JP3989765B2 - 椅子用ガススプリング - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子用ガススプリングに関する。
【0002】
【従来の技術】
椅子の座の昇降機構やロッキング装置のロック機構にガススプリングを使用したものがある。これらの椅子では、ガススプリングの長さを変更または固定することにより、座の高さや背凭れの傾斜角度を調整したり固定したりする。
【0003】
これらの椅子に使用されるガススプリングの操作機構100は、例えば図35及び図36に示すように、ガススプリング101の先端部にねじ止め等により固定される支持フレーム102と、該支持フレーム102に回転可能に支持される操作アーム103とを有している。この操作アーム103は、一端に形成された回転中心となる回転部104と、他端に形成された遠隔操作用のワイヤ105が連結される連結部106とを備えている。
【0004】
回転部104の中心には透孔104aが形成されている。そして、回転ピン107が支持フレーム102の支持孔102aと回転部104の透孔104aとを貫通することにより、操作アーム103を支持フレーム102に対して回転可能に連結している。この回転ピン107の先端部には、脱落防止用の止めピン108を取り付けている。
【0005】
また、連結部106は、ワイヤ105の係止球109を挿入して収容する筒状の球保持部110と、ワイヤ105を球保持部110の内外に連通させるワイヤ溝111とを有している。このワイヤ溝111は、球保持部110の端面から切り込まれて球保持部110の中央部で折れ曲がって周方向に沿った形状としている。このため、連結部106にワイヤ105を連結する際は、ワイヤ105をワイヤ溝111に差し入れながら係止球109を球保持部110に収容する。そして、ワイヤ105をワイヤ溝111の最も奥部に位置させることにより、操作機構100の組立中の係止球109の脱落を防止することができる。
【0006】
このガススプリングの操作機構100を使用する際は、ワイヤ105を引っ張って操作アーム103を回転させてガススプリング101のプッシュロッド112を押圧することによりガススプリング101の長さが可変となるので、座の昇降や背凭れの傾動を行うことができる。また、ワイヤ105を緩めてプッシュロッド112への押圧を解除することによりプッシュロッド112が突出してガススプリング101の長さが固定されるので、座の高さや背凭れの傾斜角度を維持することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したガススプリング101では、操作機構100が支持フレーム102と操作アーム103と回転ピン107や止めピン108とワイヤ105と該ワイヤ105を操作する操作レバーと該操作レバーを引いた状態でロックするロック機構等を必要とするので、部品点数が多くなってしまう。このため、操作機構100の組立性が悪いと共に部品コストが高くなるだけでなく、各部品の紛失防止のために管理が煩雑で管理コストも高くなってしまう。しかも、操作機構100がガススプリング101と別個に設けられているので、このガススプリング101を搭載しようとする椅子側に操作用の多くの構造物を取り付けたり加工を施す必要が生じてしまい、組立に手間が掛かり組立性が悪いと共に部品コスト及びその管理コストが高くなってしまう。
【0008】
また、ガススプリング101と操作レバーとが椅子に対して別々に取り付けられているので、これらをワイヤ105により接続しなければ成らない。そして、ワイヤ105の接続は精度良く行わないとガススプリング101が作動しないので、調整作業は煩雑で作業性が悪い。
【0009】
そこで、本発明は、操作機構の部品点数を減少すると共に椅子の背フレームへの取付を容易化する椅子用ガススプリングを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、バルブを外部から押し込んだときに作動流体を流動可能にして長さが変更可能なフリー状態になると共に、バルブを解放したときに該バルブが突出して作動流体の流動を止めて長さが固定されるロック状態になる椅子用ガススプリングにおいて、バルブの近傍に形成されたレバー支持部と、レバー支持部に揺動可能に支持されると共に揺動によりバルブを押圧または解放してフリー状態とロック状態とに切換可能な操作レバーと、レバー支持部と操作レバーを貫通して椅子の背フレームに係止する1本の連結シャフトを備えるものである。
【0011】
したがって、レバー支持部に対して操作レバーを揺動させることで、バルブを操作することができる。バルブを押し込んで椅子用ガススプリングをフリー状態にすると、椅子用ガススプリングの長さを変えることができる。また、バルブを解放してロック状態にすると、椅子用ガススプリングの長さを固定することができる。操作レバーとレバー支持部は1本の連結シャフトによって椅子の背フレームに係止されるので、ガススプリングの取り付けが簡単である。
【0012】
また、請求項2記載の椅子用ガススプリングは、操作レバーはバルブを操作するカム部を有していると共に、カム部に長孔を形成し、長孔に連結シャフトを貫通させて操作レバーの揺動角度を制限するものである。
【0013】
したがって、レバー支持部に対して操作レバーを揺動させることで、カム部がバルブを操作する。連結シャフトはカム部に形成された長孔内を貫通しているので、連結シャフトが長孔内を相対的に移動できる範囲でカム部の揺動が可能である。即ち、操作レバーの揺動角度が制限される。
【0014】
また、請求項3記載の椅子用ガススプリングは、操作レバーをバルブを押圧する第1の位置又はバルブを解放する第2の位置に保持する位置保持手段を備えたものである。
【0015】
したがって、位置保持手段が操作レバーを第1の位置に位置保持している場合には、椅子用ガススプリングはフリー状態になっており、椅子用ガススプリングの長さを変えることができる。また、位置保持手段が操作レバーを第2の位置に位置保持している場合には、椅子用ガススプリングはロック状態になっており、椅子用ガススプリングの長さを変えることはできない。
【0016】
さらに、請求項4記載の椅子用ガススプリングは、カム部とバルブとの間に介在されると共にカム部の押圧により揺動してバルブを押圧操作する介在レバーを備えると共に、レバー支持部にスリットと、スリットに連続し且つスリットの幅よりも大径の孔部を設け、介在レバーの支持軸をスリットに通して孔部に挿入することで介在レバーをレバー支持部に揺動可能に取り付け、支持軸の横断面形状はスリットの幅よりも短い短軸とスリットの幅よりも長い長軸を有しており、長軸をスリットの長さ方向に配置した状態で支持軸をスリットに通して孔部に挿入し、バルブの操作時には長軸をスリットに対向させて支持軸が孔部から外れるのを防止するものである。
【0017】
したがって、操作レバーが揺動するとカム部が介在レバーを揺動させてバルブを操作する。介在レバーをレバー支持部に取り付ける際、介在レバーの支持軸の短軸をスリットに対応させると、介在レバーの支持軸はスリットに対して細くなり、支持軸をスリットに通して孔部まで挿入することができる。一方、支持軸を孔部に挿入した後、長軸をスリットに対応させると、介在レバーの支持軸はスリットに対して太くなり、支持軸が外れることはない。介在レバーは揺動しながらバルブを操作するが、介在レバーがバルブを操作するために揺動する角度範囲では支持軸の短軸がスリットに対向しないように設計しておくことで、バルブ操作時に介在レバーが外れることはない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図9、図10、図34に、本発明を適用した椅子用ガススプリングの実施形態の一例を示す。なお、本実施形態の椅子用ガススプリング(以下、単にガススプリングという)24は、シリンダ56の一端部にバルブ9が突出可能に設けられると共に他端部にロッド57が摺動可能に設けられるいわゆるトリプルチューブタイプのものを使用している。このガススプリング24の具体的な内部構造は本発明では特に限定されず、既知のまたは新規の構造を採用することができる。
【0020】
このガススプリング24は、バルブ9を外部から押し込んだときに作動流体を流動可能にして長さが変更可能なフリー状態になると共に、バルブ9を解放したときに該バルブ9が突出して作動流体の流動を止めて長さが固定されるロック状態になるもので、バルブ9の近傍に形成されたレバー支持部46と、レバー支持部46に揺動可能に支持されると共に揺動によりバルブ9を押圧または解放してフリー状態とロック状態とに切換可能な操作レバー26と、レバー支持部46と操作レバー26を貫通して椅子の背フレーム1に係止する1本の連結シャフト47を備えるものである。なお、作動流体としては、圧縮ガス等の気体または油等の液体のいずれであっても良い。また、本明細書中で「バルブ」とは、ガススプリングに内蔵されて作動流体を流動可能にするか遮断するかを切り換える弁部材のみならず、この弁部材に連結してガススプリングの外部に突出して押圧により弁部材を直接切換制御できるプッシュロッド等を含む概念としている。
【0021】
操作レバー26はバルブ9を操作するカム部48を有している。本実施形態では、カム部48は2枚の側板48aを有しており、2枚の側板48aを所定間隔をあけて平行に配置して操作レバー26に固着している。カム部48には長孔49が形成されている。長孔49に連結シャフト47を貫通させることで、操作レバー26の揺動角度を制限している。また、カム部48とバルブ9との間には介在レバー50が介在しており、この介在レバー50はカム部48の押圧により揺動してバルブ9を押圧操作する。
【0022】
レバー支持部46は、例えば2枚の側板46aを有しており、側板46a間にカム部48と介在レバー50を配置している。レバー支持部46には、図34に詳しく示すように、スリット51と、スリット51に連続し且つスリット51の幅よりも大径の孔部52が設けられており、介在レバー50の支持軸50aをスリット51に通して孔部52に挿入することで介在レバー50をレバー支持部46に揺動可能に取り付けている。支持軸50aの横断面形状は、スリット51の幅よりも短い短軸53とスリット51の幅よりも長い長軸54を有しており、長軸54をスリット51の長さ方向に配置した状態で支持軸50aをスリット51に通して孔部52に挿入する。また、バルブ9の操作時には、図34中二点鎖線で示すように、長軸54をスリット51に対向させて支持軸50aが孔部52から外れるのを防止する。即ち、介在レバー50がレバー支持部46に取り付けられている状態では、図10(A)(B)に示すように、短軸53がスリット51に対向することはなく、したがって、介在レバー50がレバー支持部46から外れることはない。
【0023】
レバー支持部46には凹部46bが形成されており、凹部46bに操作レバー26を挿入し、連結シャフト47を長孔49内に挿入することで、操作レバー26をレバー支持部46に対して揺動可能に取り付けている。
【0024】
カム部48に形成した長孔49の形状において、その両端部に凹部55が設けられている。カム部48はバルブ9からの反力を受けて常にバルブ9から離れる方向に押圧されているので、操作レバー26を操作してカム部48を揺動させると、連結シャフト47が凹部55に嵌り込み、カム部48を位置保持する。即ち、長孔49の両端部に形成された凹部55が、操作レバー26をバルブ9を押圧する第1の位置P1(図10(B)の位置)又はバルブ9を解放する第2の位置P2(図10(A)の位置)に保持する位置保持手段である。第1の位置P1及び第2の位置P2に凹部55を形成することで、操作レバー26を第1の位置P1又は第2の位置P2に操作した場合に操作を行った者に位置P1,P2を気付かせるクリック感を発揮することができると共に、操作レバー26が勝手に動いたしまうのを防止することができる。
【0025】
ガススプリング24のレバー支持部46は、背板2の下方に配置されている。操作レバー26は、椅子の幅方向に伸びており、その先端を前方に折り曲げている。操作レバー26の先端部には、摘み25が取り付けられている。
【0026】
ガススプリング24の長さ固定やその解除は、操作レバー26の操作によって行われる。操作レバー26は背板2の下方を椅子の幅方向に伸びており、摘み25を背板2の側縁の下方空間に配置しているので、着座者が前方にかがむことがなく、背中を背板2に着けたままの状態で手を下ろすだけで摘み25を掴むことができ、そのまま操作レバー26を操作することができる。このため、レバー操作を行いやすく、しかも操作レバー26を操作しながら背中で背板2を押す動作を行いやすくなる。
【0027】
また、椅子の幅方向に伸ばした操作レバー26に摘み25を取り付けており、合理的な配置となっている。さらに、椅子に取り付ける前にレバー支持部46と操作レバー26に連結シャフト47を通しておくことで、ガススプリング24を仮組み付けしてユニット化しておくことができる。即ち、ガススプリング24を予め組み付けてユニット化した状態で椅子に組み付けることが可能になり、椅子の組み付け作業を容易にすることができる。しかも、椅子に組み付ける場合には、仮組み付けしたガススプリング24のレバー支持部46と操作レバー26から連結シャフト47を一旦引き抜いた後、背フレーム1と一緒に連結シャフト47を挿入し直せば、ガススプリング24のレバー支持部46を背フレーム1に取り付けることができる。このため、ガススプリング24の組み付け作業が容易である。
【0028】
また、ガススプリング24のバルブ9を操作レバー26によって操作することができるので、図35に示す従来のガススプリングのようにワイヤを使用して操作を行う必要がない。このため、ワイヤを取り回すといった煩わしい作業を行う必要がなくなり、このことからも椅子の組み付け作業が容易になる。また、ワイヤを使用していないので、ワイヤの長さ調整等を行う必要もなくなる。つまり、ワイヤの長さに誤差があるとバルブ操作に支障をきたし操作精度が悪化する虞があるが、本発明では操作レバー26によってダイレクトに操作しているので、精度良くバルブ9を操作することが可能である。
【0029】
本実施形態では、以下に説明する椅子にガススプリング24を組み付けている。なお、本発明のガススプリング24は、以下に説明する椅子以外の椅子についても適用可能であることは勿論である。また、座受け部材8の後端と背フレーム1の途中を連結しリクライニングの可否を操作するガススプリング24への適用に限るものではなく、これ以外のガススプリングに適用しても良い。例えば、座を昇降させると共にその高さ位置を固定するガススプリングや、脚に対して座を移動させることが可能な椅子(例えば、脚側に固定した左右の肘掛け間に座板を吊すことで座板を前後方向に揺動させることができるようにした椅子等)において座の位置を固定するガススプリング等に適用しても良い。
【0030】
この椅子の背もたれ構造は、背フレーム1と、背フレーム1に上部2a又は下部2bが固定され、下部2b又は上部2aが前後方向に屈曲可能な背板2と、背板2の屈曲角度を変化させ且つ屈曲角度を固定する屈曲角度調整機構3を備えている。本実施形態では、背板2の下部2bを背フレーム1に固定すると共に、背板2の上部2aを前後方向に屈曲可能にしている。また、屈曲角度調整機構3を、下端が背フレーム1に連結されて当該連結点4を中心に上端が前後方向に傾動可能な制御リンク5と、制御リンク5の上端を背板2の上部2aにこれらの相対変位を吸収しながら連結する連結手段6と、背フレーム1と制御リンク5の間の連結点4から離れた位置に設けられて背フレーム1と制御リンク5との間の距離を変化させる変位手段7を備えて構成している。
【0031】
背フレーム1は、座受け部材8に傾動可能に取り付けられている。背フレーム1には背板2の下部2bが固定されている。
【0032】
背板2は、例えば可とう性の材料で構成されている。本実施形態では、例えばポリプロピレン、ナイロン等の樹脂によって背板2を成形している。ただし、背板2の材料となる樹脂はこれらに限るものではなく、また、樹脂以外の材料によって背板2を成形しても良い。背板2の両側部は前方に向けて湾曲しているが、背板2にスリット10を形成することで、下部2bに対して上部2aを前後方向に屈曲しやすくしている。本実施形態では、スリット10をU字形状にしているが、スリット10の形状はこれに限るものではなく、例えば上下が逆のU字形状や、H字形状や、スペードのマークの外周の様でスペードのマークの下端はつながっている形状にしても良く、その他の形状でも良い。なお、背板2のスリット10の上側部分は、舌片部2cとなっている。
【0033】
制御リンク5は、例えば横断面形状が円形のパイプである。制御リンク5は、例えば2本設けられており、左右の制御リンク5は2つのブラケット11,12によって連結されている。下側のブラケット12の下端には、背フレーム1を両側から挟むように配置される一対の突片12aが固着されている。各突片12aと背フレーム1に、連結点4となるシャフト(以下、シャフト4という)を貫通させることで、ブラケット12即ち制御リンク5の下端は背フレーム1に対してシャフト4を中心に回転自在に連結され、上端を前後方向に揺動させることができる。2本の制御リンク5は下から上に向かう途中で離間する方向に湾曲し、上端を背板2の角部近傍に連結手段6によって連結させている。
【0034】
連結手段6は、制御リンク5の上端に設けられた円周部13と、円周部13に相対回転自在且つ軸方向に摺動自在な連結部14と、連結部14を背板2に上下方向に回転自在に取りつける軸支手段15を備えている。本実施形態では、制御リンク5は横断面形状が円形のパイプであるので、制御リンク5の上端部が円周部13となっている。また、連結部14は、例えば円周部13に相対回転自在且つ軸方向に摺動自在嵌め込まれたキャップ(以下、キャップ14という)である。ただし、連結部14としてはキャップに限るものではなく、例えばリング等であっても良い。
【0035】
軸支手段15は、キャップ14に固着された突片14aと、この突片14aを挟むように配置され、背板2に固着されている一対の突片2dと、これらの突片2d、14aを貫通する支軸16より構成されている。
【0036】
キャップ14は円周部13に上から嵌め込まれている。キャップ14の内径を円周部13の外径よりも僅かに大きくすることで、円周部13に対して回転自在且つ軸方向に摺動自在になっている。キャップ14は円周部13から脱落しない程度の長さを有している。即ち、制御リンク5の傾動と背板2の屈曲によってキャップ14が円周部13に対して摺動しても、キャップ14が円周部13から外れることはない。
【0037】
変位手段7は、背フレーム1と制御リンク5のいずれか一方に設けられたアジャストスクリュウ17と、いずれか他方に設けられアジャストスクリュウ17が挿入されるねじ孔18と、アジャストスクリュウ17とねじ孔18のうち少なくとも一方の角度を上下方向に変化させる角度変化手段19を備えている。本実施形態では、制御リンク5を連結するブラケット12にアジャストスクリュウ17を取り付け、背フレーム1に角度変化手段19を介してねじ孔18を設けている。
【0038】
より詳細に説明すると、アジャストスクリュウ17はスラストベアリング20を介してブラケット12に回転自在に且つ脱落不能に取り付けられている。また、角度変化手段19は、背フレーム1の側板1d,1dの間に渡された円筒体21と、この円筒体21の両端を背フレーム1の側板1d,1dに回転自在に取り付けるねじ22,22より構成されている。ねじ22は、背フレーム1の側板1dに形成されたねじ孔1eにねじ込まれている。
【0039】
ねじ孔18は、円筒体21の中央を貫通している。ねじ孔18にねじ込まれたアジャストスクリュウ17の先端には止め円板23が取り付けられており、アジャストスクリュウ17がねじ孔18から抜けないようになっている。
【0040】
この椅子の背もたれ構造では、以下の通り、背板2の屈曲角度を好みの角度に調整することができる。
【0041】
いま、図1及び図6に示す状態から、アジャストスクリュウ17をねじ孔18から抜く方向に回転させて伸ばすと、この部分における背フレーム1と制御リンク5との間隔が広がるので、制御リンク5はシャフト4を中心に後方に向けて倒れる(後方に傾動する)。このため、制御リンク5の上端が背板2の上部2aを後方に引っ張り、背板2を弾性変形させて屈曲させる(図2,図7)。
【0042】
アジャストスクリュウ17の回転操作を止めると、背フレーム1と制御リンク5の間隔は変化しなくなるので、制御リンク5の傾動角度は一定に維持され、したがって、背板2の屈曲角度を一定に維持することができ、この状態で椅子を使用することができる。
【0043】
また、アジャストスクリュウ17を上述の操作と反対側に回転させると、アジャストスクリュウ17がねじ孔18にねじ込まれて短くなり、この部分における背フレーム1と制御リンク5との間隔が狭くなる。このため、制御リンク5はシャフト4を中心に前方に向けて回転して起きあがる(前方に傾動する)。これにより、制御リンク5による背板2の方向への引っ張り力が減少するので、背板2の屈曲角度が減少する。即ち、図1及び図6に示すように、背板2の屈曲角度を元に戻すことができる。
【0044】
このような背もたれ構造では、着座者が背板2に寄り掛かり、背板2を座受け部材8に対して傾動させた場合でも、換言すると、背もたれ全体をリクライニングさせた場合でも、アジャストスクリュウ17を回転させるような力は発生しないので、使用中に背板2の屈曲角度が変化してしまうことはない。
【0045】
つまり、着座者はアジャストスクリュウ17の操作によって背板2の屈曲角度を好みの角度に調整することができ、背板2を好みの角度に屈曲させた状態で椅子を使用することができる。この結果、椅子の使い勝手を良くすることができる。また、アジャストスクリュウ17を回転させることは容易であり、調整作業も簡単である。このことからも、椅子の使い勝手を良くすることができる。
【0046】
背板2の屈曲角度を大きくした状態で椅子を使用することで、例えば背フレーム1を傾動させて背もたれ全体をリクライニングさせた際、背筋をより伸ばすことができ、背のストレッチ効果をより得ることができる。
【0047】
なお、座受け部材8の後端と背フレーム1の途中を連結するガススプリング24を伸縮させることで、背フレーム1を座受け部材8に対して傾動させてリクライニングすることが可能になる。即ち、ガススプリング24は座受け部材8及び背フレーム1とともに三角形状のリンク機構を構成しており、ガススプリング24の長さ変化が可能な場合には背フレーム1は傾動可能であるが、ガススプリング24の長さを固定した場合には背フレーム1を傾動させることができなくなる。
【0048】
アジャストスクリュウ17を操作して制御リンク5の傾動角度を変化させると、アジャストスクリュウ17とねじ孔18の高さ関係が変化するので、これらの対向角度が変化する。本実施形態では、アジャストスクリュウ17とねじ孔18の高さ関係の変化に応じて角度変化手段19の円筒体21が回転し、アジャストスクリュウ17とねじ孔18を常に一直線上に配置することができる。即ち、角度変化手段19がアジャストスクリュウ17とねじ孔18の対向角度の変化を吸収するので、アジャストスクリュウ17を常にスムーズに回転させることができる。このため、アジャストスクリュウ17を軽い力で操作することができ、使い勝手に優れている。
【0049】
制御リンク5を傾動させて背板2の屈曲角度を調整する際、制御リンク5の上端の移動量と背板2の制御リンク5を連結している部分(リンク連結部分)の移動量が相違するため、制御リンク5の上端と背板2のリンク連結部分との間に相対変位が生じるが、この相対変位を連結手段6が吸収する。即ち、制御リンク5の軸方向の相対変位は、円周部13に対してキャップ14が軸方向に摺動することで吸収することができる。また、制御リンク5と背板2の上下方向の角度変化は、軸支手段15の支軸16を中心に背板2とキャップ14の相対角度を変化させることで吸収することができる。さらに、制御リンク5と背板2の水平方向の角度変化は、円周部13に対してキャップ14が回転することで吸収することができる。
【0050】
このように、制御リンク5の上端と背板2のリンク連結部分との間に発生する相対変位を連結手段6によって吸収することができるので、制御リンク5を傾動させて背板2を屈曲させる機構を成立させることができる。また、制御リンク5と背板2の連結部分に無理な力が作用することもないので、スムーズに動かすことができ、軽い力で背板2を屈曲させることができ、使い勝手や使い心地が良くなる。さらに、制御リンク5と背板2の連結部分に無理な力が作用するのを防止できるので、応力集中による部材、部品の破損や摩耗を防いで、製品寿命を長くすることができる。また、各部材・部品の材料の選択の自由度や、摺動・接触する部材・部品間での材料の組合せの自由度を向上させることができる。
【0051】
また、連結手段6は、円周部13に対してキャップ14を回転させることで、制御リンク5と背板2の水平方向の角度変化を吸収するようにしているので、背板2の平面視において、背板2の中央を後方に突出させるように背板2を湾曲させることが容易になる。即ち、着座者が背板2に寄り掛かると、背中の形状にあわせて背板2を湾曲させやすくなる。このため、座り心地を更に良くすることができる。
【0052】
なお、図1〜図3,図6,図7には図示を省略しているが、背板2の前面にはクッション材27が取り付けられている。クッション材27は袋状のカバー28内に収納されている。カバー28の裏面の上端縁にはポケット状の折返し部28aが、また、カバー28の裏面の背板2のスリット10に対向する位置には、上方に開口するポケット部28bが設けられている。また、ポケット部28bの形状は、スリット10及び舌片部2cの形状に対応する様な形状となっている。折返し部28a内には、弾性変形可能な中敷きプレート29が入れられており、カバー28の上端縁の形状を整えると共に、折返し部28aがしわになったり折れ曲がるのを防止して折返し部28aをめくりやすくしている。
【0053】
クッション材27を背板2に取り付けるには、まず最初にカバー28のポケット部28bを背板2のスリット10に通して背板2の舌片部2cに下から被せた後、折返し部28aをめくりながら背板2の上端縁に被せれば良い。背板2の上端縁は上に向いており、背板2の舌片部2cは下に向いているので、カバー28を上下に広げるようにして背板2に取り付けることができる。また、カバー28の折返し部28aを背板2の上端縁に被せ、ポケット部28bを舌片部2cに被せているので、カバー28が背板2に対して左右方向にずれることもない。
【0054】
このように、カバー28の折返し部28aを上から被せ、ポケット部28bをスリット10に通して下から被せるだけで、クッション材27を背板2に取り付けることができるので、取付作業が大変簡単である。しかも、上下方向にも左右方向にも正確な位置にクッション材27を取り付けることができる。
【0055】
即ち、従来の方法では、クッション材27を収納するカバー28を背板2に取り付ける場合、カバー28を背板2にピンによって止めていたり、面ファスナ(所謂マジックテープ)によって止めていた。また、カバー28の上端縁に折返し部28aを設けて背板2の上端縁に被せる例はあったが、この場合でもカバー28の下部2bはピンや面ファスナを使用して背板2に止めていた。したがって、従来の方法では、クッション材27を収納したカバー28を背板2に取り付けるのに手間が掛かっており、作業性に劣っていた。これらに対し、本発明では、ピンや面ファスナを使用して止めるという煩わしい作業をする必要がなく、また、ピンや面ファスナを位置決めしたり、カバー28自体を背板に位置決めするような作業を行う必要もないので、作業性に大変優れており、製造コストを下げることができる。
【0056】
また、椅子の後方からカバー28の折返し部28aとポケット部28bが見えるので、背板2の色とカバー28の色を相違させておくことで、折返し部28aとポケット部28bがデザイン上のワンポイントとなり、従来にないデザインにすることができ、他の種類の椅子との差別化を図ることができる。
【0057】
また、カバー28を背板2に取りつけた状態で、ポケット部28bを携帯電話等の小物類を入れておくことのできるポケットとして使用することもできる。
【0058】
なお、上述のようなクッション材27の取り付け構造は、図1に示す構造の椅子に限るものではなく、スリット10を設けて舌片部2cを形成している背板2であれば適用可能である。
【0059】
また、上述のポケット部28bは上方に開口していたが、ポケット部28bを下方に開口するようにしても良い。この場合には、スリット10を上下が逆のU字形状にする。
【0060】
また、ポケット部28bの代わりに、舌片部2cに係止できる手段、例えばバンド部等を設けても良いことは勿論である。ポケット部28bの代わりに例えばバンド部を設けた場合には、スリット10がU字形状である場合は勿論のこと、スリット10を上下が逆のU字形状にしてもバンド部を舌片部2cに係止してカバー28を背板2に取り付けることができる。また、図33に示すように、バンド部28cが舌片部2cから抜けるのを防止するために、スリット10に段部10aを設けても良い。
【0061】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0062】
例えば、上述の説明では、連結手段6として円周部13と、キャップ14と、軸支手段15を備えていたが、必ずしもこの構成でなくても良い。例えば、図13に示す連結手段6のように、制御リンク5の上端にリンク側突片30を固着して制御リンク5の軸方向に細長い長孔31を設けると共に、背板2に背板側突片32を固着してこの背板側突片32に長孔31内を貫通するピン33を取り付けるようにしても良い。ピン33が長孔31内を移動することで、制御リンク5の軸方向の相対変位を吸収することができる。また、長孔31内でピン33が回転することで、制御リンク5と背板2の上下方向の角度変化を吸収することができる。なお、図13の例では、制御リンク5側に長孔31を、背板2側にピン33を設けているが、制御リンク5側にピン33を、背板2側に長孔31を設けても良い。
【0063】
また、変位手段7を凹凸長孔構造にしても良い。図14及び図15に、変位手段7を凹凸長孔構造にした例を示す。この変位手段7では、制御リンク5又はブラケット12に、凹凸を有する長孔34が形成されているプレート35を取り付けると共に、背フレーム1にピン36を取り付け、ピン36を凹凸を有する長孔34に通す構成にしても良い。また、この構成では、プレート35の下端近傍に長孔37を設けておき、この長孔37にシャフト4を貫通させるようにしている。
【0064】
制御リンク5の傾動角度を変える場合には、制御リンク5を持ち上げて凹凸を有する長孔34の凹部34aからピン36を外し、制御リンク5の傾動角度を変えてピン36を隣の凹部34aに対向させ、この状態で制御リンク5を降ろすようにする。即ち、凹凸を有する長孔34に対するピン36の位置を換えることで、背板2の屈曲角度を調整することができる。制御リンク5等の重さによってピン36が凹部34aから外れるのを防止することができるので、制御リンク5の傾動角度を固定することができ、使用中に背板2の屈曲角度を固定することができる。
【0065】
なお、図14,図15の例では、凹凸を有する長孔34の2箇所に凹部34aを設けて制御リンク5の傾動角度を2段階調整可能にしていたが、凹部34aの数は2箇所に限るものではないことは勿論である。凹部34aの数を増やすことで、選択できる制御リンク5の傾動角度の数が増え、背板2の屈曲角度を多段階調整することができる。
【0066】
また、変位手段7をカム構造にしても良い。図16及び図17に、変位手段7をカム構造にした一例を示す。この変位手段7では、ブラケット12にカムプレート38を回転自在に取りつけている。カムプレート38には長孔38aが形成されており、長孔38aに固定ピン39を貫通させることでカムプレート38の回転できる角度を一定の範囲に制限している。図示しない操作レバーを回転操作することで、カムプレート38を回転させて制御リンク5と背板2の間隔を変化させることができる。カムプレート38を操作して制御リンク5と背板2の間隔を狭めた場合、即ち、図17の状態から図16の状態にカムプレート38を操作した場合には、背板2は自身の弾性力によって元の形状に戻ろうとして屈曲角度を減少させようとするので、カムプレート38から背板2が離れることはない。即ち、カムプレート38による押し広げ力が解除されると、背板2は自身の弾性力によって屈曲角度を減少させる。
【0067】
カム構造を利用した変位手段7では、カムプレート38の回転角度を任意角度に固定できるようにすることで、背板2の屈曲角度を無段階調整することができる。また、カムプレート38のカム部分の形状を多角形にすることで、制御リンク5の傾動角度を段階的に変化させることができるようになり、背板2の屈曲角度を多段階調整することができる。
【0068】
また、変位手段7をリンク構造にしても良い。図18及び図19に、変位手段7をリンク構造にした一例を示す。この変位手段7では、制御リンク5に固着されたブラケット12と背板2を2本のリンク40,41によって連結すると共に、ブラケット12と背板2の間にリターンスプリング42を圧縮した状態で取りつけている。図19の状態では、リターンスプリング42の付勢力によって2本のリンク40,41を伸ばしながら制御リンク5が後方に倒され、背板2の屈曲角度を増加させている。また、リターンスプリング42の付勢力に抗して2本のリンク40,41を縮める(屈曲させる)と、制御リンク5が起立して背板2の屈曲角度が減少する(図18)。図示しない操作手段によって2本のリンク40,41の屈曲角度を変化させてその角度に固定することで、背板2の屈曲角度を調整することができる。
【0069】
リンク構造を利用した変位手段7では、2本のリンク40,41を任意の屈曲角度に固定できるようにすることで、背板2の屈曲角度を無段階調整することができる。
【0070】
また、上述の説明では制御リンク5の上端を後方に倒すことで背板2の屈曲角度を増加させ、例えばリクライニングの際、着座者の背筋をより伸ばすことができるようにして背のストレッチ効果をより得ることができるようにしていたが、必ずしもこの構成でなくても良い。
【0071】
例えば、背板2の下部2bによって着座者の臀部をサポートするようにしても良い。図20〜図23に、背板2の下部2bを臀部サポートにする一例を示す。この例では、背フレーム1を上方に延出させ、背フレーム1に背板2の上部2aを固定している。また、背板2の下部2bは前傾可能になっている。制御リンク5の上端は背フレーム1に回転自在に取りつけられている。また、制御リンク5の下端は、背板2の下部2bに連結されている。変位手段7の操作によって制御リンク5を前後に傾動させることで、背板2の屈曲角度を変化させて下部2bを前後傾動させることができる。例えば、背板2の下部2bを前方に向けて傾動させることで下部2bが着座者の臀部を支える臀部サポートとなり、着座時のサポート感を得ることができる。
【0072】
なお、図24及び図25に示すように、制御リンク5を省略し、背フレーム1と背板2の間に変位手段7を設けても良い。この場合にも、変位手段7の操作によって背板2の屈曲角度を変化させて下部(臀部サポート)2bを前後傾動させることができる。
【0073】
また、背板2を高さ調整できるようにしても良い。図26に、背板2を高さ調整可能にした一例を示す。背フレーム1を下側フレーム1aと上側フレーム1bに分割すると共に、下側フレーム1aの先端に設けた円筒部1cに上側フレーム1bを挿入し、円筒部1cに対して上側フレーム1bをスライドさせることで、背板2の高さを調整する。図示しない係止手段によって上側フレーム1bを円筒部1cに係止することで、背板2を調整後の高さに固定することができる。背板2の高さ調整を行うことで、背板2の屈曲部分の高さを変えることができる。図27及び図28に示すように、着座者の体格に応じて背板2の高さ調整を行うことで、座り心地が向上する。なお、図27は子供が座っている様子を、図28は大人が座っている様子を示している。
【0074】
また、図1の例ではヘッドレストを設けていなかったが、ヘッドレストを設けても良い。図29〜図32に、ヘッドレスト44を設けた一例を示す。ヘッドレスト44の下端を背板2の上端に回転可能に取り付け、リンク45によってヘッドレスト44の上端を背フレーム1に連結している。リンク45はヘッドレスト44及び背フレーム1に対して回転自在に連結されている。図29及び図31に示すように、背板2の高さをあまり屈曲させていない状態ではヘッドレスト44は後方に移動しており、着座者の邪魔にならない。この状態から背板2を屈曲させると、図30及び図32に示すようにヘッドレスト44が前方に移動し、着座者の頭を支えることができる。なお、リンク45を設けて背板2の屈曲に連動してヘッドレスト44を移動させるようにしていたが、ヘッドレスト44の動きを背板2の屈曲に連動させなくても良い。また、ヘッドレスト44を背板2に固定しても良い。
【0075】
さらに、上述の説明では、背板2を可とう性の材料で構成することで屈曲可能にしていたが、背板2の上部2aと下部2bを別部材にし、ヒンジ等によって上部2aと下部2bを接続することで背板2を屈曲可能にしても良い。なお、ヒンジとしては、例えば、背板2の上部2aや下部2bと一体成形され、且つ上部2aや下部2bの材料となる樹脂よりも柔軟性がある樹脂を使用して形成した樹脂ヒンジの適用が可能であり、また、背板2の上部2aや下部2bと一体成形され、上部2aや下部2bよりも肉厚を薄くすることで柔軟性を持たせたヒンジの適用が可能であり、さらに、背板2の上部2aや下部2bを分割し、これらを連結する蝶番の使用が可能である。
【0076】
また、図示していないが着座者が容易に操作できる位置に操作レバー等を設け、アジャストスクリュウ17、カムプレート38、リンク40,41等の変位手段7を前記操作レバー等を用いて操作することも可能である。
【0077】
また、アジャストスクリュウ17、カムプレート38、リンク40,41を回転させる電動モータを設け、スイッチ操作によって電動モータを始動・停止させて電動で変位手段7を操作するようにしても良い。
【0078】
また、変位手段7として流体によって膨張、収縮する袋を設けると共に、この袋を制御リンク5及び背板2に接続し、袋に対して空気等の流体を注入又は吸引することで袋を膨張又は収縮させて制御リンク5を傾動、即ち背板2を屈曲角度を変化させるようにしても良い。
【0079】
さらに、背板に代えて、座板の屈曲角度を調整するようにしても良い。即ち、座フレームと、座フレームに前部又は後部が固定され、後部又は前部が上下方向に屈曲可能な座板と、座板の屈曲角度を変化させ且つ屈曲角度を固定する屈曲角度調整機構を備える椅子の座構造であっても良い。
【0080】
また、座フレームに前部が固定され、後部が上下方向に屈曲可能な座板と、座板の屈曲角度を変化させ且つ屈曲角度を固定する屈曲角度調整機構を備える椅子の座構造であって、座板の後部に背板2の下部を固定し、座板の後部を下方に屈曲させると、これに追従して背板2が後方に傾動するようにしても良い。
【0081】
さらに、上述の説明では、パイプによって制御リンク5を形成し、制御リンク5とブラケット12とを別部材にしているが、これらを一体成形しても良い。即ち、制御リンク5と、ブラケット12と、突片12aを例えばアルミダイキャスト等の金属ダイキャスト等によって一体成形しても良い。つまり、上端に円周部13を形成し、ブラケット12の位置にアジャストスクリュウ17を貫通させる孔と突片12aを形成した金属ダイキャストの一体成形品であっても良い。また、金属ダイキャストによる一体成形品に限らず、樹脂製の一体成形品や金属製プレスによる一体成形品としても良い。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の椅子用ガススプリングでは、バルブの近傍に形成されたレバー支持部と、レバー支持部に揺動可能に支持されると共に揺動によりバルブを押圧または解放してフリー状態とロック状態とに切換可能な操作レバーと、レバー支持部と操作レバーを貫通して椅子の背フレームに係止する1本の連結シャフトを備えているので、椅子用ガススプリングのバルブを操作レバーによって直接操作することができる。このため、バルブを操作する機構が簡単なものとなり、部品点数を減少させることができると共に組み付け作業が容易になり、製造コストを低減することができる。また、椅子用ガススプリングのバルブを操作レバーによって直接操作することができるので、操作の信頼性が向上すると共に、その調整作業も容易である。
【0083】
また、請求項2記載の椅子用ガススプリングのように、操作レバーはバルブを操作するカム部を有していると共に、カム部に長孔を形成し、長孔に連結シャフトを貫通させて操作レバーの揺動角度を制限するようにしても良い。
【0084】
また、請求項3記載の椅子用ガススプリングでは、操作レバーをバルブを押圧する第1の位置又はバルブを解放する第2の位置に保持する位置保持手段を備えているので、椅子用ガススプリングをフリー状態又はロック状態に保持することができる。
【0085】
さらに、請求項4記載の椅子用ガススプリングのように、カム部とバルブとの間に介在されると共にカム部の押圧により揺動してバルブを押圧操作する介在レバーを備えると共に、レバー支持部にスリットと、スリットに連続し且つスリットの幅よりも大径の孔部を設け、介在レバーの支持軸をスリットに通して孔部に挿入することで介在レバーをレバー支持部に揺動可能に取り付け、支持軸の横断面形状はスリットの幅よりも短い短軸とスリットの幅よりも長い長軸を有しており、長軸をスリットの長さ方向に配置した状態で支持軸をスリットに通して孔部に挿入し、バルブの操作時には長軸をスリットに対向させて支持軸が孔部から外れるのを防止しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した椅子用ガススプリングを取り付けた椅子の一例を示し、構成部材の位置関係を示す図である。
【図2】同椅子を示し、背板を大きく屈曲させた状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図3】同椅子の背板を示す背面図である。
【図4】同椅子の背もたれ構造の連結手段を示し、その上方からみた断面図である。
【図5】同連結手段を示し、その側方からみた断面図である。
【図6】同椅子の背もたれ構造の変位手段の第1の例を示し、構成部材の位置関係を示す図である。
【図7】同変位手段を示し、背板を大きく屈曲させた状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図8】同変位手段の角度変化手段を示す斜視図である。
【図9】本発明を適用したガススプリングを示し、椅子に取り付ける場合の位置関係を示す平面図である。
【図10】同ガススプリングを示し、(A)は操作レバーが第2の位置に移動している様子を一部切り欠いて示す側面図、(B)は操作レバーが第1の位置に移動している様子を一部切り欠いて示す側面図である。
【図11】同椅子の背もたれ構造のカバーを示す背面図である。
【図12】同カバーを背板に取り付けた様子を示す背面図である。
【図13】同椅子の背もたれ構造を構成する連結手段の他の実施形態を示す側面図である。
【図14】同椅子の背もたれ構造の変位手段の第2の例を示し、構成部材の位置関係を示す図である。
【図15】同変位手段の第2の例を示し、背板を大きく屈曲させた状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図16】同椅子の背もたれ構造の変位手段の第3の例を示し、構成部材の位置関係を示す図である。
【図17】同変位手段の第3の例を示し、背板を大きく屈曲させた状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図18】同椅子の背もたれ構造の変位手段の第4の例を示し、構成部材の位置関係を示す図である。
【図19】同変位手段の第4の例を示し、背板を大きく屈曲させた状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図20】同椅子の背もたれ構造の第1の変形例を示す概略構成図である。
【図21】同椅子の背もたれ構造の第1の変形例を示し、背板の下部を前方に傾動させた様子を示す概略構成図である。
【図22】図20の背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示す概略構成図である。
【図23】同背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示し、背板の下部を前方に傾動させた様子を示す概略構成図である。
【図24】同椅子の背もたれ構造の第2の変形例を示す概略構成図である。
【図25】同椅子の背もたれ構造の第2の変形例を示し、背板の下部を前方に傾動させた様子を示す概略構成図である。
【図26】同椅子の背もたれ構造の第3の変形例を示す概略構成図である。
【図27】図26の背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示し、子供が使用する様子を示す概略構成図である。
【図28】図26の背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示し、大人が使用する様子を示す概略構成図である。
【図29】同椅子の背もたれ構造の第4の変形例を示し、ヘッドレストを後方に移動させている状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図30】同椅子の背もたれ構造の第4の変形例を示し、ヘッドレストを前方に移動させている状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図31】図29の背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示し、ヘッドレストを後方に移動させている状態の概略構成図である。
【図32】同背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示し、ヘッドレストを前方に移動させ、背もたれ全体をリクライニングさせている状態の概略構成図である。
【図33】背板のスリットに段部を設けた様子を示す背面図である。
【図34】レバー支持部に介在レバーを組み付ける様子を示す側面図である。
【図35】従来のガススプリングの操作機構を示す分解組立斜視図である。
【図36】従来のガススプリングの操作機構の操作アームの連結部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 背フレーム
9 バルブ
24 椅子用ガススプリング
26 操作レバー
46 レバー支持部
47 連結シャフト
48 カム部
49 カム部の長孔
50 介在レバー
50a 介在レバーの支持軸
51 スリット
52 孔部
53 支持軸の横断面形状の短軸
54 支持軸の横断面形状の長軸
55 凹部(位置保持手段)
P1 第1の位置
P2 第2の位置

Claims (4)

  1. バルブを外部から押し込んだときに作動流体を流動可能にして長さが変更可能なフリー状態になると共に、前記バルブを解放したときに該バルブが突出して前記作動流体の流動を止めて長さが固定されるロック状態になる椅子用ガススプリングにおいて、前記バルブの近傍に形成されたレバー支持部と、前記レバー支持部に揺動可能に支持されると共に前記揺動により前記バルブを押圧または解放して前記フリー状態と前記ロック状態とに切換可能な操作レバーと、前記レバー支持部と前記操作レバーを貫通して椅子の背フレームに係止する1本の連結シャフトを備えることを特徴とする椅子用ガススプリング。
  2. 前記操作レバーは前記バルブを操作するカム部を有していると共に、前記カム部に長孔を形成し、前記長孔に前記連結シャフトを貫通させて前記操作レバーの揺動角度を制限することを特徴とする請求項1記載の椅子用ガススプリング。
  3. 前記操作レバーを前記バルブを押圧する第1の位置又は前記バルブを解放する第2の位置に保持する位置保持手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の椅子用ガススプリング。
  4. 前記カム部と前記バルブとの間に介在されると共に前記カム部の押圧により揺動して前記バルブを押圧操作する介在レバーを備えると共に、前記レバー支持部にスリットと、前記スリットに連続し且つ前記スリットの幅よりも大径の孔部を設け、前記介在レバーの支持軸を前記スリットに通して前記孔部に挿入することで前記介在レバーを前記レバー支持部に揺動可能に取り付け、前記支持軸の横断面形状は前記スリットの幅よりも短い短軸と前記スリットの幅よりも長い長軸を有しており、前記長軸を前記スリットの長さ方向に配置した状態で前記支持軸を前記スリットに通して前記孔部に挿入し、前記バルブの操作時には前記長軸を前記スリットに対向させて前記支持軸が前記孔部から外れるのを防止することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の椅子用ガススプリング。
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