動や衝突時の変形により、
ホースにクラックや割れが発生するという問題があっ
た。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、耐サワーガソリン性および耐熱老化性に優れた
耐久性樹脂組成物の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の耐久性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を主
成分とし、これに下記の(A)成分を含有するという構
成をとる。 (A)平均結合エネルギー180〜300kJ/mol
の範囲の結合を有する化合物。
【0006】すなわち、本発明者らは、耐サワーガソリ
ン性および耐熱老化性等に優れた樹脂組成物を得るべ
く、鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、まず上記耐
サワーガソリン性および耐熱老化性の低下原因を突き止
めるべく研究を行った。その結果、サワーガソリンから
発生するパーオキサイドにより、これが熱可塑性樹脂の
分子鎖を切断する現象が生起する。また、熱老化により
酸素または分子解裂で発生したラジカルによっても、熱
可塑性樹脂の分子鎖を切断する現象が生起する。その結
果、熱可塑性樹脂自身の分子量が低下し、上記特性の低
下を招くことを突き止めた。そして、上記低下原因の発
生を抑制すべくさらに研究を重ねた結果、前記特定の化
合物(A)を配合すると、ラジカルに対しこの化合物が
分解して反応するため、ラジカル発生による耐サワーガ
ソリン性および耐熱老化性の低下を抑制することが可能
となり、所期の目的を達成できることを見いだし、本発
明に到達した。
【0007】なお、本発明における上記平均結合エネル
ギーとは、化合物を構成する分子内の各結合に割り当て
られた固有のエネルギー値を結合エネルギーといい、そ
の化合物の各結合を切断してそれぞれの原子に分けるに
要する結合エネルギー1molあたりの総和値をいう。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0009】本発明の耐久性樹脂組成物は、熱可塑性樹
脂を主成分とし、これに特定の化合物〔(A)成分〕を
用いて得られる。
【0010】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ
アミド6(PA6),ポリアミド66(PA66),ポ
リアミド610(PA610),ポリアミド612(P
A612),ポリアミド11(PA11),ポリアミド
912(PA912),ポリアミド12(PA12),
芳香族ポリアミド(PA6T,PA9T,PAMXD
6)等のポリアミド樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラ
ストマー(TPEE)、ポリアミド系熱可塑性エラスト
マー(TPAE)、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVO
H)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)
等があげられる。また、上記樹脂を2種以上併用してな
る混合物等があげられる。
【0011】上記特定の化合物〔(A)成分〕は、平均
結合エネルギーが180〜300kJ/molの範囲の
結合を有する化合物である。特に好ましくは平均結合エ
ネルギーが200〜290kJ/molの結合を有する
化合物である。すなわち、平均結合エネルギーが180
kJ/mol未満では、熱可塑性樹脂自体を劣化させる
恐れがあり、300kJ/molを超えると、耐サワー
ガソリン性および耐熱老化性に対する効果がみられない
からである。
【0012】上記範囲の平均結合エネルギーを有する結
合としては、C−N結合(285kJ/mol)、N−
O結合(204kJ/mol)、C−S結合(272k
J/mol)、P−N結合(200kJ/mol)、S
−S結合(226kJ/mol)、N−Cl結合(19
3kJ/mol)、C−Br結合(285kJ/mo
l)、C−I結合(213kJ/mol)等の化学結合
があげられる。
【0013】そして、上記特定の化合物〔(A)成分〕
としては、具体的には、硫黄、硫黄化合物、キノイド系
化合物、低分子アルキルフェノールホルムアルデヒド樹
脂、リン酸トリアミド、ニトロソ化合物等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。これら化合物は、例えば、ジエン成分を含有しない
飽和性熱可塑性樹脂とは反応が無く、劣化によりラジカ
ル化し活性となったものに反応する。また、これら化合
物は分子切断部のラジカルと反応し再結合させる効果を
奏するものと思われる。
【0014】上記キノイド系化合物としては、p−キノ
ンジオキシム、p,p′−ジベンゾイル・キノンジオキ
シム等があげられる。
【0015】上記硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、
コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等があげられ
る。
【0016】上記硫黄化合物としては、塩化硫黄、モル
ホリンジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフ
ィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチ
ルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスル
フィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・ス
ルフェンアミド、ジメチル・ジチオカルバミン酸ナトリ
ウム、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチア
ジル・ジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾ
チアジル・スルフェンアミド、チオカルバニリド等があ
げられる。
【0017】なかでも、ガソリンによる抽出性が低いと
いう点から、(A)成分として不溶性硫黄を用いること
が好ましい。
【0018】上記(A)成分の含有量は、上記熱可塑性
樹脂100重量部(以下「部」と略す)に対して0.0
5〜10部の範囲に設定することが好ましく、より好ま
しくは0.05〜5部である。すなわち、0.05部未
満では、耐サワーガソリン性および耐熱老化性が低下す
る傾向がみられ、10部を超えると、熱可塑性樹脂本来
の物性を維持することが困難となるからである。
【0019】本発明の耐久性樹脂組成物には、熱可塑性
樹脂、特定の化合物〔(A)成分〕とともに、導電性付
与剤、可塑剤、充填剤、エラストマー成分等を必要に応
じて適宜配合しても差し支えない。
【0020】上記導電性付与剤としては、例えば、ケッ
チェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラ
ック、ナノカーボン、金属粉、金属酸化物粉等があげら
れる。このようにカーボンブラックを配合した場合の層
表面の電気抵抗は、108 Ω以下の範囲が好ましく、特
に好ましくは10〜107 Ωの範囲である。そして、上
記カーボンブラックの含有量は、上記熱可塑性樹脂10
0部に対して2〜50部の範囲に設定することが好まし
く、より好ましくは2〜30部である。すなわち、2部
未満では、所望の導電性を付与することが困難であり、
50部を超えると、柔軟性に欠ける傾向がみられるから
である。
【0021】上記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジ
オクチル(DOP),フタル酸ジ−n−ブチル(DB
P)等のフタル酸系可塑剤、ジブチルカルビトールアジ
ペート,ジオクチルアジペート(DOA)等のアジピン
酸系可塑剤、セバシン酸ジオクチル(DOS),セバシ
ン酸ジブチル(DBS)等のセバシン酸系可塑剤等があ
げられる。
【0022】上記充填剤としては、例えば、ガラス繊
維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊
維、金属繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ク
レー、タルク、マイカ、ワラストナイト、カオリナイ
ト、亜鉛華、硫酸バリウム、二酸化チタン等があげられ
る。
【0023】上記エラストマー成分としては、例えば、
例えば、アクリルゴム(ACM)、エチレン−プロピレ
ン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−プロピレンゴ
ム(EPM)、フッ素ゴム(FKM)、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム(H−NBR)、フロロシリコーン
ゴム(FVMQ)、エピクロロヒドリン−エチレンオキ
サイド共重合ゴム(ECO)、ブチルゴム(IIR)、
ハロゲン化IIR、塩素化ポリエチレン等があげられ
る。
【0024】本発明の耐久性樹脂組成物をホース形成材
料として用いる場合、上記各成分の配合後の曲げ弾性率
が100〜3000MPaであることが好ましく、特に
好ましくは200〜2800MPaである。すなわち、
曲げ弾性率が100MPa未満では、特に耐サワーガソ
リン性および耐熱老化性に劣る傾向がみられ、3000
MPaを超えると、柔軟性および靱性に劣る傾向がみら
れるからである。
【0025】また、本発明の耐久性樹脂組成物をコネク
ター形成材料として用いる場合、上記各成分の配合後の
曲げ弾性率が500MPa以上であることが好ましく、
特に好ましくは1000MPa以上である。すなわち、
曲げ弾性率が500MPa未満では、剛性に劣る傾向が
みられるからである。
【0026】本発明の耐久性樹脂組成物の用途として
は、例えば、自動車等の燃料の輸送用ホースおよびそれ
らの接続部分に用いられるコネクタ,パッキン,燃料タ
ンク等の形成材料があげられる。
【0027】上記コネクタは、例えば、図1に示すよう
に、接続されるホース内部に挿入される挿入部6と締結
対象部材を内部に収容する収容部7とが形成されたハウ
ジング部8とからなる。そして、上記挿入部6表面には
複数の環状隆起部が形成され、また上記収容部7内部
は、内部に向かうにつれ内径が3段階に絞られ小さくな
るよう形成されている。さらに、通常、コネクタには、
シール部材である上記収容部7内の挿入部6側内周面に
取り付けられた第1のOリング9と、上記収容部7内の
出口側内周面に取り付けられた第2のOリング10とを
備えている。図1において、11は上記第1のOリング
9と第2のOリング10との間に設けられたスペーサー
である。また、22は締結対象部材であるパイプ等を樹
脂製コネクタに保持させるためのリテーナーであり、こ
のリテーナー22には一対のストッパー部22aが設け
られている。そして、このストッパー部22aは開口7
dに係合してハウジング部8に着脱可能に保持されてい
る。さらに、21は上記2個一組のOリング9,10を
収容部7内に保持して、締結対象部材であるパイプ等が
挿通する孔を有する環状のブッシュであり、収容部7内
に嵌着されている。
【0028】このようなコネクタは、本発明の耐久性樹
脂組成物を用い、例えば、所定形状にインジェクション
成形することにより作製することができる。
【0029】また、本発明の耐久性樹脂組成物の他の用
途としては、例えば、単層あるいは多層構造の燃料ホー
スの最内層形成材料があげられる。なお、上記燃料ホー
スにおける最内層は、単層構造の場合はその層を、2層
以上の多層構造の場合はその最内層を意味する。
【0030】そして、例えば、図2に示すように、本発
明の耐久性樹脂組成物を用いて形成された最内層1の外
周面に、中間層2、外層3が順次積層形成された3層構
造の燃料ホースがあげられる。
【0031】上記最内層1の外周に形成される中間層2
の形成材料としては、特に限定はない。
【0032】上記中間層2の外周に形成される外層3の
形成材料としては、特に限定はない。
【0033】そして、前記図2に示した燃料ホースは、
例えば、つぎのようにして作製することができる。すな
わち、まず、熱可塑性樹脂、特定の化合物(A)および
必要に応じて導電性付与剤ならびに他の添加剤を配合す
ることにより最内層形成材料を準備する。つぎに、上記
最内層形成材料とともに、中間層形成材料および外層形
成材料を準備し、これら各形成材料を押出成形機を用い
て3層同時に共押出しダイで合流させる。そして、これ
を巻き取り機を用いて巻き取り、目的とする燃料ホース
(図2参照)を作製することができる。なお、場合によ
り、上記外層3の形成後さらに押出成形機を用い、ある
いは4層同時の共押出しダイにて外層3の外周面に最外
層を積層形成して4層構造としてもよい。もしくは5層
以上の多層構造であってもよい。また、コルゲータを用
いて少なくとも一部が蛇腹構造を有するホースとしても
よい。
【0034】また、上記燃料ホースは、その形状は特に
限定はなく、例えば、平滑ホース、蛇腹ホースおよびそ
れら形状の組み合わせのいずれであってもよく、またそ
れらが曲がり管であっても差し支えない。
【0035】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0036】まず、実施例および比較例に先立ち、下記
に示す材料を準備した。
【0037】〔PA6〕1024JI、宇部興産社製
【0038】〔PA12〕AESN O P40、アト
フィナ・ジャパン社製
【0039】〔TPAE〕ダイアミド−PAE E47
−S3、ダイセル・ヒュルス社製
【0040】〔TPEE〕ハイトレル5577R07、
東レ・デュポン社製
【0041】〔PP〕グランドポリプロJ101、グラ
ンドポリマー社製
【0042】〔EVOH〕エバールEP−F101、ク
ラレ社製
【0043】〔PPS〕FZ−2200−A5、大日本
インキ化学工業社製
【0044】〔カーボンブラック〕ケッチェンブラック
EC600JD、ケッチェン・ブラック・インターナシ
ョナル社製
【0045】〔硫黄〕不溶性硫黄
【0046】〔チオウレア系硫黄化合物〕ノクセラー
C、大内新興化学工業社製
【0047】〔チアゾール系硫黄化合物〕ノクセラーD
M、大内新興化学工業社製
【0048】〔スルフェンアミド系硫黄化合物〕ノクセ
ラーCZ、大内新興化学工業社製
【0049】〔チウラム系硫黄化合物〕ノクセラーT
T、大内新興化学工業社製
【0050】〔キノイド系化合物〕パルノックGM、大
内新興化学工業社製
【0051】〔低分子アルキルフェノールホルムアルデ
ヒド樹脂〕タッキロール250、住友化学工業社製
【0052】〔リン酸トリアミド〕スミタードXL、住
友化学工業社製
【0053】〔ニトロソ化合物〕スコノック、大内新興
化学工業社製
【0054】
【実施例1〜19、比較例1〜7】下記の表1〜表4に
示す各成分を同様表に示す割合で配合し混合することに
より耐久性樹脂組成物を作製した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】このようにして得られた各耐久性樹脂組成
物を用いて、耐熱老化性(実施例1〜13、比較例1〜
3)および耐サワーガソリン性(実施例1,2,4〜
7,10,11,14〜19、比較例1,2,4〜7)
について下記の方法に従って測定し評価した。
【0060】〔耐熱老化性〕上記耐久性樹脂組成物を用
い、測定用テストピースとしてASTM4号ダンベル
(厚み0.3mm)を作製した。そして、上記テストピ
ースを、135℃雰囲気のオーブンに200時間暴露し
て、その後、ASTM D 638に準じて引張破断伸
びを測定し評価を行った。得られた結果を下記の表5〜
表7に示した。
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】上記表5〜表7の結果から、実施例品は、
いずれも耐熱老化性に優れていることがわかる。これに
対して、比較例品は、耐熱老化性に劣る結果となった。
【0065】〔耐サワーガソリン性〕上記耐久性樹脂組
成物を用い、測定用テストピースとしてASTM4号ダ
ンベル(厚み0.3mm)を作製した。そして、上記テ
ストピースを、Fuel Cにラウロイルパーオキサイ
ド(LPO)を5重量%混合してなる模擬変性ガソリン
に60℃で168時間浸漬して、その後、ASTM D
638に準じて引張破断伸びを測定し評価を行った。
得られた結果を下記の表8〜表10に示した。
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】
【表10】
【0069】上記表8〜表10の結果から、実施例品
は、いずれも耐サワーガソリン性に優れていることがわ
かる。これに対して、比較例品は、耐サワーガソリン性
に劣る結果となった。
【0070】上記耐久性樹脂組成物において、熱可塑性
樹脂がPPS,EVOH,PA6,PA12,PPの場
合は、例えば、燃料ホース等のチューブ材料として、ま
た、TPAE、TPEEの場合は、例えば、燃料タンク
キャップのシール材料として使用される。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明の耐久性樹脂組成
物は、熱可塑性樹脂を主成分とし、これに特定範囲の平
均結合エネルギーを有する結合をもつ化合物〔(A)成
分〕を含有する。このため、サワーガソリンから発生す
るパーオキイドや、熱老化により酸素または分子解裂で
発生したラジカルに対して、上記(A)成分が分解して
反応するため、耐サワーガソリン性および耐熱老化性に
おいて優れた特性を有するようになる。したがって、本
発明の耐久性樹脂組成物は、例えば、自動車等の燃料の
輸送用ホースおよびそれらの接続部分に用いられるコネ
クタ,パッキン,燃料タンク等の形成材料として有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐久性樹脂組成物を用いてなる樹脂製
コネクタの一例を示す構成図である。
【図2】本発明の耐久性樹脂組成物を用いてなる燃料ホ
ースの一例を示す構成図である。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 弘昭 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AA011 BB001 BB021 BB111 BB221 BE031 CF001 CF101 CF171 CL001 CL011 CL031 CL071 CL081 CN011 DA046 DG016 ES016 EV126 EV136 EV166 EV276 EV326 EV346 FD010 FD020 FD066 FD110 GN00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を主成分とし、これに下記
    の(A)成分を含有することを特徴とする耐久性樹脂組
    成物。 (A)平均結合エネルギー180〜300kJ/mol
    の範囲の結合を有する化合物。
  2. 【請求項2】 上記(A)成分が、C−N結合、N−O
    結合、C−S結合、P−N結合、S−S結合、N−Cl
    結合、C−Br結合およびC−I結合からなる群から選
    ばれた少なくとも一つの化学結合を有する化合物である
    請求項1記載の耐久性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記(A)成分である化合物が、硫黄、
    硫黄化合物、キノイド系化合物、低分子アルキルフェノ
    ールホルムアルデヒド樹脂、リン酸トリアミドおよびニ
    トロソ化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの
    化合物である請求項1または2記載の耐久性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 上記硫黄化合物が、チオウレア類、チア
    ゾール類、スルフェンアミド類およびチウラム類からな
    る群から選ばれた少なくとも一つの化合物である請求項
    3記載の耐久性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 上記熱可塑性樹脂が、ジエン成分を含有
    しない飽和性熱可塑性樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエス
    テル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレン−ビニルアル
    コール共重合体、ポリフェニレンサルファイド樹脂およ
    び熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれた少なく
    とも一つの樹脂である請求項1〜4のいずれか一項に記
    載の耐久性樹脂組成物。
JP2002016179A 2002-01-24 2002-01-24 耐久性樹脂組成物 Pending JP2003213143A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002016179A JP2003213143A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 耐久性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002016179A JP2003213143A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 耐久性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003213143A true JP2003213143A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27652327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002016179A Pending JP2003213143A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 耐久性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003213143A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009242448A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Ube Ind Ltd 燃料用ポリアミド樹脂組成物並びにそれからなる成形物及び自動車用部品
JP2010070706A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Polyplastics Co ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP2012021041A (ja) * 2010-07-12 2012-02-02 Mitsubishi Plastics Inc エチレンビニルアルコール共重合体系樹脂成形体
JP2012528997A (ja) * 2009-06-01 2012-11-15 ザ ゲイツ コーポレイション 低透過性の可撓性燃料ホース
WO2015072235A1 (ja) * 2013-11-18 2015-05-21 住友ゴム工業株式会社 導電性エラストマ組成物とその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009242448A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Ube Ind Ltd 燃料用ポリアミド樹脂組成物並びにそれからなる成形物及び自動車用部品
JP2010070706A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Polyplastics Co ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP2012528997A (ja) * 2009-06-01 2012-11-15 ザ ゲイツ コーポレイション 低透過性の可撓性燃料ホース
JP2012021041A (ja) * 2010-07-12 2012-02-02 Mitsubishi Plastics Inc エチレンビニルアルコール共重合体系樹脂成形体
WO2015072235A1 (ja) * 2013-11-18 2015-05-21 住友ゴム工業株式会社 導電性エラストマ組成物とその製造方法
JP2015098515A (ja) * 2013-11-18 2015-05-28 住友ゴム工業株式会社 導電性エラストマ組成物とその製造方法、駆動ローラ、および画像形成装置
US10153067B2 (en) 2013-11-18 2018-12-11 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Electroconductive elastomer composition and manufacturing method therefor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4480718B2 (ja) 高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース
JP4404255B2 (ja) 中空体形状の熱可塑性多層複合体
JP5595233B2 (ja) 燃料系ホースおよびその製法
JP2005178078A (ja) 積層構造体
JP2000154890A (ja) 燃料配管用チューブ
EP2607071B1 (en) Fuel inlet pipe made of resin, and method for producing same
JP2005299629A (ja) 自動車用燃料系ホースおよびその製法
US8092880B2 (en) Fuel hose
BR102015000655B1 (pt) Mangueira para bomba de combustível com baixa permeação
US8491978B2 (en) Multilayer article
US8685515B2 (en) Refrigerant-transporting hose
JP2002188782A (ja) 樹脂製コネクタ
JP5474623B2 (ja) 燃料用ホース
JP2003213143A (ja) 耐久性樹脂組成物
US8356638B2 (en) Multi-layer hose
JP2009006575A (ja) 多層ホース
JP2008265283A (ja) ガソホール燃料用ホース
JP3695158B2 (ja) 燃料ホース
JP2005119017A (ja) 積層構造体
JP4151456B2 (ja) 自動車燃料配管用コネクタ
JP2003214567A (ja) 燃料ホース用樹脂組成物およびそれを用いた燃料ホース
JP5289779B2 (ja) ガソホール燃料用ホース
JP2007270877A (ja) コネクター一体型燃料用ホースおよびその製法
JP2007106083A (ja) 燃料用ゴムホース
EP2075123A1 (en) Multilayer article