JP2009515623A - 椅子 - Google Patents

Abstract

【課題】 背もたれの傾きが特に簡単に可能であり、かつさらに背もたれの調整のためのメカニズムが設計上単純かつ頑健であると共に、操作が直観的である椅子を作成する。
【解決手段】 本発明は、座面（２）に対して調整することのできる背もたれ（３、６、７）を有する椅子であって、椅子の位置に関係なく、背もたれ（３）を傾きに関して調整することが可能であり、かつ作動手段無しで背もたれ（３）の傾きを無段調整するように構成された椅子に関する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、座面に対して調整することのできる背もたれ付きの椅子に関し、背もたれは、椅子の位置に関係なく、その傾きに関して調整することができる。

着座位置とリクライニング位置との間で調整可能な位置は公知である。これらは、着座およびリクライニング家具としても知られている。それらは、「通常」の直立着座位置と多少水平方向に向けられたリクライニング位置との間で位置の調整が可能である。背もたれの調整された傾きは維持される。つまり、背もたれの傾きは、椅子の位置とは別個に独立して調整することができる。

ドイツ実用新案DE29600282U1から公知の１つのそのような椅子では、座面を変位させたときに、座面と共に体重または重心を後方に移動させる、平行な連結システムが設けられているので、大きい力無しで座面を移動させることによって調整を実行することが可能である。背もたれの傾きは、操作レバーを介して作動する弁を介して制御されるガス圧ばねによって調整される。
ドイツ実用新案DE29600282U1

同様の椅子は、リップシュタットの企業Steltemeier GmbHから公知である。この椅子でも、背もたれの傾きの調整は、操作レバーおよび弁によって制御されるガス圧ばねを介して行なわれる。

そのような椅子は、操作レバーに関連するメカニズムが複雑であり、かつ故障し易いという欠点を有する。さらに、ユーザはレバーを操作して傾きを調整しなければならないが、それはリクライニング位置では特に難しい。さらに、レバーの操作は、その設計によっては必ずしも直観的ではなく、ユーザにこれを説明しなければならない。

本発明の根底にある課題は、背もたれの傾きが特に簡単に可能であり、かつさらに背もたれの調整のためのメカニズムが設計上単純かつ頑健であると共に、操作が直観的である椅子を作成することである。

この課題は、請求項１に記載の椅子によって解決される。

椅子は、背もたれの傾きの調整が操作手段無しで、無段で行なわれるように設計されるので、操作が単純かつ直観的である。さらに、椅子の構成は簡素化され、したがって頑健であると共にその製造は経済的である。

操作手段とは、まず、ユーザによって操作されるレバー、スクリュ、ボタン、操舵輪、ノブ、ハンドル等、作動したときに背もたれの傾きを変化させることができ、そのために例えばガス圧ばねの弁を作動させ、またはロック機構もしくは戻り止め手段を解除させるものを意味する。加えて、操作手段とは、戻り止め装置を解除した後でのみ、背もたれに対する圧力によって、背もたれの傾きの調整を可能にする機械的解決策を意味する。そのような装置の一例として、背もたれが直立位置のときに凹部に保持され、背もたれの移動を可能にするために特定の量の力により押し出す必要のある、戻り止めローラの使用がある。

本発明の解決策では、操作レバーも、ロック手段もしくは戻り止め手段も不要である。これが実は本発明の解決策を特徴付けるものである。

背もたれをさらに任意の所望の位置に支持することができるように、傾きの調整を構成することは、特に有利である。そうすると、背もたれを様々な位置に無段で保持または調整することが可能になるだけでなく、特定の作動手段またはロック手段または戻り止め手段無しでそうすることも可能になるからである。したがって、ユーザが背を反らせたときに、背もたれを任意の所望の位置に傾けて、そこに支持することができる。

本発明の最も好適な実施形態では、背もたれの傾きを調整するために、背もたれのそれぞれの位置に関係なく、上昇した初期押込み力を提供するガス圧ばねが設けられる。したがって、そのようなガス圧ばねは、ガス圧ばねのピストンを動かすために、特定の初期力を克服しなければならず、その後、より小さい力でさらなる調整を行なうことができることを特徴とする。したがって、そのようなガス圧ばねは力の補助および背もたれの無段位置決めに役立つ一方、ユーザが背もたれで背を反らすことにより、背もたれが全ての位置で支持されることを確実にする。

ガス圧ばねは摩擦ガスばね、またはピストンの裏側に圧力弁付きのガス圧ばねであることが好ましい。摩擦ガスばねは、ピストンを動かすために克服しなければならない摩擦抵抗を持つ余分の要素をピストンが具備することを特徴とする。そのような要素は、プレストレス力により管の壁に当接し、したがって必要な余分の摩擦を生じる発泡体とすることができる。加えて、ピストンの裏側に配置された圧力弁がピストンに装備され、ばね荷重ガスケットがピストンボアを解放するまで、弁がピストンロッドの交換または押込みを妨げるガス圧ばねが適切である。

そのようなガス圧ばねは、例えばドイツ国コブレンツの企業STABILUS GmbH、またはドイツ国アルトドルフのSUSPA GmbHから入手可能である。

したがって、背もたれの傾きの調整を達成するために、ユーザは背中を反らせ、例えば肘掛けに対する追加的押圧によってガス圧ばねの初期力を克服するだけである。次いでユーザは希望するだけ背中を反らせ、その位置を固定するために背もたれの移動を停止することが必要なだけである。ユーザが傾きをさらに増大したい場合には、背もたれのさらなる調整を達成するために、再び背中を反らせ、初期力を克服することができる。

本発明の別の好適な実施形態によるとガス圧ばねは、押込み力より小さい押出し力を有する。ユーザが再び直立に着座したい場合、つまり背もたれの傾きを低減するか、または背もたれをより直立にしたい場合、ユーザは前傾することが必要なだけである。低減された押出し力にもかかわらず、それは背もたれをその位置に復帰させるのに充分大きい。

熟考の上で、ばね特性は、力が普通の体重の人間に対し適正となるように、すなわち、それぞれの調整を達成するために、人間がわずかな追加の支持圧を加えなければならないように、選択される。

本発明の追加の特徴、特性、および利点は、図面の以下の説明から明らかになるであろう。

図１および２は、全体的に１と指定された本発明に係る着座位置の椅子を、詰め物無しで、左斜め上から見た斜視図を示す。すなわち、よりよく理解するために、椅子１の基礎フレームおよびそのメカニズムだけが描かれている。図１には、直立した背もたれの椅子１が示される一方、図２の背もたれは後方に傾斜している。

椅子１は基本的に座面２、背もたれ３、旋回脚掛け４、および基台５を備える。

座面２は、適切なリンクシステムを介して、着座位置とリクライニング位置との間で変位することができる一方、脚掛け４はその折畳み位置から伸展され、旋回して再び元に戻る。これは背もたれ３の傾きに影響しない。

背もたれ３は、各々管フレームから形成されて側部固締リンク装置８を介して一体に結合される、ヘッドピース６およびバックピース７を備え、ライニングまたは詰め物のための支持面を形成するために、ピースの側部の間に横ブレース９が設けられる。さらに椅子１は、バックピース７とわずかな角度を形成してバックピース７の底部に隣接する、下部領域１０を有する。図示する直立着座位置で、下部領域１０はやや垂直であり、他方、バックピース７は垂直から約１５度後傾している。

バックレスト３は下部領域１０を介して座面２およびそのメカニズムに接続される一方、両側で対応するブラケット１１および１２が下部領域１０の頂部おおび底部にそれぞれ溶接される。ブラケット１１は、バックピース７と領域１０との間の遷移部の外側に配設され、ブラケット１２は、背もたれ３の下部横ブレースの略中心に相互に少し距離を置いて配設される。

上部ブラケット１１は各々レバー１４に関着され、レバー１４は次に別のレバー１６に関着され、レバー１６は丸棒１７によって反対側のその対等物に不動に結合される。次に、丸棒１７には、椅子１の残部またはその基台５の一部分に関着するように働く２つのブラケットが溶接される。

それぞれのブラケット１１とレバー１６との間に配設されたレバー１４は略半円形の凹部１８を有し、それは座面２の後隅部を可動に収容するように働く。

下部ブラケット１２はガス圧ばね１３に関着され、次にガス圧ばね１３は、座面の前ブレースと後ブレースとの間の略中間に配設されて縁部領域が下方に屈曲した、座面２の縦ブレース１５に連結される。したがって、ガス圧ばね１３は一方ではブレース１２に接続され、他方ではブラケット１９を介して縦ブレース１５に接続される。

ガス圧ばね１３は背もたれ３の傾きを調整するように働き、傾きは座面２とは独立して調整することができる。

ガス圧ばね１３は、その特定の位置に関係なく、初期押込み力Ｆ１が増大された特殊ガス圧ばねである（図３参照）。

Stabilus社からのHydro-Lift（登録商標）の名称で公知のような、いわゆる摩擦ガスばね、およびピストンの後側に圧力弁を持つガス圧ばねを両方とも使用することができる。

したがって、背もたれ３の傾きの調整を達成するために、ユーザは背中を反らせて、ガス圧ばねの初期押込み力Ｆ１を追加的背面押込みによって克服することが必要なだけである。この後、低減された押込み力Ｆ２だけが依然として作動しており、それを克服する必要があるので、ユーザは今度は、背もたれ３の所望の位置を取るために希望する量だけ背中を反らすだけでよい。

この時点で、ユーザが単純に圧力を低減すると、背もたれ３は調整された位置に静止し続け、増大した初期押込み力Ｆ１が停止状態から依然として働いているおかげで、人間の体重に抗してそこに維持される。したがって、ユーザは、背もたれ３の任意の位置で背もたれ３にもたれかかることもできる。

ユーザが傾きのさらなる調整を希望する場合、再び後傾して、初期押込み力Ｆ１を克服することができ、それによって背もたれ３の調整が達成される。

加えて、ガス圧ばね１３は、押込み力Ｆ２より小さい押出し力Ｆ３を有する。これは、押出し力Ｆ３が大まかに押込み力２から摩擦力を引いたものに相当するためである。

ユーザが再びまっすぐに座り直したい場合、すなわち、背もたれの傾きを低減するか、または背もたれ３をより急勾配に配置したい場合、ユーザは前傾するだけでよい。したがって、押出し力Ｆ３は、背もたれ３がユーザを椅子１から「滑落」させることはないが、それでもなおひとりでに元に戻るように選択される。

押込み力Ｆ１およびＦ２は、一般的なばねの場合と同様に、調整経路に沿ってわずかに増加する。したがって、押出し力Ｆ３も調整経路に沿ってわずかに減少する。

熟考の上で、ガス圧ばね１３のばね特性（図３）は、力Ｆ１、Ｆ２、およびＦ３が普通の体重の人間に対し適正となるように、すなわち、これらの人間が背もたれを押して後傾させることによって、わずかな追加の圧力を加えなければならないように、選択される。言うまでもなく、ガス圧ばねは、椅子１がより重い人間に適するように選択することもできる。

したがって、椅子１は、背もたれ３の傾きの調整が操作手段無しで、無段で行なわれるように構成される。加えて、傾きの調整は、背もたれ３を任意の位置に保持することができるように構成される。背もたれ３の傾きの調整は完全に、レバー等のような操作手段無しで、かつロック手段または戻り止め手段無しで機能する。したがって、特殊な操作を必要としないので、操作は特に単純である。したがって調整は直観的であり、説明を必要としない。さらに、椅子１の構成は簡素化され、それは製造中のコスト削減を導き、さらにそれをより頑健にすると共に、その保守を容易にする。

背もたれが起立した状態の本発明に係る椅子の詰め物を除いた斜視図である。 背もたれが傾斜した状態の図１の椅子の斜視図である。 初期押込み力が増大し、押出し力が低減する、本発明に従って使用されるガス圧ばねのばね特性の略図である。

符号の説明

１ 椅子
２ 座面
３ 背もたれ
４ 足掛け
５ 基台
６ ヘッドピース
７ バックピース
８ リンク装置
９ 横ブレース
１０ バックピースの下部領域
１１ ブラケット
１２ ブラケット
１３ ガス圧ばね
１４ レバー
１５ 縦ブレース
１６ レバー
１７ 丸棒
１８ 凹部
１９ ブラケット

Claims (7)

1. 座面（２）に対して調整することのできる背もたれ（３、６、７）を有し、椅子の位置に関係なく、前記背もたれ（３）をその傾きに関して調整することができる椅子であって、前記背もたれ（３）の傾きの調整が操作手段無しに無段で行なわれることを特徴とする椅子。
2. 前記背もたれ（３）を任意の所望の位置に支持することができることを特徴とする、請求項１に記載の椅子。
3. 前記背もたれ（３）の傾きの調整のために、背もたれのそれぞれの位置に関係なく、増大した初期押込み力（Ｆ１）をもたらすガス圧ばね（１３）が設けられたことを特徴とする、請求項１または２に記載の椅子。
4. 前記ガス圧ばね（１３）が摩擦ガスばね、またはピストンの後側に圧力弁を持つガス圧ばねであることを特徴とする、請求項３に記載の椅子。
5. 前記ガス圧ばね（１３）が押込み力（Ｆ２）より小さい押出し力（Ｆ３）を有することを特徴とする、請求項３または４に記載の椅子。
6. 前記ガス圧ばね（１３）が一方で前記背もたれ（３）に接続され、他方で前記座面（２）に接続されることを特徴とする、請求項３ないし５の一項に記載の椅子。
7. 前記ガス圧ばね（１３）が縦ブレース（１５）を介して前記座面（２）に接続されることを特徴とする、請求項３ないし６の一項に記載の椅子。

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